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特許7473597自動化された診断アナライザおよびその動作のための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】自動化された診断アナライザおよびその動作のための方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/10 20060101AFI20240416BHJP
   G01N 35/04 20060101ALI20240416BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G01N35/10 A
G01N35/04 G
G01N35/02 B
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2022108752
(22)【出願日】2022-07-06
(62)【分割の表示】P 2018555453の分割
【原出願日】2017-02-17
(65)【公開番号】P2022125241
(43)【公開日】2022-08-26
【審査請求日】2022-08-04
(31)【優先権主張番号】62/326,395
(32)【優先日】2016-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】595117091
【氏名又は名称】ベクトン・ディキンソン・アンド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】BECTON, DICKINSON AND COMPANY
(74)【代理人】
【識別番号】100094112
【弁理士】
【氏名又は名称】岡部 讓
(74)【代理人】
【識別番号】100128668
【弁理士】
【氏名又は名称】齋藤 正巳
(72)【発明者】
【氏名】ヴァンシクラー,マイケル,ティー.
(72)【発明者】
【氏名】テリー,ネイル,ジー.
(72)【発明者】
【氏名】ベル,ブライアン
(72)【発明者】
【氏名】ロタンド,スティーブン,シー.
(72)【発明者】
【氏名】ラチャンス,スティーブン,ロバート
(72)【発明者】
【氏名】シェドロスカイ,アリッサ
【審査官】草川 貴史
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/108164(WO,A1)
【文献】特表2008-532048(JP,A)
【文献】特表2010-536332(JP,A)
【文献】特開2009-098114(JP,A)
【文献】特開2003-194836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-37/00
G01N 1/00- 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動化されたアナライザであって、
シャトル移送ステーションを含む処理デッキであって、前記シャトル移送ステーションは、前記自動化されたアナライザによって受け入れられたシャトルを前記シャトル移送ステーションへ運搬するためのコンベヤをさらに含み、前記シャトルは、複数の受容部を含むラックであり、それぞれの受容部は、サンプル・コンテナを受け入れるように適合されている、処理デッキと、
前記処理デッキの上に配設されている少なくとも1つの穿刺ツールのためのキャリアであって、少なくとも1つの穿刺ツール用キャリアは、穿刺ツールを受け入れるように寸法決めされた空洞を画定するハウジングと、ハウジングに移動可能に接続された複数の保持部材とを含み、前記複数の保持部材は、少なくとも1つの穿刺ツールのためのキャリア内に存在するときに、保持部材が穿刺ツールに係合する第1の位置から、保持部材が穿刺ツールから離脱する第2の位置まで移動可能であり、穿刺ツールは、ツール本体と、ツール本体から延びる複数のカニューレ挿入部材とをさらに含み、前記カニューレ挿入部材は、それぞれ、ツール本体を貫通する開口を画定し、それぞれ、ピペットチップがそこを通過するように寸法決めされた複数のカニューレ挿入部材とを含み、各カニューレ挿入穿刺部材は、貫通可能な蓋を貫通するように構成された縁部も画定する、少なくとも1つの穿刺ツールのためのキャリアと;
グリッパを含むロボットと、
消耗品試薬トラフを受け入れるように構成されているステーションと
を含み、
前記ロボットは、前記グリッパを使用して、前記キャリアから、消耗品試薬トラフを受け入れる前記ステーションへ、穿刺ツールを移動させ、また、消耗品試薬トラフを受け入れるように構成された前記ステーションの上方に前記穿刺ツールを下降させる、自動化されたアナライザ。
【請求項2】
前記ロボットは、多目的ロボットであり、前記多目的ロボットは、
ガントリと、
前記ガントリに可動式に接続されているペイロードと
を含み、前記ペイロードは、
前記グリッパと、
それぞれピペットチップに接続可能な複数のピペット・ヘッドを有するピペッタ・モジュールと
を含み、前記グリッパは、
物品を把握および解放するために協働的な水平方向移動を行うことができる複数の可動アームと、
ハウジング、および、前記ハウジングに連結されている複数のユーティリティ・コネクタを有する、バックプレーン・コネクタと
を含み、
前記ピペッタ・モジュールおよびグリッパは、前記バックプレーン・コネクタの前記ハウジング、および、その前記複数のユーティリティ・コネクタにそれぞれ接続されている、請求項1に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項3】
前記穿刺ツール用キャリアは、前記ハウジングのベースから延在する複数のポストをさらに含む、請求項1に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項4】
前記ポストは、前記ベースから前記ポストの遠位端部においてテーパ付きになっている、請求項3に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項5】
前記グリッパは、少なくとも2つのグリッパ・アームを含み、前記少なくとも2つのグリッパ・アームのそれぞれは、それに取り付けられたグリッパ・フィンガを有しており、前記グリッパ・アームは、互いに対して水平方向に移動し、第1の位置において、前記グリッパ・アームが、第2の位置において水平方向に間隔を離して配置される距離よりも大きい水平方向距離だけ、間隔を離して配置されるようになっている、請求項2に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項6】
前記グリッパは、少なくとも2つの保持部材をさらに含む、請求項2に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項7】
前記少なくとも2つの保持部材のそれぞれが、互いに対して水平方向に移動し、第1の位置において、前記保持部材が、第2の位置において水平方向に間隔を離して配置される距離よりも大きい水平方向距離だけ、間隔を離して配置されるようになっている、請求項6に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項8】
前記少なくとも2つのグリッパ・フィンガのそれぞれが、突出部をさらに含む、請求項5に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項9】
前記少なくとも2つの保持部材のそれぞれが、突出部をさらに含む、請求項7に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項10】
前記グリッパが前記キャリアの中へ設置されているときに、前記グリッパ・フィンガは、前記グリッパ・フィンガが前記第1の位置にあるときに、前記保持部材に係合し、前記保持部材に対して付勢されており、また、前記第2の位置にあるときには、前記保持部材に係合していない、請求項5に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項11】
前記穿刺ツールは、前記穿刺ツールが前記キャリアの中に設置されているときに前記ポストを受け入れるように構成されている開口部を含む、請求項3に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項12】
前記シャトル移送ステーションは、シャトルを受け入れるためにシャトル・保持・プラットフォームを含み、前記シャトル・保持・プラットフォームは、
開位置および閉位置を有するジョー・アセンブリをさらに含み、前記ジョー・アセンブリは、前記シャトルが前記シャトル・保持・プラットフォームの中に受け入れられているときに、前記開位置にあり、前記ジョー・アセンブリは、係合突出部をさらに含み、前記ジョー・アセンブリが前記閉位置にあるときに、前記シャトルによって運搬されているコンテナの下側部分に対して固着し、
前記ジョー・アセンブリは、前記ジョー・アセンブリが前記閉位置になっているときに、前記シャトル・保持・プラットフォームによって受け入れられているシャトルの側部の中の開口部を前記係合突出部が通過するように構成されており、それによって、前記シャトルの中に配設されているサンプル・コンテナの前記下側部分と接触するように前記係合突出部を促し、
前記係合突出部は、前記ジョー・アセンブリが前記開位置になっているときに、前記シャトルの側部の中の開口部の中へ延在しない、請求項1に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項13】
前記ジョー・アセンブリは、ドリップ・シールドをさらに含み、前記ドリップ・シールドは、前記ジョー・アセンブリが前記閉位置になっているときに、前記シャトルの中に配設されているサンプル・コンテナの周りで締まる、請求項12に記載の自動化されたアナライザ。
【請求項14】
前記シャトル・保持・プラットフォームは、入力レーンおよび出力レーンを含み、前記シャトル・保持・プラットフォームは、前記出力レーンの中に前記シャトルを受け入れ、前記シャトル・保持・プラットフォームは、ドライバーをさらに含み、前記ドライバーは、前記シャトルをその中に備えた前記ジョー・アセンブリを出力ベルトから入力ベルトへ移動させる、請求項12に記載の自動化されたアナライザ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2016年4月22日に出願された米国仮出願第62/326,395号の出願日の利益を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
【背景技術】
【0002】
生物学的なサンプルの診断検査は、医療産業の努力に貢献しており、病気を迅速におよび効果的に診断および治療する。そのような診断検査を実施する臨床研究室は、日々、数百または数千のサンプルをすでに受け入れており、需要は増え続けている。そのような大量のサンプルを管理する課題は、サンプル分析の自動化によって支援されてきた。自動化されたサンプル分析は、典型的に、自動化されたアナライザによって実施されており、自動化されたアナライザは、一般に自己完結型のシステムであり、それは、生物学的なサンプルに多段階プロセスを実施し、診断結果を取得する。
【0003】
いくつかの現在の自動化された臨床アナライザは、提供されたサンプルに実施され得る自動化されたテストまたはアッセイのアレイをユーザに提示する。追加的に、サンプルが研究室に到着したときに、それらは、分析のための準備ができていないことが多い。自動化されたアナライザによる検査のためのサンプルを用意するために、検査技師は、典型的に、サンプルのアリコートを、研究室によって受け入れられたような一次的なコンテナから、二次的なコンテナへ移送し、二次的なコンテナは、アナライザに適している。それに加えて、技師は、典型的に、サンプルに対して何のテストが実施されるべきであるかを知らなければならず、技師は、サンプルとペアにされることとなるテスト特有の試薬または希釈剤を選択することができるようになっている。これは、時間がかかる可能性があり、また、オペレータ・エラーおよび伝染病への露出につながる可能性がある。
【0004】
また、事前分析システムが存在し、事前分析システムは、分析のためのサンプルを用意することを助け、また、サンプルの研究室の受け入れとアナライザのテスト結果との間のワークフローからオペレータをさらに除去することを意図している。しかし、これらのシステムの多くは、依然として、かなりの技師関与を必要とし、それは、たとえば、事前分析システムの中にサンプルをロードする前;事前分析システムによってサンプルが用意された後;および、アナライザが分析を完了した後などである。
【0005】
たとえば、いくつかの事前分析システムは、サンプルのアリコートを第1のコンテナから第2のコンテナへ自動的に移送することが可能である。しかし、そのようなシステムは、システムの中へそれらをロードする前に、技師が第1および第2のコンテナの識別コードを手動で合わせることを必要とすることが多く、それは、時間がかかることがあり、間違いやすい。
【0006】
それに加えて、これらのシステムの多くは、1つまたは複数のアナライザと一体化されることができず、逆に、アナライザは、そのようなシステムと一体化されることができない。この点において、事前分析システムからアナライザへ、および、分析が完了すると、アナライザから貯蔵場所へ、サンプルを手動で移送するために、技師が存在していなければならない。これは、単調なタスクを実施するために熟練労働者を必要とし、技師が事前分析システムおよびアナライザの中のサンプルの進行にまで気を配らなければならないという点において、注意散漫を生じさせる可能性があり、休止時間を最小化するために、準備ができたときに、サンプルを移送するために技師が用意されるようになっている。
【0007】
そのうえ、現在の事前分析システムは、一般的に、アナライザがそのようなサンプルを評価するのとは異なるレートで、サンプルを用意する。これは、事前分析システムとアナライザとの間の一体化をさらに複雑にする。この点において、技師は、サンプルのフル・バッチがアナライザへの手動移送のために蓄積されるまで、事前分析システムによって用意されるサンプルの追跡を連続的に行うことを必要とされ得る。代替的に、技師は、部分的なバッチをアナライザへ移送することが可能であり、それは、アナライザの生産性を低減させる可能性がある。
【0008】
したがって、現在の自動化された事前分析システムおよびアナライザは、臨床研究室に有益であるが、さまざまなシステムのより良好な一体化および自動化の余地がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【文献】米国仮出願第62/296,349号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0010】
本開示は、サンプル処理および分析のためのデバイス、システム、および方法を説明している。とりわけ、ハイスループット・システムの中に含まれているアナライザが説明されている。1つの実施形態では、ハイスループット・システムは、アナライザと一体化された事前分析システムを含む。別の実施形態では、ハイスループット・システムは、少なくとも、追加的なアナライザ、および、両方のアナライザと一体化された事前分析システムを含む。これらのコンポーネント(すなわち、アナライザおよび事前分析システム)は、モジュール式であり、特定の研究室の診断的必要に適合するように、いくつかの異なる構成で一体化され得る。
