(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】段積み・段ばらし装置及び段積み・段ばらし方法
(51)【国際特許分類】
B65G 57/30 20060101AFI20240417BHJP
B65G 59/06 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B65G57/30
B65G59/06 103
(21)【出願番号】P 2020011266
(22)【出願日】2020-01-27
【審査請求日】2023-01-23
(73)【特許権者】
【識別番号】592026819
【氏名又は名称】伊東電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100480
【氏名又は名称】藤田 隆
(72)【発明者】
【氏名】伊東 一夫
(72)【発明者】
【氏名】中村 竜彦
(72)【発明者】
【氏名】植田 浩司
【審査官】板澤 敏明
(56)【参考文献】
【文献】実開昭56-024743(JP,U)
【文献】実開昭57-000528(JP,U)
【文献】特開昭54-120172(JP,A)
【文献】米国特許第05411363(US,A)
【文献】特開平07-053048(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 57/00-57/32
B65G 59/06
B65G 60/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を段積み及び段ばらしする段積み・段ばらし装置において、
複数の物品を積み重ね状態で収容する収容部と、
前記収容部に収容された最下部の物品の、一方側の部位を保持及び保持解除可能な一方側保持手段と、前記最下部の物品の、他方側の部位を保持及び保持解除可能な他方側保持手段と、
前記収容部の下の位置にあって物品を載置する物品載置部と、当該物品載置部を昇降する昇降手段と、
前記物品載置部上の物品を傾斜させる傾斜手段を有
し、さらに、
前記収容部に収容されている物品の側面を支持する側面支持部材を有することを特徴とする段積み・段ばらし装置。
【請求項2】
前記物品載置部を傾斜させることによって物品を傾斜させることを特徴とする請求項1に記載の段積み・段ばらし装置。
【請求項3】
前記物品載置部に隙間があることを特徴とする請求項1又は2に記載の段積み・段ばらし装置。
【請求項4】
前記物品載置部に、物品を搬入・排出する載置部搬送手段が設けられていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかにに記載の段積み・段ばらし装置。
【請求項5】
前記物品載置部に、物品の位置決めをする位置決め部材が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の段積み・段ばらし装置。
【請求項6】
前記側面支持部材が物品方向に移動可能であることを特徴とする請求項
1に記載の段積み・段ばらし装置。
【請求項7】
請求項1乃至
6のいずれかに記載の段積み・段ばらし装置と、外部搬送手段を有し、当該外部搬送手段によって前記物品載置部に物品を搬入及び/又は搬出することが可能であることを特徴とする段積み・段ばらしシステム。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれかに記載の段積み・段ばらし装置を用いた、物品を段積み及び段ばらしする段積み・段ばらし方法において、
既に積み上げられている物品の下面の一部に、傾斜姿勢の他の物品の一部を接触させて、上の物品の下面と下の物品の上面との間に隙間を形成させ、上の物品の落下を防止する保持手段を前記隙間に差し入れる差し入れ工程及び/又はすでに差し入れられている保持手段を抜き出す抜き出し工程を有することを特徴とする段積み・段ばらし方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、箱やパレット、小型コンテナ等の物品を段積みしたり、段積みした物品を一つずつ取り出す作業(段ばらし)を行う装置に関するものである。
また本発明は、段積みや段ばらしを行う方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
段ボール箱等の容器や、パレット等の物品は、多くの場合、積み重ねた状態で保管される。またこれらの物品を使用したり、出荷する様な場合には、積み重ねた状態から、物品を一つずつ取り出す。
一般に、箱等の物品を積み重ねる行為を「段積み」と称し、積み重ねた状態から、物品を一つずつ取り出す行為を「段ばらし」と称される。
【0003】
特許文献1には、段積みと段ばらしを行う装置が開示されている。
特許文献1に開示された段積み・段ばらし装置は、上部に張出し縁Bhを有する物品を対象とするものである。
特許文献1に開示された段積み・段ばらし装置は、揺動する支持片を有し、当該支持片を物品の張出し縁Bhに係合させて物品の落下を阻止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示された段積み・段ばらし装置は、前記した様に、支持片を物品の張出し縁Bhに係合させて物品の落下を阻止する。
しかしながら、段ボール箱や小型コンテナ等の段積み・段ばらしが行われる物品の多くは、支持片を係合するための張出し縁Bhを持たない。
そのため、特許文献1に開示された段積み・段ばらし装置では、一般に市販されている箱やパレット、コンテナ等を段積み・段ばらしすることができない。
