(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】工具増益デ-タ提示方法、工具増益デ-タ取得システム並びに工具増益デ-タ提示物
(51)【国際特許分類】
G05B 19/418 20060101AFI20240417BHJP
G06Q 50/04 20120101ALI20240417BHJP
【FI】
G05B19/418 Z
G06Q50/04
(21)【出願番号】P 2019087704
(22)【出願日】2019-05-07
【審査請求日】2022-03-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000151014
【氏名又は名称】株式会社田野井製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100123674
【氏名又は名称】松下 亮
(74)【代理人】
【識別番号】100097559
【氏名又は名称】水野 浩司
(72)【発明者】
【氏名】植田 康弘
【審査官】永井 友子
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-196809(JP,A)
【文献】特開平04-244360(JP,A)
【文献】特開2003-271222(JP,A)
【文献】特開2002-117200(JP,A)
【文献】特開2005-327152(JP,A)
【文献】特表平08-510965(JP,A)
【文献】特開2009-116713(JP,A)
【文献】特開2003-195925(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05B 19/418
G06Q 50/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被加工材(2)からなる製品又は該被加工材(2)を有する製品を製品(3)とし、
切削加工又は塑性変形加工する工具による前記被加工材(2)を加工する工具加工工程(5)を有する、稼働している又は想定している前記製品(3)の生産工程を生産工程(4)とし、
前記工具加工工程(5)で使用している又は使用を想定している前記工具である工具を基準工具(7)とし、
前記工具加工工程(5)で使用可能である、前記基準工具(7)以外の前記工具である工具を選択工具(9)とし、
前記基準工具(7)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を基準工具・工具総加工費とし、
前記選択工具(9)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を選択工具・工具総加工費とし、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分を選択工具増益デ-タ(yz・1)とし、
前記選択工具(9)を使用した場合に前記生産工程において実現される、前記選択工具(9)の使用による増益である工具増益データを提示する工具増益デ-タ提示方法であって、
基準工具基本デ-タ(kk)、基準工具生産工程デ-タ(ks)を取得するデータ取得ステップ(92)と、
前記選択工具増益データ(yz・1)及び情報の提供者の側の増益データである提供者の増益データ(bn・1)を含むデータである工具増益データ(pr)を取得する工具増益データ取得ステップ(84)と、
前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できない工具名称である選択工具識別表記(ni)(例えば、A12)のみを付与した前記選択工具増益データ(yz・1)を出力するステップと、
前記提供者の増益データ(bn・1)を減額調整することで前記選択工具増益データ(yz・1)を増額に調整した調整増益データを作成する増益データ調整ステップ(86)と、を含む工具増益デ-タ提示方法。
【請求項2】
被加工材(2)からなる製品又は該被加工材(2)を有する製品を製品(3)とし、
切削加工又は塑性変形加工する工具による前記被加工材(2)を加工する工具加工工程(5)を有する、稼働している又は想定している前記製品(3)の生産工程を生産工程(4)とし、
前記工具加工工程(5)で使用している又は使用を想定している前記工具である工具を基準工具(7)とし、
前記基準工具(7)の基準工具種類、基準工具材料を含むデータを有するデータを基準工具基礎データ(kt)とし、
前記工具加工工程(5)における前記基準工具(7)の基準工具加工速度デ-タ(kk・3)、基準工具寿命デ-タ(kk・4)、基準工具価格デ-タ(kk・5)を含むデ-タを有するデータを基準工具基本デ-タ(kk)とし、
前記生産工程(4)における基準工具設備費デ-タ(ks・2)、基準工具段取り費デ-タ(ks・3)、基準工具加工対象数デ-タ(ks・5)、基準工具製品移動時間デ-タ(ks・6)、基準工具交換回数デ-タ(ks・7)、基準工具交換時間デ-タ(ks・8)、基準工具製品価格デ-タ(ks・9)、基準工具生産ライン数デ-タ(ks・10)を含むデ-タを有するデータであり、かつ、入力ステップ(80)で入力されるデータを基準工具生産工程デ-タ(ks)とし、
前記基準工具基礎データkt、前記基準工具基本デ-タ(kk)、前記基準工具生産工程デ-タ(ks)を含むデータを有するデータを基準工具データ(ka)とし、
前記工具加工工程(5)で使用可能である前記基準工具(7)以外の工具を選択工具(9)とし、
前記基準工具(7)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を基準工具・工具総加工費とし、
前記選択工具(9)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を選択工具・工具総加工費とし、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分を選択工具増益デ-タ(yz・1)とし、
基礎的寿命デ-タ格納部(40)に予め格納されている前記基礎的寿命デ-タ(gf)の中の前記選択工具(9)とすることができる工具の工具寿命である選択工具寿命のデ-タを選択工具寿命デ-タ(ck・4)とし、
選択工具加工速度データ(ck・3)、前記選択工具寿命データ(ck・4)、選択工具価格データ(ck・5)を含むデータを有するデータを選択工具基本データ(ck)とし、
前記生産工程(4)における選択工具設備費データ(cs・2)、選択工具段取り費データ(cs・3)、選択工具加工対象数データ(cs・5)、選択工具製品移動時間データ(cs・6)、選択工具交換回数データ(cs・7)、選択工具交換時間データ(cs・8)、選択工具製品価格データ(cs・9)、選択工具生産ライン数データ(cs・10)を含むデ-タを有するデータを選択工具生産工程デ-タ(cs)とし、
前記選択工具(9)を使用した場合に前記生産工程において実現される、前記選択工具(9)の使用による増益である工具増益データを提示する工具増益デ-タ提示方法であって、
前記入力ステップ(80)で入力された前記基準工具基本デ-タ(kk)、前記基準工具生産工程デ-タ(ks)を取得するデータ取得ステップ(92)と、
前記基準工具基本デ-タ(kk)と前記基準工具生産工程デ-タ(ks)に基づいて、
前記基準工具(7)の所定期間の基準工具・製品総生産個数データ(km・1)(個/所定期間)、基準工具・製品総売上高データ(km・2)(価格/所定期間)、基準工具・工具総加工費データ(km・3)(価格/所定期間)、基準工具・工具総使用本数データ(km・4)(本/所定期間)、基準工具・工具総費用データ(km・5)(価格/所定期間)を含むデータを有する基準工具・期間デ-タ(km)を取得する基準工具・期間デ-タ取ステップ(81)と、
前記選択工具基本データ(ck)と前記選択工具生産工程デ-タ(cs)に基づいて前記選択工具の所定期間の選択工具・製品総生産個数データ(cm・1)(個/所定期間)、選択工具・製品総売上高データ(cm・2)(価格/所定期間)、選択工具・工具総加工費データcm・3(価格/所定期間)、選択工具・工具総使用本数データ(cm・4)(本/所定期間)、選択工具・工具総費用データ(cm・5)(価格/所定期間)のデ-タを含む選択工具期間デ-タ(cm)を取得するステップと、
前記選択工具基本データ(ck)、前記選択工具生産工程デ-タ(cs)、前記選択工具期間デ-タ(cm)を含むデータを有する選択工具データ(ca)、前記選択工具データ(ca)を取得する選択工具データ取得ステップ(82)と、
前記基準工具・期間デ-タ(km)の1項目データを規格化基準データ(st・1)とし、前記1項目データに対応する前記選択工具期間デ-タ(cm)の1項目データを前記規格化基準データ(st・1)の値とした場合の、前記選択工具期間デ-タ(cm)の各項目データの値を前記規格化基準データ(st・1)の値に規格化した、規格化・選択工具・工具総費用データ(st・5)を含むデータである規格化選択工具デ-タ(st)を取得する規格化選択工具デ-タ取得ステップ(83)と、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分である選択工具増益デ-タ(yz・1)及び情報の提供者の側の増益データである提供者の増益データ(bn・1)を含むデータである工具増益データ(pr)を取得する工具増益デ-タ取得ステップ(84)と、
前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できない工具名称である選択工具識別表記(ni)(例えば、A12)のみを付与した前記選択工具増益データ(yz・1)を出力するステップと、
前記提供者の増益データ(bn・1)を減額調整することで前記選択工具増益データ(yz・1)を増額に調整した調整増益データを作成する増益データ調整ステップ(86)と、を含む工具増益デ-タ提示方法。
【請求項3】
前記基礎的寿命デ-タ(gf)が、前記被加工材(2)を工具で加工して得た又は推測して得た加工速度毎又は回転速度毎の許容加工対象数である工具寿命、前記加工速度又は回転速度毎と前記工具寿命の対応する各点をフィッティングして取得した寿命デ-タフィッティング関数、前記寿命デ-タフィッティング関数を取得したときの工具デ-タ(工具の材料及び工具の形状を含む)を該寿命デ-タフィッティング関数に紐付してなる基礎的寿命デ-タであることを特徴とする請求項2記載の工具増益デ-タ提示方法。
【請求項4】
前記基準工具基本デ-タ(kk)、前記基準工具生産工程デ-タ(ks)が前記データ取得ステップ(92)で取得されているという条件が満たされていれば、前記選択工具データ(ca)が前記基準工具データ(ka)からの共通データの呼込みと計算によって自動的に取得されることを特徴とする請求項2記載の工具増益デ-タ提示方法。
【請求項5】
前記工具増益データ(pr)の一部データ又は全データを出力するデータ出力ステップ(87)を有し、
前記選択工具(9)には、前記選択工具(9)の正式な工具名、工具製品名、工具愛称などの前記選択工具(9)を工具の使用者が具体的に特定できる選択工具正式製品名(nc)と、前記選択工具正式製品名(nc)とは異なる前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できないようにするための選択工具識別表記(ni)とが含まれた工具名称(nt)が付与されていて、
前記出力ステップ(87)からの出力データにおいて、前記選択工具(9)の工具名称として前記選択工具識別表記(ni)のみが付与されている、又は、前記選択工具正式製品名(nc)はマスクや非表示とされ前記選択工具識別表記(ni)のみが前記デ-タ出力ステップ(87)により出力されることを特徴とする
請求項1から4のいずれか1項に記載の工具増益デ-タ提示方法。
【請求項6】
前記工具が前記被加工材(2)に切削加工又は塑性変形加工により雌ねじ(10)を形成するタップであることを特徴とする
請求項1から5のいずれか1項に記載の工具増益デ-タ提示方法。
【請求項7】
インターネットなどの通信回線(71)に接続可能なコンピュータにより使用者が前記工具増益データ(pr)の一部又は全部を取得できる
請求項1から6のいずれか1項に記載の工具増益デ-タ提示方法。
【請求項8】
