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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】POI情報利用システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/015 20230101AFI20240417BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
G06Q30/015
G01C21/26 C
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022152738
(22)【出願日】2022-09-26
(65)【公開番号】P2024047226
(43)【公開日】2024-04-05
【審査請求日】2022-10-05
(73)【特許権者】
【識別番号】500423444
【氏名又は名称】株式会社ソケッツ
(74)【代理人】
【識別番号】100086531
【弁理士】
【氏名又は名称】澤田 俊夫
(74)【代理人】
【識別番号】110000763
【氏名又は名称】弁理士法人大同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】五十崎 正明
(72)【発明者】
【氏名】塩本 祥司
(72)【発明者】
【氏名】浦部 浩司
【審査官】岡北 有平
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-009840(JP,A)
【文献】特開2010-205185(JP,A)
【文献】特開2016-212622(JP,A)
【文献】特開2002-213977(JP,A)
【文献】特開2014-067115(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置範囲を特定する位置範囲情報および提供対象情報を含むPOI情報単位を管理する管理サイトと、上記管理サイトからPOI情報単位を取得するユーザ装置とからなり、上記ユーザ装置から間欠的に送信される上記ユーザ装置の位置情報が上記POI情報単位の上記位置範囲情報に対応するときに、上記管理サイトが当該POI情報単位の上記提供対象情報を当該ユーザ装置に対して供給制御するPOI情報利用システムにおいて、
上記POI情報単位は、さらに提供制御情報を有し、
上記提供制御情報は、前回の利用時からの利用停止期間、利用時間帯、利用期間、および有効期限を含むグループから選択された少なくとも1つの提供制御情報を含み、
上記ユーザ装置は、上記管理サイトから送信される上記POI情報単位の上記提供対象情報を当該POI情報単位の上記提供制御情報に基づいて利用し、
さらに、上記管理サイトは、テーマを同じくする複数のPOI情報単位を特定するPOIグループ情報単位を管理し、当該POIグループ情報単位に対して利用許諾権を有するユーザ装置に対して、当該POIグループ情報単位に含まれるPOI情報単位を利用可能にすることを特徴とするPOI情報利用システム。
【請求項2】
ユーザが上記POI情報単位を上記管理サイトに登録するPOI情報単位登録装置をさらに有する請求項1に記載のPOI情報利用システム。
【請求項3】
ユーザが上記POIグループ情報単位を上記管理サイトに登録するPOIグループ情報単位登録装置をさらに有する請求項1に記載のPOI情報利用システム。
【請求項4】
POIグループ情報単位利用登録装置をさらに有し、
上記POIグループ情報単位利用登録装置は、
上記管理サイトに登録されている上記POIグループ情報単位を検索して、検索結果に基づいてPOIグループ情報単位および対応するPOI情報単位を利用登録する請求項1に記載のPOI情報利用システム。
【請求項5】
請求項1~のいずれかに記載のPOI情報利用システムにおいて用いられる管理サイトにおいて、
上記POI情報単位を記憶する記憶手段と、
上記POIグループ情報単位を記憶する記憶手段とを有し、
上記ユーザ装置に上記POIグループ情報単位に基づいて上記POI情報単位を供給することを特徴とする管理サイト。
【請求項6】
請求項1~のいずれかに記載のPOI情報利用システムにおいて用いられる管理サイトにおいて、
上記ユーザ装置から間欠的に送信される位置通知に基づいて、上記ユーザ装置が利用権を有し、かつ、提供制御情報が満たされる場合に、POI情報単位を上記ユーザ装置に送信することを特徴とする管理サイト。
【請求項7】
請求項1~4のいずれかに記載のPOI情報利用システムにおいて用いられるユーザ装置において、
上記ユーザ装置から間欠的に送信される位置通知に基づいて、上記ユーザ装置が利用権を有し、かつ、上記ユーザ装置の現在位置に対する移動方向を考慮した一定距離の範囲に該当するPOI情報単位を上記ユーザ装置に送信し、上記ユーザ装置は上記POI情報単位を当該POI情報単位の提供制御情報に基づいて発動制御することを特徴とするユーザ装置。
【請求項8】
位置範囲を特定する位置範囲情報および提供対象情報を含むPOI情報単位を管理する管理サイトと、上記管理サイトからPOI情報単位を取得するユーザ装置とからなり、上記ユーザ装置から間欠的に送信される上記ユーザ装置の位置情報が上記POI情報単位の上記位置範囲情報に対応するときに、上記管理サイトが当該POI情報単位の上記提供対象情報を当該ユーザ装置に対して供給制御するPOI情報利用システムにおいて用いられる上記管理サイトにおいて、
上記POI情報単位は、さらに提供制御情報を有し、
上記提供制御情報は、前回の利用時からの利用停止期間、利用時間帯、利用期間、および有効期限を含むグループから選択された少なくとも1つの提供制御情報を含み、
上記ユーザ装置は、上記管理サイトから送信される上記POI情報単位の上記提供対象情報を当該POI情報単位の上記提供制御情報に基づいて利用し、
上記管理サイトは、当該管理サイトの運営者が登録したPOI情報単位とユーザが登録したPOI情報単位とを区分けして管理することを特徴とする管理サイト。
【請求項9】
上記管理サイトは、テーマを同じくする複数のPOI情報単位を特定するPOIグループ情報単位を管理し、当該POIグループ情報単位に対して利用許諾権を有するユーザ装置に対して、当該POIグループ情報単位に含まれるPOI情報単位を利用可能にし、
上記管理サイトは、当該管理サイトの運営者が登録したPOIグループ情報単位とユーザが登録したPOIグループ情報単位とを区分けして管理する請求項記載の管理サイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、POI(ポイント・オブ・インタレスト)に関する情報を利用するPOI情報利用技術に関する。
【背景技術】
【0002】
POIに関する情報を利用するサービスが種々運用されている。POIは、一般的には、地図上、または空間における特定の位置を意味し、このPOIに種々の情報やコンテンツ等を関連付けてサービスを提供することが可能になる。利用者は、携帯端末や車両のナビゲーションシステムにおいてPOIに関する情報を利用したサービスの提供を受けて良い。
【0003】
