(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01C 21/26 20060101AFI20240416BHJP
G08G 1/0969 20060101ALI20240416BHJP
G09B 29/00 20060101ALI20240416BHJP
G06T 11/60 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G01C21/26 B
G08G1/0969
G09B29/00 A
G06T11/60 300
(21)【出願番号】P 2020175374
(22)【出願日】2020-10-19
【審査請求日】2023-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】500578216
【氏名又は名称】株式会社ゼンリンデータコム
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】世古 将伸
【審査官】佐藤 吉信
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-197060(JP,A)
【文献】特開2012-242237(JP,A)
【文献】特開2003-114130(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G01C 23/00-25/00
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00-29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の地図データを各地図データに対応付けられた順位にしたがって重畳して出力することが可能なナビゲーション装置であって、
走行中の道路に対応するリンクである走行中リンクを特定する走行中リンク特定部と、
前記複数の地図データのうち前記走行中リンクを含む1つの地図データから、
前記走行中リンク、及び前記走行中リンクに
分岐を生じさせずに順次に接続する少なくとも1つのリンク、を含む第1リンク群
と、
nを2以上の任意の自然数として、第(n-1)リンク群から分岐した少なくとも1つの第nリンク群であって、第(n-1)リンク群に含まれるリンク間のノードを始点として分岐を生じさせずに順次に接続する少なくとも1つのリンクを含む少なくとも1つの第nリンク群と、
を取得するリンク群取得部と、
前記複数の地図データのうち前記1つの地図データとは異なる他の地図データに含まれるリンクよりも上位に前記第1リンク群
及び前記少なくとも1つの第nリンク群が重畳されるように、前記第1リンク群を出力する出力部と
を備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記リンク群取得部は、前記第1リンク群のリンク長が第1閾値未満となるように、前記第1リンク群を取得する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記第1リンク群に含まれるリンクに対応付けられた第1施設に関する第1施設情報を取得する第1施設情報取得部を、更に備え、
前記出力部は、更に、前記第1施設情報を、前記第1リンク群に含まれる該リンクに対応付けて出力する、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記少なくとも1つの第nリンク群に含まれるリンクに対応付けられた第n施設に関する第n施設情報を取得する第n施設情報取得部を、更に備え、
前記出力部は、更に、前記第n施設情報を、前記第nリンク群に含まれる該リンクに対応付けて出力する、請求項
1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
複数の地図データを各地図データに対応付けられた順位にしたがって重畳して出力することが可能なコンピュータが実行するナビゲーション方法であって、
走行中の道路に対応するリンクである走行中リンクを特定するステップと、
前記複数の地図データのうち前記走行中リンクを含む1つの地図データから、
前記走行中リンク、及び前記走行中リンクに
分岐を生じさせずに順次に接続する少なくとも1つのリンク、を含む第1リンク群
と、
nを2以上の任意の自然数として、第(n-1)リンク群から分岐した少なくとも1つの第nリンク群であって、第(n-1)リンク群に含まれるリンク間のノードを始点として分岐を生じさせずに順次に接続する少なくとも1つのリンクを含む少なくとも1つの第nリンク群と、
を取得するステップと、
前記複数の地図データのうち前記1つの地図データとは異なる他の地図データに含まれるリンクよりも上位に前記第1リンク群
及び前記少なくとも1つの第nリンク群が重畳されるように、前記第1リンク群を出力するステップと、
を含む、ナビゲーション方法。
【請求項6】
複数の地図データを各地図データに対応付けられた順位にしたがって重畳して出力することが可能なコンピュータが実行するナビゲーション方法であって、