工具の使用による増益である工具増益デ-タを取得する工具増益データ取得をコンピュータに実行させるためのプログラムが、
被加工材(2)からなる製品又は該被加工材(2)を有する製品を製品(3)とし、
切削加工又は塑性変形加工する工具による前記被加工材(2)を加工する工具加工工程(5)を有する、稼働している又は想定している前記製品(3)の生産工程を生産工程(4)とし、
前記工具加工工程(5)で使用している又は使用を想定している前記工具である工具を基準工具(7)とし、
前記工具加工工程(5)で使用可能である、前記基準工具(7)以外の前記工具である工具を選択工具(9)とし、
前記基準工具(7)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を基準工具・工具総加工費とし、
前記選択工具(9)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を選択工具・工具総加工費とし、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分を選択工具増益デ-タ(yz・1)とし、
コンピュータに、基準工具基本デ-タ(kk)、基準工具生産工程デ-タ(ks)を取得するデータ取得ステップ(92)と、前記選択工具増益デ-タ(yz・1)及び情報の提供者の側の増益データである提供者の増益データ(bn・1)を含むデータである工具増益データ(pr)を取得する工具増益デ-タ取得ステップ(84)と、
前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できない工具名称である選択工具識別表記(ni)(例えば、A12)のみを付与した前記選択工具増益データ(yz・1)を出力するステップと、
前記提供者の増益データ(bn・1)を減額調整することで前記選択工具増益データ(yz・1)を増額に調整した調整増益データを作成する増益データ調整ステップ(86)と、
を実行させる工具増益デ-タ取得プログラムであり、
前記工具増益デ-タ取得プログラムがインストールされたサーバ(70)と、
前記サーバ(70)が接続されたインターネットなどの通信回線(71)と、を備え、
前記通信回線(71)を通じて前記サーバ(70)に接続されたコンピュータにより前記選択工具増益デ-タ(yz・1)を含むデータの取得を可能としたことを特徴とする工具増益デ-タ取得システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製品の生産工程における該製品の加工に使用している工具以外に、生産工程において工具により生ずる費用を軽減する工具(以下「選択工具」とい。)があるかの情報を、専門的知識が無くても、インターネット等を通じ短時間で容易に取得することを実現する工具増益デ-タ提示方法、工具増益デ-タ取得システム並びに工具増益デ-タ提示物に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザは、新たなタップ(以下「選択タップ」ともいう。)の購入を検討する場合、生産工程で現在使用している又は使用を想定(「予定」を含む。)しているタップ(以下「基準工具」ともいう。)自体のコストのみを勘案し比較して新たなタップの購入を決めていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
(1) ところが、タップ加工工程の原価は、選択タップ自体のコストのみだけではなく、選択タップを使用した場合に発生する設備の消費電力コストや、選択タップが摩耗して交換が必要となった場合のタップ交換作業に伴うコスト等(以下「タップ自体以外のコスト。」ともいう。)等によっても大きく変動する。一般に、タップ自体のコストはタップ自体以外のコストに比べて1/5~1/10程度だとされている(
図16参照)。このことからも、タップ自体以外のコストに係るコスト低減が、生産原価を低減する上で非常に重要な要素であることが分かる(
図16参照)。
しかしながら、ユーザにおいては、タップやその使用条件を変えた場合の利益金額がどの程度変わるかについて知見や手段がないために、ユーザはタップおよび使用条件と生産工程の関係を考慮せずに選択タップを評価せざるを得ない。
【0005】
例えば、高級な素材で製造されたタップを使用すれば、タップの寿命は長くなるが、同時に、タップ1本当たりのコストも高くなる。その場合、コストアップに見合った効果が得られるか不明であった。つまり、コストアップ以上の原価低減ができるか不明であった。そのため、高級な素材で製造されたタップは使用され難い傾向があった。
一方、単価の低い低級素材で製造されたタップを使用した場合、タップコストは低いが、高級素材のタップに比べると加工速度を上げることが難しく、生産性は低くなる。また、工具寿命が短いために頻繁に工具交換をせねばならず、段取り時間の増加になる。結果として、ユーザの原価は上がり、ユーザの利益は損なわれている場合があった。
或いは、ユーザは、タップの使用条件を変えた場合に、生産原価がどのように変化するか分からないために、経験に基づき、加工条件を設定することになる。しかしながら、個々のタップは使用条件を変えた場合に、同じような特性を示すわけではなく、例えば、加工速度の大きな領域で性能を発揮するタップもあれば、加工速度の小さな領域で性能を発揮するタップもある。そのため、ユーザの設定した使用条件が必ずしも原価低減による利益金額を最大化するものとは限らない。
以上のことは、ユーザが、タップを使用した場合の生産原価低減による利益金額(選択工具を使用した場合の生産工程における増益額=工具増益)について詳細に知ることができない、知る手段が無いことに起因している。
【0006】
(2) また、ユーザは、選択タップを選択し評価する場合、選択タップとして評価できそうなタップとそのデータを収集し判断をしなければならないので、そのための人員、時間にコストがかかるという問題もある。
(3) 更に、タップを供給する側は、どのようなタップがユーザの生産工程における増益になるか分からないために、個々の生産工程で増益をもたらす適したタップの開発を進められない。
【0007】
(4) また、情報の提供者がユーザ(使用者)に対して増益を生む効果の高い工具を提案しても、メーカーと製品名を提示するのが一般的であるため、それが他者製品であった場合、ユーザが提供者以外の他者からその製品を安価に入手することが可能となり、その場合には提供者は相当の利益を得られないという問題がある。
このことが、多様なメーカーの工具製品の中から使用者の生産工程で増益をもたらす効果の高い工具を、使用者が容易に得られない要因のひとつになっている。
【0008】
(5) 前記(1)~(4)のようなことはタップに限られず、ドリル、バイト、フライス、エンドミル、ホブ、ピニオンカッタ、ダイス、ブローチ、トリマ、ルータなどの切削加工する工具でも同様の問題があった。
【0009】
本発明は以上のような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであって、その目的は、使用者が工具を使用する生産工程における増益をもたらす新たな工具情報を、工具についての専門的な知識が無くても、インターネット等を通じて容易に取得可能とした工具増益デ-タ提示方法、工具増益デ-タ取得システム並びに工具増益デ-タ提示物を提供することにある。
また、使用者側と情報の提供者(工具提供者を含む)の両者が利益が得られる工具増益デ-タ提示方法、工具増益デ-タ取得システム並びに工具増益デ-タ提示物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は次に述べるような構成としている。
<請求項1記載の発明>
被加工材(2)からなる製品又は該被加工材(2)を有する製品を製品(3)とし、
切削加工又は塑性変形加工する工具による前記被加工材(2)を加工する工具加工工程(5)を有する、稼働している又は想定している前記製品(3)の生産工程を生産工程(4)とし、
前記工具加工工程(5)で使用している又は使用を想定している前記工具である工具を基準工具(7)とし、
前記工具加工工程(5)で使用可能である、前記基準工具(7)以外の前記工具である工具を選択工具(9)とし、
前記基準工具(7)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を基準工具・工具総加工費とし、
前記選択工具(9)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を選択工具・工具総加工費とし、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分を選択工具増益デ-タ(yz・1)とし、
前記選択工具(9)を使用した場合に前記生産工程において実現される、前記選択工具(9)の使用による増益である工具増益データを提示する工具増益デ-タ提示方法であって、
基準工具基本デ-タ(kk)、基準工具生産工程デ-タ(ks)を取得するデータ取得ステップ(92)と、
前記選択工具増益データ(yz・1)及び情報の提供者の側の増益データである提供者の増益データ(bn・1)を含むデータである工具増益データ(pr)を取得する工具増益データ取得ステップ(84)と、
前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できない工具名称である選択工具識別表記(ni)(例えば、A12)のみを付与した前記選択工具増益データ(yz・1)を出力するステップと、
前記提供者の増益データ(bn・1)を減額調整することで前記選択工具増益データ(yz・1)を増額に調整した調整増益データを作成する増益データ調整ステップ(86)と、を含む工具増益デ-タ提示方法である。
【0011】
「工具の使用による増益」の「増益」は+増益及び-増益を含む又は+増益のみを含むものである。
【0012】
<請求項2記載の発明>
被加工材(2)からなる製品又は該被加工材(2)を有する製品を製品(3)とし、
切削加工又は塑性変形加工する工具による前記被加工材(2)を加工する工具加工工程(5)を有する、稼働している又は想定している前記製品(3)の生産工程を生産工程(4)とし、
前記工具加工工程(5)で使用している又は使用を想定している前記工具である工具を基準工具(7)とし、
前記基準工具(7)の基準工具種類、基準工具材料を含むデータを有するデータを基準工具基礎データ(kt)とし、
前記工具加工工程(5)における前記基準工具(7)の基準工具加工速度デ-タ(kk・3)、基準工具寿命デ-タ(kk・4)、基準工具価格デ-タ(kk・5)を含むデ-タを有するデータを基準工具基本デ-タ(kk)とし、
前記生産工程(4)における基準工具設備費デ-タ(ks・2)、基準工具段取り費デ-タ(ks・3)、基準工具加工対象数デ-タ(ks・5)、基準工具製品移動時間デ-タ(ks・6)、基準工具交換回数デ-タ(ks・7)、基準工具交換時間デ-タ(ks・8)、基準工具製品価格デ-タ(ks・9)、基準工具生産ライン数デ-タ(ks・10)を含むデ-タを有するデータであり、かつ、入力ステップ(80)で入力されるデータを基準工具生産工程デ-タ(ks)とし、
前記基準工具基礎データkt、前記基準工具基本デ-タ(kk)、前記基準工具生産工程デ-タ(ks)を含むデータを有するデータを基準工具データ(ka)とし、
前記工具加工工程(5)で使用可能である前記基準工具(7)以外の工具を選択工具(9)とし、
前記基準工具(7)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を基準工具・工具総加工費とし、
前記選択工具(9)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を選択工具・工具総加工費とし、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分を選択工具増益デ-タ(yz・1)とし、
基礎的寿命デ-タ格納部(40)に予め格納されている前記基礎的寿命デ-タ(gf)の中の前記選択工具(9)とすることができる工具の工具寿命である選択工具寿命のデ-タを選択工具寿命デ-タ(ck・4)とし、
