(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】支持クッション
(51)【国際特許分類】
A61H 23/02 20060101AFI20240416BHJP
A61G 5/12 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A61H23/02 334
A61G5/12 707
(21)【出願番号】P 2021535076
(86)(22)【出願日】2020-01-24
(86)【国際出願番号】 AU2020050044
(87)【国際公開番号】W WO2020150783
(87)【国際公開日】2020-07-30
【審査請求日】2023-01-11
(32)【優先日】2019-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(73)【特許権者】
【識別番号】521263571
【氏名又は名称】アールシー・サービシズ・オーストラリア・ピーティーワイ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・クリーリー
(72)【発明者】
【氏名】ジャスティン・リーガン
(72)【発明者】
【氏名】ケヴィン・リチャードソン
【審査官】関本 達基
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06053880(US,A)
【文献】特表2015-536199(JP,A)
【文献】特開2012-016396(JP,A)
【文献】米国特許第06030351(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0239370(US,A1)
【文献】特開2006-212228(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61H 23/02
A61G 5/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫褥瘡の発生率を改善するための支持クッションであって、
オープンセルまたはクローズドセルの支持構造と、
前記支持構造の内部に形成される少なくとも1つのキャビティと、
少なくとも1つの前記キャビティの内部に配置されかつ前記支持構造に振動を与える少なくとも1つの振動デバイスと、
多数の選択可能なプログラムのうちのいずれか1つの選択されたプログラムに従って
、振動の強度、持続時間、および位置のうちの1つ以上を調整するために、前記振動デバイスの動作を制御するコントローラと、
前記支持クッション上のユーザの重量分布を測定するように適合される少なくとも1つのセンサと、
選択される前記プログラムを選択するためかつ前記コントローラからのデータを受信するために、コンピューティングデバイス上のプロセッサによって実行可能なコンピュータアプリケーションプログラムであって、前記コンピューティングデバイスがグラフィカルユーザインターフェースを備える、コンピュータアプリケーションプログラムと、
を備えることを特徴とする支持クッション。
【請求項2】
前記コントローラは、前記振動デバイスを制御するようプログラムされたマイクロプロセッサデバイスであり、前記振動デバイスは、選択された前記プログラムに従って動作することを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項3】
前記マイクロプロセッサデバイスは、選択される前記プログラムの選択を可能にするインターフェースを有するコントロールパネルに接続されていることを特徴とする請求項2に記載の支持クッション。
【請求項4】
前記コントロールパネルは、前記支持構造に組み込まれており、かつ/または前記マイクロプロセッサデバイスにワイヤレスで接続されており、かつ/または前記マイクロプロセッサデバイスを制御するようプログラムされた利用可能なコンピューティングデバイスに組み込まれることを特徴とする請求項3に記載の支持クッション。
【請求項5】
選択される前記プログラムは、振動の強度および/または持続時間および/または位置を調整するようにカスタマイズ可能であることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項6】
少なくとも1つの前記センサは、振動の強度および/または持続時間および/または位置を調整するように適合される、前記コントローラへの入力装置として適切に使用されることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項7】
前記支持クッションにかかる重量の長期にわたる不均一な分布が検出される場合に所定のインジケーションが提供されることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項8】
コンピュータアプリケーションが、ユーザの動きに関する視覚的かつ/または聴覚的なリマインダを提供することを特徴とする請求項7に記載の支持クッション。
【請求項9】
前記コンピュータアプリケーションプログラムは、前記コントローラにワイヤレスで接続されるモバイルコンピューティングデバイス上で実行可能であることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項10】
