IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日本車輌製造株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-鉄道車両 図1
  • 特許-鉄道車両 図2
  • 特許-鉄道車両 図3
  • 特許-鉄道車両 図4
  • 特許-鉄道車両 図5
  • 特許-鉄道車両 図6
  • 特許-鉄道車両 図7
  • 特許-鉄道車両 図8
  • 特許-鉄道車両 図9
  • 特許-鉄道車両 図10
  • 特許-鉄道車両 図11
  • 特許-鉄道車両 図12
  • 特許-鉄道車両 図13
  • 特許-鉄道車両 図14
  • 特許-鉄道車両 図15
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】鉄道車両
(51)【国際特許分類】
   B61D 17/08 20060101AFI20240416BHJP
   B61D 17/00 20060101ALI20240416BHJP
   B61D 25/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B61D17/08
B61D17/00 C
B61D25/00 A
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2023151984
(22)【出願日】2023-09-20
【審査請求日】2023-09-20
(73)【特許権者】
【識別番号】000004617
【氏名又は名称】日本車輌製造株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000291
【氏名又は名称】弁理士法人コスモス国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】大塚 大輔
(72)【発明者】
【氏名】一ノ瀬 賢太
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-29126(JP,A)
【文献】特開2016-107888(JP,A)
【文献】特開2007-112344(JP,A)
【文献】特開平6-312660(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第113771893(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B61D 17/08
B61D 17/00
B61D 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステンレス鋼板を車体の側外板に用い、前記側外板に車両長手方向へ連続状に形成された横長の連続窓を備えた鉄道車両であって、
前記側外板は、当該側外板より車内側に配置された複数の横骨と、車内側から車両長手方向に沿ってレーザ溶接され、
前記横骨は、前記連続窓の吹寄せ部において、前記横骨より車内側に配置され最上位の前記横骨から最下位の前記横骨まで車両上下方向へ延設された吹寄せ板と接合され、
前記吹寄せ板は、当該吹寄せ板より車内側に配置され前記吹寄せ板の上端部から下端部まで車両上下方向へ延設された縦骨と接合され、
前記連続窓のガラス板は、前記吹寄せ板の前記連続窓内の範囲で車両上下方向に沿って分割され、分割された各ガラス板の継ぎ目は、前記吹寄せ板にシール部材を介して連結されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項2】
請求項1に記載された鉄道車両において、
前記ガラス板は、前記吹寄せ板の前記連続窓内における車両長手方向の両端部で分割され、
前記縦骨は、前記吹寄せ板の前記両端部に接合されていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項3】
請求項2に記載された鉄道車両において、
前記シール部材は、前記ガラス板の継ぎ目の周縁部に接続された一対のスポンジ状の第1合成ゴム板と、前記継ぎ目の隙間及び前記第1合成ゴム板の隙間に充填されたシーリング材と、前記第1合成ゴム板及び前記シーリング材と前記吹寄せ板とを接続した第2合成ゴム板と、を備えていることを特徴とする鉄道車両。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載された鉄道車両において、
