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特許7473552発熱デバイスのためのラックマウントボックス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】発熱デバイスのためのラックマウントボックス
(51)【国際特許分類】
   C25B 1/04 20210101AFI20240416BHJP
   C25B 9/77 20210101ALI20240416BHJP
   C25B 15/00 20060101ALI20240416BHJP
   C25B 15/021 20210101ALI20240416BHJP
【FI】
C25B1/04
C25B9/77
C25B15/00 302Z
C25B15/021
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021534965
(86)(22)【出願日】2019-09-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-09
(86)【国際出願番号】 EP2019075483
(87)【国際公開番号】W WO2020126135
(87)【国際公開日】2020-06-25
【審査請求日】2022-09-26
(31)【優先権主張番号】18214709.0
(32)【優先日】2018-12-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】520100103
【氏名又は名称】ハイメット アーペーエス
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ビシュワス, サモン
【審査官】長谷部 智寿
(56)【参考文献】
【文献】特開平03-177096(JP,A)
【文献】米国特許第06324056(US,B1)
【文献】米国特許第05460441(US,A)
【文献】特表2015-527673(JP,A)
【文献】登録実用新案第3122283(JP,U)
【文献】特表2007-505998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C25B 1/00- 9/77
C25B 13/00-15/08
B01L 9/00
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラックマウントボックス組立体と、
各ラックマウントボックス(1”)について、発熱デバイス保持構造(7)によって支持されるかまたは前記発熱デバイス保持構造(7)から懸下される発熱デバイスと
を備える高圧電解槽システムであって、
ラックマウントボックス組立体が、各発熱デバイスのための、第1のラックマウントボックス(1”)および第2のラックマウントボックス(1”)を備え各ラックマウントボックス(1”)が、
発熱デバイスチャンバを形成するハウジング(3’)と、
前記発熱デバイスチャンバ内に配置され、発熱デバイスを支持するように構成された発熱デバイス保持構造(77)と、ここで、発熱デバイス保持構造(77)は、前記ハウジング(3’)から滑り出すようにレール組立体に沿って摺動するように構成されたトレイと当該トレイを支持または懸下するように構成されたレール組立体とを備えるか、或いは前記発熱デバイス保持構造(77)は、前記発熱デバイスが直接載せられるか懸下され得るレール組立体を備え、
前記発熱デバイス保持構造(77)の垂直下方に配置され、冷気が前記発熱デバイスチャンバに流入することを可能にするように構成された、冷気入口(71)であって、前記発熱デバイス保持構造(77)が、冷気が前記発熱デバイス保持構造(77)を通過して垂直に流れることを可能にするように構成されている、冷気入口(71)と、
を備え、
前記ハウジング(3’)が、前記冷気入口(71)を介して冷気として前記発熱デバイスチャンバ内に受け入れられた加熱空気が前記発熱デバイスチャンバから出ることを可能にするために、前記発熱デバイス保持構造(77)の垂直上方に配置された熱気出口(73)が設けられた壁(3a’;3b’;3c’;3d’)を有し、
前記ハウジング(3’)が、前記発熱デバイスチャンバ内で内側へ延在する屋根構造(79)を有し、前記屋根構造(79)が、前記発熱デバイスチャンバ内の加熱空気を前記熱気出口(73)の方へ向かわせるように構成され、
前記第1のラックマウントボックス(1”)および前記第2のラックマウントボックス(1”)が並んで配置され、前記第1のラックマウントボックスと前記第2のラックマウントボックスの間の側壁が取り外されており、前記第1のラックマウントボックス(1”)の前記発熱デバイスチャンバおよび前記第2のラックマウントボックス(1”)の前記発熱デバイスチャンバが互いに向かって開口することによって共通の単一の発熱デバイスチャンバを形成し、前記発熱デバイスが、高圧電解槽スタック(9)である高圧電解槽システム
【請求項2】
前記屋根構造(79)が、ピラミッド形状とされるか、V字形状とされるか、または直角三角形の形状を有する、請求項1に記載の高圧電解槽システム
【請求項3】
前記屋根構造が、加熱空気を前記熱気出口(73)の方へ向かわせるように構成された傾斜表面を有する、請求項1または2に記載の高圧電解槽システム
【請求項4】
前記屋根構造(79)が、ピラミッド形状であり、前記ハウジング(3’)のいくつかの非平行な壁(3a’;3b’;3c’;3d’)に、熱気出口が設けられ、前記ピラミッド形状の屋根構造(79)が、加熱空気を前記熱気出口(73)の方へ向かわせるように構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載の高圧電解槽システム
【請求項5】
前記ハウジング(3’)の1つの壁(3a’;3b’;3c’;3d’)のみに、熱気出口(73)が設けられ、前記屋根構造(79)が、前記熱気出口(73)に面する斜辺面の形態でその傾斜表面(79a)を有している直角三角形の形状を有する、請求項1から4のいずれか一項に記載の高圧電解槽システム
【請求項6】
前記冷気入口(71)が、前記ハウジング(3’)の下面に配置されるか、または、前記ハウジングの壁に設けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の高圧電解槽システム
【請求項7】
前記冷気入口(71)が、前記壁(3a’;3b’;3c’;3d’)に設けられ、前記壁(3a’;3b’;3c’;3c’)が、前壁(3c’)、後壁(3d’)、または側壁(3a’、3b’)である、請求項6に記載の高圧電解槽システム
【請求項8】
前記冷気入口(71)、および前記熱気出口(73)が、前記ハウジング(3’)の対向する壁(3a’、3b’;3c’、3d’)に設けられる、請求項6または7に記載の高圧電解槽システム
【請求項9】
前記ハウジング(3’)が、ポリマーまたは木材を含む断熱材で作られる、請求項1から8のいずれか一項に記載の高圧電解槽システム
【請求項10】
前記高圧電解槽スタック(9)が、複数の電解セルを備え、各電解セルが、2つの電極板(23)を備え、各電極板(23)が、ヒートフィン(43)が設けられた周辺部(41)を有する、請求項1から9のいずれか一項に記載の高圧電解槽システム。
【請求項11】
