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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板
(51)【国際特許分類】
   C08L 9/06 20060101AFI20240416BHJP
   C08L 71/12 20060101ALI20240416BHJP
   C08K 13/06 20060101ALI20240416BHJP
   H05K 1/03 20060101ALI20240416BHJP
   B32B 15/06 20060101ALN20240416BHJP
   C08K 3/36 20060101ALN20240416BHJP
   C08K 3/24 20060101ALN20240416BHJP
   C08K 9/04 20060101ALN20240416BHJP
   C08K 9/06 20060101ALN20240416BHJP
【FI】
C08L9/06
C08L71/12
C08K13/06
H05K1/03 630H
H05K1/03 610R
B32B15/06 Z
C08K3/36
C08K3/24
C08K9/04
C08K9/06
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2022078818
(22)【出願日】2022-05-12
(65)【公開番号】P2023021908
(43)【公開日】2023-02-14
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】110128304
(32)【優先日】2021-08-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】501296612
【氏名又は名称】南亞塑膠工業股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】NAN YA PLASTICS CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】廖▲徳▼超
(72)【発明者】
【氏名】張宏毅
(72)【発明者】
【氏名】魏千凱
(72)【発明者】
【氏名】劉家霖
【審査官】松元 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-125440(JP,A)
【文献】特開平01-245053(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0237278(US,A1)
【文献】特開2008-133414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00 - 101/16
C08K 3/00 - 13/08
Japio-GPG/FX
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高誘電ゴム樹脂組成物、無機フィラー、並びにアクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを有するシロキサンカップリング剤を含む高誘電ゴム樹脂材料であって、
前記高誘電ゴム樹脂組成物は、
40~70重量%の液体ゴムと、
10~30重量%のポリフェニレンエーテル樹脂と、
20~40重量%の架橋剤とを含み、
前記液体ゴムの分子量は、800~6000g/molであり、
前記高誘電ゴム樹脂材料の比誘電率は、2.0以上であり、
前記液体ゴムを構成するモノマーは、スチレンモノマー及びブタジエンモノマーを含み、前記液体ゴムの総量を100mol%として、前記スチレンモノマーの前記液体ゴムでの含有量は、10~50mol%であり、
前記高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記無機フィラーは、100~190重量部の二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせと、10~30重量部の酸化アルミニウムと、20~60重量部の二酸化ケイ素とを含み、
前記ポリフェニレンエーテル樹脂は、2つの末端がメタクリレート基で改質されたポリフェニレンエーテル樹脂である、ことを特徴とする高誘電ゴム樹脂材料。
【請求項2】
前記ブタジエンモノマーの総量に基づいて、30~90mol%の前記ブタジエンモノマーは、ビニール基を含む側鎖を有する、請求項1に記載の高誘電ゴム樹脂材料。
【請求項3】
前記無機フィラーは、表面処理を行うことにより、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含む、請求項1に記載の高誘電ゴム樹脂材料。
【請求項4】
前記高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記シロキサンカップリング剤の含有量は、0.1~5重量部である、請求項1に記載の高誘電ゴム樹脂材料。
【請求項5】
基材層と、前記基材層に設けられた金属層とを備える、高誘電金属基板であって、
前記基材層は、高誘電ゴム樹脂材料で製造され、前記高誘電ゴム樹脂材料は、高誘電ゴム樹脂組成物、無機フィラー、並びにアクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを有するシロキサンカップリング剤を含み、
