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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】衛生用薄葉紙収納容器
(51)【国際特許分類】
B65D 83/08 20060101AFI20240416BHJP
B65D 25/52 20060101ALI20240416BHJP
【ＦＩ】
B65D83/08 B
B65D83/08 C
B65D25/52 D
【請求項の数】
3
(21)【出願番号】P 2020196782
(22)【出願日】2020-11-27
(65)【公開番号】P2022085211
(43)【公開日】2022-06-08
【審査請求日】2023-08-01
(73)【特許権者】
【識別番号】390029148
【氏名又は名称】大王製紙株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】宇都宮 達也
【審査官】宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】実開平０１－１７７１８９（ＪＰ，Ｕ）
【文献】特許第６７１７５１３（ＪＰ，Ｂ１）
【文献】実開平０５－０６１０８０（ＪＰ，Ｕ）
【文献】特開平０７－３１５４５３（ＪＰ，Ａ）
【文献】特開２０２０－１３８７８０（ＪＰ，Ａ）
(58)【調査した分野】(Int.Cl.，ＤＢ名)
Ｂ６５Ｄ ８３／０８
Ｂ６５Ｄ ２５／５２
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上面が開口し、衛生用薄葉紙を内部に収納する容器本体と、前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体の上面を閉塞する蓋体と、
前記蓋体の略中央部に備えられ、前記容器本体の内部に収納された前記衛生用薄葉紙のシートを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、を備え、
前記容器本体は、前記衛生用薄葉紙が載置される載置部を備える有底円筒形であり、
側面の内面側に上端部から周方向に沿った雌ネジ部を備え、
前記蓋体は、天面の外径が前記容器本体の内径よりも小さく、側面部の外面側に前記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を備えることを特徴とする衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項2】
前記蓋体の上面に、指を挿入可能な凹部である指入れ部を備えることを特徴とする請求項１に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【請求項3】
前記衛生用薄葉紙は、ウェットシートであり、前記雄ネジ部は、下端部にシール部材を有することを特徴とする請求項１又は２に記載の衛生用薄葉紙収納容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生用薄葉紙収納容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、家屋の床やトイレ、あるいは人体等を拭くための、衛生用薄葉紙を収納する衛生用薄葉紙収納容器として、開口部を有する容器本体の内部に衛生用薄葉紙を収納し、容器本体の開口部を覆うように取り付けられる蓋体の略中央部に設けられた孔部に、取出孔を備えた取出部を備え、当該取出孔によりミシン目が設けられた衛生用薄葉紙に抵抗を掛けて切り離し、切り残された衛生用薄葉紙の目出しを取出部が保持する構成のものが知られている（例えば、特許文献１及び２参照）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開２０１２－１９２９６２号公報
【文献】特許第５８５０５２１号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような衛生用薄葉紙収納容器に収納される衛生用薄葉紙は、使用されてその高さが低くなり、取出孔と衛生用薄葉紙の距離が遠くなるにつれて、目出しの落ち込みが発生しやすくなるという課題があった。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたことで、内部の衛生用薄葉紙が少なくなっても、目出しの落ち込みを発生しにくくすることができる衛生用薄葉紙収納容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するため、請求項１に記載の発明は、衛生用薄葉紙収納容器であって、
