(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】耐火ガラスユニット
(51)【国際特許分類】
C03B 27/04 20060101AFI20240416BHJP
C03C 19/00 20060101ALI20240416BHJP
C03C 17/28 20060101ALI20240416BHJP
E04B 1/94 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
C03B27/04
C03C19/00 Z
C03C17/28 Z
E04B1/94 W
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019166717
(22)【出願日】2019-09-13
【審査請求日】2022-09-12
(32)【優先日】2018-09-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519333206
【氏名又は名称】ウィリアム エフ.オキーフ
【氏名又は名称原語表記】William F.O’Keeffe
(73)【特許権者】
【識別番号】519333217
【氏名又は名称】シーン エイ.ロス
【氏名又は名称原語表記】Sean A.Ross
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】ウィリアム エフ.オキーフ
(72)【発明者】
【氏名】シーン エイ.ロス
【審査官】酒井 英夫
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第1693246(CN,A)
【文献】国際公開第2008/020509(WO,A1)
【文献】特開2018-066975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C03B 27/04,C03C 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耐火ガラスユニットを製造する方法において:
少なくとも厚さ19ミリメートル
で、端部を有する透明フロート焼きなましガラスシートを選択するステップと;
前記透明フロート焼なましガラスシートのエッジを
研磨して、クラック、孔、引っかき傷、含有物といった欠陥
を除去するステップと;
前記透明フロート焼なましガラスのシートを焼戻し炉に通すことによって、前記透明フロート焼なましガラスシート
に焼戻しプロセスを行うステップであって、前記透明フロート焼なましガラスシートを、少なくとも摂氏600度の温度で少なくとも750秒間加熱するステップと;
前記焼戻し炉の熱に暴露されている前記透明フロート焼なましガラスシートを
空気で急冷する
ことにより、前記透明フロート焼なましガラスシートは、平方インチ当たり約10,000ポンドほど表面が圧縮するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記透明フロート焼なましガラスシートのエッジ
を欠陥がないようにするステップが、前記透明フロート焼きなましガラスのエッジに傾斜をつけるステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記透明フロート焼なましガラスシートのエッジ
を欠陥がないようにするステップが、前記透明フロート焼きなましガラスのエッジに丸みをつけるステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記透明フロート焼なましガラスシートを、摂氏600度から摂氏670度の間の熱に暴露するステップを具えることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記
加熱する期間が750秒から960秒の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記透明フロート焼なましガラスシートを摂氏600度から摂氏670度の範囲の熱に暴露することを特徴とする、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記透明フロート焼なましガラスシートを
