(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】LIDARセンサーのための放熱
(51)【国際特許分類】
G01S 7/481 20060101AFI20240416BHJP
G02F 1/295 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G01S7/481 Z
G02F1/295
(21)【出願番号】P 2023530871
(86)(22)【出願日】2021-11-22
(86)【国際出願番号】 US2021060388
(87)【国際公開番号】W WO2022109413
(87)【国際公開日】2022-05-27
【審査請求日】2023-07-03
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-11-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520390450
【氏名又は名称】オーロラ・オペレイションズ・インコーポレイティッド
【氏名又は名称原語表記】AURORA OPERATIONS, INC.
【住所又は居所原語表記】1654 Smallman Street, Pittsburgh, PA 15222, UNITED STATES OF AMERICA
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】リン・セン
(72)【発明者】
【氏名】ワン・レイ
【審査官】藤田 都志行
(56)【参考文献】
【文献】特開2000-258736(JP,A)
【文献】特開2004-077604(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0004394(US,A1)
【文献】特開平11-337642(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01S 7/48- 7/51
G01S 17/00-17/95
G02B 6/10- 6/43
G02F 1/00- 1/125
G02F 1/21- 7/00
H01S 3/00- 3/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板層と、
前記基板層上に配置されるクラッディング層と、
導波管-前記導波管の少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過する-と、
オーミックエレメントと、を含み、前記オーミックエレメントの少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過し、前記オーミックエレメントは、前記オーミックエレメントに供給される電流に応答して前記導波管に熱を伝達するように配列され、前記基板層は、ポリマー、ポリイミド、または1つ以上の金属で少なくとも一部が満たされた空隙を含み、前記導波管は、前記オーミックエレメントと前記空隙との間に配置されるLIDAR装置。
【請求項2】
前記導波管は、前記クラッディング層よりも高い屈折率を有する請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項3】
前記オーミックエレメントは、前記導波管と並んで進行する請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項4】
前記オーミックエレメントに供給される電流を変調することによって、前記導波管を介して伝播する光の位相を変調するように構成される発熱モジュールをさらに含む請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項5】
前記導波管を介して伝播する前記光は、赤外線である請求項4に記載のLIDAR装置。
【請求項6】
前記発熱モジュールは、前記オーミックエレメントの第1部分および前記オーミックエレメントの前記第1部分に対向する前記オーミックエレメントの第2部分に結合される請求項4に記載のLIDAR装置。
【請求項7】
前記クラッディング層の一部は、前記導波管と前記オーミックエレメントとの間に配置される請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項8】
前記基板層は、シリコン基板である請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項9】
前記クラッディング層は、二酸化ケイ素を含む請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項10】
前記導波管は、二酸化ケイ素、ケイ素または窒化ケイ素のうち、少なくとも1つを含む請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項11】
前記オーミックエレメントは、金属またはドープされたシリコンのうち、少なくとも1つを含む請求項1に記載のLIDAR装置。
【請求項12】
自律車両用の自律車両制御システムであって、
LIDAR装置と、
1つ以上のプロセッサと、を含み、
前記LIDAR装置は、
基板層と、
前記基板層上に配置されるクラッディング層と、
導波管-前記導波管の少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過する-と、
オーミックエレメントと、を含み、前記オーミックエレメントの少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過し、前記オーミックエレメントは、前記オーミックエレメントに供給される電流に応答して前記導波管に熱を伝達するように配列され、赤外線送信ビームは、前記導波管を通過して前記自律車両の外部環境に伝播するように構成され、前記基板層は、ポリマー、ポリイミド、または1つ以上の金属で少なくとも一部が満たされた空隙を含み、前記導波管は、前記オーミックエレメントと前記空隙との間に配置され、
前記1つ以上のプロセッサは、前記赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して前記自律車両を制御するように構成される自律車両制御システム。
【請求項13】
前記オーミックエレメントを介して駆動される電流を変調することによって、前記導波管を介して伝播する前記赤外線送信ビームの位相を変調するように構成される発熱モジュールをさらに含む請求項12に記載の自律車両制御システム。
【請求項14】
自律車両であって、
LIDARセンサーと、
制御システムと、を含み、
前記LIDARセンサーは、
基板層と、
前記基板層上に配置されるクラッディング層と、
前記クラッディング層を通過する導波管と、
前記クラッディング層を通過するオーミックエレメントと、を含み、前記オーミックエレメントは、前記オーミックエレメントに供給される電流に応答して前記導波管に熱を伝達するように配列され、前記基板層は、ポリマー、ポリイミド、または1つ以上の金属で少なくとも一部が満たされた空隙を含み、前記導波管は、前記オーミックエレメントと前記空隙との間に配置され、赤外線送信ビームは、前記導波管を通過して前記自律車両の外部環境に伝播するように構成され、
