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特許7473807通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 47/24 20220101AFI20240417BHJP
【FI】
H04L47/24
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020117132
(22)【出願日】2020-07-07
(65)【公開番号】P2022014662
(43)【公開日】2022-01-20
【審査請求日】2023-04-07
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002918
【氏名又は名称】弁理士法人扶桑国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂本 憲彦
(72)【発明者】
【氏名】植田 譲
【審査官】宮島 郁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-112845(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0206559(US,A1)
【文献】特開2011-250384(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L12/00-12/66,13/00,41/00-49/9057,61/00-65/80,69/00-69/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子会議に参加する複数のユーザのそれぞれについて、前記電子会議が開始されるまでに送受信された電子メールを収集し、収集された前記電子メールの解析結果に基づいて前記複数のユーザのそれぞれについての前記電子会議に対する関心度を判定し、
前記電子会議の開催中において、前記複数のユーザのそれぞれに利用される複数のクライアントから、前記複数のクライアントのそれぞれにおける電子会議アプリケーションの使用形態を収集し、収集された前記使用形態に基づいて前記複数のユーザのそれぞれについての前記電子会議に対する集中度を判定し、
前記関心度および前記集中度の判定結果に基づいて、前記電子会議を制御するサーバと前記複数のクライアントのそれぞれとの間の通信に対して割り当てる通信帯域を制御する、処理部、
を有する通信制御装置。
【請求項2】
前記関心度は、収集された前記電子メールにおける、前記電子会議に対する言及状況に基づいて判定される、
請求項1記載の通信制御装置。
【請求項3】
前記関心度の判定では、
前記電子会議についての開催予定情報から前記電子会議の件名に含まれる文言を取得し、
収集された前記電子メールにおける前記文言の記載状況に基づいて前記関心度を判定する、
請求項1記載の通信制御装置。
【請求項4】
前記使用形態として、前記電子会議アプリケーションの表示ウィンドウについての、画面の奥行方向における位置が収集される、
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の通信制御装置。
【請求項5】
コンピュータが、
電子会議に参加する複数のユーザのそれぞれについて、前記電子会議が開始されるまでに送受信された電子メールを収集し、収集された前記電子メールの解析結果に基づいて前記複数のユーザのそれぞれについての前記電子会議に対する関心度を判定し、
前記電子会議の開催中において、前記複数のユーザのそれぞれに利用される複数のクライアントから、前記複数のクライアントのそれぞれにおける電子会議アプリケーションの使用形態を収集し、収集された前記使用形態に基づいて前記複数のユーザのそれぞれについての前記電子会議に対する集中度を判定し、
前記関心度および前記集中度の判定結果に基づいて、前記電子会議を制御するサーバと前記複数のクライアントのそれぞれとの間の通信に対して割り当てる通信帯域を制御する、
通信制御方法。
【請求項6】
コンピュータに、
電子会議に参加する複数のユーザのそれぞれについて、前記電子会議が開始されるまでに送受信された電子メールを収集し、収集された前記電子メールの解析結果に基づいて前記複数のユーザのそれぞれについての前記電子会議に対する関心度を判定し、
前記電子会議の開催中において、前記複数のユーザのそれぞれに利用される複数のクライアントから、前記複数のクライアントのそれぞれにおける電子会議アプリケーションの使用形態を収集し、収集された前記使用形態に基づいて前記複数のユーザのそれぞれについての前記電子会議に対する集中度を判定し、
前記関心度および前記集中度の判定結果に基づいて、前記電子会議を制御するサーバと前記複数のクライアントのそれぞれとの間の通信に対して割り当てる通信帯域を制御する、
処理を実行させる通信制御プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを介して電子会議を実現する電子会議システムの普及が進んでいる。電子会議システムでは、例えば、複数のクライアントがネットワークを介してサーバに接続し、各クライアントとサーバとの間で音声や映像のデータが送受信される。
【0003】
電子会議に関しては、次のような提案がある。例えば、会議端末との間の接続経路についての収集情報に基づいて会議端末をグループに振り分け、使用帯域が所定値未満のグループがある場合、そのグループに属する会議端末の帯域幅を制御するようにしたテレビ会議システムが提案されている。また、Web会議の開催中におけるユーザの利用状況の変化に応じて、使用される通信帯域を動的に制御するようにしたWeb会議システムが提案されている。さらに、会議に途中参加する端末が検出されたときに、他の端末がデータを送信する場合にはフレーム間予測符号化でなくフレーム内符号化画像を途中参加した端末に送信するようにしたマルチキャスト会議装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-157943号公報
【文献】特開2014-112845号公報
【文献】特開2002-305733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電子会議システムでは、クライアントとサーバとの間の通信速度が低下すると、通信データの遅延や喪失の発生確率が高まり、その結果、クライアントでの音声や映像の再生が途切れたり、再生不能になる場合がある。この問題を回避するために、各クライアントに対してネットワーク上の十分な通信帯域を割り当てる方法が考えられる。しかし、すべてのクライアントに対してあらかじめ決められた一定以上の通信帯域を割り当てた場合、ネットワーク設備を増強するための膨大なコストがかかる。このため、クライアントごとに必要十分な通信帯域をどのようにして割り当てるかという点に課題がある。
【0006】
1つの側面では、本発明は、電子会議における各クライアントへの通信帯域の割り当てを適正化することが可能な通信制御装置、通信制御方法および通信制御プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの案では、次のような処理部を有する通信制御装置が提供される。この通信制御装置において、処理部は、電子会議に参加する複数のユーザのそれぞれについて、電子会議が開始されるまでに送受信された電子メールを収集し、収集された電子メールの解析結果に基づいて複数のユーザのそれぞれについての電子会議に対する関心度を判定し、電子会議の開催中において、複数のユーザのそれぞれに利用される複数のクライアントから、複数のクライアントのそれぞれにおける電子会議アプリケーションの使用形態を収集し、収集された使用形態に基づいて複数のユーザのそれぞれについての電子会議に対する集中度を判定し、関心度および集中度の判定結果に基づいて、電子会議を制御するサーバと複数のクライアントのそれぞれとの間の通信に対して割り当てる通信帯域を制御する。
【0008】
また、1つの案では、上記の通信制御装置と同様の処理をコンピュータが実行する通信制御方法が提供される。
さらに、1つの案では、上記の通信制御装置と同様の処理をコンピュータに実行させる通信制御プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0009】