空気で急冷するステップに続いて、前記透明フロート焼なましガラスシートにポリマー物質でコーティングを行う追加ステップを具えることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
防火ドア及び窓のアセンブリに使用するガラス材料として独立試験機関の承認を得た耐火ガラスユニットを製造する方法において:
少なくとも厚さ19ミリメートル
で、エッジを有する透明フロート焼きなましガラスシートを選択するステップと;
前記透明フロート焼なましガラスシートのエッジ
研磨して、クラック、孔、引っかき傷、含有物といった欠陥
を除去するするステップと;
前記透明フロート焼なましガラスのシートを焼戻し炉に通すことによって、前記透明フロート焼なましガラスシート
を焼戻しプロセスに供し、前記透明フロート焼なましガラスシートを、少なくとも摂氏600度の温度で少なくとも750秒間加熱するステップと;
前記焼戻し炉の熱に暴露されている前記透明フロート焼なましガラスシートを
空気で急冷し、前記空気により、前記透明フロート焼なましガラスシートは、平方インチ当たり約10,000ポンドほど表面が圧縮するステップと;
を具えることを特徴とする方法。
【請求項9】
前記透明フロート焼なましガラスシートのエッジ
に欠陥がないようにするステップが、前記透明フロート焼きなましガラスシートの端部を面取りするステップを具えることを特徴とする請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記透明フロート焼なましガラスシートのエッジに実質的に欠陥がないようにするステップが、前記透明フロート
焼なましガラスシートの縁部を丸くするステップを具えることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記透明フロート焼なましガラスシートを、摂氏630度乃至摂氏670度の範囲の熱に暴露することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記
加熱する期間が750乃至960秒の範囲であることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記透明フロート焼なましガラスシートを
空気で急冷する前記ステップに続いて、前記透明フロート焼なましガラスシートにポリマー物質のコーティングを塗布するステップをさらに具えることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年8月24日に提出された米国暫定出願第62/722,762号、および、2018年9月6日に提出された米国仮出願番号第62/727,923号の優先権を主張する。
【0002】
本出願は、新規で有用な耐火ガラスユニットおよびその製造方法に関する。
【0003】
耐火ガラスは、建築構造物の窓、ドア、壁に使用できる。耐火ガラスは、通常、構造物近くの火災の結果としてガラスを通って伝わる熱の遮断に耐えることを意図している。耐火ガラスは、全米防火協会の257テスト(NFPA-257)で特定される標準的な火災加熱試験によって判定される。ガラスに関するこのような試験を実施する結果、試験中にガラス片がその完全性を維持した分数に応じて等級が割り当てられる。
【0004】
従来は、ガラスにワイヤを埋め込んだ耐火ガラスが入手可能であった。ワイヤを埋め込んだガラスはガラスに更なる強度と耐久性を与えるが、このようなワイヤ埋め込みガラスは、粉砕したあるいは割れたワイヤガラスと接触した人に重傷を負わせるために人気がなくなった。
【0005】
ワイヤ入りガラスの代替品として、固体または液体形状の膨張性材料でできた内層を有する積層製品を使用して、耐火ガラスが構築された。また、「セラミックガラス」でできたシングルガラスも、構造物内のワイヤ埋め込みガラスの代替品となった。「セラミックガラス」は本物のガラスではなく、より正確には「クリアあるいは透明なセラミック材料」と記載されている。透明セラミック材料は、窓、ドア、その他の耐火インサートとして成功裏に役立ってきたが、本物のガラスと比較して、透明セラミックパネルは非常に高価である。従って、ワイヤ入りガラスの代替品としての透明セラミック材料は、透明セラミック材料のこのような高いコストにより、妨害されてきた。
【0006】
過去には、米国特許第5,910,620号にみられるような耐火性ガラス構造が提案されており、ここでは2枚の強化ガラスシートを樹脂層で分けることで、耐火性が提供されている。