前記高圧電解槽スタック(9)が、電解槽冷却チャネル入口(47a)および電解槽冷却チャネル出口(47b)を有する、請求項から10のいずれか一項に記載の高圧電解槽システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、高圧電解槽などの発熱デバイスの冷却に関する。
【背景技術】
【0002】
水の電気分解は、水分子が分解されて水素ガスおよび酸素ガスを形成するプロセスである。このプロセスは、水中に沈められた2つの電極間に電流が流れる結果として起こる。
【0003】
特定の用途では、電気分解プロセスにおいて生成された水素ガスおよび酸素ガスを圧縮することが望ましい場合がある。伝統的に、このガス圧縮は、ガスが電解槽システムから排出された後に行われてきた。
【0004】
さらに最近では、電気分解中に早くもガス圧縮を行うことが提案されている。高圧電解槽システムの一例が、米国特許出願公開第20050072688A1号で開示されている。そのシステムは、水を電解セル内に圧送するためのポンプと、水がポンプに逆流するのを防ぐ逆止弁と、電解セルを備える電解槽スタックと、を含む。
【0005】
電解槽内の高圧のために、電解槽の内側において追加の熱発生が存在することになる。したがって、電気抵抗率が高められ、結果として、電解槽の効率が低下する。
【発明の概要】
【0006】
一部の用途では、電解槽をラックマウントすることが望ましい場合がある。ラックマウント式電解槽は、特定の標準寸法を満たす必要があり得る。例えば、電解槽は、標準的な19インチのラックに適合する幅寸法を有する必要があり得る。この小さなサイズは、電解槽の冷却に関する課題を提供し得る。
【0007】
上記に鑑みて、本開示の一般的な目的は、従来技術の問題を解決するかまたは少なくとも軽減する、発熱デバイスのためのラックマウントボックスを提供することである。
【0008】
したがって、本開示の第1の態様によれば、発熱デバイスのためのラックマウントボックスが提供され、このラックマウントボックスは、発熱デバイスチャンバを形成するハウジングと、発熱デバイスチャンバ内に配置され、発熱デバイスを支持するように構成された、発熱デバイス保持構造と、発熱デバイス保持構造の垂直下方に配置され、発熱デバイスチャンバ内に冷気が流入することを可能にする冷気入口であって、冷気が発熱デバイス保持構造を通過して垂直に流れることを可能にするようにトレイが構成されている、冷気入口と、を備え、ハウジングは、冷気入口を介して冷気として発熱デバイスチャンバ内に受け入れられた加熱空気が発熱デバイスチャンバから出ることを可能にするために、発熱デバイス保持構造の垂直上方に配置された熱気出口が設けられた壁を有し、ハウジングは、発熱チャンバ内で内側へ延在する屋根構造を有し、屋根構造は、発熱デバイスチャンバ内の加熱空気を熱気出口の方へ向かわせるように構成されている。
【0009】
したがって、周囲空気が、ラックマウントボックスのハウジングの内側に配置された発熱デバイスの外部表面を冷却するために使用される。ハウジングを通る冷気の連続的な循環により、ファンなどの余分な電動冷却は必要とされない。したがって、冷却は、エネルギー消費をより少なくされ、かつ、騒音をより少なくされ得る。さらに、ラックマウントボックスは、よりコンパクトにされ、ファンがほこりを吸い込み、ファンを備えたボックスが清掃を必要とするので、保守がより容易になり、かつ、よりコスト効率を良くされ得る。
【0010】
発熱デバイスは、例えば、高圧電解槽スタック、高圧電解槽スタックのための電源ユニット、またはポンプであり得る。
【0011】
1つの実施形態によれば、屋根構造は、ピラミッド形状とされるか、V形状とされるか、または、直角三角形の形状を有する。
【0012】
1つの実施形態によれば、屋根構造は、加熱空気を熱気出口の方へ向かわせるように構成された傾斜表面を有する。
【0013】
したがって、ピラミッド形状の屋根構造、V形状の屋根構造、または直角三角形の形状の屋根構造は、加熱空気を熱気出口の方へ向かわせるように構成された傾斜表面を有する。傾斜表面は、水平面に対して傾斜していてよく、この水平面は、発熱デバイス保持構造によって画定されるか、または、ハウジングの平坦な外側屋根によって画定される平面である。
【0014】
発熱デバイス保持構造は、トレイ、およびトレイを支持するレール組立体を備え得る。トレイは、ハウジングから引き出され得るように、レール組立体に沿って摺動するように構成され得る。
【0015】
ラックマウントボックスは、スタンドを備え得る。レール組立体は、トレイがハウジングから引き出されるときにレール組立体を支持するための支持車輪を備え得る。支持車輪は、ラックマウントボックスの側面または側壁に対して、中央平面に沿って中央に配置され得る。
【0016】
あるいは、発熱デバイス保持構造は、発熱デバイスが直接載せられ得るレール組立体を備えてもよい。この場合、レール組立体は、発熱デバイスのための支持物/トレイとして機能する。
【0017】
1つの実施形態によれば、屋根構造は、ピラミッド形状とされ、ハウジングのいくつかの非平行な壁には、熱気出口が設けられ、ピラミッド形状の屋根構造は、加熱空気を熱気出口へ向かわせるように構成される。
【0018】
1つの実施形態によれば、ハウジングの1つの壁にのみ熱気出口が設けられ、屋根構造は、熱気出口に面する斜辺面の形態でその傾斜表面を有する直角三角形の形状を有する。
【0019】
1つの実施形態によれば、冷気入口は、ハウジングの下面に配置されるか、または、ハウジングの壁に設けられる。
【0020】
1つの実施形態によれば、冷気入口は、壁に設けられ、壁は、前壁、後壁、または側壁である。
【0021】
1つの実施形態によれば、冷却空気入口および熱気出口は、ハウジングの対向する壁に設けられる。
【0022】
1つの実施形態によれば、ハウジングは、断熱材で作られる。それにより、加熱空気は、ハウジング自体を加熱せず、代わりに、単に熱気出口を通って外に出ることになる。
【0023】
1つの実施形態によれば、断熱材は、ポリマーまたは木材を含む。
【0024】
本開示の第2の態様によれば、並んで配置された第1の態様による第1のラックマウントボックスと第2のラックマウントボックスとを含むラックマウントボックス組立体が提供され、第1のラックマウントボックスおよび第2のラックマウントボックスのそれぞれは、前壁、後壁、および一方の側壁のみを有し、第1のラックマウントボックスの発熱デバイスチャンバ、および第2のラックマウントボックスの発熱デバイスチャンバは、互いに向かって開口し、それにより、単一の発熱デバイスチャンバを形成する。
【0025】
本開示の第3の態様によれば、第1の態様によるラックマウントボックスと、発熱デバイス保持構造によって支持されるかまたは発熱デバイス保持構造から懸下される発熱デバイスとを備える、発熱デバイスシステムが提供される。
【0026】
発熱デバイスは、例えば、高圧電解槽スタック、ポンプ、または、高圧電解槽スタックのためのもしくはポンプのための電源などの電源であり得る。
【0027】
1つの実施形態によれば、発熱デバイスシステムは、高圧電解槽システムであり、発熱デバイスは、高圧電解槽スタックである。
【0028】
1つの実施形態によれば、電解槽スタックは、複数の電解セルを備え、各電解セルは、2つの電極板を備え、各電極板は、ヒートフィンが設けられた周辺部を有する。
