(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】シガレット
(51)【国際特許分類】
A24D 3/04 20060101AFI20240416BHJP
A24D 1/20 20200101ALI20240416BHJP
A24D 3/17 20200101ALI20240416BHJP
A24D 3/14 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A24D3/04
A24D1/20
A24D3/17
A24D3/14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022161099
(22)【出願日】2022-10-05
(62)【分割の表示】P 2020555041の分割
【原出願日】2019-08-08
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】10-2018-0093998
(32)【優先日】2018-08-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】519217032
【氏名又は名称】ケーティー アンド ジー コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジョウン、ウン ミ
(72)【発明者】
【氏名】コ、ドン キュン
(72)【発明者】
【氏名】チョイ、サン ウォン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン、スン ファン
(72)【発明者】
【氏名】パク、イン ス
【審査官】川口 聖司
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0070512(KR,A)
【文献】特開平05-184675(JP,A)
【文献】特開昭64-060363(JP,A)
【文献】特開平07-250665(JP,A)
【文献】特表2015-506713(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0040568(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24D 3/04
A24D 3/14
A24D 3/17
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タバコロッドと、
前記タバコロッドの下流末端部に連結されたフィルタロッドと、を含むシガレットにおいて、
前記フィルタロッドの一部は、冷却部で構成され、前記冷却部は、冷却物質としてスクロース(sucrose)を含み、
前記冷却物質の表面の少なくとも一部には、微細突起が形成され、
前記フィルタロッドは、前記冷却部、チューブ部及びアセテート部を含み、
前記冷却部は、前記タバコロッドの下流末端部に連結され、前記チューブ部は、前記冷却部の下流末端部に連結され、前記アセテート部は、前記チューブ部の下流末端部に連結される、シガレット。
【請求項2】
前記冷却物質は、ビード(bead)状である、請求項1に記載のシガレット。
【請求項3】
前記ビード状の冷却物質の表面は、コーティングされた、請求項2に記載のシガレット。
【請求項4】
前記冷却物質は、シート(sheet)状である、請求項1に記載のシガレット。
【請求項5】
前記シート状の冷却物質は、前記冷却部の長手方向に沿って気流が通過するように巻き取られて前記冷却部に位置する、請求項4に記載のシガレット。
【請求項6】
前記シート状の冷却物質は、多孔性紙または、可食性(edible)フィルムのうち、いずれか1つの材料によって形成される、請求項4または5に記載のシガレット。
【請求項7】
前記冷却物質は、ブロック(block)状である、請求項1に記載のシガレット。
【請求項8】
前記ブロック状の冷却物質は、円筒状、チューブ状または練炭形状のうち、いずれか1つの形状を有する、請求項7に記載のシガレット。
【請求項9】
前記ブロック状の冷却物質の外周面には、前記冷却部の長手方向に気流を通過させる少なくとも1つのチャネルが形成された、請求項7または8に記載のシガレット。
【請求項10】
前記少なくとも1つのチャネルは、一直線、曲線、螺旋またはジグザグの規則的なパターンまたは不規則的なパターンを形成し、前記冷却物質の外周面に形成される、請求項9に記載のシガレット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タバコロッドとフィルタロッドとを含むシガレットを提供する。
【背景技術】
【0002】
最近、一般的なシガレットの短所を克服する代替方法に係わる需要が増加している。例えば、シガレットを燃焼させてエアロゾルを生成させる方法ではない、シガレット内のエアロゾル生成物質が加熱されることにより、エアロゾルが生成する方法に係わる需要が増加している。
【0003】
シガレットは、フィルタを含み、フィルタは、エアロゾルに含まれた特定成分をフィルタリングするか、エアロゾルを冷却させる役割を行う。フィルタのフィルタリング性能が過度に高ければ、エアロゾル移行量が減少し、フィルタリング性能が過度に低ければ、エアロゾルに含まれた特定成分がフィルタリングされない問題がある。
【0004】
これにより、フィルタを構成する成分を変更したり、フィルタの構造を変更したりすることで、適切な性能を有するフィルタに関する研究が進行しつつある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、冷却部を構成する冷却物質としてスクロース(sucrose)を利用するシガレットを提供することである。本実施例がなそうとする技術的課題は、前述したような技術的課題に限定されず、以下の実施例から他の技術的課題が類推されうる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