1つの側面では、電子会議における各クライアントへの通信帯域の割り当てを適正化できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】第1の実施の形態に係る電子会議システムの構成例および処理例を示す。
図2】第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3】ホストサーバのハードウェア構成例を示す図である。
図4】ルータのハードウェア構成例を示す図である。
図5】ホストサーバにおける仮想マシンの構成例を示す図である。
図6】通信帯域の割り当てについての比較例を示す図である。
図7】仮想マシンおよびルータが備える処理機能の構成例を示す図である。
図8】会議アプリ情報の収集処理について説明するための図である。
図9】会議開催情報の収集処理について説明するための図である。
図10】会議情報および参加者情報の構成例を示す図である。
図11】関心度の判定処理について説明するための図である。
図12】関心度テーブルの構成例を示す図である。
図13】集中度の判定処理について説明するための図である。
図14】集中度テーブルの構成例を示す図である。
図15】品質優先度の判定処理について説明するための図である。
図16】通信帯域の割り当て制御について説明するための図である。
図17】会議アプリケーションの利用形態の変化に応じた通信帯域の割り当て制御例を示すタイミングチャートである。
図18】仮想マシンにおける会議アプリ情報収集処理の手順を示すフローチャートの例である。
図19】会議開催監視処理の手順を示すフローチャートの例である。
図20】関心度判定処理の手順を示すフローチャートの例である。
図21】帯域制御処理の手順を示すフローチャートの例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
〔第1の実施の形態〕
図1は、第1の実施の形態に係る電子会議システムの構成例および処理例を示す。図1に示す電子会議システムは、サーバ10、クライアント21~23および通信制御装置30を含む。
【0012】
サーバ10は、電子会議を制御する。クライアント21,22,23は、それぞれ電子会議に参加するユーザA,B,Cによって利用される端末装置である。クライアント21~23では電子会議アプリケーションが動作し、これらの電子会議アプリケーションがサーバ10と通信することで電子会議が実現される。
【0013】
例えば、クライアント21の電子会議アプリケーションは、ユーザAの音声および映像のデータをサーバ10に送信する。同様に、クライアント22の電子会議アプリケーションは、ユーザBの音声および映像のデータをサーバ10に送信し、クライアント23の電子会議アプリケーションは、ユーザCの音声および映像のデータをサーバ10に送信する。サーバ10は、各電子会議アプリケーションからの音声および映像のデータを受信し、各電子会議アプリケーションに対して音声および映像のデータを配信する。例えば、サーバ10は、クライアント21,22から受信した音声および映像のデータをクライアント23に送信して、音声および映像を再生させる。
【0014】
なお、クライアント21~23の台数は3台に限定されるものではない。また、クライアント21~23は、物理マシンとして実現されてもよいし、仮想マシンとして実現されてもよい。後者の場合、ユーザA,B,Cは、それぞれ図示しない他の端末装置から仮想マシンであるクライアント21,22,23をリモート操作する。
【0015】
通信制御装置30は、サーバ10とクライアント21~23のそれぞれとの間の通信に対する通信帯域の割り当てを制御する。この通信制御装置30は、処理部31を備える。処理部31は、例えば、プロセッサとして実現される。処理部31は、例えば、所定のプログラムを実行することにより、次のような割り当て制御を実行する。
【0016】
処理部31は、ユーザA~Cのそれぞれについて、電子会議が開始されるまでに送受信された電子メールを収集する。処理部31は、ユーザA~Cのそれぞれについて、収集された電子メールの解析結果に基づき、ユーザの電子会議に対する関心度を判定する(ステップS1)。例えば、あるユーザが送信した電子メールにおいて、電子会議に言及した回数が多いほど、そのユーザの関心度が高いと判定される。
【0017】
また、処理部31は、電子会議の開催中において、クライアント21~23から、それぞれにおける電子会議アプリケーションの使用形態を収集する。処理部31は、ユーザA~Cのそれぞれについて、対応するクライアントから収集された使用形態に基づき、ユーザの電子会議に対する集中度を判定する(ステップS2)。例えば、クライアントにおける電子会議アプリケーションの表示ウィンドウの状態に基づいて、そのクライアントに対応するユーザの集中度が判定される。例えば、表示ウィンドウのサイズが大きいほど集中度が高いと判定される。あるいは、表示ウィンドウが最前面に表示されている場合には、そうでない場合と比較して集中度が高いと判定される。
【0018】
処理部31は、ユーザA~Cのそれぞれについての関心度および集中度の判定結果に基づいて、対応するクライアントとサーバ10との間の通信に対して割り当てる通信帯域を制御する(ステップS3)。
【0019】
例えば、関心度および集中度のいずれも2段階で判定されるものとする。また、通信帯域としては、比較的広い帯域(広帯域41)と、それより狭い帯域(狭帯域42)のいずれかが割り当てられるものとする。そして、ユーザAは関心度が高く、集中度が低いと判定されたとする。また、ユーザBは関心度および集中度のいずれも低いと判定されたとする。さらに、ユーザCは関心度が低く、集中度が高いと判定されたとする。この場合、図1に例示したように、処理部31は、クライアント21,23からサーバ10への送信データに対して広帯域41を割り当て、クライアント22からサーバ10への送信データに対して狭帯域42を割り当てる。
【0020】
また、電子会議アプリケーションの使用形態は一定周期で収集され、収集結果に応じて関心度が更新される。例えば、図1の状態からユーザCの集中度が低くなったと判定された場合、クライアント23からサーバ10への送信データに割り当てられる通信帯域は、広帯域41から狭帯域42に変更される。
【0021】
以上の処理により、電子会議におけるクライアント21~23のそれぞれに対する通信帯域の割り当てを適正化することができる。その結果、通信資源の利用効率を高めることができる。また、クライアント21~23のすべてに対して一定以上の通信帯域を割り当てる場合と比較して、ネットワーク設備のコストを削減できる。
【0022】
特に、上記処理では、電子会議の開始時点で固定的に判定される関心度と、電子会議の開催中に動的に判定される集中度とを組み合わせて通信帯域の割り当てが決定される。これにより、通信帯域の割り当ての適正化精度を高めることができる。例えば、集中度のみが用いられる場合、電子会議の開催中における2人のユーザの集中度が同等であれば、各ユーザに同等の通信帯域が割り当てられる。しかし、集中度が同じであっても、その電子会議の重要性などによっては、音声や映像についての高い品質が必要でない場合もある。そのため、関心度と集中度の両方を用いることで、通信帯域の割り当ての適正化精度を向上させることが可能となる。
【0023】
また、電子会議の開始時点で固定的に判定される指標として電子メールの解析結果を用いることで、電子会議に対するユーザの関心度を正確に判定できる。例えば、電子会議の開催者か否かといった、電子会議に対するユーザの立場だけでは現れないユーザの関心度を、電子メールの解析結果を用いることで判定できるようになる。
【0024】
〔第2の実施の形態〕
次に、図1のクライアント21~23が仮想マシンとして実現される場合の例について説明する。
【0025】
図2は、第2の実施の形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。図2に示す情報処理システムは、ホストサーバ100、ルータ200、電子会議サーバ310、予定管理サーバ320および電子メールサーバ330を含む。ホストサーバ100とルータ200はネットワーク410に接続され、ルータ200、電子会議サーバ310、予定管理サーバ320および電子メールサーバ330はネットワーク420に接続されている。そして、ホストサーバ100は、ルータ200を介して電子会議サーバ310、予定管理サーバ320および電子メールサーバ330と通信可能になっている。
