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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】プローブ及び検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01R 1/073 20060101AFI20240417BHJP
   G01R 31/26 20200101ALI20240417BHJP
【FI】
G01R1/073 A
G01R1/073 Z
G01R31/26 J
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020133356
(22)【出願日】2020-08-05
(65)【公開番号】P2022029831
(43)【公開日】2022-02-18
【審査請求日】2023-05-15
(73)【特許権者】
【識別番号】518232168
【氏名又は名称】ダイトロン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003395
【氏名又は名称】弁理士法人蔦田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小薮 隆史
(72)【発明者】
【氏名】堀 正輝
(72)【発明者】
【氏名】小野 尚徳
【審査官】田口 孝明
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-184639(JP,A)
【文献】特開2013-120065(JP,A)
【文献】特開2011-142015(JP,A)
【文献】特開昭63-151875(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0041428(US,A1)
【文献】米国特許第10725069(US,B1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0200578(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0111571(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2019/0064215(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
IPC G01R 1/06-1/073、
31/26-31/27、
31/28-31/3193、
H01L 21/64-31/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の板状の導電性部材が絶縁状態で積層された本体部と、
1の前記導電性部材が他の前記導電性部材と重ならないように前記本体部から突出した接点部を前記導電性部材毎に設けたコンタクト部とを備え、
1の前記導電性部材に前記接点部が複数設けられ、他の前記導電性部材に設けられた前記接点部が、1の前記導電性部材に前記接点部の間に配置され、
前記本体部及び前記コンタクト部の少なくとも一方を弾性変形させて前記接点部を被検査対象物に接触させるプローブ。
【請求項2】
前記本体部を弾性変形させて前記接点部を被検査対象物に接触させる請求項1に記載のプローブ。
【請求項3】
前記本体部が折れ曲がっている請求項1又は2に記載のプローブ。
【請求項4】
前記コンタクト部が折れ曲がっている請求項1又は2に記載のプローブ。
【請求項5】
被検査対象物に接触するプローブと、前記プローブを被検査対象物に押し付ける押圧部とを備える検査装置において、
前記プローブは、複数の板状の導電性部材が絶縁状態で積層された本体部と、1の前記導電性部材が他の前記導電性部材と重ならないように前記本体部から突出した接点部を前記導電性部材毎に設けたコンタクト部とを備え、
前記押圧部は、前記本体部及び前記コンタクト部の一方を押圧して弾性変形させて前記接点部を被検査対象物に接触させる検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検査体の電極に対して電気的な接続を行うプローブ及び、そのプローブを用いた検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
レーザやIC等の半導体素子は、製造後に性能を評価するため、被検査対象の半導体素子の電極にプローブを接触させて通電し、半導体素子を動作させて性能評価や各種の電気特性測定といった検査が行われている。
【0003】