【0029】
1つの実施形態によれば、電解槽スタックは、電解槽冷却チャネル入口と、電解槽冷却チャネル出口とを有する。
【0030】
したがって、本開示の第4の態様によれば、発熱デバイスのためのラックマウントボックスが提供され、ラックマウントボックスは、発熱デバイスチャンバを形成するハウジングと、発熱デバイスチャンバ内に配置され、高圧電解槽スタックを支持するように構成された、熱伝導冷却トレイと、を備え、冷却トレイは、冷却トレイ内に冷却流体を流すことにより冷却トレイの冷却を実現するための、冷却流体チャネル入口および冷却流体チャネル出口を有する冷却流体チャネルを備える。
【0031】
ラックマウントボックスは、また特に電解槽スタックを支持する冷却トレイは、発熱デバイスの冷却を促進する。特に、冷却トレイは、電解槽スタックなどの発熱デバイスのための熱シンクとして機能する。それにより、発熱デバイスの内部冷却システムに関する要件を、したがって発熱デバイスの内部冷却システムのサイズを小さくすることができ、それにより、電解槽スタックなどの発熱デバイスを、標準化されたラックに適合するように小さくすることができる。
【0032】
1つの実施形態によれば、ハウジングは、第1の側壁に沿って分散され、かつ、発熱デバイスチャンバ内に周囲空気を提供するように構成された複数の第1の空気入口開口部が設けられた、第1の側壁を有する。
【0033】
第1の空気入口開口部を介した周囲空気冷却は、発熱デバイスチャンバ内の電解槽スタックの冷却をさらに提供し得る。
【0034】
1つの実施形態によれば、ハウジングは、第2の側壁に沿って分散され、かつ、発熱デバイスチャンバ内に周囲空気を提供するように構成された複数の第2の空気入口開口部が設けられた、第1の側壁に対向する第2の側壁を有する。
【0035】
1つの実施形態によれば、冷却トレイは、積み重ね構成で配置されそれにより冷却トレイを形成する、複数のトレイセグメントを備える。
【0036】
したがって、冷却流体チャネルを含む冷却トレイの製造が容易になり得る。例えば、製造中にレーザによりモノリシック構造を切断して冷却トレイセグメントを形成することができ、次いで、冷却流体チャネルの一部を形成するチャネルセグメントを冷却トレイセグメントに設けることができる。
【0037】
1つの実施形態によれば、トレイセグメントは、冷却流体チャネルの主延長部と平行な方向に積み重ねられる。
【0038】
1つの実施形態によれば、冷却トレイは、2つの最外トレイセグメントと、2つの最外トレイセグメントの間に配置された複数のトレイセグメントとを有し、2つの最外トレイセグメントは、他のトレイセグメントとは異なる材料で作られる。
【0039】
2つの最外トレイセグメントは、それらの間に配置されたトレイセグメントを保持する圧迫板であってよい。トレイセグメントは、例えば、圧迫ねじまたはボルトによって保持され得る。最外トレイセグメントは、例えば、炭素繊維などの軽量誘電材料で作られ得る。2つの最外トレイセグメントの間に配置されるトレイセグメントは、例えばアルミニウム、銅、もしくは鋼といった金属などの高い熱伝導性を有する材料で作られるか、または、熱伝導性ポリマーで作られることが、好ましい。
【0040】
1つの実施形態によれば、冷却流体チャネルは、コイル構造を有する。それにより、冷却流体は、冷却トレイの内側で数回回転することになり、冷却をより効率的にする。
【0041】
1つの実施形態によれば、ハウジングは、発熱デバイスチャンバの屋根を形成する屋根構造を有し、第1の側壁は、屋根構造と第1の空気入口開口部との間に配置された開口窓を有し、第2の側壁は、屋根構造と第2の空気入口開口部との間に配置された開口窓を有し、屋根構造は、第1の入口開口部および第2の入口開口部を介して発熱デバイスチャンバ内に受け入れられた空気を開口窓から外へ向かわせるように構成される。
【0042】
屋根構造は、第1の空気入口開口部および第2の空気入口開口部を通して発熱デバイスチャンバに入る空気の自然対流を促進する。したがって、電解槽スタックの冷却は、より効率的にされ得る。
【0043】
空気を横方向に導く屋根構造により、効率的な周囲空気冷却を維持しながら、いくつかのラックマウントボックスをラック内に積み重ねることができる。
【0044】
1つの実施形態によれば、屋根構造は、発熱デバイスチャンバ内で内側へ延在するピラミッド形状を有する。ピラミッド形状は、発熱デバイスチャンバ内の冷気を開口窓の方へ偏向させる/進ませる。
【0045】
屋根構造は、ピラミッド形状を形成する4つのファセットを有し得る。各ファセットは、空気をそれぞれの開口窓の方へ向かわせるように構成され得る。ここで、ハウジングは、ハウジングの各側に1つずつ、4つの開口窓を備え得る。各開口窓は、屋根構造の領域に、特に屋根構造の垂直下方に配置され得る。したがって、ピラミッド構造は、空気流を4つの開口窓の方へ進ませる。
【0046】
1つの実施形態は、冷却トレイを支持するように、また、冷却トレイの振動を減衰させるように構成された、少なくとも1つの弾性支持要素を備える。したがって、水を高圧下で電解槽スタック内へ圧送するポンプ/モータによって生じる振動は、ラックマウントボックスへの振動伝搬を低減するために、吸収され得る。したがって、振動によって引き起こされる騒音が、減少され得る。
【0047】
1つの実施形態は、外側屋根と、外側屋根の下方に配置された内側屋根と、冷却流体チャネル出口に接続されたチューブと、チューブに接続されたホッパとを備え、外側屋根は、空気出口窓を有し、内側屋根は、周囲熱気のための内側窓を有し、ホッパは、発熱デバイスチャンバと、内側屋根と外側屋根との間の空間との間の流体接続を提供し、それにより冷却流体チャネル出口からの空気流と内側窓を通って流れる周囲熱気とを混合するために、内側屋根に接続されている。
【0048】
混合することにより、周囲熱気は、ある程度の運動量を得ることになり、それにより、周囲熱気は、空気出口窓に接続されたパイプラインを通って移動することができる。したがって、熱気は、加熱目的に使用され得る。
【0049】
本開示の第5の態様によれば、第1または第4の態様によるラックマウントボックスと、冷却トレイであるトレイ上の発熱デバイスチャンバ内に配置された高圧電解槽スタックとを備える、高圧電解槽システムが提供される。
【0050】
1つの実施形態によれば、電解槽スタックは、複数の電解セルを備え、各電解セルは、2つの電極板を備え、各電極板は、ヒートフィンが設けられた周辺部を有する。
【0051】
1つの実施形態によれば、第1の空気入口開口部および第2の空気入口開口部は、ヒートフィンの冷却を実現するように構成される。したがって、その横方向ヒートフィンを有する電解槽スタックは、その第1の空気入口開口部を有する第1の側壁とその第2の空気入口開口部を有する第2の側壁とに沿って設けられ得る。
【0052】
ヒートフィンは、電解槽スタックのさらなる冷却を実現する。具体的には、ヒートフィンと第1の空気入口開口部および第2の空気入口開口部からの周囲空気との相互作用が、電解槽スタックの下面上の冷却トレイの熱だめ機能によって実現される冷却に加えて、電解槽スタックの効率的な空気冷却を実現する。
【0053】
1つの実施形態によれば、電解槽スタックは、ラックマウントボックスの冷却流体チャネル入口と流体接続している電解槽冷却チャネル入口と、ラックマウントボックスの冷却流体出口と流体接続している電解槽冷却チャネル出口とを有する。
