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特許7473898給電装置およびそれを備える給電システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】給電装置およびそれを備える給電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 1/00 20060101AFI20240417BHJP
   H02J 3/32 20060101ALI20240417BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20240417BHJP
   H02J 3/46 20060101ALI20240417BHJP
   H02J 7/35 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H02J1/00 306B
H02J1/00 304H
H02J1/00 309C
H02J3/32
H02J3/38 130
H02J3/38 180
H02J3/46
H02J7/35 K
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021089250
(22)【出願日】2021-05-27
(65)【公開番号】P2022181984
(43)【公開日】2022-12-08
【審査請求日】2023-07-11
(73)【特許権者】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 智大
【審査官】大手 昌也
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-131413(JP,A)
【文献】特開2017-200252(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0334377(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00
H02J 3/32
H02J 3/38
H02J 3/46
H02J 7/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源から負荷に電力を供給するための給電線と、
太陽電池によって生成される電力を前記給電線に供給する第1の電力変換器と、
電力貯蔵装置と前記給電線との間で電力を授受する第2の電力変換器と、
前記電源の健全時には、前記太陽電池の出力が最大になるように前記第1の電力変換器を制御し、前記電源の停電時には、前記太陽電池が負荷電力よりも小さな第1の電力を出力するように前記第1の電力変換器を制御する第1の制御部と、
前記電源の健全時には、前記電力貯蔵装置の端子間電圧が第1の参照電圧になるように前記第2の電力変換器を制御し、前記電源の停電時には、前記給電線の電圧が第2の参照電圧になるように前記第2の電力変換器を制御する第2の制御部とを備える、給電装置。
【請求項2】
前記第1の制御部は、前記電源の停電時に前記給電線の電圧が予め定められた上限電圧よりも上昇した場合には、前記太陽電池が前記第1の電力よりも小さな電力を出力するように前記第1の電力変換器を制御する、請求項1に記載の給電装置。
【請求項3】
それぞれN個の前記電力貯蔵装置と前記給電線との間で電力を授受するN個の前記第2の電力変換器と、
それぞれN個の前記第2の電力変換器を制御するN個の前記第2の制御部と、
前記電源の停電時にN個の前記第2の制御部を順次選択する選択部とを備え、
Nは2以上の整数であり、
各前記第2の制御部は、
前記選択部によって選択されていない場合には、対応する前記電力貯蔵装置の端子間電圧が前記第1の参照電圧になるように、対応する前記第2の電力変換器を制御して対応する前記電力貯蔵装置を充電させ、
前記選択部によって選択されている場合には、前記給電線の電圧が前記第2の参照電圧になるように、対応する前記第2の電力変換器を制御して対応する前記電力貯蔵装置を放電させる、請求項1または請求項2に記載の給電装置。
【請求項4】
前記第1の制御部は、前記電源の停電時には、前記第1の電力と、前記選択部によって選択されていない(N-1)個の前記第2の制御部に対応する(N-1)個の前記電力貯蔵装置を充電するために必要な第2の電力との和である第3の電力を前記太陽電池が出力するように前記第1の電力変換器を制御する、請求項3に記載の給電装置。
【請求項5】
前記選択部は、予め定められた時間が経過する毎に、現在選択している前記第2の制御部と異なる前記第2の制御部を選択する、請求項3または請求項4に記載の給電装置。
【請求項6】
前記選択部は、現在選択している前記第2の制御部に対応する前記電力貯蔵装置の端子間電圧が予め定められた下限電圧よりも低下したことに応じて、現在選択している前記第2の制御部と異なる前記第2の制御部を選択する、請求項3または請求項4に記載の給電装置。
【請求項7】
前記第1および第2の電力変換器は、それぞれ第1および第2のDC/DC変換器であり、
前記第2の参照電圧は、予め定められた直流電圧であり、
前記電源は、商用交流電源と前記給電線との間で電力を授受するAC/DC変換器であり、
前記電源の健全時は前記商用交流電源の健全時であり、前記電源の停電時は前記商用交流電源の停電時であり、
前記商用交流電源の健全時には、前記給電線の電圧が前記第2の参照電圧になるように前記AC/DC変換器を制御し、前記商用交流電源の停電時には前記AC/DC変換器の運転を停止させる第3の制御部をさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項8】
前記給電線から受ける直流電力を交流電力に変換して交流負荷に供給するDC/AC変換器をさらに備える、請求項7に記載の給電装置。
【請求項9】
前記第1の電力変換器は、前記太陽電池によって生成される直流電力を交流電力に変換して前記給電線に供給する第1のDC/AC変換器であり、
前記第2の電力変換器は、前記電力貯蔵装置と前記給電線との間で電力を授受する第2のDC/AC変換器であり、
前記第2の参照電圧は、予め定められた交流電圧であり、
前記電源は商用交流電源であり、
前記電源の健全時は前記商用交流電源の健全時であり、前記電源の停電時は前記商用交流電源の停電時であり、
前記商用交流電源と前記給電線との間に接続され、前記商用交流電源の健全時にはオンされ、前記商用交流電源の停電時にはオフされるスイッチをさらに備える、請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の給電装置。
【請求項10】
請求項1または請求項2に記載の給電装置と、
前記太陽電池と、
前記電力貯蔵装置とを備える、給電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は給電装置に関し、特に、電源、太陽電池、および電力貯蔵装置から負荷に電力を供給する給電装置およびそれを備える給電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば特開2015-164373号公報(特許文献1)には、負荷に直流電力を供給するための給電線と、商用交流電源と給電線の間に設けられた直流電源と、太陽電池と給電線の間に設けられた第1の電力変換器と、電力貯蔵装置と給電線の間に設けられた第2の電力変換器とを備える給電装置が開示されている。
【0003】
商用交流電源の健全時には、直流電源から給電線に直流電力が供給され、太陽電池から第1の電力変換器を介して給電線に直流電力が供給されるとともに、給電線から第2の電力変換器を介して電力貯蔵装置に直流電力が供給され、負荷が運転されるとともに電力貯蔵装置が充電される。
