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特許7473693次世代ネットワークを介した360度ビデオ配信
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】次世代ネットワークを介した360度ビデオ配信
(51)【国際特許分類】
   H04N 21/239 20110101AFI20240416BHJP
   H04N 21/658 20110101ALI20240416BHJP
【FI】
H04N21/239
H04N21/658
【請求項の数】 22
(21)【出願番号】P 2023000230
(22)【出願日】2023-01-04
(62)【分割の表示】P 2021144678の分割
【原出願日】2018-06-01
(65)【公開番号】P2023030191
(43)【公開日】2023-03-07
【審査請求日】2023-02-03
(31)【優先権主張番号】62/514,405
(32)【優先日】2017-06-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514041959
【氏名又は名称】ヴィド スケール インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨン・ヘ
(72)【発明者】
【氏名】ヤン・イェ
【審査官】鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-222954(JP,A)
【文献】特開2016-105593(JP,A)
【文献】特開2016-165105(JP,A)
【文献】特開2004-048546(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0084073(US,A1)
【文献】特表2018-534661(JP,A)
【文献】特開2016-025633(JP,A)
【文献】Information Technology-Dynamic adaptive streaming over HTTP(DASH)-Part5:Server and network assisted,ISO/IEC JTC 1/SC29/WG 11,ISO/IEC FDIS 23009-5:2015(E),2015年02月19日,pp.i-vi,1-24
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00-21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予期される要求メッセージをストリーミングクライアントから受信するように構成されるプロセッサーを備えたネットワークデバイスであって、
前記予期される要求メッセージは、ビデオストリームの第1のセグメントに対する第1の予期される要求および前記ビデオストリームの第2のセグメントに対する第2の予期される要求を含み、
前記第1のセグメントに対する前記第1の予期される要求は、第1のリプレゼンテーションの第1のソースURL(Uniform Resource Locator)、第1の範囲、および第1の目標時間を含み、前記第2のセグメントに対する前記第2の予期される要求は、第2のリプレゼンテーションの第2のソースURL、第2の範囲、および第2の目標時間を含み、
前記第1の予期される要求および前記第2の予期される要求は、降順の相対優先順序で配置される、
ネットワークデバイス。
【請求項2】
前記プロセッサーは、前記第1のセグメントまたは前記第2のセグメントに関連付けられる受け入れ可能な代替の順序付けられたリストを少なくとも含むacceptedalternativesメッセージを受信するようにさらに構成され、前記受け入れ可能な代替の順序付けられたリストは好ましい代替をまずリストし、前記受け入れ可能な代替の1つは、前記受け入れ可能な代替に関連付けられる代替のURLを含む、請求項1のネットワークデバイス。
【請求項3】
前記プロセッサーは、deliveredalternativeメッセージを送信するように構成され、前記deliveredalternativeメッセージは、前記acceptedalternativesメッセージに応答して送信され、前記deliveredalternativeメッセージは、前記第1のセグメントの代わりに第1の代替セグメントを示し、前記deliveredalternativeメッセージは、initial URLおよびcontentlocation URLを含む、請求項2のネットワークデバイス。
【請求項4】
前記initial URLは、前記第1のリプレゼンテーションの第1のURLであり、前記contentlocation URLは、実際に配信されたコンテンツのURLである、請求項3のネットワークデバイス。
【請求項5】
前記プロセッサーは、前記ストリーミングクライアントにおいて利用可能になる前記第1のセグメントまたは前記第2のセグメントに関連付けられる絶対最終期限を含むabsolutedeadlineメッセージを受信するようにさらに構成される、請求項1のネットワークデバイス。
【請求項6】
前記絶対最終期限は、前記第1のセグメントまたは前記第2のセグメントが前記ストリーミングクライアントによって利用可能になることが期待される日時である、請求項5のネットワークデバイス。
【請求項7】
前記ネットワークデバイスは、DANE(DASH(Dynamic Adaptive Streaming over HTTP) aware network element)であり、前記ストリーミングクライアントは、DASHクライアントである、請求項1のネットワークデバイス。
【請求項8】
前記第1のリプレゼンテーションの前記第1のセグメントに関連付けられる第1の優先度または前記第2のリプレゼンテーションの前記第2のセグメントに関連付けられる第2の優先度は、時間優先、品質優先、またはビューポートに関するロケーションのうちの1つまたは複数に基づいており、前記ビューポートは360度ビデオストリームに関連付けられる、請求項1のネットワークデバイス。
【請求項9】
前記第1の範囲または前記第2の範囲が、第1のURLまたは第2のURLによってそれぞれ参照されるコンテンツの一部であるとき、前記第1の範囲または前記第2の範囲は、バイト範囲指定である、請求項1のネットワークデバイス。
【請求項10】
前記第1の目標時間または前記第2の目標時間は、前記ストリーミングクライアントが第1のURLまたは第2のURLによって識別されるリソースを要求することを期待する時間の表示である、請求項1のネットワークデバイス。
【請求項11】
前記ビデオストリームは、1つまたは複数のタイルに区分される時間フレームを少なくとも含み、前記第1のリプレゼンテーションの前記第1のセグメントは、第1の時間フレームの第1のタイルであり、前記第2のリプレゼンテーションの前記第2のセグメントは、第2の時間フレームの第2のタイルである、請求項1のネットワークデバイス。
【請求項12】
動的適応型HTTPストリーミング(DASH)を使用するネットワークデバイスによって実行される方法であって、前記方法は、
予期される要求メッセージをストリーミングクライアントから受信すること
を含み、
前記予期される要求メッセージは、ビデオストリームの第1のセグメントに対する第1の予期される要求および前記ビデオストリームの第2のセグメントに対する第2の予期される要求を含み、
前記第1のセグメントに対する前記第1の予期される要求は、第1のリプレゼンテーションの第1のソースURL(Uniform Resource Locator)、第1の範囲、および第1の目標時間を含み、前記第2のセグメントに対する前記第2の予期される要求は、第2のリプレゼンテーションの第2のソースURL、第2の範囲、および第2の目標時間を含み、
前記第1の予期される要求および前記第2の予期される要求は、降順の相対優先順序で配置される、
方法。
【請求項13】
前記第1のセグメントまたは前記第2のセグメントに関連付けられる受け入れ可能な代替の順序付けられたリストを少なくとも含むacceptedalternativesメッセージを受信するようにさらに構成され、前記受け入れ可能な代替の順序付けられたリストは好ましい代替をまずリストし、前記受け入れ可能な代替の1つは、前記受け入れ可能な代替に関連付けられる代替のURLを含む、請求項12の方法。
【請求項14】
前記acceptedalternativesメッセージに応答して、deliveredalternativeメッセージを送信することをさらに含み、前記deliveredalternativeメッセージは、前記第1のセグメントの代わりに第1の代替セグメントを示し、前記deliveredalternativeメッセージは、initial URLおよびcontentlocation URLを含む、請求項13の方法。
【請求項15】
前記initial URLは、前記第1のリプレゼンテーションの第1のURLであり、前記contentlocation URLは、実際に配信されたコンテンツのURLである、請求項14の方法。
【請求項16】
前記ストリーミングクライアントにおいて利用可能になる前記第1のセグメントまたは前記第2のセグメントに関連付けられる絶対最終期限を含むabsolutedeadlineメッセージを受信することをさらに含む、請求項12の方法。
【請求項17】
前記絶対最終期限は、前記第1のセグメントまたは前記第2のセグメントが前記ストリーミングクライアントによって利用可能になることが期待される日時である、請求項16の方法。
【請求項18】
前記ネットワークデバイスは、DANE(DASH aware network element)であり、前記ストリーミングクライアントは、DASHクライアントである、請求項12の方法。
【請求項19】
前記第1のリプレゼンテーションの前記第1のセグメントに関連付けられる第1の優先度または前記第2のリプレゼンテーションの前記第2のセグメントに関連付けられる第2の優先度は、時間優先、品質優先、またはビューポートに関するロケーションのうちの1つまたは複数に基づいており、前記ビューポートは360度ビデオストリームに関連付けられる、請求項13の方法。
【請求項20】
前記第1の範囲または前記第2の範囲が、第1のURLまたは第2のURLによってそれぞれ参照されるコンテンツの一部であるとき、前記第1の範囲または前記第2の範囲は、バイト範囲指定である、請求項13の方法。
【請求項21】
前記第1の目標時間または前記第2の目標時間は、前記ストリーミングクライアントが第1のURLまたは第2のURLによって識別されるリソースを要求することを期待する時間の表示である、請求項13の方法。
【請求項22】
前記ビデオストリームは、1つまたは複数のタイルに区分される時間フレームを少なくとも含み、前記第1のリプレゼンテーションの前記第1のセグメントは、第1の時間フレームの第1のタイルであり、前記第2のリプレゼンテーションの前記第2のセグメントは、第2の時間フレームの第2のタイルである、請求項13の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年6月2日に出願された米国仮特許出願第62/514,405号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
360度ビデオは、メディア業界に出現した急速に成長しているフォーマットである。360度ビデオは、バーチャルリアリティ(VR)デバイスの、増大する利用可能性によって可能にされる。360度ビデオは、閲覧者に新しい臨場感を提供し得る。直線的なビデオ(たとえば、2Dまたは3D)と比較して、360度ビデオは、ビデオ処理および/または配信に対して困難な工学的挑戦課題を提示し得る。快適さおよび/または没入型のユーザエクスペリエンスを可能にすることは、高ビデオ品質および/または極めて低いレイテンシを必要とし得る。大きいビデオサイズの360度ビデオは、大規模に品質に留意して360度ビデオを配信するのに障害となり得る。
【発明の概要】
【0003】
360度ビデオストリーミングのためのシステム、方法、および手段が開示される。(たとえば、ワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)などの)ビデオストリーミングデバイスは、ネットワークノードから360度ビデオストリームを受信し得る。ネットワークノードは、ネットワークアタッチメントポイント(NAP;network attachment point)であり得る。ビデオストリーミングデバイスは、ビデオストリーミングデバイスおよび/または360度ビデオストリームに関連するビューポートを決定し得る。ビューポートは、ビデオストリーミングデバイスのユーザーに提示されている360度ビデオストリームの空間領域であり得る。ビューポートは、ビデオストリーミングデバイスの向きに基づいて決定され得る。ビデオストリーミングデバイスは、360度ビデオストリームの第1のセグメントと360度ビデオストリームの第2のセグメントとを事前に要求することを(たとえば、ビューポートに基づいて)決定し得る。360度ビデオストリームは、2つ以上の時間フレーム(temporal frame)を含み得る。360度ビデオストリームの時間フレームの各々は、複数のタイルに区分され得る。第1のセグメントは、360度ビデオストリームの2つ以上の時間フレームのうちのフレームの第1のタイルであり得る。第2のセグメントは、360度ビデオストリームの2つ以上の時間フレームのうちのフレームの第2のタイルであり得る。
【0004】
ビデオストリーミングデバイスは、第1のセグメントと第2のセグメントとのための相対優先順序を決定し得る。相対優先順序は、たとえば、時間優先(time preference)、品質優先(quality preference)、および/またはビューポートに関するロケーションに基づいて第1のセグメントのための第1の優先度と第2のセグメントのための第2の優先度とを決定することによって決定され得る。ビデオストリーミングデバイスは、予期される要求メッセージを生成し得る。予期される要求メッセージは、たとえば、決定された相対優先順序に基づいて降順の相対的優先度で(in decreasing relative priority)第1のセグメントと第2のセグメントとをリストすることによって決定された相対優先順序を示し得る。ビデオストリーミングデバイスは、ネットワークノードに予期される要求メッセージを送り得る。
【0005】
ネットワークノードは、第1のビデオストリーミングデバイスから、第1の相対優先順序で第1の複数のセグメントを示す第1の予期される要求メッセージを受信し得る。ネットワークノードは、第2のビデオストリーミングデバイスから、第2の相対優先順序で第2の複数のセグメントを示す第2の予期される要求メッセージを受信し得る。ネットワークノードは、NAPであり得る。ネットワークノードは、(たとえば、第1の相対優先順序に基づいて)第1の複数のセグメントの各々に関連する優先度を決定し、(たとえば、第2の相対優先順序に基づいて)第2の複数のセグメントの各々に関連する優先度を決定し得る。ネットワークノードは、第1の予期される要求メッセージと第2の予期される要求メッセージとによって示された共通セグメントを同じ優先度を有するものとして識別し得る。ネットワークノードは、サーバーに、共通セグメントについての要求を送り得る。ネットワークノードは、共通セグメントを受信し得、第1のビデオストリーミングデバイスと第2のビデオストリーミングデバイスとに共通セグメントをマルチキャストし得る。たとえば、ネットワークノードは、共通セグメントがタイムウインドウ(time window)内で同じ優先度を有する同じビデオセグメントを表すと決定し得る。ネットワークノードは、サーバーに共通セグメントを要求することを決定し得る。ネットワークノードは、第1のビデオストリーミングデバイスと第2のビデオストリーミングデバイスとに異なる優先度を有するものとして示されたセグメントをユニキャストし得る。
【0006】
ネットワークノードは、第1の複数のセグメントと第2の複数のセグメントとの間でセグメントが共通であると決定し得る。たとえば、ネットワークノードは、第1の予期される要求メッセージと第2の予期される要求メッセージとの中に共通セグメントが示されると決定し得る。共通セグメントは、タイムウインドウ内の同じビデオセグメントを表し得る。ネットワークノードは、第1の予期される要求メッセージによって(たとえば、それに基づいて)示される共通セグメントのための第1の優先度値と第2の予期される要求メッセージによって(たとえば、それに基づいて)示される共通セグメントのための第2の優先度値とを決定し得る。ネットワークノードは、たとえば、サーバーに共通セグメントについての要求を送り得る。ネットワークノードは、たとえば、サーバーから共通セグメントを受信し得る。第1の優先度値と第2の優先度値とが同じであるという条件で、ネットワークノードは、第1のビデオストリーミングデバイスと第2のビデオストリーミングデバイスとに共通セグメントをマルチキャストし得る。第1の優先度値と第2の優先度値とが異なるという条件で、ネットワークノードは、第1のビデオストリーミングデバイスと第2のビデオストリーミングデバイスとに共通セグメントをユニキャストし得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】360度ビデオのための例示的な正距円筒図法(ERP:equirectangular projection)を示す図である。