【0026】
ホストサーバ100は、仮想マシンを実現する仮想ホストとして動作するサーバ装置である。本実施の形態では、ホストサーバ100では、それぞれ個別のユーザによってリモート操作される仮想マシンが動作する。各ユーザは、対応する仮想マシンを利用して、電子会議サーバ310、予定管理サーバ320および電子メールサーバ330のサービスを利用できるようになっている。
【0027】
ルータ200は、ホストサーバ100などのネットワーク410上の機器と、電子会議サーバ310、予定管理サーバ320、電子メールサーバ330などのネットワーク420上の機器との間で、パケットをルーティングして中継する。このとき、ルータ200は、ホストサーバ100上の仮想マシンごとに、仮想マシンとネットワーク420上の各サーバとの間の通信に対する帯域の割り当てを制御できるようになっている。
【0028】
電子会議サーバ310は、ホストサーバ100上の仮想マシンの間で電子会議を実行させるサーバ装置である。
予定管理サーバ320は、仮想マシンを利用する各ユーザについての予定を管理するサーバ装置である。特に、本実施の形態では、予定管理サーバ320は電子会議サーバ310と連携して、ユーザが参加する電子会議の予定を管理できるようになっている。
【0029】
電子メールサーバ330は、仮想マシンを利用する各ユーザが利用する電子メールの送受信サービスを提供するサーバ装置である。
図3は、ホストサーバのハードウェア構成例を示す図である。ホストサーバ100は、例えば、図3に示すような構成のコンピュータとして実現可能である。図3に示すように、ホストサーバ100は、プロセッサ101、RAM(Random Access Memory)102、HDD(Hard Disk Drive)103、グラフィックインタフェース(I/F)104、入力インタフェース(I/F)105、読み取り装置106および通信インタフェース(I/F)107を備える。
【0030】
プロセッサ101は、ホストサーバ100全体を統括的に制御する。プロセッサ101は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはPLD(Programmable Logic Device)である。また、プロセッサ101は、CPU、MPU、DSP、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0031】
RAM102は、ホストサーバ100の主記憶装置として使用される。RAM102には、プロセッサ101に実行させるOS(Operating System)プログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、プロセッサ101による処理に必要な各種データが格納される。
【0032】
HDD103は、ホストサーバ100の補助記憶装置として使用される。HDD103には、OSプログラム、アプリケーションプログラム、および各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、SSD(Solid State Drive)などの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。
【0033】
グラフィックインタフェース104には、表示装置104aが接続されている。グラフィックインタフェース104は、プロセッサ101からの命令にしたがって、画像を表示装置104aに表示させる。表示装置としては、液晶ディスプレイや有機EL(ElectroLuminescence)ディスプレイなどがある。
【0034】
入力インタフェース105には、入力装置105aが接続されている。入力インタフェース105は、入力装置105aから出力される信号をプロセッサ101に送信する。入力装置105aとしては、キーボードやポインティングデバイスなどがある。ポインティングデバイスとしては、マウス、タッチパネル、タブレット、タッチパッド、トラックボールなどがある。
【0035】
読み取り装置106には、可搬型記録媒体106aが脱着される。読み取り装置106は、可搬型記録媒体106aに記録されたデータを読み取ってプロセッサ101に送信する。可搬型記録媒体106aとしては、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリなどがある。
【0036】
通信インタフェース107は、ネットワーク410を介してルータ200などの他の装置との間でデータの送受信を行う。
以上のようなハードウェア構成によって、ホストサーバ100の処理機能を実現することができる。なお、電子会議サーバ310、予定管理サーバ320および電子メールサーバ330も、ホストサーバ100と同様の構成のコンピュータとして実現可能である。
【0037】
図4は、ルータのハードウェア構成例を示す図である。図4に示すように、ルータ200は例えば、プロセッサ201、RAM202、フラッシュメモリ203および通信インタフェース(I/F)204を備える。
【0038】
プロセッサ201は、ルータ200全体を統括的に制御する。プロセッサ201は、例えば、CPU、MPU、ASICまたはPLDである。また、プロセッサ201は、CPU、MPU、ASIC、PLDのうちの2以上の要素の組み合わせであってもよい。
【0039】
RAM202は、ルータ200の主記憶装置として使用される。RAM202には、プロセッサ201に実行させるプログラム(例えばファームウェアプログラム)の少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM202には、プロセッサ201による処理に必要な各種データが格納される。
【0040】
フラッシュメモリ203は、ルータ200の補助記憶装置として使用される。フラッシュメモリ203には、プログラムや各種データが格納される。なお、補助記憶装置としては、HDDなどの他の種類の不揮発性記憶装置を使用することもできる。
【0041】
通信インタフェース204は、ネットワーク410,420に接続する複数のポートを備え、プロセッサ201の制御の下で各ポートでのデータ(パケット)の送受信を実行する。
【0042】
図4に示すルータ200では、プロセッサ201がプログラムを実行することで、通信インタフェース204のポート間におけるパケットの転送制御が実行される。これにより、ネットワーク410,420の間でのパケットのルーティング(転送経路の決定)が行われる。なお、プロセッサ201によるパケット転送制御処理の少なくとも一部は、ASICやPLDなどの専用回路によって実行されてもよい。また、ルータ200は、例えば、図3に示すような構成のサーバコンピュータとして実現されてもよい。
【0043】
図5は、ホストサーバにおける仮想マシンの構成例を示す図である。図5に示すように、ホストサーバ100では例えば、4台の仮想マシン110~140が動作する。また、ホストサーバ100は、仮想ホスト処理部150を備える。仮想ホスト処理部150の処理は、ハイパーバイザプログラムや、仮想化ソフトウェアのプログラムをプロセッサ101が実行することで実現される。仮想ホスト処理部150は、ホストサーバ100の物理リソースを用いて仮想マシン110~140を構築し、それらの動作を管理する。
【0044】
仮想マシン110~140は、それぞれ個別のユーザによって利用されるクライアント装置(例えばパーソナルコンピュータ)の機能を仮想的に実現する。また、仮想マシン110,120,130,140には、それぞれユーザ端末501,502,503,504が接続される。ユーザ端末501,502,503,504は、それぞれユーザU1,U2,U3,U4によって操作される。
【0045】
ユーザ端末501,502,503,504は、それぞれ仮想マシン110,120,130,140の仮想デスクトップ環境を実現する。すなわち、ユーザ端末501,502,503,504には、それぞれ仮想マシン110,120,130,140のデスクトップ画面が仮想的に表示される。そして、ユーザ端末501,502,503,504に表示された仮想デスクトップ画面に対する入力操作の情報が、それぞれ仮想マシン110,120,130,140に送信される。これにより、ユーザU1,U2,U3,U4は、それぞれ仮想マシン110,120,130,140によって仮想的に実現されるクライアント装置を操作することができる。