選択工具加工速度データ(ck・3)、前記選択工具寿命データ(ck・4)、選択工具価格データ(ck・5)を含むデータを有するデータを選択工具基本データ(ck)とし、
前記生産工程(4)における選択工具設備費データ(cs・2)、選択工具段取り費データ(cs・3)、選択工具加工対象数データ(cs・5)、選択工具製品移動時間データ(cs・6)、選択工具交換回数データ(cs・7)、選択工具交換時間データ(cs・8)、選択工具製品価格データ(cs・9)、選択工具生産ライン数データ(cs・10)を含むデ-タを有するデータを選択工具生産工程デ-タ(cs)とし、
前記選択工具(9)を使用した場合に前記生産工程において実現される、前記選択工具(9)の使用による増益である工具増益データを提示する工具増益デ-タ提示方法であって、
前記入力ステップ(80)で入力された前記基準工具基本デ-タ(kk)、前記基準工具生産工程デ-タ(ks)を取得するデータ取得ステップ(92)と、
前記基準工具基本デ-タ(kk)と前記基準工具生産工程デ-タ(ks)に基づいて、前記基準工具(7)の所定期間の基準工具・製品総生産個数データ(km・1)(個/所定期間)、基準工具・製品総売上高データ(km・2)(価格/所定期間)、基準工具・工具総加工費データ(km・3)(価格/所定期間)、基準工具・工具総使用本数データ(km・4)(本/所定期間)、基準工具・工具総費用データ(km・5)(価格/所定期間)を含むデータを有する基準工具・期間デ-タ(km)を取得する基準工具・期間デ-タ取ステップ(81)と、
前記選択工具基本データ(ck)と前記選択工具生産工程デ-タ(cs)に基づいて前記選択工具の所定期間の選択工具・製品総生産個数データ(cm・1)(個/所定期間)、選択工具・製品総売上高データ(cm・2)(価格/所定期間)、選択工具・工具総加工費データcm・3(価格/所定期間)、選択工具・工具総使用本数データ(cm・4)(本/所定期間)、選択工具・工具総費用データ(cm・5)(価格/所定期間)のデ-タを含む選択工具期間デ-タ(cm)を取得するステップと、
前記選択工具基本データ(ck)、前記選択工具生産工程デ-タ(cs)、前記選択工具期間デ-タ(cm)を含むデータを有する選択工具データ(ca)、前記選択工具データ(ca)を取得する選択工具データ取得ステップ(82)と、
前記基準工具・期間デ-タ(km)の1項目データを規格化基準データ(st・1)とし、前記1項目データに対応する前記選択工具期間デ-タ(cm)の1項目データを前記規格化基準データ(st・1)の値とした場合の、前記選択工具期間デ-タ(cm)の各項目データの値を前記規格化基準データ(st・1)の値に規格化した、規格化・選択工具・工具総費用データ(st・5)を含むデータである規格化選択工具デ-タ(st)を取得する規格化選択工具デ-タ取得ステップ(83)と、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分である選択工具増益デ-タ(yz・1)及び情報の提供者の側の増益データである提供者の増益データ(bn・1)を含むデータである工具増益データ(pr)を取得する工具増益デ-タ取得ステップ(84)と、
前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できない工具名称である選択工具識別表記(ni)(例えば、A12)のみを付与した前記選択工具増益データ(yz・1)を出力するステップと、
前記提供者の増益データ(bn・1)を減額調整することで前記選択工具増益データ(yz・1)を増額に調整した調整増益データを作成する増益データ調整ステップ(86)と、を含む工具増益デ-タ提示方法である。
【0013】
<請求項3記載の発明>
前記基礎的寿命デ-タ(gf)が、前記被加工材(2)を工具で加工して得た又は推測して得た加工速度毎又は回転速度毎の許容加工対象数である工具寿命、前記加工速度又は回転速度毎と前記工具寿命の対応する各点をフィッティングして取得した寿命デ-タフィッティング関数、前記寿命デ-タフィッティング関数を取得したときの工具デ-タ(工具の材料及び工具の形状を含む)を該寿命デ-タフィッティング関数に紐付してなる基礎的寿命デ-タであることを特徴とする請求項2記載の工具増益デ-タ提示方法である。
【0014】
<請求項4記載の発明>
前記基準工具基本デ-タ(kk)、前記基準工具生産工程デ-タ(ks)が前記データ取得ステップ(92)で取得されているという条件が満たされていれば、前記選択工具データ(ca)が前記基準工具データ(ka)からの共通データの呼込みと計算によって自動的に取得されることを特徴とする請求項2記載の工具増益デ-タ提示方法である。
【0015】
<請求項5記載の発明>
前記工具増益データ(pr)の一部データ又は全データを出力するデータ出力ステップ(87)を有し、
前記選択工具(9)には、前記選択工具(9)の正式な工具名、工具製品名、工具愛称などの前記選択工具(9)を工具の使用者が具体的に特定できる選択工具正式製品名(nc)と、前記選択工具正式製品名(nc)とは異なる前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できないようにするための選択工具識別表記(ni)とが含まれた工具名称(nt)が付与されていて、
前記出力ステップ(87)からの出力データにおいて、前記選択工具(9)の工具名称として前記選択工具識別表記(ni)のみが付与されている、又は、前記選択工具正式製品名(nc)はマスクや非表示とされ前記選択工具識別表記(ni)のみが前記デ-タ出力ステップ(87)により出力されることを特徴とする請求項1~3又は4記載の工具増益デ-タ提示方法である。
【0016】
<請求項6記載の発明>
前記工具が前記被加工材(2)に切削加工又は塑性変形加工により雌ねじ(10)を形成するタップであることを特徴とする請求項1~4又は5記載の工具増益デ-タ提示方法である。
【0017】
<請求項7記載の発明>
インターネットなどの通信回線(71)に接続可能な使用者側装置(63)により使用者が前記工具増益データ(pr)の一部又は全部を取得できる請求項1~5又は6記載の工具増益デ-タ提示方法である。
【0018】
<請求項8記載の発明>
工具の使用による増益である工具増益デ-タを取得する工具増益データ取得をコンピュータに実行させるためのプログラムが、
被加工材(2)からなる製品又は該被加工材(2)を有する製品を製品(3)とし、
切削加工又は塑性変形加工する工具による前記被加工材(2)を加工する工具加工工程(5)を有する、稼働している又は想定している前記製品(3)の生産工程を生産工程(4)とし、
前記工具加工工程(5)で使用している又は使用を想定している前記工具である工具を基準工具(7)とし、
前記工具加工工程(5)で使用可能である、前記基準工具(7)以外の前記工具である工具を選択工具(9)とし、
前記基準工具(7)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を基準工具・工具総加工費とし、
前記選択工具(9)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を選択工具・工具総加工費とし、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分を選択工具増益デ-タ(yz・1)とし、
コンピュータに、基準工具基本デ-タ(kk)、基準工具生産工程デ-タ(ks)を取得するデータ取得ステップ(92)と、前記選択工具増益デ-タ(yz・1)及び情報の提供者の側の増益データである提供者の増益データ(bn・1)を含むデータである工具増益データ(pr)を取得する工具増益デ-タ取得ステップ(84)と、
前記選択工具(9)がどのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できない工具名称である選択工具識別表記(ni)(例えば、A12)のみを付与した前記選択工具増益データ(yz・1)を出力するステップと、
前記提供者の増益データ(bn・1)を減額調整することで前記選択工具増益データ(yz・1)を増額に調整した調整増益データを作成する増益データ調整ステップ(86)と、
を実行させる工具増益デ-タ取得プログラムであり、
前記工具増益デ-タ取得プログラムがインストールされたサーバ(70)と、
前記サーバ(70)が接続されたインターネットなどの通信回線(71)と、を備え、
前記通信回線(71)を通じて前記サーバ(70)に接続されたコンピュータにより前記選択工具増益デ-タ(yz・1)を含むデータの取得を可能としたことを特徴とする工具増益デ-タ取得システムである。
【0019】
<請求項9記載の発明>
被加工材(2)からなる製品又は該被加工材(2)を有する製品を製品(3)とし、
切削加工又は塑性変形加工する工具による前記被加工材(2)を加工する工具加工工程(5)を有する、稼働している又は想定している前記製品(3)の生産工程を生産工程(4)とし、
前記工具加工工程(5)で使用している又は使用を想定している前記工具である工具を基準工具(7)とし、
前記工具加工工程(5)で使用可能である、前記基準工具(7)以外の前記工具である工具を選択工具(9)とし、
前記基準工具(7)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を基準工具・工具総加工費とし、
前記選択工具(9)を使用した場合の前記工具加工工程(5)の加工時間、工具交換時間などに費やされる費用を含む費用を選択工具・工具総加工費とし、
前記基準工具・工具総加工費に対する前記選択工具・工具総加工費の増加分を選択工具増益デ-タ(yz・1)とし、
前記選択工具増益デ-タ(yz・1)を表示できるようになっているコンピュータに接続されたディスプレイ(60)又は前記選択工具増益デ-タ(yz・1)が表記されている印刷物などの提示物からなり、
前記提示物に表記された前記選択工具増益デ-タ(yz・1)の工具名称とし、どのメーカのどの工具なのかを工具の使用者が特定できない工具名称である選択工具識別表記(ni)(例えば、A12)のみが表記されている、ことを特徴とする工具増益デ-タ提示物である。
【0020】
前記選択工具(9)の正式な工具名、工具製品名、工具愛称などの前記選択工具(9)を具体的に特定できる選択工具正式製品名(nc)とは異なる、前記選択工具正式製品名(nc)を特定できないようにするための選択工具識別表記(ni)のみが前記提示物に表記されている工具増益データ提示物である。
【発明の効果】
【0021】
以上の説明から明らかなように、本発明にあっては次に列挙する効果が得られる。
<請求項1記載の発明の効果>
(1) 例えば、生産工程で使用している工具である基準工具のデータをコンピュータから入力することで、生産工程における工具の加工時間、工具交換時間等が費やされる費用である、基準工具・工具総加工費と、基準工具以外の選択工具の選択工具・工具総加工費が取得され、その差分である選択工具増益データ(yz・1)が得られるという効果を奏する。
これにより、使用者は使用しているないし使用を想定している工具以外に増益をもたらす新たな工具の存在を知るのに専門的な知識を必要とせずに、時間と労力をかけずに容易に短時間で取得することを実現する。
(2) 提供者は、使用者の生産工程情報及び条件を詳細に容易に取得するこが可能となり、その生産情報によりその生産行為に新たな増益をもたらする工具の開発を進めることが容易になる。
(3) 基礎的寿命データ(gf)に、多数の工具メーカの工具製品データを格納しておくことで、使用者は検索時点で最良の工具の情報を得ることができる。
(4) 選択工具増益データ(yz・1)の情報提供者(工具提供者を含む)は、選択工具増益データ(yz・1)における情報提供者側の増益(±)も容易に求め把握することができるので、使用者側、提供者側の両者にとって利益となる選択工具を提案することが容易にできる。
<請求項2記載の発明の効果>
請求項1記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項3記載の発明の効果>