【0007】
したがって、セラミック材料や積層マルチパネルガラスユニットに頼る必要のない、真のガラスでできた耐火ガラスを提供することが求められている。
【発明の概要】
【0008】
本出願によれば、新規で有用な耐火ガラスユニットが提供されている。
【0009】
耐火ガラスユニットには、少なくとも厚さ19mmの真のガラスでできた単一シートを選択するステップが含まれる。真のガラスでできた単一シートはさらに、孔、引っかき傷、含有物などのエッジの欠陥を検査する。次いで、必要に応じて、ガラスシートのエッジを磨いてこのような欠陥を除去し、通常、丸みを帯びたまたは面取りをしたエッジ表面を形成する。
【0010】
上述したようにガラスシートを調製したら、特別な焼戻しプロセスを行う。さらに、特別な焼戻しプロセスに続いて、焼戻したガラスシートに上述したNFPA-257火災加熱試験を行い、火災等級を得る、あるいは火災等級が授与される。
【0011】
新規で有用な耐火ガラスユニットとその作成方法が上述されていることは明らかである。
【0012】
したがって、本出願の目的は、既存のワイヤ入りガラスの代替となり得る耐火性ガラスユニットおよびその製造方法を提供することである。
【0013】
本出願のもう一つの目的は、透明なセラミック材料またはガラス積層構造の代替となり得る耐火性ガラスユニットとその製造方法を提供することである。
【0014】
本出願の更なる目的は、ソーダ石灰シリカガラスや、その他といった原材料として真のガラスを使用した耐火ガラスおよびその製造方法を提供することである。
【0015】
本出願の更なる目的は、透明な耐火性材料を必要とする窓、ドア、床などに使用できる耐火性ガラスユニットおよびその製造方法を提供することである。
【0016】
本出願の更なる目的は、従来技術のワイヤ入りガラスよりも視覚的な透明度が良好である耐火性ガラスユニットおよびその製造方法を提供することである。
【0017】
本出願の更なる目的は、優れた耐衝撃性を示す耐火性ガラスユニットとその製造方法を提供することである。
【0018】
本出願の更なる目的は、様々な建築構造の構成に有用な耐火性ガラスユニットと、その製造方法を提供することである。
【0019】
本出願は、特に明細書を読むにつれて明らかになる特定の特性および特徴に関する他の目的および利点を有する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、真のガラスでできたシートの断面図である。
【
図3】
図3は、丸みを帯びたまたはペンシルタイプに研磨されたガラスシートの研磨したエッジ部分を示す部分断面図である。
【
図4】
図4は、先端面取り部分を有するガラスシートの研磨したエッジ部分を示す断面図である。
【
図5】
図5は、
図1および
図2に示すガラスシートの、焼戻し炉を通り、次いで火災加熱試験への動きを示す概略図である。
【
図6】
図6は、NFPA-257テストとして特定された火災加熱試験適用後の、
図1および
図2のガラスシート表面の一部の平面図である。
【
図7】
図7は、
図6に示すガラスシートの7-7線に沿った断面図である。
【0021】
本出願をより良く理解するためには、前述の図面を参照して、以下に述べる好ましい実施形態の詳細な説明を参照されたい。
【発明を実施するための形態】
【0022】
本発明の好ましい実施形態の以下の説明は、かなり詳細に記載されており、図面と併せて解釈されるべきである。
【0023】
本発明の実施形態は全体を通して参照符号10で示されている。
図1及び2を参照すると、選択されたガラスシート12が、
図5ないし7の本発明の耐火ガラスの出発材料として示されていることがわかる。ガラスシート12は、エッジまたは周囲部分14を具え、