本発明は、従来技術の上記した問題点に注目し、対象とする物品の形状に関する制約が少ない段積み・段ばらし装置を提供することを課題とする。また本発明は、対象とする物品の形状に関する制約が少ない段積み・段ばらし方法を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した課題を解決するための態様は、物品を段積み及び段ばらしする段積み・段ばらし装置において、複数の物品を積み重ね状態で収容する収容部と、前記収容部に収容された最下部の物品の、一方側の部位を保持及び保持解除可能な一方側保持手段と、前記最下部の物品の、他方側の部位を保持及び保持解除可能な他方側保持手段と、前記収容部の下の位置にあって物品を載置する物品載置部と、当該物品載置部を昇降する昇降手段と、前記物品載置部上の物品を傾斜させる傾斜手段を有することを特徴とする段積み・段ばらし装置である。
【0007】
本態様の段積み・段ばらし装置は、一方側保持手段と、他方側保持手段を有し、これらの部材で収容部に収容された最下部の物品を保持する。
本態様の段積み・段ばらし装置は、物品載置部と、物品載置部を昇降する昇降手段を有し、新たに収容部に収容する物品や、収容部から排出する物品を物品載置部に載せて昇降させることができる。
本態様の段積み・段ばらし装置は、物品載置部上の物品を傾斜させる傾斜手段を有している。本態様の段積み・段ばらし装置では、収容部に収容されている物品の下面の一部に、物品載置部上の物品を傾斜姿勢にして当接させる。そうすることにより、収容部に収容されている物品と、物品載置部上の物品との間に隙間を形成させることができる。
この状態にしておいて、前記した隙間に一方側保持手段又は他方側保持手段を挿入して収容部に収容されている物品の下面を保持する。あるいは、前記した前記した隙間を利用して一方側保持手段又は他方側保持手段による保持を解除する。
新たな物品を収容部に収容する場合には、昇降手段によって物品載置部を上昇させ、物品載置部上の物品を収容部に押し入れる。
収容部から物品を排出する場合には、昇降手段によって物品載置部を降下し、物品載置部上の物品を収容部内の物品から切り離す。
【0008】
上記した態様において、前記物品載置部を傾斜させることによって物品を傾斜させることが望ましい。
【0009】
上記した各態様において、前記物品載置部に隙間があることが望ましい。
【0010】
物品載置部の隙間によって、一方側保持手段及び/又は他方側保持手段の逃げ空間を確保することができる。
【0011】
上記した各態様において、前記物品載置部に、物品を搬入・排出する載置部搬送手段が設けられていることが望ましい。
【0012】
本態様によると、新たな物品を収容部に収容させる工程や、収容部に収容されている物品を排出する工程を円滑に行うことができる。
【0013】
上記した各態様において、前記物品載置部に、物品の位置決めをする位置決め部材が設けられていることが望ましい。
【0014】
本態様によると、上下に積み重ねられる物品の位置が、ずれることを防ぐことができる。
【0015】
上記した各態様において、前記収容部に収容されている物品の側面を支持する側面支持部材を有することが望ましい。
【0016】
本態様によると、収容部から物品が落下しにくい構造とすることができる。
【0017】
上記した態様において、側面支持部材が物品方向に移動可能であることが望ましい。
【0018】
本態様によると、物品の位置や姿勢を修正することができる。
【0019】
上記した段積み・段ばらし装置を含むシステムは、段積み・段ばらし装置と、外部搬送手段を有し、当該外部搬送手段によって前記物品載置部に物品を搬入及び/又は搬出することが可能であることを特徴とする。
【0020】
本態様によると、新たな物品を収容部に収容させる工程や、収容部に収容されている物品を排出する工程を円滑に行うことができる。
【0021】
段積み・段ばらし方法に関する態様は、物品を段積み及び段ばらしする段積み・段ばらし方法において、既に積み上げられている物品の下面の一部に、傾斜姿勢の他の物品の一部を接触させて、上の物品の下面と下の物品の上面との間に隙間を形成させ、上の物品の落下を防止する保持手段を前記隙間に差し入れる差し入れ工程及び/又はすでに差し入れられている保持手段を抜き出す抜き出し工程を有することを特徴とする。
【0022】
本方法の段積み・段ばらし方法は、対象とする物品の形状に制約が少ない。
【発明の効果】
【0023】
本発明の段積み・段ばらし装置は、対象とする物品の形状に関する制約が少ない。また本発明の段積み・段ばらし方法は、対象とする物品の形状に関する制約が少ない。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の実施形態の段積み・段ばらし装置の斜視図である。
【
図2】
図1の段積み・段ばらし装置から柱を除いて内部の構造を図示した斜視図である。
【
図3】本発明の実施形態の段積み・段ばらしシステムの全体図である。
【
図4】本発明の実施形態の段積み・段ばらし装置の正面図である。
【
図5】本発明の実施形態の段積み・段ばらし装置の主要部の斜視図である。
【
図6】
図1の段積み・段ばらし装置の傾斜手段の機構図であり、(a)は物品載置部が水平姿勢である状態を示し、(b)は物品載置部が左側を上にして傾斜している状態を示し、(c)は物品載置部が右側を上にして傾斜している状態を示す。
【
図7】
図1の段積み・段ばらし装置の保持手段の動作及びそれに伴う物品の挙動を示す説明図であり、(a)は双方の保持手段が最下部の物品の底部を保持している状態を示し、(b)は右側の保持手段が保持解除状態である場合を示し、(c)は左側の保持手段が保持解除状態である場合を示し、(d)は双方の保持手段が、保持解除状態である場合を示す。
【