【0011】
本明細書で説明されている特定のアナライザは、一般的に、垂直方向の配置で、複数のデッキまたはレベルを有している。1つのデッキは、電子部品および消耗品廃棄物を収容することが可能であり、消耗品廃棄物は、液体廃棄物および固体廃棄物を含む。別のデッキは、処理デッキであり、処理デッキにおいて、サンプル処理および分析が行われる。また、このデッキは、大量の消耗品を貯蔵するかまたは在庫を調べ(inventory)、消耗品は、ピペット・チップ、試薬トラフ、増幅プレート、抽出コンテナ・ホルダ、および、プレート・シール材料のロールなどを含む。1つの実施形態では、十分な消耗品が、アナライザの上に貯蔵され得、システムに再ローディングすることなく、アナライザが、最大スループットで、8時間の作業シフトの全体にわたって動作することを可能にする。また、このデッキは、プレート・シーラ、オービタル・シェーカ、試薬トラフ穿刺ツール、および、DNAターゲットなどのような検体を検出するためのリーダ/検出器を含むことが可能である。
【0012】
さらなるデッキは、多目的ロボットを含み、多目的ロボットは、直交座標移動システムを含み、直交座標移動システムは、そのようなシステムから懸下されたペイロードが処理デッキの上方でアナライザの内部を横断することを可能にする。ペイロードは、ビジョン・システム、消耗品グリッパ、およびマルチチャネル・ピペッタを含む。ビジョン・システムは、バーコーディング/識別能力を提供し、とりわけ、他のマシン・ビジョン・タスクを実施する。その理由は、それらが、グリッパを必要とする機能に関連するからである。消耗品グリッパは、試薬トラフ穿刺ツールおよび増幅プレートなどのような、アナライザについての消耗品を移動させる。マルチチャネル・ピペッタは、アナライザの液体ハンドリング要件のすべてを実施する。
【0013】
本発明の特徴、態様、および利点は、以下の説明、添付の特許請求の範囲、および添付の図面に関して、より良好に理解されることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本開示の1つの実施形態によるハイスループット診断システムの正面斜視図である。
図2】本開示の1つの実施形態による、その外部ハウジングがない状態の、図1のシステムの第2のアナライザの正面斜視図である。
図3図2の第2のアナライザの別の正面斜視図である。
図4A】本開示の実施形態による抽出コンテナ・ホルダの斜視図である。
図4B図4Aの抽出コンテナ・ホルダの分解図である。
図5】本開示の実施形態によるサンプル・コンテナ・シャトルの斜視図である。
図6】本開示の実施形態による増幅プレートの斜視図である。
図7】本開示の実施形態による液体試薬トラフ・アセンブリの斜視図である。
図8A】本開示の実施形態による処理デッキの上面図である。
図8B図8Aの処理デッキの上面斜視図である。
図9A】本開示の実施形態によるサンプル・コンテナ保持アセンブリである。
図9B】サンプル・コンテナに係合している、図9Aのサンプル・コンテナ保持アセンブリの概略図である。
図9C】ドリップ・シュラウドを含む、図9Aのサンプル・コンテナ保持アセンブリの部分斜視図である。
図10A】本開示の実施形態によるロボット・アセンブリの斜視図である。
図10B】本開示の実施形態によるロボット・アセンブリのペイロードの側面図である。
図10C図10Bのペイロードの部分的な正面斜視図である。
図10D】増幅プレートを把持している、図10Bのペイロードのグリッパの後方斜視図である。
図10E】本開示の別の実施形態によるグリッパの斜視図である。
図10F図10Bのペイロードのマルチチャネル・ピペッタの正面斜視図である。
図11A】本開示の実施形態による穿刺ツールを収容するネストの正面斜視図である。
図11B図11Aの穿刺ツールの正面斜視図である。
図11C】液体試薬トラフ・アセンブリのシールを穿刺するために使用されている、図11Aの穿刺ツールの概略図である。
図11D】ピペット・チップおよび図7の液体試薬トラフ・アセンブリに関連する、図11Aの穿刺ツールの概略図である。
図11E】代替的な穿刺ツール・キャリア、ならびに、図10Aのロボット・アセンブリを使用して、穿刺ツール・キャリアへ、および、穿刺ツール・キャリアから、図11Aの穿刺ツールを移動させる方法を示す図である。
図11F】代替的な穿刺ツール・キャリア、ならびに、図10Aのロボット・アセンブリを使用して、穿刺ツール・キャリアへ、および、穿刺ツール・キャリアから、図11Aの穿刺ツールを移動させる方法を示す図である。
図11G】代替的な穿刺ツール・キャリア、ならびに、図10Aのロボット・アセンブリを使用して、穿刺ツール・キャリアへ、および、穿刺ツール・キャリアから、図11Aの穿刺ツールを移動させる方法を示す図である。
図12】本開示の実施形態による消耗品引き出しの後方側面斜視図である。
図13A】本開示の実施形態によるプレート・シーラの後方斜視図である。
図13B】リフティングおよびピボッティング・メカニズムを含む、図13Aのプレート・シーラの後方斜視図である。
図14】本開示の実施形態によるオービタル・シェーカの正面斜視図である。
図15】本開示の方法論を実装するのに適切な例示的なコンポーネントを含む、図2のアナライザに関与するコンピューティング・システムの例示的なアーキテクチャーのブロック図である。
図16】本開示の1つの実施形態による、図2のアナライザを使用する方法のフロー・ダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0015】
定義
本明細書で使用されているように、「約」、「概して」、および「実質的に」という用語は、絶対値からのわずかな偏差が、そのように修飾された用語の範囲の中に含まれることを意味することが意図されている。また、以下の議論において、左、右、正面、背面、上、および下などのような、特定の方向を参照するときには、そのような方向は、例示的な動作中に下記に説明されているシステムに面するユーザの視点から説明されていることが理解されるべきである。
【0016】
HTシステムの概要
図1は、ハイスループット・システム00を示しており、ハイスループット・システム00は、第1のアナライザ2000、第2のアナライザ4000、および、事前分析システム10を含み、事前分析システム10は、たとえば、米国仮出願第62/296,349号(「’349出願」)に説明されている事前分析システムなどであり、その開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。アナライザ2000、4000、および事前分析システム10は、モジュール式になっており、それらは、物理的に互いに接続され、および、互いに切り離され得るようになっており、また、電子的に互いに接続され、および、互いに切り離され得るようになっている。第2のアナライザ4000は、それらが実施する動作およびアッセイの観点から第1のアナライザ2000とは異なっているが、第1のアナライザ2000は、第2のアナライザ4000の複製であることが可能であり、事前分析システム10が、同じアナライザのうちの少なくとも2つに連結するようになっていることが理解されるべきである。また、事前分析システム10のモジュール性は、それがそのように構成されている任意のアナライザに連結することを可能にすることが理解されるべきである。示されているように、第1および第2のアナライザ2000、4000は、線形の配置で事前分析システム10の両側に配設されている。事前分析システム10およびアナライザ2000、4000は、この物理的な配置のために構成されているが、事前分析システム10は3つ以上のアナライザを収容するように構成され得ること、ならびに、事前分析システム10およびアナライザ2000、4000は、たとえば、L字形状などの他の物理的な配置で設置され得るように構成され得ることが企図されている。
【0017】
システム10およびVIPER LTとの関係におけるアナライザ
第2のアナライザ4000は、事前分析システム10のいずれかの側に連結され得る。この点において、’349出願の図7に示されているような、事前分析システム10のサンプル・コンテナ・シャトル輸送アセンブリ300bは、アナライザ4000がシステム10の左に位置するときに(図1に例示されている)、アナライザ4000に向けて延在することが可能であり、または、事前分析システム10のサンプル・コンテナ・シャトル輸送アセンブリ300aは、アナライザ4000がシステム10の右に位置する場合に、アナライザ4000に向けて延在することが可能である。そのようなアセンブリ300a~bは、アナライザの閾値に隣接して終端することが可能である。しかし、下記に説明されているように、アナライザ4000は、コンベヤを有しており、コンベヤは、それぞれのシャトル輸送アセンブリ300の経路をアナライザ4000の中へ継続することが可能である。本明細書で使用されている「シャトル」は、複数の受容部を備えた、ラックまたはキャリア構造体であることが可能であり、それぞれの受容部は、サンプル・コンテナを受け入れるようにサイズ決めおよび構成されている。
【0018】
アナライザ4000は、BD Viper(商標)LTシステム(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)と同様であり、また、BD Viper(商標)LTシステムと多くの特性を共有しており、そのうちのいくつかは、下記に識別されている。BD Viper(商標)LTシステムは、本明細書では詳細に説明されていない。しかし、上記に説明されているように、アナライザ4000は、モジュール式のシステムであり、そのモジュール式のシステムは、BD Viper(商標)LTシステムを使用して、アッセイされることとなるサンプルの事前分析処理のための自動化システムと協働して動作するように構成されている。そのような事前分析システムは、システム10として図示されている。この点において、アナライザ4000は、モジュール式の接続性ならびにハイスループット処理および分析に関して、BD Viper(商標)LTシステムの適応であり、したがって、多くの追加的な特徴を含み、それは、また、下記に説明されている。
【0019】
構造的フレーム
図2および図3に示されているように、アナライザ4000は、金属チュービングのセグメントなどのような、いくつかの支持コンポーネント4011から構成された構造的フレームを含み、支持コンポーネント4011は、サンプル処理および分析のためのさまざまなデッキまたはレベルを支持および画定するように構成されている。そのようなデッキは、補助デッキ4012、処理デッキ4014、および多目的ロボット・デッキ4016を含むことが可能である。また、アナライザ4000は、ハウジングまたはシェル4010を含み、ハウジングまたはシェル4010は、図1に示されているように、その内部コンポーネントを取り囲む。
【0020】
消耗品
導入部
図4図7は、液体ベースの細胞学的サンプルなどのような、サンプルにアッセイを実施するために自動的に利用され得るさまざまな消耗品を示している。とりわけ、アナライザおよびその消耗品は、HPVアッセイを実施するように構成されており、HPVアッセイは、複数のステレオタイプのHPV(たとえば、HPV16、HPV18、HPV33、HPV45、HPV58など)を検出する。そのようなHPVアッセイは、たとえば、BD Onclarity(商標)HPV Assay(Becton Dickinson、Franklin Lakes、NJ)を含むことが可能である。そのようなアッセイを実施するための能力は、消耗品設計によって部分的に支持されている。そのような消耗品は、ピペット・チップ4062、サンプル・コンテナ03、サンプル・コンテナ・シャトル4030、抽出コンテナ・ホルダ4020、増幅プレート4040、および、液体試薬トラフ・アセンブリ4050を含む。
【0021】
抽出コンテナ・ホルダ
抽出コンテナ・ホルダ4020(図4Aおよび図4B)は、好ましくは、プラスチック熱成形されたクラムシェルであり、クラムシェルは、下側部分4025、上側部分4022、および、複数の抽出コンテナ4026を含む。それぞれの抽出コンテナ4026は、サンプルからDNAを抽出するためにストリップの上に配設されている酸化鉄(「FOX」)粒子を含むことが可能であり、また、軽量のフォイル4023によって封止されており、軽量のフォイル4023は、サンプルの追加の前にピペット・チップによって貫通可能である。
【0022】
クラムシェルの下側部分4025は浅い長方形の容器であり、貫通孔が下側部分4025を通って延在しており、抽出コンテナがそのような孔を通って部分的に延在することを可能にする。下側クラムシェル4025の側壁部4027の上の熱成形された特徴部4028は、アナライザ4000の消耗品引き出しの上の特徴部との締まり嵌めを提供する。抽出コンテナ4026のそれぞれは、下側部分4025の中へロードされ、それらのフォイル側部が側壁部4027と同じ方向を向くようになっている。
【0023】
クラムシェルの上側部分4022は、リブ付きのインサートの形態になっており、リブ付きのインサートは、下側部分4025の側壁部4027によって形成されたスペースの中へ落ち込み、下側部分4025の中の突起部のセット(図示せず)を介してロックする。複数のリブ4024が、抽出コンテナ4026に対して横断する方向に延在し、構造的剛性を抽出コンテナ・ホルダ4020に提供しており、抽出コンテナ・ホルダ4020は、ピペットを介した吸引の間に上側クラムシェル4022を保つことを助ける保持力を提供する。複数の貫通孔4021は、隣接するリブ4024の間に上側部分4022を通って延在しており、チューブ4026のフォイル・シール4023がピペット・チップによってアクセスされることを可能にするようになっている。バーコードが、上側部分4022の上に位置し、それは、チューブ4026の内容物のロット、有効期限、およびシリアル番号などのような、情報を追跡することを助ける。抽出コンテナ・ホルダ4025は、単一のランを実施するのに十分な抽出コンテナ4026とともに組み立てられ、それは、示されている実施形態では、4×8配置の32個の抽出コンテナである。
【0024】
サンプル・コンテナ・シャトル
サンプル・コンテナ・シャトル4030(図5)は、’349出願のシャトル284と同様であり、サンプル・コンテナ03を受け入れるようにそれぞれ構成された受容部4032を含む。示されている特定のシャトル4030は、合計で12個の受容部に関して、2つの列の6つの受容部4032を含む。しかし、任意の数の受容部4032が設けられ得る。たとえば、シャトル4030は、合計数で24個の受容部となる2つの列の12個の受容部4032を含むことが可能である。示されている特定のアナライザ4000では、サンプルのバッチは、12~32を含むことが可能である。したがって、1つから3つのシャトルが、フル・バッチをアナライザ4000に提供することが可能である。
【0025】
また、シャトル4030は、横断方向の開口部4036を含み、横断方向の開口部4036は、対応する受容部4032と交差しており、サンプル・コンテナ保持アセンブリ(下記に説明されている)がその中に配設されているコンテナ03にアクセスすることを可能にする。サンプル・コンテナ03は、’349出願の第3のタイプのコンテナ03と同じものである。この点において、サンプル・コンテナ03は、貫通可能なシール09を備えたキャップを含む。
【0026】
増幅プレート