【0054】
1つの実施形態によれば、電解槽冷却チャネル入口および電解槽冷却チャネル出口は、電解槽スタックの上部領域内に配置される。
【0055】
本開示の第6の態様によれば、電解槽スタックのための電極板が提供され、この電極板は、フレームであって、水素ガスチャネルおよび酸素ガスチャネルを含み、電極板の中央貫通開口部を区切り、水素ガスチャネルおよび酸素ガスチャネルのうちの一方のみが中央貫通開口部に接続される、フレームと、中央貫通開口部に接続される水チャネルと、貫通開口部の一方の側から貫通開口部のもう一方の側へ延在する複数の電極素子と、を備え、フレームは、複数のヒートフィンが設けられた周辺部を有する。
【0056】
1つの実施形態によれば、ヒートフィンは、周辺部の一部分に沿って延在する。
【0057】
1つの実施形態によれば、フレームは、冷却流体のための流体入口および流体出口を備え、ヒートフィンは、流体入口および流体出口の領域内で周辺部に沿って延在する。
【0058】
1つの実施形態によれば、ヒートフィンは、フレームの周辺部全体に沿って延在する。
【0059】
ヒートフィンは、例えば、アルミニウムまたは銅などの金属で作られ得る。
【0060】
本開示の第4の態様によれば、電解セルを形成する、本明細書において提示された第3の態様の複数の電極板を備える電解槽スタックが提供される。
【0061】
一般に、特許請求の範囲において使用される全ての用語は、本明細書においてそうでないことが明確に定義されていない限り、技術分野におけるそれらの通常の意味に従って解釈されるべきである。「a/an/the要素、装置、構成要素、手段、ステップ、等」への言及は全て、そうでないことが明確に述べられていない限り、要素、装置、構成要素、手段、ステップ、等の少なくとも1つの例に言及するものとして広く解釈されるべきである。本明細書において開示される任意の方法のステップは、明確に述べられていない限り、開示された正確な順序で行われる必要はない。
【0062】
次に、例として添付の図面を参照しながら、本発明の概念の例を説明する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
図1】電解槽スタックのためのラックマウントボックスの例の斜視図を概略的に示す図である。
図2】前壁が取り除かれた図1のラックマウントボックスの別の図を概略的に示す図である。
図3】冷却トレイの例の斜視図を概略的に示す図である。
図4】電解槽スタックを支持する冷却トレイの斜視図を概略的に示す図である。
図5図1に示された電解槽スタックの側面図である。
図6】屋根構造の正面図を概略的に示す図である。
図7】冷却トレイを保持する支持部材の拡大図である。
図8図1のラックマウントボックスの断面図である。
図9】ラックマウントボックスの別の例の斜視図である。
図10図9のラックマウントボックスの側断面図である。
図11】電極板の例の正面図を概略的に示す図である。
図12図11の電極板を横から示す図である。
図13図11の電極板の拡大図である。
図14】電解槽スタックの斜視図を概略的に示す図である。
図15a-15b】ラックマウントボックスの別の例の一例の斜視図を概略的に示す図である。
図16a】ラックマウントボックスの例の断面側面図である。
図16b】屋根構造の例の斜視図を概略的に示す図である。
図16c-16d】ラックマウントボックスの例の断面側面図である。
図16e】屋根構造の例の斜視図を概略的に示す図である。
図17】ラックマウントボックス組立体の正面図を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0064】
次いで、本発明の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照しながら、本発明を以下により詳細に説明する。しかし、本発明は、多くの異なる形態で具現化されてよく、また、本明細書に記載された実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全なものとなり、かつ、本発明の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供されるものである。説明全体を通して、同様の番号は、同様の要素を指す。
【0065】
図1は、例えば電動モータ/ポンプ、電源、または高圧電解槽スタックといった電気式、液圧式、または電気化学的なデバイスなどの発熱デバイスのためのラックマウントボックス1の例の斜視図である。以下では、発熱構成要素は、電解槽スタックによって例示される。
【0066】
ラックマウントボックス1は、ラック内にラックマウントされるように構成される。ラックマウントボックス1は、例えば、標準的な19インチのラック内に取り付けられるように設計され得る。
【0067】
ラックマウントボックス1は、発熱デバイスチャンバ、特に電解槽スタックのための電解槽スタックチャンバを形成する、ハウジング3を備える。ハウジング3は、第1の側壁3aと、第1の側壁3aに対向して配置された第2の側壁3bとを有する。ハウジング3は、前壁3cと、前壁3cに対向して配置された後壁3dとをさらに有し得る。例示されたハウジング3はまた、屋根3eを有する。
【0068】
第1の側壁3aおよび第2の側壁3bは、ラックマウントボックス1が標準的なラック内に取り付けられ得るように、寸法決めされ得る。第1の側壁3aおよび第2の側壁3bは、1つの例によれば、19インチまたはおおよそ19インチの幅を有し得る。
【0069】
第1の側壁3aには、複数の第1の空気入口開口部5aが設けられている。第1の空気入口開口部5aは、第1の側壁3aに沿って分散されている。第1の空気入口開口部5aは、例えば、第1の側壁3aに沿って複数の列に配置され得る。第1の空気入口開口部5aは、周囲空気を発熱デバイスチャンバ内に供給するように構成される。
【0070】
図2に示されるように、第2の側壁3bには、複数の第2の空気入口開口部5bが設けられる。第2の空気入口開口部5bは、第2の側壁3bに沿って分散されている。第2の空気入口開口部5bは、例えば、第2の側壁3bに沿って複数の列に配置され得る。第2の空気入口開口部5bは、周囲空気を発熱デバイスチャンバ内に供給するように構成される。
【0071】
第1の側壁3a、第2の側壁3b、および屋根3eは、金属などの熱伝導性材料から作られてよく、または、例えばポリマー、さらには木材で作られてもよい。第1の側壁3a、第2の側壁3b、および屋根3eは、熱を伝導する必要はない。
【0072】
例示されたハウジング3は、複数の開口窓3fをさらに有する。具体的には、第1の側壁3a、第2の側壁3b、前壁3c、および後壁3dのそれぞれに、それぞれの開口窓3eが設けられ得る。開口窓3fは、第1の空気入口開口部5aおよび第2の空気入口開口部5bを通って発熱デバイスチャンバに入った空気が自然対流により発熱デバイスチャンバから漏出することを可能にするように構成される。発熱デバイスチャンバ内に設置された電解槽スタックは、発熱デバイスチャンバ内の空気を加熱する。開口窓3fは、屋根3eの領域内、具体的には屋根3eの下方に配置される。第1の側壁3aの開口窓3fは、第1の空気入口開口部5aと屋根3eとの間に配置される。第2の側壁3bの開口窓3fは、第2の空気入口開口部5bと屋根3eとの間に配置される。