前記請求項1、又は2記載の発明と同様な効果を奏するとともに、加工速度又は回転速度毎と前記工具寿命の対応する各点をフィッティングして取得した寿命データフィッティング関数、前記寿命データフィッティング関数を取得したときの工具データ(工具の材料及び工具の形状を含む)を該寿命データフィッティング関数に紐付してなる基礎的寿命データ(gf)によって、基準工具(7)の工具情報と生産工程(4)における基準工具(7)に関係する生産情報を入力するデータ入力操作を行えば、選択工具の選択から選択工具増益データ(yz・1)の取得・出力が自動的に行えるコンピュータや通信回線により情報を提供するシステムを実現するという効果を奏する。
<請求項4記載の発明の効果>
前記請求項1、2又は3記載の発明と同様な効果を奏するとともに、基準工具基本データ(kk)と基準工具生産工程データ(ks)の入力によって選択工具データ(ca)が自動的に出力さるという効果を奏する。
<請求項5記載の発明の効果>
前記請求項1~3又は4記載の発明と同様な効果を奏するとともに、選択工具正式製品名(nc)とは異なる前記選択工具(9)を特定できないようにするための選択工具識別表記(ni)のみが付与された出力データであるので、使用者等が選択工具がどのメーカのどの工具なのかを具体的に特定することができないので、使用者等が選択工具を供給者を無視して購入等することをできないという効果を奏する。
これによって、使用者等がその選択工具を使用したいのであれば、供給者との交渉を行うことになり、供給者は選択工具情報に見合った利益を確実に得ることを可能にできる。
<請求項6記載の発明の効果>
前記請求項1~4又は5記載の発明と同様な効果を奏する。
<請求項7記載の発明の効果>
前記請求項1~5又は6記載の発明と同様な効果を奏するとともに、使用者が通信回線(71)に接続可能なコンピュータにより工具増益データ(pr)の一部又は全部を取得できるという効果を奏する。
<請求項8記載の発明の効果>
請求項7と同様の効果を奏する。
<請求項9記載の発明の効果>
前記請求項1~7又は8記載の選択工具増益データ(yz・1)を、表示できるようになっているコンピュータに接続されたディスプレイ(60)又は前記選択工具増益データ(yz・1)が表記されている印刷物などの工具増益データ提示物であるので、該工具増益データ提示物によって使用者が選択工具増益データ(yz・1)を見、又は、選択工具情報を得ることができるという効果を奏する。
選択工具正式製品名(nc)を特定できないようにするための選択工具識別表記(ni)のみが前記提示物に表記されている工具増益データ提示物であるので、使用者等が選択工具がどのメーカのどの工具なのかを具体的に特定することができないので、使用者等が選択工具を供給者を無視して購入等することをできないという効果を奏する。
これによって、使用者等がその選択工具を使用したいのであれば、供給者との交渉を行うことになり、供給者は選択工具情報に見合った利益を確実に得ることを可能にできる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本件発明の実施例1の基準工具使用の生産工程(上図)と選択工具使用の生産工程(下図)を示す生産工程概略図。
【
図2】本件発明の実施例1の工具増益デ-タ取得プログラムのブロック図。
【
図3】本件発明の実施例1の工具増益デ-タ取得プログラムのフローチャート図。
【
図4】本件発明の実施例1の具増益デ-タ取得システムの概念図。
【
図5】本件発明の実施例1のディスプレイに表示されるデ-タ入力部の図。
【
図6】本件発明の実施例1の選択工具マスターデータの内容図。
【
図7】本件発明の実施例1の選択工具マスターデータの内容図。
【
図8】本件発明の実施例1の選択工具マスターデータの内容図。
【
図10】本件発明の実施例1の出力データの内容図。
【
図11】本件発明の実施例1の出力データの内容図。
【
図12】本件発明の実施例1の調整増益データを示す表。
【
図13】本件発明の実施例1の寿命デ-タフィッティング関数の取得図及び寿命デ-タフィッティング関数図。
【
図14】本件発明の実施例1の基礎的寿命デ-タの構造図。
【
図16】本件発明の実施例1の加工速度と選択工具増益の関係を示すグラフ。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を実施するための最良の形態である実施例について説明する。但し、本発明をこれら実施例のみに限定する趣旨のものではない。また、後述する実施例の説明に当って、前述した実施例の同一構成部分には同一符号を付して重複する説明を省略する。
【実施例1】
【0024】
図1~
図14に示す本発明の実施例1において、具増益デ-タ提示方法を実現する工具増益デ-タ取得プログラム1は次のような構成となっている。
被加工材2を切加工又は塑性変形加工する工具には、ドリル、エンドミル、リーマ、タップ(切削タップ、盛上げタップ)などがあるが、ここでは、工具が被加工材2の加工対象部位6に塑性変形加工により雌ねじ10を形成する盛上げタップ(転造タップ、ロールタップ)を例にして説明する。
図面において、「st・5:規格化・選択工具・工具総費用(万円/月)」、「yz・1:選択工具増益(万円/月)」、「cm・1:選択工具・製品総生産個数(個/月)」等の、「st・5」、「yz・1」、「cm・1」等はデータ項目を示す符号である。
【0025】
工具増益デ-タ取得プログラム1は、製品の生産工程で使用する工具、この工具を使用した場合に前記生産工程において実現される、工具の使用による増益である工具増益デ-タを取得する工具増益データ取得をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
<定義>
被加工材2からなる製品又は該被加工材2を有する製品を製品3とする。
被加工材2の加工対象部位6(工具がタップでは加工対象部位は雌ねじ(10)を螺刻する穴)を塑性変形加工する盛上げタップからなる工具(ここでは、盛上げタップ)とする。
前記工具による被加工材2を加工する工具加工工程5を有する、稼働している又は想定(計画、予定、仮想定を含む)している製品3の生産工程を生産工程4とする。
工具加工工程5で使用している又は使用を想定している前記工具(ここでは「材料が溶解ハイスの盛上げタップ」)である工具を基準工具7とする。
基準工具7の基準工具メーカ名、基準工具製品名、基準工具種類、基準工具材料を含むデータを有するデータを基準工具基礎データktとする。
工具加工工程5における基準工具7の基準工具加工速度デ-タkk・3(m/min)、基準工具寿命デ-タkk・4(加工対象数/本)、基準工具価格デ-タkk・5(円/本)を含むデ-タを有するデータを基準工具基本デ-タkkとする。
生産工程4における基準工具設備費デ-タks・2(円/min)、基準工具段取り費デ-タks・3(円/min)、基準工具加工対象数デ-タks・5(加工対象数/製品)、製品移動時間デ-タks・6(s)、基準工具交換回数デ-タks・7(回/月)、基準工具交換時間デ-タks・8(min/回)、製品価格デ-タks・9(円/個)、生産ライン数デ-タks・10を含むデ-タを有するデータを基準工具生産工程デ-タksとする。
基準工具基礎データkt、基準工具基本デ-タkk、基準工具生産工程デ-タksを含むデータ、を有するデータを基準工具データkaとする。
基準工具基本デ-タkkに規定された基準工具7以外の工具加工工程5で使用可能な工具を選択工具9とする。
【0026】
基礎的寿命データgfの中の選択工具9とすることができる工具の工具寿命のデータを選択工具寿命データck・4とする。
選択工具加工速度データck・3、選択工具寿命データck・4、選択工具価格データck・5を含むデータを有するデータを選択工具基本データckとする。
生産工程4における選択工具設備費データcs・2、選択工具段取り費データcs・3、選択工具加工対象数データcs・5、製品移動時間データcs・6、選択工具交換回数データcs・7、選択工具交換時間データcs・8、製品価格データcs・9、生産ライン数データcs・10を含むデータを有するデータを選択工具生産工程データcsとする。
選択工具基本データckと選択工具生産工程データcsに基づいて選択工具の所定期間の選択工具・製品総生産個数データcm・1(個/所定期間)、所定期間の選択工具・製品総売上高データcm・2(価格/所定期間)、所定期間の選択工具・工具総加工費データcm・3(価格/所定期間)、所定期間の選択工具・工具総使用本数データcm・4(本/所定期間)、所定期間の選択工具・工具総費用データcm・5(価格/所定期間)を含むデータを有するデータを選択工具期間データcmとする。
【0027】
選択工具9を生産工程4で使用した場合に、該生産工程4において実現される選択工具使用による増益のデータである選択工具増益デ-タyz・1を少なくても取得し出力することを、コンピュータに実行させて、前記工具増益デ-タ提示方法を実現する工具増益デ-タ取得プログラムであって、
【0028】
工具品種毎、工具材料毎、工具寸法毎、工具形状毎等の工具毎の加工速度毎、送り速度毎又は回転速度毎の工具寿命である基礎的寿命デ-タgfが基礎的寿命デ-タ格納手段である基礎的寿命デ-タ格納部40に予め格納されている。
【0029】
使用者側装置63又は提供者側装置67に表示されたデータ入力部53から、基準工具データkaを入力するデータ入力ステップ80を実行させるデータ取得部57と、(データ取得ステップ92)
基準工具基本データkkと基準工具生産工程データksに基づいて、基準工具7の所定期間の基準工具・製品総生産個数データkm・1(個/所定期間)、基準工具・製品総売上高データkm・2(価格/所定期間)、基準工具・工具総加工費データkm・3(価格/所定期間)、基準工具・工具総使用本数データkm・4(本/所定期間)、基準工具・工具総費用データkm・5(価格/所定期間)を含むデータを有する基準工具・期間データkmを取得する基準工具・期間データ取得ステップ81を実行する基準工具・期間データ取得部42と、(基準工具・期間データ取ステップ81)
基準工具・期間データkmを含むデータである基準工具データkaを格納する基準工具データ格納ステップを実行する基準工具データ格納部45と、(基準工具データ格納ステップ)
選択工具基本データck、選択工具生産工程データcs、選択工具期間データcmを含むデータを有する選択工具データca、選択工具データcaを取得する選択工具データ取得ステップ82を実行する選択工具データ取得部46と、(選択工具データ取得ステップ82)
前記基準工具・期間データkmの1項目データを規格化基準データst・1とし、前記1項目データに対応する前記選択工具期間データcmの1項目データを前記規格化基準データst・1の値とした場合の、前記選択工具期間データcmの各項目データの値を前記規格化基準データst・1の値に規格化した、規格化・選択工具・工具総費用データst・5を含むデータである規格化選択工具データstを取得する規格化選択工具データ取得ステップ83を実行する規格化選択工具データ取得部48と、(規格化選択工具データ取得ステップ83)
基準工具・期間データkmの1項目データ(ここでは、基準工具・製品総生産個数データkm・1(個/月))を規格化基準データst・1とし、前記1項目データに対応する選択工具期間データcmの1項目データ(ここでは、選択工具・製品総生産個数データcm・1(個/月))を規格化基準データst・1の値とした場合の、選択工具期間データcmの各項目データ(全項目データの値又は一部項目データ)の値を規格化基準データst・1の値に規格化した、規格化・選択工具・工具総費用データst・5を含むデータである規格化選択工具データstを取得する規格化選択工具データ取得手段として機能する規格化選択工具データ取得部48と、(規格化選択工具データ取得ステップ83)
((基準工具・工具総加工費データ(km・3)-(規格化・選択工具・工具総加工費データ(st・3))の式から計算された増益データである選択工具増益データyz・1、該選択工具増益データyz・1を含むデータである工具増益データprを取得する工具増益データ取得ステップ84を実行する工具増益データ取得部50と、(工具増益データ取得ステップ84)
工具増益データprの内から使用者に出力する識別表記のみ工具増益データdgを抽出する増益データ抽出ステップ85を実行する増益データ抽出部56と、(増益データ抽出ステップ85)
少なくとも選択工具増益データyz・1を出力する又は工具増益データprの一部データ又は全データを出力するデータ出力ステップ87を実行する出力部52と(データ出力ステップ87)を前記コンピュータに実行させる工具増益データ取得プログラム(工具増益データ取得プログラム1)である。
