(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】インビボインプラントの摩耗破片の拡散を制限する方法
(51)【国際特許分類】
A61B 17/70 20060101AFI20240416BHJP
A61F 2/30 20060101ALI20240416BHJP
A61L 27/18 20060101ALI20240416BHJP
A61L 27/50 20060101ALI20240416BHJP
A61L 27/44 20060101ALI20240416BHJP
A61L 27/16 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A61B17/70
A61F2/30
A61L27/18
A61L27/50
A61L27/44
A61L27/16
(21)【出願番号】P 2021538151
(86)(22)【出願日】2019-12-13
(86)【国際出願番号】 CN2019124994
(87)【国際公開番号】W WO2020135088
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】201811603775.2
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】521282309
【氏名又は名称】李 ▲凱▼
【氏名又は名称原語表記】LI, KAI
【住所又は居所原語表記】EIGHT HOUSEHOLDS, UNIT1, 8TH FLOOR, NO. 15, XIJIHUYING, XINGHUALING DISTRICT, TAIYUAN CITY, SHANXI 030009, CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲凱▼
【審査官】滝沢 和雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-024868(JP,A)
【文献】米国特許第05755807(US,A)
【文献】特開2018-021132(JP,A)
【文献】特開平07-289562(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2003/0032958(US,A1)
【文献】欧州特許第02298244(EP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/70
A61B 17/72
A61F 2/30
A61L 27/18
A61L 27/50
A61L 27/44
A61L 27/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に動くことが可能であり摩耗を生じ得るインプラント構成要素の間の摩耗部分に、エラストマーシールが配置され、インプラントの摩耗破片の出口は、前記エラストマーシールと前記インプラント構成要素とによって形成されたシーリングエリア内に常に封止され、前記摩耗破片が外へと拡散するのを防ぎ、
前記エラストマーシールは、前記インプラント構成要素の間の相対運動を減少させるかまたは完全に相殺するための少なくとも1つのフレキシブルな緩衝部分を含み、それにより、部分の間の前記相対運動に起因する前記エラストマーシールのシーリング部分の摩耗をさらに減少さ
せ、かつ、
前記エラストマーシールは、前記インプラント構成要素に対して軸方向に移動することができ、それにより、過度の引っ張りに起因する破壊を避ける、
インビボインプラントの摩耗破片の拡散を制限する方法。
【請求項2】
前記エラストマーシールの前記緩衝部分が、前記インプラントの前記摩耗破片の出口に配置される、請求項1に記載のインビボインプラントの摩耗破片の拡散を制限する方法。
【請求項3】
前記フレキシブルな緩衝部分
の弾性変形体積が、弾性シーリング構成要素自体の弾性変形体積
、および/または
、前記弾性シーリング構成要素が軸引き込み可能な構造体を有する場合の当該軸引き込み可能な構造体
の弾性変形体積、である、請求項2に記載のインビボインプラントの摩耗破片の拡散を制限する方法。
【請求項4】
内部構成要素および外部構成要素を挿入して嵌合させることによって形成されたインプラントを含み、
前記内部構成要素および前記外部構成要素が、相対的に動くことにより、摩耗破片を生じ得、
前記インプラントの前記摩耗破片の出口が、前記内部構成要素に協同的に連結された前記外部構成要素のポートに位置され、
エラストマーシールが、前記内部構成要素と前記外部構成要素とによる挿入嵌合セグメントに配置され、
前記エラストマーシールの一方の部分が、前記内部構成要素の外面に強固に取り付けられ
、
前記エラストマーシールの他方の部分が、前記外部構成要素に強固に取り付けられて接続され、
かつ、
前記エラストマーシールは、前記内部構成要素または前記外部構成要素に対して軸方向に移動することができ、
