(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 20/40 20120101AFI20240416BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240416BHJP
【FI】
G06Q20/40
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023127986
(22)【出願日】2023-08-04
【審査請求日】2023-08-04
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】519110124
【氏名又は名称】PayPay株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100181124
【氏名又は名称】沖田 壮男
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】國島 美紗子
(72)【発明者】
【氏名】阿部 将宏
【審査官】阿部 潤
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-124963(JP,A)
【文献】特開2022-107999(JP,A)
【文献】特開2020-144437(JP,A)
【文献】特開2019-3504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
証明書の画像を取得する取得部と、
画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得する認識部と、
前記第2種別の第2情報と前記第3種別の第3情報との組み合わせに対して、前記第1種別の第1情報と照合するための照合情報であって、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報が配置されるべき位置を示す配置の情報である照合情報が対応付けられた対応情報を参照し、
前記認識部が取得した前記第2種別の第2情報と前記第3種別の第3情報との組み合わせに応じて、前記照合情報を特定し、
前記照合情報の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する照合部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記照合部は、
前記照合情報の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とが合致する場合、前記証明書が正規の証明書であると判定し、
前記照合情報の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とが合致しない場合、前記証明書が正規の証明書でないと判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記証明書は、運転免許証である、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記画像から得られた前記第2情報の第2特徴および前記第3情報の第3特徴を示す情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記第2情報の前記第2特徴または前記第3情報の前記第3特徴を修正する操作がされた場合、前記照合部は、修正後の前記第2特徴または前記第3特徴を用いて、新たに前記照合情報を
特定し、
前記表示制御部は、前記新たな照合情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画像から得られた前記第2情報の第2特徴および前記第3情報の第3特徴を示す情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記第2情報の前記第2特徴または前記第3情報の前記第3特徴を修正する操作がされた場合、前記照合部は、修正後の前記第2特徴または前記第3特徴を用いて、新たに前記照合情報を
特定し、
前記新たな照合情報
の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する、
請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記照合部は、
前記第1種別の第1情報と前記第2種別の第2情報と前記第3種別の第3情報との組み合わせに対して、前記照合情報が対応付けられた対応情報を参照し、
前記第1情報の第1特徴と前記第2情報の第2特徴と前記第3情報の第3特徴とに基づいて、前記照合情報を
特定し、
前記照合情報の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記画像から得られた前記第1情報の前記第1特徴を示す情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記第1情報の前記第1特徴を修正する操作がされた場合、前記照合部は、修正後の前記第1特徴を用いて、新たに前記照合情報を
特定し、
前記表示制御部は、前記新たな照合情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記画像から得られた前記第1情報の前記第1特徴を示す情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる表示制御部を備え、
前記第1情報の前記第1特徴を修正する操作がされた場合、前記照合部は、修正後の前記第1特徴を用いて、新たに前記照合情報を
特定し、
前記新たな照合情報
の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、
証明書の画像を取得し、
画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得し、
前記第2種別の第2情報と前記第3種別の第3情報との組み合わせに対して、前記第1種別の第1情報と照合するための照合情報であって、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報が配置されるべき位置を示す配置の情報である照合情報が対応付けられた対応情報を参照し、
前記第2種別の第2情報と前記第3種別の第3情報との組み合わせに応じて、前記照合情報を特定し、
前記照合情報の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する、
情報処理方法。
【請求項10】
コンピュータに、
証明書の画像を取得させ、