このような検査では、電極にプローブを接触させる際にプローブの形状が変形してキャパシタンスが変化しやすいため、パルス状の駆動電源を入力する検査について正確な評価ができないおそれがある。
【0004】
これに対して、一対の平状配線材の面を対面配置し、各平状配線材を通じて半導体素子の電極に正電位及び負電位を与える検査装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-225867号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の検査装置では、複数のプローブがスプリングによって伸縮自在に設けられたプローブユニットと半導体素子の電極との距離を調整することで、電極にプローブを所定の押圧力で押し付けるため、プローブを電極に接触させるための構造が複雑となりやすい。
【0007】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、簡単な構成によって電極にプローブを接触させる際にキャパシタンスが変化しにくく正確に被検査対象物を検査することができるプローブ及び検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明にかかるプローブは、複数の板状の導電性部材が絶縁状態で積層された本体部と、1の前記導電性部材が他の前記導電性部材と重ならないように前記本体部から突出した接点部を前記導電性部材毎に設けたコンタクト部とを備え、1の前記導電性部材に前記接点部が複数設けられ、他の前記導電性部材に設けられた前記接点部が、1の前記導電性部材に前記接点部の間に配置され、前記本体部及び前記コンタクト部の少なくとも一方を弾性変形させて前記接点部を被検査対象物に接触させるプローブ。
【0009】
本発明にかかる検査装置は、被検査対象物に接触するプローブと、前記プローブを被検査対象物に押し付ける押圧部とを備える検査装置において、前記プローブは、複数の板状の導電性部材が絶縁状態で積層された本体部と、1の前記導電性部材が他の前記導電性部材と重ならないように前記本体部から突出した接点部を前記導電性部材毎に設けたコンタクト部とを備え、前記押圧部は、前記本体部及び前記コンタクト部の一方を押圧して弾性変形させて前記接点部を前記被検査対象物に接触させるものである。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、簡単な構成によって電極にプローブを接触させる際にキャパシタンスが変化しにくく正確に被検査対象物を検査することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第1実施形態にかかる検査装置の要部を示す断面斜視図
図2】本発明の第1実施形態にかかる検査装置の要部を拡大して示す断面図
図3】(a)は本発明の第1実施形態にかかるプローブの斜視図、(b)は同プローブの分解斜視図
図4】(a)は本発明の第2実施形態にかかるプローブの斜視図、(b)は同プローブの分解斜視図
図5】本発明の第2実施形態にかかる検査装置の要部を示す斜視図
図6】本発明の変更例1にかかるプローブの斜視図
図7】本発明の変更例2にかかるプローブの斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照して説明する。
【0013】
本実施形態では、被検査対象物50としてキャンパッケージ型の半導体レーザを検査する検査装置10を例として説明する。この検査装置10は、コンタクト装置20がステージ12に載置された被検査対象物50のリード端子51、52から検査用の駆動電源を入力することで、被検査対象物50の電気特性を測定する。
【0014】
コンタクト装置20は、図1及び図2に示すように、被検査対象物50のリード端子51、52と接触するプローブ22と、プローブ22の下部を保持するベース部30と、プローブ22を押圧する押圧機構32とを備える。
【0015】
プローブ22は、図2図3(a)及び(b)に示すように、複数(本実施形態では2枚)の板状の導電性部材23,24が絶縁状態で積層された本体部22aと、本体部22aの一端部から突出するように設けられたコンタクト部22bとを備える。プローブ22は、ベース部30から上方に延び上端部が折れ曲がった、全体として略L字状をなしている。
【0016】
導電性部材23,24は、いずれも銅に金メッキした金属板等の導電性を有する板バネからなる。導電性部材23,24は、ベース部30から上方に延びる部分の少なくとも一部がプローブ22の本体部22aを構成する。本体部22aでは、互いに直接接触することがないように、導電性部材23,24の少なくとも一部が絶縁層25を介して積層されている。
【0017】
