(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】マンコンベヤのステップローラの製造方法及び製造器具
(51)【国際特許分類】
B66B 23/14 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
B66B23/14 C
(21)【出願番号】P 2023146600
(22)【出願日】2023-09-11
【審査請求日】2023-09-11
(73)【特許権者】
【識別番号】000112705
【氏名又は名称】フジテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中田 知宏
(72)【発明者】
【氏名】米田 千明
【審査官】太田 義典
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-196432(JP,A)
【文献】実公昭33-017423(JP,Y1)
【文献】実開昭56-45549(JP,U)
【文献】実開昭54-126276(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 21/00-31/02
B21J 15/00-15/50
B23P 19/00-21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス機及び製造器具を用いて、マンコンベヤのステップに回転可能に接続されるステップローラを製造する製造方法であって、
前記ステップローラは、
前記ステップに回転可能に接続されるローラ本体と、
前記ローラ本体の側部に配置される側部体と、
前記ローラ本体と前記側部体とを固定するリベットと、を備え、
前記ローラ本体は、前記リベットに挿入される本体孔を備え、
前記側部体は、前記リベットに挿入される側部孔を備え、
前記リベットは、
前記本体孔及び前記側部孔に亘って挿入されるリベット本体と、
前記リベット本体に挿入され、前記ローラ本体と前記側部体とを固定するために前記リベット本体に押し込まれるピンと、を備え、
前記プレス機は、
ボルスタと、
前記ボルスタよりも上方に配置され、前記ボルスタに対して上下方向へ移動するスライドと、を備え、
前記製造器具は、
前記ボルスタに載せられる下工具と、
前記下工具よりも上方に配置され、前記スライドに下方へ押される上工具と、を備え、
前記下工具は、前記ローラ本体を保持する保持部を備え、
前記上工具は、前記ピンを押すために、下方へ突出する押し部を備え、
前記製造方法は、
前記ローラ本体を前記保持部で保持する保持工程と、
前記ローラ本体の前記側部に前記側部体を配置させた状態で、前記リベットを、前記本体孔及び前記側部孔に亘って挿入する挿入工程と、
前記押し部が前記ピンを押すように、前記プレス機によって、前記上工具を前記下工具に対して下方へ移動させる押し工程と、を含む、マンコンベヤのステップローラの製造方法。
【請求項2】
前記リベット、前記本体孔、前記側部孔、及び前記押し部は、それぞれ複数備えられ、
前記押し工程は、前記複数の押し部が前記複数のピンを同時に押すように、前記プレス機によって、前記上工具を前記下工具に対して下方へ移動させる、請求項1に記載のマンコンベヤのステップローラの製造方法。
【請求項3】
前記製造器具は、
前記上工具が前記下工具に対して上下方向へ移動可能に、前記下工具と前記上工具とを接続する接続部と、
前記上工具が前記下工具に対して上下方向と平行に移動するように、前記上工具をガイドするガイド機構と、を備える、請求項2に記載のマンコンベヤのステップローラの製造方法。
【請求項4】
前記下工具は、前記押し部に上下方向視にて重なる工具孔を備え、
前記製造方法は、前記本体孔及び前記工具孔に亘って挿入される挿入部を備える治具をさらに用い、
前記保持工程は、前記挿入部が前記本体孔及び前記工具孔に亘って挿入された状態で、前記ローラ本体を前記保持部で保持し、
前記挿入工程は、前記保持工程の後であって、前記治具を前記ローラ本体から離脱させた後に行う、請求項3に記載のマンコンベヤのステップローラの製造方法。
【請求項5】
前記リベットは、前記挿入工程及び前記押し工程において、前記本体孔及び前記側部孔に亘って挿入された状態で、前記工具孔から上方へ離れる、請求項4に記載のマンコンベヤのステップローラの製造方法。
【請求項6】
請求項1~5の何れか1項に記載のマンコンベヤのステップローラの製造方法に用いられる、製造器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、マンコンベヤのステップローラの製造方法及び製造器具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、マンコンベヤは、ステップに回転可能に接続されるステップローラを備えており、ステップローラは、ステップに回転可能に接続されるローラ本体と、ローラ本体の側部に固定される側部体とを備えている(例えば、特許文献1)。ところで、プレス機を用いて、リベットによってロータ本体と側部体とを固定したいという要望がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、課題は、プレス機を用いて、リベットによってローラ本体と側部体とを固定することができるマンコンベヤのステップローラの製造方法及び製造器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
