(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】クリーニング製品用分岐アミノ酸界面活性剤
(51)【国際特許分類】
C11D 1/40 20060101AFI20240416BHJP
C09K 23/18 20220101ALI20240416BHJP
C11D 1/62 20060101ALI20240416BHJP
C11D 1/75 20060101ALI20240416BHJP
C11D 1/92 20060101ALI20240416BHJP
C11D 1/46 20060101ALI20240416BHJP
C07C 229/12 20060101ALN20240416BHJP
C07C 309/14 20060101ALN20240416BHJP
C07C 291/04 20060101ALN20240416BHJP
【FI】
C11D1/40
C09K23/18
C11D1/62
C11D1/75
C11D1/92
C11D1/46
C07C229/12
C07C309/14
C07C291/04
(21)【出願番号】P 2023502623
(86)(22)【出願日】2021-07-09
(86)【国際出願番号】 US2021041176
(87)【国際公開番号】W WO2022015606
(87)【国際公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-03-13
(32)【優先日】2020-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517213094
【氏名又は名称】アドバンシックス・レジンズ・アンド・ケミカルズ・リミテッド・ライアビリティ・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】ADVANSIX RESINS & CHEMICALS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100133765
【氏名又は名称】中田 尚志
(72)【発明者】
【氏名】アシルバサム,エドワード
【審査官】柴田 啓二
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-170831(JP,A)
【文献】特開2005-179187(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0079898(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C11D
C09K 23/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
クリーニング用配合物であって、
少なくとも1種の界面活性剤、並びに
少なくとも1種の洗剤及び少なくとも1種の石鹸の少なくとも1つ、
を含み、
前記界面活性剤が
以下の式:
【化1】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド、
以下の式:
【化2】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
以下の式:
【化3】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、
以下の式:
【化4】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、
以下の式:
【化5】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド、
以下の式:
【化6】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、または
以下の式:
【化7】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
である、配合物。
【請求項2】
少なくとも1種の洗剤を含み、少なくとも1種の洗剤が、アニオン性洗剤、カチオン性洗剤、非イオン性洗剤、両性イオン性洗剤およびそれらの組合せから選択される、請求項1に記載の配合物。
【請求項3】
一般式:
(RCO
2
-)
n M
n+
(式中、Rはアルキル基を含み、Mは金属であり、
n+は+1または+2である)の少なくとも1種の石鹸を含む、請求項1または2に記載の配合物。
【請求項4】
少なくとも1種のビルダーをさらに含み、少なくとも1種のビルダーが、トリポリリン酸塩、ニトリロ三酢酸塩、ゼオライト、方解石/炭酸塩、クエン酸塩またはポリマー、ナトリウム、ピロリン酸塩、オルトリン酸塩、アルミノケイ酸ナトリウム、アルカリ剤の無機塩、アルカリ金属の無機塩、硫酸塩、ケイ酸塩およびメタケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項5】
少なくとも1種の漂白剤をさらに含み、少なくとも1種の漂白剤が、金属ホウ酸塩、過酸塩、ペルオキシ酸、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ペルオキシ酢酸、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過マンガン酸カリウム、亜ジチオン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項6】
少なくとも1種の酵素をさらに含み、少なくとも1種の酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、マンナーゼ、ペルオキシダーゼおよびリパーゼからなる群から選択される、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項7】
少なくとも1種のポリマーをさらに含み、少なくとも1種のポリマーが、メタクリルアミドのポリマー;N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩、ビニルアミン、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール、およびジアリルジアルキルアンモニウム塩のエチレン性不飽和モノマーのポリマー:ジアリルジメチルアンモニウム塩、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウム塩、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、および四級化ビニルイミダゾールのポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の配合物。
【請求項8】
ドライクリーニング用配合物であって、
少なくとも1種の界面活性剤、及び
少なくとも1種の溶媒を含み、
前記界面活性剤が
以下の式:
【化8】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージド、
以下の式:
【化9】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、
以下の式:
【化10】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、
以下の式:
【化11】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネート、
以下の式:
【化12】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシド、
以下の式:
【化13】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリド、または
以下の式:
【化14】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネート、である、配合物。
【請求項9】
少なくとも1種の溶媒が:ペルクロロエチレン、炭化水素、トリクロロエチレン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジブトキシメタン、n-プロピルブロミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項8に記載の配合物。
【請求項10】
少なくとも1種の共溶媒をさらに含み、少なくとも1種の共溶媒が:アルコール、エーテル、グリコールエーテル、アルカン、アルケン、直鎖および環状アミド、ペルフルオロ化第三級アミン、ペルフルオロエーテル、シクロアルカン、エステル、ケトン、芳香族、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、トリフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロ-2-プロパノール、メチルt-ブチルエーテル、メチルアミルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、trans-1,2-ジクロロエチレン、デカリン、デカン酸メチル、酢酸t-ブチル、酢酸エチル、グリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、フタル酸ジエチル、2-ブタノン、N-アルキルピロリドン(例えばN-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン)、メチルイソブチルケトン、ナフタレン、トルエン、トリフルオロトルエン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロ-2-ブチルオキサシクロペンタンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、請求項8または9に記載の配合物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年7月13日に出願された仮特許出願第63/051,199号明細書に対する優先権を主張し、これは、本明細書において参照によりその全体が組み込まれる。
【0002】
本開示は、布地、硬質表面およびプラスチック表面のクリーニングおよびコンディショニングのために使用されるクリーニング製品を含む、クリーニング製品に使用するための分岐界面活性剤に関連する。そのような分岐界面活性剤は、アミノ酸の誘導体を含み得、誘導体は、表面活性性質を有する。
【背景技術】
【0003】
界面活性剤(表面活性性質を有する分子)は、洗剤からヘアケア製品、化粧品に及ぶ配合物における商業的用途に幅広く使用される。表面活性性質を有する化合物は、とりわけ石鹸、洗剤、滑沢剤、湿潤剤、発泡剤および展着剤として使用される。パーソナルケアクレンジング製品(例えば、シャンプー、ボディウォッシュ、フェイシャルクレンザー、液体ハンドソープなど)では、界面活性剤は、組成物のクレンジング特質の多くをもたらすため、最も重要な成分であることが多い。
【0004】
界面活性剤は、非荷電性、両性イオン性、カチオン性またはアニオン性であり得る。原則として、いずれの界面活性剤分類(例えば、カチオン性、アニオン性、非イオン性、両性)も、クレンジングまたはクリーニング用途に好適であるが、実際には多くのパーソナルケアクレンザーおよび家庭用クリーニング製品は、2種以上の界面活性剤分類からの2種以上の界面活性剤の組合せと配合される。
【0005】
界面活性剤は、比較的水不溶性の疎水性「尾部」基および比較的水溶性の親水性「頭部」基を有する両親媒性分子であることが多い。これらの化合物は、界面、例えば2種の液体、液体と気体と、または液体と固体との間における界面で吸着し得る。比較的極性および比較的非極性の成分を含む系では、疎水性尾部は、比較的非極性成分と優先的に相互作用するが、親水性頭部は、比較的極性成分と優先的に相互作用する。水と油との間における界面のケースでは、親水性頭部基は、優先的に水中に入り込むが、疎水性尾部は、優先的に油中に入り込む。水-気体のみの界面に添加される場合、親水性頭部基は、優先的に水中に入り込むが、疎水性尾部は、優先的に気体中に入り込む。界面活性剤の存在は、水分子の間における分子間の相互反応の少なくとも一部を中断させ、水分子の間における相互反応の少なくとも一部を、水分子の少なくとも一部と界面活性剤との間における一般的により弱い相互反応で置き換える。これにより、表面張力が低くなり、界面を安定させる役割をすることもできる。
【0006】
十分に高い濃度で、界面活性剤は、疎水性尾部の極性溶媒への曝露を限定する役割をする凝集物を形成し得る。そのような凝集物の1つがミセルである。典型的なミセルでは、分子は、球状として配置され、界面活性剤の疎水性尾部は、球状の内側に優先的に位置し、界面活性剤の親水性頭部は、ミセルの外側に優先的に位置し、ここで頭部は、より極性の溶媒と優先的に相互作用する。所定の化合物が、表面張力およびミセルを形成する濃度に対して有する効果は、界面活性剤の決定的特性としての役割を果たし得る。
【発明の概要】
【0007】
本開示は、硬質およびプラスチック表面、例えば床、壁、天井、屋根、カウンタートップ、家具、皿、カップ、ガラス、カトラリー、食事用器具、食品の調製および/または包装に使用される機械、機械のパーツ、およびデバイスをクリーニングおよび/または脱脂するための組成物;洗濯洗剤、染み取り、ウォッシュプレトリートメント(wash pretreatment)、布地柔軟剤、布地染料および漂白料を含む布地ケア配合物;ならびに内装材およびカーペットのクリーニングに使用される組成物を提供する。発明のいくつかの組成物は、洗剤、乳化剤、分散剤、発泡剤およびそれらの組合せの形態であり得る。本発明の生成物は、1種または複数の界面活性剤分類から、1種または複数の界面活性剤を含むように配合され得る。
【0008】
本開示は、表面活性性質を有するアミノ酸の誘導体を提供する。アミノ酸は、天然に存在するアミノ酸、もしくは合成アミノ酸であり得る、またはこれらは、分子、例えばラクタム、例えばカプロラクタムの開環反応を経由して得られる。アミノ酸は、表面活性性質を有する化合物を形成するように機能化され得る。特徴として、これらの化合物は、低い臨界ミセル濃度(CMC)および/または液体の表面張力を低下させる能力を有し得る。
【0009】
本開示は、水性クリーニング製品用配合物であって、式I:
【0010】
【0011】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の少なくとも1種の界面活性剤または共界面活性剤、ならびに1つまたは複数の石鹸を含み、これらの石鹸そのものが界面活性剤と特徴付けられ得、石鹸は、脂肪酸、塩も含み得、いくつかの石鹸は、水溶性および脂溶性部分の両方を含み得る、配合物を提供する。
【0012】
本開示は、洗濯洗剤用配合物であって、式I:
【0013】
【0014】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の少なくとも1種の界面活性剤または共界面活性剤、ならびに少なくとも1種のビルダーを含み、ビルダーは、水性環境においてクリーニング作用の効き目を促進する分子を含み得、いくつかの有用なビルダーは、あるポリマー、リン酸塩およびアルミノケイ酸塩、クエン酸カルシウム、アルカリ金属塩、ナトリウム塩、いくつかのグレードのゼオライトを含むが、それらに限定されない、配合物を提供する。
【0015】
本開示は、漂白製品用配合物であって、式I:
【0016】
【0017】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の少なくとも1種の界面活性剤または共界面活性剤;無機過酸塩、有機ペルオキシ酸、金属ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、および過硫酸塩を含むが、それらに限定されない漂白剤、例えばペルオキシベース漂白剤を含む、配合物を提供する。
【0018】
本開示は、ドライクリーニングに使用するための配合物であって、式I:
【0019】
【0020】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の少なくとも1種の界面活性剤または共界面活性剤、溶媒、ならびに任意選択で共溶媒、家庭用または商用のドライクリーニングプロセスの一方または両方に使用するための好ましい不燃性油浸漬組成物(non-flammable oil immersible compositions)を含む、配合物を提供する。