【0046】
ユーザU1~U4は、このようにユーザ端末501~504を用いて仮想マシン110~140をリモート操作することで、電子会議サーバ310、予定管理サーバ320および電子メールサーバ330が提供するサービスを利用することができる。例えば、ユーザU1~U4は、電子会議サーバ310から提供される電子会議のサービスを利用して、ユーザ端末501~504を介して電子会議に参加することができる。
【0047】
ここで、電子会議が行われる場合には、仮想マシン110~140に対して、電子会議の処理を実行するための会議アプリケーションがインストールされる。各仮想マシン110~140上の会議アプリケーションは、電子会議サーバ310との間で、ユーザの音声信号や映像(動画像)信号を含むデータを送受信する。
【0048】
このとき、音声や映像の再生処理を仮想マシン110~140が途切れなくスムーズに実行できるようにするためには、各仮想マシン110~140と電子会議サーバ310との間で電子会議のための十分な通信帯域が確保されることが望ましい。そのための方法としては、例えば、ルータ200が、各仮想マシン110~140と電子会議サーバ310との間で転送される電子会議用のパケットに対して、あらかじめ一定以上の通信帯域を割り当てるように制御する方法が考えられる。ここで、この方法を採用した場合の処理例を、比較例として図6に示す。
【0049】
図6は、通信帯域の割り当てについての比較例を示す図である。図6に示す比較例では、ネットワーク420において電子会議専用の通信帯域が確保される。その方法として、図5の例では、ネットワーク420において電子会議のパケット専用の会議専用レーン421とその他のパケット用の一般レーン422とが設けられている。なお、各レーンは、物理的に分離された別々の伝送路として確保されてもよいし、同一伝送路上に論理的に設けられてもよい。
【0050】
ルータ200は、ネットワーク410から受信した、ネットワーク420上のサーバ宛てのパケットを監視する。ルータ200は、電子会議サーバ310を送信先とするパケットを検出すると、そのパケットを会議専用レーン421に流す。これにより、電子会議サーバ310を送信先とするパケットに一定の通信帯域が割り当てられる。一方、ルータ200は、電子会議サーバ310以外のその他のサーバ340を送信先とするパケットを検出すると、そのパケットを一般レーン422に流す。
【0051】
しかし、この方法を利用した場合でも、電子会議の利用者が増加するほど会議専用レーン421のトラフィックが増加する。多数の会議利用者に対していつでも十分な通信帯域が割り当てられるようにするには、会議専用の通信帯域をあらかじめ潤沢に用意しておく必要があり、ネットワーク設備を増強するための膨大なコストがかかる。
【0052】
また、電子会議を多数のユーザが利用している状態でも、それらのユーザの中には、ユーザにとっての電子会議の重要性などにより、音声や映像についての高い品質を求めていないユーザも存在する。そのようなユーザに対しても大きな通信帯域が確保される場合、余計なコストがかかってしまうことになる。
【0053】
そこで、本実施の形態のルータ200は、電子会議を利用中のユーザのそれぞれについて、電子会議の開始時に決まる静的な指標と、電子会議の開催中に変動する動的な指標とに基づいて、通信帯域の割り当てを制御する。静的な指標としては、電子会議の主催者か、招待を受けた招待者かといった、電子会議に対する関わり方や、ユーザが送受信した電子メールにおける電子会議に対する言及の状況が用いられ、このような指標に基づいてユーザの電子会議に対する関心度が判定される。動的な指標としては、電子会議アプリケーションの表示ウィンドウの状態など、電子会議アプリケーションの使用形態が用いられ、このような指標に基づいてユーザの電子会議に対する集中度が判定される。そして、関心度および集中度の判定結果に基づいて、ユーザに割り当てられる通信帯域が決定される。
【0054】
ここで、本実施の形態のように、ユーザにそれぞれ対応する仮想マシンを仮想デスクトップにより操作する環境では、上記のような電子会議アプリケーションの使用形態を示す情報を、ルータ200など、ホストサーバ100の外部の装置から取得しやすいという特徴がある。また、このような仮想デスクトップ環境を導入する企業では、電子会議の予定や参加予定者の情報(後述する会議情報)と、電子メールの送受信とが一元的に管理されている場合が多い。本実施の形態でも、会議情報は予定管理サーバ320で管理され、電子メールの送受信は電子メールサーバ330で管理されている。このような環境では、ルータ200などのシステム内の装置が、会議情報や各ユーザの電子メールをシステム内から取得しやすいという特徴がある。なお、会議情報からは、前述の関心度の判定に用いられる情報を得ることができる。
【0055】
図7は、仮想マシンおよびルータが備える処理機能の構成例を示す図である。
仮想マシン110は、会議アプリケーション111、エージェント112およびレジストリ113を備える。同様に、仮想マシン120,130,140は、それぞれ会議アプリケーション121,131,141、エージェント122,132,142およびレジストリ123,133,143を備える。
【0056】
会議アプリケーション111,121,131,141の処理は、会議アプリケーションプログラムを仮想マシン110,120,130,140の仮想プロセッサ(実体的にはプロセッサ101)が実行することで実現される。会議アプリケーション111,121,131,141は、電子会議サーバ310と通信することで仮想マシン110,120,130,140を用いた電子会議を実現するクライアントアプリケーションである。
【0057】
例えば、会議アプリケーション111は、ユーザ端末501のマイク(マイクロフォン)で収音された音声データとユーザ端末501のカメラで撮影された映像データとを受信して、電子会議サーバ310に送信する。また、会議アプリケーション111は、電子会議サーバ310から音声データと映像データを受信し、これらのデータを基にユーザ端末501に音声と映像を再生させる。
【0058】
同様に、会議アプリケーション121,131,141は、ユーザ端末502,503,504のマイクで収音された音声データとユーザ端末502,503,504のカメラで撮影された映像データとを受信して、電子会議サーバ310に送信する。また、会議アプリケーション121,131,141は、電子会議サーバ310から音声データと映像データを受信し、これらのデータを基にユーザ端末502,503,504に音声と映像を再生させる。
【0059】
電子会議サーバ310は、会議アプリケーション111,121,131,141の処理により仮想マシン110,120,130,140から送信された音声データと映像データを受信する。そして、電子会議サーバ310は、所定の仮想マシンに対して所定の仮想マシンから受信した音声データと映像データを送信する。例えば、電子会議サーバ310は、仮想マシン120,130,140から受信した音声データと映像データを、仮想マシン110に送信する。仮想マシン110の会議アプリケーション111は、受信した音声データを基に合成した音声をユーザ端末501に表示させるとともに、受信した映像データに基づく各画像を配置した電子会議用の表示ウィンドウを生成してユーザ端末501に表示させる。
【0060】
エージェント112,122,132,142の処理は、エージェントプログラムを仮想マシン110,120,130,140の仮想プロセッサ(実体的にはプロセッサ101)が実行することで実現される。エージェント112は、会議アプリケーション111の使用形態を示す情報を定期的に収集し、レジストリ113内に生成した会議アプリ情報に上書きして登録する。使用形態を示す情報としては、電子会議用の表示ウィンドウの状態を示す情報や、マイクのオン、オフ(ミュート)の状態を示す情報が収集される。実際には、これらの情報は、仮想マシン110のOS(ゲストOS)を介して取得される。
【0061】
同様に、エージェント122,132,142は、会議アプリケーション121,131,141の使用形態を示す情報を定期的に収集し、レジストリ123,133,143内に生成した会議アプリ情報に上書きして登録する。
【0062】