マンコンベヤのステップローラの製造方法は、
プレス機及び製造器具を用いて、マンコンベヤのステップに回転可能に接続されるステップローラを製造する製造方法であって、
前記ステップローラは、
前記ステップに回転可能に接続されるローラ本体と、
前記ローラ本体の側部に配置される側部体と、
前記ローラ本体と前記側部体とを固定するリベットと、を備え、
前記ローラ本体は、前記リベットに挿入される本体孔を備え、
前記側部体は、前記リベットに挿入される側部孔を備え、
前記リベットは、
前記本体孔及び前記側部孔に亘って挿入されるリベット本体と、
前記リベット本体に挿入され、前記ローラ本体と前記側部体とを固定するために前記リベット本体に押し込まれるピンと、を備え、
前記プレス機は、
ボルスタと、
前記ボルスタよりも上方に配置され、前記ボルスタに対して上下方向へ移動するスライドと、を備え、
前記製造器具は、
前記ボルスタに載せられる下工具と、
前記下工具よりも上方に配置され、前記スライドに下方へ押される上工具と、を備え、
前記下工具は、前記ローラ本体を保持する保持部を備え、
前記上工具は、前記ピンを押すために、下方へ突出する押し部を備え、
前記製造方法は、
前記ローラ本体を前記保持部で保持する保持工程と、
前記ローラ本体の前記側部に前記側部体を配置させた状態で、前記リベットを、前記本体孔及び前記側部孔に亘って挿入する挿入工程と、
前記押し部が前記ピンを押すように、前記プレス機によって、前記上工具を前記下工具に対して下方へ移動させる押し工程と、を含む。
【0006】
製造器具は、前記のマンコンベヤのステップローラの製造方法に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】一実施形態に係るステップローラが用いられるマンコンベヤの概要図
【
図4】
図3のIV-IV線の断面図(一つのリベットが断面ではない図)
【
図5】
図4の分解図(リベットが加工前の状態を示す図)
【
図6】一実施形態に係るステップローラの製造装置の正面図
【
図7】同実施形態に係るステップローラの製造方法を説明する一部断面図であって、保持工程を示す図
【
図8】同実施形態に係るステップローラの製造方法を説明する一部断面図であって、保持工程を示す図
【
図9】同実施形態に係るステップローラの製造方法を説明する一部断面図であって、挿入工程を示す図
【
図10】同実施形態に係るステップローラの製造方法を説明する一部断面図であって、押し工程を示す図
【
図11】同実施形態に係るステップローラの製造方法を説明する一部断面図であって、製造が完了した状態を示す図
【発明を実施するための形態】
【0008】
各図面において、構成要素の寸法は、例えば、理解を容易にするために、実際の寸法に対して拡大、縮小して示す場合があり、また、各図面の間での寸法比は、一致していない場合がある。なお、各図面において、例えば、理解を容易にするために、構成要素の一部を省略して示す場合がある。
【0009】
第1、第2等の序数を含む用語は、多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は、一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、構成要素は、この用語によって特に限定されるものではない。なお、序数を含む構成要素の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよい場合がある。また、以下の明細書及び図面で用いられる序数は、特許請求の範囲に記載された序数と異なる場合がある。
【0010】
まず、ステップローラの構成を説明するのに先立って、ステップローラが用いられるマンコンベヤについて、
図1及び
図2を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、マンコンベヤの構成等の理解を助けるために例示するものであり、マンコンベヤの構成を限定するものではない。
【0011】
図1に示すように、マンコンベヤ1は、例えば、躯体に設置される構造体2と、人(乗客)を搬送する搬送部3と、搬送部3を第1方向D1で挟むように配置される一対(
図1においては、一つのみ図示している)の欄干部4と、搬送部3及び欄干部4を駆動させる駆動部5と、装置全体を制御する処理部6とを備えていてもよい。
【0012】
図1(
図2~
図5も同様)において、第1方向D1は、水平方向と平行な方向である幅方向D1であり、第2方向D2は、水平方向と平行な方向であって、且つ、幅方向D1と直交する前後方向D2であり、第3方向D3は、幅方向D1及び前後方向D2と直交する鉛直方向であって、上下方向D3である。
【0013】
本実施形態に係るマンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が階段状になるエスカレータであるが、斯かる構成に限られない。例えば、マンコンベヤ1は、人を搬送するために、踏面が平面状となる移動歩道(動く歩道)であってもよい。
【0014】
搬送部3は、例えば、本実施形態のように、駆動部5に駆動されることによって回転して走行する無端環状の走行部7と、走行部7に接続されることによって走行部7と共に走行し、人が乗る踏面を有する複数のステップ8とを備えていてもよい。なお、特に限定されないが、走行部7は、例えば、チェーンとしてもよい。
【0015】