図2に示すように、ほぼ長方形の形状に形成されている。ガラスシート12は、本質的に半透明の真のガラスである。用語「真のガラス」は、真のガラスの全体的なアモルファス構造を欠き、一またはそれ以上の結晶相を含む「セラミックガラス」や透明セラミック材料を意図的に排除することを意味する。本来は、「セラミックガラス」という用語は誤称であり、正しくは「透明またはクリアセラミック」というべきである。また、真のガラスは一般に「通常のガラス」、「フロートガラス」、「板ガラス」、「シートガラス」などと呼ばれている。通常、ソーダ石灰シリカガラスは、特定の化学的変動によって、窓やドアに使用される。さらに、ガラスシート12は、従来の技術により焼なましたものであり、一般に、透明フロート焼きなましガラスと呼ばれる。また、元のガラス板12を全体的に検査して、「クラムシェル」チップ、ヘアラインクラック、ホイール傷などのエッジの欠陥がないことを確認することが重要である。後述するガラスシート12の特別な焼戻しステップでこれらが有害な影響を与えることがあるからである。ガラスシート12は、少なくとも厚さ19mmの比較的厚いガラスシートであることに留意されたい。ガラスシート12の外側表面16は、従来の方法で全体を洗浄する。次いで、ガラスシート12の縁部または周辺部14に、欠陥がないか慎重に検査する。必要があれば、エッジ14を研磨して、そのような欠陥を実質的に除去する。
【0024】
図3および
図4は、ガラスシート12の縁部14の縁部研磨の可能性を示している。
図3は、ペンシルポリッシュ仕上げとして知られる丸みを帯びた仕上げ18を示す。
図4は、面取り21と23をガラスシート12のエッジ部に施して、面取り仕上げを形成したガラスシート12の面取り部分20を示す。
【0025】
図5を参照すると、耐火性ガラス10を製造する独自の方法が、ガラスシート12を焼戻し炉22に送ることによりガラスシート12を特に焼き戻すステップを具えることが分かる。この特別焼戻しプロセスは、並外れて長い750~960秒間、好ましくは800-900秒間、ガラスシート12を焼戻し炉に通すステップを具える。このような焼戻しは、連続ベースまたはバッチベースで行われる。焼戻し炉22を通す連続速度は、毎秒60~450ミリメートルの範囲である。焼戻し炉22内のガラスシート12に加えられる熱は、記載されている時間、摂氏600度から670度の間で変動する。焼戻し炉22内で熱を加えることに続いて、ガラスシート12は、従来の方法で焼戻し炉内の上部および下部ノズルにより空気急冷される。ノズルの圧力は一般に約100ミリメートルである。焼戻し炉22から出た後、耐火ガラスシート10は、平方インチ当たり約10,000ポンドほど表面が圧縮する。
【0026】
その後、特別に焼戻したガラスシート10に火災試験24を行なうことが可能であり、以下に記載した火災等級を得る。
【0027】
火災加熱試験24を用いて、ガラスシート10の一般に承認された火災等級を得ることができる。米国防火協会257試験(NFPA-257)として知られている火災加熱試験24を標準プロトコルに従って実施した。NFPA-257火災加熱試験は、5分から3時間の間のどの時点でも延長できる。本発明の場合、いくつかの耐火ガラスシート10を、90分間成功裏に試験を行い、温度は摂氏980度に達した。一般に、NFPA-257火災加熱試験は、二段階のステップがある。火災試験段階で炎熱を特定時間加えて、次いで、炎熱源を取り除いて、加熱したガラスに水をかける射水試験が行われる。本発明では、NFPA-257火災加熱試験の結果、ガラス10は、
図6および
図7に示す表面可視パターンを示した。
図6は、火災加熱試験24の射水試験部分の後の、ガラスシート10の表面領域の断面を示している。ガラスシート10を破砕することなく、ひびの入ったパターン26が現れている。すなわち、ガラスシート10は単一シートの一体性を維持した。ガラスシート10の複数の個体部分30間の複数の継ぎ目28は軟化するが互いに再附着して、火災加熱試験24の射水部分の後も、ガラスシート10全体の一体性を維持すると考えられている。
図7は、ガラスシート10の面取りされた縁部30と32との間の不規則な接着継ぎ目28を示す。この独自の結果は、ガラスシート12に適用された前述の特別な焼戻しプロセスによるものと考えられる。
【0028】
焼戻しプロセスに続いて、耐火性ガラス10を、結合ポリマーベースなどの適切なコーティングで覆うようにしてもよい。このようなコーティングは、窓やドアフレーム用に取り付けたときに、防火ガラス10のガラス表面の性能や強度を向上させる助けになる。
【0029】
以下の実施例は、本発明を説明するためのものであり、本発明を限定するものと見なすべきではない。
【0030】
実施例I
長さ96インチ、幅48インチ、厚さ3/4インチ(19ミリメートル)の透明フロート焼なましガラスでできた長方形のシートを、約640-670℃の温度で840秒間焼戻し、その後空気急冷した。次いで、焼戻したシートにNFPA-257火災加熱試験を行い、10分で火災試験部分が粉砕され、この試験は不合格となった。ガラスシートを検査したところ、周辺の欠陥が明らかになった。