タバコロッド及びタバコロッドの下流末端部に連結されたフィルタロッドを含むシガレットを開示する。
【0007】
本実施例によるフィルタロッドの一部は、冷却部で構成され、冷却部は、冷却物質としてスクロース(sucrose)を含む。
【発明の効果】
【0008】
本発明の実施形態によれば、シガレットの冷却部を構成する冷却物質としてスクロース(sucrose)を利用することで、加熱されたエアロゾルを効果的に冷却させることができる。加熱されたエアロゾルが冷却部を通過することにより、スクロースの温度が融点以上になってスクロースの相変化が起こる。その過程で、スクロースは、周辺の熱を吸収することで、加熱されたエアロゾルを冷却させることができる。
【0009】
また、スクロース周辺の水分を吸収する特性によって、スクロースに吸収された水分が冷却部を通過するエアロゾルに追加されることで、エアロゾル量が増加する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図2】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図3】エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【
図5】一実施例による冷却部を含むシガレットの一例を示す図面である。
【
図6】一実施例によるビード(bead) 形態の冷却物質を示す例示的な図面である。
【
図7A】一実施例によるシート(sheet)状の冷却物質を示す例示的な図面である。
【
図7B】一実施例によるシート(sheet)状の冷却物質を示す例示的な図面である。
【
図8A】一実施例によるブロック(block)形態の冷却物質を示す例示的な図面である。
【
図8B】一実施例によるブロック(block)形態の冷却物質を示す例示的な図面である。
【
図9】一実施例によるスクロースを冷却物質として利用することによる冷却効果を説明するための図面である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記技術的課題を達成するための技術的手段として、本開示の第1側面は、タバコロッドと、前記タバコロッドの下流末端部に連結されたフィルタロッドと、を含むシガレットにおいて、前記フィルタロッドの一部は、冷却部で構成され、前記冷却部は、冷却物質としてスクロース(sucrose)を含む、シガレットを提供することができる。
【0012】
実施例で使用される用語は、本発明での機能を考慮しながら、可能な限り、現在広く使用される一般的な用語を選択したが、それは、当分野に携わる技術者の意図、判例、または新たな技術の出現などによっても異なる。また、特定の場合は、出願人が任意に選定した用語もあり、その場合、当該発明の説明部分において、詳細にその意味を記載する。従って、本発明で使用される用語は、単純な用語の名称ではない、その用語が有する意味と、本発明の全般にわたる内容とを基に定義されなければならない。
【0013】
明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とするとき、それは、特別に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除くものではなく、他の構成要素をさらに含んでもよいということを意味する。また、明細書に記載された「…部」、「…モジュール」というような用語は、少なくとも1つの機能や動作を処理する単位を意味し、それは、ハードウェアまたはソフトウェアによって具現されるか、あるいはハードウェアとソフトウェアとの結合によっても具現される。
【0014】
以下、添付図面に基づいて、本発明の実施例について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施可能なように詳細に説明する。しかし、本発明は、様々な異なる形態としても具現され、ここで説明する実施例に限定されない。
【0015】
下記実施例において、用語「上流」及び「下流」は、シガレットを構成するセグメント間の相対的な位置を示すために使用された用語である。ユーザがシガレットを使用して空気を吸引するとき、外部からシガレット内部に空気が流入される部分が「上流」であり、シガレット内部から外部に空気が排出される部分が「下流」である。シガレットの使用時、ユーザは、シガレットの下流端部を口にすることができる。一方、用語「端部」はまた「末端」とも記述される。
【0016】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を詳細に説明する。
【0017】
図1から
図3は、エアロゾル生成装置にシガレットが挿入された例を示す図面である。
【0018】
図1を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000及びヒータ13000を含む。
図2及び
図3を参照すれば、エアロゾル生成装置10000は、蒸気化器14000をさらに含む。また、エアロゾル生成装置10000の内部空間には、シガレット20000が挿入される。
【0019】
図1から
図3に図示されたエアロゾル生成装置10000には、本実施例に係わる構成要素が図示されている。したがって、
図1から
図3に図示された構成要素以外に他の汎用的な構成要素がエアロゾル生成装置10000にさらに含まれることを、本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0020】
また、
図2及び
図3には、エアロゾル生成装置10000にヒータ13000が含まれていると図示されているが、必要によって、ヒータ13000は、省略されてもよい。
【0021】
図1には、バッテリ11000、制御部12000、及びヒータ13000が一列に配置されていると図示されている。また、
図2には、バッテリ11000、制御部12000、蒸気化器14000、及びヒータ13000が一列に配置されていると図示されている。また、