前記制御システムは、前記赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して前記自律車両を制御するように構成される自律車両。
【請求項15】
前記オーミックエレメントを介して駆動される電流を変調することによって、前記導波管を介して伝播する前記赤外線送信ビームの位相を変調するように構成される発熱モジュールをさらに含む請求項14に記載の自律車両。
【請求項16】
前記発熱モジュールは、前記オーミックエレメントの第1部分および前記オーミックエレメントの前記第1部分に対向する前記オーミックエレメントの第2部分に結合される請求項13に記載の自律車両制御システム。
【請求項17】
前記クラッディング層の一部は、前記導波管と前記オーミックエレメントとの間に配置される請求項12に記載の自律車両制御システム。
【請求項18】
前記オーミックエレメントは、金属またはドープされたシリコンのうち、少なくとも1つを含む請求項12に記載の自律車両制御システム。
【請求項19】
前記発熱モジュールは、前記オーミックエレメントの第1部分および前記オーミックエレメントの前記第1部分に対向する前記オーミックエレメントの第2部分に結合される請求項15に記載の自律車両。
【請求項20】
前記クラッディング層の一部は、前記導波管と前記オーミックエレメントとの間に配置される請求項14に記載の自律車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願についての相互参照
本出願は、2020年11月23日付で出願された米国仮出願第63/117,310号についての優先権を主張する2021年11月19日付で出願された米国特許出願第17/530,925号についての優先権を主張する。米国出願第17/530,925号、第63/117,310号は、本明細書に参照として含まれる。
【0002】
本開示は、一般に光学に関するものであって、具体的には、光検出および距離測定(Light Detection and Ranging、LIDAR)に関する。
【背景技術】
【0003】
周波数変調連続波(FMCW、Frequency Modulated Continuous Wave)LIDARは、周波数変調されたコリメートされた光ビームをターゲットに向けてオブジェクトの距離と速度を直接測定する。ターゲットの距離および速度情報は、FMCW LIDAR信号から得られる。LIDAR信号の精度を高める設計および技術が好ましい。
【0004】
自動車産業は、現在、特定の状況で車両を制御するための自律機能を開発している。SAE国際規格J3016によると、レベル0(自律なし)からレベル5(あらゆる条件で運転者入力なしで操作できる車両)まで、6レベルの自律性の範囲がある。自律機能を有する車両は、センサーを用いて車両が走行する環境を感知する。センサーからデータを取得して処理することによって、車両は、環境を探索することができる。自律車両には、環境を感知するための1つ以上のFMCW LIDAR装置を含み得る。
【発明の概要】
【0005】
本開示の実施形態は、基板層、クラッディング層、導波管、およびオーミックエレメント(Ohmic Element)を含む集積チップ(Integrated Chip)内のLIDAR(Light Detection and Ranging)装置を含む。クラッディング層は、基板層とともに配置される。導波管の少なくとも一部は、クラッディング層を通過する。オーミックエレメントの少なくとも一部は、クラッディング層を通過する。オーミックエレメントは、オーミックエレメントに供給される電流に応答して導波管に熱を伝達するように配列される。
【0006】
一実施形態において、基板層は、空隙を含み、導波管は、オーミックエレメントと空隙との間に配置される。基板層の空隙は、ポリマーまたはポリイミドを含み得る。基板層の空隙は、誘電体を含み得る。基板層の空隙は、1つ以上の金属を含み得る。
【0007】
一実施形態において、導波管は、クラッディング層よりも高い屈折率を有する。
【0008】
一実施形態において、オーミックエレメントは、導波管と並んで進行する。
【0009】
一実施形態において、LIDAR装置は、オーミックエレメントに供給される電流を変調することによって、導波管を介して伝播する光の位相を変調するように構成される発熱モジュールをさらに含む。
【0010】
一実施形態において、導波管を介して伝播する光は、赤外線である。
【0011】
一実施形態において、発熱モジュールは、オーミックエレメントの第1部分およびオーミックエレメントの第1部分に対向するオーミックエレメントの第2部分に結合される。
【0012】
一実施形態において、クラッディング層の一部は、導波管とオーミックエレメントとの間に位置する。
【0013】
一実施形態において、基板層は、シリコン基板である。
【0014】
一実施形態において、クラッディング層は、二酸化ケイ素を含む。
【0015】
一実施形態において、導波管は、二酸化ケイ素、ケイ素または窒化ケイ素のうち、少なくとも1つを含む。
【0016】
一実施形態において、オーミックエレメントは、金属またはドープされたシリコンのうち、少なくとも1つを含む。
【0017】
本開示の実施形態は、LIDAR装置および1つ以上のプロセッサを含む自律車両用の自律車両制御システムを含む。LIDAR装置は、基板層、クラッディング層、導波管およびオーミックエレメントを含む。クラッディング層は、基板層とともに配置される。導波管の少なくとも一部は、クラッディング層を通過する。オーミックエレメントの少なくとも一部は、クラッディング層を通過する。オーミックエレメントは、オーミックエレメントに供給される電流に応答して導波管に熱を伝達するように配列される。赤外線送信ビームは、導波管を通過して自律車両の外部環境に伝播するように構成される。1つ以上のプロセッサは、赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して自律車両を制御するように構成される。
【0018】
一実施形態において、基板層は、空隙を含み、導波管は、オーミックエレメントと空隙との間に配置される。
【0019】
一実施形態において、LIDAR装置は、オーミックエレメントを介して駆動される電流を変調することによって、導波管を介して伝播する赤外線送信ビームの位相を変調するように構成される発熱モジュールをさらに含む。
【0020】
本開示の実施形態は、LIDARセンサーおよび制御システムを含む自律車両を含む。LIDARセンサーは、基板層、クラッディング層、導波管およびオーミックエレメントを含む。クラッディング層は、基板層とともに配置される。導波管は、クラッディング層を通過する。オーミックエレメントは、クラッディング層を通過する。オーミックエレメントは、オーミックエレメントに供給される電流に応答して導波管に熱を伝達するように配列される。赤外線送信ビームは、導波管を通過して自律車両の外部環境に伝播するように構成される。制御システムは、赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して自律車両を制御するように構成される。
