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特許7473738モータ制御システム、モータ制御装置、残寿命推定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】モータ制御システム、モータ制御装置、残寿命推定方法
(51)【国際特許分類】
   H02P 29/00 20160101AFI20240416BHJP
   H02P 29/024 20160101ALI20240416BHJP
【FI】
H02P29/00
H02P29/024
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2023508170
(86)(22)【出願日】2021-03-22
(86)【国際出願番号】 JP2021011746
(87)【国際公開番号】W WO2022201250
(87)【国際公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-08-04
(73)【特許権者】
【識別番号】000006622
【氏名又は名称】株式会社安川電機
(74)【代理人】
【識別番号】110003096
【氏名又は名称】弁理士法人第一テクニカル国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井本 康男
(72)【発明者】
【氏名】泉野 彰久
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昌史
(72)【発明者】
【氏名】多久島 力也
(72)【発明者】
【氏名】石橋 竜太朗
【審査官】佐藤 彰洋
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/163020(WO,A1)
【文献】特開2011-053144(JP,A)
【文献】特開2020-008472(JP,A)
【文献】特開2004-309221(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02P 29/00
H02P 29/024
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸受を備えたモータと、
前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、
前記モータ制御装置は、
前記モータの運転時間を積算する運転時間積算部と、
前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、
前記運転時間積算部により積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算する積算運転時間換算部と、
前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する残寿命時間算出部と、
前記モータに関する諸元情報を記録する情報記録部と、を有し、
前記総寿命時間算出部は、
前記情報記録部に記録された前記諸元情報に基づいて前記軸受または前記潤滑材の総寿命時間を算出する
モータ制御システム。
【請求項2】
前記諸元情報は、
前記モータの固定子と回転子との間における不平衡磁気吸引力を含む、
請求項に記載のモータ制御システム。
【請求項3】
前記モータ制御装置は、
前記モータの現在の運転条件に関わる情報を取得する情報取得部を有する、
請求項1又は2に記載のモータ制御システム。
【請求項4】
前記情報取得部は、
前記モータの現在の運転条件に関わる情報として、回転数、前記軸受の温度、前記モータの負荷側のラジアル荷重の少なくとも1つを取得する、
請求項に記載のモータ制御システム。
【請求項5】
前記モータ制御装置は、
前記モータを制御するための指令を生成する制御部を有し、
前記情報取得部は、
前記モータの現在の運転条件に関わる情報として、前記制御部により生成された前記指令に基づく回転数を取得する、
請求項又はに記載のモータ制御システム。
【請求項6】
前記制御部は、
位置指令に基づいて前記モータの回転速度を制御するための速度指令を生成する位置制御部を有し、
前記情報取得部は、
前記位置制御部から出力された前記速度指令に基づく回転数を取得する、
請求項に記載のモータ制御システム。
【請求項7】
軸受を備えたモータと、
前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、
前記モータ制御装置は、
前記モータの運転時間を積算する運転時間積算部と、
前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、
前記運転時間積算部により積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算する積算運転時間換算部と、
前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する残寿命時間算出部と、
前記モータの現在の運転条件に関わる情報を取得する情報取得部と、
を有し、
前記モータに関する諸元情報は、
前記軸受の温度の上昇値を含んでおり、
前記情報取得部は、
前記モータの周囲温度を取得し、当該周囲温度と前記上昇値に基づいて前記軸受の温度を推定する、
ータ制御システム。
【請求項8】
軸受を備えたモータと、
前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、
前記モータ制御装置は、
前記モータの運転時間を積算する運転時間積算部と、
前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、
前記運転時間積算部により積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算する積算運転時間換算部と、
前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する残寿命時間算出部と、
前記モータの現在の運転条件に関わる情報を取得する情報取得部と、
複数の機種の前記モータに関する諸元情報を記録する情報記録部と、を有し、
前記情報取得部は、
前記モータ制御装置で駆動される前記モータの機種を取得し、
前記総寿命時間算出部は、
前記情報取得部により取得された前記モータの機種に対応する前記諸元情報に基づいて前記軸受または前記潤滑材の総寿命時間を算出する、
ータ制御システム。
【請求項9】
軸受を備えたモータと、
前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、
前記モータ制御装置は、
前記モータに関する諸元情報を記録する情報記録部と、
前記モータの現在の運転条件と前記諸元情報とに基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、
を有する、モータ制御システム。
【請求項10】
軸受を備えたモータと、
前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、
前記モータ制御装置は、
前記モータの運転時間を積算し、
前記モータの現在の運転条件と前記モータに関する諸元情報とに基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出し、
