(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】女性特有の嗜好変化に伴う広告配信システムおよび広告配信方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/0251 20230101AFI20240416BHJP
G16H 10/00 20180101ALI20240416BHJP
【FI】
G06Q30/0251
G16H10/00
(21)【出願番号】P 2023119718
(22)【出願日】2023-07-24
【審査請求日】2024-01-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522174281
【氏名又は名称】ロゴスサイエンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000431
【氏名又は名称】弁理士法人高橋特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】下川 千草
(72)【発明者】
【氏名】中島 栄彦
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-036392(JP,A)
【文献】特開2015-099516(JP,A)
【文献】特開2023-042683(JP,A)
【文献】特開2019-063027(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの生理に関する情報を含む
ユーザ情報と、生理と関連づけされた販売者の商品またはサービスの情報を含む広告情報とを記憶した記憶装置と、
カレンダー機能と、
広告情報を配信する配信または通知機能と、
システムの動作を制御する制御部と、
ユーザ端末を含む広告配信システムにおいて、
制御部が、
カレンダー機能によって提供される日
時情報と、前記
ユーザの生理とを関連付けて、前記広告情報に含まれる商品またはサービスの生理における広告時期
と前記
ユーザの生
理周期とが一致する日付で、前記ユーザ端末に対して、前記配信機能によって、前記商品またはサービスの広告を配信または通知する機能と、
前記ユーザの現在の生理周期における基礎体温の変動を算出し、基礎体温周期を算出する機能を有し、
前記ユーザ端末を介して経験サンプリング法により症状メモリに入力された前記ユーザの生理周期に合わせた身体症状、精神症状、社会的症状或いは基礎体温を生理周期と関連付けて記憶する機能と、前記ユーザが妊娠を望んでいるか否か、前記ユーザの月経感・月経イメージ或いは前記ユーザの母性性・性役割パーソナリティを記憶する機能と、
症状メモリに入力された情報を用いて前記ユーザの生理周期をカテゴライズする機能と、
ユーザのデータを順次記憶するユーザリストにユーザを特定するための情報とそのユーザの直近の生理日を記憶させる機能と、
前記カレンダー機能から取得した前記日時情報を一時記憶し、前記日時情報に基づいてユーザリストに記憶された次回生理日を更新し、一時記憶された日時情報から前記症状メモリに入力された情報を用いてカテゴライズされた前記ユーザの生理周期におけるどの周期であるかを取得して更新する機能と、取得し更新したユーザの生理周期を一時記憶する機能と、
前記広告情報に含まれる商品またはサービスの発送状況に基づいて広告情報を提供する時期を修正する機能を有し、
一時記憶された前記ユーザの生理周期におけるどの時期であるかに基づいて、前記配信機能によって前記商品またはサービスの広告を配信または通知することを特徴とする広告配信システム。
【請求項2】
前記ユーザの生理の周期を、気分が沈みがちで生理痛を感じる時期と、明るい気分で前向きになる時期と、気分が不安定になる時期と、マイナス思考になり易い時期とにカテゴライズする機能と、
前記ユーザの生理と関連付ける広告として、気分が沈みがちで生理痛を感じる時期には心と体をいたわる商品の広告を、気分が不安定になる時期には肌荒れ予防のための商品の広告を関連付ける機能と、
前記
ユーザが明るい気分で前向きになる時期には、化粧品新製品やソルト系入浴剤或いはダイエットプログラムを関連付ける機能を有することを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項3】
ユーザ情報が過去の