前記コンピュータアプリケーションプログラムは、少なくとも1つの前記センサによって検出しながら前記支持クッションの重量分布のマップの表示を前記グラフィカルユーザインターフェース上に提供することを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項11】
前記コンピュータアプリケーションプログラムは、少なくとも1つの前記センサによって検出しながら前記支持クッションの圧力分布の履歴ログを記録しかつ/または前記グラフィカルユーザインターフェース上に提供することを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項12】
少なくとも1つの前記センサは、少なくとも1組の検出デバイス対から構成されており、前記検出デバイス対の各々は、少なくとも1つの近接センサおよび1つの加速度計を備えることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項13】
前記センサは4組の検出デバイスから構成されており、4組の前記検出デバイスは象限レイアウトに配置されていることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項14】
前記象限レイアウトの前記検出デバイスは、姿勢の対称性を決定するためにユーザの重心をモニタリングすることを特徴とする請求項13に記載の支持クッション。
【請求項15】
前記姿勢の対称性は、前記象限レイアウトに配置される前記検出デバイス間の1組の連の比率によって決定されることを特徴とする請求項14に記載の支持クッション。
【請求項16】
前記コントローラは、前記支持クッション上にユーザがいないことを少なくとも1つの前記センサが決定した場合に、少なくとも1つの前記振動デバイスをオフにすることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項17】
前記支持クッションおよび/または少なくとも1つの前記振動デバイスは、電源として少なくとも1つの再充電可能なバッテリーを備えることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項18】
前記支持クッションは、シートクッション;車椅子用クッション;背もたれ腰部クッション;ペットベッドクッション;マットレスクッションのうちの1つとして使用するように適合されていることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項19】
前記支持構造は、ラテックス、ポリマー材料、多密度フォーム、メモリーフォーム、耐圧ゲルのうちの1つ以上から構成されることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項20】
少なくとも1つの前記キャビティは、少なくとも1つの前記振動デバイスを受け入れるようなサイズおよび形状になされていることを特徴とする請求項1に記載の支持クッション。
【請求項21】
少なくとも1つの前記振動デバイスは、前記支持クッション上に位置するユーザにサイクロイド振動療法を与えるサイクロイド振動デバイスであることを特徴とする請求項20に記載の支持クッション。
【請求項22】
前記サイクロイド振動デバイスは、ブラシレスサーボモータを備えることを特徴とする請求項21に記載の支持クッション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は医療機器の分野に関する。特に本発明は椅子またはベッドのためのクッションに関する。より具体的には、本発明は、圧迫褥瘡の予防または治療に有用となり得る車椅子のためのクッションに関する。
【背景技術】
【0002】
動くことができない人は、褥瘡性潰瘍または床ずれとしても知られる圧迫褥瘡を発症するリスクがある可能性がある。この問題は、長期間にわたってベッドに横たわっている患者に特に顕著であるが、車椅子に留められる患者にも現れる。以下の説明は車椅子に焦点を当てているが、同じ事項が、移動する能力がなく長期間にわたって1つの場所に留まるユーザに当てはまる可能性があることを理解されたい。
【0003】
車椅子に留められる人は、上半身を動かす能力を有し得るが車椅子での彼らの位置を変更する能力を有していないことがある。その結果、臀部および上側大腿部の周囲の血液循環が制限される可能性がある。圧迫褥瘡の正確な理由は完全には理解されていないが、血流の低下、動きの不足、体重による負荷や水分および薄手の服と、圧迫褥瘡の発症などの問題との間には高い相関関係がある。皮膚の損傷は、皮膚組織の生存度に関して重要となる皮膚の血流を制限する皮膚にかかる負荷および圧力の影響に起因すると考えられている。
【0004】
褥瘡になりやすい体の部位をマッサージすることによって、圧迫褥瘡などを治療または予防することが知られている。1つの特定の公知の技術およびデバイスが、Vibrant Medical Limitedに属する特許文献1に記載されている。この特許出願は、褥瘡のリスクがある患者のための支持構造を開示しており、かつ特に振動マッサージに焦点を当てている。なお、この開示では、クッション内に振動装置を組み込む実現性について簡単に言及されており、「クッションは、車椅子のシートに、あるいは移動が制限された患者が長期間過ごす予定の可能性がある同様の椅子に組み込まれてもよい。」と記載されている。クッション40は、第1のフォーム層14’を通して表面14aに座っている占有者に振動を提供するために、可撓性プラスチックフレーム12に接続されたモータ16を備える振動ユニットが組み込まれている。クッション40は、クッション40に座っている患者に圧迫褥瘡を治療または予防するための振動療法を提供するように、振動モータ16と通信する制御ハードウェアをさらに備え得る。