絶縁層25は、例えば、テープ状の絶縁材を一方の導電性部材23に巻き付けて設けられている。なお、絶縁層25は、テープ状の絶縁材を巻き付けて設ける以外にも、例えば、導電性部材23,24の少なくとも一方をスリーブ状の絶縁材で覆ったり、導電性部材23,24の対向面に絶縁性の塗料を塗布することで設けたり、任意の方法で導電性部材23,24の間に絶縁層25を設けることができる。
【0018】
導電性部材23,24の上端部は、間隔をあけて対向し絶縁状態を保ったままL字状に折れ曲がっている。この折れ曲がった部分の付け根側は、導電性部材23,24が間隔をあけて対向し、折れ曲がった部分の先端側には、被検査対象物50のリード端子51、52と接触する接点部26,28が形成されている。
【0019】
つまり、本実施形態では、ベース部30から上方に延びる部分とL字状に折れ曲がった部分の付け根側が、導電性部材23,24が絶縁状態で積層された本体部22aを構成し、折れ曲がった部分の先端側が、本体部22aから突出する接点部26,28を備えるコンタクト部22bを構成する。
【0020】
接点部26,28は、導電性部材23,24の幅方向Wの少なくとも一部が、導電性部材23,24の厚さ方向に互いに重なり合わないように、幅方向Wにずらして設けられている。
【0021】
具体的には、一方の導電性部材23の先端部には、幅方向Wの一方側に切欠部27が形成され、幅方向Wの他方側に寄せて接点部26が形成されている。また、他方の導電性部材24の先端部には、幅方向Wの他方側に切欠部29が形成され、幅方向Wの一方側に寄せて接点部28が形成されている。
【0022】
このような導電性部材23,24を重ね合わせると、プローブ22の本体部22aでは、導電性部材23,24が互いに絶縁された状態で積層される。また、プローブ22のコンタクト部22bでは、一方の導電性部材23の接点部26が、他方の導電性部材24の切欠部29と対向するように本体部22aから突出し、他方の導電性部材24の接点部28が、一方の導電性部材23の接点部26に接触することなく絶縁された状態で、一方の導電性部材23の切欠部27と対向するように本体部22aから突出する。
【0023】
ベース部30は、プローブ22が押圧機構32から外力を受けていない状態において、プローブ22に設けられた接点部26,28の先端が、ステージ12に載置された被検査対象物50のリード端子51、52と所定間隔をあけて対向するように、プローブ22の本体部22aを保持する。
【0024】
ベース部30は、検査用の駆動電源信号を生成する不図示の電源回路に接続された電極38、39が設けられている。ベース部30は、プローブ22の本体部22aを保持すると、電極38、39がプローブ22を構成する導電性部材23,24に電気接続される。これにより、電源回路から電極38を介して一方の導電性部材23に正電位及び負電位の一方が与えられ、電極39を介して他方の導電性部材24に正電位及び負電位の他方が与えられる。なお、図2及び図3に示すように、一方の導電性部材23に絶縁層25が巻き付けられている場合、一方の導電性部材23は、電極38と対向する位置において絶縁層25によって被覆されず、電極38と導通可能に接触するようになっている。
【0025】
押圧機構32は、プローブ22の本体部22aに近接して設けられた円柱状の押圧部34と、押圧部34を移動させる移動部36とを備える。押圧機構32は、移動部36が押圧部34を移動させてプローブ22の本体部22aを押圧する。これにより、本体部22aが弾性変形してプローブ22の接点部26,28をリード端子51、52に接触させ、検査用の駆動電源を被検査対象物50に入力する。
【0026】
上記した本実施形態のプローブ22では、本体部22aにおいて絶縁層25を介して導電性部材23,24が積層されている。そのため、接点部26,28がリード端子51、52に接触する際にプローブ22を弾性変形させても、正電位及び負電位を与える導電性部材23,24の間隔が本体部22aにおいて一定に維持され、プローブ22の変形によるプローブ22のキャパシタンスの変動を抑えることができる。また、本実施形態では、導電性部材23,24に発生する磁界が打ち消し合うことで、パルス駆動時のリンギングを抑えることができる。その結果、大電流や高周波数の駆動電源を入力する検査であっても正確に評価することができる。
【0027】
また、プローブ22は、導電性を有する板バネからなる導電性部材23,24を絶縁層25を介して積層する簡単な構成であるため、低コストで製造することができる。しかも、本実施形態では、押圧部34がプローブ22を押圧することで、プローブ22の接点部26,28をリード端子51、52に接触させることができるため、押圧機構32の構成も簡素化することができる。
【0028】