【0004】
商用交流電源の停電が発生すると、直流電源および第1の電力変換器の運転が停止され、電力貯蔵装置から第2の電力変換器を介して給電線に直流電力が供給され、電力貯蔵装置が放電されて負荷が運転される。電力貯蔵装置の直流電力が下限値よりも減少すると、第2の電力変換器の運転が停止され、太陽電池から第1の電力変換器を介して給電線に直流電力が供給される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2015-164373号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1の給電装置では、商用交流電源の停電時に電力貯蔵装置を放電させた後において、太陽光が弱いために太陽電池の発電量が負荷電力よりも小さい場合には負荷を運転することができなかった。したがって、停電時における太陽電池の使用効率が低かった。
【0007】
それゆえに、本開示の発明の主たる目的は、停電時における太陽電池の使用効率が高い給電装置およびそれを備える給電システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の発明の一態様に係る給電装置は、電源から負荷に電力を供給するための給電線と、太陽電池によって生成される電力を給電線に供給する第1の電力変換器と、電力貯蔵装置と給電線との間で電力を授受する第2の電力変換器と、電源の健全時には、太陽電池の出力が最大になるように第1の電力変換器を制御し、電源の停電時には、太陽電池が負荷電力よりも小さな第1の電力を出力するように第1の電力変換器を制御する第1の制御部と、電源の健全時には、電力貯蔵装置の端子間電圧が第1の参照電圧になるように第2の電力変換器を制御し、電源の停電時には、給電線の電圧が第2の参照電圧になるように第2の電力変換器を制御する第2の制御部とを備えたものである。
【発明の効果】
【0009】
本開示に係る給電装置では、電源の停電時には、太陽電池から給電線に負荷電力よりも小さな第1の電力を供給させるとともに、給電線の電圧が第2の参照電圧になるように電力貯蔵装置を放電させる。したがって、太陽光が弱いために太陽電池の発電量が負荷電力よりも小さい場合でも、太陽電池で生成される直流電力を使用することができ、停電時における太陽電池の使用効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態1に従う直流給電装置の構成を示す回路ブロック図である。
図2図1に示す制御回路の構成を示すブロック図である。
図3図1に示すパワーコンディショナ5の構成を示すブロック図である。
図4図1に示すパワーコンディショナ6の構成を示すブロック図である。
図5】実施の形態2に従う直流給電装置の要部を示すブロック図である。
図6】実施の形態3に従う直流給電装置の要部を示す回路ブロック図である。
図7図6に示す選択信号を生成する選択信号生成部の構成を示すブロック図である。
図8図6に示すパワーコンディショナ6Aの構成を示すブロック図である。
図9図6に示すパワーコンディショナ5Aの構成を示すブロック図である。
図10】実施の形態4に従う直流給電装置の要部を示す回路ブロック図である。
図11】実施の形態5に従う交流給電装置の構成を示す回路ブロック図である。
図12図11に示す制御回路71の構成を示すブロック図である。
図13】実施の形態6に従う交流給電装置の構成を示す回路ブロック図である。
図14図13に示す制御回路の構成を示すブロック図である。
図15図13に示すパワーコンディショナ5Cの構成を示すブロック図である。
図16図13に示すパワーコンディショナ6Bの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1に従う直流給電装置の構成を示す回路ブロック図である。図1において、この直流給電装置は、スイッチ1、電流検出器CD1~CD4、AC/DC変換器2、給電線3、制御回路4、およびパワーコンディショナ5,6を備え、商用交流電源11、太陽電池12、およびバッテリ13から電力を受けて直流負荷14に直流電力を供給する。直流給電装置、太陽電池12、およびバッテリ13は、給電システムの一実施例を構成する。
【0012】
スイッチ1の一方端子は、商用交流電源11から供給される交流電圧VAを受け、その他方端子はAC/DC変換器2の交流端子2aに接続される。AC/DC変換器2の直流端子2bは、給電線3を介して直流負荷14に接続される。
【0013】
スイッチ1のオンおよびオフは、制御回路4によって制御される。商用交流電源11から交流電圧VAが正常に供給されている場合(商用交流電源11の健全時)には、スイッチ1はオンされる。商用交流電源11から交流電圧VAが正常に供給されなくなった場合(商用交流電源11の停電時)には、スイッチ1はオフされる。
【0014】
AC/DC変換器2は、制御回路4によって制御され、商用交流電源11の健全時には、商用交流電源11と給電線3との間で電力を授受し、商用交流電源11の停電時には、その運転が停止される。電流検出器CD1は、スイッチ1とAC/DC変換器2の交流端子2aとの間に流れる交流電流IAを検出し、その検出値を示す信号IAfを制御回路4に出力する。
【0015】
制御回路4は、商用交流電源11から供給される交流電圧VAと、給電線3の直流電圧VDと、電流検出器CD1の出力信号IAfとに基づいて、スイッチ1およびAC/DC変換器2を制御するとともに、停電検出信号DPを生成してパワーコンディショナ5,6に出力する。
【0016】
図2は、制御回路4の構成を示すブロック図である。図2において、制御回路4は、電圧検出器21,22、参照電圧発生器23、停電検出器24、および制御部25を含む。電圧検出器21は、商用交流電源11から供給される交流電圧VAの瞬時値を検出し、その検出値を示す信号VAfを停電検出器24および制御部25に出力する。電圧検出器22は、給電線3の直流電圧VDを検出し、その検出値を示す信号VDfを制御部25に出力する。参照電圧発生器23は、参照電圧VDrを生成して制御部25に出力する。
【0017】
停電検出器24は、電圧検出器21の出力信号VAfに基づいて、商用交流電源11から交流電圧VAが正常に供給されているか否かを判別し、その判別結果を示す停電検出信号DPを制御部25およびパワーコンディショナ5,6に出力する。停電検出器24は、たとえば、交流電圧VAが正常範囲内である場合には交流電圧VAが正常に供給されていると判別し、交流電圧VAが正常範囲から外れている場合には交流電圧VAが正常に供給されていないと判別する。
【0018】
商用交流電源11から交流電力が正常に供給されている場合(商用交流電源11の健全時)には、停電検出信号DPは非活性化レベルの「H」レベルにされる。商用交流電源11から交流電力が正常に供給されなくなった場合(商用交流電源11の停電時)には、停電検出信号DPは活性化レベルの「L」レベルにされる。
【0019】
停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、制御部25(第3の制御部)は、スイッチ1をオンさせるとともに、電圧検出器21,22の出力信号VAf,VDfと、電流検出器CD1の出力信号IAfと、参照電圧発生器23からの参照電圧VDrとに基づいて、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDr(たとえば380V)になるようにAC/DC変換器2を制御する。停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、制御部25は、スイッチ1をオフさせるとともに、AC/DC変換器2の運転を停止させる。
【0020】
