(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】拡張現実玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 33/04 20060101AFI20240416BHJP
A63F 13/213 20140101ALI20240416BHJP
A63H 33/08 20060101ALI20240416BHJP
A63F 13/65 20140101ALI20240416BHJP
A63F 13/80 20140101ALI20240416BHJP
【FI】
A63H33/04 B
A63F13/213
A63H33/08
A63F13/65
A63F13/80 Z
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022106751
(22)【出願日】2022-07-01
(62)【分割の表示】P 2019514867の分割
【原出願日】2017-05-24
【審査請求日】2022-07-06
(32)【優先日】2016-05-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】518416137
【氏名又は名称】スワップボッツ・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100119781
【氏名又は名称】中村 彰吾
(72)【発明者】
【氏名】キーフ,ジョン・アレクサンダー
(72)【発明者】
【氏名】クーパー,アンドリュー・ジョセフ
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-515961(JP,A)
【文献】特開2013-059542(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0108332(US,A1)
【文献】特許第6036821(JP,B2)
【文献】特開2014-093034(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0067593(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 33/04
A63F 13/00-13/98
A63H 33/08
A63F 9/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一人又は複数のユーザ(U1;U2)によるゲームのプレイを促進するためのシステム(500)であって、
複数の構成要素部品(20, 30, 40)を備える少なくとも1つの玩具キャラクタ(10)であって、
前記複数の構成要素部品(20, 30, 40)の少なくとも2つが、少なくとも1つの
物理的に独立した構成要素の拡張現実マーカー(22, 32, 42)を備えるもの、と、
前記玩具キャラクタ(10)から独立して追跡され得、ゲームのプレイに影響を与え得る別体のARマーカー(92)を有する、少なくとも1つのプレイ面(90)と、
i)前記玩具キャラクタが、所定の身元(10a; 10b; 10c)によって玩具として認証されていることを保証すること;
ii)前記
少なくとも2つの物理的に独立した構成要素の拡張現実マーカー(22, 32, 42)から複数の複合マーカー(234a, 234b, 234c)を生成すること;及び、
iii)前記玩具キャラクタが、どの様な外観をするか及び/又はどの様に機能するか、に影響を与えるカメラフィードの上に表示される、前記認証された玩具キャラクタに関連するデジタルコンテンツ(50a, 50b, 50c)をロック解除すること、
に対して責任を持つソフトウェアと、
前記一人又は複数人のユーザに対しての、カメラ(110)を備える視聴デバイス(100)と、
を備え、
別個のマーカーの、前記玩具キャラクタ及び前記プレイ面への適用により、前記玩具キャラクタを拡張環境に対して動きまわらせ、前記玩具キャラクタが拡張環境と関連付けられているデジタルコンテンツと対話する、ことを可能とする、
システム。
【請求項2】
複数の玩具キャラクタ及び複数のプレイ面を備える、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記プレイ面が、プレイカードである、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
第2のプレイ面が、独立の 仮想対戦相手の玩具キャラクタに対するアンカー点として動作する、請求項1~3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
玩具キャラクタが、垂直平面で追跡され、プレイ面が、水平平面で追跡される、請求項1~4のいずれかに記載のシステム。
【請求項6】
ゲームプレイに影響を与え得る補助構成要素マーカーを備える補助的構成要素を更に備える、請求項1~5のいずれかに記載のシステム。
【請求項7】
1つの拡張現実マーカー(32b)を有する、少なくとも1つの構成要素部品(30)が、異なる拡張現実マーカーを有する構成要素部品(30)と置換され得る、請求項1~6のいずれかに記載のシステム。
【請求項8】
前記複数の構成要素部品の少なくとも2つは、雄型の嵌め合い部材、及び、雌型の嵌め合い部材、のうちの少なくとも1つを備えており、前記雄型の嵌め合い部材、及び、雌型の嵌め合い部材のうちの少なくとも1つを介して、
前記複数の構成要素部品の少なくとも2つが、互いへ直接的に又は間接的にリンク可能なものである、請求項1~7のいずれかに記載のシステム。
【請求項9】
前記拡張現実マーカー、又は、前記玩具が、近距離補足(near field capture)(NFC)デバイスを備えていない、請求項1~8のいずれかに記載のシステム。
【請求項10】
前記玩具キャラクタが、頭部と胴部と下半身部を有する、請求項1~9のいずれかに記載のシステム。
【請求項11】
前記玩具キャラクタが、物理的な補助的構成要素を受信できる、請求項1~10のいずれかに記載のシステム。