【0073】
図2は、ラックマウントボックス1の内部を見せるために前壁3cが取り除かれたラックマウントボックス1を示す。ラックマウントボックス1は、冷却トレイ7を備える。冷却トレイ7は、ハウジング3の内側に配置される。冷却トレイ7は、熱伝導性材料で作られる。冷却トレイ7は、電解槽スタック9を支持するように構成される。電解槽スタック9およびラックマウントボックス1は、高圧電解槽システム8を一緒に形成する。発熱デバイスチャンバは、この例では、第1の側壁3a、第2の側壁3b、前壁3c、後壁3d、屋根3eの内側屋根構造11、および冷却トレイ7の内側表面によって画定される。
【0074】
ラックマウントボックス1は、支持部材13を有することができ、冷却トレイ7は、支持部材13の上に載っていてもよい。支持部材13は、例えば、第1の側壁3aおよび第2の側壁3bに取り付けられるか、または第1の側壁3aおよび第2の側壁3bの一部を形成し得る。支持部材13は、例えば、第1の側壁3aおよび第2の側壁3bに沿って延在する棚部であってもよい。
【0075】
図3は、冷却トレイ7の一例の斜視図である。冷却トレイ7は、冷却トレイ7の内側に延在する冷却流体チャネルを備える。冷却トレイ7は、冷却流体チャネルの入口である冷却流体チャネル入口と、冷却流体チャネルの出口である冷却流体チャネル出口15bとを有する。冷却流体チャネルは、例えば、コイル構造を有し得る。したがって、冷却流体チャネルは、冷却トレイ7の対向する端部間で冷却トレイ7の長さに沿って数倍に延在し得る。それにより、冷却流体チャネルは、冷却流体チャネル入口15aと冷却流体チャネル出口15bとの間に延在するときに、複数の巻きを有し得る。冷却流体チャネルは、冷却トレイ7の冷却、したがって冷却トレイ7によって支持された電解槽スタックの冷却を実現するために、液体、例えば水などの冷却流体が冷却トレイ7に流入することを可能にするように構成される。
【0076】
例示された冷却トレイ7は、複数のトレイセグメント7a、7b、7c、…7nを含む。トレイセグメント7a、7b、7c、…7nは、積み重ね構成で配置される。それにより、トレイセグメント7a、7b、7c、…7nは、冷却トレイ7を形成する。トレイセグメント7a、7b、7c、…7nは、例えば、圧迫棒およびボルトによって一緒に保持され得る。トレイセグメント7a、7b、7c、…7nは、冷却トレイ7の製造中に、例えばモノリシック構造のレーザ切断によって製造され得る。冷却流体チャネルは、その後で、各トレイセグメント7a、7b、7c、…7nが組み立てられる前に、各トレイセグメント7a、7b、7c、…7n内に設けられ得る。
【0077】
1つの例によれば、最外トレイセグメント7aおよび7nは、他のトレイセグメントとは異なる材料で作られ得る。最外トレイセグメント7aおよび7nは、例えば、高機械的強度かつ軽量の材料で作られ得る。最外トレイセグメント7aおよび7nは、例えば、炭素繊維で作られ得る。冷却流体チャネル入口15aおよび冷却流体チャネル出口15bのための圧迫棒、ボルト、および取付具は、炭素繊維最外トレイセグメント7aおよび7nの表面とともにフラッシュされる。他のトレイセグメントは、好ましくは、例えばアルミニウム、銅、鋼といった金属、または熱伝導性ポリマーなどの、高い熱伝導性を有する材料で作られ得る。
【0078】
あるいは、冷却トレイは、モノリシック構造であってもよい。
【0079】
図4は、冷却トレイ7上に配置された電解槽スタック9の斜視図を示す。電解槽スタック9の底部は、冷却トレイ7の上に載っている。
【0080】
図5は、ラックマウントボックス1の側面図を示す。例示されたラックマウントボックス1の屋根3eは、第1の空気入口開口部5aおよび第2の空気入口開口部5bを介して発熱デバイスチャンバ内に入った空気を開口窓3fから外へ向かわせるように構成された屋根構造3gを有する。図5に示された例では、屋根構造3fは、ハウジング3の内側へ延在するピラミッド形状を有する。したがって、ピラミッド形状は、その基部および屋根3eに対して垂直下方にその先端を有する。
【0081】
図6は、屋根構造3gの正面図を示す。屋根構造3gは、複数のファセット17a~17dを有する。本例では、屋根構造3gは、屋根構造3gのピラミッド形状を画定する4つのファセット17a~17dを有する。各ファセット17a~17dは、第1の空気入口開口部5aおよび第2の空気入口開口部5bからの加熱された吸気をそれぞれの開口窓3fへ向かわせる。それにより、発熱デバイスチャンバ内の自然対流が促進され得る。
【0082】
図7は、冷却トレイ7を担持する領域の拡大図を示す。支持構造13は、冷却トレイ7を支持する。支持構造13には、弾性支持要素13aが設けられる。冷却トレイ7は、弾性支持要素13aの上に載る。弾性支持要素13aは、冷却トレイ7の振動を吸収するように構成される。振動は、電気分解のために冷却トレイ7上に配置された電解槽スタック9内に高圧で水を圧送するポンプ/モータによって生じる場合があり、その振動は、電解槽スタック9に伝搬し得る。支持構造13のそれぞれに、それぞれの弾性支持要素13aが設けられ得る。弾性支持要素13aは、例えば、ポリマー、ゴム、またはセルロースベースの材料で作られ得る。
【0083】
図8は、電解槽スタック9が発熱デバイスチャンバ内に設置されたときにラックマウントボックス1によって実現される冷却の機能を示す。示された例によれば、ラックマウントボックス1は、ラックマウントボックス1の内側に配置されたガスシリンダを備え得る。ラックマウントボックス1は、それぞれ酸素ガスシリンダおよび水素ガスシリンダを保持するように構成されたガスシリンダ保持器19および21を備え得る。したがって、ラックマウントボックス1の内側で、電気分解に由来する加圧酸素ガスを酸素ガスシリンダ内に貯蔵し、電気分解に由来する加圧水素ガスを水素ガスシリンダ内に貯蔵することができる。ガスシリンダ保持器19および21は、本例では、冷却トレイ7の下方に配置されている。
【0084】
冷却動作に関しては、電解槽スタック9が動作されているときに、水などの冷却流体が、矢印A1によって示されるように、冷却流体チャネル入口15aを介して冷却トレイ7および冷却流体チャネル内に導かれる。冷却流体は、最終的に、矢印A2によって示されるように、冷却流体チャネル出口15bを介して冷却トレイ7から流出する。同時に、周囲空気が、矢印A3によって示されるように第1の空気入口開口部5aを介して、また、矢印A4によって示されるように第2の空気入口開口部5bを介して、発熱デバイスチャンバに流入する。このようにして発熱デバイスチャンバに入る周囲空気が、電解槽スタック9の側面を冷却する。自然対流により、加熱空気は上昇して、矢印A5およびA6によって示されるように、加熱空気がハウジング3から出て行く場所である開口窓3fの方へ屋根構造9によって偏向される。したがって、電解槽スタック9の冷却は、ラックマウントボックス1により、1)冷却流体が冷却トレイ7を流れることによる冷却トレイ7の熱だめ機能によること、ならびに2)第1の空気入口開口部5aおよび第2の空気入口開口部5bを介して提供される周囲空気および自然対流によることの、2つの方法で実現され得る。
【0085】
