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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】マスク
(51)【国際特許分類】
   A41D 13/11 20060101AFI20240417BHJP
   A62B 18/02 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
A41D13/11 Z
A62B18/02 C
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020105090
(22)【出願日】2020-06-18
(65)【公開番号】P2021195694
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-06-02
(73)【特許権者】
【識別番号】597008533
【氏名又は名称】フレックスジャパン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000512
【氏名又は名称】弁理士法人山田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】矢島 隆生
【審査官】須賀 仁美
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-351190(JP,A)
【文献】国際公開第2018/221381(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/155558(WO,A1)
【文献】特開2004-321737(JP,A)
【文献】特表2019-515146(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2019/0069611(US,A1)
【文献】特開2014-198165(JP,A)
【文献】特開2007-000276(JP,A)
【文献】特開2014-073358(JP,A)
【文献】国際公開第2016/098460(WO,A1)
【文献】特開2019-157296(JP,A)
【文献】登録実用新案第3089858(JP,U)
【文献】特開2010-030983(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A41D13/11
A62B18/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保水性素材で作られた外側生地と、該外側生地の裏側に縫着されてポケットを成す吸放湿性素材で作られた内側生地と、該内側生地が成すポケット内に差し込まれて収容され且つナノファイバーで作られて通気防水機能を発現する不織布のフィルタとを備えた三層構造を有し、前記外側生地に含ませた水の気化熱により生地温度を下げて冷感が得られるように構成されていると共に、前記外側生地と前記内側生地と前記フィルタとが夫々の中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に縫製されていることを特徴とするマスク。
【請求項2】
内側生地が多数の孔を開口したメッシュ生地として構成されていることを特徴とする請求項に記載のマスク。
【請求項3】
内側生地の上端部に塑性変形能を持つ帯状のノーズフィッターが装備されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のマスク。
【請求項4】
外側生地が保水性を有するポリエステル繊維で作られていることを特徴とする請求項1、2又は3に記載のマスク。
【請求項5】
内側生地が吸放湿性を有するナイロン繊維で作られていることを特徴とする請求項に記載のマスク。
【請求項6】
フィルタがナノファイバーのポリウレタン層をナノファイバーのポリプロピレン層で挟んだサンドイッチ構造を成していることを特徴とする請求項に記載のマスク。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、感染対策や花粉症対策などとして用いられるマスクに関するものである。
【背景技術】
【0002】
2020年における新型コロナウイルスの世界的な感染拡大に見られるように、感染症の大規模な流行時にあっては、外出時にマスクを着用することが社会的に求められ、マスクを着用せずに外出してしまうと、感染対策に無頓着で非協力的な人物であるかのような悪い印象を周囲に与えかねない。
【0003】
尚、この種のマスクに関連した一般的技術水準を示す先行技術文献情報としては、例えば下記の特許文献1等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3135320号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、寒い季節であれば、マスクが防寒具ともなって着用に支障をきたすことはないが、暑い季節になると、マスク内に熱が籠もったり汗で蒸れたりすることで一層暑さを感じて息苦しくなり、マスクを着用し続けることが非常に不快な状態になるという問題があった。