本実施形態では、接点部26,28をリード端子51、52に接触させる際に、押圧部34がプローブ22の本体部22aを押圧してこれを弾性変形させるため、コンタクト部22bの変形を極力抑えつつ、本体部22aを弾性変形することができ、プローブ22の変形によるキャパシタンスの変動やパルス駆動時のリンギングを抑えることができる。
【0029】
また、本実施形態では、本体部22aが折れ曲がり、その先端に接点部26,28が設けられているため、プローブ22において導電性部材23,24が絶縁状態で積層された本体部22aの割合が高くなり、プローブ22の変形によるキャパシタンスの変動やパルス駆動時のリンギングを抑えることができる。
【0030】
(第2実施形態)
第2実施形態の検査装置110について、主に図4(a)(b)及び図5に基づいて第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。なお、第1実施形態と同一の構成のものについては、同一の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0031】
上記した第1実施形態では、導電性部材23,24にそれぞれ1つの接点部26,28を設けたが、本実施形態のプローブ122では1の導電性部材123に複数の接点部126、126bが設けられている。
【0032】
具体的には、図4(a)(b)に示すように、一方の導電性部材123の先端部には、幅方向Wの中央部に切欠部127が形成され、幅方向Wの両側に接点部126a、126bが形成されている。また、他方の導電性部材124の先端部には、幅方向Wの両側に切欠部129a,129bが形成され、幅方向Wの中央部に接点部128が形成されている。
【0033】
このような導電性部材123,124を絶縁層125a,125bを介して重ね合わせると、プローブ122の本体部122aでは、導電性部材123,124が互いに絶縁された状態で積層される。なお、本実施形態では、導電性部材123,124の周囲に絶縁層125a,125bを設けたが、導電性部材123,124のいずれか一方の周囲に絶縁層を設けたり、導電性部材123,124の間のみに絶縁層を設けてもよい。
【0034】
プローブ122のコンタクト部122bでは、一方の導電性部材123の接点部126a、126bが、他方の導電性部材124の切欠部129a、129bと対向するように本体部22aから突出する。他方の導電性部材124の接点部128は、一方の導電性部材123の接点部126a、126bに接触することなく絶縁された状態で、一方の導電性部材123の切欠部127と対向するように本体部22aから突出する。
【0035】
プローブ122には、電源回路から電極38を介して一方の導電性部材123に正電位及び負電位の一方(例えば、正電位)が与えられ、電極39を介して他方の導電性部材124に正電位及び負電位の他方(例えば、負電位)が与えられる。これにより、正電位の接点部126a、126bの間に負電位の接点部128が位置するように、接点部126a、126b、128が導電性部材123,124の幅方向Wに並んで配置される。
【0036】
このような本実施形態のプローブ122は、図5に示すように、一方の導電性部材123の接点部126aが被検査対象物50のリード端子51と対向し、他方の導電性部材124の接点部128がリード端子52と対向するように、ベース部30に保持される。
【0037】
そして、押圧機構32の押圧部34がプローブ122の本体部122aを押圧して弾性変形させる。これにより、接点部126aがリード端子51に接触して正電位を与え、接点部128がリード端子52に接触して負電位を与えて、被検査対象物50を検査する。
【0038】
被検査対象物50の検査が終わると、押圧部34によるプローブ122の本体部122aの押圧を解除して、接点部126a、128をリード端子51,52から離隔させる。その後、他方の導電性部材124の接点部128が被検査対象物50のリード端子51と対向し、一方の導電性部材124の接点部126bがリード端子52と対向するように、不図示の移動機構によってベース部30を幅方向Wへ移動させる。
【0039】
そして、押圧機構32の押圧部34がプローブ122の本体部122aを押圧して弾性変形させる。これにより、接点部128がリード端子51に接触して正電位を入力し、接点部126bがリード端子52に接触して負電位を入力して、被検査対象物50を検査する。
【0040】
このような本実施形態では、検査用の駆動電源信号を生成する電源回路を変更することなく、プローブ122を幅方向Wへ移動させるだけで、リード端子51、52に正電位及び負電位を入れ替えて入力することができる。
【0041】