駆動部5は、例えば、本実施形態のように、走行部7の前後方向D2の第1端部が巻き掛けられて且つ幅方向D1を軸にして回転する回転部5aと、走行部7の前後方向D2の第2端部を支持する支持部5bと、回転部5aを回転させる駆動源5cとを備えていてもよい。これにより、ステップ8は、回転部5aによって反転し、また、支持部5bによって反転する。
【0016】
特に限定されないが、回転部5aは、例えば、スプロケットとしてもよい。また、特に限定されないが、支持部5bは、例えば、走行部7を反転するようにガイドするガイド材であってもよく、また、例えば、走行部7が巻き掛けられて且つ幅方向D1を軸にして回転する回転材(例えば、スプロケット)であってもよい。また、特に限定されないが、駆動源5cは、例えば、モータとしてもよい。
【0017】
欄干部4は、例えば、回転して走行する無端環状の手摺ベルト4aと、手摺ベルト4aを支持する欄干本体部4bと、欄干本体部4bの下部を覆うカバー部4cとを備えていてもよい。なお、例えば、手摺ベルト4aが駆動部5の駆動によって走行し、手摺ベルト4aの走行は、ステップ8の走行と同期してもよい。
【0018】
図2に示すように、搬送部3は、例えば、幅方向D1に離れる一対の走行部7,7にそれぞれ連結される連結軸3aと、一対の走行部7,7の間に配置されるステップ8に、回転可能に接続される第1及び第2ステップローラ10,3bと、ステップローラ10,3bをガイドするガイドレール3cとを備えていてもよい。なお、
図2においては、第2ステップローラ3bをガイドするガイドレールは、図示されていない。
【0019】
ガイドレール3cは、例えば、本実施形態のように、ステップローラ10の下部をガイドする下ガイド部3dと、ステップローラ10の側部をガイドする横ガイド部3eとを備えていてもよい。特に限定されないが、ガイドレール3cは、例えば、構造体2に固定されていてもよい。
【0020】
ステップ8は、例えば、本実施形態のように、人に乗られる踏面を有する踏面部8aと、湾曲状に形成される蹴上部8bと、連結軸3aに回転可能に連結される連結部8cとを備えていてもよい。これにより、ステップ8は、走行部7に対して、幅方向D1を軸にして回転可能に接続されており、ステップ8は、走行部7と共に走行する。
【0021】
第1ステップローラ10は、例えば、本実施形態のように、連結軸3aの端部に接続されていてもよい。これにより、第1ステップローラ10は、連結軸3aを介して、ステップ8に回転可能に接続されている。また、第2ステップローラ3bは、例えば、本実施形態のように、ステップ8の軸部に直接に回転可能に接続されていてもよい。
【0022】
次に、第1ステップローラ10における一実施形態について、
図2~
図5を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、第1ステップローラ10の構成等の理解を助けるために例示するものであり、第1ステップローラ10の構成を限定するものではない。また、第2ステップローラ3bは、例えば、第1ステップローラ10と同じ構成でもよく、また、例えば、第1ステップローラ10と異なる構成でもよい。
【0023】
図2~
図4に示すように、ステップローラ10は、例えば、ステップ8に回転可能に接続されるローラ本体11と、ローラ本体11の軸方向D1の側部(具体的には、ステップローラ10の回転軸方向の側部であって、幅方向D1の側部)に配置される側部体12と、ローラ本体11と側部体12とを固定するリベット13とを備えている。なお、リベット13の個数は、特に限定されず、例えば、一つでもよく、また、例えば、複数(本実施形態においては、四つ)でもよい。
【0024】
ローラ本体11は、例えば、本実施形態のように、環状に形成される本体部11aと、本体部11aの外周部に固定され、ガイドレール3cの下ガイド部3dにガイドされる外周部11bと、本体部11aの内周部に固定され、連結軸3aと本体部11aとを回転可能に接続する軸受部11cとを備えていてもよい。特に限定されないが、軸受部11cは、例えば、本実施形態のように、ベアリングであってもよく、また、例えば、ブッシュであってもよい。
【0025】
また、ガイドレール3cに対する外周部11bの摩擦係数は、例えば、ガイドレール3cに対する本体部11aの摩擦係数よりも、大きくてもよい。これにより、ステップローラ10がガイドレール3cに対して滑ることを抑制することができる。特に限定されないが、例えば、本体部11aは、金属(例えば、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミ等)で形成され、外周部11bは、樹脂(例えば、各種ゴム等)で形成されている、という構成でもよい。
【0026】
図3~
図5に示すように、本体部11aは、例えば、側部体12を収容するために、一方の軸方向D1の側部に配置される凹状の収容部11dと、収容部11dに開口され、リベット13が挿入されるために、軸方向D1へ延びる複数の本体孔11eと、本体孔11eに連通し、他方の軸方向D1の側部まで開放される凹部11fとを備えていてもよい。
【0027】
これにより、収容部11dと凹部11fは、本体孔11eを介して、連通されている。なお、本体孔11eの個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、リベット13の個数(四つ)と同じでもよく、また、例えば、リベット13の個数よりも多くてもよい。
【0028】
