(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】薬物注入装置
(51)【国際特許分類】
A61M 39/02 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
A61M39/02 110
(21)【出願番号】P 2022542203
(86)(22)【出願日】2020-12-21
(86)【国際出願番号】 KR2020018759
(87)【国際公開番号】W WO2021141281
(87)【国際公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2020-0003713
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0003716
(32)【優先日】2020-01-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522273388
【氏名又は名称】株式会社 ミョソン
(73)【特許権者】
【識別番号】513224261
【氏名又は名称】三星生命公益財団
【氏名又は名称原語表記】SAMSUNG LIFE PUBLIC WELFARE FOUNDATION
【住所又は居所原語表記】48, Itaewon-ro 55-gil, hannam-dong, Yongsan-gu, Seoul, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100199004
【氏名又は名称】服部 洋
(72)【発明者】
【氏名】イ ブラク
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジウン
(72)【発明者】
【氏名】ナ トクリョル
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ ジョンミン
(72)【発明者】
【氏名】ジョン ウラム
(72)【発明者】
【氏名】キム カプス
(72)【発明者】
【氏名】パク ナクスン
【審査官】星名 真幸
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2003/0040753(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0276418(US,A1)
【文献】米国特許第04681103(US,A)
【文献】特表平11-504231(JP,A)
【文献】特表2001-517530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 39/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の頭蓋骨と頭皮との間に移植固定されて薬物を注入させる薬物注入装置において、
前記頭蓋骨に接して移植固定され、内部に可動収容孔が形成される本体と、
前記本体と隣接する内部孔が形成され、前記本体に対向して結合固定させて締結する本体固定部と、
前記本体と前記本体固定部との間に位置し、中央には薬物注入孔が形成されてターゲットポイントに方向転換可能な可動部と、
前記可動部の薬物注入孔を密閉するように設けられ、薬物を注射するための注射針が挿入されるシーリング部と、
前記シーリング部の上部に位置して前記可動部を密閉固定し、前記シーリング部が外部から離脱しないように遮断することができ、前記薬物注入装置の移植位置を識別して繰り返し投与点を案内する可動栓部と、
前記本体の上部及び前記本体固定部の上部を頭蓋骨に締結する少なくとも2つの締結部材と、を含み、
前記本体は、
前記頭蓋骨の上部に位置して支持する支持部を含み、
前記支持部の外径は前記本体固定部の外径より小さく、前記可動部の外径よりも大きく、
前記本体固定部と隣り合うように結合して前記本体の内部孔に前記可動部を収容及び固定することを特徴とする薬物注入装置。
【請求項2】
前記本体は、
前記頭蓋骨に挿入される挿入部をさらに含み、
下記の条件式1及び条件式2のうち少なくともいずれかを満たすことを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置。
【数23】
【数24】
ここで、D
1は前記挿入部の外径の大きさ、D
2は前記可動収容孔の内径の大きさ、L
1は前記挿入部の挿入高さである。
【請求項3】
前記支持部は、
前記本体の上部に位置し、前記締結部材が挿入されて動かないように固定する少なくとも1つの第1締結孔と、
前記本体固定部と結合するように固定する少なくとも1つの固定突起と、を含み、
下記の条件式3を満足することを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置。
【数25】
ここで、D
3は前記支持部の外径の大きさであり、L
2は前記支持部の高さである。
【請求項4】
前記固定突起は、
下記の条件式4を満足することを特徴とする、請求項3に記載の薬物注入装置。
【数26】
ここで、D
4は前記固定突起の外径の大きさであり、L
3は前記固定突起の高さである。
【請求項5】
前記本体固定部は、
中心に前記可動部が動かないように外部を固定する固定孔が形成され、
上部の周りに前記締結部材が挿入されて動かないように固定する少なくとも1つの第2締結孔が形成され、
前記固定孔及び前記本体固定部は、下記の条件式5及び/又は前記本体固定部の高さが1mm~9mmのうち少なくともいずれか一つを満たすことを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置薬物注入装置。
【数27】
ここで、D
5は前記固定孔の外径の大きさであり、D
6は前記本体固定部の外径の大きさである。
【請求項6】
前記本体固定部は、
上部が曲面に突出して識別が可能な識別部と、
下部が曲面に凹んで形成され、
前記支持部の形状に合わせて結合が容易な支持結合溝と、を含み、
前記支持結合溝は、
前記本体と対向して結合される少なくとも1つの突起収容溝及びヘッド収容溝が形成されることができ、
下記の条件式6を満足することを特徴とする、請求項5に記載の薬物注入装置薬物注入装置。
【数28】
ここで、R
1は支持結合溝の半径を意味する。
【請求項7】
前記可動部は、
前記可動収容孔に位置し、外形が曲面からなり方向転換が可能な可動本体部を含み、
前記可動本体部は、
内部中央が中空であり、ターゲットポイントに薬物が注入されるようにガイドする薬物注入孔が形成されることを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置薬物注入装置。
【請求項8】
前記可動部は、
前記頭蓋骨内に薬物が注入されるように内部の孔が形成される薬物注入孔を含み、
前記可動部は、下記の条件式7を満たすことを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置薬物注入装置。
【数29】
ここで、D
8は前記可動部の外径の大きさであり、L
5は前記可動部の高さである。
【請求項9】
前記可動部は、
0.03mm未満の真球度からなる球状に形成されることを特徴とする、請求項8に記載の薬物注入装置。
【請求項10】
前記薬物注入孔は、
前記可動部の内部孔に位置するシーリング部を収容する第1収容部と、
前記第1収容部と連結されて前記可動部の内部の下端に位置し、薬物の注入時に挿入される注射針を収容する第2収容部と、を含み、
前記第1収容部及び第2収容部のそれぞれは、下記の条件式8及び条件式9のうち少なくともいずれかを満たすことを特徴とする、請求項8に記載の薬物注入装置。
【数30】
【数31】
ここで、V
1は前記第1収容部の内部空間容積であり、D
9は前記第2収容部の内径の大きさである。
【請求項11】
前記薬物注入孔は、
前記可動部の内部孔に位置するシーリング部を収容する第1収容部と、
前記第1収容部と連結されて前記可動部の内部の下端に位置し、薬物の注入時に挿入される注射針を収容する第2収容部と、を含み、
前記第1収容部は、
側面は、前記可動部の内部孔の開始から前記シーリング部が収容される点までねじ山で形成され、
前記ねじ山が形成される高さは、下記の条件式10を満たすことを特徴とする、請求項8に記載の薬物注入装置。
【数32】
ここで、L
5は前記第1収容部及び第2収容部の全高を意味し、L
5aは前記ねじ山が形成される高さを意味する。
【請求項12】
前記シーリング部は、
前記シーリング部及び前記可動栓部は、下記の条件式11及び条件式12のうち少なくともいずれかを満たすことを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置。
【数33】
【数34】
ここで、D
10は前記シーリング部の外径の大きさ、D
11は前記可動栓部の外径の大きさ、L
6は前記シーリング部の高さ、L
7は前記可動栓部の高さである。
【請求項13】
前記シーリング部は、
シリコーン素材からなることを特徴とする、請求項12に記載の薬物注入装置。
【請求項14】
前記可動栓部は、
中央に注射針が注入される孔が形成された注射針収容部と、
前記注射針収容部を内部に含み、前記可動部の外部に位置する位置表示部と、
前記位置表示部と連結され、外部にねじ山が形成されて前記薬物注入孔と雌雄をなすねじ山で締結される可動締結部材と、を含むことを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置。
【請求項15】
前記注射針収容部は、
下記の条件式13を満たすことを特徴とする、請求項14に記載の薬物注入装置。
【数35】
ここで、A
1は中心軸を基準に左右をなす角度のうち、前記針収容部の上端部の角度を意味し、A
2は前記針収容部の中間部分の角度を意味する。
【請求項16】
前記位置表示部は、
下記の条件式14を満たすことを特徴とする、請求項14に記載の薬物注入装置。
【数36】
ここで、L
7は前記可動栓部の全体の高さを意味し、L
7aは前記位置表示部の高さを意味する。
【請求項17】
前記締結部材は、
頭蓋骨内に植立固定されるボディ部と、
前記ボディ部と連結されて取付けられるヘッド部と、を含み、
前記ボディ部及び前記ヘッド部は、下記の条件式15及び条件式16のうち少なくともいずれかを満たすことを特徴とする、請求項1に記載の薬物注入装置。
【数37】
【数38】
ここで、D
11は前記ボディ部の外径の大きさを意味し、D
12は前記ヘッド部の外径の大きさを意味し、L
9は前記ボディ部の長さを意味し、L
8は前記ヘッド部の長さを意味する。
【請求項18】
前記ヘッド部は、
中央に位置して締結時に締結機構と水平に締結されるようにする水平溝と、
前記水平溝を基準として横軸と縦軸を分ける直線状に識別可能に形成された識別溝と、を含み、