走行中の道路に対応するリンクである走行中リンクを特定するステップと、
前記複数の地図データのうち前記走行中リンクを含む1つの地図データから、
前記走行中リンク、及び前記走行中リンクに
分岐を生じさせずに順次に接続する少なくとも1つのリンク、を含む第1リンク群
と、
nを2以上の任意の自然数として、第(n-1)リンク群から分岐した少なくとも1つの第nリンク群であって、第(n-1)リンク群に含まれるリンク間のノードを始点として分岐を生じさせずに順次に接続する少なくとも1つのリンクを含む少なくとも1つの第nリンク群と、
を取得するステップと、
前記複数の地図データのうち前記1つの地図データとは異なる他の地図データに含まれるリンクよりも上位に前記第1リンク群
及び前記少なくとも1つの第nリンク群が重畳されるように、前記第1リンク群を出力するステップと、
を含む、ナビゲーション方法を実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの設定した目的地までの誘導経路を地図データや交通情報等を基に作成して表示するナビゲーション装置が普及している。例えば、特許文献1には、車載用ナビゲーション装置において、地図データの格納順に出力画面を描画することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、地図データの格納順に出力画面を描画すると、例えば、一般道路を走行中にも関わらず当該一般道路の上にある高速道路が重畳(上書き)される場合のように、走行中の道路を把握することが困難となる場合がある。また、これによって、走行中の道路に接続された道路や周辺施設への接続状態を把握することも困難となり得る。
【0005】
そこで、本発明は、走行中の道路の接続状況を容易に把握することが可能なナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るナビゲーション装置は、複数の地図データを各地図データに対応付けられた順位にしたがって重畳して出力することが可能なナビゲーション装置であって、走行中の道路に対応するリンクである走行中リンクを特定する走行中リンク特定部と、複数の地図データのうち走行中リンクを含む1つの地図データから、走行中リンク、及び走行中リンクに順次に接続する少なくとも1つのリンク、を含む第1リンク群を取得するリンク群取得部と、複数の地図データのうち1つの地図データとは異なる他の地図データに含まれるリンクよりも上位に第1リンク群が重畳されるように、第1リンク群を出力する出力部と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、走行中の道路の接続状況を容易に把握することが可能なナビゲーション装置、ナビゲーション方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態に係るナビゲーション装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。
【
図2】本実施形態に係るナビゲーション装置10の機能構成の一例を示す図である。
【
図3】本実施形態に係るナビゲーション装置10が取得及び出力するリンク群を説明するための概略図である。
【
図4】本実施形態に係るナビゲーション装置10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【
図5】本実施形態に係るナビゲーション装置10が出力する出力画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。なお、各図において、同一の符号を付したものは、同一又は同様の構成を有する。
【0010】
<ハードウェア構成>
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。ナビゲーション装置10は、第1モード及び第2モードという2つの動作モードを有している。ここで、第1モードでは、ナビゲーション装置10は、複数の地図データを各地図データに対応付けられた順位にしたがって重畳して出力することが可能である。また、第2モードでは、ナビゲーション装置10は、当該順位に関わらず、走行中の道路に対応するリンクを含む所定のリンク群を、当該リンク群が他の所定のリンクよりも上位に重畳されるように出力することが可能である。本実施形態では、ナビゲーション装置10として、例えば、車載装置、携帯電話機(スマートフォンを含む)、タブレット端末、眼鏡型ウェアラブルデバイスなどを用いることができる。
【0011】
ナビゲーション装置10は、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphical Processing Unit)等のプロセッサ11、メモリ、HDD(Hard Disk Drive)及び/又はSSD(Solid State Drive)等の記憶装置12、所定の通信ネットワークと有線又は無線通信を行う通信IF(Interface)13、入力操作を受け付ける入力デバイス14、情報の出力を行う出力デバイス15、及びセンサ16を有する。入力デバイス14は、例えば、キーボード、タッチパネル、マウス及び/又はマイク等である。出力デバイス15は、例えば、ディスプレイ及び/又はスピーカ等である。センサ16は、例えば、GPS(Global Positioning System)受信器、車速センサ、高度センサ及び/又はジャイロセンサ等である。
