(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/639 20060101AFI20240416BHJP
H01R 13/622 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H01R13/639 A
H01R13/622
(21)【出願番号】P 2022577075
(86)(22)【出願日】2022-04-15
(86)【国際出願番号】 KR2022005495
(87)【国際公開番号】W WO2022231186
(87)【国際公開日】2022-11-03
【審査請求日】2022-12-13
(31)【優先権主張番号】10-2021-0055302
(32)【優先日】2021-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ソン、サン-オク
【審査官】高橋 学
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-309962(JP,A)
【文献】実開昭55-066388(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/629-13/639
H01R 13/622
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性体を含む相手コネクタと電気的に接続されるコネクタであって、
電気的に非伝導性材料から構成され、前記相手コネクタと締結可能に結合部が形成されたハウジングと、
電気伝導性材料から構成されて電気的経路を提供し、少なくとも一部が前記ハウジングの外部に露出して前記相手コネクタと電気的に接触可能に構成された導体ユニットと、
前記相手コネクタの磁性体に対して磁場が変化可能に構成されたマグネチックユニットと、を含
み、
前記マグネチックユニットは、それぞれ多極着磁形態で構成されて相互に対面するように配置されている第1磁石及び第2磁石を含み、
前記第2磁石は、移動可能である、コネクタ。
【請求項2】
前記第2磁石は、前記第1磁石に対して相対的に移動可能である、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記ハウジングの結合部は、前記相手コネクタの少なくとも一部分が挿入可能に凹んだ溝の形態で形成されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
磁性体を含む相手コネクタと電気的に接続されるコネクタであって、
電気的に非伝導性材料から構成され、前記相手コネクタと締結可能に結合部が形成されたハウジングと、
電気伝導性材料から構成されて電気的経路を提供し、少なくとも一部が前記ハウジングの外部に露出して前記相手コネクタと電気的に接触可能に構成された導体ユニットと、
前記相手コネクタの磁性体に対して磁場が変化可能に構成されたマグネチックユニットと、を含み、
前記ハウジングの結合部は、前記相手コネクタの少なくとも一部分が挿入可能に凹んだ溝の形態で形成され、
前記ハウジングの結合部は、前記溝の内面にネジ山が形成され、前記相手コネクタが回転挿入可能である、
コネクタ。
【請求項5】
前記第2磁石は、回転移動可能である、請求項
1に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記第2磁石は、プレート状である、請求項
1に記載のコネクタ。
【請求項7】
磁性体を含む相手コネクタと電気的に接続されるコネクタであって、
電気的に非伝導性材料から構成され、前記相手コネクタと締結可能に結合部が形成されたハウジングと、
電気伝導性材料から構成されて電気的経路を提供し、少なくとも一部が前記ハウジングの外部に露出して前記相手コネクタと電気的に接触可能に構成された導体ユニットと、
前記相手コネクタの磁性体に対して磁場が変化可能に構成されたマグネチックユニットと、を含み、
前記マグネチックユニットは、それぞれ多極着磁形態で構成されて相互に対面するように配置されている第1磁石及び第2磁石を含み、
前記マグネチックユニットは、強磁性体材料から形成され、前記第1磁石及び前記第2磁石の少なくとも一つの周縁に位置し、極同士が互いに分離されるように設けられたエッジ部材をさらに含む、
コネクタ。
【請求項8】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のコネクタを含む、バッテリーパック。
【請求項9】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のコネクタを含む、自動車。
【請求項10】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のコネクタを含む、デバイス。
【請求項11】
請求項1から
7のいずれか一項に記載のコネクタと、
磁性体を含み、前記コネクタと結合して電気的に接続可能である前記相手コネクタと、を含む、コネクティング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2021年4月28日付け出願の韓国特許出願第10-2021-0055302号に基づく優先権を主張し、当該出願の明細書及び図面に開示された内容は、すべて本出願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、コネクタに関し、より詳しくは、電力または電気的信号を伝達するためのコネクタ及びそれを含む応用装置に関する。
【背景技術】
【0003】
電力供給のためのパワーケーブルまたは電気的信号を伝達するための信号ケーブルなどは、二つのコネクタ、例えば雄コネクタ(male connector)と雌コネクタ(female connector)との間の電気的接続を通じて相互に通電される。このとき、二つのコネクタにはそれぞれ、電気的接続のための導体、例えばピンが設けられ得る。また、二つのコネクタには、このような電気的接続が安定的に維持されるように、機械的連結のための締結構成が設けられ得る。
【0004】
このような二つのコネクタ同士の機械的連結は、代表的には、雄コネクタの少なくとも一部を雌コネクタに挿入する形態で行われる。この場合、二つのコネクタ同士を締結させるときは、挿入力が弱い方が好ましい。例えば、雄コネクタを雌コネクタに挿入するとき、容易に挿入できれば、二つのコネクタ同士の結合作業がより容易になる。そして、一旦結合された二つのコネクタは、互いに強い締結力で結合されることが好ましい。すなわち、二つのコネクタ同士の電気的接続を安定的に維持するためには、相互の結合が解除され難くする必要がある。
【0005】
しかし一般に、二つのコネクタ同士を締結し易くするために挿入力を弱くすると、相互の結合力も弱くなって、結合状態を安定的に維持し難い。一方、結合状態を安定的に維持するために二つのコネクタ同士の結合力を過度に高めると、両者を結合するときに大きい力が必要となる。さらに、この場合、二つのコネクタ同士の電気的接続を解除するため、これらを分離する必要があるときは、分離作業が困難になるという問題も発生する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の問題点を解決するために創案されたものであって、効果的に締結及び分離可能なコネクタ、及びそれを含む応用装置を提供することを目的とする。
