(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】時計表示システム
(51)【国際特許分類】
G04B 19/16 20060101AFI20240416BHJP
G04B 19/02 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G04B19/16 Z
G04B19/02 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019083796
(22)【出願日】2019-04-25
【審査請求日】2022-03-30
(32)【優先日】2018-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】599091346
【氏名又は名称】ロレックス・ソシエテ・アノニム
【氏名又は名称原語表記】ROLEX SA
(74)【代理人】
【識別番号】110000062
【氏名又は名称】弁理士法人第一国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ズビリュット, ルドヴィク
【審査官】細見 斉子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0090425(US,A1)
【文献】スイス国特許出願公開第00712398(CH,A3)
【文献】スイス国特許出願公開第00706204(CH,A3)
【文献】特開2012-211865(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0127837(US,A1)
【文献】特開平07-005272(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04B 19/16,19/02,19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
時刻または時刻派生情報を表示するためのシステム(100)であって、
時刻または時刻派生情報を形成する少なくとも1つの修正可能グラフィック要素(20a~f)を含む、目盛りぶち(10)と、
前記目盛りぶちと協働する、時刻または時刻派生情報指示部材(1)と、
前記グラフィック要素を駆動するための装置(2、8、22、71)と、
ユーザの動作により、前記修正可能グラフィック要素(20a~f)を所定位置までリセットするためのリセット装置(3、4、34)であって、前記時刻または時刻派生情報は前記指示部材と前記目盛りぶちとの協働により表示される、リセット装置と、
を含み、
前記グラフィック要素を駆動するための装置(2、8、22、71)は、
少なくとも1つの
前記グラフィック要素を有するサポート(2)と、
エネルギー蓄積器(8)と、
前記時刻または時刻派生情報の表示が増加する場合、及びまたは前記指示部材(1)の変位にあたり、それと同時にエネルギーを前記蓄積器へ伝達するための伝達機構(71)と、
前記時刻または時刻派生情報の表示が所定値に到達する、及びまたは前記指示部材(1)が所定位置に到達すると、前記蓄積器が提供するエネルギーの影響下で前記サポート(2)の運動を許可するための許可機構と、を含む、
表示システム。
【請求項2】
前記リセット装置は、前記指示部材(1)を第1所定構成へリセットするための第1要素(3)、及びまたは前記グラフィック要素(20a~f)を第2所定構成へリセットするための第2要素(4)を含み、及びまたは前記少なくとも1つの修正可能グラフィック要素は、前記少なくとも1つの修正可能グラフィック要素のいくつかの構成において、前記少なくとも1つの修正可能グラフィック要素が、時刻または時刻派生情報の目盛を定義するまたは定義することを助けるように配置される、
請求項1に記載の表示システム(100)。
【請求項3】
前記リセット装置は、同一の制御部材の動作により前記指示部材(1)を第1所定構成へ位置させ、前記グラフィック要素(20a~f)を第2所定構成へ位置させるよう配置される、
請求項2に記載の表示システム(100)。
【請求項4】
フレーム(9)を含み、前記エネルギー蓄積器(8)は、第1端部において
前記フレーム(9)に固定され、第2端部において、前記フレームに対して可動の板(22)に対して支えるばねを含み、前記板は、前記サポートに固定され、前記板は、前記ばねの前記第2端部を連続して受けることが意図されるいくつかの切欠き(221a~d)を含む、
請求項1から3のいずれか一項に記載の表示システム(100)。
【請求項5】
前記伝達機構は、前記指示部材(1)と運動学的に連結されるモバイル(71)を含み、前記モバイルは、前記エネルギー蓄積器に1つの切欠きから他の切欠きへ変位させるように作用するよう配置される爪(72)を含む、
請求項1から4のいずれか一項に記載の表示システム(100)。
【請求項6】
前記許可機構は、第1切抜き(721)が設けられ、前記指示部材(1)と運動学的に連結され、いくつかの第2切抜き(223a~d)が設けられた前記板(22)と協働し、前記サポートに固定される前記板の回転を係止または許可する係止ディスク(720)を含み、前記係止ディスクは、前記板の回転が許可される第1構成と、前記板の回転が前記ディスクによる障害によって防止される第2構成とを含む、
請求項4、または、請求項4を引用する請求項5に記載の表示システム(100)。
【請求項7】
前記リセット装置(3、4、34)は、ハンマー(34)と、前記指示部材(1)に固定され前記ハンマー(34)の第1要素(31)の動作を受けることが意図される第1カム(3)を含み、及びまたは、前記リセット装置(3、4、34)は、ハンマー(34)と、前記サポートに固定され、前記ハンマー(34)の第2要素(41)の動作を受けることが意図される第2カム(4)を含む、
請求項1から6のいずれか一項に記載の表示システム(100)。
【請求項8】
時刻または時刻派生情報を表示するためのシステム(100)であって、
時刻または時刻派生情報を形成する少なくとも1つの修正可能グラフィック要素(20a~f)を含む、目盛りぶち(10)と、
前記目盛りぶちと協働する、時刻または時刻派生情報指示部材(1)と、
前記グラフィック要素を駆動するための装置(2、8、22、71)と、
ユーザの動作により、前記修正可能グラフィック要素(20a~f)を所定位置までリセットするためのリセット装置(3、4、34)であって、前記時刻または時刻派生情報は前記指示部材と前記目盛りぶちとの協働により表示される、リセット装置と、
サポート(2)と、
を含み、
前記リセット装置(3、4、34)は、ハンマー(34)と、前記指示部材(1)に固定され前記ハンマー(34)の第1要素(31)の動作を受けることが意図される第1カム(3)を含み、及びまたは、前記リセット装置(3、4、34)は、ハンマー(34)と、前記サポートに固定され、前記ハンマー(34)の第2要素(41)の動作を受けることが意図される第2カム(4)を含む、
表示システム。
【請求項9】
前記第1要素(31)は、前記ハンマーの本体に対して可動に取付けられ、前記ハンマーは、前記第1要素(31)を前記ハンマーの前記本体に対して静止位置に戻すための要素(31a)を含む、
請求項7または8に記載の表示システム(100)。
【請求項10】
請求項1から9のいずれか一項に記載のシステムを含む、時計ムーブメント(200)。
【請求項11】
請求項1から9のいずれか一項に記載のシステム(100)及びまたは請求項10に記載の時計ムーブメントを含む、時計(300)。
【請求項12】
請求項1から9のいずれか一項に記載の表示システムまたは請求項10に記載の時計ムーブメントまたは請求項11に記載の時計の作動方法であって、
前記指示部材(1)と前記目盛りぶちとの協働による時刻または時刻派生情報の表示、
その後、
前記表示システムへのユーザの動作、その後、