【0005】
上記振動医療デバイスは、サイクロイド振動を利用すると記載されているが、有用なレベルの有益な効果を達成できない限られた方法でしか利用していない。特許文献1に記載されている背景技術は参照により本明細書に組み込まれる。上記記載における先行技術への言及は、先行技術が共通の一般知識の一部を形成していることを示すと受け取られるべきではない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
一形態では(当該形態が唯一の形態ではなくまたは実際に最も広範の形態である必要はないが)、本発明は、圧迫褥瘡の発生率を改善するための支持クッションに属しており、当該支持クッションは、
オープンセルまたはクローズドセルの支持構造と、
支持構造の内部に形成される少なくとも1つのキャビティと、
少なくとも1つのキャビティの内部に配置されかつ支持構造に振動を付与する少なくとも1つの振動デバイスと、
多数の選択可能なプログラムのいずれか1つに従って既定の様式で振動の強度、持続時間および位置のうちの1つ以上を調整するために、振動デバイスの動作を制御するコントローラと、
支持クッション上のユーザの重量分布を測定するように適合される少なくとも1つのセンサと、
を備える。
【0008】
好ましくは、コントローラは、振動デバイスを制御するようプログラムされたマイクロプロセッサデバイスであり、振動デバイスは、選択されたプログラムに従って動作する。
【0009】
適切には、マイクロプロセッサデバイスは、多数の選択可能なプログラムの1つを選択可能にするインターフェースを有するコントロールパネルに接続される。
【0010】
コントロールパネルは、好ましくは、支持構造に組み込まれ、かつ/またはマイクロプロセッサデバイスにワイヤレスで接続され、かつ/またはマイクロプロセッサデバイスを制御するようプログラムされた利用可能なコンピューティングデバイスに組み込まれる。
【0011】
選択されるプログラムは、好ましくは、振動の強度および/または持続時間および/または位置を調整するようにカスタマイズ可能である。
【0012】
少なくとも1つのセンサは、コントローラへの入力情報を提供し、コントローラは、センサからの入力情報に基づいて、振動の強度および/または持続時間および/または位置を調整することができる。
【0013】
支持クッションにかかる重量の長期にわたる不均一な分布が検出された場合、所定のインジケーションが提供されてもよい。
【0014】
好ましくは、支持クッションは、モバイルコンピューティングデバイス上のプロセッサによって実行可能なコンピュータアプリケーションプログラムをさらに備えており、モバイルコンピューティングデバイスは、適切には、グラフィカルユーザインターフェースを備えており、かつコントローラにワイヤレスで接続されている。
【0015】
コンピュータアプリケーションプログラムは、少なくとも1つのセンサによって検出しながら、重量分布のマップをグラフィカルユーザインターフェースに表示してもよい。
【0016】
適切には、コンピュータアプリケーションプログラムは、少なくとも1つのセンサによって検出しながら、支持クッションの重量分布の履歴ログを記録しかつ/またはグラフィカルユーザインターフェース上に提供する。
【0017】
コンピュータアプリケーションは、ユーザの動きに関する視覚的かつ/または聴覚的なリマインダを提供してもよい。
【0018】
好ましくは、少なくとも1つのセンサは、複数の検出デバイス対のうち少なくとも1組からなり、検出デバイス対の各々は、少なくとも1つの近接センサおよび1つの加速度計を備える。
【0019】
センサは、4組の検出デバイス対から構成されてもよく、4組の検出デバイス対は、象限レイアウトに配置される。
【0020】
好ましくは、象限レイアウトのセンサは、姿勢の対称性を決定するようにユーザの重心をモニタリングする。
【0021】
好ましくは、象限レイアウトに配置されるセンサ間の1組の比率によって、姿勢の対称性が決定される。
【0022】
適切には、支持クッション上にユーザがいないと少なくとも1つのセンサが決定した場合に、コントローラは、少なくとも1つの振動デバイスをオフにする。
【0023】
好ましくは、支持構造は、ラテックス、ポリマー材料、多様な密度のフォーム、メモリーフォーム、耐圧ゲルの1つ以上から構成される。
【0024】
適切には、少なくとも1つのキャビティは、少なくとも1つの振動デバイスを受け入れるようなサイズおよび形状になされている。適切には、各々が振動デバイスを受け入れる2つ以上のキャビティが設けられてもよい。
【0025】
振動デバイスは、好ましくは、支持構造の上に位置するユーザにサイクロイド振動療法を与えるサイクロイド振動デバイスである。サイクロイド振動デバイスには、適切にはブラシレスサーボモータが組み込まれる。
【0026】
支持クッションは、シートクッション;車椅子用クッション;バックレスト腰部クッション;ペットベッドクッション;マットレスクッションの1つとして使用されるよう適合されてもよい。
【0027】