【0012】
<機能構成>
図2は、本実施形態に係るナビゲーション装置10の機能構成の一例を示す図である。
図3は、本実施形態に係るナビゲーション装置10が取得及び出力するリンク群を説明するための概略図である。以下では、適宜
図3を参照しつつ、
図2に基づいてナビゲーション装置10の機能構成について説明する。
【0013】
図2に示すとおり、ナビゲーション装置10は、例えば、記憶部101と、走行中リンク特定部102と、リンク群取得部103と、施設情報取得部104と、出力部105とを含む。記憶部101は、ナビゲーション装置10が備える記憶装置12を用いて実現することができる。また、走行中リンク特定部102と、リンク群取得部103と、施設情報取得部104と、出力部105とは、ナビゲーション装置10のプロセッサ11が、記憶装置12に記憶されたプログラムを実行することにより実現することができる。また、当該プログラムは、記憶媒体に格納することができる。当該プログラムを格納した記憶媒体は、コンピュータ読み取り可能な非一時的な記憶媒体(Non-transitory computer readable medium)であってもよい。非一時的な記憶媒体は特に限定されないが、例えば、USBメモリ又はCD-ROM等の記憶媒体であってもよい。
【0014】
記憶部101は、複数の地図データ101aを記憶する。各地図データ101aは、例えば、高速道路や一般道路などの種別の異なるそれぞれの道路に対応していてもよい。ここで、複数の地図データ101aの各々には所定の順位が対応付けられている。上述した第1モードでは、各地図データ101aは、出力部105により当該順位にしたがって重畳されて出力デバイス15等に出力され得る。また、上述した第2モードでは、当該順位に関わらず、地図データ101aから走行中の道路に対応するリンクを含む所定のリンク群が取得された上で、出力部105により当該リンク群が他の所定のリンクよりも上位に重畳されるように出力され得る。
【0015】
地図データ101aは、例えば、道路の形状や接続状態を示すためのノードデータ、及びリンクデータや、これらに対応する地図を描画するための描画データを含む。ノードデータは、複数の道路が接続する地点等の地図上の任意の地点に対応するノードに関するデータであり、例えば、ノードの位置情報(経度及び緯度、高度等)等の各種情報を含む。リンクデータは、各道路に対応するリンクに関するデータであり、例えば、リンクが接続するノードの識別情報、リンクの方向、リンクに対応する道路の道幅や種別、リンクに対応する道路の高度、及びリンクの方向等を含む。
【0016】
地図データ101aは、例えば、リンクに対応付けられた施設に関する施設情報を含んでもよい。施設情報は、例えば、施設の名称、種類、住所や、施設へのアクセスに関する情報を含んでもよい。施設へのアクセスに関する情報は、例えば、収容量(駐車台数等)や、アクセスに掛かる費用(入場料金、駐車料金等)を含んでもよい。
【0017】
走行中リンク特定部102は、走行中のリンクである走行中リンクを特定する。走行中リンクは、ナビゲーション装置10の現在位置が置かれた道路に対応するリンクである。
図3において、上向きの略三角形は、ナビゲーション装置10の現在位置の一例を示しており、当該略三角形が重畳され符号ML1が付された直線は、走行中リンクの一例を示している。走行中リンク特定部102は、走行中リンクの特定において、例えば、センサ16が取得する位置情報(経度及び緯度等)及び高度情報を地図データ101aと照合することにより走行中リンクの候補を絞ってもよい。また、走行中リンク特定部102は、走行中リンクの特定において、例えば、記憶部101等に記憶された直近の所定期間の走行履歴に基づいて走行中リンクの候補を絞ってもよい。すなわち、走行中リンク特定部102は、地図データ101aに含まれるリンクから、当該走行履歴に含まれるリンク(すなわち、直近の所定期間に走行したリンク)に接続するリンクを選択し、選択されたリンクを走行中リンクの候補としてもよい。なお、走行履歴は、センサ16の出力に基づいて算出されて記憶部101に記憶されてもよいし、通信IFを介して他の情報処理装置から取得されてもよい。
【0018】
リンク群取得部103は、例えば、所定のリンク群を取得する。リンク群は、例えば、以下に説明する第1リンク群や、第nリンク群等を含んでよい。すなわち、リンク群取得部103は、第1リンク群取得部、及び第nリンク群取得部としての機能を有してもよい。
【0019】
第1リンク群は、例えば、走行中リンクを含む地図データから取得される、走行中リンクと、走行中リンクに順次に接続する少なくとも1つのリンクとを含む、リンクの集合である。ここで、「順次に接続する」とは、例えば、リンクの分岐を生じさせずにリンク同士がノードを介して接続することであってよい。例えば、