動作ステップの結果、前記指示部材(1)と前記目盛りぶちとの協働により表示された前記時刻または時刻派生情報の所定構成へのリセット、
のステップを含む、作動方法。
【請求項13】
前記表示ステップは、
爪(72)の動作によるエネルギー蓄積器(8)の締め付け、その後、
サポート(2)の位置の解除、その後、
前記エネルギー蓄積器が解放する機械的エネルギーによる、前記サポート(2)の変位、
のステップを含む、請求項12に記載の作動方法。
【請求項14】
請求項1から9のいずれか一項に記載の表示システムまたは請求項10に記載の時計ムーブメントまたは請求項11に記載の時計の作動方法であって、
爪(72)の動作によるエネルギー蓄積器(8)の締め付け、その後、
サポート(2)の位置の解除、その後、
前記エネルギー蓄積器が解放する機械的エネルギーによる、前記サポート(2)の変位、
のステップを含む、作動方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時計表示システムに関する。本発明はまた、起動システムに関する。本発明は、当該表示または当該起動システムを有するムーブメントに関する。また、本発明は、当該表示または当該起動システムまたは当該ムーブメントを有する時計、特に腕時計に関する。本発明は最後に、当該表示または当該起動システム、当該ムーブメントまたは当該時計の作動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
時刻表示、特に測定された時間を表示するための装置は、従来技術から既知であり、特にクロノグラフとして知られるもののように、時間カウンターまたはトータライザーの形態を取ることができる。こうした装置において、一般的には針の形態を取る表示部材は、例えば経過した数分の1秒の、秒の、分の、または時の数を数えるように、所定の目盛と協働するために設けられる。
【0003】
分トータライザーの場合、目盛を区別可能なように、円に配置された30分の目盛で時間を測定するのが一般的である。この場合、測定された時間の表示限度は一般的には30分であり、十分でないこともある。時トータライザーの場合、目盛を区別可能なように、円に配置された12時間の目盛で時間を測定するのが一般的である。この場合、測定された時の表示限度は一般的には12時間であり、十分でないこともある。
【0004】
特許文献1から、分を示すために第1目盛と協働するよう設けられた針の形状の第1表示部材と、時を示すために窓から出現するディスクの形状の第2表示部材とを含む時計が知られている。表示された時刻は、現在時刻を構成する。
【0005】
特許文献2は、24時間にわたり現在時刻を表示するための機構を開示する。ディスクは、文字盤が、13時から24時までの現在時刻を示すディスクの第1構成と、1時から12時の現在時刻を示すディスクの第2構成の、2つの構成を表すことができるように、2つの位置に従って振幅する。
【0006】
特許文献3は、中心端部が締め付けモバイルに固定され、先端部が表示部材に固定される、ひげぜんまいを組み入れた、瞬間的ジャンプ機構を開示する。
【0007】
こうした様々な実施形態は、測定された時間を表示するために用いることはできない。実際、こうした測定時間表示機能は、表示を固定し、またそれをリセットする能力を必要とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】欧州特許出願公開第0869410号明細書
【文献】スイス国特許出願公開第687796号明細書
【文献】欧州特許出願公開第2799938号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述の欠点を救済可能であり、従来技術から既知の表示システムを向上させることができる、表示システムを提供することである。特に本発明は、小型で、信頼性があり、時計情報の視認性を改善する、表示システムを提案する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1態様によれば、表示システムは以下の定義で定義される。
【0011】
1. 時刻または時刻派生情報を、特に測定された時間を表示するためのシステムであって、
時刻または時刻派生情報を形成する少なくとも1つの修正可能グラフィック要素を含む、目盛りぶちと、
前記目盛りぶちと協働する、時刻または時刻派生情報を指示するための部材と、
前記グラフィック要素を修正するための装置と、
ユーザの動作により、所定の構成へリセットするための、特にゼロへリセットするための装置であって、前記時刻または時刻派生情報は前記指示部材と前記目盛りぶちとの協働により表示される、装置と
を含む、システム。
【0012】
2. 前記グラフィック要素を修正するための装置は、前記グラフィック要素を駆動するための装置であり、前記修正可能グラフィック要素は、前記グラフィック要素を修正するための装置の影響の下で変位するよう配置され、前記リセット装置により、所定位置までリセットされるよう配置される、
定義1に記載の表示システム。
【0013】
3. 前記所定の構成へリセットするための装置は、前記指示部材を第1所定構成へリセットするための第1要素、及びまたは前記グラフィック要素を第2所定構成へリセットするための第2要素を含み、及びまたは前記少なくとも1つの修正可能グラフィック要素は、前記少なくとも1つの修正可能グラフィック要素のいくつかの構成において、前記少なくとも1つの修正可能グラフィック要素が、時刻または時刻派生情報の目盛のいくつかの補完的範囲を定義するまたは定義することを助けるように配置される、
定義1または2に記載の表示システム。
【0014】
4. 前記所定の構成へリセットするための装置は、同一の制御部材の動作により、特に前記制御部材への同一の動作により、前記指示部材を第1所定構成へ位置させ、前記グラフィック要素を第2所定構成へ位置させるよう配置される、
定義3に記載の表示システム。
【0015】
5. 前記グラフィック要素を修正するための装置は、
少なくとも1つのグラフィック要素を有するサポート、特にディスクと、
エネルギー蓄積器と、
前記時刻または時刻派生情報の表示が増加する場合、及びまたは前記指示部材の変位にあたり、エネルギーを蓄積器へ伝達するための機構と、
前記時刻または時刻派生情報の表示が所定値に到達する、及びまたは前記指示部材が所定位置に到達すると、前記蓄積器が提供するエネルギーの影響下で前記サポートの運動を許可するための機構と、
を含む定義1から4のいずれか一つに記載の表示システム。
【0016】
6. 前記エネルギー蓄積器は、第1端部においてフレームに固定され、第2端部を前記フレームに対して可動の、特に前記フレームに対して回転可動の板に対して当接させるばね、特にひげぜんまいを含み、前記板は、前記サポートに固定される、とりわけ摩擦によりまたは刻み目により固定され、前記板は、前記ばねの前記第2端部を連続して受けることが意図されるいくつかの切欠きを含む、
定義5に記載の表示システム。
【0017】
7. 前記伝達機構は、前記指示部材と運動学的に連結されるモバイル、特に前記指示部材に固定された歯車と噛み合うモバイルを含み、前記モバイルは、前記エネルギー蓄積器に、特に前記ばねの前記第2端部に、1つの切欠きから他の切欠きへ変位させるように作用するよう配置される爪を含む、
定義5または6に記載の表示システム。
【0018】
8. 前記許可機構は、第1切抜きが設けられ、前記指示部材と運動学的に連結され、いくつかの第2切抜きが設けられた前記板と協働し、前記サポートに固定される、特に摩擦または刻み目で固定される、前記板の回転を係止または許可する係止ディスクを含み、前記係止ディスクは、前記板の回転が許可される第1構成と、前記板の回転が前記ディスクによる障害によって防止される第2構成とを含む、
定義5から7のいずれか一項に記載の表示システム。
【0019】
