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特許7473567タッチ電極構造及びその製造方法、タッチパネル及び電子機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】タッチ電極構造及びその製造方法、タッチパネル及び電子機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20240416BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G06F3/041 422
G06F3/044 124
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2021569560
(86)(22)【出願日】2019-11-28
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-23
(86)【国際出願番号】 CN2019121599
(87)【国際公開番号】W WO2021102798
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-11-24
(73)【特許権者】
【識別番号】510280589
【氏名又は名称】京東方科技集團股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】BOE TECHNOLOGY GROUP CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.10 Jiuxianqiao Rd.,Chaoyang District,Beijing 100015,CHINA
(73)【特許権者】
【識別番号】511121702
【氏名又は名称】成都京東方光電科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】CHENGDU BOE OPTOELECTRONICS TECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1188,Hezuo Rd.,(West Zone),Hi-tech Development Zone,Chengdu,Sichuan,611731,P.R.CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】シュ シャオチン
(72)【発明者】
【氏名】ジャオ ジピン
(72)【発明者】
【氏名】シャオ ユンション
(72)【発明者】
【氏名】ドン シャンダン
(72)【発明者】
【氏名】ハ ファン
(72)【発明者】
【氏名】ロ ジョンウェイ
【審査官】三田村 陽平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109508118(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第110471568(CN,A)
【文献】特表2014-503102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/03
G06F 3/041- 3/047
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチ電極構造であって、
第1タッチ電極と、第2タッチ電極とを備え、
前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記第1タッチ電極の前記第1方向におけるサイズは前記第2タッチ電極の前記第2方向におけるサイズよりも大きく、
前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は、互いに絶縁されて交差し、タッチ検出のための相互キャパシタを形成し、
前記第1タッチ電極は第1透かし領域を備え、前記第2タッチ電極は第2透かし領域を備え、前記第1タッチ電極の透かし面積は前記第2タッチ電極の透かし面積よりも大きく、
前記タッチ電極構造は、前記第1透かし領域内に位置し、前記第1タッチ電極の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される少なくとも1つの第1ダミー電極をさらに備え、
前記第1タッチ電極は前記第1方向に順次接続された複数の第1タッチ電極部を備え、前記第2タッチ電極は前記第2方向に順次接続された複数の第2タッチ電極部を備え、
前記第1透かし領域は互いに離間された複数の第1サブ透かし領域を備え、前記複数の第1サブ透かし領域は前記複数の第1タッチ電極部内に分布し、複数の前記第1ダミー電極は前記複数の第1タッチ電極部と同層に設置され、互いに絶縁され、
各第1ダミー電極は複数の第1インターデジタル構造を備え、各第1インターデジタル構造とそれが位置する第1タッチ電極部は、同一平面内で互いに嵌着して設置される、タッチ電極構造。
【請求項2】
前記第2透かし領域の面積は0である、請求項1に記載のタッチ電極構造。
【請求項3】
記タッチ電極構造は、前記複数の第1サブ透かし領域内にそれぞれ位置する複数の第1ダミー電極をさらに備える、請求項1又は2に記載のタッチ電極構造。
【請求項4】
前記第2透かし領域は互いに離間された複数の第2サブ透かし領域を備え、前記タッチ電極構造は、前記複数の第2サブ透かし領域内にそれぞれ位置する複数の第2ダミー電極をさらに備える、請求項3に記載のタッチ電極構造。
【請求項5】
前記複数の第1サブ透かし領域の面積はそれぞれ同じであり、前記複数の第2サブ透かし領域の面積はそれぞれ同じである、請求項4に記載のタッチ電極構造。
【請求項6】
前記第1サブ透かし領域の数は前記第2サブ透かし領域の数と同じであり、各第1サブ透かし領域の面積は各第2サブ透かし領域の面積よりも大きい、請求項5に記載のタッチ電極構造。
【請求項7】
前記第1サブ透かし領域の数は前記第2サブ透かし領域の数よりも多く、各第1サブ透かし領域の面積は各第2サブ透かし領域の面積と同じである、請求項5に記載のタッチ電極構造。
【請求項8】
第1タッチ電極と第2タッチ電極は、交差部で複数のタッチユニットを形成し、各タッチユニットは、交差部で接続された2つの第1タッチ電極部のそれぞれの少なくとも一部、及び前記交差部で接続された2つの第2タッチ電極部のそれぞれの一部を備え、
各タッチユニットについて、前記2つの第1タッチ電極部の合計透かし面積は前記2つの第2タッチ電極部の合計透かし面積よりも大きい、請求項1~7のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項9】
各第1タッチ電極部について、透かし面積と前記第1タッチ電極部の電極面積との比率は0.1~1の範囲である、請求項1~8のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項10】
各第1ダミー電極は前記複数の第1インターデジタル構造に接続された第1本体部を備え、前記第1本体部は、それぞれ少なくとも2つの第1インターデジタル構造に対応する複数の辺を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項11】
前記第1ダミー電極が位置する少なくとも1つの第1タッチ電極部は複数の第2インターデジタル構造を備え、前記少なくとも1つの第1タッチ電極部は、前記第2インターデジタル構造を介して隣接する第2タッチ電極部と同一平面内で互いに嵌着されて前記相互キャパシタを形成する、請求項10に記載のタッチ電極構造。
【請求項12】
前記第1ダミー電極の少なくとも1つの第1インターデジタル構造と、それが位置する前記第1タッチ電極部の少なくとも1つの第2インターデジタル構造の延在方向は互いに平行である、請求項11に記載のタッチ電極構造。
【請求項13】
前記第1ダミー電極の第1本体部の各辺に、隣接する2つの第1インターデジタル構造のうちの一方は1つの前記第2インターデジタル構造に向けられ、他方は隣接する2つの前記第2インターデジタル構造の隙間に向けられる、請求項11又は12に記載のタッチ電極構造。
【請求項14】