ユーザの生理と関係した購買情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項4】
ユーザ情報が季節情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
【請求項5】
前記
ユーザの生理の周期に関連してアドバイス情報を記憶したリストを作成し、
ユーザにメッセージを配信・通知することを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、女性特有の嗜好変化に伴う販売公告およびその方法、特に、女性ホルモンや月経周期の変化に伴う嗜好変化に基づいた女性向けの商品の広告配信システムおよび広告配信方法である。
【背景技術】
【0002】
従来、商品やサービスの宣伝広告は、時期、季節、性別、年齢、過去の購買情報や閲覧履歴に基づく嗜好などの要因に基づいて利用者を分類し、その分類ごとに商品やサービスの宣伝広告を行っていた。
【0003】
近年、ユーザーの行動履歴から、ユーザーの嗜好性を含むユーザー属性情報を分析することが可能な技術が開発されている(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、ユーザーが商品や商品情報へアクセスしたことによってユーザーの嗜好情報を分析しているが、女性の場合、一部の商品やサービスに関しては、女性ホルモンの変化などにより、その嗜好性が変化する場合があり、この分析した情報が一時的なものであったり、女性特有の周期に影響を受けており、得られた嗜好情報に基づく広告配信が有効に機能しない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(請求項1)
利用者の生理周期に関する情報を含む利用者情報と、生理周期と関連づけされた販売者の商品またはサービスの情報を含む広告情報とを記憶した記憶装置と、
カレンダー機能と、
広告情報を配信する配信または通知機能と、
システムの動作を制御する制御部と、
ユーザー端末と、を含む広告配信システムにおいて、
制御部が、
カレンダー機能によって提供される日付情報と、前記利用者の生理周期とを関連付けて、前記広告情報に含まれる商品またはサービスの生理周期における広告時期と、前記利用者の生理周期とが一致する日付で、前記ユーザー端末に対して、前記配信機能によって、前記商品またはサービスの広告を配信または通知することを特徴とする広告配信システム。
(請求項2)
前記広告情報は少なくとも生理関連製品を除く他の商品に関する情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
一見生理周期との関連性がなさそうな商品・サービスについて、生理周期と関連付けて広告を行うことによって新たな販売機会を得ることができる。
(請求項3)
利用者情報が過去の利用者の生理周期と関係した購買情報を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の広告配信システム。
生理周期とユーザの特有の嗜好性を示すことがありその嗜好性を拾い上げることができる。
(請求項4)
利用者情報が季節情報を含むことを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の広告配信システム。
生理と季節の効果が相乗効果となって表れる場合がある。たとえば、寒さと水分量による冷えが冬の生理時期に同時に来るので、厚手の上着などの洋服の広告などが有効となる。
(請求項5)
利用者情報がアドバイス情報を含むことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の広告配信システム。
これによって本システムの継続利用が促進される。
(請求項6)
前記日付情報と、前記利用者の生理周期とを関連付けが症状メモリに基づいて行われることを特徴とする請求項1に記載の広告配信システム。
単純な周期の4分割などに基づくものよりも、症状メモリに基づいて周期を分割することによってユーザに最適な商品・サービスを広告することができる。
(請求項7)
利用者の生理周期に関する情報を含む利用者情報と、生理周期と関連づけされた販売者の商品またはサービスの情報を含む広告情報とを記憶した記憶装置と、
カレンダー機能と、
広告情報を配信する配信または通知機能と、
システムの動作を制御する制御部と、