前記高誘電ゴム樹脂組成物は、
40~70重量%の液体ゴムと、
10~30重量%のポリフェニレンエーテル樹脂と、
20~40重量%の架橋剤とを含み、
前記液体ゴムを構成するモノマーは、スチレンモノマー及びブタジエンモノマーを含み、前記液体ゴムの総量を100mol%として、前記スチレンモノマーの前記液体ゴムでの含有量は、10~50mol%であり、
前記液体ゴムの分子量は、800~6000g/molであり、
前記高誘電ゴム樹脂材料の比誘電率は、2.0以上であり、
前記高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記無機フィラーは、100~190重量部の二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせと、10~30重量部の酸化アルミニウムと、20~60重量部の二酸化ケイ素とを含み、
前記ポリフェニレンエーテル樹脂は、2つの末端がメタクリレート基で改質されたポリフェニレンエーテル樹脂である、高誘電金属基板。
【請求項6】
比誘電率は、5.0以上である、請求項に記載の高誘電金属基板。
【請求項7】
剥離強度は、0.51~0.8N・m(4.5~7lb/in)である、請求項に記載の高誘電金属基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゴム樹脂材料及び金属基板に関し、特に、高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板に関する。
【背景技術】
【0002】
第5世代移動通信システム(5th generation wireless system,5G)の開発に伴い、5G無線通信規格を満たすために、高周波伝送が現在の開発の主流となっている。したがって、業界は、高周波伝送に適した高周波基板材料(例えば、6~77GHzの周波数範囲)の開発に取り組んでおり、高周波基板を基地局のアンテナ、衛星レーダー、自動車レーダー、無線通信アンテナ、又はパワーアンプに応用できるようにしている。
【0003】
基板に高周波伝送の機能を与えるために、高周波基板は通常、高い比誘電率(dielectric constant,Dk)と低い誘電正接(dielectric dissipation factor,Df)の特性を持っている。以下、高周波基板の比誘電率と誘電正接とを合わせて、高周波基板の誘電特性と称す。
【0004】
現在市販の高誘電ゴム樹脂材料は、特定の比率の液体ゴムを添加し、液体ゴムは、高い溶解性及び反応性官能基を有する、という特徴を有する。このように、高誘電ゴム樹脂材料は、高周波基板材料として好適である。しかしながら、液体ゴムの添加量は、高すぎてはいけない。液体ゴムの含有量が高すぎる(25重量%を超える)と、高誘電ゴム樹脂材料のガラス転移温度(glass transition temperature,Tg)が比較的に低くなると共に、高誘電金属基板の剥離強度が不良となってしまう。
【0005】
上述したように、従来の技術において、高周波伝送の分野に適用する、良好な誘電特性を有し、且つ優れた剥離強度を持つ高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板が未だ提供されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする技術の課題は、従来技術の不足に対し、高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用する一つの技術的手段は、高誘電ゴム樹脂材料を提供することである。高誘電ゴム樹脂材料は、高誘電ゴム樹脂組成物及び無機フィラーを含み、前記高誘電ゴム樹脂組成物は、40~70重量%の液体ゴムと、10~30重量%のポリフェニレンエーテル樹脂と、20~40重量%の架橋剤とを含む。なかでも、液体ゴムの分子量は、800~6000g/molである。なかでも、高誘電ゴム樹脂材料の比誘電率は、2.0以上である。
【0008】
本発明の一つの実施形態において、液体ゴムを構成するモノマーは、スチレンモノマー及びブタジエンモノマーを含み、液体ゴムの総量を100mol%として、スチレンモノマーの液体ゴムでの含有量は、10~50mol%である。
【0009】
本発明の一つの実施形態において、ブタジエンモノマーの総量に基づいて、30~90mol%のブタジエンモノマーは、ビニール基を含む側鎖を有する。
【0010】
本発明の一つの実施形態において、無機フィラーは、表面処理を行うことにより、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含む。
【0011】
一つの実施形態において、無機フィラーは、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、二酸化チタン及び酸化アルミニウムの中の少なくとも1つである。
【0012】
本発明の一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、前記無機フィラーの添加量は、20~250重量部である。
【0013】