増幅プレートアセンブリ4040(図6)は、プレート本体部4051を含む。係合開口部4044が、本体部4041のそれぞれの側面4042の中へ延在しており、それは、多目的ロボット4300(図10A)のグリッパが増幅プレートアセンブリ4040にその両側から係合することを可能にする。たとえば、開口部4044aは、側面4042a、および、側面4042aのものと正反対側の側面(図示せず)を通って延在している。それに加えて、開口部4044bは、側面4042b、および、側面4044bのものと正反対側の側面(図示せず)を通って延在している。これは、プレートが異なる配向になっている間に、ロボット4300がプレート4040を把持およびリフトすることを可能にする。増幅コンパートメント4045を画定する複数のチューブが、その開口部の中のプレート本体部4041に接続されている。そのようなチューブは、プレート本体部4051の中へ挿入される1×8ストリップのポリプロピレン・チューブの形態で提供され得る。コンパートメント4054は、DNAターゲットの増幅のために利用される乾燥された試薬を提供されている。この点において、増幅プレート4040は、プレート4040のコンパートメント4045の中に含まれている試薬の視覚的識別のためのカラー・コーディングを有することが可能である。しかし、いくつかの実施形態では、カラー・コーディングは存在しなくてもよい。
【0027】
液体試薬プレート
液体試薬トラフ・アセンブリ4050は、約4つの別々の線形に配置されたトラフ4052を含み、トラフ4052は、バルク試薬(bulk reagent)を収容している。たとえば、4つのトラフ4052a~dが設けられ得、第1のトラフ4052aが洗浄緩衝液を含み、第2のトラフ4052bが酸緩衝液を含み、第3のトラフ4052cが中和緩衝液を含み、第4のトラフ4052dが溶出緩衝液を含むようになっている。そのようなトラフ4052の体積は、それらが少なくとも20回のアッセイ・ランを実施するのに十分な試薬をそれぞれ含むことができるようになっている。これは、十分な体積の試薬がアナライザ4000の上にロードされ、再補充される必要なしに、24時間の期間全体に持ちこたえることを可能にする。第1のトラフ4052aは、その側壁部の中へ一体化されたトラック4056を含み、バッフリング(baffling)壁部(図示せず)がそのようなトラック4056同士の間におよびトラフ4052aの中へ挿入されることを可能にし、充填プロセスの間の飛び散りを低減させることを助ける。第2のトラフ4052bは、一般的に、最小の体積を有しており、台形形状のキャビティを画定している。この形状は、必要な体積を提供する一方で、キャビティの一方の側において、比較的に大きい開口部面積も提供し、ツール4240などのような十分に大きいツールによって穿孔することを可能にし、それを通して、ピペット・チップは、トラフ4052bにアクセスする。
【0028】
アセンブリは、丈夫で貫通可能な蓋材料4058(図11Cを参照)を含み、蓋材料4058は、穿刺ツール4240(図11Bを参照)によって貫通され得、下記に説明されているようにピペット・チップ4062が試薬にアクセスすることを可能にする。また、液体試薬トラフ・アセンブリ4050は、カラー4054を含み、カラー4054は、液体試薬トラフ・アセンブリ4050の周囲の周りに延在しており、それは、デッキ表面の上に置かれ、また、トグルによってデッキ表面の上に係合されてアセンブリ4050を保持することが可能である。
【0029】
ピペット・チップ
ピペット・チップ4062は、チップ・ホルダ4060(図8Bを参照)の中に提供される。アナライザの1つの実施形態では、4つの1000μLチップが、それぞれのサンプルを処理するために使用される。それに加えて、単一の試薬ピペット・チップが、サンプルのそれぞれのバッチによって使用される。これは、試薬ピペット・チップがサンプルと直接的に接触しないので、利用されるチップの数を低減させることを助ける。
【0030】
図2および図3に戻って参照すると、補助デッキ4012は、アナライザ4000の底部に隣接して配設されており、処理デッキ4014の下に位置する。補助デッキ4012は、電子部品および廃棄物リポジトリを収容している。たとえば、補助デッキ4012は、液体廃棄物リポジトリ4002を含むことが可能であり、液体廃棄物リポジトリ4002は、たとえば、DNA抽出プロセスの間には抽出チューブ4026から、および、空にするプロセスの間には液体試薬トラフ・アセンブリ4050から、すべての液体廃棄物を受け入れて収容する。このリポジトリ4002は、空の容量をモニタリングするためにセンシング装置を含む。また、補助デッキ4012は、1つまたは複数の固体廃棄物リポジトリ4004を含み、1つまたは複数の固体廃棄物リポジトリ4004は、固体廃棄物シュート4210のそれぞれの下に位置しており(図8Aおよび図8Bを参照)、固体廃棄物シュート4210は、処理デッキ4014を通って延在している。たとえば、単一の廃棄物リポジトリが、廃棄物シュート4210の下に位置し得、すべての固体廃棄物を収集することが可能である。別の例では、2つの固体廃棄物リポジトリが、使用済みのピペット・チップ4062および増幅プレート4040をそれぞれ収集するために使用され得る。そのような上述の固体廃棄物リポジトリのそれぞれは、固体廃棄物レベルを検出するために、液体廃棄物リポジトリ4002と同様に、センシング装置を含むことが可能である。そのようなセンシング装置は、たとえば、光学センサまたは超音波センサを含むことが可能である。
【0031】
処理デッキ
レイアウト
図8Aおよび図8Bは、処理デッキ4014を示している。処理デッキは、消耗品引き出し4100、プレート・シーラ4220、オービタル・シェーカ4230、穿孔ツール4240、試薬トラフ・アセンブリ4050、シャトル移送ステーション4250、廃棄物シュート4210、およびリーダ/検出器を含む。
【0032】
引き出し
示されている実施形態では、処理デッキ4014は、6つの消耗品引き出しアセンブリ4120を含み、そのそれぞれは、図8A図8B、および図12に示されているように、アッセイ・ワークフローの中で利用される消耗品の大部分を収容している。この点において、6つの引き出し4100のそれぞれは、正面から背面へ、ピペット・チップ・ステーション4124、抽出コンテナ・ステーション4126、および増幅プレート・ステーション4128を含む。ステーション4124、4126、および4128は、それぞれ、ピペット・チップ・ホルダ4060、抽出コンテナ・ホルダ4020、および増幅プレート4040を保持するように構成されている。それに加えて、それぞれの消耗品引き出し4120は、そのハウジング4122の中にエクストラクタ・モジュール4125を収容しており、エクストラクタ・モジュール4125は、BD Viper(商標)LTシステムのエクストラクタ・モジュールと同様であり、また、可動磁石を含み、可動磁石は、可動磁界を提供し、可動磁界は、サンプルからDNAを抽出するために利用される。そのような磁石は、エクストラクタ・コンテナ・ステーション4126の下でそれぞれの消耗品引き出し4120の中に収容されており、また、レール4127に沿って上下方向に選択的に可動であり、レール4127は、ステーション4124、4126、および4128のそれぞれの下でコンパートメントを分離する側壁部の上に配設されている。図12に示されているように、エクストラクタ4125は、上方/抽出位置にある。消耗品引き出しアセンブリ4120は、2つの検出器/リーダ4260a~bの間で、アナライザ4000の正面に位置しており、そのフロント・エンドの上に、視覚的インジケータ、たとえば、色付きのLEDなどをそれぞれ含み、それは、その状態をユーザに示しており、引き出しが現在使用されているか、使用される準備ができているか、または、消耗品を補充する必要があるかを、ユーザに知らせる。
【0033】
また、引き出しアセンブリ4120は、ヒンジ式の保持特徴部4121を含む。示されている実施形態では、保持特徴部4121は、ばね荷重式のアームであり、それは、抽出コンテナ・ステーション4126のすぐ後ろでハウジング4122にヒンジ式に接続されている。保持特徴部4121は、保持位置および消耗品交換位置を有している。保持位置では、図12に示されているように、保持特徴部4121は、ステーション4124および4126の上方に延在している。この位置では、保持特徴部4121は、ピペット・チップ・ホルダ4060および抽出コンテナ・ホルダ4020のそれぞれの周囲を包含するように構成されており、ピペット・チップ・ホルダ4060および抽出コンテナ・ホルダ4020は、保持特徴部4121の中の開口部を介してそれらにアクセスすることを可能にしながら、それらのそれぞれのステーション4124、4126の中に位置する。この点において、保持特徴部4121は、抽出コンテナ・ホルダ4020およびピペット・チップ・ホルダ4060が動作の間に不注意に移動させられることを禁止する。引き出し4120の中の消耗品が交換される必要があるときには、引き出し4120が広げられ、保持特徴部4121を保持位置にロックするロッキング特徴部(図示せず)が解放される。ヒンジ4123の中に位置するねじりばね(図示せず)の付勢の下で、保持特徴部4121は、消耗品交換位置までヒンジ4123の周りで回転し、消耗品交換位置は、ユーザが引き出し4120の中の消耗品を補充するためのクリアランスを提供する。
【0034】
また、処理デッキ4014は、単一のチップ引き出しアセンブリ4110を含み、単一のチップ引き出しアセンブリ4110は、5つの96ウェル・チップ・キャリア4060を収容しており、また、それがそのフロント・エンドの上に視覚的インジケータを含むという点において、引き出し4120と同様に構築されている。しかし、チップ引き出しアセンブリ4110は、エクストラクタを含まず、複数のチップ・キャリア4060を保持するように構成されている。これらのチップ・キャリア4060は、試薬チップとともにそれぞれのサンプル抽出(消耗品引き出しの中で行われる)のために利用される第4のピペット・チップ、および、ピックアップ失敗または詰まりに起因して必要とされ得る任意の余剰チップの両方を提供する。この引き出し4110は、消耗品引き出し4120の左に位置している。これらの引き出し4110、4120は、アナライザ4000の正面からユーザによってアクセスされ得、また、それらの現在の状態および全体としてのアナライザの状態に応じて、それらがアナライザ4000によって自動的にロックされるかまたはロック解除されるという点において自動化され得る。
【0035】
試薬トラフ・ステーション
試薬トラフ・アセンブリ4050は、消耗品引き出し4120とオービタル・シェーカ4230との間に位置する試薬トラフ・ステーションの中に位置する。これらのアセンブリ4050は、固定された位置にあるままである。試薬トラフ・アセンブリ4050は、固定された位置にあるままであり、一般的に、消耗品引き出し4100のように、動作の間にアクセス可能ではないが、試薬トラフ・アセンブリ4050は、十分な試薬を含み、動作の間にこのエリアにアクセスすることが必要でなくなっているはずであることが理解されるべきである。
【0036】
廃棄物シュート
増幅プレート4050、ピペット・チップ4062、および液体廃棄物のための別々の廃棄物シュート4210が、処理デッキ4014を通って延在しており、それぞれの廃棄物リポジトリ4002、4004と連通している。これらは、使用済みの消耗品が、処理デッキの下方に位置する廃棄物リポジトリ4002、4004へ通されることを可能にする。廃棄物シュート4210は、チップ引き出し4110の後ろにアナライザ4000の背面に向けて位置している。
【0037】
シーラ
図13Aおよび図13Bは、完全に自動化されたプレート・シーラ4220を示しており、プレート・シーラ4220は、アナライザ4000の左後方の角部に位置する。プレート・シーラ4220は、可動プラットフォーム4224を有しており、可動プラットフォーム4224は、植菌された増幅プレート4040を受け入れ、プレート・シーラ4220の中へ移動する(図13Aに最良に示されている)。プレート・シーラ4220は、クリアな光学的シールを増幅プレート4040の上部に結合させる。アナライザ4000は、自動化されたプレート・シーラ4220を使用し、溶出に続いて、ならびに、プレート・ミキシングおよびターゲット増幅の前に、増幅プレート4040を封止する。単一のロードのときに、マルチ・シーリング能力を提供するために、シーラ4220は、ロール・ベースのシールを利用し、ロール・ベースのシールは、800メートル・ロールなどのような、一気にロードされ得るシール材料の単一のロール4222によって提供され得る。シール材料のこの体積は、ほとんどの用途に関して丸1年にわたってプレート4040を封止するのに十分である。しかし、プレート・シーラ4220は、光学センサ(図示せず)を含むことが可能であり、光学センサは、シール材料の量が特定の閾値レベルの下に落ちるときをセンシングするように構成されており、シール材料が交換されるべきであることを示す。
【0038】
プレート・シーラ4220はアナライザ4000の後方に位置するが、シール材料の補充のためにアナライザ4000の正面からシーラ4220にアクセスできることが望ましい。アナライザ4000の正面を通して、アナライザ4000の後方にあるコンポーネントにアクセスすることができることは、アナライザ4000が研究室の中の壁部に対して直に設置されることを可能にし、それは、フロア・スペースを節約することを助ける。正面からのアクセスを促進させるために、プレート・シーラ4220は、図13Bに最良に示されているように、リフティングおよびピボッティング・メカニズム4226の上に装着され得る。リフティングおよびピボッティング・メカニズム4226は、駆動シャフト(図示せず)に装着されている可動ベース4227を含む(図13Aを参照)。駆動シャフトは、回転可能なスリーブ4229によって取り囲まれており、回転可能なスリーブ4229は、また、可動ベース4227に接続されており、それとともに回転可能である。シール材料がなくなってきていることを光学センサがセンシングするとき、ユーザは通知される。次いで、ユーザは、クランク4228を手動でまたは自動的に動作させ、駆動シャフトを介して、可動ベース4227を、それがそれを取り囲むデッキをクリアするまで、上昇させることが可能である。このリフトされた位置において、可動ベース4227は、手動でまたは自動的に反時計回りに回転させられ、シーラ4220の後方をアナライザ4000の正面に提示する。この回転は、回転停止アーム4223の存在によって制限されており、回転停止アーム4223は、駆動シャフトを取り囲む回転可能なスリーブ4229に接続されている。この点において、回転停止アームは、停止アームが静止した構造体に当接し、それによって、さらなる回転を防止するまで、スリーブ4229およびベース4227と調和して回転する。これは、プレート・シーラ4220と他の機器との偶発的な接触を結果として生じさせ得る、過剰回転を防止することを助ける。この位置において、空になったかまたはほぼ空になったシール材料のロール4222が、交換のためにアナライザ4000の正面から容易に到達され得る。新しいロール4222が取り付けられると、シーラ4220は、時計回りに回転させられ得、クランク4228が動作させられ、シーラ4220を下降させてその動作位置へ戻すことが可能である。
【0039】
穿刺ツール
