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特許7473204オキサゾリジノン抗生物質化合物及び調製方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】オキサゾリジノン抗生物質化合物及び調製方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 519/00 20060101AFI20240416BHJP
   A61K 31/5383 20060101ALI20240416BHJP
   A61K 31/542 20060101ALI20240416BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20240416BHJP
   A61P 31/10 20060101ALI20240416BHJP
   A61P 31/12 20060101ALI20240416BHJP
   A61P 33/02 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
C07D519/00 301
C07D519/00 CSP
A61K31/5383
A61K31/542
A61P31/04
A61P31/10
A61P31/12
A61P33/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020551981
(86)(22)【出願日】2019-03-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-08-10
(86)【国際出願番号】 IN2019050252
(87)【国際公開番号】W WO2019186590
(87)【国際公開日】2019-10-03
【審査請求日】2022-03-07
(31)【優先権主張番号】201841011765
(32)【優先日】2018-03-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518411501
【氏名又は名称】バグワークス・リサーチ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】シャフル・ハミード・ピア・モハメド
(72)【発明者】
【氏名】ナガクマール・バラサム
(72)【発明者】
【氏名】ナイネシュ・カタギハリマス
(72)【発明者】
【氏名】スリーヴァリ・シャルマ
(72)【発明者】
【氏名】ラダ・ナンディシャイア
(72)【発明者】
【氏名】ヴァサンティ・ラマチャンドラン
【審査官】神谷 昌克
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-512401(JP,A)
【文献】特表2010-523645(JP,A)
【文献】国際公開第2017/199265(WO,A1)
【文献】特表2014-525396(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物
【化1】
又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物
[式中、R1は、C1~6アルキルから選択され
R 2 は、水素及びハロゲンから選択され、
R3は、水素であり
X1は、N又はCR4であり、
R4は、水素であり
X2は、N又はCR5であり、
R5は、水素であり
n1は、0であり、n2は、1又は2であり、
R6は、水素であり
Y1及びY2は、N又はCR7から独立に選択され、
R7は、水素であり
Z1は、O及びSから選択される]。
【請求項2】
R1が、C1~4アルキルから選択され
R 2 が、水素、フルオロ及びクロロから選択され、
R3が、水素であり
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素であり
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素であり
R6が、水素であり
n1が、0であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素であり
Z1が、O及びSから選択される、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物。
【請求項3】
R1が、CH3 及びCH2CH 3 ら選択され、
R2が、水素、フルオロ及びクロロから選択され、
R3が、水素であり
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素であり
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素であり
R6が、水素であり
n1が、0であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素であり
Z1が、O及びSから選択される、
請求項1に記載の化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物。
【請求項4】
【化2】
6-(5-(2-((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)エチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物1)、
【化3】
6-(5-(2-((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)エチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物2)、
【化4】
(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物3)、
【化5】
(R)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物4)、
【化6】
(S)-6-(5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物5)、
【化7】
(R)-6-(5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物6)、
【化8】
(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物7)、
【化9】
(R)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物8)、
【化10】
(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物9)、
【化11】
(S)-6-(5-(((2-((7-フルオロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物10)、
【化12】
(S)-6-(5-(((2-((4-エチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物11)、
【化13】
(S)-6-(5-(((2-((7-クロロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物12)、
【化14】
(S)-5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(化合物13)、
【化15】
(S)-5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(化合物14)
からなる群から選択される、請求項1に記載の化合物、又はその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物を調製する方法であって、少なくとも1つの還元剤及び吸着剤の存在下で式(A)及び式(B)を反応させて、式Iの化合物を得る工程を含む、方法
【化16】
[式中、式(A)のR1が、C1~6アルキルから選択され
R 2 が、水素及びハロゲンから選択され、X1が、N又はCR4であり、R3が、水素であり、R4が、水素であり、X2が、N又はCR5であり、R5が、水素であり、n 1 が、0であり、R6が、水素であり、式(B)のY1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、R7が、水素であり、Z1が、O及びSから選択され、n2が、1又は2である]。
【請求項6】
少なくとも1つの還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
吸着剤が、モレキュラーシーブ、シリカゲル、ゼオライト、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、活性炭、及びそれらの組合せからなる群から選択される、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
医薬として使用するための、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物。
【請求項9】
細菌、ウイルス、真菌及び原生動物からなる群から選択される微生物の殺滅又は成長の阻害において使用するための、請求項1から4及び8のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物。
【請求項10】
グラム陽性菌又はグラム陰性菌によって引き起こされた細菌感染症の処置において使用するための、請求項1から48及び9のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物。
【請求項11】
グラム陽性病原体及びグラム陰性病原体からなる群から選択される微生物によって引き起こされる患者の疾患又は状態の処置において使用するための、請求項1から4及び8から10のいずれか一項に記載の化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物。
【請求項12】
請求項1から4及び8から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物を、薬学的に許容される担体と一緒に含む、医薬組成物。
【請求項13】
請求項1から4及び8から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物を、薬学的に許容される担体と一緒に、少なくとも1つの抗生物質と組み合わせて含む、医薬組成物。
【請求項14】
細菌、ウイルス、真菌及び原生動物からなる群から選択される微生物の殺滅又は成長の阻害における医薬の製造における、請求項1から4及び8から11のいずれか一項に記載の式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、互変異性体及びラセミ混合物の使用。
【請求項15】
細菌感染症の処置における医薬の製造のための、請求項1から4及び8から11のいずれか一項に記載の化合物の使用。
【請求項16】
細菌感染症が、グラム陽性病原体又はグラム陰性病原体によって引き起こされる、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
細菌感染症が、大腸菌、緑膿菌、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、エンテロバクター・クロアカ、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、エンテロコッカス・フェシウム、レジオネラ・ニューモフィラ、マイコプラズマ・ニューモニエ、アシネトバクター・ヘモリティカス、アシネトバクター・ジュニイ、アシネトバクター・ルオフィイ、バークホルデリア・セパシア、クラミドフィラ・ニューモニエ、クロストリジウム・ディフィシル、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカ、モラクセラ・カタラーリス、ナイセリア・ゴノレア、髄膜炎菌、プロテウス・ミラビリス、プロテウス・ハウセリ、シトロバクター・フロインデイ、シトロバクター・コセリ、シトロバクター・ブラーキー、霊菌、クレブシエラ・オキシトカ、モルガン菌、ピロリ菌、又は結核菌によって引き起こされる、請求項16に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、医薬化学分野に関し、より具体的には、グラム陰性病原体及びグラム陽性病原体の範囲を含む細菌、ウイルス、真菌及び原生動物に対して有効な抗菌性化合物の開発に関する。本開示は、式Iの化合物、その立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体、並びに活性成分としてそれらを含有する医薬組成物に関する。本開示は更に、高い抗菌活性を示す前述の化合物の合成及び特徴付けに関する。
【0002】
本開示の化合物は、微生物によって媒介される疾患及び状態の処置、防止又は抑制のための医薬として、またその医薬の製造において使用するのに有用である。本開示はまた、微生物によって引き起こされた感染症を処置するための証拠を提供する。
【背景技術】
【0003】
薬物耐性細菌の増加は、まさに最終手段である抗生物質に対する感染耐性の出現と共に、現代医学にとってますます脅威になっている。その状況は、近年、抗生物質の乱用及び薬物研究の削減によって悪化しつつある。一般に、細菌性病原体は、グラム陽性病原体又はグラム陰性病原体のいずれかとして分類されうる。グラム陽性病原体及びグラム陰性病原体の両方に対して有効な活性を有する抗生物質化合物は、幅広い活性を有するとみなされる。細菌感染症を処置し、防止するために使用されている現在の抗菌薬は、限られた効果しかないことが見出されている。更に、現在利用可能な抗生物質を用いる処置に耐性を示す細菌感染症に対して有効性が改善されているか、又は標的微生物に対して選択性を有する、耐性を生じる潜在的可能性が低く、強力な抗菌活性を有する新しい化合物を、絶えず同定する必要がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】国際公開第2017199265号
【文献】国際公開第2018225097号
【非特許文献】
【0005】
【文献】Remington's Pharmaceutical Sciences (第21版、2005、University of the sciences in Philadelphia、Lippincott William & Wilkins)
【文献】Comprehensive Medicinal Chemistryの第5巻、第25.3章(Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board)、Pergamon Press 1990
【文献】Jerry March and Michael SmithによるAdvanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons 2001出版
【文献】T.W. Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons、1991出版
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述のことから、細菌感染症を処置し、防止するために現況技術で使用されている化合物は、限られた効果しかないと見出されていることが明らかである。更に、耐性を生じる潜在的可能性が低いか、現在利用可能な抗生物質を用いる処置に対して耐性を示す細菌感染症に対して有効性が改善されているか、又は標的微生物に対して予期外の選択性を有する、抗菌活性が改善された新しい化合物を絶えず同定する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、式Iの化合物(以下参照)が、有利な抗菌特性を示すという驚くべき発見に基づく。したがって、本開示は、式Iの化合物
【化1】
又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を提供する
[式中、R1は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6アミノシクロアルキル、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8は、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R3は、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1は、N又はCR4であり、
R4は、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2は、N又はCR5であり、
R5は、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
n1は、0又は1であり、n2は、1又は2であり、
R6は、水素、C1~6アルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Y1及びY2は、N又はCR7から独立に選択され、
R7は、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1は、O、S、NH、又はCH2から選択される]。
【0008】
本開示は更に、細菌、ウイルス、真菌及び原生動物からなる群から選択される微生物の殺滅又は成長の阻害において使用するための、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0009】
本開示は更に、細菌、ウイルス、真菌及び原生動物からなる群から選択される微生物の殺滅又は成長の阻害における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体の使用に関する。
【0010】
本開示は更に、グラム陽性病原体及びグラム陰性病原体からなる群から選択される微生物によって引き起こされる患者の疾患又は状態の処置において使用するための、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0011】
本開示は更に、グラム陽性病原体及びグラム陰性病原体からなる群から選択される微生物によって引き起こされる患者の疾患又は状態の処置における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体の使用に関する。患者は、典型的に哺乳動物、好ましくはヒトである。
【0012】
本開示は更に、対象におけるグラム陽性病原体及びグラム陰性病原体からなる群から選択される微生物によって引き起こされた細菌感染症又は状態を処置する方法であって、対象に、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を投与する工程を含む方法に関する。
【0013】
本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、担体と一緒に含む組成物に関する。
【0014】
本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、薬学的に許容される担体と一緒に、任意選択により他の1つ又は複数の医薬組成物と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0015】
本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を調製する方法に関する。
【0016】
本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、担体と一緒に含む組成物を調製する方法に関する。
【0017】
本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、薬学的に許容される担体と一緒に、任意選択により他の1つ又は複数の医薬組成物と組み合わせて含む医薬組成物を調製する方法に関する。
【0018】
本発明の主題のこれら及び他の特色、態様、及び利点は、以下の説明を参照することによって更に理解されよう。この概要は、概念の選択を簡略化形態で導入するために提供される。この概要は、本開示の非常に重要な特色又は必須の特色を同定することを企図するものではなく、その主題の範囲を制限するために使用されることを企図するものでもない。
【発明を実施するための形態】
【0019】
当業者は、本開示に、具体的に記載されるもの以外の変更及び修正が加えられることを認識されよう。本開示は、このようなあらゆる変更及び修正を含むことを理解されたい。本開示はまた、本明細書において言及されるか、又は示される、このようなあらゆる工程、特色、組成物及び化合物を、個々に又はまとめて含み、このような工程又は特色のいずれか又は複数の任意のあらゆる組合せを含む。
【0020】
定義
便宜上、本開示を更に説明する前に、本明細書及び実施例で用いられるある特定の用語を、ここにまとめる。これらの定義は、本開示の残部に照らして、当業者によって理解される通りに解釈されるべきである。本明細書で使用される用語は、当業者に認識され、知られている意味を有するが、便宜上、完全を期すために、特定の用語及びそれらの意味を、以下に記載する。
【0021】
冠詞「a」、「an」及び「the」は、その冠詞の文法的目的語の1つ又は2つ以上(すなわち、少なくとも1つ)を指すために使用される。
【0022】
「含む(comprise)」及び「含む(comprising)」という用語は、包括的で広い意味で使用され、追加の要素が含まれうることを意味する。本明細書を通して、文脈によって別段必要とされない限り、「含む(comprise)」という用語、並びに「含む(comprises)」及び「含む(comprising)」等の変形は、記載される要素若しくは工程、又は要素若しくは工程の群を含むが、任意の他の要素若しくは工程、又は要素若しくは工程の群を排除しないことを含意することを理解されよう。
【0023】
「含む(including)」という用語は、「含むが、それらに限定されない」を意味するために使用される。「含む(including)」及び「含むが、それらに限定されない」は、交換可能に使用される。
【0024】
本明細書において本開示を通して示される構造式では、以下の用語は、別段具体的に記載されない限り、示される意味を有する。
【0025】
本明細書では、用語において使用される接頭辞Cx~y、例えばCx~yアルキル等(ここで、x及びyは、整数である)は、その基に存在する炭素原子の数値範囲を示し、例えば、C1~6アルキルには、C1アルキル(メチル)、C2アルキル(エチル)、C3アルキル(プロピル及びイソプロピル)及びC4アルキル(ブチル、1-メチルプロピル、2-メチルプロピル、及びt-ブチル)が含まれる。具体的に記載されない限り、基の結合原子は、その基の任意の適切な原子であってよく、例えば、プロピルには、プロパ-1-イル及びプロパ-2-イルが含まれる。
【0026】
「アルキル」という用語は、1~6個の炭素原子を有するモノラジカルの分岐又は非分岐の飽和炭化水素鎖を指す。この用語は、例えばn-ブチル、イソ-ブチル、t-ブチル、n-ヘキシル等の基によって例示される。それらの基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0027】
「ハロアルキル」という用語は、本明細書で使用される場合、1つ又は複数の水素原子が、同数の同じ又は異なるハロゲン原子によって置き換えられている、アルキル基を指す。「ハロアルキル」という用語は、クロロメチル、トリフルオロメチル、1-フルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル等の基によって例示される。
【0028】
「アルキレン」という用語は、1~6個の炭素原子を有するジラジカルの分岐又は非分岐の飽和炭化水素鎖を指す。この用語は、例えばメチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、へキシレン等の基によって例示される。それらの基は、任意選択により置換されていてもよい。代表的な置換アルキレン基には、ヒドロキシル置換アルキレンが含まれる。
【0029】
「アルケニル」という用語は、好ましくは2個、3個、4個、5個又は6個の炭素原子を有し、1個、2個又は3個の二重結合(ビニル)、好ましくは1個の二重結合を有する、分岐又は非分岐の不飽和炭化水素基のモノラジカルを指す。それらの基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0030】
「シクロアルキル」という用語は、部分的に不飽和でありうる単一の環式環又は複数の縮合環を有する3~6個の炭素原子の炭素環式基を指す。このようなシクロアルキル基には、例えば、単一の環構造、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル等、又はアリール基が縮合する複数の環構造若しくは炭素環式基、例えばインダン等が含まれる。それらの基は、任意選択により置換されていてもよい。
【0031】
「アルコキシル」又は「アルコキシ」という用語は、酸素ラジカルが結合している、先に定義されるアルキル基を指す。代表的なアルコキシル基には、メトキシ、エトキシ、プロピルオキシ、tert-ブトキシ等が含まれる。「エーテル」は、酸素によって共有結合により連結した2個の炭化水素である。したがって、アルキルをエーテルにする、そのアルキルの置換基は、-O-アルキル、-O-アルケニル、-O-アルキニルの1つによって表されうるように、アルコキシルであるか、又はアルコキシルに類似している。
【0032】
単独の、又は任意の他の用語と組み合わせられる「ハロ」又は「ハロゲン」は、クロロ(Cl)、フルオロ(F)、ブロモ(Br)、及びヨード(I)等のハロゲンを意味する。
【0033】
「カルボシクリル」又は「炭素環」という用語は、4~7個の炭素原子を有する単環としての飽和、不飽和環を指す。代表的な炭素環には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-1-エニル、1-シクロペンタ-2-エニル、1-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-1-エニル、1-シクロヘキサ-2-エニル、1-シクロヘキサ-3-エニル等が含まれる。