本発明のさらなる特徴および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【0028】
本発明の理解を支援しかつ当業者が本発明を実際に実現できるようにするために、ほんの一例として本発明の好ましい実施形態について添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【
図2】支持クッションの第1の実施形態を示す図である。
【
図3】支持クッションの第2の実施形態を示す図である。
【
図5】適切なサイクロイド振動療法のモータを示す図である。
【
図6】支持クッションの第3の実施形態を示す図である。
【
図7】支持クッションのためのセンサの実施形態を示す図である。
【
図8】支持クッションの第4の実施形態の分解図である。
【
図9】制御装置のためのプログラムのフローチャートを示す図である。
【
図10】支持クッションの第5の実施形態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施形態は、主に支持クッションおよび支持クッションを振動させる方法に属する。そのため、クッションの完全体および方法ステップが図面に簡潔で概略的な形式で例示されており、本明細書の利点を有する当業者には容易に明らかとなる過度の詳細によって本開示が不明瞭とならないように、本発明の実施形態を理解するために必要な特定の詳細のみが示されている。
【0031】
本明細書では、第1および第2、左および右などの形容詞は、実際のそうした関係または順序を必ずしも必要とするかまたは含意することなく、1つの要素または動作を別の要素または動作から区別するためにのみ使用され得る。「備える」または「含む」などの用語は、リスト化された要素を包含するプロセス、方法、物品または装置などの非排他的な内包物を規定するよう意図されているが、これら要素だけを含むのではなく、そうしたプロセス、方法、物品または装置に固有の要素を包含する特別にリスト化されない他の要素を含んでもよい。
【0032】
図1を参照すると、典型的な車椅子11上にある クッション10の概略図が示されている。車椅子11は、慣習的に車輪112および押しハンドル113とともにフレーム111を備える。車椅子11は、モータ(図示せず)を備える電気駆動式であってもよい。
【0033】
クッション10の一実施形態が
図2に示される。クッション10は車椅子11に適合するサイズおよび形状になされる。クッション10は、クローズドセル(独立気泡)ポリウレタンまたは他の適切な材料から作られる。クッション10の中央へ向けてキャビティ101が形成されている。キャビティ101は、クッションの側面または前面から反対側の側面または背面へ向けて延在する。サイクロイド振動モータがキャビティ101内に取り付けられると、キャビティを閉じるためにプラグ(図示せず)が使用されてもよい。コントロールパネル12は、いくつかの箇所においてクッションに合わせて成形されている。
図1では、コントロールパネル12は、支持クッション10の左側に図示されており、
図2では、コントロールパネル12は、支持クッション10の左前方に図示されている。コントロールパネル12の具体的な位置は重要ではない。
【0034】
支持クッションの上部は、ユーザに快適性を提供するよう成形されていることに留意されたい。特定の設計が描写されているが、支持クッションが特定のサイズまたは形状を有することは本発明に関して重要ではない。実際に、支持クッションは、大きくすることができ、ベッドマットレスとして構成することができる。
【0035】
代替実施形態が
図3に示されている。
図3の実施形態では、クッション10は、2つのキャビティ102a、102bを有する。これらキャビティは、
図2の実施形態のキャビティと同様の構造を有する。2つのキャビティは、
図2の単一のキャビティを用いて実現可能な場合よりも、振動プログラムの大きな変動を実現可能にする。他の実施形態(図示せず)では、3つ以上のキャビティが存在する。
【0036】
支持クッション10は、便利なことに、
図4に示されるように2つの部分に成形される。
図4は、クッションの上に位置するユーザの快適性のために設計される上側部分10aを示す。下側部分10bは、サイクロイド振動モータ50と、電子機器ハウジング41内にコントロールパネル12を含むコントローラ40とを収容するように設計されている。キャビティ101を閉じるプラグ104が示されている。サイクロイド振動モータ50および電子機器ハウジング41の位置は、下側部分10bに置かれるように示されている。
【0037】
サイクロイド振動療法を与えるための適切なモータ50が
図5に示されている。モータは、バッテリー駆動可能なコンパクトなDCブラシレスモータである。モータ50または支持クッション10の他の電気部品に適した電源は、単一セルの、大容量であり、再充電可能なリチウムイオンバッテリーであり、これは便利なことに電子機器ハウジング41内に配置されてもよい。バッテリーは便利なことにUSBを介して充電できるが、メインアダプタから充電することもできる。バッテリーの状態は、クッションの前面に取り付けられた色付きのLEDで示すことができる。バッテリーの管理はコントローラに組み込まれている。
【0038】
モータは、クッション10に振動を与える偏心ウエイト51を駆動する。振動周波数は偏心ウエイトの回転速度によって決定され、この時、偏心ウエイトの回転速度はモータ50のRPMによって決定される。モータは水晶基準にサーボロックされてもよい。通常の振動周波数は30Hz~50Hzであるが、これは所定の範囲内で調整可能であってもよい。振動の振幅は通常0.1mm~0.8mmである。