9. 前記所定構成へリセットするための装置は、ハンマーと、前記指示部材に固定され前記ハンマーの第1ピーンの動作を受けることが意図される第1カム、特にハートカムを含み、及びまたは、前記所定構成へリセットするための装置は、ハンマーと、前記サポートに固定され、前記ハンマーの第2ピーンの動作を受けることが意図される第2カムを含む、
定義1から8のいずれか一つに記載の表示システム。
【0020】
10. 前記第1ピーンは、前記ハンマーの本体に対して可動に、特に並進可動に、特に第1軸に沿って並進可動に、取付けられ、前記ハンマーは、前記第1ピーンを前記ハンマーの前記本体に対して、特に前記第2ピーンに対して静止位置に戻すための要素を含む、
定義9に記載の表示システム。
【0021】
本発明の第1態様によれば、ムーブメントは、以下の定義で定義される。
【0022】
11. 定義1から10のいずれか一つに記載のシステムを含む、時計ムーブメント。
【0023】
本発明の第1態様によれば、時計は以下の定義で定義される。
【0024】
12. 定義1から10のいずれか一つに記載のシステム及びまたは定義11に記載の時計ムーブメントを含む、時計、特に腕時計。
【0025】
本発明の第1態様によれば、作動方法は、以下の定義で定義される。
【0026】
13. 定義1から10のいずれか一つに記載の表示システムまたは定義11に記載の時計ムーブメントまたは定義12に記載の時計の作動方法であって、
前記指示部材と前記目盛りぶちとの協働による時刻または時刻派生情報の表示、その後、
前記表示システムへのユーザの動作、特に前記表示システムへの前記ユーザの単純な動作、例えば前記表示システムの押し部品への前記ユーザによる押圧、その後、
動作ステップの結果、前記指示部材と前記目盛りぶちとの協働により表示された前記時刻または時刻派生情報の所定構成へのリセット、特にゼロへのリセット、特に指示部材の第1所定構成へのリセット及びまたは前記グラフィック要素の第2所定構成へのリセット、
のステップを含む、作動方法。
【0027】
14. 前記表示ステップは、
爪の動作によるエネルギー蓄積器の締め付け、特に爪による前記ばねの端部の変位動作によるばねの締め付け、その後、
サポートの位置の解除、その後、
前記エネルギー蓄積器が解放する機械的エネルギーによる、前記サポートの変位、
のステップを含む、定義13に記載の作動方法。
【0028】
15. 定義1から10のいずれか一つに記載の表示システムまたは定義11に記載の時計ムーブメントまたは定義12に記載の時計の作動方法であって、
爪の動作によるエネルギー蓄積器の締め付け、特に爪による前記ばねの端部の変位動作によるばねの締め付け、その後、
サポートの位置の解除、その後、
前記エネルギー蓄積器が解放する機械的エネルギーによる、前記サポートの変位、
のステップを含む、作動方法。
【0029】
本発明の第2態様によれば、起動システムは、以下の定義で定義される。
【0030】
16. 第1モバイル21を、特に時刻または時刻派生情報を表示するためのディスクを起動するためのシステム150であって、前記システムは、
- 第1モバイル21がその上で第1軸A1周りを旋回するフレーム9と、
- エネルギー蓄積器8と、
- エネルギーを蓄積器に伝達するための機構71と、
- 蓄積器が提供するエネルギーの影響の下で、第1モバイル21の運動を許可するための機構と、
を含む。
【0031】
17. 前記エネルギー蓄積器は、第1端部が前記フレーム9に固定され、第2端部が前記第1モバイルに当接する、ばねを、特にひげぜんまいを含み、前記第1モバイルは、連続して前記ばねの前記第2端部を受けることが意図されるいくつかの切欠き221a~dを含む、定義16に記載の起動システム。
【0032】
18. 前記伝達機構は、運動駆動される、特に前記第1軸A1に平行なまたは実質的に平行な第2軸A2周りに回転運動駆動される第2モバイル71を含み、第2モバイルは、エネルギー蓄積器を締め付けるように作用するよう、特に前記ばねの前記第2端部を一の切欠きから他の切欠きへ変位させるように作用するよう配置された、爪72を含む、定義16及び17に記載の起動システム。
【0033】
19. 前記許可機構は、第1切抜き721が設けられた係止ディスク720が設けられ、運動駆動され、特に前記第1軸A1に平行なまたは実質的に平行な第3軸周りに回転運動駆動され、前記第1モバイルの回転を係止または許可するために前記第1モバイルに形成されたいくつかの第2切抜き223a~dと協働する、第3モバイルを含み、前記係止ディスクは、前記第1モバイルの回転が許可される第1構成と、前記係止ディスクとの障害により前記第1モバイルの前記回転が禁止される第2構成とを有する、定義16から18のいずれか一つに記載の起動システム。
【0034】
20. 前記第2及び第3モバイルは、同一のモバイルである、定義19に記載の起動システム。
【0035】
21. 前記切欠きは、前記第1軸A1に中心を取る正多角形の頂点に形成される、定義16から20及び定義17のいずれか一つに記載の起動システム。
【0036】
22. 各切欠きは、隣接する切欠きに、案内面222a~dにより連結される、定義16から21及び定義17のいずれか一つに記載の起動システム。
【0037】
23. 各切欠きは、前記第1モバイルの静止位置を定義するため、前記エネルギー蓄積器と協働するよう配置され、前記エネルギー蓄積器は、前記第1モバイルを、前記蓄積器、前記切欠き、及び前記当接部83aの協働により定義される前記静止位置へ戻す力を生成する、定義16から22及び定義17のいずれか一つに記載の起動システム。
【0038】
24. 前記第1モバイルは、切欠きが設けられた本体22と、前記第1モバイル21の部材2、特に摩擦により、特に刻み目により前記第1軸A1周りに本体上に可動に取付けられるディスクを含む、定義16から23のいずれか一つ及び定義17に記載の起動システム。
【0039】
25. 前記第1モバイル21の部材2を所定構成へリセットするための要素4、特にカム4を含む、前記第1モバイルを所定構成へリセットするための装置4、34を含む、定義24に記載の起動システム。
【0040】
本発明の第2態様によれば、ムーブメントは以下の定義で定義される。
【0041】
26. 定義16から25のいずれか一つに記載のシステム150を含む、時計ムーブメント200。
【0042】
本発明の第2態様によれば、時計は、以下の定義で定義される。
【0043】
27. 定義16から25のいずれか一つに記載のシステム150及びまたは定義26に記載の時計ムーブメントを含む、時計300、特に腕時計。
【0044】
本発明の第2態様によれば、作動方法は、以下の定義で定義される。
【0045】
28. 定義16から25のいずれか一つに記載の起動システムまたは定義26に記載の時計ムーブメントまたは定義27に記載の時計の作動方法であって、
前記第1モバイルの第1構成への設定、その後
前記起動システムへのユーザの動作、特に前記起動システムへの前記ユーザの単純な動作、例えば前記起動システムの押し部品OCへの前記ユーザによる押圧、その後、
前記動作ステップの結果、前記第1モバイルの所定構成へのリセット、
のステップを含む、作動方法。
【0046】
29. 前記第1構成への設定は、
爪72の動作によるエネルギー蓄積器の締め付け、特に爪72による前記ばねの端部の変位動作によるばねの締め付け、その後、
第1モバイル21の位置の解除、その後、
前記エネルギー蓄積器が解放する機械的エネルギーによる、前記第1モバイル21の変位、
のステップを含む、定義28に記載の作動方法。
【0047】
30. 定義16から25のいずれか一つに記載の起動システムまたは定義26に記載の時計ムーブメントまたは定義27に記載の時計の作動方法であって、
爪72の動作によるエネルギー蓄積器の締め付け、特に爪72による前記ばねの端部の変位動作によるばねの締め付け、その後、
