(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】計測装置
(51)【国際特許分類】
A01G 31/00 20180101AFI20240416BHJP
G01N 33/18 20060101ALI20240416BHJP
F16K 1/44 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A01G31/00 601B
G01N33/18 106A
F16K1/44 C
(21)【出願番号】P 2023191412
(22)【出願日】2023-11-09
【審査請求日】2023-11-09
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518206479
【氏名又は名称】株式会社シンカグループ
(74)【代理人】
【識別番号】100167184
【氏名又は名称】井上 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】中澤 英太
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-166309(JP,A)
【文献】特開2005-040967(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 31/00 - 31/06
F16K 1/44
G01N 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支点により支持され、一方または他方に傾く管と、
前記管に液体を供給する供給口と、
前記管が一方に傾いたときに前記管からの前記液体の流出を止水する第1の弁と、
前記管が一方に傾いたときに前記第1の弁を介して前記供給口の反対側に配置される第2の弁と、
を有し、
前記第1の弁および前記第2の弁は、それぞれ球体と、両端部の径が前記球体より小さい開口を備える円筒を備え、
前記管が傾いていないとき前記第1の弁および前記第2の弁は前記管からの前記液体の流出を止水せず、
前記管が一方に傾いたときに前記第1の弁が備える球体が前記第1の弁が備える前記円筒に係合して前記液体の前記管からの流出を止水し、
前記管が他方に傾いたときに前記第2の弁が
備える球体が前記第2の弁が備える前記円筒に係合して、前記管の外部からの前記第1の弁側への液体の流入を抑制する、
ことを特徴とする止水弁装置
。
【請求項2】
支点を形成する支持部を備える土台と、
前記支持部により支持される被支持部を備え、前記被支持部を挟んで一方に計測部が設けられ、他方に流体を貯留する貯留部が設けられる棒状体とを有し、
前記貯留部に流体が満たされているときに前記棒状体が水平を保ち、前記貯留部に流体が満たされてないときに前記棒状体が前記計測部側に傾き前記計測部が溶液に浸され、
前記棒状体の内部に洗浄液が通過する管が配置されており、
前記管に液体を供給する供給口と、前記管が前記計測部側に傾いたときに前記液体の前記管からの流出を止水する第1の弁と、前記管が前記計測部側に傾いたときに前記第1の弁を介して前記供給口の反対側に配置される第2の弁と、をさらに有し、
前記第1の弁および前記第2の弁は、それぞれ球体と、両端部の径が前記球体より小さい開口を備える円筒を備え、
前記棒状体が水平を保っているとき前記第1の弁および前記第2の弁は前記液体の前記管からの流出を止水せず、前記洗浄液が前記管を通過して前記計測部に供給され、
前記管が前記計測部側に傾いたときに前記第1の弁が備える球体が前記第1の弁が備える前記円筒に係合して前記液体の前記管からの流出を止水し、
前記管が前記貯留部側に傾いたときに前記第2の弁が備える球体が前記第2の弁が備える前記円筒に係合して、前記管の外部からの前記第1の弁側への液体の流入を抑制する、