【0021】
本開示の上で言及されている、また、他の特徴およびそれらを達成する手段は、添付の図面と併せて実施形態の以下の記載を参照することで、より明らかになり、よりよく理解される。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】
図1は、実施例1Bに記載されるように、pH=7で測定された濃度に対する表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力(γ)をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で描写する。
【
図2A】
図2Aは、実施例2Bに記載されるように、pH=7で測定された濃度に対する表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力(γ)をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で描写する。
【
図2B】
図2Bは、実施例2Cに記載されるように、時間に対する、表面張力における変化としての動的表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で描写する。
【
図3】
図3は、実施例3Bに記載されるように、pH=7で測定された濃度に対する表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力(γ)をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で描写する。
【
図4A】
図4Aは、実施例4Bに記載されるように、pH=7で測定された濃度に対する表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力(γ)をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で描写する。
【
図4B】
図4Bは、実施例4Cに記載されるように、時間に対する、表面張力における変化としての動的表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で描写する。
【
図5A】
図5Aは、実施例5Bに記載されるように、pH=7で測定された濃度に対する表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力(γ)をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で描写する。
【
図5B】
図5Bは、実施例5Cに記載されるように、時間に対する、表面張力における変化としての動的表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で描写する。
【
図6A】
図6Aは、実施例6Bに記載されるように、pH=7で測定された濃度に対する表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力(γ)をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で描写する。
【
図6B】
図6Bは、実施例6Cに記載されるように、時間に対する、表面張力における変化としての動的表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で描写する。
【
図7A】
図7Aは、実施例7Bに記載されるように、pH=7で測定された濃度に対する表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力(γ)をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、濃度(c)をミリモル(mM)で描写する。
【
図7B】
図7Bは、実施例7Cに記載されるように、時間に対する、表面張力における変化としての動的表面張力のプロットを示す図であり、Y軸は、表面張力をメートル当たりのミリニュートン(mN/m)で描写し、X軸は、表面経過時間をミリ秒(ms)で描写する。
【発明を実施するための形態】
【0023】
I.定義
本明細書で使用される「先述の値のいずれか2つの間で定義されるいずれかの範囲内」という語句は、文字通り、いずれかの範囲が、そのような語句の前に列挙される値のいずれか2つから、値が列挙の下限部分におけるものか、または値が列挙の上限部分におけるものかに関係なく選択され得ることを意味する。例えば、一対の値は、2つの下限値、2つの上限値、または下限値および上限値から選択され得る。
【0024】
本明細書で使用される、「アルキル」という言葉は、直鎖または分岐鎖であり得るいずれかの飽和炭素鎖を意味する。
【0025】
本明細書で使用される、「表面活性」という語句は、関連化合物が、少なくとも部分的に溶解した媒体の表面張力を低下させることが可能であること、ならびに/または他の相との界面張力が、ひいては、液体/蒸気および/もしくは他の界面において少なくとも部分的に吸着され得ることを意味する。「界面活性剤」という用語は、そのような化合物に適用され得る。
【0026】
厳密ではない専門用語に関して、「約」および「およそ」という用語を互換的に使用して、定められた測定値を含み、定められた測定値に妥当に近いいずれかの測定値も含む測定値について言及することができる。定められた測定値に妥当に近い測定値は、関連性がある業界の当業者により理解され、容易に確かめられる、妥当に少ない量により定められた測定値から逸脱する。そのような逸脱は、測定誤差、または例えば性能を最適化するために行われる微調整に起因し得る。関連性がある業界の当業者が、そのような妥当に小さい差についての値を確かめることが容易ではないと判定される場合、「約」および「およそ」という用語は、定められた値のプラスまたはマイナス10%を意味すると理解され得る。
【0027】
別途明白に定義されない限り、または別途暗黙的に使用されない限り、本明細書で使用される「泡立ち」という用語は、比較的小さい体積の液体中の気泡の非平衡分散体を指し示す。「泡立ち」、「泡」および「石鹸泡」のような用語は、本発明の意義の範囲内で互換的に使用され得る。
【0028】
別途明白に定義されない限り、または別途暗黙的に使用されない限り、本明細書で使用される「泡立ちプロファイル」という用語は、洗浄およびすすぎサイクル中の泡立ち特性に関する洗剤組成物の性質を指す。洗剤組成物の泡立ちプロファイルは、洗濯液に溶解する際の泡立ち生成の速度、洗浄サイクルにおける泡立ちの体積および保持、ならびにすすぎサイクルにおける泡立ちの体積および消失を含むが、それらに限定されない。好ましくは、泡立ちプロファイルは、実施例における、本明細書で以下に開示される方法をテストすることにより具体的に定義される洗浄泡立ち指標およびすすぎ泡立ち指標を含む。これは、追加の泡立ち関連パラメーター、例えば、洗浄サイクル中に測定される泡立ち安定性などをさらに含み得る。
【0029】
別途明白に定義されない限り、または別途暗黙的に使用されない限り、本明細書で使用される「流体」という用語は、液体、ゲル、ペーストおよびガス製品の形態を含む。
【0030】
別途明白に定義されない限り、または別途暗黙的に使用されない限り、本明細書で使用される「液体」という用語は、25℃で約1から約2000mPa*sの粘度、および20秒-1のせん断率を有する液体を有する流体を指す。
【0031】
別途明白に定義されない限り、または別途暗黙的に使用されない限り、本明細書で使用される「ドライクリーニング組成物」という用語は、クリーニングされる洗濯物を除くドライクリーニング溶媒、いずれかの界面活性剤、クリーニング剤を含むドライクリーニングプロセスに使用される組成物を意味するように意図されている。
【0032】
別途明白に定義されない限り、または別途暗黙的に使用されない限り、本明細書で使用される「有機ドライクリーニング溶媒」という用語は、好ましくは20℃.および標準圧力で液相を有するいずれかの非水性溶媒を意味するように意図されている。有機という用語は、その通常の意味を有し、すなわち、化合物は少なくとも1つの炭素水素結合を有する。
【0033】
本開示は、硬質およびプラスチック表面、例えば床、壁、天井、屋根、カウンタートップ、家具、皿、カップ、ガラス、カトラリー、食事用器具、食品の調製および/または包装に使用される機械、機械のパーツ、およびデバイスをクリーニングおよび/または脱脂するための組成物;洗濯洗剤、染み取り、ウォッシュプレトリートメント、布地柔軟剤、布地染料および漂白料を含む布地ケア配合物;ならびに内装材およびカーペットのクリーニングに使用される組成物を提供する。
【0034】
II.水性クリーニング配合物
洗濯洗剤、脱脂剤、染み取りおよび洗濯プレトリートメント組成物は、洗浄性界面活性剤、結合剤、酵素およびコンディショニング剤の組合せを含み得る。洗濯洗剤配合物は、固体、液体、粉末、バー、スティック、ポッド、エーロゾルおよび/またはゲルを含む。
【0035】
本発明の洗濯洗剤組成物は、用途、例えば自動洗濯機の洗濯、半自動洗濯機の洗濯(すなわち、少なくとも1回または2回の手動ステップを必要とする機械洗浄)、手洗いなどに使用され得る。いくつかの実施形態では、洗剤組成物は、手洗い洗濯洗剤製品に指定される。
【0036】
洗濯洗剤組成物は、いずれかの形態、すなわち、液体;エマルション;ペースト;ゲル;スプレーまたは泡;固体、例えば粉末、顆粒、凝集体、錠剤、小袋およびバー;2区画もしくは複数区画容器または小袋で送達されるタイプ;消費者により、水で活性化され得る予め湿らせた、または乾いたワイプ(すなわち、不織布材料と組み合わせた液体洗剤組成物、または不織布材料と組み合わせた粉末洗剤組成物);ならびに他の均質または多相の消費者クリーニング製品の形態であり得る。
【0037】
本発明のいくつかの布地ケア配合物は、界面活性剤系ともいわれる1つまたは複数の界面活性剤を含む。界面活性剤系は、クリーニング性能を組成物にもたらすように含まれる。界面活性剤系は、少なくとも1種の界面活性剤を含み、これは両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤であり得、また、任意選択で少なくとも1種の他の界面活性剤を含み、これは、両性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤またはそれらの組合せであり得る。そのような界面活性剤は、本明細書に記載される必須成分と物理的および化学的に適合性であるべきであり、またはそうでなければ製品の安定性、美観または性能を過度に害するべきではない。
【0038】
本発明の組成物は、いずれかの好適な物理的形態、例えば微粒子(粉末、顆粒、錠剤)、液体、ペースト、ゲルまたはバーのものであり得る。好ましくは、洗剤組成物は、顆粒形態である。組成物は、手洗いまたは洗濯機洗い洗剤として使用するために配合され得る。
【0039】
以下に限定されないが代表的な洗濯洗剤配合物は、石鹸、イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、任意選択でビルダー系、および任意選択で他の洗剤原料の組合せを含み得る。一定量の石鹸が顆粒形態で存在する場合、この顆粒は他の成分と乾燥混合され、石鹸顆粒は、定義された濃度の石鹸を有する。
【0040】
本発明によるいくつかの好ましい洗剤組成物は、ある範囲の水硬度にわたり改良された溶解性質を示す。
【0041】
1.洗剤および/または石鹸
洗剤は、アニオン性、カチオン性、非イオン性、および両性イオン性洗剤を含む。石鹸は、一般式:(RCO2
-)n Mn+(式中、Rは、アルキル基であり、Mは金属であり、n+は+1または+2である)の化合物を含み、普通アルキル基は、脂肪酸の部分であり得、Mは、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カルシウムなどであり得る。
【0042】
本発明による石鹸は、配合物の約5から85wt.%、好ましくは7から60wt.%、より好ましくは10から35wt.%を占め得る。石鹸は、石鹸の約20から50wt.%を占める界面活性剤系を部分的に含み得る。好ましくは界面活性剤系は、石鹸の30から40wt.%を占める。本発明の好ましい実施形態では、石鹸の80wt.%から100wt.%、好ましくは85から95wt.%は、顆粒の形態で存在する。
【0043】
本発明の洗濯洗剤組成物は、組成物の重量に対して少なくとも75wt.%の石鹸の濃度を有する石鹸顆粒を含み得る。
【0044】
本発明のいくつかの実施形態では、石鹸顆粒は、80から95wt.%、好ましくは85から90wt.%の石鹸の濃度を有する。好ましくは、石鹸顆粒は、90wt.%超の石鹸、10wt.%未満の水分および1wt.%未満の水酸化ナトリウムを含む。
【0045】
有用な石鹸化合物は、アルカリ金属石鹸、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウムおよび置換アンモニウム(例えば、モノエタノールアミン)塩、または約8から24個の炭素原子を含有する高級脂肪酸のこのいずれかの組合せを含むが、それらに限定されない。
【0046】
本発明のいくつかの実施形態では、脂肪酸石鹸は、C10からC22、より好ましくはC12からC20の炭素鎖長を有する。好適な脂肪酸は、天然供給源、例えば植物または動物エステル、例えばパーム油、ヤシ油、ババス油、ダイズ油、ヒマシ油、菜種油、ヒマワリ油、綿実油、獣脂、魚油、グリース、ラードおよびそれらの混合物から得られる。また、脂肪酸は、合成手段、例えば石油の酸化、またはフィッシャー-トロプシュ法による一酸化炭素の水素化により生成され得る。樹脂酸、例えばロジンおよびトール油中のそのような樹脂酸は好適である。ナフテン酸も好適である。ナトリウムおよびカリウム石鹸は、脂肪および油の直接鹸化により、または、別の製造プロセスで調製される遊離脂肪酸の中和により作られ得る。ナトリウムおよびカリウム塩、ならびにヤシ油および獣脂に由来する脂肪酸の混合物、すなわちナトリウム獣脂石鹸、ナトリウムヤシ石鹸、カリウム獣脂石鹸、カリウムヤシ石鹸が特に有用である。
【0047】
本発明のいくつかの実施形態では、脂肪酸石鹸は、ラウリン酸石鹸である。例えば、苛性ソーダで中和されたUniqemaからの脂肪酸Prifac 5908。この石鹸は、一般にヤシまたはパーム核油に基づく、完全に硬化させた、または飽和ラウリン酸石鹸の例である。
【0048】
必須ではないが、好ましくは石鹸は、原料の残部を超えない。したがって白みがかっていて、大なり小なり円形であり、すなわちアスペクト比が2未満である必要がある。これは、洗濯粉末が、その最終的なフォーマットで高流動性であることを確実にし、石鹸顆粒を含有することは、組成物の残部と一致することを意味する。
【0049】
好ましい一実施形態では、石鹸は、400から1400μm、好ましくは500から1200μmの粒径を有する。
【0050】
好ましい一実施形態では、石鹸顆粒は、400から650g/リットルのバルク密度を有し、完全に配合された粉末のバルク密度は、400から900g/リットルである。大量の石鹸を含有する布地洗浄粉末は、良好な洗浄力、および衣料の感触を、合成洗剤活性化合物ベースの粉末で洗浄されたものより柔軟にする傾向のため、一部の消費者に好まれる。石鹸は、完全に生分解性であり、再生可能原料に由来する天然材料であるという環境的利点も有する。飽和ナトリウム石鹸は、高いクラフト温度を有し、結果として、一部の消費者により適用される低温ではあまり溶解しない。飽和および不飽和石鹸のある混合物は、はるかに低いクラフト温度を有することが周知である。しかし、不飽和石鹸は、保存の際にさほど安定ではなく、悪臭を放つ傾向がある。顆粒に使用される石鹸混合物は、したがって溶解性質と安定性質との間で注意深くバランスを取る必要がある。石鹸の安定性は、顆粒中で濃縮される場合、低濃度で複合顆粒中に組み込まれる石鹸と比較して向上する。石鹸は、好適な抗酸化剤、例えばエチレンジアミンテトラ酢酸および/またはエタン-1-ヒドロキシ-1,1-ジホスホン酸と組み合わせて使用され得る。また、防腐剤は、悪臭または変色を引き起こし得る石鹸の分解を防止するために存在し得、例えば、ヒドロキシエチリデンジホスホン酸ナトリウム(sodium hydroxyethlidene disphosphonic acid)が使用され得る。
【0051】
2.界面活性剤
本発明の態様を実践するために使用され得る界面活性剤は、式I:
【0052】
