(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】点滅装置
(51)【国際特許分類】
H05B 45/10 20200101AFI20240417BHJP
H05B 45/38 20200101ALI20240417BHJP
H05B 45/325 20200101ALI20240417BHJP
H05B 45/14 20200101ALI20240417BHJP
【FI】
H05B45/10
H05B45/38
H05B45/325
H05B45/14
(21)【出願番号】P 2020161221
(22)【出願日】2020-09-25
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】加藤 剛
(72)【発明者】
【氏名】黒木 律男
【審査官】野木 新治
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-218084(JP,A)
【文献】特開平05-325065(JP,A)
【文献】実開昭61-172393(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 45/00
H05B 45/38
H05B 45/325
H05B 45/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
誘導灯に用いられる点滅装置であって、
バッテリから供給される電力を用いて固体光源を点滅させる点灯回路と;
該点灯回路の前記固体光源への出力に対し並列に接続された、外部機器への電源供給源と;
前記固体光源を点滅させるための点滅用スイッチ素子と;
前記点滅用スイッチ素子とオンオフのタイミングが逆同期し、前記点灯回路が動作している間にのみ前記点灯回路からの前記電源供給源への出力を可能とする出力用スイッチ素子と;
を備えることを特徴とする点滅装置。
【請求項2】
前記電源供給源は、前記点灯回路の出力の高電位側に接続され、前記外部機器への出力を制御するレギュレータを有する
ことを特徴とする請求項1記載の点滅装置
。
【請求項3】
前記外部機器は、煙感知器であり、
前記煙感知器の動作を検出する動作検出部を備え、
前記点灯回路は、前記動作検出部により前記煙感知器の動作を検出したときに前記固体光源の点滅制御を停止する
ことを特徴とする請求項1
または2記載の点滅装置。
【請求項4】
前記動作検出部は、前記点灯回路が動作している間のうち、前記固体光源の消灯期間にのみ前記煙感知器の動作の検出を有効とする
ことを特徴とする請求項
3記載の点滅装置。
【請求項5】
前記バッテリからの給電により動作する音声出力回路を備える
ことを特徴とする請求項1ないし
4いずれか一記載の点滅装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、誘導灯に用いられる点滅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、誘導灯は、誘導表示のピクトグラムを有する表示板を備え、停電時や火災時、地震時等の非常時に表示板を照明することにより、避難誘導を図るように構成されている。
【0003】
また、誘導灯としては、点滅ランプを備え、外部の信号装置から出力される動作信号に応じて点滅ランプを点滅させることで、より積極的な避難誘導を可能としているものもある。この種の誘導灯においては、煙感知器等の外部機器との連携機能が要求される。つまり、煙感知器は、周囲に煙が充満することで作動するものであるため、煙感知器が作動した場合には、点滅ランプによる避難誘導を停止させることが要求される。
【0004】
一般的な煙感知器は、一定電圧を受けて動作する。従来、誘導灯の点滅ランプとしては、キセノン放電灯が用いられていたため、その動作用のkVオーダの高電圧パルスを生成するために、誘導灯のバッテリ電圧から巻線を使用して高電圧を得る構成となっており、その巻線に追加巻線を施して煙感知器の電源をとると、回路規模が大きくなる。また、煙感知器用の電源を別個に備える場合、装置の大型化とともに部品点数の増加が避けられない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、簡素で小型化を図ることができる点滅装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態の点滅装置は、誘導灯に用いられる点滅装置である。点滅装置は、点灯回路と、外部機器への電源供給源と、点滅用スイッチ素子と、出力用スイッチ素子と、を備える。点灯回路は、バッテリから供給される電力を用いて固体光源を点滅させる。電源供給源は、点灯回路の固体光源への出力に対し並列に接続される。点滅用スイッチ素子は、固体光源を点滅させるためのものである。出力用スイッチ素子は、点滅用スイッチ素子とオンオフのタイミングが逆同期し、点灯回路が動作している間にのみ点灯回路からの電源供給源への出力を可能とする。