ところで、位置に関連付けされたPOI情報を提供するサービスでは、サービス提供側で用意したPOI情報をすべてのユーザに対して提供することがほとんどである。個々のユーザの移動目的や、その日の気分といった条件に合致するPOI情報だけを利用したいという要請に十分対処できない。これに対処するために、サービス提供側で提供するPOI情報に対して、ユーザの要求する条件でフィルタ処理して利用するという方法がある。この場合、多くのユーザに対して個々の条件にマッチし、さらにバリエーションがあるPOI情報を提供するためには、サービス提供者側で大量のPOI情報を用意して配信する必要があり、そのPOI情報を作成するための運用コストが膨大になるという欠点がある。
【0004】
また、一般に、ユーザが、ユーザ自身で、好きな場所に対してPOI情報を作成して楽しんだり、作成したPOI情報を他のユーザに提供したり、他のユーザが作成したPOI情報を利用したりすることはできない。サービス提供者側で提供するPOI情報だけを一方的に利用するだけで、サービスの利用形態が固定的となるため、ユーザが継続して利用したいというモチベーションが徐々に低下していくという懸念がある。
【0005】
なお、この発明と関連する特許文献としては、ロケーションベースのサービスを利用者に推薦する個人別コンテンツを推奨するための技術が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特表2018-530022号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
個々のユーザの移動目的や、その日の気分といった条件に合致するPOI情報だけを利用したいという要請に十分対処できるようにすることが望まれる。また、ユーザがユーザ自身でPOI情報を提供できるようにして継続的に利用し続けるモチベーションを高めることが望まれる。
【0008】
なお、この発明は、上述の課題により限定的に理解されるべきでなく、その内容は特許請求の範囲に規定され、以下に実施例を用いて詳細に説明される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ここでは、発明を詳細に説明するのに先立って、特許請求の範囲の記載について補充的に説明を行う。
【0010】
この発明の一側面によれば、POI情報単位を管理する管理サイトと、上記管理サイトからPOI情報単位を取得するユーザ装置とからなるPOI情報利用システムにおいて、上記POI情報単位は、位置を特定する情報、提供対象情報、および提供制御情報を有し、上記提供制御情報は、前回の利用時からの利用停止期間、利用時間帯、利用期間、および有効期限を含むグループから選択された少なくとも1つの提供制御情報を含み、上記ユーザ装置は、上記管理サイトから送信される上記POI情報単位の上記提供対象情報を当該POI情報単位の上記提供制御情報に基づいて利用し、さらに、上記管理サイトは、テーマを同じくする複数のPOI情報単位を特定するPOIグループ情報単位を管理し、当該POIグループ情報単位に対して利用許諾権を有するユーザ装置に対して、当該POIグループ情報単位に含まれるPOI情報単位を利用可能にするようにしている。提供制御情報は、前回の利用時からの利用停止期間、利用時間帯、利用期間、有効期限、ユーザに対する総回数、優先度レベル、および公開レベルを含むグループから選択された少なくとも1つの提供制御情報であっても良い。
【0011】
この構成によれば、サービスを利用しているユーザは、サービス提供者(管理サイト)側のサーバに管理されているPOIグループ情報単位の中から、ユーザの移動目的やその日の気分といった自分の目的やテーマにあうものを選択し、利用設定することで、目的に合致したPOI情報単位を優先的に利用することができる。
【0012】
また、この構成において、上記POIグループ情報単位は、位置範囲情報を含み、上記管理サイトは、上記ユーザ装置が当該位置範囲情報に対応しない場合には、上記ユーザ装置に対して、当該POIグループ情報単位に含まれるPOI情報単位を利用可能にしなくて良い。
【0013】
また、この構成において、ユーザが上記POI情報単位を上記管理サイトに登録するPOI情報単位登録装置をさらに有して良い。これによって、ユーザは自分自身でPOI情報を作成して、自分自身や他のユーザに提供して対価を得るとことができるため、サービスの楽しみ方が単に受動的に利用するだけでなく能動的に利用することができるようになり、継続的に利用し続けるモチベーションを高めることができる。
【0014】
また、この構成において、ユーザが上記POIグループ情報単位を上記管理サイトに登録するPOIグループ情報単位登録装置をさらに設けて良い。この場合も、ユーザは自分自身でPOI情報を作成して、自分自身や他のユーザに提供して対価を得るとことができるため、サービスの楽しみ方が単に受動的に利用するだけでなく能動的に利用することができるようになり、継続的に利用し続けるモチベーションを高めることができる。
【0015】
また、この構成において、POIグループ情報単位利用登録装置をさらに設け、上記POIグループ情報単位利用登録装置は、上記管理サイトに登録されている上記POIグループ情報単位を検索して、検索結果に基づいてPOIグループ情報単位および対応するPOI情報単位を利用登録して良い。
【0016】
また、上述のPOI情報利用システムにおいて用いられる管理サイトにおいて、上記POI情報単位を記憶する記憶手段と、上記POIグループ情報単位を記憶する記憶手段とを設け、上記ユーザ装置に上記POIグループ情報単位に基づいて上記POI情報単位を供給するようにして良い。
【0017】
また、上述のPOI情報利用システムにおいて用いられる管理サイトにおいて、上記ユーザ装置から間欠的に送信される位置通知に基づいて、上記ユーザ装置が利用権を有し、かつ、提供制御情報が満たされる場合に、POI情報単位を上記ユーザ装置に送信するようにして良い。
【0018】
また、上述のPOI情報利用システムにおいて用いられるユーザ装置において、上記ユーザ装置から間欠的に送信される位置通知に基づいて、上記ユーザ装置が利用権を有し、かつ、上記ユーザ装置の現在位置に対する移動方向を考慮した一定距離の範囲に該当するPOI情報単位を上記ユーザ装置に送信し、上記ユーザ装置は上記POI情報単位を当該POI情報単位の提供制御情報に基づいて発動制御するようにして良い。
【0019】
また、この発明の他の側面によれば、POI情報単位を管理する管理サイトと、上記管理サイトからPOI情報単位を取得するユーザ装置とからなるPOI情報利用システムにおいて用いられる上記管理サイトが提供され、上記POI情報単位は、位置を特定する情報、提供対象情報、および提供制御情報を有し、上記提供制御情報は、前回の利用時からの利用停止期間、利用時間帯、利用期間、および有効期限を含むグループから選択された少なくとも1つの提供制御情報を含み、上記ユーザ装置は、上記管理サイトから送信される上記POI情報単位の上記提供対象情報を当該POI情報単位の上記提供制御情報に基づいて利用し、上記管理サイトは、当該管理サイトの運営者が登録したPOI情報単位とユーザが登録したPOI情報単位とを区分けして管理するようにしている。