算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算し、
前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する、
モータ制御システム。
【請求項11】
軸受を備えたモータを制御するモータ制御装置であって、
前記モータの運転時間を積算する運転時間積算部と、
前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、
前記運転時間積算部により積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算する積算運転時間換算部と、
前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する残寿命時間算出部と、
前記モータに関する諸元情報を記録する情報記録部と、を有し、
前記総寿命時間算出部は、
前記情報記録部に記録された前記諸元情報に基づいて前記軸受または前記潤滑材の総寿命時間を算出する
モータ制御装置。
【請求項12】
軸受を備えたモータを制御するモータ制御装置であって、
前記モータに関する諸元情報を記録する情報記録部と、
前記モータの現在の運転条件と前記諸元情報とに基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、
を有する、モータ制御装置。
【請求項13】
モータが備える軸受または前記軸受の潤滑材の残寿命を推定する残寿命推定方法であって、
前記モータの運転時間を積算することと、
前記モータの現在の運転条件と前記モータに関する諸元情報とに基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記潤滑材の総寿命時間を算出することと、
積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算することと、
前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出することと、
を有する、残寿命推定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の実施形態は、モータ制御システム、モータ制御装置、及び残寿命推定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、転がり軸受の残存寿命予測方法が記載されている。この転がり軸受の残存寿命予測方法では、残存寿命Ldhを、実質的に次式Ldh=0.032×{(1×10)/60N}×(C/P)3.37に基づいて予測する。ここで、Cは軸受の動定格荷重、Pは軸受に作用する荷重、Nは軸受の使用回転数である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-292311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術の残存寿命予測方法では、実際の運転条件に基づく実運転状況に合致した現時点からの残寿命を推定することができなかった。
【0005】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、実運転状況に合致した現時点からの残寿命を推定することができるモータ制御システム、モータ制御装置、及び残寿命推定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の一の観点によれば、軸受を備えたモータと、前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、前記モータ制御装置は、前記モータの運転時間を積算する運転時間積算部と、前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、前記運転時間積算部により積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算する積算運転時間換算部と、前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する残寿命時間算出部と、を有する、モータ制御システムが適用される。
【0007】
また、本発明の別の観点によれば、軸受を備えたモータと、前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、前記モータ制御装置は、前記モータに関する諸元情報を記録する情報記録部と、前記モータの現在の運転条件と前記諸元情報とに基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、を有する、モータ制御システムが適用される。
【0008】
また、本発明の別の観点によれば、軸受を備えたモータと、前記モータを制御するモータ制御装置と、を有し、前記モータ制御装置は、前記モータの運転時間を積算し、前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出し、前記運転時間積算部により積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算し、前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する、モータ制御システムが適用される。
【0009】
また、本発明の別の観点によれば、軸受を備えたモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータの運転時間を積算する運転時間積算部と、前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、前記運転時間積算部により積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算する積算運転時間換算部と、前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出する残寿命時間算出部と、を有する、モータ制御装置が適用される。
【0010】
また、本発明の別の観点によれば、軸受を備えたモータを制御するモータ制御装置であって、前記モータに関する諸元情報を記録する情報記録部と、前記モータの現在の運転条件と前記諸元情報とに基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記軸受の潤滑材の総寿命時間を算出する総寿命時間算出部と、を有する、モータ制御装置が適用される。
【0011】
また、本発明の別の観点によれば、モータが備える軸受または前記軸受の潤滑材の残寿命を推定する残寿命推定方法であって、前記モータの運転時間を積算することと、前記モータの現在の運転条件に基づいて、前記モータの稼動開始からの前記軸受または前記潤滑材の総寿命時間を算出することと、積算された第1の積算運転時間を、前記現在の運転条件に基づいて第2の積算運転時間に換算することと、前記総寿命時間から前記第2の積算運転時間を減じて前記軸受または前記潤滑材の残寿命時間を算出することと、を有する、残寿命推定方法が適用される。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、実運転状況に合致した現時点からの残寿命を推定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】モータ制御システムの全体構成の一例を表す説明図である。