図2】ヘッドマウント式デバイス(HMD)上に表示される360度ビデオの例示的な一部分を示す図である。
図3】ERPフォーマットでの360度ビデオの例示的な処理および配信を示す図である。
図4】360度ビデオを処理し、配信するための例示的な単一ストリームビューポート適応アプローチを示す図である。
図5】360度ビデオを処理し、配信するための例示的なタイルベースのビューポート適応アプローチを示す図である。
図6】360度ビデオを処理し、配信するための例示的なレイヤベースのビューポート適応アプローチを示す図である。
図7】インターネットプロトコル(IP)ユニキャストアプローチの一例を示す図である。
図8】情報指向ネットワーキング(ICN)アプローチの一例を示す図である。
図9】例示的なMPD(media presentation description)階層データモデルを示す図である。
図10】DASHサーバープッシュを使用したビデオストリーミングの例示的なワークフローを示す図である。
図11】例示的なタイルベースの360度ビデオハイパーテキスト転送プロトコル(HTTP)要求を示す図である。
図12】例示的なレイヤベースの360度ビデオHTTP要求を示す図である。
図13】例示的なタイルベースの360度ビデオHTTP要求を示す図である。
図14】例示的なタイルベースのHTTP要求時間を示す図である。
図15】例示的なレイヤベースの360度ビデオHTTP要求を示す図である。
図16】例示的なレイヤベースアプローチのHTTP要求時間を示す図である。
図17】マルチキャストを使用したクライアントによって開始される360度ビデオストリーミングの例示的なワークフローを示す図である。
図18】タイルベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なネットワークアタッチメントポイント(NAP)のソートおよびマッピングを示す図である。
図19】レイヤベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なNAPのソートおよびマッピングを示す図である。
図20】AnticipatedRequestsとローカルストレージバッファとを用いる例示的なマルチキャスト設計を示す図である。
図21】タイルベースの360度ビデオセグメントの配信の例(a)~(c)を示す図である。
図22】サーバーおよびネットワーク支援による動的適応型HTTPストリーミング(SAND:server and network assisted dynamic adaptive streaming over HTTP)のRequestOrderメッセージの例示的なマルチキャスト利得を示す図である。
図23】RequestOrderメッセージの例示的なワークフローを示す図である。
図24】サーバープッシュのためのマルチキャスト設計の例示的なワークフローを示す図である。
図25】サーバープッシュを介したタイルベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なNAPマルチキャスト決定を示す図である。
図26】サーバープッシュを介したレイヤベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なNAPマルチキャスト決定を示す図である。
図27】フレキシブルなプッシュ順序を用いる例示的なマルチキャストワークフローを示す図である。
図28】NAPによって開始されるプッシュタイプを用いる例示的なマルチキャストワークフローを示す図である。
図29A】1つまたは複数の開示する実施形態が実装され得る例示的な通信システムのシステム図である。
図29B】一実施形態による、図29Aに示す通信システム内で使用され得る例示的なワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)のシステム図である。
図29C】一実施形態による、図29Aに示す通信システム内で使用され得る例示的な無線アクセスネットワーク(RAN)と例示的なコアネットワーク(CN)とを示すシステム図である。
図29D】一実施形態による、図29Aに示す通信システム内で使用され得るさらなる例示的なRANとさらなる例示的なCNとを示すシステム図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
次に、例示的な実施形態の詳細な説明について、様々な図を参照しながら説明する。この説明が可能な実装形態の詳細な例を提供するが、詳細は例示的なものであり、適用範囲を全く限定しないように意図されていることに留意されたい。
【0009】
360度ビデオは、バーチャルリアリティ(VR)の構成要素であり得る。360度ビデオは、球体上でキャプチャおよび/またはレンダリングされ得る。球状のビデオフォーマットは、一部または全部の利用可能なビデオコーデックを使用して直接配信されないことがある。360度ビデオ(たとえば、球状ビデオ)は、何らかの投影方法を使用して2D平面上に球状ビデオを投影することによって圧縮され得る。投影された2Dビデオを、(たとえば、一部または全部の利用可能なビデオコーデックを使用して)コード化することができる。投影方法の一例は、正距円筒図法(ERP)を含み得る。
【0010】
図1に、360度ビデオのための例示的なERPを示す。たとえば、ERPは、図1に示すように、球体上で座標(θ,Φ)をもつ第1のポイントPを2D平面上で座標(u,v)をもつ第2のポイントPにマッピングするために以下の式のうちの1つまたは複数を使用し得る。
u=Φ/(2*pi)+0.5 (1)
v=0.5-θ/(pi) (2)
【0011】
図2に、ヘッドマウント式デバイス(HMD)上に表示される360度ビデオの例示的な一部分を示す。360度ビデオを閲覧するときに、ユーザーは、たとえば、図2に示すように、ビデオの一部を提示され得る。ビデオの部分は、ユーザーが画像を見まわすおよび/またはズームするときに変更され得る。ビデオの部分は、HMDおよび/または他のタイプのユーザインターフェース(たとえば、ワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)またはスマートフォン)によって与えられたフィードバックに基づいて変更され得る。360度ビデオ全体の空間領域は、ビューポートと呼ばれることがある。ビューポートは、ユーザーに対して完全にまたは部分的に提示される。ビューポートは、360度ビデオの他の部分とは1つまたは複数の異なる品質を有し得る。
【0012】
ERPまたは他の投影フォーマットで表される360度ビデオを、H.264およびH.265などのいくつかのビデオエンコーダを使用して単一レイヤーのビットストリームとしてエンコードすることができる。コード化されたビットストリーム全体を、サーバーに記憶することができ、レシーバー側に送信することができ、デコーダーによってデコードすることができて、現在のビューポートに対応するデコードされたピクチャの領域を、ユーザーに対してレンダリングすることができる。図3に、ERPフォーマットでの360度ビデオの処理および配信の一例を示す。図3に示すように、ERPフォーマットでの360度ビデオを、適応ストリーミングのために1つまたは複数のビットレートセグメントにエンコードすることができる。ユーザーは、ネットワーク状態に応じて動的に特定のセグメントを選択し得る。デコードされたフレームの領域は、ユーザーの向きおよび/またはビューポートに基づいてユーザーに対してレンダリングされ得る。図3に示す例は、ビデオの小部分がユーザーによって消費される間に没入型のユーザエクスペリエンスを提供するために360度ビデオ全体を符号化するために大きい帯域幅を使用し得る。
【0013】
全方向性ビデオ(たとえば、ビデオ領域全体)は、現在のビューポートに対応し得る1つまたは複数のビデオピクチャによって表され得る。現在のビューポートは、ビデオピクチャによって表されるビデオ領域全体のサブセットであり得る。現在のビューポートは、所与の時間にユーザーによって閲覧され得る。たとえば、全方向性ビデオは、現在のビューポート(たとえば、ユーザーによって現在見られているエリア)を表示し得る。ビデオ全体のサブセット(たとえば、ビューポート)を表示することは、送信帯域幅を低下させ、および/またはデコードの複雑性を低下させることができる。
【0014】
単一ビットストリームビューポート適応アプローチでは、360度ビデオを、単一のビットストリームにエンコードすることができる。多くのビットを、360度ビデオフレームの他の領域に関する特定の領域(たとえば、ビューポートに対応する領域)により割り当てることができる。複数のビットストリームを、360度ビデオに対してエンコードすることができて、各ビットストリームが、特定のビューポートに対応することができる。1つまたは複数のビットストリームは、異なる特性(たとえば、異なるビットレート)を有する同じビューポートに対してエンコードすることができる。レシーバーは、ネットワーク状態、閲覧者の現在のまたは予測された向き、および/またはビューポートに基づいて特定のビットストリームを選択し得る。全体的なビットレートを、減らすことができ、高品質の画像を、低品質の画像が他の非可視エリアに配信され得る間に可視ビューポートエリアに配信することができる。1つまたは複数のメタデータは、ビューポートエリアを示し得る。
【0015】
図4に、360度ビデオを処理し、配信するための例示的な単一ストリームビューポート適応アプローチを示す。2つ以上のビューポート(たとえば、ビューポート#1およびビューポート#2)が360度ビデオ中で識別され得る。ビデオフレームの残りのエリアよりもビューポートエリアにより多くのビットが割り振られ得る。たとえば、ストリーム#1および/またはストリーム#2は、ビデオフレームの残りのエリアよりもビューポート#1エリアにより多くのビットを割り振り得る。各ストリームを、異なる帯域幅によりコード化することができる。たとえば、ストリーム#1を、1mbpsにコード化することができ、ストリーム#2を、5mbpsにコード化することができる。ストリーム#3および/または#4は、ビデオフレームの残りのエリアよりもビューポート#2エリアにより多くのビットを割り振り得る。ストリーム#3を、1mbpsにコード化することができ、ストリーム#4を、5mbpsにコード化することができる。ユーザーの閲覧向きおよび/またはネットワーク帯域幅に基づいて、ユーザーは、相応してストリームを選択し得る。本明細書において説明されるユーザーは、次の1つまたは複数、WTRU、クライアント、クライアントWTRU、DASHクライアント、ストリーミングクライアント、ビデオストリーミングデバイスなどに対して、参照され、および/または互い交換可能に使用することができる。たとえば、ユーザーの閲覧向きおよび/またはネットワーク帯域幅に基づいて、ユーザーは、低帯域幅(BW)チャネルを介してビューポート#1を見るときにストリーム#1を選択し、高BWチャネルを介してビューポート#2を見るときにストリーム#4に切り替え得る。
【0016】
タイルベースのビューポート適応アプローチは、エンコードの前にタイルシーケンスにソースコンテンツを分割することを含み得る。タイルシーケンスは、全パノラマコンテンツの空間エリアのサブセットをカバーし得る。タイルシーケンスを、単一レイヤーのビットストリームとして互いに独立してエンコードすることができる。1つまたは複数のビットストリームは、同じサブピクチャシーケンスから(たとえば、異なるビットレートに対して)エンコードすることができる。各タイルビットストリームは、トラックとしてファイル中にカプセル化され得、ストリーミングのために利用可能であり得る。レシーバー側において、ストリーミングされるべきトラックは、ユーザーの向きおよび/またはビューポートメタデータに基づいて選択され得る。クライアントは、全方向性コンテンツ全体をカバーする1つまたは複数のタイルトラックを受信し得る。現在のビューポートのためにより高品質のタイルトラックが受信され得、残りのおよび現在非可視のエリアのためにより低品質のタイルトラックが受信され得る。各トラックを、別個のデコーダーによりデコードすることができる。
【0017】
図5は、360度ビデオを処理し、配信するための例示的なタイルベースのビューポート適応アプローチを例示する。図5に示すように、360度フレームは1つまたは複数のタイルに区分され得る。タイルは、高品質のビットストリーム(たとえば、H1、H2、H3、および/もしくはH4)ならびに/または低品質のビットストリーム(たとえば、L1、L2、L3、および/もしくはL4)にエンコードすることができる。レシーバーは、向きおよび/またはビューポートメタデータに基づいて異なるタイルビットストリームを選択し得る。たとえば、ビューポート領域のために高品質のタイル(たとえば、H1および/またはH2)が選択され得、他の領域(たとえば、非可視エリア)のために低品質のタイル(たとえば、L3および/またはL4)が選択され得る。
【0018】
図6は、360度ビデオを処理し、配信するための例示的なレイヤベースのビューポート適応アプローチを例示する。基礎レイヤー(base layer)は、ビデオエンコーディングアプローチを使用して360度ビデオ(たとえば、360度ビデオ全体)によりコード化することができる。1つまたは複数の関心領域(ROI)拡張レイヤー(EL:enhancement layer)は、スケーラブルビデオコーディングによりエンコードすることができる。たとえば、1つまたは複数のROI ELは、インターレイヤ予測ありのスケーラブルビデオコーディングによりエンコードすることができる。別の例では、1つまたは複数のROI ELは、インターレイヤ予測なしのスケーラブルビデオコーディングによりエンコードすることができる。たとえば、各々のタイル位置毎の1つまたは複数のレイヤーを、コード化することができ、各々のレイヤーは、異なるビットレートおよび/または解像度を有することができる。ROI ELは、空間および/または品質スケーラビリティレイヤーであり得る。1つまたは複数のスケーラブル高効率ビデオコーディング(SHVC)ビットストリームを、異なるビットレートに対してエンコードすることができる。ビットレート適応は、1つまたは複数のELを用いて扱うように構成され得る。図6に示すように、基礎レイヤーは、受信され、デコードされ得る。1つまたは複数のELは、受信および/またはデコードされた現在の閲覧向きに基づいて選択され得る。
【0019】
次世代ネットワーク(NGN)プラットフォームは、情報指向ネットワーキング(ICN)に基づいてフレキシブルなルーティングソリューションを提供し得る。NGNプラットフォームは、ICNとインターネットプロトコル(IP)とのハイブリッドであり得る。たとえば、NGNプラットフォームは、帯域幅の使用を低下させ得るマルチキャストを再導入するように構成され得る。
【0020】
図7に、例示的なIPユニキャストアプローチを示す。図7に示すように、サーバーは、1つまたは複数のWTRU要求に応答し得、複数のWTRUがほぼ同時に同じコンテンツを要求し得る場合でも、各WTRUに1つまたは複数の要求されたコンテンツを別々に配信し得る。1つまたは複数のコンテンツ配信ネットワーク(CDN)を、全体的なトラフィックを減らすために普及しているコンテンツに使用することができる。CDNを構成することは、複雑であることがあり、回りくどいことに関連する非効率を生じることがあり、例えば、5Gネットワークなどの新たなネットワークにとって持続不可能であることがある。
【0021】
図8に、例示的なICNアプローチを示す。図8に示すように、暗示的なマルチキャストは、2つ以上のWTRUがほぼ同時に同じビデオコンテンツを見ているときに使用されるように構成され得る。ICNは、ゲートウェイ(たとえば、ネットワークアタッチメントポイント(NAP))を使用し得る。ゲートウェイは、2つ以上の顧客からネットワークへのアクセスゲートウェイとして構成され得る。NAPは、一部または全部のプロトコル(たとえば、IP、伝送制御プロトコル(TCP)、ハイパー転送プロトコル(HTTP)など)を扱うように構成され得、ネットワークアドレス変換(NAT)、ファイアウォール、および/または動的IPアドレス割当てなどの標準的なゲートウェイ機能を提供し得る。ICNネットワークは、WTRUには標準的なIPネットワークとして見え、および/またはNAPによって実行されるICN変換機構にはHTTPを用いるピアリングネットワークとして見え得る。NAPは、サーバーへの一部または全部のWTRU HTTP要求をパースし得、(たとえば、ほぼ同時に同じコンテンツを閲覧するWTRUを決定するために)所与のタイムウインドウ(T)内にサーバーに同じコンテンツを要求するWTRUを識別し得る。NAPは、サーバーに要求を送ることができ、システムは、一部または全部のWTRUに要求されたコンテンツを配信するために暗示的なマルチキャストを与え得る。本明細書で説明する暗示的なマルチキャストアプローチは、全体的な帯域幅および/またはサーバー負荷を低減し得る。異なるコンテンツを要求するWTRUまたは同じコンテンツを要求するが所与のタイムウインドウ(T)を超えているWTRUの場合、サーバーから要求元のWTRUにコンテンツを配信するためにユニキャストアプローチが使用され得る。本明細書で説明するハイブリッドマルチキャスト/ユニキャストアプローチは、ライブスチーミング、ビデオオンデマンド、ビデオシェアリング、個人用VRアプリケーションなどのビデオストリーミング使用事例のためにネイティブマルチキャストを通したネットワーク利用を与え得る。