再び図1を参照して、太陽電池12は、太陽光を受けて直流電力を出力する。パワーコンディショナ5の入力端子5aは太陽電池12の直流出力電圧VPを受け、その出力端子5bは給電線3に接続される。電流検出器CD2は、太陽電池12の直流出力電流IPを検出し、その検出値を示す信号IPfをパワーコンディショナ5に出力する。電流検出器CD3は、給電線3から直流負荷14に流れる直流電流IL(負荷電流)を検出し、その検出値を示す信号をパワーコンディショナ5に出力する。
【0021】
パワーコンディショナ5は、停電検出信号DPと、太陽電池12の直流出力電圧VPと、電流検出器CD2,CD3の出力信号IPf,ILfとに基づいて、太陽電池12から給電線3に供給される直流電力を制御する。
【0022】
図3は、パワーコンディショナ5の構成を示すブロック図である。図3において、パワーコンディショナ5は、電圧検出器31,32、演算部33,34、指令部35、DC/DC変換器36、および制御部37を含む。
【0023】
電圧検出器31は、給電線3の直流電圧VDを検出し、その検出値を示す信号VDfを演算部33に出力する。電圧検出器32は、太陽電池12の直流出力電圧VPを検出し、その検出値を示す信号VPfを演算部34および制御部37に出力する。
【0024】
演算部33は、電圧検出器31の出力信号VDfによって示される給電線3の直流電圧VDと、電流検出器CD3の出力信号ILfによって示される負荷電流ILとに基づいて、直流負荷14の消費電力PL=VD×ILを求め、求めた負荷電力PLを示す信号PLfを指令部35に出力する。なお、電圧検出器31を除去し、電圧検出器22(図2)の出力信号VDfを演算部33に供給しても構わない。
【0025】
演算部34は、電圧検出器32の出力信号VPfによって示される太陽電池12の直流出力電圧VPと、電流検出器CD2の出力信号IPfによって示される太陽電池12の直流出力電流IPとに基づいて、太陽電池12の直流出力電力Po=VP×IPを求め、求めた直流出力電力Poを示す信号Pofを制御部37に出力する。
【0026】
指令部35は、演算部33の出力信号PLfによって示される負荷電力PLよりも所定電力Pa(たとえば1kW)だけ小さな発電量指令値Pc=PL-Paを求め、その発電量指令値Pcを示す信号Pcfを制御部37に出力する。
【0027】
DC/DC変換器36(第1の電力変換器)は、入力端子5aと出力端子5b(図1)との間に接続され、制御部37によって制御され、太陽電池12の直流出力電圧VPを昇圧(または降圧)して給電線3に出力する。
【0028】
制御部37(第1の制御部)は、停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、太陽電池12の最大電力追従制御を行なう。すなわち、制御部37は、太陽電池12の直流出力電圧VP、直流出力電流IP、および直流出力電力Poに基づいて、太陽電池12の直流出力電力Poが最大になるように(Po=Pmax)DC/DC変換器36を制御する。
【0029】
また、制御部37は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、発電量指令値Pc、太陽電池12の直流出力電圧VP、直流出力電流IP、および直流出力電力Poに基づいて、太陽電池12の直流出力電力Poが発電量指令値Pcまたは最大電力追従制御により求められた発電量Pmaxの小さい方になるようにDC/DC変換器36を制御する。
【0030】
再び図1を参照して、パワーコンディショナ6の入力端子6aはバッテリ13に接続され、その出力端子6bは給電線3に接続される。バッテリ13(電力貯蔵装置)は、直流電力を蓄える。バッテリ13は、たとえばリチウムイオン電池である。バッテリ13の代わりにコンデンサが接続されていても構わない。電流検出器CD4は、バッテリ13と入力端子6aとの間に流れる直流電流IBを検出し、その検出値を示す信号IBfをパワーコンディショナ6に出力する。
【0031】
パワーコンディショナ6は、停電検出信号DPと、バッテリ13の端子間電圧VBと、電流検出器CD4の出力信号IBfと、給電線3の直流電圧VDとに基づいて、給電線3とバッテリ13との間で直流電力を授受する。
【0032】
図4は、パワーコンディショナ6の構成を示すブロック図である。図4において、パワーコンディショナ6は、電圧検出器41,42、参照電圧発生器43,44、DC/DC変換器45、および制御部46を含む。
【0033】
電圧検出器41は、バッテリ13の端子間電圧VBを検出し、その検出値を示す信号VBfを制御部46に出力する。電圧検出器42は、給電線3の直流電圧VDを検出し、その検出値を示す信号VDfを制御部46に出力する。なお、電圧検出器42を除去し、電圧検出器22(図2)または電圧検出器31(図3)の出力信号VDfを制御部46に供給しても構わない。
【0034】
参照電圧発生器43は、参照電圧VBrを制御部46に出力する。参照電圧発生器44は、参照電圧VDrを制御部46に出力する。なお、参照電圧発生器44を除去し、参照電圧発生器23(図2)の出力電圧VDrを制御部46に供給しても構わない。
【0035】
DC/DC変換器45(第2の電力変換器)は、入力端子6aと出力端子6b(図1)との間に接続され、制御部46によって制御され、給電線3とバッテリ13との間で直流電力を授受する。
【0036】
制御部46(第2の制御部)は、停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、電圧検出器41,42の出力信号VBf,VDfおよび電流検出器CD4の出力信号IBfによって示されるバッテリ電圧VB、給電線3の直流電圧VD、バッテリ電流IBと、参照電圧VBrとに基づいて、バッテリ電圧VBが参照電圧VBrになるようにDC/DC変換器45を制御する。
【0037】
なお、DC/DC変換器45およびAC/DC変換器2を制御することによってバッテリ13と商用交流電源11(電力系統)の間で電力を授受し、電力系統における消費電力のピークカット、ピークシフトを行なうことも可能である。
【0038】
また、制御部46は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、電圧検出器41,42の出力信号VBf,VDfおよび電流検出器CD4の出力信号IBfによって示されるバッテリ電圧VB、給電線3の直流電圧VD、バッテリ電流IBと、参照電圧VDrとに基づいて、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにDC/DC変換器45を制御する。
【0039】
次に、この直流給電装置の動作について説明する。商用交流電源11の健全時には、制御回路4の停電検出器24(図2)によって停電検出信号DPが非活性化レベルの「H」レベルにされる。
【0040】
停電検出信号DPが「H」レベルにされると、制御部25(図2)によってスイッチ1がオンされ、商用交流電源11がスイッチ1を介してAC/DC変換器2に接続される。制御部25は、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにAC/DC変換器2を制御する。
【0041】
また、停電検出信号DPが「H」レベルにされると、パワーコンディショナ5の制御部37(図3)によって太陽電池12の最大電力追従制御が実行され、太陽電池12によって生成される直流電力がDC/DC変換器36(図3)を介して給電線3に供給される。また、演算部33(図3)によって負荷電力PL=VD×ILが求められ、指令部35(図3)によって負荷電力PLよりも所定電力Paだけ小さな発電量指令値Pc=PL-Paが生成される。
【0042】