ことを特徴とする計測装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は計測装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年水耕栽培が盛んになっている。水耕栽培に用いる水溶液のPHを計測するPHセンサが知られている。例えば表面がガラス膜で覆われているPHセンサを水溶液に浸しっぱなしにすると、ガラス膜に汚れが付着する。このため、計測時に水溶液に浸し、非計測時には水溶液に浸さないようにするのが好ましい。この点に関し、例えば、支点を形成する支持部を備える土台と、支持部により支持される被支持部を備え、被支持部を挟んで一方に計測部が設けられ、他方に流体を貯留する貯留部が設けられる棒状体とを有し、貯留部に流体が満たされているときに棒状体が水平を保ち、前記貯留部に流体が満たされてないときに棒状体が計測部側に傾き前記計測部が溶液に浸される計測装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前述した特許文献1では、棒状体の内部に洗浄液が通過する管が配置されており、棒状体が水平に保たれているときに洗浄液が管を通過して計測部に供給される旨記載されている。しかし、その具体的方法は記載されていない。
1つの側面では、本発明は、簡易な構造で洗浄液の供給の自動化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、開示の止水弁装置が提供される。この止水弁装置は、支点により支持され、一方または他方に傾く管と、管に液体を供給する供給口と、管が一方に傾いたときに液体の管からの流出を止水する第1の弁と、管が一方に傾いたときに第1の弁を介して供給口の反対側に配置される第2の弁と、を有し、管が傾いていないとき第1の弁および第2の弁は液体の管からの流出を止水せず、管が他方に傾いたときに第2の弁が、管の外部からの第1の弁側への液体の流入を抑制する。
【発明の効果】
【0006】
1態様では、簡易な構造で洗浄液の供給の自動化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1の実施の形態の計測装置を示す図である。
【
図2】実施の形態の第1機構部の動作を説明する図である。
【
図3】実施の形態の計測装置の動作を説明する図である。
【
図4】実施の形態の計測装置の動作を説明する図である。
【
図5】実施の形態の計測装置の動作を説明する図である。
【
図6】第2の実施の形態の計測装置を示す図である。
【
図7】実施の形態の止水弁装置の動作を説明する図である。
【
図8】棒状体の左側が上昇し、右側が下降したときの止水弁装置の動作を説明する図である。
【
図9】棒状体の右側が上昇し、左側が下降したときの止水弁装置の動作を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態の計測装置を、図面を参照して詳細に説明する。
【0009】
以下の図面等において示す各構成の位置、大きさ、形状、範囲などは、発明の理解を容易にするため、実際の位置、大きさ、形状、範囲などを表していない場合がある。このため、本発明は、必ずしも、図面等に開示された位置、大きさ、形状、範囲等に限定されない。
実施の形態において単数形で表される要素は、文面で明らかに示されている場合を除き、複数形を含むものとする。
<第1実施の形態>
図1は、第1の実施の形態の計測装置を示す図である。
第1の実施の形態の計測装置100は、第1機構部1と第2機構部2とを有している。
<第1機構部>
第1機構部1は、土台11と、棒状体12とを有している。
【0010】
土台11の頂部11aは支持部(支点)を形成しており、その支持部上に棒状体12の被支持部12aが配置される。本実施の形態では、土台11と棒状体12を模式的に図示している。土台11と棒状体12の係合方法については特に限定されないが、例えばししおどしやシーソーのような係合方法になっていてもよい。
【0011】
被支持部12aを挟んで棒状体12の一方には貯留部13が配置されている。また、棒状体12の一方の端部には被係合部12bが配置されている。被支持部12aを挟んで棒状体12の他方の端部にはセンサ配置部14が設けられている。
【0012】
貯留部13は、開口部13aを有している。液体排出部15から排出される液体(例えば水)は、この開口部13aを介して貯留部13内に流入する。貯留部13は、流入した液体を貯留する。
【0013】