前記ガラス板の上端部と下端部は、シール用弾性部材に嵌装された状態で、前記連続窓の窓上端部と窓下端部とに接合された横骨に、車両長手方向へ延設されたガラス押えによって押圧されて接着されていることを特徴とする鉄道車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両に関し、より詳しくは、レーザ溶接した側外板に横長の連続窓を備えた鉄道車両に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、特急車両等では、例えば、ステンレス鋼板を車体の側外板に用い、側外板と補強用の横骨とをレーザ溶接することによって、車両外観の美観性に優れた鉄道車両が開発されている。このレーザ溶接した側外板に形成する側窓には、従来、吹寄せ部にレーザ溶接した側外板が存在するため、窓ガラスが側外板によって大きく分断されて、車両長手方向に連続状に形成された連続窓とならず、車両外観の美観性、意匠性に課題があった。この課題を解決するため、例えば、以下に説明する側柱構造を設けることによって、側外板に連続窓を形成した鉄道車両が、特許文献1に開示されている。
【0003】
すなわち、図13図15に示すように、特許文献1の鉄道車両100では、車両の側部101に設けられる連続窓102の吹寄せ部102Hにおいて、側部101の縦方向(車両上下方向)を支持する車両用構体101Kの側柱構造106を設けている。この側柱構造106は、連続窓102の上部に配設する車両用構体101Kの横骨104から、車両上方向に延出する上部側柱106aと、連続窓102の下部に配設する車両用構体101Kの横骨105から、車両下方向に延出する下部側柱106bとを設けるとともに、上部側柱106aと下部側柱106bとの間に、該上部側柱106a及び下部側柱106bよりも車内側に窓部側柱106cを配設し、該窓部側柱106cと、上部側柱106a及び下部側柱106bと、を側柱補助部材106dで一体に連結されている。
【0004】
そして、上部側柱106aと下部側柱106bの車外側には、側外板107を取付け、窓部側柱106cには吹寄せ板108を取付ける。また、横骨104、105の窓開口部103側には、連続窓102のガラス板102a、102b、102cを保持するための補強部材109を取付ける。また、窓開口部103にガラス板102a、102b、102cを取付ける際には、上部側柱106a及び下部側柱106bに支持される側外板107と、窓部側柱106cに支持される吹寄せ板108と、によって形成される凹部110にガラス板102a、102b、102cをそれぞれ嵌め込み、横骨104、105に取付けた補強部材109と吹寄せ板108とに、シール剤111を介して、ガラス板102a、102b、102cをそれぞれ気密に取付ける。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】実開平7-4237号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の鉄道車両100では、以下のような問題があった。すなわち、上記側柱構造106は、上部側柱106aと、下部側柱106bと、窓部側柱106cとが、各側柱106a、106b、106cより車内側に設ける側柱補助部材106dによって一体に連結され、上部側柱106aと下部側柱106bの車外側には、側外板107を取付け、窓部側柱106cには吹寄せ板108を取付ける。そのため、予め各側柱106a、106b、106cを車内側に設ける側柱補助部材106dによって一体に連結し、窓部側柱106cに吹寄せ板108を取付けた後に、上部側柱106aと下部側柱106bの車外側に側外板107を取付ける必要がある。
【0007】
しかし、この側柱構造106は、複数の部材(106a、106b、106c、106d)をスポット溶接等によって接合して製作するため、接合時において側柱全体の捻じれや変形が生じやすく、上部側柱106aと側外板107との接合、及び、下部側柱106bと側外板107との接合を、設備的な施工条件の厳しいレーザ溶接によって行うことが困難になるという問題があった。
【0008】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、ステンレス鋼板を用いた側外板のレーザ溶接が簡単にできると共に、側外板に形成する連続窓のガラス板を支持する吹寄せ部における美観性、意匠性を向上できる鉄道車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄道車両は、以下の構成を備えている。
(1)ステンレス鋼板を車体の側外板に用い、前記側外板に車両長手方向へ連続状に形成された横長の連続窓を備えた鉄道車両であって、
前記側外板は、当該側外板より車内側に配置された複数の横骨と、車内側から車両長手方向に沿ってレーザ溶接され、
前記横骨は、前記連続窓の吹寄せ部において、前記横骨より車内側に配置され最上位の前記横骨から最下位の前記横骨まで車両上下方向へ延設された吹寄せ板と接合され、