上面が開口し、衛生用薄葉紙を内部に収納する容器本体と、
前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体の上面を閉塞する蓋体と、
前記蓋体の略中央部に備えられ、前記容器本体の内部に収納された前記衛生用薄葉紙のシートを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、を備え、
前記容器本体は、前記衛生用薄葉紙が載置される載置部を備える有底円筒形であり、
側面の内面側に上端部から周方向に沿った雌ネジ部を備え、
前記蓋体は、天面の外径が前記容器本体の内径よりも小さく、側面部の外面側に前記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を備えることを特徴とする。
上面が開口し、衛生用薄葉紙を内部に収納する容器本体と、
前記容器本体に着脱自在に取り付けられ、前記容器本体の上面を閉塞する蓋体と、
前記蓋体の略中央部に備えられ、前記容器本体の内部に収納された前記衛生用薄葉紙のシートを取り出す際に抵抗を掛ける取出孔を備えた取出部と、を備え、
前記容器本体は、前記衛生用薄葉紙が載置される載置部を備える有底円筒形であり、
側面の内面側に上端部から周方向に沿った雌ネジ部を備え、
前記蓋体は、天面の外径が前記容器本体の内径よりも小さく、側面部の外面側に前記雌ネジ部と螺合する雄ネジ部を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項２に記載の発明は、請求項１に記載の衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記蓋体の上面に、指を挿入可能な凹部である指入れ部を備えることを特徴とする。
前記蓋体の上面に、指を挿入可能な凹部である指入れ部を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項３に記載の発明は、請求項１又は２に記載の衛生用薄葉紙収納容器であって、
前記衛生用薄葉紙は、ウェットシートであり、
前記雄ネジ部は、下端部にシール部材を有することを特徴とする。
前記衛生用薄葉紙は、ウェットシートであり、
前記雄ネジ部は、下端部にシール部材を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、内部の衛生用薄葉紙が少なくなっても、目出しの落ち込みを発生しにくくすることができる衛生用薄葉紙収納容器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第１実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の上面部の斜視図である。
【図3】第１、第２実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の取出部の斜視図である。
【図4】取出部の底面図である。
【図6】第１実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器において、蓋体が容器本体内に入り込んでいる状態を示す斜視図である。
【図8】第２実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器の下部の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態である衛生用薄葉紙収納容器の具体的な態様について、図１から図８に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は、図示例に限定されるものではない。
なお、以下においては、図１から図８に示すように、Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器１００において、衛生用薄葉紙Ｐのシートが取り出される側を上、その反対側を下、衛生用薄葉紙収納容器１００の平面視における手前側を前、その反対側を後、容器の前面を正面視した状態における右手側を右、容器の前面を正面視した状態における左手側を左とし、前後方向に沿った軸をＸ軸、左右方向に沿った軸をＹ軸、上下方向に沿った軸をＺ軸とする。
なお、以下においては、図１から図８に示すように、Ｘ軸、Ｙ軸及びＺ軸並びに前後方向、左右方向及び上下方向を定めて説明する。すなわち、衛生用薄葉紙収納容器１００において、衛生用薄葉紙Ｐのシートが取り出される側を上、その反対側を下、衛生用薄葉紙収納容器１００の平面視における手前側を前、その反対側を後、容器の前面を正面視した状態における右手側を右、容器の前面を正面視した状態における左手側を左とし、前後方向に沿った軸をＸ軸、左右方向に沿った軸をＹ軸、上下方向に沿った軸をＺ軸とする。
