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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】斎場の運行状況参照システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240417BHJP
【FI】
G06Q50/10
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019217686
(22)【出願日】2019-12-02
(65)【公開番号】P2021089450
(43)【公開日】2021-06-10
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000141808
【氏名又は名称】株式会社宮本工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100228511
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彩秋
(74)【代理人】
【識別番号】100173462
【弁理士】
【氏名又は名称】宮本 一浩
(74)【代理人】
【識別番号】100194179
【弁理士】
【氏名又は名称】中澤 泰宏
(74)【代理人】
【識別番号】100166442
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 洋雅
(74)【代理人】
【識別番号】110002996
【氏名又は名称】弁理士法人宮田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】高多 慎二
【審査官】永野 一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-227741(JP,A)
【文献】特開2004-355321(JP,A)
【文献】特開2016-004511(JP,A)
【文献】特開2011-070266(JP,A)
【文献】特開2014-056317(JP,A)
【文献】特開2006-215727(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
火葬炉が複数設置される斎場において、運行状況テーブルを備えるメインサーバであって、各火葬炉における、点火・消火の有無、火葬積算時間、消火時刻、及び収骨予定時刻が記録された火葬炉レコードと、火葬炉及び火葬のために用いられる各部屋の、現在時刻における部屋の使用有無、並びに使用されているときには使用開始時刻と使用終了予定時刻が記録された使用レコードが、その運行状況テーブルに登録されるものと、前記斎場の係員が携帯して使用する携帯端末であって、前記運行状況テーブルに登録された前記火葬炉レコード及び前記使用レコードのうち、少なくとも一部を確認するために前記メインサーバとの間でデータ通信可能に接続されるものを備え、前記携帯端末には、火葬される故人の参列者の傍に寄り添う担当係員が使用する担当係員用携帯端末が含まれ、前記火葬炉レコード及び前記使用レコードは、前記担当係員用携帯端末から入力された情報に基づいて登録内容が更新される斎場の運行状況参照システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火葬炉が複数備えられている斎場における、斎場の各部屋及び火葬炉の運行状況を参照可能なシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
火葬炉が備えられている斎場では、通常、斎場に霊柩車が到着すると、斎場の係員は霊柩車内の棺を迎えに行き、火葬許可書を受け取ってその記載内容を確認して、所定の要件を満たしている場合には火葬の手筈を整える。
【0003】
火葬の流れについて詳説すると、まず、斎場に棺が到着した後、棺は告別式が行われる部屋(以降、告別室)に搬送され、また、ご遺族含む参列者も告別室に案内されて、告別式が行われる。告別式の終了後、棺は火葬炉へとつながる扉間際(以降、お別れ室)に搬送され、また、参列者もお別れ室に案内されて、火葬炉への納めの式が行われる。納めの式後、棺は火葬炉に搬送される。火葬炉において点火が開始され、のち、消火及び冷却が完了すると、収骨のため、収骨が行われる部屋(以降、収骨室)に火葬炉から遺骨が運ばれ、また、参列者も収骨室に案内されて、収骨が行われ、ご遺族によって遺骨が骨壷に収められる。火葬炉への搬送後から収骨開始までの間、参列者は、待合室に案内されて待機している。