レジストリ113,123,133,143は、仮想マシン110,120,130,140の仮想記憶装置(実体的にはHDD103など、ホストサーバ100が備える記憶装置)の記憶領域によって実現される。レジストリ113,123,133,143は、会議アプリ情報を記憶する記憶部の一例である。レジストリ113,123,133,143に会議アプリ情報が記憶されることで、外部装置(具体的にはルータ200)から仮想ホスト処理部150を介して会議アプリ情報を容易に読み込むことができる。
【0063】
ただし、会議アプリ情報は仮想記憶装置内のレジストリ以外の記憶領域に記憶されてもよい。この場合例えば、会議アプリ情報は、外部装置から仮想ホスト処理部150とエージェントを介して読み込まれるようにすればよい。
【0064】
次に、ルータ200は、会議開催監視部211、関心度判定部212、集中度判定部213、品質優先度判定部214、帯域制御部215および記憶部220を備える。
会議開催監視部211、関心度判定部212、集中度判定部213、品質優先度判定部214および帯域制御部215の処理は、例えば、所定のファームウェアプログラムをプロセッサ201が実行することで実現される。会議開催監視部211は、新たな電子会議の開催を監視する。関心度判定部212は、開催中の電子会議に対して新たなユーザが参加すると、そのユーザの電子会議に対する関心度を判定する。集中度判定部213は、電子会議に参加中の各ユーザについて、電子会議に対する集中度を定期的に判定する。品質優先度判定部214は、電子会議に参加中の各ユーザについて、関心度と集中度の判定結果に基づき、ネットワーク品質(通信帯域)に関する品質優先度を判定する。帯域制御部215は、品質優先度の判定結果に基づいて、電子会議に参加中の各ユーザに対する通信帯域の割り当てを制御する。
【0065】
記憶部220は、RAM202など、ルータ200が備える記憶装置の記憶領域として実現される。記憶部220には、帯域制御処理で利用される各種のデータが記憶される。後述するように、記憶部220にはこのようなデータとして、会議開催情報、関心度テーブル、集中度テーブル、品質優先度テーブルなどが記憶される。
【0066】
図8は、会議アプリ情報の収集処理について説明するための図である。図8では、仮想マシン110における処理について例示する。
仮想マシン110において、エージェント112は、会議アプリケーション111の使用形態を示す情報を定期的に収集し、レジストリ113内に生成した会議アプリ情報114に上書きして登録する。使用形態を示す情報としては、電子会議用の表示ウィンドウについての現在のウィンドウサイズ、その表示ウィンドウの表示順序を示すウィンドウ表示順序、マイク状態が収集されて、会議アプリ情報114に登録される。ウィンドウサイズとしては、表示ウィンドウが最大化の状態か、最小化の状態か、それ以外であれば縦横のサイズがいくつであるかを示す情報が登録される。ウィンドウ表示順序は、表示ウィンドウについての画面に対して奥行方向の順序(位置)を示す。例えば、最前面であるか、最前面から何番目であるかを示す情報が登録される。マイク状態は、マイクがオンであるか、ミュート状態であるかを示す。
【0067】
図9は、会議開催情報の収集処理について説明するための図である。
電子会議の開催予定が決定されると、予定管理サーバ320には、電子会議の開催予定時刻や、内容を示す件名、参加予定者などを示す会議情報321が登録される。また、図示しないが、予定管理サーバ320には、登録されている会議情報321の一覧を示す会議一覧情報も登録されている。会議一覧情報には、電子会議の開始予定日時も登録されている。
【0068】
ルータ200の会議開催監視部211は、会議一覧情報を定期的に予定管理サーバ320から取得する。会議開催監視部211は、取得した会議一覧情報に基づき、開始予定日時となって新たに開始された電子会議が検出された場合には、その電子会議についての会議情報321を予定管理サーバ320から取得する。会議開催監視部211は、新たに開始された電子会議についての会議開催情報221を生成して記憶部220に登録し、その会議開催情報221に対して、取得した会議情報321の内容を登録する。
【0069】
また、電子会議サーバ310は、電子会議が開始されると、その電子会議に対する現在の参加者を示す参加者情報311を生成して保持する。そして、電子会議サーバ310は、電子会議に参加者が加わるたびに、その参加者を示す情報を参加者情報311に登録していく。なお、会議情報321と参加者情報311とは、電子会議を識別する会議IDによって対応付けられる。
【0070】
会議開催監視部211は、上記のように新たな電子会議が開始されたことを検出すると、その電子会議が終了するまでの間、その電子会議に対応する参加者情報311を電子会議サーバ310から定期的に取得する。そして、会議開催監視部211は、電子会議における現在の参加者を示す情報を会議開催情報221に登録する。会議開催情報221には、常に現在の参加者を示す情報が保持されるようにする。
【0071】
図10は、会議情報および参加者情報の構成例を示す図である。図10に示すように、会議情報321には、例えば、電子会議の開始日時を示す日時、電子会議の内容を示す件名、電子会議の主催者、電子会議に必ず参加する予定の必須出席者、電子会議に任意で参加予定の任意出席者が登録される。また、参加者情報311には、電子会議の件名と、接続中参加者が登録される。接続中参加者とは、対応する仮想マシンの会議アプリケーションを介して電子会議サーバ310に接続中の参加者、すなわち、電子会議に現在参加中のユーザを示す。
【0072】
会議開催情報221には、会議情報321の日時、件名、主催者、必須出席者、任意出席者と、参加者情報311の接続中参加者とが登録されることになる。
図11は、関心度の判定処理について説明するための図である。関心度判定部212は、会議開催情報221に対して接続中参加者として新たな参加者が登録されると(すなわち、新たな参加者が検出されると)、その参加者についての会議開始時刻以前の電子メール331を電子メールサーバ330から取得する。
【0073】
この取得処理では、関心度判定部212は、まず、会議開催情報221から電子会議の件名を読み出し、形態素解析によって、会議そのものを示す単語(「会議」「電子会議」「打合せ」「ミーティング」など)以外の自立語をキーワードとして抽出する。例えば、件名が「ライセンスについての打合せ」であった場合、形態素解析によって「ライセンス」「についての」「打合せ」と分解される。そして、自立語である「ライセンス」「打合せ」の中から会議そのものを示す「打合せ」が除外されて、「ライセンス」がキーワードとして抽出される。
【0074】
関心度判定部212は、抽出されたキーワードを電子メールサーバ330に通知する。そして、関心度判定部212は、会議予定が決定された時刻から会議開始時刻までの期間において参加者が送信した(または送受信した)電子メール331の中から、件名や本文にキーワードが含まれる電子メール331を検索するように依頼する。関心度判定部212は、検索された電子メール331を電子メールサーバ330から取得する。
【0075】
また、図示しないが、関心度判定部212はこれとともに、電子会議の予定が決定した時点で参加者宛てに送信された、または参加者自身が送信した、電子会議に対する招待メールを、電子メールサーバ330から取得する。関心度判定部212は、このようにして取得した電子メールを解析し、その解析結果を記憶部220に登録された関心度テーブル222に登録する。そして、関心度判定部212は、電子メールの解析結果に基づいて、参加者の電子会議に対する関心度を判定し、関心度テーブル222に登録する。
【0076】
図12は、関心度テーブルの構成例を示す図である。関心度テーブル222は、関心度判定部212によって電子会議ごとに生成されて記憶部220に記憶される。図12に示すように、関心度テーブル222には、電子会議に参加中の参加者ごとのレコードが登録され、各レコードには参加者名、主催者識別情報、招待者識別情報、会議言及識別情報および関心度が登録される。
【0077】
参加者名の項目には、現在参加中の参加者の名前が登録される。主催者識別情報は、参加者が電子会議の主催者か否かを示す。参加者が主催者である場合は「Yes」と登録され、参加者が招待者である場合は「No」と登録される。招待者識別情報は、参加者がどのような種別の招待者かを示す。招待者には、電子会議への参加が必須である必須参加者と、参加が任意である任意参加者とがある。招待者識別情報には、必須参加者、任意参加者、招待者でないことを示す「No」のいずれかが登録される。