図3には、蒸気化器14000及びヒータ13000が並列に配置されていると図示されている。しかし、エアロゾル生成装置10000の内部構造は、
図1から
図3に図示されたものに限定されない。すなわち、エアロゾル生成装置10000の設計によって、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000、及び蒸気化器14000の配置は、変更されうる。
【0022】
シガレット20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、エアロゾル生成装置10000は、ヒータ13000及び/または蒸気化器14000を作動させ、シガレット20000及び/または蒸気化器14000からエアロゾルを発生させうる。ヒータ13000及び/または蒸気化器14000によって発生したエアロゾルは、シガレット20000を通過してユーザに伝達される。
【0023】
必要によって、シガレット20000がエアロゾル生成装置10000に挿入されていない場合にも、エアロゾル生成装置10000は、ヒータ13000を加熱することができる。
【0024】
バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000の動作に用いられる電力を供給する。例えば、バッテリ11000は、ヒータ13000または蒸気化器14000が加熱されるように電力を供給することができ、制御部12000の動作に必要な電力を供給することができる。また、バッテリ11000は、エアロゾル生成装置10000に設けられたディスプレイ、センサー、モータなどの動作に必要な電力を供給することができる。
【0025】
制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の動作を全般的に制御する。具体的に、制御部12000は、バッテリ11000、ヒータ13000、及び蒸気化器14000だけではなく、エアロゾル生成装置10000に含まれた他の構成の動作を制御する。また、制御部12000は、エアロゾル生成装置10000の構成それぞれの状態を確認し、エアロゾル生成装置10000が動作可能な状態であるか否かを判断することもできる。
【0026】
制御部12000は、少なくとも1つのプロセッサを含む。プロセッサは、多数の論理ゲートのアレイとして具現され、汎用的なマイクロプロセッサと、該マイクロプロセッサで実行されるプログラムが保存されたメモリの組合わせによっても具現される。また、他の形態のハードウェアによっても具現されるということを、本実施例が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、理解できるであろう。
【0027】
ヒータ13000は、バッテリ11000から供給された電力によって加熱される。例えば、シガレットがエアロゾル生成装置10000に挿入されれば、ヒータ13000は、シガレットの内部に位置してもよい。したがって、加熱されたヒータ13000は、シガレット内のエアロゾル生成物質の温度を上昇させることができる。
【0028】
ヒータ13000は、電気抵抗性ヒータでもある。例えば、ヒータ13000には、電気伝導性トラック(track)を含み、電気伝導性トラックに電流が流れることにより、ヒータ13000が加熱される。しかし、ヒータ13000は、上述した例に限定されず、希望温度まで加熱されるものであれば、制限なしに該当する。ここで、希望温度は、エアロゾル生成装置10000に予め設定されていてもよく、ユーザによって所望の温度に設定されてもよい。
【0029】
一方、他の例において、ヒータ13000は、誘導加熱式ヒータでもある。具体的に、ヒータ13000には、シガレットを誘導加熱方式で加熱するための電気伝導性コイルを含んでもよく、シガレットは、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタを含んでもよい。
【0030】
例えば、ヒータ13000は、管状の加熱要素、板状の加熱要素、針状の加熱要素または棒状の加熱要素を含んでもよく、加熱要素の形状によって、シガレット20000の内部または、外部を加熱することができる。
【0031】
また、エアロゾル生成装置10000には、ヒータ13000が複数個配置されてもよい。この際、複数個のヒータ13000は、シガレット20000の内部に挿入されるように配置され、シガレット20000の外部に配置されてもよい。また、複数個のヒータ13000のうち、一部は、シガレット20000の内部に挿入されるように配置され、残りは、シガレット20000の外部に配置される。また、ヒータ13000の形状は、
図1から
図3に図示された形状に限定されず、多様な形状にも製作される。
【0032】
蒸気化器14000は、液状組成物を加熱してエアロゾルを生成し、生成されたエアロゾルは、シガレット20000を通過してユーザに伝達される。すなわち、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルは、エアロゾル生成装置10000の気流通路に沿って移動し、気流通路は、蒸気化器14000によって生成されたエアロゾルがシガレットを通過してユーザに伝達されるように構成される。
【0033】
例えば、蒸気化器14000は、液体保存部、液体伝達手段及び加熱要素を含むことができるが、それに限定されない。例えば、液体保存部、液体伝達手段、及び加熱要素は、独立したモジュールとしてエアロゾル生成装置10000に含まれてもよい。
【0034】
液体保存部は、液状組成物を保存することができる。例えば、液状組成物は、揮発性タバコ香成分を含むタバコ含有物質を含む液体でもあり、非タバコ物質を含む液体でもある。液体保存部は、蒸気化器14000から/に脱/付着するように製作され、蒸気化器14000と一体にも製作される。
【0035】