【0020】
この構成によれば、ユーザがPOI情報単位を登録し、これを当該ユーザまたは他のユーザが選択的に使用することができる。
【0021】
また、この構成において、上記管理サイトは、テーマを同じくする複数のPOI情報単位を特定するPOIグループ情報単位を管理し、当該POIグループ情報単位に対して利用許諾権を有するユーザ装置に対して、当該POIグループ情報単位に含まれるPOI情報単位を利用可能にし、上記管理サイトは、当該管理サイトの運営者が登録したPOIグループ情報単位とユーザが登録したPOIグループ情報単位とを区分けして管理して良い。
【0022】
なお、この発明は装置またはシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、そのような発明の一部をソフトウェアとして構成することができることはもちろんである。またそのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品(コンピュータプログラム)もこの発明の技術的な範囲に含まれることも当然である。
【0023】
この発明の上述の側面および他の側面は特許請求の範囲に記載され、以下、実施例等を用いて詳述される。
【発明の効果】
【0024】
この発明によれば、個々のユーザの移動目的や、その日の気分といった条件に合致するPOI情報だけを利用したいという要請に十分対処できるようにすることができる。また、具体的な構成では、ユーザ自身がPOI情報を提供できるようにして継続的に利用し続けるモチベーションを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の利用環境を示す模式図である。
図2】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の管理センタ200のハードウェア構成の模式図である。
図3】この発明の実施例のPOI情報利用システム100のユーザ端末300の模式図である。
図4】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の概要部分を示すブロック図である。
図5】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の概要部分の動作例を説明するフローチャートである。
図6】この発明の実施例のPOI情報利用システムの特徴部分を示すブロック図である。
図7】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の特徴部分の動作例をPOI情報に関連して説明するフローチャートである。
図8】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の特徴部分の動作例をPOIグループ情報に関連して説明するフローチャートである。
図9】この発明の実施例のPOI情報利用システムの他の特徴部分を示すブロック図である。
図10】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の他の特徴部分の動作例を説明するフローチャートである。
図11】この発明の実施例のPOI情報利用システム100の他の特徴部分の他の動作例を説明するフローチャートである。
図12】この発明の実施例のPOI情報利用システムのさらに他の特徴部分を示すブロック図である。
図13】この発明の実施例のPOI情報の例を説明する図である。
図14】この発明の実施例のPOI情報の発動条件を説明する図である。
図15】この発明の実施例のPOIグループ情報の例を説明する図である。
図16】この発明のPOI情報を生成するために利用可能な地点情報を例に挙げて説明する図である。
図17】この発明のPOI情報を生成するために利用可能なイベント情報を例に挙げて説明する図である。
図18】この発明で利用可能な地域メッシュデータの例を説明する図である。
図19】この発明の他の実施例のサービス利用形態を説明する図である。
図20】この発明の他の実施例の他のサービス利用形態を説明する図である。
図21】この発明の他の実施例の概要部分を示すブロック図である。
図22】この発明の他の実施例の特徴部分を示すブロック図である。
図23】この発明の他の実施例の他の特徴部分を示すブロック図である。
図24】この発明の他の実施例の他の特徴部分を示すブロック図である。
図25】この発明の他の実施例の公式POI情報の例を説明する図である。
図26】この発明の他の実施例のユーザ作成POI情報の例を説明する図である。
図27】この発明の他の実施例の公式POIグループ情報の例を説明する図である。
図28】この発明の他の実施例のユーザ作成POIグループ情報の例を説明する図である。
図29】この発明の他の実施例のユーザ認証テーブルの例を説明する図である。
図30】この発明の他の実施例のパーソナル部ループの例を説明する図である。
図31】この発明の他の実施例のユーザ作成POIグループ情報の属性の例を説明する図である。
図32】この発明の他の実施例のユーザ作成POI情報の属性の例を説明する図である。
図33】この発明の他の実施例においてユーザが利用可能なPOIグループ情報の例を説明する図である。
図34】この発明の他の実施例においてユーザが利用可能なPOI情報の例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、この発明をPOI情報利用システムに適用した実施例について説明する。
【0027】
この実施例において、以下の用語はつぎのとおりである。ただし、この発明は、この用語の使用例に限定されるものではない。
「POI情報」:場所を特定する情報、その場所において提供するコンテンツ(音楽、映像、テキスト)、イベント情報、および、このPOI情報を発動する条件を含む。
「POIグループ情報」(POIグループリストとも呼ぶ):1つ以上のPOI情報の集まりで、グループID、グループ名、地域名、地域情報、テーマ名、テーマ種別、テーマメタ情報と、POI情報のリストで構成される。
【0028】
POI情報のリストにはサービス提供(管理センタともいう)側で準備したPOI情報と、ユーザが作成したPOI情報が含まれる。POIグループ情報は、典型的には、ユーザが作成するけれども、サービス提供側で準備しても良い。
【0029】
図1は、この実施例のPOI情報利用システム100が使用される環境を説明するものであり、この図において、POI情報利用システム100は、管理センタ(POI情報管理センタ、管理サイトともいう)200および複数のユーザ端末300を含んで構成される。管理センタ200は、通信ネットワーク400に接続されている。この通信ネットワーク400には、ユーザ端末300が接続されている。ユーザ端末300は2つしか示さないけれども、通常は多数個ある。ユーザはユーザ端末300を用いて管理センタ200からコンテンツ等を取得し、視聴等を行って良い。ユーザ端末300は、典型的には、スマートフォン(モバイル向けオペレーティングシステムを備えた携帯電話)であって良く、また、車載のナビゲーションシステムであって良い。コンテンツの提供等は、典型的には、音楽コンテンツ(楽曲)の配信であって良いけれども、メッセージの提供・提示、商品の提示、画像や動画の提供・提示、サービスの提供であって良い。
