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特許7473779タイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】タイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/06 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
B60C23/06 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019236775
(22)【出願日】2019-12-26
(65)【公開番号】P2021104740
(43)【公開日】2021-07-26
【審査請求日】2022-11-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000006714
【氏名又は名称】横浜ゴム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】多田 拡太郎
【審査官】久保田 信也
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-272907(JP,A)
【文献】特開2007-038730(JP,A)
【文献】特開2016-170508(JP,A)
【文献】特開2011-042288(JP,A)
【文献】特開平10-320527(JP,A)
【文献】独国特許出願公開第102010017293(DE,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両が備えるタイヤの側面が写る奥行き画像又は三次元画像である撮影画像を取得する撮影画像取得手段と、
前記撮影画像に表れている画素のうち、前記タイヤの側面が表れている領域内の少なくとも一部の画素の、前記撮影画像が撮影された位置から前記タイヤの表面までの距離を示すデプスの値に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する変形量特定手段と、
前記変形量に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定手段と、
を含むことを特徴とするタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項2】
前記車両が撮影範囲に存在することを検出する検出手段、をさらに含み、
前記撮影画像取得手段は、前記車両が前記撮影範囲に存在することの検出に応じて撮影される前記撮影画像を取得する、
ことを特徴とする請求項1に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項3】
前記判定手段は、1つの前記タイヤについて連続撮影される複数の前記撮影画像に基づいて、当該タイヤの空気圧の低下度を判定する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項4】
前記判定手段は、1つの前記車両に設けられた複数の前記タイヤのそれぞれについて特定される前記変形量の比較結果に基づいて、当該複数の前記タイヤの空気圧の低下度を判定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項5】
前記撮影画像のサイズを変更した画像の一部を切り出すことで、ホイールが表れる領域の大きさが所与の大きさであるターゲット画像を生成するターゲット画像生成手段、をさらに含み、
前記変形量特定手段は、前記ターゲット画像に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項6】
前記撮影画像の一部を切り出した画像のサイズを変更することで、ホイールが表れる領域の大きさが所与の大きさであるターゲット画像を生成するターゲット画像生成手段、をさらに含み、
前記変形量特定手段は、前記ターゲット画像に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項7】
前記ターゲット画像生成手段は、1つの前記車両が備える複数のタイヤのそれぞれについての、当該タイヤの側面が写る前記撮影画像に基づいて、当該タイヤの前記ターゲット画像を生成し、
前記判定手段は、前記複数のタイヤのそれぞれについて当該タイヤの前記ターゲット画像に基づいて特定される前記変形量の比較結果に基づいて、当該複数の前記タイヤの空気圧の低下度を判定する、
ことを特徴とする請求項5又は6に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項8】
前記変形量特定手段は、前記タイヤの側面の湾曲量、又は、前記撮影画像が撮影された位置から前記タイヤの表面までの距離の分布のうちの少なくとも1つを示す前記変形量を特定する、
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のタイヤ空気圧低下度判定装置。
【請求項9】