【0078】
主催者識別情報および招待者識別情報は、例えば、電子会議に対する招待メールに基づいて登録される。例えば、招待メールの送信者は主催者と判定され、招待メールの送信先とされた参加者(「TO」の項目に記載された参加者)は必須参加者と判定され、招待メールの「CC(Carbon Copy)」の項目に記載された参加者は任意参加者と判定される。あるいは、主催者識別情報および招待者識別情報は、会議開催情報221に基づいて登録されてもよい。
【0079】
会議言及識別情報は、参加者が送信した(または送受信した)電子メールにおいて電子会議について言及されたか否かを示す。例えば、図11で説明した手順により件名や本文にキーワードが含まれる電子メールが電子メールサーバ330から検索された場合に、会議言及識別情報に「言及あり」と登録される。なお、例えば、言及ありと判定された場合に、電子メールにおけるキーワードの出現回数などに応じて複数段階の識別情報が登録されるようにしてもよい。
【0080】
関心度判定部212は、主催者識別情報、招待者識別情報および会議言及識別情報の各項目に登録された情報に基づいて、参加者の電子会議に対する関心度を判定し、関心度の項目に判定結果を登録する。例えば、主催者識別情報、招待者識別情報および会議言及識別情報の項目ごとに、登録された情報に応じたポイントが定義され、各項目のポイントを加算した値が関心度として算出される。
【0081】
一例として、主催者識別情報では、「Yes」の場合に+2ポイント付与され、「No」の場合にはポイントが付与されない。招待者識別情報では、必須参加者の場合に+1ポイント付与され、任意参加者の場合と招待者でない場合にはポイントが付与されない。会議言及識別情報では、言及ありの場合に+2ポイントが付与され、言及なしの場合にはポイントが付与されない。このようなポイント付与方法が採用された場合、例えば図12のユーザU1については、「2+0+2」という計算により関心度が「+4」となる。
【0082】
このような処理により、参加者の電子会議に対する関心度を精度よく推定することができる。後述する通信帯域の割り当て制御では、関心度の高いユーザほど、音声や映像の再生品質が高くなるように広い通信帯域が割り当てられる。特に、会議言及識別情報に応じて関心度が判定されることで、過去の電子メールにおける電子会議への言及の状況に応じて通信帯域の割り当てを変更することが可能となる。例えば、過去の電子メールにおいて電子会議に言及していたり、その言及回数が高いほど、電子会議に対する事前の関心度が高く、参加者にとって電子会議の重要性が高いと推定される。会議言及識別情報を用いることで、このような参加者に広い通信帯域を割り当て、音声や映像の再生品質を高めることができる。
【0083】
図13は、集中度の判定処理について説明するための図である。前述のように、電子会議が行われている仮想マシンでは、エージェントの処理により、会議アプリケーションの利用形態を示す最新の情報がレジストリ内の会議アプリ情報に登録される。ルータ200の集中度判定部213は、電子会議が開催されている間、電子会議が行われている仮想マシンのレジストリから会議アプリ情報を定期的に取得し、会議アプリ情報の内容を記憶部220内の集中度テーブル223に登録する。
【0084】
図13は、仮想マシン110で電子会議が行われている場合について例示している。この場合、集中度判定部213は、仮想マシン110のレジストリ113に記憶された会議アプリ情報114を、仮想ホスト処理部150を介して取得する。後述するように、集中度テーブル223には電子会議に参加中のユーザごとのレコードが生成され、取得された会議アプリ情報の内容が、該当するユーザのレコードに登録される。図13の例では、集中度判定部213は、取得した会議アプリ情報114の内容を、集中度テーブル223のレコードのうち、ユーザU1に対応するレコードに登録する。そして、集中度判定部213は、登録された内容に基づいて、電子会議に対するユーザU1(参加者)の現在の集中度を判定し、判定結果を集中度テーブル223のユーザU1に対応するレコードに登録する。
【0085】
図14は、集中度テーブルの構成例を示す図である。集中度テーブル223は、集中度判定部213によって電子会議ごとに生成されて記憶部220に記憶される。図14に示すように、集中度テーブル223には、電子会議に参加中の参加者ごとのレコードが登録され、各レコードには参加者名、ウィンドウサイズ、ウィンドウ表示順序、マイク状態および集中度が登録される。参加者名の項目には、現在参加中の参加者の名前が登録される。ウィンドウサイズ、ウィンドウ表示順序およびマイク状態の各項目には、会議アプリ情報に含まれる同名の項目の情報がそのまま登録される。
【0086】
集中度判定部213は、ウィンドウサイズ、ウィンドウ表示順序およびマイク状態の各項目に登録された情報に基づいて、参加者の電子会議に対する集中度を判定し、集中度の項目に判定結果を登録する。例えば、ウィンドウサイズ、ウィンドウ表示順序およびマイク状態の項目ごとに、登録された情報に応じたポイントが定義され、各項目のポイントを加算した値が集中度として算出される。
【0087】
一例として、ウィンドウサイズでは、最大化の場合に+1ポイントが付与され、最小化の場合に-1ポイントが付与され(1ポイントが減算され)、それ以外の場合にはポイントが付与されない。ウィンドウ表示順序では、最前面の場合に+1ポイントが付与され、それ以外の場合にはポイントが付与されない。マイク状態では、オンの場合に+1ポイントが付与され、オフ(ミュート)の場合にはポイントが付与されない。このようなポイント付与方法が採用された場合、例えば図14のユーザU1については、「0+1+0」という計算により集中度が「+1」となる。
【0088】
このような処理により、参加者の電子会議に対する現在の集中度を精度よく推定することができる。後述する通信帯域の割り当て制御では、集中度の高いユーザほど、音声や映像の再生品質が高くなるように広い通信帯域が割り当てられる。
【0089】
例えば、電子会議への参加態度が積極的であったり、電子会議の議論の内容を真剣に聞いている場合には、ウィンドウサイズが大きくなり、ウィンドウ表示順序が前面側になる傾向がある。上記処理によりそのような参加者の集中度が高く判定されるので、そのような参加者に対して広い通信帯域を割り当てることができる。
【0090】
また、参加者によっては、会議アプリケーションの表示ウィンドウを表示させながら、同時に他のアプリケーションを実行させて他の作業を行っている場合もある。このような参加者には、高品質な音声や映像の再生が必ずしも必要ではない。このような参加者については、ウィンドウサイズが小さく、ウィンドウ表示順序が最前面でない可能性が高い。上記処理によりそのような参加者の集中度が低く判定されるので、そのような参加者に対して割り当てられる通信帯域をある程度制限することができる。
【0091】
また、電子会議において積極的に発言しようとしている場合、マイク状態はオンである可能性が高い一方、マイク状態がミュートである場合には、積極的に発言しようとはしておらず、会議そのものに集中していない可能性もある。上記処理により、このような可能性に鑑みて、会議に集中している可能性が高い参加者に対して、より広い通信帯域を割り当てることができる。
【0092】
図15は、品質優先度の判定処理について説明するための図である。品質優先度判定部214は、ある電子会議に関する関心度テーブル222および集中度テーブル223から参加者ごとの関心度と集中度を定期的に取得し、関心度と集中度に基づいて参加者ごとの品質優先度を判定する。品質優先度とは、参加者に対する通信品質の優先度を示す。品質優先度が高い参加者ほど、広い通信帯域が割り当てられる。
【0093】
品質優先度判定部214により、電子会議ごとに品質優先度テーブル224が生成されて、記憶部220に登録される。図15に示すように、品質優先度テーブル224には電子会議に参加中の参加者ごとのレコードが登録され、各レコードには参加者名、関心度、集中度および品質優先度が登録される。
【0094】
品質優先度判定部214は、関心度テーブル222から取得した参加者ごとの関心度を、品質優先度テーブル224における該当参加者の関心度の項目に登録する。これとともに、品質優先度判定部214は、集中度テーブル223から取得した参加者ごとの集中度を、品質優先度テーブル224の該当参加者の集中度の項目に登録する。そして、品質優先度判定部214は、参加者ごとに、関心度と集中度とを加算することで品質優先度を算出し、品質優先度テーブル224の該当参加者のレコードに登録する。