【0004】
多くの斎場では火葬炉は複数設けられ、1日に複数の火葬が行われる。近年では斎場の集約化が進み、火葬炉が多数設置された比較的大型な斎場が存在する。また、より個々に葬儀を執り行いたいという参列者の要望が強くなり、告別式、納めの式、収骨、及び待合室での待機において、参列者が他の故人の火葬の存在を感じないような火葬が望まれるようになった。
【0005】
このため、一般には、葬儀社から斎場に火葬の予約申し込みがされた際、その火葬の予約内容をもとに、告別室、お別れ室、火葬炉、収骨室、及び待合室を、その火葬に対して割り当てた運行計画(例えば、故人#1様の告別式は、複数ある告別室のうちどれを使用するのか、また、何時から何時まで利用するのかといった計画)が立てられる。そして、運行計画は予めメインサーバ等に登録され、スムーズに運行されるよう編集及び管理されている。
【0006】
しかし、霊柩車の斎場への到着は予定時間より早い場合も遅い場合もあり、火葬炉において点火が開始されてから冷却完了となるまでの所要時間である火葬積算時間も、故人の体型や副葬品に依って変動し、火葬炉における冷却完了が予定時間よりも早まる場合も遅い場合もある。よって、運行計画通りに火葬が進行しない場合が多々あり、現実の斎場の運行状況(例えば、複数ある告別室のうちどれが何時から使用中か、複数ある火葬炉のうちどれが何時から使用中かといった状況)を斎場の係員が確認し、把握することは、効率的な火葬の進行には必須である。従来、運行状況は、斎場のバックヤードに設置された白板等に、係員の手書きによって記録されていることが多かった。また、火葬炉の状況は、係員の手書きでの記録か、バックヤードに設置された火葬炉の状況を監視するコンピュータでしか確認できなかった。しかしながら、手書きは書き忘れや記入ミスが起こりがちであり、また、バックヤードは通常参列者がいる各部屋から遠いために、運行状況の確認のために係員がバックヤードに移動していると、その移動時間分、係員の作業が妨げられて斎場の運行の効率低下を招いていた。また、バックヤードに人員を配置して、インカム等で運行状況の情報共有を行うにしても、そのためだけに人員を配置することは斎場の運行上効率的では無い。
【0007】
特許文献1には、斎場の運行計画をホストコンピュータ(メインサーバ)以外の端末で閲覧可能な運行計画システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特許第5520586号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
だが、当該システムの目的はスマートに運行計画を変更することであり、端末で表示可能な主な情報は、各告別室の使用可否だった。そのため、複数ある火葬炉のうちどれが何時から使用中かといったことの表示は想定されていなかった。よって、例えば、火葬炉を多数備える斎場においては、火葬炉が多数ゆえに、係員が火葬炉Aに棺を搬送した後、火葬炉操作者が火葬炉A以外の火葬炉に気を取られていて、火葬炉Aにおける点火開始を失念してしまった場合、火葬炉Aに搬送された故人の火葬の担当の係員がバックヤードや火葬炉Aまで運行状況を見に行かなければ、火葬炉Aにおいて点火がなされていないことに気が付くことができなかった。担当の係員がこまめに火葬炉Aの状況を見に行ったならば、火葬炉Aにおいて点火がなされていないことに早期に気が付き、火葬の遅れを最小限に留めることができるが、火葬炉Aの状況を見に、頻繁に担当の係員が移動していると、その担当の係員の移動時間分だけ火葬に遅れが発生し、斎場の運行の効率低下を招く。また、参列者の傍から頻繁に離れることになり、参列者の心証を損ねることになる。
【0010】
さらに、火葬炉の火葬積算時間は、故人の体型や副葬品が確認出来て初めてある程度その故人の担当の係員によって予測され、加えてその予測は担当の係員の裁量に依存するので、正確に予測することは困難である。従来は、全ての火葬炉に対し同一の使用時間を見込み、その使用時間経過後、担当の係員が火葬炉の状況を見に行っていた。しかし、見込んでいたよりも使用時間が長くなるほど、担当の係員は火葬炉の状況を見に行く等の確認の手間が多くなり、火葬炉の状況を見に、頻繁に担当の係員が移動していると、その担当の係員の移動時間分だけ火葬に遅れが発生し、斎場の運行の効率低下を招く。また、参列者の傍から頻繁に離れることになり、参列者の心証を損ねることになる。