ユーザー端末と、を含む広告配信システムにおいて、
制御部が、
カレンダー機能から日付情報を取得する工程と、
前記日付情報と前記利用者の生理周期とを関連付け、かつ前記利用者の生理周期をカテゴライズする工程と、
前記広告情報に含まれる商品またはサービスの生理周期における広告時期と、前記利用者の生理周期のカテゴリとを対比する工程と、
前記配信・通知機能によって、前記商品またはサービスの広告を配信または通知する工程と、を実行することを特徴とする広告配信・通知方法。
【発明の効果】
【0007】
本発明の広告配信システムおよび広告配信方法によれば、嗜好情報をユーザーに特有の周期性に基づいて分析して正確に把握することが可能で、それに基づいて適切な宣伝広告活動を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】本発明のユーザ情報リストの例を示す図である。
【
図5】本発明の広告情報リストの例を示す図である。
【
図6】本発明のプログラムのフローを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(広告配信システムの構成)
本発明の一実施形態として、インターネット上に設置されたネットワークシステムにインストールされたプログラムを挙げる。ネットワークシステムは、サーバやクラウド上の大容量の記憶装置を備え、ノートパソコンやスマートフォン、タブレットなどのユーザ端末がインターネットを介して接続されたサーバであり、このサーバ装置は、本実施形態に係るプログラムを実行することで、ユーザ端末とのデータ通信を通じて、ユーザ端末から入力された情報や、サーバの記憶装置に格納されている情報を用いてユーザ端末を介してユーザに各種情報を提供するものである。また、本システムはサーバとユーザ端末が協同して広告等の情報提供する例として示したが、すべての要素をサーバ側だけに保持し、ユーザ端末は情報入出力と情報表示のためだけに用いるシステム、あるいは、必要なデータやプログラムをユーザ端末にダウンロードして、すべての処理をユーザ端末で実行できるシステムも本発明の範囲に含まれる。
【0010】
図1にユーザ端末101とサーバ106を含むネットワークシステム100の構成の概略を示した。ユーザ端末101は、インターネット110を介してサーバ106と通信するための通信部102、個人情報や、データ、プログラムを記録するための記憶装置104、表示装置105、ユーザからの入力を受け付ける入力装置111、これらの制御を行う制御装置103などを含む。サーバ106は、インターネット110を介してユーザ端末101と通信するための通信部108、大容量の記憶装置109、および制御装置107などを含む。制御装置107には、通信部108を介してユーザ端末101と通信するための通信制御プログラムが実装されているとともに、記憶装置109に構築されたデータベースを管理するプログラムと、ユーザの現在の月経周期(以下、現月経周期)における基礎体温の変動を算出する専用のプログラム(以下、基礎体温算出プログラムとも言う)や、広告配信用のサーバ側プログラムが実装されている。そして、サーバ側の制御用プログラムは、ユーザ側の制御用アプリと連携して広告の配信・提供を実行し、制御装置107が記憶装置109に保存された広告情報を通信制御プログラムやデータベース管理プログラムと連携させながらユーザ端末101に提供する。この例では制御プログラムはサーバ側部分とユーザ端末側部分に分けられ、宣伝・広告が配信される例を示すが、必要なプログラム・データ等をすべてユーザ端末101にダウンロードし、ユーザ端末101で独立して実行できる構成としてもよい。または、ユーザー端末101は入力手段および表示手段としてのみ機能し、サーバ106はユーザ端末101からの入力に基づいてプログラムを実行するように構成してもよい。
【0011】
(基礎体温周期の算出方法)
基礎体温周期の算出方法は、例えば、WO2015/147174号公報に記載される方法を利用することができる。WO2015/147174号公報には、ユーザによって定期的に測定された基礎体温の情報に基づいて、月経開始日T1からの経過日数と基礎体温との関係が折れ線グラフによって表現される。この生データを構成する各要素にガウシアンフィルタを適用して月経開始日からの日数と基礎体温との関係を連続した関数で表現できるように平滑化する。これにより