前記水平溝及び前記識別溝は、下記の条件式17を満たすことを特徴とする、請求項17に記載の薬物注入装置。
【数39】
ここで、L
8aは識別溝の深さを意味し、D
13は水平溝の外径の大きさを意味する。
【請求項19】
前記ボディ部は、
頭蓋骨内に植設固定され、端部までねじ山がテーパー状に形成され、
以下の条件式18を満たす少なくとも1つの圧力低減溝が形成されることを特徴とする、請求項17に記載の薬物注入装置。
【数40】
ここで、L
9は前記ボディ部の長さを意味し、L
9aは前記圧力低減溝が形成された部分の長さを意味する。
【請求項20】
前記可動部と連結されて脳実質内に入ってターゲットに近い位置まで挿入され、前記ターゲットポイントに薬物を注入する注射針をターゲットの方向に案内するガイドチューブをさらに含む、請求項1に記載の薬物注入装置。
【請求項21】
前記ガイドチューブは、
前記薬物注入孔の下端に取り付けられ、前記可動部と前記ガイドチューブとの間を連結し、前記ガイドチューブの内部と延びる孔が形成されるチューブ連結部をさらに含むことを特徴とする、請求項20に記載の薬物注入装置。
【請求項22】
前記ガイドチューブは、
下記条件式19を満たすことを特徴とする、請求項20に記載の薬物注入装置。
【数41】
ここで、D
14aは前記ガイドチューブの内径の大きさを意味し、D
14bは前記ガイドチューブの外径の大きさを意味する。
【請求項23】
前記ガイドチューブは、
10mm~300mmの長さを含むことを特徴とする、請求項20に記載の薬物注入装置。
【請求項24】
前記チューブ連結部は、
下記の条件式20及び条件式21のうち少なくともいずれかを満たすことを特徴とする、請求項21に記載の薬物注入装置。
【数42】
【数43】
ここで、D
15は前記チューブ連結部の外径の大きさ、D
16は前記チューブ連結部の内径の大きさ、L
10は前記チューブ連結部の高さである。
【請求項25】
前記ガイドチューブは、
片側または両側に薬物が不均一に流れるように少なくとも1つの薬物投与孔が形成され、前記ガイドチューブの端部の内径及び外径が曲線で形成されて、頭蓋骨内に挿入されるときに組織の損傷を最小化する形状を有することを特徴とする、請求項20に記載の薬物注入装置。
【請求項26】
前記ガイドチューブは、
前記頭蓋骨と接する面を基準として中心軸から左右側のターゲットポイントの方向に回転して変形する最大角度が60°以内であることを特徴とする、請求項20乃至25のうちいずれか一項に記載の薬物注入装置。
【請求項27】
前記本体、前記本体固定部、前記可動部及び前記可動栓部の少なくともいずれか一つはポリエーテルエーテルケトンからなり、
前記締結部材はチタン素材からなることを特徴とする、請求項1乃至19のうちいずれか一項に記載の薬物注入装置。
【請求項28】
前記ガイドチューブは、
ポリエーテルエーテルケトンからなることを特徴とする、請求項20~25のうちいずれか一項に記載の薬物注入装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は薬物注入装置に関し、肥満、脳卒中、脊椎神経、認知症などの脳神経疾患を有する患者の頭蓋骨に薬物の繰り返し投与のための脳内薬物注入装置を長期的に設けることにより、より正確な位置に投与できるようにする薬物注入装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生活の質を低下させる疾患において、特に社会経済的費用を増加させる脳関連疾患が多くの社会的問題となっている。脳関連疾患、例えば、退行性脳疾患、精神系疾患、脳腫瘍及びストローク、肥満、脊椎神経などは年々増加する傾向である。脳疾患を有する末期癌及び慢性疼痛を有する患者の場合、持続的かつ繰り返しの鎮痛剤の投与及び服用を通じて疼痛を軽減する必要がある。そして、アルツハイマー病(Alzheimer's disease)のような退行性脳疾患またはパーキンソン病(Parkinson's disease)のような精神系疾患を患う認知症患者の場合、治療効果を最大化するために化学薬物、幹細胞などのような治療剤を持続的かつ繰り返し投与する必要がある。
【0003】
現在、脳関連疾患の治療効果を高めるために、持続的な期間に繰り返し経口投与及び静脈投与を通じて治療する方法が多く用いられている。しかしながら、既存の方法は消化器官が弱くなった場合、薬物の服用が難しくなることがあり、治療剤の全身的循環による副作用が多数誘発されることがあり、入院治療や治療剤の投与などに伴う患者の身体的苦痛と経済的負担が大きいという限界がある。
【0004】
一方、脳に直接投与する方法は既存の方法に比べて効果に優れるが、薬物の全身的循環による副作用はほとんどない利点がある。脳内直接投与方法は、例えば、認知症疾患の患者の場合、海馬(Hippocampus)であるターゲットポイントに化学薬物、幹細胞などの治療剤を直接投与して治療することができる。しかしながら、脳をターゲットとする薬物は必ずしも脳血管障壁(BBB:Blood-Brain Barrier)を通過しなければならない。そして、治療効果を高めるためには、正確なターゲットポイントに繰り返し投与する必要がある。
【0005】
したがって、従来技術は脳に長期間移植され、正確なターゲットポイントに繰り返し投与できる薬物注入装置を開発している。しかしながら、ガイドチューブの位置が変わったり、一方向にのみ挿入されて正確な位置に再び薬物を投入することができないため、施術の精度が低くなるという限界がある。特に脳実質内のような病巣に繰り返し投与するとき、ガイドチューブの精度が低くなって、薬物注入装置を繰り返し移植する手術をしなければならない場合、患者の経済的費用の負担が増加し、満足できる治療効果が減少する限界がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は前記の点に鑑みて創案されたものであり、本発明の目的は、認知症治療の他に肥満、ストローク、脊椎神経など脳疾患を治療するための脳内直接注入が可能な薬物注入装置のガイドチューブを病巣であるターゲットポイントに近接するように正確に位置決めし、中心軸に基づいて方向転換を可能にする薬物注入装置を提供することである。
【0007】
また、本発明の他の目的は、薬物を繰り返し投与するとき、全身麻酔による外科手術を行わずに移植された部位を切開して移植位置を容易に識別することができ、その位置に薬物を繰り返し投与させる薬物注入装置を提供することである。
【0008】
本発明のさらに他の目的は、頭蓋骨の外部及び脳実質の内部をシーリング部及び可動栓部で二重遮断することによって、繰り返し投与による薬物の逆流及び外部からの汚染物質の侵入を防止する薬物注入装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記目的を達成するために、患者の頭蓋骨と頭皮との間に移植固定されて薬物を注入させる薬物注入装置において、前記頭蓋骨と接して移植固定され、内部孔が形成される本体と、前記本体と隣接する内部孔が形成され、前記本体に対向して結合固定させて締結する本体固定部と、前記本体と前記本体固定部との間に位置し、中央には薬物注入孔が形成されてターゲットポイントに方向転換が可能な可動部と、前記可動部の薬物注入孔を密閉するように設けられ、薬物を注射するための注射針が挿入されるシーリング部と、前記シーリング部の上部に位置して前記可動部を密閉固定し、前記シーリング部が外部から離脱しないように遮断することができ、前記薬物注入装置の移植位置を識別して繰り返し投与点を案内する可動栓部と、前記本体の上部と前記本体固定部の上部を頭蓋骨に締結する少なくとも2つの締結部材と、を含み、前記本体は前記頭蓋骨の上部に位置して支持する支持部を含み、前記支持部の外径は前記本体固定部の外径より小さく、前記可動部の外径よりも大きく、前記本体固定部と隣り合うように結合して前記本体の内部孔に前記可動部を収容及び固定することができる。
【0010】
前記薬物注入装置は、前記可動部と連結されて脳実質内に入ってターゲットに近い位置まで挿入され、前記ターゲットポイントに薬物を注入する注射針をターゲットの方向にガイドするガイドチューブをさらに含むことができる。
【0011】
前記ガイドチューブは、前記薬物注入孔の下端に取り付けられ、前記可動部と前記ガイドチューブとの間を連結し、前記ガイドチューブの内部と延びる孔が形成されるチューブ連結部をさらに含むことができる。
【0012】
前記支持部は、前記本体の上部に位置し、前記締結部材が挿入されて動かないように固定する少なくとも1つの第1締結孔と、前記本体固定部と結合するように固定する少なくとも1つの固定突起と、を含むことができる。
【0013】
前記本体固定部は、上部が曲面に突出して前記薬物注入装置の移植位置を識別する識別部と、中心に前記可動部が動かないように外部を固定する固定孔と、上部の周りに前記締結部材が挿入されて動かないように固定する少なくとも1つの第2締結孔と、下部が曲面に凹んで形成され、前記本体の支持部と一致する形状に合わせて結合が容易な結合溝と、前記結合溝の内部には前記固定突起と対向して結合される少なくとも1つの固定溝が形成されることができる。
【0014】
前記可動部は、前記可動収容孔に位置し、外形が曲面からなり方向転換が可能な可動本体部を含み、前記可動本体部は、内部の中央が中空であり、ターゲットポイントに薬物が注入されるように案内する薬物注入孔が形成されることができる。
【0015】
前記薬物注入孔は、前記可動部の内部孔に位置するシーリング部を収容する第1収容部と、前記第1収容部と連結されて前記可動部の内部の下端に位置し、薬物の注入時に挿入される前記ガイドチューブと注射針を収容する第2収容部と、を含むことができる。
【0016】
前記第1収容部は、前記可動部の内部孔の開始から前記シーリング部が収容される点までねじ山で形成されることができる。
【0017】
前記可動部は、0.03mm未満の真球度からなる球状に形成されることができる。
【0018】
前記シーリング部はシリコーン素材からなることができる。
【0019】
前記可動栓部は、中央に注射針が注入されるように下に行くほど傾斜した孔である針収容部が形成され、前記針収容部を内部に含み、前記可動部の外部に位置する栓上端部と、前記栓上端部に連結され、外部はねじ山が形成されて前記薬物注入孔と雌雄をなすねじ山で締結される栓締結部と、を含むことができる。
【0020】
前記締結部材は、前記本体と前記本体固定部のうち少なくともいずれかを頭蓋骨内に植設固定させるボディ部と、前記ボディ部に連結されて取り付けられたヘッド部と、を含み、前記ヘッド部は、中央に位置して締結時に締結機構と水平に締結されるようにする水平溝と、前記水平溝を基準として横軸と縦軸を分ける線形に識別可能に形成された識別溝と、を含むことができる。
【0021】
前記ボディ部は、頭蓋骨内に固定され、端部までねじ山がテーパー状に形成され、少なくとも1つの圧力低減溝が形成されることができる。
【0022】