画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得し、
前記第2種別の第2情報と前記第3種別の第3情報との組み合わせに対して、前記第1種別の第1情報と照合するための照合情報であって、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報が配置されるべき位置を示す配置の情報である照合情報が対応付けられた対応情報を参照させ、
前記第2種別の第2情報と前記第3種別の第3情報との組み合わせに応じて、前記照合情報を特定させ、
前記照合情報の前記配置と、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置とを照合させ、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、運転免許証の真贋判定をより確実に行うことのできる真贋判定装置が開示されている(例えば特許文献1参照)。この真贋判定装置は、運転免許証のICチップから得られるICチップ情報と、運転免許証の画像から得られる券面の文字情報とが一致するか否か照合を行う照合手段と、運転免許証の画像から得られる券面の文字情報に矛盾が有るか否かを判別する判別手段と、を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術では、ICチップの情報を利用しており、画像から容易且つ精度よく証明書が正規のものであるかを判定することができないことがあった。
【0005】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、容易且つ精度よく証明書が正規のものであるかを判定することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様は、証明書の画像を取得する取得部と、画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得する認識部と、少なくとも前記第2情報の第2特徴と前記第3情報の第3特徴とに基づいて、前記第1種別の第1情報と照合するための照合情報を生成し、前記照合情報と前記第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する照合部とを備える情報処理装置である。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一態様によれば、容易且つ精度よく証明書が正規のものであるかを判定することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。
【
図2】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その1)である。
【
図3】電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図(その2)である。
【
図4】第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。
【
図5】利用者情報172の内容の一例を示す図である。
【
図6】加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。
【
図7】照合サーバ200の機能構成の一例を示す図である。
【
図8】決済アプリ20、決済サーバ100、および照合サーバ200により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。
【
図9】照合サーバ200により実行される処理の流れ一例を示すフローチャートである。
【
図10】運転免許証が撮像された画像の一例を示す図である。
【
図12】判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
【
図13】S206の処理について説明するための図である。
【
図14】目検において表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。
【
図15】目検において表示されるインターフェース画面の他の一例を示す図である。
【
図16】運転免許証の生年月日の記載と、照合情報とを示す図である。
【
図18】目検において表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。
【
図20】目検において表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[概要]
情報処理装置は、証明書の画像を取得する取得部と、画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得する認識部と、少なくとも前記第2情報の第2特徴と前記第3情報の第3特徴とに基づいて、第1種別の第1情報と照合するための照合情報を生成する照合部を備える。第2特徴および第3特徴は、情報の意味や、テキスト、数字、または記号である情報の種別、情報の配置など種々の特徴または任意の特徴である。
【0010】
証明書とは、運転免許証や、マイナンバーカード、保険証、パスポート、在留カード、社員など本人確認に利用される証明書である。以下の実施形態では、一例として運転免許証を利用する例について説明するが、他の証明書を利用する場合も同様の考え方の処理が適用されてもよい。
【0011】
照合部は、前記照合情報と前記第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する。前記照合用の特徴は、例えば、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれる情報の配置である。前記照合情報は、前記画像における前記証明書の前記第1情報が記載されている欄における前記第1情報に含まれ情報が配置されるべき位置を示す情報である。
【0012】
例えば、第1情報は、運転免許証の生年月日の記載である。第2情報および第3情報は、運転免許証の他の項目である。他の項目の記載に基づいて、照合情報が生成される。例えば、他の項目の記載に基づいて、正規の運転免許証の生年月日の生まれた年、月、日が配置されるべき位置(例えば「昭和60年4月1日」や、「昭和60年 4月 1日」など)を示す情報が特定される。照合部は、この特定された位置と、運転免許証の画像の生年月日の記載の位置とを比較して、運転免許証が正規のものであるか否かを判定する。第1情報は、他の項目の記載であってもよい。照合部は、照合用の特徴である第1情報に含まれる情報の配置と、照合情報に含まれる情報の配置とが合致する場合、証明書が正規の証明書であると判定し、照合用の特徴である第1情報に含まれる情報の配置と、照合情報に含まれる情報の配置とが合致しない場合、証明書が正規の証明書でないと判定する。詳細は後述する。