【0039】
振動デバイスの動作は、支持クッション10または支持構造に組み込まれたコントロールパネル12を含むことができるコントローラ40を介して行われる。コントローラ40は、振動デバイスを制御するようプログラムされたマイクロプロセッサデバイスであってもよく、振動デバイスは、ユーザが選択したプログラムに従って動作する。マイクロプロセッサデバイスまたはコントローラは、多数の選択可能なプログラムのうちの1つを選択できるようにするインターフェースを有するコントロールパネル12に接続されている。コントロールパネル12は、
図2および
図3に最も明確に示されている。コントロールパネル12は、クッション10の外側前面にあるコントロールデカール上の押しボタンと、動作を確認するためのインジケータライトとを備えている。
【0040】
代替実施形態では、コントロールパネルは、支持構造に組み込まれ、かつ/またはマイクロプロセッサデバイスにワイヤレスで接続され、かつ/またはマイクロプロセッサデバイスを制御するようプログラムされた利用可能なコンピューティングデバイスに組み込まれる。一例として、コントローラの一部は、モータ50と組み合わせられてもよく、かつブルートゥース(登録商標)またはWiFi(登録商標)などのリモートリンクを介してアクセス可能であってもよい。それによって、コントローラは、モバイルコンピューティングデバイス上のプロセッサによって実行可能なコンピュータアプリケーションプログラムにワイヤレスで接続され、当該コンピューティングデバイスは、グラフィカルユーザインターフェースを備える。この実施形態では、コントローラは、スマートホン、タブレット、またはデスクトップコンピュータで動かされるアプリケーションを介してアクセス可能である。すべての実施形態で利用可能ではない可能性があるが、以下ではさまざまな機能的な任意選択仕様について説明する。リモートリンクコントローラの利点は、クッション10とコントロールパネル12との間に必要とされるケーブルが回避されることである。その一方で、コントロールパネルは、クッション10上に位置するユーザが自ら起動するための押しボタンに関する利点を有する。
【0041】
コントローラは、リモートリンクまたはローカルコントロールパネルを介しているかどうかにかかわらず、振動療法を開始しかつ停止するための機能と、動作を補足するための様々なインジケーションとを有する。以下で説明するように、補足機能は、クッションに広がる圧力(重量)のグラフィカル表示、バッテリー充電インジケーション、および動作プログラムを含んでもよい。
【0042】
クッション10に座っている患者の重量分布を測定するために、圧力センサ60として具体化される少なくとも1つのセンサがクッション10に埋め込まれてもよい。圧力センサ60は、ユーザの重心をモニタリングすること、および(左側、右側、前側、および後側を含む)局所的なフォームの圧縮を介して姿勢の対称性を決定することができる。
【0043】
圧力センサ60の例示的な位置が、
図6に示されるクッションの実施形態に示されている。一実施形態では、センサは、クッション全体に分配されるアレイとして配置される圧力センサ60の形態のものである。圧力センサ60からの信号は、コントローラ40によって分析される。一実施形態では、コントローラ40によって圧力分布のグラフィカル表示が提供される。グラフィカル表示は、スマートホン、タブレットまたはデスクトップコンピュータに送信されてもよい。別の実施形態では、ディスプレイは、コントロールパネル12を用いて提供される。圧力分布は、以下で概略的に説明されるように適切な治療計画を選択するよう使用される。選択は、クッションのユーザ、臨床医/介護者が行うこともでき、あるいは利用可能なプログラムから自動的に選択することもできる。例として、圧力分布が、一方の臀部において他方の臀部におけるよりも高い圧力を示す場合、治療計画は各臀部に対して異なる振動周波数または振動持続時間を提供することができる。
【0044】
そのため、本発明では圧力センサ60として具体化されている少なくとも1つのセンサをコントローラ40への入力装置として適切に使用することができ、マッピングされる重量分布に応じて振動の強度および/または持続時間および/または位置を調整するように適合される。代替的には、コントローラ40は、支持クッション10上にユーザがいないと少なくとも1つのセンサが判定した場合、少なくとも1つの振動デバイスをオフにするためのスイッチとして機能することもできる。これは、ユーザがサイクルの途中でクッションを離れた場合に実行中のセッションを一時停止することを可能にし、あるいはユーザがクッションを使用していない場合に予定された治療マッサージサイクルが開始されることを防止できる。
【0045】
圧力センサ60は、容量センサ、力検出抵抗器、圧電素子、ひずみゲージのアレイ、または伸縮性導電性布であってもよい。
【0046】