それにより、前記エラストマーシール、前記内部構成要素、および前記外部構成要素が、前記摩耗破片の出口を包むシーリングエリアを形成すると共に、フレキシブルな緩衝部分が、前記内部構成要素上のシーリング位置と前記外部構成要素上のシーリング位置との間に配置される、摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項5】
前記エラストマーシールが、一体構造を有し、
前記エラストマーシールは、前記外部構成要素の内面に接続されており、
前記エラストマーシールの内孔が、円錐形であり、前記エラストマーシールは、フランジ形状であり、
前記エラストマーシールの小端部の内壁が、前記内部構成要素に強固に取り付けられてシールを形成し、前記エラストマーシールは、前記内部構成要素に対して移動することができ、
前記エラストマーシールの大端部における突起部の内壁と前記内部構成要素とが、隙間嵌めによって前記フレキシブルな緩衝部分を構成し、かつ、
前記エラストマーシールの前記大端部における前記突起部が、固定方法において前記外部構成要素の内孔に締め付け固定される、請求項4に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項6】
前記エラストマーシールの前記大端部が、前記内部構成要素を挿入して設置するための貫通穴を備える固定具によって、前記外部構成要素の内孔と中継されて接続され、
前記固定具の一方の端部が、多弁式矢印形状を有し、加圧によって前記外部構成要素に挿入されて接続され、
前記固定具の他方の端部が、内部において前記貫通穴よりも大きな直径を有する輪状ノッチを提供し、
前記エラストマーシールの前記大端部における前記突起部の端部ヘッドが、前記輪状ノッチに締め付け固定され、
前記大端部における前記突起部の端部ヘッドの2つの軸端面は、前記輪状ノッチと締まり嵌め状態にあり、かつ、
半径方向の外壁表面は、前記輪状ノッチと隙間嵌め状態にある、請求項5に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項7】
前記固定具が、インビボにおいて使用することができる医療用金属材料、または、ポリエチレン、PU、およびPEEKからなる群から選択されるインプラント材料、で作製される、請求項6に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項8】
前記エラストマーシールが、一体構造を有し、前記エラストマーシールが、前記外部構成要素の外面に接続され、前記エラストマーシールの内孔の2つの端部が、それぞれ、シールを形成するために前記内部構成要素の外壁および前記外部構成要素の外壁に強固に取り付けられ、前記エラストマーシールが、前記内部構成要素または前記外部構成要素に対して動くことがでると共に、前記エラストマーシールが、異なる外径において、前記内部構成要素および前記外部構成要素の、可変直径セグメントに亘る前記フレキシブルな緩衝部分を構成する、請求項4に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項9】
前記エラストマーシールと前記外部構成要素の前記外壁が、突起部による締め付け固定によって固定される、請求項8に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項10】
前記エラストマーシールと前記内部構成要素との間においてシールを実現させるための強固な取り付け力が、前記エラストマーシールの外壁上にスリーブを形成した付属品によって提供されると共に、前記付属品が、半径方向において外側から内側へと前記エラストマーシールに張力を与える、請求項5または8に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項11】
前記付属品が抜けるのを防ぐ非剛性構造体が、前記付属品と前記外部構成要素との間に接続されると共に、前記非剛性構造体が、所定の緩い状態にあり、前記外部構成要素の動きを、前記非剛性構造体を通して前記エラストマーシールに伝達しない、請求項10に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項12】
前記エラストマーシールが、分割構造を有すると共に、前記フレキシブルな緩衝部分、シーリングリング、およびフェルール、の3つの部分を含み、前記シーリングリングの内輪が、前記内部構成要素上に強固にスリーブを形成し
てシールを形成し、前記シーリングリングの外輪は、前記フェルールにしっかりと固定され、前記シーリングリングの外輪および前記フェルールは、相対的に動くことができず、前記フレキシブルな緩衝部分の一方の端部が、前記フェルールに固定されて接続されると共に、もう一方の端部が、前記外部構成要素の端部ヘッドに固定されて接続される、請求項4に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項13】
前記フェルールの軸長さが、前記シーリングリングの軸長さより長く、
環状スロットが、前記フェルールに設けられ、かつ、