【請求項12】
前記物理的な補助的構成要素は、武器、移動メカニズム、及び、防御デバイスのうちの少なくとも1つである、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記構成要素部品は、複数の多面的構成要素である、請求項1~12のいずれかに記載のシステム。
【請求項14】
前記多面的構成要素は、複数のブロックである、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記多面的構成要素の、少なくとも2つの面が、異なる拡張現実マーカーを備える、請求項13又は14に記載のシステム。
【請求項16】
前記玩具キャラクタが、どの様に拡張デジタルコンテンツにアクセスするかに関する解説書と共に梱包されている請求項1~15のいずれかに記載のシステム。
【請求項17】
前記玩具キャラクタが、前記
視聴デバイスを通じて見られる際に、少なくとも2つの、物理的に独立した、少なくとも2つの構成要素部品(20,30,40)の上の拡張現実マーカー(22, 32, 42)をインタロゲートして、相対的な物理的位置、及び/又は、各画像の配向、を決定して、前記玩具キャラクタが、前記所定の身元(10a; 10b; 10c)を持つ玩具として認証されることを保証する、
請求項1~16のいずれかに記載のシステム。
【請求項18】
各々が玩具を見ている、少なくとも2人の間のゲームのプレイを促進する、請求項1~17のいずれかに記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、物理的玩具がスマートフォン又はタブレットの様な視聴デバイスを通して見られたときに生気を与えられることを可能にする玩具、デジタルゲーム、及びシステムに関する。玩具は、玩具に対して別体のマーカーとして働き別体のマーカーとして追跡されることのできる追加の要素、例えばプレイ面、と併せて使用されるのが望ましい。玩具をプレイ面上に置くことによって、玩具に、例えば拡張環境を、動き回らせることができる。
【背景技術】
【0002】
[0002]玩具が、又はもっと正確に言えばスカイランダーズ(Skylanders(登録商標))の様なフィギュアのキャラクタが、ゲームコンテンツに影響を与えるゲームコンソールと共に使用されるようになってきた。しかしながら、それらがコンソールと通信するのに近距離無線通信デバイス(NFC)及びベースステーションを包含していることで、それらの使用は比較的高価である。そのうえ、玩具自体は、ゲーム体験の一部を形成しているわけではなく、プレイヤーがスクリーンを見つめコンソールを介してゲームをプレイしている間もベースステーションに座しているだけである。
【0003】
[0003]米国特許第2014/0267404号は拡張現実玩具を表示するための技法を記載している。明細書は、玩具が城でありデバイスを通して見られる際はレンダリングされたコンテンツが城と関連付けられるという実施例を与えている。
【0004】
[0004]しかしながら、方法論は、デジタルコンテンツを玩具の一部、例えば窓、と関連付ける以上のことはしない。
[0005]米国特許第2014/0378023号は拡張現実マーカーを具備するブロックを備えている玩具を記載している。玩具は3D空間で追跡されることができ、物理的な玩具に仮想的な属性を提供するべく仮想のグラフィックと効果がスーパーインポーズされるようになっている。
【0005】
[0006]明細書は、それぞれが固有のARマーカーを有する複数の構築要素を接続させる「複合マーカー構築要素」に言及している。ARシステムのカメラへ映し出されると、各構成要素が(本明細書の
図5に説明されている様に)検出され、デジタルコンテンツがオーバーレイされて固有複合体を現出させる。これには、各マーカー及びそれの相対位置が識別される必要があり、各個に関係のある情報が中継され翻訳される必要があることから、多大なコンピュータパワーが要求される。
【0006】
[0007]例えば、頭部、胴部、及び脚部の3通りのマーカーの検出は、対応する組み合わされたARマーカーを判定し、表示される画像を、検出される組み合わされたマーカーに応じて修正する。
【0007】
[0008]米国特許第2012/0122570号は、拡張現実エンジンがフィギュアを識別し拡張を提供するのを支援するための一連のマーカーを含むことによって、どの様にフィギュアがカスタマイズされ得るかを示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】米国特許第2014/0267404号
【文献】米国特許第2014/0378023号
【文献】米国特許第2012/0122570号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
[0009]発明者らは物理プレイとデジタルプレイの間のギャップを費用効果の高いやり方で埋める方途を見出そうと模索した。玩具は、近距離補足とは対照的に拡張現実を使用することによって生気を得るというものであり、既存の移動体デバイスやタブレットデバイスを有効に活用することができるので、例えば玩具の構成要素に対し文脈的なユーザーインターフェースに基づくタッチコントロールを使用する追加の有標ハードウェアの必要性がない。
【0010】
[0010]玩具へ及び例えばプレイカードの形式で具象化されていてもよいとされるプレイ面へ別体のマーカーを適用することによって、玩具を拡張環境に対して動きまわらせることができ、また玩具は環境と関連付けられているデジタルコンテンツと対話することができる。例えば、玩具はデジタルボールを蹴ることができ、デジタルボールは玩具へアンカーされているわけではないので玩具はボールに動くよう仕向けることができる。
【0011】
[0011]別体のマーカーを使用することは、更に、マーカーを異なる平面内で追跡することを可能にする。例えば、玩具は垂直方向平面内で追跡され、プレイ面は水平方向平面内で追跡されてもよい。
【0012】
[0012]また、複数の玩具についての複数のプレイ面の使用は、単一のデバイスが複数の玩具を追跡しそれら玩具間の対話を許容するのを可能にさせる。第2のプレイ面の使用は、更に、仮想対戦相手の玩具を表現させるための独立したアンカー点がある、ということを意味する。