クッション10はまた、車椅子の動きおよび/またはクッション上に位置するユーザの動きを検知するために、加速度計66などの動作センサを組み込むことができる。動作センサ66からのデータは、クッション上に位置するユーザに注意が必要である可能性があるという情報を介護者に提供する。介護者に提供されるこの情報は、視覚的および/または聴覚的なリマインダの形態をとってもよい。加速度計の別の目的は、クッションの動きを検知することである。クッション全体を傾斜させて重量の再配分を引き起こすチルトインスペースチェア(リクライニングチェアなど)が公知となっている。加速度計はそうした動きを検知する。別の実施形態では、大きな影響を与えると考えられる可動範囲が設定されてもよい。例えば、特定の角度より小さな動きは無視されてもよいが、特定の角度より大きな動きは異なるインジケーションを生成することができる。非常に大きな動きは、ユーザがクッション10から落ちるリスクがあることのインジケーションを生成することができる。
【0047】
少なくとも1つのセンサはまた、クッションが占有されていることを決定できる。好ましい実施形態では、すべての圧力センサ60の総数は、ユーザおよび/またはクッションおよび/または椅子の特性に適するように許容限界に対して計画される。
【0048】
シートクッションの好ましい実施形態では、4つの高精度静電容量式近接検出要素(70a、70b、70cおよび70d)が、支持クッション10の上側部分10aの下に配置されるプレート71上に配置されている。検出要素は、
図7に示されるように、左臀部、右臀部、左大腿部、および右大腿部と位置合わせされている。これら検出要素は、適切には、デジタル変換器デバイスへのアクティブキャパシタンスによって励起される共振周波数を有する同調回路の一部を形成する2つの大きな平行板の間の誘電体から作り出される静電容量式要素であってもよい。ユーザの重量による隣接する材料(フォーム)の圧縮は、システムのキャパシタンスの変化を引き起こし、これは、フォームの圧縮レベルに比例して検出される共振周波数のシフトに変換される。検出要素の形状およびレイアウトを改良することによって、検出領域は、クッションの厚さに等しい有効検出範囲を有することができ、クッションフレームとの相互干渉を防止するために下側から遮蔽される。
【0049】
各検出要素からの信号は、信号線72上の制御回路73に伝達される。さらなる処理が制御回路73によって提供されてもよい。制御回路73はまた、コントローラ40へのインターフェースも提供する。
【0050】
各近接検出要素は、クッションの厚さの範囲内での近接の小さな変化に起因するキャパシタンスの非常に小さな変化を測定することができる。検出領域およびクッション構造は両方とも左右対称である。これは、ユーザの重心を決定するためにレシオメトリック測定を実行できるようにし、それによって姿勢の対称性が決定される。
左/右の姿勢の対称性は、以下の比率によって決定できる:
(左大腿部の近接+左臀部の近接):(右大腿部の近接+右臀部の近接)
前/後の姿勢の対称性は、以下の比率によって決定できる:
(右臀部の近接+左臀部の近接):(右大腿部の近接+左大腿部の近接)
【0051】
図7のセンサ構造は、重量または圧力を直接測定するのではなく、姿勢の対称性(左-右-前-後)およびクッションの占有率を測定することに留意されたい。
【0052】
図6の実施形態と同様に、各近接検出要素はまた、加速度計、適切には精密な3軸加速度計を含んでもよい。近接センサおよび加速度計の組み合わせによって、センサは、ユーザがいつ位置を再度変えたかを決定することができる。特定の緩和期間が満たされると、インジケーションおよび通知がリセットされてもよい。アクティブチルトインスペース(TIS)システムが装着された椅子はまた、椅子のクッションがその水平位置から所定の位置範囲内の特定の位置へ移動されたことを決定するために、モニタリング可能である。この場合も同様に、特定の緩和期間が満たされると、インジケーションおよび通知はリセットされてもよい。
【0053】
ノイズ、ずれ、熱ドリフトまたはフォームの劣化はクッション本体全体に広く共通するので、レシオメトリック式の左/右測定はまた、ノイズ、ずれ、熱ドリフトまたはフォームの劣化による測定誤差を低減する。
【0054】
支持クッション10の別の実施形態が
図8に示されている。この実施形態では、モータ50と、電子機器ハウジング41と、コントロールパネル12とがベースプレート80に取り付けられている。支持クッション10の上側部分81は、支持クッション10を組み立てるためにベースプレートに取り付けられている。プラグ104は、上述のようにキャビティ101を閉じる。
図8の実施形態は、クッション10に振動を与える際の利点を有し得ると考えられる。さらに、ベースプレート80は、付加的なセンサを配置するための有用なプラットフォームを提供する。
【0055】
図9を参照すると、サイクロイド振動デバイスの振動を制御するためのコントローラのプログラミングおよび操作のプロセスのフローチャートが示されている。
図9のフローチャートの第1の部分には、プログラムのセットアップについて記載されている。これは、工場での事前設定として行われてもよく、あるいはユーザおよび/または介護者によって実施可能である。選択されるプログラムは、振動の強度および/または持続時間および/または位置を調整するためにカスタマイズ可能である。セットアッププロセスを開始する第1のステップは、振動の位置を選択することである。1つのみのサイクロイド振動デバイスが設けられる場合、このステップは不必要となり得るが、2つ以上のサイクロイド振動デバイスが設けられる場合、サイクロイド振動デバイスごとに以下のステップが実行されてもよく、それによって振動プログラムは、さまざまな位置および/またはさまざまな時間で異なる。
【0056】