前記吹寄せ板は、当該吹寄せ板より車内側に配置され前記吹寄せ板の上端部から下端部まで車両上下方向へ延設された縦骨と接合され、
前記連続窓のガラス板は、前記吹寄せ板の前記連続窓内の範囲で車両上下方向に沿って分割され、分割された各ガラス板の継ぎ目は、前記吹寄せ板にシール部材を介して連結されていることを特徴とする。
【0010】
本発明においては、側外板は、当該側外板より車内側に配置された複数の横骨と、車内側から車両長手方向に沿ってレーザ溶接されているので、溶接ビード(裏ビード)が側外板の外表面に現れず、車両外観の美観性を向上させつつ、側外板における車両長手方向の強度を高めることができる。
【0011】
また、横骨は、連続窓の吹寄せ部において、横骨より車内側に配置され最上位の横骨から最下位の横骨まで車両上下方向へ延設された吹寄せ板と接合され、吹寄せ板は、当該吹寄せ板より車内側に配置され吹寄せ板の上端部から下端部まで車両上下方向へ延設された縦骨と接合されているので、連続窓の車両長手方向中間部で、連続窓の上方に位置する全ての横骨と、連続窓の下方に位置する全ての横骨と、を吹寄せ板と縦骨とによって車内側で繋ぐことができる。これによって、横長の連続窓を形成した側外板を車内側から簡単な構造で補強できる。なお、側外板とレーザ溶接された状態の横骨には、縦骨と接合された状態の吹寄せ板が接合されている。そのため、側外板は、縦骨と吹寄せ板とを接合する際の熱歪等の影響を受けにくく、側外板の美観性を保持できる。
【0012】
また、連続窓のガラス板は、吹寄せ板の連続窓内の範囲で車両上下方向に沿って分割され、分割された各ガラス板の継ぎ目は、吹寄せ板にシール部材を介して連結されているので、連続窓の各ガラス板は、縦骨で補強された吹寄せ板によって車内側から支持される。そのため、連続窓の各ガラス板の外表面が、微小幅の継ぎ目の隙間を埋めるシール部材を挟んで略同一平面となるように形成できる。そして、ガラス板が、側外板によって大きく分断されることがない。その結果、車両長手方向に連続状に形成された連続窓として、車両外観の美観性、意匠性を高めることができる。
【0013】
よって、本発明によれば、ステンレス鋼板の側外板のレーザ溶接が簡単にできると共に、側外板に形成する連続窓のガラス板を支持する吹寄せ部における美観性、意匠性を向上できる鉄道車両を提供することができる。
【0014】
(2)(1)に記載された鉄道車両において、
前記ガラス板は、前記吹寄せ板の前記連続窓内における車両長手方向の両端部で分割され、
前記縦骨は、前記吹寄せ板の前記両端部に接合されていることを特徴とする。
【0015】
本発明においては、ガラス板は、吹寄せ板の連続窓内における車両長手方向の両端部で分割され、縦骨は、吹寄せ板の両端部に接合されているので、分割された各ガラス板の継ぎ目を、縦骨によって強固に補強された吹寄せ板の両端部に対して、シール部材を介して連結できる。そのため、分割された各ガラス板を、より安定して吹寄せ板に連結でき、車両長手方向により一層長い美観性に優れた連続窓を形成できる。また、ガラス板を、吹寄せ板に対向する吹寄せ用のガラス板と、客室から車外の景色を見ることができる展望用のガラス板とに分割して、吹寄せ用のガラス板の面積を展望用のガラス板の面積より小さくすることができる。これによって、吹寄せ用のガラス板の板厚を展望用のガラス板の板厚より薄くしてガラス板全体の軽量化ができ、コスト面でも有利となる。その結果、車両長手方向により一層長い美観性に優れた連続窓を形成しながら、車両の軽量化、低コスト化を促進させることができる。
【0016】
(3)(2)に記載された鉄道車両において、
前記シール部材は、前記ガラス板の継ぎ目の周縁部に接続された一対のスポンジ状の第1合成ゴム板と、前記継ぎ目の隙間及び前記第1合成ゴム板の隙間に充填されたシーリング材と、前記第1合成ゴム板及び前記シーリング材と前記吹寄せ板とを接続した第2合成ゴム板と、を備えていることを特徴とする。
【0017】
本発明においては、シール部材は、ガラス板の継ぎ目の周縁部に接続された一対のスポンジ状の第1合成ゴム板と、継ぎ目の隙間及び第1合成ゴム板の隙間に充填されたシーリング材と、第1合成ゴム板及びシーリング材と吹寄せ板とを接続した第2合成ゴム板と、を備えているので、ガラス板の継ぎ目の隙間に充填するシーリング材を第1合成ゴム板及び第2合成ゴムによって囲い込むことで、吹寄せ板に対向する吹寄せ用のガラス板と、客室から車外の景色を見ることができる展望用のガラス板と、の板厚に差がある場合でも、当該板厚の差を吸収しながら、吹寄せ用のガラス板と展望用のガラス板との車両外表面における段差を低減して、連続窓の美観性をより一層向上させることができる。
【0018】
(4)(1)乃至(3)のいずれか1つに記載された鉄道車両において、