図2に示したように基礎体温の周期変化の関係式が得られる。また、基礎体温の変動予測のために、まず、母集団として、1周期分の基礎体温の時系列変化を表す情報を多数用意しておき、ユーザは基礎体温を継続して測定する。多くの女性の月経周期の母集団に含まれる基礎体温の時系列変化を表す情報の中にユーザにおける現月経周期のそれまでの基礎体温の変動傾向に近似しているものがあれば、ユーザのその後の基礎体温はその近似した基礎体温の時系列にほぼ従うものとして、その近似した基礎体温の時系列を予測結果としてユーザに提示することもできる。また、
図2で左側の温度の低い時期(低温期)を卵胞期、右側の温度の高い時期(高温期)を黄体期と呼び、低温期から高温期への遷移の時期に排卵が行われ、さらに、月経周期における、低温期の前半を月経期、後半を卵胞期、排卵の前後を排卵期、その後を黄体期と呼ぶこともある。ここで、卵胞ホルモン、黄体ホルモンのバランスから出る影響として、月経周期が平均的な28日の場合、月経開始日(
図2の左端)から1週間ごとに、どんより期(気分が沈みがちで、生理痛、疲れなどを感じる)、キラキラ期(明るい気分で前向き。代謝が上がり、肌や髪がきれいに、ダイエットにも最適)、スロー期(気分が不安定になり、むくみやすく便秘がちに)、イライラ期(イライラしやすく、マイナス思考になりやすく、むくみ、便秘、太りやすい、乳房の張りなどの症状が出る)などと分類することもある。
【0012】
(症状メモリの作成)
基本的には上述の生理周期情報を広告配信に活用する情報として利用することができるが、さらにユーザー特有の症状に最適化した広告配信を行うために症状メモリを活用することもできる。ここでは付加的な情報として、生体リズムの影響によって女性のからだに周期的に表われる症状を把握するために、ユーザの生理周期に合わせた、身体症状、精神症状、社会的症状等と、基礎体温等、あるいは、EMA(Ecological Momentary Assessment、経験サンプリング法)と同時に記録する。
図3は症状メモリの例としてのPMSメモリのユーザ端末101を介した入力例を示す。PMSメモリではユーザ端末101の表示装置105に入力項目が表示され、表示装置105の表面に設けられたタッチパネルである入力装置111によってそれぞれの項目についての症状のある・なしに基づいてスライダバーを利用して入力する例を記載した。表示や入力方法はこれに限られず、自由記載やチェックボックスを利用してもよい。たとえば、基礎体温の測定時に同時にこのPMSメモリを毎日入力し、基礎体温とその日の身体的症状、精神的症状、社会的症状(これらはすべてではなく必要なものだけでも良い)と、場合によっては追加で入力されたEMAの入力データ(PMSメモリのデータだけでなく、その他の測定結果(加速度センサを用いた身体活動量や心電図センサを用いた心拍数の変動、睡眠時間、食事記録)でもよい)が月経周期と関連付けられて記憶装置104あるいは記憶装置109またはいずれか両方に記憶される。PMSメモリとしては、PMSメモリ(川瀬ら「日本女性心身医学会雑誌」第5巻、第1号、31-37)、MDQ(Menstrual Distress Questionnaire)、偏光板MDQ(modified MDQ)、PSST(The Premenstrual Symptoms Screening tool)、DSM-IVのPMDDの診断基準、COPE(Calendar of Premenstrual Experiences)、PMSIS(Premenstrual Symptoms Impact Survey)、健康度・生活習慣診断検査(Diagnostic Inventory of Health and Life Habit; DIHAL.2,中学生~成人用)、MAQ(Menstrual Attitude Questionnaire)、VAS(月経痛レベル)などを利用してもよい。これらの指標は月経随伴症状を診断するために用いることができる。なお、ユーザの心理・社会的な背景として、妊娠を望んでいるか否かや、月経観・月経イメージ、母性性・性役割パーソナリティによっても心理社会的な月経随伴症状に影響が出ると考えることから、ユーザの基礎情報として妊娠を望んでいるか否かや、月経観・月経イメージ、母性性・性役割パーソナリティについても記録されていることが望ましい。
【0013】
(ユーザ情報リスト)
次に、ユーザ情報について
図4を用いて説明する。