前記シーリングリングが、固定された方式において前記環状スロットに締め付け固定される、請求項12に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項14】
前記緩衝部分が、弾性平滑面であるか、または引き込み可能で折り畳み可能な凹凸表面である、請求項5、8および13のいずれか一項に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【請求項15】
前記シールの内側圧力と外側圧力とのバランスを取るために、いくつかの微細孔が、前記エラストマーシール上に均等に分布される、請求項5、8および13のいずれか一項に記載の摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、整形外科のインビボインプラントの分野、特にインビボインプラントの摩耗破片の拡散を制限する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、背骨磁気成長ロッド(spinal magnetic growth rod)、背骨成長ガイドロッド(spinal growth guide rod)、伸長性髄内釘(extending femoral nail)、および組み立て式人工股関節などの整形外科のインビボインプラントの場合、様々な構成要素の間の相対的滑動が存在する。滑動は、肉眼で見える場合もまたは見えない場合もあるが、滑動は、摩耗破片を生じる場合があり、それは、摩擦界面によって形成されたクリアランスを通ってインビボインプラントの外側へと拡散する。これらの摩耗破片粒子は、結果として、周辺組織に炎症反応を生じさせる場合があり、金属イオンを放出して金属疾患の原因となり得る。インビボインプラントが、他の材料、例えば、ポリエチレン、PEEK、および他の材料など、で作製される場合、摩耗破片も発生し、それは、局所炎症反応を引き起こす。
【0003】
磁気成長ロッドは、相対的に動くスリーブ部分の間にOリングシールを提供し、これは、摩耗破片を制限するが、インビボインプラントを取り出した場合、患者は、シーリングリングの53%が損傷していることを見出すことが、Spine Volume 43, Number 1, pp E16-E22において言及されている。Oリングシールの高い損傷率は、動く構成要素の間の制限された空間、およびシーリングリングを収納するための制限された空間に関連し得る。シーリングリングは小さいため、摩耗の量は多くはないが、シーリングリングを故障させるのには十分である。その上、シーリングリングは、サイズが小さく、弾性が限定されており、わずかな変形は、シーリングリングの弾性域を超え得、結果として、摩擦界面の圧力の劇的な上昇、摩擦力の急激な増加、および摩耗の増加をもたらす。
図11に示されるように、従来のOリングシールを伴う磁気成長ロッドを採用した場合、シーリングリングは弾性であるが、成長ロッド内においてシーリングリングと内部構成要素および外部構成要素との間にシールが形成され、それにより、シーリング効果を実現する。成長ロッドの内部構成要素および外部構成要素が、微小運動を有するか、または明確な伸縮運動さえ有する場合、内部構成要素と外部構成要素との間の相対運動量は、直接的に、シーリングリングと構成要素との間における相対運動摩耗へと伝達されて変換される。ある期間の後、シーリングリングの弾性は失われ、さらにはシーリングリングが破壊され、シールは機能を失い、摩耗破片は再び拡散し、ヒトの組織に直接接触して、結果として、炎症などの悪影響をもたらす。
図12は、摩耗破片が拡散してヒト組織と接触した状態である。
【0004】
したがって、整形外科のインビボインプラントの特定の使用環境において、より低い故障確率を有し、摩耗破片が漏出するのを制限することができ、患者への影響を減少させることができる方法を探求することが必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、患者に対する整形外科の既存のインビボインプラントの摩耗破片の拡散の悪影響の問題を解決するために、整形外科のインビボインプラントの摩耗破片を制限する方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の技術的解決策を採用する。
【0007】
インビボインプラントの摩耗破片の拡散を制限する方法であって、相対的に動くことが可能であり摩耗を生じ得るインプラント構成要素の間の摩耗部分にエラストマーシールが配置され、それにより、インプラントの摩耗破片の出口は、シールとインプラント構成要素とによって形成されたシーリングエリア内に常にシールされ、結果として、摩耗破片が外へと拡散するのを防ぎ、かつ、エラストマーシールは、インプラント構成要素の間の相対運動を減少させるかまたは完全に相殺するための少なくとも1つのフレキシブルな緩衝部分を含み、それにより、部分の間の相対運動に起因するエラストマーシールのシーリング部分の摩耗をさらに減じる、方法。
【0008】
エラストマーシールの緩衝部分は、インプラントの摩耗破片の出口に配置される。
【0009】