また、停電検出信号DPが「H」レベルにされると、給電線3の直流電力がパワーコンディショナ6のDC/DC変換器45(図4)を介してバッテリ13に供給され、バッテリ13が充電される。制御部46(図4)は、バッテリ電圧VBが参照電圧VBrになるようにDC/DC変換器45を制御する。
【0043】
太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも小さい場合には、不足分の電力が商用交流電源11からAC/DC変換器2を介して給電線3に供給され、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrに維持される。逆に、太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも大きい場合には、余剰分の電力が給電線3からAC/DC変換器2を介して商用交流電源11に供給され、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrに維持される。直流負荷14は、給電線3からの直流電力によって駆動される。
【0044】
商用交流電源11の停電が発生すると、制御回路4の停電検出器24(図2)によって停電検出信号DPが活性化レベルの「L」レベルにされる。停電検出信号DPが「L」レベルにされると、制御部25によってスイッチ1がオフされ、商用交流電源11とAC/DC変換器2の間が遮断される。制御部25(図2)は、AC/DC変換器2の運転を停止させる。これにより、給電線3からAC/DC変換器2およびスイッチ1を介して商用交流電源11に電力が流出することが防止される。
【0045】
また、停電検出信号DPが「L」レベルにされると、パワーコンディショナ5の制御部37(図3)は、太陽電池12の発電量Poが発電量指令値Pc=PL-Paまたは最大電力追従制御により求められた発電量Pmaxの小さい方になるようにDC/DC変換器36を制御する。このとき、太陽電池12の発電量Poが負荷電力PLよりも小さくなるが、不足分の電力はバッテリ13から補充される。
【0046】
すなわち、停電検出信号DPが「L」レベルにされると、バッテリ13の直流電力がパワーコンディショナ6のDC/DC変換器45(図4)を介して給電線3に供給される。制御部46(図4)は、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにDC/DC変換器45を制御する。したがって、商用交流電源11の停電が発生した場合でも、バッテリ13に直流電力が残存している期間には直流負荷14の運転を継続することができる。
【0047】
以上のように、この実施の形態1では、商用交流電源11の停電時には、太陽電池12が負荷電力PLよりも小さな直流電力Pcを出力するようにDC/DC変換器36を制御するとともに、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにDC/DC変換器45を制御する。したがって、太陽光が弱いために太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも小さい場合でも、太陽電池12で生成される直流電力を使用することができ、停電時における太陽電池12の使用効率を高めることができる。
【0048】
[実施の形態2]
実施の形態1において、制御回路4とパワーコンディショナ5間の停電検出信号DPの授受の遅れによって制御部37での発電量指令値Pcの切り替えが遅れた場合、太陽電池12の発電量Poが負荷電力PLよりも大きいときに商用交流電源11の停電が発生すると、給電線3に対する電力供給量が過大になり、給電線3の直流電圧VDが過大になって直流給電装置、直流負荷14が破損する恐れがある。この実施の形態2では、この問題の解決が図られる。
【0049】
図5は、実施の形態2に従う直流給電装置の要部を示すブロック図であって、図3と対比される図である。図5を参照して、この直流給電装置が実施の形態1の直流給電装置と異なる点は、パワーコンディショナ5がパワーコンディショナ5Aで置換されている点である。パワーコンディショナ5Aは、パワーコンディショナ5の制御部37を制御部37Aで置換したものである。
【0050】
制御部37Aは、制御部37と同じ動作を行なう他、電圧検出器31の出力信号VDfによって示される給電線3の直流電圧VDをモニタし、直流電圧VDが上限電圧VDH(たとえば、380+10=390V)よりも上昇すると、太陽電池12の発電量を所定電力だけ低下させる。他の構成および動作は、実施の形態1と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0051】
以上のように、この実施の形態2では、実施の形態1と同じ効果が得られる他、直流電圧VDが上限電圧VDHよりも上昇すると太陽電池12の発電量を低下させるので、制御部37Aでの発電量指令値の切り替えが遅れた場合でも給電線3の直流電圧VDが過大になることを防止することができ、商用交流電源11の健全時の運転から停電時の運転に安定に移行することができる。
【0052】
[実施の形態3]
図6は、実施の形態3に従う直流給電装置の要部を示すブロック図であって、図1と対比される図である。図6を参照して、この直流給電装置が実施の形態1の直流給電装置と異なる点は、N個のバッテリ13に対応するN組のパワーコンディショナ6Aおよび電流検出器CD4と、M個の太陽電池12に対応するM組のパワーコンディショナ5Aおよび電流検出器CD2とが設けられている点である。ここで、Nは2以上の整数であり、Mは自然数であり、本実施の形態3ではN=M=3の場合について説明する。
【0053】
停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、各パワーコンディショナ6Aは、パワーコンディショナ6と同様に動作し、対応するバッテリ13の端子間電圧VBが参照電圧VBrになるように、対応するバッテリ13を充電する。
【0054】
3個のパワーコンディショナ6Aには、それぞれ選択信号S1~S3が与えられる。停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、選択信号S1~S3は所定時間ずつ順次「H」レベルにされる。各パワーコンディショナ6Aは、対応する選択信号が「H」レベルにされている場合には、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるように対応するバッテリ13を放電させる。
【0055】
また、各パワーコンディショナ6Aは、対応する選択信号が「L」レベルにされている場合には、対応するバッテリ13の端子間電圧VBが参照電圧VBrになるように対応するバッテリ13を充電する。
【0056】
図7は、選択信号S1~S3を生成する選択部51の構成を示すブロック図である。選択部51は、たとえば制御回路4(図1)に含まれる。図7において、選択部51は、タイマー52および信号発生部53を含む。タイマー52は、商用交流電源11の停電が発生して停電検出信号DPが「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられたことに応じてセットされ、停電発生時から経過した時間を計測し、計測した時間を示す信号φTを出力する。
【0057】
また、タイマー52は、商用交流電源11が復電して停電検出信号DPが「L」レベルから「H」レベルに立ち上げられたことに応じてリセットされ、計測した時間は0にリセットされる。
【0058】
信号発生部53は、停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、選択信号S1~S3の各々を「L」レベルに維持する。また、信号発生部53は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、タイマー52の出力信号φTに基づいて動作し、選択信号S1~S3を所定時間ずつ順次「H」レベルにする。
