(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/34 20120101AFI20240417BHJP
【FI】
G06Q50/34
(21)【出願番号】P 2020102882
(22)【出願日】2020-06-15
【審査請求日】2023-03-07
(73)【特許権者】
【識別番号】500033117
【氏名又は名称】株式会社MIXI
(74)【代理人】
【識別番号】100152984
【氏名又は名称】伊東 秀明
(74)【代理人】
【識別番号】100149401
【氏名又は名称】上西 浩史
(72)【発明者】
【氏名】猪子 敏行
【審査官】▲高▼瀬 健太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-085852(JP,A)
【文献】特開2019-121023(JP,A)
【文献】特開2017-111616(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける受付部と、
前記競技の結果に基づいて配当を決定する決定部と、
前記競技の結果が確定した後に、前記ユーザの投票が的中した場合に、前記ユーザの確定した配当により交換可能な特定商品を示す画面を表示し、前記ユーザの投票が的中しなかった場合には、当該画面を表示しない、表示制御部と、
前記配当をユーザに付与する前に前記配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する
指示を前記ユーザから受け付けた場合に、前記特定商品と、消費後の前記配当に相当する価値とを前記ユーザに付与する付与部と、
を有する情報処理装置。
【請求項2】
前記付与部は、前記消費後の前記配当の少なくとも一部を、前記投票に使用可能な第1価値として前記ユーザに付与可能であり、
前記特定商品は、前記配当を消費して交換する場合とは
必要となる価値の量が異なる条件で前記第1価値を消費して取得可能である、請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記付与部は、前記配当の全てを第2価値として前記ユーザに付与可能であり、
前記特定商品は、前記配当を消費して交換する場合とは
必要となる価値の量が異なる条件で前記第2価値を消費して取得可能である、請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記競技の情報に基づいて特定される1以上の商品のうちから前記特定商品を決定する
交換部をさらに有する、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記交換部は、前記1以上の商品のうちから前記配当の額に基づいて前記特定商品を決定する、請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記投票を受け付ける画面に前記投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な商品に関する情報を表示させる表示制御部をさらに有する、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、複数の商品のうち、前記投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な商品と、交換不可能な商品とを識別可能に前記画面に表示させる、請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記ユーザに付与した前記配当を、前記競技の属性ごとに蓄積して記憶する記憶部
と、
蓄積された前記配当のうち少なくとも一部を消費して前記特定商品に交換する
交換部と、をさらに有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
コンピュータが、競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける工程と、
コンピュータが、前記競技の結果に基づいて配当を決定する工程と、
コンピュータが、前記競技の結果が確定した後に、前記ユーザの投票が的中した場合に、前記ユーザの確定した配当により交換可能な特定商品を示す画面を表示し、前記ユーザの投票が的中しなかった場合には、当該画面を表示しない、工程と、
コンピュータが、
前記配当をユーザに付与する前に前記配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する
指示を前記ユーザから受け付けた場合に、前記特定商品と、消費後の前記配当に相当する価値とを前記ユーザに付与する工程と、
を実行する情報処理方法。
【請求項10】
競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける工程と、
前記競技の結果に基づいて配当を決定する工程と、
前記競技の結果が確定した後に、前記ユーザの投票が的中した場合に、前記ユーザの確定した配当により交換可能な特定商品を示す画面を表示し、前記ユーザの投票が的中しなかった場合には、当該画面を表示しない、工程と、
前記配当をユーザに付与する前に前記配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する
指示を前記ユーザから受け付けた場合に、前記特定商品と、消費後の前記配当に相当する価値とを前記ユーザに付与する工程と、
をコンピュータに実行させるように構成されたプログラム。
【請求項11】
競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける受付部と、
前記競技の結果に基づいて配当を決定する決定部と、
前記競技の結果が確定した後に、前記ユーザの投票が的中した場合に、前記ユーザの確定した配当により交換可能な特定商品を示す画面を表示し、前記ユーザの投票が的中しなかった場合には、当該画面を表示しない、表示制御部と、
前記配当をユーザに付与する前に前記配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する指示を前記ユーザから受け付けた場合に、前記特定商品と、消費後の前記配当に相当する価値とを前記ユーザに付与する付与部と、
を有する情報処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、競馬、競艇、競輪又はオートレース等の競技において、ユーザから競技結果を予想した投票を受け付け、その投票したユーザに対し、競技結果に基づいて配当を付与するシステムが知られている。
【0003】
例えば、特許文献1には、キャッシュレス態様で競技の結果に対する投票を受け付けるシステムであって、予想が的中した場合に付与する的中金(配当)を、競技主催者の管理下にあって投票者(ユーザ)には未払い状態の的中金と、投票者の支配下に移行させた状態の払戻金と、の二つの項目に分けて保持し、投票者が的中金の用途、すなわち、競技主催者に預けたまま繰り越して後日現金として払い戻すか、又は、当日の新たな投票資金として利用するか、について設定することができるシステム、が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1のようなシステムでは、配当である的中金の用途は、競技主催者に預けたまま繰り越して後日現金として払い戻すか、又は、当日の新たな投票資金として利用するか、のいずれかの選択肢しか存在しない。そのため、予想が的中したときに付与される配当の用途についての多様性に乏しく、ユーザの利便性を欠いていた。
【0006】