第1モバイル21の位置の解除、その後、
前記エネルギー蓄積器が解放する機械的エネルギーによる、前記第1モバイル21の変位、
のステップを含む、作動方法。
【0048】
あらゆる論理的または技術的不一致の場合を除き、第1及び第2態様の特徴のあらゆる組み合わせを生じることができる。
【0049】
添付の図面は、例として、表示システムの実施形態または起動システムの実施形態を包含する時計の実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】
図1は、第1構成にある表示システムの実施形態を含む、時計の実施形態の図である。
【
図2】
図2は、第2構成にある表示システムの実施形態を有する、時計の実施形態の図である。
【
図3】
図3は、表示システムの実施形態の部分的正面図である。
【
図4】
図4は、表示システムの実施形態の部分的背面図である。
【
図5】
図5は、表示システムの実施形態の、
図4に示す平面A-Aに沿った断面図である。
【
図6】
図6は、針と当該針の戻しばねが図示される、表示システムの実施形態の部分的正面図である。
【
図7】
図7は、表示システムの作動を示す、様々な位置や構成の表示システムの実施形態の、部分的正面図である。
【
図8】
図8は、表示システムの作動を示す、様々な位置や構成の表示システムの実施形態の、部分的正面図である。
【
図9】
図9は、表示システムの作動を示す、様々な位置や構成の表示システムの実施形態の、部分的正面図である。
【
図10】
図10は、表示システムの作動を示す、様々な位置や構成の表示システムの実施形態の、部分的正面図である。
【
図11】
図11は、表示システムの作動を示す、様々な位置や構成の表示システムの実施形態の、部分的正面図である。
【
図12】
図12は、第1位置に示す表示を初期化するための要素を有する、表示システムの実施形態の部分的背面図である。
【
図13】
図13は、第2位置に示す表示を初期化するための要素を有する、表示システムの実施形態の部分的背面図である。
【
図14】
図14は、表示を初期化するための要素の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
第1態様により、時計300の実施形態を、
図1から14を参照して以下に説明する。時計は、好ましくは小型時計、特に腕時計である。
【0052】
時計は、時計ムーブメントを含む。時計ムーブメントは、電子式でも機械式でもよく、特に自動式である。
【0053】
時計ムーブメントは、有利には、クロノグラフシステムを、例えばクロノグラフモジュールを含む。
時計ムーブメント、特にクロノグラフシステムは、時刻または時刻派生情報を表示するためのシステム100の、特に測定された時刻を表示するためのシステム100の実施形態を含む。
【0054】
時刻または時刻派生情報を表示するためのシステム100は、
- 時刻または時刻派生情報を形成する少なくとも1つの修正可能グラフィック要素20a~fを含む、目盛りぶち10、
- 目盛りぶちと協働して時刻または時刻派生情報を示すための部材1、
- グラフィック要素を修正するための装置2、8、22、71、
- ユーザの動作により、所定の構成へリセットするための、特にゼロへリセットするための装置3、4、34であって、時刻または時刻派生情報は指示部材と目盛りぶちとの協働により表示される、装置
を含む。
【0055】
時刻または時刻派生情報は、特に時情報及びまたは分情報及びまたは秒情報及びまたは数分の1秒情報であってもよい。当該情報は、現在の計時情報でもよく、記録された計時情報でもよい。
【0056】
表示システムは、フレーム9を、特にムーブメントブランク9を含んでもよい。
【0057】
目盛りぶちは、完全な円にわたり形成されてもよく、または円弧にわたってのみ形成されてもよい。拡張として、目盛りぶちは、直線線分として実現されてもよい。より一般的には、目盛りぶちは、あらゆる直線または曲線形状を有してもよい。表示システムは、文字盤を含んでもよく、目盛りぶちは、文字盤上に実現されてもよい。表示システムは、カウンターを含んでもよく、目盛環は、カウンター上に実現されてもよい。目盛りぶちは、目盛を含んでも、または目盛と関連してもよい。当該目盛は、文字盤上にまたはカウンター上に実現されてもよい。
【0058】
グラフィック要素は、あらゆる形態でよく、あらゆるマーク20a、20b、20c、20d、20e、20fであってよい。グラフィック要素は、アルファベット文字を含んでもよく、または英数字列を含んでも良い。好ましくは、グラフィック要素は、1以上の数字である。好ましくは、文字盤は、1以上の窓または開口部10a、10b、10cを含み、グラフィック要素は、窓または開口部と協働する、すなわちグラフィック要素は窓または開口部から見ることができる。
【0059】
好ましくは、表示システムは、少なくとも1つのグラフィック要素を有するサポート2を、特にディスク2を含む。
【0060】
グラフィック要素は、基準である、または関連する目盛りぶちの基準を定義する。有利には、グラフィック要素は、基準である、または関連する目盛の基準を定義する。例えば、グラフィック要素は、目盛りぶちの原点または目盛の原点を定義する。特に、グラフィック要素は、目盛りぶちに、または目盛に、または目盛りぶちと関連する目盛に意味を与える。
【0061】
例えば
図1は、第1表示構成C1にある表示システム100を示す。システムは、3つの開口部が配置される目盛りぶちを有する文字盤を含む。当該構成において、サポート2は、グラフィック要素「0」、「10」及び「20」が開口部に現れるように配置される。このため、目盛りぶちの原点は「0」であることが理解され、0から29までの整数値を読むことを可能にする。
【0062】
例えば
図2は、第2表示構成C2にある表示システム100を示す。当該構成において、サポート2は、グラフィック要素「30」、「40」及び「50」が開口部に現れるように配置される。このため、目盛りぶちの原点は「30」であることが理解され、30から59までの整数値を読むことを可能にする。
【0063】
このように目盛りぶち10は、時計の装着者に可視のグラフィック要素の機能として、特に開口部10a、10b、10cに現れるであろうグラフィック要素の機能として、調節させることができる。
【0064】
インジケータ部材1は、例えば、針である。更に一般的には、インジケータ部材は、あらゆるカーソル、または目盛りぶちを指し示すまたは点を示すことを可能にし、結果として目盛りぶちと協働して、たとえおおよそであっても、値を示すことを可能にするあらゆる部材であってもよい。
【0065】
例えば、インジケータ部材1は、フレームに対して可動に、特に軸A1周りにフレームに対して回転可動に取付けられる。
【0066】
図示する実施形態において、インジケータ部材は、円Cにわたり延長する第1目盛10と協働する、針である。
【0067】
表示システムはまた、以下に
図3から5を参照して説明される、インジケータ部材1を駆動するための機構を含む。インジケータ部材は、第1モバイル11のピボットシャンク 12へ固定され、第1モバイルへは歯車13も打ち込まれる。歯車13は、ピニオン5を通して周期的に起動されることができ、ピニオン5は図示しない駆動システムを通して周期的に起動されることができる。インジケータ部材1の角度割出は、自身については、例えばその鼻6aがピニオン5の歯に直接作用するジャンパ6を通して実施される。このため、インジケータ部材1は、例えば、駆動機構を通して、数分の1秒毎または1秒毎または1分毎または1時間毎、角度的ステップを実施することができ、2つのジャンプ間は、割出ジャンパ6、6aを通してその位置に維持されることができる。
【0068】
有利には、表示システム100の第1構成C1から第2構成C2への切替は、インジケータ部材1が、最初に目盛りぶちの全長にわたり進んだ後に、特に円Cの限度に対応する1度目の回転に及んだ後に、目盛りぶちの原点または開口部10aに向いて位置する瞬間に実施される。有利には、切替は、完全に瞬間的に実施される。