図2】モータ制御装置の機能構成の一例を表すブロック図である。
図3】制御部のモータ制御に関わる機能構成の一例を表すブロック図である。
図4】制御部の残寿命推定に関わる機能構成の一例を表すブロック図である。
図5】転がり疲れ寿命の算出に使用されるモータの諸元情報の一例を表す表である。
図6】諸元情報に含まれるモータの寸法を説明するための説明図である。
図7】グリース寿命の算出に使用されるモータの諸元情報の一例を表す表である。
図8】モータの平均回転数を使用して算出された転がり疲れ寿命と、積算された運転時間と回転数の実績の一例を表す説明図である。
図9】実施形態の手法により算出された転がり疲れ寿命と、現在の回転数により換算された運転時間の実績の一例を表す説明図である。
図10】モータの平均軸受温度を使用して算出されたグリース寿命と、積算された運転時間と軸受温度の実績の一例を表す説明図である。
図11】実施形態の手法により算出されたグリース寿命と、現在の軸受温度により換算された運転時間の実績の一例を表す説明図である。
図12】制御部により実行される処理手順の一例を表すフローチャートである。
図13】モータ制御装置のハードウェア構成例を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
【0015】
<1.モータ制御システムの全体構成>
図1を参照しつつ、実施形態に係るモータ制御システムの全体構成の一例について説明する。
【0016】
図1に示すように、モータ制御システム1は、上位コントローラ3と、モータ制御装置5と、モータ7とを有する。
【0017】
上位コントローラ3は、モータ制御システム1全体の制御を行う制御装置である。上位コントローラ3は、モータ7を制御するための制御指令をモータ制御装置5に送信する。制御指令は、例えば位置指令や速度指令等である。上位コントローラ3は、例えば演算装置(CPU)、記録装置、入力装置等を有するコンピュータである。上位コントローラ3は、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)でもよい。
【0018】
モータ制御装置5は、例えば演算装置(CPU)、記録装置、入力装置等を有する制御部9(後述の図2参照)と、モータ7に電力を供給する電力変換部11(後述の図2参照)等を有する。電力変換部11は、例えば半導体スイッチのスイッチングにより、周波数、電流、電圧等の電力の変換を行う。モータ制御装置5は、上位コントローラ3から受信した制御指令に基づいてモータ7へ電力を供給し、モータ7の動作を制御する。モータ制御装置5は、例えばモータ7の回転数を可変に制御するインバータ装置でもよい。モータ制御装置5は、例えばサーボモータであるモータ7の制御に用いられるサーボアンプでもよい。モータ制御装置5は、マトリックス状に配置されたスイッチにより交流電力を周波数の異なる交流電力に変換するマトリックスコンバータでもよい。
【0019】
モータ7は、モータ制御装置5により制御される例えば交流モータである。モータ7は、軸受を備えたモータであればよく、例えば誘導モータでもよいし同期モータでもよい。モータ7は、固定子13と、回転子15と、フレーム17と、ブラケット19,21と、軸受23,25とを有する。ブラケット19,21は、負荷側ブラケット19と反負荷側ブラケット21とを含む。軸受23,25は例えば転がり軸受であり、負荷側軸受23と反負荷側軸受25とを含む。「負荷側」とはモータ7に対して負荷が取り付けられる方向、図1では例えばシャフト31が突出する方向(図1中右側)である。「反負荷側」とは負荷側の反対方向(図1中左側)である。
【0020】
固定子13は、フレーム17の内周に設けられる。固定子13は、固定子鉄心27と、固定子巻線29とを有する。回転子15は、シャフト31と、シャフト31の外周に設けられた回転子鉄心33とを有する。回転子鉄心33は、固定子鉄心27と径方向に対向するように配置される。
【0021】
負荷側ブラケット19は、フレーム17の負荷側(図1中右側)に配置され、反負荷側ブラケット21は、フレーム17の反負荷側(図1中左側)に配置されている。負荷側軸受23は、負荷側ブラケット19に固定され、反負荷側軸受25は、反負荷側ブラケット21に固定されている。シャフト31は、負荷側軸受23と反負荷側軸受25により、回転軸心AX周りに回転自在に支持されている。図1に示す例では、例えば負荷側軸受23が反負荷側軸受25よりもサイズが大きく構成されているが、これに限らず同等のサイズとしてもよい。
【0022】
実施形態において「軸方向」とはシャフト31の回転軸心AXに沿った方向、「径方向」とは回転軸心AXを中心とする半径方向である。
【0023】
上述したモータ制御システム1の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。例えば、上位コントローラ3とモータ制御装置5とは、単一の制御装置として構成されてもよいし、各制御装置が複数の制御装置で構成されてもよい。
【0024】
<2.モータ制御装置の機能構成>
図2を参照しつつ、モータ制御装置5の機能構成の一例について説明する。
【0025】
図2に示すように、モータ制御装置5は、前述の制御部9と電力変換部11とを有する。電力変換部11は、コンバータ部35と、平滑コンデンサ37と、インバータ部39とを有する。
【0026】
コンバータ部35は、交流電源41から供給される交流電力を直流電力に変換する。平滑コンデンサ37は、正側直流母線43及び負側直流母線45に対して直流電源と並列に接続され、コンバータ部35により変換された直流電力を平滑化する。インバータ部39は、制御部9からの制御信号Csに基づき直流電力を交流電力に変換し、モータ7に供給してモータ7を駆動する。制御信号Csは例えばPWM信号等である。
【0027】
制御部9は、上位コントローラ3からの制御指令(例えば位置指令Pc)に基づき、主としてインバータ部39の制御を行う。
【0028】
位置検出器47は、モータ7の回転位置(回転角度ともいう)を光学的または磁気的に検出して位置データPdを生成し、制御部9に送信する。位置検出器47は、例えばパルス信号を出力する光学式のエンコーダ等でもよい。制御部9は、受信した位置データPdをフィードバックされたモータ位置Pf(図3参照)として取得する。制御部9は、受信した位置データPdを例えば差分演算等で速度に変換し、フィードバックされたモータ速度Vf(図3参照)として取得する。位置検出器47が出力する位置データPdの形態は、特に限定されるものではなく、例えばパルス信号、シリアルデータ、アナログ正弦波等、種々の形態を含む。
【0029】
なお、位置検出器47は必ずしも設ける必要はない。例えばV/F制御やベクトル制御を行う場合等、位置データPd等をフィードバックせずにモータ7を制御する場合には、位置検出器47を設けない構成としてもよい。
【0030】
<3.制御部のモータ制御に関わる機能構成>
図3を参照しつつ、制御部9のモータ制御に関わる機能構成の一例について説明する。図3では、上位コントローラ3からの制御指令が例えば位置指令Pcである場合について説明する。
【0031】
図3に示すように、制御部9は、位置制御部49と、速度制御部51と、トルク制御部53と、差分器55とを有する。
【0032】