【0030】
この工具増益デ-タ取得プログラム1は、選択工具9を使用した場合に生産工程において実現される、選択工具9の使用による増益である工具増益データを提示する工具増益デ-タ提示方法である、基準工具基本デ-タkk、基準工具生産工程デ-タksを取得するデータ取得ステップ92と、選択工具増益デ-タyz・1を含むデータである工具増益データp)を取得する工具増益デ-タ取得ステップ84と、を含む工具増益デ-タ提示方法を実現しているものである。
【0031】
識別表記のみ工具増益データdg、選択工具9の正式な工具名、工具製品名、工具愛称などの該選択工具9を具体的に特定できる選択工具正式製品名ncとは異なる、選択工具正式製品名ncを特定できないようにするための選択工具識別表記niのみが表示されるデータである。(
図2、
図9、
図10参照)
【0032】
識別表記のみ工具増益データdgは、使用者側装置63に自動的に出力されるようにするのがよいが、は使用者の操作で使用者側装置63に呼込むことができるようにするのもよい。また、識別表記のみ工具増益データdgを提供者側装置67からメールで使用者側装置63に送信するようにするのもよいし、使用者側装置63に調整増益データvaを作成した旨をメールで知らせて、使用者側装置63からサーバ70にアクセスして閲覧することができるようにするのもよい。以上のデータ出力もデ-タ出力ステップ87である。
【0033】
<調整増益データの作成>
提供者は、提供者側装置67で工具増益データprを提供者側パソコン64に呼込んで、その内容を使用者側に出力する識別表記のみ調整増益データvaと提供者に出力する提供者側調整増益データvbに増益データ調整部79で調整作成されて(増益データ調整ステップ86)、識別表記のみ調整増益データvaは調整増益データ格納部89の使用者側調整データ格納部90に格納され、提供者側調整増益データvbは調整増益データ格納部89の供給側調整データ格納部91に格納され、提供者側装置67の指示で出力部52に送られる。
【0034】
識別表記のみ調整増益データvaは使用者の操作で使用者側装置63に呼込むことができるようにするのがよい。また、識別表記のみ調整増益データvaを提供者側装置67からメールで使用者側装置63に送信するようにするのもよいし、使用者側装置63に識別表記のみ調整増益データvaを作成した旨をメールで知らせて、使用者側装置63からサーバ70にアクセスして閲覧することができるようにするのもよい。
【0035】
識別表記のみ調整増益データvaは、識別表記のみ工具増益データdgの少なくとも選択工具増益デ-タyz・1の内容を調整したものや、調整した新たな選択工具を追加したり、調整した新たな選択工具に入れ替えたりする操作である。
図8の選択工具マスターデータ27-3において、選択工具識別表記niの選択工具A12を調整して、識別表記のみ工具増益データdgの選択工具A10を調整後の選択工具A12に入れ替える調整して作成した識別表記のみ調整増益データvaを説明する。
調整前の選択工具A12の提供者の増益データbn・1の+93.4万円/月を+25万円/月に減額調整することで、調整前の選択工具A12の選択工具増益デ-タyz・1の-7万円/月を+61.4万円/月の増額に調整できる。
選択工具A10を調整後の選択工具A12に入れ替える調整した識別表記のみ調整増益データvaを作成する。
また、例えば、超硬は折れやすいという欠点を有するものであるが、選択工具本数の増分yz・3の使用本数を増やす調整することで、1本当たりの加工数が減り結果的にリスクが低減されることになり、それが使用者(ユーザー)と供給者(サプライヤー)の両者にとって増益になるなら提案を検討する。
【0036】
<基礎的寿命デ-タgf>
基礎的寿命デ-タgfは、被加工材2を工具で加工して得た又は推測して得た加工速度毎の許容加工対象数である工具寿命、前記加工速度又は前記回転速度と前記工具寿命の対応する各点を滑らかな曲線でフィッティングして取得した寿命デ-タフィッティング関数、該寿命デ-タフィッティング関数を取得したときの工具デ-タを該寿命デ-タフィッティング関数に紐付してなる基礎的寿命デ-タである。
【0037】
図13、
図14を参照して基礎的寿命デ-タgfについて説明する。
被加工材2と同じ材料の加工を、工具の加工速度をパラメータとして工具寿命点20a~20gを取得する。工具の加工速度の加工速度は適宜に設定してもよい。
工具寿命点20a~20gの各点を滑らかな曲線でフィッティングすることにより、寿命データフィッティング関数21を作成する。このフィッティングは、Excelなど一般的なグラフ作成ソフトウェアにおいて実施されているのと同じプロセスで作成することができる。
作成した寿命データフィッティング関数21は工具品種毎、工具材料毎、工具寸法毎、工具形状毎等の工具毎に作成され、各寿命データフィッティング関数21を取得したときの工具データ(工具品種、工具材料、工具径、工具形状など)を該寿命データフィッティング関数21に紐付した形とし、更に、工具品種、工具材料、工具径など工具(タップ)を特性づけるパラメータを変化させて実施し、更に、加工材料の種類を変えて実施して取得したデータである基礎的寿命デ-タgfを作成して、該基礎的寿命デ-タgfを基礎的寿命デ-タ格納部40に予め格納して置く。
ここで工具がタップである場合の工具品種とは、スパイラルタップ、盛上げタップ、ハンドタップ、ポイントタップなどタップの種類をいう。
【0038】
理想的には、基礎的寿命デ-タ格納部40には使用者において使用されることが想定される種々の工具(タップ)を網羅しているのがよく、その方が使用者に対して、より多くの選択肢を提示ができるため望ましいが、基礎的寿命デ-タgfの取得作業には多大な時間と費用を要することを考慮すると現実的ではない。そこで、ある程度、既得データに基づいて寿命データフィッティング関数を推測できるような工具(タップ)と材料の組合せについては、推測値を使用するのもよい。例えば、タップの径のみを変えた場合の寿命データフィッティング曲線は、単純に、径を変える前のデータに一定の定数を掛けることで近似できる傾向がある。
【0039】
基礎的寿命デ-タgfの構造例を
図14、
図15により説明する。
被加工材2を、ここでは「低炭素鋼~S25C」と「中炭素鋼S25C~S45C」の部分を示している。
選択工具9はタップとしている。
被加工材2毎に選択工具9を通り穴用、止まり穴用の加工穴形態11に分類し、加工穴形態11を同時送り専用タップ、切削タップ、盛上げタップのタップ種類12に分類した寿命データであるタップ種類12に含まれる選択工具9を分類した、各選択工具9の寿命データgk・aが格納されている。
寿命データgk・aは、クーラント13の種類毎に分類され、それぞれの各寿命データである寿命データgk・bが格納されている。
寿命データgk・bは、クーラント供給方法14毎に分類され、各寿命データである寿命データgk・cが格納されている。
【0040】
選択工具9は被加工材2ごとに分類されている。
被加工材2には高炭素鋼S45C~、合金鋼SCM、調質材25~45HRC、高硬度材用45~55HRC・50~63HRC、銅CU・黄銅Bs、マグネシウム合金鋳物Mg、アルミ圧延材AI、ステンレス鋼SU303・SU304、ステンレス鋼SU306、ニッケル基合金・チタン合金、ダクタイル鋳鉄FCD・鋳鉄FCなど多種である。
クーラント13は、水溶性のもの、油性のもの、エアーを含むガス性のもの、噴霧性のものなど多種多様であり、それらがクーラント13製品毎に寿命データgk・bが作成され格納される。
クーラント供給方法14は、自然乾式方式、ガス噴射方式、液体クーラントかけ方式、センタ孔供給方式、サイドスルー溝給付方式などがあり、クーラント供給方法14毎に寿命データgk・cが作成され格納される。
さらに、選択工具9は刃形状、溝形状などの工具形状毎に分類され、工具形状毎に寿命データが作成され格納されるようにするのがよい。
ここでは、被加工材2を筆頭にした分類構造としているが、これに限らず例えば、選択工具6を筆頭にした分類構造とするなどでもよい。
【0041】
基準工具基礎データkt、基準工具基本デ-タkk、基準工具生産工程デ-タksを入力するデ-タ入力ステップ80を実行させるデータ取得手段であるデ-タ取得部57を備え、
デ-タ取得部57に基準工具基礎データkt、基準工具基本デ-タkk、基準工具生産工程デ-タksが取得されたという取得条件が満たされていれば、選択工具デ-タcaが基準工具データkaからの共通データの呼込みと計算によって自動的に取得される。
【0042】
<各データの値の計算式>
各データの値を取得する計算式を説明する。
「kk・3[基準工具加工速度(m/mmin)]」等の「kk・3」等は図面の符号である。また、例えば「基準工具加工速度データ(m/mmin」を「基準工具加工速度(m/mmin」というように「データ」を省いた表現としており、これは単に記載を見やすくするためである。
<基準工具基本データkkの取得計算式>(工具は盛上げタップ・加工対象は雌ねじを螺刻する穴)
kk・3[基準工具加工速度(m/mmin)]=kk・1[π×基準工具工具径(mm)]×kk・2[基準工具回転数(min-1)]/1000
kk・3=kk・1×kk・2/1000
kk・6[基準工具送り速度(mm/min)]=kk・2[基準工具回転数(min-1)]×1(ピッチ)
kk・6=kk・2×1
【0043】
<基準工具生産工程データksの取得計算式>
ks・12[基準工具加工対象加工時間(s/1加工対象)]=ks・4[加工対象部位加工深さ(mm)]/kk・6[基準工具送り速度(mm/min)]×60×2 *<正転時と逆転時の加工時間を等しいと仮定>
ks・12=ks・4/kk・6×60×2
ks・13[基準工具加工数(加工対象数/日)]=(8×3600-ks・8[基準工具使用本数(本/日)]×ks・8[基準工具交換時間(min/回)]×60)/ks・12[(基準工具加工対象加工時間(s/加工対象数)]×ks・5[基準工具加工対象数(加工対象数/製品)]+ks・6[製品移動時間(s)])×ks・5[基準工具加工対象数(加工対象数/製品)] *<労働時間8(h/日)と仮定>
ks・13=(8×3600-ks・8×ks・8×60)/ks・12×ks・5+ks・6)×ks・5 *<労働時間8(h/日)と仮定>
ks・14[基準工具使用本数(本/日)]=ks・13[基準工具加工数(加工対象数/日)]/kk・4[基準工具寿命(許容加工対象数)]
ks・14=ks・13/kk・4
【0044】
<基準工具期間データkmの取得計算式>
km・6[基準工具加工数(加工対象数/月)]=ks・13[基準工具加工数(加工対象数/日)×ks・11[(稼働日数20(日/月)と仮定)]
km・6=ks・13×ks・11
km・4[基準工具・工具総使用本数(本/月)]=km・6[基準工具加工数(加工対象数/月)]/kk・4[基準工具寿命(許容加工対象数)]=ks・7[基準工具交換回数(回/月)]
km・4=km・6/kk・4=ks・7
【0045】
<基準工具生産工程データksの取得計算式>
ks・15[基準工具・製品1ライン生産個数(個/月)]=km・6[基準工具加工数(加工対象数/月)]/ks・5[基準工具加工対象数(加工対象数/製品)]
ks・15=km・6/ks・5
ks・16[基準工具・製品1ライン製品売上高(万円/月)]=ks・15[基準工具・製品1ライン生産個数(個/月)]×kk・5[基準工具価格(円/本)]/10,000
ks・16=ks・15×kk・5/10,000
ks・17[基準工具・製品1ライン工具総加工費(万円/月)]=km・6[基準工具加工数(加工対象数/月)]×{kk・5[基準工具価格(円/本)]/kk・4[基準工具寿命(許容加工対象数)]+ks・2[基準工具設備費(円/min)]×(ks・12[(基準工具加工対象加工時間(s/加工対象数)]×ks・5[基準工具加工対象数(加工対象数/製品)]+ks・6[製品移動時間(s)])/ks・5[基準工具加工対象数(加工対象数/製品)]/60+ks・7[基準工具交換回数(回/月)]×ks・8[基準工具交換時間(min/回)]×ks・3[基準工具段取り費(円/min)]/km・6[基準工具加工数(加工対象数/月)]}/10,000 *<ks・5[基準工具加工対象数(加工対象数/製品)]/60 *加工対象数加工時と非加工対象数加工時の動力を同じと仮定>