【0030】
図2は、管理センタ(サーバシステム)200の実装構成を模式的に示すものであり、実装されるコンピュータ2000は、CPU2001、主メモリ2002、入出力インターフェース(入出力バス)2003、外部記憶装置2004等を含んで構成されて良い。アプリケーション2005をコンピュータ2000にインストールすることにより管理センタ200が構築される。なお、管理センタ200は複数のコンピュータシステムから構成されて良い。
【0031】
図3は、ユーザ端末(携帯端末)300の構成例を示し、この図において、ユーザ端末300は、処理システム3010、メモリ3020、入出力サブシステム3030、高周波回路部3040、および音声回路部3050を含む。構成要素の各々は、適宜、信号処理集積回路、特定用途向け集積回路、を含むハードウェア、ソフトウェア、またはこれらを組み合わせて実現できる。処理システム3010はプロセッサ3011、メモリコントローラ3012、周辺装置インターフェース3013を含む。メモリ3020は、プロセッサ3011が実行するコードやデータ(アプリケーション用のコードやデータを含む)を格納する。プロセッサ3011は、メモリ3020に格納された多様なソフトウェア・コンポーネントを実行する。この実施例のPOI情報利用のためのアプリケーションは、典型的には、アプリケーション3021の1つとして実現され、例えばコンテンツを視聴するためのものであって良い。ユーザ端末300は移動環境で使用可能な任意のコンピュータリソースであって良い。
【0032】
この実施例のPOI情報利用システム100は以下のような特徴を有して良い。ただし、これに制約されるものではない。
(1)ユーザ端末300のアプリケーションから移動中のユーザの位置を管理センタ(サーバ側)200に間欠的に通知し、そのユーザが利用権を持ち、発動する条件に合うPOI情報をユーザ端末300のアプリケーションに提供し、当該アプリケーション側で都合の良いタイミングで発動、利用する仕組みを有して良い。
あるいは、そのユーザが利用権を持ち、現在地に対する移動方向を考慮した一定距離の範囲にある、1または複数のPOI情報をユーザ側のアプリケーションに提供し、アプリケーション側でリアルタイムで取得している位置情報を考慮して発動する条件に合うPOI情報をアプリケーション側で都合の良いタイミングで発動、利用する仕組みを有して良い。
【0033】
(2)ユーザ端末300のアプリケーションまたは他のユーザ端末のアプリケーションを使って自分の好きな位置に対して、自分の好みのコンテンツ(ex.音楽リスト)、メッセージ、発動する条件を設定したPOI情報を作成し、管理センタ200(サービス側のサーバ)に登録できる仕組みを有して良い。
(3)あるいは、サービス提供元から公開されているPOI情報の一部をダウンロードし、アプリケーションの編集機能を使用して自分の好みのコンテンツ(ex.音楽リスト)、メッセージ、発動条件を変更する等のカスタマイズを行って管理センタ(サーバ)200に登録できる仕組みを有して良い。
(4)特定の地域の範囲内で、移動目的や気分といったテーマにマッチする複数のPOI情報を1つのグループとし、POIグループ情報(POIグループリストともいう)として定義、管理、利用できる仕組みを有して良い。
(5)サービス側で作成もしくユーザが作成してサーバに登録したPOI情報に対して、ユーザが自分の利用したい地域とテーマに合う条件のPOI情報のうち、利用許諾設定されているものだけをフィルタ処理して、利用できる仕組みを有して良い。
あるいは、管理センタ200側(サービス側)で作成し、またはユーザが作成してサーバに登録したPOI情報に対して、ユーザが自分の利用したい地域とテーマに合うものを検索して、気に入ったものに対する利用許諾設定をおこなうことで、そのPOI情報を利用できる仕組みを有して良い。
または、サービス側で作成もしくユーザが作成してサーバに登録したPOIグループ情報に対して、ユーザが自分の利用したい地域とテーマに合うものを検索して、気に入ったものに対する利用許諾設定を行うことで、そのPOIグループ情報に含まれるPOI情報を一括して利用できる仕組みを有して良い。
【0034】
(6)ユーザが作成してサーバ(管理センタ)に公開したPOI情報やPOIグループ情報を他のユーザに利用許諾する際に、対価が得られる仕組みを持つ。ここで対価としては、例えばサービス内で利用できるポイントなどであって良い。各ユーザは獲得ポイントを使って、サービス利用期間の延長や、サービスが提供するPOI情報やPOIグループリストの利用権利の取得、現金に換金するなどの用途があって良い。なお、対価として無料も含まれる。
【0035】
(7)サービスの品質を維持するため、ユーザがPOI情報もしくはPOIグループ情報の作成時に設定できる内容を制限する仕組みを有して良い。例えば、メッセージに反社会的、誹謗中傷、風評被害、犯罪、暴力、卑猥な表現といった内容を登録できないようにするといった制限が想定される。制限方法としては、メッセージの入力に関連ワードが含まれていないことを確認したり、または、予めサービス側で用意した定型文の中から選択させるといった手法を用いて良い。
【0036】
(8)サービス提供側では、サービスを利用している各ユーザに対して、移動中に発動されたPOI情報もしくはPOIグループ情報に付与されている位置情報、コンテンツ情報、メタ情報を地域や季節、時間帯等の頻度で集計した結果から得られた統計情報を元に、新たなPOI情報もしくはPOIグループ情報を生成して公開することができる仕組みを有して良い。
【0037】
(9)サービスを利用している各ユーザは、自分が移動中に発動されたPOI情報に付与されている位置情報、コンテンツ情報、メタ情報を地域や季節、時間帯等の頻度で集計した結果から得られた統計情報を元に、指定した地域に登録されているPOI情報のなかからユーザの嗜好や行動パターンに近いものを自動でピックアップして、自分におすすめのPOIグループ情報を作る仕組みを有して良い。
【0038】
図4は、この実施例のPOI情報利用システム100の骨格構成部分をPOI情報管理センタ200およびユーザ端末300に分けて模式的に説明するものであり、この図において、POI情報管理センタ200は、発動対象情報記憶部211、POI情報利用履歴記憶部212、コンテンツ記憶部213、発動対象情報選択部214、発動制御部215、POI情報・コンテンツ情報送信部216、コンテンツ送信部217等を有している。コンテンツ記憶部213は、管理センタ200の外部に設けられても良い。ユーザ端末300は、位置情報送信部311、POI情報取得部312、POI情報発動タイミング制御部313、コンテンツ取得部314、コンテンツ再生部315等を有している。
【0039】
発動対象情報記憶部211は、発動対象情報およびその管理情報(ユーザの利用権に関するものを含む)を記憶管理する。発動対象情報は、典型的には、POI情報であるけれども、後に詳述するPOIグループ情報も含む。図4においては、発動対象情報記憶部211は、POI情報記憶部211AおよびPOIグループ情報記憶部211Bを含む。