例えば、液状組成物は、水、ソルベント、エタノール、植物抽出物、香料、香味剤、またはビタミン混合物を含んでもよい。香料は、メントール、ペパーミント、スペアミントオイル、各種果物の香り成分などを含んでもよいが、それらに制限されるものではない。香味剤は、ユーザに多様な香味または風味を提供する成分を含んでもよい。ビタミン混合物は、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンC及びビタミンEのうち、少なくとも1つが混合されたものでもあるが、それらに制限されるものではない。また、液状組成物は、グリセリン及びプロピレングリコールのようなエアロゾル形成剤を含んでもよい。
【0036】
液体伝達手段は、液体保存部の液状組成物を加熱要素に伝達する。例えば、液体伝達手段は、綿纎維、セラミック纎維、ガラスファイバ、多孔性セラミックのような芯(wick)にもなるが、それらに限定されるものではない。
【0037】
加熱要素は、液体伝達手段によって伝達される液状組成物を加熱するための要素である。例えば、加熱要素は、金属熱線、金属熱板、セラミックヒータなどにもなるが、それらに限定されるものではない。また、加熱要素は、ニクロム線のような伝導性フィラメントによっても構成され、該液体伝達手段に巻かれる構造によっても配置される。加熱要素は、電流供給によって加熱され、加熱要素と接触された液体組成物に熱を伝達し、液体組成物を加熱することができる。その結果、エアロゾルが生成されうる。
【0038】
例えば、蒸気化器14000は、カトマイザ(cartomizer)または霧化器(atomizer)とも称されるが、それらに限定されるものではない。
【0039】
一方、エアロゾル生成装置10000は、バッテリ11000、制御部12000、ヒータ13000、及び蒸気化器14000以外に汎用的な構成をさらに含んでもよい。例えば、エアロゾル生成装置10000は、視覚情報の出力が可能なディスプレイ及び/または触覚情報の出力のためのモータを含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、少なくとも1つのセンサー(パフ感知センサー、温度感知センサー、シガレット挿入感知センサーなど)を含んでもよい。また、エアロゾル生成装置10000は、シガレット20000が挿入された状態でも外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする構造によっても製作される。
【0040】
図1から
図3には、図示されていないが、エアロゾル生成装置10000は、別途のクレードルと共に、システムを構成してもよい。例えば、クレードルは、エアロゾル生成装置10000のバッテリ11000の充電に用いられる。または、クレードルとエアロゾル生成装置10000とが結合された状態でヒータ13000が加熱されてもよい。
【0041】
シガレット20000は、一般的な燃焼型シガレットと類似している。例えば、シガレット20000は、エアロゾル生成物質を含む第1部分とフィルタなどを含む第2部分に区分される。または、シガレット20000の第2部分にも、エアロゾル生成物質が含まれてもよい。例えば、顆粒またはカプセル状に作られたエアロゾル生成物質が第2部分に挿入されてもよい。
【0042】
エアロゾル生成装置10000の内部には、第1部分の全体が挿入され、第2部分は、外部に露出されもする。または、エアロゾル生成装置10000の内部に第1部分の一部のみ挿入されても、第1部分の全体及び第2部分の一部が挿入されてもよい。ユーザは、第2部分を口にした状態でエアロゾルを吸い込むことができる。この際、エアロゾルは、外部空気が第1部分を通過することで生成され、生成されたエアロゾルは、第2部分を通過してユーザの口に伝達される。
【0043】
一例として、外部空気は、エアロゾル生成装置10000に形成された少なくとも1つの空気通路を通じて流入される。例えば、エアロゾル生成装置10000に形成された空気通路の開閉及び/または空気通路の大きさは、ユーザによって調節される。これにより、霧化量、喫煙感などがユーザによって調節される。他の例として、外部空気は、シガレット20000の表面に形成された少なくとも1つの孔(hole)を通じてシガレット20000の内部にも流入される。
【0044】
以下、
図4を参照して、シガレット20000の一例について説明する。
【0045】
【0046】
図4を参照すれば、シガレット20000は、タバコロッド21000及びフィルタロッド22000を含む。
図1から
図3を参照して上述した第1部分は、タバコロッド21000を含み、第2部分32000は、フィルタロッド22000を含む。
【0047】
図4には、フィルタロッド22000が単一セグメントと図示されているが、それに限定されない。すなわち、フィルタロッド22000は、複数個のセグメントで構成されてもよい。例えば、フィルタロッド22000は、エアロゾルを冷却する第1セグメント及びエアロゾル内に含まれた所定の成分をフィルタリングする第2セグメントを含んでもよい。また、必要によって、フィルタロッド22000には、他の機能を遂行する少なくとも1つのセグメントをさらに含んでもよい。
【0048】
シガレット20000は、少なくとも1枚のラッパ24000によって包装されうる。ラッパ24000には、外部空気が流入されたり、内部気体が流出されたりする少なくとも1つの孔(hole)が形成される。一例として、シガレット20000は、1枚のラッパ24000によって包装される。他の例として、シガレット20000は、2以上のラッパ24000によって重畳的に包装されてもよい。例えば、第1ラッパによってタバコロッド21000が包装され、第2ラッパによってフィルタロッド22000が包装される。そして、個別ラッパによって包装されたタバコロッド21000及びフィルタロッド22000が結合され、第3ラッパによってシガレット20000全体が再包装される。もし、タバコロッド21000またはフィルタロッド22000それぞれが複数個のセグメントで構成されていれば、それぞれのセグメントが個別ラッパによって包装される。そして、個別ラッパによって包装されたセグメントが結合されたシガレット20000全体が異なるラッパによっても再包装される。
【0049】