車両が備えるタイヤの側面が写る奥行き画像又は三次元画像である撮影画像を取得するステップと、
前記撮影画像に表れている画素のうち、前記タイヤの側面が表れている領域内の少なくとも一部の画素の、前記撮影画像が撮影された位置から前記タイヤの表面までの距離を示すデプスの値に基づいて、前記タイヤの変形量を特定するステップと、
前記変形量に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定するステップと、
を含むことを特徴とするタイヤ空気圧低下度判定方法。
【請求項10】
車両が備えるタイヤの側面が写る奥行き画像又は三次元画像である撮影画像を取得する手順、
前記撮影画像に表れている画素のうち、前記タイヤの側面が表れている領域内の少なくとも一部の画素の、前記撮影画像が撮影された位置から前記タイヤの表面までの距離を示すデプスの値に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する手順、
前記変形量に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する手順、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、タイヤから得られる車輪速度に基づいて、4輪タイヤのうち、減圧しているタイヤを特定することができるタイヤ空気圧低下検出方法が記載されている。
【0003】
特許文献2には、車輪の回転速度から、4輪が同時に減圧していることを検出するタイヤ空気圧低下警報方法が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-161127号公報
【文献】特開2006-27298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の技術では、タイヤの減圧を検出するために、タイヤの空気圧の低下を判定するための車輪速センサや角速度センサなどといったセンサをわざわざ設ける必要がある。特許文献2に記載の技術においても同様に、タイヤの減圧を検出するために、車輪の回転速度を検出する手段をわざわざ設ける必要がある。
【0006】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、その目的の一つは、タイヤの空気圧の低下度を容易に判定できるタイヤ空気圧低下度判定装置、タイヤ空気圧低下度判定方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明に係るタイヤ空気圧低下度判定装置は、車両が備えるタイヤの側面が写る奥行き画像又は三次元画像である撮影画像を取得する撮影画像取得手段と、前記撮影画像に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する変形量特定手段と、前記変形量に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する判定手段と、を含む。
【0008】
本発明の一態様では、前記車両が撮影範囲に存在することを検出する検出手段、をさらに含み、前記撮影画像取得手段は、前記車両が前記撮影範囲に存在することの検出に応じて撮影される前記撮影画像を取得する。
【0009】
また、本発明の一態様では、前記判定手段は、1つの前記タイヤについて連続撮影される複数の前記撮影画像に基づいて、当該タイヤの空気圧の低下度を判定する。
【0010】
また、本発明の一態様では、前記判定手段は、1つの前記車両に設けられた複数の前記タイヤのそれぞれについて特定される前記変形量の比較結果に基づいて、当該複数の前記タイヤの空気圧の低下度を判定する。
【0011】
あるいは、前記撮影画像のサイズを変更した画像の一部を切り出すことで、ホイールが表れる領域の大きさが所与の大きさであるターゲット画像を生成するターゲット画像生成手段、をさらに含み、前記変形量特定手段は、前記ターゲット画像に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する。
【0012】
あるいは、前記撮影画像の一部を切り出した画像のサイズを変更することで、ホイールが表れる領域の大きさが所与の大きさであるターゲット画像を生成するターゲット画像生成手段、をさらに含み、前記変形量特定手段は、前記ターゲット画像に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する。
【0013】
上記2つの態様では、前記ターゲット画像生成手段は、1つの前記車両が備える複数のタイヤのそれぞれについての、当該タイヤの側面が写る前記撮影画像に基づいて、当該タイヤの前記ターゲット画像を生成し、前記判定手段は、前記複数のタイヤのそれぞれについて当該タイヤの前記ターゲット画像に基づいて特定される前記変形量の比較結果に基づいて、当該複数の前記タイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。
【0014】