【0015】
［第１実施形態］
第１実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００は、図１に示すように、衛生用薄葉紙Ｐを内部に収納する有底円筒形の容器本体１と、容器本体１の開口部を覆うように着脱自在に取り付けられる蓋体２と、蓋体２の平面視略中央に取り付けられる取出部３と、を備えて構成されている。
蓋体２が、容器本体１に対して着脱自在に構成されているため、容器本体１から蓋体２を取り外した状態で、容器本体１の内部に衛生用薄葉紙Ｐを収納したり、取り出したりすることができる。
第１実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００は、図１に示すように、衛生用薄葉紙Ｐを内部に収納する有底円筒形の容器本体１と、容器本体１の開口部を覆うように着脱自在に取り付けられる蓋体２と、蓋体２の平面視略中央に取り付けられる取出部３と、を備えて構成されている。
蓋体２が、容器本体１に対して着脱自在に構成されているため、容器本体１から蓋体２を取り外した状態で、容器本体１の内部に衛生用薄葉紙Ｐを収納したり、取り出したりすることができる。
【0016】
［衛生用薄葉紙］
衛生用薄葉紙Ｐは、例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパーであり、Ｚ軸方向（高さ方向）に沿ってロール状に巻かれた状態で容器本体１に収納されている。また、衛生用薄葉紙Ｐには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されており、当該ミシン目に沿って切り離されたシートを、ユーザが使用するようになっている。
衛生用薄葉紙Ｐは、例えば、ロール状に巻かれたウェットシートやウェットティッシュ等のロールペーパーであり、Ｚ軸方向（高さ方向）に沿ってロール状に巻かれた状態で容器本体１に収納されている。また、衛生用薄葉紙Ｐには、長さ方向に一定間隔をおいてミシン目が施されており、当該ミシン目に沿って切り離されたシートを、ユーザが使用するようになっている。
【0017】
なお、以下においては、ロール状の衛生用薄葉紙Ｐが、ロールの中心側から引き出される場合について説明するが、これに限られず、衛生用薄葉紙Ｐは、外側から引き出されるものであってもよい。
また、衛生用薄葉紙Ｐはロール状に巻かれたものに限られず、交互に折り重ねられた状態で積層され、１枚のシートを引き出した際に次のシートも引き出されるように形成された、いわゆるポップアップ式のものであっても構わない。
また、衛生用薄葉紙Ｐはウェットシートであってもドライシートであっても構わない。
また、衛生用薄葉紙Ｐはロール状に巻かれたものに限られず、交互に折り重ねられた状態で積層され、１枚のシートを引き出した際に次のシートも引き出されるように形成された、いわゆるポップアップ式のものであっても構わない。
また、衛生用薄葉紙Ｐはウェットシートであってもドライシートであっても構わない。
【0018】
［容器本体］
容器本体１は、図１から図３に示すように、衛生用薄葉紙Ｐを収納するための容器であり、有底円筒形に形成され、上面には開口部が設けられている。また、図２に示すように、側面の内面側には、上端部から周方向に沿って雌ネジ部１１が設けられている。
容器本体１は、図１から図３に示すように、衛生用薄葉紙Ｐを収納するための容器であり、有底円筒形に形成され、上面には開口部が設けられている。また、図２に示すように、側面の内面側には、上端部から周方向に沿って雌ネジ部１１が設けられている。
【0019】
容器本体１は、例えば、ＰＥ（ポリエチレン）、ＰＰ（ポリプロピレン）、ＰＥＴ（ポリエチレンテレフタレート）、ＡＢＳ（Acrylonitrile Butadiene Styrene）樹脂等を用いて、射出成形、ブロー成形等により一体的に形成されている。
容器本体１は、平面視において、好ましくは直径６０ｍｍ～２５０ｍｍ、より好ましくは６５ｍｍ～２３５ｍｍの円形となり、Ｚ軸方向（高さ方向）に、好ましくは１７５ｍｍ～２００ｍｍ、より好ましくは１７５ｍｍ～１８５ｍｍ、各面の厚みが、好ましくは０．０５ｍｍ～１０．００ｍｍ、より好ましくは０．１０ｍｍ～５．００ｍｍの円筒形状に形成されている。
容器本体１は、平面視において、好ましくは直径６０ｍｍ～２５０ｍｍ、より好ましくは６５ｍｍ～２３５ｍｍの円形となり、Ｚ軸方向（高さ方向）に、好ましくは１７５ｍｍ～２００ｍｍ、より好ましくは１７５ｍｍ～１８５ｍｍ、各面の厚みが、好ましくは０．０５ｍｍ～１０．００ｍｍ、より好ましくは０．１０ｍｍ～５．００ｍｍの円筒形状に形成されている。