前記ガラス板の上端部と下端部は、シール用弾性部材に嵌装された状態で、前記連続窓の窓上端部と窓下端部とに接合された横骨に、車両長手方向へ延設されたガラス押えによって押圧されて接着されていることを特徴とする。
【0019】
本発明においては、ガラス板の上端部と下端部は、シール用弾性部材に嵌装された状態で、連続窓の窓上端部と窓下端部とに接合された横骨に、車両長手方向へ延設されたガラス押えによって押圧されて接着されているので、分割された各ガラス板を、車両長手方向へ延設された共通のガラス押えによって連続状に横骨に押圧して接着できる。そのため、各ガラス板と側外板との段差のバラツキを低減して、連続窓を形成した側外板の美観性をより一層向上させることができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ステンレス鋼板の側外板のレーザ溶接が簡単にできると共に、側外板に形成する連続窓のガラス板を支持する吹寄せ部における美観性、意匠性を向上できる鉄道車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施形態の一態様に係る鉄道車両の概略側面図である。
図2図1に示す側構体のA部を車両内方(車内側)から見た部分側面図である。
図3図2に示すB-B断面図である。
図4図2に示すC部の斜視図である。
図5図2に示すD部の斜視図である。
図6図2に示すE-E断面図である。
図7図3に示すF部の拡大断面図である。
図8図1に示す連続窓の一部を車両外方(車外側)から見た部分側面図である。
図9図8に示す連続窓の展望用のガラス板の側面図である。
図10図1に示す本鉄道車両の変形例において、図2に示すE-E断面図である。
図11図10に示す変形例において、連続窓の一部を車両外方(車外側)から見た部分側面図である。
図12図11に示す連続窓の展望用のガラス板の側面図である。
図13】特許文献1に記載された鉄道車両の側部を車両外方(車外側)から見た部分側面図である。
図14図13に示すI-I断面図である。
図15図13に示すII-II断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
<本鉄道車両の構成>
次に、本発明の実施形態の一態様に係る鉄道車両について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0023】
図1に、本発明の実施形態の一態様に係る鉄道車両の概略側面図を示す。図1に示すように、本態様の鉄道車両10は、ステンレス鋼板SKを車体STの側外板1に用い、側外板1に車両長手方向へ連続状に形成された横長の連続窓2を備えている。ステンレス鋼板SKは、高強度で軽量化が可能なオーステナイト系ステンレス鋼板が好ましく、2mm程度の板厚で形成されている。また、車体STは、レールRL上を走行する台車DSに支持される台枠DWと、台枠DWの車両内外方向における車外側の両端部から上方に起立する側構体GKと、台枠DWの車両長手方向の両端部から上方に起立する妻構体TKと、側構体GK及び妻構体TKの上端部に接続された屋根構体YKと、を備えている。側構体GKには、妻構体TK寄りの位置に乗降用の側扉GTが形成されている。図1では、側扉GTは、1つであるが、複数でも良い。
【0024】
また、側構体GKは、車両長手方向で複数の側構体ブロックGK1、GK2、GK3に分割され、各側構体ブロックGK1、GK2、GK3は、図示しない境界部で接合されている。側構体GKの車外側に配置される側外板1には、車両長手方向へ連続状に形成された横長の連続窓2が形成されている。連続窓2は、例えば、一方の妻構体TKと側扉GTとの間で、横長の略長方形状に形成されている。側外板1は、連続窓2の車両上方に位置する幕部1aと、連続窓2の車両下方に位置する腰部1bと、を備えている。
【0025】
また、図2に、図1に示す側構体のA部を車両内方(車内側)から見た部分側面図を示す。図3に、図2に示すB-B断面図を示す。図4に、図2に示すC部の斜視図を示す。図5に、図2に示すD部の斜視図を示す。図2図5に示すように、側構体GKには、連続窓2の上方で側外板1の車内側に上下に離間して並列配置されたハット状断面の窓上方の横骨3(3a、3b、3c)と、連続窓2の下方で側外板1の車内側に上下に離間して並列配置されたハット状断面の窓下方の横骨4(4a、4b、4c、4d、4e)と、を設けている。各横骨3、4は、各側構体ブロックGK1、GK2、GK3の車両長手方向の長さと略同一の長さに形成され、互いに平行に配置されている。また、各横骨3、4は、例えば、板厚が1~3mm程度の鋼板(例えば、ステンレス鋼板)を、略同一の高さのハット状断面に折り曲げ形成されている。
【0026】
