(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】車両運行管理システム、及び車両運行管理方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/127 20060101AFI20240417BHJP
G06Q 50/43 20240101ALI20240417BHJP
【FI】
G08G1/127 A
G06Q50/43
(21)【出願番号】P 2020074507
(22)【出願日】2020-04-20
【審査請求日】2023-03-29
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1)令和1年11月20日 https//schd.toyoinkgroup.com./ja/news/2019/19112001.htmlのウェブサイトにて公開 (2)令和2年3月18日日経産業新聞 第8面にて公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】artience株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(74)【代理人】
【識別番号】100124936
【氏名又は名称】秦 恵子
(73)【特許権者】
【識別番号】711004506
【氏名又は名称】トーヨーケム株式会社
(72)【発明者】
【氏名】丸山 健二郎
(72)【発明者】
【氏名】池上 智紀
【審査官】田中 将一
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2019/009179(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/037954(WO,A1)
【文献】特開2004-355385(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00 - 99/00
G06Q 50/00 - 50/20
G06Q 50/26 - 99/00
G16Z 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
停留所に設置され、当該停留所で待機している乗客を検知する第1のセンサと、
前記第1のセンサで取得した情報を用いて、前記停留所における乗客の状態をモニタリングする第1のモニタリング部と、
車両に設置され、当該車両に搭乗している乗客を検知する第2のセンサと、
前記第2のセンサで取得した情報を用いて、前記車両内における乗客の状態をモニタリングする第2のモニタリング部と、
前記車両の運行を管理する運行管理部と、を備え、
前記第1のモニタリング部は、前記車両の到着前において前記停留所に待機していた乗客の数から、前記車両に乗客が乗車した後において前記停留所に待機している乗客の数を減算することで第1の乗車人数情報を生成し、
前記運行管理部は、前記停留所に前記車両が停車した際に、
前記第1のモニタリング部において生成された、前記車両に乗車した人数に関する
前記第1の乗車人数情報を前記第1のモニタリング部から取得し、
前記第2のモニタリング部において生成された、前記車両に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報を前記第2のモニタリング部から取得し、
前記第1の乗車人数情報の乗車人数と前記第2の乗車人数情報の乗車人数とが一致する場合、前記停留所で待機していた前記乗客の乗車が完了したと判断する、
車両運行管理システム。
【請求項2】
前記第1のセンサは、前記停留所の床に設置された第1の床センサであり、
前記第1のモニタリング部は、前記第1の床センサで検知された前記待機している乗客の足に関するデータを用いて前記第1の乗車人数情報を生成する、
請求項1に記載の車両運行管理システム。
【請求項3】
前記第1のセンサは、前記停留所の椅子に設置された、前記待機している乗客の着座の有無を検知する第1の着座センサであり、
前記第1のモニタリング部は、前記第1の着座センサで検知された前記待機している乗客の着座データを用いて前記第1の乗車人数情報を生成する、
請求項1または2に記載の車両運行管理システム。
【請求項4】
前記第2のセンサは、前記車両の床に設置された第2の床センサであり、
前記第2のモニタリング部は、前記第2の床センサで検知された前記車両に乗車した乗客の足に関するデータを用いて前記第2の乗車人数情報を生成する、
請求項1~3のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項5】
前記第2のセンサは、前記車両に設けられた座席に設置された、前記乗客の着座の有無を検知する第2の着座センサであり、
前記第2のモニタリング部は、前記第2の着座センサで検知された前記車両に乗車した乗客の着座データを用いて前記第2の乗車人数情報を生成する、
請求項1~4のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項6】
前記第1及び第2のモニタリング部はそれぞれ、前記第1及び第2の床センサで各々検知した前記乗客の足の数に基づいて、前記車両に乗車した人数に関する前記第1及び第2の乗車人数情報を各々生成する、請求項2または4に記載の車両運行管理システム。
【請求項7】
前記車両は、前記停留所で待機していた前記乗客の乗車が完了したと前記運行管理部において判断された場合、前記車両のドアを閉じる、請求項1~
6のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項8】
前記車両は、前記停留所で待機していた前記乗客の乗車が完了した後、前記乗車した乗客の安全が確保されたと前記運行管理部において判断された場合、走行を開始する、請求項1~
7のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項9】