【0022】
MPEG動的適応型HTTPストリーミング(MPEG-DASH)は、変化するネットワーク状態に動的に適応することによって考えられる最高のビデオエクスペリエンスをエンドユーザに与え得る例示的な配信フォーマットであり得る。DASHは、HTTP/TCP/IPスタックの上に構築され得る。DASHは、MPD(media presentation description)であり得るマニフェストフォーマットおよび/またはセグメントフォーマットを定義し得る。
【0023】
MPDは、ストリーミングセッション中に適応方式で(たとえば、本明細書で説明する)ビデオセグメントにアクセスするために適切なHTTP-URLを構築するためにDASHクライアントのためのメタデータを含み得る拡張可能なマーク付け言語(XML)文書を含み得る。図9に、例示的なMPD階層データモデルを示す。MPDは、一連のPeriodを記述することができ、メディアコンテンツ構成要素のエンコードされたバージョンの一貫したセットが、Periodの間に変化しない。各Periodは、1つまたは複数の適応セット(たとえば、AdaptationSet)を含み得る。
【0024】
AdaptationSetは、(たとえば、言語、メディア種別、ピクチャのアスペクト比、役割、アクセス可能性、視点、および/またはレーティングプロパティなどの)1つまたは複数の同じプロパティを共有する1つまたは複数のメディアコンテンツ構成要素のエンコードされたバージョンのセットを表し得る。たとえば、第1のAdaptationSetは、同じマルチメディアコンテンツのビデオ成分の異なるビットレートを含み得る。第2のAdaptationSetは、同じマルチメディアコンテンツのオーディオ構成要素(たとえば、より低品質のステレオおよび/またはより高品質のサラウンドサウンド)の異なるビットレートを含み得る。各AdaptationSetは、1つまたは複数のRepresentationを含み得る。
【0025】
Representationは、1つまたは複数のメディア構成要素の配信可能なエンコードされたバージョンを記述し、ビットレート、解像度、チャネル数および/または他の特性によって他の表現とは異なり得る。各Representationは、1つまたは複数のセグメントを含み得る。(たとえば、@id、@bandwidth、@qualityRanking、および/または@dependencyIdなどの)Representation要素の1つまたは複数の属性は、関連するRepresentationの1つまたは複数のプロパティを指定するために使用され得る。
【0026】
Segmentは、HTTP要求で取り出され得るデータの単位(たとえば、データの最大単位)であり得る。セグメントは、URL(たとえば、サーバー上のアドレス指定可能なロケーション)を有し得る。各セグメントは、HTTP GETまたはバイト範囲をもつHTTP GETを使用してダウンロードされ得る。
【0027】
DASHクライアントは、MPD XML文書をパースし得る。DASHクライアントは、たとえば、AdaptationSet要素中に与えられる情報に基づいてそれの環境に好適なAdaptationSetsの集合を選択し得る。AdaptationSet内で、クライアントは、Representationを選択し得る。クライアントは、@bandwidth属性の値、クライアントの復号能力および/またはクライアントのレンダリング能力に基づいてRepresentationを選択し得る。クライアントは、選択されたRepresentationの初期化セグメントをダウンロードすることができる。クライアントは、(たとえばセグメント全体またはセグメントのバイト範囲を要求することによって)コンテンツにアクセスし得る。提示が開始すると、クライアントは、メディアコンテンツを消費し続け得る。たとえば、クライアントは、提示中にメディアセグメントおよび/またはメディアセグメントの部分を要求し得る(たとえば、連続的に要求し得る)。クライアントは、メディアプレゼンテーションタイムラインに従ってコンテンツを再生し得る。クライアントは、クライアントの環境からの更新された情報を取り込むRepresentationを切り替え得る。たとえば、クライアントは、クライアントの環境からの更新された情報に基づいて第1のRepresentationから第2のRepresentationに切り替え得る。クライアントは、Period(たとえば、2つ以上のPeriod)にわたってコンテンツを(たとえば、連続的に)再生し得る。クライアントがRepresentation中の告知されたメディアの終了に向かってSegment中に含まれているメディアを消費するとき、メディアプレゼンテーションが終了され得、新しいPeriodが開始され得、および/またはMPDが再フェッチされ得る。
【0028】
Descriptorと呼ばれることがあるMPD記述子要素が、適切な方式情報をもつ1つまたは複数の記述要素をインスタンス化するためにアプリケーションに与えられ得る。いくつかのDescriptor(たとえば、コンテンツ保護、役割、アクセス可能性、レーティング、視点、フレームパッキング、および/またはUTCタイミング記述子)は、相対方式を識別するために@schemeIdUri属性を含み得る。補足プロパティ記述子(たとえば、SupplementalProperty)であり得るMPD要素は、処理を最適化するためにDASHクライアントによって使用され得るメタデータを含み得る。必須のプロパティ記述子(たとえば、EssentialProperty)であり得るMPD要素は、containing要素を処理するためのメタデータを含み得る。
【0029】
サーバーおよびネットワーク支援によるDASH(SAND:server and network assisted DASH)は、ストリーミングクライアントとネットワーク要素との間または様々なネットワーク要素の間で交換するメッセージを指定し得る。ストリーミングクライアント(たとえば、DASHクライアント)とネットワーク要素との間または(たとえば、DANE(DASH aware network element)を含む)様々なネットワーク要素の間のメッセージは、ネットワーク、サーバー、プロキシ、キャッシュ、CDN、DASHクライアントのパフォーマンスおよびステータスなどのリアルタイム動作特性に関する情報を与え得る。
【0030】
AnticipatedRequests、AcceptedAlternatives、AbsoluteDeadline、DeliveredAlternativeなどのSANDメッセージのうちの1つまたは複数が使用され得る。
【0031】
AnticipatedRequestsメッセージにより、DASHクライアントは、セグメントのどの特定のセットにDASHクライアントが関心があり得るのかをDANEに告知することが可能になり得る。AnticipatedRequestsメッセージは、DASHクライアントが選択する可能性があり得、まもなく要求し得るリプレゼンテーション中のセグメントのセットをシグナリングし得る。表1に、AnticipatedRequestsメッセージの例示的なパラメーターを示す。
【0032】
【表1】
【0033】
AcceptedAlternativesメッセージは、メディア配信経路のDANE(たとえば、キャッシングDANE)に、DASHクライアントが、DASHクライアントが他のDASHセグメントを代替として受け入れることをいとわないことがある与えられえたDASHセグメントを要求するときを通知することを、DASHクライアントに可能にすることができる。クライアントは、クライアントが代替のセグメントを受信する準備ができている場合に代替のセグメントを含み得、代替のセグメントを再生することが可能であり得る。表2に、AcceptedAlternativesメッセージの例示的なパラメーターを示す。
【0034】
【表2】
【0035】
AbsoluteDeadlineメッセージは、要求されたセグメントが完全に受信するのに必要である実時間(wall-clock time)における絶対最終期限(absolute deadline)をDANEに示すことを、DASHクライアントに可能することができる。表3に、AbsoluteDeadlineメッセージの例示的なパラメーターを示す。
【0036】
【表3】
【0037】
DeliveredAlternativeメッセージは、DASHクライアントによって送られたAcceptedAlternativesメッセージへの応答であり得る。DANEは、要求されたセグメントではなく代替のセグメントを配信し得る。DANEが要求されたセグメントではなく代替のセグメントを配信する場合、DANEは、応答がセグメントオルタナティブ(segment alternative)を含み、要求されたセグメントを含まないことを通知するために、DASHクライアントにDeliveredAlternativeメッセージを送り得る。表4に、DeliveredAlternativeメッセージの例示的なパラメーターを示す。
【0038】
【表4】
【0039】
MPEG-DASH over HTTP/1.1の基本機構は、HTTP/2および/またはWebSocketなどの最近のIPによって与えられ得る特徴および/または能力を利用することによって増強され得る。
【0040】
図10に、DASHサーバープッシュを使用したビデオストリーミングの例示的なワークフローを示す。クライアントは、プッシュストラテジー(push strategy)を用いてMPDとメディアセグメントとを要求し得る。たとえば、クライアントは、プッシュストラテジーを使用して、最初に、MPDを要求し得、そして、メディアセグメントを要求し得る。初期化データは、サーバーによるMPD要求に関連するプッシュストラテジーに応答してプッシュされ得る。要求されたMPDを受信した後に、クライアントは、それぞれのDASHセグメントURLおよび/またはセグメントプッシュストラテジーを用いてサーバーに1つまたは複数のビデオセグメントを要求し始め得る。サーバーは、要求されたビデオセグメントで応答し、その後、セグメントプッシュストラテジーによって示されるプッシュサイクルが続き得る。最低量のデータが受信された後、クライアントは、ビデオを再生し始め得る。本明細書で説明するプロセスは、メディアストリーミングセッションの終了まで繰り返し得る。
【0041】
表5に、例示的なプッシュストラテジータイプを示す。表6に、各PushTypeがどの要求に適用され得るのかの一例を示す。
【0042】
【表5】
【0043】
【表6】
【0044】
360度ビデオは、説得力のある没入型のエクスペリエンスを与えるための高解像度および/または高フレームレートにより大量の帯域幅を消費し得る。VR共有、ライブVRストリーミングおよび/またはソーシャルVRアプリケーションなどの使用事例の場合、数百および数千のVRユーザーが、異なるビューポートに注視しながら同じ360度ビデオを見ることがある。本明細書で説明するビューポート適応アプローチ(たとえば、タイルベースまたはレイヤベースの処理および配信アプローチ)は、VRユーザーのための帯域幅消費量を低減し得る。
【0045】
NGNプラットフォームによってサポートされるICNベースのルーティングアプローチは、複数のVRユーザーのための帯域幅を低減する機会を与え得る。たとえば、360度ビデオの共通に共有される領域は、(たとえば、1回)サーバーからフェッチされ得、複数のVRユーザーに転送され得る。1つまたは複数の一意のビューポートセグメントが、サーバーからフェッチされ得、対応するWTRUに個々に転送され得る。たとえば、2人のVRユーザーがタイルベースのストリーミングアプローチを使用して同じビューポートを見ているとき、両方のユーザーが同じ高品質のビューポートタイルおよび/または残りの低品質のタイルを共有しているので、NGNはマルチキャスト利得を達成し得る。クライアント側における異なる意思決定ポリシーは、各VR WTRUによって発行されているHTTP要求の異なるシーケンスを生じ得る。
【0046】
図11に、例示的なタイルベースの360度ビデオHTTP要求を示す。図11に示すように、同じビューポートを共有する2つ以上のWTRUの各々(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)は、HTTP要求を送り得る。WTRU#AのユーザーAは、他のタイル(たとえば、タイルL3および/またはL4)の前に1つまたは複数のビューポートタイル(たとえば、タイルH1および/またはH2)を要求し得る。WTRU#BのユーザーBは、一部または全部の他のタイル(たとえば、タイルL3および/またはL4)の後にビューポートタイル(たとえば、タイルH1および/またはH2)を要求し得る。DASHクライアント実装は、ビューポートタイルおよび/または他のタイルの順序を決定するように構成され得る。たとえば、タイルが両方のWTRUによって共有されるので、NGNは、両方のWTRUに各タイルをマルチキャストするように構成され得る。タイルセグメントが、図11に示すように両方のユーザーからほぼ同時に要求されない場合、NGNは、ユニキャストとしてサーバーから各共有セグメントを別々にフェッチし得る。
【0047】
レイヤベースのアプローチでは、インターレイヤ予測が使用され得る。たとえば、レイヤベースのアプローチでは、インターレイヤ予測が使用されないことがある。図6に示すように、図6中のELビットストリームは、図6のBLビットストリームから単独で復号可能であり得る。BLビットストリームが単独で復号可能な場合、クライアントが1つまたは複数のBLセグメントをフェッチし得る前に、クライアントは、1つまたは複数のELセグメントをフェッチすることを選定し得る。たとえば、クライアントは、最初に、1つまたは複数のビューポート(たとえば、ELセグメント)を受信したいと望み得るので、クライアントは、(たとえば、それが1つまたは複数のBLセグメントをフェッチする前に)1つまたは複数のELセグメントをフェッチすることを選定し得る。他の例では、他のクライアントは、(たとえば、1つまたは複数のELセグメントをフェッチする前に)最初に、360度ビデオ全体を受信したいと望み得るので、クライアントは、最初に、1つまたは複数のBLセグメントをフェッチし得る。この場合、各クライアントのHTTP要求は、図12に示すように、基礎レイヤーセグメントによっておよび/または拡張レイヤーセグメントによって異なる順序であり得る。たとえば、図12に、例示的なレイヤベースの360度ビデオHTTP要求を示す。図12に示すように、WTRU#Aは、1つまたは複数の拡張レイヤーセグメント(たとえば、H2および/またはH1)を受信する前に基礎レイヤーセグメント(たとえば、BL)を有するHTTP要求を送り得る。WTRU#Bは、基礎レイヤーセグメント(たとえば、BL)を受信する前に1つまたは複数の拡張レイヤーセグメント(たとえば、H2および/またはH1)を有するHTTP要求を送り得る。
【0048】
異なるクライアントによって異なるビューポートが見られ得る。図13に、例示的なタイルベースの360度ビデオHTTP要求を示す。図13に示すように、2つ以上のWTRU(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)は、各WTRUが異なるビューポートを見ていることがある間に同じHTTP要求順序を有し得る。たとえば、WTRU#Aのビューポートは、タイル#1(たとえば、H1)を含み得、一方、WTRU#Bのビューポートは、タイル#3(たとえば、H3)を含み得る。タイル#1および/またはタイル#3が両方のWTRUによって共有されないことがあるので、タイル#1および/またはタイル#3(たとえば、H1および/またはH3)は、ユニキャストを介してストリーミングされ得る。NGNは、暗示的なマルチキャストを介して1回サーバーから両方のWTRUのために共通に共有されるタイル#2および/またはタイル#4(たとえば、L2および/またはL4)をフェッチするように構成され得る。高品質のタイルのファイルサイズは、低品質のタイルのファイルサイズよりも大きくなり得る。異なるタイルサイズは、図14に示すように、WTRU間でのHTTP要求時間(たとえば、Δt)をシフトし得る。図14に、例示的なタイルベースのHTTP要求時間を示す。図14に示すように、WTRU#AおよびWTRU#Bからのタイル#2のHTTP要求は、マルチキャスト決定タイムウインドウを超えることがある(T<Δt)。決定タイムウインドウ(T)は、増加するように構成され得、したがって、Tは、Δtよりも大きくなり得る。
【0049】
図15に、例示的なレイヤベースの360度ビデオHTTP要求を示す。たとえば、図15に示すように、WTRU#AのビューポートのユーザーAは、EL領域#1(たとえば、H1)の内側にあり得、一方、WTRU#BのビューポートのユーザーBは、EL領域#3および#4(たとえば、H3およびH4)を交差していることがある。両方のユーザーが拡張レイヤーセグメントを要求する前にユーザーが基礎レイヤーセグメントを要求する場合、基礎レイヤーセグメントについてのHTTP要求のずれが時間の経過とともに発生し得る。図16に、例示的なレイヤベースアプローチのHTTP要求時間を示す。図16に示すように、フレーム#1に対応するBLについての要求が同期され得る。フレーム#2に対応するBLについての要求は、同期から外れていることがある。