また、本発明の一態様では、前記変形量特定手段は、前記タイヤの高さ、前記タイヤの側面の湾曲量、又は、前記撮影画像が撮影された位置から前記タイヤの表面までの距離の分布のうちの少なくとも1つを示す前記変形量を特定する。
【0015】
また、本発明に係るタイヤ空気圧低下度判定方法は、車両が備えるタイヤの側面が写る奥行き画像又は三次元画像である撮影画像を取得するステップと、前記撮影画像に基づいて、前記タイヤの変形量を特定するステップと、前記変形量に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定するステップと、を含む。
【0016】
また、本発明に係るプログラムは、車両が備えるタイヤの側面が写る奥行き画像又は三次元画像である撮影画像を取得する手順、前記撮影画像に基づいて、前記タイヤの変形量を特定する手順、前記変形量に基づいて、前記タイヤの空気圧の低下度を判定する手順、をコンピュータに実行させる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置の構成の一例を示す図である。
図2】車両の上面の一例を模式的に示す図である。
図3】高速サンプリング期間、前輪撮影期間、後輪撮影期間の関係の一例を模式的に示す図である。
図4】高速サンプリング画像の一例を示す図である。
図5】ターゲット画像の一例を示す図である。
図6】ターゲット画像の一例を示す図である。
図7】ターゲット画像の一例を示す図である。
図8】本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置の機能の一例を示す機能ブロック図である。
図9】本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置で行われる処理の流れの一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10の構成の一例を示す図である。本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10は、パーソナルコンピュータなどのコンピュータである。図1に示すようにタイヤ空気圧低下度判定装置10は、例えば、プロセッサ12、記憶部14、通信部16、表示部18、操作部20、撮影部22を含んでいる。
【0020】
プロセッサ12は、例えばタイヤ空気圧低下度判定装置10にインストールされるプログラムに従って動作するCPU等のプログラム制御デバイスである。
【0021】
記憶部14は、ROMやRAM等の記憶素子やハードディスクドライブなどである。記憶部14には、プロセッサ12によって実行されるプログラムなどが記憶される。
【0022】
通信部16は、例えばネットワークボードなどの通信インタフェースである。
【0023】
表示部18は、液晶ディスプレイ等の表示デバイスであって、プロセッサ12の指示に従って各種の画像を表示する。
【0024】
操作部20は、キーボードやマウスなどといったユーザインタフェースであって、ユーザの操作入力を受け付けて、その内容を示す信号をプロセッサ12に出力する。
【0025】
撮影部22は、三次元画像が撮影可能なステレオカメラや、奥行き画像が撮影可能なデプスカメラなどの撮影デバイスであり、撮影によって生成される三次元画像や奥行き画像をプロセッサ12に出力する。本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10が複数の撮影部22を備えていてもよい。また、撮影部22が、一連の三次元画像を含む三次元動画像や、一連の奥行き画像を含む奥行き動画像を撮影可能なビデオカメラであってもよい。
【0026】
なお、タイヤ空気圧低下度判定装置10は、DVD-ROMやBlu-ray(登録商標)ディスクなどの光ディスクを読み取る光ディスクドライブ、USB(Universal Serial Bus)ポートなどを含んでいてもよい。
【0027】
本実施形態では、撮影部22により撮影される画像に写るタイヤの空気圧の低下度が判定される。
【0028】
図2は、空気圧の低下度が判定されるタイヤを備えた車両30の上面の一例を模式的に示す図である。車両30は、例えば、高速道路の料金所ゲート32を通過する直前であり、低速で走行中である。本実施形態では例えば、車両30は、時速20キロメートル以下で走行していることが想定されている。
【0029】
また、本実施形態では例えば、図2に示すように、撮影部22(22a及び22b)が、撮影方向が車線の中央に向くようにして、車両30が走行する車線の脇に設けられている。図2の例では、撮影部22a及び22bは、撮影方向が車線に対して垂直な方向となるよう配置されている。
【0030】
本実施形態では例えば、撮影部22は、所定のサンプリングレートで画像を撮影する。以下、この状況で撮影される画像を低速サンプリング画像と呼ぶこととする。そして、本実施形態では例えば、低速サンプリング画像に基づいて、車両30が所定の撮影範囲に存在することの検出が行われる。例えば、形状認識技術、色認識技術、パターン認識技術等の画像認識技術を用いた、撮影部22が撮影する低速サンプリング画像からの車両30の像の検出が、車両30が所定の撮影範囲に存在することの検出のトリガに用いられてもよい。