【0059】
すなわち、信号発生部53は、前回に「H」レベルにした選択信号(たとえばS2)を記憶している。信号発生部53は、停電検出信号DPが「L」レベルにされたことに応じて、前回に「H」レベルにした選択信号(この場合はS2)の次の選択信号(この場合はS3)を「H」レベルに立ち上げる。
【0060】
所定時間が経過すると信号発生部53は、前回に「H」レベルにした選択信号(この場合はS3)を「L」レベルに立ち下げるとともに、次の選択信号(この場合はS1)を「H」レベルに立ち上げる。さらに所定時間が経過すると信号発生部53は、前回に「H」レベルにした選択信号(この場合はS1)を「L」レベルに立ち下げるとともに、次の選択信号(この場合はS2)を「H」レベルに立ち上げる。以下同様にして、信号発生部53は、選択信号S1~S3を所定時間ずつ順次「H」レベルにする。
【0061】
図8は、パワーコンディショナ6Aの構成を示すブロック図であって、図4と対比される図である。図8を参照して、パワーコンディショナ6Aはパワーコンディショナ6の制御部46を制御部46Aで置換したものである。図8では、3個のパワーコンディショナ6Aのうちの選択信号S1を受けるパワーコンディショナ6Aが示されている。
【0062】
停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)、および停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)において選択信号S1が「L」レベルであるときには、制御部46Aは、電圧検出器41,42の出力信号VBf,VDfおよび電流検出器CD4の出力信号IBfによって示されるバッテリ電圧VB、給電線3の直流電圧VD、バッテリ電流IBと、参照電圧VBrとに基づいて、バッテリ電圧VBが参照電圧VBrになるようにDC/DC変換器45を制御する。
【0063】
このとき、制御部46Aは、電圧検出器41の出力信号VBfおよび電流検出器CD4の出力信号IBfによって示されるバッテリ電圧VBおよびバッテリ電流IBに基づいて、対応するバッテリ13に供給している電力P1を求め、その値を示す信号P1fを出力する。
【0064】
また、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)において選択信号S1が「H」レベルであるときには、制御部46Aは、電圧検出器41,42の出力信号VBf,VDfおよび電流検出器CD4の出力信号IBfによって示されるバッテリ電圧VB、給電線3の直流電圧VD、バッテリ電流IBと、参照電圧VDrとに基づいて、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにDC/DC変換器45を制御する。このとき、制御部46Aは、バッテリ13に供給している電力P1が0であることを示す信号P1f=0を出力する。
【0065】
選択信号S2,S3を受けるパワーコンディショナ6Aは、選択信号S1を受けるパワーコンディショナ6Aと同様の構成であり、信号P1fの代わりに信号P2f,P3fをそれぞれ出力する。
【0066】
再び図6を参照して、各パワーコンディショナ5Aは、停電検出信号DPと、対応する太陽電池12の直流出力電圧VPと、対応する電流検出器CD2の出力信号IPfと、電流検出器CD3の出力信号ILfと、3個のパワーコンディショナ6Aの出力信号P1f~P3fとに基づいて、対応する太陽電池12から給電線3に供給される直流電力を制御する。
【0067】
図9は、パワーコンディショナ5Bの構成を示すブロック図であって、図3と対比される図である。図9を参照して、パワーコンディショナ5Bは、パワーコンディショナ5に演算部55を追加し、指令部35を指令部35Aで置換したものである。
【0068】
演算部55は、信号P1f~P3fによって示される電力P1~P3を加算して、商用交流電源11の停電時に、3台のバッテリ13のうちの2台のバッテリ13を充電するために必要な電力Pb=P1+P2+P3を求め、その電力Pbを示す信号Pbfを指令部35Aに出力する。
【0069】
指令部35Aは、演算部33の出力信号PLfによって示される負荷電力PLよりも所定電力Pa(たとえば1kW)だけ小さく、かつ演算部55の出力信号Pbfによって示される電力Pbだけ大きな電力を太陽電池12の数(この場合は3個)で除算して発電量指令値Pc=(PL-Pa+Pb)/3を求め、その発電量指令値Pcを示す信号Pcfを制御部37に出力する。
【0070】
制御部37は、停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、太陽電池12の最大電力追従制御を行なう。すなわち、制御部37は、太陽電池12の直流出力電圧VP、直流出力電流IP、および直流出力電力Poに基づいて、太陽電池12の直流出力電力Poが最大になるように(Po=Pmax)DC/DC変換器36を制御する。
【0071】
また、制御部37は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、発電量指令値Pcと太陽電池12の直流出力電圧VP、直流出力電流IP、および直流出力電力Poとに基づいて、太陽電池12の直流出力電力Poが発電量指令値Pcまたは最大電力追従制御により求められた発電量Pmaxの小さい方になるようにDC/DC変換器36を制御する。
【0072】
次に、この直流給電装置の動作について説明する。商用交流電源11の健全時には、制御回路4の停電検出器24(図2)によって停電検出信号DPが非活性化レベルの「H」レベルにされる。
【0073】
停電検出信号DPが「H」レベルにされると、制御部25(図2)によってスイッチ1がオンされ、商用交流電源11がスイッチ1を介してAC/DC変換器2に接続される。制御部25は、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにAC/DC変換器2を制御する。
【0074】
また、停電検出信号DPが「H」レベルにされると、各パワーコンディショナ5Bの制御部37(図3図9)によって太陽電池12の最大電力追従制御が実行され、太陽電池12によって生成された直流電力がDC/DC変換器36(図3図9)を介して給電線3に供給される。
【0075】
また、停電検出信号DPが「H」レベルにされると、給電線3の直流電力が各パワーコンディショナ6AのDC/DC変換器45(図4図8)を介してバッテリ13に供給され、各バッテリ13が充電される。制御部46A(図8)は、バッテリ電圧VBが参照電圧VBrになるようにDC/DC変換器45を制御する。
【0076】
3個の太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも小さい場合には、商用交流電源11からAC/DC変換器2を介して給電線3に電力が供給され、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrに維持される。逆に、3個の太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも大きい場合には、給電線3からAC/DC変換器2を介して商用交流電源11に電力が供給され、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrに維持される。直流負荷14は、給電線3からの直流電力によって駆動される。
【0077】