【0050】
サーバーおよびネットワーク支援によるDASH(SAND)メッセージおよび/またはプッシュストラテジーは、複数のVRユーザーが同じ360度ビデオをほぼ同時に見ているときにNGNプラットフォームを介して360度ビデオを配信するように構成され得る。
【0051】
ハイブリッドマルチキャスト/ユニキャストネットワーキングアーキテクチャを提供し得る。たとえば、360度ビデオ全体を、単一のレイヤーおよび/または単一のチャンクファイルにコード化することができる。ハイブリッドマルチキャスト/ユニキャストネットワーキングアーキテクチャは、2人以上のユーザーが同じ360度ビデオの同じビューポートをほぼ同時に見ているときにマルチキャスト利得を達成し得る。
【0052】
クライアント側のセグメント要求が同期されないことがあるので、WTRUが、閲覧セッション中にいくつかの同じセグメントを共有し得るが、ビューポート適応ストリーミングアプローチは十分なマルチキャスト利得を達成することができないことがある。
【0053】
HTTP/1.1を介したMPEG-DASHは、クライアントがサーバーからメディアデータを(たとえば、アクティブに)プルし得るクライアントによって開始される機構に基づき得る。サーバーおよびネットワーク支援によるDASH(SAND)に関するDASH標準の第5部は、効率的なストリーミングセッションおよび/またはDASHコンテンツの効率的な配信のためのDASHクライアントとネットワーク要素との間のまたは様々なネットワーク要素間のメッセージを導入し得る。SANDメッセージは、ネットワーク、サーバー、プロキシ、キャッシュ、CDN、DASHクライアントのパフォーマンスおよびステータスなどのうちの1つまたは複数のリアルタイムの動作特性に関する信号情報を与え得る。ネットワークアタッチメントポイント(NAP)は、タイルベースまたはレイヤベースの360度ビデオストリーミングのためのそれのメディア配信戦略を最適化するために本明細書で説明する1つまたは複数のメッセージを使用し得る。
【0054】
(たとえば、DASHクライアントとNAPとの両方がDASH SANDをサポートすると仮定すると)SANDメッセージは、NAPによって事前にマルチキャストビデオセグメントを識別するために使用され得る。NAPは、DANE(DASH aware network element)であり得る。
【0055】
タイルベースの360度ビデオストリーミングの場合、DASHクライアントは、事前に要求されるべきタイルセグメントを決定することが可能であり得る。DASHクライアントは、非可視エリアのための低品質のタイルおよび/または可視ビューポートのための高品質のタイルを含め、それの閲覧向きに基づいて事前に要求されるべきタイルセグメントを決定し得る。クライアントは、すぐに要求されるべき一部または全部のタイルセグメントのネットワークノード(たとえば、サーバーまたはNAP)を通知するためにAnticipatedRequestsメッセージを使用し得る。DASH SANDは、サーバーが要求されたセグメントからクライアントに1つまたは複数の異なるセグメントを送ることおよび/または異なる順序でセグメントを送ることを可能にする機構を提供し得る。本明細書で説明する機構に基づいて、NAPは、クライアント要求を再編成し、および/または1つもしくは複数のクライアントWTRUに共通に共有されるセグメントをマルチキャストし得る。たとえば、NAPは、同じ優先度を有する2つ以上のクライアントによって要求された共通セグメントをマルチキャストし得る。
【0056】
たとえば、NAPは、第1のビデオストリーミングデバイス(たとえば、DASHクライアント)から第1のAnticipatedRequestsメッセージを受信し得る。第1のAnticipatedRequestsメッセージは、第1の相対優先順序で第1の複数のセグメントを示し得る。NAPは、第2のビデオストリーミングデバイスから第2のAnticipatedRequestsメッセージを受信し得る。第2のAnticipatedRequestsメッセージは、第2の相対優先順序で第2の複数のセグメントを示し得る。NAPは、たとえば、第1の相対優先順序に基づいて第1の複数のセグメントの各々に関連する優先度を決定し得る。NAPは、たとえば、第2の相対優先順序に基づいて第2の複数のセグメントの各々に関連する優先度を決定し得る。NAPは、第1の複数のセグメントと第2の複数のセグメントとの間でセグメントが共通であると決定し得る。たとえば、NAPは、第1のAnticipatedRequestsメッセージと第2のAnticipatedRequestsメッセージとの中に共通セグメントが示されると決定し得る。共通セグメントは、タイムウインドウ内の同じビデオセグメントを表し得る。NAPは、第1のAnticipatedRequestsメッセージによって(たとえば、それに基づいて)示される共通セグメントのための第1の優先度値と第2のAnticipatedRequestsメッセージによって(たとえば、それに基づいて)示される共通セグメントのための第2の優先度値とを決定し得る。NAPは、たとえば、サーバーに共通セグメントについての要求を送り得る。NAPは、たとえば、サーバーから共通セグメントを受信し得る。第1の優先度値と第2の優先度値とが同じであるという条件で、NAPは、第1のビデオストリーミングデバイスと第2のビデオストリーミングデバイスとに共通セグメントをマルチキャストし得る。第1の優先度値と第2の優先度値とが異なるという条件で、NAPは、第1のビデオストリーミングデバイスと第2のビデオストリーミングデバイスとに共通セグメントをユニキャストし得る。
【0057】
図17に、マルチキャストを使用したクライアントによって開始される360度ビデオストリーミングの例示的なワークフローを示す。たとえば、図17に、360度ビデオストリーミングのためにサーバーとNAPとの間でのマルチキャストを導入するためのDASHクライアント(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)と、NAPと、サーバーとの間のワークフローを示す。クライアントの各々は、NAPにAnticipatedRequestsメッセージを送ることができる。AnticipatedRequestsメッセージは、要求されるべき一部または全部の潜在的なタイルセグメントおよび/または要求されたセグメントを受信する最終期限を示し得る。各クライアントは、セグメント要求ごとにAcceptedAlternativesメッセージを介してクライアントが1つまたは複数のDASHセグメントオルタナティブを受け入れるのをいとわないことがあることをNAPに通知することができる。AcceptedAlternativesメッセージの代替のセグメントは、まだ受信されていない一部または全部のタイルのセグメントを含み得る。NAPは、マルチキャストのための(たとえば、クライアントの間で)共通に共有されるセグメントを選別し、および/またはサーバーからユニキャストのための1つもしくは複数の一意のセグメントを決定し得る。NAPは、各保留中の要求に対応する代替のセグメントをマッピングし得る。マッピング結果に基づいて、NAPは、サーバーから対応するマルチキャストセグメントを1回フェッチし得、WTRUにセグメントを転送し得、サーバーから対応するユニキャストセグメントをフェッチし得、各WTRUに個々に転送し得る。
【0058】
(たとえば、NAPによって実行される)ソートプロセスは、複数のWTRUからのAnticipatedRequestsおよび/またはAbsoluteDeadlineメッセージをパースすることを含み得る。ほぼ同じ受信最終期限値をもつ共通に共有されるセグメントは、識別され得、マルチキャストグループに置かれ得る。残りのセグメントは、ユニキャストグループに入れられ得る。保留中の要求のための代替応答順序が決定され得る。
【0059】
図18に、タイルベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なNAPのソートおよびマッピングを示す。WTRU#Aは、1つまたは複数の高品質のタイルセグメント(たとえば、H1および/またはH2)と1つまたは複数の低品質のタイルセグメント(たとえば、L3および/またはL4)とを要求するようにスケジュールされ得る。WTRU#Bは、1つまたは複数の高品質のタイルセグメント(たとえば、H1、H2、および/またはH4)と低品質のタイルセグメント(たとえば、L3)とを要求するようにスケジュールされ得る。WTRU#Aおよび/またはWTRU#Bは、セグメントオルタナティブを受け入れることに同意し得る。NAPは、2つ以上のWTRU(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)からの予期される要求のリストを選別し得、マルチキャストのための共通の要求(たとえば、H1、H2、および/またはL3)を識別し得、ユニキャストのための一意の要求(たとえば、L4および/またはH4)を識別し得る。要求ごとのセグメントオルタナティブが決定され得、NAPは、サーバーからマルチキャストセグメントを1回フェッチし得る。NAPがWTRUからセグメント要求および/またはAcceptedAlternativesメッセージを受信すると、NAPは、実際に配信されるコンテンツまたは配信されるべき実際のコンテンツをWTRUに通知するためにDeliveredAlternativeメッセージを用いてマッピング結果に基づいてWTRUにセグメントオルタナティブを転送し得る。
【0060】
各クライアントは、AcceptedAlternatives中に受信されていない一部または全部の予期されるタイルセグメントを入れ得、サーバーは、クライアントの要求時にセグメント(たとえば、正確なセグメント)を配信し得る。クライアントは、AcceptAlternativesメッセージ中に要求された対応する高品質のタイルのための低品質のリプレゼンテーションを追加し得る。図18に示す例では、クライアント#Bは、AcceptedAlternativesメッセージ中に高品質のセグメント(たとえば、H4)に対応する低品質のタイルセグメント(たとえば、L4)を追加し得る。NAPは、マルチキャストセグメントとしてL4をフェッチし得、ユニキャストを介してH4を別々に送ることなしにクライアント#Aおよび#Bにマルチキャストセグメントを転送し得る。
【0061】
このようにして、NAPは、サーバーから一部または全部のタイル(たとえば、H1、H2、L3、および/またはL4)を1回フェッチし得、ならびに/またはWTRU#Aおよび/もしくはWTRU#Bにフェッチされたタイルを配信し得る。
【0062】
クライアントが、同じ基礎レイヤーセグメントおよび/または異なる拡張ビューポートセグメントを要求し得るレイヤベースの360度ビューポート適応ストリーミングアプローチに同じ戦略が適用され得る。基礎レイヤーセグメントは、他の拡張セグメントの前に配信されるべきマルチキャストセグメントであり得る。図19に、レイヤベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なNAPのソートおよびマッピングを示す。図19に示すように、2つ以上のWTRUは、同じ基礎レイヤーセグメント(たとえば、BL)要求と1つまたは複数の異なる拡張レイヤー(たとえば、E1、E2、および/またはE3)とを有し得る。NAPは、マルチキャストフェッチのために基礎レイヤーセグメントを選別し得、ユニキャストフェッチのために拡張レイヤーセグメントをソートし得る。DeliveredAlternativeメッセージは、WTRUに実際のコンテンツを通知し得る。
【0063】
セグメントサイズ、利用可能なネットワーク帯域幅、および/またはクライアント要求スケジューリングに応じて、クライアントHTTP要求時間は、AnticipatedRequestsメッセージ中にシグナリングされる元の推定されたtargetTimeを超え得る。NAPは、AnticipatedRequestsメッセージ中でシグナリングされる情報に基づいてそのような場合を検出および/または決定し得る。クライアントの要求が他のクライアントからの要求と同期しないことになるとNAPが決定する場合、NAPは、そのような同期外れ要求をユニキャストとして扱い得る。たとえば、NAPは、サーバーからセグメントをフェッチし得、他のクライアントとは別々に影響を及ぼされた(たとえば、同期外れの)クライアントにフェッチされたセグメントを転送し得る。
【0064】
NAPは、ローカルバッファ(たとえば、NAPのローカルバッファ)であり得るバッファ中にセグメントを記憶し得る。NAPは、一部または全部のビデオストリーミングデバイス(たとえば、WTRU)から1つまたは複数のAnticipatedRequestsメッセージを受信し得る。NAPは、1つまたは複数のセグメント(たとえば、共有されたセグメント)についての複数のクライアントへのいくつかの要求を識別し得る。2つ以上のWTRUによって共有されるべきセグメントについて、NAPは、サーバーからセグメントを1回フェッチし得、将来の要求のためにバッファ(たとえば、NAPのローカルバッファ)中にセグメントを記憶し得る。そのようなセグメントの将来の要求がもう保留中でない場合、NAPは、特定のセグメントのストレージを解放し得る。WTRUによって要求されるべきセグメントについて、NAPは、サーバーからセグメントをフェッチし得、対応するWTRUにそれらを転送し得る。
【0065】
図20に、AnticipatedRequestsとローカルストレージバッファとを用いる例示的なマルチキャスト設計を示す。図20に示す例示的なマルチキャストは、図18に示したタイルベースの360度ビデオストリーミングのためのNAPのソートおよびマッピングの例と組み合わされ得る。2つ以上のWTRU(たとえば、WTRU#Aおよび#B)からのAnticipatedRequestsメッセージに基づいて、NAPは、1つまたは複数のタイルセグメント(たとえば、H1、H2、および/またはL3)が両方のWTRUによって要求され、1つまたは複数のタイルセグメント(たとえば、L4および/またはH4)がWTRU#AまたはWTRU#Bから一度要求され得ると決定し得る。NAPがセグメントH1についてのWTRU#Aの要求を受信すると、NAPは、サーバーからH1をフェッチし得、それをWTRU#Aに転送し得る。NAPは、WTRU#Bからの保留中の要求のためのそれのローカルバッファ中にフェッチされたH1を記憶するように構成され得る(たとえば、待機中の要求の番号を決定するために要求カウンターが使用され得る)。同じ調達プロシージャが、H2および/またはL3などのタイルに対して行われ得る。記憶されたタイルセグメントが他のWTRUによって要求されるとき、NAPは、要求されたタイルセグメントをサーバーから再びフェッチすることなしに(たとえば、それのローカルバッファから)対応するWTRUに記憶されたタイルセグメントを転送し得る。ローカルバッファを使用するように構成することによって、WTRUは、同じタイルを共有し得、ほぼ同時に同じタイルを要求しないことがある。本明細書で説明するタイルベースのアプローチは、レイヤベースのビューポート適応ストリーミングに適用され得る。
【0066】
タイルベースの360度ビデオストリーミングの場合、クライアント(たとえば、クライアントWTRU)は、ビューポートを識別することが可能であり得る。クライアントは、ビデオストリーミングデバイスであり得る。ビデオストリーミングデバイスは、本明細書で説明するワイヤード接続で構成され得る。たとえば、クライアントは、ネットワークノードから360度ビデオストリームを受信し得る。クライアントは、ユーザーが閲覧している360度ビデオストリームのロケーションおよび/または360度ビデオストリームに関連する関心領域に基づいてビューポートを識別し得る。クライアントは、1つまたは複数のセグメント(たとえば、高品質のビューポートセグメント)を要求し得る。クライアントは、識別されたビューポートに基づいて1つまたは複数のセグメントを要求し得る。クライアントは、360度ビデオストリームの複数のセグメントを事前に要求することを決定し得る。たとえば、クライアントは、360度ビデオストリームの第1のビデオセグメントと360度ビデオストリームの第2のビデオセグメントとを要求することを決定し得る。クライアントは、ビューポートに基づいて第1のビデオセグメントと第2のビデオセグメントとを要求することを決定し得る。クライアントは、たとえば、ビューポートタイルが提示最終期限の前に配信され得ることを保証するために他のタイルの前にビューポートタイルセグメントを要求し得る。たとえば、クライアントは、非ビューポートタイルセグメントよりもビューポートタイルセグメントを優先させ得る。本明細書で説明するSANDメッセージを使用するマルチキャスト戦略では、対応するビューポート要求が延期され得る。
【0067】