【0069】
表示システム100の第2構成C2から第1構成C1への切替は、インジケータ部材1が、二度目に目盛りぶちの全長にわたり進んだ後に、特に円Cの限度に対応する2度目の回転に及んだ後に、目盛りぶちの原点または開口部10aに向いて再度位置する瞬間に実施される。有利には、切替は、瞬間的に実施される。
【0070】
好ましくは、グラフィック要素を修正するための装置2、8、22、71は、グラフィック要素を駆動するための装置、特に修正可能グラフィック要素20a~fを有するサポート2を駆動するための装置である。サポート及びまたはグラフィック要素は、グラフィック要素を修正するための装置2、8、22、71の影響の下で変位されるよう、配置される。更に、サポート及びまたはグラフィック要素は、有利には、位置リセット装置3、4、34により所定の位置へリセット可能に配置される。このため、修正可能グラフィック要素は、例えば、変位により修正可能である、特に修正可能グラフィック要素は、
- 第1位置で、特に開口部10aで見ることのできる第1グラフィック要素20aの、第1位置から第2位置への、特に見ることのできない第2位置への変位、
及び、同時に、または続いて
- 第2グラフィック要素20dの、特に第3位置の見ることのできない第2グラフィック要素20dの、第3位置から第1位置への、特に見ることのできる第1位置への変位、
により、修正される。
【0071】
グラフィック要素を修正するための装置は、
- 少なくとも1つのグラフィック要素を有する、サポート2、特にディスク、
- エネルギー蓄積器8、
- 時刻または時刻派生情報の表示が増加する場合、及びまたは指示部材1の変位にあたり、それと同時に蓄積器にエネルギーを伝達するための機構71、及び
- 時刻または時刻派生情報の表示が所定の値に到達する、及びまたは指示部材1が所定の位置に到達するとき、蓄積器が提供するエネルギーの影響下でサポート2の運動を許可するための機構、
を含む。
【0072】
エネルギー蓄積器8は、第1端部81bにおいてフレーム9に固定され、第2端部において、フレームに対して可動の、特に軸A1周りにフレームに対して回転可能の板22に対して支えるばね、特にひげぜんまい81を含んでもよい。
【0073】
板は、例えばサポートに固定される。特に、板は、有利には、サポートから解放可能なように、サポートに対して摩擦により、または刻み目により、固定される。板は、連続的にばねの第2端部81aを受けることが意図される、いくつかの切欠き221a~dを含む。図示の実施形態において、板は、軸A1周りに角度的に一定間隔で分布される4つの切欠きを含む。このため、板22は、星の形状のくりぬかれた切抜き221を含み、切欠きの分岐は、ばねの第2端部を受けるために設けられた切欠き221a、221b、221c、221dを形成する。
【0074】
第1端部(中央端部81b)は、例えばフレーム9に加えられたほぞ82の形状を取る、当接部82を通して回転不能とされる。第2端部(末端部81a)は、ピン84により形成されるまたはピン84を含む。当該ピン84は、前述の切欠き221a~dと協働することが意図される。
【0075】
更に、ピン84は、例えばフレーム9上に形成またはくりぬかれたカム経路83の端部83aに対して当接して保持されるように配置される。こうすることで、ばね81は、はっきりと配置され、フレーム9に対向してプレストレスされて保持される。
【0076】
このため、蓄積器は、板の形状を取ることができる中間要素22を通して、サポート2に作用するように配置される。
【0077】
サポート-板組立体は、フレーム9上で旋回する筒状要素23に取付けられ、インジケータ部材1が取付けられるピボットシャンク12周りに回転案内される第2モバイル21を形成する。
【0078】
伝達機構は、有利には、指示部材1と運動学的に連結された第3モバイル71を、特に第1モバイルの歯車13と噛み合い、このため指示部材1に固定される、第3モバイルを含む。第3モバイル71は、フレーム9に対して可動、特に軸A1に平行な軸A2周りに、フレーム9に対して回転可動である。第3モバイル71は、板22の第1切欠き221aから隣接する第2切欠き221bへ変位させるために、エネルギー蓄積器に、特にばねの第2端部81aに、特にピン84に、作用するよう配置された爪72を含む。当該変位は、蓄積器の作用に反して行われる。当該変位において、蓄積器の第2端部は、切欠き221の側面222aにより案内され、当該側面は、板22の第1切欠き221aから隣接する第2切欠き221bへ連結する。
【0079】
サポート2の駆動は、駆動爪72を通じて生成される。爪は、例えば、爪に固定される歯車73を通じて、歯車13に運動学的に連結される。このため、指示部材1の周期的駆動は、駆動爪72と歯車73を含む第3モバイル71の周期的な回転を駆動する。
【0080】
爪72は、結果として、エネルギー蓄積器8経由でサポート2に作用するように配置される。
【0081】
許可機構は、指示部材1と運動学的に連結され、板の回転を係止または許可するためのいくつかの第2切抜き223a~dが設けられた板22と協働する、第1切抜き721が設けられた係止ディスク720を含む。係止ディスク720は、有利には、第3モバイル71の一部を形成する。好ましくは、係止ディスク720と爪72は、第1モバイルに同期した態様で作用するために、整列するまたは軸A2周りに角度的に位置される。係止ディスクは、軸A1周りのフレーム9に対する第1モバイルの回転を許可または禁止するために、第1モバイルと、特に第1モバイルの形状と、特に第1モバイルの板22の周囲220と、の障害により協働する。
【0082】
板22の周囲220は、有利には、マルタ十字架形状を有する。第2切抜き223a~dは、有利には、(第1切抜き721の部分を除く)係止ディスクの形状を補完するまたは実質的に補完する形状を有する。
【0083】
このため、係止ディスクは、板の回転が許可されるまたは部分的に許可される、(
図7と11に図示される位置を含む、いくつかの位置を含む)第1構成を有する。
【0084】
更に、係止ディスクは、係止ディスクとの障害により板の回転が禁止される、(
図8、9、及び10に図示される位置を含む、いくつかの位置を含む)第2構成を有する。
【0085】
所定の構成へリセットするための装置3、4、24は、有利には、
- 指示部材を第1所定構成へリセットするための第1要素3、及びまたは
- グラフィック要素20a~fを第2所定構成へリセットするための第2要素4
を含む。
【0086】
好ましくは、所定の構成へリセットするための装置は、同一の制御部材の動作により、特に
図12及び13に模式的に示される制御部材OCへの同一の動作を介して、指示部材を第1所定構成へ及びグラフィック要素20a~fを第2所定構成へ位置させるように配置される。有利には、当該制御部材は、時計の装着者により起動可能である。例えば、時計の装着者による動作は、押し部品を押すことでもよい。説明する実施形態において、このような動作は、
- 開口部10aで「0」を示すグラフィック要素20aをリセットし、開口部10b及び10cで「10」と「20」をそれぞれ示すグラフィック要素20bと20cをリセットする、及び
- インジケータ部材を、開口部10aを示す構成へリセットする、
という結果を生じさせる。
【0087】
これらの位置リセットは、まず、指示部材の第1所定構成へのリセット、次いでグラフィック要素20a~fの第2所定構成へのリセット、と連続してまたは準連続して、行われる。しかしながら、これらステップは迅速または瞬間的であり、このため同時または実質的に同時と把握される。
【0088】
所定の構成へリセットするための装置3、4、34は、特に、