フレキシブルな緩衝部分は、弾性シーリング構成要素自体の弾性変形体積および/または追加の軸引き込み可能な構造体である。
【0010】
摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具であって、インビボインプラント器具は、内部構成要素および外部構成要素を挿入して嵌合させることによって形成されたインプラントを含み、内部構成要素および外部構成要素が、相対的に動くことにより、摩耗破片を生じ得、インプラントの摩耗破片の出口が、内部構成要素に協同的に連結された外部構成要素のポートに位置され、エラストマーシールが、内部構成要素と外部構成要素とによる挿入嵌合セグメントに配置され、ここで、エラストマーシールの一方の部分は、スリーブに強固に取り付けられると共に内部構成要素上に配置され、エラストマーシールの他方の部分は、外部構成要素に強固に取り付けられて外部構成要素に接続され、それにより、エラストマーシール、内部構成要素、および外部構成要素は、摩耗破片の出口を包むシーリングエリアを形成すると共に、フレキシブルな緩衝部分が、内部構成要素上のシーリング位置と外部構成要素上のシーリング位置との間に配置される、インビボインプラント器具。
【0011】
エラストマーシールは、一体構造を有し、エラストマーシールは、内側にスリーブが形成され、外部構成要素に接続されており、エラストマーシールの内孔は、円錐形であり、かつ、エラストマーシールは、フランジ形状であり、エラストマーシールの小端部の内壁は、シールを形成するために内部構成要素に強固に取り付けられ、かつ、エラストマーシールは、内部構成要素に対して移動することができ、エラストマーシールの大端部における突起部の内壁と内部構成要素とは、隙間嵌めによってフレキシブルな緩衝部分を構成し、エラストマーシールの大端部における突起部は、固定方法において外部構成要素の内孔に締め付け固定される。
【0012】
エラストマーシールの大端部は、内部構成要素を挿入して設置するための貫通穴を備える固定具によって、外部構成要素の内孔と過渡的に接続され、固定具の一方の端部は、多弁式矢印形状を有すると共に、外部構成要素に挿入され、加圧によって外部構成要素に接続され、固定具の他方の端部には、貫通穴よりも大きな直径を有する輪状ノッチが内側に提供されており、エラストマーシールの大端部における突起部の末端ヘッドは、輪状ノッチに締め付け固定され、大端部および輪状ノッチにおける突起部の端部ヘッドの2つの軸端面は、締まり嵌め状態にあり、かつ、半径方向の外壁表面および輪状ノッチは、隙間嵌め状態にある。
【0013】
固定具は、インビボにおいて使用することができる医用金属材料またはインプラント材料、例えば、ポリエチレン、PU、およびPEEKなど、で作製される。
【0014】
エラストマーシールは、一体構造を有し、エラストマーシールは、外側にスリーブが形成されており、外部構成要素に接続され、エラストマーシールの内孔の2つの端部は、それぞれ、シールを形成するために内部構成要素の外壁および外部構成要素の外壁に強固に取り付けられ、エラストマーシールは、内部構成要素または外部構成要素に対して動くことができ、かつ、エラストマーシールは、異なる外径において、内部構成要素および外部構成要素の、可変直径セグメントに亘るフレキシブルな緩衝部分を構成する。
【0015】
エラストマーシールと外部構成要素の外壁は、突起部による締め付け固定によって固定される。
【0016】
エラストマーシールと内部構成要素との間においてシールを実現させるための強固な取り付け力が、エラストマーシールの外壁上にスリーブを形成した付属品によって提供されると共に、付属品は、半径方向において外側から内側へとエラストマーシールに張力を与える。
【0017】
付属品が抜けるのを防ぐ非剛性構造体が、付属品と外部構成要素との間に接続され、非剛性構造体は、正常な緩い状態にあり、外部構成要素の動きを、非剛性構造体を通してエラストマーシールに伝達しない。
【0018】
エラストマーシールは、分割構造を有すると共に、フレキシブルな緩衝部分、シーリングリング、およびフェルール、の3つの部分を含み、シーリングリングの内輪は、内部構成要素上に強固にスリーブを形成し、シーリングリングの外輪は、フェルールにしっかりと固定され、シーリングリングの外輪およびフェルールは、相対的に動くことができず、フレキシブルな緩衝部分の一方の端部は、フェルールに固定されて接続され、もう一方の端部は、外部構成要素の端部ヘッドに固定されて接続される。
【0019】
フェルールの軸長さは、シーリングリングの軸長さより長い。環状スロットが、フェルールに設けられる。シーリングリングは、固定された方式において環状スロットに締め付け固定される。
【0020】
緩衝部分は、弾性平滑面であるか、または引き込み可能で折り畳み可能な凹凸表面である。
【0021】
シールの内側圧力と外側圧力とのバランスを取るために、いくつかの微細孔が、エラストマーシール上に均等に分布される。
【0022】