【0007】
本発明の他の目的及び長所は、下記の説明によって理解でき、本発明の実施形態によってより明らかに分かるであろう。また、本発明の目的及び長所は、特許請求の範囲に示される手段及びその組み合わせによって実現することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明の一態様によるコネクタは、磁性体を含む相手コネクタと電気的に接続されるコネクタであって、電気的に非伝導性材料から構成され、前記相手コネクタと締結可能に結合部が形成されたハウジングと、電気伝導性材料から構成されて電気的経路を提供し、少なくとも一部が前記ハウジングの外部に露出して前記相手コネクタと電気的に接触可能に構成された導体ユニットと、前記相手コネクタの磁性体に対して磁場が変化可能に構成されたマグネチックユニットと、を含む。
【0009】
ここで、前記ハウジングの結合部は、前記相手コネクタの少なくとも一部分が挿入可能に凹んだ溝形態で形成され得る。
【0010】
また、前記ハウジングの結合部は、前記溝の内面にネジ山が形成され、前記相手コネクタが回転挿入可能に構成され得る。
【0011】
また、前記マグネチックユニットは、それぞれ多極着磁形態で構成されて相互に対面するように配置された第1磁石及び第2磁石を含み得る。
【0012】
また、前記第2磁石は、移動可能に構成され得る。
【0013】
また、前記第2磁石は、回転移動可能に構成され得る。
【0014】
また、前記第2磁石は、プレート状に構成され得る。
【0015】
また、前記マグネチックユニットは、強磁性体材料から形成され、前記第1磁石及び前記第2磁石の少なくとも一つの周縁に位置し、極同士が互いに分離されるように設けられたエッジ部材をさらに含み得る。
【0016】
また、上記の目的を達成するため、本発明の他の一態様によるバッテリーパックは、本発明によるコネクタを含む。
【0017】
また、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様による自動車は、本発明によるコネクタを含む。
【0018】
また、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様によるデバイスは、本発明によるコネクタを含む。
【0019】
また、上記の目的を達成するため、本発明のさらに他の一態様によるコネクティング装置は、本発明によるコネクタ、及び前記コネクタと結合される相手コネクタを含む。特に、この場合、相手コネクタは、磁性体を含み、本発明によるコネクタと結合して電気的に接続可能に構成され得る。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、効果的に締結及び分離可能なコネクタを提供することができる。
【0021】
さらに、本発明の一実施形態によれば、状況に応じて相手コネクタ(外部コネクタ)との結合力を適切に調節することができる。例えば、本発明によるコネクタが雌コネクタである場合、相手コネクタである雄コネクタとの結合及び分離は容易でありながらも、結合された状態における締結力は安定的に維持することができる。
【0022】
特に、本発明の一実施形態によるコネクタは、相手コネクタと小さい力で容易に締結することができる。
【0023】
また、本発明の一実施形態によるコネクタは、相手コネクタとの結合状態を安定的に維持することができる。
【0024】
そして、本発明の一実施形態によるコネクタは、相手コネクタとの分離作業を容易に行うことができる。
【0025】
本明細書に添付される次の図面は、本発明の望ましい実施形態を例示するものであり、発明の詳細な説明とともに本発明の技術的な思想をさらに理解させる役割をするものであるため、本発明は図面に記載された事項だけに限定されて解釈されてはならない。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態によるコネクタの構成を相手コネクタとともに概略的に示した斜視図である。
【
図2】本発明の一実施形態によるコネクタに相手コネクタが結合された状態の構成を概略的に示した断面図である。
【
図3】本発明の一実施形態によるマグネチックユニットの動作を概略的に示した図である。
【
図4】本発明の他の実施形態によるマグネチックユニットの少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図5】
図4に含まれた第2磁石を概略的に示した上面図である。
【
図6】本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニットの少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図7】
図6に含まれた第2磁石を概略的に示した上面図である。
【
図8】本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニットの少なくとも一部構成を正面から眺めた概略的な断面図である。
【
図9】本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニットの少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図10】
図9のA9-A9'線に沿った断面図である。
【
図11】本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニットの少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。
【
図12】本発明のさらに他の実施形態によるコネクタの構成を概略的に示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付された図面を参照して本発明の望ましい実施形態を詳しく説明する。これに先立ち、本明細書及び特許請求の範囲において使われた用語や単語は通常的及び辞書的な意味に限定して解釈されてはならず、発明者自らは発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適切に定義できるという原則に則して本発明の技術的な思想に応ずる意味及び概念で解釈されねばならない。
【0028】
したがって、本明細書に記載された実施形態及び図面に示された構成は、本発明のもっとも望ましい一実施形態に過ぎず、本発明の技術的な思想のすべてを代弁するものではないため、本出願の時点においてこれらに代替できる多様な均等物及び変形例があり得ることを理解せねばならない。
【0029】
図1は、本発明の一実施形態によるコネクタ100の構成を相手コネクタ200とともに概略的に示した斜視図である。ただし、
図1においては、説明の便宜上、コネクタ100が部分的に透明な形態で示されている。また、
図2は、本発明の一実施形態によるコネクタ100に相手コネクタ200が結合された状態の構成を概略的に示した断面図である。例えば、