【0034】
「ヘテロシクリル」という用語は、1つ又は複数の炭素原子が、O、N、又はSから選択されるヘテロ原子で置き換えられている、本明細書で定義される通りの「カルボシクリル」を指す。
【0035】
「ハロアルキル」という用語は、分子の残部にハロ連結を介して結合している、先に定義される通りのアルキル基を指す。例えば、C1~6ハロアルキルは、分子の残部にハロ連結を介して結合している、1~6個の炭素原子又は1~4個の炭素原子を有するアルキル基を指す。好ましいハロアルキル基には、-CH2Cl、-CHCl2等が含まれるが、それらに限定されない。
【0036】
「ハロアルコキシ」という用語は、ハロ連結を介して更に結合している、先に定義される通りのアルコキシ基を指す。例えば、C1~6ハロアルコキシは、ハロ連結を介して更に結合している、1~6個の炭素原子又は1~3個の炭素原子を有するアルコキシ基を指す。好ましいハロアルコキシ基には、-OCH2Cl、-OCHCl2等が含まれるが、それらに限定されない。
【0037】
本明細書で使用される場合、「置換されている」という用語は、有機化合物のすべての許容できる置換基を含むことを企図する。広範な一態様では、許容できる置換基には、有機化合物の非環式及び環式の、分岐及び非分岐の、炭素環式及び複素環式の、芳香族及び非芳香族置換基が含まれる。例示的な置換基には、例えば、本明細書で先に記載されるものが含まれる。許容できる置換基は、適切な有機化合物のための1つ又は複数の、同じ又は異なる置換基でありうる。本開示の目的では、窒素等のヘテロ原子は、ヘテロ原子の価数を満たす、本明細書に記載される有機化合物の水素置換基及び/又は任意の許容できる置換基を有することができる。
【0038】
「有効量」という用語は、処置される症状及び/又は状態を、著しくプラスに修正する(例えば、プラスの臨床応答をもたらす)のに十分な、化合物又は組成物の量を意味する。医薬組成物において使用するための活性成分の有効量は、処置される特定の状態、状態の重症度、処置期間、併用療法の性質、用いられる特定の活性成分、利用される薬学的に許容される特定の賦形剤/担体、投与経路、並びに担当医の知識及び専門技術に含まれる類似の因子によって変わる。
【0039】
本明細書に記載される化合物は、1つ又は複数のキラル中心及び/又は二重結合を含有することができ、したがって、立体異性体、例えば二重結合異性体(すなわち、幾何異性体)、位置異性体、鏡像異性体又はジアステレオマーとして存在しうる。したがって、本明細書で図示される化学構造は、例示されるか、又は同定される化合物の、立体異性的に純粋な形態(例えば、幾何的に純粋、鏡像異性的に純粋又はジアステレオマー的に純粋)、並びに鏡像異性体及び立体異性体の混合物を含む、あらゆる可能な鏡像異性体及び立体異性体を包含する。鏡像異性体及び立体異性体の混合物は、当業者に周知の分離技術又はキラル合成技術を使用して、それらの構成成分である鏡像異性体又は立体異性体に分解されうる。化合物はまた、エノール形態、ケト形態及びそれらの混合物を含むいくつかの互変異性体の形態で存在しうる。したがって、本明細書に図示される化学構造は、例示されるか、又は同定される化合物のあらゆる可能な互変異性体の形態を包含する。
【0040】
「薬学的に許容される」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なしにヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適した、妥当な損益比に見合う、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を指す。
【0041】
「薬学的に許容される塩」は、薬学的に許容される酸又は塩基を含む塩を包含する。薬学的に許容される酸には、無機酸、例えば塩酸、硫酸、リン酸、二リン酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸及び硝酸と、有機酸、例えばクエン酸、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン酸、シュウ酸、コハク酸、酒石酸、安息香酸、酢酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸又はp-トルエンスルホン酸の両方が含まれる。薬学的に許容される塩基には、アルカリ金属(例えばナトリウム又はカリウム)及びアルカリ土類金属(例えばカルシウム又はマグネシウム)水酸化物及び有機塩基、例えばアルキルアミン、アリールアルキルアミン及び複素環式アミンが含まれる。
【0042】
多くの場合において本明細書で論じられる化合物は、ACD/Labs(登録商標)によるACD/名称及び/又はCambridgeSoft(登録商標)によるChemdrawを用いて命名され、且つ/又はチェックされたものでありうる。
【0043】
「多形」という用語は、同じ分子の結晶系を指し、異なる多形は、結晶格子における分子の配置又は立体構造の結果として、例えば融解温度、融合熱、溶解度、溶解速度及び/又は振動スペクトル等の異なる物理的特性を有することができる。
【0044】
薬学的に許容されない対イオン又は関連する溶媒を有する塩及び溶媒和物は、例えば、式Iの他の化合物、及びそれらの薬学的に許容される塩の調製における中間体として使用するために、本開示の範囲内にある。したがって、本開示の一実施形態は、式Iの化合物、及びその塩を包含する。式Iによる化合物は、塩基性官能基を含有し、したがって、適切な酸を用いる処理によって薬学的に許容される酸付加塩を形成することができる。適切な酸には、薬学的に許容される無機酸及び薬学的に許容される有機酸が含まれる。代表的な薬学的に許容される酸付加塩には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、メチル硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、スルファミン酸塩、リン酸塩、酢酸塩、ヒドロキシ酢酸塩、フェニル酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、イソ-酪酸塩、吉草酸塩、マレイン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、アクリル酸塩、フマル酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、サリチル酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、ヘプタン酸塩、フタル酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、o-アセトキシ安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、ナフト酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、マンデル酸塩、タンニン酸塩、ギ酸塩、ステアリン酸塩、アスコルビン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、ピルビン酸塩、パモ酸塩、マロン酸塩、ラウリン酸塩、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、エストレート、メタンスルホン酸塩(メシレート)、エタンスルホン酸塩(エシレート)、2-ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、アミノベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩(トシレート)、及びナフタレン-2-スルホン酸塩が含まれる。
【0045】
「溶媒和物」という用語は、本明細書で使用される場合、溶媒を含有する物質の結晶形を指す。
【0046】
「錯体」という用語は、本明細書で使用される場合、「配位錯体」又は「金属配位錯体」等と交換可能に使用することができる。錯体は、生理化学的特性及び/又は分光学的特性に基づいて、有機化合物の単純金属塩とは経験的に区別することができる金属との有機化合物の錯体を指し、配位錯体は、典型的に塩と比較して増強された共有結合能を有する。「錯体」はまた、本明細書で使用される場合、配位共有結合及び/又はイオン結合の組合せを含むが、それらに限定されない。本明細書で使用される場合、「錯体」という用語はまた、イオン構成成分が欠如している分子(例えば、配位錯体のpKaが生理的に許容される範囲内に含まれる、脱プロトン化前の中性配位錯体等)を含む。
【0047】
「水和物」という用語は、溶媒が水である溶媒和物を指す。
【0048】
用語が記載されると、その用語には、本開示を通して同じ意味が適用される。
【0049】
背景部分に論じられる通り、耐性を生じる潜在的可能性が低く、細菌感染症に対して有効性が改善されている、抗菌活性が改善された新しい化合物の特定及び開発は、現在利用可能な抗生物質の領域に新しい機会を切り開くはずである。
【0050】
本開示は、式Iの化合物
【0051】
【化2】
【0052】
又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する
[式中、R1は、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6アミノシクロアルキル、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8は、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2は、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R3は、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1は、N又はCR4であり、R4は、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2は、N又はCR5であり、R5は、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
n1は、0又は1であり、
n2は、1又は2であり、
R6は、水素、C1~6アルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Y1及びY2は、N又はCR7から独立に選択され、R7は、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1は、O、S、NH、又はCH2から選択される]。
【0053】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6アミノシクロアルキル、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2が、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、又はC1~6アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
n1が、0又は1であり、
n2が、1又は2であり、
R6が、水素、C1~6アルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0054】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6アミノシクロアルキル、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2が、水素、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
n1が、0又は1であり、
n2が、1又は2であり、
R6が、水素、C1~6アルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0055】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6アミノシクロアルキル、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
n1が、0又は1であり、
n2が、1又は2であり、
R6が、水素、C1~6アルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0056】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシ、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6アミノシクロアルキル、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、ヒドロキシル、C1~6アルコキシ、C1~4ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
n1が、0又は1であり、
n2が、1又は2であり、
R6が、水素、C1~6アルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0057】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C3~6アミノシクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1~4アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択され、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0058】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C3~6アミノシクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1~4アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0059】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、O-PO3H2、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C3~6アミノシクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1~4アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又は1-6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0060】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C3~5シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C3~5シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、SO3H、O-PO3H2、COOR8、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C3~6アミノシクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1~4アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0061】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C3~5シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~4アルキル、C2~4アルケニル、C3~5シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、O-PO3H2、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C3~6アミノシクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1~2アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1~4アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0062】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、O-PO3H2、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C3~6アミノシクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0063】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~4アルキル、C2~6アルケニル、C3~4シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又は4~7員の飽和カルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~4アルキル、C1~4ハロアルキル、C3~5シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、及び4~7員の飽和カルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、O-PO3H2、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4ハロアルコキシ、C3~5シクロアルキル、C3~5シクロアルキルアミノ、C3~5シクロアルキルヒドロキシ、C3~5アミノシクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0064】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~3アルキル、C2~6アルケニル、C3~4シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又は4~6員の飽和カルボシクリル又はヘテロシクリル環から選択され、ヘテロシクリル環は、O又はNから独立に選択される2個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~3アルキル、C2~6アルケニル、C3~4シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、及び4~6員の飽和カルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4ハロアルコキシ、C3~5シクロアルキル、C3~5シクロアルキルアミノ、C3~5シクロアルキルヒドロキシ、C3~5アミノシクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又はO若しくはNから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~6員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0065】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~3アルキル、C2~6アルケニル、C3~4シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又は4~6員の飽和カルボシクリル又はヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O又はNから独立に選択される2個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~3アルキル、C2~6アルケニル、C3~4シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、及び4~6員の飽和カルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C1~4ハロアルコキシ、C3~5シクロアルキル、C3~5シクロアルキルアミノ、C3~5シクロアルキルヒドロキシ、C3~5アミノシクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又はO若しくはNから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~6員の飽和又は不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0066】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、C1~3アルキル、C2~6アルケニル、C3~4シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又は4~6員の飽和カルボシクリル又はヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O又はNから独立に選択される2個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~3アルキル、C2~6アルケニル、C3~4シクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、及び4~6員の飽和カルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、C1~4アルキル、C1~4アルコキシ、C3~5シクロアルキル、C3~5シクロアルキルアミノ、C3~5シクロアルキルヒドロキシ、C3~5アミノシクロアルキル、C1~4アルキルアミノ、又はO若しくはNから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~6員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、
R2が、水素、フルオロ、C1アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0067】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、CH3、CH2CH3、CH2OCH3、CH(CH3)2、シクロプロピル、シクロブチル、CH2CF3、CH2CHFCH3、CH2CF2CH3、CH2CH(OH)CH3、CH2CH2OH、CH2CH2OCH3、CH2CH(OCH3)CH3、CH2CH2NH2、CH2CH2NHCH3、CH2CH(NH2)CH3、CH2CH2N(CH3)2、CH2CHFCH2NH2、CH2CF2CH2NH2
【0068】
【化3】
【0069】
から選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、C1アルコキシ、シアノ、ヒドロキシル、又はC1-アルキルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、C1アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択され、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0070】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、CH3、CH2CH3、CH2OCH3、CH(CH3)2、シクロプロピル、シクロブチル、CH2CF3、CH2CHFCH3、CH2CF2CH3、CH2CH(OH)CH3、CH2CH2OH、CH2CH2OCH3、CH2CH(OCH3)CH3、CH2CH2NH2、CH2CH2NHCH3、CH2CH(NH2)CH3、CH2CH2N(CH3)2、CH2CHFCH2NH2、CH2CF2CH2NH2
【0071】
【化4】
【0072】
から選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、メトキシ、メチル、シアノ又はヒドロキシルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、COOH、CH2COOH、CH2OH、CH2NH2、CH(CH3)NH2、CH2NHCH3、CH2NHCH2CH2OH、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0073】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、独立に、CH3、CH2CH3、CH2OCH3、CH(CH3)2、シクロプロピル、CH2CH(OH)CH3、CH2CH2OH、CH2CH2OCH3、CH2CH2NH2、CH2CH2NHCH3、CH2CH(NH2)CH3、CH2CH2N(CH3)2
【0074】
【化5】
【0075】
からなる群から選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、メトキシ、メチル、シアノ又はヒドロキシルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、メトキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、COOH、CH2COOH、CH2OH、CH2NH2、CH(CH3)NH2、CH2NHCH3、CH2NHCH2CH2OH、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0076】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、独立に、CH3、CH2CH3、CH2OCH3、CH(CH3)2、シクロプロピル、CH2CH(OH)CH3、CH2CH2OH、CH2CH2OCH3、CH2CH2NH2、CH2CH2NHCH3、CH2CH(NH2)CH3、CH2CH2N(CH3)2