【0013】
なお、第2情報および第3情報に代えて、第2情報に基づいて照合情報が生成され、この照合情報が判定に利用されてもよい。
【0014】
以下、図面を参照し、本発明の情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムの実施形態について説明する。以下に登場する「決済サーバ」、「照合サーバ」などの、利用者にサービスを提供したり内部解析を行ったりするための各種装置は、分散化された装置群によって実現されてよく、それぞれの装置を運用する事業者は異なってもよい。また装置のハードウェアの保有者(クラウドサーバの提供者)と実質的な運用を行う事業者も異なってよい。アプリケーションプログラムと決済サーバは、協働して電子決済サービスを提供する。以下の説明ではアプリケーションプログラムを決済アプリと称する。電子決済サービスは、店舗における商品やサービスの購買に係る決済をサポートするサービスである。店舗とは、例えば、現実空間に存在する物理的な店舗(実店舗)であるが、電子商取引の仮想店舗を含んでもよい。仮想店舗は、電子決済サービスの運営者とは異なる主体によって提供されるものを含んでもよい。その場合、仮想店舗における買い物の決済の際に、電子決済サービスのインターフェース画面に遷移するように制御される。電子決済サービスにおいて、店舗は、例えば加盟店(ブランド)に属するものとして扱われ、店舗において購買行動が行われた際の決済などの処理は、主として利用者と加盟店の間で行われる。これに代えて、決済などの処理が利用者と店舗との間で行われてもよい。
【0015】
[電子決済サービス]
図1は、電子決済サービスが実現されるための構成の一例を示す図である。電子決済サービスは、決済サーバ100を中心として実現される。決済サーバ100は、例えば、一以上の利用者端末装置10、一以上の第1店舗端末装置50、一以上の第2店舗端末装置70、及び照合サーバ200のそれぞれとネットワークNWを介して通信する。ネットワークNWは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、無線基地局、プロバイダ装置などを含む。また、照合サーバ200は、証明書を審査する審査者用の審査端末300と通信可能である。
【0016】
利用者端末装置10は、例えば、スマートフォンやタブレット端末等の可搬型端末装置である。利用者端末装置10は、少なくとも、光学読取機能、通信機能、表示機能、入力受付機能、プログラム実行機能を有するコンピュータ装置である。以下の説明では、これらの機能を実現するための構成をそれぞれカメラ、通信装置、タッチパネル、CPU(Central Processing Unit)等と称する。利用者端末装置10では、CPU等のプロセッサにより決済アプリ20が実行されることで、決済サーバ100と連携して電子決済サービスを利用者に提供するように動作する。決済アプリ20は、例えば、アプリケーションストアから利用者端末装置10にインストールされ、カメラ、通信装置、タッチパネルなどを制御する。
【0017】
第1店舗端末装置50は、例えば、店舗に設置される。第1店舗端末装置50は、少なくとも、商品価格取得機能、光学読取機能、プログラム実行機能、通信機能を有するコンピュータ装置である。第1店舗端末装置50は、いわゆるPOS(Point of Sale)装置を含み、POS装置によって商品価格取得機能や光学読取機能を実現してもよい。店舗コード画像60は、店舗に置かれ、QRコード(登録商標)等のコード画像が紙やプラスチックの媒体に印刷されたものである。なお、店舗コード画像60は、店舗に置かれたディスプレイ(スマートフォンなどの端末装置のディスプレイでもよい)によって表示されてもよい。
【0018】
第2店舗端末装置70は、加盟店の運営者によって使用される。第2店舗端末装置70は、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。第2店舗端末装置70では、加盟店向けインターフェース72が動作する。加盟店向けインターフェース72は、加盟店向けアプリであってもよいし、ブラウザであってもよい。加盟店向けインターフェース72は、加盟店の運営者によるクーポンの設定等を受け付け、決済サーバ100に送信する。スマートフォンである第2店舗端末装置70は、加盟店向けアプリを実行することで、店舗コード画像に相当するコード画像を表示したり、利用者端末装置10が表示するコード画像を読み取ったりする機能を有する。
【0019】
決済サーバ100は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から受信した決済情報に基づいて電子決済を実現する。第1店舗端末装置50は、POS装置と加盟店サーバを含む場合があり、その場合、POS装置から加盟店サーバを介して決済情報が決済サーバ100に送信される。以下の説明では、これを特に区別せず、第1店舗端末装置50から決済情報が送信されるものとする。
【0020】
図2および
図3は、電子決済の大まかな流れを例示したシーケンス図である。電子決済には、パターン1とパターン2の二つが存在してよい。
【0021】
図2に示すパターン1(以下、ユーザスキャンと称する)の場合、決済アプリ20が起動した状態の利用者端末装置10が、光学読取機能によって店舗コード画像60をデコードする(S1)。店舗コード画像60には、店舗URL(Uniform Resource Locator)の情報が含まれている。この店舗URLは、電子決済サービスのドメインに対して店舗を識別可能な情報が付加されたものであり、決済サーバ100において加盟店IDや店舗ID等との対応付けがなされている(後述)。決済アプリ20は、店舗URLとアカウントIDを含む第1決済情報を決済サーバ100に送信する(S2)。決済サーバ100は、店舗URLに対応する加盟店ID、店舗IDから、店舗情報(後述)を検索して加盟店名と店舗名の情報を取得し(S3)、決済アプリ20に送信する(S4)。利用者は、加盟店名や店舗名が表示された画面において、決済金額を利用者端末装置10に入力する(S5)。そして、利用者端末装置10は、少なくとも決済金額を含む第2決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S6)。決済サーバ100は、受信した第2決済情報に基づいて電子決済を行う(S7)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知(決済完了画面を表示するための情報)を決済アプリ20に送信し(S8)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S9)。なお、店舗コード画像60が店舗に置かれたディスプレイによって表示される場合、店舗コード画像60には、店舗URLだけでなく決済金額の情報が含まれる場合がある。この場合、利用者が決済金額を入力する手順が省略され、第1決済情報に決済金額の情報が含められて決済サーバ100に送信される。加盟店名や店舗名の情報は、決済完了画面に含めて表示されてよい。