前記第1タッチ電極部は前記複数の第2インターデジタル構造に接続された第2本体部をさらに備え、前記第2本体部は複数の辺を含み、各辺に対応する第2インターデジタル構造の数が3~10である、請求項1113のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項15】
各前記第2インターデジタル構造の平均幅は隣接する第1タッチ電極部の中心距離の1/10~1/4である、請求項1114のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項16】
各前記第2インターデジタル構造の平均長さは隣接する第1タッチ電極部の中心距離の1/10~1/3である、請求項1115のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項17】
前記第1インターデジタル構造の形状は、矩形、三角形、及び台形のうちの少なくとも1つを含む、請求項16のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項18】
隣接する第1タッチ電極部は、第1接続部によって電気的に接続されて前記第1タッチ電極を形成し、隣接する第2タッチ電極部は、第2接続部によって電気的に接続されて前記第2タッチ電極を形成し、
前記第1タッチ電極部、前記第2タッチ電極部及び前記第1接続部は同層に設置され、材料が同じであり、絶縁層を介して前記第2接続部から離間され、前記第2接続部は前記絶縁層のビアを介して隣接する第1タッチ電極部を電気的に接続する、請求項17のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項19】
前記第1タッチ電極部及び前記第2タッチ電極部はいずれも透明導電性材料であり、又は金属メッシュ構造を含む、請求項18のいずれか1項に記載のタッチ電極構造。
【請求項20】
タッチパネルであって、請求項1~19のいずれか1項に記載のタッチ電極構造を備える、タッチパネル。
【請求項21】
前記タッチパネルはフレキシブルタッチパネルであり、前記フレキシブルタッチパネルの曲げ領域に対応する前記第1タッチ電極の領域には、平面領域よりも高密度の前記透かし領域が設置される、請求項20に記載のタッチパネル。
【請求項22】
電子機器であって、請求項1~19のいずれか1項に記載のタッチ電極構造、又は請求項20または21に記載のタッチパネルを備える、電子機器。
【請求項23】
表示パネルをさらに備え、
前記表示パネルは、基板、前記基板上に位置する発光素子、及び前記発光素子の前記基板から離れる側に位置するパッケージ層を備え、
前記タッチ電極構造は前記パッケージ層の前記基板から離れる側に設置される、請求項22に記載の電子機器。
【請求項24】
タッチ電極構造の製造方法であって、
第1タッチ電極及び第2タッチ電極を形成するステップを含み、
前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記第1タッチ電極の前記第1方向におけるサイズは前記第2タッチ電極の前記第2方向におけるサイズよりも大きく、
前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は、互いに交差して、タッチ検出のための相互キャパシタを形成し、
前記第1タッチ電極は第1透かし領域を備え、前記第2タッチ電極は第2透かし領域を備え、前記第1タッチ電極の透かし面積は前記第2タッチ電極の透かし面積よりも大きく、
前記タッチ電極構造は、前記第1透かし領域内に位置し、前記第1タッチ電極の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される少なくとも1つの第1ダミー電極をさらに備え、
前記第1タッチ電極は前記第1方向に順次接続された複数の第1タッチ電極部を備え、前記第2タッチ電極は前記第2方向に順次接続された複数の第2タッチ電極部を備え、
前記第1透かし領域は互いに離間された複数の第1サブ透かし領域を備え、前記複数の第1サブ透かし領域は前記複数の第1タッチ電極部内に分布し、複数の前記第1ダミー電極は前記複数の第1タッチ電極部と同層に設置され、互いに絶縁され、
各第1ダミー電極は複数の第1インターデジタル構造を備え、各第1インターデジタル構造とそれが位置する第1タッチ電極部は、同一平面内で互いに嵌着して設置される、タッチ電極構造の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示の実施例は、タッチ電極構造及びその製造方法、タッチパネル及び電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
タッチ機能を有するユーザインタフェースは、様々な電子機器に広く応用されており、タッチ電極構造はタッチ感度に大きな影響を与えている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ電極構造を提供し、第1タッチ電極と、第2タッチ電極とを備える。前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記第1タッチ電極の前記第1方向におけるサイズは前記第2タッチ電極の前記第2方向におけるサイズよりも大きく、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は、互いに絶縁されて交差し、タッチ検出のための相互キャパシタを形成し、前記第1タッチ電極は第1透かし領域を備え、前記第2タッチ電極は第2透かし領域を備え、前記第1タッチ電極の透かし面積は前記第2タッチ電極の透かし面積よりも大きく、前記タッチ電極構造は、前記第1透かし領域内に位置し、前記第1タッチ電極の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される少なくとも1つの第1ダミー電極をさらに備える。
【0004】
いくつかの例では、前記第1透かし領域は互いに離間された複数の第1サブ透かし領域を備え、前記タッチ電極構造は、前記複数の第1サブ透かし領域内にそれぞれ位置する複数の第1ダミー電極をさらに備える。
【0005】
いくつかの例では、前記第2透かし領域の面積は0である。
【0006】
いくつかの例では、前記第2透かし領域は互いに離間された複数の第2サブ透かし領域を備え、前記タッチ電極構造は、前記複数の第2サブ透かし領域内にそれぞれ位置する複数の第2ダミー電極をさらに備える。
【0007】
いくつかの例では、前記複数の第1サブ透かし領域の面積はそれぞれ同じであり、前記複数の第2サブ透かし領域の面積はそれぞれ同じである。
【0008】
いくつかの例では、前記第1サブ透かし領域の数は前記第2サブ透かし領域の数と同じであり、各第1サブ透かし領域の面積は各第2サブ透かし領域の面積よりも大きい。
【0009】
いくつかの例では、前記第1サブ透かし領域の数は前記第2サブ透かし領域の数よりも多く、各第1サブ透かし領域の面積は各第2サブ透かし領域の面積と同じである。
【0010】
いくつかの例では、前記第1タッチ電極は前記第1方向に順次接続された複数の第1タッチ電極部を備え、前記第2タッチ電極は前記第2方向に順次接続された複数の第2タッチ電極部を備え、前記複数の第1サブ透かし領域は前記複数の第1タッチ電極部内に分布し、前記複数の第1ダミー電極は前記複数の第1タッチ電極部と同層に設置され、互いに絶縁される。
【0011】
いくつかの例では、第1タッチ電極と第2タッチ電極は、交差部で複数のタッチユニットを形成し、各タッチユニットは、交差部で接続された2つの第1タッチ電極部のそれぞれの一部、及び前記交差部で接続された2つの第2タッチ電極部のそれぞれの少なくとも一部を備え、各タッチユニットについて、前記2つの第1タッチ電極部の合計透かし面積は前記2つの第2タッチ電極部の合計透かし面積よりも大きい。
【0012】
いくつかの例では、各第1タッチ電極部について、透かし面積と前記第1タッチ電極部の電極面積との比率は0.1~1の範囲である。
【0013】
いくつかの例では、各第1ダミー電極は複数の第1インターデジタル構造を備え、各第1インターデジタル構造とそれが位置する第1タッチ電極部は、同一平面内で互いに嵌着して設置される。