【0077】
【化6】
【0078】
からなる群から選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、又はヒドロキシルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、COOH、CH2NH2、CH(CH3)NH2、CH2NHCH3、CH2NHCH2CH2OH、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R6が、水素又はC1アルキルから選択され、
n1が、0又は1であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0079】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、独立に、CH3、CH2CH3、CH2OCH3、CH(CH3)2、シクロプロピル、CH2CH(OH)CH3
【0080】
【化7】
【0081】
からなる群から選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、又はヒドロキシルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、COOH、CH2NH2、CH(CH3)NH2、CH2NHCH3、CH2NHCH2CH2OH、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R6が、水素から選択され、
n1が、0であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0082】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、独立に、CH3、CH2CH3、CH2OCH3、CH(CH3)2、シクロプロピル、CH2CH(OH)CH3
【0083】
【化8】
【0084】
からなる群から選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、又はヒドロキシルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素、シアノ、COOH、CH2NH2、CH(CH3)NH2、CH2NHCH3、CH2NHCH2CH2OH、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、
R6が、水素から選択され、
n1が、0であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素、ハロゲン、又はC1~6アルキルから選択され、
Z1が、O、S、又はCH2から選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0085】
一実施形態によれば、本開示は、
R1が、独立に、CH3、CH2CH3、CH(CH3)2、シクロプロピル、CH2OCH3、CH2CH(OH)CH3
【0086】
【化9】
【0087】
からなる群から選択され、
R2が、水素、フルオロ、クロロ、シアノ、又はヒドロキシルから選択され、
R3が、水素、フルオロ、又はアミノから選択され、
X1が、N又はCR4であり、
R4が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
X2が、N又はCR5であり、
R5が、水素又はC1~6アルキルから選択され、
R6が、水素から選択され、
n1が、0であり、n2が、1又は2であり、
Y1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、
R7が、水素から選択され、
Z1が、O、又はSから選択される、
式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0088】
一実施形態によれば、本開示は、式中、X1が、N、CH、又はC(CH3)である、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0089】
一実施形態によれば、本開示は、式中、X2がN又はCHである、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0090】
一実施形態によれば、本開示は、式中、R1がCH3、CH2CH3、CH2CH2OH、又はCH2OCH3から選択される、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0091】
一実施形態によれば、本開示は、R2及びR3が、独立に、水素、フルオロ、クロロ、又はヒドロキシから選択される、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0092】
一実施形態によれば、本開示は、R6が、Hである、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0093】
一実施形態によれば、本開示は、Y1が、CH又はNである、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0094】
一実施形態によれば、本開示は、Y2が、CHである、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0095】
一実施形態によれば、本開示は、Z1が、O、又はSから選択される、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0096】
一実施形態によれば、本開示は、n1が、0である、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0097】
一実施形態によれば、本開示は、n2が、1又は2である、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0098】
一実施形態によれば、本開示は、
【0099】
【化10】
【0100】
6-(5-(2-((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)エチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物1)、
【0101】
【化11】
【0102】
6-(5-(2-((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)エチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物2)、
【0103】
【化12】
【0104】
(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物3)、
【0105】
【化13】
【0106】
(R)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物4)、
【0107】
【化14】
【0108】
(S)-6-(5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物5)、
【0109】
【化15】
【0110】
(R)-6-(5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物6)、及び
【0111】
【化16】
【0112】
(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物7)、
【0113】
【化17】
【0114】
(R)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物8)、
【0115】
【化18】
【0116】
(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物9)、
【0117】
【化19】
【0118】
(S)-6-(5-(((2-((7-フルオロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物10)、
【0119】
【化20】
【0120】
(S)-6-(5-(((2-((4-エチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物11)、
【0121】
【化21】
【0122】
(S)-6-(5-(((2-((7-クロロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(化合物12)、
【0123】
【化22】
【0124】
(S)-5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(化合物13)、
【0125】
【化23】
【0126】
(S)-5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(化合物14)
からなる群から選択される、式Iの化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0127】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を調製する方法であって、少なくとも1つの還元剤及び吸着剤の存在下で式(A)及び式(B)を反応させて、式Iの化合物を得る工程を含む方法に関する。
【0128】
【化24】
【0129】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を調製する方法であって、少なくとも1つの還元剤及び吸着剤の存在下で式(A)及び式(B)を反応させて、式Iの化合物を得る工程を含み、式(A)のR1が、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、又は4~7員の飽和若しくは不飽和のカルボシクリル若しくはヘテロシクリル環から選択され、ここで、ヘテロシクリル環は、O、N、又はSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されており、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C3~6シクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アミノアルキレン、及び4~7員の飽和又は不飽和のカルボシクリル又はヘテロシクリル環は、ハロゲン、アミノ、ヒドロキシル、SO3H、O-PO3H2、COOR9、CONHR8、SO2NHR8、メチルスルホン、C1~6アルキル、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、C3~6シクロアルキル、C3~6シクロアルキルアミノ、C3~6シクロアルキルヒドロキシ、C3~6アミノシクロアルキル、C1~6アルキルアミノ、又はO、N若しくはSから独立に選択される3個までのヘテロ原子で任意選択により置換されている3~7員の飽和若しくは不飽和のヘテロシクリル環から独立に選択される1~3個の基で任意選択により置換されており、R8が、水素又はC1~6アルキルから選択され、R2が、水素、フルオロ、シアノ、C1~6アルコキシ、又はヒドロキシルから選択され、X1が、N又はCR4であり、R3が、水素、C1~6アルキル、フルオロ、C1~6アルコキシ、ヒドロキシル、又はアミノから選択され、R4が、水素、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、X2が、N又はCR5であり、R5が、水素、シアノ、C1~6アルキル、C1~6アルキルアミノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルコキシ、又はCOOHから選択され、ここで、C1~6アルキル及びC1~6アルキルアミノは、COOH、ヒドロキシル、アミノ、又はC1~6アルキルから選択される1つ又は複数の基で任意選択により置換されており、n1が、0~2であり、R6が、水素又はC1~6アルキルから選択され、式(B)のY1及びY2が、N又はCR7から独立に選択され、R7が、水素、ハロゲン、シアノ、C1~6アルコキシ、C1~6ハロアルキル、C1~6ハロアルコキシ、又はC1~6アルキルから選択され、Z1が、O、S、NH、又はCH2から選択され、n2が、1又は2である、方法に関する。
【0130】
一実施形態によれば、本開示は、少なくとも1つの還元剤が、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム、及びそれらの組合せからなる群から選択される、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を調製する方法に関する。
【0131】
一実施形態によれば、本開示は、吸着剤が、モレキュラーシーブ、シリカゲル、ゼオライト、無水硫酸ナトリウム、無水硫酸マグネシウム、活性炭、及びそれらの組合せからなる群から選択される、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を調製する方法に関する。
【0132】
一実施形態によれば、本開示は、医薬として使用するための、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0133】
一実施形態によれば、本開示は、細菌、ウイルス、真菌及び原生動物からなる群から選択される微生物の殺滅又は成長の阻害において使用するための、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0134】
一実施形態によれば、本開示は、グラム陽性菌又はグラム陰性菌によって引き起こされた細菌感染症の処置において使用するための、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0135】
一実施形態によれば、本開示は、グラム陽性病原体及びグラム陰性病原体からなる群から選択される微生物によって引き起こされる患者の疾患又は状態の処置において使用するための、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0136】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、薬学的に許容される担体と一緒に含む医薬組成物に関する。
【0137】
一実施形態によれば、本開示は、微生物の成長を阻害するための医薬の調製において使用するための、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0138】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、薬学的に許容される担体と一緒に、少なくとも1つの抗生物質と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0139】
一実施形態によれば、本開示は、細菌、ウイルス、真菌及び原生動物からなる群から選択される微生物の殺滅又は成長の阻害における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0140】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体に関する。
【0141】
一実施形態によれば、本開示は、グラム陰性病原体及びグラム陽性病原体からなる群から選択される微生物によって引き起こされる患者の疾患又は状態の処置における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体の使用に関する。患者は、典型的に哺乳動物、好ましくはヒトである。
【0142】
一実施形態によれば、本開示は、グラム陰性病原体及びグラム陽性病原体からなる群から選択される微生物によって引き起こされる患者(patent)の疾患又は状態を処置する方法であって、患者に、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を投与する工程を含む方法に関する。
【0143】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又は薬学的に許容される酸若しくは塩基との式Iの化合物と付加塩を含む医薬に関する。これらの医薬は、治療において、特にグラム陽性種及びグラム陰性種に属する、キノロン耐性を含む薬物感受性細菌及び薬物耐性細菌の両方によって引き起こされた細菌感染症、特に大腸菌(Escherichia coli)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、サルモネラ・チフィ(Salmonella typhi)、サルモネラ・パラチフィ(Salmonella paratyphi)、サルモネラ・チフィムリウム(Salmonella typhimurium)、サルモネラ・エンテリティディス(Salmonella enteritidis)、志賀赤痢菌(Shigella dysenteriae)、シゲラ・フレックスネリ(Shigella flexneri)、シゲラ・ボイディ(Shigella boydii)、シゲラ・ソネイ(Shigella sonnei)、表皮ブドウ球菌(Staphylococcus epidermidis)、肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)、化膿性連鎖球菌(Streptococcus pygenes)、ステノトロホモナス・マルトフィリア(Stenotrophomonas maltophilia)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenza)、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、肺炎マイコプラズマ(Mycoplasma pneumonia)、アシネトバクター・ヘモリティカス(Acinetobacter haemolyticus)、アシネトバクター・ジュニイ(Acinetobacter junii)、アシネトバクター・ルオフィイ(Acinetobacter lwoffi)、バークホルデリア・セパシア(Burkholderia cepacia)、クラミドフィラ・ニューモニエ(Chlamydophila pneumoniae)、クロストリジウム・ディフィシル(Clostridium difficili)、エンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)、エンテロバクター・クロアカ(Enterobacter cloacae)、モラクセラ・カタラーリス(Moraxella catarrhalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、ナイセリア・ゴノレア(Neisseria gonorrhoeae)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)、アシネトバクター・バウマンニ(Acinetobacter baumannii)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、及び大便連鎖球菌(Enterococcus faecalis)/エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)によって引き起こされた細菌感染症の処置において使用できることが見出されている。
【0144】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて細菌種によって引き起こされた感染症の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体の使用に関する。
【0145】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて抗菌効果をもたらすための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体の使用に関する。
【0146】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて細菌種によって引き起こされた感染症を処置するための方法であって、前記動物に、有効量の式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与する工程を含む方法に関する。
【0147】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて抗菌効果をもたらすための方法であって、前記動物に、有効量の式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩を投与する工程を含む方法に関する。
【0148】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおける細菌感染症の処置及び/又は予防において使用するための、式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩に関する。
【0149】
一実施形態によれば、本開示は、ヒトを含む哺乳動物の治療的及び予防的処置のための、特に細菌種によって引き起こされた細菌感染症の処置における、式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩に関し、これは、普通は標準薬務に従って医薬組成物として製剤化される。
【0150】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体、並びに少なくとも1つの薬学的に許容される担体、希釈剤、又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
【0151】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて細菌種によって引き起こされた細菌感染症の処置のための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を含む医薬組成物の使用に関する。
【0152】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて抗菌効果をもたらすための医薬の製造における、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を含む医薬組成物の使用に関する。
【0153】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、薬学的に許容される担体と一緒に、少なくとも1つの抗生物質と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0154】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて細菌種によって引き起こされた感染症を処置するための方法であって、前記動物に、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を含む有効量の組成物を投与する工程を含む方法に関する。
【0155】
一実施形態によれば、本開示は、温血動物、例えばヒトにおいて抗菌効果をもたらすための方法であって、前記動物に、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を含む有効量の組成物を投与する工程を含む方法に関する。
【0156】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、薬学的に許容される担体と一緒に、任意選択により他の1つ又は複数の医薬組成物と組み合わせて含む医薬組成物に関する。
【0157】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体、並びに薬学的に許容される希釈剤又は担体を含む医薬組成物に関する。
【0158】
一実施形態によれば、本開示は、対象の細菌感染症を処置するための方法であって、対象に、有効量の式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を投与する工程を含む方法に関する。
【0159】
一実施形態によれば、本開示は、グラム陽性病原体又はグラム陰性病原体によって引き起こされる対象の細菌感染症を処置するための方法であって、対象に、有効量の式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を投与する工程を含む方法に関する。
【0160】
一実施形態によれば、本開示は、大腸菌、緑膿菌(Pusedomonas aurigenosa)、肺炎桿菌、アシネトバクター・バウマンニ、エンテロバクター・クロアカ、黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌、エンテロコッカス・フェシウム、レジオネラ・ニューモフィラ(Legionella pneumophila)、マイコプラズマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumonia)、アシネトバクター・ヘモリティカス、アシネトバクター・ジュニイ、アシネトバクター・ルオフィイ、バークホルデリア・セパシア、クラミドフィラ・ニューモニエ、クロストリジウム・ディフィシル、エンテロバクター・アエロゲネス、エンテロバクター・クロアカ、モラクセラ・カタラーリス、ナイセリア・ゴノレア、髄膜炎菌、プロテウス・ミラビリス(Proteus mirabilis)、プロテウス・ハウセリ(Proteus houseri)、シトロバクター・フレウンデイ(Citrobacter freundii)、シトロバクター・コセリ(Citrobacter kosari)、シトロバクター・ブラーキー(Citrobacter barakii)、霊菌(Seratia marcescens)、クレブシエラ・オキシトカ(Klebsiella oxytoca)、モルガン菌(Morganella morganii)、ピロリ菌(Helicobacter pyroli)、及び結核菌(Mycobacterium tuberculosis)によって引き起こされる対象の細菌感染症を処置するための方法であって、対象に有効量の式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を投与する工程を含む方法に関する。