前記ガイドチューブは、片側または両側に薬物が不均一に流れるように少なくとも1つの薬物投与孔が形成され、前記ガイドチューブの端部の内径及び外径が曲線で形成されて、頭蓋骨内に挿入されるときの組織の損傷を最小限に抑える形状を有することができる。
【0023】
前記薬物注入装置は、前記本体、前記本体固定部、前記可動部、前記可動栓部及び前記ガイドチューブの少なくともいずれか1つはポリエーテルエーテルケトンからなることができる。
【0024】
前記締結部材はチタン素材からなることができる。
【0025】
前記シーリング部は、内部の異物の投入を防止するフィルタをさらに含み、前記フィルタと前記シーリング部が一体化されて交換及び設置が一度に容易な一体型シーリングフィルタ膜を含むことができる。
【0026】
前記ガイドチューブは、前記頭蓋骨と接する面を基準として中心軸から左右側のターゲットポイントの方向に回転して変形する最大角度が60°以内であり得る。
【発明の効果】
【0027】
本発明に係る薬物注入装置は、一度移植した後、治療効果を高めるために薬物を繰り返し投与するとき、全身麻酔による外科手術をせずに移植された部位を切開して移植位置を容易に識別することができ、その位置に薬物を投与できるため、経済的、時間的な負担を減らし、繰り返し投与による治療の効果を高めることができる。
【0028】
また、本発明に係る薬物注入装置は、方向転換が可能な可動部と、その内部に挿入されたガイドチューブを病巣であるターゲットポイントの方向に回転させ、ガイドチューブの内部を介して注射針を挿入して薬物を正確にターゲットポイントに投与するようにガイドできるため、薬物投与の精度を向上させることができる。
【0029】
さらに、本発明に係る薬物注入装置は、頭蓋骨の外部と脳実質の内部をシーリング部及び可動栓部で二重遮断することにより、繰り返し投与による薬物の逆流及び外部からの汚染物質の侵入を防止できて感染による副作用を減らすことができる。
【0030】
さらに、本発明による薬物注入装置は、移植後に脳組織と結着しない生体適合性素材で製造されて移植安定性が高いため、長期間移植されても患者が免疫的拒絶反応なしに日常活動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【
図1】
図1は本発明の実施形態による薬物注入装置を概略的に示す組立斜視図である。
【0032】
【
図2】
図2は、
図1の薬物注入装置を定位ガイド機構を用いて患者の頭蓋骨内のターゲットポイントの位置を見つけて設置する手術の様子を示した図である。
【0033】
【
図3】
図3は、
図2の薬物注入装置が設置された後に薬物を注入する様子を示した断面図である。
【0034】
【
図4】
図4は、
図3の薬物注入装置が完全に組み立てられて稼動できる動作を概略的に示した側断面図である。
【0035】
【
図5】
図5(a)乃至
図5(c)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち、本体を示した平面図、側面図及び側断面図である。
【0036】
【
図6】
図6(a)乃至
図6(d)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち、本体固定部を示した平面図、底面図、c-c'側断面図及びd-d'側断面図である。
【0037】
【
図7】
図7(a)及び
図7(b)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち、可動部を示した側面図及び側断面図である。
【0038】
【
図8】
図8(a)乃至
図8(c)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち、可動栓部を示した平面図、側面図及び側断面図である。
【0039】
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち、締結部材を示した平面図及び側面図である。
【0040】
【
図10】
図10(a)乃至
図10(c)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち、ガイドチューブを示した平面図、側面図及側断面図である。
【0041】
【
図11】
図11(a)及び
図11(b)は、本発明に係る薬物注入装置のシーリング部の第1変形例を示した斜視図及び側断面図である。
【0042】
【
図12】
図12は本発明に係る薬物注入装置のシーリング部にフィルタが一体化された第2変形例を示した側断面図である。
【0043】
【
図13】
図13は本発明に係る薬物注入装置のガイドチューブの端部が変形したことを示した側断面図である。
【0044】
【
図14】
図14は本発明に係る第2実施形態の薬物注入装置を示した側断面図である。
【0045】
【
図15】
図15は本発明に係る第3実施形態の薬物注入装置を示した側断面図である。
【0046】
【
図16】
図16は本発明に係る第4実施形態の薬物注入装置を示した正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態による定位ガイド機構を詳細に説明する。ここで、添付の図面は、技術の構成及び作用の説明及び理解の便宜及び明確性のために部分を誇張または簡略化して示したものであり、各構成要素が実際のサイズと正確に一致するものではない。
【0048】
図1は本発明の実施形態による薬物注入装置を概略的に示した組立斜視図である。
【0049】
図1を参照すると、薬物注入装置100は、患者Pの頭蓋骨1と頭皮3との間に移植固定されて薬物を注入することができる。薬物注入装置100は、本体110と、本体固定部150と、可動部130と、シーリング部160と、可動栓部180と、締結部材170と、を含むことができる。
【0050】
本体110は頭蓋骨1と接して移植固定され、内部孔を形成することができる。また、本体110は、本体固定部150と隣接して結合して本体110の内部孔に可動部130を収容固定することができる。本体110は、支持部115と、挿入部113と、可動収容孔110aと、を含むことができる。本体110は頭蓋骨1の上部に位置して支持する支持部115を含み、支持部115の外径は本体固定部150の外径より小さく、可動部130の外径よりも大きくてもよい。支持部115は、本体固定部150と隣接して結合して本体110の内部孔に可動部130を収容固定することができる。支持部115は本体110の上部に位置するものであり、締結部材170が挿入されて動かないように固定する少なくとも1つの第1締結孔110bと、本体固定部150と結合するように固定する少なくとも1つの固定突起117と、を含むことができる。挿入部113は頭蓋骨1に挿入されるものであって、接して位置することができる。可動収容孔110aは、本体110の内部に可動部130を収容することができる。
【0051】
本体固定部150は、本体110と隣り合う内部孔が形成され、本体110と対向して結合固定して締結することができる。また、本体固定部150は、識別部157と、固定孔150aと、第2締結孔150bと、支持結合溝157aと、を含むことができる。識別部157は、上部が曲面に突出しており、前記薬物注入装置100の移植位置を識別することができる。固定孔150aは、可動部130が中心に移動しないように外部を固定することができる。第2締結孔150bは少なくとも1つからなり、上部の周辺に締結部材170が挿入されて動かないように固定することができる。支持結合溝157aは、支持部115と接する面が支持部115と一致する形状に凹状の溝で形成され、支持部115との結合が容易である。また、支持結合溝157aは、ヘッド収容溝157b及び突起収容溝157cのうち少なくとも一つをさらに形成することもできる。ヘッド収容溝157bは、支持部115と締結される締結部材170のヘッド部175が上部に突出したものを収容する溝であり、本体110が本体固定部150と結合するとき、支持部115と取付部155とが接する面の摩擦を低減することができる。また、ヘッド収容溝157bは、本体110と締結される締結部材170のヘッド部175が干渉することにより、本体固定部150との締結固定力が減少することを防止でき、本体固定部150と合わせて容易に結合されることができる。突起収容溝157cは、支持結合溝157aに少なくとも一つとして形成され、支持部115の固定突起117に対向して位置し、これを収容して結合することができる。
【0052】
したがって、本体固定部150は、本体110と結合する際、第2締結孔150b、支持結合溝157a及び突起収容溝157cを含む少なくとも3点以上の結合力を有するため、頭蓋骨1に長期間移植されていても、互いに分離されず固定力が向上することができる。
【0053】
可動部130は、本体110と本体固定部150との間に位置し、中央に薬物注入孔133が形成されてターゲットポイント7に方向転換が可能である。可動部130は、可動収容孔110aに位置し、外形が曲面からなり方向転換が可能な可動本体131を含み、この可動本体131の内部に中央が中空であり、ターゲットポイント7に薬物が注入されるように案内する薬物注入孔133を形成することができる。可動部130は、0.03mm未満の真球度からなる球状に形成することができる。可動部130が0.03mmを超えると、本体110の可動収容孔110aと当接する面が不均一であり、所望のターゲットポイント7の方向に回転しにくいことがある。また、可動部130の表面粗さRaは、0.1μmを超え、0.5μm未満の範囲を有することができる。0.1μm以下の場合、微細に真球度を逸脱して固定力が低下する問題が発生することがあり、0.5μm以上の場合、表面が粗くなって、本体110との接触時に摩擦を起こすため、固定力が弱くなることがある。つまり、角度調整時に完全な回転になりにくい限界がある。また、薬物注入装置100の組み立て時の不良率が高いことがある。
【0054】
前記薬物注入孔133は、第1収容部133aと第2収容部133bとを含むことができる。第1収容部133aは、可動部130の内部孔に位置するシーリング部160を収容することができる。第2収容部133bは、第1収容部133aと連結されて可動部130の内部下端に位置し、薬物注入時に挿入されるガイドチューブ140及び注射針191を収容することができる。第1収容部133aは、可動部130の内部孔の開始からシーリング部160が収容される点までねじ山で形成されることができる。シーリング部160は、可動部130の薬物注入孔133を密閉するように設けられ、薬物を注射するための注射針191が挿入されることができる。シーリング部160はシリコーン(Silicone)で製造され、これに限定されるものではなく、合成樹脂材料のうちの少なくともいずれか1つの材料からなることができる。シーリング部160は、注射針191が挿入されても元の形態に戻すことができる。したがって、シーリング部160は可動部130内に挿入されて外部からの汚染物質を遮断し、薬物注入装置100の脳移植後に感染されることを防止することができる。