【0031】
そして、車両30が所定の撮影範囲に存在することの検出に応じて、撮影部22は、低速サンプリング画像のサンプリングレートよりも高いサンプリングレートでの撮影を開始するよう制御される。以下、この状況で撮影される画像を高速サンプリング画像と呼ぶこととする。例えば、低速サンプリング画像に車両30が写っていることが確認された際に、高速サンプリング画像の撮影が開始される。高速サンプリング画像は、所定の時間間隔で撮影されてもよい。
【0032】
本実施形態では例えば、撮影部22aによって、車両30の右前輪34の側面及び右後輪36の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される。また、撮影部22bによって、車両30の左前輪38の側面及び左後輪40の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される。
【0033】
そして本実施形態では、高速サンプリング画像に車両30が写っていないことが確認された際に、高速サンプリング画像の撮影は終了される。
【0034】
図3に示すように、以下、このようにして一連の高速サンプリング画像が撮影される期間を高速サンプリング期間tと呼ぶこととする。
【0035】
本実施形態では例えば、高速サンプリング期間tには、前輪の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される前輪撮影期間t1、及び、後輪の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される後輪撮影期間t2が含まれる。
【0036】
例えば、撮影部22aによって、前輪撮影期間t1には、右前輪34の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される。そして、後輪撮影期間t2には、右後輪36の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される。
【0037】
また例えば、撮影部22bによって、前輪撮影期間t1には、左前輪38の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される。そして、後輪撮影期間t2には、左後輪40の側面が写る高速サンプリング画像が撮影される。
【0038】
本実施形態では例えば、高速サンプリング期間tに連続撮影された一連の高速サンプリング画像のうちから、前輪撮影期間t1に撮影された一連の高速サンプリング画像、及び、後輪撮影期間t2に撮影された一連の高速サンプリング画像が特定される。
【0039】
本実施形態では例えば、形状認識技術、色認識技術、パターン認識技術等の画像認識技術を用いて、高速サンプリング期間tに連続撮影された一連の高速サンプリング画像のうちから、タイヤの側面が写る複数の高速サンプリング画像が特定される。
【0040】
図3の例では、高速サンプリング画像の撮影が開始されるとまずはタイヤの側面が写っていない高速サンプリング画像が連続撮影される。その後、前輪が写る高速サンプリング画像が連続撮影される。そしてその後、前輪も後輪も高速サンプリング画像に写らない高速サンプリング画像が連続撮影される期間を経た後、後輪が写る高速サンプリング画像が連続撮影される。
【0041】
以上のことから、タイヤの側面が写る複数の高速サンプリング画像は、早いタイミングに撮影された一連の高速サンプリング画像と、遅いタイミングに撮影された一連の高速サンプリング画像と、に分類可能である。そして、早いタイミングに撮影された一連の高速サンプリング画像が、前輪撮影期間t1に撮影された高速サンプリング画像として特定される。また、遅いタイミングに撮影された一連の高速サンプリング画像が、後輪撮影期間t2に撮影された高速サンプリング画像として特定される。
【0042】
以上のようにして、撮影部22aが撮影した一連の高速サンプリング画像から、右前輪34の側面が写る一連の高速サンプリング画像、及び、右後輪36の側面が写る一連の高速サンプリング画像が特定される。また、撮影部22bが撮影した一連の高速サンプリング画像から、左前輪38の側面が写る一連の高速サンプリング画像、及び、左後輪40の側面が写る一連の高速サンプリング画像が特定される。
【0043】
なお、高速サンプリング画像に前輪の側面も後輪の側面も写ることが考えられる。この場合は、前輪撮影期間t1と後輪撮影期間t2とは一部が重複することとなる。
【0044】
図4は、撮影部22bによって撮影される、左前輪38が写る高速サンプリング画像の一例を示す図である。そして、本実施形態では例えば、図4に示す高速サンプリング画像に基づいて、図5に例示するターゲット画像が生成される。
【0045】
ここでは例えば、例えば形状認識技術、色認識技術、パターン認識技術等の画像認識技術を用いて高速サンプリング画像からタイヤの側面が写っている四角形の領域であるターゲット領域42を切り出すことにより、ターゲット画像が生成されてもよい。
【0046】
