(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】シート包装体
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240416BHJP
B65D 77/20 20060101ALI20240416BHJP
B65D 75/62 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B65D83/08 B
B65D77/20 J
B65D75/62 B
(21)【出願番号】P 2019235365
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-11-01
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】本城 良太
【審査官】植前 津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-188092(JP,A)
【文献】実開平04-056674(JP,U)
【文献】実開昭61-083576(JP,U)
【文献】実開昭61-166976(JP,U)
【文献】実開昭61-175167(JP,U)
【文献】実開昭52-076433(JP,U)
【文献】実開平03-064593(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 83/08
B65D 67/00-79/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数枚のウェットシートが積層されたシート積層体を、フィルムによって形成された包装体によって包装したシート包装体であって、
前記包装体には、接着と剥離を複数回繰り返すことができるシール状の蓋材が貼付されており、
前記蓋材によって前記包装体が覆われている部分には、前記ウェットシートを取り出す取出口を形成するためのミシン目が設けられており、
前記ミシン目は、両端側の端部区間と、その端部区間に挟まれた中央区間と、を有しており、前記端部区間よりも前記中央区間の方が、前記ミシン目における非カット部が短く形成されており、
前記ミシン目の中央区間は、
円形または楕円形または多角形を呈する環状に形成されており、当該シート包装体の使用開始時に前記包装体から前記蓋材が剥離される際に切断され、前記包装体の一部が切り離されて
円形または楕円形または多角形を呈する取出口が形成され、
前記ミシン目の端部区間は、
波形状を呈するように形成されており、当該シート包装体の使用開始時に前記包装体から前記蓋材が剥離される際に切断されないように構成されて
おり、
前記ミシン目の端部区間を前記取出口から切り離すことで、前記取出口から互いに離間する方向に延在し、前記取出口の一部を成す波線状のスリットが形成されるように構成されており、
前記波線状のスリットが前記取出口を通じて引き出される前記ウェットシートに摩擦力を付与することで、次のウェットシートが連なるのを防ぐように構成されていることを特徴とするシート包装体。
【請求項2】
前記ミシン目の両端部には、そのミシン目の延長方向に前記包装体が裂けるのを防止する小孔が設けられていることを特徴とする請求項
1に記載のシート包装体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数枚のウェットシートが積層されたシート積層体を、フィルムによって形成された包装体によって包装したシート包装体が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このシート包装体には、包装体の表面にシール状の蓋材が貼付されており、ウェットシートを使用するためにその蓋材を最初にめくり剥がす際に、蓋材に覆われていた包装体の一部が切り離され、その切り離された跡がウェットシートの取出口となる。
具体的には、蓋材に覆われていた包装体の一部に環状の切込みが形成されており、シール状の蓋材がめくり剥がされる際に、その蓋材に貼り付いていた包装体の一部が切込みに沿って切り離され、ウェットシートを取り出すための取出口が形成されるようになっている。
なお、めくり剥がした蓋材を再び包装体に貼付するように戻すことで、取出口を塞ぐことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の場合、蓋材をめくり剥がして形成された取出口が、ユーザーにとって使い勝手がいいものとは限らなかった。
例えば、取出口が小さいためにウェットシートが取り出し難いということに関する改善の要望や、取出口が大きいためにウェットシートが乾燥し易いということに関する改善の要望などがなされることがあった。
【0005】
本発明の目的は、ユーザーが取出口のサイズを調整できるシート包装体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
複数枚のウェットシートが積層されたシート積層体を、フィルムによって形成された包装体によって包装したシート包装体であって、
前記包装体には、接着と剥離を複数回繰り返すことができるシール状の蓋材が貼付されており、
前記蓋材によって前記包装体が覆われている部分には、前記ウェットシートを取り出す取出口を形成するためのミシン目が設けられており、
