(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】塗布容器
(51)【国際特許分類】
B65D 51/32 20060101AFI20240416BHJP
A45D 34/04 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B65D51/32 100
A45D34/04 515A
(21)【出願番号】P 2020196532
(22)【出願日】2020-11-27
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100156867
【氏名又は名称】上村 欣浩
(74)【代理人】
【識別番号】100143786
【氏名又は名称】根岸 宏子
(72)【発明者】
【氏名】前田 信也
【審査官】二ッ谷 裕子
(56)【参考文献】
【文献】実開昭55-159006(JP,U)
【文献】特開2002-282043(JP,A)
【文献】特開2010-88516(JP,A)
【文献】特開2021-106672(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 51/32
A45D 34/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
底部、胴部、及び上方を開放した口部を有して内側に内容液を収容可能であって、該口部に容器側ねじ部が設けられた容器本体と、
前記容器側ねじ部に螺合するキャップ側ねじ部を有するとともに、該口部の軸線に沿う向きに開口する挿通穴と該軸線に沿って延在する縦溝部とを有するキャップ本体と、
前記キャップ本体に対して前記軸線を周回する向きに回転可能に取り付けられ、前記縦溝部の外側にカム溝部を有する回転体と、
前記軸線に沿って延在するとともに前記挿通穴に挿通され、下端部に前記内容液を塗布するための塗布具を有するとともに上端部に前記縦溝部を経由して前記カム溝部に係合する突起を有し、前記容器側ねじ部と前記キャップ側ねじ部との螺合が解除される向きに前記回転体を回転させると、前記容器本体の
前記底部に向けて移動する軸体と、
前記軸体
の外周面に当接する軸体側当接部と、
前記キャップ本体を前記容器本体に装着した際に前記口部
の内周面に当接する口部側当接部とを備え
て前記キャップ本体に設けられる弾性体とを備え、
前記キャップ本体を前記容器本体に装着した状態での前記口部
の前記内周面と前記口部側当接部との抵抗力が、前記軸体
の前記外周面と前記軸体側当接部との抵抗力よりも大きく
、
前記螺合が解除される向きに前記回転体を回転させると、2つの前記抵抗力の差異によって、前記容器側ねじ部と前記キャップ側ねじ部との螺合が解除される前に前記カム溝部を介して前記軸体が前記底部に向けて移動し、前記螺合が解除される向きに前記回転体をさらに回転させると、前記回転体から伝達される回転によって前記キャップ本体が回転して前記容器側ねじ部と前記キャップ側ねじ部との螺合が解除される塗布容器。
【請求項2】
前記口部側当接部は、前記軸線に沿う方向に間隔をあけて設けられる複数の突起部を有し、
前記突起部は、前記キャップ本体を前記容器本体に装着した状態において互いの間隔が狭くなるとともに径方向外側に向けて広がるように構成される、請求項1に記載の塗布容器。
【請求項3】
前記弾性体は、前記キャップ本体を前記容器本体に装着した状態で該キャップ本体と前記口部とに挟持されるシール部を有する、請求項1又は2に記載の塗布容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内容液を塗布するための塗布具を備える塗布容器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えばマニキュアやペディキュア等の内容液を収容する容器においては、内容液を爪等に塗布するための塗布具を備えた塗布容器が既知である。
【0003】
この種の塗布容器は、特許文献1、2に示されているように、容器本体に着脱自在に取り付けられるキャップに対し、先端部に塗布具を有する長尺状の軸部が設けられていて、キャップを閉めた際には容器本体に収容した内容液を塗布具に付着させることができるように構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2012-30822号公報