本発明によれば、シールは、インビボインプラント構成要素に強固に取り付けられ、それにより、摩耗破片は、漏出することができず、かつ、シールとインビボインプラントとの間の摩擦力は、構成要素を駆動する力よりも小さいため、相対運動を生じ、それにより、構成要素の間の相対運動は、阻止され得ず、その結果、摩耗破片が漏出する問題を解決する。その上、シールにおいてシールとインビボインプラントとの間の強固な取り付けを維持する力は、シール自体の、または他の構成要素に接続されていないかまたは剛直には接続されていない付属品の張力から生じている。この場合、構成要素が、シールの弾性域内において相対的動く場合、シールの緩衝セグメントの弾性が緩衝材として機能するため、シールおよびシールが強固に取り付けられた構成要素は、依然として、相対的静止状態を維持する。その上、間のシーリング圧は、わずかに影響を受ける。シールとインビボインプラントの界面圧は、構成要素の間の相対運動により、劇的には変化しないであろう。その一方で、シールの弾性により、シールの付属品は、インビボインプラントに剛直には接続されていない。構成要素の間の微小運動は、シールとインビボインプラントとの間の相対運動を生じず、その結果、摩耗を回避するであろう。さらに、インビボインプラント構成要素の間の微小運動は、弾性スリーブの変形能力に対して非常に小さく、弾性スリーブの疲労破壊の可能性は非常に低い。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以下の有益な効果を有する。本発明によれば、摩擦界面によって形成されたクリアランスをシールするためにシールが採用され、摩耗破片粒子は、インビボインプラントの内側に制限され、それにより、摩耗破片と患者の身体との間の接触を減じ、悪影響を生じる機会を減少させ、その一方で、シールは、デバイスの相対的滑動を防がない。シール自体は、摩耗または疲労破壊を容易には受けない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図6】分割型エラストマーシールを設置する概略構造図である。
【
図7】インプラント(挿入方式において組み立てられた人工股関節)の概略図である。
【
図8】インプラント(成長ガイドロッド)の概略図である。
【
図9】インプラント(挿入方式において組み立てられた人工股関節)の概略図である。
【
図10】インプラント(交換可能な大腿骨頚部を備える人工股関節)の概略図である。
【
図11】既存のインプラントのシーリング構造である。
【
図12】
図6に示されるシーリング形態が使用された後の摩耗の概略図である。
【
図13】本発明のシーリング方法を採用した前後の比較図である。
【
図15】微細孔の概略構造
図2および微細孔の動的概略図である。
【
図16】微細孔の概略構造
図3および微細孔の動的概略図である。
【0025】
この場合、1-外部構成要素、2-内部構成要素、3-エラストマーシール、4-摩耗破片、5-フレキシブルな緩衝部分、6-付属品、7-固定具、8-フレキシブルな緩衝部分、9-シーリングリング、10-フェルール、11-微細孔、である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本発明によれば、相対的に動くことが可能であり摩耗を生じ得るインプラント構成要素の間の摩耗部分にエラストマーシールが配置され、それにより、インプラントの摩耗破片の出口は、シールとインプラント構成要素とによって形成されたシーリングエリア内に常にシールされ、結果として、摩耗破片が外へと拡散するのを防ぐと共に、エラストマーシールは、インプラント構成要素の間の相対運動の際にエラストマーシールに対する相対運動の摩耗量を減じるかまたは完全に相殺するために少なくとも1つのフレキシブルな緩衝部分を含む。すなわち、軸方向、半径方向、捻り方向などにおけるインプラント構成要素の間の微小運動は、フレキシブルな緩衝部分によって直接的に吸収され得、この場合、エラストマーシールとインプラント構成要素の間に相対運動摩耗が存在しない。緩衝部分の緩衝ストロークが、インプラントの間の軸方向運動のストロークを相殺するのに不十分な場合のみ(例えば、未成年の背骨成長ロッドなど、体の成長に伴い、インプラントの内部構成要素と外部構成要素との間の相対運動量が比較的に顕著な場合)、エラストマーシールは、インプラントに対して滑動することができ、それにより、過度の引っ張りに起因する破壊を避けることができる。
【0027】
エラストマーシールの緩衝部分は、インプラントの摩耗破片の出口に配置される。この方法において、第一に、摩耗破片を貯蔵するための空間が形成され、第二に、摩耗破片の出口は、内部構成要素および外部構成要素の相対的引き込み可能なセグメントがある場所であり、内部構成要素と外部構成要素との間の微小運動は、緩衝部分によって直接的に吸収され得、それにより、内部構成要素と外部構成要素の間の動きは、エラストマーシールと構成要素との間の動きへとは直接的に変換されず、結果として、エラストマーシールの摩耗を効率的に避けるかまたは減じる。
【0028】