また、側外板1は、当該側外板1より車内側に配置された複数の横骨3、4と、車内側から車両長手方向に沿ってレーザ溶接RYされている。ここでは、側外板1は、横骨3、4のフランジ部31、41と2枚重ねの状態でレーザ溶接RYされている。そのため、溶接ビード(裏ビード)が側外板1の外表面に現れず、車両外観の美観性を向上させつつ、側外板1における車両長手方向の強度を高めることができる。なお、連続窓2の上方に位置する横骨3は、連続窓2の窓上端部21及び側外板1(幕部1a)の上端部11近傍に配置されると共に、両者の間で上下に離間して並列配置されている。また、連続窓2の下方に位置する横骨4は、連続窓2の窓下端部22及び側外板1(腰部1b)の下端部12近傍に配置されると共に、両者の間で上下に離間して並列配置されている。側外板1(腰部1b)の下端部12は、台枠DWと接合されている。そのため、側外板1の幕部1a及び腰部1bに対して、横骨3、4を精度良く重ね合わせることができる。また、隣接する窓上方の横骨3同士の間、及び、隣接する窓下方の横骨4同士の間には、所定の空間が形成され、車両長手方向へレーザビームRBを直線状に移動できる。したがって、側外板1の幕部1aと腰部1bとに対して、横骨3、4を隙間なく安定してセットし、高品質なレーザ溶接を行うことができる。
【0027】
また、横骨3、4は、連続窓2の吹寄せ部2Hにおいて、横骨3、4より車内側に配置され最上位の横骨3cから最下位の横骨4eまで車両上下方向へ延設された吹寄せ板5と接合されている。また、吹寄せ板5は、当該吹寄せ板5より車内側に配置され吹寄せ板5の上端部51から下端部52まで車両上下方向へ延設された縦骨6と接合されている。そのため、連続窓2の車両長手方向中間部で、連続窓2の上方に位置する全ての横骨3と、連続窓2の下方に位置する全ての横骨4と、を吹寄せ板5と縦骨6とによって車内側で繋ぐことができる。これによって、横長の連続窓2を形成しレーザ溶接した側外板1を、簡単な構造で車内側から補強できる。なお、縦骨6は、例えば、板厚が1~3mm程度の鋼板(例えば、ステンレス鋼板)を、ハット状断面に折り曲げ形成されている。
【0028】
また、側外板1とレーザ溶接された状態の横骨3、4には、縦骨6と接合された状態の吹寄せ板5が接合されている。そのため、側外板1は、縦骨6と吹寄せ板5とを接合する際の熱歪等の影響を受けにくく、側外板1の美観性を保持できる。ここでは、吹寄せ板5は、全ての横骨3、4の各天板部32、42に対して溶接(例えば、車両上下方向へレーザ溶接RY)されている。また、縦骨6のフランジ部61は、吹寄せ板5に対して、その上端部51から下端部52まで所定の間隔で間欠的に接合(例えば、スポット溶接SY)されている。
【0029】
また、図6に、図2に示すE-E断面図を示す。図7に、図3に示すF部の拡大断面図を示す。図6に示すように、連続窓2のガラス板2Gは、吹寄せ板5の連続窓2内の範囲で車両上下方向に沿って分割され、分割された各ガラス板2G1、2G2の継ぎ目2GTは、吹寄せ板5にシール部材7を介して連結されている。したがって、連続窓2の各ガラス板2G1、2G2は、縦骨6で補強された吹寄せ板5によって車内側から支持される。そのため、連続窓2の各ガラス板2G1、2G2の外表面が、微小幅の継ぎ目2GTの隙間を埋めるシール部材7を挟んで略同一平面となるように形成できる。そして、ガラス板2Gが、側外板1によって大きく分断されることがない。その結果、車両長手方向に連続状に形成された連続窓2として、車両外観の美観性、意匠性を高めることができる。
【0030】
ここでは、ガラス板2G(2G1、2G2)は、吹寄せ板5の連続窓2内における車両長手方向の両端部53、54で分割され、縦骨6は、吹寄せ板5の両端部53、54に接合されているので、分割された各ガラス板2G1、2G2の継ぎ目2GTを、縦骨6によって強固に補強された吹寄せ板5の両端部53、54に対して、シール部材7を介して連結できる。そのため、分割された各ガラス板2G1、2G2を、より安定して吹寄せ板5に連結でき、車両長手方向により一層長い美観性に優れた連続窓2を形成できる。
【0031】
また、ガラス板2Gを、吹寄せ板5に対向する吹寄せ用のガラス板2G1と、客室から車外の景色を見ることができる展望用のガラス板2G2とに分割して、吹寄せ用のガラス板2G1の面積を展望用のガラス板2G2の面積より小さくすることができる。これによって、吹寄せ用のガラス板2G1の板厚を展望用のガラス板2G2の板厚より薄くしてガラス板2G全体の軽量化ができ、コスト面でも有利となる。その結果、車両長手方向により一層長い美観性に優れた連続窓2を形成しながら、車両の軽量化、低コスト化を促進させることができる。
【0032】