前記運行管理部は、前記乗車した乗客が着座した場合、前記乗車した乗客の安全が確保されたと判断する、請求項
8に記載の車両運行管理システム。
【請求項10】
前記運行管理部は、前記乗車した乗客が立ち止まっている状態が所定時間継続した場合、前記乗車した乗客の安全が確保されたと判断する、請求項
8または
9に記載の車両運行管理システム。
【請求項11】
前記第2のモニタリング部は、前記第2のセンサで取得した情報を用いて、前記車両の混雑状況に関する情報を生成可能に構成されている、請求項1~
10のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項12】
前記運行管理部は、前記第1及び第2のモニタリング部の各々からモニタリング結果を取得し、複数の停留所における前記乗客の乗降者数データを蓄積可能に構成されており、前記複数の停留所における過去の乗降者数データを用いて、所定の停留所に到着予定の前記車両の混雑状況を予測して、前記車両の混雑状況に関する情報を生成する、請求項1~
10のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項13】
前記運行管理部は、前記第1及び第2のモニタリング部の各々からモニタリング結果を取得し、複数の停留所における前記乗客の乗降者数データを蓄積可能に構成されており、当該蓄積された乗降者数データを用いて、所定の停留所間における前記車両の混雑状況を予測して、前記車両の混雑状況に関する情報を生成する、請求項1~
10のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項14】
前記運行管理部は更に、時間帯、曜日、日付、及び天候の少なくとも一つと対応付けて、前記複数の停留所における前記乗客の乗降者数データを蓄積可能に構成されており、前記時間帯、前記曜日、前記日付、及び前記天候の少なくとも一つと対応付けて蓄積された前記乗降者数データを用いて前記車両の混雑状況を予測して、前記車両の混雑状況に関する情報を生成する
請求項
12または
13に記載の車両運行管理システム。
【請求項15】
前記停留所に設置された表示部を更に備え、
前記表示部は、前記停留所に到着予定の前記車両の混雑状況に関する情報を表示可能に構成されている、
請求項
11~
14のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項16】
前記運行管理部は、前記所定の停留所における前記車両に乗車可能な乗客の人数を予測し、
前記表示部は、前記停留所に到着予定の前記車両の混雑状況に関する情報として、前記運行管理部において予測された前記車両に乗車可能な乗客の人数を表示する、
請求項
15に記載の車両運行管理システム。
【請求項17】
前記運行管理部はネットワークと接続されており、前記車両の混雑状況に関する情報を前記ネットワークを介してユーザ端末に配信可能に構成されている、請求項
11~
16のいずれか一項に記載の車両運行管理システム。
【請求項18】
停留所に設置された第1のセンサを用いて、前記停留所における乗客の状態をモニタリングする
第1モニタリング工程と、
車両に設置された第2のセンサを用いて、前記車両に搭乗している乗客の状態をモニタリングする
第2モニタリング工程と、
前記車両の運行を管理する
管理工程と、を備え、
前記第1モニタリング工程では、前記車両の到着前において前記停留所に待機していた乗客の数から、前記車両に乗客が乗車した後において前記停留所に待機している乗客の数を減算することで第1の乗車人数情報を生成し、
前記第2モニタリング工程では、前記第2のセンサで取得した情報を用いて、前記車両に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報を生成し、
前記管理工程において、前記停留所に前記車両が停車した際に、
前記第1モニタリング工程で生成された前記第1の乗車人数情報の乗車人数と
前記第2モニタリング工程で生成された前記第2の乗車人数情報の乗車人数とが一致する場合、前記停留所で待機していた前記乗客の乗車が完了したと判断する、
車両運行管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は車両運行管理システム、及び車両運行管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、バスや鉄道などの交通機関の安全運行等のために、車両の状態をモニタリングして運行を管理する車両運行管理システムの開発が進められている。特許文献1には、監視領域内の混雑状況に応じて、少ないカメラ台数で効率よく監視を行うことができる監視システムに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されている技術では、車両内に監視カメラを設置して車両内を監視している。例えば、このような監視カメラを用いることで、乗客が車両に乗車したことを検知することができる。
【0005】
しかしながら、車両内に設置された監視カメラを用いた場合は、乗客が車両に乗車したことを正確に検知することができないという問題がある。例えば、監視カメラを設置する場所によっては死角が生じる場合がある。また、例えば車両内が混雑している場合は、乗客の顔が他の乗客で隠れたりして乗客の画像を適切に取得することができない場合がある。このような場合は、乗客が車両に乗車したことを正確に検知することができない。特に近年では自動運転システムの開発が盛んであり、将来の自動運転システムを考慮すると、乗客が車両に乗車したことを正確に検知する技術は重要である。
【0006】