位置制御部49は、上位コントローラ3からの位置指令Pcと位置検出器47からフィードバックされたモータ位置Pfとの位置偏差Peに基づき、速度指令Vcを生成する。差分器55は、位置検出器47から受信した位置データPdを例えば差分演算等により速度に変換し、モータ速度Vfを出力する。速度制御部51は、速度指令Vcと差分器55から出力されたモータ速度Vfとの速度偏差Veに基づき、トルク指令Tcを生成する。トルク制御部53は、速度制御部51からのトルク指令Tcを電流指令に変換し、当該電流指令とフィードバックされたモータ電流(図示省略)から電圧指令を生成し、当該電圧指令に基づき制御信号Csを生成する。制御信号Csは、インバータ部39に出力される。
【0033】
上述した制御部9の構成は一例であり、上述の内容に限定されるものではない。例えば、上位コントローラ3から受信する指令が速度指令である場合には、位置制御部49は不要となる。この場合、速度制御部51は、上位コントローラ3からの速度指令Vcとモータ速度Vfとの速度偏差Veに基づきトルク指令Tcを生成すればよい。
【0034】
なお、モータ制御装置5は、上述の位置制御や速度制御に代えて、例えば電力変換部11から出力される電圧と周波数の比を一定にするV/F制御を行ってもよい。またモータ制御装置5は、モータ7に流れる電流を、トルクを発生する電流成分と回転子に磁束を発生させる電流成分とに分けて考え、モータ7の回転磁界の磁束の方向と大きさをベクトル量として制御するベクトル制御を行ってもよい。
【0035】
<4.制御部の残寿命推定に関わる機能構成>
図4を参照しつつ、制御部9の残寿命推定に関わる機能構成の一例について説明する。負荷側軸受23は反負荷側軸受25よりも負荷が大きいため、寿命が短くなるのが一般的である。このため、実施形態では負荷側軸受23の残寿命を推定する場合について説明する。
【0036】
図4に示すように、制御部9は、情報取得部57と、運転時間積算部59と、諸元情報記録部61と、総寿命時間算出部63と、積算運転時間換算部65と、残寿命時間算出部67と、情報出力部69とを有する。
【0037】
情報取得部57は、モータ7の現在の運転条件に関わる情報を取得する。「運転条件に関わる情報」には、例えばモータ7の回転数、軸受温度、軸端荷重、機種等が含まれるが、これら以外の情報が含まれてもよい。「現在の運転条件」とは、運転条件の変更がない場合はモータ7の稼動開始の初期条件であり、モータ7の稼動中に運転条件を変更した場合には、変更後の現時点の運転条件(現在から次回の運転条件変更時までの間の運転条件)である。
【0038】
情報取得部57による情報の取得態様は様々な態様が考えられる。情報取得部57は、例えば前述の位置制御部49から出力される速度指令Vcに基づいて回転数を取得してもよい。情報取得部57は、例えばモータ制御装置5がV/F制御等を行う場合には周波数指令に基づいて回転数を取得してもよい。情報取得部57は、例えばモータ制御装置5が備える入力装置913(後述の図13参照)、又は、例えばモータ制御装置5と通信可能に接続された外部入力装置(図示省略)を介してユーザが入力した情報を取得してもよい。この場合、情報取得部57は、ユーザが入力した情報と、諸元情報記録部61に記録された諸元情報とに基づいて、所定の演算を行って必要な情報を取得してもよい。例えば諸元情報が負荷側軸受23の温度上昇値を含んでいる場合、ユーザにより入力されたモータ7の周囲温度に温度上昇値を加算して負荷側軸受23の実温度を推定してもよい。
【0039】
情報取得部57は、モータ7の現在の運転条件に関わる情報を検出するセンサの検出信号から情報を取得してもよい。例えば情報取得部57は、センサの一例である位置検出器47から出力される位置データPdに基づいて回転数を取得してもよい。例えばセンサの一例であるモータ7の周囲温度又は軸受温度を検出する温度計を設置した場合には、情報取得部57は温度計からモータ7の周囲温度又は軸受温度等を取得してもよい。例えばセンサの一例であるモータ7のコイル温度を検出する温度計を設置してもよい。この場合、例えば諸元情報にコイルの温度上昇値とコイル及び軸受の温度上昇値の相関情報を含めておき、情報取得部57は温度計から取得したコイル温度と諸元情報に基づいて負荷側軸受23の実温度を推定してもよい。
【0040】
運転時間積算部59は、モータ7の運転時間(稼働時間ともいう)を積算する。運転時間積算部59は、モータ7の運転時間を積算すると共に、各運転時間についてその時の運転条件と関連付けた消費寿命を積算する。例えば運転条件を回転数とする場合、積算消費寿命は運転時間と回転数の積の合計としてもよい。具体的には、例えば後述の図8に示すように、モータ7を回転数n1で運転時間T1、回転数n2で運転時間T2、回転数n3で運転時間T3だけ運転した場合、積算運転時間ΣT1はΣT1=T1+T2+T3となる。積算消費寿命ΣCLはΣCL=T1×n1+T2×n2+T3×n3(図8中斜線ハッチング部分の面積)となる。
【0041】
例えば運転条件を軸受温度とする場合、積算消費寿命は運転時間と軸受温度の積の合計としてもよい。具体的には、例えば後述の図10に示すように、軸受温度t1で運転時間T1、軸受温度t2で運転時間T2、軸受温度t3で運転時間T3だけ運転した場合、積算運転時間ΣT1はΣT1=T1+T2+T3となる。積算消費寿命ΣCLはΣCL=T1×t1+T2×t2+T3×t3(図10中斜線ハッチング部分の面積)となる。
【0042】
運転時間積算部59は、軸受またはグリースが交換された場合には、交換に伴ってそれぞれの運転時間の積算をリセットする。運転時間積算部59は、運転条件が上述した回転数や軸受温度以外の場合でも、上記と同様に積算消費寿命を運転時間と運転条件の積の合計として算出してもよい。
【0043】
諸元情報記録部61(情報記録部の一例)は、モータ制御装置5により駆動されるモータ7及び軸受23,25に関する各種の諸元情報を記録する。諸元情報には、モータの寸法、モータの試験データ、軸受23,25の定格情報等が含まれている。諸元情報記録部61は、複数の機種のモータ7に関する諸元情報を記録してもよい。この場合、モータメーカが提供している全機種のモータに関する諸元情報を記録してもよいし、モータ制御装置5の定格出力の容量に基づいて制御対象となるモータの機種に限定した諸元情報を記録してもよい。諸元情報記録部61に複数の機種のモータに関する諸元情報を記録する場合には、どの機種のモータの諸元情報を使用するかをユーザが選択してもよい。
【0044】
なお、モータ制御装置5が更新された場合、更新前のモータ制御装置5の諸元情報記録部61に記録された諸元情報および運転時間積算部59に記録された運転時間情報は、それぞれ更新後のモータ制御装置5の諸元情報記録部61および運転時間積算部59に引き継ぐことができる。
【0045】
総寿命時間算出部63は、モータの現在の運転条件に基づいて、モータ7の稼動開始からの負荷側軸受23又は負荷側軸受23のグリース(潤滑材の一例)の総寿命時間を算出する。総寿命時間算出部63は、転がり疲れ寿命算出部71とグリース寿命算出部73とを有する。転がり疲れ寿命算出部71は、負荷側軸受23の転がり疲れ寿命を算出する。転がり疲れ寿命とは、転がり軸受の転走面に例えばフレーキング等の損傷が起こるまでの寿命である。グリース寿命算出部73は、負荷側軸受23のグリース寿命を算出する。グリース寿命とは、転がり軸受のグリースが劣化して焼き付きを起こすまでの寿命である。
【0046】