そこで、本発明は、配当の用途に関する選択肢を広げ、ユーザの利便性を向上させることが可能な情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理装置は、競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける受付部と、競技の結果に基づいて配当を決定する決定部と、配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する交換部と、特定商品と、消費後の配当に相当する価値とをユーザに付与する付与部と、を有する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一態様によれば、競技の結果に基づく配当のうち少なくとも一部を特定商品に交換してユーザに付与することにより、配当の用途に関する選択肢を広げ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を含む競技管理システムの概念図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る情報処理装置、端末、及び公営競技サーバの各々のハードウェア構成を示す図である。
【
図3】本発明の一実施形態に係る端末の機能の説明図である。
【
図4】本発明の一実施形態に係る情報処理装置を構成する競技管理サーバの機能の説明図である。
【
図5】本発明の投票情報テーブルの一例を示す図である。
【
図6】本発明のユーザ情報テーブルの一例を示す図である。
【
図7】本発明の特定商品情報テーブルの一例を示す図である。
【
図8】本発明の一実施形態に係る公営競技サーバの機能の説明図である。
【
図9】競技管理処理の流れを示すフローチャートである。
【
図10】特定商品表示処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の情報処理装置、情報処理方法及びプログラムについて、添付の図面に示す好適な実施形態を参照しながら詳細に説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明の理解を容易にするために挙げた一例にすぎず、本発明を限定するものではない。すなわち、本発明は、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、以下に説明する実施形態から変更又は改良され得る。また、当然ながら、本発明には、その等価物が含まれる。
【0011】
<競技管理システムSの概要>
図1に示される通信システム(以下、競技管理システムSという。)は、本発明の一実施形態に係る情報処理装置、すなわち、競技管理サーバ30を含む通信システムである。
競技管理システムSは、競技の開催に関連する管理業務及び運営業務全般を担うコンピュータシステムであり、例えば、ユーザUに対して、競技情報を提供し、投票券の発売及び払戻等のサービス(以下、競技管理サービスという。)を行う。具体的には、競技の結果(競争対象の着順等の結果)を予想した投票をユーザUから受け付け、競技の結果に基づいて配当を決定し、その配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換し、その特定商品と消費後の配当に相当する価値とをユーザUに付与する。
【0012】
「競技」とは、例えば、競馬、競艇、競輪又はオートレース等の公営競技等をいう。ユーザUは、競技の結果を予想して馬券、舟券又は車券等の投票券を通貨又はポイント等の所定の価値を用いて購入することにより、競技の結果に対して投票を行うことができ、予想が的中した場合には、オッズに応じた配当(的中に対しての払戻)を通貨又はポイント等の所定の価値で得ることができる。
【0013】
「公営競技」とは、公営賭博又は公営ギャンブル等ともいい、主催者である地方自治体又は特殊法人等の公的機関が賭博として開催するスポーツ競技をいう。なお、本実施形態においては、競技関係業務、競技実施業務及びその他の競技補助業務等を実際に行う特殊法人又は財団法人等の統括組織も広義の主催者に含める。
公営競技は、複数の主催者によりそれぞれ開催、すなわち、地方自治体等ごとに開催されており、各公営競技の売上の一部は、その公営競技の主催者である地方自治体等の財源となる。例えば、通貨を用いて投票券を購入する場合、投票券の売上のうち75%は払戻金に充てられ、残り25%のうち7%は収益金として地方自治体等が受け取り、18%は競技対象への賞金又は賃金若しくは委託料等の諸経費に充てられる。
【0014】
「価値」とは、競技の結果に対する投票に使用可能であり、且つ、配当としてユーザUに付与される媒体の総称をいう。価値には、例えば、通貨及びポイント等が含まれる。
【0015】
「通貨」とは、第2価値に相当するものであり、一般社会においてモノやサービスとの交換に用いられる、所謂「お金」を意味する。本実施形態の通貨は、紙幣又は硬貨等の現金通貨であってもよいし、普通預金又は当座預金等の預金通貨であってもよい。
【0016】
「ポイント」とは、第1価値に相当するものであり、通貨とは異なる価値を有するものである。ポイントは、競技の結果に対する投票価値、及び、後述する特定商品との交換価値を有する媒体として、少なくとも競技管理システムS内において点数又は仮想通貨の類として取り扱われるものである。
【0017】
「オッズ」とは、払戻の倍率をいい、投票した価値が的中した場合に、何倍の価値になって払い戻されるかを示す数値をいう。本実施形態においては、オッズは、既知の配当決定方法であるパリミュチュエル方式により算出されるが、パリミュチュエル方式に限らず、ブックメーカー方式等の他の配当決定方法により算出されるものであってもよい。また、本実施形態のオッズは、競技の主催者が定めるオッズ(公営競技の公式オッズ)に準じて決定されるため、ユーザU自身又は他人の通貨による投票状況によってリアルタイムで変動することもある。
【0018】
「配当」とは、ユーザUの投票行為に対し、競技の結果及びオッズに基づいてユーザUに付与(払戻)される価値である。例えば、ユーザUが競技の結果を予想し、通貨を用いて投票を行った結果、その予想が的中した場合には、オッズに基づいて算出された金額(的中額)に相当する通貨が、配当として、ユーザUに対して付与される。このとき、配当の全額を通貨で付与してもよいし、配当の一部を後述する特定商品に予め交換した後、残りの配当を通貨で付与してもよい。なお、通貨を用いた投票に対しては、通貨又はポイントを配当として付与し、ポイントを用いた投票に対しては、ポイントを配当として付与するが、これに限定されるものではない。
また、配当は、競技の種類別、主催者別又は実施競技場別等、競技の情報又は競技の属性ごとに関連付けて、所定期間(又は無期限でもよい。)蓄積することができる。蓄積した配当は、ユーザUが任意のタイミングで後述する特定商品と交換することもできる。
【0019】
「競技情報」とは、番組表、オッズ、専門家等の予想、競技映像、競技結果、及び、払戻に関する情報等をいう。
ここで、番組表とは、各競技に出場する競争対象(競争選手又は競走馬等)の一覧表であって、競争対象の基礎的な情報及び過去成績等の予想の参考となる情報が付属したものを含む。例えば、競技が競輪であれば、開催場ごとに一日約9~12レース実施されるが、複数の開催場(例えば43場)の情報をまとめた番組表、開催場ごとの番組表又はレースごとの番組表等を含む。また、番組表には、競争対象としての競輪選手の枠番、車番、調子、特徴(級班及び脚質等)、及び、過去成績等も掲載されている。
【0020】