【0020】
【0021】
（蓋体本体）
蓋体本体２１は、例えば、ＰＥ、ＰＰ、ＰＥＴ、ＡＢＳ樹脂等を用いて、射出成形、ブロー成形等により一体的に形成されており、下面が開放された円筒形状をなし、天面部２１ａと、側面部２１ｂと、天面部２１ａの平面視内周側に下方に向けて凹状に形成される凹部２１ｃと、孔部２１ｄと、凹部２１ｃ内において孔部２１ｄを囲むように円筒形状に立設された本体側壁部２１ｅと、指入れ部２１ｆと、を備えている。
蓋体本体２１は、平面視において、好ましくは直径６０ｍｍ～２００ｍｍ、より好ましくは、６５ｍｍ～１１０ｍｍであり、天面が容器本体１の内径よりもごく僅かに小さくなるように形成されている。また、Ｚ軸方向（高さ方向）に、好ましくは１５ｍｍ～５０ｍｍ、より好ましくは３３ｍｍ～４５ｍｍであり、各面の厚みが、好ましくは０．０５ｍｍ～１０．００ｍｍ、より好ましくは、０．１０ｍｍ～５．００ｍｍの円筒形状に形成されている。
蓋体本体２１は、例えば、ＰＥ、ＰＰ、ＰＥＴ、ＡＢＳ樹脂等を用いて、射出成形、ブロー成形等により一体的に形成されており、下面が開放された円筒形状をなし、天面部２１ａと、側面部２１ｂと、天面部２１ａの平面視内周側に下方に向けて凹状に形成される凹部２１ｃと、孔部２１ｄと、凹部２１ｃ内において孔部２１ｄを囲むように円筒形状に立設された本体側壁部２１ｅと、指入れ部２１ｆと、を備えている。
蓋体本体２１は、平面視において、好ましくは直径６０ｍｍ～２００ｍｍ、より好ましくは、６５ｍｍ～１１０ｍｍであり、天面が容器本体１の内径よりもごく僅かに小さくなるように形成されている。また、Ｚ軸方向（高さ方向）に、好ましくは１５ｍｍ～５０ｍｍ、より好ましくは３３ｍｍ～４５ｍｍであり、各面の厚みが、好ましくは０．０５ｍｍ～１０．００ｍｍ、より好ましくは、０．１０ｍｍ～５．００ｍｍの円筒形状に形成されている。
【0022】
【0023】
（側面部）
側面部２１ｂは、図１及び図２に示すように、円筒形状に形成された蓋体本体２１の側面を形成する部分である。
側面部２１ｂの外面側には、容器本体１の雌ネジ部１１と螺合する雄ネジ部２１１が設けられている。これによって、図２に示すように容器本体１と蓋体２は、雌ネジ部１１と雄ネジ部２１１を介した着脱自在な連結構造をとる。
側面部２１ｂは、図１及び図２に示すように、円筒形状に形成された蓋体本体２１の側面を形成する部分である。
側面部２１ｂの外面側には、容器本体１の雌ネジ部１１と螺合する雄ネジ部２１１が設けられている。これによって、図２に示すように容器本体１と蓋体２は、雌ネジ部１１と雄ネジ部２１１を介した着脱自在な連結構造をとる。
【0024】
（凹部）
凹部２１ｃは、閉塞時の小蓋２２と平面視における形状が略一致し、小蓋２２を嵌めることができるように形成されている。ただし、凹部２１ｃは、前端部が平面視において小蓋２２よりも大きく、小蓋２２が嵌め込まれた状態でも若干の隙間が残るように形成されており、当該隙間を利用して小蓋２２に指を掛け、開放状態とすることが可能となる。
凹部２１ｃは、閉塞時の小蓋２２と平面視における形状が略一致し、小蓋２２を嵌めることができるように形成されている。ただし、凹部２１ｃは、前端部が平面視において小蓋２２よりも大きく、小蓋２２が嵌め込まれた状態でも若干の隙間が残るように形成されており、当該隙間を利用して小蓋２２に指を掛け、開放状態とすることが可能となる。
【0025】
（孔部）
孔部２１ｄは、蓋体本体２１の平面視略中央に平面視円形に形成された、容器本体１の内部に通じる孔であり、平面視において、取出部３より僅かに小さく形成され、後述のように孔部２１ｄには取出部３が固定される。
孔部２１ｄは、蓋体本体２１の平面視略中央に平面視円形に形成された、容器本体１の内部に通じる孔であり、平面視において、取出部３より僅かに小さく形成され、後述のように孔部２１ｄには取出部３が固定される。
【0026】
（本体側壁部）
本体側壁部２１ｅは、外径が小蓋２２に形成される小蓋側壁部２２ａの内径と同一か、ごく僅かに小さくなるように、孔部２１ｄの周囲を囲むように、凹部２１ｃ内において、円筒形状となるように上方に向けて延出して形成されている。
本体側壁部２１ｅは、外径が小蓋２２に形成される小蓋側壁部２２ａの内径と同一か、ごく僅かに小さくなるように、孔部２１ｄの周囲を囲むように、凹部２１ｃ内において、円筒形状となるように上方に向けて延出して形成されている。
【0027】
（指入れ部）
指入れ部２１ｆは、例えば天面部２１ａの中心を挟んで互いに対向する２箇所に形成された凹部であり、使用者の指先が入るような大きさに形成されている。
使用者は、当該指入れ部２１ｆに指を入れて、Ｚ方向下方に向けて押圧する力を加えながら、周方向に蓋体２を回動させることで、雌ネジ部１１及び雄ネジ部２１１との螺合により、蓋体２を容器本体１内に入れ込むことができる。