図8】(a)乃至(i)は、
図1の段積み・段ばらし装置によって段積みを行う際の動作を示す説明図である。
【
図9】(j)乃至(n)は、
図8に続く動作を説明する説明図である。
【
図10】(a)乃至(f)は、
図1の段積み・段ばらし装置によって段ばらしを行う際の動作を示す説明図であり、収容部の残っていた箱が複数個である場合を示す。
【
図11】(g)乃至(i)は、
図10に続く動作を説明する説明図である。
【
図12】(a)乃至(e)は、
図1の段積み・段ばらし装置によって段ばらしを行う際の動作を示す説明図であり、収容部の残っていた箱が1個である場合を示す。
【
図13】(a)(b)は、傾斜手段の変形例を示す概念図である。
【
図14】本発明の他の実施形態の段積み・段ばらし装置の主要部の斜視図である。
【
図15】
図14に示す段積み・段ばらし装置における支持壁の動作を示す説明図であり、(a)は支持壁の間隔が広い状態を示し、(b)は支持壁が物品側に移動した状態を示す。
【
図16】
図14に示す段積み・段ばらし装置における保持手段の動作を示す説明図であり、(a)は保持手段が両支持姿勢である状態を示し、(b)は保持手段が両開放姿勢である状態を示す。
【
図17】(a)乃至(f)は、
図14の段積み・段ばらし装置によって段積みを行う際の動作を示す説明図である。
【
図18】(g)乃至(l)は、
図17に続く動作を説明する説明図である。
【
図19】(m)乃至(p)は、
図18に続く動作を説明する説明図である。
【
図20】(a)乃至(d)は、
図14の段積み・段ばらし装置によって段ばらしを行う際の動作を示す説明図であり、収容部の残っていた箱が複数個である場合を示す。
【
図21】(e)乃至(h)は、
図20に続く動作を説明する説明図である。
【
図22】(i)乃至(k)は、
図21に続く動作を説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下さらに本発明の実施形態について説明する。
本実施形態の段積み・段ばらし装置1は、
図3の様に搬送ライン6の一部に配置され、箱(物品)100を一時的に保管するものである。また本発明の段積み・段ばらし装置1は、箱100を一個ずつ搬入して装置内で複数段に段積みし、複数段に段積みした状態の箱100をそのままの状態で搬出することができる。さらに本発明の段積み・段ばらし装置1は、複数段に段積みした状態の箱100箱を搬入し、装置内で段ばらしして一個ずつ状態で搬出することもできる。
【0026】
段積み・段ばらし装置1は、
図1の様に、外郭を構成するフレーム2に、収容部5、保持手段7,8、昇降台10が配置されたものである。また昇降台10には、箱100を載置する物品載置部11と、当該物品載置部11を傾斜させる傾斜手段15が設けられている。
以下、説明する。
【0027】
フレーム2は、複数本の柱16(図では4本)と梁によって櫓状に形成された部材であり、内部に直方体の空間がある。
本実施形態では、当該空間の上部側が、収容部5となっている。またフレーム2内の下部は、動作空間17であり、前記した昇降台10が配置されている。
収容部5の下端には、保持手段7,8が設置されている。
保持手段7,8の一方は、一方側保持手段であり、他方は他方側保持手段であるが、いずれが一方側保持手段であっても他方側保持手段であってもよい。
説明の便宜上、一方の保持手段を左保持手段7と称し、他方の保持手段8を右保持手段8と称することとする。
【0028】
昇降台10は、
図2乃至4に示す様な昇降手段18に連結されていて上下方向に昇降する。
本実施形態で採用する昇降手段18は、左側昇降機構20と右側昇降機構21によって構成されている。
左側昇降機構20と右側昇降機構21は概ね同じ構造であるから、代表して左側昇降機構20について説明する。
左側昇降機構20は、前側駆動部25と後側駆動部26を有している。前側駆動部25と後側駆動部26は、いずれも上側スプロケット30と下側スプロケット31を有し、両者に昇降チェーン32が懸架されたものである。
【0029】
前側駆動部25と後側駆動部26の上側スプロケット30同士は、上部側シャフト33で一体に結合されている。同様に前側駆動部25と後側駆動部26の下側スプロケット31同士も、下部側シャフト35で一体に結合されている。
また左側昇降機構20と右側昇降機構21の上側スプロケット30には、中間部に共動スプロケット36a,36bが取り付けられている。
またフレーム2の上部にはギャードモータ37が設置されており、当該ギャードモータ37に、駆動スプロケット38が取り付けられている。そして駆動スプロケット38と、共動スプロケット36a,36bの三者に駆動チェーン40が懸架されている。
そのため、ギャードモータ37を駆動すると、ギャードモータ37の回転力が、駆動スプロケット38及び駆動チェーン40を経由して、左側昇降機構20と右側昇降機構21の上部側シャフト33に伝動される。さらに上部側シャフト33の回転力がそれぞれの上側スプロケット30に伝動され、昇降チェーン32が走行する。
【0030】
昇降台10は4本の昇降チェーン32に取り付けられている。ここで、上側スプロケット30は、同じ方向に回転するから、一方の内側の走行経路と、他方の内側の走行経路は、一方が上向きに走行すると、他方が下向きに走行する。
そのため昇降台10は、左右の一方側の昇降チェーン32に対しては内側の走行路に取り付けられ、他方の走行路に対しては外側の走行路に取り付けられている。
本実施形態では、ギャードモータ37を正方向に回転させると、昇降台10が上昇し、逆回転させると昇降台10が降下する。
【0031】
昇降台10は、前記した様に、箱100を載置する物品載置部11と、当該物品載置部11を傾斜させる傾斜手段15が設けられている。