穿刺ツール4240(図11A図11Dを参照)は、複数のカニューレ状の穿刺部材4244を含み、複数のカニューレ状の穿刺部材4244は、ツール本体部4241から延在しており、試薬トラフ・アセンブリ4050の丈夫なシールを穿刺するように形状決めされた穿刺端部4246を有している。そのようなカニューレ状の穿刺部材4244は、ツール本体部4241の長手方向軸線に対して平行の垂直方向平面の中に共同で位置してもよく、または、共同で位置していなくてもよい。カニューレ状の穿刺部材4244は、ピペット・チップ4062をその中に受け入れるのに十分に大きい開口部4242を画定している。また、ツール4240は、1対のリンキング部材4248を含み、1対のリンキング部材4248は、本体部4241から上向きに延在し、それは、係合開口部4249を有しており、係合開口部4249は、図11Cに示されているように、ロボット4300のグリッパ4340の保持部材4346を受け入れる。穿刺ツール4240は、試薬トラフ・アセンブリのシールを穿刺し、チャネルを提供するために適切な場所に残され、チャネルを通して、ピペット・チップ4062は、図11Dに最良に示されているように、液体試薬を吸引することが可能である。
【0040】
穿刺ツール・ネスト/キャリア
試薬トラフ・アセンブリ4050にそれぞれ関連付けられている、2つの穿刺/穿孔ツールが、それらが試薬トラフ・アセンブリ4050を穿刺するために使用されるまで、処理デッキ4014の後方中央に向けて、それぞれのネストまたはキャリア4270の中に位置している。キャリア4270は、プラットフォーム4272を含み、プラットフォーム4272は、キャビティ4274の中にあり、キャビティ4274は、ツール4240を収容する。プラットフォーム4272は、隆起した側縁部を有しており、側縁部は、ツール4240の周辺にキー係合させられ、図11Aに最良に示されているように、ツール4240がキャリア4270の中に設置されるときに、それがロボット2300によってピックアップされるのを待機するので、ツール4240がプラットフォーム4272の上の正確な場所に置かれるようになっている。
【0041】
図11E図11Gは、代替的な穿刺ツール・ネスト/キャリア4280を図示している。キャリア4280は、ベース4282、1つまたは複数の側壁部4288、アライメント・ポスト4287a~b、および保持部材4284を含む。ポスト4287a~bは、ベース4282から延在しており、テーパ付きの端部部分4289を有しており、テーパ付きの端部部分4289は、穿刺ツール本体部4241の底部における開口部(図示せず)とインターフェース接続するように構成されている。テーパ付きの端部部分4289は、図11Gに最良に示されており、テーパ付きの端部部分4289は、その上に設置されるときに、キャリア4280の中でツール4240を整合させることを助ける。1つまたは複数の側壁部4288は、概してキャリア4280の正面側および背面側において、ベース4282から延在しており、それは、ツール4240のためのハウジング・スペースを画定している。示されているように、側壁部4288は、その左側および右側においてはベース4282から延在しておらず、それは、保持部材4284が枢動するためのスペースを提供している。しかし、穿刺ツール4240のためのハウジングをさらに画定するためにベース4282の左側および右側から延在する側壁部が、下記に説明されているように、そのような側壁部が保持部材4284の移動のための十分なクリアランスを供給するという条件で企図される。
【0042】
保持部材4284は、ベース4282から延在しており、また、穿刺ツール4240がその間に配設されることを可能にするのに十分な距離に、キャリア4280の両側端部に位置する。保持部材4284は、第1および第2の傾斜表面4285a~bなどのような、1つまたは複数の傾斜表面4285をそれぞれ含む。傾斜表面4285a~bは、キャリア4280の中央に向けて内側に面している。それに加えて、第2の傾斜表面4285bが、一般的に、第1の傾斜表面4285aよりも内側に位置決めされている。また、それぞれの保持部材4284は、ベース4282に面するオーバーハング表面4286を有している。保持部材4284は、たとえば、ベース4280へのピン留め接続などによって、第1の位置と第2の位置との間で可動であるが、たとえば、ばね(図示せず)などによって、第1の位置に付勢されている。この点において、保持部材4284が第1の位置にあるときに、キャリア4280によって支持されている穿刺ツール4240は、図11Eに示しているように、保持部材4284のオーバーハング表面4286によって、垂直方向の移動を抑制されている。第2の位置にある間には、図11Fに示されているように、オーバーハング表面4286は、穿刺ツール4240から係合解除されている。したがって、穿刺ツール4240は、もはや保持部材4284によって拘束されておらず、保持部材4284が第2の位置にある間に、キャリア4280からリフトされ得る。
【0043】
サンプル・コンテナ保持アセンブリ
サンプル・コンテナ保持アセンブリ4250(図9Aおよび図9B)は、それがクランピング・アセンブリ4252を含むという点において、’349出願のサンプル・コンテナ保持アセンブリ1100と同様であり、クランピング・アセンブリ4252は、クランピング・アセンブリの中に配設されているシャトル4030に向けて閉じ、アリコートがコンテナ03から吸引されている間に、シャトル4030およびシャトル4030の中のコンテナ03を保つ。この点において、クランピング・アセンブリ4252は、係合部材4253を含み、クランピング・アセンブリ4250が、図11Cに最良に見られるように、サンプル・コンテナ03の底部端部におけるスカート07に係合するように閉じられるときに、係合部材4253は、シャトル4030の中の第2の横断方向の開口部4036を通って突出するように構成されている。これらの係合部材4253は、それぞれのコンテナ03のスカート07の中へ貫通し/噛み込み、吸引の間にコンテナ03がシャトル4030から不注意に除去されることを防止する。それに加えて、それぞれのクランピング・アセンブリ4252は、それに接続されているドリップ・シールド4251を含む。それぞれのドリップ・シールド4251は、複数の半円形の切り欠き部を含み、複数の半円形の切り欠き部は、サンプル・コンテナ03を部分的に受け入れるように構成されている。この点において、クランピング・アセンブリ4252が、図9Aに示されているように、サンプル・コンテナ03に係合するときに、それぞれのクランピング・アセンブリ4252のドリップ・シールド4251は、サンプル・コンテナ03同士の間のギャップを実質的に充填するようにインターフェース接続し、それは、サンプル液だれがコンテナ03同士の間からシャトル4030またはコンベヤ4254の上に落下することを防止することを助ける。さらなるドリップ保護を提供するために、ドリップ・シュラウド4259が、図9Cに最良に示されているように、サンプル・コンテナ03およびコンベヤ4254の直接的に上方を除いて、クランピング・アセンブリ4250をカバーすることが可能である。ドリップ・シールド4251およびドリップ・シュラウド4259は、サンプル液だれが起こったときに、クリーニングしやすい表面を提供している。
【0044】
それに加えて、サンプル・コンテナ保持アセンブリ4250は、コンベヤ・ベルト4254を含み、コンベヤ・ベルト4254は、事前分析システム10からシャトルを受け入れ、クランピング・アセンブリ4252同士の間の位置へそれを移動させる。この点において、コンベヤ・ベルト4254は、事前分析システム10のシャトル輸送アセンブリ300の出力レーンからシャトル4030を受け入れる。シャトル4030を事前分析システム10に戻すときになると、モーター4256は、駆動メカニズム(図示せず)を動作させ、駆動メカニズムは、懸下されたプラットフォーム4255の上をトラック4257に沿って保持アセンブリ4250をスライドさせ、コンベヤ4254がシャトル輸送アセンブリ300の出力レーンと整合するようになっている。コンベヤ4254は、2つの方向に動作し、シャトル4030を受け入れるおよび戻すようになっている。
【0045】
オービタル・シェーカ
オービタル・シェーカ4230(図14を参照)は、封止された増幅プレート4040を円形運動で振動させ、封止された増幅プレート4040のコンパートメント4045の中で、溶出されたサンプルと混合された乾燥された試薬を完全に再水和する。これらのうちの2つが、抽出試薬トラフ4050の後ろに、アナライザ4000の後方中央に位置決めされている。当然のことながら、より多くのまたはより少ないものが、必要に応じて設けられ得る。オービタル・シェーカ4040は、プラットフォーム4042を含み、増幅プレート4040がプラットフォーム4042の上に置かれ、また、オービタル・シェーカ4040は、少なくとも2つの自動化されたアーム4046を含み、少なくとも2つの自動化されたアーム4046は、動作の間にプラットフォーム4042の上にプレート4040を保持するように構成されている。この点において、アーム4046は、プラットフォーム4042の角部に位置決めされ得、また、増幅プレート4040を適切な位置に保持するために、半径方向に内向きに移動することが可能であり、ロボット4300によるピックアップに関して増幅プレート4040を解放するために、半径方向に外向きに移動することが可能である。
【0046】
検出器/リーダ
2つの検出器/リーダ4260a~bが、アナライザ4000の両側端部に位置し、アナライザ4000の中央に面するキャビティを有している。これらのリーダ4260a~bは、Viper(商標)LTシステムの中で利用されているリーダと同様である。この点において、リーダ4260a~bは、封止された増幅プレート4040を受け入れるハウジングを有している。また、リーダ4260a~bは、サーモサイクラーおよび検出器を有しており、サーモサイクラーは、増幅プレート4040の中のターゲット検体を増幅させるために使用され、検出器は、たとえば、LED照明器のセットを使用して、ターゲット検体を検出する。
【0047】
ロボット
図10A図10Fに示されているように、多目的ロボット4300は、ロボット・デッキ4016において懸下されている。多目的ロボット4300は、物質移送および光学的照会(たとえば、バーコード読み取り)のための自動化システムであり、それは、処理デッキ1014の上方に吊り下がっており、直交座標ロボット4301を含み、直交座標ロボット4301は、ペイロードを担持している。
【0048】
直交座標ロボット4301は、直交して装着されている2つの線形のレール4302a~bを含む。2つの線形のレール4302a~bのそれぞれは、少なくとも2つの光学的なリミット・センサ(図示せず)を有しており、ペイロード4306がそれらの範囲まで駆動されないことを確実にし、また、初期化を促進させる。ペイロード4306のサイズに起因して、および、ペイロード4306が処理デッキ4014の近くに吊り下がっているという事実に起因して、衝突の可能性が存在しており、それは、回避されることが望ましい。衝突を防止することを助けるために、第1の線形のレール4302aの上に第3の光学センサが設けられている。これは、アナライザのどちらの半分(左/右)にロボット4300が位置するかを、ロボット4300が瞬間的にセンシングすることを可能にし、アナライザ4000の中央が発見され得ることを確実にし、また、安全な起動および初期化手順が使用され得ることを確実にする。
【0049】
ペイロードおよび回転ステージ
ロボット・ペイロード4306は、直交座標ロボット4301の下に位置しており、ビジョン、ピペッティング、およびプレート移送機能性を提供する。この点において、ペイロード4306は、回転ステージ4310、ビジョン・システム4320、グリッパ・モジュール4340、マルチチャネル・ピペッタ4350、およびバックプレーン・コネクタ4360を含む。ロボット・ペイロード4306は、回転ステージ4310を介して直交座標ロボット4301に接続されている。回転ステージ4310は、垂直方向軸線の周りにペイロード4306を約180度回転させることが可能であり、それは、グリッパ4340、ピペッタ4350、およびビジョン・システム4320に、移動フレキシビリティを提供する。
【0050】
消耗品ハンドリング部分
ビジョン・システム
ビジョン・システム4320およびグリッパ4340は、消耗品ハンドリング・モジュール4320を含む。ビジョン・システム4320は、バーコードを読み取ることおよび他のマシン・ビジョン・タスクを実施することができる任意の従来のビジョン・システムであることが可能である。例示的なビジョン・システムは、In-Sight 5600ビジョン・システム(Cognex Corporation、Natick、Massachusetts)を含む。このビジョン・システム4320は、グリッパ4340とともに垂直方向のステージ4322に付着されており、ビジョン・システム4320がグリッパ4340に沿って上下に移動させられることを可能にし、ビジョン・システム4320がターゲットに焦点を合わせることを可能にする。垂直方向のステージに沿ったそのような移動は、モーター4330によって実施される。
【0051】
グリッパ
グリッパ・モジュール4340は、マルチチャネル・ピペッタ4350とは、バックプレーン・コネクタ4360の反対側に位置している。グリッパ・モジュール4340は、述べられているように、グリッパ4340の高さを変化させる垂直方向の並進ステージ4322に接続されており、また、アーム4344a~bを含み、アーム4344a~bは、互いに対して水平方向に並進し、消耗品アイテムに係合する。そのようなアーム4344は、グリッパ・フィンガ4349(図11Cを参照)を有しており、グリッパ・フィンガ4349は、係合特徴部または突起部4345を有することが可能であり、係合特徴部または突起部4345は、グリッパ・フィンガ4349から横向きに突出しており、対応する係合切り欠き部を有する消耗品アイテムを固定することを助けるために使用される(図11Cを参照)。また、グリッパ4340は、保持部材4346を含み、保持部材4346は、それぞれのアーム4344a~bの水平方向の部材4347から下向きに突出している(図11Cを参照)。そのような保持部材4346は、横向きに突出する部材4348をそれぞれ含み、横向きに突出する部材4348は、穿刺ツール4240のリンキング部材4248の中の係合開口部4249によって受け入れられるように構成されている。それぞれのアーム4344は、互いに対して移動することができるので、それぞれの保持部材4346が、他方の保持部材に対して移動することができる。これは、保持部材4346がリンキング部材4248に係合することを可能にし、穿刺動作の間に穿刺ツール4240をしっかりと固着させるようになっており、また、穿刺ツール4240を係合解除し、キャリア4270、4280の中のまたは液体試薬トラフ・アセンブリ4050の上の適切な場所に穿刺ツール4240を置いておくようになっている。本明細書の他の場所で説明されているグリッパ・アームの移動と同様に、保持部材は、相対的な水平移動を行うことができ、それらが、1つの位置では、水平方向により遠くに離れており、別の位置では、水平方向により近くになるようになっている。
【0052】