指入れ部２１ｆは、例えば天面部２１ａの中心を挟んで互いに対向する２箇所に形成された凹部であり、使用者の指先が入るような大きさに形成されている。
使用者は、当該指入れ部２１ｆに指を入れて、Ｚ方向下方に向けて押圧する力を加えながら、周方向に蓋体２を回動させることで、雌ネジ部１１及び雄ネジ部２１１との螺合により、蓋体２を容器本体１内に入れ込むことができる。
【0028】
（小蓋）
小蓋２２は、例えば、ＰＥ、ＰＰ、ＰＥＴ、ＡＢＳ樹脂等を用いて、射出成形、ブロー成形等により一体的に形成され、閉塞時における下面から突出した小蓋側壁部２２ａを備える。小蓋２２は、閉塞時の平面視における形状が凹部２１ｃと略一致し、閉塞時に凹部２１ｃに嵌めることができるように形成されている。
小蓋２２は、例えば、ＰＥ、ＰＰ、ＰＥＴ、ＡＢＳ樹脂等を用いて、射出成形、ブロー成形等により一体的に形成され、閉塞時における下面から突出した小蓋側壁部２２ａを備える。小蓋２２は、閉塞時の平面視における形状が凹部２１ｃと略一致し、閉塞時に凹部２１ｃに嵌めることができるように形成されている。
【0029】
（小蓋側壁部）
小蓋側壁部２２ａは、小蓋２２の閉塞時において下方に向けて延出する円筒形状に形成されている。また、小蓋側壁部２２ａは、内径が本体側壁部２１ｅの外径と同一か、ごく僅かに大きくなるように形成されている。また、当該小蓋側壁部２２ａは小蓋２２の閉塞時において、凹部２１ｃの上面と接触するようになっている。これによって、小蓋２２の閉塞時に、小蓋側壁部２２ａと本体側壁部２１ｅとが嵌合し、小蓋側壁部２２ａと本体側壁部２１ｅとで囲まれた空間、ひいては当該空間と孔部２１ｄを介して繋がる容器本体１の内部の気密性を保つことができる。
小蓋側壁部２２ａは、小蓋２２の閉塞時において下方に向けて延出する円筒形状に形成されている。また、小蓋側壁部２２ａは、内径が本体側壁部２１ｅの外径と同一か、ごく僅かに大きくなるように形成されている。また、当該小蓋側壁部２２ａは小蓋２２の閉塞時において、凹部２１ｃの上面と接触するようになっている。これによって、小蓋２２の閉塞時に、小蓋側壁部２２ａと本体側壁部２１ｅとが嵌合し、小蓋側壁部２２ａと本体側壁部２１ｅとで囲まれた空間、ひいては当該空間と孔部２１ｄを介して繋がる容器本体１の内部の気密性を保つことができる。
【0030】
なお、本実施形態では、本体側壁部２１ｅと小蓋側壁部２２ａとを嵌合させることによって、容器本体１の内部の気密性を保つように構成されているが、容器本体１の内部の気密性を保つことができれば、上記と異なる構成とすることも可能である。
【0031】
［取出部］
取出部３は、図３及び図４に示すように、平面視において円形となる略円柱状に形成された弾性変形可能な部材である。なお、図４は取出部３の底面図であり、図３の取出部３を下方から見た態様を示している。
具体的に、取出部３は、平面視中央部に形成された内部底面３ａを有する凹部３１と、側面に形成された括れ部３２と、凹部３１（内部底面３ａ）の平面視略中央に形成された取出孔３３と、下面３ｂにおいて取出孔３３の周縁部を面取りして形成された面取り部３４と、を備えている。
また、取出部３における括れ部３２よりも下のＺ軸方向の厚み（内部底面３ａと下面３ｂの間の寸法）Ｒ１（図５参照）は、１．０ｍｍ～５．０ｍｍ、好ましくは１．５ｍｍ～３．０ｍｍとなるように形成されている。
取出部３は、図３及び図４に示すように、平面視において円形となる略円柱状に形成された弾性変形可能な部材である。なお、図４は取出部３の底面図であり、図３の取出部３を下方から見た態様を示している。
具体的に、取出部３は、平面視中央部に形成された内部底面３ａを有する凹部３１と、側面に形成された括れ部３２と、凹部３１（内部底面３ａ）の平面視略中央に形成された取出孔３３と、下面３ｂにおいて取出孔３３の周縁部を面取りして形成された面取り部３４と、を備えている。
また、取出部３における括れ部３２よりも下のＺ軸方向の厚み（内部底面３ａと下面３ｂの間の寸法）Ｒ１（図５参照）は、１．０ｍｍ～５．０ｍｍ、好ましくは１．５ｍｍ～３．０ｍｍとなるように形成されている。
【0032】
（凹部）
凹部３１は、取出部３の上面において、周縁部を残して、平面視円形状に下方に向けて凹状となるように形成されている。また、凹部３１は、その内部底面３ａが平面となるように形成されている。
凹部３１は、取出部３の上面において、周縁部を残して、平面視円形状に下方に向けて凹状となるように形成されている。また、凹部３１は、その内部底面３ａが平面となるように形成されている。
【0033】
（括れ部）