【文献】特開2003-175961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところでこのような塗布容器は、収容した内容液の量が少なくなると、内容液を塗り足すために塗布具を口部に差し込んでも、キャップの縁部が口部に当たって軸部を深く挿入できず、内容液が塗布具に付着されないことがある。このため、少なくなった内容液を塗布具に付着させるためには、内容液が口部の近くに誘導されるように容器本体を傾けなければならない。また容器本体を傾けた際には、内容液がこぼれるおそれもある。
【0006】
一方、このような場合でも塗布具に内容液を付着させることができるように軸部の長さを長くすると、容器本体にキャップを装着した際に塗布具が容器本体の底部に押し当たり、塗布具の毛先が広がって癖になるおそれがある。
【0007】
本発明はこのような問題点を解決することを課題とするものであって、内容液が少なくなっても塗布具に内容液を容易に付着させることができるうえ、塗布具の毛先が広がって癖になる不具合も防止することができる塗布容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、底部、胴部、及び上方を開放した口部を有して内側に内容液を収容可能であって、該口部に容器側ねじ部が設けられた容器本体と、前記容器側ねじ部に螺合するキャップ側ねじ部を有するとともに、該口部の軸線に沿う向きに開口する挿通穴と該軸線に沿って延在する縦溝部とを有するキャップ本体と、前記キャップ本体に対して前記軸線を周回する向きに回転可能に取り付けられ、前記縦溝部の外側にカム溝部を有する回転体と、前記軸線に沿って延在するとともに前記挿通穴に挿通され、下端部に前記内容液を塗布するための塗布具を有するとともに上端部に前記縦溝部を経由して前記カム溝部に係合する突起を有し、前記容器側ねじ部と前記キャップ側ねじ部との螺合が解除される向きに前記回転体を回転させると、前記容器本体の前記底部に向けて移動する軸体と、前記軸体の外周面に当接する軸体側当接部と、前記キャップ本体を前記容器本体に装着した際に前記口部の内周面に当接する口部側当接部とを備えて前記キャップ本体に設けられる弾性体とを備え、前記キャップ本体を前記容器本体に装着した状態での前記口部の前記内周面と前記口部側当接部との抵抗力が、前記軸体の前記外周面と前記軸体側当接部との抵抗力よりも大きく、前記螺合が解除される向きに前記回転体を回転させると、2つの前記抵抗力の差異によって、前記容器側ねじ部と前記キャップ側ねじ部との螺合が解除される前に前記カム溝部を介して前記軸体が前記底部に向けて移動し、前記螺合が解除される向きに前記回転体をさらに回転させると、前記回転体から伝達される回転によって前記キャップ本体が回転して前記容器側ねじ部と前記キャップ側ねじ部との螺合が解除される塗布容器である。
【0009】
前記口部側当接部は、前記軸線に沿う方向に間隔をあけて設けられる複数の突起部を有し、
前記突起部は、前記キャップ本体を前記容器本体に装着した状態において互いの間隔が狭くなるとともに径方向外側に向けて広がるように構成されることが好ましい。
【0010】
前記弾性体は、前記キャップ本体を前記容器本体に装着した状態で該キャップ本体と前記口部とに挟持されるシール部を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の塗布容器によれば、容器側ねじ部とキャップ側ねじ部との螺合が解除される向きに回転体を回転させると、軸体が容器本体の底部に向けて移動してその長さが長くなるため、内容液が少なくなっても、塗布具を口部に差し込んで容器本体の底部に溜まった内容液を塗布具に付着させることができる。また容器本体にキャップ本体を装着するべく、容器側ねじ部とキャップ側ねじ部とが螺合する向きに回転体を回転させると、長くなっていた軸部を短くすることができるため、塗布具の毛先が広がって癖になることもない。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明に係る塗布容器の一実施形態を示した側面視での断面図とその部分拡大図、及び図中A-Aで示した部位の断面図である。
【
図3】
図1に示す状態から回転体を回転させて、軸体が下方に移動した状態を示した図である。
【
図4】
図3に示す状態から更に回転体を回転させて、容器側ねじ部とキャップ側ねじ部との螺合が解除された状態を示した図である。
【
図5】内容液を塗り足すために塗布具を口部に差し込んだ状態を示した図である。
【
図6】