【発明の効果】
【0008】
実施形態の点滅装置によれば、簡素化および小型化が期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態を示す点滅装置が適用された誘導灯の斜視図である。
【
図4】(a)は同上点滅装置の点灯回路からの出力電圧の一例を示す説明図、(b)は同上点滅装置の固体光源の電流の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、一実施形態を、
図1ないし
図4を参照して説明する。
【0011】
図1に、点滅装置が適用された照明装置である誘導灯10の外観を示す。誘導灯10は、施設の非常口等に対応して天井面や壁面等の設置面に設置される。誘導灯10は、枠状の本体部11およびこの本体部11の前面側に取り付けられる前面パネル12等を含む筐体13、前面パネル12に設けられた表示板14、本体部11の下面側に設けられた点滅表示部15、前面パネル12に設けられた音声出力部16、本体部11の下面側に設けられたモニタ部17および動作確認スイッチ18等を備えている。
【0012】
表示板14は、誘導表示として人が避難している状態を示すピクトグラムが表示されている。表示板14は、前面パネル12に設けられた開口部に配置され、背面側からの光によって発光する。点滅表示部15は、本体部11の下面側から突出された透光性カバーを有し、内部側から外部側に光が出射される。音声出力部16は、音声が通過する孔等を有するカバーを有し、前面パネル12に設けられた開口部に配置されている。モニタ部17は、点検スイッチや、複数の充電用および光源用のモニタランプ等が配置されている。これらモニタランプは、異なる発光色のLED等が用いられている。動作確認スイッチ18は、操作により点滅表示部15および音声出力部16が動作するか否かを確認可能とする。
【0013】
そして、誘導灯10の表示板14は、常時および非常時(停電時および火災時)とも点灯表示する。点滅表示部15および音声出力部16は、常時には非動作状態にあり、火災による非常時には点滅表示部15が点滅動作するとともに音声出力部16から避難誘導を案内する音声を出力し、より一層の避難誘導効果が発揮されるように構成されている。
【0014】
次に、
図2に誘導灯10の一部のブロック図を示す。誘導灯10には、商用電源等の外部電源20と、所定の信号を誘導灯10に出力する信号装置22と、外部機器である煙感知器23と、がそれぞれ接続される。誘導灯10には、その誘導灯10の設置階の直上階に設置される他の誘導灯10がさらに接続されていてもよい。
【0015】
信号装置22は、施設に設置された非常時センサに連動して、常時には動作信号(信号電圧)を誘導灯10に出力し、非常時には動作信号の出力を停止する。本実施形態において、非常時センサは、非常状態を検出するもので、例えば自動火災報知機であり、信号装置22は、非火災時である常時には火報信号である動作信号(信号電圧)を誘導灯10に出力し、火災時には動作信号の出力を停止する。
【0016】
煙感知器23は、例えば誘導灯10の近傍の天井側等に設置される。煙感知器23は、火災時(信号装置22から誘導灯10への動作信号の出力停止時)に誘導灯10から印加される所定の動作電圧で動作し、煙の感知に応じた信号を誘導灯10に出力する。
【0017】
他の誘導灯10は、直下階の誘導灯10からの停止信号を入力して点滅動作および音声動作を停止する。
【0018】
また、誘導灯10は、外部電源20からの電力が供給される点灯装置としての図示しない点灯ユニット、および動作ユニットである点滅装置としての点滅ユニット25を備えている。
【0019】
点灯ユニットには、点灯用光源、および、第1のバッテリが接続されている。点灯用光源は、例えばLED等の発光素子あるいは固体光源が用いられる。点灯用光源は、例えば