【0011】
一方、参列者に対し、他の故人の火葬の存在を感じさせないためには、部屋の出入りのタイミングが異なる故人の参列者同士で重ならないように、各係員が各参列者を案内することが効果的である。例えば、a号室の収骨室が使用されており、数分後に収骨終了予定のとき、a号室の収骨室以外に案内予定の参列者に対する、収骨室に案内するタイミングを、a号室の収骨室の参列者の部屋の出入りのタイミングと重ならないように係員によって見計られることが、参列者にとって好ましい。従来は、参列者を案内する係員とは別に係員を配置し、その係員が部屋の出入りを見計らう作業を行っており、その分人手が必要となっていた。火葬炉における点火開始の失念や、火葬積算時間の長時間化についても、火葬炉を監視し、監視結果を周知する係員を配置すれば解決し得るが、その分人手が必要となるので、それは斎場の運行上効率的では無い。
【0012】
本発明は上記実情を考慮して創作されたものであり、その解決しようとする課題は、係員は参列者の傍から離れることなくその場で運行状況が参照でき、効率的な斎場の運行を可能とする、斎場の運行状況参照システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、火葬炉が複数設置される斎場において、運行状況テーブルを備えるメインサーバであって、各火葬炉における、点火・消火の有無、火葬積算時間、消火時刻、及び収骨予定時刻が記録された火葬炉レコードと、火葬炉及び火葬のために用いられる各部屋の、現在時刻における部屋の使用有無、並びに使用されているときには使用開始時刻と使用終了予定時刻が記録された使用レコードが、その運行状況テーブルに登録されるものと、前記斎場の係員が携帯して使用する携帯端末であって、前記運行状況テーブルに登録された前記火葬炉レコード及び前記使用レコードのうち、少なくとも一部を確認するために前記メインサーバとの間でデータ通信可能に接続されるものを備え、前記携帯端末には、火葬される故人の参列者の傍に寄り添う担当係員が使用する担当係員用携帯端末が含まれ、前記火葬炉レコード及び前記使用レコードは、前記担当係員用携帯端末から入力された情報に基づいて登録内容が更新される斎場の運行状況参照システムである。
【0014】
そして、請求項1の発明は、メインサーバの運行状況テーブルに、各火葬炉の運行状況を示す火葬炉レコードと、火葬炉及び火葬のために用いられる各部屋、例えば告別室、お別れ室、収骨室、及び待合室の、運行状況を示す使用レコードが登録されており、斎場の係員が携帯、並びに使用可能な端末において、運行状況テーブルに登録された火葬炉レコード及び使用レコードのうち少なくとも一部が参照されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、斎場の係員が携帯、並びに使用可能な端末で、各火葬炉における、点火・消火の有無、火葬積算時間、消火時刻、及び冷却完了時刻である収骨予定時刻が表示可能になるため、点火がなされているべき火葬炉において点火がなされていないとき、担当の係員は、火葬炉の状況を見に行かずとも、また、火葬炉の状況を監視・周知する人員を配置しなくとも、携帯する端末の表示で火葬炉の状況が参照可能なため、火葬炉における点火開始の失念に早期に気が付くことができ、係員の移動時間と火葬炉における点火開始の遅れによる、火葬の遅れを最小限に留めることができて、斎場の運行を効率化でき、また、係員が火葬炉の状況を見に参列者の傍から離れてしまって参列者の心証を損なうこともない。
【0016】
さらに、火葬炉の火葬積算時間並びに点火、消火及び冷却完了の確認を、係員は、火葬炉の状況を見に行かずとも、また、火葬炉の状況を監視・周知する人員を配置しなくとも、携帯する端末の表示を参照するのみで把握できるので、火葬炉の状況を見に行くための係員の移動時間が無くなり、火葬の遅れを最小限に留めることができて、斎場の運行を効率化でき、また、係員が火葬炉の状況を見に参列者の傍から離れてしまって参列者の心証を損なうこともない。
【0017】