なお、その他の構成及び作用効果は上記した第1実施形態と同様であり、詳細な説明は省略する。
【0042】
(変更例)
以上、本発明の実施形態を説明したが、これらの実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することを意図していない。これらの実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これらの実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0043】
例えば、上記した第1実施形態及び第2実施形態では、本体部22aが折れ曲がり、その先端に接点部26,28が設けられている場合について説明したが、例えば、図6図7に示すように、コンタクト部222b、322bの上端部において折れ曲がっていても良い。
【0044】
つまり、図6に示すプローブ222では、ベース部30から上方に延びる部分に、導電性部材223,224が絶縁層225を介して積層された本体部222aと、コンタクト部222bとが設けられている。
【0045】
コンタクト部222bでは、一方の導電性部材223の幅方向Wの一方側に切欠部327が形成され、幅方向Wの他方側に接点部226が形成されている。また、他方の導電性部材224の先端部には、幅方向Wの他方に切欠部229が形成され、幅方向Wの一方側に接点部228が形成されている。これにより、コンタクト部222bでは、導電性部材223,224の幅方向Wの少なくとも一部が、導電性部材223,224の厚さ方向に互いに重なり合わないように幅方向Wにずらして設けられている。コンタクト部222bの上端部は、L字状に折れ曲がり、その先端部にリード端子51、52と接触するようになっている。
【0046】
図7に示すプローブ322では、ベース部30から上方に延びる部分に、導電性部材323,324が絶縁層325を介して積層された本体部322aと、コンタクト部322bとが設けられている。コンタクト部322bでは、一方の導電性部材323の幅方向Wの中央部に切欠部327が形成され、幅方向Wの両側に接点部326a、326bが形成されている。また、他方の導電性部材324の先端部には、幅方向Wの両側に切欠部329a,329bが形成され、幅方向Wの中央部に接点部328が形成されている。これにより、コンタクト部322bでは、導電性部材232、324の幅方向Wの少なくとも一部が、導電性部材323,324の厚さ方向に互いに重なり合わないように幅方向Wにずらして設けられている。コンタクト部322bの上端部は、L字状に折れ曲がり、その先端部がリード端子51、52と接触するようになっている。
【0047】
このような変更例のプローブ222,322では、本体部222a、322aを確保することで、プローブ222の変形によるキャパシタンスの変動やパルス駆動時のリンギングを抑えつつ、接点部226,228、3261,326b、328をある程度個別に弾性変形させることができるようになり、リード端子51、52との接続抵抗を抑えることができる。
【0048】
なお、図6及び図7に示すようなプローブ222,322を被検査対象物50のリード端子51、52に接触させるために、押圧部34がプローブ222,322の本体部222a,322aを押圧しても良く、また、コンタクト部222b,322bを押圧してもよい。コンタクト部222b,322bの変形を抑えつつプローブ222,322を被検査対象物50のリード端子51、52に接触させることができることから、本体部222aを押圧して被検査対象物50のリード端子51、52にプローブ222,322を接触させることが好ましく、本体部222a,322aのコンタクト部222b、322b近傍を押圧することがより好ましい。
【0049】
また、上記した第1実施形態及び第2実施形態では、2枚の導電性部材を絶縁状態で積層したプローブについて説明したが、3枚以上の導電性部材を絶縁状態で積層してプローブを構成してもよい。
【0050】
また、上記した第1実施形態及び第2実施形態では、導電性部材を折り曲げた部分の先端に接点部を設ける場合について説明したが、導電性部材を折り曲げること無くプローブ全体を平板状に設けてもよい。
【符号の説明】
【0051】
10…検査装置、12…ステージ、20…コンタクト装置、22…プローブ、22a…本体部、22b…コンタクト部、23…導電性部材、24…導電性部材、25…絶縁層、26…接点部、27…切欠部、28…接点部、29…切欠部、30…ベース部、32…押圧機構、34…押圧部、36…移動部、38…電極、39…電極、50…半導体レーザ、51…リード端子、52…リード端子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7