【0013】
[0013]発明者らが拡張コンテンツを実際に遊ばれる玩具へ追加することにおいて直面した難題の1つは、子どもたちは自然光が乏しい場所や人工的な照明がマーカー認識を危うくする場所で玩具と遊ぶ、ということであった。これは、拡張現実が、デバイスのカメラの性能とユーザーがソフトウェアに関わる際の採光条件とに大きく頼っているからである。劣悪な周辺採光又は限られたハードウェア性能は劣悪なマーカー認識を引き起こす結果になる。ユーザーが採光条件を改善する努力をしたとしても、そのことが反射又はグレアの様な他の問題を持ち込まないとも限らない。
【0014】
[0014]発明者らがこの課題を克服した1つの方途は、玩具を内側から照らしてマーカー認識を強化するというものであった。
[0015]彼らが克服しなくてはならなかったもう一つの技術的課題は、同じ様な玩具配列から所与の玩具配列を認証するという課題であった。これは、玩具が複数の構成要素を備えており、構成要素部品が同じジャンルの玩具同士の間で交換されて、タブレット又はスマートフォンの様なデバイスを通して見られ又はプレイされるときの玩具の外観とその特徴を変化させることになるからである。
【0015】
[0016]例えば、3つの構成要素を備える5つの玩具は、5x5x5=125通りの異なるプレイのバリエーションを提供する。構成要素の数を4に増やせば、実施可能な変異形の数は5x5x5x5=625に増える。同じ様に玩具の数を5から25に増やせば、15,625通りの実施可能な3構成要素変異形がもたらされる。
【0016】
[0017]発明者らは、この課題を、組み合わさって単一の固有物理的アイテム及び複合デジタル表現を現出させる拡張現実画像マーカーを構成要素上に使用することによって克服した。
【0017】
[0018]これは明細書の
図6から
図8に示されている。こうして、所与の玩具を認証するために、システムは、少なくとも2つの(また、3つの構成要素部品を備える玩具については3つの)物理的に独立した拡張現実画像マーカーを少なくとも2つ(3つ)の構成要素部品上でインタロゲートし、各画像の相対的な物理的位置及び/又は向きを判定して、それらが認証される複合デジタル表現を形成することを確約するようにしている。
【0018】
[0019]このプロセスは、
図5に説明されている方法論より少ない処理パワーを要し、ゲームプレイを単純化し高速化する。
[0020]実際、玩具は、スマートフォンやタブレットの様なカメラ付き移動体デバイスを通してプレイされるマルチプレイヤーゲームで使用されることを意図しているので、異なるプレイヤーの間でゲームが行われるには所与の玩具を認証し、それをユーザーに対して登録することが必要となる。
【0019】
[0021]複雑性/体験の追加の層は、独立した(単数又は複数の)ARマーカーを有する異なるプレイ面であって最も好適には玩具を置くことのできるプレイカードの形態をしているプレイ面と、独立したARマーカーを有する物理的アイテムであって玩具か又はプレイ面のどちらかへ接続できる物理的アイテムと、の使用を通して実現され得る。
【課題を解決するための手段】
【0020】
[0022]本発明の第1の態様によれば、視聴デバイスと共に使用するための玩具が提供されており、前記玩具は複数の構成要素部品を備え、そのうちの少なくとも2つは、少なくとも1つの拡張現実マーカーであって当該マーカーと関連付けられているデジタルコンテンツがロック解除されて玩具が前記デバイス上でどの様な外観をするか及び/又はどの様に機能するかに影響を与えることを可能にさせる拡張現実マーカーを備え、それぞれが物理的に独立した拡張現実画像マーカーである複数の拡張現実マーカーが組み合わされ、単一の固有物理的アイテム及び複合デジタル表現を現出させる複合拡張現実マーカーへ変換される。
【0021】
[0023]物理的な玩具は、1個に1つずつ拡張現実マーカーを有するそれの構成要素部品の1つ又はそれ以上を異なる拡張現実マーカーと交換することによって修正されてもよく、そうすることで玩具は異なるキャラクタになり、異なるデジタルコンテンツをロック解除する。マーカー同士の新たな組合せが新しい固有の複合マーカーを生じさせる。
【0022】
[0024]玩具は、入れ替え可能である少なくとも2つの、より好適には少なくとも3つの構成要素部品を備えているのが望ましい。
[0025]前記構成要素部品の少なくとも2つは、雄型及び/又は雌型の嵌め合い部材か又は他の接続手段を備えていて、前記構成要素部品を互いへ容易にリンクさせたり同じジャンルの玩具間で構成要素部品を簡単に取り替えたりして、玩具の変異形を作り出せるようにし、更にデバイスを通して見られるときの前記玩具の外観及び/又は機能を変化させられるようにしているのがより望ましい。
【0023】
[0026]ゲームコンソールと共に使用される他の玩具とは違って、本発明の玩具は近距離補足(NFC)デバイスを備えていない。
[0027]好適な玩具は、頭部と胴部と下半身部を有するキャラクタの形態をとっている。
【0024】
[0028]これらの玩具は、同じくマーカーを備えていて従ってゲームプレイに影響を及ぼすことのできる補助的構成要素を受け入れるようになっていてもよい。その様な補助的構成要素は、限定するわけではないが、武器、移動手段、及び/又は防御デバイスを含む。
【0025】
[0029]発明の好適な玩具は、望ましくは多面的である複数の構成要素部品を備えている単純な構築物である。
[0030]1つの実施形態では、それらは複数のブロック又はブロック様要素を備えている。
【0026】
[0031]好適には、各ブロックは少なくとも1つの面に拡張現実マーカーを備えている。
[0032]発明の第2の態様によれば、拡張現実マーカーを備える玩具が提供されており、玩具は、更に、拡張現実マーカーを照らすための照明手段を備えている。
【0027】
[0033]好適には、玩具は中空であり、拡張現実マーカーが見られる際にマーカーをそれの背後から照らす照明を玩具内部に備えている。