図4は本システムの利用者登録を行っているユーザ1、ユーザ2、ユーザ3のユーザリスト(データレコード)を例にとって説明する。実際にはユーザ登録されるごとに同様の様式でデータが順次記憶される。新規にユーザ登録する際に、ユーザ登録用のプログラムによって、ユーザ端末を介して、ユーザはユーザ特定情報(氏名、年齢、メールアドレスなど)、周期情報と直近の生理日を入力し、基礎データとして、記憶装置に記憶される。制御プログラムはカレンダー機能を用いながら、直近の生理日情報と周期情報から次回の生理日を算出し、また、生理周期を4等分し、(A)どんより期、(B)キラキラ期、(C)スロー期、(D)イライラ期、とし、また、症状メモリの入力がなされていた場合は、過去の入力結果から対応する時期の予測として、症状の欄に心体、背景情報を導出して記録する。生理日予測や周期は、生理が始まるたびにユーザからの入力を受け付けるようにプログラムし、更新しても良いが、毎日、基礎体温と、身体症状を入力するようにして、それらのデータから周知の方法によって、これらの周期や、生理日予測、周期情報を更新するようにしても良い。生理周期はストレスなどによってずれやすいので、定期的なユーザ入力、基礎体温の測定、症状メモリの入力とそこからの算出によって修正すると都合がよい。また、上記では生理周期を単純に4等分して周期をカテゴライズしたが、症状メモリ情報単独、あるいは、症状メモリ情報とその他の情報の組み合わせでカテゴライズして作成したものを用いても良い。こらは例えば、月経期間をどんより期、症状メモリから得られたPMS症状が出る期間をイライラ期、その間の期間をキラキラ期とするなどが考えられ、カテゴライズはいくつに分けても良いが、2-4に分類するのが都合がよい。上記例ではメールアドレスを用いてメールによる広告配信を想定しているがこれに限られず、本システムが特定のアプリなどで用いられている場合、そのアプリ内通知など他の通知方法が利用できる。
【0014】
(広告情報リスト)
次に、広告情報について
図5を用いて説明する。
図5は本システムの広告主として登録を行っている企業である、A社~E社の広告情報リスト(データレコード)を例にとって説明する。実際には広告主として登録されるごとに同様の様式でデータが順次記憶される。企業が新規に広告を登録する際に、広告登録用のプログラムによって、広告主端末(図示しない)を介して、広告主企業は属性(必要な場合)、広告商品・サービス(時期)あるいは広告商品・サービス(症状)を入力し、広告情報データとして、記憶装置に記憶される。ここで、化粧品メーカーであるA社は、肌荒れしやすい生理予定日の2週間前ぐらいからは、油分の多い化粧品をさけ、いつもよりきちんと洗顔&保湿できる保湿クリームをスロー期に、肌の調子の整っている時期(キラキラ期)に新製品の宣伝を提供することを希望している。アパレルメーカーであるB社は、生理中は体内の水分量が増えるため、体が冷えやすくなるので保温効果のあるタイツ製品の宣伝をどんより期に提供することを希望している。製薬メーカーであるC社は、生理直後から排卵までの2週間はダイエット効果も出やすいので、発泡タイプやソルト系の入浴剤で積極的に汗をかくようにキラキラ期に、黄体期や月経中は、心と体をいたわりたい時期なので、保湿効果の高い入浴剤や好きな香りのアロマ系入浴剤をどんより期に、フィットネスジム運営会社であるE社は、女性ホルモンは肥満に関係する「血糖値」にある程度影響すると言われているので、生理から排卵前は血糖値が下がりやすく、脂肪を貯蓄しにくくダイエットに適しているのでキラキラ期にダイエットプログラムの宣伝を提供することを希望している。本発明は特に生理用品やピルなどの生理に直接関連した商品やサービス以外の、生理と直接関連のない商品やサービスの広告に有効である。
【0015】
(実施例)
次に本発明の広告配信システムの実施例を以下に例示する。本実施例で用いられる広告配信(ソフトウェア)プログラムは情報処理端末110の記憶装置102に記憶され、記憶装置102から読み出されたプログラムが制御装置101で制御され、表示装置103や入力装置104、測定装置106,116等と連携しながら実行される。本実施例では対象者の情報処理端末110としてスマートフォンを例として示す。また、本実施例ではソフトウェアプログラムを例に説明するが、各機能単位をFPGAなどのハードウェアで実現してすべてハードウェアとして構成することも、あるいは、ソフトウェアプログラムとハードウェアの混合として構成することもできる。また、前述のように、各機能をスマートフォンやタブレット、PC、ウェアラブルデバイスなどの情報処理端末110だけでスタンドアロンとして構成することも、ネットワークを介したサーバを用いて、サーバとユーザ端末101が共同して動作するもの、サーバでの情報処理のために、ユーザ端末101が入出力の用途としてだけ機能する構成として構成することもできる。