- ハンマー34と、第1モバイル11に固定され、ハンマー34の第1ピーン31の動作を受けることが意図される第1カム3、特にハートカム、及びまたは
- ハンマー34と、サポートに固定され、ハンマー34の第2ピーン41の動作を受けることが意図される第2カム4、
を含む。
【0089】
図12及び
図13に示すように、同一のハンマー34が、指示部材を第1所定構成へリセットするための第1要素3と、グラフィック要素20a~fを第2所定構成へリセットするための第2要素4に、作用するように配置されることができる。このハンマーは、有利には、時計の装着者により操作可能な制御部材OCに運動学的に連結されてもよい。
【0090】
有利には、ハンマーは、軸A4に沿ってフレーム9に対して並進可動に取付けられる。
【0091】
第1ピーン31は、所定の順序で所定の位置へリセット可能にするため、第2ピーン41に対して自由度を有することができる。また好ましくは、第1ピーン31は、ハンマーの本体35に対して可動に、特に並進可動に、特に軸A4に沿って並進可動に、取付けられる。ハンマーは、第1ピーン31をハンマーの本体に対する、特に第2ピーン41に対する静止位置へ戻すための要素31aを含む。第1ピーン31の静止位置は、
図12及び14に図示される。第1ピーン31とハンマーの本体の間の直動ジョイントは、本体35に設けられ、第1ピーン31上に形成される溝311と協働する、ピン351により形成されてもよい。
【0092】
例えば、第1ピーン31を静止位置に戻すための要素31は、第1ピーン31と同じ素材製のまたは第1ピーン31と一体の弾性アーム31aを含む。
【0093】
図5に示すように、カム3は、ピボットシャンク12へ打ち込まれ、歯車13に対して角度的に割り出されてもよい。カム3は、第1ピーン31が第1モバイルを、このため指示部材を、例えば針1が
図1及び2で取る位置である、第1所定構成P1ヘリセット可能なように、例えば、
図12及び13にあるように、ハートの形状を有する。
【0094】
第1モバイルの第1所定構成P1へのリセットはまた、板22の、
図7及び11に示すような安定位置への位置リセットを引き起こす。実際には、第1モバイルの第1所定構成へのリセットは、第3モバイル71の所定位置へのリセットを引き起こし、このため係止ディスク720の
図7及び11に示す所定位置へのリセットを引き起こす。第3モバイル71の当該構成において、係止ディスクは、板22の回転を、このため第2モバイルの回転を許可する。
【0095】
更に、
図5に示すように、カム4は、その上にサポート2が取付けられる円筒状要素23に固定される。
図12及び13に示すカム4は、第2ピーン41がサポート2を、例えばサポート2が
図1及び3で取る位置である所定位置P2へリセット可能なように、構成されることができる。サポート2が板22上に摩擦を持って取付けられると仮定すると、サポート2とカム4は、所定位置へのリセットにかかる時間だけ、板22から解放可能である。これは、サポートと板22が所定構成へ、独立してリセットされることを可能にする。
【0096】
上述の表示システムの、または上述の時計ムーブメントの、または上述の時計の、作動方法の実施形態を、
図7から11を参照して以下に説明する。
図7から11では、明確化のため、サポート2と、歯車13及び73は図示されない。
【0097】
作動方法は、以下のステップを含む。
【0098】
第1ステップにおいて、表示システムは初期化された構成にある、または初期構成にリセットされた、またはゼロにリセットされたと推定される。当該構成は、
図7に図示される。同図において、指示部材は、
図1及び2に図示されるように、開口部10aに対向する位置に配置される。指示部材は、ジャンパ6を通じてその位置に保持されてもよい。板22は、ばね81と、板22の第1切欠き221aに収容されフレーム9に形成される当接部83aに押圧されるピン84を通じて、その位置に保持される。
図7は、例えば、クロノグラフシステムの始動前の、特に第1モバイルを駆動する機構の始動前の、表示システム100の状態を示す。当該構成において、サポート2は、有利には、開口部10aにグラフィック要素「0」が出現するように配置される。
【0099】
その後、
図8に示す第2ステップにおいて、表示システムは、指示部材と目盛りぶちとの協働により、時刻または時刻派生情報を表示する。当該ステップは、例えば、クロノグラフシステムの始動後に得られる。
図8は、第1モバイルを駆動する機構が起動した、表示システム100を図示する。歯車13の、すなわち第1モバイルの回転は、指示部材1の、そして結果として歯車73と爪72の運動を引き起こす。
図8において、指示部材1は、目盛りぶちの範囲の半分そこそこ移動し、駆動爪72は、ばね81のピン84とちょうど接触する。
【0100】
その後、
図9に示す第3ステップにおいて、表示システムは、エネルギー蓄積器8を締め付ける、またはエネルギー蓄積器8にエネルギーを蓄積する。この動作は、例えば、ばねの第2端部81aを変位させる爪72の動作で行われる。この第3ステップにおいて、ピン84は、例えば、板22の第1切欠き221aを隣接する第2切欠き221bへ連結する側面により、またフレーム9上に形成されたカム経路83により、案内される。当該構成において、ばねの第2端部81aは、もはや当接部83aと接触せず、ばねは第2モバイル21を、特に板22を、軸A1周りに反時計方向に回転させる。しかしながら、板22の回転は、板の周囲220と協働する係止ディスク720を通じて阻止される。このためサポート2は、初期角度位置に保持される。このように、ばねは、
図10に示すように、ばね81のピン84が板22の第2切欠き221bに収容されるまで締め付けられる。同図において、板22は、上述のように、その角度位置に阻止され続ける。指示部材1は、目盛りぶちの範囲のほぼ全体を移動する。
【0101】
その後、
図10に示す第4ステップにおいて、表示システムは、サポート2の位置を解除する。実際には、指示部材1が目盛りぶちの端部に到達すると、第3モバイル71は、係止ディスクが解除され、このため板22の回転を許可する構成に到達する。その後、ピン84は、ばね81からの戻しの影響の下で、板22をその切欠き221bを通じて駆動自由にする。このため、サポート2は、エネルギー蓄積器が開放する力学的エネルギーにより、変位される。実際には、板22は、
図11の構成に到達するまで、すなわち
図7に示す構成に類似の構成に到達するまで、反時計方向に1/4回転だけ回転駆動される。板の回転は、瞬間的である。
【0102】
「瞬間的回転」は、1秒の何分の1の程度の回転を意味するものと理解される。回転は、ばねからのエネルギーの戻りにより生成される。
図10及び11の構成の間に、板は90°回転する。このため、4つの切欠き221a、221b、221c、221dは、第2モバイル21の回転軸A1周りに均等に分配される。
【0103】
図1は、ばね81からのエネルギーの戻りの直後の表示システム100を示す。ピン84は、再度、当接部83aに対して押圧され、切欠き221bを通じて板22をその位置に維持する。当該構成において、サポート2は、有利には、グラフィック要素「30」が開口部10aに出現するように配置される。これを通じ、サポート2は、90°の瞬間的ジャンプを実施可能である。このようなジャンプは、表示システム100を、
図1に示す第1構成C1から
図2に図示する第2構成C2へ、またはその逆へ切り替えることを可能にする。
【0104】
第5ステップにおいて、クロノグラフシステムの作動は停止される。表示システムは、その後、測定し、記録した時間を表示する。この停止は、時計の装着者による制御部材への動作により命令されてもよい。
【0105】
第6ステップにおいて、表示システムは、再初期化されるまたはゼロにリセットされる。
【0106】