センサ配置部14にはPH(ペーハー)センサ(計測部)16が配置される。PHセンサ16は、例えば水槽17に貯留された液体のPHを検出する。本実施の形態のPHセンサ16は、表面がガラス膜で覆われている。PHセンサ16は近距離通信手段を有しており、検出したPHに関する情報を図示しないコンピュータに送信することができる。近距離通信手段としては、例えばWi-Fiや、Bluetooth(登録商標)等が挙げられる。
また、センサ配置部14には開口部(切り欠き)14aが形成されている。
【0014】
棒状体12の内部には供給管18が配置されている。供給管18には図示しない供給手段から洗浄液(例えば蒸留水)が供給される。供給管18に供給された洗浄液はセンサ配置部14に供給される。センサ配置部14内の点線はセンサ配置部14に供給された洗浄液の水位を示している。PHセンサ16の検出部分に洗浄液が供給されることでPHセンサ16の検出部分を洗浄することができる。
水槽17には溶液(養液)が満たされている。この水槽17内には、例えば水耕栽培の栽培物が配置される。
この第1機構部1の動作を簡単に説明する。
図2は、実施の形態の第1機構部の動作を説明する図である。
以下の説明では、頂部11aを挟んで左側の棒状体12の部分を「棒状体12の左側」と言い、右側の棒状体12の部分を「棒状体12の右側」と言う。
【0015】
貯留部13に液体が満たされていない場合は
図2に示すように棒状体12の右側が下降し、センサ配置部14の一部または全部が水槽17内に配置される。この状態において開口部14aから水槽17内の溶液がセンサ配置部14内に流入するため、PHセンサ16は溶液に浸され、水槽17内の溶液のPHの検出が可能となる。棒状体12やセンサ配置部14の浮力によりセンサ配置部14が水槽17の底面に接触しないようになっていてもよいし、水槽17内の溶液の抵抗により緩やかに水槽17の底面に接触するようになっていてもよい。
【0016】
液体排出部15から排出される液体により貯留部13内に液体が溜まってくると、少しずつ棒状体12の左側が下降し、棒状体12の右側が上昇する。なお、棒状体12の左側が下降するにつれて開口部13aの位置が少しずつ
図2中左側に移動していくが、液体排出部15から排出される液体を受け止められるよう、開口部13aは、十分に大きく形成されている。そして貯留部13に液体が満たされると
図1に示すように棒状体12が水平になり釣り合いを保つようになっている。液体排出部15から液体が排出され続けるが、貯留部13に入りきれなかった液体は貯留部13から溢れ出て棒状体12は釣り合いを保つ。
【0017】
液体排出部15から排出される液量を調整したり、貯留部13の容量を変更したりすることによりPHセンサ16が水槽17内に配置される時間を調整することができる。PHセンサ16の計測時間が例えば5分である場合は、5分で貯留部13に液体が満たされるように液体排出部15から排出される液量を調整することができる。
再び
図1に戻って説明する。
<第2機構部>
第2機構部2は、「ししおどし」の原理を利用している。
第2機構部2は、土台21と、棒状体22とを有している。
【0018】
土台21の頂部21aは支持部(支点)を形成しており、その支持部上に棒状体22の被支持部22aが配置される。本実施の形態では、土台21と棒状体22を模式的に図示している。土台21と棒状体22の係合方法については特に限定されないが、例えばししおどしやシーソーのような係合方法になっていてもよい。
頂部21aを挟んで棒状体22の一方には貯留部23が配置されている。また、棒状体22の一方の端部には係合部22bが配置されている。
【0019】
貯留部23は、開口部23aを有している。液体排出部24から排出される液体(例えば水)は、この開口部23aを介して貯留部23内に流入する。貯留部23は、流入した液体を貯留する。
以下の説明では、頂部21aを挟んで左側の棒状体22の部分を「棒状体22の左側」と言い、右側の棒状体22の部分を「棒状体22の右側」と言う。
【0020】
図1に示すように、第2機構部2は、貯留部23に貯留されている液体の量が所定量以下の場合、棒状体22の左側が下降し、棒状体22の右側が上昇している。
【0021】