[0034]好適には、発明の何れかの態様の玩具は、どの様に拡張デジタルコンテンツにアクセスし及び/又はゲームをプレイするかに関する解説書と共に梱包されている。
【0028】
[0035]発明の第3の態様によれば、発明の1つ又はそれ以上の態様の玩具を、本、プレイ面、アクセサリ、及びゲーム解説書のうちの1つ又はそれ以上と併せて備えている部品のキットが提供されている。
【0029】
[0036]プレイ面は、拡張体験内で別体の独立マーカーとして追跡されることのできるプレイカードの形態をとっているのが望ましい。
[0037]玩具とは独立に追跡されることのできる拡張環境を作成することは有益であり、というのも玩具がアンカー点の役目を果たすならデジタルコンテンツはそれと共に動くからである。玩具と拡張環境とを別々に追跡することは、より優れた機能性及びより豊かなプレイ体験を促進する。例えば、玩具は環境のデジタルコンテンツとは独立に動くことができる。
【0030】
[0038]発明の第4の態様によれば、発明の態様の何れかによる玩具又は発明の部品のキットが、拡張デジタルコンテンツにアクセスすることのできるデバイスを通して見ながら遊ばれることを可能にするシステムが提供されている。
【0031】
[0039]実際に、ゲームプレイ中に物理的な玩具と遊ぶ(例えばそれを片側へ向かせる)ことが、ゲームプレイの成果に影響を及ぼすのに使用できるかもしれない。
[0040]システムは、更に、ソフトウェア、プロセッサ、ストレージ、メモリ、オペレーションシステム、I/Oデバイス、加速度計、及びネットワークインターフェースのうちの1つ又はそれ以上を備えている。
【0032】
[0041]システムは、それが少なくとも2つの構成要素部品上の少なくとも2つの物理的に独立した拡張現実画像マーカーの存在を判定し、更に、個々の画像マーカーが認証される複合デジタル表現を形成するように構成要素部品が正しい相対的な物理的位置及び/又は向きにあることを確証することができるように、玩具がインタロゲートされることを可能にする。
【0033】
[0042]好適には、システムは、各画像マーカーの相対的な物理的位置及び/又は向きを判定してそれらが認証される複合デジタル表現を形成するのを確約するために、デバイスのカメラフィードを継続的に評価する。
【0034】
[0043]或る好適な実施形態では、システムは、個々に玩具を見ている少なくとも2人のプレイヤーの間でゲームをプレイすることを、又はプレイヤーと彼の玩具がシステムによって選択された相手に対してゲームをプレイすることを円滑化する。
【0035】
[0044]好適には、ゲームは、玩具とは独立に追跡されることのできるプレイカードの様なプレイ面上でプレイされる。好適には、ゲーム機器は、各玩具のためのプレイ面を、現実にせよ仮想にせよ、備えている。
【0036】
[0045]以下では添付図面を参照しながら発明の実施形態が更に説明されている。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【
図1A】[0046][0047]本発明の第1の態様による組み立てられた玩具を示しており、第1のキャラクタが示されている。
【
図1B】[0046][0047]本発明の第1の態様による組み立てられた玩具を示しており、第2のキャラクタが示されている。
【
図1C】[0046][0047]本発明の第1の態様による組み立てられた玩具を示しており、第1のキャラクタと第2のキャラクタのキメラである第3のキャラクタが示されている。
【
図2A】[0048]
図1Aのキャラクタの拡張版を示している。
【
図2B】[0048]
図1Bのキャラクタの拡張版を示している。
【
図2C】[0048]
図1Cのキャラクタの拡張版を示している。
【
図3】[0049]
図1Aに描かれている単純な玩具の1つの実施形態の、組み立て前の構成要素を示している。
【
図4A】[0050][0051]発明の第2の態様により画像マーカーを背後から照らすように適合されている、発明の玩具の或る代わりの構築を示しており、1つ又はそれ以上の照明とバッテリ(図示せず)を収納する足場が示されていて、その上に構成要素が組み立てられる。
【
図4B】[0052]
図4Aの足場上に組み立てられた構成要素を示している。
【
図5】[0053]先行技術としての、玩具上の複数の画像マーカーの識別を説明している。
【
図6】[0054]本発明の第1の態様による、複数の画像マーカーから複合マーカーを形成させるプロセスを説明している。
【
図7A】[0055]物理的な位置に基づく複合マーカーの検証を説明している。
【
図7B】[0055]
図7Aと共に、物理的な位置に基づく複合マーカーの検証を説明している。
【
図7C】[0055]
図7A及び
図7Bと共に、物理的な位置に基づく複合マーカーの検証を説明している。
【
図8A】[0056]相対的な向きに基づく複合マーカーの検証を説明している。
【
図8B】[0056]
図8Aと共に、相対的な向きに基づく複合マーカーの検証を説明している。
【
図9】[0057]第1のユーザーがデバイスを通して自分の玩具を見て、同じジャンルの異なる玩具を有する第2のユーザー相手にプレイすることができるようになっている使用中のシステムの概略図であり、それにより第1のユーザーは自分の玩具と自分の対戦相手の玩具の両方を拡張方式で見ている。
【
図10A】[0058][0059]
図10から
図14は発明による玩具を使用する例示的なゲームプレイの順次的な段階を説明しており、本図は正しく組み立てられた玩具を検出する段階を説明している。
【
図10B】[0059]
図10Aと共に、正しく組み立てられた玩具を検出する段階を説明している。
【
図11】[0060]ゲームプレイのために玩具を登録するプロセス段階を説明している。
【
図12】[0061]ゲームに参加するための段階を説明している。
【
図13A】[0062][0063]ゲームプレイを説明しており、第1のユーザーが自分の玩具に第2のユーザーの玩具をどの様に攻撃させるかを説明している。
【
図13B】[0064]システムが攻撃の効力をどの様に評価するかを説明している。
【
図13C】[0065]対戦相手の玩具への攻撃の効果を示している。
【