【0095】
図16は、通信帯域の割り当て制御について説明するための図である。帯域制御部215は、品質優先度テーブル224から、電子会議に現在参加中の各参加者についての品質優先度を定期的に取得する。帯域制御部215は、取得した品質優先度に基づき、参加者に対応する仮想マシンと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットに対する通信帯域の割り当てを制御する。
【0096】
図16では、電子会議サーバ310に対して送信されるパケットについてのネットワーク420における帯域割り当て制御について例示している。図16の例では、ネットワーク420において、優先度が高いパケット専用の高優先レーン431と、優先度が中程度のパケット専用の優先レーン432と、優先度が低いパケット専用の一般レーン433とが設けられている。高優先レーン431、優先レーン432、一般レーン433の順に高い通信帯域が割り当てられる。
【0097】
なお、これらの各レーンは、物理的に分離された別々の伝送路として確保されてもよいし、同一伝送路上に論理的に設けられてもよい。後者の場合、例えば、優先度が高いパケット、優先度が中程度のパケット、優先度が低いパケットの間で決められた通信帯域の比率に応じて、ネットワーク420に対するパケットの送信回数が制御される。例えば、優先度が高いパケット、優先度が中程度のパケット、優先度が低いパケットの間の通信帯域の比率が3:2:1である場合、単位時間内で優先度が高いパケットの送信回数が全体の1/2となるようにパケットの送信が制御される。
【0098】
図16の例では、ユーザU1~U3が仮想マシン110~130を用いて電子会議に参加している。この場合、帯域制御部215は、品質優先度テーブル224から取得したユーザU1の品質優先度に基づいて、仮想マシン110から電子会議サーバ310宛てのパケットに対していずれかのレーンを割り当てる。同様に、帯域制御部215は、品質優先度テーブル224から取得したユーザU2の品質優先度に基づいて、仮想マシン120から電子会議サーバ310宛てのパケットに対していずれかのレーンを割り当てる。また、帯域制御部215は、品質優先度テーブル224から取得したユーザU3の品質優先度に基づいて、仮想マシン130から電子会議サーバ310宛てのパケットに対していずれかのレーンを割り当てる。
【0099】
なお、レーン割り当ては、例えば、閾値TH1,TH2(ただしTH1<TH2)があらかじめ設定され、品質優先度と閾値TH1,TH2との比較結果に基づいて行われる。例えば、品質優先度が閾値TH1以下の場合には一般レーン433が割り当てられ、品質優先度が閾値TH1より高く閾値TH2以下の場合には優先レーン432が割り当てられ、品質優先度が閾値TH2より高い場合には高優先レーン431が割り当てられる。
【0100】
また、帯域制御部215は、例えば、電子会議が行われていない仮想マシン140からの送信パケットには、一般レーン433を割り当てる。また、帯域制御部215は、例えば、電子会議が行われている仮想マシン110~130から送信された、ネットワーク420上の電子会議サーバ310以外のサーバ(その他のサーバ340)宛ての送信パケットにも、一般レーン433を割り当てる。
【0101】
また、図16では電子会議が行われている仮想マシンから電子会議サーバ310に送信されるパケットについての、ネットワーク420上の帯域割り当てについて示した。しかし、電子会議サーバ310から仮想マシンに送信されるパケットについての、ネットワーク410上の帯域割り当てについても、同様の手順で実行することができる。
【0102】
図17は、会議アプリケーションの利用形態の変化に応じた通信帯域の割り当て制御例を示すタイミングチャートである。図17では、あるユーザが対応する仮想マシンを用いて時刻T1で電子会議に参加し、時刻T6で電子会議から退出したものとする。
【0103】
電子会議に参加した当初の状態では、会議アプリケーションの表示ウィンドウのウィンドウサイズは全画面表示となっており、ウィンドウ表示順序は最前面となっており、マイク状態はオンとなっている。この場合、仮想マシンと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットには高優先レーンが割り当てられる。これにより、音声や映像の再生について高い品質が確保される。
【0104】
ここで、時刻T2において、ウィンドウサイズが縮小するとともに、マイク状態がミュートになったとする。このとき、品質優先度が低下し、仮想マシンと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットに割り当てられるレーンは、高優先レーンから優先レーンに変更される。これにより、音声や映像の再生について中程度の品質が確保される。
【0105】
その後、時刻T3でマイク状態がオンに戻ったとすると、品質優先度が上昇し、仮想マシンと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットに割り当てられるレーンは、優先レーンから高優先レーンに変更される。これにより、音声や映像の再生について高い品質が確保される。
【0106】
その後、時刻T4でマイク状態が再度ミュートになったとすると、品質優先度が低下し、仮想マシンと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットに割り当てられるレーンは、高優先レーンから優先レーンに変更される。これにより、音声や映像の再生について中程度の品質が確保される。
【0107】
その後、時刻T5でウィンドウ表示順序が最前面から2番目になったとすると、品質優先度がさらに低下し、仮想マシンと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットに割り当てられるレーンは、優先レーンから一般レーンに変更される。これにより、音声や映像の再生について最低限の品質が確保される。
【0108】
以上のようなルータ200の処理により、電子会議が行われている仮想サーバと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットに対する通信帯域の割り当てを適正化することができる。特に、関心度と集中度の両方を用いて帯域割り当てが行われることで、電子会議の開始時点で決定される参加者の指標と、電子会議の開催中における参加者の状態に応じた指標とを組み合わせて、参加者の音声や映像の必要性に応じた高精度の割り当て制御を実行できる。例えば、集中度のみが用いられる場合、複数の参加者の集中度が同等であれば、各参加者には同等の通信帯域が割り当てられる。しかし、集中度が同じであっても、その電子会議の重要性などによっては、音声や映像についての高い品質が必要でない場合もある。そのため、関心度と集中度の両方を用いることで、通信帯域の割り当ての適正化精度を向上させることが可能となる。
【0109】
次に、仮想マシンの処理についてフローチャートを用いて説明する。
図18は、仮想マシンにおける会議アプリ情報収集処理の手順を示すフローチャートの例である。
【0110】
[ステップS11]仮想マシンのエージェントは、その仮想マシンにおいて会議アプリケーションが起動中であるかを判定する。会議アプリケーションが起動中である場合、処理がステップS12に進められ、会議アプリケーションが起動していない場合、処理がステップS14に進められる。
【0111】
[ステップS12]エージェントは、会議アプリケーションの表示ウィンドウについてのウィンドウサイズおよびウィンドウ表示順序と、マイク状態とを取得する。これらの情報は、例えば、仮想OSのゲストOSを介して会議アプリケーションから取得される。
【0112】
[ステップS13]エージェントは、レジストリに記憶された会議アプリ情報に対して、ステップS12で取得した情報を上書きして登録する。レジストリに会議アプリ情報が記憶されていない場合、エージェントは会議アプリ情報を生成してレジストリに格納し、取得した情報をその会議アプリ情報に登録する。
【0113】
[ステップS14]エージェントは、レジストリに会議アプリ情報が記憶されている場合には、その会議アプリ情報を削除する。