図3には、走行中リンクML1と、走行中リンクML1に順次に接続する3つのリンクL11、L12、及びL13とがそれぞれ実線で示されており、これら走行中リンクML1と3つのリンクL11、L12、及びL13とを含んで第1リンク群が構成される。なお、これらリンクはノードN11、N12、N13、及びN14を介してそれぞれ接続している。
【0020】
リンク群取得部103は、第1リンク群のリンク長が所定閾値(第1閾値)未満となるように、第1リンク群を構成してもよい。ここで、「第1リンク群のリンク長」は、第1リンク群に含まれるリンクの長さの合計であってよい。例えば、
図3に示す例では、第1リンク群のリンク長は、走行中リンクML1、及び3つのリンクL11、L12、及びL13それぞれのリンク長の合計であってよい。なお、リンク群取得部103は、第1リンク群の始点のノード(例えば
図3に示すノードN11)と終点のノード(例えば
図3に示すノードN15)との間の距離が所定閾値未満となるように第1リンク群を構成してもよい。
【0021】
リンク群取得部103は、更に、少なくとも1つの第nリンク群を取得してもよい(ただし、nは2以上の任意の自然数とする)。ここで、第nリンク群は、走行中リンクを含む地図データから取得される、第(n-1)リンク群に含まれるリンク間の1つのノードを始点として順次に接続する少なくとも1つのリンクの集合である。
【0022】
例えばnが2の場合、第2リンク群が規定される。すなわち、第2リンク群は、第1リンク群に含まれるリンク間の1つのノードを始点として、当該ノードに対して順次に接続する少なくとも1つのリンクの集合である。例えば、
図3には、第1リンク群に含まれるリンクML1、L11、L12、及びL13間の3つのノードN12、N13、及びN14のそれぞれを始点として順次に接続する複数のリンクがそれぞれ点線で示されている。例えば、ノードN12を始点として順次に(ノードN21を介して)接続する3つのノードN21が、1つの第2リンク群を構成する。同様に、ノードN12を始点として順次に(ノードN22を介して)接続する3つのノードN22が、1つの第2リンク群を構成する。同様に、ノードN13を始点として順次に(ノードN23を介して)接続する3つのノードN23が、1つの第2リンク群を構成する。同様に、ノードN13を始点として順次に(ノードN24を介して)接続する3つのノードN24が、1つの第2リンク群を構成する。同様に、ノードN14を始点として順次に(ノードN25を介して)接続する3つのノードN25が、1つの第2リンク群を構成する。同様に、ノードN14を始点として順次に(ノードN26を介して)接続する3つのノードN26が、1つの第2リンク群を構成する。
【0023】
リンク群取得部103は、第nリンク群のリンク長が所定閾値(第n閾値)未満となるように、第nリンク群を構成してもよい。ここで、「第nリンク群のリンク長」は、第nリンク群に含まれるリンクの長さの合計であってよい。例えば、
図3に示す例では、ノードN12を始点として順次に接続する3つのリンクL21から成る第2リンク群のリンク長は、当該3つのリンクL21のリンク長の合計となる。なお、リンク群取得部103は、第nリンク群の始点のノードと終点のノードとの間の距離が所定閾値未満となるように第nリンク群を構成してもよい。また、第n閾値は、第(n-1)閾値以下となるように設定されてもよい。
【0024】
施設情報取得部104は、地図データ101a等から施設情報を取得する。施設情報は、例えば、施設の名称、種類、住所や、施設へのアクセスに関する情報を含んでもよい。施設へのアクセスに関する情報は、例えば、収容量(駐車台数等)や、アクセスに掛かる費用(入場料金、駐車料金等)を含んでもよい。施設情報取得部104は、特に、第1リンク群に関連する施設情報である第1施設情報や、第nリンク群に関連する施設情報である第n施設情報を取得してもよい。すなわち、施設情報取得部104は、第1施設情報取得部、及び第n施設情報取得部としての機能を有してもよい。例えば、
図3では、符号F1が付されたオブジェクトが第1施設情報を示しており、符号F2が付されたオブジェクトが第2施設情報を示している。
【0025】
出力部105は、各種の情報を出力デバイス15に出力する。具体的には、出力部105は、各地図データ101aから取得されたデータを重畳させて構成される各種の画面を出力デバイス15のディスプレイに表示してもよいし、各種の音声を出力デバイス15のスピーカから出力してもよい。ここで、「重畳する」とは、例えば、あるデータが視認可能となるように、他のデータに上書きすることを含んでもよい。特に、出力部105は、上述した第1モード及び第2モードを有してもよい。上述した第1モードでは、出力部105は、各地図データ101aに対応付けられた順位にしたがって重畳して出力デバイス15のディスプレイに表示してもよい。
【0026】