図21(a)~図21(c)に、タイルベースの360度ビデオセグメントの配信の例を示す。たとえば、図21(a)に、SANDメッセージなしのタイルベースの360度ビデオ配信を示す。図21(a)に示すように、DASH要求順序は、クライアントによって開始され得、ここで、360度のフレームは、1つまたは複数のタイル(たとえば、4つのタイル)に分割され得る。各タイルを、1つまたは複数の低品質のタイル(たとえば、L1、L2、L3、および/もしくはL4)ならびに/または高品質のタイル(たとえば、H1、H2、H3、および/もしくはH4)にエンコードすることができる。WTRU#Aは、高品質のビューポート(たとえば、H2)を要求し得、低品質の他のタイル(たとえば、L1、L3および/またはL4)を要求し得る。WTRU#Bは、高品質のビューポート(たとえば、H4)を要求し得、低品質の他のタイル(たとえば、L1、L2および/またはL3)を要求し得る。2つ以上のWTRU(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)は、同じ順序でタイルを要求し得る。両方のWTRUが同じ順序でタイルを要求する場合、タイルL1は、NAPを介した暗示的なマルチキャストを使用してフェッチされ得る。図21(b)は、SANDメッセージを用いるタイルベースの360度ビデオ配信の一例であり得る。図21(b)では、セグメント配信は並べ替えられ得、1つまたは複数のタイル(たとえば、タイルL1および/またはL3)がマルチキャストを介して配信され得る。ビューポートセグメント(たとえば、H2および/またはH4)は、配信されるべき最後のセグメントに延期され得る。ネットワーク帯域幅が不意に低下する場合、図21(b)に示すアプローチは、ビューポートタイルを適時に配信することができないことがある。図21(c)に、高優先度のビューポートセグメントを用いる例示的なタイルベースの360度ビデオ配信を示す。図21(c)に示すように、ビューポートタイルは、(たとえば、ビューポート配信を保証するために)不可視領域中の他のタイルより前に配信され得る。
【0068】
たとえば、クライアントが、(たとえば、帯域幅条件により)同じ品質をもついくつかのタイルを要求し得るとき、NAPは、クライアントの要求からビューポートセグメントを識別しないことがある。SANDメッセージ表示により、1つまたは複数のDASHクライアントは、ネットワークノード(たとえば、NAP)にセグメントの優先度を示すことが可能になり得る。たとえば、(たとえば、DASHクライアントなどの)クライアントWTRUは、1つまたは複数のビデオストリームセグメントに関連する優先度を決定し得る。クライアントWTRUは、ビデオストリーミングデバイスであり得る。ビデオストリーミングデバイスは、本明細書で説明するワイヤレスおよび/またはワイヤード接続で構成され得る。クライアントWTRUは、WTRUとビデオストリームとに関連するビューポートに基づいて優先度を決定し得る。たとえば、クライアントWTRUは、(たとえば、クライアントWTRUの向きに基づいて)ビューポートを決定し得る。クライアントWTRUは、時間優先、品質優先、および/またはビューポートに関するロケーションに基づいて優先度を決定し得る。たとえば、より高い優先度が、別のセグメントの前に表示されるべきセグメントのために決定され得る。より高い優先度が、別のセグメントよりも高い品質で表示されるべきセグメントのために決定され得る。より高い優先度は、ビューポート内におよび/またはそれの極近傍に表示されるべきセグメントのために決定され得る。クライアントWTRUは、1つまたは複数のビデオストリームセグメントの優先度を示し得る。クライアントWTRUは、ネットワークノード(たとえば、NAP)に1つまたは複数のビデオストリームセグメントの優先度を示し得る。優先度シグナリングは、ネットワークノードにそれのビューポートセグメントを示すためにクライアントによって使用され得る。
【0069】
たとえば、ビデオストリーミングデバイス(たとえば、クライアントWTRU)は、AnticipatedRequestsメッセージを介して1つまたは複数のセグメントの優先度を示し得る。一例として、優先度パラメーターは、表7に示すように、AnticipatedRequestsメッセージ中に含まれ得る。表7に、AnticipatedRequestsメッセージに対する例示的な優先度パラメーターを示す。別の例として、AnticipatedRequestsメッセージは、降順の相対的優先度で1つまたは複数のセグメントをリストすることによって1つまたは複数のセグメントの優先度を示し得る。表8に、セグメントの優先度を示す例示的なAnticipatedRequestsメッセージを示す。
【0070】
優先度パラメータ(たとえば、値)は、同じAnticipatedRequestsの他のセグメントに対する関連するセグメントの相対優先順序を示し得る。DASHクライアントがNAPにセグメントのどの特定のセットに関心があるのかを告知するとき、DASHクライアントは、NAPに各セグメントの優先度を通知し得る。Priority値は、配信順序および/もしくは時間優先(たとえば、クライアントは、できるだけ早く高優先度のセグメントを受信するのを好むことがある)、または品質優先(たとえば、クライアントは、低品質のセグメントの代わりに高品質のセグメントを受信するのを好むことがある)、または配信優先と品質優先との組合せをシグナリングするために使用され得る。タイルベースのビューポート適応ストリーミングでは、クライアントは、AnticipatedRequestsメッセージに一部または全部のタイルのセグメントを含み得、ビューポートセグメントに高い優先度値を設定し、他のセグメントに低い優先度値を設定し得る。
【0071】
NAPがクライアントからAnticipatedRequestsメッセージを受信すると、NAPは、配信レイテンシを最小化するために高いPriorityのビューポートセグメントをプリフェッチし得る。NAPは、(たとえば、AnticipatedRequestsメッセージを介して)複数のクライアントによって示される1つまたは複数の共通セグメントを同じ優先度を有するものとして識別し得る。たとえば、1つまたは複数の共通セグメントがタイムウインドウ内で同じ優先度を有し得る。NAPは、たとえば、同じ優先度を有する1つまたは複数の共通セグメントに基づいて複数のクライアントに1つまたは複数の共通セグメントをマルチキャストすることを決定し得る。NAPは、複数のクライアントに、異なる優先度を有する1つまたは複数のセグメントをユニキャストし得る。NAPは、複数のクライアントからAnticipatedRequestsメッセージを受信すると、NAPは、配信レイテンシを最小化するために、低優先度にあり得る最も共通に要求されるセグメントをプリフェッチしないことを選定し得、最初に、共通に要求される高優先度のセグメントをプリフェッチし得る。プリフェッチスケジューリングは、異なるアプリケーションおよび/または異なる実装によって異なり得る。
【0072】
【表7】
【0073】
別の例として、AnticipatedRequestsメッセージは、たとえば、sourceUrlに関連する各要求の優先度を示し(たとえば、暗示し)得る。AnticipatedRequestsメッセージは、(たとえば、クライアントWTRUによって決定された)相対優先順序を示し得る。たとえば、AnticipatedRequestsメッセージにリストされているセグメントは、優先度(たとえば、相対優先順序)の順序でリストされ得る。クライアントWTRUは、AnticipatedRequestsメッセージにリストされているセグメントのための決定された優先度に基づいて相対優先順序を決定し得る。ビデオセグメントは、降順の相対的優先度でAnticipatedRequestsメッセージにリストされ得る。たとえば、(たとえば、sourceUrlに関連する)より高い優先度のセグメントは、1つまたは複数のより低い優先度のセグメントの前にリストされ得る。NAPなどのネットワークノードであり得る受信エンティティは、受信されたリストの順序に基づいて優先度を決定し得る。WTRUは、NAPにリストを送る前にリストの順序(たとえば、優先順序)を決定し得る。表8に、優先度を暗示するAnticipatedRequestsメッセージの順序付けられたリストの一例を示す。
【0074】
【表8】
【0075】
別の例として、どの特定のセットをそれがすぐに見る可能性があり得るのかをNAPに告知するためにViewportRequestsステータスメッセージがシグナリングされ得る。表9に、ViewportRequestsメッセージの例示的なデータリプレゼンテーションを示す。各ビューポートセグメントは、バイト範囲および/または受信されるべき絶対最終期限をもつsourceUrlによって指定され得る。
【0076】
【表9】
【0077】
本明細書で説明するViewportRequests SANDメッセージでは、NAPは、最も望ましいビューポートセグメントのオンタイム配信を保証するためにマルチキャスト要求順序をスケジュールし得る。
【0078】
要求されたセグメントではなく代替のセグメントが配信されるべきとき、AcceptedAlternativesおよび/またはDeliveredAlternativeメッセージがNAPとDASHクライアントとの間で交換され得る。クライアントは、たとえば、メッセージ交換オーバーヘッドを回避するために、NAPによって示唆された望ましい順序で1つまたは複数のセグメントを要求し得る。SANDパラメーター拡張受信(PER:Parameters Enhancing Reception)は、360度のビデオストリーミングのためにNAPからDASHクライアントに送るように構成され得る。
【0079】
表10に、RequestsOrder PERメッセージの例示的なパラメーターを示す。RequestOrder PERメッセージは、NAPに、DASHクライアントからのメッセージ中に明示的にシグナリングされるような優先される順において要求されるセグメントのセットをシグナリングすることが可能にすることができる。
【0080】
【表10】
【0081】
本明細書において説明するように、NAPは、WTRUからAnticipatedRequestsメッセージ中でシグナリングされる1つまたは複数の保留中の要求されたセグメントを見越すことができる。各セグメントの要求周波数、サイズ、および/または絶対受信最終期限に基づいて、NAPは、要求されたセグメントを選別し得る。たとえば、NAPは、予想される最も要求されないセグメントまで予想される最も要求されるセグメント、予想される次に最も要求されるセグメント、以下同様を選別し得る。NAPは、ソートおよび/または分析結果に基づいてRequestsOrderメッセージを介して各WTRUに予想されるセグメント要求順序を告知し得る。WTRUが予想されるセグメント要求順序に従うとき、AcceptedAlternativesおよび/またはDeliveredAlternativeなどの追加のSANDメッセージはスキップおよび/またはバイパスされ得る。
【0082】
表11に、360度ビデオが1つまたは複数の高品質のタイルセグメント(たとえば、H1、H2、H3、および/またはH4)と1つまたは複数の低品質のタイルセグメント(たとえば、L1、L2、L3、および/またはL4)とを含む4つのタイルに分割され得る一例を示す。最も頻繁に要求されるセグメントはL4であり得る。次に最も頻繁に要求されるセグメントはH2、H3および/またはL1であり得る。最も頻繁に要求されないセグメントはH1、L2および/またはL3であり得る。(たとえば、表11で*とマークされている)ビューポートタイルH1、H2およびH3の優先度は、本明細書で説明する残りのタイルよりも高くなり得る。ソートの結果に基づいて、サーバーは、表11に示されるような優先される要求の順序を告知するためのPERメッセージのRequestsOrderを各WTRUに送ることができる。
【0083】
【表11】
【0084】
図22に、SAND RequestOrderメッセージの例示的なマルチキャスト利得を示す。図22に示すように、RequestsOrderメッセージを使用することによってマルチキャストを介してより多くのセグメントが配信され得る。
【0085】
図23に、RequestOrderメッセージの例示的なワークフローを示す。図23に示すように、サーバー、NAP、および/または2つ以上のWTRUが表11の例からのRequestOrderメッセージを使用し得る。NAPは、一部または全部のWTRUからAnticipatedRequestsメッセージを受信し得、たとえば、一部または全部のWTRUからのAnticipatedRequestsメッセージに基づいて各WTRUのための最適な要求順序を識別し得る。NAPは、優先される要求の順序を示すためのRequestsOrderメッセージを各WTRUに送ることができる。各WTRUが、予想される順序で各セグメントを要求するためにRequestsOrderメッセージに従う場合、NAPは、サーバーから共通に共有されるセグメント(たとえば、H2、H3、L4および/またはL1)を1回フェッチすることができ、複数のWTRUに共有セグメントを転送することができる。SANDメッセージ交換オーバーヘッドを、減らすことができる。
【0086】
サーバーは、クライアントがリソースを求めることなくリソースをクライアントにプッシュすることができる。サーバーは、リソースをプッシュすることが望ましいことがあり得ると仮定することができる。サーバープッシュは、遅延のラウンドトリップを減らすことができ、(たとえば、没入型のVRエクスペリエンスのための優先される構成要素の1つであり得る)最も低いレイテンシを達成することができる。
【0087】
NAPは、レイテンシを減らすためにサーバプッシュプロトコルを利用し得る。図24に、サーバープッシュのためのマルチキャスト設計の例示的なワークフローを示す。図24に示すように、2つ以上のWTRUクライアント(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)がMPDを要求し得る。メディアセグメントは、プッシュストラテジーを用いて配信され得る。初期化データは、MPD要求に関連するプッシュストラテジーに応答してプッシュされ得る。要求されたMPDが受信されると、クライアントは、それぞれのDASHセグメントURLおよび/またはセグメントプッシュストラテジーを用いてサーバーに1つまたは複数のビデオセグメントを要求し始め得る。プッシュストラテジータイプは、プッシュトランザクション中にプッシュされるべきセグメントを明示的にシグナリングするために、限定はしないが、「urn:mpeg:dash:fdh:2016:push-list」、「urn:mpeg:dash:fdh:2016:push-next」または「urn:mpeg:dash:fdh:2016:push-template」であり得る。NAPは、WTRUによって共有される共通に要求されるセグメントと各WTRUのための一意のセグメントとを選別するためにプッシュ指示値をパースし得る。NAPは、サーバーからの共通に要求されるセグメントを(たとえば、1回)フェッチし、それをローカルバッファ中に記憶し得る。明示的にシグナリングされたURLListまたはURLテンプレートに基づいて、NAPは、プッシュトランザクション中にWTRUに記憶されたセグメントをプッシュし得る。WTRUによって要求された一意のセグメントの場合、WTRUは、ユニキャストとしてサーバーからセグメントをフェッチし得、対応するWTRUに一意のセグメントを即座にプッシュし得る。
【0088】
図25に、サーバープッシュを介したタイルベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なNAPマルチキャスト決定を示す。図25に示すように、NAPは、マルチキャストプッシュおよび/またはユニキャストプッシュのためのタイルベースの360度ビデオセグメントを識別し得る。NAPは、2つ以上のWTRU(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)からのセグメントURLのリストをもつプッシュ指示を受信し得、パースし得る。NAPは、サーバーからフェッチされるべき1つまたは複数の共通に共有されるセグメント(たとえば、H1、H2、および/またはL3)を1回識別し得、それ以上将来の要求が保留中でなくなるローカルバッファ(たとえば、NAP中のバッファ)中に共通に共有されるセグメントを記憶し得る。NAPは、プッシュ指示中でシグナリングされるURLListおよび/またはURLテンプレートに基づいてローカルバッファから各WTRUに1つまたは複数の共通に共有されるセグメントをプッシュし得る。
【0089】
図26に、サーバープッシュを介したレイヤベースの360度ビデオストリーミングのための例示的なNAPマルチキャスト決定を示す。図26に示すように、NAPは、サーバーからのマルチキャストおよび/またはユニキャストフェッチのためのレイヤベースの360度ビデオセグメントを識別し得る。NAPは、2つ以上のWTRU(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)からのセグメントURLのリストをもつプッシュ指示を受信し得、パースし得る。NAPは、暗示的なマルチキャストフェッチのための1つまたは複数の共通に共有される基礎レイヤーセグメント(たとえば、BL)を識別し得、ユニキャストフェッチのための各WTRUのための1つまたは複数の個々の拡張レイヤーセグメント(たとえば、WTRU#AのためのE1およびE2ならびにWTRU#BのためのE3)を識別し得る。NAPは、サーバーから1つまたは複数の共通に共有されるBLセグメントを1回フェッチし得、ローカルバッファ(たとえば、NAPのローカルバッファ)中に1つまたは複数のBLセグメントを記憶し得る。NAPは、WTRUによって明示的にシグナリングされるURLリストおよび/またはURLテンプレートに基づいてローカルバッファから各WTRUにBLセグメントをプッシュし得る。