【0053】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の化合物を含む。
【0054】
アニオン性界面活性剤は、当業者に周知である。例は、アルキルベンゼンスルホネート、特にC8~C15のアルキル鎖長を有する直鎖アルキルベンゼンスルホネート、第一級および第二級アルキルスルフェート、特にC8~C20第一級アルキルスルフェート;アルキルエーテルスルフェート;オレフィンスルホネート;アルキルキシレンスルホネート;ジアルキルスルホスクシネート;ならびに脂肪酸エステルスルホネートを含む。ナトリウム塩が一般的に好ましい。本発明の好ましい実施形態によれば、顆粒洗濯洗剤組成物は、アニオン性界面活性剤を含み、これは、スルホネートアニオン性界面活性剤である。とりわけ好ましい実施形態によれば、スルホネートアニオン性界面活性剤は、直鎖アルキルベンゼンスルホネート(LAS)を含む。好ましい実施形態では、アニオン性界面活性剤は、15から50wt.%の量で存在する。好ましい実施形態では、アニオン性界面活性剤対石鹸の重量比は、0.5:1から5:1、好ましくは1:1から2:1である。いくつかの非イオン性界面活性剤は、洗剤配合物における使用に十分に合わせられる。
【0055】
いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、20から60wt.%の量で存在する。使用され得る非イオン性界面活性剤は、第一級および第二級アルコールエトキシレート、とりわけアルコール1モル当たり平均1から20モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC8~C20脂肪族アルコール、さらにとりわけ、アルコール1モル当たり平均1から10モルのエチレンオキシドでエトキシ化されたC10~C15第一級および第二級脂肪族アルコールを含む。非エトキシ化非イオン性界面活性剤は、アルキルポリグリコシド、グリセロールモノエーテル、およびポリヒドロキシアミド(グルカミド)を含む。
【0056】
好適な非イオン性界面活性剤の例は、ShellからのNeodol 255Eを含み、これは平均エトキシ化度が5のC12からC15ポリ(1から6)エトキシレートである。平均エトキシ化度が7のC13からC15エトキシレートであるBASFからのLutensol A7も好適である。HLB値は、Griffin、J. Soc. Cosmetic Chemists、5(1954年)、249から256頁で示されている方法に従って計算され得る。
【0057】
3.ビルダー
ビルダーは、洗剤のクリーニング性質を上昇させるために洗剤配合物に添加され得る。そのような化合物は、以下の作用;普通Ca2+および/またはMg2+として水に存在する二価カチオンを除去または隔離すること;アルカリ性環境の生成を作り出す、またはそれに寄与すること;界面活性剤の性能を向上させること;ならびに洗浄液中の汚れの分散を安定化させることの少なくとも1つにより機能し得る。
【0058】
普通使用されるビルダーは、トリポリリン酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸(nitrilloacetic acids)塩、およびゼオライトを含むが、それらに限定されない。
【0059】
本発明の組成物は、洗浄力ビルダーを含有し得る。好ましくはビルダーは、全体の組成物の重量に対して0から15wt.%の量で存在する。あるいは、組成物は、洗浄力ビルダーを本質的に含まないことがある。
【0060】
ビルダーは、強いビルダー、例えばリン酸塩ビルダー、アルミノケイ酸塩ビルダー、およびそれらの混合物から選択され得る。1種または複数の弱いビルダー、例えば方解石/炭酸塩、クエン酸塩またはポリマービルダーがさらに、または代わりに存在してもよい。
【0061】
リン酸塩ビルダー(存在する場合)は、例えばアルカリ金属、好ましくはナトリウム、ピロリン酸塩、オルトリン酸塩およびトリポリリン酸塩、ならびにそれらの混合物から選択され得る。
【0062】
アルミノケイ酸塩(存在する場合)は、例えば、1種または複数の結晶性および非晶質アルミノケイ酸塩、例えば、GB 1 473 201(Henkel)で開示されるゼオライト、GB 1 473 202(Henkel)で開示される非晶質アルミノケイ酸塩、および、GB 1 470 250(Procter & Gamble)で開示される混合結晶性/非晶質アルミノケイ酸塩;ならびにEP 164514B(Hoechst)で開示される層状シリケートから選択され得る。
【0063】
アルカリ金属アルミノケイ酸塩は、結晶性もしくは非晶質、またはそれらの混合物であり得、一般式:0.8~1.5Na2O、Al2.O3、0.8~6SiO2を有する。
【0064】
これらの材料は、一般的に一部の結合水を含有し得、少なくとも50mg CaO/gのカルシウムイオン交換容量を有するのに必要とされる。好ましいアルミノケイ酸ナトリウムは、1.5~3.5 SiO2単位(上の式で)を含有する。非晶質および結晶性材料の両方とも、文献にふんだんに記載されているように、ケイ酸ナトリウムとアルミン酸ナトリウムとの間での反応により容易に調製され得る。好適な結晶性アルミノケイ酸ナトリウムイオン交換洗浄力ビルダーは、例えば、GB 1429 143(Procter & Gamble)に記載されている。このタイプの好ましいアルミノケイ酸ナトリウムは、周知の市販のゼオライトAおよびX、ならびにそれらの混合物である。
【0065】
ゼオライトは、洗濯洗剤粉末に今般幅広く使用されている市販のゼオライト4Aであり得る。しかし、本発明の好ましい実施形態によれば、本発明の組成物に組み込まれるゼオライトビルダーは、EP384070A(Unilever)に記載および請求されているように、最大アルミニウムゼオライトP(ゼオライトMAP)である。ゼオライトMAPは、1.33を超えず、好ましくは0.90から1.33の範囲内、より好ましくは0.90から1.20の範囲内のケイ素対アルミニウム比を有するゼオライトPタイプのアルカリ金属アルミノケイ酸塩と定義される。
【0066】
好適な無機塩は、アルカリ剤、例えばアルカリ金属、好ましくは独立した塩または複塩としてナトリウム、炭酸塩、硫酸塩、ケイ酸塩、メタケイ酸塩を含む。無機塩は、炭酸ナトリウム、硫酸ナトリウム、バーク石およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。
【0067】
4.表面活性成分
上で論じられている界面活性剤およびビルダー同様、組成物は、任意選択で性能および性質を向上させる他の活性成分を含有し得る。
【0068】
追加の洗剤活性化合物(界面活性剤)は、石鹸および非石鹸アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性および両性イオン性洗剤活性化合物、ならびにそれらの混合物から選択され得る。多くの好適な洗剤活性化合物を利用でき、文献に、例えばSchwartz、PerryおよびBerchによる「Surface-Active Agents and Detergents」、IおよびII巻に詳しく記載されている。
【0069】
使用され得るカチオン性界面活性剤は、一般式RRRRNX(式中、R基は、長いまたは短いヒドロカルビル鎖、典型的にはアルキル、ヒドロキシアルキルまたはエトキシ化アルキル基であり、Xは、可溶化アニオン(例えば、Rが、C8~C22アルキル基、好ましくはC8~C10またはC12~C14アルキル基であり、Rが、メチル基であり、また同一または異なってよいRおよびRが、メチルまたはヒドロキシエチル基である化合物)である)の四級アンモニウム塩、およびカチオン性エステル(例えば、コリンエステル)を含む。
【0070】
両性界面活性剤および/または両性イオン性界面活性剤も存在し得る。本発明を実践するために使用され得るいくつかの両性界面活性剤は、アミンオキシドを含む。
【0071】
本発明を実践するために使用され得るいくつかの両性イオン性界面活性剤は、ベタイン、例えばアミドベタインを含む。
【0072】
5.漂白剤
本発明による洗剤組成物は、好適には漂白剤系を含有し得る。漂白剤系は、好ましくは、水溶液中で過酸化水素を得ることが可能なペルオキシ漂白化合物、例えば、無機過酸塩または有機ペルオキシ酸ベースである。好適なペルオキシ漂白化合物は、有機過酸化物、例えば尿素過酸化物、および無機過酸塩、例えばアルカリ金属過ホウ酸塩、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩および過硫酸塩を含む。好ましい無機過酸塩は、過ホウ酸ナトリウム一水和物および四水和物、ならびに過炭酸ナトリウムである。水分による不安定化からの保護コーティングを有する過炭酸ナトリウムがとりわけ好ましい。メタホウ酸ナトリウムおよびケイ酸ナトリウムを含む保護コーティングを有する過炭酸ナトリウムは、GB2123044B(Kao)で開示される。
【0073】
ペルオキシ漂白化合物は、5から35wt%、好ましくは10から25wt.%の量で好適に存在する。
【0074】
ペルオキシ漂白化合物は、低い洗浄温度での漂白作用を改良するために漂白活性化物質(漂白前駆体)と共に使用され得る。漂白前駆体は、1から8wt.%、好ましくは2から5wt.%の量で好適に存在する。
【0075】
好ましい漂白前駆体は、ペルオキシカルボン酸前駆体、さらにとりわけ過酢酸前駆体およびペルオキシ安息香酸前駆体;ならびにペルオキシ炭酸前駆体である。本発明における使用に好適なとりわけ好ましい漂白前駆体は、N.N.N’,N’-テトラセチルエチレンジアミン(TAED)である。ペルオキシ安息香酸前駆体、詳細には、N.N.N-トリメチルアンモニウムトルイルオキシベンゼンスルホネートも対象である。
【0076】
漂白安定剤(重金属イオン封鎖剤)も存在し得る。好適な漂白安定剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびポリホスホネート、例えばDequest、EDTMPを含む。
【0077】
6.酵素
洗剤組成物は、1種または複数の酵素も含有し得る。好適な酵素は、例えば;洗剤組成物における組み込みに使用可能なプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、マンナーゼ、ペルオキシダーゼおよびリパーゼを含む。具体的な洗剤組成物では、洗浄力酵素は、普通顆粒形態で、約0.1から約3.0wt%の量で用いられる。しかし、酵素のいずれかの好適な物理的形態は、いずれかの有効量で使用され得る。
【0078】
7.ポリマー
いくつかの洗剤は、カチオン性ポリマーを含み得る。以下に記載されているカチオン性ポリマーは、約0.01wt.%から約15wt.%の範囲の量で洗濯洗剤組成物に使用される場合、同様の式であるがそのようなカチオン性ポリマーを有さない組成物と比較してそのような洗濯洗剤組成物の泡立ちプロファイルの改良に有効である。
【0079】
洗剤、例えば洗濯洗剤において有用のカチオン性ポリマーは、3種の異なるタイプの構造単位を含有するターポリマーを含み得る。これは、他のいかなる構成成分も実質的に含まない、好ましくは本質的に含まない。構造単位またはモノマーは、ランダムフォーマットでカチオン性ポリマーに組み込まれ得る、またはブロックフォーマットであり得る。
【0080】
カチオン性ポリマーにおける第1の構造単位は、メタクリルアミド(AAm)に由来する非イオン性構造単位である。カチオン性ポリマーは、約35mol%から約85mol%、好ましくは約55mol%から約85mol%、より好ましくは約65mol%から約80mol%のAAm由来構造単位を含有する。
【0081】
カチオン性ポリマーにおける第2の構造単位は、いずれかの好適な水溶性カチオン性エチレン性不飽和モノマー、例えば、N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム(methacylami doalkyl trialkylammonium)塩、アクリルアミドアルキルトリアルキルアミニウム(acrylamidoalkylltrialkylamminium)塩、ビニルアミン、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾールおよびジアリルジアルキルアンモニウム塩に由来するカチオン性構造単位である。
【0082】
例えば、第2のカチオン性構造単位は、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAM)、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウム塩、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPA)、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(APTAS)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩(MAPTAS)および四級化ビニルイミダゾール(PVi)、ならびにそれらの組合せからなる群から選択されるモノマーに由来し得る。
【0083】
いくつかの実施形態では、第2のカチオン性構造単位は、ジアリルジメチルアンモニウム塩(DADMAS)、例えば、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)、ジアリルジメチルアンモニウムフルオリド、ジアリルジメチルアンモニウムブロミド、ジアリルジメチルアンモニウムヨウ素(diallyl dimethyl ammonium iodine)、ジアリルジメチルアンモニウムビスルフェート、ジアリルジメチルアンモニウムアルキルスルフェート、ジアリルジメチルアンモニウム二水素ホスフェート(diallyl dimethyl ammonium dihydrogen phosphate)、ジアリルジメチルアンモニウム水素アルキルホスフェート、ジアリルジメチルアンモニウムジアルキルホスフェート、およびそれらの組合せに由来する。あるいは、第2のカチオン性構造単位は、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウム塩、例えば、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウムフルオリド、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウムブロミド、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウムヨウ素([2-(methacryloylamino) ethyl]trimethylammonium iodine)、[2-メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウムビスルフェート、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウムアルキルスルフェート、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウム二水素ホスフェート、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウム水素アルキルホスフェート、[2-(メタクリロイルアミノ)エチル]トリメチルアンモニウムジアルキルホスフェート、およびそれらの組合せに由来し得る。さらに、第2のカチオン性構造単位は、例えば、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(APTAC)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムフルオリド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムブロミド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムヨウ素(acrylamidopropyl trimethyl ammonium iodine)、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムビスルフェート、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムアルキルスルフェート、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム二水素ホスフェート、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム水素アルキルホスフェート、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムジアルキルホスフェートおよびそれらの組合せを含むAPTASに由来し得る。さらになお、第2のカチオン性構造単位は、例えば、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(MAPTAC)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムフルオリド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムブロミド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムヨウ素(methacrylam idopropyl trimethylammonium iodine)、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムビスルフェート、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムアルキルスルフェート、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム二水素ホスフェート、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム水素アルキルホスフェート、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムジアルキルホスフェート、およびそれらの組合せを含むMAPTASに由来し得る。