図2は、
図1に示された相手コネクタ200が本発明によるコネクタ100に結合された状態における、A1-A1'線に沿った断面図である。
【0030】
図1及び
図2を参照すると、本発明によるコネクタ100は、相手コネクタ200と機械的に結合して電気的に接続されるように構成される。このとき、相手コネクタ200は、本体210及び導体接触部220を含み、本発明によるコネクタ100と機械的に締結されて電気的に接続されるように構成される。ここで、本体210は、電気絶縁性材料、例えばプラスチック材料から構成され、導体接触部220は、電気伝導性材料、例えば銅またはニッケルのような金属材料から構成され得る。そして、相手コネクタ200は、ワイヤW2(第2ワイヤ)を通じて外部と電気的に接続され得る。
【0031】
さらに、本発明によるコネクタ100と接続される相手コネクタ200は、磁性体230を含む。ここで、磁性体230とは、磁性を有する物質、すなわち磁場中で磁化する物質を意味する。特に、相手コネクタ200の磁性体230は、磁石によって引き寄せられる物質であって、強磁性体であり得る。例えば、相手コネクタ200は、鉄やコバルト、ニッケルのような金属材料を磁性体として含み得る。
【0032】
本発明によるコネクタ100は、このような相手コネクタ200と機械的に結合して電気的に接続されるための構成として、ハウジング110、導体ユニット120、及びマグネチックユニット130を含む。
【0033】
前記ハウジング110は、電気的に非伝導性材料から構成される。例えば、ハウジング110は、プラスチックのような材料から構成され、導体ユニット120が相手コネクタ200の導体接触部220と電気的に導通するとき、導体ユニット120を外部に露出させず、外部と電気的に絶縁させることができる。また、前記ハウジング110は、相手コネクタ200と機械的に締結可能に構成される。特に、前記ハウジング110は、
図1に示されたように結合部110Gを含み、結合部110Gに相手コネクタ200の少なくとも一部、例えば本体210及び導体接触部220と機械的に結合されるように構成され得る。
【0034】
前記導体ユニット120は、電気伝導性材料から構成されて電気的経路を提供するように構成される。例えば、前記導体ユニット120は、銅やニッケルなどの材料から構成され、電源または電気的信号を流し得る。また、前記導体ユニット120は、少なくとも一部がハウジング110の外部に露出して、相手コネクタ200と電気的に接触可能に構成される。例えば、前記導体ユニット120は、電気絶縁性材料から構成されたハウジング110の内部にほとんどが埋め込まれた形態で構成されるが、一部分がハウジング110の外部に露出し得る。より具体的な例として、
図1及び
図2を参照すると、前記導体ユニット120は、相手コネクタ200が結合される結合部110Gの表面に露出するように構成され得る。したがって、相手コネクタ200が結合される場合、相手コネクタ200の導体接触部220が導体ユニット120の露出部に直接接触し得る。したがって、この場合、相手コネクタ200の導体接触部220と本発明によるコネクタ100の導体ユニット120との間が電気的に接続される。すなわち、導体ユニット120がハウジング110の外部に露出した部分は、相手コネクタ200と電気的に接続される電気的接点としての役割を果たすことができる。
【0035】
一方、前記導体ユニット120は、他端がワイヤW1(第1ワイヤ)に連結され、第1ワイヤW1を通じて、コネクタ100が取り付けられた装置(例えばバッテリーパック)と電源または電気的信号などを送受信し得る。
【0036】
前記マグネチックユニット130は、本発明によるコネクタ100と接続される相手コネクタ200に対し、磁場が変化可能に構成される。特に、相手コネクタ200は、鉄のような磁性体230を含み得るが、前記マグネチックユニット130は、このような相手コネクタ200の磁性体230に対して磁場が変化し得る。すなわち、前記マグネチックユニット130は、磁場を発生可能に構成され、該磁場の大きさ及び/または形態が相手コネクタ200、特に相手コネクタ200の磁性体230に対して変化するように構成される。そして、前記マグネチックユニット130は、このような磁場の変化を通じて、相手コネクタ200に対する引力、すなわち相手コネクタ200を引き寄せる力の大きさが変化し得る。
【0037】
さらに、前記マグネチックユニット130は、磁場を発生させて変化させるために磁石を含む。特に、前記マグネチックユニット130は、永久磁石、例えばネオジム磁石を含み得る。この場合、前記マグネチックユニット130には、磁力を生成するかまたは変化させるための別途の電力が供給されなくてもよい。
【0038】
前記マグネチックユニット130は、少なくとも一部分がハウジング110に設けられ得る。例えば、前記マグネチックユニット130は、少なくとも一部または全体がハウジング110の内部に埋め込まれるように構成され得る。
【0039】
本発明の上記の構成によれば、マグネチックユニット130によって、相手コネクタ200の磁性体230が受ける磁場が変化可能である。そして、このような磁場の変化によって、相手コネクタ200を引き寄せる力を制御することができる。すなわち、前記マグネチックユニット130は、相手コネクタ200の磁性体230に対して磁場を変化させることで、相手コネクタ200を強く引き寄せるか、若しくは、そのような引力を弱化または除去することができる。
【0040】
特に、前記マグネチックユニット130は、相手コネクタ200が結合されている状況で、相手コネクタ200側に磁場が発生するように構成され得る。例えば、
図1に示されたような構成において、相手コネクタ200が矢印A2のように下方に移動して本発明によるコネクタ100のハウジング110に結合されるとき、マグネチックユニット130は、相手コネクタ200の磁性体230に磁場を発生させ得る。この場合、相手コネクタ200の磁性体230は、磁力によってマグネチックユニット130に引き寄せられる力を受け得る。したがって、相手コネクタ200は、本発明によるコネクタ100のハウジング110により容易に結合可能になる。したがって、本発明のこのような実施形態によれば、本発明によるコネクタ100と相手コネクタ200との間の締結をより容易に行うことができる。
【0041】
また、前記マグネチックユニット130は、相手コネクタ200が既に結合された状況で、相手コネクタ200側に磁場が発生するように構成され得る。例えば、
図2に示されたように、相手コネクタ200が本発明によるコネクタ100に結合された場合、相手コネクタ200の磁性体230は、マグネチックユニット130から持続的に引き寄せられる力を受け得る。したがって、この場合、磁性体230が含まれた相手コネクタ200は、本発明によるコネクタ100と機械的な結合状態をより安定的に維持することができる。したがって、本発明のこのような実施形態によれば、本発明によるコネクタ100と相手コネクタ200との間で予期せぬ分離(脱去)が起きることをより効果的に防止することができる。
【0042】