液体排出部24から排出される液体により貯留部23内に液体が溜まってくると、少しずつ棒状体22の右側が下降し、棒状体22の左側が上昇する。なお、棒状体22の右側が下降するにつれて開口部23aの位置が少しずつ
図1中右側に移動していくが、液体排出部24から排出される液体を受け止められるよう、開口部23aは、十分に大きく形成されている。
次に、計測装置100の動作を説明する。
【0022】
前述したように、貯留部13に液体が満たされると
図1に示すように棒状体12が水平になり釣り合いを保つようになっている。液体排出部15から液体が排出され続けるが、貯留部13に入りきれなかった液体は貯留部13から溢れ出て棒状体12は釣り合いを保つ。このとき、供給管18には図示しない供給手段から洗浄液が供給される。供給管18に供給された洗浄液はセンサ配置部14に供給される。
【0023】
液体排出部24から排出される液体により貯留部23内に液体が溜まってくると、少しずつ勢いを増しながら棒状体22の右側が下降し、棒状体22の左側が上昇する。
図3~
図5は、実施の形態の計測装置の動作を説明する図である。
【0024】
図3に示すように、棒状体22の右側が下降すると係合部22bが被係合部12bに当接して被係合部12bを紙面下方に押圧する。すると、
図4に示すように棒状体12の左側が勢いよく下降して貯留部13に貯留されている液体が開口部13aから溢れ出る。これにより棒状体12の右側よりも棒状体12の左側が軽くなる。また、被係合部12bを押圧した後に棒状体22の右側も下降し貯留部23に貯留されている液体が開口部23aから溢れ出る。これにより棒状体22の左側よりも棒状体22の右側が軽くなる。このとき、センサ配置部14内に溜まっている液体は供給管18を介して外部に排出されるようになっていてもよい。
【0025】
その後、
図5に示すように棒状体12の左側が上昇し、棒状体12の右側が下降する。従って、PHセンサ16が水槽17内に配置され、PHセンサ16による水槽17内の液体のPHの計測が可能となる。また、棒状体22の右側も上昇し、棒状体22の左側が下降する。
【0026】
その後、貯留部13および貯留部23の双方に液体が溜まり始める。貯留部23が下降を始めるより先に、貯留部13の下降が始まるよう、液体排出部15、24の流量や、貯留部13および貯留部23の配置位置等を調整することにより、再び
図1に示す状態に戻る。
【0027】
以上述べたように、実施の形態の計測装置100は、支点を形成する頂部11aを備える土台11と、頂部11aにより支持される被支持部12aを備え、被支持部12aを挟んで一方にPHセンサ16が設けられ、他方に液体を貯留する貯留部13が設けられる棒状体12とを有し、貯留部13に液体が満たされているときに、棒状体12が水平を保ち、貯留部13に流体が満たされてないときに棒状体12がPHセンサ16側に傾きPHセンサ16が水槽17内の溶液に浸される。これにより、PHセンサ16により計測を行わないときには貯留部13に液体を満たすことで棒状体12が水平を保つので、PHセンサ16が水槽17に入りっぱなしになることにより、PHセンサ16のガラス膜に汚れが付着することを抑制することができる。
【0028】
また、棒状体12が貯留部13側に傾いたとき、貯留部13に貯留されている液体が貯留部13外に流出し、棒状体12がPHセンサ16側に傾く。これにより、PHセンサ16の位置を容易に管理することができる。
【0029】
また、棒状体12を貯留部13側に傾ける動力部(本実施の形態では第2機構部2)をさらに設けた。任意のタイミングで第2機構部2を動作させることにより、PHセンサ16の計測のタイミングを容易に管理することができる。
【0030】
また、棒状体12の内部に洗浄液が通過する供給管18が配置されており、棒状体12が水平に保たれているときに洗浄液が供給管18を通過してPHセンサ16に供給されるようにした。これにより、PHセンサ16を洗浄することができる。
【0031】
また、開口部14aを備えPHセンサ16を収容し、PHセンサ16に供給される洗浄液を貯留するセンサ配置部14を設けた。これにより、供給管18から供給された洗浄液を貯留することができるので、PHセンサ16のガラス膜をより確実に洗浄することができる。また、PHセンサ16による計測の際に洗浄液は水槽17内に排出されるため洗浄液の入れ替えも容易である。