【0084】
第2のカチオン性構造単位は、約10mol%から約65mol%、好ましくは約15mol%から約60mol%、より好ましくは約15mol%から約30mol%の範囲の量でカチオン性ポリマーに存在する。
【0085】
第1の非イオン性構造単位が比較的多い量(例えば、65mol%から80mol%)で、また、第2のカチオン性構造単位が中等度の量(例えば、15mol%から30mol%)で存在すると、良好な泡立ちの利点、ならびに完成品(finish product)の良好な外観が確実になる。第1の非イオン性構造単位が65mol%未満で存在する場合、また、第2のカチオン性構造単位が30mol%超で存在する場合、泡立ちの利点または完成品の外観は損なわれ始め、例えば、すすぎ泡立ち体積は著しく増加し得る、または完成品はもはや透き通らなくなり、濁って見える。同様に、第1の非イオン性構造単位が85mol%超で存在する場合、また、第2のカチオン性構造単位が10mol%未満で存在する場合、すすぎ泡立ち体積は、もはや許容できないレベルまで増加する。
【0086】
カチオン性ポリマーにおける第3の構造単位は、メタクリル酸(AA)またはそれらの無水物に由来するアニオン性構造単位である。カチオン性ポリマーは、約0.1mol%から約35mol%、好ましくは0.2mol%から約20mol%、より好ましくは約0.5mol%から約10mol%、最も好ましくは約1mol%から約5mol%の第3のアニオン性構造単位を含有し得る。
【0087】
第3のアニオン性構造単位が比較的少ない量(例えば、1mol%から5mol%)で存在すると、生じたポリマーの親水性の上昇を助け、続いてより良好なクリーニング、とりわけより良好なクレイ除去を引き起こし得る。第3のアニオン性構造単位が多すぎると(例えば30mol%超)、生じたポリマーの泡立ちの利点を害することがある。
【0088】
III.ドライクリーニング
本発明のいくつかの態様によれば、ドライクリーニング用配合物プロセスは、微粒子汚れで汚染された洗濯物をドライクリーニング組成物と接触させ、液対衣料比(w/w)(LCR)が多くとも20であり、前記組成物が、a)不燃性の、塩素を含有しない有機ドライクリーニング溶媒;b)クリーニング有効量の酸性界面活性剤を含む、ドライクリーニングするステップを含む家庭用ドライクリーニングのために提供される。
【0089】
いくつかの実施形態では、ドライクリーニングするステップは、低水溶性(low aqueous)ドライクリーニングするステップであり、前記組成物は、0.01から10wt.%の水を含む低水溶性ドライクリーニング組成物である。
【0090】
本発明のさらに別の態様によれば、ドライクリーニングプロセスの1つは、非水性ドライクリーニングするステップをさらに含み、ここで、洗濯物を非水性ドライクリーニング組成物と接触させ、前記非水性ドライクリーニング組成物は、0.001から10wt.%の界面活性剤;0から0.01wt.%の水;0から50wt.%の共溶媒および不燃性の、塩素を含有しない有機ドライクリーニング溶媒を含む。本発明の別の態様によれば、a)前記洗濯物を非水性ドライクリーニング組成物と接触させ、前記非水性ドライクリーニング組成物が、0.001から10wt.%の界面活性剤;0から0.01wt.%の水;0から50wt.%の共溶媒および不燃性の、塩素を含有しない有機ドライクリーニング溶媒を含む、非水性ドライクリーニングするステップ;b)前記洗濯物を、低水溶性ドライクリーニング組成物と接触させ、前記低水溶性ドライクリーニング組成物が、0.001から10wt.%のクリーニング有効量の酸性界面活性剤;0.01から50wt.%の水;0から50wt.%の共溶媒;および不燃性の、塩素を含有しない有機ドライクリーニング溶媒を含む、少なくとも1つの低水溶性ドライクリーニングするステップ;ならびに、洗濯物をすすぎ組成物と接触させ、前記すすぎ組成物が、0から0.0001wt.%の界面活性剤;0から10wt.%の水;0から50wt.%の共溶媒および不燃性の、塩素を含有しない有機ドライクリーニング溶媒を含む、任意選択で、少なくとも1つのすすぎステップを含む逐次的ドライクリーニングプロセスが提供される。
【0091】
望ましいクリーニングに応じて、低水溶性および非水性組成物は、あらゆる順番で使用され得る。しかし、いくつかのケースでは、洗濯物を、低水溶性ドライクリーニング組成物の前に、非水性組成物と接触させることが好ましいであろう。実際に、低水溶性ドライクリーニングするステップは、様々な他のステップ、例えば再生、衣料ケアトリートメントおよび/またはすすぎステップ、ならびに、実際に当業者に公知のいずれかの他のステップに後続または先行してよい。
【0092】
本発明のいくつかの態様は、とりわけ、キッチンの脂汚れ、微粒子汚れおよびそれらの混合物を含む群から選択される家庭の汚染物で汚染された洗濯物のクリーニングに好適であり得る。したがって、一実施形態によれば、ドライクリーニングプロセスは、好ましくは、洗濯物をドライクリーニング組成物と接触させ、それによって、洗濯物は、キッチンの脂汚れ、微粒子汚れおよびそれらの混合物から選択される家庭の汚染物で汚染されるステップを含む。典型的な微粒子汚れの汚染は、衣料を汚染することが可能ないずれかの微粒子物質、例えば土埃、泥、砂、木炭、メーキャップ、デオドラント、歯磨き粉だけでなく、腐食鉄粒子およびそれらの混合物も含む。キッチンの脂汚れは、通常、動物または植物起源の食用脂肪および油、例えばラード、ヒマワリ油、ダイズ油、オリーブ油、パーム油、落花生油、菜種油およびそれらの混合物を含む。
【0093】
一般的に、洗濯物、例えば衣類は、クリーニング有効量の、本発明の一態様によるドライクリーニング組成物を、洗濯物をクリーニングする、またはそうでなければ、汚染を除去するのに有効な時間、洗濯物と接触させることによりクリーニングされる。好ましくは、洗濯物は、ドライクリーニング組成物に浸される。使用されるドライクリーニング組成物の量、および組成物が洗濯物に接触する時間量は、設備、およびクリーニングされる洗濯物の数に基づいて変動し得る。通常、ドライクリーニングプロセスは、洗濯物を、本発明の第1の態様によるドライクリーニング組成物と接触させる少なくとも1つのステップ、および、洗濯物を、ドライクリーニング溶媒の新たな投入ですすぐ少なくとも1つのステップを含む。すすぎ組成物は、通常主に溶媒からなるが、望ましければクリーニング剤が添加されてよい。
【0094】
本発明のいくつかの態様では、ドライクリーニング組成物のin situ配合物は、プレトリートメント組成物に含まれ得る。洗濯物をプレトリートメント組成物でプレトリートメントし、続いてプレトリートメントした洗濯物を、ドライクリーニング組成物の残りの原料と接触させ、それによりドライクリーニング組成物をin situで配合する。プレトリートメントステップは、プレトリートメントステップの一部として、クリーニング機械のドラムの外側で手作業で、またはドラムの内側で機械的に行われ得る。プレトリートメントステップ自体は、浸漬の必要はない、すなわちこれは、汚染された面積のみの処置に限定され得るが、但し、洗濯物が、最終ドライクリーニング組成物をなすすべての原料と接触する場合、洗濯物は、前記ドライクリーニング組成物に浸されることを条件とする。例えば、ドライクリーニング組成物が、ドライクリーニング溶媒、水および界面活性剤を含む場合、洗濯物の汚染された面積は、手作業でまたは自動化プロセスにより水および界面活性剤のプレミックスでプレトリートメントされ得る。有効なプレトリートメント時間が経過した後で、洗濯物は、ドラムにおいて残りの原料と接触させてよい。残りのドライクリーニング原料は、in situで本発明のこの態様による少なくとも1種のドライクリーニング組成物を作り出すために、ドライクリーニング溶媒(ならびに任意選択で追加の水および/またはクリーニング剤)を含み得る。典型的なプレトリートメント時間は、少なくとも5秒であるが、1日未満、好ましくは1時間未満、より好ましくは30分未満である。プレトリートメント組成物は、特定の汚染を処置するために配合され得る。例えば、クリーニング有効量のプロテアーゼおよび他の酵素は、タンパク質性(proteinacious)汚染を処置するために含まれ得る。別の実施形態では、完全なドライクリーニング組成物は、別のプレミックス区画でプレミックスされる。例えば、ドライクリーニング組成物が、ドライクリーニング溶媒、界面活性剤および水を含む場合、これらは、ドライクリーニング組成物を洗濯物と接触させる前に、別の区画でプレミックスされ得る。いくつかの実施形態では、そのようなプレミックスは、エマルションまたはマイクロエマルションの形態である。例えば、油中水エマルションのプレミックスの形成は、いずれかの数の好適な手順により生じ得る。例えば、クリーニング有効量の界面活性剤を含有する水性相は、これらの成分を混合デバイスに入れる直前に、計量注入により溶媒相と接触させることができる。計量は、好ましくは、望ましい溶媒/水比が比較的一定に留まるように維持される。この実践に好適な混合デバイスは、例えば、ポンプ組立体またはインライン静的ミキサー、遠心ポンプまたは他のタイプのポンプ、コロイドミルまたは他のタイプのミル、ロータリーミキサー、超音波ミキサー、およびある液体を別のものに分散させる他の手段を含む。いくつかの実施形態では、非混和性液体は、かき混ぜを十分にして、エマルションまたは擬エマルションを形成するために使用され得る。
【0095】
これらの静的ミキサーは、エマルションが高速で通過し、そこで前記エマルションが、ミキサーの内部をなすチャネルの方向および/または直径における急激な変化をきたすデバイスを含む。これは圧力損失を引き起こし、圧力損失は、液滴の大きさおよび安定性の観点から、適正なエマルションを得る際の要因である。
【0096】
本発明の方法の一変形では、混合ステップは、例えば逐次的である。手順は、第1の段階では、溶媒および乳化剤を混合すること、第二段階では、プレミックスが混合され、水で乳化されることからなる。本発明の方法の別の変形では、上のステップの連続した様式での実行が提供される。
【0097】
プレミックスは、使用される流体および原料の温度でもある室温にて行われ得る。
【0098】
バッチプロセス、例えばオーバーヘッドミキサーまたは連続したプロセス、例えば2種の流体の同時押出ノズル、インライン注入器、インラインミキサーまたはインラインスクリーンは、エマルションを作製するために使用され得る。最終組成物におけるエマルション組成物の大きさは、混合速度、混合時間、混合デバイスおよび水溶液の粘度を変化させることにより調整され得る。一般に、混合速度を低下させること、混合時間を短縮すること、水溶液の粘度を低下させること、または、混合中に小さいせん断力を生成する混合デバイスを使用することにより、より大きい液滴の大きさのエマルションを生成できる。超音波ミキサーがとりわけ好ましい。上の記載は、界面活性剤の添加を指すが、クリーニング剤の添加も適用できることが理解される。
【0099】
1.溶媒
一般的に、ドライクリーニング溶媒は、通常不燃性の、塩素を含有しない有機ドライクリーニング溶媒である。ドライクリーニング溶媒という用語は単数形で使用されるが、溶媒の混合物も使用され得ることに留意すべきである。したがって、単数形は、複数を包含すると解釈すべきであり、逆の場合も同じである。塩素を含有する溶媒に関連する典型的な環境問題のため、溶媒は、好ましくはCl原子を含有しない。さらに、溶媒は可燃性であるべきではなく、例えば大半の石油またはミネラルスピリットは、20℃.ほどの低さ、またはさらにそれより低い典型的な引火点を有する。不燃性という用語は、引火点が少なくとも37.8℃.、より好ましくは少なくとも45℃.、最も好ましくは少なくとも50℃のドライクリーニング溶媒を記載することを意図されている。不燃性液体で、少なくとも37.8℃.の引火点の限定は、NFPA 30、the flammable and combustible Liquids Code、全米防火協会発行、1996年版、Massachusetts USAで定義される。溶媒の引火点を判定するための好ましいテスト方法は、NFPA30に記載されている標準的なテストである。溶媒の一分類は、ヒドロフルオロカーボン(HFC)およびヒドロフルオロエーテル(HFE)を含むフッ素化有機ドライクリーニング溶媒である。しかし、不燃性非ハロゲン化溶媒、例えばシロキサン(以下を参照されたい)がより一層好ましい。異なるドライクリーニング溶媒の混合物も使用してよいことに留意すべきである。
【0100】
いくつかの溶媒は非オゾン破壊性であり、オゾン破壊指数に有用な共通の定義は、USAの環境保護庁により定義される:オゾン破壊指数は、化学物質と、同様の質量のCFC-11の影響を比較した、オゾンに対する影響の比である。したがって、CFC-11のODPは、1.0と定義される。
【0101】
ヒドロフルオロカーボンは、溶媒として使用され得、好適なヒドロフルオロカーボン溶媒の1つは、式C,H,F(2x+2-y)((式中、xは、3から8であり、yは、1から6であり、ヒドロフルオロカーボン溶媒におけるF/Hのモル比は1.6超である。好ましくは、Xは、4から6であり、最も好ましいXは5であり、yは2である)により表される。デカフルオロペンタンの異性体、およびその混合物から選択されるヒドロフルオロカーボン溶媒がとりわけ好適である。詳細には、1,1,1,2,2,3,4,5,5,5-デカフルオロペンタンが有用である。E.I. Du Pont De Nemours and Companyが、Vertrel XF(商標)(Vertrel XFTM)という名でこの化合物を販売している。
【0102】
本発明における使用に好適なヒドロフルオロエーテル(HFE)は、一般的に、炭素、フッ素、水素およびカテナリー(すなわち鎖内の)酸素原子を最小限含有する低極性の化学化合物である。HFEは、任意選択で追加のカテナリーヘテロ原子、例えば窒素および硫黄を含有し得る。HFEは、直鎖、分岐もしくは環状、またはそれらの組合せであり得る(例えばアルキル脂環式)であり得、好ましくはエチレン性不飽和を含まず、合計約4から約20個の炭素原子を有する分子構造を有する。そのようなHFEは公知であり、本質的に純粋な化合物として、または混合物として容易に利用できる。好ましいヒドロフルオロエーテルは、約40℃.から約275℃.、好ましくは約50℃.から約200℃.、より一層好ましくは約50℃.から約121℃.の範囲の沸点を有し得る。ヒドロフルオロエーテルは、引火点を有さないことがきわめて望ましい。一般に、HFEが引火点を有する場合、F/H比を低下させ、または炭素-炭素結合の数を減少させ、このそれぞれがHFEの引火点を低下させる(WO/00 26206を参照されたい)。
【0103】