括れ部３２は、取出部３の側面の上下方向略中央部を周方向に沿って周回するようにして、平面視において取出部３の直径の２０分の１以上かつ１０分の１以下の深さとなるように径方向に凹んだ溝状に形成される。上記のように取出部３は、平面視において孔部２１ｄより僅かに大きく形成されているため、当該括れ部３２に孔部２１ｄの縁を嵌め込むことによって、取出部３を蓋体本体２１に固定することが可能となる。
括れ部３２は、取出部３の側面の上下方向略中央部を周方向に沿って周回するようにして、平面視において取出部３の直径の２０分の１以上かつ１０分の１以下の深さとなるように径方向に凹んだ溝状に形成される。上記のように取出部３は、平面視において孔部２１ｄより僅かに大きく形成されているため、当該括れ部３２に孔部２１ｄの縁を嵌め込むことによって、取出部３を蓋体本体２１に固定することが可能となる。
【0034】
（取出孔）
取出孔３３は、容器本体１の内部に収納された衛生用薄葉紙Ｐを取り出すための孔であり、下面３ｂ側から挿通されたシートを、その先端が取出部３の上面（凹部３１の内部底面３ａ）から突出した状態として保持する。
取出孔３３は、容器本体１の内部に収納された衛生用薄葉紙Ｐを取り出すための孔であり、下面３ｂ側から挿通されたシートを、その先端が取出部３の上面（凹部３１の内部底面３ａ）から突出した状態として保持する。
【0035】
（切り込み部）
また、取出孔３３は、取出部３の平面視略中央に２本の直線が十字状に交差した切り込み部３３０により形成される。
切り込み部３３０は、例えば、図４に示すように、４本の直線部３３１と、その直線部３３１の第１端が交差する部分に設けられた第１円形部３３２と、直線部３３１の第２端に設けられ、第１円形部３３２よりも直径が小さい第２円形部３３３と、を有する。
切り込み部３３０の全長としては、５ｍｍ～３０ｍｍ、好ましくは１０ｍｍ～１５ｍｍに形成され、例えば、一般的なユーザの人差し指の幅以上となる１５ｍｍ程度に設定されている。このように、切り込み部３３０を十字状の切り込みにより形成することで、切り込み部３３０におけるシートの保持の確実性をより高めることができる。
第１円形部３３２の直径としては、２．５ｍｍ～４．０ｍｍに形成され、このように第１円形部３３２を設けることで、シートを取り出した後に取出部３が把持する目出しを長くすることができる。また、第２円形部３３３を設けることで、より小さい力でシートを取り出すことができる。
また、取出孔３３は、取出部３の平面視略中央に２本の直線が十字状に交差した切り込み部３３０により形成される。
切り込み部３３０は、例えば、図４に示すように、４本の直線部３３１と、その直線部３３１の第１端が交差する部分に設けられた第１円形部３３２と、直線部３３１の第２端に設けられ、第１円形部３３２よりも直径が小さい第２円形部３３３と、を有する。
切り込み部３３０の全長としては、５ｍｍ～３０ｍｍ、好ましくは１０ｍｍ～１５ｍｍに形成され、例えば、一般的なユーザの人差し指の幅以上となる１５ｍｍ程度に設定されている。このように、切り込み部３３０を十字状の切り込みにより形成することで、切り込み部３３０におけるシートの保持の確実性をより高めることができる。
第１円形部３３２の直径としては、２．５ｍｍ～４．０ｍｍに形成され、このように第１円形部３３２を設けることで、シートを取り出した後に取出部３が把持する目出しを長くすることができる。また、第２円形部３３３を設けることで、より小さい力でシートを取り出すことができる。
【0036】
なお、図５では、十字状に取出孔３３を形成した場合を例示したが、取出孔３３の形状としてはこれに限られず、上記の機能を果たすことが可能であれば任意の形状を選択可能である。すなわち、３本以上の直線状の切り込みにより、放射状の切り込みが形成されていてもよい。また、取出孔３３としては、一の直線状の切り込みによって形成されてもよいし、円形状、楕円形状、略星型等の形状であってもよい。
【0037】
上記した取出部３は、孔部２１ｄ内に挿入可能であると共に、衛生用薄葉紙収納容器１００の使用時において、蓋体本体２１から外れないものである必要があり、かつ、取出孔３３に指でシートを押し込むことができる必要があることから、一定の弾力性を有する材料を用いて形成されている必要がある。
具体的には、硬度が５０から７０であることが望ましく、具体的には、例えば、スチレン－ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ウレタン系等のエラストマーを用いることができ、射出成型により形成される。なお、上記硬度は、JIS K 6253（タイプＡデュロメーター）によって測定されたものである。