一方、前記マグネチックユニット130は、相手コネクタ200の磁性体230に対し、磁場が弱くなるかまたは除去されるように構成され得る。すなわち、前記マグネチックユニット130は、状況に応じて相手コネクタ200を引き寄せる力を弱化または除去するように構成され得る。特に、このような実施形態は、本発明によるコネクタ100と相手コネクタ200とを意図的に分離するときに具現される。コネクタ100と相手コネクタ200との間の電気的な接続を解除する必要がある場合、相手コネクタ200を本発明によるコネクタ100から脱去する必要がある。例えば、
図2において、矢印A4で示されたように、相手コネクタ200を本発明によるコネクタ100のハウジング110から分離する状況が発生し得る。このとき、相手コネクタ200の磁性体230に対するマグネチックユニット130の磁場が減少または除去されると、相手コネクタ200の分離作業をより容易に行うことができる。
【0043】
このように本発明の一実施形態によれば、本発明によるコネクタ100と相手コネクタ200との間の結合を安定的に維持できると同時に、相手コネクタ200の挿入及び分離作業も容易に行うことができる。
【0044】
一方、前記マグネチックユニット130が磁場を変化させる構成は、多様な実施形態によって具現される。これについてのより具体的な実施形態は後述する。
【0045】
前記ハウジング110の結合部110Gは、相手コネクタ200が挿入可能に凹んだ溝形態で形成され得る。例えば、
図1及び
図2に示されたように、前記ハウジング110は、上端の中央部分に開口部が形成され、該開口部が上端から下方(図面において、-z軸方向)に長く延長された形態で構成された結合部110Gを備え得る。そして、結合部110Gの表面、すなわち溝の内側表面には、導体ユニット120の一部分が露出し得る。
【0046】
このとき、相手コネクタ200は、ハウジング110の上端開口部から挿入されて溝(結合部110G)の下方(
図1の矢印A2方向)に移動することで、本発明によるコネクタ100に締結される。そして、このように相手コネクタ200が挿入されれば、
図2に示されたように、相手コネクタ200と本発明によるコネクタ100とが互いに電気的に接続される。より具体的な例として、相手コネクタ200は、
図1に示されたように、側面に導体接触部220を備え得る。この場合、相手コネクタ200がハウジング110の溝、すなわち結合部110Gに挿入されれば、相手コネクタ200の導体接触部220と本発明によるコネクタ100の導体ユニット120の露出部分(接触ポイント)とが直接接触し得る。
【0047】
本発明のこのような構成によれば、相手コネクタ200が本発明によるコネクタ100のハウジング110に結合され易い。そして、このような結合によって、相手コネクタ200と本発明によるコネクタ100との電気的接続も容易に行うことができる。
【0048】
特に、前記ハウジング110の結合部110Gは、
図1に示されたように、円柱、すなわち円筒形態で形成され得る。換言すると、前記ハウジング110に対してx-y平面と平行に切断した断面を見れば、前記ハウジング110の内側表面、すなわち結合部110Gの表面は円状に形成され得る。さらに、前記ハウジング110は、
図1及び
図2にS1で示されたように、溝(結合部110G)の内面にネジ山が形成され得る。そして、前記ハウジング110は、このようなネジ山S1に沿って相手コネクタ200が回転挿入可能に構成され得る。
【0049】
また、相手コネクタ200は、ハウジング110の結合部110Gの形態に対応する形態で構成され得る。例えば、相手コネクタ200は、本体210が円柱(円筒)形態で構成され、ハウジング110の結合部110Gに挿入され得る。そして、このような相手コネクタ200の本体210の側面には、導体接触部220が設けられ得る。ここで、相手コネクタ200の導体接触部220及び/または本体210の接触部の表面には、結合部110Gの表面に形成されたネジ山S1に対応する形態のネジ山S2が形成され得る。
【0050】
ここで、相手コネクタ200は、
図1に矢印A3で示されたように回転することで、ハウジング110の溝、すなわち結合部110Gに挿入され得る。このとき、本発明によるコネクタ100と相手コネクタ200とは、スクリュー方式で結合され得る。本発明のこのような実施形態によれば、マグネチックユニット130の磁力による結合力とスクリュー方式締結による結合力とが一緒に作用し、相手コネクタ200と本発明によるコネクタ100との間の結合力をより安定的に確保できる。さらに、このような実施形態によれば、相手コネクタ200をハウジング110に挿入するかまたはハウジング110から分離する作業も容易に行うことができる。
【0051】
前記マグネチックユニット130は、第1磁石131及び第2磁石132を含む。すなわち、前記マグネチックユニット130は、少なくとも二つの磁石を含み得る。ここで、第1磁石131及び第2磁石132はそれぞれ、多極着磁形態で構成され得る。例えば、第1磁石131及び第2磁石132は、
図1及び
図2などに示されたように、一つの表面に二つのS極と二つのN極とが含まれた4極磁石で構成され得る。より具体的には、第1磁石131及び第2磁石132はそれぞれ、4極着磁されたネオジム磁石であり得る。
【0052】
また、第1磁石131と第2磁石132とは、相互に対面するように配置され得る。特に、第1磁石131と第2磁石132とは、相互に対面する表面に異なる極が一緒に配置され得る。例えば、
図1及び
図2に示されたように、第1磁石131と第2磁石132とは上下に位置し、第1磁石131の下面と第2磁石132の上面とは互いに対面して配置され得る。そして、第1磁石131の下面及び第2磁石132の上面にはN極及びS極が一緒に配置され得る。
【0053】
前記第1磁石131と前記第2磁石132とは、相互に所定の距離だけ離隔して配置され得る。例えば、前記第1磁石131と前記第2磁石132とは、上下方向で所定の距離だけ離隔して配置され得る。さらに、第1磁石131の磁気力と第2磁石132の磁気力とが異なる場合、例えば第1磁石131の磁気力が第2磁石132の磁気力に比べて大きい場合、第1磁石131と第2磁石132とは互いに分離された形態で構成され得る。または、第1磁石131と第2磁石132とは、上下に配置されて互いに接触した形態で配置されてもよい。さらに、第1磁石131の磁気力と第2磁石132の磁気力とが同一である場合は、第1磁石131と第2磁石132とは互いに接触した形態で構成され得る。
【0054】
本発明のこのような構成によれば、多極着磁形態で構成された二つの磁石によって、相手コネクタ200に対して磁場を変化させる構成をより容易に具現することができる。
【0055】
前記マグネチックユニット130、特に第1磁石131及び第2磁石132は、ハウジング110において結合部110Gの周辺に配置され得る。例えば、第1磁石131及び第2磁石132は、結合部110Gの下部に配置され得る。そして、結合部110Gには、相手コネクタ200が下降して結合され得る。したがって、相手コネクタ200、特に相手コネクタ200の磁性体230は、下部に位置した第1磁石131及び第2磁石132による磁場の影響を受け得る。
【0056】