加えて、収骨室の使用有無や、使用開始時間を、係員は、各収骨室やバックヤードまで見に行かずとも、また、収骨室の状況を監視・周知する人員を配置しなくとも、担当の係員は携帯する端末の表示を参照するのみで把握できるので、各収骨室の状況を見に行くための係員の移動時間が無くなり、火葬の遅れを最小限に留めることができて、斎場の運行を効率化でき、また、部屋の出入りが異なる故人の参列者同士で重ならないように、参列者を案内でき、係員が各収骨室の状況を見に参列者の傍から離れてしまって参列者の心証を損なうこともない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本発明の斎場の運行状況参照システムを示すフローチャートである。
図2】本発明を適用する斎場を示す平面図である。
図3】本発明の端末とメインサーバとの関係を示す説明図である。
図4】本発明の運行計画及び運行状況のデータの流れを示す説明図である。
図5】本発明の端末に表示されるレコードを示す説明図である。
図6】本発明の端末の表示の一例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0020】
図2に示される通り、本発明の第一実施形態の斎場運行状況確認システムが備えられる斎場建物1には入口2が設けられ、入口2の前には霊柩車3を止めるための車寄せ4が設けられている。斎場建物1内には火葬炉5が複数設置されると共に、告別室6、お別れ室60、収骨室7、及び待合室8が設けられている。火葬において、参列者の移動は、図2の点線矢印で示される通り、告別室6退出後に待合室8に入室、のち、収骨室7を入退出し出口から斎場を出るという経路を辿る。本実施形態では、告別室6、収骨室7、及び待合室8はいずれも複数設けられる。ただし、各部屋数は本実施形態の部屋数に限らず、ひとつでもよい。また、火葬炉5のお別れ室60側正面、並びに告別室6、収骨室7及び待合室8の入口には、故人名又は故人に割り振られた整理番号が表示される表示器5a、6a、7a、8aが設置されている。表示器5a~8aには例えばLEDを縦横に多数配列したドットタイプのものが用いられる。その他に、斎場建物1内には、出口と、バックヤード9と、事務室10が設けられている。
【0021】
バックヤード9にはメインサーバ100が設置されている。メインサーバ100には、図3に示される通り、斎場の係員が携帯する端末200と無線通信するための機能である送受信機能部110と、斎場の予約申し込みがされた際に立てられた運行計画が登録される予約管理部120と、各火葬炉5から運行状況を取得して各火葬炉5の運行状況を監視する火葬炉監視部130と、表示器5a、6a、7a、8aと連動して、表示器5a~8aの表示を管理する表示器管理部140と、予約状況テーブル及び運行状況テーブルT150を生成し、生成後更新するテーブル管理部150が備えられている。
【0022】
メインサーバ100の予約管理部120は、葬儀社から斎場に火葬の予約申し込みがされた際に、斎場の係員がメインサーバ100の入力装置を操作することによって、故人に関するデータが入力されて運行計画が登録される機能を有する。そして、その運行計画は、図4(a)に示される通り、予約管理部120によって、テーブル管理部150に渡されて予約状況テーブルの生成、更新に用いられる。ただし、予約管理部120は、メインサーバ100とは異なるサーバに予約システムとして備えられてもよく、例えば、予約申し込みの電話を受け付ける電話機及び係員が事務室10に配置されて、事務室10に予約システムを備えたサーバが設置され、事務室10のサーバで運行計画の登録が行われてもよい。そして、その予約システムはメインサーバ100と有線又は無線でデータ通信可能で、予約システムにおいて運行計画が登録された後、その運行計画は、予約システムからメインサーバ100のテーブル管理部150に渡されて、予約状況テーブルの生成、更新に用いられてもよい。
【0023】
メインサーバ100の火葬炉監視部130は、各火葬炉5における点火及び消火の有無、火葬積算時間、使用開始時間、火葬炉の使用燃料量等の各火葬炉5の運行状況を監視するための機能を有する。そして、その運行状況は、図4(b)に示される通り、火葬炉監視部130からテーブル管理部150に渡されて運行状況テーブルT150の生成、更新に用いられる。ただし、火葬炉監視部130は、メインサーバ100とは異なるサーバに火葬炉監視システムとして備えられてもよく、例えば、炉裏に火葬炉監視システムを備えたサーバが設置され、炉裏のサーバで火葬炉の運行状況が監視されてもよい。そして、その火葬炉監視システムはメインサーバ100と有線又は無線でデータ通信可能で、各火葬炉5の運行状況は、火葬炉監視システムからメインサーバ100のテーブル管理部150に渡されて、運行状況テーブルT150の生成、更新に用いられてもよい。