【0014】
いくつかの例では、各第1ダミー電極は前記複数の第1インターデジタル構造に接続された第1本体部を備え、前記第1本体部は、それぞれ少なくとも2つの第1インターデジタル構造に対応する複数の辺を含む。
【0015】
いくつかの例では、前記第1ダミー電極が位置する少なくとも1つの第1タッチ電極部は複数の第2インターデジタル構造を備え、前記少なくとも1つの第1タッチ電極部は、前記第2インターデジタル構造を介して隣接する第2タッチ電極部と同一平面内で互いに嵌着されて前記相互キャパシタを形成する。
【0016】
いくつかの例では、前記第1ダミー電極の少なくとも1つの第1インターデジタル構造と、それが位置する前記第1タッチ電極部の少なくとも1つの第2インターデジタル構造の延在方向は互いに平行である。
【0017】
いくつかの例では、前記第1ダミー電極の第1本体部の各辺に、隣接する2つの第1インターデジタル構造のうちの一方は1つの前記第2インターデジタル構造に向けられ、他方は隣接する2つの前記第2インターデジタル構造の隙間に向けられる。
【0018】
いくつかの例では、前記第1タッチ電極部は前記複数の第2インターデジタル構造に接続された第2本体部をさらに備え、前記第2本体部は複数の辺を含み、各辺に対応する第2インターデジタル構造の数が3~10である。
【0019】
いくつかの例では、各前記第2インターデジタル構造の平均幅は隣接する第1タッチ電極部の中心距離の1/10~1/4である。
【0020】
いくつかの例では、各前記第2インターデジタル構造の平均長さは隣接する第1タッチ電極部の中心距離の1/10~1/3である。
【0021】
いくつかの例では、前記第1インターデジタル構造の形状は、矩形、三角形、及び台形のうちの少なくとも1つを含む。
【0022】
いくつかの例では、隣接する第1タッチ電極部は、第1接続部によって電気的に接続されて前記第1タッチ電極を形成し、隣接する第2タッチ電極部は、第2接続部によって電気的に接続されて前記第2タッチ電極を形成し、前記第1タッチ電極部、前記第2タッチ電極部及び前記第1接続部は同層に設置され、材料が同じであり、絶縁層を介して前記第2接続部から離間され、前記第2接続部は前記絶縁層のビアを介して隣接する第1タッチ電極部を電気的に接続する。
【0023】
いくつかの例では、前記第1タッチ電極部及び前記第2タッチ電極部はいずれも透明導電性材料である、又は金属メッシュ構造を含む。
【0024】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチパネルをさらに提供し、上記タッチ電極構造を備える。
【0025】
本開示の少なくとも1つの実施例は電子機器をさらに提供し、上記タッチ電極構造又はタッチパネルを備える。
【0026】
いくつかの例では、前記電子機器は表示パネルをさらに備え、前記表示パネルは、基板、前記基板上に位置する発光素子、及び前記発光素子の前記基板から離れる側に位置するパッケージ層を備え、前記タッチ電極構造は前記パッケージ層の前記基板から離れる側に位置する。
【0027】
本開示の少なくとも1つの実施例はタッチ電極構造の製造方法をさらに提供し、第1タッチ電極及び第2タッチ電極を形成するステップを含む。前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記第1タッチ電極の前記第1方向におけるサイズは前記第2タッチ電極の前記第2方向におけるサイズよりも大きく、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は、互いに交差してタッチ検出のための相互キャパシタを形成し、前記第1タッチ電極は第1透かし領域を備え、前記第2タッチ電極は第2透かし領域を備え、前記第1タッチ電極の透かし面積は前記第2タッチ電極の透かし面積よりも大きく、前記タッチ電極構造は、前記第1透かし領域内に位置し、前記第1タッチ電極の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される少なくとも1つの第1ダミー電極をさらに備える。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示の実施例の技術案をより明確に説明するために、以下、実施例又は関連技術の説明に必要な図面を簡単に説明し、明らかなように、以下説明される図面は、本開示を限定するためのものではなく、本開示のいくつかの実施例に関するものに過ぎない。
【0029】
図1図1は本開示の実施例に係るタッチ電極構造の模式図である。
図2A図2Aは本開示の実施例に係るダミー電極の模式図である。
図2B図2Bは本開示の実施例に係るダミー電極の模式図である。
図2C図2Cは本開示の実施例に係るダミー電極の模式図である。
図3A図3Aは本開示の別のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造の模式図である。
図3B図3B図3Aの断面線A-A’に沿った断面図である。
図4A図4Aは本開示のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造及びその電界分布の模式図である。
図4B図4Bは本開示のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造及びその電界分布の模式図である。
図4C図4Cは本開示のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造及びその電界分布の模式図である。
図4D図4Dは本開示のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造及びその電界分布の模式図である。
図5図5は本開示のいくつかの実施例に係る第1タッチ電極部の模式図である。
図6A図6Aは本開示のさらに別のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造の模式図である。
図6B図6Bは本開示のさらに別のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造の模式図である。
図7図7は本開示のいくつかの実施例に係るタッチパネルの模式図である。
図8A図8Aは本開示のいくつかの実施例に係る電子機器の模式図である。
図8B図8Bは本開示の別のいくつかの実施例に係る電子機器の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面を参照しながら、本開示の実施例の技術案を明確かつ完全に説明し、図面に示される、以下の説明に詳述される非限定的な例示的な実施例を参照しながら、本開示の例示的な実施例及びそれらの様々な特徴、及び有利な詳細をより完全に説明する。なお、図示される特徴は必ずしも縮尺どおりに作成される必要がない。本開示は、本開示の例示的な実施例を不明瞭にしないように、既知の材料、要素及びプロセス技術の説明を省略する。与えられる例は、本開示の例示的な実施例の実施を容易に理解でき、さらに当業者が例示的な実施例を実施できることのみを目的とする。従って、これらの例は本開示の実施例の範囲を限定するものとして理解されるべきではない。
【0031】
特に定義されない限り、本開示で使用される技術用語又は科学用語は、当業者が理解できる一般的な意味を有する。本開示で使用される「第1」、「第2」及び類似する用語は、何らかの順序、数又は重要性を示すものではなく、異なる構成要素を区別するためのものに過ぎない。また、本開示の各実施例では、同じ又は類似の符号は同じ又は類似の部材を表す。
【0032】
相互静電容量式タッチ電極構造は、タッチ駆動電極と、タッチ感知電極とを備え、タッチ駆動電極及びタッチ感知電極はタッチ感知のための相互キャパシタを形成し、タッチ駆動電極は励起信号(タッチ駆動信号)を入力することに用いられ、タッチ感知電極はタッチ感知信号を出力することに用いられる。例えば、縦方向に延在するタッチ駆動電極に励起信号を入力し、例えば、横方向に延在するタッチ感知電極からタッチ感知信号を受信することにより、横方向及び縦方向電極の結合点(例えば、交差点)の静電容量値を得ることができる。指が静電容量式タッチスクリーンに触れると、タッチポイント付近のタッチ駆動電極とタッチ感知電極との間の結合に影響を与えるため、この2つの電極の間の静電容量が変化する。タッチパネルの2次元静電容量変化量データに基づき、各タッチポイント(交差点)の座標を算出することができる。