図10Eは、代替的なグリッパ・モジュール4340’を示している。グリッパ・モジュール4340’は、それが突出部4345を含むグリッパ・アーム4344a’~b’を含むという点において、グリッパ・モジュール4340と同様である。しかし、グリッパ・モジュール4340は、また、プレゼンス・センサ4341を含み、プレゼンス・センサ4341は、グリッパ・アーム4344a’~b’の間の消耗品アイテムの存在を検出するように構成されている。たとえば、示されているように、それぞれのアーム4344a’および4344b’は、センサ4341を含み、センサ4341は、スイッチ・タイプ・センサである。グリッパ・アーム4344a’~b’がプレート4040などのような消耗品アイテムをその間に把持するときに、そのようなセンサ4341がそのような消耗品アイテムによって偏向させられ得るように、センサ4341は位置決めされている。したがって、グリッパ・アーム4344a’~b’が消耗品アイテムを把持し、センサ4341が偏向させられるようになっている限りにおいて、その存在が検出される。しかし、グリッパ・アーム4344a’~b’がそれらの把持を解放するときに、センサ4341は、その通常の位置へ戻り、消耗品アイテムが存在していないことを示す。偏向可能なスイッチ・タイプ・センサが示されているが、たとえば、光学センサなどのような、他のセンサも企図される。
【0053】
液体試薬トラフ・アセンブリ4050を穿刺する方法が、図11E図11Gに示され、また、図11C図11Dにも示されている。図11Eに示されているように、穿刺ツール・キャリア4280は、処理デッキ4014に装着されており、穿刺ツール4240は、第1の位置にある保持部材4284によって、キャリア4280の中に保たれている。そのようなキャリア4280は、図8Bに示されているオービタル・シェーカ4230に隣接して、システム4000の右後方の角部に位置し得る。多目的ロボット4300は、穿刺ツール・キャリア4280へ移動し、穿刺ツール4240の上方の高さまでグリッパ・モジュール4340を下降させ、グリッパの突出する部材4348が、穿刺ツール4240の係合開口部4249(開口部に関して図11Bを参照)と整合させられるようになっており、それは、図11Eに最良に示されている。
【0054】
この位置にある間に、グリッパ・アーム4344a~bは、離れるように移動させられ、突出する部材4348が対応する係合開口部4249の中に受け入れられるようになっている。これが起こるときに、グリッパ・フィンガ4349は、第1の傾斜表面4285aにおいて、または、それに隣接して、保持部材4284に係合し、図11Fに最良に示されているように、それらの付勢に打ち勝ち、第2の位置に向けて保持部材4284を外向きに押すようになっている。これは、穿刺ツール4240がキャリア4280との接触からリフトされるためのクリアランスを提供する。したがって、保持部材4284がフィンガ4349によって第2の位置に保持されている状態で、および、突出部4348が開口部4249に係合している状態で、穿刺ツール4240は、穿刺ツール本体部4241が保持部材4284のオーバーハング表面4286をクリアするまで、グリッパ・モジュール4340を介してキャリア4280から除去される。
【0055】
穿刺ツール4280が保持部材4284をクリアすると、多目的ロボット4300は、グリッパ・モジュール4340および穿刺ツール4280を液体試薬トラフ・アセンブリ4050に向けて移動させ、それは、図8Bに示されているように、ツール・キャリア4280の前に、および、システム4000のより中央に向けて位置決めされ得る。次いで、ロボット4300は、トラフ・アセンブリ4050の上方に穿刺ツール4280を位置決めし、図11Cに最良に示されているように、カニューレ状の穿刺部材4244がそれぞれのトラフ4052a~dとそれぞれ整合させられるようになっている。その後に、グリッパ・モジュール4340は、穿刺ツール4240を下降させ、穿刺部材4244が蓋材料4058を穿刺するようになっている。蓋材料4058が完全に穿刺されるとき、ツール本体部4241は、それぞれのトラフ4052a~dを分離する壁部4051の上に位置している。そのような壁部4051が、穿刺ツール4240の重量を支持する。カニューレ状の穿刺部材4244は、蓋材料を完全に貫通するのに十分に長い長さを有しており、一方、その長さは、どんな試薬がそれぞれのトラフ4052a~dの中に位置するとしても、試薬の表面の完全に上方に穿刺部材4244を位置決めするのに十分に短くなっている。それに加えて、カニューレ状の穿刺部材4244は、均一な開口部4242を提供しており、均一な開口部4242は、ピペット・チップ4062の容易な通過を可能にするのに十分に大きくなっている。これは、蓋材料4058との偶発的な接触を防止することを助け、それは、ピペット・チップ4062がトラフ・アセンブリ4050から試薬を引き出すために使用されるときに、ピペット・チップ4062のない多量の試薬を押しのけることが可能である。
【0056】
蓋材料4058が穿刺され、ツール4240がトラフ・アセンブリ4050によって良好に支持されると、グリッパ・モジュール4340は、アーム4344a~bを互いに向けて移動させることによって、ツール4240に対するその把持を解放し、突出部4348が開口部4249から除去されるようになっている。その後に、ロボット4300は、グリッパ・モジュール4340を含むペイロード4310を、トラフ・アセンブリ4050から離れるように運搬する。この点において、ピペッタ4350も含むペイロード4310は、未使用の使い捨てのピペット・チップ4062の場所へ移動することが可能であり、それは、図8Bに示されているチップ引き出し4110の中に位置し得る。その後に、ピペッタ4350が下降させられ、1つまたは複数のピペット・チップ4062を回収するようになっている。次いで、ロボット4300は、穿刺ツール4240およびトラフ・アセンブリ4050の上方にピペッタ4350を移動させることが可能であり、ピペット・チップ4062をツール4240の開口部4242と整合させるようになっている。次いで、ピペット・チップ4062は、図11Dに示されているように、対応する開口部4242を通して、選択されたトラフ4052の中へ下降させられ、トラフ4052から試薬を吸引するようになっている。次いで、吸引された試薬は、必要に応じて、システム4000の中の別の場所へ運搬され得る。次いで、試薬は適当なコンテナの中へディスペンスされ、ピペット・チップ4062は廃棄される。ピペット・チップ4062の回収、穿刺ツールを通した試薬の吸引、および、ピペット・チップ4062の廃棄は、試薬が枯渇するまで、何度も起こることが可能である。システム4000は、残っている試薬の量を追跡し、そのような試薬が変更される必要があるときに、ユーザに警告することとなる。これは、本明細書の他の場所で説明されている。
【0057】
穿刺ツール4240がキャリア4280に戻されるときに、たとえば、液体試薬トラフ4050が交換される必要があるときなど、または、何らかの他の理由のために、ロボット4300は、試薬トラフ・アセンブリ4050の上に置かれている穿刺ツール4240の上方にグリッパ・モジュール4340を移動させ、以前に説明されているように、突出部4348を開口部4249の中へ移動させることによって、穿刺ツール4240に係合する。穿刺ツール4240がグリッパ・アセンブリ4340によって係合されると、ロボット4300は、穿刺ツール4240を、試薬トラフ・アセンブリ4050から離れるように、キャリア4280の上方の位置へ運搬する。次いで、グリッパ・アセンブリ4340が下降させられ、穿刺ツール本体部4241が傾斜表面4285a~bのうちの1つまたは複数に接触するようになっている。穿刺ツール4240がキャリア4280に向けて下降させられるときに、穿刺ツール本体部4241は、傾斜表面4285a~bのうちの1つまたは複数に沿ってスライドし、それは、図11Gに最良に示されているように、保持部材4284を第1の位置から第2の位置へ外向きに押す。穿刺ツール4240のためのクリアランスを提供するように保持部材4284が位置決めされている状態で、穿刺ツール4240がさらに下降させられ、ポスト4287a~bに係合するようになっており、ポスト4287a~bは、穿刺ツール4240をキャリア4280に対して整合させる。穿刺ツール4240の下降の底部の近くにおいて、グリッパ・フィンガ4349は、また、傾斜表面4285aにおいて、または、傾斜表面4285aに隣接して、保持部材4284に係合することが可能であり、第2の位置にそれらを維持することを助け、それは、図11Fに図示されている。ツール4240がキャリア4280の上に完全に着座させられると、グリッパ・アーム4344a~bは、互いに向けて水平方向に移動させられ、それは、突出する部材4348を穿刺ツール4240から係合解除し、また、グリッパ・フィンガ4349を保持部材4284から係合解除する。言い換えると、1対のグリッパ・アームは、アームがより遠くに離れている第1の位置から、アームがより近くに一緒になる第2の位置へ、水平方向に移動する。グリッパ・フィンガは、より遠くに離れた位置において、保持部材に係合し、保持部材を押し戻しており、また、それらがより近くに一緒になる位置においては、保持部材に係合していない。この点において、保持部材4284は、それ自身の付勢の下で、図11Eに示されている第1の位置に戻り、それによって、穿刺ツール4240が再び必要とされるまで、穿刺ツール4240を保つ。
【0058】
マルチチャネル・ピペッタ
マルチチャネル・ピペッタ4350は、消耗品ハンドリング部分とはその反対側において、バックプレーン・コネクタ4360に接続されている。マルチチャネル・ピペッタ4350は、複数の液体ハンドリング・アセンブリ4352a~eを含み、複数の液体ハンドリング・アセンブリ4352a~eは、バックプレーン・コネクタ4360に直接的に接続している。示されている実施形態では、5つの液体ハンドリング・アセンブリ4352が存在しており、すなわち、第1の液体ハンドリング・アセンブリ4352a、第2の液体ハンドリング・アセンブリ4532b、第3の液体ハンドリング・アセンブリ4532c、第4の液体ハンドリング・アセンブリ4532d、および、第5の液体ハンドリング・アセンブリ4532eが存在している。それぞれの液体ハンドリング・アセンブリ4532は、メイン・ボード・アセンブリ4370およびピペット・アセンブリ4380を含む。液体ハンドリング・アセンブリ4352a~eは、極めて近接して互いに隣接してバックプレーン・コネクタ4360に接続されている。
【0059】
それぞれのメイン・ボード・アセンブリ4370a~eは、データ、パワー、および、プラス/マイナスの空気圧力を、対応するピペット・アセンブリ4380a~eに提供することを助ける。示されている実施形態では、5つのピペット・アセンブリ4370a~eが存在している。それぞれのメイン・ボード・アセンブリ4370a~eは、’349出願の図27Aおよび図27Bに説明されて示されているメイン・ボード・アセンブリ1401と同様である。この点において、それぞれのメイン・ボード・アセンブリ4370a~eは、ハウジング4372を含み、たとえば、PCB、プラスおよびマイナスの圧力入力、弁、ならびに、入力および弁と連通する液体/ガス導管などのような、さまざまなコンポーネントが、その中に配設されている。また、メイン・ボード・アセンブリ4370a~eは、z駆動メカニズムを含み、z駆動メカニズムは、ハウジング4372の一方の側に垂直方向のレール4374を含み、また、モーター4376および駆動シャフト(図示せず)を含む。駆動シャフトは、ハウジング4372の中に配設されている。
【0060】
ピペット・アセンブリ4380a~eのうちの1つが、クリーンな試薬移送のために確保され、したがって、そのような確保されたアセンブリ4380によって担持されたピペット・チップ4062は、サンプルによって決して汚染されない。これは、単一の試薬チップ4062が抽出プロセス全体に関して使用されることを可能にし、アッセイ・ワークフローのために必要とされるチップの数を最小化する。それぞれのピペット・アセンブリ4380a~eがz方向に独立してトラベルすることができるので、そのような確保されたピペッタ4380からのピペット・チップ4062は、図11に最良に示されているように、穿孔ツール4240のチャネル4242を通して、プレート4050の適当な液体含有貯蔵部の中へ、独立して挿入され得る。ピペット・チップ4062と固体表面との間に接触は存在していない。
【0061】
それぞれのピペット・アセンブリ4380a~eは、それぞれのピペット・アセンブリ4380a~eが、そのそれぞれのメイン・ボード・アセンブリ4370a~eにヒンジ式に接続されており、複数のヒンジ位置へと回転しないことを除いて、’349出願の図17A図17Dのピペット・アセンブリ502、ならびに、図27Aおよび図27Bのピペット・アセンブリ1402と同様である。それぞれのピペット・アセンブリ4380a~eは、回転から拘束されており、モーター4376を介して、垂直方向のレール4374に沿って、垂直方向のz方向に移動する。したがって、第1の、第2の、第3の、第4の、および第5のピペット・アセンブリ4380a~eは、垂直方向にまたはz方向に独立して移動することができる。そうでなければ、ピペット・アセンブリ4380a~eは、とりわけ、そのピペット・チャネル・アセンブリ(図示せず)およびピペット・チップ・イジェクタ・アセンブリに関して、ピペット・アセンブリ502および1402と同様に構築されている。
【0062】
バックプレーン・コネクタ4360は、バックプレーン・コネクタ4360が複数の液体ハンドリング・アセンブリ4352a~eとそれに接続されている消耗品ハンドリング・アセンブリ4320とを有するように構成されていることを除いて、’349出願の図29Aおよび図29Bのバックプレーン・コネクタ1600と同様である。この点において、バックプレーン・コネクタ4360は、それぞれの液体ハンドリング・アセンブリ4352a~eのメイン・ボード・アセンブリ4370a~eに接続しており、また、消耗品ハンドリング部分を動作させる対応する電子ボードに接続している。バックプレーン・コネクタ4360は、いくつかの入力コネクタおよび出力コネクタ(図示せず)、たとえば、イーサネット(登録商標)、マルチピン、プラスの圧力入力コネクタ、およびマイナスの圧力入力コネクタなどを含み、プラスの圧力入力コネクタおよびマイナスの圧力入力コネクタは、必要なパワー、圧力、およびデータ信号を消耗品ハンドリング・モジュール4320および液体ハンドリング・アセンブリ4352a~eに供給するためのものである。これは、外部ケーブリングを低減または排除することを助け、外部ケーブリングは、引っ掛かる可能性があり、また、そのように極めて近接して接続されている複数の液体ハンドリング・アセンブリ4352a~eによって管理することが困難である可能性がある。必要な入力が、回転ステージ4310を介してバックプレーン・コネクタ4360に提供され得る。この点において、バックプレーン・コネクタ4360は、空気圧力および他の入力/出力のためのマニホールドとして作用することが可能である。
【0063】
図15は、アナライザ4000のコンピューティング・システムの全体的なアーキテクチャーを示している。コンピューティング・システムは、’349出願の図26のシステム1300の中のサブシステムであることが可能であり、それは、ハイスループット・システム00のコンピューティング・システム・ダイアグラムを示している。この点において、クロス・インスツルメント・バス4404およびワークフロー・コンピューティング・デバイス4540は、’349出願の図26に示されているバス1320およびコンピューティング・デバイス1330と同じである。それに加えて、コンピューティング・デバイス4410は、コンピューティング・デバイス1360と同様であり、アナライザ4000の中のその入力および出力とともに、より詳細に本明細書で説明されている。