上記課題に鑑み本発明の目的は、乗客が車両に乗車したことを正確に検知することが可能な車両運行管理システム、及び車両運行管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる車両運行管理システムは、停留所、に設置され、当該停留所で待機している乗客を検知する第1のセンサと、前記第1のセンサで取得した情報を用いて、前記停留所における乗客の状態をモニタリングする第1のモニタリング部と、車両に設置され、当該車両に搭乗している乗客を検知する第2のセンサと、前記第2のセンサで取得した情報を用いて、前記車両内における乗客の状態をモニタリングする第2のモニタリング部と、前記車両の運行を管理する運行管理部と、を備える。前記運行管理部は、前記停留所に前記車両が停車した際に、前記第1のモニタリング部において生成された、前記車両に乗車した人数に関する第1の乗車人数情報を前記第1のモニタリング部から取得し、前記第2のモニタリング部において生成された、前記車両に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報を前記第2のモニタリング部から取得し、前記第1の乗車人数情報の乗車人数と前記第2の乗車人数情報の乗車人数とが一致する場合、前記停留所で待機していた前記乗客の乗車が完了したと判断する。
【0008】
本発明の一態様にかかる車両運行管理方法は、停留所に設置された第1のセンサを用いて、前記停留所における乗客の状態をモニタリングする工程と、車両に設置された第2のセンサを用いて、前記車両に搭乗している乗客の状態をモニタリングする工程と、前記車両の運行を管理する工程と、を備え、前記停留所に前記車両が停車した際に、前記第1のセンサで取得した情報を用いて、前記車両に乗車した人数に関する第1の乗車人数情報を生成し、前記第2のセンサで取得した情報を用いて、前記車両に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報を生成し、前記第1の乗車人数情報の乗車人数と前記第2の乗車人数情報の乗車人数とが一致する場合、前記停留所で待機していた前記乗客の乗車が完了したと判断する。
【発明の効果】
【0009】
本発明により、乗客が車両に乗車したことを正確に検知することが可能な車両運行管理システム、及び車両運行管理方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施の形態にかかる車両運行管理システムを説明するためのブロック図である。
【
図2】実施の形態にかかる車両運行管理システムが備える停留所システムの一例を説明するための図である。
【
図3】実施の形態にかかる車両運行管理システムが備える停留所システムの一例を説明するための図である。
【
図4】実施の形態にかかる車両運行管理システムが備える車両システムの一例を説明するための図である。
【
図5】実施の形態にかかる車両運行管理システムが備える車両システムの一例を説明するための図である。
【
図6】実施の形態にかかる車両運行管理システムの動作の一例を説明するためのフローチャートである。
【
図7】実施の形態にかかる車両運行管理システムが混雑状況に関する情報を生成した場合の一例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本実施の形態にかかる車両運行管理システムを説明するためのブロック図である。
図1に示すように、本実施の形態にかかる車両運行管理システム1は、停留所システム10、車両システム20、及び運行管理部30を備える。本実施の形態にかかる車両運行管理システム1は、例えば、バス、鉄道、タクシーなどの交通機関(車両)の運行を管理するシステムである。以下では一例として、車両運行管理システム1をバスの運行に適用した場合について説明するが、本発明は他の交通機関についても同様に適用することができる。
【0012】
図1に示すように、停留所システム10は、第1のセンサ11、第1のモニタリング部12、及び表示部13を備える。ここで停留所とは、バスの停留所、駅、タクシー乗り場等であり、本明細書ではこれらをまとめて「停留所」と記載している。なお、本明細書では、本発明をバスの停留所に適用した場合を例として説明している。
【0013】
第1のセンサ11は、停留所に設置されており、当該停留所で待機している乗客を検知する。第1のモニタリング部12は、第1のセンサ11で取得した情報を用いて、停留所における乗客の状態をモニタリングする。例えば、第1のモニタリング部12は、第1のセンサ11で取得した情報を用いて、車両に乗車した人数に関する第1の乗車人数情報を生成する。表示部13は停留所に設置されており、所定の情報を表示することで、当該停留所で待機している乗客に対して所定の情報を通知する。
【0014】
図2は、本実施の形態にかかる車両運行管理システム1が備える停留所システム10の一例を説明するための図である。
図2に示すように、停留所システム10は、バスの停留所14に組み込まれたシステムである。停留所14には、標識(ポール)15および椅子16が設けられている。標識15は、停留所14の場所を示すために設けられている。椅子16は標識15の近傍に設けられており、バスを待っている乗客17_1が座るために設けられている。
図2に示す例では椅子16が満席なので、バスを待っている他の乗客17_2は椅子16の横に立って並んで待っている。
【0015】
図2に示す例では、第1のセンサ11として、第1の着座センサ11_1と第1の床センサ11_2とが設けられている。第1の着座センサ11_1は、停留所14の椅子16に設置されており、待機している乗客17_1の着座の有無を検知する。第1の着座センサ11_1は、例えばメンブレンスイッチなどのスイッチ素子を用いて構成することができる。例えば、スイッチ素子は、乗客が着座した際に導通状態となり、乗客が起立した際に非導通状態となるスイッチ素子である。また、静電容量センサを用いて第1の着座センサ11_1を構成してもよい。なお、第1の着座センサ11_1は、乗客の着座の有無を検知することができるセンサであれば特に限定されることはない。
【0016】