【0022】
図3に示すパターン2(以下、ストアスキャンと称する)の場合、決済アプリ20の起動時、決済アプリ20において支払う操作が行われたとき、自動更新のタイミング(例えば1分おき)になったとき、およびその他のタイミングで、決済アプリ20はワンタイムコードの発行要求を決済サーバ100に送信する(S11)。決済サーバ100はワンタイムコードを生成し(S12)、決済アプリ20に送信する(S13)。決済アプリ20は、ワンタイムコードに基づいて生成した、QRコードやバーコード等のコード画像を表示する(S14)。利用者は利用者端末装置10の表示面を第1店舗端末装置50に翳し(提示し)、第1店舗端末装置50は、光学読取機能によってコード画像をデコードし、ワンタイムコード等を取得する(S15)。そして、第1店舗端末装置50は、ワンタイムコード、決済金額、加盟店ID、店舗ID等を含む決済情報を生成し、決済サーバ100に送信する(S16)。決済金額の情報は、予めバーコード読み取りや手入力等によって取得されている。決済サーバ100は、受信した情報に基づいて、ワンタイムコードに対応する利用者を特定し、電子決済を行う(S17)。そして、決済サーバ100は、決済完了通知を決済アプリ20に送信し(S18)、決済アプリ20は決済完了画面を表示する(S19)。
【0023】
なお、上記のいずれか一方のみのパターンで電子決済が行われてもよい。また、
図2で説明した「アカウントID」は、利用者の識別情報として用いられ得る他の情報(例えば電話番号)であってもよい。また、ストアスキャンにおいてワンタイムコードの発行が省略され、決済アプリ20は、利用者のアカウントIDに基づいて生成したコード画像を表示してもよい。その場合、決済サーバ100は、ワンタイムコードに対応する利用者を特定するのに代えて、アカウントIDに対応する利用者を特定する。
【0024】
[決済サーバ]
図4は、第1実施形態に係る決済サーバ100の構成図である。決済サーバ100は、例えば、通信部110と、決済コンテンツ提供部120と、決済処理部130と、情報管理部140と、記憶部170とを備える。通信部110および記憶部170以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
【0025】
記憶部170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部170は、決済サーバ100がネットワークを介してアクセス可能なNAS(Network Attached Storage)装置であってもよい。記憶部170には、利用者情報172、決済コンテンツ情報174、加盟店/店舗情報176などの情報が格納される。
【0026】
通信部110は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部110は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0027】
決済コンテンツ提供部120は、例えば、Webサーバの機能を有し、電子決済サービスの各種画面を表示するための情報(コンテンツ)を利用者端末装置10に提供する。決済コンテンツ提供部120は、決済コンテンツ情報174から適宜、必要なコンテンツを読み出して利用者端末装置10に提供する。利用者端末装置10は、決済アプリ20によってコンテンツが再生された状態で利用者による各種入力を受け付け、前述した決済情報などを決済サーバ100に送信する。
【0028】
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50により送信された決済情報に基づいて、決済処理を行う。決済処理部130は、利用者情報172を参照しながら決済処理を行う。
【0029】
図5は、利用者情報172の内容の一例を示す図である。利用者情報172は、利用者の登録情報の一例である。利用者情報172は、例えば、利用者URL、アカウントID、電話番号、パスワードの他、メールアドレス、利用者ID、氏名・住所・生年月日、登録日、チャージ残高、後払い設定、後払い枠、後払い利用額、後払い利用可能額、決済方法設定、銀行口座、クレジットカード番号、チャージ履歴情報、決済履歴情報などの情報が対応付けられたものである。利用者URLは、利用者間の送金処理に使用される。電子決済サービスへの新規登録時には、電話番号およびパスワードの登録が必須となる。アカウントIDは、決済サーバ100によって利用者に発行されるものであり、利用者IDは、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)IDである。メールアドレス、および氏名・住所・生年月日も同様に、利用者が任意に設定できる(設定しなくてもよい)情報である。登録日とは利用者が電子決済サービスに登録した日(アカウントを作成した日)である。以下、これらの情報が対応付けられた利用者のインスタンス(電子決済口座)のことをアカウントと称する。
【0030】
チャージ残高は、利用者が予めアカウントに送金することで設定された電子マネーの残高を示す情報である。送金の手段としては、指定業者(銀行)のATM(Automatic Teller Machine)からの送金、登録された銀行口座からの送金などがある。後払い設定は、後払いによる電子決済を可能とするための設定が済んでいるか否かを示す情報であり、「済」と「未」のいずれかに設定される。後払い枠は月ごとに利用可能な後払いの限度額であり、後払い利用額は、当月に既に利用された後払いの金額であり、後払い利用可能額は、後払い枠から後払い利用額を差し引いて求められる、当月に利用可能な後払いの金額である。図では後払い枠を一つだけ示しているが、実際には更に日ごとの上限額などが存在し、それらの低い方が後払い枠に設定されてよい。後払いの更なる詳細については後述する。決済方法設定は、その時点において利用者がチャージ残高による電子決済を行うのか、後払いによる決済を行うのかを示す設定情報である。銀行口座とクレジットカード番号のそれぞれは、電子決済サービスに入金可能な銀行口座またはクレジットカード番号の情報(口座番号、カード番号)である。チャージ履歴情報は、利用者が予め電子決済サービスに送金してチャージ残高を増加させた履歴である。決済履歴情報は、利用者が行った決済の内訳(日時、購買行動が行われた店舗の店舗ID、決済金額、決済方法など)を、決済ごとに示す情報である。