ここで、高速サンプリング画像からターゲット領域42を切り出すことにより、部分画像が生成されてもよい。そしてホイール44が表れる領域の大きさが所定の大きさとなるよう当該部分画像をサイズ変更(拡大又は縮小)することにより、ターゲット画像が生成されてもよい。例えば、ホイール44が表れる領域の直径の画素数が所定画素数rとなるよう当該部分画像をサイズ変更することにより、ターゲット画像が生成されてもよい。また、ホイール44が表れる領域の形状が正円となるよう当該部分画像に対してアフィン変換等による変形を行うことにより、ターゲット画像が生成されてもよい。
【0047】
あるいは、ホイール44が表れる領域の大きさが所定の大きさとなるよう高速サンプリング画像をサイズ変更した画像が生成されてもよい。例えば、ホイール44が表れる領域の直径の画素数が所定画素数rとなるよう高速サンプリング画像をサイズ変更した画像が生成されてもよい。ここで、ホイール44が表れる領域の形状が正円となるよう高速サンプリング画像に対してアフィン変換等による変形をした画像に対してサイズ変更が行われた画像が生成されてもよい。そしてサイズ変更された画像からタイヤの側面が写っている領域の画像を切り出すことで、ターゲット画像が生成されてもよい。
【0048】
そして本実施形態では例えば、ターゲット画像に基づいて、当該ターゲット画像に写るタイヤの変形量dが特定される。
【0049】
ここで例えば、空気圧が低下するとタイヤの高さが低くなることを踏まえて、図5に示すように、タイヤの高さに相当する画素数hを示す値が、タイヤの変形量dを示す値として特定されてもよい。
【0050】
また、空気圧が低下するとタイヤの上部と下部との膨らみの差が大きくなることを踏まえて、タイヤの側面の湾曲量cを示す値が、タイヤの変形量dを示す値として特定されてもよい。ここで例えば、ターゲット画像においてタイヤの側面が表されている画素のそれぞれについて、高速サンプリング画像が撮影された位置からタイヤの表面までの距離が特定されてもよい。例えば、撮影部22が配置されている位置が、高速サンプリング画像が撮影された位置に相当する。以下、高速サンプリング画像が撮影された位置からタイヤの表面までの距離をデプスと呼ぶこととする。そしてデプスの最大値から最小値を引いた値が、湾曲量cを示す値として特定されてもよい。
【0051】
また例えば、図6に示すように、ターゲット画像内の、タイヤの側面が表れている領域内における相対的な位置がそれぞれ予め定められている、上領域46及び下領域48が特定されてもよい。上領域46には、タイヤの側面の上部の一部が表れており、下領域48には、タイヤの側面の下部の一部が表れている。
【0052】
そして、上領域46内の画素のそれぞれについてデプスが特定されてもよい。また、下領域48内の画素のそれぞれについてデプスが特定されてもよい。
【0053】
そして、上領域46内の画素について特定されたデプスの最大値から下領域48内の画素について特定されたデプスの最小値を引いた値が、湾曲量cを示す値として特定されてもよい。
【0054】
また、空気圧が低下するにつれてタイヤの膨らみが変化することを踏まえて、図7に示すように、ターゲット画像内においてタイヤの側面が表れている側面領域50内の各画素についてのデプスの分布を示す値が、タイヤの変形量dを示す値として特定されてもよい。以下、側面領域50内の各画素についてのデプスの分布を、サイドプロファイルpと呼ぶこととする。
【0055】
ここで例えば、ターゲット画像に表れているホイール44の中心に相当する画素についてのデプスである基準デプスz1が特定されてもよい。そして、側面領域50内の各画素についてのデプスと基準デプスz1との差を示す値z2が特定されてもよい。そして、このようにして特定される、側面領域50内の各画素についての値z2の分布が、サイドプロファイルpを示す値として特定されてもよい。
【0056】
なお、サイドプロファイルpを示す値として、側面領域50内のすべての各画素についてのデプスの分布を示す値が用いられてもよいし、側面領域50内の特定の領域内の各画素についてのデプスの分布を示す値が用いられてもよい。
【0057】
本実施形態では、車両30が備える4つのタイヤのそれぞれについての変形量dが特定される。
【0058】
ここで例えば、タイヤの側面が写る一連の高速サンプリング画像のうちから任意の1つが選択されてもよい。例えば、前輪撮影期間t1の真ん中に撮影された高速サンプリング画像や、後輪撮影期間t2の真ん中に撮影された高速サンプリング画像が選択されてもよい。そして、選択された1つの高速サンプリング画像について上述の処理が実行されることにより、当該タイヤの変形量dが特定されてもよい。
【0059】
あるいは例えば、タイヤの側面が写る一連の高速サンプリング画像の一部又は全部について上述の処理が実行されて、当該高速サンプリング画像に対応する変形量dが特定されてもよい。そして、このようにして特定される変形量dの代表値(例えば、平均値)が、当該タイヤの変形量dとして特定されてもよい。
【0060】