「特定商品」とは、配当を消費することによって交換することができる財物である。特定商品としては、例えば、米、パン、麺、肉、魚介、卵、乳製品、加工食品、野菜、果物、調味料、菓子、酒、茶若しくは飲料等の飲食料品、植物、雑貨、日用品、電化製品又は工芸品等が含まれる。また、旅行券、宿泊券又は施設利用券等のように、特定のサービスを受ける権利を示すものであってもよい。特定商品は、競技の種類、主催者又は実施競技場等、競技の情報又は競技の属性に基づいて特定されており、競技の主催者ごとに一以上の特定商品が用意されている。特に、競技の主催者が地方自治体等の場合は、地域の事業者が協賛する等して、各地域に関連した特産品、限定品又はサービス等が特定商品として用意されており、地方自治体等ごとに独自色を出している。
【0021】
特定商品には、それぞれ交換するために消費する必要がある価値の量(金額等)が設定されている。そのため、配当の額(配当の量)に基づいて、ユーザUに付与される又はユーザUが選択できる特定商品が決定される。
また、その価値の量は、消費する配当の種類及び交換するタイミング等により、それぞれ異なる条件に設定されている。例えば、配当受取時に配当のうちの少なくとも一部を消費してそのまま特定商品に交換する場合と、配当を通貨又はポイントとして一旦受け取ってから、その後、ユーザUが任意のタイミングで特定商品に交換する場合とでは、交換条件、すなわち、必要となる価値の量が異なる。具体的には、前者の場合は、一の特定商品に対して消費する価値の量が少ない(特定商品の金額が安い)というように、後者の場合よりもユーザUとって有利な交換条件が設定されている。ただし、交換条件は、このパターンに限定されるものではなく、後者の場合の方が前者よりもユーザUにとって有利な交換条件が設定されていてもよい。
なお、交換条件は、上記に例示した場合以外の条件を設定してもよいし、ユーザUの投票履歴又は的中履歴等に基づいて設定してもよい。例えば、過去の投票履歴を記憶しておき、的中又は不的中の結果を問わず、投票金額の累計が大きい程、ユーザUにとって有利な交換条件となるように設定してもよい。
【0022】
このように、本実施形態の競技管理システムSによって提供される競技管理サービスにおいては、競技の結果に基づく配当のうち少なくとも一部を地域の特産品等の特定商品に交換して付加価値を付けたうえで、その特定商品と消費後の配当に相当する通貨又はポイント等の価値とをユーザUに付与する。これにより、ユーザUにとっては、地域の特産品等を楽しめる等、配当の用途に関して選択肢が広がり、利便性が向上する。一方、主催者側である地方自治体等にとっても、例えば、通常、投票券の売上のうち75%を払戻金に充てていたところ、そのうちの一部(例えば10~15%程度)を特定商品とすることにより、全国のユーザUに向けて地域の魅力を効率的に発信することができる。そして、実際に地域の特産品を手に取り消費してもらったり、来訪者を増やして地域に関連したサービス等を体験してもらったりすることにより、地域経済の活性化を図ることができる。
【0023】
<競技管理システムSの構成>
次に、競技管理システムSの構成について説明する。
図1に示されるように、競技管理システムSは、ユーザUによって操作される情報端末(以下、ユーザ端末10という。)と、競技管理サーバ30とから構成されている。また、ユーザ端末10及び競技管理サーバ30は、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。さらに、競技管理システムSは、ネットワークNを介して公営競技サーバ50と通信可能に接続されている。
【0024】
ユーザ端末10は、端末内に格納されたプログラムと、そのプログラムを実行するプロセッサとを搭載しており、その所有者であるユーザUによって携帯され、ユーザUは、競技の結果に対する投票を行う際等にそのユーザ端末10を操作する。
ユーザ端末10としては、情報処理端末として用いられる公知の機器、例えば、スマートフォン、携帯電話、ノート型PC、タブレット端末、ウェアラブル端末、又は通信機能を備えるゲーム専用機器等の各種機器等が利用可能である。なお、競技管理システムSを構成するユーザ端末10の台数は、特に限定されず任意の台数であってよいが、
図1では、図示の便宜上、ユーザ端末10の台数を3台としている。
【0025】
競技管理サーバ30は、本発明の情報処理装置を構成するコンピュータである。例えば、プラットフォーム事業者等が管理するサーバコンピュータによって構成されており、ユーザUと競技開催者との間において、競技管理サービスに関する処理を担う。具体的には、ユーザUに対して、競技情報を提供すると共に、投票受付と払戻とを実施する。また、配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換し、その特定商品と消費後の配当に相当する価値とをユーザUに付与する。
なお、競技管理サーバ30は、単独で特定の機能を発揮する一台のコンピュータから成るサーバ装置に限定されず、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数台のコンピュータから成るサーバ装置群により構成されている場合であってもよい。
【0026】
公営競技サーバ50は、例えば、競技の主催者等が管理するサーバコンピュータによってそれぞれ構成されており、ユーザU又はプラットフォーム事業者等に対して、競技情報等の提供、オッズの算出、投票の受付、及び、払戻の実施等の処理を行う。具体的には、ユーザUに対して、競技情報を直接又は競技管理サーバ30を介して提供し、ユーザUとの間で投票受付及び払戻を直接又は間接的に実施する。また、競技管理サーバ30に対しては、上記の競技情報の他、ユーザUの投票履歴(投票金額及び投票結果を含む。)に関する情報等を提供する。
なお、公営競技サーバ50は、単独で特定の機能を発揮する一台のコンピュータから成るサーバ装置に限定されず、分散して存在しているものの特定の機能を発揮するために協働する複数台のコンピュータから成るサーバ装置群により構成されている場合であってもよい。
また、競技管理システムSに接続される公営競技サーバ50は、競技の種類数又は主催者の数等に応じ複数存在する。したがって、競技管理システムSに接続される公営競技サーバ50の台数は、特に限定されず任意の台数であってよいが、
図1では、図示の便宜上、公営競技サーバ50の台数を2台としている。
なお、本実施形態においては、公営競技サーバ50を競技管理システムS外の構成としたが、公営競技サーバ50も競技管理システムSの一部に含めてもよい。
【0027】
ネットワークNは、ユーザ端末10と、競技管理サーバ30と公営競技サーバ50とをデータ通信が可能な状態で接続するものであればよい。有線であるか無線であるかは問わず、インターネット、モバイル通信ネットワーク、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、イントラネット及びイーサネット(登録商標)等を含む。また、ユーザ端末10同士は、ネットワークNを介して通信してもよいし、Bluetooth(登録商標)又はWifi-Direct等を通じてネットワークNを介さずに直接通信してもよい。
【0028】
本実施形態の競技管理システムSでは、上記構成により、ユーザ端末10及び競技管理サーバ30と公営競技サーバ50とが協働することにより、競技管理サービスが提供される。具体的には、処理の一部を競技管理サーバ30及び公営競技サーバ50で行い、グラフィック処理等の一部をユーザ端末10にて実行する。例えば、競技管理サーバ30及び公営競技サーバ50は、それぞれ互いに連携して、一定のルール、ロジック及びアルゴリズムを含むプログラムを実行する。一方、ユーザ端末10では、競技管理サーバ30及び公営競技サーバ50と同期しつつ、競技管理サーバ30及び公営競技サーバ50で実行されているプログラムと同様のルール、ロジック及びアルゴリズムを含むプログラムを実行する。
【0029】
<ユーザ端末10の構成>
次に、本実施形態に係るユーザ端末10の構成について説明する。