また、第1の床センサ11_2は、停留所14の床に設置されており、停留所14で立って待機している乗客17_2の有無を検知する。具体的には、第1の床センサ11_2は、椅子16の横に設置されており、椅子16の横に立ってバスを待っている乗客の有無を検知する。例えば、第1の床センサ11_2は、複数の検出セルがマトリックス状に配置されたフロアセンサ、感圧素子を用いた圧力センサ、静電容量を用いた圧力センサ等を用いて構成することができる。なお、第1の床センサ11_2は、待機している乗客の有無(乗客の足の有無)を検知することができるセンサであれば特に限定されることはない。
【0017】
第1のモニタリング部12は、第1の着座センサ11_1および第1の床センサ11_2で取得した情報を用いて、車両に乗車した人数に関する第1の乗車人数情報を生成する。ここで、第1の乗車人数情報とは、停留所14で待機していた乗客が車両50(
図4、
図5参照)に乗車した際の、乗客の人数に関する情報である。換言すると、停留所14から車両50に乗り込んだ乗客の人数に関する情報であり、停留所システム10側で生成した情報である。第1のモニタリング部12は、第1の着座センサ11_1および第1の床センサ11_2で取得した情報を用いて、このような第1の乗車人数情報を生成する。
【0018】
具体的には、第1のモニタリング部12は、第1の着座センサ11_1で検知された、待機している乗客17_1の着座データを用いて、椅子16に座っている乗客17_1の人数に関する情報を取得する。また、第1のモニタリング部12は、第1の床センサ11_2で検知された、待機している乗客17_2の足に関するデータを用いて、立って待機している乗客17_2の人数に関する情報を取得する。例えば、第1のモニタリング部12は、第1の床センサ11_2で検知した乗客17_2の足の数に基づいて、立って待機している乗客17_2の人数を求めてもよい。つまり、第1の床センサ11_2で検知した乗客17_2の足の数を2で除算することで、人数を算出することができる。
【0019】
図2に示す例では、椅子16に座っている乗客17_1は2人であり、立って待機している乗客17_2は1人である。したがって第1のモニタリング部12は、停留所14で待機している乗客の人数が3人であると判断する。
【0020】
その後、停留所14に車両50が到着すると、待機していた乗客17_1、17_2が車両50に乗車する。例えば、停留所14に停車する車両50(バス)の運行系統が一系統のみである場合は、待機していた乗客17_1、17_2全員が車両50に乗車する。この場合、第1のモニタリング部12は、上述のようにして求めた停留所14で待機している乗客17_1、17_2の人数を用いて、第1の乗車人数情報(この場合は3人)を生成する。
【0021】
一方で、車両50(バス)の運行系統が複数の場合は、車両50(バス)が停留所14に停車しても、待機していた乗客17_1、17_2全員が車両50に乗車するとは限らない。つまり、車両50(バス)が停留所14に停車した後、一部の乗客が車両50に乗車し、他の乗客は
図3に示すように停留所14に待機した状態を継続する場合もある。この場合、第1のモニタリング部12は、車両50の到着前において停留所14に待機していた乗客17_1、17_2の数(
図2の場合は3人)から、車両50に乗客が乗車した後において停留所14に待機している乗客17の数(
図3の場合は1人)を減算することで、第1の乗車人数情報(この場合は2人)を生成してもよい。
【0022】
なお、
図2、
図3では、第1のセンサ11として、第1の着座センサ11_1および第1の床センサ11_2を備える構成例を示したが、本実施の形態では、第1のセンサ11として、第1の着座センサ11_1または第1の床センサ11_2の一方のみを備える構成であってもよい。例えば、椅子16が設置されていない停留所では、第1のセンサ11として第1の床センサ11_2のみを設置してもよい。また、
図2、
図3では、一例として、第1のモニタリング部12を標識15に組み込んだ構成例を示したが、第1のモニタリング部12を設ける場所は特に限定されることはなく、任意の場所に設置することができる。
【0023】
次に、
図1に示す車両システム20について説明する。
図1に示すように、車両システム20は、第2のセンサ21、第2のモニタリング部22、及び車両制御部23を備える。第2のセンサ21は、車両50(
図4参照)に設置されており、当該車両50に搭乗している乗客を検知する。第2のモニタリング部22は、第2のセンサ21で取得した情報を用いて、車両50内における乗客の状態をモニタリングする。例えば、第2のモニタリング部22は、第2のセンサ21で取得した情報を用いて、車両50に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報を生成する。車両制御部23は、運行管理部30からの指示に基づいて、車両50を制御する。
【0024】
例えば、本実施の形態にかかる車両運行管理システム1は、自動運転の車両50に好適に用いることができる。この場合、車両制御部23は、車両50の自動運転を実施するために用いられる。また、本実施の形態にかかる車両運行管理システム1は、自動運転の車両に限らず、人が運転する車両にも用いることができる。この場合、車両システム20は、運転者を補助する役割を果たす。
【0025】
図4は、本実施の形態にかかる車両運行管理システムが備える車両システムの一例を説明するための図である。
図4に示すように、車両システム20は、車両(バス)50に組み込まれたシステムである。車両50は、前方に運転席24と降車口29bがあり、中央に乗車口29aが配置されている。車両50の内部には複数の座席25が設けられている。なお、
図4に示す車両50では、前方に降車口29bが配置され、中央に乗車口29aが配置されている例を示したが、車両50の乗車口および降車口は
図4と逆の構成としてもよい。具体的には、前方に乗車口を配置し、中央に降車口を配置してもよい。また、車両50への出入り口を1つとして、乗車口と降車口を兼用するような構成であってもよい。