【0161】
「薬学的に許容される」という用語は、正しい医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー応答、又は他の問題若しくは合併症なしにヒト及び動物の組織と接触させて使用するのに適した、妥当な損益比に見合う、化合物、材料、組成物、及び/又は剤形を含む。
【0162】
式Iの化合物は、安定な薬学的に許容される酸又は塩基塩を形成することができ、このような場合、化合物を塩として投与することが適している場合がある。酸付加塩の例として、酢酸塩、アジピン酸塩、アスコルビン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重炭酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、コリン、クエン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、ジエチレンジアミン、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、ヘミ硫酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、メグルミン、2-ナフタレンスルホン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、リン酸塩、二リン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、スルファミン酸、スルファニル酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩(p-トルエンスルホン酸塩)、トリフルオロ酢酸塩、及びウンデカン酸塩が挙げられる。塩基塩の例として、アンモニウム塩;アルカリ金属塩、例えばナトリウム塩、リチウム塩及びカリウム塩;アルカリ土類金属塩、例えばアルミニウム塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩;有機塩基との塩、例えばジシクロヘキシルアミン塩及びN10メチル-D-グルカミン;並びにアミノ酸、例えばアルギニン、リシン、オルニチンとの塩等が挙げられる。また、塩基性窒素含有基は、低級アルキルハロゲン化物、例えばメチル、エチル、プロピル、及びブチルハロゲン化物;ジアルキル硫酸塩、例えば硫酸ジメチル、ジエチル硫酸塩、ジブチル硫酸塩;ジアミル硫酸塩;長鎖ハロゲン化物、例えばデシルハロゲン化物、ラウリルハロゲン化物、ミリスチルハロゲン化物及びステアリルハロゲン化物;アリールアルキルハロゲン化物、例えばベンジル臭化物等の薬剤で四級化されうる。非毒性の生理的に許容される塩が好ましいが、生成物の単離又は精製等においては、他の塩も有用となりうる。
【0163】
塩は、従来の手段によって、例えば生成物の遊離塩基形態を、塩が不溶性の溶媒若しくは媒体において、又は真空中で除去される水等の溶媒において、1つ又は複数の当量の適切な酸と反応させることによって、或いは凍結乾燥させることによって、或いは適切なイオン交換樹脂上で既存の塩のアニオンを別のアニオンと交換することによって形成されうる。
【0164】
本開示の組成物は、経口使用(例えば、錠剤、ロゼンジ剤、硬質若しくは軟質カプセル、水性若しくは油性懸濁液、エマルジョン、分散性散剤若しくは顆粒剤、シロップ又はエリキシルとして)、局所使用(例えば、クリーム、軟膏、ゲル、又は水性若しくは油性溶液若しくは懸濁液として)、吸入投与(例えば、微粉砕散剤又は液体エアロゾルとして)、吹送投与(例えば、微粉砕散剤として)又は非経口投与(例えば、静脈内、皮下、筋肉内若しくは筋肉内投与のための滅菌水性若しくは油性溶液として、又は直腸投与のための坐剤として)に適した形態でありうる。
【0165】
本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、担体と一緒に含む組成物を調製する方法に関する。
【0166】
本開示は、式Iの化合物、又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体を、薬学的に許容される担体と一緒に、任意選択により他の1つ又は複数の医薬組成物と組み合わせて含む医薬組成物を調製する方法に関する。
【0167】
本開示の組成物は、従来の手順によって、当技術分野で周知の従来の医薬賦形剤を使用して得ることができる。したがって、経口使用を企図された組成物は、例えば、1つ又は複数の着色剤、甘味剤、香味剤及び/又は保存剤を含有しうる。
【0168】
錠剤製剤に適した薬学的に許容される賦形剤には、例えば、不活性希釈剤、例えばラクトース、炭酸ナトリウム、リン酸カルシウム又は炭酸カルシウム;造粒剤及び崩壊剤、例えばトウモロコシデンプン又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン;滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク;保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチル又はp-ヒドロキシ安息香酸プロピル;並びに抗酸化剤、例えばアスコルビン酸が含まれる。錠剤製剤は、コーティングされなくてもよく、或いはそれらの崩壊及び胃腸管内での活性成分のその後の吸収を修正するか、又はそれらの安定性及び/若しくは外観を改善するために、いずれかの場合も当技術分野で周知の従来のコーティング剤又は手順を使用して、コーティングされうる。
【0169】
経口使用のための組成物は、活性成分が不活性な固体希釈剤、例えば、炭酸カルシウム、リン酸カルシウム若しくはカオリンと混合される硬質ゼラチンカプセル剤の形態であってよく、又は活性成分が水若しくは油、例えばピーナッツ油、流動パラフィン若しくはオリーブ油と混合される軟質ゼラチンカプセル剤として存在することができる。
【0170】
水性懸濁液は、一般に、微粉化形態、又はナノ粒子若しくは微粒子化粒子の形態の活性成分を、1つ又は複数の懸濁化剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル-ピロリドン、トラガカントガム及びアカシアガム;分散化剤又は湿潤剤、例えばレシチン、又はアルキレンオキシドと脂肪酸の縮合生成物(例えばポリオキシエチレン(polyoxethylene)ステアレート)、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールの縮合生成物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール由来の部分エステルの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビトールモノオレエート、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物由来の部分エステルの縮合生成物、例えばポリエチレンソルビタンモノオレエートと一緒に含有する。水性懸濁液はまた、1つ又は複数の保存剤、例えばp-ヒドロキシ安息香酸エチル若しくはp-ヒドロキシ安息香酸プロピル;抗酸化剤、例えばアスコルビン酸);着色剤;香味剤;及び/又は甘味剤、例えばスクロース、サッカリン若しくはアスパルテームを含有しうる。
【0171】
油性懸濁液は、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはヤシ油に、又は鉱油、例えば流動パラフィンに活性成分を懸濁させることによって製剤化されうる。油性懸濁液はまた、増粘剤、例えば蜜蝋、硬質パラフィン又はセチルアルコールを含有しうる。前述の甘味剤等の甘味剤及び香味剤は、口当たりの良い経口調製物を提供するために添加されうる。これらの組成物は、抗酸化剤、例えばアスコルビン酸を添加することによって保存されうる。
【0172】
水を添加することによって水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は、一般に、分散化剤又は湿潤剤、懸濁化剤及び1つ又は複数の保存剤と一緒に活性成分を含有する。適切な分散化剤又は湿潤剤及び懸濁化剤は、既に列挙したものによって例示される。追加の賦形剤、例えば甘味剤、香味剤及び着色剤が存在してもよい。
【0173】
本開示の医薬組成物は、水中油エマルジョンの形態であってもよい。油相は、植物油、例えばオリーブ油若しくはラッカセイ油、又は鉱油、例えば例えば流動パラフィン、又はこれらのいずれかの混合物でありうる。適切な乳化剤は、例えば、天然に生じるガム、例えばアカシアガム又はトラガカントガム、天然に生じるホスファチド、例えばダイズ、レシチン、脂肪酸及びヘキシトール無水物由来のエステル又は部分エステル(例えばソルビタンモノオレエート)、並びに前記部分エステルとエチレンオキシドの縮合生成物、例えばポリオキシエチレンソルビタンモノオレエートでありうる。エマルジョンはまた、甘味剤、香味剤及び保存剤を含有しうる。
【0174】
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、アスパルテーム又はスクロースを用いて製剤化することができ、粘滑剤、保存剤、香味剤及び/又は着色剤を含有することもできる。
【0175】
医薬組成物は、注入可能な滅菌水性又は油性懸濁液の形態であってよく、それらは、公知の手順に従って、先に列挙した適切な分散化剤又は湿潤剤及び懸濁化剤の1つ又は複数を使用して製剤化されうる。注入可能な滅菌調製物はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の注入可能な滅菌溶液又は懸濁液、例えば1,3-ブタンジオール溶液でありうる。
【0176】
吸入によって投与するための組成物は、微粉砕した固体又は液滴を含有するエアロゾルのいずれかとして活性成分を分散させるように準備された従来の加圧エアロゾルの形態でありうる。従来のエアロゾル噴霧剤、例えば揮発性フッ素化炭化水素又は炭化水素を使用することができ、エアロゾルデバイスは、計量された活性成分を分散させるために好都合に準備される。
【0177】
投与のための組成物は、リポソーム調製物としても製剤化されうる。リポソーム調製物は、対象となる細胞又は角質層に浸透し、細胞膜と融合するリポソームを含み、その結果、リポソームの内容物を細胞に送達することができる。他の適切な製剤は、ニオソームを用いることができる。ニオソームは、リポソームと同様の脂質小胞であり、その膜は主に非イオン性(nonoinic)脂質からなり、その一部の形態は、角質層を介して化合物を輸送するのに有効である。
【0178】
投与のための組成物は、移植又は筋肉内注射によって投与することができるデポー調製物として製剤化することもできる。組成物は、適切なポリマー性若しくは疎水性材料(許容される油におけるエマルジョンとして)、イオン交換樹脂、又は難溶性誘導体を用いて製剤化されうる。
【0179】
本開示の化合物はまた、徐放形態で、又は徐放薬物送達系から投与されうる。
【0180】
製剤、薬物送達、並びに処理技術に関する更なる情報については、Remington's Pharmaceutical Sciences(第21版、2005年、University of the sciences in Philadelphia、Lippincott William & Wilkins)を参照されたい。
【0181】
単一の剤形を生成するために1つ又は複数の賦形剤と組み合わされる活性成分の量は、処置される宿主及び特定の投与経路に応じて必然的に変わる。例えば、ヒトへの経口投与を企図された製剤は、一般に、全組成物の約5~約98重量パーセントで変わりうる適切な好都合な量の賦形剤と配合された、例えば0.5mg~4gの活性薬剤を含有する。単位剤形は、一般に、約1mg~約500mgの活性成分を含有する。投与経路及び投与レジメンに関する更なる情報については、Comprehensive Medicinal Chemistryの第5巻、第25.3章(Corwin Hansch; Chairman of Editorial Board)、Pergamon Press 1990年及びRemington's Pharmaceutical Sciences(第21版、2005年、University of the sciences in Philadelphia、Lippincott William & Wilkins)を参照されたい。
【0182】
前述の通り、特定の病状の治療的又は予防的処置に必要な用量の大きさは、処置される宿主、投与経路及び処置される疾病の重症度に応じて必然的に変わる。好ましくは、1~25mg/kgの範囲の1日用量が用いられる。したがって、最適な投与量は、任意の特定の患者を処置する担当医によって決定されうる。
【0183】
本明細書で言及される医薬組成物、過程、方法、使用、医薬、及び製造の特色のいずれにも、本明細書に記載される本開示の化合物の代替の態様のいずれかが適用される。
【0184】
本明細書に開示される化合物は、単独処置として適用することができ、又は本開示の化合物に加えて、他の1つ又は複数の物質及び/若しくは処置を含むことができる。このような併用処置は、処置の個々の構成成分の同時の、経時的な又は別個の投与によって達成されうる。投与が経時的に又は別個に行われる場合、例えば組合せの有益な効果を喪失しないように、第2の構成成分の投与は遅延すべきではない。適切なクラス及び物質は、以下の1つ又は複数から選択されうる。i)他の抗菌剤、例えばマイクロライド、例えばエリスロマイシン、アジスロマイシン若しくはクラリスロマイシン;キノロン、例えばシプロフロキサシン若しくはレボフロキサシン;βラクタム、例えばペニシリン、例えばアモキシシリン若しくはピペラシリン;セファロスポリン、例えばセフトリアキソン若しくはセフタジジム;カルバペネム、例えばメロペネム若しくはイミペネム等;アミノグリコシド、例えばゲンタマイシン若しくはトブラマイシン;若しくはオキサゾリジノン;及び/又はii)抗感染症剤、例えば抗真菌性トリアゾール、例えばアンホテリシン;及び/又はiii)生物学的タンパク質治療剤、例えば抗体、サイトカイン、殺菌性/透過性を増大するタンパク質(BPI)生成物;及び/又はiv)マイコバクテリウム結核の処置に有用な1つ若しくは複数の抗菌剤、例えばリファンピシン、イソニアジド、ピラジナミド(pyrazinamide)、エタンブトール、キノロン、例えばモキシフロキサシン若しくはガチフロキサシン、ストレプトマイシンの1つ若しくは複数、及び/又はv)排出ポンプ阻害剤。
【0185】
一実施形態によれば、本開示は、式Iの化合物、又は薬学的に許容されるその塩、並びにi)1つ若しくは複数の追加の抗菌剤;及び/又はii)1つ若しくは複数の抗感染症剤;及び/又はiii)生物学的タンパク質治療剤、例えば抗体、サイトカイン、殺菌性/透過性を増大するタンパク質(BPI)生成物;iv)肺結核、肺外結核、トリ感染症、ブルーリ潰瘍の処置に有用な1つ若しくは複数の抗菌剤、及び/又はv)1つ若しくは複数の排出ポンプ阻害剤から選択される化学療法剤に関する。
【0186】
手順に必要な出発材料、例えば本明細書に記載される材料が商業的に利用可能でない場合、標準有機化学技術から選択される手順によって生成することができ、それらの技術は、構造的に同様の公知の化合物の合成に類似しており、又は前述の手順若しくは実施例に記載される手順に類似している。
【0187】
本明細書に記載される合成法のための出発材料の多くは、商業的に利用可能であり、且つ/若しくは科学文献で広く報告されており、又は科学文献で報告されている過程を適合させて、商業的に利用可能な化合物から生成されうることが知られている。反応条件及び試薬に関する一般的な指針については、Jerry March and Michael SmithによるAdvanced Organic Chemistry、第5版、John Wiley & Sons刊行、2001年を更に参照されたい。
【0188】
本明細書で言及した反応のいくつかでは、化合物において感受性の高い任意の基を保護することが必要/望ましい場合があることも理解されよう。保護が必要であるか、又は望ましい場合は、このような保護に適した方法と同様に、当業者に公知である。標準的習慣に従って(例えば、T.W. Greene、Protective Groups in Organic Synthesis、John Wiley and Sons刊行、1991年を参照されたい)、本明細書で前述の通り、従来の保護基を使用することができる。
【0189】
略語
実施例及び本明細書の他所において、以下の略語が用いられる。
TLC-薄層クロマトグラフィー、
HPLC-高圧液体クロマトグラフィー、
MPLC-中圧液体クロマトグラフィー、
NMR-核磁気共鳴分光法、
DMSO-ジメチルスルホキシド、
CDCl3-重水素化クロロホルム、
MeOD-重水素化メタノール、すなわちD3COD、
MS-質量分析法、
ESP(又はES)-エレクトロスプレー、
EI-電子衝撃、
APCI-大気圧化学イオン化、
THF-テトラヒドロフラン、
DCM-ジクロロメタン、
MeOH-メタノール、
DMF-ジメチルホルムアミド、
EtOAc-酢酸エチル、
LC/MS-液体クロマトグラフィー/質量分析、
h-時間、
min-分、
d-日、
MTBD-N-メチル-1,5,7-トリアザビシクロ[4.4.0]デカ-5-エン、
TFA-トリフルオロ酢酸、
v/v-体積/体積比、
Bocは、t-ブトキシカルボニルを示し、
Cbzは、ベンジルオキシカルボニルを示し、
Bzは、ベンゾイルを示し、
atmは、大気圧を示し、
rtは、室温を示し、
mgは、ミリグラムを示し、
gは、グラムを示し、
μLは、マイクロリットルを示し、
mLは、ミリリットルを示し、
Lは、リットルを示し、
μMは、マイクロモルを示し、
mMは、ミリモルを示し、
Mは、モルを示し、
Nは、正常を示し、
nmは、ナノメートルを示す。
【実施例
【0190】
以下の実施例は、本開示の化合物の合成、活性及び適用に関する詳細を提供する。以下は単に代表的なものであり、本開示はこれらの実施例に記載される詳細によって制限されないことを理解されたい。
【0191】
材料及び方法
蒸発は、真空中で回転蒸発によって行い、後処理手順は、濾過によって残留固体を除去した後に行った。温度は℃で記載される。操作は、典型的に18~26℃の範囲の室温で、別段指定されない限り、又はそうでなければ当業者が不活性雰囲気中で作業できない限り、空気を排除せずに行った。化合物を精製するために、カラムクロマトグラフィー(フラッシュ手順による)を使用し、別段指定されない限りMerck社のKieselgelシリカ(Art.9385)で実施した。一般に、反応過程の後に、TLC、HPLC、又はLC/MSを行ったが、反応時間は、単に例として示される。収量は、単に例として示され、必ずしも達成可能な最大値ではない。本開示の最終生成物の構造は、一般にNMR及び質量スペクトル技術によって確認した。プロトン磁気共鳴スペクトルは、一般に、別段指定されない限りDMSO d6で、Bruker社のDRX 300分光計又はBruker社のDRX-400分光計を、それぞれ300MHz又は400MHzのフィールド強度で操作して使用して決定した。NMRスペクトルが複雑である場合、診断シグナルだけを記録する。化学シフトを、外部標準(δスケール)としてのテトラメチルシラン由来の低磁場ppmで記録し、したがってピーク多重度が示される。s、一重線;d、二重線;dd、二重線の二重線;dt、三重線の二重線;dm、多重線の二重線;t、三重線、m、多重線;br、ブロード。高速原子衝撃(FAB)質量スペクトルデータは、一般に、エレクトロスプレーで実施されるプラットフォーム分光計(Micromass社によって供給)を使用して得、適切な場合、正イオンデータ若しくは負イオンデータのいずれかを収集し、又はSedex 75ELSDを備えたAgilent 1100シリーズLC/MSを使用して得、適切な場合、正イオンデータ若しくは負イオンデータのいずれかを収集した。同位体分裂によって複数の質量スペクトルピーク(例えば塩素が存在する場合)が得られる分子については、最低質量の主要イオンを記録する。逆相HPLCは、Agilent社の装置でYMC Pack ODS AQ(100×20mmID、粒径S5Å、細孔径12nm)を使用して行い、各中間体を、その後の段階に必要な標準に精製し、割り当てられた構造が正確であることを確認するために、十分詳細に特徴付けた。純度は、HPLC、TLC、又はNMRによって評価し、識別は、適宜、赤外分光法(IR)、質量分析法又はNMR分光法によって決定した。
【0192】
(実施例1)
式Aの化合物を調製するための一般過程
式(E)の化合物をN-アルキル化して、式(D)の化合物を得た。更に、式Dの化合物を、パラジウム触媒ヒドロキシル化を介して式(C)の化合物に変換した。次に、以下の一般スキームに図示される通り、ハロアルキルアセタール試薬(例えばBrCH2(CHR3)n1(CH2)n1-1CH(OCH2CH3)2)を用いるナフチリドンのヒドロキシ基のアルキル化を介して、式(C)の化合物から式(A)の化合物を得た。
【0193】
【化25】
【0194】
式Bの化合物を調製するための一般過程
式(B)の化合物を、以下のスキームに概説される通り、式(H)の化合物及び式Iの化合物から得た。最適な反応条件下で、式(I)との式(H)の化合物のパラジウム触媒Buchwaldカップリングによって、式(J)の化合物を提供した。更に、式(J)の化合物を、アジ化反応を介して式(K)の化合物に変換し、アジド官能基の還元によって式(B)の化合物を提供した。
【0195】
【化26】
【0196】
(実施例2)
Z1がOであり、n1=0であり、R3がH又はOHである、式Ia及び式Ibの化合物は、以下のスキームに示される通り、式(L)の化合物を式(G)又は(F)の化合物と反応させることによって調製することができる。式(G)の化合物を用いる式(L)の化合物の還元的アミノ化によって、式Iaの化合物を提供し、式(L)の化合物を用いる式(F)の化合物のエポキシド開環によって、式Ibの化合物を提供した。
【0197】
【化27】
【0198】
(実施例3)
中間体の合成
6-(5-(2-アミノエチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(中間体I)の合成
中間体I、6-(5-(2-アミノエチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(CAS番号2156619-15-5)を、国際公開第2017199265号に報告されている通り合成した。
【0199】
(S)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン、IIの合成
【0200】
【化28】
【0201】
工程1:(R)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)オキサゾリジン-2-オン(IIa)
0℃に冷却した撹拌したTBDMS-Cl(38.46g、0.256mol)、イミダゾール(23.2g、0.341mol)、DMAP(2.08g、0.017mol)のDMF(200mL)溶液に、DMF(25mL)中(R)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(CAS:97859-49-9、20g、0.1709mmol)を添加し、25℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を、水、ブライン溶液(200mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(230~400メッシュ、石油エーテル中20~25%酢酸エチル)、IIa(32g、81%)を得た。
LC_MS C10H21NO3Siの計算値, 231.37, 実測値232.1. 1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ 5.11 (s, 1H), 4.72-4.66 (m, 1H), 3.86-3.82 (m, 1H), 3.79-3.76 (m, 1H), 3.66-3.62 (m, 1H), 3.58-3.55 (m, 1H), 0.91 (s, 9H), 0.11 (s, 6H).
【0202】
工程2:(R)-6-(5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(IIb)
撹拌したIIa(32g、0.139mol)及び6-ブロモ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(国際公開第2017199265号、31.7g、0.139mol)の乾燥1,4-ジオキサン(50mL)溶液に、t-ブチル-X-Phosメシルクロリド複合体(5.5g、0.0069mol)及びナトリウムtert-ブトキシド(19.94g、0.207mol)を添加し、20分間脱気した。次にそれを、封止管中で100℃において16時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(230~400メッシュ、石油エーテル中25~30%酢酸エチル)、IIb(45.6g、86%)を得た。
LC_MS C17H25N3O5Siの計算値, 379.49, 実測値380.0.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6). δ 7.60 (d, J = 8.68 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 8.68 Hz, 1H), 4.77-4.73 (m, 1H), 4.67 (s, 2H), 4.15-4.10 (m, 1H), 3.93-3.89 (m, 3H), 0.79 (s, 9H), 0.04 (s, 6H).