図2に示されるように、ユーザ端末10は、ハードウェア構成として、プロセッサ11、記憶装置12、通信用インターフェース(
図2中、通信用I/Fと表記)13、入力装置14及び出力装置15を備え、これらの機器は不図示のバスを介して電気的に接続されている。
【0030】
プロセッサ11は、例えば、中央処理装置(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサ(Micro Processing Unit)、グラフィクスプロセッサ(Graphics Processing Unit)、又は、デジタルシグナルプロセッサ(Digital Signal Processor)等を含み、記憶装置12に記憶されるプログラム又はデータに基づいて各種の演算処理を実行すると共に、ユーザ端末10の各部を制御する。プロセッサ11によって実行されるプログラムには、ユーザ端末10全体を制御するためのシステムソフトウェアであるOS(Operating System)、競技結果投票用のアプリケーションプログラム及びゲーム用のアプリケーションプログラム(ポイント変換機能を含む。)等が含まれ、それらの各種プログラムがプロセッサ11に読み取られて実行されることにより、競技管理システムSを構成するユーザ端末10としての機能が発揮される。
【0031】
記憶装置12は、例えばメモリ又はストレージ等を含み、各種のプログラム又はデータを記憶する。
メモリは、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等の半導体メモリによって構成され、プログラム及びデータを一時的に記憶することでプロセッサ11に作業領域を提供し、プロセッサ11が実行する処理によって生成される各種データを一時的に記憶する。
ストレージは、ゲームに関する各種データを記憶し、例えば、フラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、FD(Flexible Disc)、MOディスク(Magneto-Optical disc)、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、SDカード(Secure Digital card)、及びUSBメモリ(Universal Serial Bus memory)等によって構成されている。
【0032】
通信用インターフェース13は、例えば、ネットワークインターフェースカード(NIC)等により構成され、ユーザ端末10の通信処理を制御する。通信用インターフェース13による通信規格については、特に限定されるものではなく、公衆向けの通信規格であれば制限なく適用可能である。また、通信用インターフェース13による通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。
【0033】
入力装置14は、ユーザUの操作を受け付けて、受け付けた操作の内容を示すデータを生成するデバイスである。一例としては、ユーザ端末10に設けられた操作キー、操作ボタン、集音用マイク、及び撮影用カメラ等が利用可能である。
【0034】
出力装置15は、画面を描画して画像及び文字列情報等を表示したり、音声を再生したりするデバイスである。一例としては、ユーザ端末10に設けられた液晶ディスプレイ又は有機EL(Electroluminescence)ディスプレイ、ヘッドマウントディスプレイ及びスピーカー等が利用可能である。なお、本実施形態においては、出力装置15として、少なくともディスプレイを有する。ディスプレイは、タッチパネルディスプレイのように入力装置14及び出力装置15の両方の機能を兼ね備えるものであってもよい。
【0035】
次に、
図3を参照しながら、ユーザ端末10の構成について機能面から改めて説明する。
図3に示されるように、ユーザ端末10は、複数の機能部、具体的には、操作特定部16、記憶部17、生成部18、送受信部19、及び表示処理部20を備える。これらの機能部は、ユーザ端末10のハードウェア機器と、ユーザ端末10に格納されたソフトウェアとしてのプログラムとが協働することで実現される。
【0036】
[操作特定部16]
操作特定部16は、主にプロセッサ11及び入力装置14により実現され、ユーザUがユーザ端末10の入力装置14を通じて行った各種の操作の内容を特定する。操作特定部16によって特定する操作には、競技の結果に対する投票操作、及び、配当を特定商品に交換する交換操作等が含まれる。
競技の結果に対する投票操作には、競技情報を確認する操作、並びに、賭式、競争対象及び投票金額を指定する操作等が含まれる。交換操作には、消費する配当の額を指定する操作、及び、特定商品を指定する操作等も含まれる。
【0037】
[記憶部17]
記憶部17は、主にプロセッサ11及び記憶装置12により実現され、例えば、映像データ、画像データ、文字データ及び音声データ等から成る競技に関する各種データ(以下、競技情報データという。)等を記憶する。
【0038】
[生成部18]
生成部18は、主にプロセッサ11及び記憶装置12により実現され、操作特定部16によって特定されたユーザUの操作内容に応じた投票操作データ、及び、交換操作データ等を生成する。
ここで生成される投票操作データには、指定した賭式、競争対象及び投票金額等に関する情報等が含まれる。また、交換操作データには、交換するために指定した配当の額、及び、指定した特定商品に関する情報等が含まれる。
これらの生成された各種データは、送受信部19によって、競技管理サーバ30又は公営競技サーバ50等に向けて送信される。
【0039】
[送受信部19]
送受信部19は、主にプロセッサ11、記憶装置12及び通信用インターフェース13により実現され、競技管理サーバ30又は公営競技サーバ50等との間でデータ及び情報の送受信を行う。
例えば、競技の結果に対する投票を行う際には、送受信部19は、競技管理サーバ30又は公営競技サーバ50から送られてくる競技情報データを受信し、生成部18により生成した投票操作データを競技管理サーバ30又は公営競技サーバ50に向けて送信する。また、配当を特定商品に交換する際には、送受信部19は、競技管理サーバ30から送られてくるユーザ情報データ及び特定商品情報データを受信し、生成部18により生成した交換操作データを競技管理サーバ30に向けて送信する。
【0040】
[表示処理部20]
表示処理部20は、主にプロセッサ11、記憶装置12及び出力装置15により実現され、送受信部19が受信したデータ及び情報を、ブラウジング機能によってディスプレイに表示する表示処理を実行する。
具体的に説明すると、表示処理部20は、競技の結果に対する投票を行う際には、投票受付画面を描画し、競技中は、送受信部19が競技管理サーバ30又は公営競技サーバ50から受信した競技情報データを展開し、競技画面中に競技映像及びその他の情報を表示する。また、表示処理部20は、競技が終了した後は、競技結果画面を表示し、配当を特定商品に交換する際には、競技管理サーバ30から受信したユーザ情報データ又は特定商品情報データを展開し、特定商品交換画面中にそれらの情報を表示する。また、各種通知データを受信した際には、その通知データを展開して通知内容を表示する。
【0041】
<競技管理サーバ30の構成>
次に、本実施形態に係る競技管理サーバ30について説明する。
図2に示されるように、競技管理サーバ30は、一般的なサーバコンピュータのハードウェア構成と同様であり、プロセッサ31、記憶装置32、及び通信用インターフェース33を備え、これらの機器は不図示のバスを介して電気的に接続されている。
【0042】