【0055】
可動栓部180は、シーリング部160の上部に位置して可動部130を密閉固定し、シーリング部160が外部から分離離脱しないように遮断することができる。可動栓部180は、針収容部180aと、位置表示部185と、可動締結部183と、を含むことができる。針収容部180aは、中央に注射針191が注入されるように下方に向かうにつれて傾斜した孔が形成されることができる。位置表示部185は、針収容部180aを内部に含み、可動部130の外部に位置することができる。可動締結部183は位置表示部185と連結されており、外部にはねじ山が形成されて薬物注入孔133と雌雄をなすねじ山で締結されることができる。
【0056】
図1を参照すると、薬物注入装置100はガイドチューブ140をさらに含むことができる。ガイドチューブ140は、可動部130と連結されて脳実質5内に入ってターゲットポイント7に近い位置まで挿入され、そのターゲットポイント7に薬物を注入する注射針191をターゲットポイント7の方向に案内することができる。可動部130と結合されたガイドチューブ140は、頭蓋骨1と当接する点を基準にして中心軸CLからターゲットポイント7の方向に挿入されることができる。ガイドチューブ140は、薬物注入孔133の下端に取り付けられ、可動部130とガイドチューブ140との間を連結するチューブ連結部145を含むことができる。チューブ連結部145には、ガイドチューブ140の内部と延びる孔が形成されることができる。
【0057】
本発明に係る薬物注入装置100においては、本体110、本体固定部150、可動部130、可動栓部180及びガイドチューブ140のうちの少なくともいずれか一つがポリエーテルエーテルケトン(PEEK)で製造されることができるが、これに限定されるものではなく、身体移植接合性を有する素材なら、多様に適用して製造することができる。
【0058】
締結部材170は、本体110の上部と本体固定部150の上部を頭蓋骨1に締結する少なくとも2つを含むことができる。締結部材170は、ボディ部173とヘッド部175とを含むことができる。ボディ部173は、本体110及び本体固定部150のうち少なくともいずれかを頭蓋骨1内に植設固定することができる。ボディ部173は、頭蓋骨1内に植設固定され、端部までねじ山がテーパ状に形成され、少なくとも1つの圧力低減溝173aが形成されることができる。ヘッド部175はボディ部173と連結され、中央に位置して締結時に締結機構と水平に締結されるようにする水平溝175bと、水平溝175bを基準に横軸と縦軸を分ける線形に識別可能に形成された識別溝175aと、を含むことができる。また、締結部材170は、チタン素材からなることができるが、これに限定されるものではなく、身体移植接合性及び移植安定性を有する素材なら、多様に適用して製造されることができる。
【0059】
図2は、
図1の薬物注入装置を定位ガイド機構を用いて患者の頭蓋骨内のターゲットポイントの位置を見つけて設置する施術の様子を示した図であり、
図3は、
図2の薬物注入装置が設置された後、薬物を注入する様子を示した断面図である。
【0060】
図2及び
図3を参照すると、脳内に薬物注入が必要な脳疾患関連患者Pを対象に施術する際に、定位ガイド装置10を用いて薬物注入装置100の挿入をガイドすることができる。ここで、脳疾患は、例えば、脳腫瘍、ストローク、認知症疾患であるアルツハイマー(Alzheimer's)、精神系疾患であるパーキンソン病、うつ病、精神分裂などに関連する。薬物注入装置100は、患者Pの頭蓋骨3を穿孔して移植するために、頭蓋骨3のうち、側頭骨、頭頂骨などの位置に「U」字状に切開することができる。また、薬物注入装置100は、本体110と、可動部130と、ガイドチューブ140と、本体固定部150と、シーリング部160と、可動栓部180と、を含むことができる。本体110は頭蓋骨3に埋め込まれており、本体110の上端は頭皮5と頭蓋骨3との間に位置し、本体110の下端は頭蓋骨3内に挿入されて位置することができる。可動部130は、本体110の内部に挿入されるものであって、上部が開放された球状を有し、脳実質内の病巣であるターゲットポイント7に方向転換することができる。
【0061】
図2を参照すると、定位ガイド装置10は、可動部130と結合して中心軸CLに位置するガイドチューブ140を中心CLから方向転換してターゲットポイント7に位置するようにガイドできる。ここで、定位ガイド装置10は、ガイドハンドル13と、位置調整部15と、位置調整ハンドル部17と、ボルト部19と、を含むことができる。詳細には、ガイドハンドル13を可動部130に設け、その内部に長いロッド状の位置調整部15にガイドチューブ140を結合設置して挿入することができる。挿入時に位置調整部15が揺れたり折れたりすることを防止するために、位置調整部15の端部に位置調整ハンドル部17を結合設置することができる。定位ガイド機構100は、ガイドチューブ140をターゲットポイント7にできるだけ近づけて配置した後、頭蓋骨3から分離除去することができる。
【0062】
一方、
図2は、定位ガイド機構100を用いてガイドチューブ140がターゲットポイント7に位置する最終的な様子のみを示したものである。これに限定されず、図面には示されていないが、定位ガイド装置10は、連結ガイド部(図示せず)をさらに含むことができる。連結ガイド部は、ガイドチューブ140のガイドハンドル13内に正確に挿入されるようにガイドすることができる。連結ガイド部は、パイプ状の少なくとも一対で構成され、取り外し可能であり、ガイドハンドル13の上端にさらに設けられることができる。また、連結ガイド部は、一端がガイドハンドル13の内部に挿入され、他端がガイドハンドル13の上部に取り付けられて、ガイドチューブ140が挿入されることをさらにガイドすることができる。連結ガイド部は、挿入されるチューブ連結部145と接する状態になると、分離除去されることができる。除去された後、
図2に示したように、位置調整ハンドル部17の先端は、チューブ連結部145を押しながら可動部130の下端に位置させることができる。
【0063】
図3に示したように、ガイドチューブ140には、脳疾患関連薬物を内部に投入する注射針191が挿入されることができる。ここで、注射針191は、例えば、トロカール針、検査用針などを内部に収容することができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、種々の施術器具及び装置、例えば、ナビゲーションプローブ、刺激リード、切除プローブまたはカテーテル、注射または流体送達装置、生検針、抽出ツール等が挿入されて診断及び/又は治療手順を実行できる。
【0064】
また、薬物注入装置100を用いて様々な脳疾患関連薬物を注入することができる。例えば、アミロイド仮説(β-アミロイドタンパク質の生成を抑制する物質)、Aβタンパク質凝集抑制剤、タウ凝集抑制剤、コリン分解酵素抑制剤、NMDA収容体またはアンタゴニスト、コリン性前駆物質、抗酸化物質、糖治療薬などの認知症関連化学薬物、ヒト臍帯血細胞、ヒト臍帯血由来間葉系幹細胞、神経幹細胞、骨髄幹細胞などの幹細胞、パーキンソン病、うつ病、精神分裂などの精神系疾患治療薬、脳腫瘍及びストローク関連治療薬などが含まれることができる。
【0065】
図2及び
図3を参照すると、以下のように本発明による薬物注入装置100を設置する施術方法について詳細に説明する。
【0066】
【0067】
<施術方法>
【0068】
ナビゲーション装置(図示せず)を用いて、MRI撮影を通じてターゲットポイント7となる位置を探し、座標上の頭蓋骨1に位置を表示して施術前準備工程を行う(S10)。
【0069】
施術前準備工程(S10)は、ナビゲーションプローブを用いて位置を入力してMRI装置で映像及び写真を送信する工程を含むことができる(S11)。
【0070】
MRI撮影された画像または写真に基づいて患者P、すなわち、人間の脳内のターゲットポイント7となる位置を見つけ、頭皮3、すなわち、皮下層に基準となる複数の区間をマーキングする工程を含むことができる(S13)。
【0071】
ナビゲーションプローブの種類は、測定用プローブと検証用プローブに分類することができる。このうち、検証用プローブを用いて格子する前の経路を確認した後、患者Pの頭皮3にマーキングすることができる。マーキング部位に位置する患者Pの頭皮3を、例えば、「L」、「¬」、「S」などの形状に切開する工程を含むことができる(S15)。
【0072】
切開後、穿孔のための空間を確保するために切開部位を広げ、切開した皮下層5を施術用糸を用いて束ねて引っ張ることができ、施術中に広がらないように固定する工程を含むことができる(S17)。この際、鉗子(forceps)などを利用して固定及び広げることができる。また、施術中に視野及び可視距離を確保するために、必要に応じて生理食塩水と共に吸引カテーテル(suction catheter)を用いて異物、血液等を吸入して視野を確保する工程を含むことができる(S17a)。
【0073】
切開されて露出した頭蓋骨1に穿孔した(Burr hole)後、ピンセットで骨削り屑または残留物を除去する工程を含むことができる(S19)。
【0074】
患者Pの頭皮5を切開して頭蓋骨1に穴(Burr hole)を出して薬物注入装置100を穿孔部位に移植する工程を行うことができる(S20)。
【0075】
まず、本体110を頭蓋骨1に移植固定して締結した後、可動収容孔110aに可動部130を挿入し、第1締結孔110bに少なくとも2つの締結部材170を設けることができる(S30)。
【0076】
可動部130を挟んで本体110の上部に本体固定部150に対向して設けることができる。また、本体固定部150に形成された固定孔150aと本体110の可動収容孔110aとが可動部130を収容しながら連通するように設けることができる(S40)。
【0077】
次に、本体固定部150に形成された第2締結孔150bに少なくとも2つの締結部材170を設ける。このとき、締結部材170は、可動部130が移動する程度だけ固定させ、可動部130にガイドハンドル13を設ける工程を行うことができる(S50)。
【0078】
ガイドハンドル13の内部に光ガイド部123が組み立てられたプローブ収容部(図示せず)を設け、その内部にナビゲーションプローブ(図示せず)を挿入して方向転換しながらターゲットポイント7を探すために調整する工程を実施することができる(S60)。
【0079】
正確なターゲットポイント7が設定されると、ナビゲーションプローブ(図示せず)とプローブ収容部(図示せず)をガイドハンドル13から分離除去することができる(S70)。
【0080】