【0031】
図6は、加盟店/店舗情報176の内容の一例を示す図である。加盟店/店舗情報176は、例えば、店舗URLに対して加盟店IDと店舗IDが対応付けられた第1テーブル176Aと、加盟店IDに対して加盟店名と売上金(前述)が対応付けられた第2テーブル176Bと、店舗IDに対して店舗名が対応付けられた第3テーブル176Cとを含む。加盟店/店舗情報176には、これらの情報の他、加盟店または店舗のカテゴリ、店舗の所在地、決済パターン等の情報が含まれてもよい。
【0032】
情報管理部140は、利用者端末装置10や第2店舗端末装置70から取得した情報に基づいて、利用者情報172および加盟店/店舗情報176を管理する。情報管理部140は、利用者情報172および加盟店/店舗情報176について新規レコードの追加、編集、削除などを行う。
【0033】
[電子決済]
決済処理部130は、利用者端末装置10または第1店舗端末装置50から決済情報が取得されると、利用者情報172を参照して当該利用者の「決済方法設定」を取得する。決済処理部130は、「決済方法設定」が「チャージ残高」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。決済処理部130は、例えば、利用者IDに対応付けて管理しているチャージ残高を減少させ、加盟店の売上金の項目値を増加させることで、電子決済を行う。加盟店の売上金の項目値は、例えば、それ自体が電子マネーとして使用されるものでは無く、加盟店と電子決済サービスとの取り決めに応じたサイクルで、売上金の項目値に対応する金額が銀行口座に送金される。
【0034】
決済処理部130は、「設定情報」が「後払い」に設定されている利用者に関して、以下のように電子決済を行う。後払いとは、電子決済サービスの運営者とは別主体であるクレジットカード会社との連携による「クレジット払い」とは別枠で設定されるものであり、電子決済サービスの運営者が与信者となって、後払い枠の範囲内でチャージ残高に依存しない電子決済を許容するものである。なお後払いサービスを受けるために、電子決済サービスの運営者が提供するクレジットカードの取得が要求されてよい。後払いで利用された金額は、一か月分まとめて翌月の支払日に、例えば銀行口座からの引き落としによって決済される。この場合、決済処理部130は、後払い利用額に決済金額を加算し、後払い利用可能額から同額を差し引くことで暫定決済を行い、締め日になると上記のように当月分の決済を翌月の支払い日に引き落とすための処理を行う、或いはクレジットカード会社の運営者に当該処理を依頼する。なお暫定決済の時点で決済金額が後払い利用可能額を超える場合は、エラー通知が決済アプリ20に返信される。
【0035】
[照合サーバ]
照合サーバ200は、証明書が正規の証明書であるか否を判定する。証明書は、本人確認のための証明書である。照合サーバ200が正規の証明書と判断し、且つ所定の審査を通過した場合、当該証明書を提出した本人確認を完了する。本人確認が完了した場合、上述した電子決済サービスにおいて、本人確認がされていない場合よりも利用可能なサービスが充実する。本人確認が完了した場合、例えば、銀行口座を利用したチャージや、利用が制限されていた加盟店における電子決済の利用などが可能となったり、後払いの支払い上限額の緩和がされたりする。
【0036】
図7は、照合サーバ200の機能構成の一例を示す図である。照合サーバ200は、例えば、通信部210と、情報取得部220と、認識部230と、照合部240と、表示制御部250と、記憶部280とを備える。通信部210および記憶部280以外の構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部を含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置(非一過性の記憶媒体を備える記憶装置)に格納されていてもよいし、DVDやCD-ROMなどの着脱可能な記憶媒体(非一過性の記憶媒体)に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。照合サーバ200の機能構成の一部または全部は、決済サーバ100に含まれてもよい。
【0037】
記憶部280は、HDDやフラッシュメモリ、RAMなどである。記憶部280は、照合サーバ200がネットワークを介してアクセス可能なNAS装置であってもよい。記憶部280には、証明書画像282、申請情報284、照合情報286などの情報が格納される。申請情報284は、利用者により提供された氏名や住所、生年月日などの利用者に関する情報である。申請情報284には、運転免許証に記載された情報が含まれていてもよい。
【0038】
通信部210は、ネットワークNWに接続するための通信インターフェースである。通信部210は、例えばネットワークインターフェースカードである。
【0039】
情報取得部220は、証明書の画像を取得する。この画像は、証明書画像282として記憶部280に記憶される。情報取得部220は、例えば、利用者の識別情報に対応付けられて証明書画像282を記憶部280に記憶させる。
【0040】
認識部230は、画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得する。認識部230は、例えば、運転免許証の各項目の位置や各項目に記載されている情報を認識する。認識部230は、OCR(Optical Character Recognition)技術を利用して文字を認識したり、予め設定された規則や文字の種別などから各項目の位置を認識したりする。
【0041】
照合部240は、少なくとも第2情報の第2特徴と第3情報の第3特徴とに基づいて、第1種別の第1情報と照合するための照合情報を生成し、照合情報と第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、証明書が正規の証明書であるか否かを判定する。この処理の詳細については後述する。
【0042】
表示制御部250は、情報取得部220や、認識部230、照合部240の処理結果を審査端末300の表示部に表示させる。
【0043】
[照合処理(1-1)]
図8は、決済アプリ20、決済サーバ100、および照合サーバ200により実行される処理の流れの一例を示すシーケンス図である。例えば、決済サーバ100により提供されたコンテンツにおいて本人確認を行うための操作が利用者によってされて、利用者が証明書の画像を取得すると、決済アプリ20が、証明書の画像を決済サーバ100に送信する(S50)。次に、決済サーバ100は、証明書が正規の証明書であるか否かの判定を照合サーバ200に依頼する(S52)。この際、利用者の識別情報および証明書の画像も照合サーバ200に提供される。