【0040】
POI情報記憶部211Aに記憶されるPOI情報は、例えば、図13に示すように構成される。このPOI情報は、地点情報、イベント情報や提供サービス情報の記述のほかに、当該POI情報を発動する条件を含んでいる。この発動条件としては例えば、図14に示すように以下のものがあるけれども、これに限定されない。なお、以下に説明するPOIグループ情報に関しても、矛盾しない範囲でこの記述が採用されて良い。
(a)繰り返し発動しない時間情報(sec):suspend_period
(b)POI情報を発動する期間:day_from,day_to
(c)POIを発動する時間帯:time_from,time_to
(e)優先度レベル:priority_level
(f)公開レベル:public_level
【0041】
図4の構成例の動作(POI情報の発動制御)は、図5を参照して説明される。図4および図5を参照すると、ユーザ端末300の位置情報送信部311は位置情報x1、たとえば、GPS(グローバルポジショニングシステム)からの位置情報を間欠的に管理センタ200の発動対象情報選択部214に送信し(S1)、発動対象情報選択部214は位置情報x1に基づいて発動対象情報記憶部211(POI情報記憶部211A)から、該当するPOI情報を取り出して、発動制御部215に供給する(S2)。ユーザの利用権に基づいてPOI情報を取り出して良い。発動制御部215は、当該POI情報の発動条件が満たされる場合に、POI情報x2をPOI情報・コンテンツ情報送信部216に送り、POI情報の発動条件が満たされない場合にはPOI情報x2を破棄する(S3)。POI情報・コンテンツ情報送信部216は、POI情報x2を受け取ると、POI情報x2、および、対応するコンテンツのアクセス情報x3をユーザ端末300のPOI情報取得部312に供給する(S4)。POI情報x2およびコンテンツアクセス情報x3を取得したPOI情報取得部312は、これをPOI情報発動タイミング調整部313に送り(S5)、POI情報発動タイミング調整部313は、調整されたタイミングで、コンテンツ取得部314にコンテンツのアクセス情報を供給し(S6)、コンテンツ取得部314は管理センタ200のコンテンツ送信部217を介してコンテンツ記憶部213からコンテンツを取得してこれをコンテンツ再生部315に供給し(S7、S8)、コンテンツ再生部315がコンテンツを再生する(S9)。
【0042】
図6は、この実施例のPOI情報利用システム100の骨格構成部分(図4)に付加される特徴部分を、POI情報管理センタ200およびユーザ端末300に分けて模式的に説明するものであり、この図において、POI情報管理センタ200は、POIグループ情報記憶部211B、POIグループ情報検索部219、利用権更新部220等をさらに有している。ユーザ端末300は、POIグループ情報利用登録部316等をさらに有している。
【0043】
POIグループ情報記憶部211Bに記憶されるPOIグループ情報は図15に示すようなものであり、地域情報、テーマ情報、含まれるPOI情報のリストを有している。
【0044】
POIグループ情報は音楽サービスのプレイリストのようなものであり、1または複数のPOI情報を要素として含む。1つのPOI情報が複数のPOIグループ情報に関連付けされてもよい。
【0045】
POIグループ情報は、グループ構成情報(matching_condition=meta_data)を有する。システム上に登録されているPOI情報の中から、当該グループ構成情報の条件に対するマッチングレベルの高い上位N個のものが選択され、POIグループ情報に関連付けされて良い。ここで、マッチングレベルには、条件にマッチした数や、POI情報の地点のpopularity(人気度、有名度)が考慮されて良い。POI情報の選択では、指定されている緯度経度の範囲や時期などの条件がマッチしたPOI情報のなかから、各POI情報のメタワードとグループ構成情報(matching_condition)とのワードマッチングを行って良い。各地の観光スポットのpopularityは例えば0~1の値を有し、大きい値の方が人気度が高いとして良い。この値は、例えばネット上でその地点名が出現する回数などを参照して決定するなどして、求めて良い。これは、システム上に登録管理されていて、定期的に情報が更新されて良い。ワードマッチングの計算例としては、グループ構成情報(matching_condition)のワードと、POI情報のmeta_wordのワードが完全一致した際に1とカウントして加算し、類似ワード辞書などにより、ワードの類以度(similarity:0~1)の値が一定以上であるワードが一致した場合にはその類似度(similarity)の値を加算し、それらの合計値の大きいPOI情報のうち規定値以上の値にpopularityの値を考慮した値(例えば乗算)の値の大きい順に上位N個を選択するという方法があるけれども、選択方法はこれに限定されない。
【0046】
POIグループ情報は、システム管理者の設定で作成されたグループ構成情報(matching_condition=meta_data)を使って定期的に作成、更新されて良い。また、サービスを利用しているユーザがグループ構成情報を作リ、その情報を元に自分用のPOIグループ情報を作って利用することができる。その際、private_levelの設定で自分の属しているグループ内での公開も行えるし、一般ユーザに公開することもできる。
【0047】
POIグループ情報の条件がイベントや季節など期間が限定されるものである場合には期間に対する適切なday_from,day_to,expire dateの値が設定されて良い。
【0048】
POI情報(POI)はサービス提供者側で定義して、サービス利用ユーザに提供するもの(公式_POI)と、外部のユーザが作成して、ネットワーク上のサービス提供者の用意したシステムに登録し、サービス利用ユーザに提供するもの(ユーザ作成_POI)との2種類がある。ここで作成して登録できるユーザとしては、サービス利用権利を有するユーザが想定される。これらの2種類のPOI情報はシステム上では区別できるように管理されて良い。例えば、公式のPOI情報はサービス提供者側のみ変更可能にして良い。
【0049】
POIグループ情報(G_POI)は、特定のテーマに基づいて複数のPOI情報のグループで構成されて良い。例えば、「ロマンチックな気分に浸れるスポット」「二人だけの思い出の場所」といったテーマが想定される。
【0050】
このPOIグループ情報はサービス提供者側で定義して、サービス利用ユーザに提供するもの(公式_G_POI)と、外部のユーザが作成して、ネットワーク上のサービス提供者の用意したシステムに登録し、サービス利用ユーザに提供するもの(ユーザ作成_G_POI)との2種類があってよい。これらの2種類のPOIグループ情報は、システム上では区別できるように管理されていて良い。例えば、公式のPOIグループ情報はサービス提供者側のみ変更可能にして良い。
【0051】