そして、4つのタイヤのそれぞれについて特定される4つの変形量dの比較結果に基づいて、各タイヤの空気圧の低下度が判定される。ここで例えば、変形量dを示す値の差に基づいて、各タイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0061】
例えば、右前輪34、右後輪36、左前輪38、及び、左後輪40について、それぞれ、変形量を示す値d1、d2、d3、及び、d4が特定されたとする。このとき、d1の値とd2の値との差、d1の値とd3の値との差、d1の値とd4の値との差のいずれもが、所定の閾値よりも大きい場合は、右前輪34の空気圧が低下していると判定されてもよい。
【0062】
また例えば、変形量dの分散を示す値が所定の閾値よりも大きい場合に、変形量dを示す値が4つのタイヤについての変形量dの平均値から最も離れているタイヤの空気圧が低下していると判定されてもよい。
【0063】
ここで変形量dの値として、例えば、上述のタイヤの高さに相当する画素数hが用いられてもよい。
【0064】
また、変形量dの値として、例えば、上述の湾曲量cを示す値が用いられてもよい。
【0065】
また、変形量dの値として、例えば、上述のサイドプロファイルpを示す値が用いられてもよい。
【0066】
この場合、例えば、側面領域50内のすべての画素について上述の値z2を合計した値が、サイドプロファイルpを示す値として用いられてもよい。
【0067】
あるいは、例えば、2つのターゲット画像に関し、側面領域50内の互いに対応付けられる画素についての上述の値z2の差の二乗和が特定されてもよい。そしてこのようにして特定される差の二乗和が、これら2つのターゲット画像に対応付けられる2つのタイヤについてのサイドプロファイルpを示す値の差として用いられてもよい。
【0068】
また、画素数hを示す値、湾曲量cを示す値、及び、サイドプロファイルpを示す値のうちの複数の組合せが、変形量dの値として用いられてもよい。また、画素数hを示す値、湾曲量cを示す値、及び、サイドプロファイルpを示す値以外のものが、変形量dの値として用いられてもよい。
【0069】
以上のようにして本実施形態によれば、車輪速センサや角速度センサなどといったセンサを設けることなく、タイヤの側面を撮影した画像を用いてタイヤの空気圧の低下度を容易に判定できることとなる。
【0070】
なお、本発明の適用範囲は、車両30が料金所ゲート32付近を走行している状況に限定されない。また、本発明は、車両30が停車している状況でも適用可能である。
【0071】
例えば、ガソリンスタンドや駐車場での車両30の停車の検出に応じて撮影される画像に基づいて、車両30が備えるタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。また、ガソリンスタンドや駐車場出入口において車両30が低速走行している際に撮影される画像に基づいて、車両30が備えるタイヤの空気圧の低下度が判定されてもよい。
【0072】
以下、タイヤ空気圧低下度判定装置10に実装されている機能、及び、タイヤ空気圧低下度判定装置10で行われる処理についてさらに説明する。
【0073】
図8は、本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10で実装される機能の一例を示す機能ブロック図である。なお、本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10で、図8に示す機能のすべてが実装される必要はなく、また、図8に示す機能以外の機能が実装されていても構わない。
【0074】
図8に示すように、タイヤ空気圧低下度判定装置10には、機能的には例えば、検出部60、撮影制御部62、撮影画像取得部64、ターゲット画像生成部66、変形量特定部68、空気圧低下度判定部70、が含まれる。
【0075】
以上の機能は、コンピュータであるタイヤ空気圧低下度判定装置10にインストールされた、以上の機能に対応する指令を含むプログラムをプロセッサ12で実行することにより実装されてもよい。このプログラムは、例えば、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等のコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体を介して、あるいは、インターネットなどを介してタイヤ空気圧低下度判定装置10に供給されてもよい。
【0076】
検出部60は、本実施形態では例えば、車両30が所定の撮影範囲に存在することを検出する。例えば上述のように、検出部60は、撮影部22が撮影する低速サンプリング画像に基づいて、車両30が所定の撮影範囲に存在することを検出してもよい。なお、車両30が所定の撮影範囲に存在することの検出方法は、低速サンプリング画像に基づく方法には限定されない。
【0077】
撮影制御部62は、本実施形態では例えば、車両30が所定の撮影範囲に存在することの検出に応じて、車両30が備えるタイヤの側面が写る画像を撮影するよう撮影部22を制御する。例えば、撮影部22が撮影する低速サンプリング画像から車両30の像が検出された際に、撮影制御部62は、高速サンプリング画像の撮影開始指示を当該撮影部22に送信してもよい。そして、撮影開始指示を受信した撮影部22は、高速サンプリング画像の撮影を開始してもよい。