【0203】
工程3:(R)-6-(5-(ヒドロキシメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(IIc)
0℃に冷却した撹拌したIIb(45g、0.118mol)のTHF(250mL)溶液に、tert-ブチルフッ化アンモニウム(THF中1M)(296mL、0.296mol)を滴下添加し、25℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過し、真空中で乾燥させて、IIcの白色の固体(29g、92%)を得た。
LC_MS C11H11N3O5の計算値, 265.23, 実測値= 265.9.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.22 (s, 1H), 7.60 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 5.21 (bs, 1H), 4.70-4.66 (m, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.12-4.07 (m, 1H), 3.92-3.88 (m, 1H), 3.69-3.65 (m, 1H), 3.54-3.34 (m, 1H).
【0204】
工程4:(R)-(2-オキソ-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-6-イル)オキサゾリジン-5-イル)メチルメタンスルホネート(IId)
0℃に冷却した撹拌したIIc(29g、0.109mol)の乾燥DMF(300mL)溶液に、トリエチルアミン(45.7mL、0.328mol)及びメシルクロリド(17mL、0.218mol)を添加し、25℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過し、真空中で乾燥させて、IIdの白色の固体(30g、80%)を得た。
LC_MS C12H13N3O7Sの計算値, 343.31; 実測値344.0.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.27 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 5.00 (bs, 1H), 4.63 (s, 2H), 4.63-4.51 (m, 2H), 4.25-4.20 (m, 1H), 3.90-3.85 (m, 1H), 3.35 (s, 3H).
【0205】
工程5:(R)-6-(5-(アジドメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(IIe)
0℃に冷却した撹拌したIId(30g、0.087mol)のDMF(300mL)溶液に、ナトリウムアジド(17g、0.262mol)を添加し、60℃で3時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過し、真空中で乾燥させて、IIeの白色の固体(22g、87%)を得た。
LC_MS C11H10N6O4の計算値, 290.24; 実測値290.9.
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.26 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 4.88 (bs, 1H), 4.63 (s, 2H), 4.16 (t, J = 9.60 Hz, 1H), 3.70-3.84 (m, 3H).
【0206】
工程6:(S)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(II)
撹拌したIIe(22g、0.075mol)のTHF:MeOH(1:1)(400ml)溶液に、10%炭素担持パラジウム(7g)を添加し、25℃においてH2下で4時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を、セライト床を介して、THF及びMeOHを使用して濾過し、減圧下で濃縮して、II(15g、75%)を得た。
C11H12N4O4のLC_MS算出値264.24、観測値265.1。
【0207】
中間体IIの精製:Boc保護:撹拌した粗製物II(15g、0.056mol)の1,4ジオキサン:水(1:1、200mL)溶液に、Na2CO3(12g、0.113mol)を添加した後、(Boc)2O(25g、0.113mol)を0℃で添加し、室温で12時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(250mL)で希釈し、水(2×250mL)で洗浄した。合わせた有機層を、ブライン(50mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で蒸発させて、粗製物を得た。粗製物をカラムクロマトグラフィーによって精製して(230/400メッシュ、MeOH中4%DCM)、所望のBoc保護IIを白色の固体として得た(12g、58%)。
【0208】
Boc保護IIについての分析データ;
LC_MS C16H20N4O6の計算値: 364.36; 実測値 265.1; 1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 11.23 (s, 1H), 7.61(d, 1H, J=8.8 Hz), 7.45 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.24 (m, 1H), 4.71 (m, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.16-4.11 (m, 1H), 3.84-3.80 (m, 1H), 3.25 (m, 2H),1.36 (s, 9H).
【0209】
Boc保護II(12g、0.033mmol)を1,4ジオキサン(60mL)に溶かし、それにジオキサン(120mL)中4MのHClを0℃で添加した。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。反応混合物を濃縮して、粗製アミンHCl塩を得た。粗製物を乾燥MeOH/DCM(200mL)に溶解し、樹脂で中和し、濾過し、濃縮して、純粋なアミンIIを濁った白色の固体として得た(8g、92%)。
LC_MS C11H12N4O4の計算値, 264.24; 実測値 265.1 [M+H];
1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 11.05 (brs, 1H), 7.62(d, 1H, J=8.8 Hz), 7.45 (d, 1H, J=8.8 Hz), 7.05 (brs, 2H), 4.83 (m, 1H), 4.62(s, 2H), 4.23-4.20 (m, 1H), 3.87-3.82 (m, 1H), 3.19-3.10(m, 2H).
【0210】
(R)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン、IIIの合成
【0211】
【化29】
【0212】
工程1:(S)-5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)オキサゾリジン-2-オン(IIIa)
0℃に冷却した撹拌したTBDMS-Cl(5.74g、0.0384mol)、イミダゾール(3.4g、0.0512mol)、DMAP(0.31g、0.0025mol)のDMF(15mL)溶液に、DMF(15mL)中(S)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(3g、0.0256mmol)を添加し、25℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を、水でクエンチし、酢酸エチルで抽出した。分離した有機層を、水、ブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濾過し、減圧下で濃縮した。それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(230~400メッシュ、石油エーテル中20~25%酢酸エチル)、IIIa(3.6g、61%)を得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3): δ5.11 (s, 1H), 4.72-4.66 (m, 1H), 3.86-3.82 (m, 1H), 3.79-3.76 (m, 1H), 3.66-3.62 (m, 1H), 3.58-3.55 (m, 1H), 0.91 (s, 9H), 0.11 (s, 6H).
LC_MS C10H21NO3Siの計算値, 231.37, 実測値232.1.
【0213】
工程2:(S)-6-(5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(IIIb)
撹拌したIIIa(3.92g、0.0171mol)及び6-ブロモ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(国際公開第2017199265号、3.6g、0.0155mol)の乾燥1,4-ジオキサン(50mL)溶液に、t-ブチル-X-Phosメシルクロリド複合体(0.618g、0.0077mol)及びナトリウムt
ert-ブトキシド(2.24g、0.0234mol)を添加し、20分間脱気した。次にそれを、封止管中で100℃において16時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(230~400メッシュ、石油エーテル中25~30%酢酸エチル)、IIIb(3.5g、59%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 7.60 (d, J = 8.68 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 8.68 Hz, 1H), 4.77-4.73 (m, 1H), 4.67 (s, 2H), 4.15-4.10 (m, 1H), 3.93-3.89 (m, 3H), 0.79 (s, 9H), 0.04 (s, 6H);
LC_MS C17H25N3O5Siの計算値, 379.49, 実測値380.0.
【0214】
工程3:(S)-6-(5-(ヒドロキシメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(IIIc)
0℃に冷却した撹拌したIIIb(5g、0.0132mol)のTHF(25mL)溶液に、tert-ブチルフッ化アンモニウム(THF中1M)(29.38mL、0.0293mol)を滴下添加し、25℃で3時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過し、真空中で乾燥させて、IIIcの白色の固体(3.0g、85%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.22 (s, 1H), 7.60 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.42 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 5.21 (bs, 1H), 4.70-4.66 (m, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.12-4.07 (m, 1H), 3.92-3.88 (m, 1H), 3.69-3.65 (m, 1H), 3.54-3.34 (m, 1H); LC_MS C11H11N3O5の計算値, 265.23, 実測値= 265.9.
【0215】
工程4:(S)-(2-オキソ-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-6-イル)オキサゾリジン-5-イル)メチルメタンスルホネート(IIId)
0℃に冷却した撹拌したIIIc(3g、0.0113mol)の乾燥DMF(30mL)溶液に、トリエチルアミン(3.15mL、0.0226mol)及びメシルクロリド(1.05mL、0.0135mol)を添加し、25℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、濾過した。得られた固体を真空中で乾燥させて、IIIdの白色の固体(2.8g、73%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.27 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 7.46 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 5.00 (bs, 1H), 4.63 (s, 2H), 4.63-4.51 (m, 2H), 4.25-4.20 (m, 1H), 3.90-3.85 (m, 1H), 3.35 (s, 3H);
LC_MS C12H13N3O7Sの計算値, 343.31; 実測値344.0.
【0216】
工程5:(S)-6-(5-(アジドメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(IIIe)
0℃に冷却した撹拌したIIId(2.8g、0.00816mol)のDMF(28mL)溶液に、ナトリウムアジド(1.3g、0.0204mol)を添加し、60℃で3時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、濾過した。得られた固体を真空中で乾燥させて、IIIeの白色の固体(1.9g、80%)を得た。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.26 (s, 1H), 7.61 (d, J = 8.40 Hz, 1H), 7.45 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 4.88 (bs, 1H), 4.63 (s, 2H), 4.16 (t, J = 9.60 Hz, 1H), 3.84-3.70-3.84 (m, 3H);
LC_MS C11H10N6O4の計算値, 290.24; 実測値290.9.
【0217】
工程6:(R)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(III)
撹拌したIIIe(1.9g、0.00653mol)のTHF:MeOH(1:1)(40ml)溶液に、10%炭素担持パラジウム(0.6g)を添加し、25℃においてH2下で4時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を、セライト床を介して、THF及びMeOHを使用して濾過し、減圧下で濃縮して、III(1.22g、70%)を得た。粗製材料を、次の工程のために任意の精製をすることなく取っておいた。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ7.61 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 7.43 (d, J = 8.80 Hz, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.10 (t, J = 8.80 Hz, 1H), 3.91-3.86 (m, 1H), 2.88-2.79 (m, 2H);
LC_MS C11H12N4O4の計算値, 264.24; 実測値265.1.
【0218】
6-クロロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン、IVの合成
【0219】
【化30】
【0220】
撹拌した3-ブロモ-6-クロロピラジン-2-アミン(75g、0.3598mol)の1,4-ジオキサン(1500mL)溶液に、室温において窒素雰囲気下でナトリウムtert-ブトキシド(110.65g、1.1514mol)を添加し、30分間撹拌した。次に、グリコール酸エチル(112.37g、1.0794mol)を30分間にわたって室温で滴下添加した。得られた混合物を100℃に加熱し、2時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。
その後、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮して、ジオキサンを除去した。得られた残留物を水(750mL)で希釈し、HCl(1.5N)を使用して中和した。沈殿した固体を濾別し、真空下で乾燥させて、化合物IVを濁った白色の固体として得た。収量:60g、89.9%
LC_MS C6H4ClN3O2の計算値, 185.57, 実測値184.0 (M-1H);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.86 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 4.90 (s, 2H).
【0221】
(S)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン、Vの合成
【0222】
【化31】
【0223】
工程1:(R)-6-(5-(((tert-ブチルジメチルシリル)オキシ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(Va)
撹拌したIV(2.5g、13.51mmol)及びIIIa(3.43g、14.86mmol)の乾燥1,4-ジオキサン(40mL)溶液に、t-ブチル-X-Phosメシルクロリド複合体(0.53g、0.67mmol)及びナトリウムtert-ブトキシド(1.94g、20.27mmol)を添加し、20分間脱気した。次にそれを、封止管中で100℃において16時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を減圧下で濃縮した。それを、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(230~400メッシュ、石油エーテル中25~30%酢酸エチル)、Va(3g、59%)を得た。
LC_MS C16H24N4O5Siの計算値, 380.48, 実測値381.1 (M+1H);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.61 (s, 1H), 8.37 - 8.35 (m, 1H), 4.85 - 4.79 (m, 3H), 4.12 - 4.06 (m, 1H), 3.89 - 3.74 (m, 3H), 0.84 - 0.71 (m, 9H), 0.03 - 0.00 (m, 6H).
【0224】
工程2:(R)-6-(5-(ヒドロキシメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(Vb)
0℃に冷却した撹拌したVa(3g、7.89mmol)のTHF(30mL)溶液に、tert-ブチルフッ化アンモニウム(THF中1M)(15.8mL、15.78mmol)を滴下添加し、室温で3時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、酢酸エチルで抽出し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、蒸発させた。粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(230~400メッシュ、石油エーテル中50~50%酢酸エチル)、Vb(1.5g、71%)を得た。
LC_MS C10H10N4O5の計算値, 266.21, 実測値267.1 (M+1H);
1HNMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.62 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 5.23 - 5.07 (m, 2H), 5.03 (s, 1H), 4.86 - 4.73 (m, 1H), 4.10 - 3.86 (m, 2H), 3.70- 3.48 (m, 2H).
【0225】
工程3:(R)-(2-オキソ-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-6-イル)オキサゾリジン-5-イル)メチルメタンスルホネート(Vc)
0℃に冷却した撹拌したVb(1.5g、5.63mmol)の乾燥DMF(15mL)溶液に、トリエチルアミン(2.3mL、16.91mmol)及びメシルクロリド(0.69mL、8.45mmol)を添加し、25℃で2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過し、石油エーテルで洗浄し、真空によって乾燥させて、Vcの褐色の固体(1.2g、63%)を得た。LC_MS C11H12N4O7Sの計算値, 344.30, 実測値345.0 (M+1H);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.67 (s, 1H), 8.38 (s, 1H), 5.06 - 5.04 (m, 1H), 4.87 (s, 2H), 4.57 - 4.54 (m, 2H), 4.23 - 4.20 (m, 1H), 3.86- 3.82 (m, 1H), 3.28 (s, 3H), 3.25 - 3.23 (m, 1H).
【0226】
工程4:(R)-6-(5-(アジドメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(Vd)
0℃に冷却した撹拌したVc(1.2g、3.48mmol)のDMF(12mL)溶液に、ナトリウムアジド(0.56g、8.72mmol)を添加し、65℃で3時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過し、石油エーテルで洗浄し、乾燥させて、褐色の固体Vd(0.7g、70%)を得た。
LC_MS C10H9N7O4の計算値, 291.23, 実測値290.1 (M-1H);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.66 (s, 1H), 4.94 - 4.86 (m, 3H), 4.18 - 4.13 (m, 1H), 3.81 - 3.75 (m, 3H).
【0227】
工程5(S)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(V)
撹拌したVd(0.7g、2.40mmol)のTHF:MeOH(1:1)(40ml)溶液に、PPh3(1.9g、7.21mmol)を室温で添加した。反応混合物を70℃で3時間加熱した。TLCによって反応が完了した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(2×100ml)で2回抽出した。更に、水性層を濃縮し、乾燥させて、V(0.3g、47%)を得た。
LC_MS C10H11N5O4の計算値, 265.23, 実測値264.1 (M-1H);
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.38 (s, 1H), 4.85 (s, 2H), 4.69 - 4.67 (m, 1H), 4.11 - 4.06 (m, 1H), 3.88 - 3.84 (m, 1H), 3.17 (s, 1H), 2.91 - 2.83 (m, 2H).
【0228】
2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)アセトアルデヒド、中間体、VIの合成
【0229】
【化32】
【0230】
工程-1:6-クロロピリジン-2,3-ジアミン(VIa)の合成
撹拌した2-アミノ-3-ニトロ-6-クロロピリジン(30g、172.8mmol)のEtOH(300mL)及びH2O(300mL)溶液に、CaCl2(23g、207.4mmol)を添加した後、Fe粉末(22.8g、414.8mmol)を添加した。得られた混合物を、100℃で6時間加熱した。反応混合物を、セライト床を介して濾過した。濾液をEtOAc(500mL)で希釈し、水(2×250mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中30%EtOAcで溶出することによって精製して、純粋な生成物VIaを褐色の固体として得た。
収量:18g、72.5%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 6.69 (d, 1H, J=8 Hz), 6.65 (d, 1H, J=8 Hz), 5.78 (2H, s), 4.76 (2H, s).
LC_MS C5H6ClN3の計算値143.57; 実測値 144.2 [M++H]
【0231】
工程-2:エチル(2-アミノ-6-クロロピリジン-3-イル)グリシネート(VIb)の合成
撹拌したVa(18g、125.3mmol)の乾燥DMF(180mL)溶液に、K2CO3(24.22g、175.55mmol)を添加した後、ブロモ酢酸エチル(16.7mL、150.4mmol)を添加した。反応混合物を100℃で6時間加熱し、rtに冷却し、EtOAc(250mL)で希釈し、水(2×200mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物Vbを得た。粗製物を、次の工程のために更なる精製をすることなく取っておいた。収量:12g、62%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 6.5-6.4 (m, 2H), 5.9 (m, 2H), 5.39-5.35 (m, 1H), 4.16-4.08 (m, 2H), 3.94-3.91 (m, 2H), 1.2-1.17 (m, 4H).