図9は、ラックマウントボックスの別の例を示す。ラックマウントボックス1’は、ラックマウントボックス1とは異なる屋根3e’を有する。図には示されていないが、第1の側壁3aには、第1の空気入口開口部が設けられてもよく、第2の側壁3bには、第2の空気入口開口部が設けられてもよい。屋根3e’は、外側屋根を形成し、かつ、第1の側壁3aおよび第2の側壁3bのうちの一方と直角にまたは実質的に直角に配置された平面部分53を有する。平面部分53は、ラックマウントボックス1’の前壁と後壁との間に延在する。屋根3e’はまた、平面部分53に対して傾斜部分55を有する。傾斜部分55は、前壁と後壁との間に延在する。例えば、屋根3e’の半分が平面部分53で形成され、もう半分が傾斜部分55で形成されてもよい。平面部分53と傾斜部分55との間に折り線が設けられてもよい。図9に示された例では、平面部分53には、空気出口窓57が設けられている。
【0086】
さらに、ラックマウントボックス1’は、発熱デバイスチャンバを屋根3e’から分離する内側屋根または内側レベル59を備える。内側屋根59は、冷却トレイ7と外側屋根3e’との間に配置される。内側屋根59は、ラックマウントボックス1’の前壁と後壁との間に延在する、屋根3e’の傾斜部分55の下方に配置された平面部分61を有する。内側屋根59はまた、屋根3e’の平面部分53の下方に配置された、第1の側壁3aおよび第2の側壁3bのうちの一方に対する傾斜部分63を有する。傾斜部分63は、前壁と後壁との間に延在する。平面部分61および傾斜部分63は、折り線によって分離されてもよい。したがって、屋根3e’および内側屋根59は、互いに対して全体的に反転した構造を有し得る。内側屋根61には、内側窓65が設けられる。具体的には、平面部分61に内側窓65が設けられる。したがって、内側窓65は、第1の側壁3aから第2の側壁3bへ向かう方向において空気出口窓57からオフセットして配置される。
【0087】
屋根3e’および内側屋根59の両方が、ラックマウントボックス1’の前壁および後壁に対して傾斜する。傾斜は、内側屋根59と屋根3e’とで同じであるかまたは実質的に同じであってもよい。内側窓65および空気出口窓57は、傾斜屋根3e’および内側屋根59の最上領域に配置される。したがって、内側窓65および空気出口窓57はどちらも、前壁または後壁のいずれかの領域に配置される。
【0088】
図10は、ラックマウントボックス1’の断面側面図を示す。ラックマウントボックス1’は、ホッパ67、およびホッパ67に接続されたチューブ69をさらに備え得る。ホッパ67は、電解槽スタック9の上方の内側屋根59の最下部にある開口部に取り付けられる。したがって、ホッパ67は、発熱デバイスチャンバと、内側屋根59と屋根3e’との間の空間との間の流体接続を提供する。チューブ69は、電解槽スタック9の流体冷却システムの出力部と、冷却トレイ7の冷却流体チャネル出口15bとに接続され得る。チューブ69は、流体冷却システムおよび冷却流体チャネル出口15bからホッパ67へ高温蒸気を運ぶように構成される。この蒸気/熱気は、内側屋根59と屋根3e’との間の空間内で、内側窓65を通って流れる熱気と混ざり合うことになる。この混合により、周囲熱気は、ある程度の運動量を得ることになり、それにより、周囲熱気は、空気出口窓57に接続されたパイプラインを通って移動することができる。したがって、熱気は、加熱目的に使用され得る。
【0089】
電解槽スタック9は、1つの例によれば、周囲空気冷却に特に適合され得る。具体的には、電解槽スタック9の電解セルを形成する電極板は、第1の空気入口開口部5aおよび第2の空気入口開口部5bを介して発熱デバイスチャンバに入る周囲空気とより効率的に相互作用するために、横方向ヒートフィン構造を有して設計され得る。図11は、電解槽のための電極板23の例を示す。2つの電極板23が、電解セルを形成し、一方は陽極として作用し、もう一方は陰極として作用する。電解槽スタック9を形成するために、複数の電解セルが積み重ねられ得る。
【0090】
電極板23は、中央貫通開口部25を区切るフレーム23aを備える。フレーム23aは、水素ガスチャネル27および酸素ガスチャネル29を含む。各電極板23につき、水素ガスチャネル27および酸素ガスチャネル29のうちの一方のみが、中央貫通開口部25と流体接続している。水素ガスチャネル27および酸素ガスチャネル29は、電極板23の上方領域に配置される。電極板23は、中央貫通開口部25に接続された酸素ガスチャネル29を有する陽極として作用する全ての電極板23と、中央貫通開口部25に接続された水素ガスチャネル27を有する陰極として作用する全ての電極板23とを交互にして配置される。
【0091】
フレーム23aは、水チャネル31および33をさらに含み、各電極板23につき、水チャネル31および33のうちの一方のみが、中央貫通開口部25と流体接続している。水チャネルのうちの一方31は、陽極を形成する電極板のためのものであり、他方の水チャネル33は、陰極を形成する電極板のためのものである。
【0092】
電極板23は、複数の電極素子35をさらに備え得る。電極素子35は、平行に配置され、かつ、中央貫通開口部25の片側から中央貫通開口部25の反対側まで垂直に延在する。各電極素子35は、例えば、中心の直線状または基本的に直線状のワイヤと、中心ワイヤの周りに配置されたコイルとを備え得る。
【0093】
電極板23は、流体入口37および流体出口39をさらに備える。流体入口37および流体出口39のそれぞれは、電極板23およびフレーム23aの上方領域に配置された貫通開口部である。流体入口37および流体出口39は、電解槽スタック9を通して水などの冷却流体を提供するためのものである。具体的には、冷却流体は、流体入口37を通って電解槽スタック9に入り、流体出口39を通って電解槽スタック9から出ることができる。
【0094】
流体入口37は、1つの例によれば、複数のヒートフィン構造37aを備え得る。ヒートフィン構造37aは、例えば、流体入口37の内周に沿って分散された複数の径方向要素を含み得る。流体出口39は、1つの例によれば、複数のヒートフィン構造39aを備え得る。ヒートフィン構造39aは、例えば、流体出口39の内周に沿って分散された複数の径方向要素を含み得る。
【0095】
フレーム23aは、電極板23の外部冷却を実現するために、複数のヒートフィンが設けられた外周部41を有する。図12は、電極板23の側面図を示す。ヒートフィン43は、フレーム23の周辺部41に沿って中央貫通開口部25の軸方向に順々に配置される。ヒートフィン43は、例えば、周辺部41の一部分のみに沿って、例えば電極板23の上部領域または上半分にのみ設けられてもよく、または、ヒートフィン43は、周辺部41全体に沿って延在してもよい。図13は、ヒートフィン43の拡大図を示す。
【0096】
ヒートフィン43は、例えばアルミニウムもしくは銅といった金属または熱伝導性ポリマーなどの熱伝導性材料で作られることが好ましい。
【0097】
ヒートフィン43の外部位置により、第1の空気入口開口部5aおよび第2の空気入口開口部5bを通ってラックマウントボックス1に入る周囲空気は、電解槽スタック9のより良好な冷却を実現し得る。
【0098】
図14は、積み重ね構成で配置された複数の電極板23を備える電解槽スタック9を、より詳細に示す。電解槽スタック9は、端板45などの端板を含む。端板45は、電極板23の流体入口37に接続された電解槽冷却チャネル入口47aと、電極板23の流体出口39に接続された電解槽冷却チャネル出口47bと、酸素ガス出口49aと、水素ガス出口49bと、水チャネル31および33に接続された電気分解のための水入口51と、を有する。水は、ポンプにより高圧で水入口51を介して電解槽スタック9内に提供され得る。