【0078】
撮影画像取得部64は、本実施形態では例えば、車両30が備えるタイヤの側面が写る奥行き画像又は三次元画像である撮影画像を取得する。撮影画像取得部64は、例えば、車両30が上述の撮影範囲に存在することの検出に応じて撮影される、上述の高速サンプリング画像を取得する。
【0079】
ターゲット画像生成部66は、本実施形態では例えば、高速サンプリング画像に基づいて、ターゲット画像を生成する。
【0080】
ターゲット画像生成部66は、高速サンプリング画像のサイズを変更した画像の一部を切り出すことで、ホイール44が表れる領域の大きさが所与の大きさであるターゲット画像を生成してもよい。
【0081】
あるいは、ターゲット画像生成部66は、高速サンプリング画像の一部を切り出した画像のサイズを変更することで、ホイール44が表れる領域の大きさが所与の大きさであるターゲット画像を生成してもよい。
【0082】
また、ターゲット画像生成部66は、1つの車両30が備える複数のタイヤのそれぞれについての、当該タイヤの側面が写る撮影画像に基づいて、当該タイヤのターゲット画像を生成してもよい。
【0083】
ここで上述のように、ホイール44が表れる領域の大きさが所定の大きさであるターゲット画像が生成されてもよい。あるいは、基準となるタイヤが写る高速サンプリング画像においてホイール44が表れている領域の大きさが基準サイズとして特定されてもよい。そして、他のタイヤについては、ホイール44が表れる領域の大きさが、上述の基準サイズであるターゲット画像が生成されてもよい。
【0084】
例えば、右後輪36、左前輪38、左後輪40が写る高速サンプリング画像が、ホイール44が表れている領域の大きさが、右前輪34が写る高速サンプリング画像においてホイール44が表れている領域の大きさと同じになるようサイズ変更されてもよい。ここで、右前輪34と右後輪36とでは、ホイール44が表れている領域の大きさが概ね同じである可能性が高い。このことを踏まえ、左前輪38、左後輪40が写る高速サンプリング画像のみが、ホイール44が表れている領域の大きさが、右前輪34が写る高速サンプリング画像においてホイール44が表れている領域の大きさと同じになるようサイズ変更されてもよい。
【0085】
ターゲット画像においてホイール44が表れる領域の大きさを所与の大きさとすることで、車両30が車線の中央を走行していなくても、4つのタイヤのそれぞれについてのターゲット画像におけるタイヤの側面が表れている領域の大きさを揃えることができる。
【0086】
また、上述のように、ターゲット画像に表れるホイール44の形状が正円となるよう、ターゲット画像生成部66が、高速サンプリング画像又は高速サンプリング画像の一部を切り出した画像に対してアフィン変換等の変形を行ってもよい。
【0087】
変形量特定部68は、本実施形態では例えば、タイヤの側面が写る撮影画像に基づいて、当該タイヤの変形量dを特定する。変形量特定部68は、ターゲット画像に基づいて、当該ターゲット画像に写るタイヤの変形量dを特定してもよい。
【0088】
変形量特定部68は、上述のように、タイヤの高さ、タイヤの側面の湾曲量c、又は、高速サンプリング画像が撮影された位置からタイヤの表面までの距離(上述のデプス)の分布のうちの少なくとも1つを示す変形量dを特定してもよい。
【0089】
空気圧低下度判定部70は、本実施形態では例えば、タイヤの変形量dに基づいて、当該タイヤの空気圧の低下度を判定する。
【0090】
空気圧低下度判定部70は、上述のように、1つのタイヤについて連続撮影される複数の高速サンプリング画像に基づいて、当該タイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。また、空気圧低下度判定部70は、1つの車両30に設けられた複数のタイヤのそれぞれについて特定される変形量dの比較結果に基づいて、当該複数のタイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。また、空気圧低下度判定部70は、複数のタイヤのそれぞれについて当該タイヤのターゲット画像に基づいて特定される変形量dの比較結果に基づいて、当該複数のタイヤの空気圧の低下度を判定してもよい。
【0091】
ここで、本実施形態に係るタイヤ空気圧低下度判定装置10で行われる学習処理の流れの一例を、図9に例示するフロー図を参照しながら説明する。なお本処理例では、高速サンプリング画像の撮影タイミングは、撮影部22aと撮影部22bとで同期がとられており、撮影部22aと撮影部22bとが同時に高速サンプリング画像を撮影することとする。
【0092】
まず、検出部60によって車両30が所定の撮影範囲に存在することが検出されるまで待機する(S101)。S101に示す処理における検出は、例えば、撮影部22aによって撮影される低速サンプリング画像、あるいは、撮影部22bによって撮影される低速サンプリング画像に基づいて行われる。
【0093】