【0021】
実施形態において、自律車両は、オーミックエレメントを介して駆動される電流を変調することによって、導波管を介して伝播する赤外線送信ビームの位相を変調するように構成される発熱モジュールをさらに含む。
【図面の簡単な説明】
【0022】
本発明の非限定的かつ非包括的な実施形態は、以下の図面を参照して説明され、ここで特に明示されない限り、同様の参照番号は、様々な図面全体にわったて同様の部分を指す。
【0023】
【
図1a】本開示の実施形態による基板層、クラッディング層、導波管、およびオーミックエレメント(Ohmic Element)を含む光構造を示す。
【0024】
【
図1b】本開示の実施形態による光構造の基板層に空隙(Void)が形成された光構造を示す。
【0025】
【
図1c】本開示の実施形態による光構造および発熱モジュールを含む装置を示す。
【0026】
【
図2c】本開示の実施形態による空隙に形成されるポリマー材料を示す。
【0027】
【
図3c】本開示の実施形態による空隙に形成される誘電物質を示す。
【0028】
【
図4e】本開示の実施形態による空隙に形成される金属を示す。
【0029】
【
図5a】本開示の実施形態による例示的なセンサーのアレイを含む自律車両を示す。
【0030】
【
図5b】本開示の実施形態による例示的なセンサーのアレイを含む自律車両の平面図を示す。
【0031】
【
図5c】本開示の実施形態によるセンサー、ドライブトレイン、および制御システムを含む例示的な車両制御システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0032】
熱的に制御される導波管における放熱設計の具現が本明細書で説明される。以下の説明では、前記具現についての完全な理解を提供するためにいくつかの詳細が提示される。しかし、関連技術分野の技術者は、本明細書に記載の技術が1つ以上の特定の詳細を除いて、または他の方法、要素または材料などを使用して実行され得ることを認識するであろう。他の場合では、周知の構造、材料または作業は、特定の態様を不明瞭にすることを避けるために詳細に表示または説明されていない。
【0033】
本明細書全体にわたって「1つの実施形態」または「実施形態」についての言及は、実施形態に関して説明されている特定の特徴、構造、または特性が本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体にわたって、様々な位置での「1つの実施形態」または「実施形態」という語句の出現は、必ずしもすべてが同じ実施形態を指しているわけではない。また、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態で任意の適切な方法で結合され得る。
【0034】
本明細書全体にわたって、いくつかの技術用語が使用される。これらの用語は、本明細書で具体的に定義されていないか、または使用文脈が明確に別段の意味を持たない限り、当該用語が由来した技術分野における一般的な意味を取るべきである。本開示の目的のために、「自律車両(Autonomous Vehicle)」という用語は、SAE国際規格J3016の自律性レベルで自律機能を有する車両を含む。
【0035】
光導波管における温度は、光位相制御のような所望の機能を達成するために操作される必要があり得る。例示的な文脈において、導波管を介して伝播する光の位相は、導波管の温度によって変化できる。したがって、熱チューニング効率(Thermal Tuning Efficiency)および熱帯域幅(Thermal Bandwidth)などの熱動作(Thermal Behavior)は、特定の用途に重要であり、多くの場合、慎重な設計および最適化が要求される。
【0036】
本開示の実施形態は、導波管を介して伝播する光の位相特性を制御するために導波管に熱を付与するように配列されたオーミックエレメント(Ohmic Element)を含む。導波管およびオーミックエレメントは、クラッディング層を通過し、空気、ポリマー、誘電体または金属で満たされた(または部分的に満たされた)空隙は、導波管の温度制御を補助するために導波管に近く配置され得る。空隙を埋め戻す充填材を選択することによって、導波管の放熱率(Heat Dissipation Rate)を特定の設計基準に合わせて調整することができる。すなわち、導波管の周辺の放熱機能を変更することは、導波管の熱動作に影響を与える。
【0037】
本開示の実施形態は、LIDAR装置によって放出される赤外線の位相を変調するために選択的に加熱および冷却される導波管を含むLIDAR装置を含み得る。LIDAR装置は、自律車両または自律車両用システムに含まれ得る。
【0038】
図1aは、本開示の実施形態による基板層110、クラッディング層120、導波管130、およびオーミックエレメント140を含む光構造100を示す。基板層110は、シリコン基板であり得る。クラッディング層120は、基板層110とともに配置され、二酸化ケイ素(Silicon Dioxide)を含み得る。クラッディング層120は、基板層110と接触し得る。クラッディング層120は、基板層110上に成長または堆積し得る。クラッディング層120は、基板層110に接合され得る。導波管130は、クラッディング層120を通過し(ページの内外に)、二酸化ケイ素、ケイ素または窒化ケイ素(Silicon Nitride)を含み得る。導波管130は、クラッディング層120よりも高い屈折率を有する。オーミックエレメント140は、金属(例えば、銅)またはドープされたシリコンを含み得る。オーミックエレメント140は、クラッディング層120を通過し、オーミックエレメント140に供給される(例えば、駆動される)電流に応答して導波管130に熱を伝達するように配列(または配置)される。
【0039】
図1bは、本開示の実施形態による光構造100の基板層110に空隙107が形成された光構造102を示す。光構造100に空隙107を形成するために基板層110(例えば、シリコンウェハ)を反転し、1つ以上の空隙107を基板層110にエッチングすることができる。一部の実施形態において、プラズマエッチング技術または異方性化学エッチング(Anisotropic Chemical Etching)を用いて空隙107を形成し得る。
図1bにおいて、導波管130は、オーミックエレメント140と基板層110の空隙107との間に配置される。
図1bの特定の例において、空隙107は、空気または他のガスで満たされている。シリコンが基板層110として使用される場合、シリコンの熱伝導率は、約160W/mkであり、空気の熱伝導率は、0.025W/mKであるため、空隙107を形成することは、導波管130からの熱放出を実質的に減少させる。本開示の実施形態において、空隙107は、導波管130からの熱放出を制御するためにエアギャップとして残るか、またはポリマー、誘電体および/または金属などの材料を含み得る(例えば、満たされるか、または部分的に満たされる)。
【0040】
図1cは、本開示の実施形態による光構造102および発熱モジュール150を含む装置104を示す。
図1cは、
図1bの平面190に沿って切断された光構造102の側面図を含む。基板層110は、空隙107が空気で満たされたときに空隙107の後方で視認できる。