【0033】
タッチ電極への負荷(例えば、RC負荷)は信号の伝送速度及びタッチ信号の精度に影響を直接与えるため、タッチ電極構造のタッチ感度に影響を与える。発明者は、タッチ領域が通常長方形であり、タッチ駆動電極及びタッチ感知電極のうちの一方が該長方形の長さ方向に沿って延在し、他方が該長方形の幅方向に沿って延在し、長さ方向に沿って延在するタッチ電極が長いため、負荷が大きいことを見出した。タッチ電極構造のタッチ感度を向上させるために、該タッチ電極への負荷を低減させる必要がある。
【0034】
本開示の実施例はタッチ電極構造を提供し、前記第1タッチ電極は第1透かし領域を備え、前記第2タッチ電極は第2透かし領域を備え、第1タッチ電極は第2タッチ電極よりも長く、前記第1タッチ電極の透かし面積は前記第2タッチ電極の透かし面積よりも大きく、前記タッチ電極構造は、前記第1透かし領域内に位置し、前記第1タッチ電極の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される少なくとも1つの第1ダミー電極をさらに備える。
【0035】
長い第1タッチ電極に透かし領域を設置し、第1タッチ電極の透かし面積を第2タッチ電極の透かし面積よりも大きく設定することにより、第1タッチ電極上の自己容量(寄生容量)を効果的かつ適切に低減させ、タッチ電極構造のタッチ感度を向上させることができる。また、該透かし領域内にタッチ電極と同層に設置されたダミー電極を設置することにより、フィルム層の均一性を向上させ、それにより製品の歩留まりを向上させることができる。
【0036】
図1は本開示の実施例に係るタッチ電極構造10であり、図1に示すように、該タッチ電極構造は、第1方向D1に沿って延在する複数の第1タッチ電極110(T1-Tn)と、第2方向D2に沿って延在する複数の第2タッチ電極120(R1-Rn)とを備え、第1方向D1は第2方向D2と交差し、例えば直交する。該第1タッチ電極110の第1方向D1におけるサイズ(すなわち、長さ)は該第2タッチ電極120の第2方向におけるサイズ(長さ)よりも大きいため、第1タッチ電極110は第2タッチ電極よりも大きな負荷を有する。例えば、第1タッチ電極110の長さは(約)第2タッチ電極120の長さの2倍である。
【0037】
例えば、該第1タッチ電極110はタッチ駆動電極であり、第2タッチ電極120はタッチ感知電極である。しかし、本開示の実施例はこれを限定しない。他の例では、第1タッチ電極110はタッチ感知電極であり、第2タッチ電極120はタッチ駆動電極であってもよい。
【0038】
各第1タッチ電極110は、第1方向D1に順次配置され、互いに接続された第1タッチ電極部111を備え、各第2タッチ電極120は、第2方向D2に順次配置され、互いに接続された第2タッチ電極部121を備える。図1に示すように、各第1タッチ電極部111及び第2タッチ電極部121はいずれも菱形ブロック形状である。他の例では、該第1タッチ電極部111及び第2タッチ電極部121は、三角形、長尺状などの他の形状であってもよい。
【0039】
該タッチ電極構造10は、第1接続部と、第2接続部(未図示)とをさらに備え、第1方向D1に隣接する第1タッチ電極部111は、第1接続部によって電気的に接続されて該第1タッチ電極110を形成し、第2方向D2に隣接する第2タッチ電極部121は、第2接続部によって電気的に接続されて該第2タッチ電極120を形成する。詳細については後述する図3A及び図3Bの説明を参照する。
【0040】
各第1タッチ電極110と各第2タッチ電極120は、互いに絶縁されて交差し、交差部で複数のタッチユニット20を形成し、各タッチユニットは、交差部で接続された2つの第1タッチ電極部のそれぞれの一部、及び該交差部で接続された2つの第2タッチ電極部のそれぞれの少なくとも一部を備える。図1の右側は1つのタッチユニット20の拡大模式図を示す。図示するように、各タッチユニット20は、互いに隣接する2つの第1タッチ電極部111の各半分の領域、及び互いに隣接する2つの第2タッチ電極部121の各半分の領域を備え、すなわち、平均して1つの第1タッチ電極部111の領域及び1つの第2タッチ電極部121の領域を備え、各タッチユニット20の第1タッチ電極部111と第2タッチ電極部121の交点(すなわち、第1接続部と第2接続部の交差部)は座標を算出するための基準点を形成する。指が静電容量式タッチスクリーンに触れると、タッチポイント付近の第1タッチ電極と第2タッチ電極との間の結合に影響を与えるため、この2つの電極の間の相互静電容量が変化する。タッチパネルの静電容量変化データに応じて、該基準点に基づいて各タッチポイントの座標を算出することができる。例えば、各タッチユニット20の面積は人の指とタッチパネルとの接触面積に相当し、該タッチユニットの面積が大きすぎると、パネル上にタッチの死角が発生する可能性があり、小さすぎると誤ったタッチ信号を生成する。
【0041】
各タッチユニット20の平均辺長はPであり、該タッチ電極構造のピッチ(Pitch)と呼ばれる。例えば、該ピッチPの大きさは3.7mm-5mmの範囲であり、例えば4mmであり、これは人の指とタッチパネルとの接触直径が約4mmであるためである。例えば、該ピッチの大きさは各第1タッチ電極部111の平均辺長及び各第2タッチ電極部121の平均辺長と同じであり、隣接する第1タッチ電極部111の中心距離、隣接する第2タッチ電極部121の中心距離とも同じである。
【0042】
図1に示すように、第1タッチ電極110は第1透かし領域210を備え、第2タッチ電極120は第2透かし領域220を備える。透かし領域を設置することにより、タッチ電極の電極面積(有効面積)を小さくし、タッチ電極における寄生容量(自己容量)を低減させ、それによりタッチ電極への負荷を低減させる。
【0043】
第1タッチ電極110の透かし面積(すなわち、第1透かし領域210の総面積)は、第2タッチ電極120の透かし面積(すなわち、第2透かし領域220の総面積)よりも大きく、これは第1タッチ電極への負荷が第2タッチ電極よりも大きく、タッチ信号感知の精度に影響を直接与えるためである。
【0044】
いくつかの例では、第1タッチ電極110にのみ透かし領域を設置し、第2タッチ電極120に透かし領域を設置する必要がないようにしてもよく、すなわち、第2タッチ電極120の透かし領域の面積は0であり、それによりプロセスを簡素化することができる。
【0045】
いくつかの例では、各タッチユニット20について、該タッチユニット20の第1タッチ電極部111の透かし面積(2つの第1タッチ電極部111の合計透かし面積)は、第2タッチ電極部121の透かし面積(2つの第2タッチ電極部121の合計透かし面積)よりも大きい。
【0046】
例えば、各第1タッチ電極部111の透かし面積は互いに同じであり、各第2タッチ電極部121の透かし面積は互いに同じであり、各第1タッチ電極部111の透かし面積は第2タッチ電極部121のタッチ面積よりも大きい。
【0047】
別のいくつかの例では、各第1タッチ電極110について、異なる領域に異なる密度の透かし領域を設置するようにしてもよい。例えば、該タッチ電極構造10が曲面タッチパネル又はフレキシブルタッチパネルに適用されると、第1タッチ電極110の曲げ領域に対応する領域内に、平面領域よりも高密度の透かし領域を設置するようにしてもよい。これは、曲げると、相互キャパシタを形成するタッチ電極間の電力線を長くし、タッチ電極間の等価距離が長くなるため、相互キャパシタの静電容量値が小さくなり、曲げ領域のタッチ感度を低下させるからである。曲げ領域に高密度の透かし領域を設置することにより、タッチパネルの曲げ領域におけるタッチ感度を向上させることができる。例えば、曲げ領域に位置する第1タッチ電極部111の透かし面積は、平面領域に位置する第1タッチ電極部111の透かし面積よりも大きい。
【0048】