前記ミシン目は、両端側の端部区間と、その端部区間に挟まれた中央区間と、を有しており、前記端部区間よりも前記中央区間の方が、前記ミシン目における非カット部が短く形成されており、
前記ミシン目の中央区間は、円形または楕円形または多角形を呈する環状に形成されており、当該シート包装体の使用開始時に前記包装体から前記蓋材が剥離される際に切断され、前記包装体の一部が切り離されて円形または楕円形または多角形を呈する取出口が形成され、
前記ミシン目の端部区間は、波形状を呈するように形成されており、当該シート包装体の使用開始時に前記包装体から前記蓋材が剥離される際に切断されないように構成されており、
前記ミシン目の端部区間を前記取出口から切り離すことで、前記取出口から互いに離間する方向に延在し、前記取出口の一部を成す波線状のスリットが形成されるように構成されており、
前記波線状のスリットが前記取出口を通じて引き出される前記ウェットシートに摩擦力を付与することで、次のウェットシートが連なるのを防ぐように構成されていることを特徴とする。
このようなシート包装体であれば、蓋材を剥離した後、ミシン目を切り離す長さなどを調整して、取出口の大きさをユーザーが所望するサイズに調整することができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシート包装体において、
前記ミシン目の両端部には、そのミシン目の延長方向に前記包装体が裂けるのを防止する小孔が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ユーザーが取出口のサイズを調整できるシート包装体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態のシート包装体を示す斜視図(a)(b)である。
【
図2】本実施形態のシート包装体を示す平面図である。
【
図3】シート包装体を使用する態様を示す斜視図である。
【
図4】シート包装体を使用する態様を示す斜視図である。
【
図5】シート包装体を使用する態様に関する説明図である。
【
図7】シート包装体を使用する態様を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明に係るシート包装体の実施形態について詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
なお、以下においては、
図1に示すように、前後方向、左右方向及び上下方向並びにX軸、Y軸及びZ軸を定めて説明する。すなわち、シート包装体100において、蓋材110が貼付されている側を上、その反対側を下、シート包装体100のエンドシール部121の一方が形成された側を右、他方が形成された側を左、右側のエンドシール部121を手前側に配した際の左手側を前、右手側を後とし、前後方向に沿った軸をX軸、左右方向に沿った軸をY軸、上下方向に沿った軸をZ軸とする。
【0015】
(実施形態1)
[シート包装体]
本実施形態のシート包装体100は、例えば、
図1~
図3に示すように、複数枚のウェットシートPが積層されたシート積層体を包装体120によって包装して、包装体120内にウェットシートPを収容したものである。
包装体120には、接着と剥離を複数回繰り返すことができるシール状の蓋材110が貼付されている。
その蓋材110によって包装体120が覆われている部分には、ウェットシートPを取り出す取出口13を形成するためのミシン目12が設けられている。
【0016】
[ウェットシート]
ウェットシートPは、シート材に薬液が含浸されたものであり、例えば、ウェットティッシュー、トイレクリーナー、制汗シート、キッチンクリーナー等である。
ウェットシートPのシート材は、所定の繊維を繊維素材として、例えば、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の周知の技術により製造される不織布であることが好ましい。
所定の繊維としては、例えば、レーヨン、リヨセル、テンセル、コットン等のセルロース系繊維、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリビニルアルコール等のポリオレフィン系繊維、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル繊維、ナイロン等のポリアミド系繊維が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
また、ウェットシートPのシート材は、目付が30~80gsm、大きさが、MD方向(抄紙機上の紙の進行方向)に100mmから200mm、CD方向(抄紙機上の紙の進行方向と直交する方向)に100mmから200mmに形成されたものが好適である。なお、目付は、JIS P 8124:2011に従って測定した坪量をいう。
また、ウェットシートPに含浸されている薬液としては、ウェットシートPの用途に応じて任意のものを用いることができるが、例えば、精製水、防腐剤、pH調整剤等を含有するものが好ましい。
【0017】
[包装体]
包装体120は、シート状のフィルムによって袋状に形成されたものである。
シート状のフィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂フィルムの単材若しくは複合材、又はこれら合成樹脂フィルムとアルミホイル若しくは紙等を貼り合わせた複合フィルムを使用することができる。シート状のフィルムの厚みは、40μmから70μmであることが好ましい。