図1bおよび
図1cは、クラッディング層120の一部が導波管130とオーミックエレメント140との間に配置されていることを示す。
図1bおよび
図1cにおいて、オーミックエレメント140は、導波管130と並んで進行するが、他の実施形態において、オーミックエレメント140は、必ずしも導波管130と並んで進行しなくてもよい。
【0041】
図1cにおいて、発熱モジュール150は、熱信号153に応答してオーミックエレメント140を介して電流を駆動する。熱信号153は、アナログまたはデジタル制御信号であり得る。発熱モジュール150は、1つ以上のトランジスタを含み得る。発熱モジュール150は、導波管130に熱を伝達するためにオーミックエレメント140を介して電流を駆動するようにオーミックエレメント140の両端に結合される。したがって、発熱モジュール150は、オーミックエレメント140の第1部分およびオーミックエレメント140の第1部分に対向するオーミックエレメント140の第2部分に結合され得る。電圧電位は、オーミックエレメント140の両端に存在し得る。導波管130の加熱または冷却は、導波管130を介して伝播する光の位相を変えることができる。
図1cにおいて、入力光171は、導波管130の入力端部で導波管130によって受信される。入力光171は、導波管130を介して伝播し、出力光173として出力端部を出射する。出力光173の位相は、オーミックエレメント140によって導波管130に伝達される熱に応じて変わり得る。したがって、発熱モジュール150は、オーミックエレメント140を介して駆動される電流を変調することによって、導波管130を介して伝播する光の位相を変調するように構成され得る。光171は、赤外線であり得る。光171は、近赤外線であり得る。
【0042】
図2a~2cは、本開示の実施形態による空隙107に形成されるポリマー材料260を示す。
図2aは、光構造102を示す。
図2bは、光構造204を形成するために、光構造102の空隙107にポリマー材料260を形成し得ることを示す。ポリマー材料260を形成することは、光構造102のウェハを反転することと、ポリイミドなどの感光性ポリマーまたはベンゾシクロブテン-ベースのポリマー(Benzocyclobutene-based Polymer)を光構造102上にスピンコーティングすることを含み得る。
図2cは、ポリマー材料260の一部が除去され、光構造206の空隙107を満たすポリマー材料260を残すことを示す。
図2cにおいて、ポリマー材料260の上部は、基板層110の上部とともに平らであり得る。光構造204から光構造206を形成することは、例えば、過剰なポリマー材料260をパターン化し除去するためのフォトリソグラフィ技術を含み得る。
【0043】
図3a~
図3cは、本開示の実施形態による空隙107に形成される誘電物質360を示す。
図3aは、光構造102を示す。
図3bは、誘電物質360が光構造102の空隙107に形成されて光構造304を形成し得ることを示す。誘電物質360を形成することは、光構造102のウェハを反転することと、光構造102上に誘電物質360(例えば、酸化ケイ素)を堆積することと、を含み得る。例えば、光構造102上に誘電物質360を堆積するために、例えば、火炎加水分解堆積技術(Flame Hydrolysis Deposition Technique)を使用することができる。
図3cは、誘電物質360の一部が除去され、光構造306の空隙107を満たす誘電物質360を残すことを示す。誘電物質360の上部は、基板層110の上部とともに平らであり得る。光構造304から光構造306を生成することは、例えば、ウェハを平坦化するために過剰な誘電物質360を除去するための化学機械研磨(CMP)を含み得る。
【0044】
図4a~
図4eは、本発明の実施形態による空隙107に形成される金属460を示す。
図4aは、光構造102を示す。
図4bは、光構造404を形成するために基板層110の上部および光構造102の空隙107内に配置された金属フィルム層445を示す。金属フィルム層445は、また、空隙107の底部および空隙107の側壁上に形成される。一実施形態において、金属フィルム層445は、銅である。金属フィルム層445を形成することは、光構造102上に金属フィルム層445を電気めっきすることを含み得る。金属フィルム層445は、空隙107を後続の金属材料で充填するためのシード層の役割を果たす。
【0045】
図4cは、光構造404上にフォトレジスト455をパターニングすることによって形成された光構造406を示す。一部の実施形態において、フォトリソグラフィ技術がフォトレジスト455をパターニングするために使用できる。
図4dは、追加の金属材料460が光構造406の空隙107に形成されて光構造408を形成することを示す。一部の実施形態において、金属460は、電気めっきプロセスによって形成され得る。本開示の実施形態において、金属460は、銅またはニッケル-鉄(NiFe)であり得る。
図4eは、光構造410を示す。光構造410は、光構造408からフォトレジスト455および基板層110上に置かれる金属フィルム層445の一部を除去することによって形成され得る。フォトレジスト455を除去することは、フォトレジスト455を剥離することを含み得、金属フィルム層445を除去することは、エッチングプロセスを含み得る。
【0046】
光構造102、206、306、および410は、空隙107が空気(または他のガス)、ポリマー、誘電体または金属で満たされるか、または部分的に満たされ得ることを示す。したがって、設計目標を満たす放熱率を選択するために、異なる光構造に異なる放熱率を設計することができる。一部の実施形態において、空隙107に含まれた材料の熱伝導率は、0.1W/mKと1W/mKとの間である。一部の実施形態において、空隙107に含まれた材料の熱伝導率は、1W/mKと2W/mKとの間である。一部の実施形態において、空隙107に含まれた材料の熱伝導率は、2W/mKと10W/mKとの間である。一部の実施形態において、空隙107に含まれた材料の熱伝導率は、10W/mKと100W/mKとの間である。一部の実施形態において、空隙107に含まれた材料の熱伝導率は、100W/mKと500W/mKとの間である。一部の実施形態において、充填材料は、0.12W/mKの熱伝導率を有するポリイミドである。一部の実施形態において、充填材料は、1.4W/mKの熱伝導率を有する酸化ケイ素である。一部の実施形態において、充填材料は、17W/mKの熱伝導率を有するニッケル-鉄合金である。一部の実施形態において、充填材料は、390W/mKの熱伝導率を有する銅である。
【0047】
光構造102、206、306および410は、シリコンウェハが基板層110として使用されるとき、SOI(Silicon-On-Insulator)ウェハ上のフォトニック集積回路(Photonic Integrated Circuit、PIC)と見なすことができる。本開示の実施形態において、光構造206、306および410は、光構造206、306および410内の導波管に伝達される熱を変調するために、熱信号153に応答してオーミックエレメントを介して電流を変調するためにオーミックエレメント140に結合された発熱モジュール150と同様の熱モジュールを有し得る。