図14】[0066]攻撃中の拡張玩具のデバイスディスプレイのビューである。
【
図15】[0067]デバイスを通して見られる、個々のプレイ面に座する2つの玩具を示している。
【発明を実施するための形態】
【0038】
[0068]説明されている実施形態は、制限を課すことを意図するものではなく、むしろ様々な発明が玩具及びゲームプレイへの新たな手法をどのように生じさせるかを実証することを意図している。
【0039】
[0069]
図1A、
図1B、及び
図1Cは、本発明の第1の態様による物理的な玩具(10)を描いている。
図1Aは第1のキャラクタ(10A)を描き、
図1Bは第2のキャラクタ(10B)を描き、
図1Cは第1のキャラクタと第2のキャラクタの両方からの構成要素(20、30、及び40)を組み合わせることによって形成された第3のキャラクタ(10C)を描いている。
【0040】
[0070]各玩具(10A、10B、及び10C)は、複数の、この実施例では3つの、相互接続式ブロック(20、30、及び40)を備え、それらブロックは描かれているキャラクタたちの頭部(20)、胴部(30)、及び下半身部(40)をそれぞれ形成している。
【0041】
[0071]各玩具のブロックは、少なくとも1つの固有の拡張現実マーカー(22;32;
42)であるか又は拡張現実マーカー(22;32;42)を備えている。これは、固有
画像(2次元)の形態をとっているのが望ましいが、固有形状(3次元)に基づくものとすることもできるだろう。
【0042】
[0072]各玩具(10A、10B、10C)の各構成要素(20、30、40)のためのマーカー(22A-22B;32A-32B;42A-42B)は、(正しく組み立てられた場合に見て)所与の構成要素の各視認可能な面を取り巻いているのが望ましい。
【0043】
[0073]したがって、
図3に描かれている様に、頭部(20)について、これは、キャラクタの顔に対応している前面(201)と、後面(202)と、2つの側面(203及び204)と、上面(205)と、を含む。胴部(30)について、これは、前面(301)と後面(302)と2つの側面(303及び304)を含み、下半身部(40)については、これは、前面(401)と後面(402)と2つの側面(403及び404)を含む。
【0044】
[0074]確実に、各マーカーが各個の構成要素を取り巻くようにすることによって、組み立てられた構成要素は、タブレットや移動体電話の様なカメラ(110)付き拡張現実デバイス(100)を通して任意の角度から見られた際に、認証されることができる。
【0045】
[0075]代わりに、マーカーは主たる視認面に限定されていてもよく、主たる視認面とはキャラクタにとっては前面(201、301、401)とされ、つまりキャラクタを描写している面ということになる。
【0046】
[0076]玩具(10)が生気を得る(
図9)ためには、玩具は、ソフトウェア(510)を含むシステム(500)にカメラ(110)を備える拡張現実デバイス(100)を通
して見られなくてはならない。ソフトウェアは、構成要素(20、30、40)が正しく組み立てられて認証される玩具を形成していることを識別し、つまりは、構成要素同士が不適切な配置(頭部-下半身部-胴部)とは対立的に適切な配置(頭部-胴部-下半身部)と正しい向き付けで互いに接続されている即ち胴部又は下半身部が上下逆さまに組み立てられていない玩具を形成していることを識別する。正しい向きとは、更に、構成要素の面全てが整列していることを意味し、即ち、前面(201、301、401)全てが同じ平面内に整列している(そして例えば平面の位置ずれ(201、302、401)がない)ことを意味する。ソフトウェアはデバイス上へロードされていてもよいし、又はソフトウェアは、例えばサーバ(520)と通信しているデバイスを通してアクセスされるようになっていてもよい。
【0047】
[0077]ソフトウェア(510)(又は、実行されると玩具を表示するためのオペレーションを遂行するプログラムを格納しているコンピュータ可読メモリ)が、数々の機能を遂行し、対話式体験を確約するための数々の方法段階を円滑化する。
【0048】
[0078]こうして、ソフトウェア(510)は、玩具が所与の身分を有する玩具(10A;10B;10C)として認証されることを確約することに対し責任があり、認証されることにより、ソフトウェアは認証された玩具と関連付けられているデジタルコンテンツ(50A、50B、50C)をカメラフィード上にオーバーレイすることができるのである。
【0049】
[0079]認証され次第、ソフトウェアは複数の構成要素マーカー(22、32、42)から複合マーカー(234A、234B、234C)を作成し、認証された玩具と関連付けられているデジタルコンテンツ(50A、50B、50C)が、ロック解除され、玩具がどの様な外観をするか又は玩具がどの様に機能するかに影響を与える。デジタルコンテンツは映像コンテンツ及び音声コンテンツを含むことができる。
【0050】
[0080]
図2A、
図2B、及び
図2Cは、デジタルコンテンツ(50A;50B、及び50C)でそれぞれ拡張された形態をしている
図1A-
図1Cの玩具を示している。
[0081]例えば、
図2Aの拡張形態での第1のキャラクタは、翼とかぎ爪を生やしていて、自分の翼をはためかせることができる。それは、更に、甲高い鳴き声を発し、そのくちばしから攻撃を仕掛けることができる。
図2Bの拡張形態での第2のキャラクタは、腕を生やして剣を保持しており、1Aと1Bのキャラクタのキメラである第3のキャラクタは、それの親キャラクタからの特定の特徴を共有してはいるがそれ自身の固有の特徴も併せ持っている。
【0051】
[0082]発明の物理的玩具が幾通りものやり方で製造され得ることは自明であろう。1つの単純な実施形態が
図3に描かれており、それは
図1Aに描かれている玩具を生じさせる3つの構成要素を示している。3つの構成要素(20、30、40)は相互接続式ブロックの形態をとっている。
【0052】