本実施形態では、物品載置部11は、小型のコンベヤ装置(載置部搬送手段)27を有している。
即ち、物品載置部11は、平行に配されたコンベヤフレーム43に、ローラ41が複数、間隔をあけて取り付けられたものである。本実施形態では、複数のローラ41の内の一本が、モータ内蔵ローラであり、ローラ本体内にモータと減速機が内蔵されたものである。モータ内蔵ローラは、内蔵されたモータを駆動することによって、外側のローラ本体が回転する。
他のローラは、自由回転するローラであり、モータ内蔵ローラと他のローラは、図示しないベルトによって動力伝動される。本実施形態で採用する物品載置部11は、一本のモータ内蔵ローラが駆動ローラとして機能し、他のローラが従動ローラとして機能し、モータ内蔵ローラが駆動ローラを駆動することによってすべてのローラが回転して、物品載置部11上の箱100を移動させることができる。
物品載置部11は、ローラ41が間隔をあけて配置されたものであるから、ローラ41同士の間に隙間42がある。
【0032】
本実施形態では、傾斜手段15は、
図6の様に、物品載置部11の下部に設置された2本の傾斜用モータ内蔵ローラ45,46と、当該傾斜用モータ内蔵ローラ45,46と物品載置部11を繋ぐリンク機構48によって構成されている。
リンク機構48は、傾斜用モータ内蔵ローラ45,46と一体的に回転する駆動リンク47と、当該駆動リンク47と物品載置部11を繋ぐ接続リンク50によって構成されている。
本実施形態では、傾斜用モータ内蔵ローラ45,46を回動させると、接続リンク50と、物品載置部11との接続部分の高さが変化する。
【0033】
以下、説明の便宜上、左側のリンク機構48を左リンク機構48Lと称し、右側のリンク機構48を右リンク機構48Rと称する。
図6(a)の様に双方のリンク機構48の駆動リンク47と接続リンク50が折れ曲がった位置関係にある場合は、物品載置部11の左右の端部がいずれも低位置にあり、物品載置部11は水平姿勢となる。
これに対して、
図6(b)の様に右リンク機構48Rの駆動リンク47と接続リンク50が折れ曲がった位置関係にある場合は、物品載置部11の左側が持ち上げられ、左側を上にした傾斜姿勢となる。そのため物品載置部11上の箱100についても、左側を上にした傾斜姿勢となる。
同様に、
図5(c)の様に左リンク機構48Lの駆動リンク47と接続リンク50が折れ曲がった位置関係にある場合は、物品載置部11の右側が持ち上げられ、右側を上にした傾斜姿勢となる。そのため物品載置部11上の箱100についても、右側を上にした傾斜姿勢となる。
【0034】
前記した様に、フレーム2で囲まれた空間の内、上部側が、収容部5となっている。
収容部5は、左右の二面が支持壁(側面支持部材)51,52で覆われ、前後の2面が解放されている。なお作図の関係上、
図1乃至
図3では、一方の支持壁52の図示を省略している。説明の便宜上、左側の支持壁を左支持壁51と称し右側の支持壁を右支持壁52と称する。
【0035】
保持手段7,8は、
図1乃至3の様に、支持用モータ内蔵ローラ55の本体筒に係合部材56が2個固定されたものである。
係合部材56はリング状の取り付け部57と、当該取り付け部57に対して接線方向に延びる延出部58と、当該延出部58に対して略垂直方向に延びる係合爪部60を有している。
支持用モータ内蔵ローラ55を回動させると、係合部材56が回動し、係合爪部60が収容部5の下部空間に突出する保持姿勢と、係合爪部60が収容部5の下部空間から外れる解除姿勢をとることができる。
保持姿勢においては、係合爪部60が水平姿勢となって箱100の下の角部を保持することができる。
【0036】
保持手段7,8は、それぞれ支持用モータ内蔵ローラ55によって個別に回動する。説明の便宜上、左側の保持手段を左保持手段7と称し右側の保持手段を右保持手段8と称する。
【0037】
左保持手段7と右保持手段8は、独立して駆動するから、両者は、
図7の様に4種類の組合せ姿勢を取ることができる。
各姿勢を便宜上、両支持姿勢、左支持右解放姿勢、左解放右支持姿勢、両開放姿勢と称する。
即ち
図7(a)は、両支持姿勢を示し、左保持手段7と右保持手段8が共に保持姿勢となっている。両支持姿勢である場合、箱100の底の左右が左保持手段7と右保持手段8によって保持され、箱100は水平姿勢となる。
【0038】
図7(b)は、左支持右解放姿勢を示し、左保持手段7が保持姿勢となり、右保持手段8は解放姿勢となっている。
左支持右解放姿勢である場合、箱100は、左側が上になった姿勢でわずかに傾斜するものの落下はしない。
左支持右解放姿勢である場合、右保持手段8が箱100から離れるが、左保持手段7の突端と、右支持壁(側面支持部材)52との間の距離が、箱100の横幅よりも短く、箱100は、左保持手段7の突端と、右支持壁52との間を通過することができない。
そのため、箱100の右側面が、右支持壁(側面支持部材)52に寄りかかり、箱100は、左側が上になった傾斜姿勢となる。なお理解を容易にするために、傾斜姿勢をやや誇張して図示しており、実際の傾斜角度はこれよりも小さい。
【0039】
図7(c)は、左解放右支持姿勢を示し、左保持手段7が解放姿勢となり、右保持手段8は保持姿勢となっている。
左解放右支持姿勢である場合、箱100は、右側が上になった姿勢で傾斜するものの落下はしない。
左解放右支持姿勢である場合、左保持手段7が箱100から離れるが、右保持手段8の突端と、左支持壁(側面支持部材)51との間の距離が、箱100の横幅よりも短く、箱100は、右保持手段8の突端と、左支持壁51との間を通過することができない。
そのため、箱100の左側面が、左支持壁(側面支持部材)51に寄りかかり、箱100は、右側が上になった傾斜姿勢となる。