図1に示す表示板14の背面側に配置される導光板に光を入射し、導光板から表示板14に出射される光によって表示板14を照明し、発光させる。第1のバッテリは、充放電可能な二次電池が用いられている。
【0020】
点灯ユニットは、
図2に示す外部電源20または第1のバッテリの電力を所定の点灯用電力に変換して点灯用光源に供給する電力変換部、第1のバッテリを充電する充電回路、および電力変換部を制御する制御部等を備えている。
【0021】
点灯ユニットは、常時モードと、非常時モードとを有している。常時モードは、外部電源20からの電力が入力されているときのモードであり、外部電源20からの電力により点灯用光源を点灯させるとともに第1のバッテリを充電する。非常時モードは、停電時(外部電源20からの電力の遮断時つまり外部電源20からの電力の非入力時)のモードであり、第1のバッテリの電力により点灯用光源を点灯させる。
【0022】
さらに、点滅ユニット25には、負荷である固体光源としての点滅用光源30および負荷である音声出力回路31、および、バッテリである第2のバッテリ32が接続されている。また、点滅ユニット25には、外部電源20からの電力、信号装置22からの動作信号、および、煙感知器23からの感知信号がそれぞれ入力される。
【0023】
点滅用光源30は、LED等の発光素子が用いられている。点滅用光源30は、点滅表示部15(
図1)の内側に配置され、点滅表示部15(
図1)を通じて外部に光を出射する。本実施形態において、点滅用光源30は、複数の発光素子が直列に接続され、所定の定電圧で駆動される。
【0024】
音声出力回路31は、音声出力部16(
図1)の内側に配置されたスピーカを有し、第2のバッテリ32から供給される電力により動作して、非常時に点滅ユニット25によって例えば「非常口はこちらです」等の避難誘導を案内する音声を出力する。なお、音声出力回路31、および、音声出力部16(
図1)は、必須の構成ではない。
【0025】
第2のバッテリ32は、充放電可能な二次電池が用いられている。第2のバッテリ32は、コネクタ等によって点滅ユニット25に着脱可能とする。
【0026】
点滅ユニット25は、外部電源20から入力された直流または交流電源電圧を整流する整流回路、整流回路に接続され少なくとも一つのスイッチ素子を含む絶縁形の電力変換回路、この電力変換回路の二次側に接続された第2のバッテリ32を充電する充電回路35、第2のバッテリ32から供給される電力を所定の点滅用電力に変換して点滅用光源30を点滅させる点灯回路36、この点灯回路36の点滅用光源30への出力と並列に接続された電源供給源37、および、充電回路35、点灯回路36、電源供給源37等を制御する制御回路38等を備えている。
【0027】
そして、点滅ユニット25は、常時モードと、非常時に点滅用光源30を点滅動作させる非常時モードとを有している。本実施形態において、点滅ユニット25は、非常時モードにおいて、さらに音声出力回路31から音声を出力動作させる。
【0028】
常時モードは、非火災時に、信号装置22から動作信号が入力されているときのモードであり、点滅用光源30を消灯するとともに音声出力回路31からの音声出力を停止し、外部電源20からの電力が入力されている場合に外部電源20からの電力により第2のバッテリ32を充電する。
【0029】
非常時モードは、非常時である火災時に、信号装置22から動作信号が入力されないときのモードであり、第2のバッテリ32の電力により点滅用光源30を点滅させるとともに音声出力回路31から避難誘導を案内する音声を出力させる。また、点滅ユニット25は、煙感知器23と接続されている。点滅ユニット25は、非常時モードの際に、煙感知器23に電源供給源37から動作電圧を出力して煙感知器23を動作させ、煙感知器23からの感知信号を入力する。点滅ユニット25は、煙感知器23が煙を感知すると、点滅用光源30を消灯、つまり点滅制御を停止するとともに音声出力回路31からの音声の出力動作を停止する。すなわち、点滅ユニット25は、火災時、つまり非常時モードであっても、煙感知器23からの感知信号を入力すると、点滅用光源30の点滅および音声の出力を停止する。
【0030】
また、点滅ユニット25は、非常時モードの際に、煙感知器23が煙を感知すると、直上階の誘導灯10に停止信号を出力し、直上階の誘導灯10による点滅動作および音声出力動作を停止させる。