【0024】
メインサーバ100の表示器管理部140は、表示器5a、6a、7a、8aと連動し、各表示器5a~8aに使用中の故人の名前又は故人に割り振られた整理番号を表示するための機能を有する。例えば、1号室の告別室が故人#1様の告別式のため使用中のとき、1号室の告別室の入り口の表示器6aは点灯し、故人#1様の名前又は割り振られた整理番号が表示され、使用が終了したときは消灯する。メインサーバ100と各表示器5a~8aは有線又は無線でデータ通信可能で、それぞれの、火葬炉5、告別室6、収骨室7、待合室8の使用状況である使用開始及び終了の旨は、図4(c)に示される通り、斎場の係員が携帯する端末200の入力部230によって入力され、そして送受信機能部210を介してメインサーバ100の表示器管理部140に渡され、よって、各表示器5a~8aの表示が連動する。また、火葬炉5、告別室6、収骨室7、待合室8の使用状況は、送受信機能部210、110を介して、テーブル管理部150にも渡され、運行状況テーブルT150の生成、更新に用いられる。ただし、火葬炉5、告別室6、収骨室7、待合室8の各表示器6a~8a自体に、係員によって使用の開始及び終了が入力される入力部を有していてもよく、例えば、1号室の告別室の表示器6aの入力部から、係員により使用開始の旨が入力されたとき、使用開始の旨がメインサーバ100の表示器管理部140に有線又は無線のデータ通信で渡され、そして1号室の告別室の表示器6aが点灯及び表示されてもよい。また、火葬炉5、告別室6、収骨室7、待合室8の使用状況は、テーブル管理部150にも渡され、運行状況テーブルT150の生成、更新に用いられる。
【0025】
メインサーバ100のテーブル管理部150は、予約レコード管理部151と、火葬炉レコード管理部152と、使用レコード管理部153を有する。予約レコード管理部151は、予約管理部120から渡される運行計画をもとに、予約レコードを生成及び更新し、火葬炉レコード管理部152は、火葬炉監視部130から渡される各火葬炉5の運行状況をもとに、火葬炉レコードR50を生成及び更新し、使用レコード管理部153は、端末200又は表示器5a、6a、7a、8aから渡されるそれぞれの火葬炉5、告別室6、収骨室7、待合室8の運行状況をもとに、各々の使用レコードR5、R6、R7、R8を生成及び更新する。そして、火葬炉レコードR50と、使用レコードR5、R6、R7、R8から、運行状況テーブルT150が構成される。
【0026】
予約状況テーブルは、具体的には、各レコードが関連付けられた複数の項目で構成されて、図5(a)に示される通り、予約レコード中には、予約されている故人毎に、到着有無、到着予定時刻、使用予定部屋番号の項目が設けられている。
【0027】
運行状況テーブルT150は、火葬炉レコードR50及び使用レコードR5、R6、R7、R8の集合であり、具体的には、各レコードが関連付けられた複数の項目で構成されて、図5(b)に示される通り、火葬炉レコードR50中には、炉番号毎に、火葬炉番号、点火有無、火葬積算時間、消火有無、消火時刻、冷却完了時刻である収骨予定時刻の項目が、図5(c)に示される通り、使用レコードR5中には、炉番号毎に、炉番号、炉使用可否、炉使用開始予定時刻、炉使用終了予定時刻の項目が、図5(d)に示される通り、使用レコードR6中には、告別室部屋番号毎に、告別室番号、部屋使用可否、部屋使用開始予定時刻、部屋使用終了予定時刻の項目が、図5(e)に示される通り、使用レコードR7中には、収骨室部屋番号毎に、収骨室番号、部屋使用可否、部屋使用開始予定時刻、部屋使用終了予定時刻の項目が、図5(f)に示される通り、使用レコードR8中には、待合室部屋番号毎に、部屋使用可否、使用開始時刻、部屋使用終了予定時刻の項目が設けられている。
【0028】
一方、斎場の係員が携帯する端末200には、メインサーバ100と無線通信するための機能である送受信機能部210と、運行状況テーブルT150及び予約状況テーブルを表示する表示部220と、使用レコードR5、R6、R7、R8の項目を入力するための入力部230が備えられている。係員によって、例えば1号室の告別室に故人の棺及び参列者が案内されるとき、端末200の入力部230から、1号室の告別室が現在時刻から使用中である旨が入力される。この入力内容は、端末200の送受信機能部210と、メインサーバ100の送受信機能部110により、メインサーバ110内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、使用レコードR6の1号室の告別室の部屋使用有無、部屋使用開始時刻、部屋使用終了予定時刻が更新される。さらに、1号室の告別室が使用中である旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、1号室の告別室の表示器6aと連動し、1号室の告別室の表示器6aは点灯して、対応する故人名又は故人に割り振られた整理番号が表示される。収骨室及び待合室についても同様である。