商用交流電源11の停電が発生すると、制御回路4の停電検出器24(図2)によって停電検出信号DPが活性化レベルの「L」レベルにされる。停電検出信号DPが「L」レベルにされると、制御部25によってスイッチ1がオフされ、商用交流電源11とAC/DC変換器2の間が遮断される。制御部25(図2)は、AC/DC変換器2の運転を停止させる。これにより、給電線3からAC/DC変換器2およびスイッチ1を介して商用交流電源11に電力が流出することが防止される。
【0078】
また、停電検出信号DPが「L」レベルにされると、選択部51(図7)によって、前回「H」レベルにされた選択信号(たとえばS3)の次の選択信号(この場合はS1)が「H」レベルにされる。「H」レベルにされた選択信号(この場合はS1)に対応するパワーコンディショナ6AのDC/DC変換器45(図4図8)は、対応するバッテリ13の直流電力を給電線3に供給する。そのパワーコンディショナ6Aの制御部46A(図8)は、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにDC/DC変換器45を制御する。
【0079】
「L」レベルにされた選択信号(この場合はS2またはS3)に対応するパワーコンディショナ6AのDC/DC変換器45(図4図8)は、給電線3の直流電力を対応するバッテリ13に供給する。そのパワーコンディショナ6Aの制御部46A(図8)は、バッテリ13の端子間電圧VBが参照電圧VBrになるようにDC/DC変換器45を制御するとともに、バッテリ13に供給している電力P2(またはP3)を示す信号P2f(またはP3f)をパワーコンディショナ5Aに出力する。
【0080】
各パワーコンディショナ5Bの演算部33(図3図9)によって負荷電力PL=VD×ILが求められるとともに、演算部55(図9)によって2個のバッテリ13を充電するために必要な電力Pbが求められ、指令部35A(図9)によって発電量指令値Pc=(PL-Pa+Pb)/3が生成される。
【0081】
制御部37(図3図9)は、太陽電池12の発電量Poが発電量指令値Pcまたは最大電力追従制御により求められた発電量Pmaxの小さい方になるようにDC/DC変換器36を制御する。このとき、3個の太陽電池12の発電量(3×Po)が負荷電力PLと2個のバッテリ13を充電するために必要な電力Pbとの和(PL+Pb)よりも小さくなるが、不足分は1個のバッテリ13から補充される。
【0082】
すなわち、「H」レベルの選択信号(この場合はS1)に対応するバッテリ13の直流電力がパワーコンディショナ6AのDC/DC変換器45(図4図8)を介して給電線3に供給される。制御部46A(図8)は、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにDC/DC変換器45を制御する。
【0083】
停電発生から所定時間が経過すると、選択部51(図7)によって、次の選択信号(この場合はS2)が「H」レベルに立ち上げられて同様の動作が行なわれる。さらに所定時間が経過すると、選択部51(図7)によって、次の選択信号(この場合はS3)が「H」レベルに立ち上げられて同様の動作が行なわれる。したがって、商用交流電源11の停電が発生した場合でも、3個のバッテリ13に直流電力が残存している期間には直流負荷14の運転を継続することができる。
【0084】
以上のように、この実施の形態3では、商用交流電源11の停電時に、太陽電池12によって生成される直流電力によって2台のバッテリ13を充電するので、実施の形態1よりも太陽電池12の使用効率を高めることができる。
【0085】
[実施の形態4]
図10は、実施の形態4に従う直流給電装置の要部を示すブロック図であって、図7と対比される図である。図10を参照して、この直流給電装置が実施の形態3の直流給電装置と異なる点は、選択部51が選択部60で置換されている点である。選択部60は、比較器61~63および信号発生部64を含む。
【0086】
比較器61~63は、それぞれ3個のパワーコンディショナ6Aの電圧検出器41(図8)に対応して設けられている。比較器61~63は、それぞれ3個の電圧検出器41の出力信号VBfによって示されるバッテリ電圧VBと下限電圧VBLとの高低を比較し、比較結果を示す信号φ61~φ63をそれぞれ出力する。VB>VBLである場合は信号φ61~φ63は「H」レベルにされ、VB≦VBLである場合には信号φ61~φ63は「L」レベルにされる。
【0087】
信号発生部64は、停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、選択信号S1~S3の各々を「L」レベルに維持する。また、信号発生部64は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、比較器61~63の出力信号φ61~φ63に基づいて、選択信号S1~S3を順次「H」レベルにする。
【0088】
すなわち、信号発生部64は、前回に「H」レベルにした選択信号(たとえばS2)を記憶している。信号発生部64は、停電検出信号DPが「L」レベルにされたことに応じて、前回に「H」レベルにした選択信号(この場合はS2)の次の選択信号(この場合はS3)を「H」レベルに立ち上げる。
【0089】
「H」レベルの選択信号(この場合はS3)に対応する比較器(この場合は63)の出力信号φ63が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられると信号発生部64は、前回に「H」レベルにした選択信号(この場合はS3)を「L」レベルに立ち下げるとともに、次の選択信号(この場合はS1)を「H」レベルに立ち上げる。
【0090】
次に、「H」レベルの選択信号(この場合はS1)に対応する比較器(この場合は61)の出力信号φ61が「H」レベルから「L」レベルに立ち下げられると信号発生部64は、前回に「H」レベルにした選択信号(この場合はS1)を「L」レベルに立ち下げるとともに、次の選択信号(この場合はS2)を「H」レベルに立ち上げる。以下同様にして、選択信号S1~S3は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)に1つずつ順次「H」レベルにされる。他の構成および動作は、実施の形態3と同じであるので、その説明は繰り返さない。
【0091】
以上のように、この実施の形態4では、バッテリ13の端子間電圧VBが下限電圧VBLに到達すると、そのバッテリ13の放電を停止して充電を開始するので、バッテリ13の放電時間が所定時間に到達すると、そのバッテリ13の放電を停止して充電を開始する実施の形態3と比べ、バッテリ13の直流電力の使用効率を高めることができる。
【0092】
[実施の形態5]
図11は、実施の形態5に従う直流給電装置の構成を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図11を参照して、この直流給電装置が実施の形態1の直流給電装置と異なる点は、DC/AC変換器70、電流検出器CD5、および制御回路71が追加されている点である。この直流給電装置は、交流負荷72に交流電力を供給する無停電電源装置を構成する。
【0093】
DC/AC変換器70の直流端子70aは給電線3に接続され、その交流端子70bは交流負荷72に接続される。DC/AC変換器70は、制御回路71によって制御され、給電線3の直流電圧VDを商用周波数の交流電圧VOに変換して交流負荷72に供給する。交流負荷72は、DC/AC変換器70から供給される交流電力によって駆動される。
【0094】
電流検出器CD5は、DC/AC変換器70の交流端子70bと交流負荷72との間に流れる交流電流IOを検出し、その検出値を示す信号IOfを制御回路71に出力する。制御回路71は、商用交流電源11の交流出力電圧VAと、DC/AC変換器70の交流出力電圧VOと、電流検出器CD5の出力信号IOfとに基づいて、DC/AC変換器70を制御する。
【0095】