【0040】
図7(d)は、両開放姿勢を示し、左保持手段7と右保持手段8が共に解放姿勢となっている。両開放姿勢である場合、箱100は支持を失って落下する。
【0041】
次に、段積み・段ばらし装置1の動作について説明する。
図3は、段積み・段ばらし装置1を含んだ段積み・段ばらしシステム200を示す。段積み・段ばらしシステム200は、段積み・段ばらし装置1の前後にコンベヤ装置201,202を配置したものである。図面奥側のコンベヤ装置201は、段積み・段ばらし装置1に箱100を搬入する搬入コンベヤ装置201である。図面手前のコンベヤ装置202は、段積み・段ばらし装置1から箱100を搬出する際に使用する搬出コンベヤ装置202である。
搬入コンベヤ装置201及び搬出コンベヤ装置202は、段積み・段ばらし装置1の、物品載置部11の待機位置と同じ高さに設置されている。
【0042】
段積み・段ばらし装置1は、搬入コンベヤ装置201から搬送されてきた箱100を受け入れて、収容部5内に段積み状態で一時的に保管するものである。
また収容部5内に段積みされた箱100を一個ずつ取り出して、搬出コンベヤ装置202で所定の位置に搬送することができる。
【0043】
収容部5が空状態である場合の段積み・段ばらし装置1の下部は、
図8(a)のような待機状態となっている。
即ち、物品載置部11の高さは待機位置の高さであり、その姿勢は水平である。左保持手段7と右保持手段8は、両支持姿勢となっている。
【0044】
段積みされる箱100は、搬入コンベヤ装置201によって搬送され、
図8(b)の様に、物品載置部11の上に載置される。物品載置部11は、コンベヤ装置であり、当該コンベヤ装置のローラ41に第1の箱100-1が載置される。
第1の箱100-1が物品載置部11に到達すると、
図8(b)の様に、左保持手段7と右保持手段8は、両開放姿勢に変化する。
【0045】
続いて、ギャードモータ37を駆動して、
図8(c)の様に、昇降台10を上昇させて物品載置部11を上昇させ、第1の箱100-1を持ち上げて、収容部5の領域まで至らせる。具体的には、箱100-1の底が、左保持手段7及び右保持手段8よりも上となる位置まで持ち上げる。
【0046】
そして保持手段7,8の支持用モータ内蔵ローラ55を駆動して、左保持手段7及び右保持手段8を共に回動させて、
図8(d)の様に両者を保持姿勢に変化させる。
本実施形態では、物品載置部11がローラコンベヤ装置27であって、ローラ41が間隔をあけて並べられたものである。そのためローラ41同士の間に隙間42があり、当該隙間42は、左保持手段7及び右保持手段8の一部が入ることができるだけの大きさを持つ。
そのため、左保持手段7及び右保持手段8を共に回動させて、係合爪部60を箱100-1の底に回り込ませることができる。
【0047】
その後、
図8(e)の様に、昇降台10を降下する。
このとき、左保持手段7と右保持手段8は、両支持姿勢となっており、両者の係合爪部60が、箱100-1の底側の2辺を保持している。そのため、箱100-1は、落下せずに収容部5に留まる。また段積み・段ばらし装置1の下部は、待機状態に戻る。
物品載置部11は、箱100-1から離れるが、左保持手段7と右保持手段8は、両支持姿勢となっており箱100-1の底を両辺側から支持しているから、箱100-1は落下せず、収容部5に留まる。
【0048】
続いて、第2の箱100-2が搬入コンベヤ装置201によって搬送され、
図8(f)の様に、物品載置部11の上に載置される。
収容部5内に既に箱100-1が存在する場合は、
図8(g)の様に、物品載置部11を傾斜させる。
図8(g)では、箱100-2の右側が上になる様に傾斜させているが左側を上にしてもよい。
【0049】
この状態で、
図8(h)の様に、一方の保持手段を開放する。具体的には、下の箱100-2が傾斜して上になる側にある、右保持手段8を開放状態とする。
その結果、左保持手段7と右保持手段8は、前記した左支持右解放姿勢となり、収容部5内の、箱100-1は、係合が解かれた右保持手段8側がやや下がり、左側が上になった姿勢となる。
【0050】
この状態から昇降台10を上昇させて物品載置部11を上昇させ、第2の箱100-2を持ち上げて、第2の箱100-2の上の右角を先に収容されていた第1の箱100-1の底に当接させ、箱100-1の底を右側から支える。
一方、下の第2の箱100-2は傾斜姿勢であるから、上にある第1の箱100-1の左下と、下の第2の箱100-2の左上に隙間61ができる。
即ち、既に積み上げられている箱100-1の下面の一部に、傾斜姿勢の他の箱100-2の一部を接触させて、上の箱100-1の下面と下の箱100-2の上面との間に隙間61を形成させる。
【0051】
次の工程として、左保持手段7を開放状態とする。即ち、第1の箱100-1の下面と下の箱100-2の上面との間に隙間61を形成させ、すでに差し入れられている左保持手段7を抜き出す抜き出し工程を実施する。
その結果、
図9(j)の様に、左右の保持手段7、8が共に開放状態となる。しかしながら、箱100-1の底の右側が、第2の箱100-2の上の右角によって支持され、且つ上の箱100-1は収容部5内にあって、その側面が左支持壁51と当接するので、上の箱100-1は落下しない。
【0052】
次の工程として、
図9(k)の様に、物品載置部11を水平姿勢に戻す。
続いて、
図9(l)の様に、昇降台10を上昇させて物品載置部11を上昇させ、第1の箱100-1と共に第2の箱100-2を持ち上げて、収容部5の領域まで至らせる。
続いて、
図9(m)の様に、左保持手段7及び右保持手段8を共に回動させて両者を保持姿勢に変化させる。