透かし領域に対応して、タッチ電極構造10は少なくとも1つの第1ダミー電極211をさらに備え、該第1ダミー電極211は、第1タッチ電極110の第1透かし領域210内に位置し、該第1タッチ電極110の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される。例えば、該第1ダミー電極211は、第1タッチ電極110の該第1ダミー電極211に隣接する部分と同層に設置される。例えば、各第1ダミー電極211は、それが位置する第1タッチ電極部111と同層に絶縁して設置される。
【0049】
例えば、タッチ電極構造10は少なくとも1つの第2ダミー電極221をさらに備え、該第2ダミー電極221は、第2タッチ電極120の第2透かし領域220内に位置し、該第2タッチ電極120の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される。例えば、該第2ダミー電極221は、第2タッチ電極120の該第2ダミー電極221に隣接する部分と同層に設置される。例えば、各第2ダミー電極221は、それが位置する第2タッチ電極部121と同層に絶縁して設置される。
【0050】
なお、本開示の「同層に設置される」は、2つ以上の構造が、同じ又は異なるパターニングプロセスにより同じフィルム層から形成されることを意味し、従って材料が同じである。
【0051】
例えば、該第1ダミー電極211及び該第2ダミー電極221はフローティング(floating)状態であり、すなわち、他の構造に電気的に接続されない、又は任意の電気信号を受信しない。
【0052】
例えば、図1に示すように、該第1透かし領域210は互いに離間された複数の第1サブ透かし領域212を備えてもよく、複数の第1ダミー電極211はそれぞれ複数の第1サブ透かし領域212に1対1で対応して設置される。該第2透かし領域220は互いに離間された複数の第2サブ透かし領域222を備えてもよく、複数の第2ダミー電極221はそれぞれ複数の第2サブ透かし領域222に1対1で対応して設置される。透かし領域を複数の領域に分散し、単一の透かし領域の面積が大きすぎることによるタッチの死角を回避することができる。例えば、各第1タッチ電極部111の第1サブ透かし領域212の配置方式は同じである。例えば、各第2タッチ電極部121の第2サブ透かし領域222の配置方式は同じである。
【0053】
例えば、複数の第1サブ透かし領域212の面積はそれぞれ同じであり、複数の第2サブ透かし領域222の面積はそれぞれ同じである。
【0054】
例えば、第1サブ透かし領域212の数は第2サブ透かし領域222の数と同じであり、各第1サブ透かし領域212の面積は各第2サブ透かし領域222の面積よりも大きい。
【0055】
例えば、第1サブ透かし領域212の数は第2サブ透かし領域222の数よりも多く、各第1サブ透かし領域212の面積は各第2サブ透かし領域222の面積と同じである。例えば、第1サブ透かし領域212の総数は第2サブ透かし領域222の総数の1.5倍、2倍又は3倍である。例えば、各タッチユニット20について、第1サブ透かし領域212の数は第2サブ透かし領域222の数の1.5倍、2倍又は3倍である。
【0056】
例えば、図1に示すように、複数の第1サブ透かし領域212は第1タッチ電極部111内に分布する。例えば、各第1タッチ電極部111について、透かし面積と該第1タッチ電極部の電極面積(有効面積)との比率は0.1~1の範囲である。透かし面積が小さすぎると、タッチ感度を向上させることができず、透かし面積が大きすぎると、タッチの死角を形成し、タッチ感度を低下させる。例えば、各第1タッチ電極部111について、透かし面積は該第1タッチ電極部111の電極面積と同じである。例えば、各第1タッチ電極部111について、透かし面積は該第1タッチ電極部111の電極面積よりもわずかに小さく、例えば、該透かし面積と該第1タッチ電極部111の電極面積との比率は45:55である。
【0057】
例えば、各ダミー電極は、それが位置する透かし領域の輪郭と同じであり、すなわち、ダミー電極とそれが位置するタッチ電極が互いに嵌着され、該ダミー電極とタッチ電極との間に境界領域が存在し、該境界領域を介して互いに絶縁される。該境界領域の平均サイズ(ダミー電極とタッチ電極との平均間隔)は設計ルール(design rule)を満たす最小サイズであり、例えば3ミクロン~6ミクロンである。それにより、電極が位置するフィルム層の均一性を向上させ、プロセス歩留まりを向上させることができる。例えば、各第1ダミー電極211とそれに嵌着された第1タッチ電極110との間の第1境界領域(隙間)のサイズが同じであり、各第2ダミー電極221とそれに嵌着された第2タッチ電極120との間の第2境界領域のサイズが同じである。例えば、第1境界領域と第2境界領域のサイズが同じである。
【0058】
例えば、該境界領域は曲線に沿って延在し、すなわち、ダミー電極の輪郭は曲線構造である。例えば、該輪郭は鋸歯構造を含む。このような設計により、同じ面積ではダミー電極の領域が大きくなり、ダミー電極とタッチ電極が互いに嵌着されるため、タッチ電極の領域も大きくなり、ダミー電極の過度の集中による死角を回避することができ、また、タッチ電極とダミー電極が互いに嵌着され、すなわち、タッチ電極の内郭も曲線構造であるため、このような構造は線形構造と比較して該内郭の周長を大きくし、該タッチ電極の相互静電容量を増加させることができる。
【0059】
図2A図2Cはそれぞれダミー電極の拡大模式図の異なる例を例示的に示す。以下、第1ダミー電極211を例示して本開示のダミー電極を例示的に説明し、該説明は同様に第2ダミー電極221に適用される。図2Aに示すように、各第1ダミー電極211は、第1本体部213、及び該本体部213に接続された複数の第1インターデジタル構造214を備え、該複数の第1インターデジタル構造は該本体部213の周りに均一に配置される。該第1インターデジタル構造214は隣接するタッチ電極と同一平面内で互いに嵌着して設置されて相互キャパシタを形成する。例えば、各第1インターデジタル構造214は鋸歯構造をさらに備えてもよい。図2Bに示すように、例えば、該第1本体部213は、複数の辺を含み、例えば矩形であり、各辺に対応する第1インターデジタル構造の数が少なくとも2である。例えば、第1インターデジタル構造214の形状は、矩形、三角形、及び台形のうちの少なくとも1つを含む。
【0060】
別のいくつかの例では、図2Cに示すように、各第1ダミー電極221は接続部215によって接続された複数の鋸歯状バー216を備え、例えば、各鋸歯状バーはW字形である。
【0061】
例えば、タッチ電極部にインターデジタル構造をさらに設置することにより、第1タッチ電極110と第2タッチ電極120との間の相互静電容量を増加させ、さらにタッチ感度を向上させることができる。各タッチユニット20において、第1タッチ電極110及び第2タッチ電極120は、交差部に結合されて相互キャパシタを形成することに加えて、隣接する(対向する)箇所に互いに結合されて相互キャパシタを形成し、これらの相互キャパシタはいずれも該タッチユニット20に対してタッチ感知を行うときに役立つ。第1タッチ電極110と第2タッチ電極120との結合領域を大きくし、すなわち、第1タッチ電極110と第2タッチ電極120の互いに対向する辺長を長くすることで、第1タッチ電極110と第2タッチ電極120との間の相互静電容量を効果的に増加させ、それによりタッチ感度を向上させることができる。
【0062】
図3Aは本開示の別のいくつかの実施例に係るタッチ電極構造の模式図を示す。図3Aに示すように、少なくとも1つの第1タッチ電極部111は複数の第2インターデジタル構造112を備え、該第1タッチ電極部111は、第2インターデジタル構造112を介して、隣接する第2タッチ電極部121と同一平面内で互いに嵌着されて相互キャパシタを形成し、すなわち、該第1タッチ電極部111と嵌着された第2タッチ電極部121も対応してインターデジタル構造(第3インターデジタル構造)122を有する。該インターデジタル構造は、同じ面積でタッチ電極部の周長を大きくすることができ、従って、タッチ電極部の自己容量(寄生容量)を増加させることなく、相互静電容量を効果的に増加させ、それによりタッチ感度を向上させる。
【0063】