第6ステップは、例えば、時計の装着者が表示システムへ動作を、特に表示システムへのユーザによる単純な動作を、特に制御部材への、例えば表示システムの押し部品OCへのユーザによる押圧を、発揮する、第1段階を含む。動作は、再初期化またはゼロへのリセットを始動させるために単純な動作を1つしか必要としないほど、単純であってもよい。例えば、再初期化またはゼロへのリセットを命令するために、押し部品への押し動作のみを必要とし、戻し動作は必要としなくてもよい。
【0107】
その後、当該動作の結果、指示部材と目盛りぶちとの協働により表示される時刻または時刻派生情報は、所定構成までリセットされ、特にゼロへリセットされる。特に、指示部材1は、第1所定構成に配置され、及びまたはグラフィック要素は第2所定構成へリセットされる。
【0108】
時計の装着者の動作の下でのハンマーの起動の第1サブフェーズにおいて、指示部材が第1所定構成P1に到達するまで軸A1周りに旋回するように、第1ピーン31は、カム3と接触する。その後、全ての第1モバイルが旋回し、第3モバイルが結果として、板が旋回可能であってまだ到達していない場合には
図7または
図11に示す構成にもたらされるような、構成へ到達するため、旋回する。板はその後、ばねの第2端部が当接部83aと接触する、静止位置にある。
【0109】
指示部材1が第1所定構成P1に配置され、ピーン31がハート3の平面に接触すると、ハンマー34はハンマーの起動の第2サブフェーズにおいて、アーム31aの弾性変形の影響の下、第2ピーン41を通じてカム4の起動を可能にするように、その移動を継続することができる。ハンマー34は、このように、起動の第1サブフェーズにおいて、カム3に作用可能なように、また起動の第2サブフェーズにおいてカム4に作用可能なように、構成される。カム4へのピーン41の動作は、カム4の軸A1周りの回転を引き起こし、このためサポートの軸A1周りの回転を引き起こす。サポートと板との間に摩擦が存在するため、サポートは、当該動作において、板が旋回することなく旋回可能である。このため、グラフィック要素を、特にサポートを、第2所定構成P2にリセットすることが可能になる。
【0110】
図12は、所定構成P1、P2へのリセット前のシステムを図示する。同図において、第1及び第2ピーン31、41は、それぞれカム3、4の圏外にある。
図13は、指示部材1及びサポート2が、制御部材OCにより起動されるハンマー34の影響の下で、所定構成P1、P2へリセットされた後の装置を図示する。同図において、第1及び第2ピーン31、41は、それぞれ、制御部材OCの影響の下で、カム3及び4と接触する。
【0111】
第2態様によれば、時計300の実施形態は、
図1から14を参照して以下に説明される。時計は、好ましくは小型時計、特に腕時計である。
【0112】
時計は、時計ムーブメントを含む。時計ムーブメントは、電子式または機械式でもよく、特に自動式でもよい。
【0113】
時計ムーブメントは、有利には、クロノグラフシステムを、例えばクロノグラフモジュールを含む。
【0114】
時計ムーブメントは、特にクロノグラフシステムは、第2モバイル21を起動するための、特に時刻または時刻派生情報を表示するディスクを起動するためのシステム150の実施形態を含む。
【0115】
第2モバイル21を起動するためのシステム150は、
- その上で第2モバイル21が軸A1周りに旋回するフレーム9と、
- エネルギー蓄積器8と、
- エネルギーを蓄積器に伝達するための機構71と、
- 蓄積器により提供されるエネルギーの力の下で、第2モバイル21の運動を許可するための機構720と、
を含む。
【0116】
エネルギー蓄積器8は、第1端部81bがフレーム9に固定され、第2端部81aが第2モバイル21に当接する、ばね81を、特にひげぜんまいを含むことができ、第2モバイルは、ばねの第2端部を連続して受けることが意図される、いくつかの切欠き221a~dを含む。
【0117】
伝達機構は、第1軸A1に平行なまたは実質的に平行な軸A2周りに運動駆動される、特に回転運動駆動される、第3モバイル71を含むことができ、第3モバイルは、エネルギー蓄積器を締め付けるように作用するように、特にばねの端部を1つの切欠きから他の切欠きに変位させるようにばねの第2端部に作用するように、配置される爪72を含む。
【0118】
許可機構は、第1軸A1に平行なまたは実質的に平行な軸周りに運動駆動、特に回転運動駆動され、第2モバイルの回転を係止または許可する第1モバイルに生成されたいくつかの第2切欠き223a~dと協働する、第1切抜き721が設けられた係止ディスク720が設けられた第4モバイルを含んでもよい。係止ディスクは、第1モバイルの回転が許可される第1構成と、係止ディスクとの障害により第1モバイルの回転が禁止される第2構成とを有する。
【0119】
係止ディスクの回転軸と、第3モバイルの回転軸は、一致してもよく、異なっても良い。
【0120】
好ましくは、第3及び第4モバイルは、同一のモバイルである。
【0121】
好ましくは、切欠きは、第1軸A1に中心を取る、正多角形の頂点に形成される。
【0122】
好ましくは、各切欠きは、案内面または側面222a~dにより、隣接する切欠きへ連結される。
【0123】
好ましくは、各切欠きは、第2モバイルの静止位置を定義するため、エネルギー蓄積器と協働するよう配置され、エネルギー蓄積器は、第2モバイルを、蓄積器、切欠き、及び当接部83aの協働により定義される静止位置へ戻すよう力を生成する。
【0124】
第2モバイルは、切欠きが設けられた本体22または板と、軸A1周りに本体上に摩擦により可動に、特に刻み目により可動に取付けられる第2モバイル21の部材2、特にサポートまたは板2とを含んでもよい。
【0125】
起動システムは、第2モバイル21の部材2を所定構成へリセットするための要素4を、特にカム4を含む、第1モバイルを所定構成へリセットするための装置4、34を含んでもよい。
【0126】
第2態様によれば、上述の起動システムまたは上述の時計ムーブメントまたは上述の時計の作動方法は、
- 第2モバイルの第1構成への設定、その後
- ユーザの起動システムへの動作、特にユーザの起動システムへの単純な動作、例えばユーザの起動システムの押し部品OCの押圧、その後
- 動作ステップの結果、第2モバイルの所定構成へのリセット、
のステップを含む。
【0127】
第1構成へのリセット動作は、
- 爪72の動作によるエネルギー蓄積器の締め付け、特にばねの端部を変位させる爪72の動作によるばねの締め付け、その後
- 第2モバイル21の位置の解除、その後
- エネルギー蓄積器が解放する機械式エネルギーによる第2モバイル21の変位
のステップを含んでもよい。
【0128】
他の態様によれば、上述の起動システムまたは上述の時計ムーブメントまたは上述の時計の作動方法の実施形態は、
- 爪72の動作によるエネルギー蓄積器の締め付け、特にばねの端部を変位させる爪72の動作によるばねの締め付け、その後
- 第2モバイル21の位置の解除、その後
- エネルギー蓄積器が解放する機械式エネルギーによる第2モバイル21の変位
のステップを含む。
【0129】
上述の通り、動作ステップの結果、第2モバイルは、所定構成へリセットされ、特に本体22は第1所定構成P1へもたらされ、及びまたは部材2は第2所定構成P2へもたらされる。これは、例えば、ハンマーの動作で行われる。
【0130】
ハンマーの起動の第1サブフェーズにおいて、時計の装着者による動作の下、第1ピーン31は、第3モバイルが旋回して、本体22が旋回可能であってまだ到達していない場合には
図7または
図11に示す構成にもたらされるような構成へ到達するため、カム3と接触する。その後、本体22は、ばねの第2端部が当接部83aと接触する静止位置にある。
【0131】