有用なヒドロフルオロエーテルは、分離ヒドロフルオロエーテルおよびオメガ-ヒドロフルオロアルキルエーテルの2種類を含む。構造的に、分離ヒドロフルオロエーテルは、少なくとも1つのモノ-、ジ-またはトリアルコキシ-置換ペルフルオロアルカン、ペルフルオロシクロアルカン、ペルフルオロシクロアルキル-含有ペルフルオロアルカン、またはペルフルオロシクロアルキレン-含有ペルフルオロアルカン化合物を含む。
【0104】
いくつかのシロキサン溶媒も、本発明に有利に使用され得る。シロキサンは、直鎖、分岐、環状またはそれらの組合せであり得る。好ましい分岐シロキサンの1つは、トリス(トリメチルシロキシル)シランである。直鎖および環状オリゴジメチルシロキサンも好ましい。シロキサン溶媒の好ましい分類の1つは、式:
R3-Si(-O-SiR2)w-R
(式中、各Rは、1から10個の炭素原子を有するアルキル基から独立して選択され、wは、1から30の整数である。好ましくは、Rは、メチルであり、wは、1~4であり、またはより一層好ましくは、wは、3または4である)により表されるアルキルシロキサンである。
【0105】
環状シロキサンのうち、オクタメチルシクロテトラシロキサンおよびデカメチルシクロペンタシロキサンが特に有効である。きわめて有用なシロキサンは、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびその混合物からなる群から選択される。
【0106】
ドライクリーニングに好適な有機溶媒は、ノナフルオロメトキシブタン、ノナフルオロエトキシブタンおよびデカフルオロペンタン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンの異性体、ならびにそれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1種の溶媒を含む。いくつかの好ましい有機ドライクリーニング溶媒は、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、ドデカメチルペンタシロキサンおよびそれらの混合物からなる群から選択されるものを含む。
【0107】
本発明のドライクリーニング組成物は、全体のドライクリーニング組成物の重量に対して、有機ドライクリーニング溶媒の約50重量パーセント超、好ましくは約75重量パーセント超、より好ましくは約80重量パーセント超、より好ましくは約85重量パーセント超、より一層好ましくは約95重量パーセント超を一般的に含むが、好ましくは有機ドライクリーニング溶媒の100重量パーセント未満である。そのような量は、乾燥時間および高引火点の維持の改良、または引火点をまったく持たないことを補助し得る。すすぎステップまたはコンディショニングステップでは、ドライクリーニング組成物は、全体のドライクリーニング組成物の重量に対して、有機ドライクリーニング溶媒の少なくとも99重量パーセントさえ、ときに有機ドライクリーニング溶媒の100重量パーセントさえを占め得る。
【0108】
いくつかのケースでは、水がドライクリーニングプロセスに使用され得、水量は重要である。そのようなケースでは、ドライクリーニングプロセスのいずれかのステップに存在する水量は、洗濯物は安全にクリーニングできるようなレベルである。これは、ドライクリーニングしかできない洗濯物を含む。低水溶性ドライクリーニング組成物に存在する水量は、ドライクリーニング組成物の重量に対して、好ましくは0.01から50wt.%の水、より好ましくは0.01から10wt.%、より一層好ましくは0.01から0.9wt.%の水、またはより好ましくは0.05から0.8wt.%であり、または0.1から0.7wt.%が最も好ましい。非水性ドライクリーニング組成物に存在する水量は、ドライクリーニング組成物の重量に対して、好ましくは0から0.1wt.%の水、またはより好ましくは、0から0.01wt.%であり、または0から0.001wt.%がより一層好ましく、0wt.%が最も好ましい。
【0109】
ドライクリーニング組成物が水を含む場合、好ましくは水対衣料比(w/w)(WCR)は、0.45未満、より好ましくは0.35未満、より好ましくは0.25未満、より好ましくは0.2未満、最も好ましくは0.15未満であるが、通常0.0001超、好ましくは0.001超、より好ましくは0.01超である。
【0110】
ドライクリーニングプロセスが、1つ超のステップを含む場合、このWCRは、とりわけドライクリーニング組成物が水および溶媒を含む場合、好ましくはドライクリーニングプロセスにおけるすべてのステップに当てはまる。しかし、WCRは、各ステップで異なっても、または異ならなくてもよい。このWCRが、ドライクリーニングプロセスにおける各ステップに当てはまることも好ましく、LCRは1超である。
【0111】
2.共溶媒
本発明の組成物は、1種または複数の共溶媒を含有し得る。本発明のドライクリーニング組成物における共溶媒の目的は、多様な汚れに対するドライクリーニング組成物の溶解力を増加させることが多い。共溶媒は、共溶媒、ドライクリーニング溶媒、および汚れ;または共溶媒、ドライクリーニング溶媒および任意選択のクリーニング剤を含有する均質な溶液の形成も可能にする。本明細書で使用される「均質な組成物」は、単一相組成物、または単一相しか有さないとみられる組成物、例えば、マクロエマルション、マイクロエマルションまたは共沸混合物である。しかし、共溶媒がドライクリーニング組成物に使用される場合、好ましくは共沸混合物としての非共沸混合物は、さほど安定ではない。
【0112】
ドライクリーニング溶媒または水に可溶性である本発明の有用な共溶媒は、典型的なクリーニング剤と適合し、典型的には衣料に対する親水性の複合汚染および汚染で見出される油、例えば植物油、鉱油または動物油の可溶化を向上させ得る。上の基準を満たすいずれかの共溶媒または共溶媒の混合物を使用できる。
【0113】
有用な共溶媒は、例えば、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、アルカン、アルケン、直鎖および環状アミド、ペルフルオロ化第三級アミン、ペルフルオロエーテル、シクロアルカン、エステル、ケトン、芳香族、それらの完全または部分的ハロゲン化誘導体、およびそれらの混合物を含む。好ましくは、共溶媒は、アルコール、アルカン、アルケン、シクロアルカン、エーテル、エステル、環状アミド、芳香族、ケトン、それらの完全または部分的ハロゲン化誘導体、およびそれらの混合物からなる群から選択される。本発明のドライクリーニング組成物に使用され得る共溶媒の代表的な例は、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、トリフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロ-2-プロパノール、メチルt-ブチルエーテル、メチルアミルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、trans-1,2-ジクロロエチレン、デカリン、デカン酸メチル、酢酸t-ブチル、酢酸エチル、グリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、フタル酸ジエチル、2-ブタノン、N-アルキルピロリドン(例えばN-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン)、メチルイソブチルケトン、ナフタレン、トルエン、トリフルオロトルエン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロ-2-ブチルオキサシクロペンタンを含む。
【0114】
好ましくは、共溶媒は、本発明の組成物に重量に対する有効量で存在して、他のドライクリーニング溶媒(複数可)、例えばHFEと均質な組成物を形成する。共溶媒の有効量は、使用されるその共溶媒または共溶媒ブレンド、および組成物に使用される他のドライクリーニング溶媒(複数可)に応じて変動する。しかし、ドライクリーニング組成物に存在するいずれかの詳細な共溶媒の好ましい最大量は、上で定義されている不燃性ドライクリーニング組成物を保持するのに十分なほど低くすべきである。
【0115】
一般に、共溶媒は、本発明の組成物に約1から50重量パーセント、好ましくは約5から約40重量パーセント、より好ましくは約10から約25重量パーセントの量で存在し得る。いくつかのケースでは、共溶媒は、全体のドライクリーニング組成物の約0.01重量パーセントの量で存在し得る。
【0116】
3.界面活性剤
本発明の態様は、式I:
【0117】
【0118】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の少なくとも1種の化合物を使用して実践され得る。
【0119】
本発明のドライクリーニング組成物は、当業界で公知で、フッ素化および非フッ素化両方の多くの種類の環状、直鎖または分岐界面活性剤を利用し得る。好ましい溶媒適合性界面活性剤は、以下に記載するように、少なくとも4個の炭素原子を有するが、好ましくは200個未満の炭素原子、またはより好ましくは90個未満の炭素原子を有する非イオン性、アニオン性、カチオン性および両性イオン性界面活性剤を含む。溶媒適合性界面活性剤は、通常、ドライクリーニング溶媒/組成物における界面活性剤の溶解度を上昇させる親溶媒性部分を有する。有効な界面活性剤は、1個または複数の極性親水性基、および少なくとも4個の炭素原子を有する1種または複数の親ドライクリーニング溶媒性部分からなり得、その結果、界面活性剤が、前記ドライクリーニング溶媒/組成物中で可溶性である。すなわち、20℃で、少なくともドライクリーニング組成物に使用される界面活性剤の量まで、界面活性剤は、ドライクリーニング組成物に可溶性であることが好ましい。組成物は、望ましいクリーニングおよび衣料ケアに応じて1種または複数の界面活性剤の混合物を含み得る。好ましい界面活性剤の1種は、アニオン性界面活性剤である。別の好ましい界面活性剤は、カチオン性界面活性剤である。
【0120】
極性親水性基Zは、非イオン性、イオン性(すなわち、アニオン性、カチオン性もしくは両性)、またはそれらの組合せであり得る。典型的な非イオン性部分は、ポリオキシエチレンおよびポリオキシプロピレン部分を含む。典型的なアニオン性部分は、カルボキシレート、スルホネート、スルフェートまたはホスフェート部分を含む。典型的なカチオン性部分は、四級アンモニウム、プロトン化アンモニウム、イミダゾリン、アミン、ジアミン、スルホニウム、およびホスホニウム部分を含む。典型的な両性部分は、ベタイン、スルホベタイン、アミノカルボキシル、アミンオキシド、ならびにアニオン性およびカチオン性部分の様々な他の組合せを含む。とりわけ好適な界面活性剤は、アニオン性部分である少なくとも1個の極性親水性基Zを含み、それによって対イオンは以下に記載するようになり得る。
【0121】
極性親水性基Zは、好ましくは、-SOM、-SOM、-POM、-POM、-COMおよびそれらの混合物を含む基から選択され、各Mは、H、NR、Na、KおよびLiを含む基から独立して選択され得、各Rは、HおよびCアルキルラジカルから独立して選択されるが、好ましくはHである。好ましくは、MはHであるが、いくつかのケースでは、塩も使用され得る。
【0122】
界面活性剤は、フッ素化され得る、またはより好ましくはフッ素化された酸であり得る。好適なフルオロ-界面活性剤は、大半のケースで式(1):
(Xf)n(Y)m(Z)p
によるものであり、1個、2個またはそれ超のフッ素化ラジカル(Xf)、および1個または複数の極性親水性基(Z)を含有し、このラジカルおよび極性親水性基は、1個または複数の好適な連結基(Y)により、通常(しかし必ずではない)一緒に接続する。好ましくは、nおよびpは、1から4から独立して選択される整数であり、mは、0から4から選択される。界面活性剤が1個超のXf、YまたはZ基を含む場合、次いでXf、YおよびZのそれぞれは、同一または異なり得る。極性親水性基は、Yへの、またはYがない場合はXfへの共有結合により接続し得る。
【0123】
フッ素化ラジカルXfは、一般的に直鎖または環状、飽和または不飽和芳香族または非芳香族ラジカルであり得、好ましくは少なくとも3個の炭素原子を有する。炭素鎖は、直鎖または分岐であり得、ヘテロ原子、例えば酸素または硫黄を含み得るが、好ましくは窒素を含まない。Xfは、脂肪族であり、飽和されている。完全フッ素化Xfラジカルは好ましいが、水素または塩素が置換基として存在してよく、但し、2個の炭素原子ごとにどちらか1個の原子以下が存在することを条件とし、好ましくは、ラジカルは、少なくとも末端ペルフルオロメチル基を含有する。大きいラジカルは、通常フッ素のさほど効率的ではない利用を表すため、わずか約20個の炭素原子を含有するラジカルは好ましい。とりわけ好適なXf基は、ペルフルオロ化炭素:CF(式中、nは1~40であり、好ましくは2から26、最も好ましくは2から18である)に基づくことがあり、または、ヘキサフルオロプロピレンオキシドのオリゴマー:ICF(CF)-CF.O(式中、nは1から30である)に基づくことがある。後者の好適な例は、Krytoxl(商標)157、とりわけ、Krytoxl(商標)157 FSLという名でE.I DuPont de Nemours and Co.により市場に出されている。約2から14個の炭素原子を含有するフルオロ脂肪族ラジカルが、より好ましい。
【0124】
連結基Yは、基、例えばアルキル、アルキレン、アルキレンオキシド、アリーレン、カルボニル、エステル、アミド、エーテル酸素、第二級または第三級アミン、スルホンアミドアルキレン、カルボキシアミドアルキレン、アルキレンスルホンアミドアルキレン、アルキレンオキシアルキレンもしくはアルキレンチオアルキレン、またはそれらの混合物から選択される。好ましい一実施形態では、Yは、(CH2)または(CH2)Oであり、tは、1から10、好ましくは1から6、最も好ましくは2から4である。あるいは、Yは存在しなくてよく、このケースでは、XfおよびZは、共有結合により直接接続する。
【0125】
界面活性剤の別の好適な分類は、式II:
(Xh)n(Y)m(Z)p
式II
(式中、Xhは、直鎖、分岐または環状、飽和または不飽和、芳香族または非芳香族ラジカルであり得、好ましくは少なくとも4個の炭素原子を有する。Xhは、好ましくは炭化水素ラジカルを含む。Xhが炭化水素である場合、炭素鎖は、直鎖、分岐または環状であり得、ヘテロ原子、例えば酸素、窒素または硫黄を含み得るが、いくつかのケースでは、窒素は好ましくない。いくつかの実施形態では、Xhは、脂肪族であり、飽和されている。わずか約24個の炭素原子を含有するラジカルは好ましい。Zは、1つまたは複数の極性親水性基であり、これは、1個または複数の好適な連結基Yにより、通常(しかし必ずではない)一緒に接続する。好ましくは、nおよびpは、1、2、3および4から独立して選択され、mは、0、1、2、3、および4から選択される)による非フッ素化界面活性剤である。
【0126】
好ましい界面活性剤の1種は、酸性界面活性剤である。いくつかの界面活性剤は、アニオン性界面活性剤を含む。アニオン性界面活性剤は、一般的に当業界で公知であり、例えばアルキルアリールスルホネート(例えば、アルキルベンゼンスルホネート)、アルキルアリールスルホン酸(例えば、トルエン-、キシレン-およびイソプロピルベンゼンスルホン酸のナトリウムおよびアンモニウム塩)、スルホン化アミンおよびスルホン化アミド(例えば、アミドスルホネート)、カルボキシル化アルコールおよびカルボキシル化アルキルフェノールエトキシレート、ジフェニルスルホネート、脂肪酸エステル、イセチオネート、リグニン系界面活性剤、オレフィンスルホネート(例えば、RCHCHSO3Na(式中、RはC10~C16である))、リン系界面活性剤、タンパク質系界面活性剤、サルコシン系界面活性剤(例えば、N-アシルサルコシネート、例としてN-ラウロイルサルコシン酸ナトリウム)、油および/または脂肪酸のスルフェートおよびスルホネート、エトキシ化アルキルフェノールのスルフェートおよびスルホネート、アルコールのスルフェート、エトキシ化アルコールのスルフェート、脂肪酸エステルのスルフェート、化合物を含有する芳香族もしくはフルオロのスルフェート、スルホスクシナメート、スルホスクシネート(例えば、ジアミル-、ジオクチル-およびジイソブチルスルホスクシネート)、タウレートならびにスルホン酸を含む。好適な非フッ素化アニオン性界面活性剤の例は、Crodafos(商標)810A(ex Croda)を含む。
【0127】