各POIグループ情報には、上述のとおり、設定テーマとテーマに基づいた選択条件が定義されているものとし、サービス提供者のシステム上に登録されているPOI情報の中から、条件にマッチしたもののうち、マッチ度の高いN個のPOI情報がPOIグループ情報に関連付けられる。この際、公式_G_POIの場合には、選択対象となるPOI情報は、公式_POIの中からだけとなる。ユーザ作成_G_POIの場合には公式_POIとユーザ作成_POIの両方から選択してもよい。
【0052】
サービス利用ユーザは、利用権利を有するPOI情報を利用することができる。また、自分の目的にあったテーマを検索して、そのテーマにマッチしたPOIグループ情報のうち、利用権利を有するものを利用できる。その際、ユーザは公式_G_POIの中からだけ探してもいいし、公式_G_POIとユーザ作成_G_POIの両方から探してもよい。
【0053】
ユーザが選択したPOIグループ情報に関連付けされているPOI情報に対して、ユーザの利用可能なPOI情報を一括して登録することができる。その際、POIグループ情報によって設定されたPOI情報は、もともと同じエリアに設定されているPOI情報よりも優先的に選択されるようにする。例えば、鎌倉地区に対する「二人だけの思い出の場所」というテーマのPOIグループ情報を選択して登録した場合、もともと鎌倉地区で利用可能なPOI情報に対して、POIグループ情報によって設定されたPOI情報のpriority_levelが高く設定されることで、利用ユーザが鎌倉地区を移動した際に、ユーザの現在地点の一定範囲内に関連付けされたPOI情報が複数見つかった場合でも、POIグループ情報で設定された「二人だけの思い出の場所」というテーマに該当するPOI情報が優先的に選択されるため、ユーザの期待している体験が実現できる。
【0054】
図6の構成例の動作は、図7を参照して説明される。図6および図7を参照すると、ユーザ端末300のPOIグループ情報利用登録部316が、ユーザが入力した希望条件x5を管理センタ200のPOIグループ情報検索部219に送信し(S10)、管理センタ200のPOIグループ情報検索部219は、検索結果のPOIグループ情報x6をPOIグループ情報利用登録部316に返す(S11)。POIグループ情報利用登録部316は検索結果を受け取って適宜にPOIグループ情報に対して利用登録を設定し、この利用登録要求x7および設定情報が管理センタ200の利用権更新部220に供給されて、当該POIグループ情報、および、これに含まれるPOI情報に対して利用登録が行われその利用登録情報がPOIグループ情報記憶部211BおよびPOI情報記憶部211Aに書き込まれる(S12、S13)。
【0055】
なお、POIグループ情報の利用登録と同様にPOI情報に利用登録を行って良い。
【0056】
つぎにPOIグループ情報の発動制御について図4および図8を参照して説明する。
【0057】
図4および図8を参照すると、ユーザ端末300の位置情報送信部311は位置情報x1、たとえば、GPS(グローバルポジショニングシステム)からの位置情報を間欠的に管理センタ200の発動対象情報選択部214に送信し(S1)、発動対象情報選択部214は位置情報x1に基づいて発動対象情報記憶部211から、該当するPOIグループ情報を取り出して、発動制御部215に供給する(S2)。ユーザの利用権に基づいてPOIグループ情報を取り出して良い。発動制御部215は、当該POIグループ情報の発動条件が満たされる場合に、メンバPOI情報をPOI情報記憶部211Aから取り出して、その発動条件をさらに検査して当該メンバPOI情報の発動条件が満たされる場合には、当該メンバPOI情報x2をPOI情報・コンテンツ情報送信部216に送り、当該メンバPOI情報の発動条件が満たされない場合にはPOI情報x2を破棄する(S3)。POI情報・コンテンツ情報送信部216は、POI情報x2を受け取ると、POI情報x2、および、対応するコンテンツのアクセス情報x3をユーザ端末300のPOI情報取得部312に供給する(S4)。POI情報x2およびコンテンツアクセス情報x3を取得したPOI情報取得部312は、これをPOI情報発動タイミング調整部313に送り(S5)、POI情報発動タイミング調整部313は、調整されたタイミングで、コンテンツ取得部314にコンテンツのアクセス情報を供給し(S6)、コンテンツ取得部314は管理センタ200のコンテンツ送信部217を介してコンテンツ記憶部213からコンテンツを取得してこれをコンテンツ再生部315に供給し(S7、S8)、コンテンツ再生部315がコンテンツを再生する(S9)。
【0058】
なお、POIグループ情報を、メンバPOI情報の一括利用登録のみに使用しても良い。この場合、POIグループ情報は、ユーザの位置等に基づいて取り出して発動制御を行う必要はない。単に、メンバPOI情報について、ユーザの位置等に基づく制御、発動制御が行われて良い。
【0059】
図9は、この実施例のPOI情報利用システム100の骨格構成部分(図4)に付加される他の特徴部分を、POI情報管理センタ200およびユーザ端末300に分けて模式的に説明するものであり、この図において、POI情報管理センタ200は、POI情報作成支援部221、POIグループ情報作成支援部222、規定適合性検査部223等をさらに有している。ユーザ端末300は、POI情報作成部318、POIグループ情報作成部319等をさらに有している。
【0060】
図9の構成例の動作は、図10および図11を参照して説明される。まずPOI情報の作成について説明する。図9および図10を参照すると、ユーザは、POI情報作成部318を用いてPOI情報を作成し、管理センタ200のPOI情報作成支援部221に供給する(S14)。POI情報作成部318は、編集機能、閲覧機能等を有し、POI情報を新規に作成し、また、POI情報記憶部211Aに対して検索を行い、所望の既存のPOI情報を閲覧、編集して、好みのPOI情報を作成して良い。閲覧・編集対象は典型的には本人または他のユーザが登録したPOI情報であるけれども、管理センタ200が準備したものでも良い。管理センタ200のPOI情報作成支援部221はユーザ端末300のPOI情報作成部318がPOI情報記憶部211Aに対するアクセス機能や検索機能を提供し、また、新たに作成したPOI情報や編集して作成したPOI情報を、規定適合性検査部223に送出して予め定められた規約に適合するかどうかを検査する(S15)。POI情報作成支援部221は、検査終了したPOI情報を、ユーザ端末300のPOI情報作成部318からの登録要求に基づいてPOI情報記憶部211Aに供給し、POI情報記憶部211Aはこれを新たに記憶管理する(S16、S17)。
【0061】