【0048】
図5aは、本開示の態様によるLIDAR装置の
図1a~
図4eの光構造を含み得る例示的な自律車両500を示す。図示された自律車両500は、自律車両500の動作を制御する目的で自律車両の外部環境の1つ以上のオブジェクトをキャプチャし、キャプチャされた1つ以上のオブジェクトに関連するセンサーデータを生成するように構成されたセンサーアレイを含む。
図5aは、センサー533A、533B、533C、533Dおよび533Eを示す。
図5bは、センサー533A、533B、533C、533Dおよび533Eに加えて、センサー533F、533G、533Hおよび533Iを含む自律車両500の平面図を示す。任意のセンサー533A、533B、533C、533D、533E、533F、533G、533Hおよび/または533Iは、
図1a~
図4eの設計を含むLIDAR装置を含み得る。
図5cは、自律車両500のための例示的なシステム599のブロック図を示す。例えば、自律車両500は、エネルギーソース506によって動力の供給を受け、ドライブトレイン508に電力を提供できる原動機504を含むパワートレイン502を含み得る。自律車両500は、方向制御512、パワートレイン制御514、およびブレーキ制御516を含む制御システム510をさらに含み得る。自律車両500は、人および/または貨物を輸送することができ、様々な異なる環境で走行することができる車両を含む多くの異なる車両として具現できる。前述のコンポーネント502~516は、これらのコンポーネントが使用される車両のタイプによって広範囲に変化する可能性があることを理解するであろう。
【0049】
例えば、以下で説明する実施形態は、自動車、バン、トラック、またはバスなどの車輪付き陸上車両に焦点を合わせる。このような実施形態において、原動機504は、(その中でも)1つ以上の電気モータおよび/または内燃機関を含み得る。エネルギーソースは、例えば、燃料システム(例えば、ガソリン、ディーゼル、水素を提供)、バッテリーシステム、ソーラーパネルまたは他の再生エネルギーソースおよび/または燃料電池システムを含み得る。ドライブトレイン508は、原動機504の出力を車両運動に変換するのに適したトランスミッションおよび/または任意の他の機械駆動コンポーネントとともにホイールおよび/またはタイヤを含み得るだけでなく、自律車両500を制御可能に停止または減速するように構成される1つ以上のブレーキおよび自律車両500の軌跡を制御するのに適した方向またはステアリングコンポーネント(例えば、自律車両500の1つ以上のホイールが車両の縦軸に対するホイールの回転平面の角度を変更するために、一般に垂直軸を中心に旋回することを可能にするラックおよびピニオンステアリング接続装置)を含み得る。一部の実施形態において、パワートレインとエネルギーソースの組み合わせが使用できる(例えば、電気/ガスハイブリッド車両の場合)。一部の実施形態において、複数の電気モータ(例えば、個々の車輪または車軸専用)を原動機として使用できる。
【0050】
方向制御512は、自律車両500が望む軌跡に沿うことができるように、方向またはステアリングコンポーネントからフィードバックを制御かつ受信するための1つ以上のアクチュエーターおよび/またはセンサーを含み得る。パワートレイン制御514は、パワートレイン502の出力を制御するように構成され得るが、例えば、原動機504の出力電力を制御し、ドライブトレイン508の変速機ギアを制御することによって、自律車両500の速度および/または方向を制御できる。ブレーキ制御516は、自律車両500を減速または停止させる1つ以上のブレーキ、例えば、車両のホイールに結合されたディスクまたはドラムブレーキを制御するように構成され得る。
【0051】
オフロード車両、オールテレーン(All-Terrain)またはトラック車両、または建設装備を含むが、これらに限定されない他の車両タイプは、必然的に、本開示の利点を有する通常の技術者であれば理解する他のパワートレイン、ドライブトレイン、エネルギーソース、方向制御、パワートレイン制御、およびブレーキ制御を活用する。また、一部の実施形態において、一部のコンポーネントは結合され得るが、例えば、車両の方向制御は、主に1つ以上の原動機の出力を変更することによって処理できる。したがって、本明細書に開示された実施形態は、車輪付き陸上自律車両で本明細書に説明された技術の特定の用途に限定されない。
【0052】
図示の実施形態において、自律車両500についての自律制御は、車両制御システム520で具現され、これは、処理ロジック522内の1つ以上のプロセッサおよび1つ以上のメモリ524を含み得、処理ロジック522は、メモリ524に格納されたプログラムコード(例えば、命令526)を実行するように構成される。処理ロジック522は、例えば、グラフィック処理装置(GPU)および/または中央処理装置(CPU)を含み得る。車両制御システム520は、複数の導波管130を介して自律車両500の外部環境に伝播し、受信LIDARピクセルに再び反射される赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して、自律車両500のパワートレイン502を制御するように構成され得る。
【0053】
センサー533A~533Iは、自律車両の動作を制御するのに使用するために自律車両の周辺環境からデータを収集するのに適した様々なセンサーを含み得る。例えば、センサー533A~533Iは、RADARユニット534、LIDARユニット536、3Dポジショニングセンサー538、例えば、GPS、GLONASS、BeiDou、Galileo、またはCompassなどの衛星航法システムを含み得る。
図1a~
図4eのLIDAR設計は、LIDARユニット536に含まれ得る。LIDARユニット536は、例えば、自律車両500の周囲に分散した複数のLIDARセンサーを含み得る。一部の実施形態において、3Dポジショニングセンサー538は、衛星信号を用いて地球上の車両の位置を決定し得る。センサー533A~533Iは、選択的に1つ以上の超音波センサー、1つ以上のカメラ540、および/または慣性測定ユニット(IMU)542を含み得る。一部の実施形態において、カメラ540は、静止画および/またはビデオ画像を記録することができるモノグラフィックカメラまたはステレオグラフィックカメラであり得る。カメラ540は、自律車両500の外部環境にある1つ以上のオブジェクトのイメージをキャプチャするように構成されたCMOS(Complementary Metal-Oxide-Semiconductor)イメージセンサーを含み得る。IMU542は、3つの方向で自律車両500の線形および回転運動を検出できるマルチジャイロスコープおよび加速度計を含み得る。ホイールエンコーダなどの1つ以上のエンコーダ(図示せず)は、自律車両500の1つ以上のホイールの回転をモニタリングするために使用できる。
【0054】