側部体12は、例えば、本実施形態のように、環状に形成されていてもよい。本実施形態においては、側部体12は、ガイドレール3cの横ガイド部3eにガイドされるガイド材である。そして、側部体12は、例えば、リベット13が挿入されるために、軸方向D1へ延びる複数の側部孔12aを備えていてもよい。
【0029】
なお、側部孔12aの個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、リベット13の個数(四つ)と同じでもよく、また、例えば、リベット13の個数よりも多くてもよい。また、特に限定されないが、側部孔12aの大きさは、例えば、本実施形態のように、本体孔11eの大きさよりも少し大きくてもよく、また、例えば、本体孔11eの大きさと同じでもよい。
【0030】
また、ガイドレール3cに対する側部体12の摩擦係数は、例えば、ガイドレール3cに対するローラ本体11(具体的には、本体部11a)の摩擦係数よりも、小さくてもよい。これにより、側部体12は、ガイドレール3cに円滑にガイドされる。特に限定されないが、例えば、本体部11aは、金属(例えば、鋼鉄、ステンレス鋼、アルミ等)で形成され、側部体12は、樹脂(例えば、フェノリック樹脂、フッ素樹脂等)で形成されている、という構成でもよい。
【0031】
図4及び
図5に示すように、リベット13は、例えば、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入される筒状のリベット本体13aと、リベット本体13aに挿入され、ローラ本体11と側部体12を固定するためにリベット本体13aに押し込まれるピン13bとを備えていてもよい。
【0032】
例えば、リベット本体13aは、筒状の胴部13cと、胴部13cの一端部に固定され、胴部13cよりも大径の頭部13dとを備えており、胴部13cの他端部は、周方向に分割されており、ピン13bがリベット本体13aに押し込まれることによって、胴部13cの他端部は、ピン13bに押されて拡径する、という構成でもよい。
【0033】
特に限定されないが、リベット13は、例えば、ドライブリベットとしてもよく、また、例えば、プッシュリベットとしてもよい。なお、
図4においては、ピン13bは、リベット本体13aに押し込まれた後(加工後・塑性変形後)の状態であり、
図5においては、ピン13bは、リベット本体13aに押し込まれる前(加工前・塑性変更前)の状態である。
【0034】
次に、製造装置における一実施形態について、
図6を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、製造装置の構成等の理解を助けるために例示するものであり、製造装置の構成を限定するものではない。
【0035】
図6に示すように、製造装置は、例えば、互いに分離しているプレス機20と製造器具30と治具40とを備えていてもよい。なお、
図6(
図7~
図11も同様)において、第1方向D4は、水平方向と平行な方向である第1横方向D4であり、第2方向D5は、水平方向と平行な方向であって、且つ、第1横方向D4と直交する第2横方向D5であり、第3方向D6は、第1横方向D4及び第2横方向D5と直交する鉛直方向であって、上下方向D6である。
【0036】
プレス機20は、例えば、上面が平面状であるボルスタ21と、ボルスタ21よりも上方に配置され、ボルスタ21に対して上下方向D6へ移動するスライド22とを備えていてもよい。スライド22は、例えば、上限位置(
図6に示す位置)から下限位置まで移動した後に上限位置へ戻る往復運動を行ってもよい。
【0037】
なお、例えば、スライド22の上限位置は、任意に変更可能であってもよく、また、例えば、スライド22の下限位置は、任意に変更可能であってもよい。また、特に限定されないが、プレス機20は、例えば、電動プレス機、油圧プレス機、手動プレス機(人力プレス機)としてもよい。
【0038】
製造器具30は、例えば、本実施形態のように、ボルスタ21に載せられる下工具31と、下工具31よりも上方に配置され、スライド22に下方へ押される上工具32と、上工具32が下工具31に対して上下方向D6へ移動可能に、下工具31と上工具32とを接続する接続部33とを備えていてもよい。これにより、例えば、下工具31及び上工具32を一体として持ち運びすることができる。
【0039】
また、製造器具30は、例えば、本実施形態のように、下工具31と上工具32との間に配置される弾性部34を備えていてもよい。これにより、例えば、製造器具30に外力が加えられていない場合には、上工具32は、弾性部34の弾性復元力によって、待機位置(上限位置であって、
図6に示す位置)に位置する。一方で、例えば、弾性部34の弾性復元力よりも大きな外力が上工具32に加えられた場合には、上工具32は、下工具31に近づくように、下方へ移動する。
【0040】
上工具32は、例えば、本実施形態のように、平板状の上ベース部32aと、リベット13のピン13bを押すために、上ベース部32aから下方へ突出する押し部32bとを備えていてもよい。なお、押し部32bの個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、リベット13の個数(四つ)と同じでもよく、また、例えば、リベット13の個数と異なっていてもよい。
【0041】
下工具31は、例えば、本実施形態のように、平板状の下ベース部31aと、押し部32bに上下方向D6視にて重なる工具孔31bと、下ベース31aから上方へ突出し、ローラ本体11の中央部に差し込まれる差込部31cと、ローラ本体11を保持する保持部31dとを備えていてもよい。