例えば、第1方向D1に隣接する第1タッチ電極部111は、第1接続部(図3Aに図示されない)を介して接続されて第1方向D1に沿って延在する第1タッチ電極110を形成し、第2方向D2に隣接する第2タッチ電極部121は、第2接続部125を介して接続されて第2方向D2に沿って延在する第2タッチ電極120を形成する。図3Aに示すように、各第1タッチ電極部111は、該第1接続部に接続するための電極接続部114をさらに備える。
【0064】
例えば、第1タッチ電極部111と第2タッチ電極部121は同層に設置され、第1接続部、及び第2接続部125のうちの一方とは同層に設置され、他方とは絶縁層を介して離間され、且つ該絶縁層のビアによって電気的に接続される。
【0065】
図3B図3Aの断面線A-A’に沿った断面図の例を示す。図3Bに示すように、該タッチ電極構造10はベース基板101上に設置され、例えば、該ベース基板101は、剛性基板(例えば、ガラス基板)又はフレキシブル基板(例えば、有機フレキシブル基板)であってもよい。第1タッチ電極部111、第2タッチ電極部121及び第2接続部125は同層に設置され、材料が同じであり、絶縁層102を介して第1接続部115から離間される。例えば、第1接続部115は第2接続部125よりもベース基板101に近接する。第1接続部115は絶縁層102のビア103を介して第1タッチ電極部111に電気的に接続されて、第1方向D1に隣接する第1タッチ電極部111を電気的に接続して該第1タッチ電極110を形成する。第2接続部125と第1接続部115は、ベース基板101に垂直な方向に互いに重なって、タッチ感知のための相互キャパシタを形成する。
【0066】
所定の範囲内で、インターデジタル構造の長さが長いほど、インターデジタル構造の分布密度が高くなり、数が多くなり、辺長の増分が大きくなり、相互静電容量が大きく増加する。図4A図4Dは複数種のタッチ電極構造及びその電界分布の模式図を示し、図4Aはインターデジタル構造を有さないタッチ電極構造を示し、図4B図4Dは本開示の実施例に係る複数種のタッチ電極構造を示す。明確にするために、図中に第1タッチ電極部111の1つの辺及び対応する第2タッチ電極部121の1つの辺の構造、ならびにそれらの電界結合状況のみがそれぞれ示される。なお、図4A図4Dに示す第1タッチ電極部111と第2タッチ電極部121の電極面積はいずれも同じであり、すなわち、タッチ電極部の自己容量はほぼ一致する。
【0067】
図4Aに示すように、タッチ電極部のエッジにインターデジタル構造が設置されない場合、電界線の方向は互いに平行であり、一方のタッチ電極部から他方のタッチ電極部に向けられ、例えば、第1タッチ電極部111から第2タッチ電極部121に向けられる。
【0068】
図4Bに示すように、各第1タッチ電極部111の1つの辺には10個の第2インターデジタル構造112があり、各第2タッチ電極部121の1つの辺には10個の第3インターデジタル構造122がある。各第2インターデジタル構造112及び各第3インターデジタル構造122は、いずれも長尺状であり、長さLが600ミクロンであり、幅が400ミクロンであり、隣接する第2インターデジタル構造112の間隔dが250ミクロンである。
【0069】
図4Cに示すように、各第1タッチ電極部111の1つの辺には10個の第2インターデジタル構造112があり、各第2タッチ電極部121の1つの辺には10個の第3インターデジタル構造122がある。各第2インターデジタル構造112及び各第3インターデジタル構造122は、長さLが500ミクロンであり、幅が400ミクロンであり、隣接する第2インターデジタル構造112の間隔dが250ミクロンである。図4Bに示す構造と比較し、図4Cでは、各インターデジタル構造の長さを短くする。
【0070】
図4Dに示すように、各第1タッチ電極部111の1つの辺には10個の第2インターデジタル構造112があり、各第2タッチ電極部121の1つの辺には10個の第3インターデジタル構造122がある。各第2インターデジタル構造112及び各第3インターデジタル構造122は、長さLが500ミクロンであり、幅が400ミクロンであり、隣接する第2インターデジタル構造112の間隔dが500ミクロンである。図4Bに示す構造と比較し、図4Dでは、インターデジタル構造の密度を低減させる。
【0071】
図4Aのインターデジタル構造が設置されないタッチ電極構造と比較し、図4B図4Dに示すタッチ電極構造は、第1タッチ電極111と第2タッチ電極121との間の電界線の密度を向上させ、これは、同じ空間において、インターデジタル構造が第1タッチ電極111と第2タッチ電極121との結合面積を大きくするため、第1タッチ電極111と第2タッチ電極121との間の相互静電容量を増加させるからであり、それによりタッチ電極構造のタッチ感度を向上させる。
【0072】
図4B及び図4Cに示すタッチ電極構造と比較したところ、インターデジタル構造の長さLを長くすることは、第1タッチ電極部111と第2タッチ電極部121との間の電界線の密度を向上させることに寄与することが分かり、これは、同じ空間において、インターデジタル構造を大きくすると、第1タッチ電極111と第2タッチ電極121との結合面積を大きくすることに寄与するため、第1タッチ電極111と第2タッチ電極121との間の相互静電容量を増加させるからであり、それによりタッチ電極構造のタッチ感度を向上させる。
【0073】
図4B及び図4Dに示すタッチ電極構造と比較したところ、インターデジタル構造の密度(すなわち、隣接するインターデジタル構造の間隔dを小さくする)を向上させることも、第1タッチ電極111と第2タッチ電極121との間の電界線の密度を向上させることに寄与し、それによりタッチ電極構造のタッチ感度を向上させることが分かる。
【0074】
例えば、各第2インターデジタル構造112の長さL1は隣接する第1タッチ電極部111の中心距離の1/10~1/3であり、すなわち、隣接する第1タッチ電極部111の中心点間の距離である。例えば、該中心距離は該タッチ電極構造のピッチPである。不規則なインターデジタル構造の場合、例えば、該長さL1は、該第2インターデジタル構造112の平均長さ、最大長さ又は最小長さであってもよい。
【0075】
例えば、各第2インターデジタル構造112の幅L2は隣接する第1タッチ電極部111の中心距離の1/10~1/4であり、例えば該タッチ電極構造のピッチPの1/10~1/4である。不規則なインターデジタル構造の場合、例えば、該幅L2は、該第2インターデジタル構造112の平均幅、最大幅又は最小幅であってもよい。
【0076】
例えば、隣接する第2インターデジタル構造112の間隔dは該タッチ電極構造のピッチPの1/20~1/10である。隣接するインターデジタルの間隔が均一でない場合、例えば、該間隔dは、該第2インターデジタル構造112の平均間隔、最大間隔又は最小間隔であってもよい。
【0077】
以下、第1タッチ電極部111を例示して本開示の実施例に係るタッチ電極部を説明し、該説明は同様に第2タッチ電極部に適用される。
【0078】
図5は1つの第1タッチ電極部111の拡大模式図を示す。第1タッチ電極部111は、第2本体部113、及び該第2本体部113に接続された複数の第2インターデジタル構造112を備え、該第2インターデジタル構造112は第2本体部113の周囲に分布する。該第2本体部113は、複数の辺を含み、例えば矩形であり、例えば、各辺に対応する第2インターデジタル構造112の数が3~10であり、例えば6~10である。
【0079】
例えば、図5に示すように、該第1タッチ電極部111の第1ダミー電極211の少なくとも1つの第1インターデジタル構造214は、該第1タッチ電極部111の少なくとも1つの第2インターデジタル構造112の延在方向に互いに平行である。
【0080】
例えば、図5に示すように、第1インターデジタル構造214の延在方向は、第1方向D1及び第2方向D2の両方と交差する。例えば、第2インターデジタル構造112の延在方向は、第1方向D1及び第2方向D2の両方と交差する。
【0081】
例えば、図5に示すように、第1ダミー電極211の第1本体部の各辺に、隣接する2つの第1インターデジタル構造のうちの一方(A)は1つの第2インターデジタル構造112に向けられ、他方(B)は隣接する2つの第2インターデジタル構造112の隙間に向けられ、すなわち、第1インターデジタル構造Aの長さ方向に沿った中心線は、第2インターデジタル構造112の長さ方向に沿った中心線とほぼ重なり、第2インターデジタル構造Bの長さ方向に沿った中心線は、隣接する2つの第2インターデジタル構造112の間の中心線とほぼ重なる(図5の破線で示される)。