【0031】
実施例II
長さ96インチ、幅48インチ、厚さ3/4インチの選択された透明フロート焼きなましガラスでできた矩形シートを、焼戻し炉で、摂氏650度で600秒間焼戻した。次いで、焼戻したシートにNFPA-257火災加熱試験を行い、この火災試験部分を5分で粉砕することによって、試験は不合格であった。破損した時点で、ガラスシートの温度は摂氏約580度(華氏1,000度)に達した。
【0032】
実施例III
長さ96インチ、幅48インチ、厚さ3/4インチ(19ミリメートル)の透明フロート焼きなましガラスでできた長方形シートを選択した。次いで、このシートの周囲の欠陥を検査した。さらに、エッジを細かく削り、ペンシル仕上げにした。約650℃の焼戻し炉で960秒間の長時間、シートを焼戻した。次いで、シートにNFPA-257火災加熱試験を行い、火災試験の15分後に粉砕することによって、この試験は不合格となった。
【0033】
実施例IV
長さが11と1/4インチ、幅11と1/4インチ、厚さ3/4インチ(19ミリメートル)の透明なフロート焼きなましガラスでできた長方形シートを選択した。シートの周辺の欠陥を検査した。次いで、シートのエッジを研磨して、ペンシル状の端部を作成した。次いで、シートを焼戻し炉で約640-670℃の温度で840秒間特別に焼戻し、空気を焼き入れした。次に、特別に焼戻したシートにNFPA-257火災加熱試験を行ったところ、90分の時点で完全性が維持されており、火炎と射水試験を含むこの試験に合格した。
【0034】
実施例V
長さ60インチ、幅20インチ、厚さ3/4インチ(19ミリメートル)の透明フロート焼なましガラスでできた長方形シートを選択した。次いで、シートの周囲の欠陥を検査した。さらに、シートのエッジを磨いて面取り仕上げにした。次に、シートを焼戻し炉で約640-670℃の温度で800秒間特別に焼戻し、空気を焼き入れた。次いで、特別に焼戻したシートに、火炎と射水を含むNFPA-257火災加熱試験を行ったところ、45分の時点で完全性が維持されて、試験に合格した。
【0035】
実施例VI
長さ96インチ、幅48インチ、厚さ3/4インチ(19ミリメートル)の透明フロート焼きなましガラスでできた長方形シートを選択した。シートの周辺の欠陥を検査した。次いで、シートのエッジを研磨して、ペンシル状の端部を作成した。さらに、シートを焼戻し炉で約600-670℃の温度で840 秒間特別に焼戻して、空気を焼入れた。次いで、特別に焼戻したシートにNFPA-257火災加熱試験を行ったところ、90分の時点で完全性が維持されて、火炎と射水部分を含むこの試験に合格した。
【0036】
実施例VII
長さ99と5/8 インチ、幅33インチ、厚さ3/4インチ(19ミリメートル)の透明フロート焼なましガラスの長方形シートを選択した。シートの周辺の欠陥を検査した。次いで、シートのエッジを研磨して、ペンシル状の端部を作成した。さらに、シートを焼戻し炉で約640-670℃の温度で840秒間特別に焼戻し、空気を焼き入れた。次いで、特別に焼戻したシートにNFPA-257火災加熱試験を行ったところ、90分の時点で完全性が維持されて、火炎と射水部分を含むこの試験に合格した。
【0037】
実施例VIII
それぞれの寸法が幅36インチ、高さ76インチ、厚さ3/4インチ(19ミリメートル)の4枚の同じガラス板を、実施例VIの強化プロセスを使用して特別に焼戻した。次いで、特別に焼戻したガラスでできた各強化シートを、消費者製品安全委員会(CPSC)16CFR1201CATII、および米国国立標準研究所(ANSI)Z97.1CATAで指定された試験方法に従って衝撃試験を行った。特別に焼戻したガラスでできた各直立シートは、その中央表面に加えられた400フィート-ポンドの衝撃力を受けた。特別に焼戻したガラスでできたシートはすべて破損することなくこの衝撃力に耐えた。衝撃ステップに続いて、特別に焼戻したガラスでできた各シートのエッジを中心点パンチで壊した。特別に焼戻したガラスでできた各シートの最も長い破損小片を10個収集し、計量した。各シートの10個の小片の合計重量は、10平方インチの壊れていないガラスシート(238グラム)より軽かった。従って、特別に強化したガラスでできた各シートは、CPSC 16 CFR 0201 CATIIとANSI Z97.1CATAのテストをクリアした。