なお、本実施の形態では貯留部13には液体を貯留したが、空気よりも重い気体(流体)を貯留するようにしてもよい。
【0032】
また、本実施の形態では棒状体12を貯留部13側に傾ける動力部として第2機構部2を使用したが、動力部はこれに限定されず、例えば頂部11a近傍にモータを配置し、このモータを回転させて棒状体12を貯留部13側に傾けてもよい。風力を利用して棒状体12を貯留部13側に傾けてもよい。
【0033】
また、本実施の形態では、水耕栽培の栽培物が配置される水槽17の溶液(養液)のPHを計測した。しかし、計測対象はこれに限らず例えば切削用の水溶性切削液(例えばソリュブル型、エマルション型、ケミカルソリューション型等)等であってもよい。
<第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態の計測装置について説明する。
以下、第2の実施の形態の計測装置について、前述した第1の実施の形態の計測装置との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
図6は、第2の実施の形態の計測装置を示す図である。
【0034】
図6に示す第2の実施の形態の計測装置100aは、供給管18に洗浄液を供給する供給手段の構成を具体化した止水弁装置30を備えており、それ以外は第1の実施の形態と同様である。
図7は、実施の形態の止水弁装置の構造を説明する図である。
止水弁装置30は、洗浄液供給管30aと、第1の弁31と、第2の弁32と、ストッパ33とを有している。
洗浄液供給管30aは、供給管18に洗浄液(例えば蒸留水)を供給する。
【0035】
第1の弁31と、第2の弁32と、ストッパ33とは、供給管18の内部に配置される。
図7中、ストッパ33の右側にはセンサ配置部14やPHセンサ16が配置されているが、図示を省略している。
第1の弁31は、ホール弁31aとボール31bとを有している。
【0036】
ホール弁31aは両端部が開口した円筒形をなしている。ボール31bは球形をなしている。ホール弁31aの開口部分の直径は、ボール31bの直径より小さい。ホール弁31aのボール31b側の開口部はボール31bが当接する部分(表面側)から奥側の方向に向かって径が小さくなるテーパー状をなしている。ボール31bがホール弁31aに押しつけられた状態において、ボール31bとホール弁31aとは流体を通さない止水弁としての機能を果たす。
【0037】
第2の弁32は、ホール弁32aとボール32bとを有している。第2の弁32の構造は、第1の弁31と同様である。すなわち、ホール弁32aは両端部が開口した円筒形をなしている。ボール32bは球形をなしている。ホール弁32aの開口部分の直径は、ボール22bの直径より小さい。ホール弁32aのボール32b側の開口部はボール32bが当接する部分(表面側)から奥側の方向に向かって径が小さくなるテーパー状をなしている。ボール32bがホール弁32aに押しつけられた状態において、ボール32bとホール弁32aとは流体を通さない止水弁としての機能を果たす。
ストッパ33は、ボール32bがホール弁32aから一定の距離以上離間することを抑制する。
【0038】
なお、供給管18内でのホール弁31aとホール弁31bの配置位置や、ホール弁31aとホール弁31bとの距離、蒸留水供給管30aとホール弁31aとの距離や、ストッパ33の形状や構造は図示のものに限定されない。
次に、止水弁装置30の動作を説明する。
【0039】
第1の実施の形態にて述べたように、貯留部13に液体が満たされると
図6に示すように棒状体12が水平になり釣り合いを保つようになっている。液体排出部15から液体が排出され続けるが、貯留部13に入りきれなかった液体は貯留部13から溢れ出て棒状体12は釣り合いを保つ。このとき、供給管18には洗浄液供給管30aから洗浄液が供給される。供給管18に供給された洗浄液は、ホール弁31a、32aを通過してセンサ配置部14に供給される。供給管18およびセンサ配置部14には、それぞれの容積一杯まで蒸留水が充満する。なお、開口部14aから蒸留水が漏れ出るのは問題ない。
次に、
図5に示すように棒状体12の左側が上昇し、棒状体12の右側が下降したときの止水弁装置30の動作を説明する。