この包装体120は、シート状のフィルムの対向する辺同士を接合して、図示しないセンターシール部(包装体120の下面側に形成されている)を形成した上で、筒状となったフィルムの内部にシート積層体を収めた後、筒状のフィルムの両端の開口部を接合して2か所のエンドシール部121,121を形成するようにして、シート積層体を内包したピロー型の包装体に形成されている。
包装体120の大きさは、収容されるシート積層体の大きさに応じて定められるが、包装体120を不必要に大きくすることなく、かつ使用時におけるウェットシートPの取り出しが困難とならないように、シート積層体を若干の余裕をもって収容できる大きさであることが好ましい。
【0018】
[蓋材]
蓋材110は、包装体120とは別体のシート片により形成されており、ミシン目12によって形成されるウェットシートPを取り出す取出口13を開閉自在に覆うように構成されている。
蓋材110を構成するシート片の材料としては、包装体120を構成するフィルムと同様のものを用いることができる。蓋材110を構成するシート片の厚みは、包装体120を構成するフィルムよりも厚く、60μmから80μmであることが好ましい。
【0019】
蓋材110の形状は、取出口13となるミシン目12を完全に覆うことができれば特に限定されることはなく、例えば、矩形状、楕円形状など任意の形状とすることができる。
この蓋材110の裏面には、ポリエステル系、アクリル系、ゴム系等の感圧接着剤が塗布されており、蓋材110は、接着と剥離を複数回繰り返すことができ、取出口13を開閉自在に覆うように包装体120に接着されている。
また、蓋材110は、一端部が包装体120に固定され、他端部には端部から突出した摘み部11が設けられており、その摘み部11の下面には感圧接着剤が塗布されていない。この摘み部11を利用して蓋材110を開閉することが容易となる。
【0020】
[ミシン目]
ミシン目12は、取出口13を形成するための切断線であり、カット部と非カット部が交互に連なっている。
包装体120の上面に形成されているミシン目12は、両端側の端部区間12aと、その端部区間12aに挟まれた中央区間12bと、を有している。
特に、ミシン目12の端部区間12aよりも中央区間12bの方が、ミシン目における非カット部が短く形成されている。
つまり、ミシン目12の端部区間12aよりも中央区間12bの方が、切り離し易くなっている。
本実施形態では、ミシン目12の端部区間12aにおけるミシン目の非カット部は3mm、ミシン目12の中央区間12bにおけるミシン目の非カット部は1mmに形成した。
なお、ミシン目における1つのカット部と1つの非カット部の長さのタイカット比は任意であり、端部区間12aよりも中央区間12bの方が切り離し易いミシン目12であればよい。
なお、ここでは、
図1(b)に示すように、シート包装体100の使用開始時に蓋材110が包装体120から剥離された状態で、ミシン目12(端部区間12a、中央区間12b)の全てが切断されずに残されているものとする。
【0021】
[取出口]
実施形態1における包装体120のミシン目12の中央区間12bは円形を呈する環状に形成されており、その中央区間12bを切り離すと円形の開口が形成される。
実施形態1における包装体120のミシン目12の端部区間12aは直線状に形成されており、その端部区間12aを切り離すと直線状のスリットが形成される。
このミシン目12の中央区間12bを切り離して形成された円形の開口と、ミシン目12の端部区間12aを切り離して形成された直線状のスリットとによって、ウェットシートPを取り出すための取出口13が構成されるようになっている。
なお、ミシン目12の中央区間12bは楕円形(長円形)を呈する環状に形成されていてもよい。その場合、中央区間12bを切り離すと楕円形(長円形)の開口が形成される。
【0022】
そして、本実施形態のシート包装体100の取出口13は、ミシン目12(端部区間12a、中央区間12b)を切り離して形成されるので、その取出口13の大きさはミシン目12(端部区間12a、中央区間12b)を切り離す程度(長さや量)によって調整することができる。
具体的には、本実施形態のシート包装体100の場合、ミシン目12の中央区間12bのみを切り離して形成した開口が最小の取出口13となる。そのミシン目12の中央区間12bの開口である取出口13と連続するようにミシン目12の端部区間12aを切り離し、その切り離す長さや量を調整することで、取出口13のサイズを調整できる。
本実施形態のミシン目12の端部区間12aには、ミシン目の非カット部がそれぞれ4つあるので(
図2参照)、端部区間12aの内端側の非カット部(端部区間12aの中央区間12b寄りの非カット部)から順にミシン目の非カット部を切り離すことによって、取出口13のサイズの調整を行うことができる。
つまり、端部区間12aの内端側からミシン目の非カット部を多く切り離せれば、大きなサイズの取出口13を形成でき、ミシン目の非カット部を少なく切り離せれば、小さなサイズの取出口13を形成できる。
【0023】
例えば、
図3に示すシート包装体100では、端部区間12aの内端側の非カット部をそれぞれ3つ切り離してなるスリットを、中央区間12bの開口に繋げて取出口13を形成している。