図4に示す向きとは逆向きに回転体を回転させて、容器側ねじ部とキャップ側ねじ部とが螺合した状態を示した図である。
【
図7】
図6に示す状態から更に回転体を回転させて、軸体が上方に移動した状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照しながら本発明に係る塗布容器の一実施形態(塗布容器100)について説明する。なお、本明細書等において上下方向とは、図示した口部1cの軸線Oに沿う方向であって、「上」方向は、容器本体1に対して回転体3が位置する側であり、「下」方向は、その逆側である。また径方向とは、軸線Oに対して垂直な面内で軸線Oと直交する方向であり、周方向とは、この面内で軸線Oを中心として周回する方向である。
【0014】
本実施形態の塗布容器100は、容器本体1と、キャップ本体2と、回転体3と、軸体4と、塗布具5と、弾性体6とを備えている。なお、以下の説明においては、キャップ本体2、回転体3、軸体4、塗布具5、及び弾性体6の総称として塗布具付きキャップ7と称する。
【0015】
容器本体1は、概略有底筒状をなすものであって、円板状になる底部1aと、底部1aの外縁部から上方に向けて円筒状に立ち上がるとともに上部を縮径させた胴部1bと、縮径した胴部1bから上方に向けて立ち上がり、上方を開放した円筒状の口部1cと、口部1cの外周面に設けられた雄ねじ状の容器側ねじ部1dとを備えている。ここで、底部1aと胴部1bの各中心線は、口部1cにおける軸線Oと一致する。底部1a、胴部1b、口部1cによって区画された空間(収容空間S)には、例えばマニキュア等の内容液を収容することが可能である。
【0016】
キャップ本体2は、口部1cの上方において水平方向に延在するリング状のリング壁2aを備えている。ここで、リング壁2aの径方向内側に位置して上下方向に開口する円形状の穴を挿通穴2bと称する。リング壁2aの上面には、上方に向けて延在する円筒状の内筒壁2cが設けられていて、内筒壁2cには、上方から下方に向けて内筒壁2cを切り欠くような形状になる縦溝部2dが設けられている。本実施形態の縦溝部2dは、
図1のA-A断面図に示すように、軸線Oを挟んで対向する位置に合計2つ設けられている。また内筒壁2cの外周面において、縦溝部2dの下方には、径方向外側に向けて突出する第一係合突起2eが設けられている。
【0017】
またキャップ本体2は、リング壁2aの外縁部に連結する円筒状の外筒壁2fを備えている。外筒壁2fの下方における内周面には、容器側ねじ部1dに対応する雌ねじ状のキャップ側ねじ部2gが設けられている。そして外筒壁2fの上方における外周面には、径方向外側に向けて突出する第二係合突起2hが設けられている。
【0018】
回転体3は、内筒壁2c及び外筒壁2fの上方に位置する円板状の天壁3aを備えている。天壁3aの下面には、内筒壁2cと外筒壁2fとの間に位置し、下方に向けて延在する円筒状の内周壁3bが設けられている。内周壁3bの内周面には、内周壁3bの厚みを径方向内側から外側に減じるような形態をなし螺旋状に延在するカム溝部3cが設けられている。そして内周壁3bの下方における内周面には、第一係合突起2eに係合する第一係合凹部3dが設けられている。
【0019】
また回転体3は、天壁3aの外縁部から下方に向けて延在する円筒状の外周壁3eを備えている。本実施形態の外周壁3eは、その下端部が外筒壁2fの下端部と略同じ高さに至るまで延在していて、外筒壁2fの全体を覆っている。そして外周壁3eの上方における内周面には、第二係合突起2hに係合する第二係合凹部3fが設けられている。
【0020】
このように回転体3は、第一係合凹部3dが第一係合突起2eに係合し、第二係合凹部3fが第二係合突起2hに係合していて、キャップ本体2に対して上下方向に抜け止めされた状態で回転可能に保持されている。
【0021】
軸体4は、軸線Oに沿って延在する円柱状の軸部4aを備えている。軸部4aは、図示したように塗布容器100として組み立てられた際に挿通穴2bを挿通する(後述するように、挿通穴2bの径方向内側に取り付けられる弾性体6も挿通する)ものである。軸部4aの下端部には、塗布具5を保持するための保持穴4bが設けられている。軸部4aの上端部には、有底筒状になる軸体基部4cが設けられていて、軸体基部4cの外周面には、円柱状になる突起4dが設けられている。突起4dは、縦溝部2dを挿通して、カム溝部3cに係合している。
【0022】