【0082】
例えば、該第2インターデジタル構造112は、規則的な形状又は不規則な形状であってもよく、例えば、矩形、三角形、及び台形のうちの少なくとも1つを含んでもよい。図5に示すように、各第2インターデジタル構造112は凸字型の形状であり、すなわち2つの矩形の組み合わせであり、これは単一の矩形の形状と比較して第1タッチ電極部111の辺長をさらに長くする。
【0083】
図5に示すように、第2本体部113の頂角に対応する位置に、該第1タッチ電極部111は電極接続部114をさらに備える。例えば、第2本体部113の第1方向D1に沿った2つの角に対応する電極接続部114は、それぞれ第1接続部を介して該第1タッチ電極部111に隣接する第1タッチ電極部111に電気的に接続されて第1方向D1に沿った第1タッチ電極110を形成する(図6A参照)。
【0084】
例えば、該電極接続部114は最も近接する第2インターデジタル構造112に直接接続される。
【0085】
図6Aは本開示の実施例に係るタッチ電極構造の1つのタッチユニットの模式図を示す。図6Aに示すように、第1方向D1に沿って、隣接する第1タッチ電極部111は第1接続部115を介して互いに電気的に接続されて第1タッチ電極110を形成し、第2方向D2に沿って、隣接する第2タッチ電極部121は第2接続部125を介して互いに電気的に接続されて第2タッチ電極120を形成する。例えば、第1タッチ電極部111、第2タッチ電極部121及び第2接続部125は同じ層に位置し、絶縁層を介して第1接続部115から離間される。
【0086】
例えば、図6Aに示すように、第1接続部115は、第1方向D1に隣接する第1タッチ電極部111を互いに電気的に接続する。例えば、隣接する2つの第1タッチ電極部111の間に2つの第1接続部115が設置され、すなわち、二重チャネル構造が形成されることにより、デバイスの歩留まりを効果的に向上させることができる。例えば、信号線が交差する位置に、相互キャパシタの静電破壊による短絡不良が生じやすく、検出プロセスで該2つの第1接続部115の1つのチャネルに短絡不良が発生したと検出した場合、該チャネルを(例えば、レーザー切断により)除去すればよく、回路構造は依然として他のチャネルを介して正常に動作することができる。
【0087】
例えば、第2タッチ電極110及び第1タッチ電極120はいずれも透明導電性材料を使用したブロック形状であってもよく、金属導電性材料を使用したメッシュ構造であってもよい。
【0088】
図6Bは第1タッチ電極部111と第2タッチ電極部121との交差部Fでの該タッチユニットの拡大模式図を示す。図6Bに示すように、第2タッチ電極110及び第1タッチ電極120はいずれもメッシュ構造である。該図では、明るいメッシュ構造は同じ層に位置する第1接続部115を示し、暗いメッシュ構造は該第1接続部115の周囲に位置し、該第1接続部115とは異なる層に位置する第2タッチ電極120(第2接続部125及び第2タッチ電極部121を備える)を示す。隣接する第1タッチ電極部111の間に、2つの第1接続部115の両端がそれぞれ、例えば一体化されたメッシュ構造として接続される。該第1接続部115の端部はそれぞれ、該メッシュ構造の平面に垂直な方向において、接続される第1タッチ電極部111と重なり、ビア103によって電気的に接続される。
【0089】
本開示の実施例はタッチパネルをさらに提供し、上記タッチ電極構造を備える。
【0090】
図7は本開示の少なくとも1つの実施例に係るタッチパネルの模式図である。図7に示すように、該タッチパネル30は、タッチ領域301と、該タッチ領域301外に位置する非タッチ領域302とを備え、該タッチ電極構造20は該タッチ領域301に位置する。例えば、該タッチ領域301は矩形であり、該矩形の長さ方向は該第1方向D1に沿っており、幅方向は該第2方向D2に沿っている。該第1タッチ電極110は該矩形の長さ方向に沿って延在し、該第2タッチ電極120は該矩形の幅方向に沿って延在する。明確にするために、図中では、該第1タッチ電極及び第2タッチ電極の構造が詳細に示されていない。
【0091】
例えば、図7に示すように、該タッチパネル30は該非タッチ領域302に位置する複数の信号線130をさらに備える。各第1タッチ電極110及び各第2タッチ電極120はそれぞれ1つの信号線130に電気的に接続され、該信号線を介してタッチ集積回路(未図示)に接続される。例えば、第1タッチ電極110はタッチ駆動電極であり、第2タッチ電極120はタッチ感知電極であるが、本開示の実施例はこれを限定しない。
【0092】
該タッチ集積回路は、例えば、該タッチパネル30の第1タッチ電極110にタッチ駆動信号を提供し、該第2タッチ電極120からタッチ感知信号を受信して処理し、タッチセンシング機能を実現するためのタッチチップである。
【0093】
例えば、図7に示すように、該複数の信号線130の該タッチ集積回路に接続される一端は該タッチ領域301の同じ側(例えば、図7の下側)に配置されてもよく、このようにして、該タッチ集積回路との接続を容易にすることができる。
【0094】
例えば、図7に示すように、第1タッチ電極110が第2タッチ電極120よりも長いため、信号の伝送速度を向上させるために、1つの第1タッチ電極110の両端にそれぞれ1つの信号線130を設置することができ、動作時、該タッチ集積回路は、同時に2つの信号線130を介して1つの第1タッチ電極110にタッチ駆動信号(両側駆動)を双方向に入力し、第1タッチ電極110への信号ロード速度を向上させ、それにより検出速度を向上させることができる。
【0095】
本開示の実施例は電子機器をさらに提供し、上記タッチ電極構造20又は上記タッチパネル30を備える。例えば、該電子機器は表示パネルを備えたタッチ表示パネルである。例えば、該タッチ電極構造は、該表示パネル外に集積される、又は該表示パネルの外部に設置される。例えば、該タッチパネルと該表示パネルは、組込み式、外付け式などの様々な形態で統合される。
【0096】
図8Aは本開示の実施例に係る電子機器の断面図を示す。例えば、該電子機器はタッチ表示パネル40であり、タッチ表示パネル40は、タッチパネル30と、表示パネル31とを備え、表示パネル31とタッチパネル30は積層して設置される。表示パネル31は表示領域401及び非表示領域401を備える。例えば、表示領域401とタッチ領域301は、互いに対応するように位置合わせされ、非表示領域402と非タッチ領域302は、互いに対応するように位置合わせされる。表示パネル31とタッチパネル30は、例えば接着剤を介して互いに固定され、又は一体的に形成され、すなわち、タッチパネル30は、表示パネル31をベース基板として表示パネル31上に直接形成される。
【0097】
例えば、該表示パネル31は、液晶表示パネル、有機発光ダイオード表示パネル又は電子ペーパー表示パネルなどであってもよい。
【0098】
図8Bは本開示の別の実施例に係る電子機器の断面図を示す。図8Bに示すように、該表示パネル31は、基板50、及び該基板50上に位置する発光素子500を備え、該発光素子500は、有機発光ダイオードであり、それに対応して、該表示パネル31は有機発光ダイオード表示パネルである。例えば、該基板50は、該発光素子500を駆動して発光させるための画素回路(未図示)を備える。該表示パネル31は、発光素子500の該基板50から離れる側に位置するパッケージ層51をさらに備え、該タッチ電極構造20は、該パッケージ層51の該基板50から離れる側に位置する。該パッケージ層51は、外部の湿気や酸素が該発光素子及び駆動回路に侵入することによるデバイスの損傷を防止するために、該発光素子500を封止するように構成される。例えば、パッケージ層51は、有機薄膜を備え、又は有機薄膜と無機薄膜が交互に積層された構造を備える。
【0099】
例えば、該タッチ電極構造20は該パッケージ層51に直接形成される。例えば、該タッチ電極構造20の第1接続部115は該パッケージ層と直接接触し、該第1接続部115と該パッケージ層51との間に少なくとも1層の絶縁層が形成され得る。