なお、吹寄せ板5で遮蔽されたガラス板2G1は、不透視性ガラスHG又は遮光性ガラスSGで形成しても良い。この場合、吹寄せ板5が車外側から見えない状態となり、連続窓2のガラス板2Gを支持する吹寄せ部2Hにおける美観性、意匠性を向上できる。不透視性ガラスHGには、例えば、すりガラス、ぼかしガラス、着色ガラス等を用いることができる。遮光性ガラスSGには、例えば、黒色系中間膜2G11を挟む合わせガラス、裏面に反射膜を形成したミラーガラス等を用いることができる。また、展望用のガラス板2G2には、例えば、ガラス同士の間に中空部2G21を有する複層ガラスHSGを用いることができる。これによって、透視性を維持しつつ、断熱性、防音性を高めることができる。
【0033】
また、図8に、図1に示す連続窓の一部を車両外方(車外側)から見た部分側面図を示す。図9に、図8に示す連続窓の展望用のガラス板の側面図を示す。図8図9に示すように、展望用のガラス板2G2の外周縁には、遮光層(例えば、黒色系のセラミック層)2G22を形成すると良い。遮光層(例えば、黒色系のセラミック層)2G22によって、吹寄せ板5、縦骨6、横骨3、4等をカバーする内装材(図示しない)の端部を隠すことができ、連続窓2の外周縁における美観性を高めることができる。
【0034】
よって、本鉄道車両10によれば、ステンレス鋼板SKの側外板1のレーザ溶接が簡単にできると共に、側外板1に形成する連続窓2のガラス板2Gを支持する吹寄せ部2Hにおける美観性、意匠性を向上できる。
【0035】
なお、図2図6に示すように、縦骨6は、吹寄せ部2Hの中心線CLに対して対称位置に配置され、吹寄せ板5の両端部53、54に接合されている。また、吹寄せ板5は、窓上方の横骨3と接合された上部吹寄せ板5Jと、窓下方の横骨4と接合された下部吹寄せ板5Kと、上部吹寄せ板5Jと下部吹寄せ板5Kとを連続窓2内で繋ぐ繋ぎ部吹寄せ板5Tと、から構成されている。一対の縦骨6は、繋ぎ部吹寄せ板5Tの両端部53、54に接合されている。上部吹寄せ板5Jと下部吹寄せ板5Kは、繋ぎ部吹寄せ板5Tより幅広く形成され、上部吹寄せ板5J及び下部吹寄せ板5Kと繋ぎ部吹寄せ板5Tとが交差する隅部SMは、円弧状に形成されている。これによって、上下の隅部SMにおける応力集中を緩和して、側外板1の幕部1aと腰部1bとを連続窓2の車室側でより一層効果的に補強できる。
【0036】
また、本鉄道車両10においては、図6に示すように、シール部材7は、ガラス板2G1、2G2の継ぎ目2GTの周縁部に接続された一対のスポンジ状の第1合成ゴム板71、72と、継ぎ目2GTの隙間及び第1合成ゴム板71、72の隙間に充填されたシーリング材73と、第1合成ゴム板71、72及びシーリング材73と吹寄せ板5とを接続した第2合成ゴム板74と、を備えていることが好ましい。ここで、第1合成ゴム板71、72、第2合成ゴム板74は、機械的強度、耐候性、耐熱性、耐寒性、耐油性等に優れた合成ゴム(例えば、CRゴム(クロロプレンゴム))を用いることができる。シーリング材73は、耐候性、耐水性、耐熱性等に優れたシーリング材、例えば、シリコーン系シーリング材を用いることができる。
【0037】
上記構成によって、ガラス板2G1、2G2の継ぎ目2GTの隙間に充填するシーリング材73を第1合成ゴム板71、72及び第2合成ゴム板74によって囲い込むことで、吹寄せ板5に対向する吹寄せ用のガラス板2G1と、客室から車外の景色を見ることができる展望用のガラス板2G2と、の板厚に差がある場合でも、当該板厚の差を吸収しながら、吹寄せ用のガラス板2G1と展望用のガラス板2G2との車両外表面における段差を低減して、連続窓2の美観性をより一層向上させることができる。
【0038】
また、吹寄せ板5とガラス板2G1との離間距離t2を維持して、ガラス板2G1、2G2を側外板1側へ近づけることができる。その結果、ガラス板2G1、2G2と側外板1との段差t1を低減して、連続窓2を形成した側外板1の美観性をより一層向上させることができる。なお、第1合成ゴム板71、72は、スポンジ状に形成されているので、ガラス板2G1、2G2の厚さの違いに応じて、柔軟に撓むことができる。また、スポンジ状の第1合成ゴム板71、72によって、車両の振動を吸収しつつ、ガラス板2G1、2G2と吹寄せ板5とを連結できる。
【0039】
また、本鉄道車両10においては、図3図7に示すように、ガラス板2G(2G1、2G2)の上端部2GJと下端部2GKは、シール用弾性部材81に嵌装された状態で、連続窓2の窓上端部21と窓下端部22とに接合された横骨3、4(本実施形態では、横骨3の窓上端部21側の縦フランジ部33の窓側面331と、横骨4の窓下端部22側の縦フランジ部43の窓側面431)に、車両長手方向へ延設されたガラス押え9によって押圧されて接着されていることが好ましい。ここで、シール用弾性部材81には、例えば、発泡性ウレタンゴム等を用いることができる。また、ガラス押え9には、例えば、アルミ製又はアルミ合金製の押出形材を用いることができる。ガラス押え9は、横骨3、4に、例えば、ネジ等によって締結されている。また、窓上端部21及び窓下端部22とガラス板2G(2G1、2G2)との隙間には、シール用弾性部材81の外縁側をシールするシーリング材82が充填されている。