【0044】
次に、照合サーバ200は、画像を利用して照合処理を実行する(S54)。次に、照合サーバ200は、照合処理の結果を決済サーバ100に送信する(S56)。次に、決済サーバ100は、照合処理の結果が肯定的であり、且つその他の種々の条件を満たした場合、本人確認が完了したとして、利用者が利用可能なサービスを拡張する(S58)。次に、決済サーバ100は、本人確認の完了およびサービスの拡張がされたことを示す情報を決済アプリ20に提供する(S60)。
【0045】
上記の他の種々の条件とは、利用者に関する情報の提供など、他の本人確認に必要な条件である。サービスの拡張とは、これまで利用者が利用できなかった、または利用が制限されていたサービスを利用可能にすることである。
【0046】
上記のように、電子決済システムは、運転免許証の画像を利用して本人確認を行い、利用者へよりよいサービスを提供することができる。
【0047】
[照合処理(1-2)]
図9は、照合サーバ200により実行される処理の流れ一例を示すフローチャートである。まず、情報取得部220が、運転免許証の画像を取得する(S100)。次に、認識部230が、画像を解析して各種情報を認識する(S102)。例えば、認識部230は、画像から運転免許証の各項目の位置、各項目に記載されたテキスト、記号、数字、およびこれらの位置を認識する。
【0048】
図10は、運転免許証が撮像された画像の一例を示す図である。運転免許証の各項目とは、氏名や、生年月日、住所、交付日、有効期限、免許の条件、各種番号、免許の種類、顔の画像、公安委員会に関する事項など運転免許証に含まれる種々の項目である。例えば、認識部230は、氏名の文字を認識した位置に基づいて利用者の氏名が記載された位置と位置に記載された文字とを認識したり、昭和などの元号および「月」、「日」が記載された位置に基づいて利用者の生年月日を認識したりする。また、認識部230は、学習済モデル(不図示)に基づいて各項目の位置および文字を認識してもよい。学習済モデルは、画像を入力すると、各項目に記載された領域(領域に含まれる文字)を出力するモデルである。学習済モデルは、学習データを学習したモデルである。学習データは、運転免許証の画像と、当該運転免許証に記載された各項目の文字が記載された領域とが対応付けられた情報である。
【0049】
次に、照合部240は、画像における比較対象の項目の特徴(第1情報の照合用の特徴)と、照合情報とを比較して、比較対象の項目の特徴が照合情報に合致するか否かを判定する(S104)。照合情報は、照合情報286により特定される情報である。照合部240は、少なくとも第1情報、第2情報、および第3情報に基づいて、照合情報を生成する。より具体的には、照合部240は、第1情報の情報Aの数(テキストや、記号、数字の数)、第1情報の情報Bの数(テキストや、記号、数字の数)、第2情報、および第3情報に基づいて、照合情報を生成する。
【0050】
なお、情報Aの数、情報Bの数は、例えば、認識部230の認識の結果に基づいて認識されてもよいし、別のインターフェース画面において利用者が入力した情報(例えば申請情報284)に基づいて特定されてよい。また、例えば、情報Aの数と情報Bの数とのうち一方は、利用者が入力した情報に基づいて特定され、他方は、認識部230の認識の結果に基づいて認識されてもよい。
【0051】
図11は、照合情報286の一例を示す図である。照合情報286は、例えば、第2情報と、第3情報と、情報Aの数と、情報Bの数との組み合わせに応じた情報である。組み合わせによって照合情報の種類が特定される。第1情報、第2情報、および第3情報は、上述した各項目のうち予め設定された項目の情報である。第1情報の項目と、第2情報の項目と、第3情報の項目とは、例えば、異なる項目である。例えば、第1情報の情報Aの数は、生年月日の欄の生まれた年の桁数であり、第1情報の情報Bの数は、生年月日の欄の生まれた月の桁数である。情報Aの数と情報Bの数との一方または双方は「第1情報の第1特徴」の一例であり、情報Aと情報Bとの一方または双方は「第1情報の第1特徴」の他の一例である。S104の判定処理の詳細については後述する。
【0052】
比較対象の項目の特徴が照合情報に合致する場合、照合部240は、画像の運転免許証が正規の運転免許証の可能性が高いと推定し(S106)、次の工程へ進む(S108)。比較対象の項目の特徴が照合情報に合致しない場合、照合部240は、画像の運転免許証が正規の運転免許証でない可能性が高いと推定し(S110)、目検へ進む(S112)。目検の詳細については後述する。これにより本フローチャートの1ルーチンの処理が終了する。
【0053】
[照合処理の詳細]
図12は、判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、照合部240は、上述したように照合情報を生成する(S200)。照合情報は、例えば、文字や記号、数字などの情報が記載されるべきでない領域と、情報が記載されるべき領域とを特定する情報である。照合情報は、例えば、情報が記載されるべきでない領域を「○」で示し、情報が記載されるべき領域を「●」で示した情報である。「〇」または「●」を、以下記号と称することがある。記号は、運転免許証の当該項目に情報が記載されるピッチと同様の間隔で並べられる。
【0054】
次に、照合部240は、運転免許証の各項目のうち予め設定された比較対象の項目の位置を特定する(S202)。比較対象の項目は、例えば、上述した第2情報の項目および第3情報の項目とは異なる項目である。この比較対象の項目の情報は第1情報である。
【0055】
次に、照合部240は、照合情報を画像の比較対象の項目の位置に重畳させる(S204)。例えば、照合部240は、照合情報の基準位置を、比較対象の項目の基準位置に合致させるように重畳させる。照合情報の基準位置は、例えば、記号の端部(例えば左側の端部)である。比較対象の項目の基準位置は、例えば、項目に対応する枠の端部(例えば左側の端部)である。比較対象の項目の基準位置は、例えば、当該項目の欄のすべてに文字が記載されると想定した場合に、最初(左側)に文字が記載される位置で有ってもよい。
【0056】
照合部240は、画像における比較対象の項目の特徴(第1情報の照合用の特徴)と、照合情報とを比較して、比較対象の項目の特徴が照合情報に合致するか否かを判定する(S206、
図9のS104に相当する判定)。
図13は、S206の処理について説明するための図である。第1情報の位置と、照合情報とが合致する場合、
図13の上図に示すように、「●」と第1情報とが重畳する。第1情報の位置と、照合情報とが合致しない場合、