【0042】
工具孔31bは、例えば、本実施形態のように、下ベース部31aから上方へ突出して形成されていてもよく、また、例えば、下ベース部31aに開口されて形成されていてもよい。また、工具孔31bの個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、押し部32bの個数(四つ)と同じでもよく、また、例えば、押し部32bの個数と異なっていてもよい。
【0043】
保持部31dは、例えば、本実施形態のように、第1横方向D4へ移動可能な一対の挟み部31eを備えていてもよい。これにより、一対の挟み部31eが、ローラ本体11を第1横方向D4で挟むため、保持部31dは、ローラ本体11を保持する。なお、保持部31dの構成は、斯かる構成に限られず、ローラ本体11を保持できる構成であればよい。
【0044】
接続部33は、例えば、本実施形態のように、上工具32が下工具31に対して上下方向D6と平行に移動するように、上工具32をガイドするガイド機構35を備えていてもよい。ガイド機構35は、例えば、本実施形態のように、上下方向D6へ延びて且つ下ベース部31aに固定される第1ガイド部35aと、上ベース部32aに固定されて且つ第1ガイド部35aに上下方向D6へガイドされる第2ガイド部35bとを備えていてもよい。特に限定されないが、ガイド機構35は、例えば、リニアガイドとしてもよい。
【0045】
治具40は、例えば、本実施形態のように、本体孔11e及び工具孔31bに挿入される挿入部41と、環状に形成され、挿入部41に挿通される貫通孔42aを有する治具本体42と、挿入部41の端部に固定され、貫通孔42aよりも大きい抜止部43とを備えていてもよい。
【0046】
これにより、複数の挿入部41の周方向の位置は、治具本体42によって、位置決めされている。なお、挿入部41の個数は、特に限定されず、例えば、本実施形態のように、本体孔11eの個数(四つ)と同じでもよく、また、例えば、本体孔11eの個数と異なっていてもよい。
【0047】
次に、本実施形態に係るステップローラ10の製造方法について、
図7~
図11を参照しながら説明する。なお、以下の方法は、ステップローラ10の製造方法等の理解を助けるために例示するものであり、ステップローラ10の製造方法を限定するものではない。
【0048】
<保持工程>
まず、保持工程が行われる。
図7に示すように、ローラ本体11の軸受部11cの内部に、下工具31の差込部31cが差し込まれるように、ローラ本体11は、下工具31の上に載せられる。これにより、ローラ本体11は、下工具31に対して、ある程度、位置決めされる。
【0049】
このとき、ローラ本体11の軸方向が、上下方向D6と平行となるように、ローラ本体11は、下工具31の上に載せられている。そして、下工具31の工具孔31bは、ローラ本体11の凹部11fの内部に配置され、ローラ本体11の本体孔11eは、工具孔31bよりも上方に配置されている。
【0050】
そして、治具40がローラ本体11の軸方向の側部の上に載せられ、ローラ本体11は、下工具31に対して位置決めされる。例えば、
図7に図示されている三つの挿入部41のうち、中央及び右の挿入部41は、治具本体42の貫通孔42aとローラ本体11の本体孔11eとの位置が合っていない状態であり、左の挿入部41は、貫通孔42aと本体孔11eとの位置が合っているが、本体孔11eと下工具31の工具孔31bとの位置が合っていない状態である。
【0051】
そして、
図8に示すように、貫通孔42aと本体孔11eと工具孔31bとの位置が合うことによって、全ての挿入部41は、貫通孔42aと本体孔11eと工具孔31bとに亘って挿入される。斯かる状態において、保持部31dは、ローラ本体11を保持する。これにより、本体孔11eの位置が工具孔31bの位置に合せられたため、本体孔11eの位置を上工具32の押し部32bの位置に合わせることができる。
【0052】
<挿入工程>
次に、挿入工程が行われる。
図9に示すように、治具40がローラ本体11から離脱された後に、側部体12は、ローラ本体11の軸方向(具体的には、上下方向D6)の側部に配置される。そして、リベット13は、本体孔11e及び側部体12の側部孔12aに亘って挿入される。これにより、保持工程において、本体孔11eの位置が押し部32bの位置に合わせられたため、挿入工程において、リベット13の位置を押し部32bの位置に容易に合わせることができる。
【0053】
なお、リベット13の長さは、リベット13が本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入された状態で工具孔31bから上方へ離れる長さである。これにより、リベット13は、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入された状態で、工具孔31bから上方へ離れている。即ち、リベット13の下端は、工具孔31bの上端よりも、上方に配置されている。
【0054】
<押し工程>
次に、押し工程が行われる。
図10に示すように、スライド22がボルスタ21に対して下方へ移動することによって、スライド22が、上工具32を下方へ押すため、上工具32は、下工具31に対して下方へ移動する。このとき、ガイド機構35によって、上工具32は、下工具31に対して上下方向D6と平行に移動する。そして、スライド22が下限位置まで移動することによって、上工具32が押し位置(下限位置)まで移動するため、押し部32bは、リベット13のピン13bを下方へ押す。