チューブ連結部145を含むガイドチューブ140を準備する。次に、位置調整部15に位置調整ハンドル部17とボルト部19とを締結して一組として準備する。このとき、位置調整ハンドル部17がチューブ連結部145と接する部分まで到達すると、ボルト部19を位置調整ハンドル部17の締結収容部179に締結して固定させることができる(S80)。
【0081】
前記ガイドハンドル13の上端に一対の分離可能な連結ガイド部(図示せず)を設け、その内部の中心に位置調整部15を含むガイドチューブ140が挿入されることをさらに案内することができる。チューブ連結部145が連結ガイド部(図示せず)に当たると、連結ガイド部(図示せず)を分離除去し、位置調整ハンドル部17の先端がチューブ連結部145を押しながら可動部130の下端に配置するまで挿入する工程を実施する(S90)。
【0082】
前記位置調整部15がガイドチューブ140の端部に位置して一緒に移動しながら、脳実質5内のターゲットポイント7の方向に回転し、ガイドチューブ140よりも先にターゲットポイント7に到達するように位置調整ハンドル部17を調整することができる(S100)。
【0083】
ガイドチューブ140がターゲットポイント7に近接して位置すると、位置調整部15のセットをガイドハンドル13から分離除去し、最終的にガイドハンドル13も可動部130から分離除去することができる(S110)。
【0084】
一方、脳実質5内のターゲットポイント7の方向に回転させる方法において、S50乃至S110に含まれる位置調整ハンドル部17を用いてガイドチューブ140を位置させることに限定されるものではない。S50乃至S110を省略し、ガイドチューブ140が挿入された可動部130のみを最大角度60°以内に回転させてターゲットポイント7に位置させることもできる。
【0085】
脳実質5内のターゲットポイント7の方向に回転された可動部130の内部にシーリング部160を挿入し、その上部に可動栓部180を専用ドライバ(図示せず)を用いて締結設置することができる。また、本体110の上部に緩く位置する締結部材170を再び締結して患者Pの頭蓋骨1上に薬物注入装置100を固定することができる(S120)。
【0086】
薬物注入装置100の初期移植が完了した後、可動栓部180の位置表示部185を外観識別して位置を見つけることができる(S130)。
【0087】
治療剤195を含む注射針191は、可動栓部180の針収容部180a、シーリング部160、チューブ連結部145の挿入ガイド孔145a及びガイドチューブ140の方向に沿って順次挿入してターゲットポイント7に挿入し、治療剤195を長期間にわたって繰り返し投与することができる(S140)。
【0088】
詳しくは、薬物注入工程(S140)は、治療剤195の薬物を含む注射針191が可動栓部180、針収容部180a、シーリング部160、挿入ガイド孔145a及びガイドチューブ140の順に通過して最終のターゲットポイント7に到達して薬物を投与することを含むことができる(S145)。ここで、挿入ガイド孔145a及び針収容部180aのそれぞれは、漏斗のように下端に向かって狭くなる形状を有し、薬物がガイドチューブ140内に円滑に流入するように形成されることができる。また、治療剤195の薬物を含む注射針191が最終のターゲットポイントに到達して、長期間にわたって複数回の繰り返し投与を行うことを含むことができる(S147)。このとき、ガイドチューブ140の端部に薬物が溜まらないように少なくとも1つ以上の薬物投与孔140aを形成して、薬物が端部に溜まらずターゲットポイント7に均等に分散して薬物を投入する工程を含むことができる(S149)。
【0089】
図4は、
図3の薬物注入装置を完全に組み立てて稼動できる動作を概略的に示した側断面図である。
【0090】
図4を参照すると、本発明による薬物注入装置100は、本体110と、可動部130と、本体固定部150と、ガイドチューブ140と、シーリング部160と、可動栓部180と、を含み、完全に組み立てられることができる。本体110は、下端が頭蓋骨1に挿入される挿入部113であり、上端が頭蓋骨1の上部を水平に支持する支持部115を含むことができる。支持部115に本体固定部150の取付部155が当接して設けられることができる。このとき、本体110と本体固定部150との間の結合固定力をさらに高めるために、その間に締結部材170をさらに設けることができる。詳しくは、支持部115の一端に第2締結孔150bが形成され、第2締結孔150bに締結部材170が設けられることができる。また、支持部115の他端には、本体110の第1締結孔110bと対向して接するヘッド収容溝157bが形成され、第1締結孔110bに締結された締結部材170のヘッド部175が安着されることができる。したがって、薬物注入装置100は、第1締結孔110bと第2締結孔150bとが互いに異なる少なくとも3箇所に形成されている。すなわち、本体110と本体固定部150との締結時に少なくとも6箇所に締結部材170を設けることができる。したがって、薬物注入装置100は、移植の後、本体110と本体固定部150との分離離脱が容易ではなく、初期移植固定力を維持することができる。
【0091】
また、本体110の中央に形成された可動収容孔110aには、外形が曲面からなり、方向転換が可能な可動本体131が設けられることができる。この可動本体131の内部に中央が中空であり、ターゲットポイント7に薬物が注入されるようにガイドする薬物注入孔133を形成することができる。この薬物注入孔133の下端にガイドチューブ140が設けられ、ターゲットポイント7の方向に回転されることができる。すなわち、可動部130と結合されたガイドチューブ140は、頭蓋骨1と接する面を基準として中心軸CLから左右側のターゲットポイント7の方向に回転できる可動範囲の最大角度が60°以内であることができる。最大角度が60°を超えると、支持部115と結合された取付部155の一側面に過剰な負荷が生じて、結合バランスが崩れるため、取付部155が分離離脱することができる。また、可動部130に設けられたガイドチューブ140がターゲットポイント7の方向に位置が確定されるとき、薬物注入孔133にチューブ連結部145が着座し、チューブ連結部145の上部にシーリング部160が設けられることができる。ここで、シーリング部160は、可動部130の内部に挿入されるように一定の高さL
6及び外径の大きさD
10を有することができる。シーリング部160の条件範囲は、
図8で後述する。シーリング部160の上部には、可動栓部180の可動締結部材170を設けることができる。可動栓部180は、中央に中空の針収容部180aが形成されることができる。また、可動栓部180の位置表示部185は六角形に形成されて移植された位置を表示することができる。したがって、薬物注入装置100を頭蓋骨1に移植した後、頭皮3を覆って縫合したときに位置表示部185を介して移植された位置を探し、注射針191が針収容部180a、シーリング部160、チューブ連結部145の挿入ガイド孔145a及びガイドチューブ140の順に挿入されることができる。
【0092】
図5(a)乃至
図5(c)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち本体を示した平面図、側面図及び側断面図である。
【0093】
図5(a)乃至
図5(c)を参照すると、本体110は、内部に前記可動部130を収容する可動収容孔110aを形成することができる。そして、本体110は、頭蓋骨1の上部に位置し、患者Pの頭蓋骨1に固定支持する支持部115と、頭蓋骨1に挿入される挿入部113と、を含むことができる。
【0094】
また、本体110は、下記の数式1及び数式2のうち少なくともいずれかを満たすことができる。
【0095】
【0096】
【0097】
ここで、D1は挿入部113の外径の大きさ、D2は可動収容孔110aの内径の大きさ、L1は挿入部113の挿入高さである。
【0098】
数式1の下限値を外れる場合、本体110をなす厚さが薄くなって可動部130を固定しにくくなり、数式1の上限値を外れる場合、可動部130が安着せず外部に露出することがあるため、感染などの危険性が高まる可能性がある。したがって、数式1の条件範囲を満たす場合、本体110は頭蓋骨1と頭皮3との間に位置することができ、可動収容孔110aに可動部130が安着して結合され得る適切な厚さを有することができる。
【0099】
一方、数式2の下限値を外れる場合、挿入部113は頭蓋骨1の厚さより低い高さを有することにより、可動部130を収容する空間を得ることができず、数式2の上限値を外れる場合、本体110が頭蓋骨1の厚さを逸脱して脳実質5を圧迫する挿入部113の厚さを有することができるため、施術後の患者Pに頭痛、めまいなどの副作用を招くことがある。したがって、数式2の条件範囲を満たす場合、挿入部113が頭蓋骨1に挿入されて脳実質5を圧迫しない適正の高さを有することができる。
【0100】
支持部115は、第1締結孔110bと固定突起117とを含むことができる。第1締結孔110bは少なくとも一つであり、本体110の上部に位置し、締結部材170が挿入されて動かないように固定されることができる。固定突起117は、少なくとも1つからなり、本体固定部150と結合するように固定させることができる。
【0101】
少なくとも1つの固定突起117及び第1締結孔110bが形成されて、下記の数式3を満たすことができる。
【0102】
【0103】
ここで、D3は支持部115の外径の大きさであり、L2は支持部115の高さである。
【0104】
数式3の下限値を外れる場合、支持部115の外径と比較して高さが高いため、頭蓋骨1に安定して安着しにくくなり、数式3の上限値を外れる場合、支持部115の外径が大きくなるので、第1締結孔110bの間の距離が遠くなり、時間が経つにつれて固定力が弱くなることがある。したがって、数式3の条件範囲を満たす場合、支持部115は頭蓋骨1に挿入された挿入部113を取り付けることが容易であり、固定突起117及び第1締結孔110bを形成することに最適な直径及び高さを有することができるため、固定力及び安定性を確保することができる。
【0105】
固定突起117は、下記の数4を満たすことができる。
【0106】
【0107】
ここで、D4は固定突起117の外径の大きさであり、L3は固定突起117の高さである。
【0108】
数式4の下限値を外れる場合、固定突起117の高さが高くなって、本体固定部150と結合するときに破損しやすく、締結されても、本体固定部150の一部が上方に浮かんで可動部130が固定されないという問題が発生することがあり、数式4の上限値を超える場合、固定突起117の高さが低くなるにつれて固定突起117を固定する機能が失われる可能性がある。したがって、数式4の条件範囲を満たす場合、本体固定部150と締結後、支持部115が回転または離脱することなく時間が経っても固定力を維持することができる。
【0109】
図6(a)乃至
図6(d)は、本発明の実施形態による薬物注入装置の構成のうち、本体固定部を示した平面図、底面図、c-c'側断面図及びd-d'側断面図である。