図13の下図に示すように、「●」と第1情報とが重畳しない場所が現れる。
【0057】
このように、「●」が第1情報に重畳しない場合、正規の運転免許証でないと推定される。また、第1情報に含まれる情報の一部が「●」と重なっていたり、「●」および「〇」と重ならない位置に第1情報に含まれる情報が記載されていたりする場合も、正規の運転免許証では記載されない位置に第1情報に含まれる情報が記載されているため、正規の運転免許証でないと推定される。
【0058】
上記の判定は、AI(Artificial Intelligence)技術によって判定されてもよい。例えば、判定には、学習済モデルが利用されてもよい。学習済モデルは、重畳後の画像が入力されると、正規の証明書であるか否かを示す情報を出力するモデルである。学習済モデルは、学習データが学習されたモデルである。学習データは、正規の証明書の画像であって重畳後の画像(第1情報に含まれる情報と「●」とが重畳している画像)と正規の証明書であることを示す情報とが対応付けられた情報、または正規でない証明書の画像であって重畳後の画像(第1情報に含まれる情報が「●」以外に存在している画像)と正規の証明書でないことを示す情報とが対応付けられた情報である。
【0059】
上記では、照合情報は「〇」、「●」で示すものとして説明したが、これに代えて、他の記号や文字、数字などが用いられてもよい。また、「●」に代えて運転免許証に記載された実際の文字が用いられてもよい。
【0060】
上記のように、正規の運転免許証でないと推定される場合、目検の処理に進む。なお、正規の運転免許証であると推定される場合にも、目検の処理に進んでもよいし、審査者に処理の結果が提示されてもよい。
【0061】
[目検において表示されるインターフェース画面(1)]
表示制御部250は、画像から得られた第1情報の第1特徴を示す情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。第1情報の第1特徴を修正する操作がされた場合、照合部240は、修正後の第1特徴を用いて、新たに照合情報を生成し、表示制御部250は、新たな照合情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。
【0062】
図14は、目検において表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。
図14以降のインターフェース画面では、運転免許証から認識された情報を示しているが、この情報に並べて運転免許証の画像も表示部に表示されてもよい。表示制御部250は、第2情報、第3情報、情報A、情報B、生成ボタン、情報Aに含まれる情報の数(テキストや、数字、記号の数)、および情報Bに含まれる情報の数を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。
【0063】
各情報は、認識部230が認識した情報であってもよいし、一部の情報は、別のインターフェース画面で、申請者が入力した情報であってもよい。例えば、第1情報の情報Aと第1情報の情報Bとの一方または双方は、申請者が入力した情報である。この申請者が入力した情報に基づいて第1情報の情報Aまたは情報Bの数が特定される。第2情報または第3情報は、例えば、認識部230が認識した情報である。認識部230が認識できない場合、インターフェース画面の第2情報または第3情報の欄はブランクとなる。
【0064】
各情報が、運転免許証に記載された情報と異なっている場合、目検者は、情報を修正することができる。修正後、生成ボタンが操作されると、照合部240は、照合情報286を参照して、修正後の情報に応じた照合情報を生成する。表示制御部250は、新たに生成された照合情報を表示部に表示させる。
【0065】
図15は、目検において表示されるインターフェース画面の他の一例を示す図である。例えば、情報Aに含まれる情報の数が、生まれた年の桁数であり、情報Bに含まれる情報の数が、生まれた月の桁数である場合、
図15に示すように、生まれた年の桁数や、生まれた月の桁数などが修正される。そして、これらの桁数、第1情報、第2情報、第3情報、および照合情報286に基づいて、照合情報が生成される。
【0066】
図16は、運転免許証の生年月日の記載と、照合情報とを示す図である。上記と同様に、目検者は、新たに生成された照合情報と、運転免許証の第1情報とを比較して、第1情報の位置と照合情報の「●」の位置とが合致するか否かを判定することで、運転免許証が正規の運転免許証であるかを判断することができる。生まれた月の「8」が正規の運転免許証である場合、「●」の位置に位置するが、
図16の例では「○」の位置に位置する。このため、目検者は、運転免許証が正規の運転免許証でないと判定する。
【0067】
また、目検がしやすいように、表示制御部250は、前述した
図13に示したように、新たに生成した照合情報を、第1情報に重畳させたインターフェース画面を表示部に表示させてもよい。
【0068】
照合部240は、新たに生成された照合情報と、第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、証明書が正規の証明書であるか否かを判定してもよい。この場合、照合部240が、自動で判定を行うため、審査者の負担を軽減することができる。
【0069】
[照合処理(2)]
上述した例では、情報Aの数または情報Bの数の両方が考慮されるものとして説明したが、これらの数のうち一方または双方の数は考慮されなくてもよい。例えば、以下のように両方の数が考慮されずに、情報Aおよび情報Bの内容が考慮されてもよい。なお、情報Aと情報Bとのうち一方の情報のみが考慮されてもよい。以下の例では、情報Aおよび情報Bが考慮される例について説明する。
【0070】
照合部240は、少なくとも第1情報の第1特徴と第2情報の第2特徴と第3情報の第3特徴とに基づいて、照合情報を生成し、照合情報と第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、証明書が正規の証明書であるか否かを判定してもよい。照合用の特徴は、上述したように画像における証明書の第1情報が記載されている欄において第1情報に含まれ情報の配置である。照合情報は、上述したように画像における証明書の第1情報が記載されている欄において第1情報に含まれ情報が配置されるべき位置を示す情報である。
【0071】
照合部240は、照合情報286Aを参照して、照合情報を生成する。
図17は、照合情報286Aの一例を示す図である。照合情報286Aは、例えば、第2情報と、第3情報と、情報Aと、情報Bとの組み合わせに応じた情報である。組み合わせによって照合情報の種類が特定される。上記の処理で証明書が正規の証明書でないと判定された場合、目検者によって目検が行われる。