図12は、制御回路71の構成を示すブロック図である。図12において、制御回路71は、電圧検出器73,74、参照電圧発生器75、および制御部76を含む。電圧検出器73は、商用交流電源11の交流電圧VAの瞬時値を検出し、その検出値を示す信号VAfを制御部76に出力する。なお、電圧検出器73を除去し、電圧検出器21(図2)の出力信号VAfを制御部76に供給しても構わない。
【0096】
電圧検出器74は、DC/AC変換器70の交流出力電圧VOの瞬時値を検出し、その検出値を示す信号VOfを制御部76に出力する。参照電圧発生器75は、商用周波数で正弦波状に変化する参照電圧VOrを制御部76に出力する。
【0097】
制御部76は、電圧検出器73,74の出力信号VAf,VOfと、電流検出器CD5の出力信号IOfと、参照電圧VOrとに基づいて、DC/AC変換器70の交流出力電圧VOが参照電圧VOrになるようにDC/AC変換器70を制御する。
【0098】
次に、この無停電電源装置の動作について説明する。商用交流電源11の健全時には、停電検出器24(図2)によって停電検出信号DPが「H」レベルにされ、スイッチ1がオンされ、商用交流電源11がスイッチ1を介してAC/DC変換器2に接続される。AC/DC変換器2は、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるように、商用交流電源11と給電線3との間で電力を授受する。
【0099】
太陽電池12によって太陽光が直流電力に変換され、その直流電力がパワーコンディショナ5を介して給電線3に供給される。このときパワーコンディショナ5は、太陽電池12の最大電力追従制御を行なう。
【0100】
また、給電線3の直流電力がパワーコンディショナ6を介してバッテリ13に供給され、バッテリ13が充電される。このときパワーコンディショナ6は、バッテリ13の端子間電圧VBが参照電圧VBrになるようにバッテリ13を充電する。給電線3の直流電圧VDは、DC/AC変換器70によって商用周波数の交流電圧VOに変換されて交流負荷72に供給され、交流負荷72が運転される。
【0101】
商用交流電源11の停電が発生すると、停電検出器24(図2)によって停電検出信号DPが「L」レベルにされ、スイッチ1がオフされ、AC/DC変換器2の運転が停止される。
【0102】
負荷電力PLよりも所定電力Paだけ小さな電力または最大電力追従制御による電力の小さい方が太陽電池12からパワーコンディショナ5を介して給電線3に供給されるとともに、バッテリ13の直流電力がパワーコンディショナ6を介して給電線3に供給される。このとき、パワーコンディショナ6は、給電線3の直流電圧VDが参照電圧VDrになるようにバッテリ13の出力電力を制御する。
【0103】
給電線3の直流電圧VDは、DC/AC変換器70によって商用周波数の交流電圧VOに変換されて交流負荷72に供給され、交流負荷72が運転される。したがって、商用交流電源11の停電が発生した場合でも、バッテリ13に直流電力が残っている期間は交流負荷72の運転を継続することができる。
【0104】
この実施の形態5でも、実施の形態1と同じ効果が得られる。
【0105】
[実施の形態6]
図13は、実施の形態6に従う交流給電装置の構成を示す回路ブロック図であって、図1と対比される図である。図13を参照して、この交流給電装置が実施の形態1の直流給電装置と異なる点は、スイッチ1、電流検出器CD1、AC/DC変換器2、および制御回路4が高速スイッチ80および制御回路81で置換され、パワーコンディショナ5,6がそれぞれパワーコンディショナ5C,6Bで置換されている点である。
【0106】
この交流給電装置は、商用交流電源11、太陽電池12、およびバッテリ13から電力を受けて交流負荷72に交流電力を供給する。交流給電装置、太陽電池12、およびバッテリ13は、給電システムの一実施例を構成する。
【0107】
高速スイッチ80の一方端子は、商用交流電源11から供給される交流電圧VAを受け、その他方端子は給電線3を介して交流負荷72に接続される。高速スイッチ80のオンおよびオフは、制御回路81によって制御される。高速スイッチ80は、応答速度が速い半導体スイッチである。商用交流電源11の健全時には、高速スイッチ80はオンされる。商用交流電源11の停電時には、高速スイッチ80はオフされる。
【0108】
制御回路81は、商用交流電源11から供給される交流電圧VAに基づいて、高速スイッチ80を制御するとともに、停電検出信号DPを生成してパワーコンディショナ5C,6Bに出力する。
【0109】
図14は、制御回路81の構成を示すブロック図であって、図2と対比される図である。図14を参照して、制御回路81が制御回路4と異なる点は、電圧検出器22および参照電圧発生器23が除去され、制御部25が制御部82で置換されている点である。
【0110】
停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、制御部82は、高速スイッチ80をオンさせる。停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、制御部82は、高速スイッチ80をオフさせる。
【0111】
再び図13を参照して、パワーコンディショナ5Cは、停電検出信号DPと、太陽電池12の直流出力電圧VPと、電流検出器CD2,CD3の出力信号IPf,ILfとに基づいて、太陽電池12から給電線3に供給される電力を制御する。
【0112】
図15は、パワーコンディショナ5Cの構成を示すブロック図であって、図3と対比される図である。図15を参照して、パワーコンディショナ5Cがパワーコンディショナ5と異なる点は、電圧検出器31、制御部37、およびDC/DC変換器36がそれぞれ電圧検出器85、制御部86、およびDC/AC変換器87で置換されている点である。
【0113】
電圧検出器31は、給電線3の交流電圧VOの瞬時値を検出し、その検出値を示す信号VOfを演算部33に出力する。演算部33は、電圧検出器85の出力信号VOfによって示される給電線3の交流電圧VOと、電流検出器CD3の出力信号ILfによって示される負荷電流ILとに基づいて、交流負荷72の消費電力PL=VO×ILを求め、求めた負荷電力PLを示す信号PLfを指令部35に出力する。
【0114】
指令部35は、演算部33の出力信号PLfによって示される負荷電力PLよりも所定電力Pa(たとえば1kW)だけ小さな発電量指令値Pc=PL-Paを求め、その発電量指令値Pcを示す信号を制御部86に出力する。
【0115】
DC/AC変換器87は、入力端子5aと出力端子5b(図1図13)との間に接続され、制御部86によって制御され、太陽電池12の直流出力電圧VPを交流電圧VOに変換して給電線3に出力する。
【0116】
制御部86は、停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、太陽電池12の最大電力追従制御を行なう。すなわち、制御部86は、太陽電池12の直流出力電圧VP、直流出力電流IP、および直流出力電力Poに基づいて、太陽電池12の直流出力電力Poが最大になるようにDC/AC変換器87を制御する。
【0117】
また、制御部86は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、発電量指令値Pcと太陽電池12の直流出力電圧VP、直流出力電流IP、および直流出力電力Poとに基づいて、太陽電池12の直流出力電力Poが発電量指令値Pcまたは最大電力追従制御により求められた発電量Pmaxの小さい方になるようにDC/AC変換器87を制御する。
【0118】
再び図13を参照して、パワーコンディショナ6Bは、停電検出信号DPと、バッテリ13の端子間電圧VBと、電流検出器CD4の出力信号IBfと、給電線3の交流電圧VOとに基づいて、給電線3とバッテリ13との間で電力を授受する。