[0083]キャラクタの頭部に対応しているブロックは、キャラクタにそれの独特な外観を与える画像を担持する5つの閉じた面を有している。それは、キャラクタの顔に対応している前面(201)と、後面(202)と、2つの側面(203及び204)と、上面(205)と、を備えている。下面(206)は、描かれている実施形態では六角形陥凹部である雌型嵌め合い部材(207)を備えている。
【0053】
[0084]キャラクタの胴部に対応しているブロックは4つの閉じた面、つまり、キャラクタの前部に対応している前面(301)と後面(302)と2つの側面(303及び304)を有している。上面(305)は、それをブロック(20)の下面(206)へ接続
又は連結させられるようにする雄型嵌め合い部材(308)を備えている。この雄型嵌め合い部材は、描かれている実施形態では、六角形直立部である。下面(306)は、描かれている実施形態では六角形陥凹部である雌型嵌め合い部材(307)を備えている。
【0054】
[0085]キャラクタの下半身部(40)に対応しているブロックは、4つの閉じた面、つまり、前面(401)と後面(402)と2つの側面(403及び404)を有している。それは、自身をブロック(30)の下面(306)へ接続又は連結させられるようにする雄型嵌め合い部材(408)を備える上面(405)を有している。それは、現実には何の機能も持たない雌型嵌め合い部材(407)を備える下面(406)を有している。
【0055】
[0086]認証された方式で正しく組み立てられたとき、玩具は
図1Aに示される外観をしている。
[0087]言うまでもなく、玩具及びそれの構成要素を多くの異なるやり方で作製することは実施可能であり、当業者は当然ながらそのことを理解しているはずである。更に、構成要素を画定している3つのキャラクタ(制限を課す意図はない)が、確実に、認証される構成を生じさせるやり方でしか組み立てられないようにすること、即ち、それらが1つのやり方でしか組み立てられないようにすることも実施可能である。
【0056】
[0088]
図4A及び
図4Bは、本発明の第2の態様による自己照射マーカーシステム付き玩具を作製するのに特に適している玩具の代わりの構築を(絵入れなしで)描いている。玩具(10)は半透明材料又は透明材料で作られていて、構成要素(20、30、40)を画定しているキャラクタは、電源及び光源(示されていない)、例えばバッテリ及びLEDアレイ、を収納している足場(70)の上から組み立てられており、バッテリ及びLEDアレイは、足場へ接続される構成要素ブロック上へ又はブロック周りに好適には印刷されるか又は収縮包装されている(単数又は複数の)画像マーカーを背後から照らすことができる。
【0057】
[0089]代替的又は追加的に、画像マーカーは、ルミネセンス被覆又はエレクトロルミネセンス被覆を含んでいてもよい。
[0090]ゲームプレイを円滑化するために、玩具の可能出力は、それの構成要素及びそれらと他の構成要素との組合せから取得される属性によって決まる。例えば、頭部のタイプは異なるパワーの知性を生じさせ、胴部のタイプは異なるパワーの強靭さを生じさせ、下半身部のタイプは異なるパワーの速さを生じさせるというようになっていて、可能出力は、例えば、構成要素部品(20、30、40)自体へ与えられている属性によって、又は追加的にそれと1つ又はそれ以上の他の構成要素との並置に基づく属性の修正されたセットによって、又は複合玩具自体によって、決まるというのであってもよい。これに関し、別体のマーカー(92A;92B)の存在を介して独立に追跡可能であってもよいとされるプレイカードの様な所与のプレイ面(90A;90B)への玩具の設置が、拡張体験を高め、玩具の周りに拡張環境が築かれることを可能にするので、玩具はゲームのためのアンカー点の役目を果たさなくてもよくなる。
【0058】
[0091]比較的少数の多構成要素玩具で何千もの組立体順列を実現することが可能であることから、組み立てられた玩具を各構成要素と関連付けられている拡張現実マーカーから素早く識別し認証することは大きな難題であった。
【0059】
[0092]典型的には、
図5に描かれている様に、拡張現実マーカー(622、632、642)が単一画像として作製され、ソフトウェアが画像マーカーの検出に何らかの振る舞い――典型的にはデジタル画像(722、732、742)をカメラフィードの上にオーバーレイしてそれらが視聴デバイス(100)のスクリーン(120)上に映し出されるようにする――で応じるというものであった。
【0060】
[0093]対照的に、
図6に描かれている様に、本システムのソフトウェアは複数の画像マーカー(22、32、42)を認識し、それらが互いに関して適正な並置にあれば、単一の複合マーカー(234)を生成し、それがひいては
図2A-
図2Cに描かれている様に自身の拡張デジタル表現(50A;50B;50C)を含む固有のキャラクタに対応した振舞いを生じさせるのである。デジタル表現はカメラフィードに重ねて表示され、その結果、物理的玩具の強化されたデジタル表現がデバイスのスクリーン(120)に映し出される。複合マーカーには、更に、それに帰属する何らかのパワーであってゲームプレイ中に例えば2つのキャラクタ間の戦闘で使用されることのできるパワーの様な、他のゲームプレイ情報が関連付けられている。
【0061】
[0094]説明されている実施形態では、各マーカー画像(22、32、42)は、玩具の物理画像の全部又は一部を作り上げている印刷画像の形態をとっている。
[0095]説明されている玩具について、複合マーカーの作製は、個々の構成要素部品(20、30、40)上に存在する複数の拡張現実マーカー(22、32、42)が、完成した物理的玩具が有効な玩具配列として認証されるような適切な方式で組み立てられた場合にしか起こらない。正しく組み立てられた玩具を認証する1つのやり方が
図7及び
図8を参照して説明されている。
【0062】
[0096]説明されている実施形態では、キャラクタの頭部、胴部、及び下半身部を具象している3つの構成要素部品(20、30、40)は、第1に、正しい配置順で一体に組み立てられなくてはならず(
図7Aから
図7C)、第2に、構成要素は正しく向き付けられなくてはならない(
図8A-
図8B)。
【0063】
[0097]