【0072】
[目検において表示されるインターフェース画面(2)]
表示制御部250は、画像から得られた第1情報の第1特徴を示す情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。第1情報の第1特徴を修正する操作がされた場合、照合部240は、修正後の第1特徴を用いて、新たに前記照合情報を生成し、表示制御部250は、新たな照合情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。
【0073】
図18は、目検において表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。表示制御部250は、第1情報、第2情報、第3情報、および生成ボタンを含むインターフェース画面を表示部に表示させる。例えば、第1情報のうち、情報Aと、情報Bとは、例えば、運転免許証において1つの枠内に含められている。情報Aは、第1情報のうち一つの意味または一つの情報の集合であり、情報Bも同様である。第1情報が、例えば、生年月日である場合、情報Aは、生まれた年であり、情報Bは生まれた月日である。インターフェース画面に表示された第1情報から第3情報が、運転免許証に記載された情報と異なっている場合、目検者は、インターフェース画面に表示された情報を修正することができる。修正後、生成ボタンが操作されると、照合部240は、照合情報286Aを参照して、修正後の情報に応じた照合情報を生成する。表示制御部250は、新たに生成された照合情報を表示部に表示させる。
【0074】
上記と同様に、目検者は、新たに生成された照合情報と、運転免許証の第1情報とを比較して、第1情報の位置と●の位置とが合致するか否かを判定することで、運転免許証が正規の運転免許証であるかを判断することができる。
【0075】
照合部240は、新たに生成された照合情報と、第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、証明書が正規の証明書であるか否かを判定してもよい。この場合、照合部240が、自動で判定を行うため、審査者の負担を軽減することができる。
【0076】
[照合処理(3)]
上述した例では、第1情報の情報Aまたは情報Bが考慮されるものとして説明したが、第1情報は考慮されなくてもよい。
【0077】
照合部240は、少なくとも第2情報の第2特徴と第3情報の第3特徴とに基づいて、照合情報を生成し、照合情報と第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、証明書が正規の証明書であるか否かを判定してもよい。照合用の特徴は、上述したように画像における証明書の第1情報が記載されている欄において第1情報に含まれ情報の配置である。照合情報は、上述したように画像における証明書の第1情報が記載されている欄において第1情報に含まれる情報が配置されるべき位置を示す情報である。
【0078】
照合部240は、照合情報286Bを参照して、照合情報を生成する。
図19は、照合情報286Bの一例を示す図である。照合情報286Bは、例えば、第2情報と、第3情報との組み合わせに対して照合情報が対応付けられた情報である。組み合わせによって照合情報の種類が特定される。上記の処理で証明書が正規の証明書でないと判定された場合、目検者によって目検が行われる。
【0079】
[目検において表示されるインターフェース画面(3)]
表示制御部250は、画像から得られた第2情報の第2特徴および第3情報の第3特徴を示す情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。第2情報の第2特徴または第3情報の第3特徴を修正する操作がされた場合、照合部240は、修正後の第2特徴または3特徴を用いて、新たに前記照合情報を生成する。表示制御部250は、新たな照合情報を含むインターフェース画面を表示部に表示させる。
【0080】
図20は、目検において表示部に表示されるインターフェース画面の一例を示す図である。表示制御部250は、認識部230が認識した第2情報および第3情報と、生成ボタンとを含むインターフェース画面を表示部に表示させる。利用者は、第2情報または第3情報を必要に応じて修正可能である。例えば、第2情報または第3情報が、運転免許証に記載された情報と異なっている場合、目検者は、第2情報または第3情報を修正することができる。修正後、生成ボタンが操作されると、照合部240は、修正後の第2情報または第3情報に応じた照合情報を生成する。表示制御部250は、新たに生成された照合情報を表示部に表示させる。
【0081】
目検者は、新たに生成された照合情報と、運転免許証の第1情報とを比較して、第1情報の位置と●の位置とが合致するか否かを判定することで、運転免許証が正規の運転免許証であるかを判断することができる。
【0082】
照合部240は、新たに生成された照合情報と、第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、証明書が正規の証明書であるか否かを判定してもよい。この場合、照合部240が、自動で判定を行うため、審査者の負担を軽減することができる。
【0083】
以上説明した実施形態によれば、照合サーバ200は、証明書の画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得し、少なくとも前記第2情報の第2特徴と前記第3情報の第3特徴とに基づいて、第1種別の第1情報と照合するための照合情報を生成し、前記照合情報と前記第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定することにより、容易且つ精度よく証明書が正規のものであるかを判定することができる。
【0084】
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【符号の説明】
【0085】
10 利用者端末装置
20 決済アプリ
100 決済サーバ
200 照合サーバ
220 情報取得部
230 認識部
240 照合部
250 表示制御部
286 照合情報
【要約】
【課題】容易且つ精度よく証明書が正規のものであるかを判定すること。
【解決手段】証明書の画像を取得する取得部と、画像から第1種別の第1情報と、第2種別の第2情報と、第3種別の第3情報を取得する認識部と、少なくとも前記第2情報の第2特徴と前記第3情報の第3特徴とに基づいて、前記第1種別の第1情報と照合するための照合情報を生成し、前記照合情報と前記第1情報の照合用の特徴とを照合し、照合の結果に基づいて、前記証明書が正規の証明書であるか否かを判定する照合部とを備える情報処理装置。
【選択図】
図7