【0055】
このとき、複数の押し部32bが、複数のリベット13のピン13bを下方へ同時に押しているため、複数のピン13bは、リベット本体13aに同時に押し込まれる。これにより、例えば、リベット本体13aの塑性変形量に偏りが生じることを抑制することができるため、ローラ本体11と側部体12とは、複数のリベット13によって適切に固定される。
【0056】
また、リベット13の長さは、リベット13が本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入されて加工された(塑性変形した)状態でも工具孔31bから上方へ離れる長さである。これにより、ピン13bがリベット本体13aに押し込まれたときにも、リベット13が工具孔31bから上方へ離れているため、リベット13が工具孔31bに当たることを抑制することができる。したがって、例えば、ローラ本体11と側部体12とは、リベット13によって適切に固定される。
【0057】
このように、プレス機20を用いて、リベット13によってローラ本体11と側部体12とを固定することができる。その後、
図11に示すように、スライド22がボルスタ21に対して上方へ移動するため、上工具32は、弾性部34の弾性復元力によって、下工具31に対して上方へ移動する。
【0058】
そして、スライド22が上限位置に位置し、上工具32が待機位置に位置するときに、上工具32は、スライド22から離れている。即ち、本実施形態においては、ガイド機構35を有しているため、上工具32は、スライド22に固定されておらず、スライド22に対する上工具32の位置決めは、行われていない。
【0059】
また、本実施形態においては、ガイド機構35を有しているため、下工具31は、ボルスタ21に載っているだけで、固定されておらず、ボルスタ21に対する下工具31の位置決めは、行われていない。したがって、上工具32がスライド22と上下方向D6視にて重なるように、製造器具30をボルスタ21に載せるだけでよい。なお、特に限定されないが、例えば、スライド22が上工具32の中央を押すように、製造器具30をボルスタ21に載せることが好ましい。
【0060】
[1]
以上より、マンコンベヤ1のステップローラ10,3b(本実施形態においては、第1ステップローラ10)の製造方法は、本実施形態のように、
プレス機20及び製造器具30を用いて、マンコンベヤ1のステップ8に回転可能に接続されるステップローラ10を製造する製造方法であって、
前記ステップローラ10は、
前記ステップ8に回転可能に接続されるローラ本体11と、
前記ローラ本体11の側部に配置される側部体12と、
前記ローラ本体11と前記側部体12とを固定するリベット13と、を備え、
前記ローラ本体11は、前記リベット13に挿入される本体孔11eを備え、
前記側部体12は、前記リベット13に挿入される側部孔12aを備え、
前記リベット13は、
前記本体孔11e及び前記側部孔12aに亘って挿入されるリベット本体13aと、
前記リベット本体13aに挿入され、前記ローラ本体11と前記側部体12とを固定するために前記リベット本体13aに押し込まれるピン13bと、を備え、
前記プレス機20は、
ボルスタ21と、
前記ボルスタ21よりも上方に配置され、前記ボルスタ21に対して上下方向D6へ移動するスライド22と、を備え、
前記製造器具30は、
前記ボルスタ21に載せられる下工具31と、
前記下工具31よりも上方に配置され、前記スライド22に下方へ押される上工具32と、を備え、
前記下工具31は、前記ローラ本体11を保持する保持部31dを備え、
前記上工具32は、前記ピン13bを押すために、下方へ突出する押し部32bを備え、
前記製造方法は、
前記ローラ本体11を前記保持部31dで保持する保持工程と、
前記ローラ本体11の前記側部に前記側部体12を配置させた状態で、前記リベット13を、前記本体孔11e及び前記側部孔12aに亘って挿入する挿入工程と、
前記押し部32bが前記ピン13bを押すように、前記プレス機20によって、前記上工具32を前記下工具31に対して下方へ移動させる押し工程と、を含む、
という方法が好ましい。
【0061】
斯かる方法によれば、ローラ本体11は、保持部31dで保持される。そして、側部体12が、ローラ本体11の側部に配置された状態で、リベット13は、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入される。その後、プレス機20によって、上工具32が下工具31に対して下方へ移動することによって、押し部32bは、ピン13bを押す。
【0062】
これにより、ピン13bがリベット本体13aに押し込まれるため、ローラ本体11と側部体12とは、リベット13によって固定される。したがって、プレス機20を用いて、リベット13によってローラ本体11と側部体12とを固定することができる。
【0063】
[2]
また、上記[1]の製造方法においては、本実施形態のように、
前記リベット13、前記本体孔11e、前記側部孔12a、及び前記押し部32bは、それぞれ複数備えられ、
前記押し工程は、前記複数の押し部32bが前記複数のピン13bを同時に押すように、前記プレス機20によって、前記上工具32を前記下工具31に対して下方へ移動させる、
という方法が好ましい。
【0064】
斯かる方法によれば、プレス機20によって、上工具32が下工具31に対して下方へ移動することによって、複数の押し部32bは、複数のピン13bを同時に押す。これにより、複数のピン13bをリベット本体13aに同時に押し込むことができる。