振動の位置が選択された後、振動の強度が選択されるが、強度はまた事前設定されてもよい。強度は、最小強度から最大強度の範囲で10ポイントスケールなどの適切なスケールで選択されてもよい。振動の強度は周波数によって決定される。周波数は約30Hzから約50Hzの範囲で変動してもよい。振動療法の持続時間が選択され、これは通常15分から50分の期間にわたる。この持続時間は繰り返されてもよく、例えば40分にわたる振動に続いて、1~2時間の休止があり、それに続いて別の40分間の振動があり、これはまた3回繰り返されてもよい。
【0057】
最後に、開始時刻が選択される。これは、即時開始、一定の遅延の後のプログラムされた開始、または特定の時刻での(例えば毎日午前9時での)開始であってもよい。この機能を容易にするために、コントローラはリアルタイムクロックおよびカレンダーの集積回路を組み込まれてもよい。そうしたデバイスは容易に利用することができる。当該デバイスは、以下で説明されるように、イベントログ容量を提供してもよい。
【0058】
一実施形態では、コントローラは、適切には1日の始まりに、振動の位置、周波数/速度、時間および持続時間がコントロールパネルおよび/またはスマートホンのアプリケーション上の1つのボタンを押すことでアクティブ化される事前設定プログラムを含む。
【0059】
設計されたプログラムは、保存されて適切に番号付けされてもよい(プログラム1、プログラム2など)。保存ステップは任意選択であり、そのためプログラムは、ユーザが選択したパラメータに関しては単純に1回限りのアプリケーションとして実行することができる。
【0060】
自動化された動作の場合、プログラムは、保存されたプログラムから選択されて開始されてもよい。保存されたプログラムは、事前設定されてユーザに提供されてもよく、あるいはユーザによってまたはユーザのために特別に設計されるプログラムであってもよい。
【0061】
プログラムは、時間ループを介して持続時間を定期的にチェックし、かつ完全に持続時間が経過するまで継続する。
【0062】
本発明者らは、プログラム可能な振動が従来技術の連続動作と比較して特定の利点を有していることを見出した。一例として、以下のプログラムは有益であると考えられており、かつ特定の利点を提供すると考えられる:
・ 30Hz~40Hzの周波数で、1.5~2時間の間隔で指定時刻に作動する、1日当たり3回の30分の治療。
これはコントロールパネル上のワンプッシュボタンで操作されてもよく、最初の30分~40分の治療がすぐに開始される。操作者は、モータの振動の周波数/速度および/または持続時間を変更または調整可能であってもよい。
・ 周波数は30Hzから50Hzまで90秒間にわたってゆっくりと増加するが、これは患者が容易に気付くものではない。
30分間にわたって所定の範囲の振動周波数を適用することで治療が血流を改善することが予期される。
・ 8時間の指定時刻に作動するプログラムにわたって展開される4回の15分の治療。
これは、リスクのある位置における血流をより規則的に改善することを可能にし得る。
・ 体重に基づいて選択される治療周波数および持続時間。
平均体重の人は30Hzで30分の治療を受けてもよいが、より体重の重い人は40Hzで35分の治療を受けてもよい。より大柄な人は50Hzで40分の治療を受けてもよい。
【0063】
上で概略的に説明されたプログラムは、単なる例として提供される。特定の状況にある特定の患者には他のプログラムが適切である場合があり、特定の革新的な利点があってもよい。以下の変形例が利用できる:
位置:右臀部;右大腿部;左臀部;左大腿部;右臀部、左臀部、右大腿部および左大腿部の任意の組み合わせ。
周波数:30Hzから50Hz
強度:0.1mmから0.8mmの作動振幅
持続時間:30分ずつ増加する30分から6時間の治療の間に一時停止を伴って繰り返すことができる、15分ずつ増加する30分から3時間。
【0064】
コントローラおよび/またはコンピュータアプリケーションプログラムは、少なくとも1つのセンサによって検出される支持クッション10の圧力分布履歴ログを記録しかつ/またはグラフィカルユーザインターフェース上に提供する。長期的な姿勢の傾向を、少なくとも1つのセンサによって決定しながらユーザ負荷の対称性に基づいてログに記録することもできる。コントローラおよび/またはコンピュータアプリケーションプログラムはまた、さまざまなアクティビティのログを保持する。ログは、例えば、1日あたりのセッションごとのマッサージ時間、椅子の動き、および患者の動きなどを含んでもよい。ログは臨床的評価のために分析され、有効性を改善するためのプログラムの変更につながる。ソフトウェアは、圧力のマッピングおよび検出のデータをログに記録する。コンピュータアプリケーションプログラムは、少なくとも1つのセンサによって検出しながら支持クッション10の重量(圧力)分布マップをグラフィカルユーザインターフェース上に提供することもできる。任意選択的に、ユーザの姿勢の対称性のグラフィック画像が提供されてもよい。左/右および前/後の間のユーザの位置の対称性の視覚的インジケーションが、例えば、位置を示す以下の色を用いて2x2グリッド配置として表示されてもよい:
緑のスポット-釣り合いがとれている(<+/-5%)。
黄色-中程度に位置がずれている(>5%<15%)。
赤-極端な位置であり、直ちに位置を再度変えることが必要である(>15%)。
【0065】