【0031】
次に、
図3に点滅ユニット25の一部の回路ブロック図を示す。
【0032】
点灯回路36は、少なくとも一つのスイッチ素子を備える電力変換回路である。点灯回路36は、第2のバッテリ32の出力電圧を昇圧して点滅用光源30および電源供給源37に出力する。点灯回路36は、昇圧回路であり、本実施形態においては昇圧チョッパ回路である。すなわち、点灯回路36は、第2のバッテリ32に対してノイズフィルタリング用のコンデンサC1が並列に接続され、第2のバッテリ32の高電位側端子にインダクタLとダイオードD1との直列回路が接続され、インダクタLとダイオードD1との接続点と第2のバッテリ32の低電位側端子との間にスイッチ素子SW1が接続される。ダイオードD1のカソードが、点滅用光源30および電源供給源37と接続される点灯回路36の高電位側の出力端となっている。点灯回路36の出力端には、点滅用光源30および電源供給源37と並列に平滑コンデンサC2が接続されている。スイッチ素子SW1は、MOSFET等が用いられ、制御回路38によりオンオフ制御される。
【0033】
また、点灯回路36は、点滅用光源30を点滅させるための点滅用スイッチ素子SW2が低電位側の出力端と点滅用光源30との間に配置されている。点滅用スイッチ素子SW2は、MOSFET等が用いられ、制御回路38により所定の点滅周期T(
図4(b))でオンオフ制御される。本実施形態において、点滅周期T(
図4(b))は、例えば2Hz等とする。すなわち、点滅用スイッチ素子SW2のオンオフ周期は、スイッチ素子SW1のオンオフ周期よりも小さい。また、点滅用スイッチ素子SW2のオン期間τ(
図4(b))は、所定の値に設定されている。本実施形態において、点滅用スイッチ素子SW2のオンデューティ(τ/T)は、好ましくは50%未満、さらに好ましくは10%に設定されている。
【0034】
さらに、点灯回路36の高電位側の出力端には、出力電圧を検出する電圧検出部40が接続されている。また、点灯回路36の低電位側の出力端には、負荷電流すなわち点滅用光源30の点灯時の電流を検出する電流検出部41が接続されている。これら電圧検出部40と電流検出部41とは、それぞれ制御回路38と接続され、制御回路38が、これら検出された電圧および電流に応じてスイッチ素子SW1のオンオフを制御する。すなわち、点灯回路36により、検出された電圧および電流に応じて、点灯時に点滅用光源30に流れる電流が定電流となるようにフィードバック制御される。点灯回路36の出力電圧Voutは、電圧検出部40により制限される。つまり、消灯期間においては、点滅用光源30に流れる電流が0となるので、電圧検出部40に備えられるツェナダイオード等の保護素子により点灯回路36の出力電圧Voutが所定の電圧にクランプされる。点灯回路36の出力電圧Voutは、点滅用光源30の消灯期間において、点滅用光源30の駆動電圧(点滅用光源30による降下電圧)よりも大きい電圧に設定される。本実施形態において、点滅用光源30の駆動電圧は約24VDCであり、点灯回路36は、点滅用光源30の消灯期間において、24VDCよりも大きい所定の出力電圧Voutとなるように制御される。
【0035】
電源供給源37は、点灯回路36の出力に対し点滅用光源30と並列に接続され、煙感知器23に対し電力を供給する。本実施形態において、電源供給源37は、レギュレータ45を有する。レギュレータ45は、三端子レギュレータ等の電圧レギュレータであり、入力側にノイズフィルタリング用のコンデンサC3が接続され、出力側に平滑コンデンサC4が接続されて、点灯回路36の出力から煙感知器23の所定の動作電圧(例えば24VDC)を安定的に生成する。さらに、レギュレータ45の出力側には、煙感知器23との間に、限流抵抗RとダイオードD2との直列回路が接続されている。
【0036】
また、本実施形態において、電源供給源37と点灯回路36の高電位側の出力端との間には、スイッチである出力用スイッチ素子SW3が配置されている。出力用スイッチ素子SW3は、電源供給源37から煙感知器23への点灯回路36が動作している間にのみ点灯回路36からの電源供給源37への出力を可能とする。点灯回路36が動作している間とは、制御回路38によりスイッチ素子SW1がオンオフ制御されている期間を言う。出力用スイッチ素子SW3には、ダイオード、あるいはMOSFET等が用いられ、制御回路38によりオンオフ制御される。出力用スイッチ素子SW3は、好ましくは、点滅用スイッチ素子SW2とオンオフのタイミングが逆に同期するようにオンオフされる。つまり、出力用スイッチ素子SW3は、点滅用スイッチ素子SW2がオンのときにオフされ、点滅用スイッチ素子SW2がオフのときにオンされることが好ましい。