【0040】
上記構成によって、分割された各ガラス板2G1、2G2を、車両長手方向へ延設された共通のガラス押え9によって連続状に横骨3、4に押圧して接着できる。そのため、各ガラス板2G1、2G2と側外板1との段差t1のバラツキを低減して、連続窓2を形成した側外板1の美観性をより一層向上させることができる。
【0041】
<変形例>
なお、本鉄道車両10は、本発明の要旨を変更しない範囲で、各種形態に変更できることは言うまでもない。例えば、本鉄道車両10においては、図6図8に示すように、ガラス板2G(2G1、2G2)は、吹寄せ板5の連続窓2内における車両長手方向の両端部53、54で分割されている。しかし、ガラス板2Gの分割位置は、これに限る必要はない。例えば、図10図12に示す変形例の鉄道車両10Bのように、ガラス板2GB(2G2B、2G2B)は、吹寄せ板5の連続窓2B内における車両長手方向の中央部CLで分割されていても良い。この場合、連続窓2Bのガラス板2GBを展望用のガラス板2G2Bに共通化でき、コスト低減を可能とすることができる。なお、展望用のガラス板2G2Bの外周縁には、遮光層(例えば、黒色系のセラミック層)2G22Bを、吹寄せ板5全体を隠すように、車両長手方向で幅広く形成すると良い。
【0042】
また、本鉄道車両10においては、縦骨6は、吹寄せ板5の両端部53、54に接合され、車両長手方向に離間した一対の縦骨6、6が、車両上下方向へ平行に配置されている。しかし、一対の縦骨6、6に限定する必要はない。例えば、1つの縦骨6でも良い。この場合、吹寄せ板5の両端部53、54には、左右のフランジ部61が接合されている。
【0043】
<作用効果>
以上、詳細に説明した本実施形態に係る鉄道車両10、10Bによれば、側外板1は、当該側外板1より車内側に配置された横骨3、4と、車内側から車両長手方向に沿ってレーザ溶接されているので、溶接ビード(裏ビード)が側外板1の外表面に現れず、車両外観の美観性を向上させつつ、側外板1における車両長手方向の強度を高めることができる。なお、連続窓2、2Bの上方に位置する横骨3は、連続窓2、2Bの窓上端部21及び側外板1(幕部1a)の上端部11近傍に配置されると共に、両者の間で上下に離間して並列配置されている。また、連続窓2、2Bの下方に位置する横骨4は、連続窓2、2Bの窓下端部22及び側外板1(腰部1b)の下端部12近傍に配置されると共に、両者の間で上下に離間して並列配置されている。そのため、側外板1の幕部1a及び腰部1bに対して、横骨3、4を精度良く重ね合わせることができる。また、隣接する窓上方の横骨3同士の間、及び、隣接する窓下方の横骨4同士の間には、所定の空間が形成され、車両長手方向へレーザビームRBを直線状に移動できる。したがって、側外板1の幕部1aと腰部1bとに対して、横骨3、4を隙間なく安定してセットし、高品質なレーザ溶接を行うことができる。
【0044】
また、横骨3、4は、連続窓2、2Bの吹寄せ部2Hにおいて、横骨3、4より車内側に配置され最上位の横骨3cから最下位の横骨4eまで車両上下方向へ延設された吹寄せ板5と接合され、吹寄せ板5は、当該吹寄せ板5より車内側に配置され吹寄せ板5の上端部51から下端部52まで車両上下方向へ延設された縦骨6と接合されているので、連続窓2、2Bの車両長手方向中間部で、連続窓2、2Bの上方に位置する全ての横骨3と、連続窓2、2Bの下方に位置する全ての横骨4と、を吹寄せ板5と縦骨6とによって車内側で繋ぐことができる。これによって、横長の連続窓2、2Bを形成した側外板1を車内側から簡単な構造で補強できる。なお、側外板1とレーザ溶接された状態の横骨3、4には、縦骨6と接合された状態の吹寄せ板5が接合されている。そのため、側外板1は、縦骨6と吹寄せ板5とを接合する際の熱歪等の影響を受けにくく、側外板1の美観性を保持できる。
【0045】
また、連続窓2、2Bのガラス板2G、2GBは、吹寄せ板5の連続窓2、2B内の範囲で車両上下方向に沿って分割され、分割された各ガラス板2G、2GBの継ぎ目2GTは、吹寄せ板5にシール部材7を介して連結されているので、連続窓2、2Bの各ガラス板2G(2G1、2G2)、2GB(2G2B)は、縦骨6で補強された吹寄せ板5によって車内側から支持される。そのため、連続窓2、2Bの各ガラス板2G(2G1、2G2)、2GB(2G2B)の外表面が、微小幅の継ぎ目2GTの隙間を埋めるシール部材7を挟んで略同一平面となるように形成できる。そして、ガラス板2G、2GBが側外板1によって大きく分断されることがない。その結果、車両長手方向に連続状に形成された連続窓2、2Bとして、車両外観の美観性、意匠性を高めることができる。
【0046】