フレキシブルな緩衝部分は、弾性シーリング構成要素自体の弾性変形体積および/または追加の軸引き込み可能な構造体である。すなわち、シーリング部材自体の弾性変形体積が、インプラント構成要素の間の微小運動ストロークを吸収して相殺するために使用され得る。インプラント構成要素の間の相対運動が比較的大きい場合、緩衝部分は、エラストマーシールの緩衝部分の吸収効果を増強するために、引き込み可能で折り畳み可能な凹凸セグメントであるように設計され得る。
【0029】
エラストマーシールは、多くの場合、医用シリカゲルまたはPUおよび他の材料で作製される。医療用移植に適合する前提の下、弾性材料が選択される。
【0030】
しかしながら、エラストマーシールの構造形態およびシールと内部構成要素と外部構成要素との間の接続には様々な方式があり、本発明において異なるシールを採用する具体的実施形態が、以下において図面を参照しながらさらに説明されるであろう。
【0031】
実施形態1
図1に示されるような摩耗破片を制限する機能を有するインビボインプラント器具は、内部構成要素および外部構成要素を挿入して嵌合することによって形成され、内部構成要素および外部構成要素は、相対的に動くことができ、それにより、摩耗破片を生じ、インプラントの摩耗破片の出口は、内部構成要素に協同的に接続された外部構成要素のポートに位置され、エラストマーシールが、内部構成要素および外部構成要素の挿入嵌合セグメント上に配置される。エラストマーシール、内部構成要素、および外部構成要素は、摩耗破片の出口を包むシーリングエリアを形成する。エラストマーシールの内孔の2つの端部は、それぞれ、シールを形成するために内部構成要素の外壁および外部構成要素の外壁に強固に取り付けられ、エラストマーシールは、異なる外径において、内部構成要素および外部構成要素の、可変直径セグメントに亘るフレキシブルな緩衝部分を構成する。この場合、シール、内部構成要素、および外部構成要素は、摩耗破片の拡散とヒト組織との接触を防ぐために、摩耗破片を包み得るシーリングエリアを形成する。実施形態のシール構造は、シール自体の弾性張力によって、内部構成要素および外部構成要素との効果的な接続を形成し、かつ、弾性構成要素は、内部構成要素または外部構成要素に対して動くことができる。
【0032】
緩衝部分セグメントの材料は、シールの本体の材料と同じであってもまたは異なっていてもよい。緩衝部分のエラストマーシールの外側表面は、平坦で平滑な表面であってもよく、または凹凸型の褶曲構造体において提供されてもよく、すなわち、緩衝セグメント自体も、ある特定の量の伸張を有する。
【0033】
実施形態2
図2に示されるように、構造は、さらに、実施形態1において説明されるシールの構造に基づいて最適化される。シールと内部構成要素および外部構成要素との間の効果的な接続を確実にするため、およびシーリング効果を確実にするために、内部構成要素に接続されたエラストマーシールの外壁上に付属品が配置され、その一方で、エラストマーシールおよび外部構成要素の外壁によって締め付け固定することによる外壁の固定は、外部構成要素の外壁上に輪状突起を有する締め付け固定突起部を提供すること、および次いで締め付け固定突起部によってシールの大端部においてヘッドをお互いに締め付け固定することによって完成される。付属品は、すなわち、エラストマーシールの小端部に半径方向の力を適用するために、糸状、バンド、シェル、リングなどの様々な材料を採用することができる。外部構成要素からの距離がある特定の範囲内に維持されることを確実にするため、付属品および外部構成要素は、さらに、軸方向に伸長することができないフレキシブルな構造体、例えば、固定ワイヤ、フレキシブルな接続スリーブなど、によって接続することができる。
【0034】
実施形態3
図3に示される構造において、エラストマーシールは、フランジ形状(T字形構造)である。エラストマーシールの小端部における内壁と内部構成要素との間の接続は、実施形態1と同じであり、エラストマーシールは、内側締め付け固定接続によって外部構成要素に接続される。その上、エラストマーシールの内孔は円錐形状であり、内孔の小端部は、シーリング効果を実現するために、内部構成要素に強固に取り付けられ、その一方で、内孔の大端部の直径は、内部構成要素との直径よりわずかに大きく、このセグメントは、フレキシブルな緩衝セグメントを構成する。内部構成要素および外部構成要素が相対的微小運動を有する場合、微小運動量は、透過性緩衝セグメントによって相殺および吸収することができ、したがって、内部構成要素と外部構成要素との間における微小運動形成が伝達されてシールと内部構成要素との間において運動摩耗を形成するのを効果的に防ぐことができ、結果としてシーリング効果を増強することができる。エラストマーシールの大端部における突起部は、固定方法において外部構成要素の内孔に締め付け固定される。外部構成要素の内孔は、外部構成要素の貫通穴より大きい環状ノッチを伴って提供される。エラストマーシールの突起部の末端ヘッドは、環状ノッチにおいて締め付け固定され、大端部における突起部の末端ヘッドの2つの軸端部表面と環状ノッチとは、縛り嵌め状態にあり、かつ、半径方向の外壁表面および輪状ノッチは、隙間嵌め状態にある。すなわち、エラストマーシールの突起部の軸末端面は、シールを形成するために、環状ノッチの2つの側壁に強固に取り付けられるが、突起部は、環状ノッチにおけるある程度の半径方向の動きを許容する。