具体的には、硬度が５０から７０であることが望ましく、具体的には、例えば、スチレン－ブタジエン系、ポリエステル系、ポリエチレン系、ウレタン系等のエラストマーを用いることができ、射出成型により形成される。なお、上記硬度は、JIS K 6253（タイプＡデュロメーター）によって測定されたものである。
【0038】
［発明の効果］
上記第１実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００においては、図２に示すように、容器本体１の側面の内面側には、上端部から雌ネジ部１１が設けられ、当該容器本体１の内径よりもごく僅かに小さい大きさの蓋体２の側面部２１ｂの外面側には、雌ネジ部１１と螺合する雄ネジ部２１１が設けられている。
このような衛生用薄葉紙収納容器１００においては、例えば使用者が指入れ部２１ｆ、２１ｆに片手の指を１本ずつ入れて蓋体２を回動させることにより、図６に示すように、容器本体１の内部にまで蓋体２を入れ込むことができ、容器本体１の底部から蓋体２までの高さを調節することができる。そのため、図７に示すように、例えばシートを使用して、容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐの高さが低くなり、取出孔３３と衛生用薄葉紙Ｐが離れたとしても、取出孔３３と衛生用薄葉紙Ｐを近付けるように、蓋体２の位置を調節することができる。
したがって、容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐが少なくなっても、取出部３が目出しを保持しやすくすることができ、容器本体１内への目出しの落ち込みを発生しにくくすることができる。
上記第１実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００においては、図２に示すように、容器本体１の側面の内面側には、上端部から雌ネジ部１１が設けられ、当該容器本体１の内径よりもごく僅かに小さい大きさの蓋体２の側面部２１ｂの外面側には、雌ネジ部１１と螺合する雄ネジ部２１１が設けられている。
このような衛生用薄葉紙収納容器１００においては、例えば使用者が指入れ部２１ｆ、２１ｆに片手の指を１本ずつ入れて蓋体２を回動させることにより、図６に示すように、容器本体１の内部にまで蓋体２を入れ込むことができ、容器本体１の底部から蓋体２までの高さを調節することができる。そのため、図７に示すように、例えばシートを使用して、容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐの高さが低くなり、取出孔３３と衛生用薄葉紙Ｐが離れたとしても、取出孔３３と衛生用薄葉紙Ｐを近付けるように、蓋体２の位置を調節することができる。
したがって、容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐが少なくなっても、取出部３が目出しを保持しやすくすることができ、容器本体１内への目出しの落ち込みを発生しにくくすることができる。
【0039】
また、衛生用薄葉紙Ｐが、薬液が含浸されたウェットシートであり、かつ、容器本体１内の容積が、衛生用薄葉紙Ｐの体積よりも余裕をもった大きさである場合、この余剰の容積中の空気にシートが触れることで、薬液が蒸散してしまうことがある。
しかし、本実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００においては、シートを使用して容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐの高さが低くなるのに合わせて、容器本体１の底部から蓋体２までの高さを低くすることで、この余剰の容積を少なくすることができるため、容器本体１内の、ウェットシートである衛生用薄葉紙Ｐが少なくなっても、薬液の蒸散を抑制することができる。
しかし、本実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００においては、シートを使用して容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐの高さが低くなるのに合わせて、容器本体１の底部から蓋体２までの高さを低くすることで、この余剰の容積を少なくすることができるため、容器本体１内の、ウェットシートである衛生用薄葉紙Ｐが少なくなっても、薬液の蒸散を抑制することができる。
【0040】
［第２実施形態］