プロセッサ31は、CPU、MPU、GPU、及びDSP等によって構成され、競技管理サーバ30にインストールされたプログラムを実行することで各種の処理を実行する。プロセッサ31によって実行されるプログラムは、競技管理サーバ30全体を制御するためのシステムソフトウェアであるOS、及び、競技管理サーバ30を本発明の情報処理装置として機能させるためのアプリケーションプログラム等である。
【0043】
記憶装置32は、例えばメモリ又はストレージ等を含み、各種のプログラム又はデータを記憶する。
メモリは、ROM及びRAMなどの半導体メモリによって構成され、プログラム及びデータを一時的に記憶することでプロセッサ31に作業領域を提供し、プロセッサ31が実行する各種処理によって生成されるデータを一時的に記憶する。
ストレージは、ユーザU及びゲーム等に関する各種データを記憶し、例えば、フラッシュメモリ、HDD、SSD、FD、MOディスク、CD、DVD、SDカード、及びUSBメモリ等によって構成されている。なお、競技管理サーバ30とネットワークNを介して接続されたデータベース用のサーバコンピュータをストレージとして利用してもよい。
【0044】
通信用インターフェース33は、例えば、ネットワークインターフェースカード等により構成され、競技管理サーバ30の通信処理を制御する。通信用インターフェース33による通信規格については、特に限定されるものではなく、公衆向けの通信規格であれば制限なく適用可能である。また、通信用インターフェース33による通信方式は、無線方式であっても有線方式であってもよい。
【0045】
次に、
図4を参照しながら、競技管理サーバ30の構成について機能面から改めて説明する
図4に示されるように、競技管理サーバ30は、複数の機能部、具体的には、記憶部34、送受信部35、生成部36、受付部37、決定部38、交換部39、付与部40、及び、表示制御部41を備える。これらの機能部は、競技管理サーバ30のハードウェア機器と、競技管理サーバ30に格納されたソフトウェアとしてのプログラムとが協働することで実現される。
なお、競技管理サーバ30が複数台のコンピュータによって構成される場合には、上記機能を分散させて、複数台のコンピュータの各々が互いに異なる機能を発揮してもよい。
【0046】
[記憶部34]
記憶部34は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、投票情報データ、競技情報データ、ユーザ情報データ、及び、特定商品情報データ等の各種データを記憶する。
投票情報データは、送受信部35によってユーザ端末10から受信した投票操作データに基づいて、受付部37によって受け付けた投票内容を示すデータである。また、競技の結果が確定した後は、送受信部35によって公営競技サーバ50から受信した競技情報データに基づいて、データの内容(投票結果を示す各種情報)が更新される。
競技情報データは、競技内容に関する情報を含むデータである。競技情報データには、例えば、番組表、オッズ、専門家等の予想、競技映像、競技結果、及び、払戻に関する情報等のデータが含まれる。
ユーザ情報データは、ユーザUに関する各種情報を示すデータである。ユーザ情報データには、送受信部35によって公営競技サーバ50から受信した投票履歴データに含まれる情報も反映される。
特定商品情報データは、各競技の主催者A~Bがそれぞれ管理する公営競技サーバ50が生成した特定商品情報データA(主催者Aが設定した特定商品に関する情報の場合。以下、同じ。)~特定商品情報データB(主催者Bが設定した特定商品に関する情報の場合。以下、同じ。)を送受信部35によって公営競技サーバ50から受信し、その受信した特定商品情報データA~Bを統合したデータ、すなわち、複数の主催者が設定したそれぞれの特定商品に関する情報をまとめたデータである。
【0047】
図5に示されるように、投票情報データには、例えば、受付番号、受付時刻、投票したユーザUを特定する情報(ユーザID)、競技を特定する競技ID、投票内容を示す各種情報(賭式、競争対象及び投票金額等)、及び、投票結果を示す各種情報(投票結果及び配当等)等に関する情報を含む。投票結果を示す各種情報に関しては、競技が終了して競技の結果が確定した後に更新され、競技の結果が確定する前は、ブランクとなっている。なお、競技IDには、競技に関連する各種情報(競技日時、競技場、競技番号及び競技対象等)が関連付けられて設定されている。
【0048】
図6に示されるように、ユーザ情報データには、例えば、ユーザU又はユーザUが使用しているユーザ端末10を特定する識別子(ユーザID)とその識別子に関連付けられた各種情報(ユーザUの属性等を含む個人情報、投票履歴、配当所持数及び特定商品等)を含む。
特に、本実施形態においては、ユーザUに付与された配当は、それぞれ競技の情報又は競技の属性に関連付けて蓄積して記憶されている。例えば、主催者Aが開催した競技A(同一期間内に開催された場合に限定されない。以下同じ。)で付与された配当Aと、主催者Bが開催した競技Bで付与された配当Bとは別々に分類して記憶されている。そして、競技Aに投票した結果、その予想が的中して付与された配当Aは、配当Aの所持数に加算され、その配当Aは、主催者Aが設定した特定商品Aに交換するために消費することができ、配当Aを消費して特定商品Aに交換した場合は、配当Aから消費分に相当する所持数を減算する。なお、配当Aは、主催者Bが設定した特定商品B等、他の主催者が設定した特定商品とは交換できない。
【0049】
図7に示されるように、特定商品情報データには、例えば、特定商品を特定する識別子(特定商品ID)、特定商品を設定した主催者を示す識別子(主催者ID)、分類、名称、単価(1)~(3)、及び、提供可能数等に関する情報を含む。
単価は、消費する価値の量を示し、消費する配当の種類及び交換するタイミング等により、それぞれ異なる条件が設定されている。例えば、単価(1)は、配当受取時にそのまま交換する場合であり、単価(2)は、配当を通貨として一旦受け取った後にその通貨を消費して交換する場合であり、単価(3)は、配当をポイントとして一旦受け取った後にそのポイントを消費して交換する場合である。なお、単価を固定としたまま、各種条件ごとに割引率をそれぞれ設定してもよい。
【0050】
[送受信部35]
送受信部35は、主にプロセッサ31、記憶装置32及び通信用インターフェース33により実現され、ユーザ端末10及び公営競技サーバ50との間でデータ及び情報の送受信を行う。
例えば、ユーザ端末10に向けて送信するデータには、生成部36により生成したユーザ情報データ、特定商品情報データ及び各種通知データ、並びに、公営競技サーバ50から受信した競技情報データ(生成部36により加工したものであってもよい)等が含まれる。また、ユーザ端末10から受信するデータには、投票操作データ及び交換操作データ等が含まれる。一方、公営競技サーバ50に向けて送信するデータには、ユーザ端末10から受信した投票操作データ(生成部36により加工したものであってもよい)が含まれる。また、公営競技サーバ50から受信するデータには、競技情報データ、投票履歴データ及び特定商品情報データA~B等が含まれる。
【0051】
[生成部36]
生成部36は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、記憶部34に記憶又は送受信部35によって送信される各種データを生成する。ここで生成される各種データには、上記の投票情報データ、競技情報データ、ユーザ情報データ、特定商品情報データ、及び、各種通知データが含まれる。
【0052】
[受付部37]
受付部37は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、送受信部35によってユーザ端末10から受信した投票操作データに基づき、通貨又はポイントを用いた競技の結果に対する投票をユーザUから受け付ける。
【0053】
[決定部38]