【0119】
図16は、パワーコンディショナ6Bの構成を示すブロック図であって、図4と対比される図である。図16を参照して、パワーコンディショナ6Bがパワーコンディショナ6と異なる点は、電圧検出器42、参照電圧発生器44、制御部40、およびDC/DC変換器45がそれぞれ電圧検出器91、参照電圧発生器92、制御部93、およびDC/AC変換器94で置換されている点である。
【0120】
電圧検出器91は、給電線3の交流電圧VOを検出し、その検出値を示す信号VOfを制御部93に出力する。なお、電圧検出器91を除去し、電圧検出器85(図15)の出力信号VOfを制御部93に供給しても構わない。
【0121】
参照電圧発生器92は、商用周波数で正弦波状に変化する参照電圧VOrを制御部93に出力する。DC/AC変換器94は、入力端子6aと出力端子6b(図1)との間に接続され、制御部93によって制御され、給電線3とバッテリ13との間で電力を授受する。
【0122】
制御部93は、停電検出信号DPが「H」レベルである場合(商用交流電源11の健全時)には、電圧検出器41,91の出力信号VBf,VOfおよび電流検出器CD4の出力信号IBfによって示されるバッテリ電圧VB、給電線3の交流電圧VO、バッテリ電流IBと、参照電圧VBrとに基づいて、バッテリ電圧VBが参照電圧VBrになるようにDC/AC変換器94を制御する。
【0123】
なお、DC/AC変換器94を制御することによってバッテリ13と商用交流電源11(電力系統)の間で電力を授受し、電力系統における消費電力のピークカット、ピークシフトを行なうことも可能である。
【0124】
また、制御部93は、停電検出信号DPが「L」レベルである場合(商用交流電源11の停電時)には、電圧検出器41,91の出力信号VBf,VOfおよび電流検出器CD4の出力信号IBfによって示されるバッテリ電圧VB、給電線3の交流電圧VO、バッテリ電流IBと、参照電圧VOrとに基づいて、給電線3の交流電圧VOが参照電圧VOrになるようにDC/AC変換器94を制御する。
【0125】
次に、この直流給電装置の動作について説明する。商用交流電源11の健全時には、制御回路81の停電検出器24(図2図14)によって停電検出信号DPが非活性化レベルの「H」レベルにされる。
【0126】
停電検出信号DPが「H」レベルにされると、制御部82によって高速スイッチ80がオンされ、商用交流電源11の交流電圧VAが高速スイッチ80を介して給電線3に供給される。
【0127】
また、停電検出信号DPが「H」レベルにされると、パワーコンディショナ5の制御部86(図15)によって太陽電池12の最大電力追従制御が実行され、太陽電池12によって生成される直流電力がDC/AC変換器87(図15)を介して給電線3に供給される。また、演算部33(図3図15)によって負荷電力PL=VO×ILが求められ、指令部35(図3図15)によって負荷電力PLよりも所定電力Paだけ小さな発電量指令値Pc=PL-Paが生成される。
【0128】
また、停電検出信号DPが「H」レベルにされると、給電線3の電力がパワーコンディショナ6BのDC/AC変換器94(図16)を介してバッテリ13に供給され、バッテリ13が充電される。制御部93(図16)は、バッテリ電圧VBが参照電圧VBrになるようにDC/AC変換器94を制御する。
【0129】
太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも小さい場合には、不足分の交流電力が商用交流電源11から高速スイッチ80を介して給電線3に供給される。逆に、太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも大きい場合には、余剰分の交流電力が給電線3から高速スイッチ80を介して商用交流電源11に供給される。交流負荷72は、給電線3からの交流電力によって駆動される。
【0130】
商用交流電源11の停電が発生すると、制御回路81の停電検出器24(図2図14)によって停電検出信号DPが活性化レベルの「L」レベルにされる。停電検出信号DPが「L」レベルにされると、制御部82によって高速スイッチ80が瞬時にオフされ、商用交流電源11と給電線3の間が遮断される。これにより、給電線3から高速スイッチ80を介して商用交流電源11に電力が流出することが防止される。
【0131】
また、停電検出信号DPが「L」レベルにされると、パワーコンディショナ5Cの制御部86(図15)は、太陽電池12の発電量Poが発電量指令値Pc=PL-Paまたは最大電力追従制御により求められた発電量Pmaxの小さい方になるようにDC/AC変換器87を制御する。このとき、太陽電池12の発電量Poが負荷電力PLよりも小さくなるが、不足分はバッテリ13から補充される。
【0132】
すなわち、停電検出信号DPが「L」レベルにされると、バッテリ13の直流電力がパワーコンディショナ6BのDC/AC変換器94(図16)を介して給電線3に供給される。制御部93(図16)は、給電線3の交流電圧VOが参照電圧VOrになるようにDC/AC変換器94を制御する。したがって、商用交流電源11の停電が発生した場合でも、バッテリ13に直流電力が残存している期間には交流負荷72の運転を継続することができる。
【0133】
以上のように、この実施の形態6では、商用交流電源11の停電時には、太陽電池12が負荷電力PLよりも小さな直流電力Pcを出力するようにDC/AC変換器87を制御するとともに、給電線3の交流電圧VOが参照電圧VOrになるようにDC/AC変換器94を制御する。したがって、太陽光が弱いために太陽電池12の発電量が負荷電力PLよりも小さい場合でも、太陽電池12で生成される直流電力を使用することができ、停電時における太陽電池12の使用効率を高めることができる。
【0134】
なお、上記実施の形態1~6を適宜組み合わせてもよいことは言うまでもない。たとえば、実施の形態6と実施の形態3を組み合わせ、N個のバッテリ13に対応するN組のパワーコンディショナおよび電流検出器CD4と、M個の太陽電池12に対応するM組のパワーコンディショナおよび電流検出器CD2とを設けても構わない。
【0135】
この場合は、商用交流電源11の停電時には、N個のパワーコンディショナが1個ずつ順次選択され、選択されたパワーコンディショナは対応するバッテリ13の直流電力を交流電力に変換して給電線3に供給するとともに、選択されない各パワーコンディショナは給電線3からの交流電力を直流電力に変換して対応するバッテリ13に蓄える。
【0136】
M個のパワーコンディショナは、負荷電力PLよりも所定電力Paだけ小さく、(N-1)個のバッテリ13を充電するために必要な電力Pbだけ大きな電力をM個の太陽電池12から給電線3に供給させる。
【0137】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0138】
1 スイッチ、CD1~CD5 電流検出器、2 AC/DC変換器、3 給電線、4,71,81 制御回路、5,5A~5C,6,6A,6B パワーコンディショナ、11 商用交流電源、12 太陽電池、13 バッテリ、14 直流負荷、21,22,31,32,41,42,73,74,85,91 電圧検出器、23,43,44,75,92 参照電圧発生器、24 停電検出器、25,37,37A,46,46A,76,82,86,93 制御部、33,34,55 演算部、35,35A 指令部、36,45 DC/DC変換器、51,60 選択部、52 タイマー、53,64 信号発生部、61~63 比較器、70,87,94 DC/AC変換器、72 交流負荷、80 高速スイッチ。
図1
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