このように突起4dは、上下方向に延在する縦溝部2dを挿通し、更に螺旋状に延在するカム溝部3cに係合しているため、キャップ本体2に対して回転体3を回転させると、軸体4は上下方向に移動する。なお、螺旋状に延在するカム溝部3cが軸線Oを周回する向きは、容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとの螺合が解除される向きに回転体3を回転させた際、軸体4が下方に移動する向きである。
【0023】
塗布具5は、内容液を塗布するために使用されるものであって、内容液の種類や塗布先等に応じて、例えば筆状、刷毛状、ブラシ状に形成されるものである。塗布具5は、その上端部が保持穴4bに挿入されて軸体4に保持される。
【0024】
弾性体6は、弾性を有する素材(例えばゴム等の軟質材)で形成されるものである。
図2に示すように本実施形態の弾性体6は、上下方向に延在する円筒状の基部6aが設けられている。基部6aの上部における外周面には、径方向外側に向けて延在する円形状の上部フランジ部6bが設けられている。また上部フランジ部6bの下方には、径方向外側に向けて延在していて、外縁部が上部フランジ部6bの外縁部よりも径方向外側に位置する円形状の下部フランジ部6cが設けられている。なお下部フランジ部6cは、後述するようにキャップ本体2を容器本体1に装着した状態でキャップ本体2と口部1cとに挟持されるものであって、本明細書等の「シール部」に相当する部位である。
【0025】
また弾性体6の外周面には、下部フランジ部6cの下方において、径方向外側に向けて突出し、横断面形状が山型状になる環状の山型突起部6dを備えている。本実施形態の山型突起部6dは、上下方向に間隔をあけて合計2つ設けられている。また山型突起部6dの下方には、径方向外側に向けて突出し、外縁部は上下方向に延在していて下端部は円弧状になる下端突起部6eが設けられている。なお、2つの山型突起部6d、及び下端突起部6eは、本明細書等の「突起部」に相当する部位である。またこれら山型突起部6dと下端突起部6eは、後述するように塗布容器100として組み立てられた際に口部1cの内周面に当接する部位であって、本明細書等の「口部側当接部」に相当する部位でもある。
【0026】
そして基部6aの内周面には、後述するように塗布容器100として組み立てられた際に軸部4aの外周面に当接する部位であって、径方向内側に突出し、横断面形状が半円状になる環状の軸体側当接部6fが設けられている。
【0027】
このような形態になる弾性体6は、
図1に示すように、上部フランジ部6bと下部フランジ部6cの間にリング壁2aを挟み込むようにして、キャップ本体2に保持される。
【0028】
以上の部材により構成される塗布容器100は、
図1に示すように容器側ねじ部1dにキャップ側ねじ部2gを螺合させた状態において、軸部4aは弾性体6を挿通して塗布具5が収容空間Sに至るまで垂下しているため、収容空間Sに収容した内容液に塗布具5を付着させることができる。このため、容器本体1から塗布具付きキャップ7を取り外すと、すぐに内容液を塗布することができる。また、口部1cとリング壁2aとの間で下部フランジ部6cが挟持されるため、例えば移動の際に塗布容器100を倒したとしても、収容空間Sの内容液が口部1cから漏れ出すのを防止することができる。また、このような漏れ出しを防止する機能を有する部材を別異に設ける必要がないため、部品点数の増加に伴うコストアップにつながることがない。
【0029】
また
図1に示す状態において、軸体側当接部6fは軸部4aの外周面に当接している。また山型突起部6dと下端突起部6eは、上下方向における互いの間隔が狭くなって潰れるように変形し、またこの変形に伴って、径方向外側に向けて広がるようにも変形して口部1cの内周面に当接している。本実施形態の弾性体6は、このような変形によって、口部1cと山型突起部6d及び下端突起部6eとの間に作用する抵抗力が、軸部4aと軸体側当接部6fとの間に作用する抵抗力よりも大きくなるように設定されている。
【0030】
そして、
図3に示すように、容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとの螺合が解除される向きに回転体3を回転させると、口部1cと山型突起部6d及び下端突起部6eとの間に作用する抵抗力が、軸部4aと軸体側当接部6fとの間に作用する抵抗力よりも大きいため、容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとの螺合が解除される前に、軸体4が下方に移動する。このため、収容空間Sの内容液が少なくなっても、塗布具5に内容液を付着させることができる。