【0099】
端板は、例えば、金属または炭素繊維で作られ得る。炭素繊維は、金属よりも軽量であり、かつ、高圧に耐える強度がある。端板が炭素繊維で作られている場合、電解槽冷却チャネル入口47aおよび出口47b、水入口51、ならびに酸素ガス出口49aおよび水素ガス出口49bのための取付具は、炭素繊維端板の表面とともにフラッシュされ得る。電解槽スタック9は、圧迫棒およびボルトによって一緒に保持されてよく、圧迫棒およびボルトもまた、炭素繊維端板の表面に対してフラッシュされ得る。
【0100】
電解槽冷却チャネル入口47aは、ラックマウントボックス7の冷却流体チャネル入口15aと流体接続し得る。したがって、同じ流体源が、電解槽冷却チャネル入口47aと冷却流体チャネル入口15aとに接続され得る。電解槽冷却チャネル出口47bは、ラックマウントボックス1の冷却流体チャネル出口15bと流体接続し得る。したがって、電解槽スタック9および冷却トレイ7から出る加熱された流体は、一体化され得る。したがって、同じ流体、例えば水、冷却システムが、電解槽スタック9の内部流体冷却、および冷却トレイ7によって実現される外部冷却のために使用され得る。
【0101】
電解槽スタック9は、電解セル間および/または電解セルと端板との間に設置された追加の冷却板を備え得る。より多くの冷却板は、より良好な冷却効率を実現するが、冷却板の数は一般に、電解槽スタック9のラック適合サイズに起因して制限される。
【0102】
図15aは、ラックマウントボックス1”の別の例を示す。ラックマウントボックス1”は、ハウジング3’を備える。ハウジング3’は、高圧電解槽スタック9、ポンプ、モータ、または電源などの発熱デバイスを受け入れるように構成された発熱デバイスチャンバを画定する。ハウジング3は、1つの例によれば、断熱材で作られ得る。断熱材は、例えば、プラスチックもしくはセルロースなどのポリマー材料、または木材を含むか、あるいはそれらで構成され得る。
【0103】
ハウジング3’は、2つの側壁3a’および3b’を有する。側壁3a’および3b’は、取外し可能であってもよい。ハウジング3’はまた、前壁3c’および後壁3d’を備える。前壁3c’および後壁3d’は、19インチなどの特定のラック幅で寸法決めされ得る。
【0104】
ラックマウントボックス1”は、発熱デバイスを支持または懸下するように構成された発熱デバイス保持構造(図示せず)を含む。発熱デバイス保持構造は、例えば、トレイを含み得る。トレイは、すでに説明されたような冷却トレイであってもよく、または、重い発熱デバイスを支持することができる任意の種類のトレイなどの、特別に適合された冷却能力を持たないトレイであってもよい。
【0105】
発熱デバイス保持構造は、トレイを支持するように構成されるかまたはトレイを懸下するように構成された、レール組立体を備え得る。トレイは、レール組立体と摺動可能に係合され得る。トレイは、レール組立体に沿って摺動し、それによりハウジング3’から少なくとも部分的に引き出されるように、構成され得る。したがって、トレイは、ハウジング3’内にキャリッジとして配置され得る。あるいは、発熱デバイス保持構造は、その上に発熱デバイスが直接載せられ得るかまたは発熱デバイスがそこから直接にすなわちトレイを用いることなしに懸下され得るレール組立体を備え得る。
【0106】
前壁3c’および/または後壁3d’には、冷気入口71が設けられ得る。あるいは、またはさらに、ハウジング3’の下面には、冷気入口71が設けられ得る。冷気入口71は、ハウジング3’および発熱デバイスチャンバ内への冷気のための入口を提供するように構成される。1つの変形形態によれば、側壁3a’および3b’のうちの一方または両方に、冷気入口が設けられ得る。
【0107】
冷気入口71は、発熱デバイス保持構造の垂直下方に配置される。したがって、冷気入口71は、底部からハウジング3’の屋根に向かう方向においてハウジング3’の底部と発熱デバイス保持構造との間に配置される。例えば、冷気入口71は、トレイが存在する場合にはトレイの垂直下方に、かつ/またはレール組立体の垂直下方に配置される。
【0108】
発熱デバイス保持構造は、冷気入口71を通って発熱デバイスチャンバに入った冷気が発熱デバイス保持構造を通過してハウジング3’内を垂直上方に流れることができるように構成される。したがって、発熱デバイス支持体は、開口構造を有して、空気が上昇して開口構造を通過して流れることを可能にする。例えば、トレイを含む例では、トレイには、冷却空気が通って流れるための、ハウジング3’の頂部に向かう方向に延在する1つまたは複数の貫通開口部が設けられ得る。したがって、冷気は、発熱デバイス保持構造上に配置された発熱デバイスを空冷するために、発熱デバイス保持構造上に配置された発熱デバイスを通過して流れることができる。貫通開口部または複数の貫通開口部は、発熱デバイス保持構造上に配置された発熱デバイスを十分な空気が通過して流れ発熱デバイスを冷却することができるように配置されることが好ましい。貫通開口部は、例えば、発熱デバイスの下部にあり、かつ、発熱デバイスの全ての側面に沿っていてもよい。
【0109】
1つの例によれば、冷気入口71が設けられてない前壁3c’および後壁3d’の壁には、熱気出口73が設けられ得る。例えば、前壁3c’に冷気入口71が設けられている場合、後壁3d’に熱気出口73が設けられてもよい。あるいは、前壁および後壁の両方にそれぞれの熱気出口が設けられてもよい。1つの例によれば、側壁3a’および3b’のうちの一方または両方に、熱気出口が設けられ得る。
【0110】
熱気出口73は、発熱デバイス保持構造の垂直上方に配置され得る。したがって、熱気出口73は、ハウジング3’の屋根領域に配置される。冷却空気入口71は、ハウジング3’の底部領域に配置され得る。熱気出口73は、冷気入口71から発熱デバイスチャンバに入って発熱デバイスによって加熱された冷気が発熱デバイスチャンバから出ることを可能にするように構成される。
【0111】
ハウジング3’は、発熱デバイスチャンバ内で内側へ延在する屋根構造を有する。したがって、屋根構造は、ハウジング3’の底部に向かって延在する。屋根構造は、冷気入口から熱気出口73への空気流を促進し、したがって空気循環および冷却を強化するように構成される。屋根構造は、加熱空気を熱気出口73へ向かわせるかまたはそらすように構成される。
【0112】
図16aは、ラックマウントボックス1”の1つの変形形態の横からの断面図を示す。この図は、発熱デバイス保持構造77を示す。ラックマウントボックス1”には、ハウジング3’を地面から持ち上げるスタンドまたは脚部74が設けられている。さらに、ハウジング3’の底部75は開いていて、発熱デバイス保持構造77の下に冷気入口71を形成する。したがって、冷気は、ハウジング3’の下を流れて、冷気入口71から発熱デバイスチャンバに流入することができる。
【0113】
例示された屋根構造79は、この場合、その傾斜表面79a、つまり斜辺面を熱気出口73に向けることにより加熱空気を熱気出口73の方へ向かわせる、直角三角形の形状を有する。図16はb、直角三角形の形状の屋根構造79の斜視図を示す。直角三角形は、前壁3c’から後壁3d’に向かう方向に先細りになる状態で、前壁3c’と後壁3d’との間の全距離にわたって延在し得る。傾斜表面79aは、平面を形成し得る。