本体が第1所定構成P1に配置され、ピーン31がハート3の平面と接触すると、ハンマー34は、ハンマーの起動の第2サブフェーズにおいて、アーム31aの弾性変形の効果の下で第2ピーン41を通じてカム4の起動を可能にするために、移動を続けることができる。このため、ハンマー34は、起動の第1サブフェーズにおいてカム3に作用可能なように、そして起動の第2サブフェーズにおいてカム4に作用可能なように、構成される。ピーン41のカム4への動作は、軸A1周りのカム4の回転を引き起こし、このため部材2の軸A1周りの回転を引き起こす。部材2と本体22の間に存在する摩擦のため、当該操作において部材2は、本体22の旋回なくして旋回可能である。このため、部材2を第2所定構成P2へリセットすることが可能になる。
【0132】
上述の様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置及び方法は、クロノグラフ機能を実施するために使用された。しかしながら、様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置及び方法は、他のあらゆる時計機能に、特にフライバック機能に用いることができる。
【0133】
上述の様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置、及び方法は、カウンターを実施するために用いられた。しかしながら、異なる態様及びまたは実施形態によれば、システム、装置及び方法は、同一の時計上のいくつかのカウンターを実施するために用いることもできる。このため、いくつかの起動システム及びまたはいくつかの表示システムを、同一の時計または同一のムーブメントまたは同一のクロノグラフシステムに設けることができる。例えば、
- 起動システム及びまたは表示システムを、数分の1秒を示すために設けることができる、及びまたは
- 起動システム及びまたは表示システムを、秒を示すために設けることができる、及びまたは
- 起動システム及びまたは表示システムを、分を示すために設けることができる、及びまたは
- 起動システム及びまたは表示システムを、時を示すために設けることができる。
【0134】
上述の様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、クロノグラフ機能を実施するために用いられた。クロノグラフは、従来のクロノグラフ機構を通じて請求に応じて開始し停止可能である。
【0135】
上述の様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、円形の目盛りぶちと完全な目盛りぶち旋回を行うインジケータ部材を用いて説明された。しかしながら、異なる態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、レトログラードタイプの指示部材と協働する非円形目盛りぶちに関連してもよい。
【0136】
上述の様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、瞬間的90°ジャンプを行う板または第2モバイルを用いて説明された。しかしながら、異なる態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、板または第2モバイルが、その他の角度値の瞬間的ジャンプを実行する実施形態に関連してもよい。
【0137】
上述の様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、目盛りぶちと関連する3つの開口部を用いて説明された。しかしながら、異なる態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、目盛りぶちと関連するその他の数の開口部、特に1または2または4または5または6または10または12の開口部の実施形態に関連してもよい。
【0138】
上述の様々な態様及びまたは実施形態において、システム、装置と方法は、目盛りぶちと関連し、軸A1に対して120°で配置される3つの開口部と、軸A1に対して90°ジャンプを行うサポート2と、サポート上で軸A1に対して30°毎に配置されるグラフィック要素とを用いて説明された。当該構成は、サポート2上に2組のグラフィック要素を配置することが可能なため、有利である。
【0139】
上述の解決策の結果、少なくとも1つの目盛りぶち基準毎にジャンプするタイプの表示を提供することで、目盛りぶちに対する指示部材の位置の解釈を修正することが可能である。
【0140】
好ましくは、上述の実施形態において、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素は、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素のいくつかの構成において、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素が、時刻または時刻派生情報の、とりわけ測定された時間の目盛のいくつかの補完的範囲を定義するまたは定義することを助けるように、配置される。
【0141】
例えば、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素の第1構成において、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素は、目盛に表示可能な値の第1範囲を定義するまたは定義することを助け、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素の第2構成において、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素は、目盛に表示可能な値の第2範囲を定義するまたは定義することを助ける。好ましくは、第1及び第2範囲は補完的であり、両者の結合は、値の目盛の全体を定義する。例えば、値の第1範囲は[0;30]であり、値の第2範囲は[30;60]であり、値の全体範囲は[0;60]である。図に示す実施形態において、3つの修正可能グラフィック要素が用いられる。図に示す実施形態において、
- 第1グラフィック要素20aは、第1構成において、第1の場所で、とりわけ第1開口部10aにおいて、「0」の値を与え、第4グラフィック要素20dは、第2構成において、第1の場所で、「30」の値を与える、
- 第2グラフィック要素20bは、第1構成において、第2の場所で、とりわけ第2開口部10bにおいて、「10」の値を与え、第5グラフィック要素20eは、第2構成において、第2の場所で、「40」の値を与える、
- 第3グラフィック要素20cは、第1構成において、第3の場所で、とりわけ第3開口部10cにおいて、「20」の値を与え、第6グラフィック要素20fは、第2構成において、第3の場所で、「50」の値を与える。
【0142】
第1グラフィック要素と第4グラフィック要素は、単一の第1修正可能グラフィック要素と見做されてもよい。
【0143】
第2グラフィック要素と第5グラフィック要素は、単一の第2修正可能グラフィック要素と見做されてもよい。
【0144】
第3グラフィック要素と第6グラフィック要素は、単一の第3修正可能グラフィック要素と見做されてもよい。
【0145】
より一般的には、少なくとも1つの修正可能グラフィック要素のいくつかの構成は、2以上の補完的範囲を、とりわけ3つ、4つ、5つ、または6つの補完的範囲を定義するまたは定義することを助ける。補完的範囲の数は、構成の数で定義される。好ましくは、補完的範囲と同数の別個のまたは異なる構成が存在する。好ましくは、各種補完的範囲の大きさは均等である。
【符号の説明】
【0146】
1 指示部材
2 サポート
3 第1要素
4 第2要素
8 エネルギー蓄積器
9 フレーム
10 目盛りぶち
20a~f グラフィック要素
22 板
34 ハンマー
71 モバイル
72 爪
100 表示システム
200 時計ムーブメント
221a~d 切欠き
300 時計
720 係止ディスク
721 第1切抜き