【0064】
コンピュータ制御デバイスおよびプロセッサ
コンピュータ制御デバイス4400は、任意の汎用コンピュータであることが可能であり、汎用コンピュータ制御デバイスの中に典型的に存在する、プロセッサ4412、メモリ4414、および、他のコンポーネントを含むことが可能である。コンピュータ制御デバイス4410は、特定のコンピューティング・プロセスを実施するための専用ハードウェア・コンポーネントを含むことが可能であるが、プロセッサ4412は、市販のCPUなどのような、任意の従来のプロセッサであることが可能である。代替的に、プロセッサ4412は、特定用途向け集積回路(「ASIC」)または他のハードウェア・ベースのプロセッサなどのような、専用のコンポーネントであることが可能である。
【0065】
メモリ4414は、プロセッサ4412によって実行され得る命令4416を含む、プロセッサ4412によってアクセス可能な情報を記憶することが可能である。また、メモリ4414は、データ4418を含むことが可能であり、データ4418は、プロセッサ4412によって取得されるか、操作されるか、または記憶され得る。メモリ4414は、プロセッサ4410によってアクセス可能な情報を記憶することができる任意の非一時的なタイプのものであることが可能であり、それは、たとえば、ハード・ドライブ、メモリ・カード、ROM、RAM、DVD、CD-ROM、書き込み可能メモリ、および読み出し専用メモリなどである。
【0066】
命令4416は、プロセッサ4412によって直接的に実行されるか(たとえば、マシン・コードなど)、または、間接的に実行される(たとえば、スクリプトなど)、命令の任意のセットであることが可能である。その点において、「命令」、「アプリケーション」、「ステップ」、および「プログラム」という用語は、本明細書では相互交換可能に使用され得る。命令4416は、プロセッサ4412による直接的な処理のために、オブジェクト・コード・フォーマットで記憶され得、または、任意の他のコンピューティング・デバイス言語で記憶され得、それは、オンデマンドで解釈されるかまたは事前にコンパイルされる、スクリプトまたは独立したソース・コード・モジュールのコレクションを含む。
【0067】
アナライザ4000の1つの実施形態では、コンピューティング・デバイス4410は、命令4416のいくつかのセットを含むことが可能である。たとえば、実施されることとなるそれぞれのアッセイは、それに関連付けられる命令のいくつかのセットを有することが可能であり、それは、消耗品を光学的にスキャンし、消耗品を把持して移動させ、液体サンプルを吸引するように、多目的ロボット4300を動作させる命令を含むことが可能である。
【0068】
データ4418は、グラフィカル・ユーザ・インターフェース(「GUI」)を通して入力および閲覧され得、グラフィカル・ユーザ・インターフェースは、具体的にはアナライザ4000に関連付けられているディスプレイ・インターフェース4420の上に表示され得るか、または、ハイスループット・システム00全体と関連付けられている、’349出願の図1および図26のディスプレイ・インターフェース1332の上に表示され得る。また、データ4418は、多目的ロボット4300のビジョン・システム4320から、または、事前分析システム10の中のスキャナーから入力され得る。また、データ4418は、センサ、ドア・センサ、および温度センサなどによって取得され得、たとえば、特定の消耗品の場所および空気品質などのような、アナライザの中で起こっている特定の条件および活動に関する情報を取得する。
【0069】
このデータ4418は、実装されているフィールドまたはリレーショナル・データベースの中の特定の識別コード(たとえば、バーコード・シリアル番号)にデジタルでタグ付けされ得、それは、また、メモリ4414の中に記憶され得る。これは、アナライザ4000がアナライザ4000の中のさまざまな消耗品を追跡することを助け、また、ユーザ入力の必要性なしに、プロセッサ・命令4416の実行の間に特定の情報をプロセッサ4412に提供することを助ける。たとえば、増幅プレート4050は、識別コードを有することが可能であり、識別コードは、その外側表面の上に位置するバーコードと関連付けられ得、それは、たとえば、その中に記憶されている試薬のタイプ、および、どの試薬がすでに利用されたかなど、特定の記憶されたデータとともにデータベースの中にタグ付けされ得る。これは、アナライザがその在庫をチェックすることを可能にし、いつ試薬および他の消耗品がなくなりそうか、または、追加的なアッセイを実施するのに不十分になるかを決定する。別の例では、シャトル4030は、識別コードを有することが可能であり、識別コードは、特定の記憶されたデータとともにデータベースの中にタグ付けされ得、それは、たとえば、シャトル4030によって運搬されるサンプル・コンテナ03のそれぞれに関するデータなど、たとえば、患者名、実施されることとなるアッセイ、および処理パラメーターなどである。さらなる例では、分析が完了したときに、アッセイの結果は、データベースの中の特定のサンプルに関連付けられ得、ユーザが、ワークフロー・コンピューティング・デバイス4540へのアクセスを介して、結果を容易に回収することができるようになっている。その理由は、そのような結果が、デバイス4410によって、それに通信され得るからである。
【0070】
図15は、コンピュータ制御デバイス4410のプロセッサ4412、メモリ4414、および他のエレメントを、同じブロックの中にあるものとして機能的に図示しているが、コンピュータ制御デバイス4410、プロセッサ4412、および/またはメモリ4414は、それぞれ、複数のプロセッサ、コンピュータ制御デバイス、およびメモリから構成され得、それは、同じ物理的なハウジングの中に記憶されていてもよく、または、記憶されていなくてもよい。たとえば、メモリ4414は、コンピュータ制御デバイス4410のものとは異なる、ハウジングの中に位置するハード・ドライブまたは他のストレージ媒体であることが可能である。したがって、プロセッサ4412、コンピュータ制御デバイス4410、およびメモリ4414への言及は、並列に動作してもしなくてもよい、プロセッサ、コンピュータ制御デバイス、およびメモリのコレクションへの言及を含むことが理解されるべきである。
【0071】
ディスプレイ・インターフェース
ディスプレイ・インターフェース4420は、具体的には、アナライザ4000と関連付けられ得、アナライザ4000に関する情報だけを表示することが可能であり、また、アナライザ4000の構造体の中へ一体化され得る。しかし、ディスプレイ・インターフェース4420は、随意的なものであり(図15の中の点線によって示されている)、図1に示されている実施形態では、含まれていない。その理由は、全体的なシステム・ディスプレイ・インターフェース1332がその代わりに利用されるからである。しかし、ディスプレイ・インターフェース4420が含まれている場合には、インターフェース4420は、モニターまたはLCDパネルなどであることが可能であり、それは、ハウジング4010のフロント・パネルに連結されており、または、アナライザ4000から遠隔に位置する。ディスプレイ・インターフェースは、GUI、ユーザ・プロンプト、ユーザ・命令、および、ユーザに関連し得る他の情報を表示することが可能である。
【0072】
入力インターフェース
ユーザ制御/入力インターフェース4430は、ユーザがGUIをナビゲートすることを可能にし、また、繰り返しになるが、図1のディスプレイ・インターフェース1332によって提供される全体的なシステム入力インターフェースから分離されたコンポーネントとして随意的に提供され得る。しかし、ユーザ制御/入力インターフェース4430が提供される場合には、そのようなインターフェースは、たとえば、タッチ・パネル、キーボード、またはマウスであることが可能である。それに加えて、入力インターフェース4430は、ディスプレイ・インターフェース4420の中へ一体化され得、プロンプトなどを表示する同じデバイスが、ユーザが前記プロンプトに応答することを可能にする同じデバイスであるようになっている。
【0073】
図15に示されているように、コンピュータ制御デバイス4410は、ワークフロー・コンピューティング・デバイス4540に接続され得、ワークフロー・コンピューティング・デバイス4540は、第1のアナライザ2000および事前分析システム10などのような、ハイスループット・システム00のコンポーネントのすべてを一体化させるために利用され、また、とりわけ、研究室の研究室情報システム(「LIS」)4550と一体化するために利用される。したがって、事前分析システム10の中に生じるアナライザ4000に関連する情報は、ワークフロー・コンピューティング・デバイス4540を介してアナライザ4000に通信され得る。同様に、アナライザ4000の中に生じる事前分析システム10に関連する情報は、コンピュータ制御デバイス4540を介してワークフロー・コンピューティング・デバイス4540に通信され得、それは、その情報を事前分析システム10に通信する。また、そのような情報は、ワークフロー・コンピューティング・デバイス4540によってLIS4550から取得された情報、たとえば、患者情報などによって、補完され得る。
【0074】
また、コンピュータ制御デバイス4410は、アナライザ4000の中の複数のコンポーネントに接続されており、命令およびデータなどのような情報を、行ったり来たり共有する。内部バス4502を介してコンピュータ制御デバイスに接続されているコンポーネントのうちのいくつかは、処理デッキの上に位置する以前に説明されているコンポーネントのうちのいくつか、たとえば、プレート・シーラおよびオービタル・シェーカなどを含む。それに加えて、コンピュータ制御デバイスは、検出器/リーダ4260a~bおよび多目的ロボット4300に接続され得る。コンピュータ制御デバイス4410とのそのような接続は、コンピュータ制御デバイス4410がそのようなコンポーネントに命令を提供すること、および、そこから情報を受け取ることを可能にする。たとえば、多目的ロボット4300は、コンピュータ制御デバイス4410から命令を受け取ることが可能であり、穿刺ツール4240を回収し、および、穿刺ツール4240を試薬トラフ・アセンブリ4050に適用し、または、増幅プレート4040をピックアップし、および、1つの場所から別の場所へ増幅プレート4040を移動させる。したがって、アナライザ4000は完全に自動化されているので、アナライザ4000の内部コンポーネントによって実施される動作は、一般的に、プロセッサ4410によって提供される命令の結果としてのものである。
【0075】
アナライザ4000を利用する処理および分析の方法4600(図16)において、アナライザ4000は、4つの機能的なステージ、すなわち、サンプル移送、抽出、事前増幅、および増幅/検出を通して、サンプルを移動させる。ここで、そのようなステージが説明される。
【0076】
サンプル移送
サンプルのバッチが用意され(最大で3つのシャトル4030)、移送の準備ができているという、事前分析システム10からの通知4600があり、アナライザ4000が、そのような通知を受信確認すると、アナライザ4000は、サンプル移送ステージ4604へ進む。サンプル移送ステージにおいて、事前分析システム10は、1つから3つのシャトル4030を一繋がりとして、シャトル輸送アセンブリ300を介してシャトル4030をアナライザ4000へ給送する。アナライザ4000の中へ搬送されるバッチのサイズは、設計選択の事項である。たとえば、3つのシャトルが移送される場合には、第1の2つのシャトル4030が、12個のサンプル・コンテナ03を含むことが可能であり、最後のシャトル4030が、8個のサンプル・コンテナを含むことが可能である。第1のシャトルは、それによってアナライザの中へ運搬される12個のサンプル・コンテナの間の番号を付した2つのコントロール・サンプル・コンテナを典型的に含むこととなる。2つのコントロール・サンプル・コンテナは、典型的に、アナライザの中へ搬送されるときにシャトルの前にあることとなる。したがって、この例では、30個のサンプル・コンテナは、2つのコントロールによって、1つのバッチでアナライザの中へ運搬される。これらのシャトル4030は、アナライザ4000によって1度に1つずつハンドリングされ、シャトル4030の中に含まれているサンプルが、サンプル移送プロセスを通して完全に移動させられ、待ち行列の中の次のシャトル4030がアナライザ4000へ移動させられる前に、事前分析システム10に戻されるようになっている。
【0077】
シャトル受け入れおよびクランピング
’349出願に説明されているように、システム10のシャトル輸送アセンブリ300は、入力レーンおよび出力レーンを含み、これらのうちの1つは、アナライザ4000へのシャトル移送専用になっており、1つは、アナライザ4000からのシャトル戻り専用になっている。事前分析システム10からのシャトル4030の受け入れの前に、アナライザ4000は、シャトル保持アセンブリ4250のコンベヤ4254がシャトル輸送アセンブリ300の適当なレーンと整合させられることを確実にする。その後に、シャトル4030は、事前分析システム10から、2つのシステム10、4000の側壁部同士の間のポートを通して、アナライザ4000の中のコンベヤ4254の上に給送される。したがって、事前分析システム10は、シャトル4030をアナライザ4000に引き渡す。
【0078】
シャトル4030がアナライザ4000の中へ完全に移行されると、事前分析システム10は、その給送メカニズムを停止し、後続のシャトル4030を送るために、アナライザ4000からの準備確認を待機する。その間に、アナライザ4000は、シャトル4030を、それがクランピング・アセンブリ4252同士の間に位置決めされるまで、そのドック位置へ、アナライザ4000の中央に向けて移動させる。シャトル4030が、光学センサの使用を通して、その所望の場所にあるように位置合わせされると、クランピング・アセンブリ4252は、シャトル4030の周りをクランプし、係合部材4253が、サンプル・コンテナ03のスカート07に、たとえば、それらを穿孔することなどによって係合し、液体移送のために適切な場所にそれらを保持する。
【0079】
その後に、ピペット・アセンブリ4380は、シャトル4030の中のサンプル・コンテナ03のうちの1つの貫通可能なキャップ09を貫通する。穿孔されたキャップの幾何学形状は、吸引に続いてピペット・チップ4062がコンテナ03から除去されるときに、かなりの量の揚力がピペット・アセンブリ4380によってコンテナ03の上に発生させられる可能性を生成させる。係合部材4253は、それぞれのコンテナ03が着座されたままであることを確実にすることを助ける。
【0080】
サンプル吸引および移送
シャトル4030がそのコンテナ03とともに完全に着座および固着させられると、アナライザ4000は、サンプル移送ステージ4604のサンプル吸引および移送部分へ移動する。シャトル4030の中の4つのコンテナ03のそれぞれのセットに関して、最も内側の位置にある1対のコンテナ03から始めて、ピペッタ4350は、その5つのピペット・アセンブリ4380のうちの2つを、ピペット・チップ4062がその上にロードされた状態で使用し、それぞれの対のコンテナ03の貫通可能なキャップ09を穿孔し、サンプルを混合し、必要とされるサンプル体積をコンテナ03から吸引する。正しいサンプル体積が吸引されると、ピペット・チップ4062が除去される。第2の対のピペット・アセンブリ4380が、シャトル4030の中央から離れる方向に移動している、シャトル4030の中の次の対のサンプル・コンテナ03に対して同一のプロセスを実施するために使用される。