【0029】
ただし、端末200だけでなく、表示器5a、6a、7a、8aにも送受信機能部210と入力部230が備えられ、表示器5a~8aに入力部230が設けられ、入力部230によって、現在時刻から部屋が使用中である旨がメインサーバ100に入力されてもよく、その場合、係員によって、参列者が1号室の告別室に案内されると共に、表示器6aが操作され、現在時刻から部屋が使用中である旨がメインサーバ100に渡され、表示器管理部140及び使用レコード管理部153において、1号室の告別室の使用有無、部屋使用開始時刻、部屋使用終了予定時刻が更新される。収骨室及び待合室についても同様である。
【0030】
次に、本実施形態の斎場運行状況確認システムの一例を図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0031】
(ステップ1)まず、霊柩車3が斎場に到着すると、斎場の係員によって火葬許可書が受け取られその記載内容が確認される。その記載内容から火葬しても良いと判断された場合には、係員の携帯する端末200が操作され、端末200の表示部220に対象の故人(ここでは故人#1とする)の予約レコードが表示され、確認される。
【0032】
(ステップ2)続いて、故人#1の火葬の担当の係員(以降、担当係員)によって端末200の表示部220に告別室の使用レコードR6が表示され、運行計画通りの告別室が空室か、もしくは、空室の告別室があるか確認される。NOの場合(運行計画通りの告別室も、他の告別室も使用中の場合):告別室が空くまで参列者は担当係員によって待合室に案内され、所定時間経過後(例えば10分後)ステップ2に戻る。YESの場合:ステップ3に進む。
【0033】
(ステップ3)参列者は担当係員によって告別室に案内され、告別式が行われる。ここでは一例として1号室の告別室に案内される。1号室の告別室への案内の際、担当係員によって端末200の入力部230から、1号室の告別室が現在時刻から使用中である旨が入力される。この入力内容はメインサーバ100内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、使用レコードR6の1号室の告別室の部屋使用有無、部屋使用開始時刻、部屋使用終了予定時刻が更新される。さらに、1号室の告別室が使用中である旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、1号室の告別室の表示器6aは連動し点灯して、対応する故人名又は故人#1に割り振られた整理番号が表示される。
【0034】
告別式終了後、火葬炉へ納め式のため、参列者は担当係員によってお別れ室に案内される。ここでは一例として故人#1は火葬炉Aに搬送される。お別れ室への案内の際においても、担当係員によって端末200の入力部230から、お別れ室及び火葬炉Aが現在時刻から使用中である旨が入力される。この入力内容はメインサーバ110内テーブル管理部150の火葬炉レコード管理部152に渡され、火葬炉レコードR50の火葬炉Aの各項目が更新される。さらに、火葬炉Aが使用中である旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、火葬炉Aの表示器5aは連動し点灯して、対応する故人名又は故人#1に割り振られた整理番号が表示される。納め式終了後、図2に示される通り、参列者は1号室の告別室を通り抜けて待合室へ案内される。
【0035】
1号室の告別室の使用が終了すると、担当係員によって端末200の入力部230で1号室の告別室を使用していない旨が入力され、この入力内容はメインサーバ100内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、部屋レコードR6の1号室の告別室の部屋使用有無が更新される。さらに、1号室の告別室が使用されていない旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、1号室の告別室の表示器6aは連動し消灯する。