よって、本実施形態によれば、ステンレス鋼板SKの側外板1のレーザ溶接が簡単にできると共に、側外板1に形成する連続窓2、2Bのガラス板2G、2GBを支持する吹寄せ部2Hにおける美観性、意匠性を向上できる鉄道車両10、10Bを提供することができる。
【0047】
また、本実施形態によれば、ガラス板2Gは、吹寄せ板5の連続窓2内における車両長手方向の両端部53、54で分割され、縦骨6は、吹寄せ板5の両端部53、54に接合されているので、分割された各ガラス板2G1,2G2の継ぎ目2GTを、縦骨6によって強固に補強された吹寄せ板5の両端部53、54に対して、シール部材7を介して連結できる。そのため、分割された各ガラス板2G1、2G2を、より安定して吹寄せ板5に連結でき、車両長手方向により一層長い美観性に優れた連続窓2を形成できる。また、ガラス板2Gを、吹寄せ板5に対向する吹寄せ用のガラス板2G1と、客室から車外の景色を見ることができる展望用のガラス板2G2とに分割して、吹寄せ用のガラス板2G1の面積を展望用のガラス板2G2の面積より小さくすることができる。これによって、吹寄せ用のガラス板2G1の板厚を展望用のガラス板2G2の板厚より薄くしてガラス板2G全体の軽量化ができ、コスト面でも有利となる。その結果、車両長手方向により一層長い美観性に優れた連続窓2を形成しながら、車両の軽量化、低コスト化を促進させることができる。
【0048】
また、本実施形態によれば、シール部材7は、ガラス板2G1、2G2の継ぎ目2GTの周縁部に接続された一対のスポンジ状の第1合成ゴム板71、72と、継ぎ目2GTの隙間及び第1合成ゴム板71、72の隙間に充填されたシーリング材73と、第1合成ゴム板71、72及びシーリング材73と吹寄せ板5とを接続した第2合成ゴム板74と、を備えているので、ガラス板2G1、2G2の継ぎ目2GTの隙間に充填するシーリング材73を第1合成ゴム板71、72及び第2合成ゴム板74によって囲い込むことで、吹寄せ板5に対向する吹寄せ用のガラス板2G1と、客室から車外の景色を見ることができる展望用のガラス板2G2と、の板厚に差がある場合でも、当該板厚の差を吸収しながら、吹寄せ用のガラス板2G1と展望用のガラス板2G2との車両外表面における段差を低減して、連続窓2の美観性をより一層向上させることができる。
【0049】
また、本実施形態によれば、ガラス板2G(2G1、2G2)、2GB(2G2B)の上端部2GJと下端部2GKは、シール用弾性部材81に嵌装された状態で、連続窓2、2Bの窓上端部21と窓下端部22とに接合された横骨3、4に、車両長手方向へ延設されたガラス押え9によって押圧されて接着されているので、分割された各ガラス板2G1、2G2を、車両長手方向へ延設された共通のガラス押え9によって連続状に横骨3、4に押圧して接着できる。そのため、各ガラス板2G(2G1、2G2)、2GB(2G2B)と側外板1との段差t1のバラツキを低減して、連続窓2、2Bを形成した側外板1の美観性をより一層向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明は、レーザ溶接した側外板に横長の連続窓を備えた鉄道車両として利用できる。
【符号の説明】
【0051】
1 側外板
2、2B 連続窓
2G、2G1、2G2 ガラス板
2GB、2G2B ガラス板
2GJ 上端部
2GK 下端部
2GT 継ぎ目
2H 吹寄せ部
3、3c、4、4e 横骨
5 吹寄せ板
6 縦骨
7 シール部材
10、10B 鉄道車両
21 窓上端部
22 窓下端部
51 上端部
52 下端部
53、54 両端部
71、72 第1合成ゴム板
73 シーリング材
74 第2合成ゴム板
81 シール用弾性部材
9 ガラス押え
SK ステンレス鋼板
ST 車体
【要約】
【課題】側外板のレーザ溶接が簡単にでき、側外板に形成する連続窓のガラス板を支持する吹寄せ部における美観性、意匠性を向上できる鉄道車両を提供すること。
【解決手段】ステンレス鋼板SKを車体STの側外板1に用い、側外板に車両長手方向へ連続状に形成された横長の連続窓2を備えた鉄道車両10である。側外板は、車内側の横骨3、4と車内側から車両長手方向に沿ってレーザ溶接され、横骨は、吹寄せ部2Hにおいて、横骨より車内側に配置され最上位の横骨から最下位の横骨まで車両上下方向へ延設された吹寄せ板5と接合され、吹寄せ板は、吹寄せ板より車内側に配置され吹寄せ板の上端部51から下端部52まで車両上下方向へ延設された縦骨6と接合されている。連続窓のガラス板2Gは、吹寄せ板の連続窓内の範囲で車両上下方向に沿って分割され、分割された各ガラス板の継ぎ目2GTは、吹寄せ板にシール部材7を介して連結されている。
【選択図】 図6
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15