さらに、図示されたように、相手コネクタ200がハウジング110の結合部110Gに挿入される場合、磁性体の下部には第1磁石131が位置し、第1磁石131の下部には第2磁石132が位置し得る。このとき、相手コネクタ200は、第1磁石131による磁場の影響を主に受け得る。この場合、第1磁石131はメイン磁石として機能し、第2磁石132は制御磁石として機能し得る。すなわち、第1磁石131は相手コネクタ200に磁場を供給する役割を主に果たし、第2磁石132は第1磁石131から相手コネクタ200に供給される磁場の量を制御する役割を主に果たすように構成され得る。
【0057】
前記マグネチックユニット130に設けられた複数の磁石のうち、少なくとも一つは、移動可能に構成され得る。特に、前記第2磁石132は、移動可能に構成され得る。そして、第2磁石132は、このような移動により、相手コネクタ200の磁性体230に向かう第1磁石131の磁場を変化させる役割を果たすように構成され得る。このとき、第1磁石131は、メイン磁石としてハウジング110の内部に固定され、第2磁石132は、移動を通じて第1磁石131の磁場を変化させる制御磁石として機能し得る。
【0058】
本発明のこのような構成によれば、マグネチックユニット130は、第2磁石132の移動によって相手コネクタ200の磁性体230に対する磁場を変化させ、相手コネクタ200に対する引力を調節することができる。
【0059】
特に、前記第2磁石132は、回転移動可能に構成され得る。これについて具体的には
図3を参照して説明する。
【0060】
図3は、本発明の一実施形態によるマグネチックユニット130の動作を概略的に示した図である。
【0061】
図3を参照すると、前記マグネチックユニット130に含まれる第1磁石131及び第2磁石132は、それぞれ水平方向に広い表面を有するプレート状に構成され得る。または、第1磁石131及び第2磁石132は、上面と下面が扁平な柱形態で構成され得る。さらに、第1磁石131及び第2磁石132は、相互に対面する表面が扁平な形態で構成され得る。そして、第1磁石131及び第2磁石132は、相互に対面する表面に二つの極が一緒に配置されるように構成され得る。このとき、第2磁石132は、
図3の(a)に矢印A5で示されたように、回転移動可能に構成され得る。すなわち、第2磁石132は、その中心点O2が第1磁石131の中心点O1とx-y座標では同じ位置に配置され、z軸上では相異なる位置に配置され得る。そして、第2磁石132は、中心点O2を中心にして時計回りまたは反時計回りに回転可能に構成され得る。
【0062】
さらに、前記第2磁石132は、このような回転移動を通じて、第1磁石131に対する極の位置が変化するように構成され得る。例えば、
図3に示されたように、第1磁石131及び第2磁石132がすべて4極着磁形態で構成された状態で、第1磁石131は固定され、第2磁石132は矢印A5方向に回転すれば、第1磁石131と第2磁石132とが対面する部分の極が変わり得る。
【0063】
より具体的な例として、
図3の(a)に示されたように、同じ極同士が対面するように第1磁石131と第2磁石132とが配置された状態で、第2磁石132が矢印A5方向で90゜回転する場合、
図3の(b)に示されたような状態になる。すなわち、
図3の(b)においては、4極磁石の形態で構成された第1磁石131と第2磁石132とは、異なる極同士が対面するように配置され得る。そして、
図3の(b)のようにマグネチックユニット130が配置された状態で、第2磁石132が矢印A6方向で90゜回転すれば、
図3の(a)に示されたような状態になる。この場合、第1磁石131と第2磁石132とは、再び同じ極同士が対面するように配置される。
【0064】
このような構成によれば、第1磁石131及び第2磁石132は、少なくとも一方が回転移動することで、相互に対面する極が変わるように構成されている。特に、このような相対的な回転移動を通じて、第1磁石131と第2磁石132とは、同じ極同士が対面するかまたは異なる極同士が対面するようになる。そして、第1磁石131と第2磁石132との対面する極性の変化によって、マグネチックユニット130の磁場が変化し得る。
【0065】
例えば、
図3の(a)の構成においては、第1磁石131と第2磁石132との同じ極同士が対面するため、B1で示された第1磁石131の上部には、主に第1磁石131による磁場が強く存在し得る。したがって、B1部分に相手コネクタ200の磁性体230が位置すれば、磁性体230は第1磁石131に向かって引き寄せられるようになる。
【0066】
一方、
図3の(b)の構成においては、第1磁石131と第2磁石132との異なる極同士が対面するため、第1磁石131による磁場は主に、第2磁石132に向かう方向に形成され得る。すなわち、この場合、第1磁石131による磁場は主に、上下方向(z軸方向)を基準にして、B2'で示された第1磁石131と第2磁石132との間の空間に位置し得る。そして、B1'で示された第1磁石131の上部には、第1磁石131による磁場が存在しないかまたはかなり弱化された形態で存在し得る。すなわち、
図3の(b)においてB1'部分の磁場は、
図3の(a)のB1部分の磁場に比べて減少し得る。したがって、B1'部分に相手コネクタ200の磁性体230が位置しても、磁性体230は第1磁石131に向かう引力を受けないかまたは引力が著しく減少するため、磁性体230が備えられた相手コネクタ200を上方(+z軸方向)に容易に移動させることができる。
【0067】
本発明のこのような実施形態によれば、コネクタ100の結合力及び作業性をともに向上させることができる。
【0068】
例えば、作業者は、第2磁石132を
図3の(a)のような形態にすることで、相手コネクタ200を容易に結合可能である。すなわち、
図3の(a)において、B1部分に相手コネクタ200を移動させれば、第1磁石131による引力によって相手コネクタ200はB1部分に容易に移動する。ここで、B1部分は、
図1及び
図2において、ハウジング110の結合部110Gに対応すると言える。したがって、
図3の(a)のように第2磁石132が位置する場合、相手コネクタ200はハウジング110の挿入部に容易に挿入される。
【0069】
また、作業者は、第2磁石132を
図3の(a)のような形態に維持することで、相手コネクタ200と本発明によるコネクタ100との結合状態を安定的に維持可能である。すなわち、
図3の(a)において、B1部分に位置した相手コネクタ200、特に相手コネクタ200の磁性体230にはマグネチックユニット130による引力が継続的に作用するため、B1部分から上方へと分離され難い。したがって、
図3の(a)のように第2磁石132が位置する場合、相手コネクタ200はハウジング110の挿入部に挿入された状態が安定的に維持される。
【0070】
また、作業者は、第2磁石132を
図3の(b)のような形態にすることで、相手コネクタ200を容易に分離可能である。例えば、相手コネクタ200をハウジング110の結合部110Gから分離しようとするときは、
図3の(a)構成から、第2磁石132を矢印A5で示されたように90゜回転させる。すると、
図3の(b)のように第2磁石132が位置するため、B1'部分から第1磁石131及び第2磁石132による引力が除去または減少し得る。したがって、