【0036】
参列者が案内される待合室は、ここでは一例として5号室とする。5号室の待合室への案内の際、担当係員によって端末200の入力部230から、5号室の待合室が現在時刻から使用中である旨が入力される。この入力内容はメインサーバ100内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、部屋レコードR8の5号室の待合室の部屋使用有無、部屋使用開始予定時刻、部屋使用終了予定時刻が更新される。さらに、5号室の待合室が使用中である旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、5号室の待合室の表示器8aは連動し点灯して、対応する故人名又は故人#1に割り振られた整理番号が表示される。
【0037】
(ステップ4)参列者が待合室に案内される際、担当係員により端末200の表示部220に火葬炉レコードR50が表示されて、火葬炉Aが点火されているか担当係員によって確認される。NOの場合(火葬炉Aが点火されていない場合):担当係員はインカム等で火葬炉操作者に連絡を取り、火葬炉Aの点火忘れを指摘し、火葬炉Aを点火してもらい、のちステップ4に戻る。YESの場合:ステップ5に進む。
【0038】
(ステップ5)火葬炉Aが消火され冷却完了となる頃合いに、担当係員によって端末200の表示部220に火葬炉レコードR50が表示されて、火葬炉Aが消火され冷却完了されているか確認される。NOの場合(火葬炉Aが消火され冷却完了されていない場合):担当係員においては所定時間(例えば10分程度)待機後、ステップ5に戻る。YESの場合:担当係員によって端末200の入力部230で、火葬炉Aの使用を終了する旨が入力される。この入力内容はメインサーバ100内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、火葬炉レコードR50の火葬炉Aの使用有無が更新される。さらに、火葬炉Aが使用されていない旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、火葬炉Aの表示器5aは連動し消灯する。次に、ステップ6に進む。
【0039】
(ステップ6)担当係員によって、端末200の表示部220に収骨室の使用レコードR7が表示されて、空室の収骨室がありかつ参列者を収骨室に案内可能か確認される。NOの場合(空室の収骨室がない場合):担当係員においては所定時間(例えば10分程度)待機後、ステップ6に戻る。YESの場合:ステップ7に進む。
【0040】
(ステップ7)担当係員によって参列者が収骨室に案内され、収骨が行われる。ここでは一例として参列者はc号室の収骨室に案内される。c号室の収骨室への案内の際、担当係員によって端末200の入力部230で、c号室の収骨室が現在時刻から使用中である旨が入力される。この入力内容はメインサーバ100内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、使用レコードR7のc号室の収骨室の部屋使用有無、部屋使用開始時刻、部屋使用終了予定時刻が更新される。さらに、c号室の収骨室が使用中である旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、c号室の収骨室の表示器7aは連動し点灯して、対応する故人名又は故人に割り振られた整理番号が表示される。
【0041】
また、5号室の待合室の使用は終了したので、その旨が、担当係員によって端末200の入力部230で入力され、この入力内容はメインサーバ100内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、部屋レコードR8の5号室の待合室の部屋使用有無が更新される。さらに、5号室の待合室が使用されていない旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、5号室の待合室の表示器8aは連動し消灯する。
【0042】
収骨終了後、担当係員によって端末200の入力部230で、c号室の収骨室の使用は終了した旨が入力される。この入力内容はメインサーバ100内テーブル管理部150の使用レコード管理部153に渡され、使用レコードR7のc号室の収骨室の部屋使用有無が更新される。さらに、c号室の収骨室が使用されていない旨は、メインサーバ100内表示器管理部140にも渡され、よって、c号室の収骨室の表示器7aは連動し消灯する。また、図2に示される通り、参列者は担当係員によって収骨室から斎場出口に案内される。このような処理が霊柩車の到着ごとに繰り返される。