【0114】
図16cは、図16aに示されたラックマウントボックス1”の変形形態を示す。この変形形態では、前壁3d’に冷気入口71が設けられている。前壁3d’に設けられる冷気入口71は、ハウジング3’の底部に設けられている冷気入口の代わりにまたはそれに加えてそこに配置され得る。発熱デバイスチャンバの内側の空気流76は、概略的に示されている。典型的には、発熱デバイスチャンバ内側の冷気の加熱は、明瞭さの理由から図16cのラックマウントボックス1”の内側には示されていない発熱デバイスによってもたらされる。
【0115】
図16dは、図16cに示されたラックマウントボックス1”の別の変形形態を示す。この場合、前壁3c’および後壁3d’の両方に熱気出口73が設けられている。冷気入口71は、前壁3c’に設けられているが、あるいは、またはさらに、例えば図16aに示されているのと同様にハウジング3の底部に設けられてもよい。屋根構造79は、この例ではV字形状である。したがって、屋根構造79は、側断面図において二等辺三角形または正三角形の形状を有する。V字の各脚は、それぞれの熱気出口73に面している。したがって、V字の各脚は、頂点から前壁3c’および後壁3d’のそれぞれに向かって延在する。図16eは、V字形状の屋根構造79の斜視図を示す。「V」の頂点は、中心に配置されてもよいし、前壁3c’と後壁3d’との間の垂直中心軸からオフセットして配置されてもよい。
【0116】
直角三角形の形状およびV字形状の屋根構造の代案として、屋根構造は、例えば、図5および図6に示されるタイプのピラミッド形状であってもよい。この場合、やはり有利には、ピラミッド形状の屋根構造の全てのファセット面が空気をそれぞれの熱気出口の方へ向かわせるように、側壁に熱気出口が設けられ得る。
【0117】
ラックマウントボックス1”は、有利には、そのようなシステムの正面図を示す図17に示されるように、互いに積み重ねられ、かつ/または、互いに隣接しかつ互いに並んで接触して配置されて、ラックマウントボックス1”のシステムまたはラックマウントボックス組立体を形成し得る。ラックマウントボックス1”は、互いに接続され得る。例えば、互いに積み重ねられたラックマウントボックス1”が機械的に接続されてよく、かつ/または、並んで配置されたラックマウントボックス1”が互いに接続されてもよい。発熱デバイスが電解槽スタックである場合、システムの容量は、単一の電解槽と比較して増加され、コンパクトな態様で、工業規模で使用され得る。
【0118】
2つのラックマウントボックス1”が互いに積み重ねられる場合、下側のラックマウントボックス1”-1には、地面上でのラックマウントボックス1”-1の設置のためのスタンド74が設けられ得る。下側のラックマウントボックス1”は、スタンド74間に配置された支持車輪81を有し得る。支持車輪81は、例えば、発熱デバイス保持構造の一部を形成し得る。支持車輪81は、例えば、トレイに接続されて、トレイが前壁3c’を通ってハウジング3’から引き出されるときに、トレイとともに移動され得る。したがって、支持車輪は、トレイがハウジング3’から引き出されるときに、中央平面支持を提供し得る。
【0119】
下側のラックマウントボックス1”は、例えば、図16aに示されているのと同様に、ハウジング3’の底部に冷気入口71を有し得る。中間のラックマウントボックス1”-2は、スタンドを伴わずに、下側のラックマウントボックス1”-1の上に直接設置され得る。中間のラックマウントボックス1”-2は、その発熱デバイス保持構造の垂直下方の前壁3c’に設けられたその冷気入口を有し得る。中間のラックマウントボックス1”-2は、補助脚または支持デバイスを備えることができ、この補助脚または支持デバイスは、中間のラックマウントボックス1”-2のトレイが中間のラックマウントボックス1”-2のハウジング3’から引き出されまた下側のラックマウントボックス1”のトレイがそのハウジングから引き出されているときに展開され、かつ、下側のラックマウントボックス1”-1のトレイに接続され得る。この場合、下側のラックマウントボックス1”-1のトレイは、最初に引き出されなければならず、中間のラックマウントボックス1”-2のトレイは、部分的に引き出されてよく、支持デバイスは、中間のトレイをさらに引き出す前に中間のラックマウントボックス1”-2のトレイの支持を提供するために、下側のラックマウントボックス1”-1のトレイに接続され得る。1つの例によれば、同様の支持デバイスが、最上部のラックマウントボックス1”-3のために想定される。この場合、シーケンスは、最初に下側のラックマウントボックス1”-1のトレイを引き出し、次いで中間のラックマウントボックス1”-2のトレイを引き出して、上記のように中間のトレイの支持を確保することになる。最後に、最上部のラックマウントボックス1”-3のトレイが引き出され、その支持デバイスが中間のラックマウントボックス1”-2のトレイに接続される。これは、電解槽スタック、ポンプ、および電源などの非常に重い発熱デバイスがトレイによってなおも支持されたままでそれらのハウジングから引き出され得ることを確実にする。典型的なセットアップでは、ラックマウントボックスのサイズは、その中に収容される発熱デバイスに依存し得る。例えば、スタック内の1つのラックマウントボックスが電解槽スタックを収容し、1つのラックマウントボックスがポンプおよび/またはガス容器を収容し、1つのラックマウントボックスが電解槽スタックおよびポンプのための電源を収容する場合がある。
【0120】
ラックマウントボックスはまた、互いに並んで隣接して配置されてもよい。この場合、隣接するラックマウントボックス間の側壁は、取り外され得る。したがって、これらのラックマウントボックスは、互いに向かって開口している対向面を有し得る。それにより、いくつかのラックマウントボックスが、共通の空冷を有する複数の発熱デバイスを含む共通の単一の発熱デバイスチャンバを本質的に形成し得る。並んで配置されたラックマウントボックス1”の屋根構造は、互いに接続され得る。この場合、屋根構造は、有利には、V字形状または直角三角形の形状である。したがって、接続されたラックマウントボックス1”の屋根構造は、単一の共通の接続された屋根構造を形成する。1つの例では、隣接する屋根構造は、それらの間に空間を伴わずに、互いに物理的に接触して配置される。
【0121】
1つの変形形態によれば、最上部のラックマウントボックス1”ではない任意のラックマウントボックスの屋根構造は、取り外され得る。具体的には、ハウジングの屋根は、最上部のラックマウントボックス1”を除いて、取り外されてよい。さらに、1つの例によれば、冷却空気入口は、底部のラックマントボックスのみに、例えば最下部のハウジングの底部に、設けられ得る。
【0122】
本発明の概念は、主にいくつかの実施形態を参照して上述された。しかし、当業者には容易に理解されるように、上記に開示されたもの以外の他の実施形態も、添付の特許請求の範囲によって定められるように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
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