検出部60によって車両30が所定の撮影範囲に存在することが検出されると、撮影制御部62は、撮影部22a及び撮影部22bに、高速サンプリング画像の撮影開始指示を送信する(S102)。撮影部22a及び撮影部22bは、当該撮影開始指示の受信に応じて、高速サンプリング画像の撮影を開始する。
【0094】
そして、撮影画像取得部64が、撮影部22aによって撮影された高速サンプリング画像、及び、撮影部22bによって撮影された高速サンプリング画像を取得する(S103)。
【0095】
そして、検出部60は、S103に示す処理で取得された高速サンプリング画像に、車両30が写っているか否かを確認する(S104)。ここで例えば、撮影部22aによって撮影された高速サンプリング画像に車両30が写っているか否かが確認されてもよい。あるいは、撮影部22bによって撮影された高速サンプリング画像に車両30が写っているか否かが確認されてもよい。
【0096】
ここで、写っていることが確認された場合は(S104:Y)、撮影部22a及び撮影部22bによって新たに撮影された高速サンプリング画像に基づくS103に示す処理が実行される。
【0097】
S103に示す処理で取得された高速サンプリング画像に車両30が写っていないことが確認されたとする(S104:N)。この場合は、ターゲット画像生成部66が、S103に示す処理で取得された一連の高速サンプリング画像のうちから、4つのタイヤのそれぞれについて、当該タイヤの側面が写る高速サンプリング画像を特定する(S105)。
【0098】
ここでは例えば、撮影部22aによって撮影された一連の高速サンプリング画像のうちから、右前輪34の側面が写る一連の高速サンプリング画像、及び、右後輪36の側面が写る一連の高速サンプリング画像が特定される。また、撮影部22bによって撮影された一連の高速サンプリング画像のうちから、左前輪38の側面が写る一連の高速サンプリング画像、及び、左後輪40の側面が写る一連の高速サンプリング画像が特定される。
【0099】
そして、ターゲット画像生成部66が、車両30が備える4つのタイヤのそれぞれについて、当該タイヤが写るターゲット画像を生成する(S106)。ここでは例えば、4つのタイヤのそれぞれについて、少なくとも1つのターゲット画像が生成される。
【0100】
そして、変形量特定部68が、S106に示す処理で生成されたターゲット画像に基づいて、当該ターゲット画像に写るタイヤの変形量dを特定する(S107)。ここで、変形量特定部68は、1つのタイヤの側面が写る複数のターゲット画像のそれぞれについて特定される変形量dに基づいて、当該ターゲット画像に写るタイヤの変形量dを特定してもよい。
【0101】
そして、空気圧低下度判定部70が、S107に示す処理で4つのタイヤのそれぞれについて特定された変形量dに基づいて、各タイヤの空気圧の低下度を判定する(S108)。ここでは例えば、空気圧が低下しているタイヤが判定されてもよい。
【0102】
そして、撮影制御部62が、撮影部22a及び撮影部22bに、低速サンプリング画像の撮影開始指示を送信して(S109)、本処理例に示す処理は終了される。撮影部22a及び撮影部22bは、当該撮影開始指示の受信に応じて、低速サンプリング画像の撮影を開始する。
【0103】
上述の処理例において、例えば、S103に示す処理で取得された高速サンプリング画像にタイヤの側面が写っているか否かが判定されてもよい。そして、写っていると判定される際に、ターゲット画像生成部66が、当該高速サンプリング画像に基づいて、ターゲット画像を生成してもよい。
【0104】
また、本実施形態において、4つのタイヤの変形量dの比較結果に基づいて、空気圧の低下度が判定される必要はない。
【0105】
例えば、ターゲット画像に基づいて特定される湾曲量cを示す値が所定値よりも大きい場合は、当該ターゲット画像に写るタイヤの空気圧が低下していると判定されてもよい。
【0106】
また例えば、ターゲット画像に基づいて特定されるサイドプロファイルpを示す値が所定の条件を満足する場合は、当該ターゲット画像に写るタイヤの空気圧が低下していると判定されてもよい。例えば、側面領域50内の各画素についてのデプスの分散が所定値よりも大きい場合は、当該側面領域50を含むターゲット画像に写るタイヤの空気圧が低下していると判定されてもよい。
【0107】
なお、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0108】
また、上記の具体的な数値や文字列、並びに、図面中の具体的な数値や文字列は例示であり、これらの数値や文字列には限定されない。
【符号の説明】
【0109】
10 タイヤ空気圧低下度判定装置、12 プロセッサ、14 記憶部、16 通信部、18 表示部、20 操作部、22,22a,22b 撮影部、30 車両、32 料金所ゲート、34 右前輪、36 右後輪、38 左前輪、40 左後輪、42 ターゲット領域、44 ホイール、46 上領域、48 下領域、50 側面領域、60 検出部、62 撮影制御部、64 撮影画像取得部、66 ターゲット画像生成部、68 変形量特定部、70 空気圧低下度判定部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9