【0043】
上記のステップ3後における、参列者の待合室への案内の際、担当係員によって端末200で部屋レコードが確認され、予約通りの待合室か、空室の待合室への案内が行われもよい。そして、待合室への案内、及び収骨室への案内の際、担当係員によって端末200の表示部220で、使用レコードR7、R8が確認され、他の故人の参列者とすれ違わないための配慮が行われてもよい。
【0044】
上記のステップ4における、端末200の表示部220で表示される際の端末200の画面と、告別室1号室使用終了時に入力部230で入力される際の端末200の画面の一例が、図6(a)(b)に、それぞれ示されている。ただし、一例であり、画面はこれに限らず、キー入力で時刻等が入力されるものでもよい。
【0045】
このように構成した本発明による作用効果について述べる。本発明のシステムによれば、斎場の係員が携帯、並びに使用可能な端末200が、メインサーバ100のテーブル管理部150で生成及び更新される火葬炉レコードR50を参照可能となり、表示部220で、各火葬炉5における、点火・消火の有無、火葬積算時間、消火時刻、及び収骨予定時刻が表示可能になるため、点火されているべき火葬炉が、点火されていないとき、その火葬炉に搬送された故人の担当係員は、実際に火葬炉の状況を見に行かずとも、また、火葬炉の状況を監視・周知する人員を配置しなくとも、その場で端末200の操作によって端末200で火葬炉レコードR50を参照し、表示部220で表示させるのみで、火葬炉における点火開始の失念に早期に気が付くことができ、係員の移動時間と火葬炉における点火開始の遅れによる、火葬の遅れを最小限に留めることができて、斎場の運行を効率化でき、また、係員が火葬炉の状況を見に参列者の傍から離れてしまって参列者の心証を損なうこともない。
【0046】
また、火葬炉の火葬積算時間並びに火葬炉における点火、消火及び冷却完了の確認を、担当係員は、火葬炉の状況を見に行かずとも、また、火葬炉の状況を監視・周知する人員を配置しなくとも、その場で端末200の操作によって端末200で火葬炉レコードR50を参照し、表示部220で表示させるのみで把握できるので、火葬炉の状況を見に行くための係員の移動時間が無くなり、火葬の遅れを最小限に留めることができて、斎場の運行を効率化でき、また、係員が火葬炉の状況を見に参列者の傍から離れてしまって参列者の心証を損なうこともない。
【0047】
さらに端末200が、メインサーバ100のテーブル管理部150で生成及び更新されている、使用レコードR5、R6、R7、R8を参照可能となり、表示部220で、それぞれの火葬炉、告別室、収骨室、及び待合室の使用有無や、使用開始時間を、担当係員は、各部屋やバックヤードまで見に行かずとも、また、各火葬炉及び部屋の状況を監視・周知する人員を配置しなくとも、その場で端末200の操作によって端末200で使用レコードを参照し、表示部220で表示させるのみで把握できるので、各火葬炉及び部屋の状況を見に行くための係員の移動時間が無くなり、火葬の遅れを最小限に留めることができて、斎場の運行を効率化でき、また、部屋の出入りが異なる火葬で重ならないように、参列者を案内でき、係員が各収骨室の状況を見に参列者の傍から離れてしまって参列者の心証を損なうこともない。
【0048】
本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、各火葬炉及び部屋の使用開始及び終了がセンサ等によって自動で検知されて、その旨は自動でメインサーバに渡されてもよい。運行状況テーブルは上記実施形態に限定されず、例えば、運行状況テーブル中の火葬炉レコードには、各火葬の担当係員の名前が登録されてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 斎場建物
2 入口
3 霊柩車
4 車寄せ
5 火葬炉
6 告別室
7 収骨室
8 待合室
9 バックヤード
10 事務室
100 メインサーバ
110、210 送受信機能部
120 予約管理部
130 火葬炉監視部
140 表示器管理部
150 テーブル管理部
200 端末
220 表示部
230 入力部
図1
図2
図3
図4
図5
図6