前記した様に、物品載置部11がローラコンベヤ装置27であるから、ローラ41同士の間に左保持手段7及び右保持手段8を回動させることができる大きさの隙間42があり、左保持手段7及び右保持手段8を共に回動させて、係合爪部60を箱100-2の底に回り込ませることができる。
【0053】
その後、
図9(n)の様に、昇降台10を降下する。
このとき、左保持手段7と右保持手段8は、両支持姿勢となっており、両者の係合爪部60が、箱100-2の底側の2辺を保持している。そのため、二つの箱100-1、100-2は、落下せずに収容部5に留まる。そして段積み・段ばらし装置1の下部は、
図9(n)のように待機状態となる。
【0054】
収容部5内に所定数の箱100が積み重ねられると、そのままの状態で箱100を段積み・段ばらし装置1から搬出する。
即ち、物品載置部11を水平姿勢としたままの状態で収容部5の位置まで上昇させ、左右の保持手段7、8を共に開放状態にして、積み重ねられた状態の箱100を物品載置部11に載せ替える。
続いて物品載置部11を搬出コンベヤ装置202の位置まで降下させる。この状態で、物品載置部11のコンベヤ装置(載置部搬送手段)27を駆動して積み重ねられた状態の箱100をそのままの状態で搬出する。
ここで本実施形態の段積み・段ばらし装置1では、収容部5は、前後の2面が解放されているから、箱100を縦に積んだ状態で搬入したり搬出することができる。
【0055】
次に段積み・段ばらし装置1から箱100を取り出す際の各部の動作について説明する。
本実施形態では、外部に積み重ね状態で保管されていた物品100を、搬入コンベヤ装置201で搬入し、収容部5に収容することができる。
即ち、積み重ねられた状態の箱を物品載置部11に載置し、左保持手段7と右保持手段8を両開放姿勢とした状態で、物品載置部11を上昇させて、積み重ねられた状態の箱100を収容部5に押し入れる。その後、左保持手段7と右保持手段8を両支持姿勢として、箱100の落下を阻止する。
【0056】
段積み・段ばらし装置1の収容部5から箱100を取り出す際には、
図10(a)の様に物品載置部11を空の状態とする。
続いて、
図10(b)の様に物品載置部11を水平姿勢の状態で上昇して、物品載置部11の上部を箱100-3の底に当接させる。
このとき、箱100-3の底に係合している左保持手段7と右保持手段8の係合爪部60は、ローラ41の間の隙間42に入り込む。
続いて、
図10(c)の様に、左保持手段7と右保持手段8の両者を開放姿勢にし、箱100-1を物品載置部11に乗せ換える。
【0057】
続いて、物品載置部11を降下し、
図10(d)の様に、最も下部の箱100-3と2番目の箱100-2の境界部分が、左保持手段7、右保持手段8と同等の高さになる様に調整する。
【0058】
続いて、物品載置部11を傾斜させる。
例えば物品載置部11が
図10(e)の様に左側が上となる様に傾斜させると、物品載置部11上の箱100-3は、傾斜姿勢となるが、上部の箱100-2,100-1は、その一部が収容部5内にある。ここで収容部5内には支持壁51,52があるため、収容部5内の箱100-2,100-1は大きく傾斜することはない。
【0059】
そのため、物品載置部11上の箱100-3の傾斜角度と、上部の箱100-2の傾斜角度が相違し、
図10(e)の様に、両者の接触部の右側に隙間62ができる。
即ち、既に積み上げられている箱100-2の下面の一部に、傾斜姿勢の他の箱100-3の一部を接触させて、上の箱100-2の下面と下の箱100-3の上面との間に隙間62を形成させる。
次に、
図10(f)の様に、右保持手段8を回動し、隙間62に右保持手段8の係合爪部60を差し入れる。
即ち、上の箱100-2の下面と下の箱100-3の上面との間に隙間62を形成させ、右保持手段8を隙間62に差し入れる差し入れ工程を実施する。
【0060】
続いて、
図11(g)の様に物品載置部11を降下させる。物品載置部11を降下させると、上部の箱100-2がやや傾くものの、落下することはない。
そして
図11(h)の様に左保持手段7を回動し、箱100-2左の下に左保持手段7の係合爪部60を差し入れる。その結果、上部の箱100-2の底の両辺が、左保持手段7と右保持手段8で保持される。
その後、
図11(i)の様に物品載置部11のコンベヤ装置27を駆動して、物品載置部11上の箱100-3を搬出コンベヤ装置202側に排出する。
【0061】
図12の様に、収容部5内に箱100-1が一つだけ残っており、この箱100-1を排出する場合は、
図12(a)の待機姿勢のままで
図12(b)の様に物品載置部11を水平姿勢の状態で上昇して、物品載置部11の上部を箱100-1の底に当接させる。
このとき、箱100-1の底に係合している左保持手段7と右保持手段8の係合爪部60は、ローラ41の間の隙間42に入り込む。
続いて、
図12(c)の様に、左保持手段7と右保持手段8の両者を開放姿勢にし、箱100-1を物品載置部11に乗せ換える。
続いて、
図12(d)の様に物品載置部11を降下させる。
その後、
図12(e)の様に物品載置部11のコンベヤ装置27を駆動して、物品載置部11上の箱100-1を搬出コンベヤ装置202側に排出する。
【0062】
以上説明した実施形態では段積み及び段ばらしの際に箱100を右側が上になる様に傾斜させたが、傾斜方向は任意であり、左側が上になる様に傾斜させてもよい。
保持手段7、8の機構や形状は任意である。例えば、ソレノイドやシリンダーによって駆動するものであってもよい。また箱100と係合する部位は、物品を保持することができる形状であればよく、爪状でなくてもよい。