LC_MS: C9H12ClN3O2の計算値229.66; 実測値 230.2 [M++H]
【0232】
工程-3:6-クロロ-1,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3(2H)-オン(VIc)の合成
撹拌したVIb(12g、52.2mmol)の乾燥1,4ジオキサン(120mL)溶液に、NaH(0.62g、15.6mmol)を添加した。得られた混合物を100℃で1時間加熱した。反応混合物をrtに冷却し、EtOAc(300mL)で希釈し、水(2×150mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中25%EtOAcで溶出することによって精製して、純粋な生成物VIcを褐色の固体として得た。収量:7g、73.22%
UPLC-MS:C7H6ClN3Oの算出値183.60、観測値184.0[M++H]。
【0233】
工程-4:6-クロロピリド[2,3-b]ピラジン-3(4H)-オン(VId)の合成
VIc(7g、38.25mmol)の1,4-ジオキサン(70mL)溶液に、MnO2(36.5g、42.07mmol)を添加し、100℃で6時間加熱した。反応混合物を、セライト床を介して濾過し、EtOAc(150mL)で洗浄した。濾液を濃縮して、粗製生成物VIdを得た。粗製物を、次の工程のために更なる精製をすることなく使用した。収量:6g、86%
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 13.10 (brs, 1H), 8.26-8.23 (m, 2H), 7.45-7.42 (m, 1H).
LC_MS C7H4ClN3Oの計算値181.58; 実測値 182.0 [M++H].
【0234】
工程-5:6-クロロ-4-メチルピリド[2,3-b]ピラジン-3(4H)-オン(VIe)の合成
撹拌したVId(1g、5.5mmol)の乾燥DMF(20mL)溶液に、K2CO3(0.91g、6.6mmol)を添加した後、ヨウ化メチル(1.09g、7.7mmol)を添加した。得られた混合物を、室温で2時間撹拌した。反応混合物をEtOAc(30mL)で希釈し、水(2×20mL)で洗浄した。有機層を、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中20%EtOAcで溶出することによって精製して、純粋な生成物VIeを黄色の粘性液体として得た。収量:0.7g、65.4%
LC_MS C8H6ClN3Oの計算値195.61; 実測値 196.0 [M++H].
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.33 (s, 1H), 8.30 (d, 1H, J=8 Hz), 7.52 (d, 1H, J=8 Hz), 3.58 (s, 3H).
【0235】
工程-6:4-メチルピリド[2,3-b]ピラジン-3,6(4H,5H)-ジオン(VIf)の合成
撹拌したVIe(0.7g、3.5mmol)のジオキサン(60mL)及び水(60mL)溶液を、N2で10分間パージし、これにt-BuXPhosパラダサイクル(0.12g、0.17mmol)、Pd2(dba)3(0.065g、0.07mmol)及びKOH(0.39g、7.17mmol)を添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱し、rtに冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、水(2×30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物VIfを得た。粗製物を、次の工程のために更なる精製をすることなく使用した。
LC_MS C8H7N3O2の計算値177.16; 実測値 176.0 [M-+H].
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.92 (brs, 1H), 8.05 (d, 1H, J=8 Hz), 8.04 (s, 1H), 6.66 (d, 1H, J=8 Hz), 3.57 (s, 3H).
【0236】
工程-7:5-(2,2-ジエトキシエチル)-4-メチルピリド[2,3-b]ピラジン-3,6(4H,5H)-ジオン(VIg)の合成
撹拌したVIf(0.5g、2.82mmol)の乾燥DMSO(10mL)溶液に、Cs2CO3(1.1g、3.33mmol)を添加した後、ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(0.77g、3.95mmol)を添加した。得られた混合物を、80℃で12時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(50mL)で希釈し、水(2×25mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中25%EtOAcで溶出することによって精製して、純粋な生成物VIgを黄色の粘性液体として得た。収量:0.42g、51%
LC_MS C14H19N3O4の計算値293.32; 実測値 294.2 [M++H].
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 8.13 (d, 1H, J=8 Hz), 8.12 (s, 1H), 6.85 (d, 1H, J=8 Hz), 4.90 (t, 1H, J=4 Hz), 4.38-4.36 (m, 2H), 3.71-3.62 (m, 2H), 3.6-3.51 (m, 5H), 1.15-1.0 (m, 6H).
【0237】
工程-8:2-(4-メチル-3,6-ジオキソ-4,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-5(3H)-イル)アセトアルデヒド(VI)の合成
VIg(0.4g、1.3mmol)の1.5NのHCl(4mL)溶液を、80℃で2時間加熱した。反応混合物をrtに冷却し、EtOAc(20mL)で希釈し、水(2×20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物VIを得た。粗製物を、次の工程のために更なる精製をすることなく使用した。収量:0.2g、64.5%。
C10H9N3O3のLC_MSの算出値219.20、観測値220.0[M++H]。
【0238】
2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)アセトアルデヒド、中間体VIIの合成
【0239】
【化33】
【0240】
工程-1:6-クロロ-3-(2,2-ジエトキシエトキシ)ピリド[2,3-b]ピラジン(VIIa)の合成
撹拌したVId(25g、138.12mmol)の乾燥DMF(400mL)溶液に、K2CO3(57.18g、414.36mmol)を添加した後、ブロモアセトアルデヒドジエチルアセタール(40.81g、207.18mmol)を添加した。得られた混合物を、90℃で24時間加熱した。反応混合物をEtOAc(500mL)で希釈し、水(2×300mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって精製して(60~120メッシュ、石油エーテル中30%EtOAc)、VIIaを黄色の粘性液体を得た(18g、44%)。
LC_MS C13H16ClN3O3の計算値297.74; 実測値 252.0 [M+-OEt].
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.4-8.3 (m, 2H), 7.6-7.5 (m, 1H), 5.0-4.9 (m, 1H), 4.4-4.3 (m, 2H), 3.7-3.5 (m, 3H), 3.5-3.4 (m, 2H), 1.0-0.9 (m, 6H).
【0241】
工程-2:3-(2,2-ジエトキシエトキシ)ピリド[2,3-b]ピラジン-6(5H)-オン(VIIb)の合成
撹拌したVIIa(10.5g、35.353mmol)のジオキサン(105mL)及び水(105mL)溶液を、N2ガスで10分間パージした後、t-BuXPhos-パラダサイクル(0.36g、0.50mmol)、Pd2(dba)3(0.64g、0.707mmol)及びKOH(3.95g、70.707mmol)を添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱し、rtに冷却し、EtOAc(75mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物VIIbを得た。粗製物を、次の工程のために更なる精製をすることなく使用した。収量:88.9%
LC_MS C13H17N3O4の計算値279.3; 実測値234.1&235.1(-OEt) [M++H].
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 12.0-11.9 (brs, 1H), 8.1-8.0 (m, 2H), 6.75-6.6 (m, 1H), 5.07-5.02 (m, 1H), 4.45-4.3 (m, 2H), 3.7-3.5 (m, 3H), 3.5-3.4 (m, 2H), 1.0-0.9 (m, 6H).
【0242】
工程-3:3-(2,2-ジエトキシエトキシ)-5-メチルピリド[2,3-b]ピラジン-6(5H)-オン(VIIc)の合成
撹拌したVIIb(15g、53.76mmol)の乾燥THF(150mL)溶液に、ヘキサン(161mL、161.3mmol)中LHMDSの1M溶液を窒素雰囲気下で添加し、0℃で30分間撹拌した。次に、ヨウ化メチル(6.7mL、107.52mmol)を添加した。得られた混合物を室温で16時間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、NH4Cl溶液でクエンチした。更に、EtOAc(300mL)で希釈し、希釈に引き続き、二層を分離し、水層を酢酸エチル(2×250mL)で抽出した。有機層をブライン(200mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、Biotage Isolera(230~400メッシュ)を使用して石油エーテル中40~50%EtOAcで溶出することによって精製して、純粋な生成物VIIcを褐色の粘性液体として得た。
収量:3g、19%
LC_MS C14H19N3O4の計算値293.32; 実測値 294.2 [M++H].
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.28 (s, 1H), 7.96 (d, J = 9.60 Hz, 1H), 6.76 (d, J = 9.60 Hz, 1H), 4.93-4.95 (m, 1H), 4.43-4.44 (m, 2H), 3.65-3.70 (m, 2H), 3.63 (s, 3H), 3.58-3.62 (m, 2H), 1.13-1.17 (m, 6H).
【0243】
工程-4:2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)アセトアルデヒド(VII)の合成
VIIc(3g、10.23mmol)のジクロロメタン(50mL)溶液を、0℃に冷却し、トリフルオロ酢酸(15mL)を添加した。反応混合物をrtで2時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(100mL)で希釈し、飽和重炭酸ナトリウム(100mL)溶液で洗浄した後、ブライン(100mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物VIIを得た。粗製物を、次の工程のために更なる精製をすることなく使用した。
収量:1.7g、75%;
C10H9N3O3のLC_MS算出値219.20、観測値220.0[M++H]。
【0244】
(R)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(VIII)の合成
【0245】
【化34】
【0246】
(R)-6-(5-(アミノメチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン(国際公開第2018225097号)の合成:中間体VIIIを、中間体Vに類似のスキーム及び手順を使用して、出発材料として(S)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(CAS:97859-49-9)及び6-クロロ-2H-ピラジノ[2,3-b][l,4]オキサジン-3(4H)-オン(IV)を伴って合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.37 (s, 1H), 4.84 (s, 2H), 4.70 - 4.66 (m, 2H), 4.11 - 4.07 (m, 1H), 3.87 - 3.82 (m, 1H), 2.91-2.85 (m, 3H), 2.83 - 2.79 (m, 1H). LC-MS C10H11N5O4の計算値, 265.23, 実測値266.1 (M++H).
【0247】
6-クロロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-3(4H)-オン、1Xaの合成
【0248】
【化35】
【0249】
撹拌した3-ブロモ-6-クロロピラジン-2-アミンI(10g、0.0479mol)の1,4-ジオキサン(1.5L)溶液に、室温において窒素雰囲気下でナトリウムtert-ブトキシド(14.75g、0.1535mol)を添加し、30分間撹拌した。次に、チオグリコール酸エチル(11.53g、0.0959mol)を30分間にわたって室温で滴下添加した。得られた混合物を100℃に加熱し、2時間撹拌した。反応の進行を、TLCによってモニタリングした。
その後、反応混合物を室温に冷却し、減圧下で濃縮して、ジオキサンを除去した。得られた残留物を、水(750mL)で希釈し、HCl(1.5N)を使用して中和した。沈殿した固体を濾別し、乾燥させて、化合物VIIaを濁った白色の固体として得た。収量:6g、62.5%;
LC_MS: C6H4ClN3OSの計算値: 201.63; 実測値: 199.9 [M-1H]. 1H-NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.54 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 3.83 (s, 2H).
【0250】
(S)-5-(アミノメチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(中間体IX)の合成
【0251】
【化36】
【0252】
工程1:(R)-5-(ヒドロキシメチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(IXb)
撹拌した化合物IXa(6g、0.0297mol)及び(R)-5-(ヒドロキシメチル)オキサゾリジン-2-オン(CAS:97859-49-9、3.83g、0.0327mol)の1,4-ジオキサン(100mL)溶液に、ナトリウムtert-ブトキシド(4.29g、0.0446mol)を室温で添加した。得られた混合物を、窒素ストリームで10分間脱気した。次に、t-ブチル-X-Phosパラダサイクル(1.18g、0.0014mol)を室温で添加し、再び窒素で5分間脱気した。次に、得られた混合物を100℃に加熱し、5時間撹拌した。その後、反応混合物を室温に冷却し、真空中で濃縮した。得られた残留物を、水(50mL)で希釈し、HCl水溶液(1.5N、pH約7)で中和した。沈殿した固体を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させて、化合物IXbを褐色の固体として得た。収量:4g(粗製物)を、任意の更なる精製なしに次の工程のために取っておいた。
LC_MS: C10H10N4O4Sの計算値: 282.27; 実測値: 283.2 [M+H] +.1H NMR (300 MHz, DMSO-d6): δ 11.24 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 5.27-5.24(m, 1H), 4.80-4.76 (m, 1H), 4.09 (t, J = 9.36 Hz, 1H), 3.91-3.87 (m, 1H), 3.78-3.68 (m, 3H), 3.60-3.57 (m, 1H).
【0253】
工程2:(R)-(2-オキソ-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-5-イル)メチルメタンスルホネート(IXc)
撹拌したIXb(4g、0.0141mol)の乾燥DMF(40mL)溶液に、0℃において窒素雰囲気下でトリエチルアミン(5.5mL、0.0425mol)及びメシルクロリド(2.43、0.0215mol)を逐次的に添加した。次に、反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。その反応混合物を水でクエンチした後、形成された固体を濾過し、石油エーテルで洗浄し、乾燥させて、化合物IXcを褐色の固体として得(3g、粗製物)、それを任意の更なる精製なしに次の工程のために取っておいた。C11H12N4O6S2のLC_MS算出値:360.36、観測値:361.00[M+H]+
【0254】
工程3:(R)-5-(アジドメチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(IXd)
撹拌したIXc(3.0g、0.0083mol)のDMF(30mL)溶液に、0℃において窒素雰囲気下でナトリウムアジド(2.16g、0.033mol)を添加した。次に、反応混合物を65℃に加熱し、3時間撹拌した。その後、反応混合物を水でクエンチし、得られた固体を濾過し、石油エーテルで洗浄し、乾燥させて、化合物IXdを褐色の固体として得た(1.7g、66.66%)。C10H9N7O3SのLC_MS算出値:307.29、観測値:307.9[M+H]+
【0255】
工程4:(S)-5-(アミノメチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン(IX)
THF:H2O(1:1)の混合物(80mL)中、撹拌した化合物IXd(1.7g、0.0055mol)の溶液に、窒素雰囲気下でPPh3(4.34g、0.0165mol)を室温で添加した。反応混合物を70℃に加熱し、3時間撹拌した。TLCによって反応が完了した後、反応混合物を室温に冷却し、酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。水層を分離し、真空中で濃縮して、化合物IX(0.9g、58.06%)を得た。C10H11N5O3SのLC_MS算出値:281.29、観測値:282.1[M+H]+
【0256】
2-((7-フルオロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)アセトアルデヒド(中間体X)の合成
【0257】
【化37】
【0258】
工程-1:6-(2,2-ジエトキシエトキシ)-7-フルオロ-4-メチルピリド[2,3-b]ピラジン-3(4H)-オン(Xa)の合成
乾燥アセトニトリル及びDMF(2:1)の混合物(10mL)中、撹拌したVIg(0.5g、1.70mmol)溶液に、セレクトフルオル(1.6g、5.11mmol)を室温において窒素雰囲気下で添加した。得られた混合物を、室温で24時間撹拌し続けた。反応が完了した後、反応混合物を水で希釈し、EtOAc(2×50mL)で抽出し、ブライン溶液(25mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。次に、粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中20%EtOAcで溶出することによって精製して、Xaを褐色の固体として得た。収量:0.15g、28.32%。
C14H18FN3O4のLC_MS算出値311.31、観測値312.1[M++H]。
【0259】
工程-2:2-((7-フルオロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)アセトアルデヒド(X)の合成
0℃に冷却した撹拌したXa(0.15g、0.48mmol)のジクロロメタン(2mL)溶液に、TFA(0.5mL)を0℃において窒素雰囲気下で添加した。次に、反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を冷却し、10%重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブライン(20mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗製生成物を石油エーテルと研和して、X(0.1g)を得た。粗製生成物を、次の工程のために更なる精製をすることなくそのまま使用した。
C10H8FN3O3のLC_MS算出値237.19、観測値238.1[M++H]。
【0260】
2-((7-クロロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)アセトアルデヒド(中間体XI)の合成
【0261】
【化38】
【0262】
工程-1:7-クロロ-6-(2,2-ジエトキシエトキシ)-4-メチルピリド[2,3-b]ピラジン-3(4H)-オン(XIa)の合成
撹拌したVIg(1.0g、3.41mmol)の乾燥CHCl3(20mL)溶液に、NCS(0.5g、3.75mmol)を0℃で添加した。得られた混合物をRTで5時間撹拌した。反応混合物を水で希釈し、DCM(2×50mL)で抽出し、ブライン溶液(25mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中15%EtOAcで溶出することによって精製して、生成物XIaを薄褐色の固体として得た。収量:0.3g、27%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.41 (s, 1H), 8.17 (s, 1H), 4.95-4.93 (m, 1H), 4.46-4.44 (d, 2H), 3.74-3.68 (m, 2H), 3.64-3.58 (m, 5H), 1.16-1.2 (m, 6H). LC_MS: C14H18ClN3O4の計算値327.77; 実測値 328.1 [M++H].