ks・17=km・6×{kk・5/kk・4+ks・2×(ks・12×ks・5+ks・6/ks・5/60+ks・7×ks・8×ks・3/km・6}/10,000
ks・18[基準工具・製品1ライン工具使用本数(本/月)]=ks・15[基準工具・製品1ライン生産個数(個/月)]×ks・5[基準工具加工対象数(加工対象数/製品)]/kk・4[基準工具寿命(許容加工対象数)]
ks・18=ks・15×ks・5/kk・4
【0046】
<基準工具期間データkmの取得計算式>
km・1[基準工具・製品総生産個数(個/月)]=ks・15[基準工具・製品1ライン生産個数(個/月)]×ks・10[生産ライン数]
km・1=ks・15×ks・10
km・2[基準工具・製品総売上高(万円/月)]=ks・16[基準工具・製品1ライン製品売上高(万円/月)]×ks・10[生産ライン数]
km・2=ks・16×ks・10
km・3[基準工具・工具総加工費(万円/月)]=ks・17[基準工具・製品1ライン工具総加工費(万円/月)]×ks・10[生産ライン数]
km・3=ks・17×ks・10
km・4[基準工具・工具総使用本数(本/月)]=ks・18[基準工具・製品1ライン工具使用本数(本/月)]×ks・10[生産ライン数]
km・4=ks・18×ks・10=ks・7
km・5[基準工具・工具総費用(万円/月)]=km・4[基準工具・工具総使用本数(本/月)]×kk・5[基準工具価格(円/本)]/10000
【0047】
<選択工具基本データckの取得計算式(工具は盛上げタップ>(加工対象は雌ねじを螺刻する穴)
ck・3[選択工具加工速度(m/mmin)]=ck・1[π×選択工具工具径(mm)]×ck・2[選択工具回転数(min-1)]/1000
ck・3=ck・1×ck・2/1000
ck・6[選択工具送り速度(mm/min)]=ck・2[選択工具回転数(min-1)]×1(ピッチ)
ck・6=ck・2×1
【0048】
<選択工具生産工程データcsの取得計算式>
cs・12[選択工具1加工対象加工時間(s/1加工対象)]=cs・4[選択工具加工深さ(mm)]/ck・6[選択工具送り速度(mm/min)]×60×2 *<正転時と逆転時の加工時間を等しいと仮定>
cs・12]=cs・4/ck・6×60×2
cs・13[選択工具加工数(加工対象数/日)]=(8×3600-cs・8[選択工具使用本数(本/日)]×cs・8[選択工具交換時間(min/回)]×60)/cs・12[(選択工具1加工対象加工時間(s/加工対象数)]×cs・5[選択工具加工対象数(加工対象数/製品)]+cs・6[製品移動時間(s)])×cs・5[選択工具加工対象数(加工対象数/製品)] *<労働時間8(h/日)と仮定>
cs・13=(8×3600-cs・8×cs・8×60)/cs・12×cs・5+cs・6)×cs・5 *<労働時間8(h/日)と仮定>
cs・14[選択工具使用本数(本/日)]=cs・13[選択工具加工数(加工対象数/日)]/ck・4[選択工具寿命(加工対象数/本)]
cs・14=cs・13/ck・4
【0049】
<選択工具期間データcmの取得計算式>
cm・6[選択工具加工数(加工対象数/月)]=cs・13[選択工具加工数(加工対象数/日)×cs・11[(稼働日数20(日/月)と仮定)]
cm・6=cs・13×cs・11
cm・4[選択工具・工具総使用本数(本/月)]=cm・6[選択工具加工数(加工対象数/月)]/ck・4[選択工具寿命(加工対象数/本)]=cs・7[選択工具交換回数(回/月)]
cm・4=cm・6/ck・4=cs・7
【0050】
<選択工具生産工程データcsの取得計算式>
cs・15[選択工具・製品1ライン生産個数(個/月)]=cm・6[選択工具加工数(加工対象数/月)]/cs・5[選択工具加工対象数(加工対象数/製品)]
cs・15=cm・6/cs・5
cs・16[選択工具・製品1ライン製品売上高(万円/月)]=cs・15[選択工具・製品1ライン生産個数(個/月)]×ck・5[選択工具価格(円/本)]/10,000
cs・16=cs・15×ck・5/10,000
cs・17[選択工具・製品1ライン工具総加工費(万円/月)]=cm・6[選択工具加工数(加工対象数/月)]×{ck・5[選択工具価格(円/本)]/ck・4[選択工具寿命(加工対象数/本)]+cs・2[選択工具設備費(円/min)]×(cs・12[(選択工具1加工対象加工時間(s/加工対象数)]×cs・5[選択工具加工対象数(加工対象数/製品)]+cs・6[製品移動時間(s)])/cs・5[選択工具加工対象数(加工対象数/製品)]/60+cs・7[選択工具交換回数(回/月)]×cs・8[選択工具交換時間(min/回)]×cs・3[選択工具段取り費(円/min)]/cm・6[選択工具加工数(加工対象数/月)]}/10,000 *<cs・5[選択工具加工対象数(加工対象数/製品)]/60 *加工対象数加工時と非加工対象数加工時の動力を同じと仮定>
cs・17=cm・6×{ck・5/ck・4+cs・2×(cs・12×cs・5+cs・6/cs・5/60+cs・7×cs・8×cs・3/cm・6}/10,000
cs・18[選択工具・製品1ライン工具使用本数(本/月)]=cs・15[選択工具・製品1ライン生産個数(個/月)]×cs・5[選択工具加工対象数(加工対象数/製品)]/ck・4[選択工具寿命(加工対象数/本)]
cs・18=cs・15×cs・5/ck・4
【0051】
<選択工具期間データcmの取得計算式>
cm・1[選択工具・製品総生産個数(個/月)]=cs・15[選択工具・製品1ライン生産個数(個/月)]×cs・10[生産ライン数]
cm・1=cs・15×cs・10
cm・2[選択工具・製品総売上高(万円/月)]=cs・16[選択工具・製品1ライン製品売上高(万円/月)]×cs・10[生産ライン数]
cm・2=cs・16×cs・10
cm・3[選択工具・工具総加工費(万円/月)]=cs・17[選択工具・製品1ライン工具総加工費(万円/月)]×cs・10[生産ライン数]
cm・3=cs・17×cs・10
cm・4[選択工具・工具総使用本数(本/月)]=cs・18[選択工具・製品1ライン工具使用本数(本/月)]×cs・10[生産ライン数]
cm・4=cs・18×cs・10=cs・7
cm・5[選択工具・工具総費用(万円/月)]=cm・4[選択工具・工具総使用本数(本/月)]×ck・5[選択工具価格(円/本)]/10000
cm・5=cm・4×ck・5/10000
【0052】
<規格化選択工具データstの取得計算式>
(基準工具・製品総生産個数(個/月)データkm・1を規格化基準データst・1に設定)
st・1[規格化基準データ]=km・1[基準工具・製品総生産個数(個/月)]
st・1=km・1
st・2[規格化:選択工具・製品総売上高(万円/月)]=cm・2[選択工具・製品総売上高(万円/月)]×(km・1[基準工具・製品総生産個数(個/月)]/cm・1[選択工具・製品総生産個数(個/月)])
st・2=cm・2×(km・1/cm・1)
st・3[規格化:選択工具・工具総加工費(万円/月)]=cm・3[選択工具・工具総加工費(万円/月)]×(km・1[基準工具・製品総生産個数(個/月)]/cm・1[選択工具・製品総生産個数(個/月)])
st・3=cm・3×(km・1/cm・1)
st・4[規格化・選択工具・工具総使用本数(本/月)]=cm・4[選択工具・工具総使用本数(本/月)](km・1[基準工具・製品総生産個数(個/月)]/cm・1[選択工具・製品総生産個数(個/月)])
st・4=cm・4×(km・1/cm・1)
st・5[規格化・選択工具・工具総費用(万円/月)]=cm・5[選択工具・工具総費用(万円/月)]×(km・1[基準工具・製品総生産個数(個/月)]/cm・1[選択工具・製品総生産個数(個/月)])
st・5=cm・5×(km・1/cm・1)
【0053】
<工具増益データprの取得計算式>
<yz:使用者側増益データの取得計算式>
yz・1[選択工具増益(万円/月)]=km・3[基準工具・工具総加工費(万円/月)]ーst・3[規格化:選択工具・工具総加工費(万円/月)]
yz・1=km・3ーst・3
yz・2[リベート分減額選択工具増益(万円/月]=yz・1[選択工具増益(万円/月)]ーbn・2[提供者への改善リベート(万円/月)]
yz・2=yz・1ーbn・2
yz・3[選択工具本数の増分(本/月)]=st・4[規格化・選択工具・工具総使用本数(本/月)]ーkm・4[基準工具・工具総使用本数(本/月)]
yz・3=st・4ーkm・4
【0054】
<提供者側増益データbnの取得計算式>
bn・1[提供者の増益(万円/月)]=st・5[規格化・選択工具・工具総費用(万円/月)]-km・5[基準工具・工具総費用(万円/月)]
bn・1=st・5-km・5
bn・2[提供者への改善リベート(万円/月)]=yz・1[選択工具増益(万円/月)]×0.1 *<リベート1割とした場合>
bn・2=yz・1×0.1
【0055】
選択工具9には、該選択工具9の正式な工具名、工具製品名、工具愛称などの該選択工具9を具体的に特定できる選択工具正式製品名ncと、該選択工具正式製品名ncとは異なる選択工具9を特定できないようにするための選択工具識別表記niとが含まれた工具名称ntが付与されていて、
出力部52から出力される選択工具名は、選択工具識別表記niのみとされているか、選択工具正式製品名ncがマスクや非表示形態とされ、ディスプレイへの表示や印刷では見れないようになっている。
選択工具識別表記niは基礎的寿命デ-タgfの各工具それぞれに予め付与されている。
または、選択工具識別表記付与部(図示せず)が設けられ、工具増益データprの取得時に該選択工具識別表記付与部によって選択工具識別表記niを自動的に付与する構成もよい。
または、提供者側装置67からオペレータによって付与されるのもよい。
工具増益データprは工具増益デ-タ格納部51に格納され出力部に送られる。
工具増益デ-タ格納部51には、使用者側データ格納部54と供給者側データ格納部55が設けられている。
使用者側データ格納部54に格納される工具増益データprの選択工具名には選択工具識別表記niのみが付与され、且つ、工具増益データprの一部のデータのみが出力されるようにされ又は該一部のデータのみが格納されて、使用者側には一部のデータのみである識別表記のみ工具増益データdgが出力されるようになっている。
供給者側データ格納部55に格納される工具増益データprの選択工具名には、選択工具正式製品名nc及び選択工具識別表記niが付与され、工具増益データprの全データが格納されて、供給者側には全データが出力されるようになっている。
使用者とは工具増益デ-タ取得プログラム1によるデータを受けとる者であり、供給者とは工具増益デ-タ取得プログラム1のデータを提供する者である。
【0056】
使用者側データ格納部54及び供給者側データ格納部55を設けない構成として、出力部52に工具増益データprを識別表記のみ工具増益データdgに処理して出力する構成とするのもよい。
【0057】
提供者側装置67からの指示によって、提供者側の工具増益データprを呼び込んで提供者側装置67からの操作によって、
【0058】
工具増益デ-タ取得プログラム1によって提供者側の増益である提供者の増益データbn・1が取得され、
出力データdwが、工具増益デ-タ取得プログラム1によって出力データdwの提供を受ける使用者にとって選択工具増益デ-タyz・1の内容が+増益であり、且つ、提供者側にとって提供者の増益データbn・1の内容が+増益である両者+増益条件を満たした出力データのみ、又は前記両者+増益条件を満たしたものを含む出力データとするのもよい。
【0059】
工具増益デ-タ取得プログラム1によるデータを使用する(データの提供を受ける)使用者側のパソコン60、ディスプレイ61、プリンター62などの使用者側装置63に出力データdwが出力される。
工具増益デ-タ取得プログラム1によるデータを提供する提供者側パソコン64、ディスプレイ65、プリンター66などの提供者側装置67に全データdzの出力が可能とされている。