段積みや段ばらしの際における、物品載置部11の昇降、傾斜、保持手段7、8等の動作の順序は、必ずしも前記した順番通りでなくともよく、いくつかの動作を同時並行して実施してもよい。また段積みや段ばらしに支障が無い範囲で順序が入れ替わってもよい。
【0063】
以上説明した実施形態では、物品載置部11を傾斜させる手段としてリンク機構を利用したが、カムやねじ、或いはシリンダー等を利用してもよい。
以上説明した実施形態では、物品載置部11を全体的に傾斜させて箱の姿勢を傾斜させたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。
例えば
図13(a)(b)に示すように、物品載置部11に昇降する押し部材70を設け、物品載置部11から押し部材70を突き出して、箱100を突き上げ、箱100を傾斜させてもよい。
【0064】
以上説明した実施形態では、物品載置部11がローラコンベヤ装置27で構成されていて、ローラ41同士の間に隙間42があり当該隙間42が保持手段7,8の逃げしろとして機能する。
物品載置部は、ローラコンベヤやベルトコンベヤ等のコンベヤ装置に限定されるものではなく、床状であってもよい。
物品載置部が床状である場合には、当該床に、保持手段7,8が挿入される開口を設けて保持手段7,8の逃げしろとなる隙間を確保することが望ましい。
物品載置部11が床状である場合には、プッシャー等で、物品を移動させることが望ましい。
【0065】
以上説明した実施形態では、昇降手段18として、チェーンによって物品載置部11を吊り下げた構成を採用したが、本発明はこの構成に限定されるものではなく、チェーンに代わってベルトを採用してもよい。たまラックアンドピニオンを利用したり、リンク機構を利用するものであってもよい。さらにボールねじを使用するものであってもよい。またシリンダー等の利用も可能である。
【0066】
次に、本発明のもう一つの実施形態について説明する。
図14に示す段積み・段ばらし装置63と、前記した
図1に示す段積み・段ばらし装置1との相違点は、次の通りである。
即ち段積み・段ばらし装置63では、左支持壁(側面支持部材)51に駆動機構65が設けられており、他方の右支持壁(側面支持部材)52側に移動可能である。
駆動機構65は、垂直方向に設置された2本のモータ内蔵ローラ66と、当該モータ内蔵ローラ66に取り付けられたカム67によって構成されている。
左支持壁51は、図示しないガイドによって、他方の右支持壁52に向かって近接・離反する方向に動作が規制されている。
カム67は、左支持壁51の背面にピン及び長孔を介して接続されており、2本のモータ内蔵ローラ66が回動することによって、左支持壁51が右支持壁(側面支持部材)52側に向かって平行移動する。
図14に示す段積み・段ばらし装置63では、ボールねじ78によって昇降手段18が構成されている。
【0067】
物品100との関係に注目すると、左支持壁51が右支持壁52側に移動することによって、物品100が幅寄せされる。左支持壁51と右支持壁52は平行であり、且つ左支持壁51は右支持壁52に対して平行状態を維持して右支持壁52に向かって移動するので、物品100の姿勢が、まっすぐに修正される。
図15(a)の様に、左支持壁51が右支持壁52から遠ざかっている状態を待機姿勢と称し、
図15(b)の様に、左支持壁51が右支持壁52近づいている状態を幅寄せ姿勢と称する。
【0068】
図14に示す段積み・段ばらし装置63では、左保持手段7と右保持手段8は、支持用モータ内蔵ローラ55と係合部材56の間にリンク機構71が介在されており、
図16に示すように。係合部材56は大きく旋回する。
【0069】
図14に示す段積み・段ばらし装置63では、物品載置部11に、物品100の位置決めをする前側位置決め部材72と後ろ側位置決め部材73が設けられている.
位置決め部材72,73は、一対のストッパ75を有している。ストッパ75はピン状の部材である。
位置決め部材72は、物品載置部11の物品移動方向の一端側にあり、位置決め部材73は、物品載置部11の物品移動方向の他端側にある。
位置決め部材72は、物品載置部11のローラ41の間から出没する。
【0070】
次に、段積み・段ばらし装置63の動作について説明する。
収容部5が空状態である場合の段積み・段ばらし装置63の下部は、
図17(a)のような待機状態となっている。
即ち、物品載置部11の高さは待機位置の高さであり、その姿勢は水平である。左保持手段7と右保持手段8は、両開放姿勢となっている。左支持壁51は右支持壁52から遠ざかっており、待機姿勢となっている。
【0071】
段積みされる箱100は、搬入コンベヤ装置201によって搬送されるが、このとき、
図17(b)の様に、位置決め部材72のストッパ75が物品載置部11の上に突出する。その結果、物品載置部11のコンベヤ装置のローラ41で移動する第1の箱100-1は、ストッパ75に衝突し、箱100-1の前端が位置決めされる。
【0072】
続いて、
図17(c)の様に、昇降台10を上昇させて物品載置部11を上昇させ、第1の箱100-1を持ち上げて、収容部5の領域まで至らせる。
【0073】
次に、駆動機構65のモータ内蔵ローラ66を回動させて左支持壁51を右支持壁52側に平行移動させ、
図17(d)の様に幅寄せ姿勢にする。
その結果、箱100-1の姿勢が真っすぐに修正させる。
そして保持手段7,8の支持用モータ内蔵ローラ55を駆動して、左保持手段7及び右保持手段8を共に回動させて、
図17(e)の様に両者を保持姿勢に変化させる。
【0074】
その後、
図17(f)の様に、昇降台10を降下する。
このとき、左保持手段7と右保持手段8は、両支持姿勢となっており、箱100-1の底を両辺側から支持しているから、箱100-1は落下せず、収容部5に留まる。