転がり疲れ寿命算出部71は、モータの諸元情報と次の計算式1に基づいて転がり疲れ寿命L(h)を算出する。図5に、転がり疲れ寿命L(h)の算出に使用されるモータの諸元情報の一例を示す。転がり疲れ寿命L(h)の単位は時間(h)であるが、総回転数としてもよい。
【0047】
【数1】
【0048】
なお、上記計算式1は玉軸受用の計算式である。転がり疲れ寿命算出部71は、ころ軸受の場合には次の計算式2に基づいて転がり疲れ寿命L(h)を算出する。
【0049】
【数2】
【0050】
計算式1及び計算式2において、a1は信頼度係数、a2は軸受特性係数、a3は使用条件係数である。a1,a2,a3のいずれの係数も0~1の範囲の値であり、モータ7の実運転状況に応じてユーザの判断で設定される。nはモータ7の現在の回転数であり、前述のように例えば速度指令Vcに基づいて取得される。図5に示すように、Cは諸元情報に含まれる軸受の定格情報であり、基本動定格荷重(N)である。
【0051】
Prは負荷側軸受23のラジアル荷重である軸受荷重である。転がり疲れ寿命算出部71は、モータの諸元情報と次の計算式3に基づいて軸受荷重Prを算出する。
【0052】
【数3】
【0053】
計算式3において、Frはモータ7のシャフト31の負荷側のラジアル荷重である軸端荷重であり、例えばユーザが入力装置を介して入力する。図5及び図6に示すように、W,L1,a,L(=L1+L2)は諸元情報に含まれるモータの寸法に関わる情報である。Wはモータ7の回転子15の質量及び固定子13と回転子15との間の不平衡磁気吸引力との和によって求められる合力、L1は反負荷側軸受25の中心位置から合力Wの作用点までの軸方向距離、aは負荷側軸受23の中心位置から軸端荷重Frの作用点までの軸方向距離、L2は合力Wの作用点から負荷側軸受23の中心位置までの軸方向距離、LはL1とL2の合計距離である。
【0054】
以上のようにして、転がり疲れ寿命算出部71は、モータ7の現時点の実際の回転数nに基づく転がり疲れ寿命L(h)を算出する。
【0055】
グリース寿命算出部73は、モータの諸元情報と次の計算式4(引用元:NSK Technical Journal No. 667(1999) 「NSKにおける潤滑グリースの研究開発」)に基づいてグリース寿命Log(L)を算出する。なお、単位を時間(h)としたグリース寿命L(h)は、Log(L)=Xとした場合にL(h)=10となる。図7に、グリース寿命Log(L)の算出に使用されるモータの諸元情報の一例を示す。なお、上述したモータの寸法に関わる情報も使用されるが、図5と同様であるため図7では図示を省略している。
【0056】
【数4】
【0057】
計算式4において、nはモータ7の現在の回転数であり、前述のように例えば速度指令Vcに基づいて取得される。図7に示すように、N及びCは諸元情報に含まれる負荷側軸受23の定格情報であり、Nは許容回転数(r/min)、Cは基本動定格荷重(N)である。Tは軸受の実温度であり、前述のように例えばユーザが入力装置を介して入力した周囲温度と諸元情報に含まれる軸受温度上昇値(K)又はコイル温度上昇値(K)とに基づいて推定されてもよい。軸受荷重Prは上述した計算式3に基づいて算出される。なお、計算式4は使用するグリースにより係数を変えることで、多様なグリースに対応可能である。
【0058】
以上のようにして、グリース寿命算出部73は、モータ7の現時点の実際の回転数nと負荷側軸受23の現時点の推定軸受温度に基づくグリース寿命を算出する。
【0059】
総寿命時間算出部63は、算出された転がり疲れ寿命L(h)とグリース寿命L(h)のうち、時間の短い方を負荷側軸受23の総寿命時間としてもよい。
【0060】
積算運転時間換算部65は、運転時間積算部59により積算された積算運転時間ΣT1(第1の積算運転時間の一例)を、現在の運転条件に基づいて積算運転時間ΣT2(第2の積算運転時間の一例)に換算する。積算運転時間換算部65は、例えば前述の積算消費寿命を使用して換算してもよい。例えば後述の図9に示すように、転がり疲れ寿命の残寿命を算出する場合において、現時点の運転条件が回転数n3である場合、積算運転時間ΣT2は、積算消費寿命ΣCL(ΣCL=T1×n1+T2×n2+T3×n3)を回転数n3で除した時間、つまりΣT2=ΣCL/n3=(T1×n1+T2×n2+T3×n3)/n3となる。図9では、図8との比較を容易とするため、換算された運転時間T1をT1c(=T1×n1/n3)、換算された運転時間T2をT2c(=T2×n2/n3)と表記している。積算運転時間ΣT2は、ΣT2=T1c+T2c+T3となる。
【0061】
例えば後述の図11に示すように、グリース寿命の残寿命を算出する場合において、現時点の運転条件が軸受温度t3である場合、積算運転時間ΣT2は、積算消費寿命ΣCL(ΣCL=T1×t1+T2×t2+T3×t3)を軸受温度t3で除した時間、つまりΣT2=ΣCL/t3=(T1×t1+T2×t2+T3×t3)/t3となる。図11では、図10との比較を容易とするため、換算された運転時間T1をT1c(=T1×t1/t3)、換算された運転時間T2をT2c(=T2×t2/t3)と表記している。積算運転時間ΣT2は、ΣT2=T1c+T2c+T3となる。
【0062】
残寿命時間算出部67は、総寿命時間から積算運転時間ΣT2を減じることで、負荷側軸受23又はグリースの残寿命時間を算出する。例えば転がり疲れ寿命L(h)の方がグリース寿命L(h)よりも短かった場合等、軸受の残寿命時間を算出する場合について説明する。例えば図9には、上述した計算式1乃至計算式3に基づいて、現時点の運転条件である回転数n3に基づいて算出された転がり疲れ寿命L(h)が図示されている。この例では、残寿命時間算出部67は、残寿命時間RL2を、RL2=L(h)-ΣT2(=T1c+T2c+T3)として算出する。
【0063】
図8には、実施形態に対する比較例として、上述した計算式1乃至計算式3に基づいて、モータ7の平均回転数n0を使用して算出された転がり疲れ寿命Loが図示されている。残寿命時間算出部67は、残寿命時間RL1を、RL1=Lo-ΣT1(=T1+T2+T3)として算出する。転がり疲れ寿命Loは、モータ7が平均回転数n0で稼働開始から運転を継続した場合の総寿命時間である。このため、例えば図8に示すようにモータ7の回転数が変動する場合、残寿命時間RL1はモータ7の実運転状況と乖離する可能性がある。
【0064】
実施形態の手法では、図9に示すように、モータ7の実運転状況である現在の回転数n3を用いて転がり疲れ寿命L(h)を算出する。転がり疲れ寿命L(h)は、モータ7が現在の運転条件である回転数n3で稼働開始から運転を継続した場合の総寿命時間である。実施形態では、積算運転時間を現在の回転数n3を用いて換算し、転がり疲れ寿命L(h)から差し引いて残寿命時間RL2を算出する。したがって、モータ7の現在より前の回転数の変動に関わりなく、現在の実運転状況に合致した現時点からの残寿命時間を推定することができる。例えば図9では、現在の実運転状況である回転数n3が図8に示す平均回転数n0よりも低い分、残寿命時間RL2が残寿命時間RL1よりも長くなっている。
【0065】
例えばグリース寿命L(h)の方が転がり疲れ寿命L(h)よりも短かった場合等、グリースの残寿命時間を算出する場合について説明する。例えば図11には、上述した計算式3及び計算式4に基づいて、現時点の運転条件である軸受温度t3に基づいて算出されたグリース寿命L(h)が図示されている。この例では、残寿命時間算出部67は、残寿命時間RL2を、RL2=L(h)-ΣT2(=T1c+T2c+T3)として算出する。