図7を参照して、ソフトウェア(510)は、各マーカー画像(22、32、42)を分析し、構成要素(20、30、40)の物理的配列は有効である(
図7C)か又は無効である(
図7A又は
図7B)かを判定する。
【0064】
[0098]複合マーカー(234)は、単一画像ではなく複数画像の配列を通して作製されるので、カメラフィードの処理に対し責任のあるソフトウェア(510)は、マーカー画像(22、32、42)の存在と無効な物理的配列とは対立をなすものとしての有効な物理的配列の両方を検出するために、フィードの継続的評価を遂行しなくてはならない。
【0065】
[0099]承認される物理的配列を判定することに加え、ソフトウェアは更に、構成要素が無効な向き付け(
図8A)とは対立をなすものとしての有効な向き付け(
図8B)にあることも確約するために構成要素の向きを分析する。
【0066】
[0100]ソフトウェアが、組み立てられた玩具は判定基準を満たしていると判定したら、それは認証される。
[0101]完全有効検出が起こる前に、ソフトウェアに応答させるために、更に、1つ又はそれ以上のマーカー構成要素の存在が検出されるようになっていてもよい。
【0067】
[0102]アルゴリズムがマーカー構成要素の相対的な位置と向きをデータベース又は有効配列のリストに比較する。何れかの個別マーカー構成要素について、アルゴリズムは何れかの他の構成要素の要求される位置及び向きを判定する。アルゴリズムは、位置及び向きの分析時に様々な許容度を採用していてもよい。
【0068】
[0103]配列が有効とされるために、アルゴリズムはマーカー構成要素の位置及び向きを互いに対して比較する。
[0104]一例としての有効性確認規則は、全ての構成要素が同じ軸を中心に向き付けられ
ていて特定の軸に沿って互いに隣接していれば複合マーカーは有効であると見なされる、というものである。有効性確認規則は実装の間で変わってもよい。
【0069】
[0105]ソフトウェアは、更に、ユーザーが玩具を正しく組み立てるのを支援するのに使用されることができる。
[0106]
図10A-
図10Cを参照して、第1のユーザー(U1)が玩具の3つの構成要素(20、30、40)をデバイス(100)のディスプレイ(120)の背後に示されている様に組み立てる。デバイスを通して見られると、カメラフィードが構成要素を検出し、ソフトウェアがユーザーに構成要素(40)の分割スクリーンビュー(10A左側)と構成要素のレンダープレビュー(42)(右側)を与える。
【0070】
[0107]玩具が組み立てられてゆく際(
図10B及び
図10C)、正しく組み立てられた玩具が認識されるまでインストラクション/プロンプトが与えられるようになっていてもよく、正しく組み立てられた時点で、玩具は登録され、第1のユーザー(U1)は別のユーザー(U2)相手に又はシステムによって選択された玩具相手にゲームプレイを始めることができる。
【0071】
[0108]プロセス中は、ソフトウェアがデバイスのカメラフィードを継続的に分析し、1つ又はそれ以上のマーカーの存在(
図10A)を識別することを試みる。1つ又はそれ以上のマーカーが識別されれば、ソフトウェアはマーカー配列が完全に組み立てられた玩具の存在(
図10C)を示しているかどうかを判定する。
【0072】
[0109]ソフトウェアが、ユーザーは玩具を正しく組み立てた(
図10C)と判定すれば、玩具はユーザー(U1)に対して登録され、許可された玩具として確証される。
[0110]
図11は、ソフトウェア(510)がリモート的にサーバ(520)上で走っている場合のプロセスを説明している。マーカー構成がデバイス(100)によってサーバ(520)へ送信される(ステップ1)。マーカー構成が有効性確認される(ステップ2)。玩具がユーザーに対して登録され(ステップ3)、玩具が許可される(ステップ4)。
【0073】
[0111]するとユーザーはゲームに参加することができるようになり、ゲームに参加するプロセスが、
図12に簡単に示されている様に着手される。
[0112]
図12を参照して、玩具(10)がデバイス(100)を通して見られ、玩具のマーカー構成(22、32、42)が識別されると、それが許可されているか否かが判定される。許可されていなければ構成が登録され、既に許可されていれば詳細事項が更新され、ユーザー又はプレイヤーはゲームに参加するよう求められる。
【0074】
[0113]ユーザー(U1)がゲームに参加する対戦相手を選択し又は招待し、第2のユーザー(U2)がゲームに加わり次第、第1のユーザーは、追加的に、自分のデバイス上で対戦相手の玩具を(及び、対戦相手は第1のユーザーの玩具を)見ることができる。こうしてプレイが開始される。
【0075】
[0114]
図13Aから
図13Cに説明されている様に、そしてまた
図9から
図14を参
照して、1つのゲームで、プレイヤーの玩具はまさに戦闘し、ゲームはデバイス(100)上でユーザーインターフェースを介してプレイされる。
【0076】
[0115]
図9を参照して、ゲームプレイはタブレット又はスマートスマートフォンの様なカメラ(110)付きデバイス(100)を通して円滑化される。ゲームプレイをサポートするシステム(500)は、1つ又はそれ以上の玩具(10)と、それぞれがカメラ(110)付きである1つ又はそれ以上の視聴デバイス(100)と、デジタルコンテンツ
(50)を表示させることのできるディスプレイ(120)及びソフトウェア(510)と、を備えている。ソフトウェアは、ローカル的にデバイス上で例えばアプリを介して走らされていてもよいし、又はリモート的に例えばサーバ上で走らされていてもよい。
【0077】
[0116]第1のユーザーのスクリーンの半分はユーザー1(U1)(プレイヤー1でもある)の拡張キャラクタ(50B)を表示し、スクリーンの半分はユーザー2(U2)(プレイヤー2若しくは対戦相手でもある)の拡張キャラクタ(50A)を表示する。タッチスクリーンユーザーインターフェース(130)も提供されている。
【0078】
[0117]ゲームプレイはターン制である(
図13A-
図13C)。ターン毎に、ユーザーは繰り出したい攻撃のタイプを、まず、拡張現実ビュー内での自分の玩具の関連コンテンツ(140)(