本発明の一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラーは、100~190重量部の二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせと、10~30重量部の酸化アルミニウムと、20~60重量部の二酸化ケイ素とを含む。
【0014】
本発明の一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂材料は、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを有するシロキサンカップリング剤を更に含む。
【0015】
本発明の一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、シロキサンカップリング剤の含有量は、0.1~5重量部である。
【0016】
上記の技術的課題を解決するために、本発明が採用するもう一つの技術的手段は、高誘電金属基板を提供することである。高誘電金属基板は、基材層と、基材層に設けられた金属層とを備える。基材層は、高誘電ゴム樹脂材料で製造され、高誘電ゴム樹脂材料は、高誘電ゴム樹脂組成物及び無機フィラーを含む。高誘電ゴム樹脂組成物は、40~70重量%の液体ゴムと、10~30重量%のポリフェニレンエーテル樹脂と、20~40重量%の架橋剤とを含む。なかでも、液体ゴムの分子量は、800~6000g/molである。なかでも、高誘電ゴム樹脂材料の比誘電率は、2.0以上である。
【0017】
一つの実施形態において、高誘電金属基板の比誘電率は、5.0以上である。
【0018】
本発明の一つの実施形態において、高熱伝導性金属基板の剥離強度は、4.5~7lb/inである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の有利な効果として、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板は、「高誘電ゴム樹脂組成物は40~70重量%の液体ゴムを含む」及び「高誘電ゴム樹脂組成物は無機フィラーを含む」といった技術特徴により、誘電特性、剥離強度、及び耐熱性を向上させる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下の本発明に関する詳細な説明を参照されたい。しかし、詳細な説明は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の請求の範囲を制限するためのものではない。
【0021】
以下、所定の具体的な実施態様によって「高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板」を説明し、当業者は、本明細書に開示された内容に基づいて本発明の利点と効果を理解することができる。本発明は、他の異なる具体的な実施態様によって実行または適用でき、本明細書における各細部についても、異なる観点と用途に基づいて、本発明の構想から逸脱しない限り、各種の修正と変更を行うことができる。以下の実施形態に基づいて本発明に係る技術内容を更に詳細に説明するが、開示される内容によって本発明の保護範囲を制限することはない。また、本明細書において使用される「または」という用語は、実際の状況に応じて、関連して挙げられる項目におけるいずれか1つまたは複数の組み合わせを含むことがある。
【0022】
[高誘電ゴム樹脂材料]
本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料は、液体ゴムを含み、液体ゴムの特性を制御することにより、ゴム樹脂材料での液体ゴムの添加量を従来の技術における液体ゴムの添加量の上限より高くすることができる。このように、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料は、高周波基板材料としてより好適である。
【0023】
具体的に説明すると、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料は、高誘電ゴム樹脂組成物、及び高誘電ゴム樹脂組成物に均一に分散する無機フィラーを含む。以下にて、高誘電ゴム樹脂組成物及び無機フィラーの特性について詳しく説明する。
【0024】
[高誘電ゴム樹脂組成物]
本願に係る高誘電ゴム樹脂組成物は、40~70重量%(wt%)の液体ゴムと、10~30重量%のポリフェニレンエーテル樹脂と、20~40重量%の架橋剤とを含む。
【0025】
上述のような特定の成分及び含有量により、本発明の高誘電ゴム樹脂組成物は、熱伝導性、誘電特性及び耐熱性が良好な高誘電金属基板を製造することができると共に、高誘電金属基板は、金属層と良好な結合力を有する。高誘電金属基板の特性試験については後述する。
【0026】
液体ゴムの分子量が800~6000g/molである場合に、高誘電ゴム樹脂組成物の流動性が上昇し、高誘電ゴム樹脂組成物の充填性を向上させることができる。好ましくは、液体ゴムの分子量は、1000~5500g/molであり、より好ましくは、3000~5000g/molである。液体ゴムは、高い溶解性という特徴を有するため、各成分の間の相容性を向上させることができる。また、液体ゴムは、反応性官能基の特徴を有するため、ゴム樹脂材料を硬化した後の架橋度を向上させることができる。
【0027】