【0110】
図6(a)乃至
図6(d)を参照すると、本体固定部150は、本体110と対向して結合固定して締結することができる。本体固定部150は、可動部130が移動しないように外部を固定する固定孔150aが中心に形成されることができる。また、本体固定部150は、上部の周りに締結部材170が挿入されて動かないように固定する少なくとも1つの第2締結孔150bが形成されることができる。
【0111】
図6(c)は、本体固定部150の平面図(a)をc-c’のように切断したときの側断面図である。本体固定部150の上端には中央に固定孔150aが形成され、本体110に対向して位置する取付部155には第2締結孔150bが形成されて、締結部材170が設置結合されることができる。
【0112】
図6(d)は、本体固定部150の底面図(b)をd-d’のように切断したときの側断面図である。本体固定部150は、中央に固定孔150aが形成され、外部から見て移植位置を判別することができる識別部157を含むことができる。識別部157は、取付部155と比較した際に凸状に突出した形状を有し、その底面には本体110の第1締結孔110bと対向するヘッド収容溝157bが形成されることができる。このヘッド収容溝157bは、第1締結孔110bに設けられる締結部材170のヘッド部175が位置することができる。
【0113】
固定孔150a及び本体固定部150は、下記の数式5及び/又は本体固定部150の高さが1mm~9mmのうちの少なくともいずれか一つを満たすことができる。
【0114】
【0115】
ここで、D5は固定孔150aの外径の大きさであり、D6は本体固定部150の外径の大きさである。
【0116】
数式5の下限値を外れる場合、本体固定部150の中心の固定孔150aが大きくなると、外部から露出する部分が多くなり感染問題が発生することがあり、数式5の上限値を外れる場合、本体固定部150の中心の固定孔150aが小さすぎるため、シーリング部160及び可動部130のうちの少なくとも一方が固定孔150aに挿入されにくい場合がある。したがって、数式5の条件範囲を満たす場合、本体110と結合して固定力を維持しやすく、固定孔150aにシーリング部160及び可動部130が挿入されて、外部から汚染物質を遮断して感染を防ぐことができる。
【0117】
また、本体固定部150の高さが1mm~9mmの範囲から外れる場合、患者Pの頭皮3の高さよりも高くなり、移植後の外観が突出形成することができるため、患者Pの日常生活に不便をもたらすことができる。したがって、本体固定部150の高さが1mm~9mmの範囲を満たす場合、移植後の外観上特に差がないため、患者Pが感じる不快感が軽減され、外部衝撃による損傷が減少し、患者Pの円滑な日常生活を維持することができる。
【0118】
図6(a)及び
図6(b)を参照すると、本体固定部150は、識別部157と、固定孔150aと、第2締結孔150bと、支持結合溝157aと、を含むことができる。識別部157は、上部が曲面状に突出しており、薬物注入装置100の移植位置を識別することができる。固定孔150aは、可動部130が中心に移動しないように外部を固定することができる。第2締結孔150bは、上部の周りに締結部材170が挿入されて動かないように固定する少なくとも1つで構成することができる。支持結合溝157aは、下部が曲面状に凹んで形成され、本体110の支持部115の形状と一致し、結合が容易である。また、支持結合溝157aは、内部に固定突起117と対向して結合される少なくとも1つの突起収容溝157cを含み、支持結合溝157aは、下記の数式6を満たすことができる。
【0119】
【0120】
ここで、R1は支持結合溝157aの半径を意味する。
【0121】
数式6の下限値を外れる場合、本体110と結合する際に支持部115を収容しにくいため、固定力が弱くなることがあり、数式6の上限値を外れる場合、本体110を収容しても残る空間が発生して本体110との結合固定力が弱くなる。したがって、数式6の条件範囲を満たす場合、支持結合溝157aは円を三等分する際に生じる一定の面積を有することができるため、支持部115の形状に合わせて長期間結合しても分離離脱することなく固定力を維持できる。
【0122】
図7(a)及び
図7(b)は、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち可動部を示した側面図及び側断面図である。
【0123】
図7(a)及び
図7(b)を参照すると、可動部130は本体110と本体固定部150との間に位置し、中央には薬物注入孔133が形成されてターゲットポイント7に位置調整が可能である。可動部130は、可動部130と薬物注入孔133とを含むことができる。可動部130は、可動収容溝110aと固定孔150aとの間に位置し、曲面で可動部130の外形をなして位置調整が可能である。薬物注入孔133は、頭蓋骨1内に薬物が注入されるように内部の孔を形成することができる。
【0124】
可動部130は、下記の数式7を満たすことができる。
【0125】
【0126】
ここで、D8は可動部130の外径の大きさであり、L5は可動部130の高さである。
【0127】
数式7の下限値を外れる場合、可動部130の高さが高くなるため、シーリング部160を挿入できる内部空間を設けることに限界があり、回転が難しくなることがあり、数式7の上限値を外れる場合、可動部130の外径が大きくなるにつれて、本体固定部150が上部に締結されにくい。また、脳実質5を圧迫して施術後の患者Pに不快感や副作用を誘発させることができる。したがって、数式7の条件範囲を満たす場合、可動部130は球状で本体110と本体固定部150との間に位置してターゲットポイント7の方向に回転が可能である。
【0128】
薬物注入孔133は、可動部130の内部孔に位置するシーリング部160を収容する第1収容部133aと、第1収容部133aと連結されて可動部130の内部下端に位置し、薬物の注入時に挿入される注射針を収容する第2収容部133bと、を含むことができる。第1収容部133aは、可動部130の内部孔の開始からシーリング部160が収容される点までねじ山で形成されることができる。
【0129】
第1収容部133a及び第2収容部133bは、それぞれ、下記の数式8及び数式9のうち少なくともいずれかを満たすことができる。
【0130】
【0131】
【0132】
ここで、V1は第1収容部133aの内部空間体積であり、D9は第2収容部133bの内径の大きさである。
【0133】
数式8の下限値を外れる場合、第2収容部133bの内径の大きさよりも第1収容部133aの内部空間体積が大きくなり、ガイドチューブ140の挿入時に第2収容部133bを探して挿入し難くなり、数式8の上限値を外れる場合、第2収容部133bの内径の大きさが第1収容部133aの内部空間体積より大きくなり、ガイドチューブ140の挿入時の位置決めが難しくなることがあり、移植の後、時間が経つにつれて固定力が低下する可能性がある。したがって、数式8の条件範囲を満たす場合、第1収容部133aにシーリング部160が収容されて外部から汚染物質を遮断して脳実質5に浸透しないように保護することができる。また、第1収容部133aに薬物を保管できる空間が確保できるため、認知症治療剤、脳疾患関連疼痛治療剤等の一定量で繰り返し投与が必要な薬物が溜まってガイドチューブ140を通過しながらターゲットポイント7に投与されることができる。これにより、数式8の条件範囲を満たす可動部130の第1及び第2収容部133bは、薬物注入装置100の繰り返し投与機能を向上させることができる。
【0134】
一方、数式9の下限値から外れる場合、第2収容部133bへのガイドチューブ140の挿入が困難であり、数式9の上限値から外れる場合、第2収容部133bの内径がガイドチューブ140の外径より大きくなるにつれて、余分な空間である隙間が生じることがある。その間隙に薬物が注入されるとき、ターゲットポイント7以外の脳実質5の部分に投与されて副作用を引き起こす可能性がある。したがって、数式9の条件範囲を満たす場合、第2収容部133bの内径がガイドチューブ140の外径に合わせて結合されるので、薬物の注入時にターゲットポイント7に精密かつ正確に投与されることができる。
【0135】
第1収容部133aは、側面が可動部130の内部孔の開始からシーリング部160が収容される点までねじ山で形成されることができる。
【0136】
ここで、ねじ山が形成される高さは、下記の数式10を満たすことができる。
【0137】
【0138】
ここで、L5は第1収容部133aと第2収容部133bの全体の高さを意味し、L5aはねじ山で形成される高さを意味する。
【0139】
数式10の下限値を外れる場合、ねじ山で形成される高さは可動栓部180と締結設置されにくい場合があり、数式10の上限値を外れる場合、第1及び第2収容部133a、133bの全体高さの大部分がねじ山で形成される高さと同じであるため、第2収容部133bの内部にシーリング部160が収容されにくく、収容されても、側面のねじ山の部分によってシーリング部160が損傷することがある。したがって、数式10の条件範囲を満たす場合、第1及び第2収容部133a、133bの全高はシーリング部160及びガイドチューブ140を収容することができ、ねじ山で形成される高さは可動栓部180と締結されて外部からの汚染物質を遮断することができる。
【0140】
図8(a)乃至
図8(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち可動栓部を示した平面図、側面図及び側断面図である。
【0141】
図8(a)乃至
図8(c)を参照すると、可動栓部180は、針収容部180aと、位置表示部185と、可動締結部183と、を含むことができる。針収容部180aは、可動栓部180の中央に注射針191が注入される孔であり、どの方向に注射針191が挿入されても中央に挿入できるように内部に行くほど狭くなる漏斗形状を有することができる。位置表示部185は、可動部130の上部に位置して六角形に形成され、六角形の角部は成形されることができる。しかしながら、これに限定されず、位置を表示することができる様々な形状に適用されることができる。したがって、位置表示部185は、薬物注入装置100を介して薬物を繰り返し投与する際に、針収容部180a部分が施術者の手に触れて薬物注入位置を発見できるように識別する機能を有する。可動締結部183は位置表示部185と連結されており、外部にはねじ山が形成されて薬物注入孔133と雌雄をなすねじ山で締結されることができる。
【0142】
シーリング部160及び可動栓部180は、下記の数式11及び数式12の少なくともいずれかを満たすことができる。
【0143】
【0144】
【0145】
ここで、D10はシーリング部160の外径の大きさ、D11は可動栓部180の外径の大きさ、L6はシーリング部160の高さ、L7は可動栓部180の高さである。