【0081】
4つのサンプルが吸引され、ピペット・チップ4062の中に配設されると、多目的ロボット4350は、事前指定された消耗品引き出し4120へ移動し、サンプル移送プロセスの前に事前穿刺された抽出コンテナ4026の4×8グリッドの1つの列の中の4つのサンプルをディスペンスする。抽出コンテナ4026の中へのサンプルのディスペンシングに続いて、4つの使用済みのピペット・チップ4062が、チップ廃棄物シュート4210を通して排出される。特定のシャトル4030の中に含まれているコンテナ03のセット全体が抽出コンテナ4026へ移送されるまで、このプロセスは、シャトル4030の中の4つのサンプルの残りの2つのセット(第3のシャトルのケースでは、4つのうちの残りの1つのセット)に関して繰り返される。
【0082】
シャトル戻り
すべてのコンテナ03からのサンプルが上手く抽出コンテナ4026へ移送されると、シャトル4030は、事前分析システム10へ戻され得る。これに関して用意するために、シャトル保持アセンブリ4250の上のクランピング・メカニズム4252が解放され、シャトル4030の中のコンテナ03から係合部材4253を除去する。事前分析システム10とアナライザ4000との間の準備状態の交渉に続いて、シャトル保持アセンブリ4250は、プラットフォーム4255に沿って前方-後方方向に自分自身をシフトさせ、そのコンベヤ4254が、それ自身を、事前分析システム10の中のシャトル輸送アセンブリ300のサンプル戻りレーンと整合させるようになっている。保持アセンブリ4250が適切な位置になると、コンベヤ4254が使用され、アナライザ4000から外へシャトル4030を通し、事前分析システム10へ戻す。
【0083】
すべての3つのシャトル4030がアナライザ4000によって受け入れられ、それらのサンプルを抽出コンテナ4026へ移送させ、事前分析システム10へ戻すまで、これらのステップが繰り返される。そのポイントにおいて、サンプル移送ステージ4604は完了する。したがって、この実施形態では、32個のチップが消費され、アナライザ4000が抽出ステージ4606へ移動する。
【0084】
抽出
すべてのサンプルが抽出コンテナ4026へ移動させられると、アナライザ4000が抽出プロセス4606を始める。抽出の間に、DNAが、サンプルから溶出され、PCR増幅のための用意をするために隔離される。抽出ステージ4606は、多機能ロボット4300の上のピペット・アセンブリ4380a~e、および、抽出が実施されている特定の消耗品引き出し4120に内蔵されたエクストラクタを使用して行われる。
【0085】
ピペッタ使用法
アッセイ・ワークフローを実施するために必要とされるチップ4062の数を最小化するために、多機能ロボット4300は、5つのピペット・アセンブリ4380a~eを含む。これは、アナライザ4000がクリーンな試薬ディスペンスのために単一のピペット・アセンブリ4380を隔絶することを可能にし、それは、サンプルと接触させず、したがって、サンプルによってチップを汚染させない。この第5のピペッタ4380は、抽出プロトコルの中でのその使用を見出し、汚染されたチップ4062が廃棄される必要がある頻度を低減させる。
【0086】
抽出を開始させる前のあるポイントにおいて(十分なバルク液体試薬がトラフ4052の中に残されている場合には、以前のランの間に、または、問題のランのために準備をするときのいずれかにおいて)、試薬トラフ・アセンブリ4050は、穿刺ツール4240によって穿孔され、穿刺ツール4240は、チャネル4242を提供するために適切な場所に残され、チャネル4242を通して、試薬チップ4062は液体試薬を吸引することが可能である。穿刺ツール適用は、より詳細に上記に説明されているように、多機能ロボット4300のグリッパ4340によって実施される。
【0087】
エクストラクタ
サンプルから抽出されたDNAを隔離することを助けるために、それは、酸化鉄粒子に結合され、それは、それらの磁気的な捕獲を可能にする。これは、望まれないサンプルの残りの部分からDNAが隔離されることを可能にし、それは、トラフ・アセンブリ4050の中に位置する洗浄緩衝液を使用して、溶出液から離れるように洗浄され得る。この隔離を実施するために、磁界が抽出コンテナ4026に印加される。これは、エクストラクタ・モジュールの使用を通して実現され、エクストラクタ・モジュールは、抽出コンテナ4026のそれぞれの列が両方の側で磁石に隣接されることを確実にするのに十分な磁石を含む。そのような磁石は、抽出コンテナ4026の下方の位置から、そのようなコンテナに隣接する位置へ選択的に移動させられる。これは、磁界を印加し、磁界は、抽出コンテナ4026の側部に、結合されたDNAを捕獲する。
【0088】
抽出プロトコル
さまざまな緩衝液のシステマチックな追加、消耗品引き出しの中に収容されているエクストラクタ磁石の係合および係合解除、ならびに、チップ混合を通して、抽出が実現される。完全な抽出動作は、一般的に、サンプル1つ当たり2つのピペット・チップ4062の使用を必要とし、以下の順序で、酸緩衝液、洗浄緩衝液、溶出緩衝液、および中和緩衝液を使用する。アナライザ4000は、1度に4つのサンプルのセットを処理し、それは、ピペッタ4380のスペーシングによって可能とされる。開始するために、インスツルメントが、酸緩衝液、洗浄緩衝液、および溶出緩衝液を使用して、4つのサンプルのセットに関してDNAを抽出し、チップの単一のセットを使用してサンプル混合を実施し、そのポイントにおいて、中和緩衝液が追加され、そして、アナライザ4000は、4つのサンプルの次のセットへ移動する。DNAがすべてのサンプルから溶出されると、アナライザ4000は、4つのサンプルのそれぞれの列に関して、4つのチップ4062の第2のセットを使用し、中和混合を実施し(それぞれの混合の後にチップを廃棄する)、そのポイントにおいて、抽出されたDNAは、増幅の準備ができており、インスツルメントが、事前増幅ステージ4608へ移動する。
【0089】
事前増幅
DNA抽出が終了すると事前増幅ステージ4608が起こり、それは、抽出されたDNAを抽出コンテナ4026の中に残すこと、増幅プレート4040の中のマスタ混合試薬を再水和するためにそれを使用すること、PCRのために増幅プレート4040を用意すること、および、プレート4040を適当なリーダ4260へ移動させることを担当する。このプロセスは、多機能ロボット4300(ピペッタ4380およびグリッパ4340の両方)、プレート・シーラ4220、およびオービタル・ミキサ4230の使用を通して実現される。
【0090】
溶出液移送
溶出されたDNAを抽出コンテナ4026から増幅プレート4040へ移動させるために、アナライザ4000は、それぞれのサンプルに関して、隔絶/確保させられたピペット・チップを使用する。32個のDNAサンプルのそれぞれが、増幅プレート4040の中の3つのウェル4042の中へ移送される。これは、トリプル・ディスペンスを通して達成され、すべての3つのディスペンスに関して十分なサンプルが、4つのサンプル・ピペッタ4380を使用して、1度に4つの抽出コンテナ4026から吸引される。吸引に続いて、ロボット4300は、増幅プレート4040の上方に移動し、それぞれのサンプルによって充填されている3つのウェル4042のそれぞれの中へ順次ディスペンスする。このディスペンスに続いて、3つの(所定の)ウェル4042が、中和されたDNA溶出液によってそれぞれ充填される。次いで、使用済みのチップ4062は、廃棄物4210の中へ落とされ、プロセスが、4つの抽出コンテナ4020の残りの7つの列に関して繰り返される。
【0091】
プレート・シーリング
溶出されたDNAが増幅プレート4040の中へ移送されると、プレート4040は、プレート・シーラ4220へ移動させられ、プレート・シーラ4220において、プレート4040が封止される。プレート4040を輸送するために、ロボット4300は、グリッパ・メカニズム4340が増幅プレート4040の上に覆いかぶさるように位置決めされる。グリッパ・アーム4344a~bが開かれ、グリッパ4340が下降させられ、アーム4344a~bが閉じ、プレート4040に係合する。グリッパ・アーム4344a~bの中のセンサは、グリッパの歯がプレート4040に係合したときを示す。
【0092】
係合されると、プレート4040は、ロボット4300によってリフトされ、プレート・シーラ4220へ輸送される。プレート4040は、シーラ4220の待機ステージ4224の中に正確に置かれ、アーム4344a~bが係合解除し、グリッパ4340が垂直方向にクリアされる。プレート・シールを適用するために、シーラ4220は、加熱されたプラテンの下に増幅プレート4040を位置決めし、カットされたシール材料のセクションをプレート4040の上方に給送し、プラテンを下降させ、シール材料をプレート4040に結合させるために熱および圧力を使用する。封止した後に、ステージ4224は排出され、プレート4040は輸送のために利用可能である。
【0093】
プレート・ミキシング
プレート4040が封止されると、増幅プレート4040の中のマスタ混合ドライダウン試薬の再水和が実施される。再度、ロボット4300のプレート・グリッパ・モジュール4340は、プレート4040に係合してリフトし、事前選択されたオービタル・ミキサ4230へそれを輸送する。プレート4040がミキサ4230の中に設置されると、グリッパ・アームは、プレートを適切な場所にロックするように係合する。再水和を完了させるために、プレート4040は、所定の速度でスピンさせられ、それは、プレート・シールの上への液体の飛び散りを回避しながら、溶出液およびドライダウン試薬の完全な混合を確実にする。
【0094】
リーダへの移送
プレート4040がPCR増幅のために完全に処理されると、それは、増幅のためにリーダ4260の中へ輸送される。プレート4040を受け入れるようにリーダ4260を準備するために、リーダ・キャビティが開けられ、リーダの中に保持されている任意のプレート4040が、ロボット4300の上のプレート移送モジュール4320を使用して、廃棄物4004へ移動させられる。次いで、ロボット4300は、解放されたプレート4040をミキサ4230から回収し、事前選択されたリーダ4260へそれを移動させる。プレート4040がリーダ4260の中に設置されると、増幅および検出が始まることが可能である。
【0095】
増幅および検出
プレート4040がリーダ4260の中に設置されると、アナライザ制御ソフトウェアは、プロセッサ4412を介して、PCRプロトコルを開始させ、それは、リーダ4260が適切な場所でサンプルを増幅させること、そのリアルタイムの増幅をモニタリングすること、および、曲線データを戻すことを可能にし、曲線データは、分子アッセイ・ターゲットのそれぞれに関する結果に変換され得、そして、HPVの検出およびジェノタイピングを可能にする。
【0096】
アッセイ・タイミング
PCRプロトコルは、完了するために開始後におおよそ2時間かかる。スループットを最大化するために、アナライザ4000は、抽出プロセス(約1時間)および増幅/検出(約2時間)プロセスの差を活用する。サンプルがリーダ4260の中に設置され、増幅および検出ステージ4610が始まると、サンプルの第2のセットが、プロセスを通して移動し始めることが可能である。これらのサンプルは、第2のリーダ4260bの中へ給送されることとなり、第1のリーダ4260aの中のプロトコルが開始しておおよそ1時間後に、PCRを開始する。次いで、サンプルの第3のセットが、抽出プロセスを通して移動させられ得、PCRのために第1のリーダ4260aの中に設置されることを時間内に終了させ、それは、その第1の増幅を最近終了させたところである。2つのリーダ4260a~bの間でサンプルを変更することによって、抽出プロセスを通して移動させられるサンプルの数を最大化することが可能である。
【0097】
複数の消耗品が、ユーザによって、ランごとまたは日ごとのいずれかのベースでロードされ、完全なアッセイ・スループットを確実にする。1つの実施形態では、アナライザ4000の中の消耗品引き出し4100は、プラットフォームを提供し、プラットフォームの上で、サンプル03が処理され、DNAが抽出される。これらのそれぞれは、1度に1つずつ使用され、任意のポイントにおいて、いくつかが使用中ではない(そして、ロードされた状態または消費された状態のいずれかになっている)ことを意味している。アナライザ4000が、そのメモリ4414の中の命令4416を介してセットアップされ、ユーザがアナライザ4000の内部エンベロープにアクセスすることおよびロボット4300の移動を休止させることを必要とすることなく、これらの引き出し4100が排出およびアクセスされ得るようになっている。任意の時点において、それぞれの引き出し4110、4120の上の視覚的インジケータ(たとえば、色付きのLED)が、その状態(使用の準備ができている、使用中、使用済み)を示す。ユーザは、任意の時点において現在使用中ではないすべての引き出し4100にアクセスすることが可能であり、すべての使用済みの引き出しが、ユーザの都合の良いときに補充され得るようになっている。
【0098】
それぞれの引き出し4120が排出されるときに、ユーザは、使用済みの増幅コンテナ・ホルダ4020および空になったチップ・ホルダ4060を除去および交換する。また、ユーザは、未使用の増幅プレート4040を引き出し4120に追加する。引き出し4120が再挿入されると、インスツルメントは、その特定の引き出し4120の在庫を再び調べ、ローディング・エラーをチェックし、その内部在庫を更新し、抽出の準備ができているとして引き出しにフラグを立てる。
【0099】
抽出トラフ再ローディング
抽出トラフ・アセンブリ4050は、約18個の抽出に関して十分な液体試薬を含みており、それは、最大スループットにおいて完全な24時間の期間にわたって持ちこたえるのに十分である。特定の日に関してどれくらい多くのスループットが必要とされ得るかは未知である可能性があるので、1つの大きいトラフ・アセンブリではなく、2つの試薬トラフ・アセンブリ4050が、デッキの上に位置している。これは、第2のトラフを使用する前にそれぞれのトラフが完全に消費されることを可能にし、廃棄物を最小化する。そのようなトラフは24時間の期間に持ちこたえることが可能であるので、そのようなトラフ4050は、典型的に、毎日のクリーニング・プロトコルの間に再ロードされる。動作の間に、アナライザ4000は、体積をモニタリングし、存在する場合には、どのトラフ4050が交換される必要があり得ることを、ユーザに示す。
【0100】