図13A-スクリーン1の円)をタップすることによって選択する(例えば、ユーザーは頭部、胴部、又は下半身部をタップする)。ユーザーは次いで拡張現実ビュー内の自分の対戦対手の玩具の関連コンテンツ(150)(
図13A-スクリーン2の円)をタップする(例えば、ユーザーは頭部、胴部、又は下半身部をタップする)。表現は、ユーザー1が自分の玩具の胴部と関連付けられている特徴を用いて自分の対戦相手の玩具の頭部を攻撃することを示している。
【0079】
[0118]
図13Bに説明されている様に、ユーザーが自分の攻撃タイプと標的を選択したら、ソフトウェア(510)は攻撃の効力をアルゴリズムを使用して計算する。アルゴリズムは、両プレイヤーの玩具の属性から導出される多様な因子を考慮に入れる。アルゴリズムは攻撃の正確性と効力の両方を判定する。アルゴリズムは、ローカル的にデバイス(100)上で実行されていてもよいし、又はリモート的にサーバ(520)上で実行されていてもよい。アルゴリズムは、結果を有効性確認するために両ユーザーのデバイス上で同時に実行されてもよいし又は順次に実行されてもよい。攻撃の効力が判定されたら、ソフトウェアはこの情報を両ユーザー(プレイヤー1及びプレイヤー2)へネットワーク(530)経由で配信する。
【0080】
[0119]ソフトウェア(510)はアルゴリズムの出力に対し様々なやり方で応答する(
図14C)。攻撃は命中となるかもしれない(命中は様々なやり方で指示され、例えば、視覚化された攻撃の軌跡(80)及び/又はテキストボックス(82)が命中又は失敗を指示する)。また、スクリーンは、玩具の状態が改変されてしまう被ったダメージの程度を表示し(84)、玩具の状態は
図9ではパワーバー(86)に指示されている。
【0081】
[0120]与えられている実施例では、目的は対戦相手の健常度をゼロへ落とすことであるが、他のゲームは他の目的を有していることもあり、ターンの成績は様々なやり方で視覚化されることができる。
【0082】
[0121]両ユーザーがアルゴリズムの出力を受信し、適切な応答を実施したら、ソフトウェアは現在のプレイヤーのターンを終了し、今度は彼らの対戦相手側が応酬できるようになる。玩具の健常度が消耗してしまったら、ゲームに負けたと見なされる。勝ち/負け情報をユーザーへ表示した後、ゲームはリセットするか又は終了することができる。
【0083】
[0122]
図9に見られる様に、ディスプレイは、詳細事項を、例えばユーザーの玩具の状態と彼らの対戦相手の玩具の状態の詳細事項を提供する。
[0123]
図15に描かれている様に、或る好適な変異形では、ゲーム機器は、玩具(10)と共にゲームをプレイさせるプレイ面(90)を備えている。プレイ面は、ゲームプレイに影響を与えることのできる個々のARマーカー(92A;92B)をそれぞれが有しているプレイカードの形態をして提供されていてもよい。したがって、プレイカードの束が提供されてもよい。
【0084】
[0124](単数又は複数の)玩具とは独立に追跡されることのできる拡張環境の提供は、数々の課題を克服し、以下に掲げられている多くの益をもたらす。
[0125]拡張デジタルコンテンツをプレイ面へ固定し玩具へは固定しないことにより、玩具は、次のことができる、即ち、
1.デジタルコンテンツに対して動くことができ、
2.デジタル要素と対話する、例えば、玩具はプレイ面上でデジタルボールを蹴り、ボールに動くよう仕向けることができ(というのも、デジタルコンテンツが玩具へアンカーされていないから)、
3.第2の仮想プレイヤーが独立したプレイ面へアンカーされることができることで、第2の仮想プレイヤー相手にプレイすることができる。
【0085】
[0126]独立に追跡可能なプレイ面(90)を提供することによって、ゲームプレイを円滑化するシステムは、玩具を垂直平面内で、そしてプレイ環境を水平平面内で、追跡することができる。必然の結果として、
1.環境コンテンツは、それをプレイカードへ付着させ玩具へ付着させないことによって、プレイ面に対して追跡されることができ、
2.玩具とプレイ面の間の運動は、玩具がプレイ面上のデジタルコンテンツと対話することを可能にするべく追跡されることができ、
3.複数の玩具を複数のプレイカード上に置くことによって、単一デバイスが複数の玩具を追跡し複数の玩具間の対話を許容することができ、
4.水平平面内での追加の追跡が加わることに因り、玩具がプレイカード上に置かれれば、デバイスは継続的に玩具の位置を、玩具によるのみならずプレイカードによっても追跡することができ、
5.第2のプレイカードを使用することによって、それは、仮想対戦相手を仮想的に表現させるためのアンカー点として使用されることができる。
【0086】
[0127]読み手には、発明の玩具及びシステムが多くの異なるゲームを生じさせることができ、提供されている実施例は例示にすぎない、ということが理解されるであろう。
【符号の説明】
【0087】
10、10A、10B、10C 玩具、キャラクタ
20、20A、20B 頭部
22、22A、22B マーカー
30、30A、30B 胴部
32、32A、32B マーカー
40、40A、40B 下半身部
42、42A、42B マーカー
50、50A、50B、50C デジタルコンテンツ
70 足場
80 攻撃の軌跡
82 テキストボックス
84 ダメージ度の表示
86 パワーバー
90、90A、90B プレイ面
92A、92B 拡張現実マーカー
100 視聴デバイス
110 カメラ
120 スクリーン
130 タッチスクリーンユーザーインターフェース
140、150 玩具の関連コンテンツ
201、301、401 前面
202、302、402 後面
203、204、303、304、403、404 側面
205、305、405 上面
206、306、406 下面
207、307、407 雌型嵌め合い部材
308、408 雄型嵌め合い部材
234、234A、234B、234C 複合拡張現実マーカー
500 システム
510 ソフトウェア
520 サーバ
530 ネットワーク
622、632、642 拡張現実マーカー(先行技術)
722、732、742 デジタル画像(先行技術)
U1、U2 ユーザー