【0065】
[3]
また、上記[1]又は[2]の製造方法においては、本実施形態のように、
前記製造器具30は、
前記上工具32が前記下工具31に対して上下方向D6へ移動可能に、前記下工具31と前記上工具32とを接続する接続部33と、
前記上工具32が前記下工具31に対して上下方向D6と平行に移動するように、前記上工具32をガイドするガイド機構35と、を備える、
という方法が好ましい。
【0066】
斯かる方法によれば、接続部33が、下工具31と上工具32とを接続しており、ガイド機構35が、上工具32をガイドすることによって、上工具32は、下工具31に対して、上下方向D6と平行に移動する。これにより、下工具31が、ボルスタ21に載せられ、上工具32が、スライド22に下方へ押されることによって、押し部32bは、ピン13bを押す。
【0067】
[4]
また、上記[2]又は[3]の製造方法においては、本実施形態のように、
前記下工具31は、前記押し部32bに上下方向D6視にて重なる工具孔31bを備え、
前記製造方法は、前記本体孔11e及び前記工具孔31b亘って挿入される挿入部41を備える治具40をさらに用い、
前記保持工程は、前記挿入部41が前記本体孔11e及び前記工具孔31bに亘って挿入された状態で、前記ローラ本体11を前記保持部31dで保持し、
前記挿入工程は、前記保持工程の後であって、前記治具40を前記ローラ本体11から離脱させた後に行う、
という方法が好ましい。
【0068】
斯かる方法によれば、挿入部41が、本体孔11e及び工具孔31bに亘って挿入された状態で、ローラ本体11が、保持部31dに保持されるため、本体孔11eの位置を押し部32bの位置に合わせることができる。その後、治具40がローラ本体11から離脱された後に、側部体12がローラ本体11の側部に配置された状態で、リベット13は、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入される。これにより、リベット13の位置を押し部32bの位置に容易に合わせることができる。
【0069】
[5]
また、上記[4]の製造方法においては、本実施形態のように、
前記リベット13は、前記挿入工程及び前記押し工程において、前記本体孔11e及び前記側部孔12aに亘って挿入された状態で、前記工具孔31bから上方へ離れる、
という方法が好ましい。
【0070】
斯かる方法によれば、リベット13は、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入されたときに、工具孔31bから上方へ離れており、そして、ピン13bがリベット本体13aに押し込まれたときにも、リベット13は、工具孔31bから上方へ離れている。これにより、リベット13が工具孔31bに当たることを抑制することができる。
【0071】
[6]
また、製造器具30は、本実施形態のように、
上記[1]~[5]の何れか1つのマンコンベヤ1のステップローラ10の製造方法に用いられる、
という構成が好ましい。
【0072】
斯かる構成によれば、プレス機20を用いて、リベット13によってローラ本体11と側部体12とを固定することができる。
【0073】
なお、マンコンベヤ1、製造装置及び製造方法は、上記した実施形態の構成に限定されるものではなく、また、上記した作用効果に限定されるものではない。また、マンコンベヤ1、製造装置及び製造方法は、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、下記する各種の変更例に係る構成や方法等を任意に一つ又は複数選択して、上記した実施形態に係る構成や方法等に採用してもよいことは勿論である。
【0074】
(A)上記実施形態に係るマンコンベヤ1、製造装置及び製造方法においては、側部体12は、ガイドレール3cの横ガイド部3eにガイドされるガイド材である、という構成である。しかしながら、マンコンベヤ1、製造装置及び製造方法は、斯かる構成に限られない。
【0075】
例えば、側部体12は、欄干部4のカバー部4cのパネルにガイドされるガイド材である、という構成でもよい。また、例えば、側部体12は、例えば、製造者や型式などの情報が表示される表示材である、という構成でもよく、また、例えば、デザイン等が施されている意匠材である、という構成でもよい。
【0076】
(B)また、上記実施形態に係る製造装置及び製造方法においては、押し部32bは、複数備えられ、複数の押し部32bは、複数のピン13bを同時に押す、という方法である。しかしながら、製造装置及び製造方法は、斯かる構成に限られない。
【0077】
例えば、押し部32bの個数は、リベット13の個数よりも少なく、押し部32bは、複数のリベット13のピン13bを個別に(時期をずらして)押す、という方法でもよい。具体的には、リベット13は、複数備えられ、押し部32bは、一つのみ備えられ、押し部32bは、複数のリベット13のピン13bに対して、一つずつ個別に押す、という方法でもよい。
【0078】
(C)また、上記実施形態に係る製造装置及び製造方法においては、製造器具30は、下工具31と上工具32とを接続する接続部33を備えている、という構成である。しかしながら、製造装置及び製造方法は、斯かる構成に限られない。
【0079】