タバコロッド21000は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよいが、それらに限定されるものではない。また、タバコロッド21000は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。また、タバコロッド21000には、メントールまたは保湿剤などの加香液が、タバコロッド21000に噴射されることで添加しうる。
【0050】
タバコロッド21000は、多様に製作されうる。例えば、タバコロッド21000は、シート(sheet)によっても作製され、ストランド(strand)によっても作製される。また、タバコロッド21000は、タバコシートが細かく切られた刻みタバコによっても製作される。また、タバコロッド21000は、熱伝導物質によって取り囲まれる。例えば、熱伝導物質は、アルミニウムホイルのような金属ホイルでもあるが、それに限定されない。一例として、タバコロッド21000を取り囲む熱伝導物質は、タバコロッド21000に伝達される熱を均一に分散させてタバコロッドに加えられる熱伝導率を向上させることができ、これにより、タバコ味を向上させうる。また、タバコロッド21000を取り囲む熱伝導物質は、誘導加熱式ヒータによって加熱されるサセプタとしての機能が可能である。この際、図示はされていないが、タバコロッド21000は、外部を取り囲む熱伝導物質以外にも追加のサセプタをさらに含んでもよい。
【0051】
フィルタロッド22000は、酢酸セルロースフィルタでもある。一方、フィルタロッド22000の形状には、制限がない。例えば、フィルタロッド22000は、円柱状ロッドでもあり、内部に中空を含むチューブ状ロッドでもある。また、フィルタロッド22000は、リセス状ロッドでもある。もし、フィルタロッド22000が複数個のセグメントで構成された場合、複数個のセグメントのうち、少なくとも1つが異なる形状によっても作製される。
【0052】
フィルタロッド22000は、香味が発生するようにも製作される。一例として、フィルタロッド22000に加香液が噴射され、加香液が塗布された別途の纎維がフィルタロッド22000の内部に挿入されてもよい。
【0053】
また、フィルタロッド22000には、少なくとも1つのカプセル23000が含まれる。ここで、カプセル23000は、香味を発生させる機能を行い、エアロゾルを発生させる機能を行うこともできる。例えば、カプセル32400は、香料を含む内容液を被膜で覆い包んだ構造でもある。カプセル32400は、球状または円筒状を有することができるが、それらに制限されるものではない。
【0054】
もし、フィルタロッド22000にエアロゾルを冷却するセグメントが含まれる場合、冷却セグメントは、高分子物質または生分解性高分子物質によっても製造される。例えば、冷却セグメントは、純粋なポリ乳酸だけでも製作されるが、それに限定されない。または、冷却セグメントは、複数個の孔が形成された酢酸セルロースフィルタによっても製作される。しかし、冷却セグメントは、上述した例に限定されず、エアロゾルが冷却される機能を行うことができれば、制限なしに該当しうる。
【0055】
一方、
図4には、図示されていないが、一実施例によるシガレット20000は、前端フィルタをさらに含んでもよい。前端フィルタは、タバコロッド21000において、フィルタロッド22000に反対になる一側に位置する。前端フィルタは、タバコロッド21000の外部への離脱を防止し、喫煙中にタバコロッド21000から液状化されたエアロゾルがエアロゾル生成装置(
図1から
図3の10000)に流れて行くことを防止することができる。
【0056】
図5は、一実施例による冷却部を含むシガレットの一例を示す図面である。
【0057】
図5を参照すれば、シガレット5は、タバコロッド510及びタバコロッド510の下流末端部に連結されたフィルタロッド520を含む。フィルタロッド520は、冷却部521、チューブ部522、及びアセテート部523を含んでもよい。
【0058】
図5に図示されたように、一実施例において冷却部521は、タバコロッド510の下流末端部に連結され、チューブ部522は、冷却部521の下流末端部に連結され、アセテート部523は、チューブ部522の下流末端部に連結される。すなわち、タバコロッド510、冷却部521、チューブ部522、及びアセテート部523順にセグメントが位置してもよい。
【0059】
他の実施例においてチューブ部522は、タバコロッド510の下流末端部に連結され、冷却部521は、チューブ部522の下流末端部に連結され、アセテート部523は、冷却部521の下流末端部に連結される。すなわち、タバコロッド510、チューブ部522、冷却部521、及びアセテート部523順にセグメントが位置してもよい。
【0060】
しかし、フィルタロッド520に含まれるフィルタセグメントの種類、及びフィルタロッド520を構成するフィルタセグメントの配列順序は、それに制限されない。
【0061】
一方、シガレット5は、複数のラッパによって包装される。複数のラッパは、一般的な巻紙によって製作され、多孔質巻紙または無多孔質巻紙でもある。
【0062】
例えば、タバコロッド510は、第1ラッパによって包装され、チューブ部522は、第2ラッパによって包装される。また、冷却部521は、第3ラッパによって包装され、アセテート部523は、第4ラッパによって包装される。
【0063】
第5ラッパは、第1ラッパ、第2ラッパ、及び第3ラッパの外郭に覆い包まれる。すなわち、シガレット5のタバコロッド510、チューブ部522、及び冷却部521は、第5ラッパによってさらに包装されうる。また、第6ラッパは、第5ラッパの少なくとも一部、及び第4ラッパの外郭に覆い包まれる。すなわち、シガレット5の冷却部521の少なくとも一部、及びアセテート部523は、第6ラッパによってさらに包装されうる。
【0064】