【0066】
図10には、実施形態に対する比較例として、上述した計算式3及び計算式4に基づいて、モータ7の平均軸受温度t0を使用して算出されたグリース寿命Loが図示されている。残寿命時間算出部67は、残寿命時間RL1を、RL1=Lo-ΣT1(=T1+T2+T3)として算出する。グリース寿命Loは、モータ7が平均軸受温度t0で稼働開始から運転を継続した場合の総寿命時間である。このため、例えば図10に示すように負荷側軸受23の軸受温度が変動する場合、残寿命時間RL1はモータ7の実運転状況と乖離する可能性がある。
【0067】
実施形態の手法では、図11に示すように、モータ7の実運転状況である現在の負荷側軸受23の軸受温度t3を用いてグリース寿命L(h)を算出する。グリース寿命L(h)は、モータ7が現在の運転条件である軸受温度t3で稼働開始から運転を継続した場合の総寿命時間である。実施形態では、積算運転時間を現在の軸受温度t3を用いて換算し、グリース寿命L(h)から差し引いて残寿命時間RL2を算出する。したがって、負荷側軸受23の現在より前の軸受温度の変動に関わりなく、現在の実運転状況に合致した現時点からの残寿命時間を推定することができる。例えば図11では、現在の実運転状況である軸受温度t3が図10に示す平均軸受温度t0よりも高い分、残寿命時間RL2が残寿命時間RL1よりも短くなっている。
【0068】
なお、残寿命時間RL2は、現在の運転条件である回転数n3や軸受温度t3で今後も運転を継続した場合の残寿命時間である。このため、今後運転条件が変更された場合には、上記と同様にして、当該変更された運転条件を用いて運転時間の積算、総寿命時間の算出、積算運転時間の換算、残寿命時間の算出等を改めて行えばよい。このようにして、運転条件が変更される度に残寿命時間を再算出することで、残寿命時間の推定精度をより向上することができる。
【0069】
情報出力部69は、算出された残寿命時間RL2を出力する。情報出力部69による残寿命時間RL2の出力態様は様々な態様が考えられる。情報出力部69は、例えばモータ制御装置5が有する表示装置等の出力装置915(後述の図13参照)を介して表示してもよく、又は、例えばモータ制御装置5と通信可能に接続された外部出力装置(図示省略)に対して送信してもよい。
【0070】
上述した情報取得部57、運転時間積算部59、諸元情報記録部61、総寿命時間算出部63、積算運転時間換算部65、残寿命時間算出部67、情報出力部69等における処理等は、これらの処理の分担の例に限定されるものではなく、例えば、更に少ない数の処理部(例えば1つの処理部)で処理されてもよく、また、更に細分化された処理部により処理されてもよい。制御部9の上記処理等は、後述するCPU901(図13参照)が実行するプログラムにより実装されてもよいし、その一部又は全部がASICやFPGA、その他の電気回路等の実際の装置により実装されてもよい。
【0071】
<5.制御部の処理手順>
次に、図12を参照しつつ、制御部9により実行される処理手順の一例について説明する。
【0072】
ステップS10では、制御部9は、運転時間積算部59により、モータ7の運転時間を積算する。制御部9は、モータ7の運転時間を積算すると共に、各運転時間とその時の運転条件との積の合計である積算消費寿命ΣCLを算出する。
【0073】
ステップS20では、制御部9は、情報取得部57により、モータ機種、軸端荷重Fr、周囲温度等の情報を取得する。前述のように本ステップS20における情報の取得態様は様々な態様が考えられ、例えばユーザによる入力、センサ信号に基づく取得等でもよい。
【0074】
ステップS30では、制御部9は、総寿命時間算出部63により、諸元情報記録部61に記録された諸元情報とモータ7の現在の運転条件に応じて、モータ7の稼働開始からの負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を算出する。前述のように、モータ7の現在の運転条件は例えば回転数や軸受温度等である。回転数は例えば速度指令Vcに基づいて取得されてもよいし、軸受温度は例えば周囲温度と諸元情報に含まれる軸受の温度上昇値とに基づいて取得されてもよい。制御部9は、転がり疲れ寿命算出部71により転がり疲れ寿命L(h)を算出すると共に、グリース寿命算出部73によりグリース寿命L(h)を算出する。制御部9は、これらのうち時間の短い方を負荷側軸受23の総寿命時間としてもよい。
【0075】
ステップS40では、制御部9は、積算運転時間換算部65により、上記ステップS10で積算された積算運転時間ΣT1を、積算消費寿命ΣCLとモータ7の現在の運転条件とに基づいて積算運転時間ΣT2に換算する。
【0076】
ステップS50では、制御部9は、残寿命時間算出部67により、上記ステップS30で算出された転がり疲れ寿命L(h)又はグリース寿命L(h)から、上位ステップS40で換算された積算運転時間ΣT2を減じることで、負荷側軸受23又はグリースの残寿命時間RL2を算出する。
【0077】
ステップS60では、制御部9は、情報出力部69により、上記ステップS50で算出された残寿命時間RL2を出力する。前述のように本ステップS60における残寿命時間RL2の出力態様は様々な態様が考えられ、例えばモータ制御装置5が有する表示装置等で表示したり、外部出力装置に対してデータを送信してもよい。以上により、本フローチャートを終了する。
【0078】
なお、上述した処理手順は一例であって、上記手順の少なくとも一部を削除又は変更してもよいし、上記以外の手順を追加してもよい。また、上記手順の少なくとも一部の順番を変更してもよいし、複数の手順が単一の手順にまとめられてもよい。
【0079】
<6.実施形態の効果>
以上説明したように、実施形態のモータ制御システム1は、軸受23,25を備えたモータ7と、モータ7を制御するモータ制御装置5と、を有し、モータ制御装置5は、モータ7の運転時間を積算する運転時間積算部59と、モータ7の現在の運転条件に基づいて、モータ7の稼動開始からの負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を算出する総寿命時間算出部63と、運転時間積算部59により積算された積算運転時間ΣT1を、現在の運転条件に基づいて積算運転時間ΣT2に換算する積算運転時間換算部65と、総寿命時間から積算運転時間ΣT2を減じて負荷側軸受23又はグリースの残寿命時間RL2を算出する残寿命時間算出部67と、を有する。
【0080】
実施形態では、モータ7の現在の運転条件に基づいて負荷側軸受23又は当該負荷側軸受23のグリースの総寿命時間を算出する。これにより、現時点の実際の運転条件に基づく実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースのモータ稼動開始からの総寿命時間を計算できる。またユーザにとっては、稼動開始からの総寿命時間よりも、稼動中である現時点からの残寿命を提示した方が利便性が向上する。そこで、モータ7の運転時間を積算しておき、積算された積算運転時間ΣT1を現在の運転条件に応じた積算運転時間ΣT2に積算する。そして、算出した負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間から積算運転時間ΣT2を減じることにより、残寿命時間を算出する。これにより、モータ7の実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースの現時点からの残寿命時間を推定することができる。その結果、寿命予測の精度が向上し、モータ7に対して効率的なメンテナンス計画を立てることができる。