注目すべきことは、本発明において液体ゴムの分子量、及び液体ゴムにおけるモノマーの成分及び構造を更に制御するため、液体ゴムの高誘電ゴム樹脂組成物での含有比率を増加させることができる。具体的に説明すると、高誘電ゴム樹脂組成物の総重量を100重量%として、液体ゴムの高誘電ゴム樹脂組成物での含有量は、40重量%を超えることが可能であり、従来の技術における液体ゴムの含有量(25重量%)より高くなることは明らかである。一つの好ましい実施形態において、本発明に係る液体ゴムの高誘電ゴム樹脂組成物での含有量は、40~60重量%である。
【0028】
1つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物の総重量を100重量%として、液体ゴムの含有量は、40重量%、45重量%、50重量%、55重量%、60重量%、65重量%又は70重量%であってもよい。
【0029】
1つの実施形態において、液体ゴムは、ビニール基を含有する側鎖を高い比率で有する液体ジエン系ゴムを含む。また、前記ビニール基を含有する側鎖は、好ましくは1,2-ビニール基側鎖を含む。特筆すべきことは、1つ以上のビニール基を含有する側鎖の存在で、基板材料の硬化物の架橋密度及び耐熱性の向上は優れている。具体的に説明すると、液体ジエン系ゴムは、ポリブタジエン樹脂を含む。ポリブタジエン樹脂は、ブタジエンモノマーのみで重合して得たものであってもよく、ブタジエンモノマーと他のモノマーで重合して得たものであってもよい。換言すると、液体ゴムは、ブタジエンホモポリマー又はブタジエン共重合体であってもよく、好ましくは、ブタジエンホモポリマーである。
【0030】
一つの好ましい実施形態において、液体ゴムは、ブタジエン及びスチレンで形成された共重合体である。即ち、液体ゴムを構成するモノマーは、スチレン及びブタジエンを含む。スチレンモノマー及びブタジエンモノマーは、ランダムに配列してランダム共重合体(random copolymer)を形成することか、若しくは、規則的に配列して交互共重合体(alternating copolymer)又はブロック共重合体(block copolymer)を形成してもよい。
【0031】
液体ゴムの総量を100mol%として、スチレンモノマーの液体ゴムでの含有量は、10~50mol%である。スチレンモノマーの液体ゴムでの含有量が10~50mol%であると、液晶と類似する配列構造を達成することが容易となり、それによって、液体ゴムの耐熱性及び相容性を向上させることができる。好ましくは、スチレンモノマーの液体ゴムでの含有量は、15~50mol%である。スチレンモノマーの含有量は、50mol%を超えると、高誘電ゴム樹脂材料の粘度が比較的に高くなるため、高誘電金属基板の製造にとって不利になる。
【0032】
更に説明すると、ブタジエンそのものは、2つの二重結合を有することから、重合する際に、重合方法の違いによって、異なる構造を得る。即ち、ポリブタジエンは、cis-1,4-ポリブタジエン、trans-1,4-ポリブタジエン、1,2-ポリブタジエンの中の任意1つ又は複数の構造から構成されてもよい。具体的に説明すると、ブタジエンが1,4-付加重合反応を行う場合に、cis-1,4-ポリブタジエン又はtrans-1,4-ポリブタジエンの構造が生成される。cis-1,4-ポリブタジエン又はtrans-1,4-ポリブタジエンの構造において、ポリブタジエンは、不飽和側鎖を有しない。ブタジエンが1,2-付加重合反応を行う場合に、1,2-ポリブタジエンの構造が生成される。1,2-ポリブタジエンの構造において、ポリブタジエンは、不飽和側鎖(ビニール基)を有する。
【0033】
一つの好ましい実施形態において、ブタジエンモノマーの総量に基づいて、30~90mol%の前記ブタジエンモノマー(重合後)は、ビニール基を含む側鎖を有する。好ましくは、ブタジエンモノマーの総重量に基づいて、30~80mol%のブタジエンモノマー(重合後)は、ビニール基を含む側鎖を有する。若しくは、30~80mol%の前記ブタジエンモノマー(重合後)は、ビニール基側鎖を有する。
【0034】
液体ゴムが少なくとも1つのビニール基を含む不飽和側鎖(又はビニール基)を有する場合に、架橋した高誘電ゴム樹脂組成物の架橋密度及び耐熱性が向上する。又、本発明において、液体ゴムにおけるビニール基を含む不飽和側鎖(又はビニール基)の測定は、化学分析におけるヨウ素価で定量することができる。
【0035】
液体ゴムにおけるビニール基を含む不飽和側鎖(又はビニール基)の含有量が高いほど、液体ゴムのヨウ素価が高い。ビニール基を含む不飽和側鎖(又はビニール基)は、架橋した高熱伝導性ゴム樹脂組成物の物理特性を向上させることができる。本発明において、液体ゴムのヨウ素価は、30g/100g~60g/100gである。
【0036】
本発明において、ヨウ素価の測定方法は、まず0.3~1mgの液体ゴムを採取し、クロロホルムを添加して液体ゴムを完全に溶解させ、ウィイス試液(Wijs solution)を添加して30分間暗所に放置する。次に、20mLのヨウ化カリウム(100g/L)及び100mLの水を添加した後に、0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウム溶液用いて滴定を行い、溶液が薄黄色となった時に、数滴のデンプン溶液(10g/L)を加え、青色が消えるまで滴定を行う。
【0037】