【0026】
図4に示す例では、第2のセンサ21として、第2の着座センサ21_1と第2の床センサ21_2とが設けられている。第2の着座センサ21_1は、車両50に設けられた複数の座席25に各々設置されており、乗客26の着座の有無を検知する。なお、
図4では、乗客26が着座している座席25を実線の楕円で示している(
図5においても同様)。第2の着座センサ21_1は、例えばメンブレンスイッチなどのスイッチ素子を用いて構成することができる。例えば、スイッチ素子は、乗客が着座した際に導通状態となり、乗客が起立した際に非導通状態となるスイッチ素子である。また、静電容量センサを用いて第2の着座センサ21_1を構成してもよい。なお、第2の着座センサ21_1は、乗客の着座の有無を検知することができるセンサであれば特に限定されることはない。
【0027】
また、第2の床センサ21_2は、車両50の床に設置されており、車両50内における乗客の状態を検知する。具体的には、第2の床センサ21_2は、乗客27の足27a、27bを検知することで、乗客の状態を検知する。なお、
図4では、起立した乗客27を破線の楕円で示している(
図5においても同様)。例えば、第2の床センサ21_2は、複数の検出セルがマトリックス状に配置されたフロアセンサ、感圧素子を用いた圧力センサ、静電容量を用いた圧力センサ等を用いて構成することができる。なお、第2の床センサ21_2は、乗客の足を検知することができるセンサであれば特に限定されることはない。
【0028】
第2のモニタリング部22は、第2の着座センサ21_1および第2の床センサ21_2で取得した情報を用いて、車両50に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報を生成する。ここで、第2の乗車人数情報とは、停留所14から車両50に乗り込んだ乗客の人数に関する情報であり、車両50側で生成した情報である。
【0029】
図5を用いて具体的に説明すると、停留所14に車両50が到着すると、停留所14で待機していた乗客が車両50に乗車する。このとき、乗客41は、車両50に乗車した後、車両50内を矢印41aに示すように歩いて、座席25に着座する。また、乗客42は、車両50に乗車した後、車両50内を矢印42aに示すように歩いて、座席25に着座する。
【0030】
このとき、第2のモニタリング部22は、第2の床センサ21_2で検知された、車両50に乗車した乗客41、42の足に関するデータを用いて、第2の乗車人数情報を生成することができる。具体的には、第2のモニタリング部22は、第2の床センサ21_2で検知した乗客41、42の足の数に基づいて、車両50に乗車した人数(2人)を求めてもよい。例えば、第2のモニタリング部22は、第2の床センサ21_2で検知した乗客41、42の足の数を2で除算することで、人数を算出することができる。
【0031】
また、第2のモニタリング部22は、第2の着座センサ21_1で検知された、車両50に乗車した乗客41、42の着座データを用いて、第2の乗車人数情報を生成してもよい。具体的には、第2のモニタリング部22は、停留所14に車両50が到着した後、第2の着座センサ21_1で新たに着座を検知した場合、この着座した人数を乗車人数としてもよい。
【0032】
停留所14では車両50から降車する乗客も存在するので、車両50に乗車した乗客の人数を検知するためには、車両50から降車した乗客の人数も検知する必要がある。よって、正確に乗車人数を検知するためには、第2の着座センサ21_1と第2の床センサ21_2の両方を用いて、車両50内の乗客をモニタリングすることが好ましい。一方、車両50に乗車した乗客の人数を所定の精度で検知することができるのであれば、第2のセンサ21として、第2の着座センサ21_1または第2の床センサ21_2の一方のみを備える構成としてもよい。
【0033】
また、
図4、
図5では、一例として、第2のモニタリング部22および車両制御部23を車両50の前方に設置した構成例を示したが、第2のモニタリング部22および車両制御部23を設ける場所は特に限定されることはなく、任意の場所に設置することができる。
【0034】
次に、
図1に示す運行管理部30について説明する。運行管理部30は、車両50の運行を管理する。具体的には、運行管理部30は、停留所システム10および車両システム20と通信可能に構成されている。これにより、運行管理部30には、停留所システム10の第1のモニタリング部12におけるモニタリング結果(停留所14における乗客の状態)、及び車両システム20の第2のモニタリング部22におけるモニタリング結果(車両50内における乗客の状態)が供給される。運行管理部30は、これらのモニタリング結果に基づいて、車両50の運行を管理する。具体的には、運行管理部30は、停留所14に車両50が停車した際に、下記の処理を行う。
【0035】
まず、停留所システム10の第1のモニタリング部12において生成された、車両50に乗車した人数に関する第1の乗車人数情報(停留所14側の乗車人数情報)を第1のモニタリング部12から取得する。また、車両システム20の第2のモニタリング部22において生成された、車両50に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報(車両50側の乗車人数情報)を第2のモニタリング部22から取得する。そして、第1の乗車人数情報の乗車人数と第2の乗車人数情報の乗車人数とが一致する場合、停留所14で待機していた乗客の乗車が完了したと判断する。
【0036】
運行管理部30は、停留所14で待機していた乗客の乗車が完了したと判断した場合、車両50のドアを閉じるように車両制御部23に対して指示を出してもよい。これにより、車両制御部23は、車両50のドアを閉じる制御を行う。
【0037】