[ステップS15]エージェントは、所定時間(例えば10秒)だけ待ち状態となる。所定時間が経過すると、処理がステップS11に進められる。
【0114】
次に、ルータ200の処理についてフローチャートを用いて説明する。
図19は、会議開催監視処理の手順を示すフローチャートの例である。
[ステップS21]会議開催監視部211は、予定管理サーバ320から会議一覧情報を取得する。
【0115】
[ステップS22]会議開催監視部211は、会議一覧情報に記載された電子会議の会議開始予定時刻に基づき、新たに開始予定時刻になった電子会議があるかを判定する。該当する電子会議がある場合、処理がステップS23に進められ、該当する電子会議がない場合、処理がステップS24に進められる。
【0116】
[ステップS23]会議開催監視部211は、新たに開始予定時刻になった電子会議(すなわち、新たに開始された電子会議)についての会議情報321を予定管理サーバ320から取得する。会議開催監視部211は、新たに開始された電子会議についての会議開催情報221を生成して記憶部220に登録し、その会議開催情報221に対して、取得した会議情報321の内容を登録する。
【0117】
[ステップS24]会議開催監視部211は、開催中の電子会議についての参加者情報311を電子会議サーバ310から取得する。会議開催監視部211は、取得した参加者情報に登録されている参加者の情報によって、対応する会議開催情報221に登録された参加者の情報を更新する。
【0118】
[ステップS25]会議開催監視部211は、所定時間(例えば10秒)だけ待ち状態となる。所定時間が経過すると、処理がステップS21に進められる。
図20は、関心度判定処理の手順を示すフローチャートの例である。
【0119】
[ステップS31]関心度判定部212は、記憶部220内の会議開催情報221を参照する。
[ステップS32]関心度判定部212は、会議開催情報221に登録された参加者の情報に基づいて、電子会議に新しく参加した参加者が存在するかを判定する。該当する参加者が存在する場合、処理がステップS33に進められ、該当する参加者が存在しない場合、処理がステップS36に進められる。
【0120】
ここで、以下のステップS33~S35の処理は、ステップS32で抽出された新しい参加者のそれぞれについて実行される。
[ステップS33]関心度判定部212は、会議開催情報221に登録された件名に対して形態素解析を行い、自立語を抽出する。関心度判定部212は、抽出された自立語のうち、会議そのものを示す単語を除く自立語をキーワードとして抽出する。
【0121】
[ステップS34]関心度判定部212は、抽出されたキーワードを電子メールサーバ330に通知して、電子メールの検索を依頼する。このとき、キーワードとともに、参加者のユーザID、電子会議の予定が決定された時刻、電子会議の開始予定時刻も電子メールサーバ330に通知される。
【0122】
電子メールサーバ330は、検索依頼に応じて、電子会議の予定が決定された時刻から開始予定時刻までの期間において参加者が送信した(または送受信した)電子メールを抽出する。電子メールサーバ330は、抽出された電子メールの中から、件名や本文にキーワードが含まれる電子メールを検索する。該当する電子メールが検索された場合、それらの電子メールが関心度判定部212に送信され、関心度判定部212がそれを取得する。一方、該当する電子メールが存在しなかった場合、その旨を示す通知情報が関心度判定部212に送信される。なお、他の例として、該当する電子メールが検索されたか否かを示す通知情報が関心度判定部212に送信されてもよい。
【0123】
また、関心度判定部212は、電子会議の予定が決定した時点で送信された、電子会議に対する招待メールを、電子メールサーバ330から取得する。
[ステップS35]関心度判定部212は、記憶部220内の関心度テーブル222に、新しい参加者のレコードを登録する。該当電子会議に対応する関心度テーブル222が存在しない場合には、関心度判定部212は、関心度テーブル222を新たに生成して記憶部220に格納し、新しい参加者のレコードを登録する。
【0124】
関心度判定部212は、ステップS34で取得した招待メールに基づいて、登録したレコードの主催者識別情報と招待者識別情報に情報を登録する。また、関心度判定部212は、ステップS34でキーワードに対応する検索結果が得られた場合には、登録したレコードの会議言及識別情報に「言及あり」と登録し、検索結果が得られなかった場合には、会議言及識別情報に「言及なし」と登録する。
【0125】
関心度判定部212は、主催者識別情報、招待者識別情報および会議言及識別情報の登録内容に基づいて、参加者についての関心度を算出し、同じレコードに登録する。
[ステップS36]関心度判定部212は、所定時間(例えば10秒)だけ待ち状態となる。所定時間が経過すると、処理がステップS31に進められる。
【0126】
図21は、帯域制御処理の手順を示すフローチャートの例である。
[ステップS41]集中度判定部213は、開催中の電子会議についての参加者情報311を電子会議サーバ310から取得する。これにより、集中度判定部213は、電子会議に参加中の参加者を認識する。
【0127】
ここで、以下のステップS42~S45の処理は、ステップS41で認識された参加者のそれぞれについて実行される。
[ステップS42]集中度判定部213は、参加者が利用する仮想マシンのレジスタから会議アプリ情報114を取得する。
【0128】
[ステップS43]集中度判定部213は、取得した会議アプリ情報114に登録された内容に基づいて、参加者についての集中度を算出する。
[ステップS44]品質優先度判定部214は、関心度テーブル222に登録されたユーザの関心度と、ステップS43で算出されたユーザの集中度に基づいて、ユーザについての品質優先度を算出する。
【0129】
[ステップS45]帯域制御部215は、算出された品質優先度に基づいて、参加者に対応する仮想マシンと電子会議サーバ310との間で伝送されるパケットに対して通信帯域を割り当てる。
【0130】
[ステップS46]帯域制御部215は、所定時間(例えば10秒)だけ待ち状態となる。所定時間が経過すると、処理がステップS41に進められる。
なお、上記の各実施の形態に示した装置(例えば、通信制御装置30、ホストサーバ100、ルータ200、電子会議サーバ310、予定管理サーバ320、電子メールサーバ330)の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、各装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供され、そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記憶装置、光ディスク、半導体メモリなどがある。磁気記憶装置には、ハードディスク装置(HDD)、磁気テープなどがある。光ディスクには、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、ブルーレイディスク(Blu-ray Disc:BD、登録商標)などがある。
【0131】
プログラムを流通させる場合には、例えば、そのプログラムが記録されたDVD、CDなどの可搬型記録媒体が販売される。また、プログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することもできる。
【0132】
プログラムを実行するコンピュータは、例えば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムまたはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムにしたがった処理を実行する。なお、コンピュータは、可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムにしたがった処理を実行することもできる。また、コンピュータは、ネットワークを介して接続されたサーバコンピュータからプログラムが転送されるごとに、逐次、受け取ったプログラムにしたがった処理を実行することもできる。
【符号の説明】
【0133】
10 サーバ
21~23 クライアント
30 通信制御装置
31 処理部
41 広帯域
42 狭帯域
A~C ユーザ
S1~S3 ステップ
図1
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