つぎにPOIグループ情報の作成について説明する。図9および図11を参照すると、ユーザは、POIグループ情報作成部319を用いてPOIグループ情報を作成し、管理センタ200のPOI情報作成支援部221に供給する(S18)。POIグループ情報作成部319は、編集機能、閲覧機能等を有し、POIグループ情報を新規に作成して良い。管理センタ200のPOIグループ情報作成支援部222は、目的、気分といったテーマや地域に基づくPOI情報の検索機能を提供し、POIグループ情報に含ませるPOI情報候補を提示して良い。また、POIグループ情報記憶部211Bに対して検索を行い、所望の既存のPOIグループ情報を閲覧、編集して好みのPOIグループ情報を作成して良い。閲覧・編集対象は典型的には本人または他のユーザが登録したPOI情報であるけれども、管理センタ200が準備したものでも良い。上述のとおり、管理センタ200のPOIグループ情報作成支援部222は、ユーザ端末300のPOIグループ情報作成部319に、POI情報記憶部211AおよびPOIグループ情報記憶部211Bに対するアクセス機能や検索機能を提供し、また、新たに作成したPOIグループ情報や編集して作成したPOIグループ情報を、規定適合性検査部223に送出して予め定められた規約に適合するかどうかを検査する(S19)。POIグループ情報作成支援部222は、検査終了したPOIグループ情報を、ユーザ端末300のPOIグループ情報作成部319からの登録要求に基づいてPOIグループ情報記憶部211Bに供給し、POIグループ情報記憶部211Bはこれを新たに記憶管理する(S20、S21)。
【0062】
図12は、この実施例のPOI情報利用システム100の骨格構成部分(図4)に付加されるさらに他の特徴部分を模式的に説明するものである。この特徴部分は、POI情報等の利用履歴等の統計情報を用いて、管理センタ200において新たにPOI情報やPOIグループ情報を作成するものである。図12において、管理センタ200は、POI情報自動生成部224、POIグループ情報自動生成部225、POI情報利用履歴記憶部226、地点・イベント情報記憶部227等をさらに有する。POI情報自動生成部224は、POI情報利用履歴記憶部226を参照してPOI情報利用履歴を分析し、さらに地点・イベント情報記憶部227に保持されている地点情報およびイベント情報を参照して新たなPOI情報を作成してPOI情報記憶部211に記録・管理する。POIグループ情報自動生成部225は、ユーザにPOI情報の利用履歴からPOIグループ情報を作成してPOIグループ情報記憶部211Bに記憶・管理する。
【0063】
地点情報は例えば図16に示すようなものであり、イベント情報は例えば図17に示すようなものであって良い。地点・イベント情報記憶部227は、位置に関連付けられた情報を保存管理し、位置情報やカテゴリで検索できるようになっている。カテゴリとしては、例えば、「見る」、「グルメ」、「買う」、「楽しむ」、「地域イベント」等である。
【0064】
なお、この実施例においては、地図上の情報をデジタル化したり、各種統計情報をとるために地図上の経緯度方眼として定められた地域メッシュデータを定義して良い。メッシュの仕様は、国土交通省の定義する情報を利用してもいいし、サービス独自で定義してもよい。例えば、図18に示すような地域メッシュデータを定義して良い。図18の例では、この地図上のメッシュ情報を地域メッシュと表現し、最小メッシュ範囲をエリアブロックとしている。
【0065】
つぎに、他の具体的な実施例を説明する。
【0066】
図19は、この実施例のサービス利用形態を説明するものであり、この図において、POIサービス提供者500は、各地点のPopularity情報管理ストレージ501、各地点のイベント情報管理ストレージ502、管理用ツール503、POIサービス提供者バックエンドサーバ504、POIサービス提供者フロントサーバ505を提供する。POIサービス利用ユーザ600は、POI登録者用クライアントでPOI情報を登録可能であり、POIサービス利用者用クライアント602を用いてPOI情報を利用できる。コンテンツ配信サーバ700はPOIサービス利用者用クライアント602にコンテンツを配信する。
【0067】
図20は代替的なサービス利用形態を説明するものであり、この図においては、第三者が提供するサービス用サーバ603がさらに設けられている。当該第三者は、付加価値を追加してユーザにサービスを提供するものである。第三者のサービス利用ユーザは第三者サービス利用者用クライアント800を用いて、このサービスを利用可能である。第三者サービス利用者用クライアント800は、POI登録者用クライアント、またはPOIサービス利用者用クライアント602であって良い。
【0068】
図21は、POI情報を利用する際に用いられるサービス提供者バックエンドサーバ504、サービス提供者フロントサーバ505、POIサービス利用者用クライアント602の構成に着目して、POI情報利用システム100の詳細を示しており、サービス提供者バックエンドサーバ504は、公式POI情報マスターデータベース510、ユーザ認証用データベース511、コンテンツ情報ストレージ512等を有し、サービス提供者フロントサーバ505は、ユーザ認証サーバ513、POI情報配信サーバ514、POI関連コンテンツ配信サーバ515等を有している。この図において、データベースやストレージは物理的に分離されて管理されていても、論理的に分離されて管理されていてもよい。例えば、個別のテーブルとして管理されていて良い。以下においても同様である。POIサービス利用者用クライアント602はユーザ認証サーバ513を用いて認証を行い(X101、X102)、位置情報から現在位置に関連するPOI情報を取得し(X103、X104)、これに基づいて関連するコンテンツを取得する(X105)。
【0069】
図22は、POIグループ情報を利用申請する際に用いられるサービス提供者バックエンドサーバ504、サービス提供者フロントサーバ505、POIサービス利用者用クライアント602の構成に着目して、POI情報利用システム100の詳細を示しており、サービス提供者バックエンドサーバ504は、さらに、公式POIグループ情報データベース516を有し、サービス提供者フロントサーバ505は、さらに、公式POIグループ情報利用支援サーバ517を有している。POIサービス利用者用クライアント602は公式POIグループ情報利用支援サーバ517を用いて、ユーザが望む公式POIグループ情報を検索して利用登録することができる(X106、X107)。
【0070】
図23は、ユーザがPOI情報を作成して登録する際に用いられるサービス提供者バックエンドサーバ504、サービス提供者フロントサーバ505、POI登録者用クライアント601、POIサービス利用者用クライアント602の構成に着目して、POI情報利用システム100の詳細を示しており、サービス提供者バックエンドサーバ504は、さらに、ユーザ作成POI情報管理データベース518を有し、サービス提供者フロントサーバ505は、さらにPOI情報登録サーバ519を有している。ユーザはPOI登録者用クライアント601を利用して、ユーザが作成したPOI情報を登録することができる(X108、X109)。
【0071】
図24は、ユーザがPOIグループ情報を作成して登録する際に用いられるサービス提供者バックエンドサーバ504、サービス提供者フロントサーバ505、POI登録者用クライアント601、POIサービス利用者用クライアント602の構成に着目して、POI情報利用システム100の詳細を示しており、サービス提供者バックエンドサーバ504は、さらに、ユーザ作成POIグループ情報データベース520を有し、サービス提供者フロントサーバ505は、さらに、POIグループ情報登録サーバ521を有している。ユーザはPOI登録者用クライアント601を利用して、ユーザが作成したPOIグループ情報を登録することができる(X110、X111)。