【0090】
NAPは、セグメントを局所的に記憶し得る。サーバープッシュの仕様は、クライアントが、プッシュトランザクション中にプッシュされるべきセグメントを明示的にシグナリングするためにプッシュタイプ(たとえば、urn:mpeg:dash:fdh:2016:push-list、urn:mpeg:dash:fdh:2016:push-next、および/またはurn:mpeg:dash:fdh:2016:push-template)を使用し得ることを指定し得る。表12に、異なるプッシュタイプによってシグナリングされるセグメントプッシュ順序の例を示す。
【0091】
【表12】
【0092】
SANDメッセージにより、サーバーは、クライアントに要求されたセグメントではなく代替のセグメントを配信することが可能になり得る。サーバープッシュは、同様に働くように構成され得る。たとえば、サーバーは、プッシュタイプでシグナリングされるものとは異なり得るセグメントをプッシュし得る。サーバーは、サーバー負荷、ネットワーク状態、および/または特定のセグメントの重要性のうちの少なくとも1つに基づいてどのセグメントを最初にプッシュすべきかを決定し得る。
【0093】
PushDirectiveのフォーマットは、次のように構成され得る。
PUSH_DIRECTIVE=PUSH_TYPE[OWS“;”OWS QVALUE]
PUSH_TYPE=<(たとえば、表5および/または表6中で与えられ得る)PushTypeの一例>
QVALUE=<qvalueは、以下のように定義され得る。
Weight=OWS“;”OWS“q=”qvalue
qvalue=(“0”[“.”0*3DIGIT])
/(“1”[“.”0*3(“0”)])>
【0094】
追加のPUSH_ORDERは、セグメントが、プッシュタイプで明示的にシグナリングされるように厳密な順序でプッシュされ得るのか、またはNAPによって決定され得るのかを示し得る。
ORDER=<表13において定義されている例示的なPushOrder>
【0095】
本明細書で説明するPUSH_ORDERを用いるPushDirectiveは、エッジサーバ、CDNサーバー、またはオリジンサーバなどのDASHサーバープッシュをサポートするネットワーク要素に適用され得る。表13に、PUSH_ORDERのための例示的な有効値を示す。
【0096】
【表13】
【0097】
表14に、明示的なPushOrderの例を示す。クライアントは、サーバーが最初に要求されたものの後にPushTypeに記載されているように次の2つのセグメント Segment2およびsegment3をプッシュすることを要求し得る。たとえば、Segment2は、Segment3より前にプッシュされ得る。
【0098】
【表14】
【0099】
表15に、フレキシブルなPushOrderの例を示す。クライアントは、サーバーが最初に要求されたものの後にPushTypeに記載されているように次の2つのセグメント Segment2およびsegment3をプッシュすることを要求し得る。Segment2は、サーバーの状態によっては、Segment3の前か後にプッシュされ得る。
【0100】
【表15】

【0101】
図27に、フレキシブルなプッシュ順序を用いる例示的なマルチキャストワークフローを示す。図27に示すように、2つ以上のクライアント(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)は、「flexible」に設定されたプッシュ順序パラメータセットを用いてNAPにPushTypeを送り得る。NAPは、2つ以上のWTRUによって共有されるべき1つまたは複数のマルチキャストセグメント(たとえば、H1、H2、および/またはL3)とWTRUのための1つまたは複数のユニキャストセグメント(たとえば、L4および/またはH4)とを識別し得る。NAPは、サーバーからマルチキャストセグメントを(たとえば、1回)フェッチし得、WTRUにプッシュし得、またサーバーからユニキャストセグメントをフェッチし得、対応するWTRUに個々にプッシュし得る。
【0102】
図28に、NAPによって開始されるプッシュタイプを用いる例示的なマルチキャストワークフローを示す。2つ以上のクライアント(たとえば、WTRU#AおよびWTRU#B)は、NAPにPushTypeを送り得る。NAPは、クライアントにプッシュされるべきセグメントの順序を告知するためにプッシュタイプ(たとえば、urn:mpeg:dash:fdh:2016:push-list、urn:mpeg:dash:fdh:2016:push-nextおよび/またはurn:mpeg:dash:fdh:2016:push-template)を用いてクライアントにプッシュ指示を開始するように構成され得る。NAPがクライアントから肯定応答を受信すると、NAPは、サーバーからセグメントをフェッチし得、プッシュタイプ中でシグナリングされた順序でセグメントをプッシュし得る。プッシュ指示がクライアントによって肯定応答されない場合、NAPは、クライアントから受信したプッシュタイプ中で元々シグナリングされたようにセグメントをプッシュし得るか、またはNAPは、クライアントからのプッシュ指示に肯定応答しないことがある。
【0103】
図29Aは、1つまたは複数の開示する実施形態が実装され得る例示的な通信システム100を示す図である。通信システム100は、複数のワイヤレスユーザに音声、データ、ビデオ、メッセージング、ブロードキャストなどのコンテンツを与える多元接続システムであり得る。通信システム100は、ワイヤレス帯域幅を含むシステムリソースの共有を通してそのようなコンテンツに複数のワイヤレスユーザがアクセスすることを可能にし得る。たとえば、通信システム100は、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、直交FDMA(OFDMA)、シングルキャリアFDMA(SC-FDMA)、ゼロテールユニークワードDFT拡散OFDM(ZT UW DTS-s OFDM:zero-tail unique-word DFT-Spread OFDM)、ユニークワードOFDM(UW-OFDM:unique word OFDM)、リソースブロックフィルタ処理済みOFDM(resource block-filtered OFDM)、フィルタバンクマルチキャリア(FBMC:filter bank multicarrier)などの1つまたは複数のチャネルアクセス方法を採用し得る。
【0104】
図29Aに示すように、通信システム100は、ワイヤレス送信/受信ユニット(WTRU)102a、102b、102c、102dと、RAN104/113と、CN106/115と、公衆交換電話網(PSTN)108と、インターネット110と、他のネットワーク112とを含み得るが、開示する実施形態が、任意の数のWTRU、基地局、ネットワーク、および/またはネットワーク要素を企図することを諒解されよう。WTRU102a、102b、102c、102dの各々は、ワイヤレス環境において動作および/または通信するように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。例として、いずれかが「局」および/または「STA」と呼ばれることがあるWTRU102a、102b、102c、102dは、ワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成され得、ユーザー機器(UE)、移動局、固定またはモバイル加入者ユニット、サブスクリプションベースのユニット、ページャ、セルラー電話、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、ラップトップ、ネットブック、パーソナルコンピュータ、ワイヤレスセンサ、ホットスポットまたはMi-Fiデバイス、モノのインターネット(IoT)デバイス、ウォッチまたは他のウェアラブルなもの、ヘッドマウントディスプレイ(HMD)、ビークル、ドローン、医療デバイスおよびアプリケーション(たとえば、遠隔手術)、産業用デバイスおよびアプリケーション(たとえば、産業および/または自動処理チェーンコンテキストで動作するロボットおよび/または他のワイヤレスデバイス)、家庭用電子機器デバイス、商用および/または産業用ワイヤレスネットワーク上で動作するデバイスなどを含み得る。WTRU102a、102b、102cおよび102dのいずれかは、互いに、交換可能に、UEと呼ばれることがある。
【0105】
通信システム100はまた、基地局114aおよび/または基地局114bを含み得る。基地局114a、114bの各々は、CN106/115、インターネット110、および/または他のネットワーク112などの1つまたは複数の通信ネットワークへのアクセスを容易にするためにWTRU102a、102b、102c、102dのうちの少なくとも1つとワイヤレスにインターフェースするように構成された任意のタイプのデバイスであり得る。例として、基地局114a、114bは、送受信基地局(BTS)、ノードB、eノードB、ホームノードB、ホームeノードB、gNB、NRノードB、サイトコントローラ、アクセスポイント(AP)、ワイヤレスルータなどであり得る。基地局114a、114bはそれぞれ単一の要素として示されているが、基地局114a、114bが任意の数の相互接続された基地局および/またはネットワーク要素を含み得ることを諒解されよう。
【0106】
基地局114aは、他の基地局および/または基地局コントローラ(BSC)、無線ネットワークコントローラ(RNC)、リレーノードなどのネットワーク要素(図示せず)をも含み得るRAN104/113の一部であり得る。基地局114aおよび/または基地局114bは、セル(図示せず)と呼ばれることがある1つまたは複数のキャリア周波数上でワイヤレス信号を送信および/または受信するように構成され得る。これらの周波数は、認可スペクトル、無認可スペクトル、または認可スペクトルと無認可スペクトルとの組合せ中にあり得る。セルは、比較的固定され得るか、または時間とともに変化し得る特定の地理的エリアにワイヤレスサービスのためのカバレージを与え得る。セルは、セルセクタにさらに分割され得る。たとえば、基地局114aに関連するセルは、3つのセクタに分割され得る。したがって、一実施形態では、基地局114aは、3つのトランシーバー、すなわち、セルのセクタごとに1つを含み得る。一実施形態では、基地局114aは、多入力多出力(MIMO)技術を採用し得、セルのセクタごとに複数のトランシーバーを利用し得る。たとえば、所望の空間的方向で信号を送信および/または受信するために、ビームフォーミングが使用され得る。
【0107】
基地局114a、114bは、任意の好適なワイヤレス通信リンク(たとえば、無線周波数(RF)、マイクロ波、センチメートル波、マイクロメートル波、赤外線(IR)、紫外線(UV)、可視光など)であり得るエアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数と通信し得る。エアインターフェース116は、任意の好適な無線アクセス技術(RAT)を使用して確立され得る。
【0108】
より詳細には、上記のように、通信システム100は、多元接続システムであり得、CDMA、TDMA、FDMA、OFDMA、SC-FDMAなどの1つまたは複数のチャネルアクセス方式を採用し得る。たとえば、RAN104/113中の基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、広帯域CDMA(WCDMA)を使用してエアインターフェース115/116/117を確立し得るユニバーサル移動体(電話)通信システム(UMTS)地上波無線アクセス(UTRA)などの無線技術を実装し得る。WCDMAは、高速パケットアクセス(HSPA)および/または発展型HSPA(HSPA+)などの通信プロトコルを含み得る。HSPAは、高速ダウンリンク(DL)パケットアクセス(HSDPA)および/または高速ULパケットアクセス(HSUPA)を含み得る。
【0109】
一実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、ロングタームエボリューション(LTE)および/またはLTEアドバンスト(LTE-A)および/またはLTEアドバンストプロ(LTE-A Pro)を使用してエアインターフェース116を確立し得る発展型UMTS地上波無線アクセス(E-UTRA)などの無線技術を実装し得る。
【0110】
一実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、新無線(NR)を使用してエアインターフェース116を確立し得るNR無線アクセスなどの無線技術を実装し得る。
【0111】
一実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、複数の無線アクセス技術を実装し得る。たとえば、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、たとえば、デュアル接続性(DC)原理を使用してLTE無線アクセスとNR無線アクセスとを一緒に実装し得る。したがって、WTRU102a、102b、102cによって利用されるエアインターフェースは、複数のタイプの無線アクセス技術および/または複数のタイプの基地局(たとえば、eNBおよびgNB)との間で送られる送信によって特徴づけられ得る。
【0112】
他の実施形態では、基地局114aおよびWTRU102a、102b、102cは、IEEE802.11(すなわち、ワイヤレスフィデリティ(WiFi)、IEEE802.16(すなわち、ワールドワイドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(WiMAX))、CDMA2000、CDMA2000 1X、CDMA2000EV-DO、Interim Standard2000(IS-2000)、Interim Standard95(IS-95)、Interim Standard856(IS-856)、グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーションズ(GSM)、GSM進化型高速データレート(EDGE)、GSM EDGE(GERAN)などの無線技術を実装し得る。
【0113】
図29A中の基地局114bは、たとえば、ワイヤレスルータ、ホームノードB、ホームeノードB、またはアクセスポイントであり得、職場、家庭、ビークル、構内、産業設備、(たとえば、ドローンが使用するための)空中回廊、道路などの局所的エリアでのワイヤレス接続性を容易にすることのために任意の好適なRATを利用し得る。一実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)を確立するためにIEEE802.11などの無線技術を実装し得る。一実施形態では、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ワイヤレスパーソナルエリアネットワーク(WPAN)を確立するためにIEEE802.15などの無線技術を実装し得る。また別の実施形態中で、基地局114bおよびWTRU102c、102dは、ピコセルまたはフェムトセルを確立するためにセルラーベースのRAT(たとえば、WCDMA、CDMA2000、GSM、LTE、LTE-A、LTE-A Pro、NRなど)を利用し得る。図29Aに示すように、基地局114bは、インターネット110への直接接続を有し得る。したがって、基地局114bは、CN106/115を介してインターネット110にアクセスする必要がないことがある。
【0114】
RAN104/113は、WTRU102a、102b、102c、102dのうちの1つまたは複数に音声、データ、アプリケーション、および/またはボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)サービスを与えるように構成された任意のタイプのネットワークであり得るCN106/115と通信していることがある。データは、異なるスループット要件、レイテンシ要件、誤り耐性要件、信頼性要件、データスループット要件、モビリティ要件などの変動するサービス品質(QoS)要件を有し得る。CN106/115は、呼の制御、課金サービス、モバイルロケーションベースのサービス、プリペイド発呼、インターネット接続性、ビデオ分配などを与え、および/またはユーザー認証などの高レベルなセキュリティ関数を実行し得る。図29Aには示されていないが、RAN104/113および/またはCN106/115が、RAN104/113と同じRATまたは異なるRATを採用する他のRANと直接的または間接的に通信し得ることを諒解されよう。たとえば、NR無線技術を利用していることがあるRAN104/113に接続されることに加えて、CN106/115はまた、GSM、UMTS、CDMA2000、WiMAX、E-UTRA、またはWiFi無線技術を採用する別のRAN(図示せず)と通信し得る。
【0115】