図3の(b)のように第2磁石132を位置させることで、相手コネクタ200がハウジング110の挿入部から上方へと容易に脱去される。
【0071】
一方、上記のような実施形態において、第2磁石132は多様な形態で回転移動可能に構成され得る。例えば、第2磁石132は、下部に突出部のような形態のハンドルを設け、作業者が手動で第2磁石132を矢印A5方向(反時計回り)またはA6方向(時計回り)に回転させるように構成され得る。または、第2磁石132は、モータなどの回転によって自動で回転可能に構成され得る。
【0072】
前記第1磁石131及び第2磁石132の少なくとも一つ、特に第2磁石132はプレート状に構成され得る。このとき、第2磁石132の広い表面の一つは、第1磁石131の表面に対面するように構成され得る。すなわち、
図3に示されたように、第1磁石131と第2磁石132とが上下に配置されるとき、第2磁石132は、第1磁石131の下部において、上面が第1磁石131の下面に対面する形態で構成され得る。
【0073】
さらに、第2磁石132は、回転移動可能に構成されるとき、プレートの周縁に沿って回転移動可能に構成され得る。特に、第2磁石132は、円板形態で構成され得る。このとき、第2磁石132は、円板の中心O2を基準にして円周方向に回転可能に構成され得る。
【0074】
本発明のこのような構成によれば、比較的に簡単にマグネチックユニット130の磁場調節構成を具現することができる。特に、上記のような実施形態によれば、第2磁石132を回転させるための別途の空間が不要であるか、または、空間をあまり占めない。また、上記のような実施形態によれば、第2磁石132の回転動作を容易に行うことができる。
【0075】
前記マグネチックユニット130は、エッジ部材133をさらに含み得る。これについて具体的には
図4及び
図5などの図面を参照して説明する。
【0076】
図4は、本発明の他の実施形態によるマグネチックユニット130の少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。そして、
図5は、
図4に含まれた第2磁石132の上面構成を概略的に示した図である。本実施形態においては、上述した実施形態と相違する部分を主に説明し、上述した実施形態と同一または類似の説明が適用される部分については詳細な説明を省略する。
【0077】
図4及び
図5を参照すると、マグネチックユニット130は、第1磁石131及び第2磁石132の少なくとも一方の周縁にエッジ部材133を含み得る。前記エッジ部材133は、強磁性体材料、例えば鉄やコバルト、ニッケルのような金属材料から形成され得る。そして、前記エッジ部材133は、極同士が互いに分離されるように設けられ得る。さらに、前記エッジ部材133は、極同士が分離されて相互に離隔する形態で構成され得る。
【0078】
例えば、第2磁石132が円板形態であり、二つのN極及び二つのS極を有する4極着磁形態で構成された場合、四つのエッジ部材133が相互に分離された形態でそれぞれのN極及びS極の縁に位置し得る。この場合、四つのエッジ部材133は、円形で形成された第2磁石132の周縁を囲む形態で略円環状に構成されるが、円周方向に沿って互いに所定の距離だけ離隔した形態で配置され得る。そして、四つのエッジ部材133は、第2磁石132の円形の外周を1/4ずつ分割して囲み得る。また、第1磁石131においても、第2磁石132と同様に、略円環状に形成された四つのエッジ部材133が設けられ得る。第1磁石131に設けられたエッジ部材133は、第2磁石132に設けられたエッジ部材133と同一または類似の形態で構成され得るため、詳細な説明は省略する。
【0079】
本発明のこのような構成によれば、第1磁石131及び第2磁石132の周辺に配置されたエッジ部材133によって、磁場の制御がより円滑になる。特に、それぞれの極毎に配置されたエッジ部材133は、第1磁石131や第2磁石132によって生成された磁場が移動する経路を提供することができる。すなわち、上記のような実施形態によれば、鉄などから形成されたエッジ部材133への磁場の移動が他の部分に比べて容易である。さらに、
図3の(b)に示されたように、第1磁石131と第2磁石132とが異なる極同士が対面するように配置された場合、第1磁石131と第2磁石132との間の空間に多くの磁場が存在し得る。このとき、第1磁石131の周縁及び第2磁石132の周縁に配置されたエッジ部材133は、磁場の経路を提供することで、第1磁石131の上側または第2磁石132の下側に磁場が存在することをより効果的に遮断することができる。したがって、この場合、第1磁石131の上側空間または第2磁石132の下側空間に存在する相手コネクタ200の磁性体230に対する引力を著しく減少または除去できる。したがって、第2磁石132の回転によってより効果的に磁力を制御することができる。
【0080】
一方、上記のような実施形態において、第1磁石131及び/または第2磁石132に設けられたエッジ部材133は、各磁石の周縁に取り付けられて固定された形態で構成され得る。この場合、第1磁石131及び/または第2磁石132に設けられたエッジ部材133は、磁石とそれぞれ接触して、磁石から生成された磁場に対してより確実な経路を提供可能である。そして、第2磁石132の周縁に設けられたエッジ部材133は、第2磁石132と一緒に回転するように構成され得る。すなわち、
図5を参照すると、第2磁石132の周縁に設けられたエッジ部材133は、第2磁石132に固定されて第2磁石132と一緒に矢印A7方向に回転するように構成され得る。
【0081】
また、前記マグネチックユニット130は、分離部材134をさらに含み得る。前記分離部材134は、非磁性体材料からなり、例えばプラスチック材料から構成され得る。前記分離部材134は、各極に設けられたエッジ部材133の間に介在され得る。例えば、
図4及び
図5を参照すると、4極着磁形態で構成された第2磁石132の周縁には、四つのエッジ部材133及び四つの分離部材134が交互に配置され得る。
【0082】
本発明のこのような構成によれば、分離部材134によって各エッジ部材133の磁場極性がより確実に区別される。したがって、この場合、第2磁石132の円周方向の回転によってマグネチックユニット130の磁場がより確実に変化することができる。
【0083】
図6は、本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニット130の少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。そして、
図7は、
図6に含まれた第2磁石132を概略的に示した上面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0084】
図6及び
図7を参照すると、第1磁石131及び第2磁石132の周縁に四つのエッジ部材133が円環状に配置されるが、第2磁石132の周縁に配置されたエッジ部材133は、第2磁石132と所定の距離だけ離隔した形態で構成され得る。すなわち、
図7にC1で示された部分のように、エッジ部材133は、第2磁石132の周縁から所定の距離だけ離隔した形態で構成され得る。