更に運行管理部30は、車両50に乗車した乗客の安全が確保されたと判断した場合、車両制御部23に対して走行開始の指示を出してもよい。これにより、車両制御部23は、車両50が走行を開始するように制御する。例えば、運行管理部30は、車両50に乗車した乗客が着座した場合、乗車した乗客の安全が確保されたと判断してもよい。つまり、
図5に示した乗客41、42の着座を第2の着座センサ21_1で検知した場合、乗客41、42の安全が確保されたと判断してもよい。また、運行管理部30は、車両50に乗車した乗客が立ち止まっている状態が所定時間継続した場合、乗車した乗客の安全が確保されたと判断してもよい。
【0038】
また、運転手が車両50を運転している場合、運行管理部30は、停留所14で待機していた乗客の乗車が完了したと判断した際に、運転席24の表示部(不図示)に乗車完了を示すメッセージを表示するようにしてもよい。これにより、運転席24の表示部(不図示)に乗車完了のメッセージが表示されるので、運転手は乗客の乗車完了を把握することができる。また、乗車後に乗客が車内を移動した場合も、運転席24の表示部(不図示)にメッセージが表示されるようにすることで、運転手は乗客の乗車完了を把握することができる。
【0039】
なお、運行管理部30は、複数の停留所システム10および複数の車両システム20と通信可能に構成されていてもよく、この場合、運行管理部30は、複数の停留所システム10のモニタリング結果、及び複数の車両システム20のモニタリング結果に基づいて、複数の車両50の運行を管理することができる。
【0040】
例えば、運行管理部30は、サーバを用いて構成してもよい。また、運行管理部30を設ける場所は特に限定されることはなく、クラウドシステムを用いて構成してもよい。また、停留所システム10に運行管理部30を設けてもよく、車両システム20に運行管理部30を設けてもよい。例えば、中央管理のために運行管理部30を遠隔地に設置してもよい。また、各々の車両50(車両システム20)に分散して運行管理部30を設置してもよい。さらに、中央管理のための遠隔地と各々の車両50(車両システム20)とにそれぞれ、運行管理部30を設置してもよい。
【0041】
次に、本実施の形態にかかる車両運行管理システムの動作について、
図6に示すフローチャートを用いて説明する。以下の動作の説明では、車両50が停留所14に停車し、車両50に乗客が乗車した後、車両50が走行を開始するまでの動作について説明する。なお、前提条件として、運行管理部30は、車両50の現在位置の情報を継続的に取得しているものとする。
【0042】
まず、運行管理部30は、停留所システム10から次の停留所14のモニタリング結果を取得する(ステップS1)。ここで次の停留所14とは、車両50の現在位置を基準として、次に車両50が通過する予定の停留所である。また、モニタリング結果とは、次の停留所14で待機している乗客の有無(人数でもよい)に関する情報である。
【0043】
次の停留所14で乗客の降車・乗車がない場合(ステップS2:No)、運行管理部30は、車両システム20(車両制御部23)に対して次の停留所14を通過するように指示を出す。一方、次の停留所14で乗客の降車・乗車がある場合(ステップS2:Yes)、運行管理部30は、車両システム20(車両制御部23)に対して次の停留所14に停車するように指示を出す。これにより、車両50は、次の停留所14に停車する。
【0044】
運転手が車両50を運転している場合は、次の停留所14で乗客の降車・乗車がある場合、運行管理部30は、運転席24の表示部(不図示)に対して次の停留所14に停車する旨のメッセージを表示するようにしてもよい。
【0045】
その後、車両50が次の停留所14に停車すると(ステップS3)、停留所14で待機していた乗客は車両50への乗車を開始する。このとき、停留所システム10の第1のモニタリング部12は、第1のセンサ11で取得した情報を用いて、車両50に乗車した人数に関する第1の乗車人数情報(つまり、停留所側の乗車人数情報)を生成する。例えば、
図2、
図3に示した例のように、第1のモニタリング部12は、車両50の到着前において停留所14に待機していた乗客の数(
図2の場合は3人)から、車両50に乗客が乗車した後において停留所14に待機している乗客の数(
図3の場合は1人)を減算することで、第1の乗車人数情報(この場合は2人)を生成することができる。運行管理部30は、このようにして生成された第1の乗車人数情報を第1のモニタリング部12(停留所システム10)から取得する(ステップS4)。
【0046】
また、車両システム20の第2のモニタリング部22は、第2のセンサ21で取得した情報を用いて、車両50に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報(つまり、車両側の乗車人数情報)を生成する。例えば
図5に示したように、第2のモニタリング部22は、第2の着座センサ21_1および第2の床センサ21_2で取得した情報を用いて、車両50に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報を生成する。具体的には、第2のモニタリング部22は、第2の床センサ21_2を用いて乗客41、42が移動した軌跡(矢印41a、42a)を検知し、また、第2の着座センサ21_1を用いて乗客41、42の着座を検知することで、第2の乗車人数情報(
図5の場合は2人)を生成することができる。運行管理部30は、このようにして生成された第2の乗車人数情報を第2のモニタリング部22(車両システム20)から取得する(ステップS5)。
【0047】
その後、運行管理部30は、第1の乗車人数情報の乗車人数(停留所側の乗車人数情報)と第2の乗車人数情報の乗車人数(車両側の乗車人数情報)とが一致するか否かを判断する(ステップS6)。そして、運行管理部30は、第1の乗車人数情報の乗車人数と第2の乗車人数情報の乗車人数とが一致する場合、停留所14で待機していた乗客の乗車が完了したと判断する(ステップS6:Yes)。一方、運行管理部30は、第1の乗車人数情報の乗車人数と第2の乗車人数情報の乗車人数とが一致しない場合(ステップS6:No)、再度、ステップS4~ステップS6の動作を繰り返す。