本明細書で説明されているものの1つの例は、自動化されたアナライザであり、自動化されたアナライザは、i)シャトル移送ステーションを含む処理デッキであって、シャトル移送ステーションは、自動化されたアナライザによって受け入れられたシャトルをシャトル移送ステーションへ運搬するためのコンベヤをさらに含み、シャトルは、複数の受容部を含むラックであり、それぞれの受容部は、サンプル・コンテナを受け入れるように適合されている、処理デッキと、ii)処理デッキの上に配設されている少なくとも1つの穿刺ツールのためのキャリアと、iii)グリッパを含むロボットと、iv)消耗品試薬トラフを受け入れるように構成されているステーションとを有する。この例では、ロボットは、グリッパを使用して、キャリアから、消耗品試薬トラフを受け入れるステーションへ、穿刺ツールを移動させ、また、消耗品試薬トラフを受け入れるように構成されたステーションの上方に穿刺ツールを下降させる。1つの例では、ロボットは、多目的ロボットであり、多目的ロボットは、i)ガントリと、ii)ガントリに可動式に接続されているペイロードとを有しており、ペイロードは、グリッパと、それぞれピペット・チップに接続可能な複数のピペット・ヘッドを有するピペッタ・モジュールとを担持している。グリッパは、物品を把握および解放するために協働的な水平方向移動を行うことができる複数の可動アームを有している。また、ロボットは、バックプレーン・コネクタを有しており、バックプレーン・コネクタは、ハウジングと、ハウジングに連結されている複数のユーティリティ・コネクタを有している。この例では、ピペッタ・モジュールおよびグリッパは、バックプレーン・コネクタのハウジング、および、その複数のユーティリティ・コネクタにそれぞれ接続されている。
【0101】
上記の穿刺ツール・キャリアは、穿刺ツールを受け入れるように寸法決めされているキャビティを画定するハウジングと、ハウジングに可動式に接続されている複数の保持部材とを有している。複数の保持部材は、第1の位置から第2の位置へ可動であり、第1の位置では、保持部材が、穿刺ツール・キャリアの中に存在しているときの穿刺ツールに係合しており、第2の位置では、保持部材が穿刺ツールから係合解除されており、穿刺ツールがキャリアの中に設置されることおよびキャリアから除去されることを可能にする。1つの例では、穿刺ツール・キャリアは、ハウジングのベースから延在する複数のポストを含む。ポストは、ベースからポストの遠位端部においてテーパ付きになっていることが可能である。
【0102】
1つの例では、グリッパは、少なくとも2つのグリッパ・アームを有している。少なくとも2つのグリッパ・アームのそれぞれは、それに取り付けられたグリッパ・フィンガを有しており、グリッパ・アームは、互いに対して水平方向に移動し、第1の位置において、グリッパ・アームが、第2の位置において水平方向に間隔を離して配置される距離よりも大きい水平方向距離だけ、間隔を離して配置されるようになっている。さらなる例では、グリッパは、少なくとも2つの保持部材を有している。たとえば、少なくとも2つの保持部材のそれぞれが、互いに対して水平方向に移動し、第1の位置において、保持部材が、第2の位置において水平方向に間隔を離して配置される距離よりも大きい水平方向距離だけ、間隔を離して配置されるようになっている。
【0103】
さらなる例では、少なくとも2つのグリッパ・フィンガ、および/または、少なくとも2つの保持部材は、突出部をそれぞれ有している。1つの例では、グリッパがキャリアの中へ設置されているときに、グリッパ・フィンガは、グリッパ・フィンガが第1の位置にあるときに、保持部材に係合し、保持部材に対して付勢されており、また、第2の位置にあるときには、保持部材に係合していない。
【0104】
1つの例では、穿刺ツールは、ツール本体部と、ツール本体部から延在する複数のカニューレ状の穿刺部材とを有しており、カニューレ状の穿刺部材は、開口部をそれぞれ画定しており、開口部は、ツール本体部を通って延在しており、また、ピペット・チップがそれを通過することを可能にするようにそれぞれサイズ決めされており、それぞれのカニューレ状の穿刺部材は、また、貫通可能な蓋を貫通するように構成された縁部を画定している。穿刺ツールは、穿刺ツールがキャリアの中に設置されているときにポストを受け入れるように構成されている開口部を含む。
【0105】
さらなる例では、シャトル移送ステーションは、シャトル・保持・プラットフォームを有しており、シャトル・保持・プラットフォームは、開位置および閉位置を有するジョー・アセンブリを含み、ジョー・アセンブリは、シャトルがシャトル・保持・プラットフォームの中に受け入れられているときに、開位置にある。また、ジョー・アセンブリは、係合突出部を有している。ジョー・アセンブリが閉位置にあるときに、係合突出部は、シャトルによって運搬されているコンテナの下側部分に対抗して固着する。ジョー・アセンブリは、ジョーが閉位置になっているときに、シャトル・保持・プラットフォームによって受け入れられているシャトルの側部の中の開口部を係合突出部が通過するように構成されており、それによって、シャトルの中に配設されているサンプル・コンテナの下側部分と接触するように係合突出部を促す。係合突出部は、ジョーが開位置になっているときに、シャトル開口部の中へ延在しない。さらなる例では、ジョー・アセンブリは、ドリップ・シールドを有しており、ドリップ・シールドは、ジョーが閉位置になっているときに、シャトルの中に配設されているサンプル・コンテナの周りで締まる。さらなる例では、シャトル・保持・プラットフォームは、入力レーンおよび出力レーンを有しており、シャトル・保持・プラットフォームは、出力レーンの中にシャトルを受け入れ、シャトル・保持・プラットフォームは、ドライバーを装備しており、ドライバーは、シャトルをその中に備えたジョー・アセンブリを出力ベルトから入力ベルトへ移動させる。
【0106】
また、本明細書で説明されているのは、i)開口部のアレイを含む底部トレイと、ii)開口部のアレイを有する上部トレイと、を備えた抽出コンテナ・ホルダ・アセンブリである。底部トレイおよび上部トレイが一緒に組み立てられるときに、底部開口部は、上部開口部と整合する。アセンブリは、ストリップとして一緒に接合された抽出チューブのアレイを含む。抽出チューブのストリップが底部トレイと組み立てられるときに、抽出チューブは、底部トレイの中の開口部を通ってフィットし、ストリップは、チューブが開口部を通過することを防止し、ストリップが底部トレイの上部に置かれるようになっている。1つの例では、ストリップの上方に配設されている層と、ストリップによって支持されている抽出チューブのアレイが存在しており、抽出チューブの上方に形成された層は、シールであり、シールは、穿孔可能なシールである。さらなる例では、底部トレイは、上向きの側壁部を有しており、上部トレイが底部トレイと組み立てられるときに、上部トレイは、底部トレイの上向きの側壁部の閉鎖的空間の中にフィットする。アセンブリの上部トレイは、サポート・リブを有することが可能であり、サポート・リブは、底部トレイによって支持されているストリップに直交する方向に、上部トレイの上に位置決めされている。上部トレイおよび底部トレイがそれらの間にストリップを備えた状態で一緒に組み立てられるときに、抽出チューブの上方のシールが、上部トレイの中の開口部を通して露出される。さらなる例では、バーコードが、上部トレイの上に設置されており、バーコードに関連付けられる情報は、抽出チューブの製造ロット、抽出チューブの有効期限、または、抽出チューブのシリアル番号のうちの少なくとも1つを含む。さらなる例では、底部トレイは、その上の上向きに延在する側壁部の上に特徴部を有しており、特徴部は、抽出コンテナ・アセンブリを収容するための引き出しの中の対応する特徴部に係合し、引き出しの中の抽出チューブ・コンテナ・アセンブリの干渉を提供する。
【0107】
また、本明細書で説明されているのは、穿刺ツール・アセンブリであり、穿刺ツール・アセンブリは、i)ツール本体部、および、ツール本体部から延在する複数のカニューレ状の穿刺部材を含む穿刺ツールであって、カニューレ状の穿刺部材は、開口部をそれぞれ画定しており、開口部は、ツール本体部を通って延在しており、また、ピペット・チップがそれを通過することを可能にするようにそれぞれサイズ決めされており、それぞれのカニューレ状の穿刺部材は、また、貫通可能な蓋を貫通するように構成された縁部を画定しており、トラフのそれぞれは、それぞれのカニューレ状の穿刺部材によって貫通される前に、貫通可能な蓋によってカバーされている、穿刺ツールと、ii)穿刺ツールを受け入れるように寸法決めされているキャビティを画定するハウジング、および、ハウジングに可動式に接続されている複数の保持部材を有する穿刺ツール・キャリアであって、複数の保持部材は、第1の位置から第2の位置へ可動であり、第1の位置では、保持部材が穿刺ツールに係合しており、第2の位置では、保持部材が穿刺ツールから係合解除されている、穿刺ツール・キャリアとを有している。穿刺ツール・キャリアは、ハウジングのベースから延在する複数のポストを有することが可能である。ポストは、ベースからポストの遠位端部においてテーパ付きになっていることが可能である。
【0108】
また、本明細書で説明されているのは、多目的ロボットであり、多目的ロボットは、i)ガントリと、ii)ガントリに可動式に接続されているペイロードとを有している。ペイロードは、i)それぞれピペット・チップに接続可能な複数のピペット・ヘッドを有するピペッタ・モジュールと、ii)消耗品アイテムを把持するための複数の可動アームを有するグリッパ・モジュールと、iii)ハウジング、および、ハウジングに連結されている複数のユーティリティ・コネクタを有する、バックプレーン・コネクタであって、ユーティリティ・コネクタは、パワー、データ、または真空圧力のうちの少なくとも1つを、ペイロードに供給するように構成されている、バックプレーン・コネクタとを有しており、ピペッタ・モジュールおよびグリッパ・モジュールは、バックプレーン・コネクタのハウジング、および、その複数のユーティリティ・コネクタにそれぞれ接続されている。1つの例では、グリッパは、少なくとも2つのグリッパ・アームを有しており、少なくとも2つのグリッパ・アームのそれぞれは、それに取り付けられたグリッパ・フィンガを有している。グリッパ・アームは、互いに対して水平方向に移動し、第1の位置において、グリッパ・アームが、第2の位置において水平方向に間隔を離して配置される距離よりも大きい水平方向距離だけ、間隔を離して配置されるようになっている。グリッパは、複数の保持部材を有することが可能である。この例では、少なくとも2つの保持部材は、互いに対して水平方向に移動し、第1の位置において、保持部材が、第2の位置において水平方向に間隔を離して配置される距離よりも大きい水平方向距離だけ、間隔を離して配置されるようになっている。さらなる例では、少なくとも2つのグリッパ・フィンガ、および/または、少なくとも2つの保持部材は、突出部をそれぞれ有している。
【0109】
また、説明されているのは、自動化されたアナライザの中のアッセイのための試薬を取得する方法であり、その方法において、以下のステップ、すなわち、i)ロボット・ペイロードを穿刺ツール・キャリアへ移動させるステップであって、穿刺ツール・キャリアの中に穿刺ツールが配設されており、ロボット・ペイロードは、ピペッタ・モジュールおよびグリッパ・モジュールを担持しており、グリッパ・モジュールは、少なくとも2つのグリッパ・アームを含み、それぞれのグリッパ・アームは、保持部材およびフィンガを含む、ステップと、ii)グリッパ・アームを第1の位置から第2の位置へ移動させることによって、グリッパ・アームの保持部材からの突出部を、穿刺ツールの対応するリンキング部材と係合させるステップと、iii)穿刺ツールを担持するロボットを第2の場所における液体コンテナへ移動させるステップであって、液体コンテナは、液体試薬を含む複数のコンパートメントをカバーする1つまたは複数の貫通可能な蓋を有している、ステップと、iv)穿刺ツールを液体コンテナの上に下降させるステップであって、穿刺ツールから延在するカニューレ状の穿刺部材が、液体コンテナの1つまたは複数の蓋を貫通するようになっており、また、それぞれのカニューレ状の穿刺部材が、液体コンテナの異なるコンパートメントに進入するようになっている、ステップと、v)突出部が穿刺ツールのリンキング部材から撤退するように、グリッパ・アームを内向きにおよびより近くに一緒に並進させることによって、ロボットから穿刺ツールを解放するステップと、vi)カニューレ状の穿刺部材のうちの少なくとも1つを通して、穿刺部材によって貫通されたコンパートメントの中に配設されている液体試薬と接触するように、ピペッタ・モジュールのピペット・チップを導入するステップと、vii)コンパートメントから液体試薬を吸引するステップと、viii)分析のためにサンプルを受け入れるように適合されているチューブへ液体試薬を移送するステップとが実施される。その方法では、それぞれのカニューレ状の穿刺部材を通して、それぞれの穿刺部材によって穿刺されたコンパートメントの中の液体試薬と接触するように、それぞれのピペット・チップが導入され得る。
【0110】
分析のためにサンプルを取得するための別の例示的な方法において、そのような方法は、i)1つまたは複数のサンプル・コンテナを担持する第1のシャトルを、サンプル・アナライザの中へ、および、シャトル・保持・メカニズムの中へ搬送するステップであって、シャトル・保持・メカニズムは、その中に搬送されるシャトルの側部に沿って配設された対向するアームを有している、ステップと、ii)対向するアームを第1の位置から第2の位置へ移動させるステップであって、第1の位置では、シャトルが受け入れられ、第2の位置では、それぞれの対向するアームから延在する係合部材が、シャトルの中に配設されているそれぞれのサンプル・コンテナの底部部分に係合しており、係合部材は、第2の位置にあるときに、シャトルの中の開口部を通って延在するようになっている、ステップと、iii)コンテナのサンプル・キャップを通してピペット・チップを下降させ、それによって、キャップの中のシールを穿孔するステップであって、ピペット・チップは、サンプル・コンテナの中に配設されているサンプルの中へ延在している、ステップと、iv)ピペッタによって第1のシャトルのサンプル・コンテナからサンプルを吸引するステップと、v)サンプル・コンテナからピペット・チップを引き出すステップであって、係合部材は、ピペットが引き出されるときに、それぞれのサンプル・コンテナの底部部分と係合されているままになっている、ステップと、vi)対向するアームを第2の位置から第1の位置へ移動させて戻すステップと、vii)第1の方向の反対側の第2の方向に、シャトル・保持・メカニズムから離れるように、第1のシャトルを搬送するステップとを含む。そのような方法では、以下の追加的なステップ、すなわち、viii)第1のレーンから第2のレーンへ水平方向にシャトルを移動させるステップであって、第1のレーンを通して、シャトルが、シャトル・保持・メカニズムの中へ前進させられ、第2のレーンを通して、シャトルが、アナライザから外へ搬送される、ステップが実施され得る。
【0111】
本明細書では、本発明が特定の実施形態を参照して説明されてきたが、これらの実施形態は、単に、本発明の原理および用途の例示目的のものに過ぎないことが理解されるべきである。したがって、例示目的の実施形態に対して多数の修正が行われ得ること、ならびに、添付の特許請求の範囲によって定義されているような本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、他の配置も考案され得ることが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8A
図8B
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B
図10C
図10D
図10E
図10F
図11A
図11B
図11C
図11D
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図11F
図11G
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図13A
図13B
図14
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図16