【0085】
このような実施形態では、第2磁石132のみが回転し、第2磁石132の周縁に設けられたエッジ部材133は回転しないように構成され得る。すなわち、第2磁石132は、
図7の矢印A8で示されたように円周方向に回転し得、このとき、エッジ部材133は固定された状態で維持され得る。したがって、本発明のこのような構成によれば、エッジ部材133の内部空間で第2磁石132のみが回転し、エッジ部材133は回転しないため、エッジ部材133を回転させるための空間をマグネチックユニット130やハウジング110で確保する必要がない。
【0086】
また、第1磁石131及び第2磁石132の両方にエッジ部材133が設けられた場合、それぞれに設けられたエッジ部材133は、互いに接触するように構成され得る。これについて具体的には
図8を参照して説明する。
【0087】
図8は、本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニット130の少なくとも一部構成を正面から眺めた概略的な断面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0088】
図8を参照すると、第1磁石131及び第2磁石132の周縁に位置したエッジ部材133は、D1及びD1'で示されたように、互いに接触するように構成され得る。特に、第1磁石131の周縁に位置したエッジ部材133及び/または第2磁石132の周縁に位置したエッジ部材133は、互いに向かう方向に突出するように構成され得る。例えば、相対的に上側に位置した第1磁石131の周縁に位置したエッジ部材133は、第1磁石131よりも下方に突出するように構成され得る。そして、相対的に下側に位置した第2磁石132の周縁に位置したエッジ部材133は、第2磁石132よりも上方に突出するように構成され得る。そして、このように突出したエッジ部材133の上端と下端とが互いに接触し得る。
【0089】
本発明のこのような構成によれば、第1磁石131の周縁に位置したエッジ部材133及び第2磁石132の周縁に位置したエッジ部材133によって、磁場経路がより確実に形成される。例えば、
図8に示されたように、第1磁石131と第2磁石132とが異なる極性同士が対面するように配置された場合、第1磁石131と第2磁石132との間の磁場は主に、
図8に点線で示されたような形態で形成され得る。このとき、第1磁石131の周縁に位置したエッジ部材133と第2磁石132の周縁に位置したエッジ部材133とが上下方向で互いに接触しているため、エッジ部材133による磁場経路の提供機能をより確実に具現することができる。
【0090】
図9は、本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニット130の少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。
図9では、説明の便宜上、マグネチックユニット130の一部分が透明に示されている。そして、
図10は、
図9のA9-A9'線に沿った断面図である。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0091】
図9及び
図10を参照すると、第1磁石131の周縁に配置されたエッジ部材133と第2磁石132の周縁に配置されたエッジ部材133とは、互いに一体化された形態で構成され得る。すなわち、本発明によるマグネチックユニット130は、四つのエッジ部材133を備え、それぞれのエッジ部材133が第1磁石131及び第2磁石132の周縁をすべて囲む形態で構成され得る。特に、各エッジ部材133は、一端が第1磁石131の周縁の一部を囲み、他端が第2磁石132の周縁の一部を囲む形態で構成され得る。
【0092】
例えば、本発明によるマグネチックユニット130を上方から眺めるとき、四つのエッジ部材133は、第1磁石131及び第2磁石132のそれぞれの四分円を一緒に囲む形態で構成され得る。より具体的には、一つのエッジ部材133は、上端が第1磁石131の第1四分円を囲み、下端が第2磁石132の第1四分円を囲む形態で構成され得る。そして、他の一つのエッジ部材133は、上端が第1磁石131の第2四分円を囲み、下端が第2磁石132の第2四分円を囲む形態で構成され得る。このように四つのエッジ部材133は、上端が第1磁石131の第1四分円~第4四分円をそれぞれ囲み、下端が第2磁石132の第1四分円~第4四分円をそれぞれ囲む形態で構成され得る。
【0093】
本発明のこのような構成によれば、第1磁石131の周縁に配置されたエッジ部材133と第2磁石132の周縁に配置されたエッジ部材133とが分離されていないため、マグネチックユニット130の構造的安定性が向上することができる。また、このような実施形態によれば、第1磁石131の周縁から第2磁石132の周縁までエッジ部材133によって磁場経路が連続的に形成される。したがって、この場合、第2磁石132の移動による磁場経路の変化をより確実に制御することができる。
【0094】
このような実施形態では、第1磁石131の周縁に配置された分離部材134と第2磁石132の周縁に配置された分離部材134とも一体化された形態で構成され得る。このとき、それぞれの分離部材134は、上下に立てられた四角板状に構成され得る。
【0095】
一方、上述した実施形態においては、第2磁石132の回転移動によってマグネチックユニット130の磁場を変化させる構成を中心に説明されたが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。
【0096】
図11は、本発明のさらに他の実施形態によるマグネチックユニット130の少なくとも一部構成を概略的に示した斜視図である。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0097】
図11を参照すると、第1磁石131及び第2磁石132は、それぞれ4極着磁形態で構成されて上下に配置され得る。このとき、第1磁石131と第2磁石132とは、異なる極同士が対面する形態で構成され得る。そして、第1磁石131と第2磁石132とは、互いに離隔した距離が調節可能に構成され得る。例えば、
図11の構成において、第1磁石131が固定された状態で、第2磁石132は矢印A10で示されたように上下方向に移動可能に構成され得る。
【0098】
本発明のこのような構成によれば、第2磁石132の移動によって、第1磁石131の上側空間に及ぶ磁場を変化させることができる。すなわち、第2磁石132を上方に移動させると、第1磁石131の上側空間に対する磁場の影響は小さくなる。異なる極性同士が対面した状態で第2磁石132が第1磁石131に近づくと、第1磁石131による磁場は、第1磁石131の上側よりも、第2磁石132側に向かう。したがって、この場合、マグネチックユニット130の上側に相手コネクタ200の磁性体230が位置すると、マグネチックユニット130が磁性体230を引き寄せる力は弱くなるかまたは消えることになる。したがって、このような構成は、相手コネクタ200をハウジング110から分離するとき、より有用に適用可能である。
【0099】