酸性界面活性剤に加えて、界面活性剤の他の分類は、使用され得る。好適な界面活性剤は、非イオン性およびカチオン性界面活性剤を含むが、それらに限定されない。本発明の非イオン性界面活性剤としての使用に好適な化合物は、水性媒体に溶解した場合、個別の電荷を保有しないものである。非イオン性界面活性剤は、一般的に当業界で公知であり、例えば、アルカノールアミド(例えば、ココ、ラウリン、オレインおよびステアリンモノエタノールアミド、ジエタノールアミドおよびモノイソプロパノールアミド)、アミンオキシド(例えば、ポリオキシエチレンエタノールアミドおよびポリオキシエチレンプロパノールアミド)、ポリアルキレンオキシドブロックコポリマー(例えば、ポリ(オキシエチレンコ-オキシプロピレン))、エトキシ化アルコール(例えば、イソステアリルポリオキシエチレンアルコール、ラウリル、セチル、ステアリル、オレイル、トリデシル、トリメチルノニル、イソデシル、トリデシル)、エトキシ化アルキルフェノール(例えば、ノニルフェニル(nonylphonyl)、エトキシ化アミンおよびエトキシ化アミド、エトキシ化(ethoxlated)脂肪酸、エトキシ化脂肪酸エステルおよびエトキシ化脂肪族油(例えば、酸、例えばラウリン酸、イソステアリン酸、ペラルゴン酸、オレイン酸、ココ酸、ステアリン酸およびリシノール酸、ならびに油、例えばヒマシ油およびトール油のモノ-およびジエステル)、脂肪酸エステル、フルオロカーボン含有材料、グリセロールエステル(例えば、グリセロールモノステアレート、グリセロールモノラウレート、グリセロールジラウレート、グリセロールモノリシノレートおよびグリセロールオレエート)、グリコールエステル(例えば、プロピレングリコールモノステアレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールモノラウレート、ジエチレングリコールモノオレエートおよびジエチレングリコールステアレート)、ラノリン系界面活性剤、モノグリセリド、リン酸エステル、ポリサッカリドエーテル、プロポキシ化脂肪酸、プロポキシ化アルコールおよびプロポキシ化アルキルフェノール、タンパク質系有機界面活性剤、ソルビタン系界面活性剤(例えば、ソルビタンオレエート、ソルビタンモノラウレートおよびソルビタンパルミテート)、スクロースエステルおよびグルコースエステル、ならびにチオ-およびメルカプト-系界面活性剤を含む。
【0128】
いくつかの他の好適な非イオン性界面活性剤は、例えば米国特許第4,685,930号明細書、Kasprzakにおけるノニルフェノールおよびミリスチルアルコールのポリエチレンオキシド凝縮物;ならびにb)脂肪族アルコールエトキシレート、R-(OCH2CH2)OH(式中、a=1から100、典型的には1から30、R=8から20個のC原子の炭化水素残基、典型的には直鎖アルキル)を含む。例は、4または10個のオキシエチレン基とのポリオキシエチレンラウリルエーテル;2、6または10個のオキシエチレン基とのポリオキシエチレンセチルエーテル;2、5、15、20、25または100個のオキシエチレン基とのポリオキシエチレンステアリルエーテル;2または10個のオキシエチレン基とのポリオキシエチレン(2)、(10)オレイルエーテルを含むが、それらに限定されない。市販の例は、BRIJ(登録商標)およびNEODOLを含むが、それらに限定されない。米国特許第6,013,683号明細書、Hillらも参照されたい。他の好適な非イオン性界面活性剤は、Tween(商標)を含む。
【0129】
好適なカチオン性界面活性剤は、式:R”R”N”(CH).X(式中、R’およびR”はそれぞれ、1~30個のC原子を含有する、または、獣脂、ヤシ油もしくはダイズに由来する炭化水素含有部分からなる群から独立して選択され、XはCl、IまたはBrである)を有するジアルキルアンモニウム塩を含むが、それらに限定されない。例は:ジドデシルジメチルアンモニウムブロミド(DDAB)、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジヘキサデシルジメチルアンモニウムブロミド、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロリド、ジエイコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジドコシルジメチルアンモニウムクロリド、ジココナツジメチルアンモニウムクロリド、ジタロージメチルアンモニウムブロミド(DTAB)を含む。市販の例は、ADOGEN、ARQUAD、TOMAH、VARIOUATを含むが、それらに限定されない。Hillらの米国特許第6,013,683号明細書も参照されたい。
【0130】
有機ドライクリーニング溶媒との組合せにおける使用に好適なこれらの、および他の界面活性剤は、補助物質として当業界で周知であり、Kirk Othmer’s Encyclopaedia of Chemical Technology、第3版、第22巻、360~379頁、「Surfactants and Detersive Systems」により詳細に記載されており、これは、参照により本明細書に組み込まれる。さらなる好適な非イオン性洗剤界面活性剤は、一般的に、Laughlinらの1975年12月30日に公表された米国特許第3,929,678号明細書、13段14行から16段6行までで開示され、参照により本明細書に組み込まれる。他の好適な洗剤界面活性剤は、WO-A-0246517で一般に開示される。
【0131】
界面活性剤または界面活性剤の混合物は、クリーニング有効量で存在する。クリーニング有効量は、望ましいクリーニングに必要とされる量である。これは、例えば、物品の数、汚れのレベルおよび使用されるドライクリーニング組成物の体積に依存する。有効なクリーニングは、界面活性剤がドライクリーニング組成物の重量に対して少なくとも0.001wt.%から10wt.%存在する場合に観察された。より好ましくは、界面活性剤は、ドライクリーニング組成物の重量に対して0.01から3wt.%、またはより一層好ましくは0.05から0.9wt.%存在する。より好ましくは、界面活性剤は、ドライクリーニング組成物の重量に対して0.1から0.8wt.%、またはより一層好ましくは0.3から0.7wt.%存在する。
【0132】
ドライクリーニング組成物は、1種または複数の任意選択のクリーニング剤を含有し得る。クリーニング剤は、クリーニング、外観、状態および/または衣料ケアの向上に好適ないずれかの作用剤を含む。一般的に、クリーニング剤は、全体のドライクリーニング組成物の重量に対して約0から20wt.%、好ましくは0.001wt.%から10wt.%、より好ましくは0.01wt.%から2wt.%の量で本発明の組成物に存在し得る。
【0133】
いくつかの好適なクリーニング剤は、以下の化合物、ビルダー、酵素、漂白活性化物質、漂白触媒、漂白促進剤、漂白剤、アルカリ性源、抗菌剤、着色剤、香料、プロ香料(pro-perfumes)、仕上げ助剤、石灰石鹸分散剤、組成物の臭気制御剤、香気中和剤、ポリマー性移染阻害剤(polymeric dye transfer inhibiting agents)、結晶成長阻害剤、光漂白剤、重金属イオン封鎖剤、抗変色剤、抗微生物剤、抗酸化剤、再付着防止剤、汚れ放出ポリマー、電解質、pH改質剤、増稠剤、研磨剤、二価もしくは三価イオン、金属イオン塩、酵素安定剤、腐食防止剤、ジアミンもしくはポリアミンおよび/またはそれらのアルコキシレート、泡立ち安定化ポリマー、加工助剤、布地柔軟化剤、蛍光増白剤、ヒドロトロープ、泡立ちもしくは泡抑制剤、泡立ち促進剤もしくは増泡剤、布地柔軟剤、帯電防止剤、染料定着剤、染料磨耗阻害剤、クロッキング防止剤、皺低減剤、防皺剤、防汚剤、日焼け止め剤、退色防止剤ならびにそれらの混合物を含むが、それらに限定されない。
【0134】
IV.界面活性剤
本開示は、アミノ酸の誘導体の形態で、クリーニング製品に使用するための界面活性剤を提供する。アミノ酸は、天然に存在し得る、もしくは合成であり得る、またはこれらは、ラクタム、例えばカプロラクタムの開環反応から得られる。本開示の化合物は、表面活性性質を有することが示されており、例えば界面活性剤および湿潤剤として使用され得る。詳細には、本開示は、式I:
【0135】
【0136】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の化合物を提供する。
【0137】
本開示により得られるある特定の化合物(界面活性剤1)は、以下の式:
【0138】
【0139】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである。
【0140】
本開示により得られる第2の特定の化合物(界面活性剤2)は、以下の式:
【0141】
【0142】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである。
【0143】
本開示により得られる第3の特定の化合物(界面活性剤3)は、以下の式:
【0144】
【0145】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである。
【0146】
本開示により得られる第4の特定の化合物(界面活性剤4)は、以下の式:
【0147】
【0148】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである。
【0149】
本開示により得られる第5の特定の化合物(界面活性剤5)は、以下の式:
【0150】
【0151】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである。
【0152】
本開示により得られる第6の特定の化合物(界面活性剤6)は、以下の式:
【0153】
【0154】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである。
【0155】
本開示により得られる第7の特定の化合物(界面活性剤7)は、以下の式:
【0156】
【0157】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである。
【0158】
これらの界面活性剤は、様々な方法により合成され得る。そのような一方法は、ラクタムを開いて、N-末端およびC-末端を有するアミノ酸を得るステップを含む。N-末端は、1種または複数のアルキル化剤および/または酸と反応させて、四級アンモニウム塩を得ることができる。あるいは、N-末端は、酸化剤と反応させて、アミンN-オキシドを得ることができる。C-末端は、酸の存在下でアルコールと反応させて、エステルを得ることができる。
【0159】
アミノ酸は、天然に存在し得る、もしくは合成され得る、またはラクタム、例えばカプロラクタムの開環反応に由来し得る。開環反応は、酸またはアルカリ触媒反応であり得、酸触媒反応の例は、スキーム1で以下に示される。
【0160】
【0161】
アミノ酸は、N-およびC-末端の間にわずか1個または12個もの炭素を有し得る。アルキル鎖は、分岐または直鎖であり得る。アルキル鎖は、窒素、酸素または硫黄で中断され得る。アルキル鎖は、ヒドロキシル、アミノ、アミド、スルホニル、スルホネート、カルボキシル、およびカルボキシレートからなる群から選択される1個または複数の置換基でさらに置換され得る。N-末端窒素は、1個または複数のアルキル基でアシル化またはアルキル化され得る。例えば、アミノ酸は、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸または6-アミノヘキサン酸であり得る。
【0162】
界面活性剤1は、スキーム2で以下に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートのN-末端は、炭酸ナトリウムの存在下で、ヨウ化メチルでアルキル化する。
【0163】
【0164】
界面活性剤2は、スキーム3で以下に示されるように合成され得る。示されるように、6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸のC-末端を、トルエン中のp-トルエンスルホン酸(PTSA)の存在下で2-ブチルオクタノールで処理して、対応するエステル、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートが4-メチルベンゼンスルホン酸塩として得る。
【0165】
【0166】
界面活性剤3は、スキーム4で以下に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを、1当量の塩酸で処理して、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを塩化物塩として得る。
【0167】
【0168】
界面活性剤4は、スキーム5で以下に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートのN-末端を、酢酸エチルの還流中に1,4-ブタンスルトンで処理して、望ましいスルホネートを得る。
【0169】
【0170】
界面活性剤5は、スキーム6で以下に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートのN-末端のN-末端を、水中の過酸化水素で処理して、望ましいN-オキシドを得る。
【0171】
【0172】
界面活性剤6は、スキーム7で以下に示されるように合成され得る。示されるように、2-ブチルオクチル6-アミノヘキサノエートのN-末端を、1当量の塩酸で処理して、対応する塩化物塩を得る。
【0173】
【0174】
界面活性剤7は、スキーム8で以下に示されるように合成され得る。示されるように、6-アミノヘキサン酸を、ベンゼン中の2-ブチルオクタノールおよびp-トルエンスルホン酸(PTSA)で処理して、対応する4-メチルベンゼンスルホン酸塩を得る。
【0175】
【0176】
本開示の化合物は、表面活性性質を実証する。これらの性質は、様々な方法により測定および説明され得る。界面活性剤が説明され得る一方法は、分子の臨界ミセル濃度(CMC)によるものである。CMCは、ミセルが生じる界面活性剤の濃度であり、上述したすべての追加の界面活性剤がミセル内に組み込まれる濃度と定義され得る。
【0177】
界面活性剤濃度が増加するにつれて、表面張力は低下する。表面が界面活性剤分子で完全に覆われると、ミセルが形成し始める。この時点が、CMC、ならびに最小表面張力を表す。界面活性剤をさらに添加すると、表面張力にさらに影響を与えない。CMCは、したがって界面活性剤濃度に応じて表面張力における変化を観察することにより測定され得る。この値を測定するためのそのような一方法は、Wilhelmyプレート方法である。Wilhelmyプレートは、通常、ワイヤーにより天秤に取り付けられた、空気-液体界面に垂直に置かれた薄いイリジウム-白金プレートである。天秤は、湿らせることによりプレート上にかかる力を測定するために使用される。この値は、次いで式1:
式1:γ=F/l cosθ
(式中、lは、濡れ長さに等しく(2w+2d、wおよびdは、それぞれプレートの厚さおよび幅である)、液体とプレートとの間の接触角cosθは、既存の文献値がなければ0と仮定される)に従って表面張力(γ)を計算するために使用される。
【0178】
界面活性剤の性能を評価するために使用される別のパラメーターは、動的表面張力である。動的表面張力は、特定の表面または界面寿命に対する表面張力の値である。界面活性剤が添加される液体のケースでは、これは平衡値とは異なることがある。表面が生成された直後に、表面張力は、純粋な液体のものに等しい。上記のように、界面活性剤は、表面張力を低下させるので、表面張力は平衡値に達するまで下落する。平衡に達するまでに必要とされる時間は、界面活性剤の拡散速度および吸着速度に依存する。
【0179】
動的表面張力が測定される一方法は、バブルプレッシャー張力計に依存する。このデバイスは、毛管によって液体中に形成される気泡の最大内圧を測定する。測定された値は、泡形成のスタートから最大圧力の発生までの時間である、ある表面経過時間での表面張力に相当する。表面経過時間に対する表面張力の依存は、泡が生成される速度の変動により測定され得る。
【0180】
表面活性化合物は、接触角により測定される、固体基材に対する湿潤能力によっても評価され得る。液滴が、第3の媒体、例えば空気下で固体表面と接触する場合、液体、気体および固体の間に三相線が生じる。三相線で作用し、液滴において正接の表面張力である単位ベクトルと、表面との間の角度が、接触角と記載される。接触角(濡れ角度としても公知)は、液体による固体の湿潤度の測定である。完全な濡れのケースでは、液体は、固体に完全に広げられ、接触角は0°である。湿潤性は、典型的には所定の化合物に対して1~10×CMCの濃度で測定されるが、濃度に依存する性質ではないので、湿潤性の測定は、より高いまたはより低い濃度で測定され得る。