【0072】
図25は、公式POI情報の具体例の内容を記述するものである。公式POI情報のエントリの一例は、つぎのような内容の項目を含む。
POI_ID:POI_R_1
poi_name:鎌倉八幡宮
place_name:鎌倉八幡宮
lon:139.556442
lat:35.326123
content_category:地点情報
content_type:music
content_id:MU_00000001
area:神奈川県鎌倉市 若宮大路エリア
poi_category:神社仏閣
meta:歴史を感じる 歴史を刻む 四季折々の自然 花の名所 源平池 ぼたん園 神事 女子旅 鎌倉幕府 パワースポット デートスポット 御朱印 存在感 鮮やかな色彩 由緒正しい
message_id:T_POI_R_1_001
message_text:「鶴岡八幡宮」は多くの人が訪れる鎌倉のシンボルとして人気の神社です。源氏ゆかりの場所というだけでなく、四季折々の草花や行事など見どころが沢山あり、魅力的な定番の観光スポットとなっています。
day_from:-1
day_to:-1
time_from:-1
time_to:-1
suspend_period:10800
expire date: 9999-99-99
num_max_count: 10
priority_level:1
public_level:2
【0073】
図26は、ユーザ作成POI情報の具体例の内容を記述するものである。ユーザ作成POI情報のエントリの一例は、つぎのような内容の項目を含む。
POI_ID:POI_U_1
poi_name:銭洗弁財天
place_name:銭洗弁財天
lon:139.54225
lat:35.325672
content_category:地点情報
content_type:video
content_id:VP_000000003
area:神奈川県鎌倉市源氏山エリア
poi_category:神社仏閣
meta:散策 金運 ご利益 人気 デートスポット パワースポット 御朱印 洞窟 霊水 源頼朝 非日常 独特 のんびり ひんやり 清められる
message_id:T_POI_U_1_001
message_text:ご利益で金運アップするといいですね
day_from:-1
day_to:-1
time_from:800
time_to:1630
suspend_period:7200
expire date:9999-99-99
num_max_count:2
priority_level:3
public_level:0
【0074】
図27は、公式POIグループ情報の具体例の内容を記述するものである。公式POIグループ情報のエントリの一例は、つぎのような内容の項目を含む。
group_id:G_POI_R_1
group_name:鎌倉 定番観光スポット
area_name:鎌倉エリア
max_lon:139.513477
min_lon:139.575085
max_lat:35.327521
min_lat:35.304479
theme_name:定番観光スポット
theme_type:regular
meta_data:鎌倉エリア 観光 名所 歴史を感じる 季節の花 自然を味わう 散策 食べ歩き デートスポット 幻想的 非日常 美しい
num_poi:6
poi_content:POI_R_1、POI_R_2、POI_R_3、POI_R_4、POI_R_5、POI_R_6
day_from:-1
day_to:-1
time_from:-1
time_to:-1
expire date:9999-99-99 1
priority_level:1
public_level:2
【0075】
図28は、ユーザ作成POIグループ情報の具体例の内容を記述するものである。ユーザ作成POIグループ情報のエントリの一例は、つぎのような内容の項目を含む。
group_id:G_POI_U_1
group_name:鎌倉 プライベートデート
area_name:鎌倉エリア
max_lon:139.513477
min_lon:139.575085
max_lat:35.327521
min_lat:35.304479
theme_name:散策デート
theme_type:special
meta_data:鎌倉エリア デートスポット 散策 のんびり パワースポット ロマンチック
num_poi:4
poi_content:POI_R_1、POI_R_3、 POI_R_5、POI_U_1
day_from:-1
day_to:-1
time_from:-1
time_to:-1
expire date:9999-99-99
priority_level:1
public_level:2
【0076】
図29は、ユーザ認証テーブルの例を説明するものである。
【0077】
図30は、パーソナルグループの記述例を説明するものである。
【0078】
図31は、ユーザ作成POIグループ情報の属性を説明するものである。
【0079】
図32は、ユーザ作成POI情報の属性を説明するものである。
【0080】
図33は、ユーザが利用可能なPOIグループ情報の記述例を説明するものである。
【0081】
図34は、ユーザが利用可能なPOI情報の記述例を説明するものである。
【0082】
以上で実施例の説明を終了する。
【0083】
なお、この発明は上述の実施例に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能である。また、実施例の種々の特徴はそのような組み合わせが明らかに合理的でない場合を除き、あるいは、明示的に、または黙示的にそのような組み合わせを排除する場合を除き、組み合わせて利用できることに留意されたい。
【符号の説明】
【0084】
100 POI情報利用システム
200 POI情報管理センタ
211 発動対象情報記憶部
211A POI情報記憶部
211B POIグループ情報記憶部
212 POI情報利用履歴記憶部
213 コンテンツ記憶部
213 POI情報発動タイミング調整部
214 POI情報選択部
215 発動対象情報発動制御部
216 POI情報・コンテンツ情報送信部
217 コンテンツ送信部
219 POIグループ情報検索部
220 利用権更新部
221 POI情報作成支援部
222 POIグループ情報作成支援部
223 規定適合性検査部
224 POI情報自動生成部
225 POIグループ情報自動生成部
226 POI情報利用履歴記憶部
227 地点・イベント情報記憶部
300 ユーザ端末
300 管理センタ
311 位置情報送信部
312 POI情報取得部
313 POI情報発動タイミング制御部
314 コンテンツ取得部
315 コンテンツ再生部
316 POIグループ情報利用登録部
318 POI情報作成部
319 POIグループ情報作成部
400 通信ネットワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34