センサー533A~533Iの出力は、位置推定(Localization)サブシステム552、軌跡サブシステム556、知覚サブシステム554、および制御システムインターフェース558を含む制御サブシステム550に提供され得る。位置推定サブシステム552は、周辺環境内で、そして一般的に特定の地理的領域内で自律車両500の位置および(また、時々「姿勢」とも呼ばれる)方向を決定するように構成され得る。自律車両の位置は、ラベル付き自律車両データ生成の一部として、同じ環境にある追加車両の位置と比較できる。知覚サブシステム554は、自律車両500を囲む環境内のオブジェクトを検出、追跡、分類および/または決定するように構成され得る。軌跡サブシステム556は、特定のタイムフレームにわたって希望する目的地が与えられた自律車両500についての軌跡だけでなく、環境内で静止および移動するオブジェクトの軌跡を生成するように構成され得る。一部の実施形態による機械学習モデルは、車両軌跡を生成するために活用できる。制御システムインターフェース558は、自律車両500の軌跡を実施するために制御システム510と通信するように構成される。一部の実施形態において、機械学習モデルは、計画された軌跡を実施するために自律車両を制御するために活用できる。
【0055】
図5cに示される車両制御システム520についてのコンポーネントの集合は、本質的に単なる例示であることが理解されるであろう。個々のセンサーは、一部の実施形態においては省略され得る。一部の実施形態において、
図5cに示される異なるタイプのセンサーが自律車両を囲む環境で冗長的におよび/または異なる領域をカバーするために使用できる。一部の実施形態において、制御サブシステムの異なるタイプおよび/または組み合わせが使用できる。また、サブシステム552~558は、処理ロジック522およびメモリ524とは別のものとして示されているが、一部の実施形態において、サブシステム552~558の機能のうちの一部または全部は、メモリ524に常駐し、処理ロジック522によって行われる命令526などのプログラムコードで具現でき、これらのサブシステム552~558は、場合によっては、同じプロセッサおよび/またはメモリを使用して具現できることが理解されるであろう。一部の実施形態において、サブシステムは、様々な専用回路ロジック、様々なプロセッサ、様々なFPGA(Field Programmable Gate Array)、様々なASIC(Application-Specific Integrated Circuit)、様々なリアルタイムコントローラなどで具現でき、前述したように、複数のサブシステムが回路、プロセッサ、センサー、および/または他のコンポーネントを活用できる。また、車両制御システム520の様々なコンポーネントは、様々な方法でネットワーク化することができる。
【0056】
一部の実施形態において、ソフトウェア、ハードウェア、回路ロジック、センサー、およびネットワークの様々な組み合わせを含む異なるアーキテクチャが
図5cに示される様々なコンポーネントを具現するために使用できる。それぞれのプロセッサは、例えば、マイクロプロセッサとして具現でき、それぞれのメモリは、メインストレージだけでなく、メモリの任意の補助レベル、例えば、キャッシュメモリ、不揮発性またはバックアップメモリ(例えば、プログラマブルまたはフラッシュメモリ)、またはリードオンリーメモリを含むランダムアクセスメモリ(RAM)を意味し得る。また、それぞれのメモリは、例えば、大容量格納装置または他のコンピュータコントローラに格納されているような仮想メモリとして使用される任意の格納容量だけでなく、自律車両500の他の場所に物理的に位置したメモリストレージ、例えば、プロセッサの任意のキャッシュメモリを含むものと見なすことができる。
図5cに示される処理ロジック522、または完全に別個の処理ロジックは、自律制御の目的以外に自律車両500で追加の機能を実施するために、例えば、エンターテインメントシステムを制御したり、ドア、照明、または便宜機能を操作するために使用できる。
【0057】
また、追加の格納のために、自律車両500は、また、1つ以上の大容量格納装置、例えば、リムーバブルディスクドライブ、ハードディスクドライブ、直接アクセス格納装置(「DASD」)、光ドライブ(例えば、CDドライブ、DVDドライブ)、SSD(Solid State Storage Drive)、ネットワーク接続ストレージ、ストレージエリアネットワーク、および/またはテープドライブなどを含み得る。また、自律車両500は、自律車両500が乗客から複数の入力を受信し、乗客のための出力を生成するためのユーザーインターフェース564、例えば、1つ以上のディスプレイ、タッチスクリーン、音声および/またはジェスチャーインターフェース、ボタン、およびその他の触覚コントロールを含み得る。一部の実施形態において、乗客からの入力は、他のコンピュータまたは電子装置を介して、例えば、モバイル装置のアプリを介して、またはウェブインターフェースを介して受信され得る。
【0058】
一部の実施形態において、自律車両500は、1つ以上のネットワーク570(例えば、ローカルエリアネットワーク(「LAN」)、ワイドエリアネットワーク(「WAN」)、無線ネットワーク、および/またはインターネットなど)と通信するのに適している1つ以上のネットワークインターフェース、例えば、ネットワークインターフェース562を含み得、これにより、例えば、自律車両500が自律制御に使用するために環境およびその他のデータを受信するためのクラウドサービスなどの中央サービスを含む他のコンピュータおよび電子装置との情報通信を可能にすることができる。一部の実施形態において、1つ以上のセンサー533A~533Iによって収集されたデータは、追加処理のためにネットワーク570を介してコンピューティングシステム572にアップロードされることができる。このような実施形態において、タイムスタンプは、アップロード前に車両データの各インスタンスに関連付けることができる。
【0059】
本明細書に開示される様々な追加のコントローラおよびサブシステムだけでなく、
図5cに示される処理ロジック522は、一般に、オペレーティングシステムの制御下で動作かつ実行されるか、そうでなければ以下に詳細に説明される様々なコンピュータソフトウェアアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、またはデータ構造に依存する。また、様々なアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、またはモジュールは、ネットワーク570を介して、例えば、分散、クラウドベース、またはクライアント-サーバコンピューティング環境で自律車両500に結合された他のコンピュータの1つ以上のプロセッサで行い得、これにより、コンピュータプログラムの機能を実施するために必要な処理がネットワークを介して複数のコンピュータおよび/またはサービスに割り当てられる。
【0060】