【0031】
引き続き回転体3を回転させると、軸体基部4cが弾性体6に当接して、回転体3に対する軸体4の移動が停止するため、
図4に示すように容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとの螺合が解除され、容器本体1から塗布具付きキャップ7を取り外すことができる。なお、容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとの螺合が解除されるにつれ、山型突起部6dと下端突起部6eが順に口部1cから外れていくため、容器本体1から塗布具付きキャップ7を取り外す力が低減される。
【0032】
容器本体1から塗布具付きキャップ7を取り外した状態においては、
図4に示すように、2つの山型突起部6d及び下端突起部6eは復元して、これらの上下方向の間隔は元に戻っている。また軸体4は、回転体3に対して下方に移動していて、キャップ本体2から突き出す軸部4aの長さが長くなっている。このため、
図5に示すように収容空間Sの内容液が少なくなっても、塗布具5を口部1cに差し込んで、容器本体1の底部1aに溜まった内容液を塗布具5に付着させることができる。なお、軸部4aと軸体側当接部6f(
図1の部分拡大図参照)は当接したままとなっていて、これらの間には抵抗力が作用している。このため、軸体4が弾性体6に対して簡単に回転することがなく、キャップ本体2から突き出す軸部4aの長さが不用意に短くなることがないため、塗布作業を支障なく行うことができる。
【0033】
そして塗布具付きキャップ7を容器本体1に装着するにあたっては、
図6に示すように、容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとが螺合する向きに回転体3を回転させる。なお、2つの山型突起部6d及び下端突起部6e(
図2参照)は復元して上下方向に間隔をあけた状態になっているため、これらと口部1cとの抵抗力は、軸部4aと軸体側当接部6fとの抵抗力よりも小さくなっている。このため本実施形態においては、
図6に示すように、軸体4の移動よりも先に容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとを螺合させることができる。なお、容器側ねじ部1dとキャップ側ねじ部2gとが完全に螺合するよりも前に軸体4が移動するようにしてもよい。
【0034】
そして回転体3の回転を継続すると、
図7に示すように、軸体4を上方へ移動させることができる。すなわち、塗布具5が底部1aに当接したたまになることがなく、塗布具5の毛先が広がって癖になる不具合を防止することができる。
【0035】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、上記の説明で特に限定しない限り、特許請求の範囲に記載された本発明の趣旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。また、上記の実施形態における効果は、本発明から生じる効果を例示したに過ぎず、本発明による効果が上記の効果に限定されることを意味するものではない。
【0036】
例えば本明細書等の口部側当接部は、上記の実施形態では2つの山型突起部6dと1つの下端突起部6eで具現化したが、これらの数は任意に設定でき、また配置や形状も適宜変更可能である。また口部側当接部は、このように上下方向に間隔をあけた複数の突起部により構成されるものに限られず、キャップ本体2を容器本体1に装着した状態での口部1cと口部側当接部との抵抗力が、軸体4と軸体側当接部との抵抗力よりも大きくなる種々の構成が採用可能である。
【符号の説明】
【0037】
1:容器本体
1a:底部
1b:胴部
1c:口部
1d:容器側ねじ部
2:キャップ本体
2a:リング壁
2b:挿通穴
2c:内筒壁
2d:縦溝部
2e:第一係合突起
2f:外筒壁
2g:キャップ側ねじ部
2h:第二係合突起
3:回転体
3a:天壁
3b:内周壁
3c:カム溝部
3d:第一係合凹部
3e:外周壁
3f:第二係合凹部
4:軸体
4a:軸部
4b:保持穴
4c:軸体基部
4d:突起
5:塗布具
6:弾性体
6a:基部
6b:上部フランジ部
6c:下部フランジ部(シール部)
6d:山型突起部(口部側当接部、突起部)
6e:下端突起部(口部側当接部、突起部)
6f:軸体側当接部
7:塗布具付きキャップ
100:塗布容器
O:軸線
S:収容空間