本発明のポリフェニレンエーテル樹脂の分子量は、1000~20000g/molであり、好ましくは、2000~10000g/molであり、より好ましくは、2000~2200g/molである。ポリフェニレンエーテル樹脂の分子量が20000g/mol未満である場合に、ポリフェニレンエーテル樹脂の溶媒に対する溶解性が高いため、高誘電ゴム樹脂組成物の製造に有利である。
【0038】
一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物の総重量を100重量%として、ポリフェニレンエーテル樹脂の含有量は、10重量%、15重量%、20重量%、25重量%、30重量%であってもよい。
【0039】
一つの好ましい実施形態において、ポリフェニレンエーテル樹脂の分子構造の末端に改質基を導入してもよい。改質基は、水酸基、アミノ基、ビニール基、スチレン基、メタクリレート基及びエポキシ基からなる群から選択されてもよい。ポリフェニレンエーテル樹脂の末端での改質基は、不飽和結合を提供して、架橋反応の進行が有利となり、それによって、高ガラス転移温度且つ耐熱性が良好な基板材料を形成することができる。実際に応用する時に、ポリフェニレンエーテルの分子構造における2つの末端にはそれぞれ、改質基を有すると共に、前記2つの改質基が同一である。なお、本発明の高分子系において、1種又は2種以上のポリフェニレンエーテルを含んでもよい。
【0040】
一つの好ましい実施形態において、ポリフェニレンエーテル樹脂は、単一の種類であるポリフェニレンエーテルを含んでもよく、複数種のポリフェニレンエーテルを同時に含んでもよい。
【0041】
例えば、ポリフェニレンエーテルとして、2つの末端にある改質基が水酸基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がメタクリレート基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がスチレン基であるポリフェニレンエーテル、又は2つの末端にある改質基がエポキシ基であるポリフェニレンエーテルであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0042】
一つの好ましい実施形態において、ポリフェニレンエーテル樹脂は、第1のポリフェニレンエーテル及び第2のポリフェニレンエーテルを含んでもよい。第1のポリフェニレンエーテルは、第2のポリフェニレンエーテルと異なっている。また、第1のポリフェニレンエーテル及び第2のポリフェニレンエーテルは独立に、2つの末端にある改質基が水酸基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がメタクリレート基であるポリフェニレンエーテル、2つの末端にある改質基がスチレン基であるポリフェニレンエーテル、又は2つの末端にある改質基がエポキシ基であるポリフェニレンエーテルであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。なお、第1のポリフェニレンエーテルと第2のポリフェニレンエーテルとの重量比は、0.5~1.5であってもよく、好ましくは0.75~1.25であり、より好ましくは1である。
【0043】
本発明の架橋剤は、ポリフェニレンエーテル樹脂と液体ゴムとの架橋度を向上させることができる。本実施形態において、架橋剤は、アリル基(allyl group)を含んでもよい。例えば、架橋剤は、トリアリルシアヌレート(triallyl cyanurate,TAC)、トリアリルイソシアヌレート(triallyl isocyanurate,TAIC)、フタル酸ジアリル(diallyl phthalate)、ジビニルベンゼン(divinylbenzene)、トリアリルトリメリテート(triallyl trimellitate)又はそれらの組み合わせであってもよい。好ましくは、架橋剤は、トリアリルイソシアヌレートであるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0044】
1つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物の総重量を100重量%として、架橋剤の含有量は、20重量%、25重量%、30重量%、35重量%、40重量%であってもよい。
【0045】
[無機フィラー]
無機フィラーの添加により、高誘電ゴム樹脂材料の粘度を低減させ、且つ高誘電ゴム樹脂材料の比誘電率を低減させることができる。一部の無機フィラーは、ゴム樹脂材料の熱導電性を向上させることもあり、上述した説明は概に説明したものであり、本発明はこれに制限されるものではない。
【0046】
本発明において、無機フィラーは、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム又はそれらの組み合わせであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。一つの好ましい実施形態において、無機フィラーは、二酸化ケイ素と、酸化アルミニウムと、二酸化チタンとを同時に含み、なかでも、二酸化チタンは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせで置換されてもよい。二酸化ケイ素は、溶融シリカ又は結晶シリカであってもよい。好ましくは、無機フィラーは溶融シリカである。
【0047】