【0181】
一方法では、光学的接触角ゴニオメーターは、接触角を測定するために使用され得る。このデバイスは、デジタルカメラおよびソフトウェアを使用して、表面における静止液滴の輪郭形状を分析することにより接触角を抽出する。
【0182】
本開示の表面活性化合物に対する潜在的な用途は、シャンプー、ヘアコンディショナー、洗剤、スポットフリーリンス溶液、床およびカーペットクリーナー、落書き除去用クリーナー、作物保護用湿潤剤、作物保護用補助剤、ならびにエーロゾル噴霧コーティング用の湿潤剤として使用するための配合物を含む。
【0183】
化合物間の少しの差は、かなり異なる界面活性剤性質を引き起こし得、その結果異なる化合物が、異なる用途で異なる基材と使用され得ることが当業者により理解される。
【0184】
以下の非限定的な実施形態は、異なる界面活性剤の異なる性質を実証するために用意されている。以下の表1では、界面活性剤の略称は、その対応する化学構造と相関する。
【0185】
【0186】
【0187】
7種の化合物のそれぞれは、他の用途の中でも湿潤剤または発泡剤、分散剤、乳化剤および洗剤に有用な表面活性剤として有効である。
【0188】
界面活性剤1、界面活性剤2、界面活性剤3、界面活性剤6、および界面活性剤7はカチオン性である。これらの界面活性剤は、上記の用途、およびいくつかのさらに特別な用途の両方、例えばパーソナルヘアケア製品における、例えば表面処理に有用であり、撥水表面を生成するためにも使用され得る。
【0189】
界面活性剤4は、両性イオン性である。これらの界面活性剤は、上記の用途のすべてで共界面活性剤として有用である。
【0190】
界面活性剤5は、非イオン性であり、シャンプー、洗剤、硬質表面クリーナー、および多彩な他の表面クリーニング配合物に使用できる。
【0191】
実施例
核磁気共鳴(NMR)分光法は、Bruker 500MHz分光計で行った。臨界ミセル濃度(CMC)は、Pt-Irプレートを備えた張力計(DCAT 11、DataPhysics Instruments GmbH)で、23℃でWilhelmyプレート方法により判定された。動的表面張力は、バブルプレッシャー張力計(Kruss BP100、Kruss GmbH)で、23℃で判定された。接触角は、デジタルカメラを備えた光学的接触角ゴニオメーター(OCA 15 Pro、DataPhysics GmbH)で判定された。
【0192】
実施例1a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(2.04mmol、700mg)をアセトニトリル(10mL)に溶解した。炭酸ナトリウム(2.44mmol、259mg)を添加し、混合物を室温で10分撹拌した。ヨウ化メチル(6.12mmol、0.38mL)を添加し、混合物を40℃に24時間加熱してから、室温に冷却した。混合物を濾過し、溶媒を真空下で除去して、6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドを黄色固体として90%収率で得た。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 3.93 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.29 - 3.22 (m, 2H), 3.04 (s, 9H), 2.34 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.73 - 1.53 (m, 5H), 1.33-1.25 (m, 18H), 0.88-0.85 (m, 6H)。
【0193】
実施例1b:
臨界ミセル濃度(CMC)の判定
実施例1aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドの臨界ミセル濃度(CMC)がテストされた。
図1で示される結果のプロットから、CMC値は、10mg/mLもの濃度で明らかに判定できず、表面張力は、約27mN/mの値に漸近的に接近した。
図1は、濃度に対する表面張力を示すこれらの結果のプロットである。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約27mN/m以下である。
【0194】
実施例2a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの合成
6-(ジメチルアミノ)ヘキサン酸を、ベンゼン中の2-ブチルオクタン-1-オールおよびp-トルエンスルホン酸で、120℃で12時間処理した。6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートを白色ワックス状固体として単離し、アセトンから49%収率で再結晶した。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 7.48 (dd, J = 8.4, 0.6 Hz, 2H), 7.12 (dd, J = 8.4, 0.6 Hz, 1H), 3.93 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.02 - 3.00 (m, 2H), 2.76 (d, J = 5.0 Hz, 6H), 2.37 - 2.25 (m, 6H), 1.59 - 1.53 (m, 5H), 1.25 - 1.29 (m, 18H), 0.87 (td, J = 6.8, 2.7 Hz, 6H)。
【0195】
実施例2b:
臨界ミセル濃度(CMC)の判定
実施例2aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの臨界ミセル濃度(CMC)がテストされた。水中での濃度での表面張力における変化から、CMCは、約0.97mmolと判定された。この界面活性剤により達し得る最小表面張力のプラトー値は、約27mN/m、すなわち27mN/m±3mN/mである。
図2Aは、濃度に対する表面張力を示すこれらの結果のプロットである。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。
【0196】
実施例2c:
動的表面張力の判定
実施例2aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの動的表面張力は、新たに作り出した空気-水界面の表面張力の経時的な変化を測定するバブルプレッシャー張力計で判定された。
図2Bは、10から100msの間の時間間隔で、約46mN/mから約30mN/mに急速に下落する表面張力を示す、時間に対する表面張力のプロットを提示する。100から8,000msの時間間隔で、表面張力は、ゆっくり30mN/mから約27mN/mに下落し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に接近する。
【0197】
実施例2d:
湿潤性の判定
表面張力および表面動力学に加えて、実施例2aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの湿潤性は、様々な表面でテストされた。例えば、疎水性基材、例えばポリエチレン-HDは、24.3°の接触角で表面湿潤を呈する。疎油性および疎水性基材、例えばテフロン(登録商標)において、測定した接触角は、119oの水の接触角より、48.2°ではるかに小さかった(表2)。
【0198】
【0199】
実施例3a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートを、1当量の塩酸で処理して、6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドを得た。
【0200】
実施例3b:
臨界ミセル濃度(CMC)の判定
実施例3aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの臨界ミセル濃度(CMC)がテストされた。水中での濃度での表面張力における変化から、CMCは、約27.47mmolと判定された。この界面活性剤により達し得る最小表面張力は、約29mN/m、すなわち29mN/m±3mN/mである。
図3は、濃度に対する表面張力を示すこれらの結果のプロットである。結果のプロットから、CMC値は、27.4mmolもの濃度で明らかに判定できず、表面張力は約29mN/mの値に漸近的に接近した。
【0201】
実施例4a:
4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエート(2.04mmol、700mg)を酢酸エチル(30mL)に溶解した。1,4-ブタンスルトン(3.06mmol、0.31mL)を添加した。混合物を12時間加熱還流し、溶媒の蒸発を続けた。得られた白色ワックス状固体を、アセトンで洗って、4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートを89%収率で得た。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 3.93 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.30-3.28 (m, 4H), 2.97 (s, 3H), 2.49 - 2.43 (m, 2H), 2.34 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.96- 1.76 (m, 9H), 1.27-1.25 (m, 18H), 0.88 - 0.85 (m, 6H)。
【0202】
実施例4b:
臨界ミセル濃度(CMC)の判定
実施例4aからの4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの臨界ミセル濃度(CMC)がテストされた。水中での濃度での表面張力における変化から、CMCは、約0.54mmolと判定された。この界面活性剤により達し得る最小表面張力のプラトー値は、約32mN/m、すなわち32mN/m±3mN/mである。
図4Aは、濃度に対する表面張力を示すこれらの結果のプロットである。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約32mN/m以下である。
【0203】
実施例4c:
動的表面張力の判定
実施例4aからの4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時的な変化を測定するバブルプレッシャー張力計で判定された。
図4Bは、10から100msの間の時間間隔で、表面張力が、約66mN/mから約36mN/mに急速に下落することを示す、時間に対する表面張力のプロットを提示する。100から8,000msの時間間隔では、表面張力は、36mN/mから約32mN/mにゆっくり下落し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に接近する。
【0204】
実施例4d:
湿潤性の判定
表面張力および表面動力学に加えて、実施例4aからの4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートの湿潤性は、様々な表面でテストされた。例えば、疎水性基材、例としてポリエチレン-HDは、44.4°の接触角を有する表面湿潤を呈する。疎油性および疎水性基材、例えばテフロン(登録商標)では、測定された接触角は、119°の水の接触角より62.2°ではるかに小さかった(表3)。
【0205】
【0206】
実施例5a:
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートは、水中の過酸化水素で、70℃で24時間処理して、2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドを油状物として90%収率で得た。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 3.93 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 3.30-3.28 (m, 4H), 2.97 (s, 3H), 2.49 - 2.43 (m, 2H), 2.34 (t, J = 7.4 Hz, 2H), 1.96- 1.76 (m, 9H), 1.27-1.25 (m, 18H), 0.88 - 0.85 (m, 6H)。
【0207】
実施例5b:
臨界ミセル濃度(CMC)の判定
実施例5aからの2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの臨界ミセル濃度(CMC)がテストされた。水中での濃度での表面張力における変化から、CMCは、約0.29mmolと判定された。この界面活性剤により達し得る最小表面張力のプラトー値は、約28mN/m、すなわち28mN/m±3mN/mである。
図5Aは、濃度に対する表面張力を示すこれらの結果のプロットである。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約28mN/m以下である。
【0208】
実施例5c:
動的表面張力の判定
実施例5aからの2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時的な変化を測定するバブルプレッシャー張力計で判定された。
図5Bは、10から1,000msの間の時間間隔で、表面張力が約60mN/mから約30mN/mに急速に下落することを示す時間に対する表面張力のプロットを提示する。1,000から8,000msの時間間隔で、表面張力は、30mN/mから約28mN/mにゆっくり下落し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に接近する。
【0209】
実施例5d:
湿潤性の判定
表面張力および表面動力学に加えて、実施例5aからの2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドの湿潤性は、様々な表面でテストされた。例えば、疎水性基材、例としてポリエチレン-HDは、31.6°の接触角を有する表面湿潤を呈する。疎油性および疎水性基材、例えばテフロン(登録商標)では、測定された接触角は、119°の水の接触角より41.5°ではるかに小さかった(表4)。
【0210】
【0211】
実施例6a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの合成
2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートは、1当量の塩酸で処理して、6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドを得た。
【0212】
実施例6b:
臨界ミセル濃度(CMC)の判定
実施例6aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの臨界ミセル濃度(CMC)がテストされた。水中における濃度での表面張力における変化から、CMCは、約0.15mmolと判定された。この界面活性剤により達し得る最小表面張力のプラトー値は、約27mN/m、すなわち27mN/m±3mN/mである。
図6Aは、濃度に対する表面張力を示すこれらの結果のプロットである。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下である。
【0213】
実施例6c:
動的表面張力の判定
実施例6aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時的な変化を測定するバブルプレッシャー張力計で判定された。
図6Bは、10から8,000msの間の時間間隔で、表面張力が約69mN/mから約29mN/mにゆっくり下落することを示す時間に対する表面張力のプロットを提示し、1,000msの表面経過時間で約49mN/mのわずかなプラトーを示し、CMCでの表面張力の飽和値に接近する。
【0214】
実施例6d:
湿潤性の判定
表面張力および表面動力学に加えて、実施例6aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドの湿潤性は、様々な表面でテストされた。例えば、疎水性基材、例としてポリエチレン-HDは、25.8°の接触角を有する表面湿潤を呈する。疎油性および疎水性基材、例えばテフロン(登録商標)では、測定された接触角は、119°の水の接触角より48.7°ではるかに小さかった(表5)。