CN106/115はまた、PSTN108、インターネット110、および/または他のネットワーク112にアクセスするためにWTRU102a、102b、102c、102dのためのゲートウェイとして働き得る。PSTN108は、簡易電話サービス(POTS)を与える回線交換電話網を含み得る。インターネット110は、TCP/IPインターネットプロトコルスイート中で伝送制御プロトコル(TCP)、ユーザデータグラムプロトコル(UDP)および/またはインターネットプロトコル(IP)などの共通の通信プロトコルを使用する相互接続されたコンピュータネットワークおよびデバイスのグローバルシステムを含み得る。ネットワーク112は、他のサービスプロバイダによって所有および/または動作されるワイヤードおよび/またはワイヤレス通信ネットワークを含み得る。たとえば、ネットワーク112は、RAN104/113と同じRATまたは異なるRATを採用し得る1つまたは複数のRANに接続された別のCNを含み得る。
【0116】
通信システム100中でWTRU102a、102b、102c、102dの一部または全部は、マルチモード能力を含み得る(たとえば、WTRU102a、102b、102c、102dは、異なるワイヤレスリンクを介して異なるワイヤレスネットワークと通信するための複数のトランシーバーを含み得る)。たとえば、図29Aに示すWTRU102cは、セルラーベースの無線技術を採用し得る基地局114aと通信し、IEEE802無線技術を採用し得る基地局114bと通信するように構成され得る。
【0117】
図29Bは、例示的なWTRU102を示すシステム図である。図29Bに示すように、WTRU102は、特に、プロセッサー118、トランシーバー120、送信/受信要素122、スピーカー/マイクロフォン124、キーパッド126、ディスプレイ/タッチパッド128、取り外し不可能なメモリー130、取り外し可能なメモリー132、電源134、全地球測位システム(GPS)チップセット136、および/または他の周辺機器138を含み得る。WTRU102が、実施形態に一致したままでありながら、上記の要素の任意の部分組合せを含み得ることを諒解されよう。
【0118】
プロセッサー118は、汎用プロセッサー、専用プロセッサー、従来のプロセッサー、デジタル信号プロセッサー(DSP)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアに関連する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)回路、他のタイプの集積回路(IC)、状態機械などであり得る。プロセッサー118は、信号符号化、データ処理、電力制御、入出力処理、および/またはWTRU102がワイヤレス環境において動作することを可能にする任意の他の機能を実行し得る。プロセッサー118は、送信/受信要素122に結合され得るトランシーバー120に結合され得る。図29Bに、別個の構成要素としてプロセッサー118とトランシーバー120とを示しているが、プロセッサー118とトランシーバー120とが電子パッケージまたはチップ中で一緒に統合され得ることを諒解されよう。
【0119】
送信/受信要素122は、エアインターフェース116を介して基地局(たとえば、基地局114a)に信号を送信し、それから信号を受信するように構成され得る。たとえば、一実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号を送信および/または受信するように構成されたアンテナであり得る。一実施形態では、送信/受信要素122は、たとえば、IR、UV、または可視光信号を送信および/または受信するように構成されたエミッタ/検出器であり得る。また別の実施形態では、送信/受信要素122は、RF信号と光信号との両方を送信および/または受信するように構成され得る。送信/受信要素122が、ワイヤレス信号の任意の組合せを送信および/または受信するように構成され得ることを諒解されよう。
【0120】
送信/受信要素122が単一の要素として図29Bに示されているが、WTRU102は任意の数の送信/受信要素122を含み得る。より詳細には、WTRU102は、MIMO技術を採用し得る。したがって、一実施形態では、WTRU102は、エアインターフェース116を介してワイヤレス信号を送信および受信するための2つ以上の送信/受信要素122(たとえば、複数のアンテナ)を含み得る。
【0121】
トランシーバー120は、送信/受信要素122によって送信されるべきである信号を変調し、送信/受信要素122によって受信された信号を復調するように構成され得る。上記のように、WTRU102は、マルチモード能力を有し得る。したがって、トランシーバー120は、WTRU102が、たとえば、NRおよびIEEE802.11などの複数のRATを介して通信することを可能にするための複数のトランシーバーを含み得る。
【0122】
WTRU102のプロセッサー118は、スピーカー/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128(たとえば、液晶ディスプレイ(LCD)ディスプレイユニットまたは有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイユニット)に結合され得、それらからユーザー入力データを受信し得る。プロセッサー118はまた、スピーカー/マイクロフォン124、キーパッド126、および/またはディスプレイ/タッチパッド128にユーザデータを出力し得る。さらに、プロセッサー118は、取り外し不可能なメモリー130および/または取り外し可能なメモリー132などの任意のタイプの好適なメモリーから情報にアクセスし、それの中にデータを記憶し得る。取外し不能メモリー130は、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読出し専用メモリー(ROM)、ハードディスク、または他のタイプのメモリストレージデバイスを含み得る。取外し可能メモリー132は、加入者識別モジュール(SIM)カード、メモリスティック、セキュアデジタル(SD)メモリカードなどを含み得る。他の実施形態では、プロセッサー118は、サーバーまたはホームコンピュータ(図示せず)上など、WTRU102上に物理的に位置しないメモリーからの情報にアクセスし、その中にデータを記憶し得る。
【0123】
プロセッサー118は、電源134から電力を受電し得、WTRU102中の他の構成要素に電力を分散および/または制御するように構成され得る。電源134は、WTRU102に電力供給するための任意の好適なデバイスであり得る。たとえば、電源134は、1つまたは複数の乾電池バッテリー(たとえば、ニッケルカドミウム(NiCd)、ニッケル亜鉛(NiZn)、ニッケル水素(NiMH)、リチウムイオン(Li-ion)など)、太陽電池、燃料電池などを含み得る。
【0124】
プロセッサー118はまた、WTRU102の現在のロケーションに関するロケーション情報(たとえば、経度および緯度)を与えるように構成され得るGPSチップセット136に結合され得る。GPSチップセット136からの情報に加えて、または、それの代わりに、WTRU102は、基地局(たとえば、基地局114a、114b)からエアインターフェース116を介してロケーション情報を受信し、および/または2つ以上の近くの基地局から受信している信号のタイミングに基づいてそれのロケーションを決定し得る。WTRU102が、実施形態に一致したままでありながら、任意の好適なロケーション決定方法によってロケーション情報を捕捉し得ることを諒解されよう。
【0125】
プロセッサー118は、追加の特徴、機能および/またはワイヤードもしくはワイヤレス接続性を与える1つまたは複数のソフトウェアおよび/またはハードウェアモジュールを含み得る他の周辺機器138にさらに結合され得る。たとえば、周辺機器138は、加速度計、eコンパス、衛星トランシーバー、(写真および/またはビデオのための)デジタルカメラ、ユニバーサルシリアルバス(USB)ポート、振動デバイス、テレビジョントランシーバ、ハンズフリーヘッドセット、Bluetooth(登録商標)モジュール、周波数変調(FM)無線ユニット、デジタル音楽プレーヤ、メディアプレーヤ、ビデオゲームプレーヤモジュール、インターネットブラウザ、バーチャルリアリティおよび/または拡張現実(VR/AR)デバイス、アクティビティトラッカなどを含み得る。周辺機器138は、1つまたは複数のセンサを含み得、センサは、ジャイロスコープ、加速度計、ホール効果センサ、磁力計、向きセンサ、近接センサ、温度センサ、時間センサ、ジオロケーションセンサ、高度計、光センサ、タッチセンサ、磁力計、気圧計、ジェスチャセンサ、生体センサ、および/または湿度センサのうちの1つまたは複数であり得る。
【0126】
WTRU102は、((たとえば、送信のための)ULと(たとえば、受信のための)ダウンリンクとの両方のための特定のサブフレームに関連する)信号の一部または全部の送信および受信が並列および/または同時であり得る全二重無線を含み得る。全二重無線は、ハードウェア(たとえば、チョーク)またはプロセッサー(たとえば、別個のプロセッサー(図示せず)またはビアプロセッサ118)を介した信号処理のいずれかを介して自己干渉を小さくするおよびまたは実質的になくすために干渉管理ユニットを含み得る。一実施形態では、WRTU102は、((たとえば、送信のための)ULまたは(たとえば、受信のための)ダウンリンクのいずれかのための特定のサブフレームに関連する)信号の一部または全部の送信および受信のための半二重無線を含み得る。
【0127】
図29Cは、一実施形態による、RAN104およびCN106を示すシステム図である。上記のように、RAN104は、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにE-UTRA無線技術を採用し得る。RAN104はまた、CN106と通信し得る。
【0128】
RAN104は、eノードB160a、160b、160cを含み得るが、RAN104が、実施形態に一致したままでありながら、任意の数のeノードBを含み得ることを諒解されよう。eノードB160a、160b、160cはそれぞれ、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバーを含み得る。一実施形態では、eノードB160a、160b、160cは、MIMO技術を実装し得る。したがって、eノードB160aは、たとえば、WTRU102aにワイヤレス信号を送信するおよび/またはそれからワイヤレス信号を受信するために複数のアンテナを使用し得る。
【0129】
eノードB160a、160b、160cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、無線リソース管理決定、ハンドオーバ決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザーのスケジューリングなどを扱うように構成され得る。図29Cに示すように、eノードB160a、160b、160cは、X2インターフェースを介して互いと通信し得る。
【0130】
図29Cに示すCN106は、モビリティ管理エンティティ(MME)162と、サービングゲートウェイ(SGW)164と、パケットデータネットワーク(PDN)ゲートウェイ(またはPGW)166とを含み得る。上記の要素の各々がCN106の一部として示されているが、これらの要素のいずれかがCNオペレータ以外のエンティティによって所有および/または動作され得ることを諒解されよう。
【0131】
MME162は、S1インターフェースを介してRAN104中のeノードB162a、162b、162cの各々に接続され得、制御ノードとして働き得る。たとえば、MME162は、WTRU102a、102b、102cのユーザーを認証すること、ベアラのアクティブ化/非アクティブ化、WTRU102a、102b、102cの初期アタッチ(initial attach)中に特定のサービングゲートウェイを選択することなどを担当し得る。MME162は、RAN104とGSMおよび/またはWCDMAなどの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を与え得る。
【0132】
SGW164は、S1インターフェースを介してRAN104中のeノードB160a、160b、160cの各々に接続され得る。SGW164は、概して、WTRU102a、102b、102cとの間でユーザデータパケットをルーティングおよび転送し得る。SGW164は、eノードB間のハンドオーバ中にユーザプレーンをアンカリングすること、DLデータがWTRU102a、102b、102cのために利用可能であるときにページングをトリガすること、WTRU102a、102b、102cのコンテキストを管理および記憶することなどの他の機能を実行し得る。
【0133】
SGW164は、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするためにインターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与え得るPGW166に接続され得る。
【0134】
CN106は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。たとえば、CN106は、WTRU102a、102b、102cと従来の固定通信デバイスとの間の通信を容易にするためにPSTN108などの回線交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与え得る。たとえば、CN106は、CN106とPSTN108との間のインターフェースとして働くIPゲートウェイ(たとえば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバー)を含み得るかまたはそれと通信し得る。さらに、CN106は、他のサービスプロバイダによって所有および/または動作される他のワイヤードおよび/またはワイヤレスネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与え得る。
【0135】
WTRUがワイヤレス端末として図29A図29Dに記載されているが、そのような端末が(たとえば、一時的にまたは永続的に)使用し得るいくつかの代表的な実施形態では、ワイヤード通信が通信ネットワークとインターフェースすると考えられる。
【0136】
代表的な実施形態では、他のネットワーク112は、WLANであり得る。
【0137】
インフラストラクチャ基本サービスセット(BSS)モードのWLANは、BSSのためのアクセスポイント(AP)とAPに関連する1つまたは複数の局(STA)とを有し得る。APは、分配システム(DS)またはBSSを出入りするトラフィックを搬送する別のタイプのワイヤード/ワイヤレスネットワークへのアクセスまたはインターフェースを有し得る。BSSの外部から発信するSTAへのトラフィックは、APを通して到着し得、STAに配信され得る。BSS外の宛先にSTAから発信されたトラフィックは、それぞれの宛先に配信されるためにAPに送られ得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、APを通して送られ得、たとえば、ここで、ソースSTAはAPにトラフィックを送り得、APは、宛先STAにトラフィックを配信し得る。BSS内のSTA間のトラフィックは、ピアツーピアトラフィックと見なされるおよび/またはそう呼ばれることがある。ピアツーピアトラフィックは、ダイレクトリンクセットアップ(DLS)を用いてソースSTAと宛先STAとの間で(たとえば、それらの間で直接)送られ得る。いくつかの代表的な実施形態では、DLSは、802.11e DLSまたは802.11zトンネリングされたDLS(TDLS:tunneled DLS)を使用し得る。独立BSS(IBSS)モードを使用するWLANはAPを有しないことがあり、IBSS内のまたはそれを使用するSTA(たとえば、STAのすべて)は互いに直接通信し得る。IBSS通信モードは、時々、本明細書では「アドホック」通信モードと呼ぶことがある。
【0138】
802.11acインフラストラクチャ動作モードまたは同様の動作モードを使用するとき、APは、1次チャネルなどの固定チャネル上でビーコンを送信し得る。1次チャネルは、固定幅(たとえば、20MHz幅の帯域幅)であるか、またはシグナリングを介して動的に設定された幅であり得る。1次チャネルは、BSSの動作チャネルであり得、APとの接続を確立するためにSTAによって使用され得る。いくつかの代表的な実施形態では、キャリア検知多重アクセス/衝突回避(CSMA/CA)が、たとえば、802.11システム中に実装され得る。CSMA/CAでは、APを含むSTA(たとえば、あらゆるSTA)が1次チャネルを感知し得る。1次チャネルが特定のSTAによって感知/検出されるおよび/またはビジーであると決定される場合、特定のSTAはバックオフし得る。1つのSTA(たとえば、ただ1つの局)が、所与のBSS中で所与の時間に送信し得る。
【0139】
高スループット(HT)のSTAは、40MHz幅のチャネルを形成するために、たとえば、隣接するまたは隣接していない20MHzのチャネルとの1次の20MHzのチャネルの組合せを介した通信のために40MHz幅のチャネルを使用し得る。