本明細書に記載されている様々な実施形態を具現するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムの一部または特定のアプリケーション、コンポーネント、プログラム、オブジェクト、モジュール、または命令シーケンス、またはそのサブセットの一部として具現されているかどうかにかかわらず、ここで「プログラムコード」と呼ばれる。プログラムコードは、一般に、様々なメモリおよび格納装置に常駐する1つ以上の命令を含み、1つ以上のプロセッサによって読み取りおよび実行されるとき、本開示の様々な態様を具現するステップまたは要素を実行するために必要なステップを実行する。また、実施形態は、完全に機能するコンピュータおよびシステムの文脈で説明されており、今後もそうであろうが、本明細書に記載されている様々な実施形態は、様々な形態のプログラム製品として配布されることができ、実施形態が実際に配布を実行するために使用される特定のタイプのコンピュータ読み取り可能な媒体に関係なく具現できることが理解されるであろう。コンピュータ読み取り可能な媒体の例としては、揮発性および不揮発性メモリ装置、フロッピーおよび他のリムーバブルディスク、ソリッドステートドライブ、ハードディスクドライブ、磁気テープおよび光ディスク(例えば、CD-ROM、DVD)のようなタイプの非一時的な媒体を含む。
【0061】
また、以下で説明される様々なプログラムコードは、特定の実施形態で具現されるアプリケーションに基づいて識別できる。しかし、以下の任意の特定のプログラム命名法は、単に便宜のために使用されたものであり、したがって、本発明は、このような命名法によって識別および/または暗示された任意の特定アプリケーションでのみ使用するように制限されてはならないことを理解するべきである。また、コンピュータプログラムがルーチン、手順、方法、モジュール、オブジェクトなどで構成できる一般的に無限の数の方式とプログラム機能が通常のコンピュータ(例えば、オペレーティングシステム、ライブラリ、API、アプリケーション、アプレット)内に常駐する様々なソフトウェア層の間に割り当てられる様々な方式を考慮するとき、本開示は、本明細書に記載のプログラム機能の特定の組織および割り当てに限定されないことを理解するべきである。
【0062】
本開示の利点を有する当業者は、
図5cに示される例示的な環境が本明細書に開示された実施形態を制限しようとする意図ではないことを認識するであろう。実際、当業者は、本明細書に開示された実施形態の範囲から逸脱することなく、他の代替ハードウェアおよび/またはソフトウェア環境を使用できることを認識するであろう。
【0063】
本開示の態様において、可視光線は、約380nm~700nmの波長範囲を有すると定義されることができる。非可視光は、紫外線、赤外線などの可視光線領域外の波長を有する光として定義されることができる。約700nm~1mmの波長範囲を有する赤外線は、近赤外線を含む。本開示の態様において、近赤外線は、約700nm~1.6μmの波長範囲を有すると定義されることができる。
【0064】
本開示の態様において、「透明」という用語は、90%より大きい光透過率を有すると定義されることができる。一部の実施形態において、「透明」という用語は、可視光線の90%より大きい透過率を有する物質として定義されることができる。
【0065】
本明細書において、「処理ロジック」という用語は、本明細書に開示されている動作を実行するための1つ以上のプロセッサ、マイクロプロセッサ、マルチコアプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、および/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)を含み得る。一部の実施形態において、メモリ(図示せず)は、演算を実行および/またはデータを格納するための命令を格納するために処理ロジックに統合される。また、処理ロジックは、本開示の実施形態に係る動作を実行するためのアナログまたはデジタル回路を含み得る。
【0066】
本明細書で説明する「メモリ」または「複数のメモリ」は、1つ以上の揮発性または不揮発性メモリアーキテクチャを含み得る。「メモリ」または「複数のメモリ」は、コンピュータ読み取り可能な命令、データ構造、プログラムモジュール、または他のデータなどの情報格納のための任意の方法または技術で具現された取り外し可能および取り外し不可能媒体であり得る。メモリ技術の例においては、RAM、ROM、EEPROM、フラッシュメモリ、CD-ROM、DVD、高精細マルチメディア/データ格納ディスクまたはその他の光記憶装置、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスク格納装置、またはコンピューティング装置によってアクセスを可能にするように情報を格納するために使用できるその他の非送信媒体を含み得る。
【0067】
ネットワークは、ピアツーピアネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどのパブリックネットワーク、プライベートネットワーク、セルラーネットワーク、無線ネットワーク、有線ネットワーク、有無線組み合わせのネットワーク、および衛星ネットワークなどの任意のネットワークまたはネットワークシステムを含むが、これらに 限定されない。
【0068】
通信チャネルは、IEEE802.11プロトコル、SPI(Serial Peripheral Interface)、I2C(Inter-Integrated Circuit)、USB(Universal Serial Port)、CAN(Controller Area Network)、セルラーデータプロトコル(例えば、3G、4G、LTE、5G)、光通信ネットワーク、インターネットサービスプロバイダ(ISPs)、ピアツーピアネットワーク、LAN、WAN、パブリックネットワーク(例えば、「インターネット」)、プライベートネットワーク、衛星ネットワークまたは他のものを用いる1つ以上の有線または無線通信を含むか、またはこれらによってルーティングされることができる。
【0069】
コンピューティング装置は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレット、ファブレット、スマートフォン、フィーチャーホン、サーバコンピュータなどを含み得る。サーバコンピュータは、データセンターに遠隔に位置するか、またはローカルに格納できる。
【0070】
前述したプロセスは、コンピュータソフトウェアおよびハードウェアの側面で説明される。説明された技術は、機械によって実行されるときに、機械が説明された動作を行うようにする有形または非一時的な機械(例えば、コンピュータ)可読格納媒体内に具現された機械実行可能命令を構成し得る。また、プロセスは、特定用途向け集積回路(「ASIC」)などのハードウェア内に具現できる。
【0071】
有形の非一時的な機械可読格納媒体は、機械(例えば、コンピュータ、ネットワーク装置、PDA、製造ツール、1つ以上のプロセッサセットを有する任意の装置など)によってアクセス可能な形態の情報を提供(例えば、格納)するための任意のメカニズムを含み得る。例えば、機械可読格納媒体は、記録可能/記録不可能媒体(例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、磁気ディスク格納媒体、光格納媒体、フラッシュメモリ装置など)を含む。
【0072】
要約書に説明されたものを含め、本開示の例示された実施形態についての前述の説明は、完全なものとして、または開示された正確な形態として本発明を限定することを意図していない。本発明の特定の実施形態および例示が例示的な目的で本明細書に説明されているが、関連技術分野の技術者が認識するように、本発明の範囲内で様々な修正が可能である。