【0215】
【0216】
実施例7a:
6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの合成
6-アミノヘキサン酸(38.11mmol、5g)を、Dean Starkトラップを備えた100mL丸底フラスコ中のベンゼン(50mL)に溶解した。p-トルエンスルホン酸一水和物(38.11mmol、7.25g)および2-ブチルオクタノール(38.11mmol、7.1g、8.5mL)を添加し、混合物を、さらなる水がDean Starkトラップで分離されなくなるまで、1週間加熱還流した。溶媒を真空下で除去し、製品を-20℃でアセトンから結晶化して、未反応の残留アルコールを除去した。得られた白色ワックス状固体を濾過して、2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートを82%収率で得た。1H NMR (500 MHz, DMSO) δ 7.49 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.12 (dd, J = 8.4, 0.6 Hz, 2H), 3.93 (d, J = 5.7 Hz, 2H), 2.79 - 2.73 (m, 2H), 2.31 - 2.28 (m, 5H), 1.55-1.50 (m, 5H), 1.31 - 1.25 (m, 18H), 0.88 - 0.85 (m, 6H)。
【0217】
実施例7b:
臨界ミセル濃度(CMC)の判定
実施例7aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの臨界ミセル濃度(CMC)がテストされた。水中での濃度での表面張力における変化から、CMCは、約2.12mmolと判定された。この界面活性剤により達し得る最小表面張力のプラトー値は、約27mN/m、すなわち27mN/m±3mN/mである。
図7Aは、濃度に対する表面張力を示すこれらの結果のプロットである。結果のプロットから、CMCでの表面張力は、約30mN/m以下であり、表面張力は、約1.0mmol以上の濃度で約28.5mN/m以下である。
【0218】
実施例7c:
動的表面張力の判定
実施例7aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの動的表面張力は、新たに作り出された空気-水界面の表面張力の経時的な変化を測定するバブルプレッシャー張力計で判定された。
図7Bは、10から100msの間の時間間隔で、表面張力が約46mN/mから約30mN/mに急速に下落することを示す時間に対する表面張力のプロットを提示する。100から8,000msの時間間隔では、表面張力は、30mN/mから約27mN/mにゆっくり下落し、CMCでの表面張力の飽和値に漸近的に接近する。
【0219】
実施例7d:
湿潤性の判定
表面張力および表面動力学に加えて、実施例7aからの6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートの湿潤性は、様々な表面でテストされた。例えば、疎水性基材、例としてポリエチレン-HDは、14.6°の接触角を有する表面湿潤を呈する。疎油性および疎水性基材、例えばテフロン(登録商標)では、測定された接触角は、119°の水の接触角より49.4°ではるかに小さかった(表6)。
【0220】
【0221】
実施例8:
2種以上の発明の界面活性剤を含む石鹸
洗剤配合物は、石鹸を含み、十分に飽和したラウリン酸石鹸顆粒は、UniqemaからのPrifac 5808、第1の発明の界面活性剤、および、非イオン性の発明の界面活性剤をベースとし、界面活性剤は、本明細書に記載される界面活性剤1~5の1つまたは複数であり得る。すべての配合物は、1.008g/lの界面活性剤;および0.25から0.67の石鹸を含む。水は、カルシウムイオン対マグネシウムイオンの比が4:1となるように、CaCl2・2H2O)およびMgCl2・H2O)の混合物でコンディショニングされる。
【0222】
実施例9
ドライクリーニング配合物
洗濯物は、本明細書に記載される界面活性剤1~5の1つまたは複数であり得る界面活性剤を含む、低水溶性ドライクリーニング組成物と接触させる。この物品は、液体対衣料の比13を使用して20℃で15分かき混ぜる。
【0223】
続いて、ドライクリーニング組成物は除去され、洗濯物は、ドライクリーニング溶媒をクリーニングすることを含む、すすぎ組成物ですすがれる。実験は、液体対衣料の比5を使用して、表7で以下に示されている低水溶性ドライクリーニング組成物で繰り返される。使用される非水性溶媒は、HFE-7200(商標)(エチルノナフルオロイソブチルエーテルおよびエチルノナフルオロブチルエーテルの混合物、3Mから得られる)、ドデカメチルペンタシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、またはそれらの混合物であり得る。
【0224】
【0225】
態様
態様1は、クリーニング用配合物であって、以下の式:
【0226】
【0227】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の少なくとも1種の界面活性剤、ならびに少なくとも1種の洗剤または少なくとも1種の石鹸を含む、配合物である。
【0228】
態様2は、少なくとも1種の洗剤または石鹸が、アニオン性洗剤、カチオン性洗剤、非イオン性洗剤、および両性イオン性洗剤からなる群から選択される、態様1による配合物である。
【0229】
態様3は、石鹸が、一般式:
(RCO2
-)n Mn+
(式中、Rは、アルキル基を含み、Mは金属であり、n+は+1または+2である)のものである、態様1または態様2による配合物である。
【0230】
態様4は、少なくとも1種のビルダーをさらに含む、態様1~3のいずれかの配合物である。
【0231】
態様5は、少なくとも1種のビルダーが、トリポリリン酸塩、ニトリロ三酢酸塩、ゼオライト、方解石/炭酸塩、クエン酸塩またはポリマー、ナトリウム、ピロリン酸塩、オルトリン酸塩、アルミノケイ酸ナトリウム、アルカリ剤の無機塩、アルカリ金属の無機塩、硫酸塩、ケイ酸塩およびメタケイ酸塩からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、態様4による配合物である。
【0232】
態様6は、少なくとも1種の漂白剤をさらに含む、態様1~5のいずれかによる配合物である。
【0233】
態様7は、少なくとも1種の漂白剤が、金属ホウ酸塩、過酸塩、ペルオキシ酸、過炭酸塩、過リン酸塩、過ケイ酸塩、過硫酸塩、次亜塩素酸ナトリウム、二酸化塩素、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウム、ペルオキシ酢酸、過酸化ベンゾイル、過硫酸カリウム、過マンガン酸カリウム、亜ジチオン酸ナトリウムからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、態様6による配合物である。
【0234】
態様8は、少なくとも1種の酵素をさらに含む、態様1~7のいずれかによる配合物である。
【0235】
態様9は、少なくとも1種の酵素が、プロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、オキシダーゼ、マンナーゼ、ペルオキシダーゼおよびリパーゼからなる群から選択される、態様8による配合物である。
【0236】
態様10は、少なくとも1種のポリマーをさらに含む、態様1~9のいずれかによる配合物である。
【0237】
態様11は、少なくとも1種のポリマーが、メタクリルアミド(methacrylamidem)のポリマー:N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリレート、N,N-ジアルキルアミノアルキルアクリルアミド、N,N-ジアルキルアミノアルキルメタクリルアミド、メタクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム塩(methacylamidoalkyl trialkylammonium salts)、アクリルアミドアルキルトリアルキルアンモニウム(acrylamidoalkylltrialkylamminium)塩、ビニルアミン、ビニルイミダゾール、四級化ビニルイミダゾール、およびジアリルジアルキルアンモニウム塩のエチレン性不飽和モノマーのポリマー:ジアリルジメチルアンモニウム塩、N,N-ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N-ジメチルアミノエチルメタクリレート、[2-(メタクリロイルアミノ(ethacryloylamino))エチル]トリメチルアンモニウム塩、N,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N-ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、および四級化ビニルイミダゾールのポリマーからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、態様10による配合物である。
【0238】
態様12は、界面活性剤が、以下の式:
【0239】
【0240】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様1~11のいずれかによる配合物である。
【0241】
態様13は、界面活性剤が、以下の式:
【0242】
【0243】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様1~11のいずれかによる配合物である。
【0244】
態様14は、界面活性剤が、以下の式:
【0245】
【0246】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様1~11のいずれかによる配合物である。
【0247】
態様15は、界面活性剤が、以下の式:
【0248】
【0249】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様1~11のいずれかによる配合物である。
【0250】
態様16は、界面活性剤が、以下の式:
【0251】
【0252】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様1~11のいずれかによる配合物である。
【0253】
態様17は、界面活性剤が、以下の式:
【0254】
【0255】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様1~11のいずれかによる配合物である。
【0256】
態様18は、界面活性剤が、以下の式:
【0257】
【0258】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様1~11のいずれかによる配合物である。
【0259】
態様19は、ドライクリーニング用配合物であって、以下の式:
【0260】
【0261】
(式中、R1およびR2は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから独立して選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、nは、2から5の整数であり(2および5を含む)、R3は、C5~C12アルキルであり、R4は、C3~C10アルキルであり、末端窒素はR5でさらに置換されてもよく、R5は、水素、酸素原子およびC1~C6アルキルから選択され、C1~C6アルキルは、カルボキシレート、ヒドロキシル、スルホニルまたはスルホネートで置換されてもよく、任意選択の対イオンが化合物に会合していてもよく、存在する場合、対イオンは、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンおよび4-メチルベンゼンスルホン酸イオンからなる群から選択され得る)の少なくとも1種の界面活性剤、ならびに少なくとも1種の溶媒を含む、配合物である。
【0262】
態様20は、少なくとも1種の溶媒が、ペルクロロエチレン、炭化水素、トリクロロエチレン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ジブトキシメタン、n-プロピルブロミドからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、態様19による配合物である。
【0263】
態様21は、少なくとも1種の共溶媒をさらに含む、態様19または態様20による配合物である。
【0264】
態様22は、少なくとも1種の共溶媒が、アルコール、エーテル、グリコールエーテル、アルカン、アルケン、直鎖および環状アミド、ペルフルオロ化第三級アミン、ペルフルオロエーテル、シクロアルカン、エステル、ケトン、芳香族、メタノール、エタノール、イソプロパノール、t-ブチルアルコール、トリフルオロエタノール、ペンタフルオロプロパノール、ヘキサフルオロ-2-プロパノール、メチルt-ブチルエーテル、メチルアミルエーテル、プロピレングリコールn-プロピルエーテル、プロピレングリコールn-ブチルエーテル、ジプロピレングリコールn-ブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、trans-1,2-ジクロロエチレン、デカリン、デカン酸メチル、酢酸t-ブチル、酢酸エチル、グリコールメチルエーテルアセテート、乳酸エチル、フタル酸ジエチル、2-ブタノン、N-アルキルピロリドン(例えばN-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン)、メチルイソブチルケトン、ナフタレン、トルエン、トリフルオロトルエン、ペルフルオロヘキサン、ペルフルオロヘプタン、ペルフルオロオクタン、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロ-2-ブチルオキサシクロペンタンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物である、態様21による配合物である。
【0265】
態様23は、界面活性剤が、以下の式:
【0266】
【0267】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N,N-トリメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムヨージドである、態様19~22のいずれかによる配合物である。
【0268】
態様24は、界面活性剤は、以下の式:
【0269】
【0270】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様19~22のいずれかによる配合物である。
【0271】
態様25は、界面活性剤が、以下の式:
【0272】
【0273】
を有する6-(ドデシルオキシ)-N,N-ジメチル-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様19~22のいずれかによる配合物である。
【0274】
態様26は、界面活性剤が、以下の式:
【0275】
【0276】
を有する4-((6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキシル)ジメチルアンモニオ)ブタン-1-スルホネートである、態様19~22のいずれかによる配合物である。
【0277】
態様27は、界面活性剤が、以下の式:
【0278】
【0279】
を有する2-ブチルオクチル6-(ジメチルアミノ)ヘキサノエートN-オキシドである、態様19~22のいずれかによる配合物である。
【0280】
態様28は、界面活性剤が、以下の式:
【0281】
【0282】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウムクロリドである、態様19~22のいずれかによる配合物である。
【0283】
態様29は、界面活性剤が、以下の式:
【0284】
【0285】
を有する6-((2-ブチルオクチル)オキシ)-6-オキソヘキサン-1-アミニウム4-メチルベンゼンスルホネートである、態様19~22のいずれかによる配合物である。