【0016】
次に
図6を参照しながら本発明のプログラムの制御の流れを説明する。なお、以下の制御は本件システムが行うものである。(601)まず制御プログラムはカレンダー機能から日時情報を取得し、一時記憶する、(602)次にその日時情報に基づいて、ユーザリスト情報を更新し、記録する。この更新のプロセスにはユーザ入力や、基礎体温測定、症状メモリからのシステムによる算出などにより、生理日が来たユーザに対して、次回生理日の更新、カテゴライズの日時情報の更新が含まれる。次に(603)カレンダー機能から取得し、一時記憶された日時情報、ここでは8月22日だったものとする、からユーザリストの項目と日時情報を対比することによって、ユーザのその日に含まれるカテゴリを取得する。
図4のユーザに関しては、ユーザ1はカテゴリB(キラキラ期)、ユーザ2はカテゴリC(スロー期)、ユーザ3はカテゴリA(どんより期)であることが取得されシステムに一時記憶される。つづいて、(604)広告情報リストより、ユーザ1に配信する情報として、カテゴリBの商品・サービスを検索し、A社 化粧品新製品、C社 ソルト系入浴剤、E社 ダイエットプログラムの広告が選択される、ユーザ2に配信する情報として、カテゴリCの商品・サービスを検索し、A社 保湿クリーム、また、ユーザ3に配信する情報として、カテゴリAの商品・サービスを検索し、B社 タイツ、C社 アロマ系入浴剤、D社 ナプキンの広告が選択され、一時記憶される。最後に(605)前ステップで一時記憶されたユーザと配信広告に基づいて、システムの配信機能がそれぞれのユーザに広告を配信する。
【0017】
日時情報に関して、発送情報を加味して広告時期を修正することもできる。たとえば、A社からユーザ1までの配送所要日時が2日だったとすると、保湿クリームの広告はユーザ1のスロー期が始まる2日前に配信される。
【0018】
ユーザごとに事前にマスクしておくことができる。たとえば、ユーザ1がA社の化粧品が肌に合わない場合、配信しない会社リストとしてA社を指定しておくと、ユーザ1がキラキラ期であったとしてもA社の広告は配信されない。
【0019】
ユーザーリストがユーザの過去の生理周期と関係した購買情報を含み、その商品・サービスと同種の商品・サービスが広告情報リストに含まれる際にその商品・サービスの広告をそのユーザに配信・通知するようにしても良い。また、ユーザが一度購入した商品についての購買履歴情報も含ませ、例えば、1日1錠の利用が想定された30錠入りのサプリメントの販売実績があった場合、30錠が使い切るタイミングで広告を配信する、ユーザの利用を考慮した配信を行っても良い。
【0020】
広告情報リストのほかに、生理周期のカテゴリごとのアドバイス情報を記憶したリストを作成し、たとえば、イライラ期のユーザに対して、「イライラ期なので人と接する際は気を付けましょう」といったメッセージを配信・通知するようにしても良い。
【符号の説明】
【0021】
101 ユーザ情報端末
102 通信部
103 制御装置
104 記憶装置
105 表示装置
106 サーバ
107 制御装置
108 通信部
109 記憶装置
110 インターネット
111 入力装置
【要約】 (修正有)
【課題】嗜好情報をユーザーに特有の周期性に基づいて分析して正確に把握し、それに基づいて適切な宣伝広告活動を行う広告配信システム及び広告配信方法を提供する。
【解決手段】利用者の生理周期に関する情報を含む利用者情報と、生理周期と関連づけされた販売者の商品またはサービスの情報を含む広告情報とを記憶した記憶装置と、カレンダー機能と、広告情報を配信する配信機能と、システムの動作を制御する制御部と、ユーザー端末と、を含む広告配信システムであって、制御部が、カレンダー機能によって提供される日付情報と、前記利用者の生理周期とを関連付け、広告情報に含まれる商品またはサービスの生理周期における広告時期と、前記利用者の生理周期とが一致する日付で、前記ユーザー端末に対して、前記配信機能によって、前記商品またはサービスの広告を配信する。
【選択図】
図1