決定部38は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、競技結果に基づいて投票が的中した場合に配当を決定する。
具体的には、送受信部35により公営競技サーバ50から受信した競技情報データ及び投票結果データに基づいて、公営競技サーバ50が算出したオッズに準じて配当の額(通貨であれば金額)を決定する。なお、本実施形態においては、投票結果の判定は、公営競技サーバ50で行うこととするが、これに限定するものではなく、競技管理サーバ30側で行ってもよい。
【0054】
[交換部39]
交換部39は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する。
具体的には、競技結果が確定してユーザUの予想が的中したタイミング、又は、ユーザUが指定する任意のタイミングで、特定商品ごとに設定された単価に相当する価値を消費、例えば、減算することにより、所定量の配当を特定商品に交換する。このとき、特定商品に交換するために必要となる配当の額は、消費する配当の種類(通貨又はポイント等)及び交換するタイミング等により、それぞれ異なる条件に設定されているので、交換部39は、それらの指定された条件にしたがって配当を特定商品に交換する。
また、交換部39は、競技の種類、主催者又は実施競技場等、競技の情報又は競技の属性に基づいて特定される1以上の商品のうちから特定商品を決定し、その特定されている1以上の商品のうちから配当の額に基づいて、交換対象となる特定商品を決定する。
さらに、配当は、競技の情報又は競技の属性ごとに関連付けて蓄積して記憶されているので、それらの蓄積された配当を消費して特定商品に交換する場合、交換部39は、その競技の情報又は競技の属性に対応した特定商品、例えば、その競技の主催者が用意した特定商品、と交換する。
【0055】
[付与部40]
付与部40は、主にプロセッサ31及び記憶装置32により実現され、交換部39により交換した特定商品と、交換後(配当の消費後)に残った配当に相当する価値とをユーザUに付与する。
具体的には、付与対象となるユーザUに関連付けられたユーザ情報データの特定商品及び配当所持数の項目を更新する。このとき、付与部40は、消費後の配当の少なくとも一部を、投票に使用可能なポイントとしてユーザUに付与することも可能である。また、配当の全てを通貨としてユーザUに付与すること、すなわち、現金で全額払い戻しすることも可能である。
【0056】
[表示制御部41]
表示制御部41は、主にプロセッサ31、記憶装置32及び通信用インターフェース33により実現され、競技情報データをユーザ端末10に送信して、投票受付画面、競技画面又は競技結果画面等をユーザ端末10の画面上に表示させるよう制御する。また、特定商品情報データをユーザ端末10に送信して、投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な商品に関する情報をユーザ端末10の画面(投票受付画面、競技結果画面又は特定商品交換画面等)に表示させるよう制御する。
具体的には、特定商品に関する情報を投票受付画面に表示させる場合には、投票が的中した場合の配当を予測して投票の受付中(締切前)に事前に表示させる。また、競技結果が確定した後は、投票が的中した場合に限定し、確定した配当に応じて競技結果画面又は特定商品交換画面に表示させる。
また、このとき、表示制御部41は、複数の特定商品のうち、投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な特定商品と、仮に投票が的中したとしても配当の額が特定商品に設定された単価に満たない交換不可能な特定商品とを識別可能に表示させる。
なお、投票受付画面においては、特定商品ごとに必要となる投票額を、予測した配当から逆算して表示させることとしてもよい。
【0057】
<公営競技サーバ50の構成>
次に、本実施形態に係る公営競技サーバ50について説明する。なお、ここでは、説明の都合上、主催者Aが管理する公営競技サーバ50の場合を例に挙げて説明する。
図2に示されるように、公営競技サーバ50は、一般的なサーバコンピュータのハードウェア構成と同様であり、プロセッサ51、記憶装置52、及び通信用インターフェース53を備え、これらの機器は不図示のバスを介して電気的に接続されている。プロセッサ51によって実行されるプログラムは、公営競技サーバ50全体を制御するためのシステムソフトウェアであるOS、及び、公営競技サーバ50を競技管理システムSと連携して機能させるためのアプリケーションプログラム等である。なお、プロセッサ51、記憶装置52、通信用インターフェース53の構成は、上記の競技管理サーバ30と概ね同様である。
【0058】
次に、
図8を参照しながら、公営競技サーバ50の構成について機能面から改めて説明する。
図8に示されるように、公営競技サーバ50は、複数の機能部、具体的には、記憶部54、送受信部55、生成部56、及び、データ処理部57を備える。これらの機能部は、公営競技サーバ50のハードウェア機器と、公営競技サーバ50に格納されたソフトウェアとしてのプログラムとが協働することで実現される。
なお、公営競技サーバ50が複数台のコンピュータによって構成される場合には、上記機能を分散させて、複数台のコンピュータの各々が互いに異なる機能を発揮してもよい。
【0059】
[記憶部54]
記憶部54は、主にプロセッサ51及び記憶装置52により実現され、競技情報データ、投票履歴データ及び特定商品情報データA等を含む各種データを記憶する。
【0060】
[送受信部55]
送受信部55は、主にプロセッサ51、記憶装置52及び通信用インターフェース53により実現され、ユーザ端末10及び競技管理サーバ30との間でデータ及び情報の送受信を行う。例えば、ユーザ端末10又は競技管理サーバ30に向けて送信するデータには、生成部56により生成した競技情報データ等が含まれる。また、競技管理サーバ30に向けて送信するデータには、生成部56により生成した投票履歴データ及び特定商品情報データA等が含まれる。一方、ユーザ端末10又は競技管理サーバ30から受信するデータには、投票操作データ等が含まれる。
なお、公営競技サーバ50とユーザ端末10とは、競技管理サーバ30を経由してデータの送受信を行ってもよいし、競技管理サーバ30を経由せずに直接データの送受信を行ってもよい。
【0061】
[生成部56]
生成部56は、主にプロセッサ51及び記憶装置52により実現され、送受信部55によって送信されるデータを生成する。ここで生成されるデータには、競技情報データ、投票履歴データ及び特定商品情報データA等が含まれる。
なお、ここで生成される特定商品情報データAには、主催者Aが設定した特定商品に関する情報が含まれるように、他の主催者が管理する公営競技サーバ50であれば、それぞれの管理主体である主催者ごとに独自に設定された特定商品に関する情報が含まれる。
【0062】
[データ処理部57]
データ処理部57は、主にプロセッサ51及び記憶装置52により実現され、競技に関連して各種のデータ処理を行う。データ処理の一例としては、データ処理部57は、競技結果に基づいて投票結果(的中又は不的中)を判定する。また、データ処理部57は、既知の配当決定方法であるパリミュチュエル方式又はブックメーカー方式等により、オッズ(競技の結果が確定した後の最終オッズを含む。)を算出する処理を行う。このとき、算出したオッズに関する情報は、競技情報データに含まれており、記憶部54に記憶されると共に、送受信部55により、ユーザ端末10又は競技管理サーバ30に向けて送信される。
なお、投票結果が的中している場合は、競技管理サーバ30を経由せずに、そのユーザUに対してオッズに応じた配当を払い戻す処理を直接行う場合があってもよい。
【0063】