シガレット5の直径は、5mmから9mmの範囲以内であり、長さは、約48mmでもあるが、それに限定されない。例えば、タバコロッド510の長さは、約12mm、チューブ部522の長さは、約10mm、冷却部521の長さは、約14mm、アセテート部523の長さは、約12mmでもあるが、それに限定されない。
【0065】
タバコロッド510は、エアロゾル生成物質を含む。例えば、エアロゾル生成物質は、グリセリン、プロピレングリコール、エチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール及びオレイルアルコールのうち、少なくとも1つを含んでもよい。
【0066】
また、タバコロッド510は、風味剤、湿潤剤及び/または有機酸(organic acid)のような他の添加物質を含んでもよい。例えば、風味剤は、甘草、ショ糖、果糖シロップ、イソ甘味剤(isosweet)、ココア、ラベンダ、シナモン、カルダモン、セロリ、フェヌグリーク、カスカリラ、白檀、ベルガモット、ゼラニウム、蜂蜜エッセンス、ローズオイル、バニラ、レモンオイル、オレンジオイル、ミントオイル、桂皮、キャラウェイ、コニャック、ジャスミン、カモマイル、メントール、桂皮、イランイラン、サルビア、スペアミント、生姜、コリアンダーまたはコーヒーなどを含んでもよい。また、湿潤剤は、グリセリンまたはプロピレングリコールなどを含んでもよい。
【0067】
一例として、タバコロッド510は、板状葉シート(reconstituent tobacco sheet)によっても充填される。他の例として、タバコロッド510は、刻みタバコによって充填される。ここで、刻みタバコは、板状葉シートを細かく切断することで生成される。また他の例として、タバコロッド310は、板状葉シートが細かく切断された複数のタバコストランドによっても充填される。例えば、タバコロッド310は、複数のタバコストランドが互いに同一方向(平行)に、またはランダムに合わせられて形成されうる。
【0068】
また、タバコロッド510がラッパによって包装される過程以前に、メントールまたは保湿剤などの加香液をタバコロッド510の中央に噴射して添加してもよい。
【0069】
チューブ部522は、酢酸セルロースフィルタでもある。例えば、チューブ部522は、内部に中空を含むチューブ状の構造物でもある。チューブ部522の長さは、4mmから30mmの範囲内で適切な長さが採用されるが、それに限定されない。望ましくは、チューブ部522の長さは、10mmにもなるが、それに限定されない。チューブ部522に含まれた中空の直径は、2mmから4.5mmの範囲内で適切な直径が採用されるが、それに限定されない。
【0070】
チューブ部522の製造時に可塑剤の含量を調節することで、チューブ部522の硬度が調整される。また、チューブ部522は、内部(例えば、中空)に同一あるいは異形の材質のフィルム、チューブなどの構造物を挿入して製造される。
【0071】
チューブ部522は、酢酸セルロースを用いて製造される。これにより、ヒータが挿入される場合、タバコロッド510の内部物質が押し出される現象を防止し、エアロゾルの冷却効果が発生しうる。
【0072】
冷却部521には、冷却物質としてスクロース(sucrose)(または、ショ糖)が含まれる。スクロースの融点(melting point)は、約160℃から180℃である。スクロースの温度が融点以上になれば、カラメル反応(caramelization)が進行されるが、その過程で周辺の熱を吸収する。
【0073】
冷却部521は、ヒータがタバコロッド510を加熱することで生成されたエアロゾルを冷却させる。したがって、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸い込むことができる。
【0074】
具体的に、シガレット5がエアロゾル生成装置に挿入されれば、エアロゾル生成装置は、ヒータを作動させ、シガレット5のタバコロッド510を加熱する。ユーザがエアロゾル生成装置に挿入されたシガレット5のアセテート部523を口にして空気を吸い込めば、外部からシガレット5内部に空気が流入され、流入された空気がヒータによって加熱されたタバコロッド510を通過する過程でエアロゾルが生成される。
【0075】
タバコロッド510で生成されたエアロゾルが冷却部521を通過することにより、冷却部521に含まれた冷却物質であるスクロースの温度が上昇する。スクロースの温度が融点以上になれば、カラメル反応が進行し、その過程で周辺の熱を吸収して加熱されたエアロゾルを冷却させうる。したがって、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸い込むことができる。
【0076】
また、冷却部521に含まれたスクロースは、周辺の水分を吸収して保持する特性を有する。これにより、スクロースに吸収された水分が冷却部521を通過するエアロゾルに追加されてエアロゾル量が増加し、喫煙後半までエアロゾル量が保持される。
【0077】
また、スクロースが濃い砂糖濃縮液である場合、高い浸透圧によって防腐性が高く、保管上安定性も確保することができる。
【0078】
一実施例において、冷却部521に含まれたスクロースは、ビード(bead)状、シート(sheet)状、またはブロック(block)状を有することができる。
【0079】
ビード状のスクロースは、球状またはペレット状を有することができる。シート状のスクロースは、多孔性紙または、可食性(edible)フィルムのうち、いずれか1つの材料によって形成される。ブロック状のスクロースは、円筒状、チューブ状、または練炭形状を有することができる。
【0080】
冷却部521の長さまたは直径は、シガレット5の形態によって多様に決定されうる。例えば、冷却部521の長さは、7mmから20mmの範囲内で適切に採用される。望ましくは、冷却部521の長さは、約14mmにもなるが、それに限定されない。
【0081】
一方、
図5に図示されたように、冷却部521がチューブ部522及びアセテート部523よりもシガレット5の上流部分に位置することで、チューブ部522及びアセテート部523が熱によって溶けるか、収縮されることを防止することができる。