【0060】
<工具増益デ-タ出力システム>
工具増益デ-タ取得プログラム1がインストールされたサーバ70がインターネットなどの通信回線71に接続され、選択工具増益デ-タyz・1を含むデータを有する工具増益データprを通信回線71に接続された使用者側装置63に出力することを可能とした工具増益デ-タ出力システム72を構成している。
【0061】
<データ入力・動作>
(1) 使用者側のパソコン60のディスプレイ61に表示されているデ-タ入力部53に、基準工具基礎データkt、基準工具基本デ-タkk、基準工具生産工程デ-タksを含む基準工具データkaを入力59する。(
図5の上図参照)
基準工具生産工程デ-タksを特徴づける特性には、様々あるが、ここでは、簡易的に、工具加工深さ、1製品当りの工具加工対象数(タップ加工穴数)、1つの製品の加工が終了してから次の製品が加工位置にセッティングされ加工が始まるまでの時間(製品移動時間)、工具設備費、工具段取り費、工具交換時間、製品1個当たりの販売価格、および、製品の加工ライン数を入力する(
図6)。ここで、工具設備費は設備を稼働させた場合の単位時間当たりに費やされる(掛る)費用(コスト)であり、工具段取り費は段取り替えを行う場合の単位時間当たりに費やされる(掛る)費用(コスト)である。
(2) デ-タ入力部53の入力59によりに基準工具データkaがデ-タ取得部57に取得されると、自動的に基準工具期間データkm(ここでの「所定期間」は「1か月」)が計算され、デ-タ入力部53の下側に自動的に表示される。(
図5の下図参照)
(3) デ-タ取得部57に基準工具データkaが取得されると、基準工具データkaは選択工具データ取得部46に送られる。
選択工具データ取得部46は基準工具データkaを基礎的寿命デ-タgfに紹介すると、被加工材2の加工が可能な選択工具9が自動的に選択され(ここでの選択工具9は、基準工具7の加工速度以外の加工速度の溶解ハイス選択工具、粉末ハイス選択工具、超硬選択工具の3材料のタップを選択している。)、選択された全ての選択工具9について自動的に規格化選択工具デ-タstの取得及び工具増益データprの取得が行われて、
図6、
図7、
図8に示すような選択工具マスターデータ27(溶解ハイス選択工具のデータである選択工具マスターデータ27-1、粉末ハイス選択工具のデータである27-2、超硬選択工具のデータである27-3)が作成され、供給者が全データを見ることができる供給者側データ格納部55に格納され、工具増益データprは使用者側データ格納部54に格納される。
(4) 出力部52は識別表記のみ工具増益データdgを使用者側のパソコン60に出力する。
【0062】
前記(1)~(4)の動作は、基準工具データkaを入力59が済むと自動的に行われ(処理され)る。
したがって、使用者は基準工具データkaの入力59を行うだけの操作で、識別表記のみ工具増益データdgを見ることができ、生産工程4において増益をもたらする工具があるかどうかを容易に知ることができる。
提供者側装置67から基準工具データkaを入力59を行っても、前記(1)~(3)の処理が行われ、その取得データは提供者側装置67に出力される。
【0063】
<基準工具期間データkmの取得>
入力59により、基準工具期間データkmが計算され、基準工具基礎データkt、基準工具基本デ-タkk、基準工具生産工程デ-タks、基準工具期間データkmを含むデータである基準工具データkaが基準工具データ格納部45に格納される。
基準工具基礎データktは、基準工具7の、基準工具メーカ名、基準工具製品名、基準工具種類、基準工具材料(材質)を含むデータである。
基準工具基本デ-タkkは、工具加工工程5における基準工具7の、基準工具径データkk・1(mm)、基準工具回転数kk・2(minー1)、基準工具加工速度デ-タkk・3(m/min)、基準工具寿命デ-タkk・4(加工対象数/本)、基準工具価格デ-タkk・5(円/本)を含むデ-タである。
基準工具生産工程デ-タksは、生産工程4における、被加工材の材料ks・1、基準工具設備費デ-タks・2(円/min)、基準工具段取り費デ-タks・3(円/min)、加工対象部位加工深さks・4(mm)、基準工具加工対象数デ-タks・5(加工対象数/製品)、製品移動時間デ-タks・6(s)、基準工具交換回数デ-タks・7(回/月)、基準工具交換時間デ-タks・8(min/回)、製品価格デ-タks・9(円/個)、生産ライン数デ-タks・10、稼働日数データks・11(日/月)を含むデ-タである。
基準工具期間データkmは、基準工具7の所定期間の、基準工具・製品総生産個数デ-タkm・1(個/所定期間)、基準工具・製品総売上高デ-タkm・2(価格/所定期間)、基準工具・工具総加工費デ-タkm・3(価格/所定期間)、基準工具・工具総使用本数デ-タkm・4(本/所定期間)、基準工具・工具総費用デ-タkm・5(価格/所定期間)を含むデータである。
【0064】
<選択工具データcaの取得>
入力59により、選択工具データ取得部46が、基礎的寿命デ-タ格納部40に格納された基礎的寿命デ-タgfから、選択工具9を選択し、それの選択工具基礎データct、選択工具基本データck、選択工具生産工程データcsを、計算及び基準工具データkaからの共通データの呼び込みにより取得する。さらに選択工具データ取得部46は、1か月間のデータである選択工具期間データcmを計算し取得するとともに、選択工具基礎データct、選択工具基本データck、選択工具生産工程データcs、選択工具期間データcmを含むデータである選択工具データcaを取得する。
ここで、所定期間は1日、1週間、1か月、数か月、1年など任意に決めればよい。一般的には1か月ないし1年である。
【0065】
ここでは、選択工具9(盛上げタップ)として、基準工具7と同じ材料の溶解ハイスで基準工具7の加工速度(タップは回転数と加工速度が比例関係)の異なる溶解ハイスの選択工具(盛上げタップ)、粉末ハイスの選択工具(盛上げタップ)、超硬の選択工具(盛上げタップ)が選択されている。
【0066】
選択工具基礎データctは以下のデータを含むデータである。
選択工具メーカ名
選択工具正式製品名nc
選択工具種類(ここでは、盛上げタップ)
選択工具材料(ここでは、溶解ハイス、粉末ハイス、超硬)
選択工具基本データckは以下のデータを含むデータである。
選択工具径ck・1(mm)
選択工具回転数データck・2(min-1)
選択工具加工速度ck・3(m/mmin)
選択工具寿命デ-タck・4(加工対象数/本)
選択工具価格データck・5(円/本)
選択工具生産工程データはcs以下のデータを含むデータである。
被加工材の材料cs・1
選択工具設備費cs・2(円/min)
選択工具段取り費cs・3(円/min)
加工対象部位加工深さcs・4(mm)=(ks・4)
選択工具加工対象数cs・5(加工対象数/製品)
製品移動時間cs・6(s)=(ks・6)
選択工具交換回数cs・7(回/月)
選択工具交換時間cs・8(min/回)
製品価格cs・9(円/個)=(ks・9)
生産ライン数cs・10=(ks・10)
稼働日数cs・11(日/月)
選択工具期間データcmは以下のデータを含むデータである。
選択工具・製品総生産個数cm・1(個/月)
選択工具・製品総売上高cm・1(万円/月)
選択工具・工具総加工費cm・3(万円/月)
選択工具・工具総使用本数cm・4(本/月)
選択工具・工具総費用cm・5(万円/月)
【0067】
<選択工具寿命デ-タck・4の取得>
溶解ハイス、粉末ハイス、超硬のそれぞれの選択工具9に関する寿命データフィッティング関数21が呼出され、加工速度毎の選択工具寿命デ-タck・4(加工対象数/本)が計算される(
図13の(b)図)。なお、タップにおいては、通常、送り量は1mm/revであるので、加工速度が決まれば送り速度は一義的に決定される。
溶解ハイス、粉末ハイス、超硬のそれぞれの選択工具9において、加工速度を変化させて又は経験値からの適当な間隔で実施する。
図6に示す溶解ハイスでは、選択工具加工速度ck・3は4、16、22、30m/mminで実施し、
図7に示す粉末ハイスでは、選択工具加工速度ck・3は9、16、22、30m/mminで実施し、
図8に示す超硬では、選択工具加工速度ck・3は10、16、22、30m/mminで実施している。
タップにおいてパラメータとして一定の間隔で変化させて実施する場合、当該間隔は実用的観点からは5m/min間隔あれば十分であるが、より詳細な条件設定を希望する場合には1m/min間隔にするなど柔軟に変更してよい。選択工具加工速度ck・3の変化域については、タップの場合、通常、0m/min~100m/minで十分である。より現実的には、0m/min~50m/minである。
【0068】
<選択工具期間デ-タcmの取得>
基準工具・期間デ-タ取得部42で、選択工具寿命デ-タck・4及び基準工具データkaの共通データから、所定期間(ここでは「月当たり」)の、選択工具・製品総生産個数(個/月)cm・1、選択工具・製品総売上高デ-タcm・2(価格/月)、選択工具・工具総加工費デ-タcm・3(価格/月)、選択工具・工具総使用本数デ-タcm・4(本/月)、および、選択工具・工具総費用デ-タcm・5(価格/月)を含むデータを有する選択工具期間デ-タcmが一義的に取得される(
図7~図)。
図6に示されているデータが溶解ハイスの選択工具のデータである選択工具マスターデータ27-1。
図7に示されているデータが粉末ハイスの選択工具のデータである選択工具マスターデータ27-2。
図8に示されているデータが超硬の選択工具のデータである選択工具マスターデータ27-3。
「取得」には、計算より取得するデータと、基準工具データkaの共通するデータである共通データで取得するデータがある。
【0069】
<共通データ>
ここでの共通データは以下である。
選択工具径デ-タck・1(mm)=基準工具径データkk・1(mm)
被加工材材料デ-タcs・1=被加工材材料デ-タks・1
選択工具種類デ-タ=基準工具種類デ-タ
選択工具設備費デ-タcs・2(円/min)=基準工具設備費デ-タks・2(円/min)
加工対象部位加工深さデ-タcs・4(mm)=対象部位加工深さks・4(mm)
選択工具加工対象数デ-タcs・5(加工対象数/製品)=基準工具加工対象数デ-タks・5(加工対象数/製品)
製品移動時間デ-タcs・6(s)=製品移動時間デ-タks・6(s)
選択工具交換時間デ-タcs・8(min/回)=基準工具交換時間デ-タks・8(min/回)
製品価格デ-タcs・9(円/個)=製品価格デ-タks・9(円/個)
生産ライン数デ-タcs・10=生産ライン数デ-タks・10
稼働日数デ-タcs・11(日/月)=稼働日数デ-タks・11(日/月)
工具種類は基準工具種類と選択工具種類が、例えば一方が盛上げタップで他方が切削タップというように異なる種類を選択範囲とすることも可能である。
【0070】
<規格化>
選択工具データcaが規格化選択工具デ-タ取得部48に呼込まれ、規格化選択工具データstが計算・取得される。
規格化は、総工具加工費、総工具使用本数、総工具費用を規格化する。通常、加工条件を変化させると、月当たりの生産個数が変わるため、同じ基準(同じ生産個数)での比較ができないためである。
よって、基準工具・製品総生産個数データkm・1(個/月)を規格化基準データst・1(個/月)とする。
そして、規格化基準データst・1に対応する選択工具・製品総生産個数データ(個/月)cm・1の値を規格化基準データst・1とした場合の、選択工具期間デ-タcmの各項目データを規格化した規格化選択工具デ-タstを計算・取得する。
【0071】
図 の選択工具種類が粉末ハイスのデータ表を参照して説明する。
共通データ以外の取得された選択工具識別表記A05~A08の値。
選択工具識別表記A05~A08の選択工具加工速度ck・3は以下である。
A05= 9m/mmin
A06=16m/mmin
A07=22m/mmin
A08=30m/mmin
選択工具識別表記A05~A08の選択工具寿命デ-タck・4は以下である。
A05=19,000加工対象数/本
A06= 9,000加工対象数/本
A07= 6,500加工対象数/本
A08= 4,000加工対象数/本
選択工具識別表記A05~A08の選択工具価格ck・5は以下である。