【0037】
煙感知器23の動作は、動作検出部47により検出され、動作検出部47からの信号が煙感知器23の感知信号として制御回路38に入力される。本実施形態において、動作検出部47は、煙感知器23のインピーダンスを検出する。つまり、煙感知器23は、電源供給源37から所定の定電圧が入力されて動作し、煙を感知すると動作電流が増加するため、煙の感知時にはインピーダンスが低下する。したがって、動作検出部47によりインピーダンスの低下を検出した場合、つまり動作検出部47により検出した煙感知器23のインピーダンスが所定以下に低下した場合、煙感知器23が煙を感知したと検出される。
【0038】
動作検出部47としては、電源供給源37の出力側に対し煙感知器23と直列に接続された抵抗による分圧回路が用いられ、煙感知器23の両端間電圧を検出することで煙感知器23のインピーダンスの低下を検出可能となっている。したがって、動作検出部47は、点灯回路36が動作している間にのみ動作可能となっている。好ましくは、動作検出部47は、点灯回路36が動作している間のうち、点滅用光源30の消灯期間にのみ煙感知器23の動作の検出を有効とする。本実施形態において、動作検出部47は、出力用スイッチ素子SW3がオンの間のみ動作する。つまり、動作検出部47は、出力用スイッチ素子SW3がオンの間のみ煙感知器23の動作を検出する。本実施形態においては、出力用スイッチ素子SW3のオンオフが点滅用スイッチ素子SW2のオンオフと逆に同期するように制御されるため、点滅用光源30の消灯期間にのみ動作検出部47が煙感知器23の動作を検出する。
【0039】
そして、制御回路38は、信号装置22からの動作信号の入力状態の変化つまり入力有無、および、動作検出部47からの信号の入力状態の変化に応じて点灯回路36および音声出力回路31を制御する。
【0040】
なお、動作検出部47は、信号装置22(
図2)と接続されていてもよい。すなわち、動作検出部47から出力される信号は、信号装置22(
図2)を介して制御回路38に入力されてもよい。
【0041】
次に、誘導灯10の動作を説明する。
【0042】
誘導灯10に外部電源20からの電力が入力されている常時には、点灯ユニットは外部電源20からの電力により点灯用光源を点灯させて表示板14を点灯表示し、さらに、点灯ユニットの充電回路、点滅ユニット25の充電回路35は外部電源20からの電力によってそれぞれ対応する第1のバッテリ、第2のバッテリ32を充電する。なお、制御回路38は、第2のバッテリ32の充電時、出力用スイッチ素子SW3を開放し、煙感知器23への電流経路を遮断する。
【0043】
さらに、常時には、自動火災報知機に連動して、信号装置22からの動作信号が出力されている。誘導灯10では、信号装置22からの動作信号が入力されていることにより、点滅ユニット25は制御回路38が点灯回路36および音声出力回路31を動作させず、点滅用光源30は消灯し、音声出力回路31は音声出力を停止している。
【0044】
また、外部電源20の停電時には、点灯ユニットは第1のバッテリの電力により点灯用光源を点灯させて表示板14の点灯表示を継続する。
【0045】
また、火災時には、自動火災報知機に連動して、信号装置22からの動作信号の出力が停止される。誘導灯10では、信号装置22からの動作信号の入力が停止されることにより、点滅ユニット25の制御回路38がスイッチ素子SW1のオンオフを切り換えて点灯回路36を動作させ、点灯回路36から電力を出力させるとともに、点滅用スイッチ素子SW2のオンオフを所定の点滅周期で切り換えることで、第2のバッテリ32の電力により点滅用光源30を点滅動作させ、かつ、音声出力回路31を動作させて避難誘導を案内する音声を出力させる。点滅用光源30の点滅動作により誘導灯10の点滅表示部15が点滅し、誘導灯10の音声出力部16から「非常口はこちらです」等の避難誘導を案内する音声が出力され、誘導灯10によるより一層の避難誘導効果が発揮される。
【0046】