これに対し、端部区間12aの内端側の非カット部をそれぞれ2つ(または1つ)切り離してなるスリットを、中央区間12bの開口に繋げて取出口13を形成すれば、
図3に示すシート包装体100の取出口13よりも小さな取出口13(小さく開く取出口13)にすることができる。
また、端部区間12aの内端側の非カット部をそれぞれ4つ(全て)切り離してなるスリットを、中央区間12bの開口に繋げて取出口13を形成すれば、
図3に示すシート包装体100の取出口13よりも大きな取出口13(大きく開く取出口13)にすることができる。
こうして、ユーザーが使い易いサイズに、シート包装体100の取出口13の大きさを調整することができる。
【0024】
なお、ミシン目12の端部区間12aの非カット部を切り離してなるスリットは左右対称に形成することに限らず、左右非対称であってもよい。例えば、シート包装体100(包装体120)における右側の端部区間12aの非カット部を3つ切り離し、左側の端部区間12aの非カット部を1つ切り離すようにしてもよい。
【0025】
[裂け止めの小孔]
また、ミシン目12の両端部(ミシン目12の端部区間12aの外端)には、そのミシン目12の延長方向にフィルム製の包装体120が裂けるのを防止する円形の小孔12cが設けられている。
包装体120のミシン目12の外端に、裂け止めとして機能する小孔12cが設けられていれば、ミシン目12以外にフィルムの裂け目が広がり難くなっているので、必要以上にフィルム(包装体120)が裂けて取出口13が大きくなり過ぎるのを防ぐことができる。
【0026】
[効果の説明]
以上のように、本実施形態のシート包装体100の取出口13は、ミシン目12(端部区間12a、中央区間12b)を切り離して形成されるので、そのミシン目12を切り離す長さや量を調整して、取出口13の大きさを調整することができる。
例えば、ウェットシートPを取り出し易くしたいユーザーは、ミシン目12の中央区間12bを切り離すとともに、端部区間12aの非カット部をより多く切り離して、取出口13が大きく開くようにすればよい。
また、ウェットシートPを乾燥し難くしたいユーザーは、ミシン目12の中央区間12bを切り離すのみか、それに加えて端部区間12aを最小限切り離して、取出口13を小さくするようにすればよい。
このようなミシン目12が設けられているシート包装体100であれば、ユーザーが使い易いように、取出口13のサイズを調整することができる。
【0027】
特に、このシート包装体100の場合、ミシン目12の端部区間12aが切り離されて取出口13の一部を成していても、ウェットシートPの取り出しがない状態では、端部区間12aの切片が突き合わされて切断箇所は閉じた態様になるので、ウェットシートPに含浸されている薬液が蒸散するのを抑えることができる。
【0028】
[実施形態1の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、
図4に示すように、ミシン目12の中央区間12bを完全に切り離さずに、その中央区間12bの円形部分を包装体120に残すようにしてもよい。
本実施形態のミシン目12の中央区間12bには、ミシン目の非カット部が2つあるので、一方の非カット部を切り離さないようにすれば、ミシン目12の中央区間12bの円形部分を包装体120に残すことができる。
ミシン目12の中央区間12bに対応する円形部分を包装体120に残した場合、シート包装体100からウェットシートPの取り出しがない状態では、中央区間12bに対応する円形部分が取出口13の開口の円形部分を閉じるようになるので、ウェットシートPに含浸されている薬液が蒸散するのをより一層抑えることができる。
【0029】
また、ミシン目12の中央区間12bは、包装体120から蓋材110が剥離される際に切断され、ミシン目12の端部区間12aは、包装体120から蓋材110が剥離される際に切断されないように構成されていてもよい。つまり、シート包装体100の使用開始時に包装体120から蓋材110が剥離された状態で、ミシン目12の一部(中央区間12b)が切断され、ミシン目12の大部分(端部区間12a)が切断されずに残されているようにしてもよい。
具体的には、例えば、
図5に示すように、シート包装体100の使用開始時に、包装体120から蓋材110を剥離する際に、蓋材110の裏面に設けられている感圧接着剤の粘着力によってミシン目12の中央区間12bが切断され、その中央区間12bに対応する円形部分が切り離される。
このとき、ミシン目12の端部区間12aの非カット部は切り離されず、その端部区間12aの非カット部はユーザーによって切り離されるようになっている。
このようにすれば、シート包装体100の使用開始時に、ミシン目12の中央区間12bのみが切り離された最小の取出口13が形成されるので、その後にユーザーがミシン目12の端部区間12aの非カット部を切り離して、所望するサイズの取出口13を形成し易い。
【0030】
(実施形態2)
次に、本発明に係るシート包装体の実施形態2について説明する。なお、実施形態1と同一部分には同符号を付し、異なる部分についてのみ説明する。
【0031】
図6に示すように、シート包装体100の包装体120の上面には、取出口13を形成するためのミシン目12が形成されている。
実施形態2のシート包装体100のミシン目12も、両端側の端部区間12aと、その端部区間12aに挟まれた中央区間12bと、を有している。