本発明の一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラーの含有量は、20重量部、40重量部、60重量部、80重量部、100重量部、120重量部、140重量部、160重量部、180重量部、200重量部、220重量部、240重量部又は250重量部であってもよい。
【0048】
一つの好ましい実施形態において、無機フィラーは、表面処理を行うことにより、無機フィラーの表面にアクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含む。このように、無機フィラーと液体ゴムとを反応することが可能となり、それによって、高誘電ゴム樹脂組成物が良好な相容性を有し、高誘電金属基板の耐熱性に悪影響を与えない。また、高誘電ゴム樹脂材料での無機フィラーの添加量を、従来の技術における無機フィラーの添加量の上限より高くすることができる。このように、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料は、高周波基板材料としてより好適である。
【0049】
特筆すべきことは、無機フィラーは、単一又は複数の成分で混合されてなるものであってもよい。また、全ての無機フィラーが表面処理を行うことにより、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含むか、若しくは、一部の熱伝導性フィラーが表面処理を行うことにより、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含んでもよい。例えば、無機フィラーは、二酸化ケイ素及び酸化アルミニウムを含む時に、一つの実施形態において、二酸化ケイ素が表面処理を行うことによりアクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含むが、酸化アルミニウムが表面処理を行われていない。しかしながら、上述した例はあくまでも一つの実施形態に過ぎなく、本発明はこれに制限されるものではない。
【0050】
誘電体フィラーの外観は、球状である。無機フィラーの平均粒子径は、0.3~15μmであると共に、無機フィラーの粒子径の分布範囲も、0.3~15μmであることによって、無機フィラーを高誘電ゴム樹脂組成物に均一に分散することに有利である。
【0051】
無機フィラーの添加量は、製品の規格に応じて調整することができる。一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラーの添加量は、20~250重量部であり、30~200重量部であることは好ましく、40~160重量部であることはより好ましい。しかしながら、上述した例はあくまでも一つの実施形態に過ぎなく、本発明はこれに制限されるものではない。
【0052】
一つの好ましい実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラーは、100~190重量部の二酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム又はそれらの組み合わせと、10~30重量部の酸化アルミニウムと、20~60重量部二酸化ケイ素とを含む。
【0053】
[シロキサンカップリング剤]
高誘電ゴム樹脂材料は、シロキサンカップリング剤を更に含んでもよい。シロキサンカップリング剤の添加は、繊維布、高誘電ゴム樹脂組成物及び無機フィラーの間の反応性及び相容性を向上させ、高誘電金属基板の剥離強度及び耐熱性を向上させることができる。
【0054】
一つの好ましい実施形態において、シロキサンカップリング剤は、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを含む。シロキサンカップリング剤の分子量は、100~500g/molであり、110~250g/molであることは好ましく、120~200g/molであることはより好ましい。
【0055】
一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、シロキサンカップリング剤の含有量は、0.1重量部、0.5重量部、1重量部、1.5重量部、2重量部、2.5重量部、3重量部、3.5重量部、4重量部、4.5重量部又は5重量部であってもよい。
【0056】
[難燃剤]
高誘電ゴム樹脂材料は、難燃剤を更に含んでもよい。難燃剤の添加により、高周波基板の難燃性を向上させることができる。例えば、難燃剤は、リン系難燃剤又は臭素系難燃剤であってもよい。好ましくは、難燃剤はハロゲンフリー難燃剤であり、即ち、臭素を含まないものである。
【0057】
臭素系難燃剤として、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)(ethylene bistetrabromophthalimide)、テトラデカブロモジフェノキシベンゼン(tetradecabromodiphenoxy benzene)、デカブロモジフェノキシオキシド(decabromo diphenoxy oxide)又はそれらの組み合わせであってもよいが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0058】