また、点灯回路36の出力側に点滅用光源30と並列に接続されている電源供給源37から、誘導灯10の近くの煙感知器23に対し電力を供給し、煙感知器23を動作させる。本実施形態において、煙感知器23に電力を供給する場合には、点滅用スイッチ素子SW2と出力用スイッチ素子SW3との一方がオンの期間に他方がオフとなるようにオンオフ期間を同期させることで、点滅用光源30の消灯期間にのみ煙感知器23に電力が供給され、煙感知器23が動作する。
【0047】
つまり、点滅用光源30を構成する発光素子は、定電圧素子とみなすことができるため、点滅用光源30の点灯期間中は、点滅用光源30により決まる電圧(駆動電圧Vd)が点灯回路36の出力電圧Voutとなる(
図4(a))。他方、点滅用光源30の消灯期間中は、電圧検出部40の保護素子で設定される電圧レベルまで上昇し、駆動電圧Vdよりも高い電圧を確保できるから、この電圧を煙感知器23への出力電圧として利用し(
図4(a))、電源供給源37から煙感知器23に電圧を供給する。
【0048】
煙感知器23で煙を感知した場合には、動作検出部47からの感知信号により煙感知器23の動作を検出した点滅ユニット25の制御回路38が点灯回路36および音声出力回路31の動作を停止させることで、煙を感知した方向への避難者の積極的な誘導を防止する。
【0049】
このように、本実施形態によれば、第2のバッテリ32から供給される電力を用いて点滅用光源30を点滅させる点灯回路36の点滅用光源30への出力に対し電源供給源37を並列に接続し、この電源供給源37から外部機器である煙感知器23へ電圧を供給する、つまり点灯回路36の出力電圧Voutを利用して電源供給源37の電圧を生成するので、例えば巻線に追加の巻線を施して電源を取る場合等よりも部品点数が少なく簡素かつ小型の構成で、煙感知器23の動作電圧を容易に得ることができる。つまり、簡素で小型化を図ることができる点滅ユニット25を提供できる。
【0050】
特に、点灯回路36は、第2のバッテリ32の電圧を昇圧する昇圧チョッパ回路であるから、煙感知器23の動作電圧を容易に得ることができる。
【0051】
電源供給源37が、点灯回路36の出力の高電位側に接続されたレギュレータ45を有するため、煙感知器23に対し、精度の高い電圧を供給可能となる。
【0052】
出力用スイッチ素子SW3により点灯回路36が動作している間にのみ点灯回路36からの電源供給源37への出力を可能とすることで、例えば充電回路35により第2のバッテリ32を充電している間は、出力用スイッチ素子SW3を開放して煙感知器23への電流経路を遮断し、煙感知器23が充電回路35の負荷となることを防止して、充電時に第2のバッテリ32の充電電流を充分に確保できる。
【0053】
煙感知器23の動作を動作検出部47により検出すると、点灯回路36による点滅用光源30の点滅制御を停止することで、火災時に煙が充満している方向への点滅用光源30の点滅による積極的な誘導を停止できる。
【0054】
特に、動作検出部47を、点灯回路36が動作している間のうち、点滅用光源30の消灯期間にのみ煙感知器23の動作の検出を有効とすることで、点灯回路36の出力電圧Voutが低下する点滅用光源30の点灯期間中を避け、動作検出部47による煙感知器23の動作検出の精度を確保できる。
【0055】
第2のバッテリ32からの給電により動作する音声出力回路31を備えることで、点滅用光源30の点滅だけでなく、音声によって火災時のより積極的な誘導を可能とする。
【0056】
なお、上記一実施形態において、動作検出部47は、点滅用光源30の消灯期間にのみ動作する構成としたが、これに限らず、常時検出してもよい。この場合には、動作検出部47での検出電圧を平滑することにより、煙感知器23の動作を効果的に検出可能となる。
【0057】
また、電源供給源37から電力を供給する外部機器としては、煙感知器23に限らず、誘導灯10と連動される任意の機器としてよい。
【0058】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0059】
10 誘導灯
23 外部機器である煙感知器
25 点滅装置としての点滅ユニット
30 固体光源としての点滅用光源
31 音声出力回路
32 バッテリである第2のバッテリ
36 点灯回路
37 電源供給源
45 レギュレータ
47 動作検出部
SW2 点滅用スイッチ素子
SW3 出力用スイッチ素子