【0263】
工程-2:2-((7-クロロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)アセトアルデヒド(XI)の合成
0℃に冷却した(DCM、20mL)中XIa(0.3g、0.9174mmol)の混合物に、TFA(1.5mL)を添加した。反応混合物を室温で2時間撹拌した。反応混合物を冷却し、10%重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、DCMで抽出した。有機層をブライン(10mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。粗製物を石油エーテルと研和して、粗製物XI(0.15g)を得、それを、次の工程のために更なる精製をすることなくそのまま使用した。
C10H8ClN3O3のLC_MS算出値253.64、観測値254.1[M++H]。
【0264】
2-((4-エチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)アセトアルデヒド(中間体XII)の合成
【0265】
【化39】
【0266】
工程-1:6-クロロ-4-エチルピリド[2,3-b]ピラジン-3(4H)-オン(XV)の合成
撹拌したVid(5g、27.54mmol)の乾燥DMF(100mL)溶液に、0℃において窒素雰囲気下でK2CO3(5.34g、38.56mmol)及びヨウ化エチル(6.44g、41.31mmol)を逐次的に添加した。得られた混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物をEtOAc(80mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。それを、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中20%EtOAcで溶出することによって精製して、純粋な生成物XIIaを黄色の粘性液体として得た。収量:3.7g、64.9%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.32 (s, 1H), 8.32 (d, 1H, J = 10.8 Hz), 7.53 (d, 1H, J =10.8 Hz), 4.28 (m, 2H), 1.24 (t, J = 7.2 Hz, 3H).
【0267】
工程-2:4-エチルピリド[2,3-b]ピラジン-3,6(4H,5H)-ジオン(XIIb)の合成
ジオキサン(80mL)/水(40mL)の混合物中、撹拌したXIIa(3.7g、17.70mmol)の溶液を、N2ガスで10分間パージし、これにt-BuXPhosパラダサイクル(0.48g、0.531mmol)、Pd2(dba)3(0.32g、0.354mmol)及びKOH(1.98g、35.4mmol)を室温で添加した。反応混合物を100℃で2時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(100mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、XIIb(粗製生成物、2.7g)を得た。粗製生成物を、次の工程のために更なる精製をすることなく使用した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.90 (brs, 1H), 8.05 (m, 2H), 6.69 (d, 1H, J = 11.2 Hz), 4.31 (m, 2H), 1.23(m, 3H). LC_MS C9H9N3O2の計算値, 191.19; 実測値 192.0 [M++H].
【0268】
工程-3:6-(2,2-ジエトキシエトキシ)-4-エチルピリド[2,3-b]ピラジン-3(4H)-オン(XIIc)の合成
撹拌したXIIb(2.7g、14.13mmol)の乾燥DMSO(30mL)溶液に、室温において窒素雰囲気下でCs2CO3(5.98g、18.37mmol)及びブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(4.15g、21.19mmol)を室温で添加した。得られた混合物を90℃で16時間加熱した。反応が完了した後、反応混合物を室温に冷却し、EtOAc(150mL)で希釈し、水(2×50mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用して石油エーテル中25%EtOAcで溶出することによって精製して、純粋な生成物XIIcを薄褐色の固体として得た。収量:2.0g、46.51%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.16 (d, 1H, J=8.8 Hz), 8.12 (s, 1H), 6.88 (d, 1H, J=8.8 Hz), 4.92 (t, 1H), 4.38-4.36 (m, 2H), 4.31-4.29 (m, 2H), 3.72-3.66 (m, 2H), 3.61-3.53 (m, 2H), 1.28-1.25 (m, 3H), 1.16-1.11 (m, 6H). LC_MS C15H21N3O4の計算値, 307.35; 実測値 308.1 [M++H].
【0269】
工程-4:2-((4-エチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)アセトアルデヒド(XII)の合成
ジクロロメタン(5mL)中、0℃に冷却したXIIc(0.5g、1.62mmol)の混合物に、TFA(0.25mL)を滴下添加した。反応混合物を室温に温め、2時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を冷却し、10%重炭酸ナトリウム溶液でクエンチし、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗製物を、石油エーテルと研和して、XII(粗製物、0.25g)を得、次の工程のために更なる精製をすることなくそのまま使用した。
C11H11N3O3のLC_MS算出値233.23、観測値234.1[M++H]。
【0270】
化合物1:6-(5-(2-((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)エチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0271】
【化40】
【0272】
乾燥MeOH(6mL)及びDCM(6mL)中、VI(0.2g、0.91mmol)及びアミン、II(0.3g、1.09mmol)の混合物に、AcOH(0.1mL)を添加し、5時間撹拌した。これに、シアノ水素化ホウ素ナトリウム樹脂(0.73g、1.82mmol)を添加し、15分間撹拌した。次に、反応混合物を濾過し、濾液を濃縮して、MeOHを除去した。残留物をDCM(20mL)で希釈し、水(2×20mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用してDCM中3%MeOHで溶出することによって精製して、化合物1としての純粋な生成物(60mg)を、オレンジ色の固体として得た。収量:60mg、14%。
LC_MS C22H23N7O6の計算値481.47; 実測値= 482.2 [M++H].1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 8.13 (d, 1H, J=8 Hz), 8.12 (s, 1H), 7.58 (d, 1H, J=8 Hz), 7.42 (d, 1H, J=8 Hz), 6.83 (d, 1H, J=8 Hz), 4.79-4.76 (m, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.49-4.46 (m, 2H), 4.23-4.18 (m, 1H), 3.79-3.74 (m, 1H), 3.62 (s, 3H), 2.99-2.95 (m, 2H), 2.74-2.71 (m, 2H), 1.9 (m, 3H), 1.2 (m, 1H).
HPLC: RT 6.46分。Phenomenex Geminiカラム(NX-C18 150×4.6)mm 3μ、移動相A: 10mMのNH4OAc/H2O、移動相B: アセトニトリル。
【0273】
化合物2:6-(5-(2-((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)エチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0274】
【化41】
【0275】
乾燥MeOH(13mL)及びDCM(13mL)中、VII(0.8g、3.6mmol)及びアミンI(1.22g、4.3mmol)の混合物に、AcOH(0.5mL)を添加し、5時間撹拌した。これに、シアノ水素化ホウ素ナトリウム樹脂(2.92g、7.3mmol)を添加し、15分間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮した。残留物をDCM(50mL)で希釈し、水(2×30mL)で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮して、粗製生成物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(60~120メッシュ)を使用してDCM中5%MeOHで溶出することによって精製して、標題化合物をオレンジ色の固体として得た。収量:0.5g、28%。
1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 11.23 (s, 1H, 交換性), 8.79 (m, 1H, 交換性), 8.22-8.15 (m, 2H), 7.58 (d, 1H, J=8 Hz), 7.44 (d, 1H, J=8 Hz), 6.85 (d, 1H, J=8 Hz), 4.8-4.75 (m, 1H), 4.65-4.6 (m, 4H), 4.25 (m, 1H), 3.8-3.74 (m, 1H), 3.63 (s, 3H), 3.5-3.4 (m, 2H), 3.2-3.1 (m, 2H), 2.2-2.0 (m, 2H).LC_MS: C22H23N7O6の計算値481.47; 実測値 482.0 [M++H].
【0276】
化合物3:(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0277】
【化42】
【0278】
乾燥メタノール(20mL)及びジクロロメタン(20mL)中、アルデヒド、VI(0.3g、1.37mmol)及びアミン、II(0.45g、1.64mmol)の混合物に、AcOH(0.10mL)を添加し、室温で16時間撹拌した。これに、MP-シアノ水素化ホウ素樹脂(1.09g、2.73mmol)を添加し、室温で更に15分間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(50mL)で希釈し、飽和10%NaHCO3水溶液及びブライン(2×15mL)で洗浄した。有機層をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粗製生成物を得、それを、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してジクロロメタン中4%メタノールで溶出することによって精製して、標題化合物(化合物3)を濁った白色の固体として得た(0.180g、30%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 11.18 (brs, 1H), 8.11 - 8.09 (m, 2H), 7.57 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.75 - 4.72 (m, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.49 - 4.46 (m, 2H), 4.14 - 4.09 (m, 1H), 3.88 - 3.84 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.03 - 2.91 (m, 4H);
LC_MS: C21H21N7O6の計算値467.44; 実測値 468.2 [M+H] +.
HPLC: 96.21%; 8.03分; HPLCカラム: Atlantis dC18(250×4.6)mm 5μm、移動相A: 水中0.1%TFA、移動相B: アセトニトリル。
キラルSFC: 保持時間: 2.44分; カラム: YMCアミロース-SA、共溶媒: IPA中0.5%DEA、流量: 5mL/分、注入体積: 15μL、出口圧力: 100バール、温度: 35℃
【0279】
化合物4:(R)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0280】
【化43】
【0281】
化合物4を、化合物3に類似の手順を使用して、中間体III及び中間体VIから合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6):δ 11.18 (brs, 1H), 8.11 - 8.09 (m, 2H), 7.57 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 7.40 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.81 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.75 - 4.72 (m, 1H), 4.61 (s, 2H), 4.49 - 4.46 (m, 2H), 4.14 - 4.09 (m, 1H), 3.88 - 3.84 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.03 - 2.91 (m, 4H);
LC_MS: C21H21N7O6の計算値467.44; 実測値 468.0 [M+H] +.
HPLC: 96.32%; 8.04分; HPLCカラム: Atlantis dC18(250×4.6)mm 5μm、移動相A: 水中0.1%TFA、移動相B: アセトニトリル
キラルSFC: 保持時間(RT): 3.99分(異性体-I); カラム: YMCアミロース-SA、共溶媒: IPA中0.5%DEA、流量: 5mL/分、注入体積: 15μL、出口圧力: 100バール、温度: 35℃。
【0282】
化合物5:(S)-6-(5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0283】
【化44】
【0284】
化合物5を、化合物3に類似の手順を使用して、中間体II及び中間体VIIから合成した。
収量(0.03g、16%):
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ11.17 (s, 1H), 8.17-8.14(d, J = 9.64 Hz, 2H), 7.92 -7.90(d, J = 9.64 Hz, 1H), 7.58-7.55 (d, J = 8.60 Hz, 1H), 7.41-7.39 (d, J = 8.64 Hz, 1H), 6.72-6.69 (d, J = 9.68 Hz, 1H), 4.76-4.72 (m, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.53-4.51 (m, 2H), 4.14- 4.10 (m, 1H), 3.88-3.84 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.0 (m, 2H), 2.95 (m, 2H);
LC_MS C21H21N7O6の計算値467.16; 実測値 468.2&469.2 [M++H].
【0285】
化合物6:(R)-6-(5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピリド[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0286】
【化45】
【0287】
化合物6を、化合物3に類似の手順を使用して、中間体III及び中間体VIIから合成した。
収量:0.9g、24%;
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.15 (s, 1H), 8.17-8.14(d, J = 9.64 Hz, 2H), 7.92 -7.90(d, J = 9.64 Hz, 1H), 7.57-7.55 (d, J = 8.60 Hz, 1H), 7.40-7.38 (d, J = 8.64 Hz, 1H), 6.72-6.69 (d, J = 9.68 Hz, 1H), 4.76-4.72 (m, 1H), 4.60 (s, 2H), 4.53-4.51 (m, 2H), 4.14- 4.10 (m, 1H), 3.88-3.84 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.0 (m, 2H), 2.95 (m, 2H);
LC_MS C21H21N7O6の計算値467.16; 実測値 468.2&469.2 [M++H].
【0288】
化合物7:(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[3,2-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0289】
【化46】
【0290】
MeOH:DCM(1:1、50ml)中、撹拌したVI(0.2g、0.9mmol)、アミンV(0.24g、0.9mmol)の懸濁液に、氷酢酸(0.2mL)を添加し、RTで16時間撹拌した。次に、シアノ水素化ホウ素樹脂(0.68g、1.36mmol)を添加し、RTで15分間撹拌した。反応が完了した後、濾過して樹脂を除去し、濾液を減圧下で濃縮して、粗製物を得た。粗製物を、分取(peparative)HPLCクロマトグラフィーによって精製して、標題化合物をギ酸塩として得た(薄黄色の非晶質粉末、0.06g、15%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6) δ 11.59 (s, br, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.15-8.09 (m, 3H), 6.81 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.86 (s, 3H), 4.49 - 4.48 (m, 2H), 4.11 - 4.09 (m, 1H), 3.85 - 3.78 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.04 - 2.96 (m, 4H).
LC_MS C20H20N8O6の計算値は468.43; 実測値 469.1 [M++H].
【0291】
化合物8:(R)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0292】
【化47】
【0293】
乾燥メタノール(20mL)及びジクロロメタン(20mL)の混合物中、化合物VI(0.2g、0.916mmol)及びアミンVIII(0.243g、0.916mmol)の混合物に、AcOH(0.40mL)を添加し、室温で16時間撹拌した。これに、2-ピコリンボラン錯体(0.058g、0.549mmol)を添加し、室温で更に10分間撹拌した。反応混合物を水中1%HCOOHでクエンチし、減圧下で濃縮して、粗製生成物を得た。得られた粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してジクロロメタン中6%メタノールで溶出することによって更に精製して、標題化合物(化合物8)をギ酸塩として得た(白色の非晶質粉末、0.120g、28.80%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 11.68 (brs, 1H), 8.35 (s, 1H), 8.14-8.09 (m, 3H), 6.80 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 4.85 - 4.80 (m, 3H), 4.48 (s, 2H), 4.09 (s, 1H), 3.82 (s, 1H), 3.60 (s, 3H), 3.05 - 2.97 (m, 4H). LC_MS: C20H20N8O6の計算値468.43; 実測値 469.1 [M++H].
【0294】
化合物9:(S)-6-(5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0295】
【化48】
【0296】
ギ酸塩としての化合物9を、実施例7に類似の手順を使用して、中間体V及び中間体VIIから合成した。
1H NMR (400 MHz, DMSO-D6) δ 11.58 (s, br, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.15-8.09 (m, 3H), 6.81 (d, 1H, J = 8.8 Hz), 4.86 (s, 3H), 4.49 - 4.48 (m, 2H), 4.10 - 4.07 (m, 1H), 3.85 - 3.78 (m, 1H), 3.69 (s, 3H), 3.04 - 2.96 (m, 4H). LC_MS C20H20N8O6の計算値は468.43; 実測値 469.1 [M++H].