【0146】
数式11の下限値を外れる場合、シーリング部160の外径が大きくなり、その上部を遮断する可動栓部180を押し出すことができ、その押し出した隙間の間に外部からの異物が浸透して副作用を誘発することができる。数式11の上限値を外れる場合、シーリング部160は比較的小さくなるので、可動部130内に固定位置しないことがあり、可動栓部180を介して挿入された注射針191をシーリング部160に通すのは困難であり得る。したがって、数式11の条件範囲を満たす場合、可動栓部180はシーリング部160を常に遮断することができ、外部からの異物の浸透を防止することができる。
【0147】
一方、数式12の下限値を外れる場合、シーリング部160の高さが相対的に大きくなるため、可動栓部180が可動部130の内部に締結されにくい限界があり、数式12の上限値を外れた場合、可動栓部180の高さが相対的に大きくなるにつれて、可動部130と締結後、本体固定部150の固定孔150aから外れて目立つように頭皮3より高く突出することがある。このような状態は、薬物注入装置100の移植後に患者Pが日常生活に不快感を感じることがあり、さらにひどくなると痛み誘発症状などの副作用を招く可能性がある。したがって、数式12の条件範囲を満たす場合、シーリング部160は可動部130の内部への収容に適し、その上部に可動栓部180が遮断されることにより外部からの異物や汚染を遮断することができるため、移植の適合性及び安定性を有することができる。また、適正高さを有するシーリング部160及び可動栓部180は突出せずに頭蓋骨1と頭皮3との間に位置して、移植後の患者Pが日常生活を円滑にすることができる。
【0148】
針収容部180aは、下記の数式13を満たすことができる。
【0149】
【0150】
ここで、A1は中心軸を基準に左右をなす角度のうち、前記針収容部180aの上端部の角度を意味し、A2は前記針収容部180aの中間部分の角度を意味する。
【0151】
数式13の条件範囲を外れる場合、注射針191が針収容部180aの上端を通過するとき、中間部分の角度が急激に大きくなるにつれて、注射針191の経路方向が変わって折れたり挿入が難しくなることがある。数式13の条件範囲を満たす場合、注射針191が外部から針収容部180aの上端に接するとき、どの方向に注射針191を挿入しても最終的に針収容部180aの下端部を通過して所望のターゲットポイント7の方向に挿入することができる。
【0152】
位置表示部185は、下記の数式14を満たすことができる。
【0153】
【0154】
ここで、L7は可動栓部180の全高を意味し、L7aは位置表示部185の高さを意味する。
【0155】
数式14の下限値を外れる場合、可動栓部180で可動締結部183が大部分を占めるため、可動部130との締結は容易であるが、設置、分離除去過程で可動部130から可動栓部180を分離することが困難であり、数式14の上限値を外れる場合、可動栓部180で可動締結部183がほとんど占める割合がないため、可動部130との締結が困難である。したがって、数式14の条件範囲を満たす場合、可動栓部180は可動部130に締結されて外部から汚染物質の流入を遮断でき、結合及び分離離脱が容易である。
【0156】
図9(a)及び
図9(b)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち締結部材を示した平面図及び側面図である。
【0157】
図9(a)及び
図9(b)を参照すると、締結部材170は、本体110の上部と本体固定部150の上部を頭蓋骨1に締結する少なくとも2つを含むことができる。締結部材170は、頭蓋骨内に植設固定されたボディ部173と、ボディ部173と連結されて取り付けられるヘッド部175とを含むことができる。
【0158】
ボディ部173及びヘッド部175は、下記の数式15及び数式16の少なくともいずれかを満たすことができる。
【0159】
【0160】
【0161】
ここで、D11は前記ボディ部173の外径の大きさを意味し、D12は前記ヘッド部175の外径の大きさを意味し、L9は前記ボディ部173の長さを意味し、L8は前記ヘッド部175の長さを意味する。
【0162】
数式15の下限値を外れる場合、ボディ部173の直径がヘッド部175の直径よりも大きくなることにより、締結後に取付けられず、締結される孔に落ち込むことができ、数式15の上限値を外れる場合、ヘッド部175が相対的に大きくなることができて本体固定部150による干渉が発生して締結が困難であり、相対的にボディ部173の力が弱くなって固定力が低下し、安定した締結が不可能になる。したがって、数式15の条件範囲を満たす場合、締結部材170は、本体110及び本体固定部150を固定することができ、薬物注入装置100の移植安定性及び固定力を向上させることができる。
【0163】
一方、数式16の下限値を外れる場合、ヘッド部175の長さが相対的に長くなるにつれて移植されるボディ部173を固定支持することが困難であり、数式16の上限値を外れる場合、ボディ部173が比較的長くなるにつれて、頭蓋骨1を離れて脳実質5まで圧迫して、移植後に副作用を引き起こす可能性がある。したがって、数式16の条件範囲を満たす場合、締結部材170がヘッド部175とボディ部173との間の適切な割合を有することにより、頭蓋骨1に植設されて薬物注入装置100を固定させることができる。
【0164】
ヘッド部175は、中央に位置して締結時に締結機構と水平に締結されるようにする水平溝175bと、水平溝175bを基準に横軸と縦軸を分ける線形で識別可能に形成された識別溝175aと、を含むことができる。
【0165】
水平溝175b及び識別溝175aは、下記の数式17を満たすことができる。
【0166】
【0167】
ここで、L8aは識別溝175aの深さを意味し、D13は水平溝175bの外径の大きさを意味する。
【0168】
数式17の下限値を外れる場合、識別溝175aの長さが相対的に長くなるにつれて水平溝175bの機能が失われることがあり、数式17の上限値を外れる場合、水平溝175bの外径の大きさが比較的大きくなるにつれて、識別溝175aの識別機能が減少する可能性がある。したがって、数式17の条件範囲を満たす場合、ヘッド部175は、識別溝175aの識別機能と、水平溝175bの締結部材170を水平に合わせて締結する機能との両方を有することができる。
【0169】
ボディ部173は、頭蓋骨内に植設固定され、端部までねじ山がテーパ状に形成され、下記の数式18を満たす少なくとも1つの圧力低減溝173aを形成することができる。
【0170】
【0171】
ここで、L9はボディ部173の長さを意味し、L9aは圧力低減溝173aが形成された部分の長さを意味する。
【0172】
数式18の下限値を外れる場合、圧力低減溝173aがボディ部173の長さより相対的に長く設計されるため、締結部材170の機能が失われて固定力が弱くなることがあり、数式18の上限値を外れる場合、締結部材170は圧力低減溝173aをほとんど持たないため、植設時に骨組織に圧力を増加させることができる。このように長期間移植される場合、骨組織が損傷して炎症を引き起こす可能性があり、ひどいと移植手術の副作用を引き起こす可能性がある。したがって、数式18の条件範囲を満たす場合、圧力低減溝173aが形成された締結部材170が骨に植立されるときに骨組織を損傷する圧力を比較的弱くして骨の損傷を最小化することができる。
【0173】
図10(a)乃至
図10(c)は、それぞれ、本発明の実施形態に係る薬物注入装置の構成のうち、ガイドチューブを示した平面図、側面図及び側断面図である。
【0174】
図10(a)乃至
図10(c)を参照すると、ガイドチューブ140は、ターゲットポイント7に薬物を注入する注射針をターゲットの方向にガイドすることができる。そして、ガイドチューブ140は、脳実質5を通過するときの損傷を最小限に抑えるために表面が滑らかであり得る。
【0175】
また、ガイドチューブ140は、長さが10mm~300mmの範囲を含むことができ、下記の数式19を満たすことができる。
【0176】
【0177】
ここで、D14aはガイドチューブ140の内径の大きさを意味し、D14bはガイドチューブ140の外径の大きさを意味する。
【0178】
数式19の下限値を外れると、注射針191の挿入時のガイドチューブ140の厚さが薄いため、注射針191が通過するときにガイドチューブ140の内部が裂けたり破損することがある。また、ガイドチューブ140が脳実質5に挿入されるときに強度が弱すぎて脳実質5に癒着して副作用を引き起こしたり、注射針191を収容してガイドする機能が失われたりすることができ、数式19の上限値を外れる場合、ガイドチューブ140の厚さが厚くなり、注射針191の挿入が困難になる可能性がある。また、ガイドチューブ140は、厚さに応じた挿入強度が強くなるため、脳実質5への挿入時に損傷を起こすことがある。したがって、数式19の条件範囲を満たす場合、ガイドチューブ140は、まず脳実質5の損傷が最小になるように挿入され、次に注射針191がガイドチューブ140内に収容されるときにターゲットポイント7の方向に投入されるように案内することができる。
【0179】
一方、ガイドチューブ140は、チューブ連結部145をさらに含むことができる。チューブ連結部145は、薬物注入孔133の下端に取り付けられ、可動部130とガイドチューブ140との間を連結し、内部ガイドチューブ140の内部と延びる挿入ガイド孔145aを形成することができる。この挿入ガイド孔145aは、下方に向かって狭くなる漏斗形状を有することができるが、これに限定されず、中心方向に案内可能な様々な形状に形成されることができる。したがって、挿入ガイド孔145aは、注射針191が針収容部180aを通過したときに中心とは異なる方向にねじられても、ターゲット支点7に正確に挿入されるように針収容部180aと共に中心方向に二重ガイドする役割をすることができる。
【0180】
チューブ連結部145は、下記の数式20及び数式21の少なくともいずれかを満たすことができる。
【0181】
【0182】
【0183】
ここで、D15はチューブ連結部145の外径の大きさ、D16はチューブ連結部145の内径の大きさ、L10はチューブ連結部145の高さである。
【0184】
数式20の下限値を外れる場合、チューブ連結部145の内径が相対的に大きくなるにつれてチューブ連結部145の厚さが薄くなることがあるため、注射針191の挿入時に破れたり破損することがあり、数式20の上限値を外れる場合、チューブ連結部145の厚さが大きくなるため、内部の空間が小さくなり、注射針191の挿入と分離が困難になることがある。したがって、数式20の条件範囲を満たす場合、チューブ連結部145が可動部130の下端に支持固定されるので、分離離脱することなく安定して結合されることができる。また、チューブ連結部145は、内部に注射針191が通過するにつれてターゲットポイント7の方向に案内することができる。