【0081】
実施形態において、モータ制御装置5は、モータ7に関する諸元情報を記録する諸元情報記録部61を有し、総寿命時間算出部63は、諸元情報記録部61に記録された諸元情報に基づいて負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を算出してもよい。
【0082】
軸受の総寿命時間を計算するには、例えばモータの内部寸法、固定子と回転子との間の磁気吸引力、回転子の質量、軸受温度の上昇値等、ユーザには公開されていないモータ等に関する諸元情報が必要となる場合がある。このため、ユーザは計算することができず、モータメーカに問い合わせするのが一般的である。
【0083】
実施形態では、上記のような公開されていない諸元情報が、モータ制御装置5の諸元情報記録部61に記録されている。したがって、モータ制御装置5の総寿命時間算出部63が記録された諸元情報に基づいて負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を算出できる。これにより、ユーザはモータメーカに問い合わせすることなく、負荷側軸受23又はグリースの残寿命時間を把握することができる。
【0084】
実施形態において、諸元情報は、モータ7の固定子13と回転子15との間における不平衡磁気吸引力を含んでもよい。
【0085】
一般にモータの不平衡磁気吸引力はユーザには公開されておらず、モータメーカに問い合わせしなければ把握できない情報である。実施形態では、モータ制御装置5の諸元情報記録部61に記録された諸元情報に不平衡磁気吸引力が含まれているので、モータ制御装置5が当該諸元情報に基づいて負荷側軸受23の総寿命時間を算出できる。これにより、ユーザはモータメーカに問い合わせすることなく、より精度の高い負荷側軸受23又はグリースの残寿命時間RL2を把握することができる。
【0086】
実施形態において、モータ制御装置5は、モータ7の現在の運転条件に関わる情報を取得する情報取得部57を有してもよい。
【0087】
実施形態では、モータ制御装置5の情報取得部57がモータ7の現在の運転条件に関わる情報を取得する。取得の態様は特に限定されるものではなく、例えばユーザが操作入力した情報を取得したり、センサの検出信号から情報を取得したり、モータ制御装置5の指令を取得してもよい。これにより、取得した現在の運転条件に基づいてモータ7の実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースのモータ稼動開始からの総寿命時間を計算できる。また、積算された積算運転時間ΣT1を取得した現在の運転条件における積算運転時間ΣT2に積算することができる。したがって、モータ7の実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースの現時点からの残寿命時間RL2を精度よく推定することができる。
【0088】
実施形態において、情報取得部57は、モータ7の現在の運転条件に関わる情報として、回転数、負荷側軸受23の温度、モータ7の負荷側の軸端荷重Frの少なくとも1つを取得してもよい。
【0089】
軸受やグリースの総寿命を計算する場合に、回転数、軸受温度、軸端荷重等について、例えば平均回転数、平均軸受温度、予め設定された軸端荷重等を使用する場合、これらのパラメータはモータ7の使用環境や稼動状況によってユーザごとに異なるので、実運転状況との乖離が発生する可能性がある。実施形態では、情報取得部57が現在の運転条件に関わる情報として、現時点のモータ7の回転数、負荷側軸受23の温度、モータ7の負荷側の軸端荷重Frを取得するので、モータ7の実運転状況に合致したより精度の高い負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を計算できる。
【0090】
実施形態において、モータ制御装置5は、モータ7を制御するための指令を生成する制御部9を有し、情報取得部57は、モータ7の現在の運転条件に関わる情報として、制御部9により生成された指令に基づく回転数を取得してもよい。
【0091】
これにより、モータ7の実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースの現時点からの残寿命時間RL2を推定することができる。また、モータ制御装置5自身が生成する指令を用いて寿命を計算するので、回転数を検出するセンサ(位置検出器47等)からの配線が不要となると共に、ユーザの入力操作の手間を省くことができる。
【0092】
実施形態において、制御部9は、位置指令Pcに基づいてモータ7の回転速度を制御するための速度指令Vcを生成する位置制御部49を有し、情報取得部57は、モータ7の現在の運転条件に関わる情報として、位置制御部49から出力された速度指令Vcに基づく回転数を取得してもよい。
【0093】
制御部9は、モータ7の回転速度を制御するための速度指令Vcを生成し、当該指令速度に追従するようにモータ7の回転速度(回転数)を制御する。実施形態では、情報取得部57が現在のモータ7の運転条件として、位置制御部49が生成する速度指令Vcに基づいて回転数を取得する。これにより、モータ7の実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースの現時点からの残寿命時間RL2を推定することができる。また、モータ制御装置5自身が生成する指令を用いて寿命を計算するので、回転数を検出するセンサ(位置検出器47等)からの配線が不要となると共に、ユーザの入力操作の手間を省くことができる。
【0094】
実施形態において、諸元情報は、負荷側軸受23の温度の上昇値を含んでおり、情報取得部57は、モータ7の周囲温度を取得し、当該周囲温度と温度上昇値に基づいて負荷側軸受23の温度を推定してもよい。
【0095】
この場合には、例えばユーザはモータ7の周囲温度を入力するだけでよいので、ユーザの手間を軽減でき利便性を向上できる。また、軸受の温度を測定する温度計等を別途設置することが不要となるので、構成の簡素化及びコストを削減できる。
【0096】
実施形態において、モータ制御装置5は、複数の機種のモータ7に関する諸元情報を記録する諸元情報記録部61を有し、情報取得部57は、モータ制御装置5で駆動されるモータ7の機種を取得し、総寿命時間算出部63は、情報取得部57により取得されたモータ7の機種に対応する諸元情報に基づいて負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を算出してもよい。
【0097】
この場合には、総寿命時間算出部63は、取得されたモータ7の機種情報に対応する諸元情報を参照して負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を算出することができる。したがって、モータ制御装置5が特定の機種のモータ7に対してのみ残寿命を推定可能な専用のモータ制御システム1ではなく、様々な機種のモータ7に対して残寿命を推定可能なシステムを実現できる。したがって、モータ制御システム1の汎用性を向上できる。
【0098】