【0073】
このような本発明の修正は、前述の詳細な説明に照らして行われ得る。以下の特許請求の範囲で使用される用語は、本発明を明細書に開示された特定の実施形態に限定するものと解釈されてはならない。むしろ、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲によって完全に決定されるべきであり、これは特許請求の範囲の解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
以下、本発明の参考形態の一例を付記する。
[1]
基板層と、
前記基板層上に配置されるクラッディング層と、
光を伝播するように構成される導波管-前記導波管の少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過する-と、
オーミックエレメントと、を含み、前記オーミックエレメントの少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過し、前記オーミックエレメントは、前記オーミックエレメントに供給される電流に応答して前記導波管に熱を伝達するように配列され、
前記導波管を介して伝播する前記光の周波数は、前記オーミックエレメントに供給される前記電流によって変調されるLIDAR装置。
[2]
前記導波管は、前記オーミックエレメントから前記導波管に伝達される前記熱の量に基づいて選択的に加熱および冷却される[1]に記載のLIDAR装置。
[3]
赤外線送信ビームは、前記導波管を通過して前記LIDAR装置の外部環境に伝播するように構成される[1]に記載のLIDAR装置。
[4]
前記オーミックエレメントに結合される発熱モジュールをさらに含み、前記発熱モジュールは、前記オーミックエレメントに供給される前記電流を駆動するように構成される[1]に記載のLIDAR装置。
[5]
前記発熱モジュールは、前記オーミックエレメントの第1部分および前記オーミックエレメントの前記第1部分に対向する前記オーミックエレメントの第2部分に結合される[4]に記載のLIDAR装置。
[6]
前記発熱モジュールは、1つ以上のトランジスタを含む[4]に記載のLIDAR装置。
[7]
前記導波管を介して伝播する前記光は、赤外線である[1]に記載のLIDAR装置。
[8]
前記基板層は、前記導波管の温度制御を補助するために前記導波管に対して配置された開口を含む[1]に記載のLIDAR装置。
[9]
前記開口に配置される充填材をさらに含み、前記充填材の熱伝導率(Thermal Conductivity)は、前記導波管の熱散逸率(Heat Dissipation Rate)を調整するように選択される[8]に記載のLIDAR装置。
[10]
前記開口は、0.025W/mK~500W/mKの熱伝導率を有する充填材で少なくとも部分的に満たされる[9]に記載のLIDAR装置。
[11]
前記開口は、0.1W/mK~20W/mKの熱伝導率を有する充填材で少なくとも部分的に満たされる[9]に記載のLIDAR装置。
[12]
前記導波管は、前記オーミックエレメントと前記開口との間に配置され、前記クラッディング層の一部は、前記導波管と前記オーミックエレメントとの間に配置される[8]に記載のLIDAR装置。
[13]
自律車両用の自律車両制御システムであって、前記自律車両制御システムは、
LIDAR装置と、
1つ以上のプロセッサと、を含み、
前記LIDAR装置は、
基板層と、
前記基板層上に配置されるクラッディング層と、
赤外線送信ビームを前記自律車両の外部環境に伝播するように構成される導波管-前記導波管の少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過する-と、
オーミックエレメントと、を含み、前記オーミックエレメントの少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過し、前記オーミックエレメントは、前記オーミックエレメントに供給される電流に応答して前記導波管に熱を伝達するように配列され、
前記導波管を介して伝播する前記赤外線送信ビームの周波数は、前記オーミックエレメントに供給される前記電流によって変調され、
前記1つ以上のプロセッサは、前記赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して前記自律車両を制御するように構成される自律車両制御システム。
[14]
前記LIDAR装置は、前記オーミックエレメントの第1部分および前記オーミックエレメントの第1部分に対向する前記オーミックエレメントの第2部分に結合される発熱モジュールを含み、前記発熱モジュールは、前記オーミックエレメントに供給される電流を駆動するように構成される[13]に記載の自律車両制御システム。
[15]
前記発熱モジュールは、1つ以上のトランジスタを含む[14]に記載の自律車両制御システム。
[16]
前記基板層は、前記導波管の温度制御を補助するために前記導波管に対して配置された開口を含む[14]に記載の自律車両制御システム。
[17]
前記開口に配置される充填材をさらに含み、前記充填材の熱伝導率(Thermal Conductivity)は、前記導波管の熱散逸率(Heat Dissipation Rate)を調整するように選択される[16]に記載の自律車両制御システム。
[18]
自律車両であって、前記自律車両は、
LIDARセンサーと、
制御システムと、を含み、
前記LIDARセンサーは、
基板層と、
前記基板層上に配置されるクラッディング層と、
赤外線送信ビームを前記自律車両の外部環境に伝播するように構成される導波管-前記導波管の少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過する-と、
オーミックエレメントと、を含み、前記オーミックエレメントの少なくとも一部は、前記クラッディング層を通過し、前記オーミックエレメントは、前記オーミックエレメントに供給される電流に応答して前記導波管に熱を伝達するように配列され、
前記導波管を介して伝播する前記赤外線送信ビームの周波数は、前記オーミックエレメントに供給される前記電流によって変調され、
前記制御システムは、前記赤外線送信ビームの反射である赤外線リターンビームに応答して前記自律車両を制御するように構成される自律車両。
[19]
前記LIDARセンサーは、前記オーミックエレメントの第1部分および前記オーミックエレメントの第1部分に対向する前記オーミックエレメントの第2部分に結合される発熱モジュールを含み、前記発熱モジュールは、前記オーミックエレメントに供給される電流を駆動するように構成される[18]に記載の自律車両。
[20]
前記基板層は、前記導波管の温度制御を補助するために前記導波管に対して配置される開口を含み、
前記LIDARセンサーは、前記開口に配置される充填材をさらに含み、前記充填材の熱伝導率(Thermal Conductivity)は、前記導波管の熱散逸率(Heat Dissipation Rate)を調整するように選択される[18]に記載の自律車両。