実施形態2における包装体120のミシン目12の中央区間12bは円形を呈する環状に形成されており、その中央区間12bを切り離すと円形の開口が形成される。
実施形態2における包装体120のミシン目12の端部区間12aは波形状を呈するように形成されており、その端部区間12aを切り離すと波線状のスリットが形成される。
なお、ここでの端部区間12aは曲線的な波形状(例えば正弦波形状)を呈しており、そのミシン目12の端部区間12aを切り離すと曲線状の波形のスリットが形成される。
そして、ミシン目12の中央区間12bを切り離して形成された円形の開口と、ミシン目12の端部区間12aを切り離して形成された波線状のスリットとによって、ウェットシートPを取り出すための取出口13が構成されるようになっている。
【0032】
この実施形態2の波形状を呈する端部区間12aにも、ミシン目の非カット部がそれぞれ4つあるので(
図6参照)、端部区間12aの内端側の非カット部(端部区間12aの中央区間12b寄りの非カット部)から順にミシン目の非カット部を切り離すことによって、取出口13のサイズの調整を行うことができる。
例えば、
図7に示すシート包装体100では、端部区間12aの内端側の非カット部をそれぞれ3つ切り離してなる波線状のスリットを、中央区間12bを切り離した開口に繋げて取出口13を形成している。
このようなミシン目12でも、シート包装体100の取出口13の大きさをユーザーが使い易いサイズに調整することができる。
【0033】
特に、シート包装体100(包装体120)の取出口13の縁が波形に形成されている場合、取出口13を通じて引き出されるウェットシートPに摩擦力を付与し易く、取出口13の縁がウェットシートPを保持するように作用するので、ウェットシートPが引き出される際に、次のウェットシートPが連なるのを防ぎ易くなっている。
また、シート包装体100(包装体120)の取出口13の縁が波形に形成されている場合でも、ウェットシートPの取り出しがない状態では、ミシン目12の端部区間12aの切片が突き合わされて切断箇所は閉じた態様になるので、ウェットシートPに含浸されている薬液が蒸散するのを抑えることができる。
【0034】
[実施形態2の変形例]
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。
例えば、
図8に示すように、包装体120のミシン目12の中央区間12bが四角形(菱形)を呈する環状に形成されており、その中央区間12bを切り離すと四角形の開口が形成されるようにしてもよい。
また、
図8に示すように、包装体120のミシン目12の端部区間12aが波形状を呈するように形成されており、その端部区間12aを切り離すと波線状のスリットが形成されるようにしてもよい。なお、ここでの端部区間12aは折線的な波形状を呈しており、そのミシン目12の端部区間12aを切り離すとジグザグ状の波形(三角波形)のスリットが形成される。
そして、ミシン目12の中央区間12bを切り離して形成された菱形の開口と、ミシン目12の端部区間12aを切り離して形成された三角波形のスリットとによって、ウェットシートPを取り出すための取出口13が構成されるようになっている。
このようなミシン目12でも、ユーザーが使い易いサイズに、シート包装体100の取出口13の大きさを調整することができる。
【0035】
また、
図9に示すように、包装体120のミシン目12の中央区間12bが四角形(矩形)を呈する環状に形成されており、その中央区間12bを切り離すと四角形の開口が形成されるようにしてもよい。
また、
図9に示すように、包装体120のミシン目12の端部区間12aが波形状を呈するように形成されており、その端部区間12aを切り離すと波線状のスリットが形成されるようにしてもよい。なお、ここでの端部区間12aは折線的な波形状を呈しており、そのミシン目12の端部区間12aを切り離すと方波形のスリットが形成される。
そして、ミシン目12の中央区間12bを切り離して形成された矩形の開口と、ミシン目12の端部区間12aを切り離して形成された方波形のスリットとによって、ウェットシートPを取り出すための取出口13が構成されるようになっている。
このようなミシン目12でも、ユーザーが使い易いサイズに、シート包装体100の取出口13の大きさを調整することができる。
【0036】
なお、包装体120のミシン目12の中央区間12bは四角形を呈する環状(角環状)に形成されていることに限らず、三角形や五角形など多角形を呈する環状に形成されていてもよい。
【0037】
なお、以上の実施の形態においては、ミシン目12の端部区間12aには、ミシン目の非カット部がそれぞれ4つあるとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、端部区間12aにおけるミシン目のカット部や非カット部の数は任意であり、取出口13のサイズ調整の段階数に応じて適宜設計すればよい。
同様に、ミシン目12の中央区間12bにおけるミシン目のカット部や非カット部の数も任意であり、適宜設計すればよい。
【0038】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
100 シート包装体
110 蓋材
11 摘み部
120 包装体
12 ミシン目
12a 端部区間
12b 中央区間
12c 小孔
13 取出口
P ウェットシート