【0100】
例えば、図8Bに示すように、該表示パネル31は、該パッケージ層51の該基板50から離れる側に位置するカバープレート50をさらに備え、該カバープレート52は、例えば、ガラスカバープレート又は有機フレキシブルカバープレートである。該タッチ電極構造20は該パッケージ層51と該カバープレート52との間に位置する。
【0101】
別のいくつかの例では、該カバープレート52の代わりに透明保護層(例えば、透明な光学接着剤)を使用して該タッチ電極構造20を保護することもできる。
【0102】
本開示の実施例は上記タッチ電極構造20の製造方法をさらに提供する。該製造方法は、少なくとも、第1タッチ電極及び第2タッチ電極を形成するステップを含み、前記第1タッチ電極は第1方向に沿って延在し、前記第2タッチ電極は前記第1方向と交差する第2方向に沿って延在し、前記第1タッチ電極の前記第1方向におけるサイズは前記第2タッチ電極の前記第2方向におけるサイズよりも大きく、前記第1タッチ電極と前記第2タッチ電極は、互いに交差してタッチ検出のための相互キャパシタを形成し、前記第1タッチ電極は第1透かし領域を備え、前記第2タッチ電極は第2透かし領域を備え、前記第1タッチ電極の透かし面積は前記第2タッチ電極の透かし面積よりも大きく、前記タッチ電極構造は、前記第1透かし領域内に位置し、前記第1タッチ電極の少なくとも一部と同層に設置され、互いに絶縁される少なくとも1つの第1ダミー電極をさらに備える。
【0103】
以下、図3A~3Bを参照しながら本開示の実施例に係るタッチ電極構造の製造方法を例示的に説明する。
【0104】
一例では、該製造方法は少なくとも以下のステップS801~S803を含む。
【0105】
ステップS801、ベース基板101上に第1接続部115を形成する。
【0106】
例えば、ベース基板101上に第1導電層を形成し、該第1導電層に対してパターニングプロセスを行って第1接続部115を形成する。例えば、該第1導電層の材料は、アルミニウム、モリブデン、銅、銀などの金属材料又は合金材料である。例えば、該第1導電層の材料は、銀パラジウム銅合金(APC)材料である。例えば、該パターニングプロセスは、フォトレジストの塗布、露光、現像、乾燥、エッチングなどのステップを含む通常のフォトリソグラフィプロセスである。
【0107】
例えば、図6Bに示すように、該第1接続部115はメッシュ(mesh)構造であってもよい。
【0108】
例えば、該ベース基板101はフレキシブル基板であり、例えば、ポリイミド(PI)、ポリカーボネート(PC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、ポリエチレングリコールテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスルホン(PSF)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、セルローストリアセテート(TAC)、シクロオレフィンポリマー(COP)及びシクロオレフィンコポリマー(COC)などの耐熱性及び耐久性に優れた可塑性材料で形成されてもよい。又は、ベース基板101は表示パネル自体であってもよく、このとき、タッチ電極を表示パネルの表面に直接形成して、一体化されたタッチ表示パネルを得る。
【0109】
ステップS802、該第1導電層上に絶縁層102を形成し、該絶縁層内にビア103を形成する。例えば、該ビア103はそれぞれ該第1接続部115に対応し、それぞれ該第1接続部115の少なくとも一部を露出させる。例えば、各第1接続部115は2つのビア103を対応して形成する。
【0110】
例えば、該絶縁層102を形成する材料は、透明材料などの無機絶縁材料であってもよい。例えば、該無機絶縁材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素などのケイ素の酸化物、ケイ素の窒化物又はケイ素の窒素酸化物、又は酸化アルミニウム、窒化チタンなどを含む金属窒素酸化物絶縁材料である。
【0111】
例えば、該絶縁層102を形成する材料は、優れた耐曲げ性を得るために有機絶縁材料であってもよい。例えば、該有機絶縁材料は透明材料である。例えば、該有機絶縁材料はOCA光学接着剤である。例えば、該有機絶縁材料は、ポリイミド(PI)、アクリレート、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などを含んでもよい。
【0112】
ステップS803、該絶縁層102上に第2導電層を形成し、該第2導電層に対してパターニングプロセスを行って第1タッチ電極部110及び第2タッチ電極120を形成する。
【0113】
例えば、該第1接続部115に対応して、第1方向D1に沿って離間された複数の第1タッチ電極部111を形成し、第2方向D2に沿って第2タッチ電極120(交互に接続された第2タッチ電極部121及び第2接続部125を備える)を形成する。各第1接続部115のベース基板101での正投影は第1方向D1に隣接する2つの第1タッチ電極部111のベース基板101での正投影の間に位置する。各第1タッチ電極部111はビア103を介して対応する第1接続部125に電気的に接続されて第1方向D1に沿って延在する第1タッチ電極110を形成する。複数の第1タッチ電極110と複数の第2タッチ電極120は、互いに交差して複数のタッチユニットを形成する。
【0114】
例えば、該第2導電層に対してパターニングプロセスを行って互いに絶縁される第1タッチ電極部111及び第2タッチ電極120を形成するとともに、該第1タッチ電極内に第1透かし領域210を形成する。
【0115】
別のいくつかの例では、該第2導電層に対してパターニングプロセスを行って互いに絶縁される第1タッチ電極部111及び第2タッチ電極120を形成するとともに、該第1タッチ電極内に少なくとも1つのダミー電極を形成し、該ダミー電極と該第1タッチ電極は互いに離間して絶縁され、すなわち、該パターニングプロセスにより該第1透かし領域に位置する第1ダミー電極210を直接形成する。例えば、該パターニングプロセスによって導電性ブロック全体をエッチングして、互いに絶縁される第1部分及び第2部分を形成し、第1部分は第2部分内に位置し、該ダミー電極として形成され、第2部分は該第1部分を取り囲み、該第1タッチ電極部111として形成される。
【0116】
例えば、該パターニングプロセスによって、互いに離間された複数の第1ダミー電極210を形成することができ、すなわち、該第1透かし領域210は互いに離間された複数の第1サブ透かし領域212を備えてもよく、複数の第1ダミー電極211はそれぞれ複数の第1サブ透かし領域212に1対1で対応して形成される。
【0117】
例えば、該第1タッチ電極内に第1透かし領域210を形成するとともに、該第2タッチ電極内に第2透かし領域及び第2ダミー電極を形成することができ、ここで繰り返し説明しない。
【0118】
例えば、第1タッチ電極110の透かし面積は第2タッチ電極120の透かし面積よりも大きい。
【0119】
いくつかの例では、第2タッチ電極ではなく第1タッチ電極内にのみ透かし領域を形成してもよく、それによりプロセスを簡素化することができる。
【0120】
例えば、該第2導電層の材料は透明導電性材料であり、該透明導電性材料は、インジウムスズ酸化物(ITO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、亜鉛酸化物(ZnO)、亜鉛アルミニウム酸化物(AZO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)などの透明導電性金属酸化物材料を含む。
【0121】
例えば、第2導電層の材料は、アルミニウム、モリブデン、銅、銀などの金属材料又は合金材料であってもよい。
【0122】
以上、本開示の例示的な実施形態を説明したが、本開示の保護範囲を限定するためのものではなく、本開示の保護範囲は添付された特許請求の範囲により定められる。
図1
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4A
図4B
図4C
図4D
図5
図6A
図6B
図7
図8A
図8B