実施形態のモータ制御システム1は、軸受23,25を備えたモータ7と、モータ7を制御するモータ制御装置5と、を有し、モータ制御装置5は、モータ7に関する諸元情報を記録する諸元情報記録部61と、モータ7の現在の運転条件と諸元情報とに基づいて、モータ7の稼動開始からの負荷側軸受23または当該負荷側軸受23のグリースの総寿命時間を算出する総寿命時間算出部63と、を有する構成としてもよい。
【0099】
この場合、モータ7の現時点の実際の運転条件に基づく実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースのモータ稼動開始からの総寿命時間を計算できる。したがって、例えばモータ7の運転時間を積算しておき、算出した負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間から積算運転時間を減じることにより、モータ7の実運転状況に合致した負荷側軸受23又はグリースの現時点からの残寿命時間を精度良く推定することが可能となる。また、一般に公開されていない諸元情報が、モータ制御装置5の諸元情報記録部61に記録されているので、モータ制御装置5の総寿命時間算出部63が記録された諸元情報に基づいて負荷側軸受23又はグリースの総寿命時間を算出できる。これにより、ユーザはモータメーカに問い合わせすることなく、負荷側軸受23又はグリースの残寿命時間を把握することができる。
【0100】
<7.変形例>
なお、開示の実施形態は、上記に限られるものではなく、その趣旨及び技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の変形が可能である。
【0101】
例えば、以上では負荷側軸受23又はそのグリースの残寿命時間を算出する場合について説明したが、反負荷側軸受25又はそのグリースの残寿命時間を算出することも可能である。この場合、転がり疲れ寿命算出部71及びグリース寿命算出部73は、モータ7及び反負荷側軸受25の諸元情報と、前述の計算式1、計算式2及び計算式4に基づいて転がり疲れ寿命L(h)及びグリース寿命L(h)を算出すればよい。反負荷側軸受25のラジアル荷重である軸受荷重Prは、例えば次の計算式5に基づいて算出することができる。
【0102】
【数5】
【0103】
なお、モータ7が縦型になる場合は、回転子15の質量が軸方向(アキシアル)に作用することになる。また、装置によっては軸端にアキシアル荷重が作用する場合がある。この場合には、公知の計算式にて等価ラジアル荷重に置き換えることで対応可能である。
【0104】
発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではない。すなわち、本発明によって、上述されていない課題を解決したり、上述されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。
【0105】
<8.モータ制御装置のハードウェア構成例>
次に、図13を参照しつつ、モータ制御装置5のハードウェア構成例について説明する。なお、図13中では、モータ制御装置5のモータ7に駆動電力を給電する機能に係る構成を適宜省略して図示している。
【0106】
図13に示すように、モータ制御装置5は、例えば、CPU901と、ROM903と、RAM905と、ASIC又はFPGA等の特定の用途向けに構築された専用集積回路907と、入力装置913と、出力装置915と、記録装置917と、ドライブ919と、接続ポート921と、通信装置923とを有する。これらの構成は、バス909や入出力インターフェース911を介し相互に信号を伝達可能に接続されている。
【0107】
プログラムは、例えば、ROM903やRAM905、ハードディスク等を含む記録装置917等に記録しておくことができる。
【0108】
また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスクなどの磁気ディスク、各種のCD・MOディスク・DVD等の光ディスク、半導体メモリ等のリムーバブルな記録媒体925に、一時的又は非一時的(永続的)に記録しておくこともできる。このような記録媒体925は、いわゆるパッケージソフトウエアとして提供することもできる。この場合、これらの記録媒体925に記録されたプログラムは、ドライブ919により読み出されて、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0109】
また、プログラムは、例えば、ダウンロードサイト・他のコンピュータ・他の記録装置等(図示せず)に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、LANやインターネット等のネットワークNWを介し転送され、通信装置923がこのプログラムを受信する。そして、通信装置923が受信したプログラムは、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0110】
また、プログラムは、例えば、適宜の外部接続機器927に記録しておくこともできる。この場合、プログラムは、適宜の接続ポート921を介し転送され、入出力インターフェース911やバス909等を介し上記記録装置917に記録されてもよい。
【0111】
そして、CPU901が、上記記録装置917に記録されたプログラムに従い各種の処理を実行することにより、上記の情報取得部57、運転時間積算部59、諸元情報記録部61、総寿命時間算出部63、積算運転時間換算部65、残寿命時間算出部67、情報出力部69等による処理が実現される。この際、CPU901は、例えば、上記記録装置917からプログラムを直接読み出して実行してもよいし、RAM905に一旦ロードした上で実行してもよい。更にCPU901は、例えば、プログラムを通信装置923やドライブ919、接続ポート921を介し受信する場合、受信したプログラムを記録装置917に記録せずに直接実行してもよい。
【0112】
また、CPU901は、必要に応じて、例えばマウス・キーボード・マイク・タッチパネル(図示省略)等の入力装置913から入力する信号や情報に基づいて各種の処理を行ってもよい。
【0113】
そして、CPU901は、上記の処理を実行した結果を、例えば表示装置や音声出力装置等の出力装置915から出力してもよく、さらにCPU901は、必要に応じてこの処理結果を通信装置923や接続ポート921を介し送信してもよく、上記記録装置917や記録媒体925に記録させてもよい。
【0114】
また、以上既に述べた以外にも、上記実施形態や各変形例による手法を適宜組み合わせて利用しても良い。その他、一々例示はしないが、上記実施形態や各変形例は、その趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更が加えられて実施されるものである。
【符号の説明】
【0115】
1 モータ制御システム
3 上位コントローラ
5 モータ制御装置
7 モータ
49 位置制御部
57 情報取得部
59 運転時間積算部
61 諸元情報記録部(情報記録部)
63 総寿命時間算出部
65 積算運転時間換算部
67 残寿命時間算出部
69 情報出力部
71 転がり疲れ寿命算出部
73 グリース寿命算出部
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
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図10
図11
図12
図13