一方、異なる極性同士が対面した状態で第2磁石132が第1磁石131から遠くなると、第1磁石131による磁場は、第1磁石131の上側により多く向かう。したがって、この場合、マグネチックユニット130の上側に相手コネクタ200の磁性体230が位置すると、マグネチックユニット130が磁性体230を引き寄せる力はより強くなる。したがって、このような構成は、相手コネクタ200をハウジング110に挿入するかまたは結合状態を維持するとき、有用に適用可能である。
【0100】
また、前記ハウジング110は、内部ハウジング111及び外部ハウジング112を含み得る。これについて具体的には
図12を参照して説明する。
【0101】
図12は、本発明のさらに他の実施形態によるコネクタ100の構成を概略的に示した斜視図である。
図12においては、説明の便宜上、少なくとも一部構成要素が透明に示されている。本実施形態においても、上述した実施形態と相違する部分を主に説明する。
【0102】
図12を参照すると、本発明によるコネクタ100のハウジング110は、内部ハウジング111及び外部ハウジング112を含み得る。
【0103】
ここで、内部ハウジング111は、上端が開放され、中央部分が凹状に陥没している形態で構成され得る。このとき、内部ハウジング111の中央部分は、上述した結合部110Gとして機能するように構成され得る。例えば、内部ハウジング111の中央部分には相手コネクタ200が挿入され得る。このとき、内部ハウジング111の内面には、
図12に示されたように、ネジ山が形成され、相手コネクタ200がネジ山に沿って内部ハウジング111の結合部110Gに回転結合され得る。また、内部ハウジング111の内面には導体ユニット120が露出し得る。
【0104】
そして、外部ハウジング112は、内部ハウジング111の外部を囲む形態で構成され得る。さらに、外部ハウジング112は、内部ハウジング111を前側、後側、左側、右側から囲む形態で構成され得る。すなわち、外部ハウジング112は、内部に空いた空間が形成され、該内部空間に内部ハウジング111が収納され得る。
【0105】
特に、前記内部ハウジング111は、円筒形態で構成され、外部ハウジング112の内部空間で中央軸を基準にして水平方向に回転可能に構成され得る。このとき、ハウジング110は、ベアリングのような形態で構成され得る。例えば、外部ハウジング112が固定された状態で、内部ハウジング111は、
図12に矢印A11で示されたように、半時計回り及び/または時計回りに回転可能に構成され得る。
【0106】
本発明のこのような実施形態によれば、相手コネクタ200が内部ハウジング111の結合部110Gに挿入されるとき、相手コネクタ200は、回転する必要がなく、下方(-z軸方向)に移動するだけでよい。すなわち、相手コネクタ200が下方に移動するだけで、相手コネクタ200の外面に形成されたネジ山S2と内部ハウジング111の内面に形成されたネジ山S1との結合によって、内部ハウジング111は自動に回転するようになる。一方、相手コネクタ200が内部ハウジング111の結合部110Gから分離(脱去)されるときは、相手コネクタ200は、回転する必要がなく、上方(+z軸方向)に移動するだけでよい。
【0107】
したがって、この場合、相手コネクタ200の結合及び分離作業をより容易に行うことができる。
【0108】
本発明によるコネクタ100は、多様な応用装置に採用可能である。
【0109】
本発明によるバッテリーパックは、上述した本発明によるコネクタ100を含む。すなわち、上述したコネクタ100は、バッテリーパックに適用され得る。例えば、本発明によるバッテリーパックは、バッテリーパックに対する電源や各種のデータなどを送受信するため、バッテリーパックの外部に本発明によるコネクタ100を備え得る。このとき、相手コネクタ200は、バッテリーパックが搭載された装置、例えば自動車などに備えられ得る。また、本発明によるバッテリーパックは、上述したコネクタ100の外にバッテリーパックに含まれる他の多様な構成要素、例えばバッテリーセル、パックケース及びバッテリー管理システムなどをさらに含み得る。
【0110】
本発明による自動車は、上述した本発明によるコネクタ100を含む。すなわち、上述したコネクタ100は、自動車に適用され得る。特に、本発明による自動車は、バッテリーパックによって駆動される電気自動車またはハイブリッド自動車であり得る。この場合、本発明による自動車は、バッテリーパック充電装置との連結のため、本発明によるコネクタ100を車体の外部に備え得る。このとき、相手コネクタ200は、バッテリーパック充電装置に備えられ得る。または、本発明による自動車は、搭載されたバッテリーパックとの電気的な連結のため、本発明によるコネクタ100を内部に備え得る。このとき、相手コネクタ200は、バッテリーパックに設けられ得る。
【0111】
本発明によるデバイスは、上述した本発明によるコネクタ100を含む。ここで、デバイスは、自動車充電装置やサーバなどの多様な形態の装置であり得る。例えば、本発明によるデバイスが電気自動車を充電するための充電装置である場合、電気自動車との接続のために本発明によるコネクタ100を含み得る。このとき、相手コネクタ200は、電気自動車またはバッテリーパックに設けられ得る。
【0112】
本発明によるコネクティング装置は、上述した本発明によるコネクタ100及び相手コネクタ200を一緒に含む。ここで、相手コネクタ200は、上述したように、鉄のような磁性体230を含み、磁場を調節可能なコネクタ100と結合して電気的に接続可能に構成された相手コネクタ200であり得る。すなわち、本発明によるコネクティング装置は、相互に機械的に締結され、且つ、電気的に接続される第1コネクタ及び第2コネクタを含み得る。このとき、第1コネクタは上述した磁場を調節可能なコネクタ100であり、第2コネクタは上述した相手コネクタ200であり得る。より具体的な例として、第2コネクタである相手コネクタ200は雄コネクタとして、第1コネクタ100は雌コネクタとして具現され得る。すなわち、本発明によるコネクティング装置は、雄コネクタ及び雌コネクタを両方とも含み得る。
【0113】
本明細書において、上、下、前、後、左、右のような方向を表す用語が使用されたが、これら用語は説明の便宜上使用されたものであって、観測者の位置や対象になる物の位置などによって変わり得ることは本発明の当業者にとって自明である。
【0114】
以上のように、本発明を限定された実施形態と図面によって説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、本発明の属する技術分野で通常の知識を持つ者によって本発明の技術思想と特許請求の範囲の均等範囲内で多様な修正及び変形が可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0115】
100:コネクタ
110:ハウジング、110G:結合部
111:内部ハウジング、112:外部ハウジング
120:導体ユニット
130:マグネチックユニット
131:第1磁石、132:第2磁石
133:エッジ部材、134:分離部材
200:相手コネクタ
210:本体、220:導体接触部、230:磁性体
W1:第1ワイヤ、W2:第2ワイヤ
S1、S2:ネジ山