例えば、接続部33が備えられておらず、下工具31と上工具32とは、分離されており、下工具31は、ボルスタ21に固定され、上工具32は、スライド22に固定される、という方法でもよい。具体的には、例えば、下工具31は、ボルスタ21に位置決めされて固定され、例えば、上工具32は、スライド22に位置決めされて固定される、という方法でもよい。
【0080】
(D)また、上記実施形態に係る製造装置及び製造方法においては、接続部33は、ガイド機構35を備えている、という構成である。しかしながら、製造装置及び製造方法は、斯かる構成に限られない。例えば、接続部33とガイド機構35とは、それぞれ別部品で構成されている、という構成でもよい。
【0081】
(E)また、上記実施形態に係る製造方法においては、製造装置は、治具40を備えている、という構成である。しかしながら、製造装置及び製造方法は、斯かる構成に限られない。例えば、製造装置は、治具40を備えていない、という構成でもよく、そして、製造方法は、上工具32が押し位置の少し上の位置で保持され、リベット13及び本体孔11eの位置が押し部32bの位置に合わされる、という方法でもよい。
【0082】
(F)また、上記実施形態に係る製造装置及び製造方法においては、リベット13は、挿入工程及び押し工程において、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入された状態で、工具孔31bから上方へ離れる、という構成である。しかしながら、製造装置及び製造方法は、斯かる構成に限られない。
【0083】
(F-1)例えば、リベット13は、挿入工程において、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入された状態で、工具孔31bから上方へ離れ、リベット13は、押し工程において、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入された状態で、ピン13bのみが工具孔31bの内部に挿入される、という構成でもよい。
【0084】
そして、斯かる構成においては、ピン13bが工具孔31bに当たらないように、工具孔31bの大きさが設定されている、という構成でもよい。斯かる構成によれば、リベット13が工具孔31bに当たることを抑制することができる。
【0085】
(F-2)また、例えば、リベット13は、挿入工程及び押し工程において、本体孔11e及び側部孔12aに亘って挿入された状態で、工具孔31bの内部に挿入される、という構成でもよい。
【0086】
そして、斯かる構成においては、押し工程において、リベット本体13aが変形して、胴部13cの他端部が拡径しても工具孔31bに当たらないように、工具孔31bの大きさが設定されている、という構成でもよい。斯かる構成によれば、リベット13が工具孔31bに当たることを抑制することができる。
【0087】
(G)また、上記実施形態に係る製造装置及び製造方法においては、挿入工程は、保持工程の後に行われる、という方法である。しかしながら、製造装置及び製造方法は、斯かる構成に限られない。例えば、挿入工程は、保持工程の前に行われる、という方法でもよい。
【0088】
(H)なお、例えば、特許請求の範囲、明細書及び図面において示した方法及び装置における動作、手順、ステップ、及び段階等の各工程の実行順序は、前の工程の結果物を後の工程で用いるものでない限り、任意の順序で実現できる。例えば、便宜上、「まず」、「次に」等を用いて説明したとしても、この順で実行することが必須であることを意味するものではない。
【符号の説明】
【0089】
1…マンコンベヤ、2…構造体、3…搬送部、3a…連結軸、3b…第2ステップローラ、3c…ガイドレール、3d…下ガイド部、3e…横ガイド部、4…欄干部、4a…手摺ベルト、4b…欄干本体部、4c…カバー部、5…駆動部、5a…回転部、5b…支持部、5c…駆動源、6…処理部、7…走行部、8…ステップ、8a…踏面部、8b…蹴上部、8c…連結部、10…第1ステップローラ、11…ローラ本体、11a…本体部、11b…外周部、11c…軸受部、11d…収容部、11e…本体孔、11f…凹部、12…側部体、12a…側部孔、13…リベット、13a…リベット本体、13b…ピン、13c…胴部、13d…頭部、20…プレス機、21…ボルスタ、22…スライド、30…製造器具、31…下工具、31a…下ベース部、31b…工具孔、31c…差込部、31d…保持部、31e…挟み部、32…上工具、32a…上ベース部、32b…押し部、33…接続部、34…弾性部、35…ガイド機構、35a…第1ガイド部、35b…第2ガイド部、40…治具、41…挿入部、42…治具本体、42a…貫通孔、43…抜止部、D1…幅方向、D2…前後方向、D3…上下方向、D4…第1横方向、D5…第2横方向、D6…上下方向
【要約】
【課題】 プレス機を用いて、リベットによってローラ本体と側部体とを固定することができるマンコンベヤのステップローラの製造方法を提供する。
【解決手段】 マンコンベヤのステップローラの製造方法においては、製造器具は、ボルスタに載せられる下工具と、下工具よりも上方に配置され、スライドに下方へ押される上工具と、を備え、下工具は、ローラ本体を保持する保持部を備え、上工具は、ピンを押すために、下方へ突出する押し部を備え、製造方法は、ローラ本体を保持部で保持する保持工程と、ローラ本体の前方向側部に側部体を配置させた状態で、リベットを、本体孔及び側部孔に亘って挿入する挿入工程と、押し部がピンを押すように、プレス機によって、上工具を下工具に対して下方へ移動させる押し工程と、を含む。
【選択図】
図10