リン系難燃剤として、リン酸エステル系(sulphosuccinic acid ester)、ホスファゼン系(phosphazene)、ポリリン酸アンモニウム系、ポリリン酸メラミン系(melamine polyphosphate)又はシアヌル酸メラミン(melamine cyanurate)であってもよい。リン酸エステル系難燃剤としては、リン酸トリフェニル(triphenyl phosphate,TPP)、テトラフェニルレゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)(tetraphenyl resorcinol bis(diphenylphosphate),RDP)、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)(bisphenol A bis(diphenyl phosphate),BPAPP)、ビスフェノールAビス(ジメチル)ホスファート(BBC)、レゾルシノール二リン酸(例えば、大八化学工業社製、CR-733S)、レゾルシノールビス(2,6-ジメチルフェニルホスフェート)(例えば、大八化学工業社製、PX-200)が挙げられるが、本発明はこれに制限されるものではない。
【0059】
難燃剤の添加量は、製品の規格に応じて調整することができる。一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、難燃剤の添加量は、0.5~20重量部である。
【0060】
一つの実施形態において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、難燃剤の含有量は、0.5重量部、2重量部、4重量部、6重量部、8重量部、10重量部、12重量部、14重量部、16重量部、18重量部又は20重量部であってもよい。
【0061】
[特性の測定]
本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料が高周波基板材料として用いられることを証明するために、本発明において、40~70重量%の液体ゴムと、10~30重量%のポリフェニレンエーテル樹脂と、20~40重量%の架橋剤とを混合することにより、高誘電ゴム樹脂組成物を製造して、高誘電ゴム樹脂組成物に無機フィラーを配合し、それによって、実験例1~9に係る高誘電ゴム樹脂材料を製造した。実験例1~9の高熱伝導性ゴム樹脂材料の成分比率は、表1に示す通りである。
【0062】
液体ゴムとして、TOTAL CRAY VALLEY社、Synthomer社、日本曹達社などの品番Ricon(登録商標) 100、Ricon(登録商標) 150、Ricon(登録商標) 181及びRicon(登録商標) 257、Activ(登録商標) 50、Activ(登録商標) 1000、B-1000、B-2000、B-3000、TE2000などの液体ゴムが挙げられる。なかでも、液体ゴムであるRicon(登録商標) 100、Ricon(登録商標) 181及びRicon(登録商標) 257は、ブタジエン-スチレン共重合体であり、液体ゴムであるRicon(登録商標) 150、Activ(登録商標) 50、Activ(登録商標) 1000、B-1000、B-2000、B-3000は、ブタジエンホモポリマーである。TE2000は、ポリウレタンを含むブタジエン共重合体である。即ち、液体ゴムであるRicon(登録商標) 100、Ricon(登録商標) 181及Ricon(登録商標) 257は、ブタジエンモノマー及びスチレンモノマーを含み、液体ゴムであるRicon(登録商標) 150、Activ(登録商標) 50、Activ(登録商標) 1000、B-1000、B-2000、B-3000は、スチレンモノマーを含有せずに、ブタジエンモノマーのみを含む。TE-2000は、ポリウレタン及びブタジエンモノマーを含む共重合体である。液体ゴムであるRicon(登録商標) 100、Ricon(登録商標) 150、Ricon(登録商標) 181及びRicon(登録商標) 257の具体的な特性について、表2に示すとおりである。
【0063】
表1に示すように、ポリフェニレンエーテル樹脂は、SABIC社の品番SA9000であるポリフェニレンエーテル樹脂を使用する。SA9000のポリフェニレンエーテル樹脂の2つ末端にメタクリレート基で改質されている。架橋剤はトリアリルイソシアヌレート(TAIC)である。
【0064】
表1における無機フィラーは、二酸化ケイ素、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム、二酸化チタン、酸化アルミニウム及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0065】
表1に示すように、シロキサンカップリング剤は、ダウコーニング(Dow Corning)社の品番Z6030及びZ6300であるシロキサンである。なかでも、品番Z6030であるシロキサンは、末端にアクリル基を有するシロキサンであり、品番Z6300であるシロキサンは、末端にビニール基を有するシロキサンである。即ち、品番Z6030及びZ6300であるシロキサンにより、繊維布、高誘電ゴム樹脂組成物及びフィラーの間の相容性を向上させることができる。
【0066】
次に、南亞株式会社が販売する、品番1708であるガラス繊維布を、実験例1~9の高誘電ゴム樹脂材料に含浸、乾燥及び成形工程を行った後に、プリプレグ(prepreg)を得た。プリプレグにその後の加工処理を行い、且つプリプレグに金属層を設置した後に、実験例1~9の高誘電金属基板を製造した。実験例1~9に係る高誘電金属基板の特性は、表1に示す通りである。