上述した第2モードでは、出力部105は、リンク群取得部103が取得したリンク群を出力してもよい。ここで、「リンク群を出力する」とは、リンク群に含まれるリンクに対応する道路自体を表示すること、及び当該道路に沿った経路を示す線図等のオブジェクトを表示すること等を含んでもよい。また、出力部105は、施設情報取得部104が取得した所定の施設情報を出力してもよい。ここで、「施設情報を出力する」とは、施設情報を出力することの他に、施設自体(施設の区画や外観)を表示すること等を含んでもよい。特に、上述した第2モードでは、出力部105は、リンク群取得部103が取得したリンク群を、他の地図データよりも上位に重畳されるように(最上位に)出力してもよい。例えば、出力部105は、走行中リンクが含まれる地図データ101aとは異なる他の地図データ101aに含まれるリンクよりも上位に(最上位に)、上述したリンク群(第1リンク群、第nリンク群)や施設情報(第1施設情報、第n施設情報)が重畳されるように、当該リンク群及び施設情報を出力してもよい。これにより、例えば、リンク群取得部103が取得したリンク群に含まれるリンクに対応する道路(例えば、一般道路等)の上に他の道路(例えば、高速道路等)が位置する場合、当該他の道路に対応する地図データの上に、当該リンク群やそれに関連する施設情報が出力され得る。そのため、走行中の道路やその接続状況を容易に把握することが可能となる。
【0027】
<処理手順>
図4は、本実施形態に係るナビゲーション装置10が行う処理手順の一例を示すフローチャートである。
【0028】
(S101)まず、走行中リンク特定部102は、走行中のリンクである走行中リンクを特定する。走行中リンク特定部102は、走行中リンクの特定において、例えば、センサ16が取得する位置情報(経度及び緯度等)及び高度情報を各地図データ101aと照合することにより走行中リンクの候補を絞ってもよい。また、走行中リンク特定部102は、走行中リンクの特定において、例えば、記憶部101等に記憶された直近の所定期間の走行履歴に基づいて走行中リンクの候補を絞ってもよい。すなわち、走行中リンク特定部102は、地図データ101aに含まれるリンクから、当該走行履歴に含まれるリンク(すなわち、直近の所定期間に走行したリンク)に接続するリンクを選択し、選択されたリンクを走行中リンクの候補としてもよい。
【0029】
(S102)次に、リンク群取得部103は、第1リンク群のリンク長が第1閾値未満であるか否かを判定する。リンク群取得部103は、例えば、第1リンク群に含まれる各リンク(走行中リンク、及び後述するステップS103で追加されたリンク)のリンク長を地図データ101aから取得し、それらを合計して第1リンク群のリンク長を算出した上で、当該リンク長を第1閾値と比較する。第1閾値は、特に限定されず任意の長さであってよいが、例えば、3kmであってよい。なお、リンク群取得部103は、第1リンク群のリンク長として、第1リンク群の両端に位置する2つのノード間の距離を算出してもよいし、ナビゲーション装置10の現在位置から第1リンク群の一端(現在位置から遠い側の一端)に位置するノードまでの距離を算出してもよい。
【0030】
(S103)第1リンク群のリンク長が第1閾値未満であると判定された場合(S102;Yes)、リンク群取得部103は、第1リンク群の終点のノードに接続するリンクを走行中リンクが含まれる地図データ101aから取得した上で、当該リンクを第1リンク群に追加する。そして、処理はステップS102に戻る。
【0031】
(S104)一方、第1リンク群のリンク長が第1閾値未満でない(第1閾値以上である)と判定された場合(S102;No)、施設情報取得部104は、地図データ101aから第1施設情報を取得する。ここで、第1施設情報は、第1リンク群に含まれる各リンクに対応付けられた施設(第1施設)に関する情報であってよい。第1施設情報は、例えば、施設の名称、種類、住所やアクセスに関する情報を含んでもよい。アクセスに関する情報は、例えば、収容量(駐車台数等)や、アクセスに掛かる費用(入場料金、駐車料金等)を含んでもよい。
【0032】
(S105)次に、リンク群取得部103は、第1リンク群に含まれるリンク間の各ノードについて、第1リンク群に含まれるリンク以外のリンクが接続している場合は、当該リンクのそれぞれについて新たに第2リンク群を設定する。
【0033】
(S106)次に、リンク群取得部103は、各第2リンク群について、リンク長が第2閾値未満であるか否かを判定する。リンク群取得部103は、例えば、各第2リンク群について、当該第2リンク群に含まれる各リンクのリンク長を地図データ101aから取得し、それらを合計することにより当該第2リンク群のリンク長を算出した上で、当該リンク長を第2閾値と比較する。第2閾値は、特に限定されず任意の長さであってよいが、例えば、1kmであってよい。
【0034】
(S107)いずれかの第2リンク群のリンク長が第2閾値未満であると判定された場合(S106;Yes)、リンク群取得部103は、当該第2リンク群の終点のノードに接続するリンクを走行中リンクが含まれる地図データ101aから取得した上で、当該リンクを当該第2リンク群に追加する。そして、処理はステップS106に戻る。