以上、ユーザ端末10、競技管理サーバ30及び公営競技サーバ50のそれぞれの構成について説明した。なお、一般的に、ユーザ端末10、競技管理サーバ30及び公営競技サーバ50は、上記以外にも種々の機能を有しているが、ここでは、本発明における競技管理システムSにおいて作用効果を奏する特徴的な機能のみを説明することとし、その他の既知の機能等については図示及び説明を省略する。
【0064】
<競技管理システムSの処理の流れについて>
次に、
図9及び
図10を参照しながら、上記構成からなる競技管理システムSにおいて実行される処理の流れについて説明する。
本実施形態に係る情報処理方法は、コンピュータシステムとして機能する競技管理システムSを用いることで実現され、換言すると、競技管理システムSが実行する情報処理では、本実施形態に係る情報処理方法が適用されている。
【0065】
[競技管理処理]
先ず、
図9に基づいて、競技管理処理について説明する。
「競技管理処理」とは、競技管理サーバ30において実行される処理であり、競技の結果に対する投票をユーザUから受け付け、競技の結果に基づいて決定した配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換し、その特定商品と消費後の配当に相当する価値とをユーザUに付与する処理をいう。
【0066】
図9に示されるように、競技管理サーバ30は、先ず、ユーザ端末10に投票受付画面を表示させる情報を含む競技情報データを送信し(S101)、その投票受付画面上におけるユーザUの操作に基づいて、ユーザ端末10からユーザUが競技の結果に対して投票を行ったことを示す投票操作データを受信して投票を受け付けると(S102)、競技が終了して競技結果が確定した後、その投票内容が的中している場合(S103:YES)、その投票操作データが示す投票の額(金額又はポイント量)とオッズに基づいて、配当の額(金額又はポイント量)を決定する(S104)。
【0067】
そして、競技管理サーバ30は、投票結果画面上におけるユーザUの操作に基づいて、ユーザ端末10から配当を特定商品に交換することを示す交換操作データを受信して特定商品への交換指示を受け付けた場合(S105:YES)、特定商品ごとに設定された単価に相当する配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換し(S106)、その交換した特定商品と消費後に残った配当に相当する価値とをユーザUに付与する(S107)。一方、ユーザ端末10から交換操作データを受信せずに特定商品への交換指示を受け付けなかった場合(S105:NO)、決定した配当の全額に相当する価値をそのままユーザUに付与する(S108)。そして、競技管理サーバ30は、付与した配当及び特定商品に関する情報をユーザ情報データに上書きして蓄積していき、記憶部34に記憶されているユーザ情報データを更新する(S109)。
【0068】
さらに、競技管理サーバ30は、ユーザUに配当及び特定商品を付与した結果、そのユーザUの所持する配当の額及び特定商品の所持状況が変化したことを示す通知データを生成し(S110)、生成したその通知データをユーザUのユーザ端末10に向けて送信する(S111)。なお、投票内容が不的中の場合(S103:NO)、不的中である旨を示す通知データを生成し(S110)、生成したその通知データをユーザUのユーザ端末10に向けて送信する(S111)。
【0069】
上記の一連の工程が終了した時点で、競技管理処理が終了する。以降、競技が開催される度に、上記一連の工程が繰り返し実施される。
以上が、競技管理処理の一例である。
【0070】
[特定商品表示処理]
次に、
図10に基づいて、特定商品表示処理について説明する。
「特定商品表示処理」とは、競技管理サーバ30において実行される処理であり、投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な特定商品に関する情報をユーザ端末10の画面に表示させる処理をいう。
【0071】
図10に示されるように、競技管理サーバ30は、投票の受付中において、投票操作データが示す投票の額(金額又はポイント量)とその時点でのオッズに基づいて、投票が的中した場合に付与される配当の額(金額又はポイント量)を計算して予測し(S201)、その計算した配当の額を、競技ごとに関連付けて用意されている候補となる特定商品の中からその特定商品ごとに設定されている単価と比較し(S202)、計算した配当の額で交換することが可能な特定商品を選択する(S203)。
そして、競技管理サーバ30は、投票受付画面において、交換可能な特定商品と交換不可能な特定商品とを識別可能に表示させる通知する特定商品情報データを生成し(S204)、生成したその特定商品情報データをユーザUのユーザ端末10に向けて送信する(S205)。
【0072】
上記の一連の工程が終了した時点で、特定商品表示処理が終了する。以降、ユーザUが競技の結果に対して投票を行う際に、上記一連の工程が繰り返し実施される。
以上が、特定商品表示処理の一例である。
【0073】
なお、上記の特定商品表示処理は、投票の受付中に行う処理であるが、競技の結果が確定した後にも略同様の処理を行う。すなわち、競技の結果が確定した後は、最終オッズに基づいて配当の額を計算し、ステップS202からステップS205と略同様の処理を行ったうえで、競技結果画面又は特定商品交換画面等に交換可能な特定商品と交換不可能な特定商品とを識別可能に表示させる。
【0074】
<その他の実施形態>
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。
上記の実施形態では、競技管理サーバ30に本発明のプログラムを実行させ、本発明の情報処理装置として機能させているが、競技管理サーバ30が有する情報処理装置としての機能のうちの一部又は全部を公営競技サーバ50等の他のサーバ又はユーザ端末10に備えることとしてもよい。例えば、記憶部34、受付部37、決定部38、交換部39、付与部40又は表示制御部41等に相当する機能の一部又は全部が、公営競技サーバ50又はユーザ端末10に備わっていてもよい。
一方、公営競技サーバ50が有する情報処理装置としての機能のうちの一部又は全部を競技管理サーバ30に備えることとしてもよい。例えば、生成部56又はデータ処理部57に相当する機能の一部又は全部が、競技管理サーバ30に備わっていてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ユーザ情報データは、競技管理サーバ30に記憶して所持することとしたが、不図示のデータベースサーバにて一括して記憶することとしてもよいし、競技管理サーバ30に記憶しているデータ及び情報の全部又は一部を、公営競技サーバ50又はユーザ端末10側に記憶することとしてもよい。
【0076】
また、本実施形態では、競技の一例として、公営競技を想定して説明した。しかしながら、競技の内容はこれに限定されるものではなく、陸上競技、水泳、野球、サッカー、ラグビー、バスケットボール、及び、ボクシング等の格闘技等の勝敗の結果を予想するものであってもよい。また、広義には、宝くじ(例えば、数字選択式宝くじ等)又はカジノで行われるゲーム等の公営賭博も本実施形態における競技に含む。
【0077】
なお、本実施形態においては、ユーザUは、原則として無料で競技管理システムSの全ての機能を享受することができるが、一部の機能を限定し、所定の料金を支払うことによって、その限定された機能が利用できることとしてもよい。また、所定の料金を支払ったユーザUについては、例えば、特定商品の単価が安い、又は、限定の特定商品を取得できる等、特定商品の交換条件を有利に設定してもよい。なお、この料金については、従量課金制としてもよいし、一度支払えば一定期間(例えば、一か月間又は一年間等)、そのユーザUに対して効果を有することとしてもよい(サブスクリプション)。