【0140】
極高スループット(VHT)のSTAは、20MHz、40MHz、80MHz、および/または160MHz幅のチャネルをサポートし得る。40MHzおよび/または80MHzのチャネルは、連続する20MHzのチャネルを組み合わせることによって形成され得る。160MHzのチャネルは、8つの連続する20MHzのチャネルを組み合わせることによって、または80+80構成と呼ばれることがある2つの不連続の80MHzのチャネルを組み合わせることによって形成され得る。80+80構成について、データは、チャネルのエンコードの後に、2つのストリームにデータを分割し得るセグメントパーサを通して渡され得る。逆高速フーリエ変換(IFFT)処理と時間領域処理とが別々に各ストリームに対して行われ得る。ストリームは、2つの80MHzのチャネル上にマッピングされ得、データは、送信STAによって送信され得る。受信STAのレシーバーでは、80+80構成について上記で説明した動作が逆行され得、組み合わされたデータが媒体アクセス制御(MAC)に送られ得る。
【0141】
サブ1GHz動作モードは、802.11afおよび802.11ahによってサポートされる。チャネル動作帯域幅およびキャリアは、802.11nおよび802.11acにおいて使用されるものと比較して802.11afおよび802.11ahにおいて減らされる。802.11afは、TVホワイトスペース(TVWS)スペクトル中の5MHz、10MHz、および20MHzの帯域幅をサポートし、802.11ahは、非TVWSスペクトルを使用して1MHz、2MHz、4MHz、8MHz、および16MHzの帯域幅をサポートする。代表的な実施形態によれば、802.11ahは、マクロカバレージエリア中のMTCデバイスなどのメータ型制御/マシン型通信をサポートし得る。MTCデバイスは、いくつかの能力、たとえば、いくつかのおよび/または限定された帯域幅のサポート(たとえば、それだけのサポート)を含む限定された能力を有し得る。MTCデバイスは、(たとえば、非常に長いバッテリー寿命を維持するために)しきい値を上回るバッテリー寿命をもつバッテリーを含み得る。
【0142】
802.11n、802.11ac、802.11af、および802.11ahなどの複数のチャネルおよびチャネル帯域幅をサポートし得るWLANシステムは、1次チャネルとして指定され得るチャネルを含む。1次チャネルは、BSS中のすべてのSTAによってサポートされる最大の共通動作帯域幅に等しい帯域幅を有し得る。1次チャネルの帯域幅は、BSS中で動作するすべてのSTAの中から、最小の帯域幅動作モードをサポートするSTAによって設定および/または限定され得る。802.11ahの例では、APおよびBSS中の他のSTAが、2MHz、4MHz、8MHz、16MHz、および/または他のチャネル帯域幅動作モードをサポートする場合でも、1次チャネルは、1MHzモードをサポートする(たとえば、それだけをサポートする)STA(たとえば、MTCタイプのデバイス)について1MHz幅であり得る。キャリア検知および/またはネットワーク割振りベクトル(NAV)の設定は、1次チャネルのステータスに依存し得る。たとえば(1MHz動作モードだけをサポートする)STAのために1次チャネルがビジーである場合、周波数帯域の大部分がアイドルのままであり、利用可能であり得る場合であっても、APに利用可能な周波数帯域全体を送信することがビジーであると見なされ得る。
【0143】
米国では、802.11ahによって使用され得る利用可能な周波数帯域は、902MHzから928MHzまである。韓国では、利用可能な周波数帯域は、917.5MHzから923.5MHzまである。日本では、利用可能な周波数帯域は、916.5MHzから927.5MHzまである。802.11ahのために利用可能な総帯域幅は、国コードに応じて6MHzから26MHzである。
【0144】
図29Dは、一実施形態による、RAN113およびCN115を示すシステム図である。上記のように、RAN113は、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するためにNR無線技術を採用し得る。RAN113はまた、CN115と通信し得る。
【0145】
RAN113は、gNB180a、180b、180cを含み得るが、RAN113が、実施形態に一致したままでありながら、任意の数のgNBを含み得ることを諒解されよう。gNB180a、180b、180cはそれぞれ、エアインターフェース116を介してWTRU102a、102b、102cと通信するための1つまたは複数のトランシーバーを含み得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、MIMO技術を実装し得る。たとえば、gNB180a、108bは、gNB180a、180b、180cに信号を送信し、および/またはそれから信号を受信するためにビームフォーミングを利用し得る。したがって、gNB180aは、たとえば、WTRU102aにワイヤレス信号を送信し、および/またはそれからワイヤレス信号を受信するために複数のアンテナを使用し得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、キャリアアグリゲーション技術を実装し得る。たとえば、gNB180aは、WTRU102a(図示せず)に複数コンポーネントキャリアを送信し得る。これらのコンポーネントキャリアのサブセットは、無認可スペクトル上にあり得るが、残りのコンポーネントキャリアは、認可スペクトル上にあり得る。一実施形態では、gNB180a、180b、180cは、協調マルチポイント(CoMP)技術を実装し得る。たとえば、WTRU102aは、gNB180aおよびgNB180b(および/またはgNB180c)から協調送信を受信し得る。
【0146】
WTRU102a、102b、102cは、スケーラブルな数秘学に関連する送信を使用してgNB180a、180b、180cと通信し得る。たとえば、OFDMシンボル間隔および/またはOFDMサブキャリア間隔は、異なる送信、セル、および/またはワイヤレス送信スペクトルの部分ごとに変動し得る。WTRU102a、102b、102cは、(たとえば、様々な数のOFDMシンボルを含んでいるおよび/または変動する長さの絶対時間の間続く)様々なまたはスケーラブルな長さのサブフレームまたは送信時間間隔(TTI)を使用してgNB180a、180b、180cと通信し得る。
【0147】
gNB180a、180b、180cは、スタンドアロン構成および/または非スタンドアロン構成中のWTRU102a、102b、102cと通信するように構成され得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、他のRAN(たとえば、eノードB160a、160b、160cなど)にアクセスすることもなしにgNB180a、180b、180cと通信し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、モビリティアンカーポイントとしてgNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数を利用し得る。スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、無認可帯域中の信号を使用してgNB180a、180b、180cと通信し得る。非スタンドアロン構成では、WTRU102a、102b、102cは、eノードB160a、160b、160cなどの別のRANとも通信しながら/それにも接続しながらgNB180a、180b、180cと通信し得る/それに接続し得る。たとえば、WTRU102a、102b、102cは、1つまたは複数のgNB180a、180b、180cおよび1つまたは複数のeノードB160a、160b、160cと実質的に同時に通信するためにDC原理を実装し得る。非スタンドアロン構成では、eノードB160a、160b、160cは、WTRU102a、102b、102cのためのモビリティアンカーとして働き得、gNB180a、180b、180cは、WTRU102a、102b、102cをサービスするための追加のカバレージおよび/またはスループットを与え得る。
【0148】
gNB180a、180b、180cの各々は、特定のセル(図示せず)に関連付けられ得、無線リソース管理の決定、ハンドオーバの決定、ULおよび/またはDLにおけるユーザーのスケジューリング、ネットワークスライシングのサポート、デュアル接続性、NRとE-UTRAとの間の相互接続、ユーザプレーン機能(UPF)184a、184bに向けたユーザプレーンデータのルーティング、アクセスおよびモビリティ管理機能(AMF)182a、182bに向けた制御プレーン情報のルーティングなどを扱うように構成され得る。図29Dに示すように、gNB180a、180b、180cは、Xnインターフェースを介して互いと通信し得る。
【0149】
図29Dに示すCN115は、少なくとも1つのAMF182a、182bと、少なくとも1つのUPF184a、184bと、少なくとも1つのセッション管理機能(SMF)183a、183bと、場合によっては、データネットワーク(DN)185a、185bとを含み得る。上記の要素の各々がCN115の一部として示されているが、これらの要素のいずれかがCNオペレータ以外のエンティティによって所有および/または動作され得ることを諒解されよう。
【0150】
AMF182a、182bは、N2インターフェースを介してRAN113中のgNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数に接続され得、制御ノードとして働き得る。たとえば、AMF182a、182bは、WTRU102a、102b、102cのユーザーを認証すること、ネットワークスライシング(たとえば、異なる要件をもつ異なるPDUセッションの扱い)のサポート、特定のSMF183a、183bを選択すること、登録エリアの管理、NASシグナリングの終了、モビリティ管理などを担当し得る。ネットワークスライシングは、利用されたWTRU102a、102b、102cであるサービスのタイプに基づいてWTRU102a、102b、102cのCNのサポートをカスタマイズするために、AMF182a、182bによって使用され得る。たとえば、異なるネットワークスライスは、高信頼低遅延(URLLC)アクセスに依拠するサービス、拡張大規模モバイルブロードバンド(eMBB)アクセスに依拠するサービス、マシン型通信(MTC)アクセスのサービスなどの異なる使用事例のために確立され得る。AMF162は、RAN113とLTE、LTE-A、LTE-A Pro、および/またはWiFiなどの非3GPPアクセス技術などの他の無線技術を採用する他のRAN(図示せず)との間で切り替えるための制御プレーン機能を与え得る。
【0151】
SMF183a、183bは、N11インターフェースを介してCN115中のAMF182a、182bに接続され得る。SMF183a、183bはまた、N4インターフェースを介してCN115中のUPF184a、184bに接続され得る。SMF183a、183bは、UPF184a、184bを選択および制御し、UPF184a、184bを通してトラフィックのルーティングを構成し得る。SMF183a、183bは、UEのIPアドレスを管理し、割り振ること、PDUセッションを管理すること、ポリシーの実施およびQoSを制御すること、ダウンリンクデータの通知を与えることなどの他の機能を実行し得る。PDUセッションのタイプは、IPベースのもの、非IPベースのもの、イーサネットベースのものなどであり得る。
【0152】
UPF184a、184bは、WTRU102a、102b、102cとIP対応デバイスとの間の通信を容易にするためにインターネット110などのパケット交換ネットワークへのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与え得るN3インターフェースを介してRAN113中のgNB180a、180b、180cのうちの1つまたは複数に接続され得る。UPF184、184bは、パケットをルーティングおよび転送すること、ユーザプレーンのポリシーを強制すること、マルチホームPDUセッションをサポートすること、ユーザプレーンQoSを扱うこと、ダウンリンクパケットをバッファリングすること、モビリティアンカリングを与えることなどの他の機能を実行し得る。
【0153】
CN115は、他のネットワークとの通信を容易にし得る。たとえば、CN115は、CN115とPSTN108との間のインターフェースとして働くIPゲートウェイ(たとえば、IPマルチメディアサブシステム(IMS)サーバー)を含み得るかまたはそれと通信し得る。さらに、CN115は、他のサービスプロバイダによって所有および/または動作される他のワイヤードおよび/またはワイヤレスネットワークを含み得る他のネットワーク112へのアクセスをWTRU102a、102b、102cに与え得る。一実施形態では、WTRU102a、102b、102cは、UPF184a、184bへのN3インターフェースとUPF184a、184bとDN185a、185bとの間のN6インターフェースとを介してUPF184a、184bを通してローカルデータネットワーク(DN)185a、185bに接続され得る。
【0154】
図1A図1Dおよび図1A図1Dの対応する説明に鑑みて、WTRU102a~d、基地局114a~b、eノードB160a~c、MME162、SGW164、PGW166、gNB180a~c、AMF182a~ab、UPF184a~b、SMF183a~b、DN185a~b、および/または本明細書で説明する任意の他のデバイスのうちの1つまたは複数に関して本明細書で説明する機能のうちの1つもしくは複数またはすべては、1つまたは複数のエミュレーションデバイス(図示せず)によって実行され得る。エミュレーションデバイスは、本明細書で説明する機能のうちの1つもしくは複数またはすべてをエミュレートするように構成された1つまたは複数のデバイスであり得る。たとえば、エミュレーションデバイスは、他のデバイスをテストする、ならびに/またはネットワークおよび/もしくはWTRU機能をシミュレートするために使用され得る。
【0155】
エミュレーションデバイスは、ラボ環境でおよび/またはオペレータネットワーク環境で他のデバイスの1つまたは複数のテストを実施するように設計され得る。たとえば、1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、通信ネットワーク内の他のデバイスをテストするためにワイヤードおよび/またはワイヤレス通信ネットワークの一部として完全にまたは部分的に実装および/または展開されながら、1つもしくは複数またはすべての機能を実行し得る。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、ワイヤードおよび/またはワイヤレス通信ネットワークの一部として一時的に実装/展開されながら、1つもしくは複数またはすべての機能を実行し得る。エミュレーションデバイスは、テストするために別のデバイスに直接結合され得るおよび/またはオーバージエアワイヤレス通信を使用してテストを実行することができる。
【0156】
1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、ワイヤードおよび/またはワイヤレス通信ネットワークの一部として実装/展開されることなしに、すべてを含む1つまたは複数の機能を実行し得る。たとえば、エミュレーションデバイスは、1つまたは複数の構成要素のテストを実施するために試験所ならびに/または展開されていない(たとえば、テスト用の)ワイヤードおよび/もしくはワイヤレス通信ネットワーク中のテストシナリオで利用され得る。1つまたは複数のエミュレーションデバイスは、テスト機器であり得る。データを送信および/または受信するためにエミュレーションデバイスによって、直接RF結合および/または(たとえば、1つまたは複数のアンテナを含み得る)RF回路を介したワイヤレス通信が使用され得る。特徴および要素について、特定の組合せで上記で説明したが、各特徴または要素が単独でまたは他の特徴および要素との任意の組合せで使用され得ることを、当業者は諒解されよう。さらに、本明細書で説明する方法は、コンピュータまたはプロセッサーが実行するためのコンピュータ可読媒体に組み込まれたコンピュータプログラム、ソフトウェア、またはファームウェアで実装され得る。コンピュータ可読媒体の例は、(ワイヤードまたはワイヤレス接続を介して送信される)電子信号およびコンピュータ可読記憶媒体を含む。コンピュータ可読記憶媒体の例は、限定はしないが、読出し専用メモリー(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、レジスタ、キャッシュメモリ、半導体メモリデバイス、内蔵ハードディスクおよびリムーバブルディスクなどの磁気メディア、光磁気メディア、ならびにCD-ROMディスクおよびデジタル多用途ディスク(DVD)などの光メディアを含む。ソフトウェアに関連するプロセッサーは、WTRU、WTRU、端末、基地局、RNC、または任意のホストコンピュータにおいて使用するための無線周波数トランシーバーを実装するために使用され得る。
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