データおよび履歴ログは自動対応されてもよく、ユーザおよび/または介護者/看護スタッフは、1日に一度、1週間に一度、または月に一度、使用法についての要約レポート、つまり支持クッションが毎日作動するかどうかのレポート、ならびに姿勢の傾向についてのレポート受け取る。ログは、ユーザがどの程度の時間をバランスの取れた姿勢またはバランスの取れていない姿勢で費やしたかを示すパーセンテージによる分析結果を提供してもよい。続いて、ユーザおよび/または介護者/看護スタッフはデータを評価し、基準支持構造を使用してユーザの姿勢を矯正して変更してもよい。
【0066】
コントローラはまた、ユーザおよび/または介護者および/または看護スタッフのスマートホン/タブレットまたはデバイスを介して、ユーザおよび/または介護者および/または看護スタッフにインジケーションを提供する。インジケーションは、視覚的、聴覚的、触覚的、または振動および着信音などの組み合わせであってもよい。インジケーションは、例えば、圧力センサタイマーが終了しておりかつ圧力を緩和するために患者の位置を再度変える必要があることを示してもよい。代替的には、支持クッション10にかかる圧力の長期にわたる不均一な分布が検出されたことを示してもよい。支持クッション10にかかる圧力の不均一な分布は、非対称的な負荷を示している可能性があり、そのうえ、ユーザの姿勢を矯正することが必要となる。ユーザが左側、右側または前方に倒れることがある。インジケーションは、圧力センサが圧力の解放を記録した時に、または特定の連続した期間にわたって位置を再度変えることによって対称的な負荷/姿勢に戻った時にのみリセットされる。適切な期間は、個々のユーザのニーズに合わせて医療専門家によって調整されてもよい。
【0067】
コントローラはまた、圧力インジケーションのアクティブ化から位置の再変更およびリセットまでにかかる時間をログに記録してもよい。応答データは、介護者または看護スタッフが患者をどの程度迅速に看護するかを示す任意選択的な要約レポートの一部を形成し、有用な監督および管理ツールとなることができる。支持クッションのユーザの家族は、監督のために家族へ要約レポートを送信させることもできる。このデータは、支持クッションの義務付けられた使用法に対するスタッフの順守をモニタリングするために、自宅で個人に複数の多様な介護者を提供する在宅介護サービスにも有用である。
【0068】
コントローラはまた、複数の支持クッションが中央記憶場所からモニタリングされ得るように、ネットワーク設備を組み込んでもよい。これは、使用時に複数のクッション製品を用いる看護ホーム施設で特に有用となり得る。中央モニターは、動作をチェックできるように、看護ホーム施設内のすべての動作ユニットを表示することができる。レポートは、使用法、応答時間および有効性などの運用内容に関する情報を提供できる。
【0069】
コントロールパネルはまた、圧力を緩和するために支持クッションのユーザが位置を再度変えるタイミングであることを示すその場における視覚的なインジケーションを付与するために、点滅するインジケータライトを含んでもよい。患者が再度位置を変えるのに最適な時間は15~20分ごとであると言われている。
【0070】
コントローラはまた、支持クッションのユーザに、支持クッションおよびユーザが長期間にわたって同じ位置にありかつ再度位置を変更すべきであることを示すインジケーションを付与するようプログラムされてもよい。動くべき時間であることを示すインジケーションは、サイクロイド振動モータによって提供される短い強烈な振動とすることができる。
【0071】
支持クッションの有効性を高めるために、数多くの他の特徴をコントローラに組み込んでもよい。例えば、ユーザがもはや椅子に座っていないなどの理由でクッションから圧力が解放された場合、振動プログラムは中断また停止することができる。さまざまなパラメータを時間の経過とともにログに記録して診断に使用することができる。これらパラメータは、圧力および位置、動き、動きの欠如などを含んでもよい。
【0072】
上述のように、特定の設計が描写されているが、支持クッションが特定のサイズまたは形状を有することは本発明にとって必須ではない。支持クッション10は、姿勢支持部を提供するように成形され、かつ/またはシートクッション:車椅子用クッション;背もたれ腰部クッション;ペットベッドクッション;またはマットレスクッションとして使用するように適合されてもよい。
図9は、背もたれ腰部支持部のためのクッションとしての支持クッションの一実施形態を示す。
【0073】
本発明の様々な実施形態の上記説明は、関連技術における当業者への説明の目的で提供される。包括的であることまたは本発明を単一の上記実施形態に限定することは意図していない。上述のように、本発明に対する数多くの代替例および変形例は、上記教示の分野における当業者には明らかであろう。したがって、いくつかの代替実施形態が具体的に説明されてきたが、他の実施形態は当業者に明らかであるかまたは比較的容易に開発されるであろう。それゆえ、本発明は、本明細書で説明された本発明のすべての代替例、変更例、および変形例ならびに上記発明の趣旨および範囲内にある他の実施形態を包含することを意図している。
【符号の説明】
【0074】
10 支持クッション
10a 上側部分
10b 下側部分
12 コントロールパネル
40 コントローラ
41 電子機器ハウジング
50 モータ
51 偏心ウエイト
60 圧力センサ
80 ベースプレート
101、102a、102b キャビティ
104 プラグ
111 フレーム
112 車輪
113 ハンドル