【0035】
実施形態4
内部構成要素および外部構成要素による弾性構成要素の強固な取り付けを確実にする必要があるため、実施形態3における弾性構成要素の構造は、実際の設置の際にエラストマーシールを設置するのが困難である場合がある。したがって、シールと外部構成要素との間に、移行のための固定具が加えられる。固定具は、
図4に示される通りである。内側に提供される直径は、内部構成要素の貫通穴より大きい。左側セグメントは、円柱形状を有し、実施形態3と同じ環状スロットが、左側セグメント上に提供される。右側セグメントは、矢印形状を有し、3つの弁を組み合わせることによって形成される。半径方向に加圧することによって、3つの弁を有する矢尻は、内側方向へと集めて外部構成要素内へと押し込むことができ、その一方で、右側セグメントの矢印形状は、強固に締め付け固定することで、外れるのを防ぐのに役立つ。
【0036】
実施形態5
構造は、
図5に示される通りである。シールの構造は、付属品が、エラストマーシールと内部構成要素との間の接続において弾性シーリングリングの外壁上にスリーブを形成していることを除いて、実施形態3および4における構造と同じである。付属品は、エラストマーシールに対して外側から内側へと半径方向に張力を加え、非剛性構造体、例えば、スプリングまたはフレキシブルな材料など、によって、付属品をインビボインプラントの外部構成要素に接続する。ただし、非剛性構造体は、半径方向の力をエラストマーシールの小端部に加えることを可能にしなければならない。外部構成要素からの距離をある特定の範囲内に維持するために、付属品および外部構成要素は、インビボインプラントの外部構成要素の動きをシールに伝達することなく、外れるのを防ぐため、軸方向に伸長することができないフレキシブルな構造体、例えば、固定ワイヤ、フレキシブルな接続スリーブなど、によって接続される。
【0037】
実施形態6
エラストマーシールは、さらに、分割型構造となるように設計することができる。
図6に示されるように、エラストマーシールは、主に、フレキシブルな緩衝部分、シーリングリング、およびフェルール、の3つの部分を含み、シーリングリングの内輪は、内部構成要素上に強固にスリーブを形成し、シーリングリングの外輪は、フェルールにしっかりと固定され、シーリングリングの外輪およびフェルールの両方は、相対的に動くことができず、フレキシブルな緩衝部分の一方の端部は、フェルールに固定されて接続され、もう一方の端部は、外部構成要素の端部ヘッドに固定されて接続される。この場合、内部構成要素と外部構成要素との間の微小運動は、緩衝部分セグメントによって吸収することができる。インプラント構成要素の間の相対運動が比較的大きい場合にのみ、シーリングリングは、内部構成要素に対して動くことができる。構造は、既存のシーリング構造の直接的な改良である(
図11)。違いは、フレキシブルな緩衝部分の配置に存し、それは、シーリングリングと内部構成要素との間の相対運動を最小化する。
【0038】
本発明の整形外科のインビボインプラントは、構成要素が相対的に動くインビボインプラントであり、インプラントは、様々な構造を有する。具体例は、以下の通りである。
【0039】
実施例1
実施例1は、
図7に示されるような挿入方式において組み立てられた人工股関節である。人工補綴インプラントの挿入セグメントは、円錐形である。したがって、人工補綴物の外部構成要素は、特殊形状の構造を有し、外部構成要素の外面は、非平滑表面である。
図3、
図4、または
図5のエラストマーシールの内部スリーブ型接続構造を採用することができる。
【0040】
実施例2
図8に示されるような成長ガイドロッドの場合、内部構成要素および外部構成要素は、スプラインによって接続され、
図1または2に示されるような外部スリーブ型弾性シーリング方式が採用される。
【0041】
実施例3
図9に示されるような挿入方式において組み立てられた人工股関節の場合、人工補綴物の内部構成要素および外部構成要素の挿入セグメントも、円錐形であり、それは、実施例1と同様である。
図3、
図4、または
図5のエラストマーシールの接続構造は、同様の円錐形挿入セグメントまたは円筒形挿入セグメントに採用することができる。
【0042】
実施例4
図10に示されるような交換可能な大腿骨頚部を有する人工股関節の場合、人工補綴物であるインビボインプラントの挿入セグメントは、楕円形の平坦な特殊形状の構造を有し、かつ、インビボインプラントの外部構成要素も、特殊形状の非平滑表面構造を有するため、
図3、
図4、または
図5のエラストマーシールの接続構造を採用することができる。
【0043】