【0185】
一方、数式21の下限値を外れる場合、チューブ連結部145の高さが相対的に低くなり、支持する固定力が弱くなることがあるため、脳実質5から離脱分離されて副作用を招くことができ、数式21の上限値を外れる場合、チューブ連結部145の高さが相対的に高くなり、可動部130の内部にシーリング部160と共に収容されることに限界がある。したがって、数式21の条件範囲を満たす場合、チューブ連結部145は可動部130の内部に設けられて固定力で支持され、その上部にシーリング部160を設けて外部から汚染物質を遮断させることができる。
【0186】
ガイドチューブ140は、片側または両側に薬物が不均一に流れるように少なくとも1つの薬物投与孔140aを形成することができる。また、ガイドチューブ140は、端部の内径及び外径が曲線状に形成されて頭蓋骨1内に挿入されるときに組織の損傷を最小限に抑える形状を有することができる。
【0187】
薬物注入装置100において、本体110、本体固定部150、可動部130、可動栓部180及びガイドチューブ140の少なくともいずれか一つがポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなることができる。
【0188】
締結部材170はチタン材料で形成されることができる。しかしながら、これに限定されるものではなく、薬物注入装置100及び締結部材170は、身体移植適合性及び安定性があり、硬くて外部汚染に強い素材なら多様に適用することができる。
【0189】
図11は、本発明に係る薬物注入装置のシーリング部の第1変形例を示した斜視図及び側断面図である。
【0190】
図11を参照すると、シーリング部160は、中央に中央案内溝160aをさらに形成することができる。中央案内溝160aは、注射針191が他の方向に挿入されても正中央に向かうように案内することができる。その中央案内溝160aには、中心点を基準にして少なくとも3点が切開されることができる。詳しくは、切開線は「Y」または「X」形状にすることができるが、これに限定されず、中心点を基準に様々な形状に切開することができる。
【0191】
したがって、中央案内溝160aは、シーリング部160の他の点が損傷されることを防ぎ、注射針191をガイドチューブ140に向けるように導通を継続する効果がある。
【0192】
図12は、本発明に係る薬物注入装置のシーリング部にフィルタが一体化された第2変形例を示した側断面図である。
【0193】
図12を参照すると、シーリング部160は、内部の異物の投入を防止するシーリングフィルタ膜165をさらに含むことができる。シーリングフィルタ膜165は、フィルタ及びシーリング部160が一体化されて交換及び設置が一度に容易な一体型であることができる。シーリングフィルタ膜165は、上部外側を囲んで折り曲げられたヒンジ部165aを形成することができる。ヒンジ部165aは、シーリングフィルタ膜165の交換時にその部分を把持して取り出し易くすることができる。したがって、シーリングフィルタ膜165は、消耗品であるシーリング部160の交換時の離脱を防止することができ、時間の経過に伴うシーリング部160の汚染を二次的に防止できるため、感染する副作用を低減させることができる。
【0194】
一方、シーリング部160は、第1混合物及び第2混合物のうちの少なくともいずれかを含むことができる。
【0195】
第1混合物は、シロキサン、シリコーン、ジメチル及びビニル基系列は55~60重量%、シランアミン、1.1.1-トリメチルアミントリメチルシリル及びシリカ加水分解生成物は25~30重量%、シロキサンシリコーン、ジメチル及びメチルビニルは5~7重量%を混合することができる。
【0196】
第2混合物は、シロキサン、シリコーン、ジメチル及びビニル基系列は55~60重量%、シランアミン、1.1.1-トリメチルアミントリメチルシリル及びシリカ加水分解生成物は25~30重量%、シロキサンシリコーン、ジメチル及びメチルビニルは5~7重量%、シロキサンシリコーン、ジメチル及びメチル水素は1~5重量%を混合することができる。
【0197】
したがって、シーリング部160は、第1混合物及び第2混合物が下記の数式1(コメント事項)を満たすことができる。
【0198】
【0199】
ここで、M1は第1の混合物を意味し、M2は第2の混合物を意味する。
【0200】
数式22の下限値を外れる場合、シーリング部160の密度が弱くなり、これにより、時間が経つと、分離離脱することができ、混合物を倍率するときに固めたり脱水することができる。そして、シーリング部160表面の気泡発生が多く、注射針191の注入時にシリコーン粒子が一緒に脳実質5に浸透することができるため、移植後に副作用を招くことがある。また、数式22の上限値を外れる場合、シーリング部160の密度が強くなって、注射針191の挿入が難しくなったり、注射針191が折れたりすることがある。したがって、数式22の条件範囲を満たす場合、シーリング部160は、最も適正な倍率を有するにつれて、その表面に注射針191を挿入しやすく、シリコーン粒子間の結合が強くてシーリング部160表面の気泡発生がほとんどない。
【0201】
図13は、本発明に係る薬物注入装置のガイドチューブの端部が変形したことを示した側断面図である。
【0202】
図13を参照すると、ガイドチューブ140は、片側または両側に薬物、すなわち、治療剤195が流れるように少なくとも1つの薬物投与孔140aを形成することができる。薬物投与孔140aは円形であり、様々な形状に形成されてもよい。さらに、ガイドチューブ140の端部の内径及び外径が曲線状に形成されているので、注射針191と共に脳実質5を通過するとき、組織の損傷を最小限に抑えることができる。
【0203】
図14は、本発明による第2実施形態の薬物注入装置を示した側断面図である。
【0204】
図14を参照すると、本発明による第2実施形態の薬物注入装置200は、本体210と、本体固定部250と、シーリング部260と、を含むことができる。本体210は、内部中央が中空であるシーリング収容孔210aが形成され、シーリング収容孔210aと連結されて注射針191が挿入される針挿入孔210bが形成されることができる。そして、本体210の上部は支持部215を含み、支持部215には少なくとも2つの締結孔210bが形成されることができる。シーリング収容孔210aにはシーリング部260を収容することができる正方形の空間があり、その空間には注射針191が通過することができる。本体固定部250は、内部中央に固定孔250aが形成され、その側面には本体210の内部に締結されるようにねじ山で形成された本体シーリング部253が形成されることができる。
図1の薬物注入装置100と比較すると、注射針191は薬物注入装置200を介して一方向にのみ挿入することができる。注射針191は固定孔250aを通過してシーリング部260を介してシーリング収容孔210aに挿入される。したがって、本発明に係る第2実施形態の薬物注入装置200は、構造が簡単であり、設置及び分離除去に要する時間が少なくシーリング部260の交換が容易である。
【0205】
図15は、本発明に係る第3実施形態の薬物注入装置を示した側断面図である。
【0206】
図15を参照すると、本発明による第3実施形態の薬物注入装置300は、本体310と、本体固定部350と、シーリング部360と、を含むことができる。本体310は、内部中央が中空であるシーリング収容孔310aが形成されるものであって、シーリング収容孔310aと連結されて注射針191が挿入される針挿入孔310bが形成されることができる。そして、本体310の上部は支持部315を含み、支持部315には少なくとも2つの締結孔310bが形成されることができる。シーリング収容孔310aには正方形の空間があり、その空間には注射針191が通過することができる。
図14と比較すると、本体固定部350は内部の中央に固定孔350aが形成され、固定孔350aはシーリング部360を含むことができる。本体固定部350の側面には、本体310の内部に締結されるようにねじ山で形成された本体シーリング部353が形成されることができる。
図1の薬物注入装置100と比較すると、注射針191は薬物注入装置300を介して一方向にのみ挿入されることができる。注射針191は固定孔350aを通過してシーリング部360を介してシーリング収容孔310aに挿入されることができる。したがって、本発明に係る第3実施形態の薬物注入装置300は、構造が簡単であり、シーリング部360を交換する際に本体固定部350のみを締結分離すれば容易に交換することができる。また、設置及び分離除去する所要時間を短縮することができる。
【0207】
図16は、本発明に係る第4実施形態の薬物注入装置を示した正面図である。
【0208】
図16を参照すると、本発明による第4実施形態の薬物注入装置400は、本体410と、可動部430と、本体固定部450と、シーリング部460と、可動栓部480と、を含むことができる。本体410は、内部中央が中空であり、可動部430を収容する可動収容孔410aが形成されることができる。また、本体410は、内部の下端に可動収容孔410aと連結されて注射針191が挿入される針挿入孔410bをさらに形成することができる。そして、本体410は、頭蓋骨1に挿入される挿入部413と、頭蓋骨1の上部に取り付けられる支持部415とを含むことができる。この支持部415には、少なくとも2つの締結孔410cが形成されることができる。
図1の薬物注入装置100と比較すると、可動部430は中心軸CLを基準として左右側に回転できるため、ターゲットポイント7の方向に注射針191を案内することができ、内部に孔が形成される点も同様である。したがって、可動部430と可動栓部480との間にシーリング部460を収容して外部から二重遮断されるため、外部の汚染物質からの感染を防止することができる。また、本体固定部450は、中央に薬物が注入される固定孔450aが形成される点が同様である。
【0209】
一方、
図1との相違点を見ると、可動部430は半球状に形成されるものであり、可動栓部480と対向して締結された後、完全な球状をなして中心軸CLを基準に左右側に回転することができる。また、本体固定部450は、少なくとも2箇所に第2締結孔450bが形成され、本体410の締結孔410cと対向して位置することができる。したがって、本体410と本体固定部450との間の結合は、少なくとも3箇所で締結部材170を締結することができる。
【0210】
上述した実施形態は例示的なものに過ぎず、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、これから様々な変形及び均等な他の実施形態が可能である。したがって、本発明の真の技術的保護範囲は、特許請求の範囲に記載された発明の技術的思想によって定められるべきである。