【0006】
しかも、暑さと蒸れを我慢してマスクを着用し続けていると、単にマスク内に熱が籠もるというだけでなく、体内の熱を外に逃がし難くなってしまうことになり、更には、喉の渇きも感じ難くなって水分補給を怠り易くなるため、知らないうちに脱水が進んで熱中症になり易くなるという危険もあった。
【0007】
他方、暑い季節の間だけ目の粗い綿や麻などの天然素材でできた通気性の良いマスクを着用するということも考えられるが、このような天然素材のマスクは、目が粗い分だけ飛沫防止性能が低下して感染防止効果が損なわれてしまうという本末転倒の問題があり、そのようなマスクに簡単に切り替えるわけにもいかないのが実情である。
【0008】
本発明は上述の実情に鑑みてなしたもので、暑い季節でも冷感が得られて快適に着用することが可能なマスクを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、保水性素材で作られた外側生地と、該外側生地の裏側に縫着されてポケットを成す吸放湿性素材で作られた内側生地と、該内側生地が成すポケット内に差し込まれて収容され且つナノファイバーで作られて通気防水機能を発現する不織布のフィルタとを備えた三層構造を有し、前記外側生地に含ませた水の気化熱により生地温度を下げて冷感が得られるように構成されていると共に、前記外側生地と前記内側生地と前記フィルタとが夫々の中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に縫製されていることを特徴とするマスクに係るものである。
【0010】
而して、このように構成されたマスクを使用するにあたっては、フィルタを抜き出しておいて、ポケットの開口を拡げるように外側生地から内側生地を引き離した状態として外側生地の方だけ水に濡らし、然る後、外側生地の方だけ手で握り込むようにして軽く絞り、ポケットにフィルタを戻して顔に装着すると、外側生地に含ませた水が蒸発することで気化熱が奪われて生地温度が下がり、これにより暑い季節でも冷感が得られて快適にマスクを着用することが可能となる。
【0011】
この際、フィルタの通気防水機能により内側生地が濡れないように保持され且つ該内側生地の吸放湿性により不快な蒸れ感やベタつき感が軽減されるので、さらっと爽やかな着け心地が得られることになり、しかも、ナノファイバーによる圧倒的に細かな網目構造により高い飛沫防止性能が維持される上、細菌やウイルスの通過も効果的に阻むことが可能となる。
【0012】
また、ナノファイバーの繊維直径がナノレベルまで細くなっていると、細かい網目構造でありながらも空気の流れが妨げられず、良好な通気性が実現されて呼吸が楽に行えることになり、呼気がマスク周囲から漏れ出なくなることでメガネなどの曇りが回避されることにもなる。
【0013】
即ち、ナノファイバーの繊維直径が空気分子の平均自由行程(常温・常圧で65nm)と同程度となると、繊維表面で空気流れに滑り(スリップフロー)が生じ、これにより繊維表面での空気抵抗が小さくなる結果、ナノファイバーにより網目構造を細かくしても高い通気性が保たれることになる。
【0014】
また、本発明においては、前記外側生地と前記内側生地と前記フィルタとが夫々の中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に縫製されているので、マスクの中央部を膨らませて立体的な形状で顔に装着することが可能となり、鼻及び口とマスクとの間に隙間が確保されて呼吸し易くなると共に、特に女性の場合は口紅などの化粧移りが防止される。
【0015】
この際、フィルタも中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に成形されているので、外側生地及び内側生地の立体的な形状に合わせてフィルタを支障なくポケット内に収容させることが可能となり、該ポケット内でフィルタが縒れて嵩張るような事態が未然に回避される。
【0016】
また、内側生地が多数の孔を開口したメッシュ生地として構成されていることが好ましく、このようにすれば、内側生地の通気性や肌触りが更に向上されて着け心地がより一層良いものとなる。
【0017】
尚、外側生地の上端部には、塑性変形能を持つ帯状のノーズフィッターが装備されていることが好ましく、該ノーズフィッターを鼻筋の隆起形状に合わせて形作ることで外側生地の上端部をしっかりと鼻筋に掛けられるようにすれば、外側生地が水を含んで重くなってもずり下がりが防止され、該外側生地の上端部の隙間から呼気が漏れ出ることによるメガネの曇りも更に確実に防止されることになる。
【0018】