【0078】
<まとめ>
以上説明した本実施形態に係る情報処理装置、情報処理方法及びプログラムの主な特徴は以下の通りである。
【0079】
[1]本実施形態に係る情報処理装置は、競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける受付部と、競技の結果に基づいて配当を決定する決定部と、配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する交換部と、特定商品と、消費後の配当に相当する価値とをユーザに付与する付与部と、を有する。
上記の情報処理装置によれば、競技の結果に対する投票をユーザから受け付け、競技の結果に基づいて配当を決定し、その配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換したうえで、その特定商品と消費後の配当に相当する価値とをユーザに付与する。これにより、配当の用途に関する選択肢を広げ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0080】
[2]上記の情報処理装置において、付与部は、消費後の配当の少なくとも一部を、投票に使用可能な第1価値としてユーザに付与可能であり、特定商品は、配当を消費して交換する場合とは異なる条件で第1価値を消費して取得可能である。
このように、特定商品に交換するために消費した後の配当の少なくとも一部を第1価値としてユーザに一旦付与し、その後、配当を直接消費して交換する場合とは異なる条件の下、その第1価値を消費して特定商品を取得することも可能とすることにより、配当の用途に関する選択肢をさらに広げ、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0081】
[3]上記の情報処理装置において、付与部は、配当の全てを第2価値としてユーザに付与可能であり、特定商品は、配当を消費して交換する場合とは異なる条件で第2価値を消費して取得可能である。
このように、配当の全てを第2価値としてユーザに一旦付与し、その後、配当を直接消費して交換する場合とは異なる条件の下、その第2価値を消費して特定商品を取得することも可能とすることにより、配当の用途に関する選択肢をさらに広げ、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0082】
[4]上記の情報処理装置において、交換部は、競技の情報に基づいて特定される1以上の商品のうちから特定商品を決定する。
このように、競技の情報に基づいて特定される1以上の商品のうちから特定商品を決定することにより、配当の用途に関する選択肢をさらに広げ、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0083】
[5]上記の情報処理装置において、交換部は、1以上の商品のうちから配当の額に基づいて特定商品を決定する。
このように、1以上の商品のうちから配当の額に基づいて特定商品を決定することにより、配当の用途に関する選択肢をさらに広げ、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0084】
[6]上記の情報処理装置は、投票を受け付ける画面に投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な商品に関する情報を表示させる表示制御部をさらに有する。
このように、投票を受け付ける画面に投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な商品に関する情報を表示させることにより、配当の用途に関する選択肢を広げたうえで、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0085】
[7]上記の情報処理装置において、表示制御部は、複数の商品のうち、投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な商品と、交換不可能な商品とを識別可能に画面に表示させる。
このように、複数の商品のうち、投票が的中した場合の配当を消費して交換可能な商品と交換不可能な商品とを識別可能に画面に表示させることにより、配当の用途に関する選択肢を広げたうえで、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0086】
[8]上記の情報処理装置は、ユーザに付与した配当を、競技の属性ごとに蓄積して記憶する記憶部をさらに有し、交換部は、蓄積された配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する。
このように、配当を競技の属性ごとに蓄積可能とし、蓄積された配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換することにより、配当の用途に関する選択肢をさらに広げ、ユーザの利便性をより一層向上させることができる。
【0087】
[9]また、本実施形態に係る情報処理方法によれば、コンピュータが、競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける工程と、コンピュータが、競技の結果に基づいて配当を決定する工程と、コンピュータが、配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する工程と、コンピュータが、特定商品と、消費後の配当に相当する価値とをユーザに付与する工程と、を実行する。
上記の情報処理方法によれば、競技の結果に対する投票をユーザから受け付け、競技の結果に基づいて配当を決定し、その配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換したうえで、その特定商品と消費後の配当に相当する価値とをユーザに付与する。これにより、配当の用途に関する選択肢を広げ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【0088】
[10]また、本実施形態に係るプログラムによれば、競技の結果に対する投票をユーザから受け付ける工程と、競技の結果に基づいて配当を決定する工程と、配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換する工程と、特定商品と、消費後の配当に相当する価値とをユーザに付与する工程と、をコンピュータに実行させる。
上記のプログラムによれば、競技の結果に対する投票をユーザから受け付け、競技の結果に基づいて配当を決定し、その配当のうち少なくとも一部を消費して特定商品に交換したうえで、その特定商品と消費後の配当に相当する価値とをユーザに付与する。これにより、配当の用途に関する選択肢を広げ、ユーザの利便性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0089】
10 ユーザ端末
11 プロセッサ
12 記憶装置
13 通信用インターフェース
14 入力装置
15 出力装置
16 操作特定部
17 記憶部
18 生成部
19 送受信部
20 表示処理部
30 競技管理サーバ
31 プロセッサ
32 記憶装置
33 通信用インターフェース
34 記憶部
35 送受信部
36 生成部
37 受付部
38 決定部
39 交換部
40 付与部
41 表示制御部
50 公営競技サーバ
51 プロセッサ
52 記憶装置
53 通信用インターフェース
54 記憶部
55 送受信部
56 生成部
57 データ処理部
N ネットワーク
S 競技管理システム
U ユーザ