したがって、本発明のインビボインプラントは、構造において多種多様であり、中国特許出願公告第101785695号において開示されるORTHOPAEDIC ROD IN AUTOMATIC-EXTENDING AND ANTIREVOLVING SCOLIOSIS CORRECTING SYSTEMに基づき得、この場合、整形外科ロッドは、スリーブおよびスリーブ中に挿入可能な挿入ロッドを含む、Spine Volume 43, Number 1, pp E16-E22に示される磁気成長ロッド、および伸長性の髄内釘を含む。整形外科ロッドは、嵌合構造を有する特殊形状のピース、例えば、成長ガイドロッドなど、例えば、調節可能な髄内釘、でもあり得る。例えば、The Journal of Bone and Joint Surgery 2014;96:488-93 dhttp://dx.doi.org/10.2106/JBJS.L.01625では、交換可能な大腿骨頚部を有する人工股関節における大腿ステムと大腿骨頚部との間の接合部において。挿入方式などにおいて組み立てられた任意の人工股関節は、本発明の方法を使用することによってシールすることができる。シールは弾性構造体であるため、インビボインプラントがどのような形状構造を有していても、シールとインビボインプラント構成要素との間における自己適合性の強固な接続は、効果的に確保することができる。
【0044】
比較例
図13aは、本発明による摩耗破片を制限する構造体を使用した整形外科のインビボインプラントである。月齢3か月のヒツジに移植した後、ヒツジが成長にするに従って、成長ロッドは伸び、シールとインビボインプラントとの間において滑動が存在するが、インビボインプラントにおける摩耗破片は、依然としてシール内に制限され、漏出した摩耗破片はほとんどなかった。
図13bは、一般的インビボインプラントを使用した(すなわち、シーリング処理なしの)相応の同じサイズのヒツジの状況を示している。写真の白黒処理後でさえ、依然として、4つの明確な黒いマークが、丸いフレームの右下部分に見え、破片が漏出した痕跡は、非常に明確である。
【0045】
まとめると、本発明による方法を使用することにより、摩耗破片と患者の身体との間の接触が効果的に減じられ、有害効果を生じる機会が減少し、本発明において説明されるエラストマーシールは、エラストマーシールのフレキシブルな環状部分を十分に活用する。インプラント構成要素の間の相対運動に起因するシールの摩耗は、フレキシブルな緩衝部分により、効果的に相殺または減じることができる。
【0046】
その一方で、エラストマーシールの内部圧力と外部圧力のバランスを取るために、いくつかの微細孔が、エラストマーシール上に分布される。エラストマーシールは、一体構造を有する。微細孔は、エラストマーシールに、直接的に配置され得る。エラストマーシールが、分割型構造を有する場合、微細孔は、緩衝部分、フェルール、またはシール本体に配置され得る。
【0047】
図14に示されるように、エラストマーシールは、自然な状態において正常な開口状態である微細孔構造体である。微細孔の直径は、摩耗破片の直径よりも小さく、それは、小さい直径を有する物質、例えば、水分子など、が通過することを容認するが、その一方で、大きい粒子、例えば、摩耗破片など、は、通過することができず、その結果、確実に摩耗破片が放出されないようにする。
【0048】
図15aに示されるように、エラストマーシールは、自然な状態において閉口状態である微細孔構造体である。シールの両面に対する圧力が均等でない場合、シールは、小さい直径の物質、例えば、水分子など、が通過できるように自動的に開かれ得、結果として、圧力のバランスを取り得る。開口状態(
図15bおよび15c)の微細孔の直径は、摩耗破片の直径より小さく、それにより、小さい直径を有する物質、例えば、水分子など、は通過させることができ、その一方で、摩耗破片などの粒子は通過することができない。
【0049】
図16aに示されるように、エラストマーシールは、単方向の流れを実現する機能を有する微細孔構造体である。微細孔が開口している場合、その直径は、摩耗破片の直径より小さいかまたは大きくあり得る。シーリング空間の内部圧力が小さい場合にのみ、微細孔は開口させることができ、すなわち、
図16bに示される気密状態であり得る。微細孔が開口している場合、外部の液体および物質のみが、圧力によって入ることができ、その一方で、
図16cに示されるように、内側の摩耗破片粒子も水分子も、外へと流出することができない。
【0050】
水分子と摩耗破片粒子の直径は、著しく異なる。一般的に、摩耗破片の粒子は、5ナノメートル超であり、それらのほとんどが1マイクロメートル超であり、比較的大きな直径を有し、その一方で、水分子などは、1ナノメートル未満の直径を有し、比較的小さい直径を有する。既存の成熟した微孔性半透膜技術を使用することにより、水分子およびイオンなどの通過を実現することができ、その一方で、タンパク質やコロイドなどの大きい粒子は、通過することができない。半透膜技術は、本特許の技術的要件を満たすために適用することができる。PUおよびシリカゲルなどの材料を加工する場合、たとえ微細孔が大きくても、少量の小さい直径の摩耗破片は、滲出するかもしれないが、摩耗破片のほとんどは、依然として漏出することができず、したがって、摩耗破片による被害を大いに減少させることができる。