図8は、棒状体の左側が上昇し、右側が下降したときの止水弁装置の動作を説明する図である。
【0040】
第1の実施の形態にて述べたように、PHセンサ16が水槽17内に配置され、PHセンサ16による水槽17内の液体のPHの計測が可能となる。このとき供給管18およびセンサ配置部14に充満していた蒸留水は水槽17内に零れ落ちる。また、ボール31bがホール弁31aの開口部に当接してホール弁31aの開口部を塞ぐ。このため洗浄液供給管30aからホール弁31aの右側への蒸留水の流入が阻止される。ホール弁32aとボール32bとは接触しないので、ホール弁31aの右側の供給管18は空の状態となる。従って、PHセンサ16は蒸留水の影響をほとんど受けずにPHを正確に測定することができる。PHセンサ16の測定時間は、PHセンサ16の精度に応じて、液体排出部15から貯留部13に排出される液量で調整することができる。
【0041】
その後、貯留部13に液体が溜まり始める。貯留部13に液体が満たされると
図6に示すように棒状体12が水平になり釣り合いを保つ。これにより、供給管18およびセンサ配置部14には、それぞれの容積一杯まで蒸留水が充満する。PHセンサ16は蒸留水に浸かり、PHセンサ16の乾燥を抑制することができる。
次に、
図4に示すように棒状体12の右側が上昇し、棒状体12の左側が下降したときの止水弁装置30の動作を説明する。
図9は、棒状体の右側が上昇し、左側が下降したときの止水弁装置の動作を説明する図である。
【0042】
この状態においてはボール32bがホール弁32aの開口部に当接してホール弁32aの開口部を塞ぐ。これによりセンサ配置部14内に残る、水槽17内から流入した液体がホール弁32aの左側に流入することを抑制することができる。
【0043】
以上述べたように、第2の実施の形態の計測装置100aは、支点を形成する頂部11aにより支持され一方または他方に傾く供給管18と、供給管18に蒸留水を供給する洗浄液供給管30aと、供給管18が一方に傾いたときに供給管18からの蒸留水の流出を止水する第1の弁31と、供給管18が一方に傾いたときに第1の弁31を介して供給口の反対側に配置される第2の弁32と、を有し、供給管18が傾いていないとき第1の弁31および第2の弁32は供給管18からの蒸留水の流出を止水せず、供給管18が他方に傾いたときに第2の弁32が、供給管18の外部からの第1の弁31側への液体の流入を抑制するようにした。
第2の実施の形態の計測装置100aによれば、第1の実施の形態の計測装置100と同様の効果が得られる。
そして、第2の実施の形態の100aによれば、さらに、簡易な構造で蒸留水の供給の自動化を図ることができる。
【0044】
以上、本発明の計測装置を、図示の実施の形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物や工程が付加されていてもよい。
また、本発明は、前述した各実施の形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 第1機構部
2 第2機構部
11、21 土台
11a 頂部
12、22 棒状体
12a、22a 被支持部
13、23 貯留部
13a、23a 開口部
14 センサ配置部
15、24 液体排出部
16 PHセンサ
17 水槽
18 供給管
22b 係合部
30 止水弁装置
31 第1の弁
31a、32a ホール弁
31b、32b ボール
32 第2の弁
33 ストッパ
【要約】
【課題】簡易な構造で洗浄液の供給の自動化を図ること。
【解決手段】計測装置は、支点を形成する頂部により支持され一方または他方に傾く供給管18と、供給管18に蒸留水を供給する洗浄液供給管20aと、供給管18が一方に傾いたときに供給管18からの蒸留水の流出を止水する第1の弁31と、供給管18が一方に傾いたときに第1の弁31を介して供給口の反対側に配置される第2の弁32と、を有し、供給管18が傾いていないとき第1の弁31および第2の弁32は供給管18からの蒸留水の流出を止水せず、供給管18が他方に傾いたときに第2の弁32が、供給管18の外部からの第1の弁31側への液体の流入を抑制するようにした。
【選択図】
図7