上記したような第１実施形態においては、容器本体１の側面の内面側の上端部から雌ネジ部１１を設け、側面部２１ｂの外面側に当該雌ネジ部１１と螺合する雄ネジ部２１１を設けた蓋体２を指入れ部２１ｆによって回動させて容器本体１内に入れ込むことで、衛生用薄葉紙Ｐを取出孔３３に近付けるように、蓋体２の位置を調節することができるとしたが、これに限られず、図８に示すような、第２実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００として、容器本体１の側面の内面側に下端部から底部雌ネジ部１２を設けるとともに、容器本体１の底部であって、天面の外径が容器本体１の内径よりも小さく、衛生用薄葉紙Ｐが載置される載置部１３の側面の外面側に、当該底部雌ネジ部１２と螺合する載置部雄ネジ部１３１を設け、載置部１３の外面側の底面部に、指を入れることが可能な凹部である載置部指入れ部１３２を設けるようにしても構わない。
このような構成とした場合であっても、載置部１３を載置部指入れ部１３２によって回動させて容器本体１内に入れ込むことで、少なくなった容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐを取出孔３３に近付け、目出しの落ち込みを発生しにくくすることができる。
上記したような第１実施形態においては、容器本体１の側面の内面側の上端部から雌ネジ部１１を設け、側面部２１ｂの外面側に当該雌ネジ部１１と螺合する雄ネジ部２１１を設けた蓋体２を指入れ部２１ｆによって回動させて容器本体１内に入れ込むことで、衛生用薄葉紙Ｐを取出孔３３に近付けるように、蓋体２の位置を調節することができるとしたが、これに限られず、図８に示すような、第２実施形態に係る衛生用薄葉紙収納容器１００として、容器本体１の側面の内面側に下端部から底部雌ネジ部１２を設けるとともに、容器本体１の底部であって、天面の外径が容器本体１の内径よりも小さく、衛生用薄葉紙Ｐが載置される載置部１３の側面の外面側に、当該底部雌ネジ部１２と螺合する載置部雄ネジ部１３１を設け、載置部１３の外面側の底面部に、指を入れることが可能な凹部である載置部指入れ部１３２を設けるようにしても構わない。
このような構成とした場合であっても、載置部１３を載置部指入れ部１３２によって回動させて容器本体１内に入れ込むことで、少なくなった容器本体１内の衛生用薄葉紙Ｐを取出孔３３に近付け、目出しの落ち込みを発生しにくくすることができる。
【0041】
［変形例］
以上、本発明を第１、第２実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
以上、本発明を第１、第２実施形態に基づいて具体的に説明してきたが、本発明は上記実施形態の内容に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0042】
例えば、第１実施形態に示した指入れ部２１ｆ並びに第２実施形態に示した載置部指入れ部１３２は、蓋体本体２１又は載置部１３に形成される凹部であるとしたが、これに限られず、容器本体１内に入り込んだ蓋体本体２１又は載置部１３を把持して回動させることが可能な形態であればよく、凸部であっても構わない。また、その数も２つに限られない。
ただし、載置部指入れ部１３２は、容器本体１を載置する際の安定性から、凹部とするのが望ましい。
ただし、載置部指入れ部１３２は、容器本体１を載置する際の安定性から、凹部とするのが望ましい。
【0043】
また、第１実施形態においては、指入れ部２１ｆを設けず、取出部３を開放した状態の小蓋２２を把持することで蓋体２を周方向に回動させ、容器本体１内に入れ込むようにしても構わない。
【0044】
また、図２及び図７、あるいは図８に示すように、衛生用薄葉紙Ｐがウェットシートである場合は、互いに螺合する雌ネジ部１１及び雄ネジ部２１１、あるいは底部雌ネジ部１２及び載置部雄ネジ部１３１の周囲に隙間が生じうるのを防ぐために、蓋体２又は載置部１３の回動を許容しつつも、閉時には密閉性を生じるシール部材Ｓを、雄ネジ部２１１の下端部、あるいは載置部雄ネジ部１３１の上端部に設けるようにしてもよい。
【0045】
また、雌ネジ部１１の下端部又は底部雌ネジ部１２の上端部には、ねじ抜けを防ぐためのストッパ部材を設けるようにしても構わない。
【0046】
また、取出部３は蓋体２に着脱自在であっても、固定されていてもよい。
【符号の説明】
【0047】
１００ 衛生用薄葉紙収納容器
１ 容器本体
１１ 雌ネジ部
１２ 底部雌ネジ部
１３ 載置部
１３１ 載置部雄ネジ部
１３２ 載置部指入れ部
２ 蓋体
２１ｂ 側面部
２１ｆ 指入れ部
２１１ 雄ネジ部
３ 取出部
３３ 取出孔
Ｐ 衛生用薄葉紙
Ｓ シール部材
１ 容器本体
１１ 雌ネジ部
１２ 底部雌ネジ部
１３ 載置部
１３１ 載置部雄ネジ部
１３２ 載置部指入れ部
２ 蓋体
２１ｂ 側面部
２１ｆ 指入れ部
２１１ 雄ネジ部
３ 取出部
３３ 取出孔
Ｐ 衛生用薄葉紙
Ｓ シール部材
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】