【0048】
そして運行管理部30は、ステップS6において、停留所14で待機していた乗客の乗車が完了したと判断した場合、車両50のドアを閉じるように車両制御部23に対して指示を出す。これにより、車両制御部23は、車両50のドアを閉じる制御を行う(ステップS7)。
【0049】
その後、運行管理部30は、車両50に乗車した乗客の安全が確保されたか否かを判断する(ステップS8)。そして、運行管理部30は、車両50に乗車した乗客の安全が確保されたと判断した場合(ステップS8:Yes)、車両制御部23に対して走行開始の指示を出す。これにより、車両制御部23は、車両50が走行を開始するように制御する(ステップS9)。例えば、運行管理部30は、車両50に乗車した乗客が着座した場合、乗車した乗客の安全が確保されたと判断してもよい。つまり、
図5に示した乗客41、42の着座を第2の着座センサ21_1で検知した場合、乗客41、42の安全が確保されたと判断してもよい。また、運行管理部30は、車両50に乗車した乗客が立ち止まっている状態が所定時間継続した場合、乗車した乗客の安全が確保されたと判断してもよい。その後、車両運行管理システム1は、ステップS1以降の動作を繰り返す。
【0050】
上述の説明では、複数の停留所14に車両50(バス)が順番に停車する場合について説明した。しかし本実施の形態では、例えば、停留所14に乗客が待っていることを検知した際に、停留所14に車両50を新たに向かわせる(配車する)ようにしてもよい。この場合、車両50はバスであってもよく、またタクシーであってもよい。車両50がタクシーである場合は、停留所14はタクシー乗り場であってもよい。
【0051】
以上で説明したように、本実施の形態にかかる車両運行管理システム1において、運行管理部30は、停留所14に車両50が停車した際に、車両50に乗車した人数に関する第1の乗車人数情報(停留所14側の乗車人数情報)を第1のモニタリング部12(停留所システム10)から取得し、車両50に乗車した人数に関する第2の乗車人数情報(車両50側の乗車人数情報)を第2のモニタリング部22(車両システム20)から取得し、第1の乗車人数情報の乗車人数(停留所14側の乗車人数情報)と第2の乗車人数情報の乗車人数(車両50側の乗車人数情報)とが一致する場合、停留所14で待機していた乗客の乗車が完了したと判断している。
【0052】
このように本実施の形態にかかる車両運行管理システム1では、停留所14側の乗車人数情報と車両50側の乗車人数情報とを用いて乗客の乗車完了を判断しているので、乗客が車両に乗車したことを正確に検知することができる。したがって、乗客が車両に乗車したことを正確に検知することが可能な車両運行管理システム、及び車両運行管理方法を提供することができる。
【0053】
また、上述のように、
図1に示した車両システム20の第2のモニタリング部22は、第2のセンサ21で取得した情報を用いて、車両50内における乗客の状態をモニタリングしている。このとき、第2のモニタリング部22は、第2のセンサ21で取得した情報を用いて、車両50の混雑状況に関する情報を生成してもよい。また、このように生成された車両50の混雑状況に関する情報は、停留所14の表示部13(
図2参照)に表示されるようにしてもよい。また、車両50の混雑状況に関する情報は、インターネット等を経由して、携帯インターフェース(ユーザ端末)等により閲覧可能とすることも出来る。
【0054】
例えば、
図1に示す第2のモニタリング部22で生成された車両50の混雑状況に関する情報は、車両50(車両システム20)から運行管理部30に送信される。運行管理部30は、車両50が次に到着する予定の停留所14の停留所システム10に混雑状況に関する情報を送信する。停留所システム10は、受信した混雑状況に関する情報を表示部13(
図2参照)に表示する。このように、停留所14に到着予定の車両50の混雑状況を表示部13に表示することで、待機している乗客に事前に車両50の混雑状況を通知することができる。
【0055】
例えば、車両50の混雑状況に関する情報は、車両50の空席数(つまり、乗客が着座していない座席の数)であってもよい。車両50の空席数は、第2の着座センサ21_1(
図4参照)を用いて検知することができる。
【0056】
また、例えば、車両50の混雑状況に関する情報は、車両50に乗車可能な乗客の人数であってもよい。車両50に乗車可能な乗客の人数は、第2の床センサ21_2(
図4参照)を用いて検知することができる。例えば、第2の床センサ21_2で検出された乗客の足の数を用いることで、車両50に乗車可能な乗客の人数を推定することができる。また、第2の床センサ21_2が圧力を検出している面積に基づいて、車両50に乗車可能な乗客の人数を推定してもよい。この場合は、第2の床センサ21_2が圧力を検出している面積が大きいほど、乗車可能な乗客の人数は少なくなる。更に、第2の床センサ21_2に加えて、第2の着座センサ21_1を用いて、車両50に乗車可能な乗客の人数を推定してもよい。
【0057】
また、本実施の形態にかかる車両運行管理システム1において、運行管理部30は、停留所システム10の第1のモニタリング部12および車両システム20の第2のモニタリング部22の各々からモニタリング結果を取得し、複数の停留所における乗客の乗降者数データを蓄積可能に構成されていてもよい。例えば、運行管理部30は、複数の停留所における過去の乗降者数データを用いて、所定の停留所に到着予定の車両50の混雑状況を予測して、車両50の混雑状況に関する情報を生成してもよい。また、運行管理部30は、このように蓄積された乗降者数データを用いて、所定の停留所間(所定の区間)における車両50の混雑状況を予測して、車両の混雑状況に関する情報を生成してもよい。