【0082】
図6は、一実施例によるビード(bead)状の冷却物質を示す例示的な図面である。
【0083】
図6を参照すれば、冷却部600は、第1フィルタ要素610、第2フィルタ要素620及び冷却物質630を含んでもよい。
【0084】
冷却部600の一端には、第1フィルタ要素610が位置し、冷却部600の他端には、第2フィルタ要素620が位置してもよい。また、第1フィルタ要素610及び第2フィルタ要素620は、所定距離ほど離隔されて第1フィルタ要素610と第2フィルタ要素620との間にキャビティ(cavity)が形成される。スクロースを含む冷却物質630は、キャビティ内に位置してもよい。
【0085】
一実施例において、第1フィルタ要素610及び第2フィルタ要素620は、内部に中空を含むチューブ状の構造物でもあるが、第1フィルタ要素610及び第2フィルタ要素620の形状は、それに制限されない。
【0086】
第1フィルタ要素610と第2フィルタ要素620との間のキャビティ内に位置した冷却物質630は、ビード状でもある。ビード状の冷却物質630は、球状またはペレット状を有することができる。
【0087】
一実施例において、回転噴霧方式(Tangential Spray)またはトップスプレイ方式(Top Spray)を用いてスクロースシード(seed)にスクロースレイヤ(layer)を積層することで、ビード状の冷却物質630が製作されうる。そのような方式によって製作されたビード状の冷却物質630は、球状またはペレット状を有することができる。
【0088】
また、ビード状の冷却物質630の表面は、コーティングされる。冷却物質630の表面をコーティングするコーティング剤としては、フィルム形成重合体、ガム(GUM)類または澱粉(STARCH)類が用いられる。例えば、冷却物質630の表面をコーティングするコーティング剤としては、シェラック(shellac)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(Hydroxypropyl methylcellulose, HPMC)、とうもろこし澱粉または、それらの組合わせが使用される。望ましくは、冷却物質630の表面をコーティングするコーティング剤は、シェラックでもある。冷却物質630の表面がコーティングされることで冷却物質630を冷却部600内部に挿入することが容易になり、冷却物質630の保管性が向上する。
【0089】
また、冷却物質630の表面の少なくとも一部には、微細突起が形成される。冷却物質630の表面に微細突起が形成されることで、冷却物質630が冷却部600を通過するエアロゾルとの接触面積が増加しうる。その結果、冷却物質630の冷却効果が向上する。
【0090】
一実施例において、冷却部600の全体体積基準に、ビード状の冷却物質630が占める体積比が30%から35%でもある。また、ビード状の冷却物質630の直径は、約3mmから5mmであり、重さは、約0.3gから1.0gでもある。
【0091】
一方、冷却部600に含まれた第1フィルタ要素610、第2フィルタ要素620、及び冷却物質630は、少なくとも1枚のラッパ640によっても包装される。
【0092】
図7A及び
図7Bは、一実施例によるシート(sheet)状の冷却物質を示す例示的な図面である。
【0093】
スクロースを含む冷却物質710は、シート状を有することができる。
【0094】
一実施例において、冷却物質710は、多孔性紙シートでもある。多孔性紙は、弾性復元力及び柔軟性を有する材料でもあり、例えば、白樺、竹などラッパに使用されるセルロース系物質によっても製作される。
【0095】
冷却物質710が多孔性紙シートによって形成される場合、スクロース(例えば、スクロースパウダ)、蒸溜水、及び水飴(starch syrup)で構成された塗布物質が多孔性紙材料に塗布されうる。塗布物質に含まれた水飴は、粘度を調節し、砂糖/葡萄糖結晶が析出されることを抑制する役割を行う。
【0096】
一方、塗布物質に含まれる材料は、上述した例に制限されず、冷却物質710のコーティング作業及び乾燥作業の効率を高めるために、追加物質がさらに添加されてもよい。
【0097】
一実施例において、多孔性紙に塗布される塗布物質の全体濃度対比で、スクロース(例えば、スクロースパウダ)の濃度は、30%wtから70%wtであり、塗布物質の全体重量対比で、水飴の重量は、40%以下でもあるが、それに制限されない。
【0098】
他の実施例において、冷却物質710は、可食性(edible)フィルムでもある。
【0099】
可食性フィルムは、生分解性フィルム素材を含んでもよい。例えば、生分解性フィルム素材としては、澱粉やセルロース及びそれらの誘導体であるペクチン(pectin)、アルギン酸(alginate)、カラギーナン(carrageenan)、キトサン(chitosan)などが用いられる。また、可食性フィルムには、すぐれたコーティング及びフィルム形成能を有するプルラン(pullulan)がさらに添加される。
【0100】
上述した生分解性フィルム素材とスクロースが混合されることで、可食性フィルム状の冷却物質710が形成される。
【0101】
さらに他の実施例において、シート状の冷却物質710は、ワックスのような粘度を有することができる。ワックスのような粘度を有するために、冷却物質710は、スクロース、酸性系溶液及び蒸溜水でも構成される。酸性系溶液は、レモン汁、酢などでもある。
【0102】
図7Aを参照すれば、シート状の冷却物質710は、巻き取られうる。冷却部700内部には、巻き取られた冷却物質720が位置する場合、冷却部700の長手方向に沿って気流(例えば、エアロゾル)が通過するように、巻き取られた冷却物質720が冷却部700の内部に位置してもよい。すなわち、巻き取られた冷却物質720の長手方向が冷却部700の長手方向と平行になるように、巻き取られた冷却物質720が冷却部700内部に位置してもよい。
【0103】
図7Aでは、複数の巻き取られた冷却物質720が冷却部700に位置することで、冷却部700内部にハニカム(honeycomb)のような気流パスが形成されうる。