【0035】
(S108)一方、全ての第2リンク群のリンク長が第2閾値未満でない(第2閾値以上である)と判定された場合(S106;No)、施設情報取得部104は、地図データ101aから第2施設情報を取得する。ここで、第2施設情報は、第2リンク群に含まれる各リンクに対応付けられた施設(第2施設)に関する情報であってよい。第2施設情報は、例えば、施設の名称、種類、住所やアクセスに関する情報を含んでもよい。アクセスに関する情報は、例えば、収容量(駐車台数等)や、アクセスに掛かる費用(入場料金、駐車料金等)を含んでもよい。
【0036】
(S109)次に、出力部105は、第1リンク群及び第2リンク群を出力する。このとき、出力部105は、第1リンク群及び第2リンク群を、第1リンク群及び第2リンク群を含む地図データ101aとは異なる他の地図データ101aよりも上位に(最上位に)重畳されるように出力してもよい。具体的には、出力部105は、第1リンク群及び/又は第2リンク群に含まれるリンクに対応する道路(例えば、一般道路等)の上に他の道路(例えば、高速道路等)が位置する場合、当該他の道路に対応する地図データの上に、第1リンク群及び第2リンク群を出力してもよい。なお、以降は、周期的にステップS101~S109の処理が繰り返されてもよいし、所定の条件が満たされた場合(例えば、ユーザが入力デバイス14により所定の操作を行ったこと等)に、ステップS101~S109の処理が実行されてもよい。
【0037】
<出力画面>
図5は、本実施形態に係るナビゲーション装置10が出力する出力画面の一例を示す図である。
図5には、出力画面の一例として、上述した第2モードにおいて出力部105が出力デバイス15に出力する画面200が示されている。画面200は、略円に囲まれた略三角形のオブジェクト200Aを含んでおり、当該オブジェクト200Aは、ナビゲーション装置10の現在位置を示している。
【0038】
更に、画面200には、第1リンク群に含まれる走行中リンクML1と、第1リンク群に含まれるリンクL11、及びL12が表示されている。更に、画面200には、これらリンクML1、L11、及びL12に対応する道路の形状が表示されている。更に、画面200には、第1リンク群に含まれる各リンク間のノードN11、及びN12が表示されている。
【0039】
更に、画面200には、第1リンク群に含まれるリンクに対応付けられた施設に関する第1施設情報F1が表示されている。
図5に示す例では、第1施設情報F1として施設を示すオブジェクトが表示されている。
【0040】
更に、画面200には、第2リンク群に含まれるリンクL21、L22、L23、及びL24が表示されている。例えば、複数のリンクL21が1つの第2リンク群に対応し、複数のリンクL22が1つの第2リンク群に対応し、複数のリンクL23が1つの第2リンク群に対応し、複数のリンクL24が1つの第2リンク群に対応する。更に、画面200には、これらリンクに対応する道路が表示されている。更に、画面200には、第2リンク群に含まれる各リンク間のノードN21、N22、N23、及びN24が表示されている。
【0041】
更に、画面200には、第2リンク群に含まれるリンクに対応付けられた施設に関する第2施設情報F2が表示されている。
図5に示す例では、第2施設情報F2として施設を示すオブジェクトが表示されている。
【0042】
更に、画面200には、第3リンク群に含まれるリンクL3、ノードN3、及び第3リンク群に含まれるリンクL3に対応付けられた第3施設情報F3が、第1リンク群及び第2リンク群、並びに第1施設情報及び第2施設情報と同様の態様で表示されている。
【0043】
図5において、点線Hは、第1リンク群、第2リンク群、及び/又は第3リンク群が含むリンクに対応付けられた道路(例えば、一般道路)の上に位置する他の道路(例えば、高速道路)を示している。上述したように、第2モードでは、出力部105はリンク群や施設情報を、これらを含む地図データ101aとは異なる他の地図データ101aよりも上位に重畳されるように出力することが可能である。これにより、画面200は、当該他の道路に対応する地図データの上に、第1リンク群、第2リンク群、及び/又は第3リンク群が描画されるように、構成され得る。
【0044】
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。実施形態で説明したフローチャート、シーケンス、実施形態が備える各要素並びにその配置、材料、条件、形状及びサイズ等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、異なる実施形態で示した構成同士を部分的に置換し又は組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0045】
10…ナビゲーション装置、11…プロセッサ、12…記憶装置、13…通信IF、14…入力デバイス、15…出力デバイス、16…センサ、101…記憶部、101a…地図データ、102…走行中リンク特定部、103…リンク群取得部、104…施設情報取得部、105…出力部