【0067】
表1における、高誘電金属基板を評価する方法は、以下の通りである
(1)比誘電率(10GHz):誘電分析装置(Dielectric Analyzer)(品番:HP Agilent E5071C)を用いて、10GHzの周波数での比誘電率を測定する。
(2)誘電正接(10GHz):誘電分析装置(Dielectric Analyzer)(品番:HP Agilent E5071C)を用いて、10GHzの周波数での誘電正接を測定する。
(3)剥離強度:試験方法IPC-TM-650-2.4.8に基づいて、銅箔基板の剥離強度を測定する。
(4)耐熱性:圧力鍋において温度120℃、圧力2atmで銅箔基板を120分加熱して、288℃のはんだ付け炉に浸し、基板がポップコーンするまでにかかる時間を記録する。ポップコーンするまでにかかる時間は10分間を超えると、「OK」を示す。ポップコーンするまでにかかる時間は10分間より低いと、「NG」を示す。
【0068】
【表1】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
表1の結果によると、液体ゴム、ポリフェニレンエーテル樹脂及び架橋剤の含有量を制御することにより、本発明の実験例1~6に係る高誘電金属基板は、良好な誘電特性、剥離強度、及び耐熱性を有する。又、高誘電ゴム樹脂組成物に含まれた液体ゴムの含有量が高くても(25重量%を超える)、本発明の高誘電金属基板は依然として、良好な剥離強度を有する。
【0071】
具体的に説明すると、本発明の高誘電ゴム樹脂材料の比誘電率(10GHz)は、2.0以上であり、好ましくは、2~7.2である。本発明の高誘電金属基板の比誘電率(10GHz)は、5.0以上であり、好ましくは、5.0~7.2であり、より好ましくは、5.5~6.5である。本発明の高誘電金属基板の誘電正接は、0.0035以下であり、好ましくは、0.0032以下であり、より好ましくは、0.0030以下である。本発明の低誘電金属基板の剥離強度は、4.5~7lb/inであり、好ましくは、5~7lb/inである。
【0072】
実験例7の結果によると、スチレンモノマーを添加しない場合に、高誘電ゴム樹脂組成物の反応性が低くなり、高誘電金属基板の剥離強度に悪影響を与える。実験例7において、液体ゴムは、ブタジエンホモポリマーのみを含み、スチレンモノマーを含まないため、高誘電金属基板の剥離強度が比較的に低くなると共に、耐熱性が不良である。
【0073】
実験例8の結果によると、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、二酸化ケイ素の添加量を20~60重量部に制御する場合、高誘電金属基板の比誘電率を向上させることができる。また、実験例8において、高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、二酸化ケイ素の添加量は10重量部(20重量部未満)であるため、高誘電金属基板の比誘電率を効果的に向上させることができない。
【0074】
実験例9の結果によると、シロキサンカップリング剤の末端基は、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つである場合に、繊維布、高誘電ゴム樹脂及びフィラーの間の反応性及び相容性を向上させ、高誘電金属基板の剥離強度及び耐熱性を向上させることができる。実験例9では、シロキサンカップリング剤の末端基はアミノ基であるため、高誘電金属基板の剥離強度及び耐熱性を効果的に向上させることができない。
【0075】
[実施形態による有利な効果]
本発明の有利な効果として、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板は、「高誘電ゴム樹脂組成物は40~70重量%の液体ゴムを含む」及び「高誘電ゴム樹脂組成物は無機フィラーを含む」といった技術特徴により、誘電特性、剥離強度、及び耐熱性を向上させる。
【0076】
更に説明すると、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板は、「液体ゴムを構成するモノマーは、スチレンモノマー及びブタジエンモノマーを含む」といった技術特徴により、高誘電金属基板の剥離強度を向上させることができる。
【0077】
更に説明すると、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板は、「高誘電ゴム樹脂組成物100重量部に対して、無機フィラーは、20~60重量部の二酸化ケイ素を含む」といった技術特徴により、高誘電金属基板の比誘電率を向上させることができる。
【0078】
更に説明すると、本発明に係る高誘電ゴム樹脂材料及び高誘電金属基板は、「シロキサンカップリング剤は、アクリル基及びビニール基の中の少なくとも1つを有する」といった技術特徴により、高誘電金属基板の剥離強度及び耐熱性を向上させることができる。
【0079】
以上に開示された内容は、ただ本発明の好ましい実行可能な実施態様であり、本発明の請求の範囲はこれに制限されない。そのため、本発明の明細書及び図面内容を利用して成される全ての等価な技術変更は、いずれも本発明の請求の範囲に含まれる。