【0058】
図7は、本実施の形態にかかる車両運行管理システムが混雑状況に関する情報を生成した場合の一例を説明するための図である。
図7に示す例では、車両(バス)が停留所A、B、C、D・・・の順に停車した場合を示しており、各々の停留所における乗車予測、降車予測、及び各停留所間における乗車人数予測を示している。
【0059】
図7に示すように、停留所Aは始発の停留所であるので降車予測は0人、乗車予測は5人である。このとき、停留所Aと停留所Bとの間の乗車人数予測は5人である。停留所Bでは乗車予測は15人、降車予測は2人である。停留所Bと停留所Cとの間の乗車人数予測は18人である。停留所Cでは乗車予測は13人、降車予測は3人である。停留所Cと停留所Dとの間の乗車人数予測は28人である。停留所Dでは乗車予測は3人、降車予測は10人である。停留所Dと次の停留所との間の乗車人数予測は21人である。
【0060】
このように、運行管理部30は、複数の停留所A、B、C、D・・・、における乗客の乗降者数データを蓄積し、蓄積した複数の停留所における過去の乗降者数データを用いることで、各々の停留所A、B、C、D・・・、における乗車人数、降車人数、及び各停留所間における乗車人数を予測することができる。運行管理部30は、このようにして作成した予測モデルを用いることで、各々の停留所に到着予定の車両50の混雑状況を予測することができる。また、運行管理部30で生成された予測モデル(
図7参照)は、路線の再編、便数の増減の検討など、運行計画を作成する際にも活用することができる。
【0061】
また、運行管理部30は更に、時間帯、曜日、日付、及び天候の少なくとも一つと対応付けて、複数の停留所における乗客の乗降者数データを蓄積してもよい。この場合は、時間帯、曜日、日付、及び天候の少なくとも一つと対応付けて蓄積された乗降者数データを用いて、車両の混雑状況を予測することができる。このように、時間帯、曜日、日付、及び天候の少なくとも一つと対応付けて乗降者数データを蓄積することで、車両の混雑状況の予測の精度を向上させることができる。例えば、朝の時間帯は混雑する、金曜日は混雑する、4月は混雑する、雨の日は混雑するなど、時間帯、曜日、日付、天候と関連づけて、車両の混雑状況を予測することができるので、予測の精度を向上させることができる。
【0062】
また、運行管理部30は、上述の蓄積された乗降者数データを用いて、所定の停留所における車両50に乗車可能な乗客の人数を予測してもよい。そして、停留所に到着予定の車両の混雑状況に関する情報として、運行管理部30において予測された車両50に乗車可能な乗客の人数を、停留所14の表示部13(
図2参照)に表示してもよい。また、運行管理部30において予測された車両50に乗車可能な乗客の人数を、インターネット等を経由して、携帯インターフェース(ユーザ端末)等により閲覧可能とすることも出来る。
【0063】
また、運行管理部30は、停留所システム10および車両システム20の各々からモニタリング結果を継続的に取得し、運行管理部30が管理する路線の状況をリアルタイムに監視してもよい。このようにリアルタイムに監視することで、管理する路線に異常が生じた際に迅速に対応することができる。例えば、運行管理部30は、特定の区間において乗車人数が多いことを検知した場合、その区間において車両を増便するなどの対応をすることができる。
【0064】
また、停留所システム10の第1のモニタリング部12は、停留所14で待っている乗客の待ち時間を検知してもよい。停留所14で待っている乗客の待ち時間は、例えば、第1のセンサ11で乗客を検知し続けている時間を測定することで求めることができる。例えば、このようにして取得した乗客の待ち時間に関する情報は、運行管理部30において混雑状況を予測する際のパラメータとして用いることができる。また、乗客の待ち時間に関する情報は、路線の再編、便数の増減の検討など、運行計画を作成する際にも活用することができる。
【0065】
また、運行管理部30は、上述の蓄積された乗降者数データを用いて、特定の区間における乗車人数を予測し、この予測した乗客の人数が多い場合、その区間において車両を増便してもよい。
【0066】
例えば、運行管理部30は外部のネットワークと接続されていてもよい。このように運行管理部30を外部のネットワークと接続することで、車両50の混雑状況に関する情報を外部のネットワークを介してユーザ端末に配信することができる。例えば、運行管理部30は、車両50のリアルタイムの混雑状況や車両50の混雑状況の予測結果をユーザ端末に配信することができる。ユーザは、ユーザ端末のアプリケーションやウェブサイトから車両50の混雑状況を確認することができる。
【0067】
また、運行管理部30は、各々の停留所14に到着する車両50の待ち時間に関する情報を各々の停留所14の表示部13に表示するようにしてもよい。また、運行管理部30は、このような待ち時間に関する情報を、外部のネットワークを介してユーザ端末に配信するようにしてもよい。更に運行管理部30は、第1のモニタリング部12で検知した、停留所14で待っている乗客の待ち時間に関する情報を、外部のネットワークを介してユーザ端末に配信するようにしてもよい。
【0068】
以上、本発明を上記実施の形態に即して説明したが、本発明は上記実施の形態の構成にのみ限定されるものではなく、本願特許請求の範囲の請求項の発明の範囲内で当業者であればなし得る各種変形、修正、組み合わせを含むことは勿論である。
【符号の説明】
【0069】
1 車両運行管理システム
10 停留所システム
11 第1のセンサ
12 第1のモニタリング部
13 表示部13
14 停留所
15 標識
16 椅子
17、17_1、17_2 乗客
20 車両システム
21 第2のセンサ
22 第2のモニタリング部
23 車両制御部
24 運転席
25 座席
26 乗客
27 乗客
27a、27b 足
29a 乗車口
29b 降車口
30 運行管理部
41、42 乗客
50 車両