【0104】
また、
図7Bを参照すれば、冷却部700の長手方向に沿って気流が通過するように、シート状の冷却物質710は、多様なパターンを形成し、冷却部700に位置してもよい。例えば、冷却部700内部には、不規則的なパターンに巻縮された冷却物質731、渦状の冷却物質732または同心円状の冷却物質733が位置してもよい。
【0105】
図8A及び
図8Bは、一実施例によるブロック(block)状の冷却物質を示す例示的な図面である。
【0106】
スクロースを含む冷却物質は、ブロック状を有してもよい。一実施例において、シロップまたはパウダ状のスクロースをモールド(mold)に注いで固める方式でブロック状の冷却物質を製作することができる。
【0107】
図8Aを参照すれば、ブロック状の冷却物質は、円筒状、内部に中空を含むチューブ状または内部を貫通する複数のホールが形成された練炭形状を有することができる。しかし、ブロック状の冷却物質の形状は、それに制限されない。
【0108】
図8Bを参照すれば、ブロック状の冷却物質の外周面には、少なくとも1つのチャネルが形成される。冷却物質の長手方向に沿って気流が通過するように、冷却物質の外周面に形成された少なくとも1つのチャネルは、冷却部の長手方向に形成される。
【0109】
一実施例において、冷却物質の外周面に形成された少なくとも1つのチャネルは、一直線、曲線、螺旋またはジグザグの規則的なパターンまたは不規則的なパターンを形成することができる。また、冷却物質の外周面には、凸状の突起または凹溝が螺旋形パターンに形成されて気流を通過させるチャネルの役割が行える。
【0110】
図9は、一実施例によるスクロースを冷却物質として利用することによる冷却効果を説明するための図面である。
【0111】
図9を参照すれば、シガレット910から970は、タバコロッド、チューブ部、冷却部及びアセテート部で構成される。
【0112】
シガレット910から970のタバコロッドが加熱されている最中、ユーザがシガレット910から970のアセテート部を口にしてパフ(puff)する度に、外部からシガレット910から970内部に空気が流入される。外部から流入された空気が加熱されたタバコロッドを通過する過程でエアロゾルが生成される。
【0113】
下記表1は、第1案から第7案によるシガレット910から970を用いて、タバコロッドで生成されたエアロゾルが冷却部を通過した後、アセテート部の上流末端に到逹したエアロゾルの温度を測定した結果である。すなわち、下記表1に基づいて、第1案から第7案それぞれにおいてエアロゾルが冷却部を通過しつつ、如何ほど冷却されたかを確認することができる。
【0114】
下記表1の測定のために、パフボリュームは、55ml、パフ時間は、2秒、パフ周期は、20秒、及びパフ回数は、12回に設定した。表1において、最大温度は、各パフ別パフ周期の間、最大温度の平均値を意味し、平均温度は、各パフ別パフ周期間の平均温度の平均値を意味する。
【0115】
【0116】
以下、第1案から第7案のチューブ部及び冷却部は、内部に中空を含むチューブ状の構造物である。
【0117】
第1案の場合、シガレット910のチューブ部は、CA(Cellulose Acetate)であり、冷却部は、PLA(Poly Lactic Acid)製織物である。第1案のシガレット910を用いて測定位置でエアロゾルの温度を測定した結果、最大温度は、79.2℃、平均温度は、65.8℃と測定された。
【0118】
第2案の場合、シガレット920のチューブ部は、CAであり、冷却部もCAである。第2案のシガレット920を用いて測定位置でエアロゾルの温度を測定した結果、最大温度は、68.8℃、平均温度は、57.7℃と測定された。
【0119】
第3案の場合、シガレット930のチューブ部は、板状葉であり、冷却部は、CAである。第3案のシガレット930を用いて測定位置でエアロゾルの温度を測定した結果、最大温度は、86.8℃、平均温度は、69.0℃と測定された。
【0120】
第4案の場合、シガレット940のチューブ部は、紙であり、冷却部は、CAである。第4案のシガレット940を用いて測定位置でエアロゾルの温度を測定した結果、最大温度は、69.5℃、平均温度は、55.7℃と測定された。
【0121】
第5案の場合、シガレット950のチューブ部は、CAであり、冷却部は、板状葉である。第5案のシガレット950を用いて測定位置でエアロゾルの温度を測定した結果、最大温度は、77.3℃、平均温度は、61.8℃と測定された。
【0122】
第6案の場合、シガレット960のチューブ部は、CAであり、冷却部は、紙である。第5案のシガレット960を用いて測定位置でエアロゾルの温度を測定した結果、最大温度は、85.7℃、平均温度は、72.7℃と測定された。
【0123】
第7案の場合、シガレット970のチューブ部は、CAであり、冷却部は、スクロースである。第7案のシガレット970を用いて測定位置でエアロゾルの温度を測定した結果、最大温度は、47.3℃、平均温度は、42.6℃と測定された。
【0124】
すなわち、第1案から第7案によるシガレット910から970を用いてアセテート部上流末端に到逹したエアロゾルの温度を測定した結果、冷却部の冷却物質がスクロースである第7案の最大温度及び平均温度が最も低く測定された。
【0125】
冷却部に含まれたスクロースの温度が融点以上になれば、カラメル反応が進行し、その過程で周辺の熱を吸収して加熱されたエアロゾルを効果的に冷却させうる。したがって、ユーザは、適当な温度に冷却されたエアロゾルを吸い込むことができる。
【0126】
本実施例に係わる技術分野で通常の知識を有する者は、前記記載の本質的な特性から外れない範囲で変形された形態として具現可能であるということを理解することができます。したがって、開示された方法は、限定的な観点ではなく、説明的な観点で考慮されねばなりません。本発明の範囲は、前述した説明ではなく、請求範囲に示されており、それと同等な範囲内にある全ての相違点は、本発明に含まれるものと解釈されねばならない。