A05~A08=2,500円/本
選択工具識別表記A05~A08の選択工具段取り費cs・3は以下である。
A05=100円/min
A06= 77円/min
A07= 68円/min
A08= 62円/min
選択工具識別表記A05~A08の選択工具交換回数cs・7は以下である。
A05= 4回/月
A06=12回/月
A07=18回/月
A08=33回/月
選択工具識別表記A05~A08の規格化された規格化基準データst・1は以下である。
A05~A08=1,630,286個/月
【0072】
選択工具識別表記A05~A08の各データから規格化選択工具デ-タstの各データが計算・取得され格納される。
取得された選択工具識別表記A05~A08の規格化選択工具デ-タstは以下である。
規格化・選択工具・製品総売上高データst・2
A05=32,606万円/月
A06=32,606万円/月
A07=32,606万円/月
A08=32,606万円/月
規格化・選択工具・工具総加工費データst・3
A05=364万円/月
A06=213万円/月
A07=234万円/月
A08=432万円/月
規格化・選択工具・工具総使用本数データst・4
A05= 86万円/月
A06= 325万円/月
A07= 543万円/月
A08=1、630万円/月
規格化・選択工具・工具総費用データst・5
A05= 10.7万円/月
A06= 40.8万円/月
A07= 67.9万円/月
A08=203.8万円/月
【0073】
<工具増益データprの取得>
工具増益データ取得部50は((基準工具・工具総加工費データ(km・3)-(規格化・選択工具・工具総加工費データ(st・3))の式から生産工程4における選択工具9の使用による増益データである選択工具増益データyz・1、該選択工具増益データyz・1を含むデータである使用者側増益データyzを取得するとともに、提供者側の増益である提供者の増益データbn・1含むデータである提供者側増益データbn、該提供者側増益データbnを含む選択工具マスターデータ27を取得する。
使用者側増益データyz、供者側増益データbnを含むデータである工具増益データprを工具増益データ格納部51に格納する。工具増益データ格納部51には使用者側データ格納部54と供給側データ格納部55が設けられ、使用者側増益データyzは使用者側データ格納部54に格納され、供者側増益データbnを含む選択工具マスターデータ27は供給側データ格納部55に格納される。
【0074】
ここでの工具識別表記niは、同じ選択工具材料、種類、形状等に関係なく、選択された選択工具の取得データに自動的に付与される(ここでは、先頭にアルファベットを冠した連続する番号)。
溶解ハイス選択工具のデータである選択工具マスターデータ27-1には、選択工具識別表記A01,A02、A03,A04が付与され。
粉末ハイス選択工具のデータである27-2には、選択工具識別表記A05,A06、A07,A08が付与され、超硬選択工具のデータである27-3には、選択工具識別表記A09,A10、A11,A12が付与されている。
すなわち、A01~A12の選択工具のデータが取得されていることになる。
使用者側データ格納部54、出力部52又は適当な部位に(ここでは、使用者側データ格納部54に設けている。)には、選択工具マスターデータ27の中から提供者に増益をもたらすデータを抽出する増益データ抽出部56が設けられている。
増益データ抽出部56において選択工具マスターデータ27の中から、使用者側に良好な増益をもたらす選択工具識別表記A02,A06、A10,A11のデータが抽出され、選択工具識別表記A02,A06、A10,A11のデータのみが識別表記のみ工具増益データdgとして取得され出力部62から使用者側のパソコン60に出力される。(
図9、
図10参照)
【0075】
<使用者側増益データyz>
選択工具識別表記A01~A04(溶解ハイス)の使用者側増益データyzの各データ項目は以下である。(
図6参照)
選択工具増益データyz・1
A01=-133万円/月
A02= +18万円/月
A03= -3万円/月
A04=-201万円/月
リベート分減額選択工具増益データyz・2
(選択工具増益データyz・1の1割をリベートに設定)
A01=-146.3万円/月
A02= +16.2万円/月
A03= -3.3万円/月
A04= -6.93万円/月
選択工具本数の増分データyz・3
A01= -95本/月
A02= +144本/月
A03= +362本/月
A04=+1,449本/月
選択工具本数の増分=万円/月
【0076】
<提供者側増益データbn>
選択工具識別表記A01~A04の提供者側増益データbnの各データ項目は以下である。
提供者の増益データbn・1
A01= -11.9万円/月
A02= +18.2万円/月
A03= +45.3万円/月
A04=+181.2万円/月
提供者への改善リベートbn・2
A01=-13.3万円/月
A02= +1.8万円/月
A03= -0.3万円/月
A04= -0.63万円/月
【0077】
図7、
図8に示している選択工具識別表記A05~A12のデータ値については記載を省略する。
選択工具識別表記A01~A12の、選択工具による増益を判断する主要項目である選択工具増益データyz・1は以下である。(超硬は折れ易いリスクが高い。)
A01=-133万円/月
A02= +18万円/月・・・工具増分、提供者増益、リスク等を考慮して良
A03= -3万円/月
A04=-201万円/月
A05= +11万円/月・・・工具増分、提供者増益、リスク等を考慮して良
A06= +25万円/月・・・工具増分、提供者増益、リスク等を考慮して良
A07= +23万円/月
A08= -12万円/月
A09= +25万円/月
A10= +45万円/月・・・工具増分、提供者増益、リスク等を考慮して良
A11= +23万円/月
A12= -7万円/月
ここでは、増益データ抽出部56において、工具増分、提供者増益、リスク等を考慮して、12のデータの中から、選択工具識別表記A02,A06、A10,A11のデータが抽出されている。
リスクには被加工材2との相性(回転速度、加工速度、工具材料と被加工材、クーラント等の相性)等が考慮され、このようなリスクデータも紐づけされた形で基礎的寿命デ-タgが作成される。また補正、補強されて行く。
【0078】
使用者が、増益の目標の達成を基準工具・工具総費用km・5に対する規格化・選択工具・工具総費用st・5の割合(例えば3割)としている場合は、使用者側増益データyzに増益目標値を設けて、この増益目標値の達成した選択工具9のデータや調整したデータを提示するようにするのもよい。
【0079】
<工具増益デ-タ提示物>
選択工具増益デ-タyz・1を含むデータが表示できるようになっている又は表示されている使用者側装置63に接続されたディスプレイ61、使用者側装置63に接続されたプリンター62から出力された選択工具増益デ-タyz・1を含むデータが表記された印刷物68、提供者側が使用者側に提示(「見せる」を含む)する選択工具増益デ-タyz・1を含むデータが表示できるようになっている又は表示されているディスプレイ75、提供者側が使用者側に提示(「見せる」を含む)する択工具増益デ-タyz・1を含むデータが表記された印刷物76などは工具増益デ-タ提示物77である。(
図4参照)
ディスプレイ75はノートパソコンやタブレットパソコンなどであり、選択工具増益デ-タyz・1を含むデータが保存されていたり、通信回線71に接続して選択工具増益デ-タyz・1を含むデータを呼び込み表示することができるもの等である。
【0080】
また、工具増益デ-タ提示物77には、前記選択工具9の正式な工具名、工具製品名、工具愛称などの該選択工具9を具体的に特定できる選択工具正式製品名ncとは異なる、選択工具正式製品名ncを特定できないようにするための選択工具識別表記niのみが表示できるようになっている又は表記されているのがよい。
すなわち、工具増益デ-タ提示物77には識別表記のみ工具増益データdgのみが表示されるないし表記されているのがよい。(
図2、
図9、
図10参照)
【0081】
選択工具増益デ-タyz・1の取得について他の例を
図16により説明する。
選択工具9の特性を変えた場合の選択工具増益デ-タyz・1を計算していくが、ここでは簡易的に、タップの材料を変えた場合についてのみ説明する。
横軸に選択工具加工速度データck・3(m/mmin)をとり、縦軸に選択工具増益デ-タyz・1(万円/月)をとった溶解ハイスのグラフ94、粉末ハイスのグラフ95、超硬のグラフ96を作成する。(
図16の(a)、(b)、(c)図)。
選択工具増益デ-タyz・1がプラスとなる選択工具9の有効な使用条件100、選択工具増益デ-タyz・1が最高となる選択工具9の最適な使用条件101、さらに、選択工具9の最適な使用条件における選択工具増益デ-タyz・1を示す溶解ハイス増益表97、粉末ハイス増益表98、超硬の増益表99を作成する。(
図16の(a)、(b)、(c)図の下の表)。
ここで、使用条件100は、生産工程の設計裕度の観点から使用条件の設定幅を確認するために表示しているが、選択工具増益デ-タyz・1の割合に目標値(例えば、既存に比べて5%以上など)がある場合には、その目標値を実現す使用条件の範囲のみを表示するのであってもよい。
以上の計算により、生産工程4に最適な使用条件が提示される。
以上の計算により、生産工程4に最適な選択工具9の使用条件101が提示され、同時に、その使用条件により得られる選択工具増益デ-タyz・1も表示されるため、使用者はその結果をもとに購入の是非を判断できる。本例においては、溶解ハイスを使用する場合には加工速度を15m/minに設定した場合が最も選択工具増益デ-タyz・1が最大となる。また、タップ材料を溶解ハイスから粉末ハイスに変更すれば、選択工具増益デ-タyz・1は59万円/月から74万円/月に改善する。一方、タップ材料を超硬に変更した場合は、選択工具増益デ-タyz・1は76万円/月となり、材料変更による効果はそれほどないことが分かり、本例では、粉末ハイスを使用するのが適当と判断できる。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、工具を製造販売する産業で利用される。
【符号の説明】
【0083】
1:工具増益デ-タ取得プログラム、
2:被加工材、
3:製品、
4:生産工程、
5:工具加工工程、
7:基準工具、
9:選択工具、
10:雌ねじ、
11:加工穴形態、
12:タップ種類、
13:クーラント、
14:クーラント供給方法、
20a~20g:工具寿命点、
21:寿命データフィッティング関数、
27:選択工具マスターデータ、
27-1:選択工具マスターデータ、
27-2:選択工具マスターデータ、
27-3:選択工具マスターデータ、
39:加工対象部分、
40:基礎的寿命デ-タ格納部、
42:基準工具・期間デ-タ取得部、
45:基準工具データ格納部、
46:選択工具データ取得部、
48:規格化選択工具デ-タ取得部、
50:選択工具増益デ-タ取得部、
51:工具増益デ-タ格納部、
52:出力部
53:デ-タ入力部、
54:使用者側データ格納部、
55:供給者側データ格納部、
56:増益データ抽出部、
57:データ取得部、
59:入力、
60:パソコン、
61:ディスプレイ、
62:プリンター、
63:使用者側装置、
64:パソコン、
65:ディスプレイ、
66:プリンター、
67:提供者側装置、
68:印刷物、
70:サーバ、
71:通信回線、
72:工具増益デ-タ出力システム、
75:ディスプレイ、
76:印刷物、
77:工具増益デ-タ提示物、
79:増益データ調整部、
80:デ-タ入力ステップ、
81:基準工具・期間デ-タ取ステップ、
82:選択工具データ取得ステップ、
83:規格化選択工具デ-タ取得ステップ、
84:工具増益デ-タ取得ステップ、
85:増益データ抽出ステップ、
86:増益データ調整ステップ、
87:出力ステップ、
89:調整増益データ格納部、
90:使用者側調整データ格納部、
91:供給側調整データ格納部、
92:データ取得ステップ、
94:溶解ハイスのグラフ、
95:粉末ハイスのグラフ、
96:超硬のグラフ、
97:溶解ハイス増益表、
98:粉末ハイス増益表、
99:超硬の増益表、
100:使用条件、
101:使用条件。