【0075】
続いて、第2の箱100-2が搬入コンベヤ装置201によって搬送され、
図18(g)の様に、物品載置部11の上に載置される。この際にも位置決め部材72のストッパ75が物品載置部11の上に突出する。その結果、物品載置部11のコンベヤ装置のローラ41で移動する第2の箱100-2は、ストッパ75に衝突し、箱100-2の前端が位置決めされる。
【0076】
この状態で、
図18(h)の様に、一方の保持手段を開放する。具体的には、右保持手段8を開放状態とする。
その結果、左保持手段7と右保持手段8は、前記した左支持右解放姿勢となり、収容部5内の、箱100-1は、係合が解かれた右保持手段8側がやや下がり、左側が上になった姿勢となる。ただし、本実施形態では、箱100-1の両端が左支持壁51及び右支持壁52と接しているか、或いは極めて近接しているので、箱100-1の傾斜角度は、先の実施形態に比べて小さい。そのため、図面では箱100-1の傾斜を無視している。以下の図面についても同様である。
【0077】
続いて
図18(i)の様に、物品載置部11を傾斜させ、昇降台10を上昇させて物品載置部11を上昇させ、第2の箱100-2を持ち上げて、第2の箱100-2の上の右角を先に収容されていた第1の箱100-1の底に当接させ、箱100-1の底を右側から支える。
一方、下の第2の箱100-2は傾斜姿勢であるから、上にある第1の箱100-1の左下と、下の第2の箱100-2の左上に隙間61ができる。
【0078】
次の工程として、
図18(j)の様に、左保持手段7を開放状態とする。即ち、第1の箱100-1の下面と下の箱100-2の上面との間に隙間61を形成させ、すでに差し入れられている左保持手段7を抜き出す抜き出し工程を実施する。
その結果、
図18(j)の様に、左右の保持手段7、8が共に開放状態となる。
【0079】
次の工程として、
図18(k)の様に、物品載置部11を水平姿勢に戻す。
続いて、駆動機構65のモータ内蔵ローラ66を回動させて左支持壁51を右支持壁52側から遠ざけ、
図18(l)の様に、箱100-1、100-2の側面を開放する。
そして
図19(m)の様に、昇降台10を上昇させて物品載置部11を上昇させ、第1の箱100-1と共に第2の箱100-2を持ち上げて、収容部5の領域まで至らせる。
続いて、駆動機構65のモータ内蔵ローラ66を回動させて左支持壁51を右支持壁52側に平行移動させ、
図19(n)の様に再度幅寄せ姿勢にする。その結果、箱100-1、100-2の姿勢が真っすぐに修正さる。
【0080】
続いて、
図19(o)の様に、左保持手段7及び右保持手段8を共に回動させて両支持姿勢に変化させる。
その後、
図19(p)の様に、昇降台10を降下する。
【0081】
収容部5内に所定数の箱100が積み重ねられると、そのままの状態で箱100を段積み・段ばらし装置63から搬出する。
【0082】
本実施形態では、外部に積み重ね状態で保管されていた物品100を、搬入コンベヤ装置201で搬入し、収容部5に収容することができる。
即ち、積み重ねられた状態の箱を物品載置部11に載置し、左保持手段7と右保持手段8を両開放姿勢とした状態で、物品載置部11を上昇させて、積み重ねられた状態の箱100を収容部5に押し入れる。その後、左保持手段7と右保持手段8を両支持姿勢として、箱100の落下を阻止する。
【0083】
次に段積み・段ばらし装置63から箱100を取り出す際の各部の動作について説明する。
段積み・段ばらし装置63の収容部5から箱100を取り出す際には、
図20(a)の様に物品載置部11を空の状態とする。左支持壁51は、幅寄せ姿勢としておく。
続いて、
図20(b)の様に物品載置部11を水平姿勢の状態で上昇して、物品載置部11の上部を箱100-3の底に当接させる。また左支持壁51を右支持壁52側から遠ざけ、箱100-1、100-2、100-3の側面を開放する。即ち、収容部5内の全ての箱100の側面を開放する。
続いて、
図20(c)の様に、左保持手段7と右保持手段8の両者を開放姿勢にし、箱100-3を物品載置部11に乗せ換える。
【0084】
続いて、物品載置部11を降下し、
図20(d)の様に、最も下部の箱100-3と2番目の箱100-2の境界部分が、左保持手段7、右保持手段8と同等の高さになる様に調整する。
続いて、駆動機構65のモータ内蔵ローラ66を回動させて左支持壁51を右支持壁52側に平行移動させ、
図21(e)の様に再度幅寄せ姿勢にする。
【0085】
続いて、物品載置部11を傾斜させ、
図21(f)の様に、両者の接触部の右側に隙間62を作る。
次に、
図21(g)の様に、右保持手段8を回動し、隙間62に右保持手段8の係合爪部60を差し入れる。
【0086】
続いて、
図21(h)の様に物品載置部11を降下させる。物品載置部11を降下させると、上部の箱100-2がやや傾くものの、落下することはない。
そして
図22(i)の様に左保持手段7を回動し、箱100-2左の下に左保持手段7の係合爪部60を差し入れる。その結果、上部の箱100-2の底の両辺が、左保持手段7と右保持手段8で保持される。
その後、
図22(j)の様に、物品載置部11を降下させる。
さらにその後、
図22(k)の様に物品載置部11のコンベヤ装置27を駆動して、物品載置部11上の箱100-3を搬出コンベヤ装置202側に排出する。
【符号の説明】
【0087】
1、63 段積み・段ばらし装置
5 収容部
7 左保持手段
8 右保持手段
10 昇降台
11 物品載置部
15 傾斜手段
18 昇降手段
27 コンベヤ装置(載置部搬送手段)
42 隙間
51 左支持壁(側面支持部材)
52 右支持壁(側面支持部材)
60 係合爪部
62 隙間
72,73 位置決め部材