【0297】
化合物10:(S)-6-(5-(((2-((7-フルオロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0298】
【化49】
【0299】
乾燥MeOH(15mL)及びジクロロメタン(15mL)の混合物中、X(0.1g、0.4219mmol)及びV(0.13g、0.5063mmol)の混合物に、AcOH(0.3mL)及び2-ピコリンボラン錯体(0.027g、0.25mmol)を室温において窒素雰囲気下で逐次的に添加した。得られた混合物を室温に温め、1時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水中1%HCOOHでクエンチし、真空中で濃縮して、粗製物を得た。得られた粗製物を、分取HPLCによって更に精製し、プールされた画分を濃縮し、得られた固体をジエチルエーテルと研和して、標題化合物をギ酸塩として得た(化合物10、薄黄色の固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.59 (s, br, 1H), 8.34 (s, 1H), 8.20-8.13 (m, 3H), 4.86-4.81 (m, 3H), 4.61-4.60 (m, 2H), 4.08-4.06 (m, 1H), 3.83-3.79 (m, 1H), 3.61 (s, 3H), 3.10-3.01 (m, 4H). LC_MS C20H19FN8O6の計算値は486.42; 実測値 485.2 [M+- H];HPLC純度=97.59%、カラム: XBridge C8(50×4.6)mm、3.5μm、移動相A: 水中0.1%TFA、移動相B: アセトニトリル。
【0300】
化合物11:(S)-6-(5-(((2-((4-エチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0301】
【化50】
【0302】
乾燥MeOH(20mL)/ジクロロメタン(20mL)の混合物中、XII(0.15g、0.6437mmol)及びV(0.18g、0.7081mmol)の混合物に、AcOH(0.5mL)を添加した後、2-ピコリンボラン錯体(0.045g、0.4248mmol)を室温で添加した。得られた混合物を1時間撹拌し続けた。反応が完了した後、反応混合物を水中1%HCOOHでクエンチし、真空中で濃縮した。得られた粗製物を分取HPLCによって更に精製し、プールされた画分を濃縮し、得られた固体をジエチルエーテルと研和して、標題化合物をギ酸塩として得た(化合物11、濁った白色の固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.33 (s, 1H), 8.14-8.10 (m, 2H), 8.08 (m, 2H), 6.82-6.80 (d, J=8.6 Hz,1H), 4.85-4.79 (m, 3H), 4.49 - 4.46 (m, 2H), 4.31 - 4.28 (m, 2H), 4.12-4.07 (m, 1H), 3.82 (m, 1H), 3.05 -3.02 (m, 2H), 2.98- 2.96 (m, 2H), 1.26-1.24 (t, 3H). LC_MS C21H22N8O6の計算値, 482.46; 実測値 483.1 [M++ H].HPLC純度=96.04%、カラム: Atlantis dC18(250×4.6)mm、5μm、移動相A: 水中0.1%TFA、移動相B: アセトニトリル。
【0303】
化合物12:(S)-6-(5-(((2-((7-クロロ-4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-2-オキソオキサゾリジン-3-イル)-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]オキサジン-3(4H)-オン
【0304】
【化51】
【0305】
乾燥MeOH(20mL)/DCM(20mL)の混合物中、XI(0.15g、0.5928mmol)及びV(0.17g、0.6521mmol)の混合物に、室温において窒素雰囲気下でAcOH(0.5mL)及び2-ピコリンボラン錯体(0.038g、0.3557mmol)を添加し、1時間撹拌した。反応が完了した後、反応混合物を水中1%HCOOHでクエンチし、真空中で濃縮して、粗製物を得た。得られた粗製物を分取HPLCによって更に精製し、プールされた画分を濃縮し、得られた固体をジエチルエーテルと研和して、標題化合物をギ酸塩として得た(化合物12、0.045g、濁った白色の固体)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 8.33-8.31 (m, 2H), 8.13 (s, 1H), 4.85-4.78 (m, 3H), 4.56 (m, 2H), 4.07 (m, 1H), 3.82 (m, 2H), 3.59 (s, 3H), 3.17 (m, 2H), 3.05-2.97 (m, 4H). LC_MS C20H19ClN8O6の計算値は502.87; Obs: 503.1 [M++H];HPLC純度=95.08%、カラム: Atlantis dC18(250×4.6)mm、5μm、移動相A: 水中0.1%ギ酸、移動相B: アセトニトリル。
【0306】
化合物13:(S)-5-(((2-((4-メチル-3-オキソ-3,4-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-6-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン
【0307】
【化52】
【0308】
乾燥メタノール(20mL)/ジクロロメタン(20mL)の混合物中、化合物VI(0.2g、0.916mmol)及び化合物IX(0.257g、0.916mmol)の混合物に、AcOH(0.40mL)を窒素雰囲気下で室温において添加し、16時間撹拌した。これに2-ピコリンボラン錯体(0.058g、0.549mmol)を添加し、室温で更に15分間撹拌した。反応混合物を水中1%HCOOHでクエンチし、減圧下で濃縮して、粗製生成物を得た。粗製生成物を、カラムクロマトグラフィーによって、シリカゲル(230~400メッシュ)を使用してジクロロメタン6%メタノールで溶出することによって精製して、標題化合物をギ酸塩として得た(化合物13、薄黄色の固体(0.100g、22.43%)。
1H NMR (400 MHz, DMSO-D6): δ 11.68 (brs, 1H), 8.75 (s, 1H), 8.19 (brs, 1H), 8.09-8.07 (m, 2H), 6.79 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 4.83 - 4.79 (m, 1H), 4.48-4.44 (m, 2H), 4.10 - 4.05 (m, 1H), 3.84 - 3.80 (m, 1H), 3.75 (s, 3H), 3.59 (s, 3H), 3.01 - 2.94 (m, 4H).LC_MS: C20H20N8O5Sの計算値484.49; 実測値 482.8 [M+-H].HPLC: 98.55%; 2.18分; HPLCカラム: X-Bridge C18(50×4.6)mm 3.5μm、移動相A: 水中0.1%TFA、移動相B: アセトニトリル。
【0309】
化合物14:(S)-5-(((2-((5-メチル-6-オキソ-5,6-ジヒドロピリド[2,3-b]ピラジン-3-イル)オキシ)エチル)アミノ)メチル)-3-(3-オキソ-3,4-ジヒドロ-2H-ピラジノ[2,3-b][1,4]チアジン-6-イル)オキサゾリジン-2-オン
【0310】
【化53】
【0311】
乾燥MeOH(20mL)/DCM(20mL)中、VII(0.17g、0.77mmol)及びIX(0.24g、0.853mmol)の混合物に、AcOH(0.2mL)及び2-ピコリンボラン錯体(0.058g、0.54mmol)を室温において窒素雰囲気下で添加した。得られた混合物を、室温で1時間撹拌し続けた。反応が完了した後、反応混合物を水中1%HCOOHでクエンチし、真空中で濃縮して、粗製物を得た。粗製物を、カラムクロマトグラフィーによって、ジクロロメタン中7%メタノールで溶出することによって精製した。得られた純粋な生成物を、ジエチルエーテルと更に研和して、純粋な生成物をギ酸塩として得た(化合物14、薄黄色の固体、25mg、及び8.68%)
1H NMR (400 MHz, DMSO-d6): δ 11.23 (brs, 1H), 8.77 (s, 1H), 8.18-8.15 (m, 2H), 7.93 (d, J = 12.00 Hz, 1H), 6.72 (d, J = 12.00, Hz, 1H), 4.83 (s, 1H), 4.53-4.52 (m, 2H), 4.11-4.07 (m, 1H), 3.86-3.82 (m, 3H), 3.62 (s, 3H), 3.06-2.98 (m, 4H). LC_MS C20H20N8O5Sの計算値は484.49; 実測値484.9 [M++H];HPLC純度=98.00%、X-Bridge C8(50×4.6)mm、5μm、移動相A: 水中0.1%TFA、移動相B: アセトニトリル
【0312】
(実施例4)
生物活性(抗菌活性):式(I)の化合物は、それらの強力な抗菌効果に起因して興味深い。本明細書に開示される本開示の化合物が抗菌効果をもたらす能力は、以下の最小阻害濃度(MIC)プロトコールに基づくアッセイを使用して、大腸菌ATCC25922、黄色ブドウ球菌ATCC29213、肺炎桿菌ATCC13883、アシネトバクター・バウマンニATCC19606、緑膿菌ATCC27853、及び大便連鎖球菌ATCC29212等の細菌種の成長を阻害するそれらの能力に関して評価することができる。
【0313】
試験細菌を、Luria Bertaniブロス(HIMEDIA M1245)で成長させ、粉末25グラムを蒸留水1000mlに溶解させ、高圧蒸気殺菌法によって15ポンドの圧力(121℃)で20分間滅菌する。培地の無菌性を、48時間にわたって37℃でインキュベートすることによってチェックする。
【0314】
グリセロール原液として-80℃で保存される細菌培養物を、LB寒天プレート上で継代培養して、単離されたコロニーを得る。各株の単一コロニーをLBブロスで培養する。培養物を、光学密度(600nmにおけるOD)0.8~1に達するまで37℃において200rpmでインキュベートする。この対数期培養物を、LBブロスで5~8×105CFU/mLの細胞数に希釈して、MIC実験のための接種材料として使用する。試験化合物を、原液濃度4mg/mlまでジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解させる。このDMSO原液の2倍希釈系列を、96ウェルのV底マイクロタイタープレートのA列からH列で調製する。体積3μLのこれらの希釈物を、96ウェル平底マイクロタイターアッセイプレートに移す。DMSO及び培地無菌性の効果をモニタリングするための対照が含まれる。各ウェルに、前述の希釈した培養物150μLを接種する。プレートを加湿インキュベーター内で37℃において一晩インキュベートする。翌朝、分光光度計を使用して、プレートを600nMの波長で読み取る。最小阻害濃度(MIC)を、濁度を示さない最小薬物濃縮物を含有するウェルと定義する。代表的なグラム陽性病原体(黄色ブドウ球菌、大便連鎖球菌)及びグラム陰性病原体(大腸菌、緑膿菌、及びA.バウマンニ)に対して決定された抗菌活性(MIC)を、Table 1(表1)に記録した。式Iに属する例示的化合物では、グラム陽性病原体及びグラム陰性病原体の両方に対して強力な抗菌活性が実証された。
【0315】
【表1】
【0316】
(実施例5)
酵素阻害アッセイ:大腸菌ジャイレース高次コイル形成及び大腸菌Topo IV脱連環に対するIC50の決定
細菌型IIトポイソメラーゼ、すなわちDNAジャイレース及びTopo IVの阻害によるグラム陽性菌及びグラム陰性菌の殺滅又は成長の阻害において使用するための、式Iに属する化合物又はその立体異性体、薬学的に許容されるその塩、錯体、水和物、溶媒和物、互変異性体、多形、ラセミ混合物、光学的に活性な形態及び薬学的に活性な誘導体。
【0317】
本開示はまた、大腸菌のDNAジャイレース及びTopo IV酵素を使用する細菌トポイソメラーゼの阻害によるグラム陽性菌及びグラム陰性菌の両方によって引き起こされた感染症の処置に関する証拠を提供する。
【0318】
大腸菌のDNAジャイレース高次コイル形成アッセイの手順
大腸菌のジャイレース高次コイル形成及びその阻害を、Inpiralis社から購入したキット(K0001)を使用してアッセイし、プロトコール(PMID:2172086)を、必要な修正を加えて適合させた。試験すべき化合物を30μlの反応体積及び3.2%DMSO中2.5nMの大腸菌のDNAジャイレースと共に10分間インキュベートした。次に、60ngの弛緩型pBR322プラスミドDNAを添加して反応を開始し、37℃で45分間継続した。反応混合物は、35mMのTris.HCl(pH7.5)、24mMのKCl、1.8mMのスペルミジン、4mMのMgCl2、2mMのDTT、6.5%(w/v)のグリセロール、0.1mg/mLのBSA、及び1mMのATPを含有していた。次に、プロテイナーゼK(20mg/mL)0.75μL及び2%SDS3μLを添加することによって反応を停止させ、37℃で30分間更にインキュベートした。この後、STEB(40%(w/v)のスクロース、100mMのTris-HCl、pH8、1mMのEDTA、0.5mg/mlのブロモフェノールブルー)4μLを添加し、プラスミドDNAの高次コイル形成した/弛緩した形態をアガロースゲル電気泳動法によって分離した。1%アガロースゲルに、1×TAE(40mMのTris、20mMの酢酸、1mMのEDTA)中4V/cmで3時間泳動させた。DNAを可視化するために、ゲルを0.7μg/mLの臭化エチジウムで10分間染色し、過剰の染料を、水で数回洗浄することによって除去した。濃度測定方法によってQuantity Oneソフトウェア(Bio-rad社)を使用して、反応物のそれぞれにおいて高次コイル形成した弛緩型DNAをゲル画像から定量することによって、IC50を決定した。
【0319】
大腸菌のトポイソメラーゼIV脱連環アッセイの手順
大腸菌のトポイソメラーゼIV脱連環活性及びその阻害を、Inpiralis社から購入したキット(D4002)を使用してアッセイし、キットプロトコールを、ジャイレース高次コイル形成アッセイと同様の必要な修正を加えて適合させた。試験すべき化合物を30μlの反応体積及び3.2%DMSO中5nMの大腸菌のポイソメラーゼIVと共に10分間インキュベートした。60ngのkDNAを添加して反応を開始し、37℃で40分間継続した。最終的な反応混合物は、40mMのTris.HCl(pH7.6)、100mMのグルタミン酸カリウム、10mMの酢酸マグネシウム、10mMのDTT、1mMのATP、及び50μg/mlのアルブミンを含有している。プロテイナーゼK(20mg/mL)0.75μL及び2%SDS3μLを添加することによって反応を停止させ、37℃で30分間更にインキュベートした。この後、STEB(40%(w/v)のスクロース、100mMのTris-HCl、pH8、1mMのEDTA、0.5mg/mlのブロモフェノールブルー)4μLを添加し、kDNA/小環状形態をアガロースゲル電気泳動法によって分離した。1%アガロースゲルに、1×TAE(40mMのTris、20mMの酢酸、1mMのEDTA)中4V/cmで3時間泳動させた。DNAを可視化するために、ゲルを0.7μg/mLの臭化エチジウムで10分間染色し、過剰の染料を、水で数回洗浄することによって除去した。濃度測定方法によってQuantity Oneソフトウェア(Bio-rad社)を使用して、ゲルのウェル内のキネトプラストDNAバンド及び反応物のそれぞれにおいてゲルに遊走する脱連環した小環状をゲル画像から定量することによって、IC50を決定した。
【0320】
式Iに属する代表例を、ジャイレース阻害のためのゲルベースの高次コイル形成アッセイ及びTopo IV阻害のための脱連環アッセイを使用して、大腸菌のDNAジャイレース及びTopo IV酵素に対して評価した。細菌型II Topo異性化酵素(ジャイレース及びTopo IV)の結果を、Table 2(表2)に提示する。Table 2(表2)に提示された結果は、式Iに属する化合物が、細菌型IIトポイソメラーゼ活性の阻害によってその抗菌活性を発揮し、化合物の観測された抗菌活性に関して二重阻害機序を表すことを示している。
【0321】
【表2】
【0322】
一連からの化合物が細菌の臨床株に対して抗菌活性を保持することができるかどうかを試験するために、抗菌感受性研究(MIC50及びMIC90の決定)を、標準CLSI指針に従って5種のグラム陰性菌種(大腸菌、緑膿菌、肺炎桿菌、A.バウマンニ及びE.クロアカ)の臨床株を使用して、一連からの代表的な化合物(化合物7)について行い、得られた結果をTable 3(表3)に提示する。標準薬物であるシプロフロキサシン及びメロペネムを、この研究で正の対照とした。
【0323】
【表3A】
【0324】
【表3B】
【0325】
hERG阻害アッセイ
このシリーズの化合物が、心臓のイオンチャネル、特にカリウムチャネル(IKr、hERG)を阻害することによって任意の安全性リスクを有するかどうかを試験するために、化合物を、電気生理学的アッセイを使用して試験して、hERGイオンチャネルに対するその潜在的な活性を評価した。化合物を、hERG(human Ether a go-go related gene)K+チャネルの阻害について、QPatch HTX自動化電気生理技術を使用して試験した。6点濃度応答曲線を、最大最終試験濃度300μMから3倍希釈系列を使用して作製し、結果をTable 4(表4)に提示する。
【0326】
化合物を、DMSO中100mMに可溶化した後、HBPSで300μMに希釈した。6点濃度応答曲線を、最大試験濃度から3.16倍希釈系列を使用して作製した。
【0327】
手順
電気生理学的記録を、全長hERGカリウムチャネルを安定に発現するチャイニーズハムスター卵巣細胞系から作成した。単一細胞のイオン電流を、全細胞パッチクランプ配置で室温(21~23℃)においてQPatch HTXプラットフォーム(Sophion)を使用して測定した。細胞内溶液は、120mMのKF、20mMのKCl、10mMのEGTA、10mMのHEPESを含有しており、pH7.3に緩衝化した。細胞外溶液(HEPES緩衝生理食塩水、HBPS)は、pH7.4に緩衝化した145mMのNaCl、4mMのKCl、2mMのCaCl2、1mMのMgCl2、10mMのHEPES、10mMのグルコースを含有していた。細胞を、保持電位-80mVでクランプした。細胞を、段階的に2秒間で+20mVに、次に3秒間で-40mVにした後、保持電位に戻した。この掃引を、10秒間隔で10回反復した。hERG電流を、テール工程から測定し、保持電位と参照した。次に、化合物を2分間インキュベートした後、同一パルストレインを使用してイオンチャネル電流の第2の測定を行った。
【0328】
【表4】
【0329】
利点
この主題及びその均等物に記載される通り、前述の実施例は、前述の利点を含む多くの利点を有する。
【0330】
本開示の化合物は、新規な機序を介して細菌性トポイソメラーゼを阻害することによって、グラム陽性菌及びグラム陰性菌を含む様々な病原体に対して高い抗菌活性を示す。
【0331】
主題を、それらのある特定の実施形態を言及しながらかなり詳細に記載してきたが、他の実施形態も可能である。したがって、本開示の精神及び範囲は、本明細書に含有される実施形態の説明に制限されるべきではない。