更に、本発明のマスクをより具体的に実施するに際し、外側生地は高い保水性を有するようポリエステル繊維で作られていることが好ましく、内側生地は高い吸放湿性を有するようナイロン繊維で作られていることが好ましく、フィルタはナノファイバーのポリウレタン層をナノファイバーのポリプロピレン層で挟んだサンドイッチ構造を成していることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
上記した本発明のマスクによれば、下記の如き種々の優れた効果を奏し得る。
【0020】
(I)外側生地に含ませた水を蒸発させることで気化熱を奪って生地温度を下げることができ、暑い季節でも冷感を得ることができて快適にマスクを着用することができるので、通常のマスクを我慢して着用し続ける場合よりもストレスの大幅な軽減を図ることができ且つ熱中症になり難くすることもできる。
【0021】
(II)フィルタの通気防水機能により内側生地を濡れないように保持し且つ該内側生地の吸放湿性により不快な蒸れ感やベタつき感を軽減することができるので、さらっと爽やかな着け心地を実現することができ、しかも、ナノファイバーによる圧倒的に細かな網目構造により高い飛沫防止性能を維持して細菌やウイルスの通過も効果的に阻むことができる一方、良好な通気性を同時に実現することができて呼吸を楽に行うことができ、呼気がマスク周囲から漏れ出ないようにしてメガネなどの曇りを回避することもできる。
【0022】
(III)マスクの中央部を膨らませて立体的な形状で顔に装着することができ、鼻及び口とマスクとの間に隙間を確保して呼吸し易くすることができ、特に女性の場合は口紅などの化粧移りを防止することもできる。
【0023】
(IV)外側生地及び内側生地の立体的な形状に合わせてフィルタを支障なくポケット内に収容させることができ、該ポケット内でフィルタが縒れて嵩張るような事態を未然に回避することができる。
【0024】
(V)内側生地が多数の孔を開口したメッシュ生地として構成されている場合には、内側生地の通気性や肌触りを更に向上することができ、これにより着け心地を一層快適なものとすることができる。
【0025】
(VI)外側生地の上端部に塑性変形能を持つ帯状のノーズフィッターを装備した構成を採用すれば、このノーズフィッターを鼻筋の隆起形状に合わせて形作ることで外側生地の上端部をしっかりと鼻筋に掛けることができ、外側生地が水を含んで重くなってもずり下がりを防止することができる上、該外側生地の上端部の隙間から呼気が漏れ出ることによるメガネの曇りも更に確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明を実施する形態の一例を示す正面図である。
図2図1のマスクの背面図である。
図3図1のマスクに挟み込まれたフィルタの正面図である。
図4図2のマスクに対しフィルタを出し入れする状態を示す背面図である。
図5図1のマスクの外側生地を水に濡らしている状態を示す斜視図である。
図6図5のマスクの外側生地を軽く絞っている状態を示す斜視図である。
図7図1のマスクを装着した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
【0028】
図1図7は本発明を実施する形態の一例を示すもので、図中における符号1は感染対策や花粉症対策などとして用いられるマスクを示しており、このマスク1は、保水性素材で作られた外側生地2(図1の正面図を参照)と、該外側生地2の裏側に縫着されてポケット4を成す吸放湿性素材(高湿度状況下で水分を吸収し且つ乾燥状況下では水分を放出する機能を備えた素材)で作られた内側生地3(図2の背面図を参照)と、該内側生地3が成すポケット4内に差し込まれて収容され且つナノファイバーで作られて通気防水機能を発現する不織布のフィルタ5(図3の正面図を参照)とを備えた三層構造となっており、前記外側生地2に含ませた水の気化熱により生地温度を下げて冷感が得られるようにしたものとなっている。
【0029】
例えば、本形態例にあっては、外側生地2が高い保水性を有するようポリエステル繊維で作られ、内側生地3は高い吸放湿性を有するようナイロン繊維で作られ且つ多数の孔3aを開口したメッシュ生地として構成されており、フィルタ5はナノファイバーのポリウレタン層をナノファイバーのポリプロピレン層で挟んだサンドイッチ構造を成すようにした不織布で作られている。
【0030】
また、外側生地2及び内側生地3は、マスク1の横方向両端部から中央部に向け徐々に縦方向の幅が拡張するようにした左右一対の生地パーツを中央部で縫い合わせた構造を成し、外側生地2及び内側生地3の夫々の中央部が前方へ膨出するよう立体的に縫製されたものとなっており、その立体的な形状については、例えば、図7にマスク1の装着状態として示しているものを参照されたい。
【0031】
この際、フィルタ5も中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に成形されていることが好ましく、より具体的には、左右を中央部に向け鋭角な三角形状を成すように折り込んで縫い付けることにより立体的な形状を成すようにしておくと良い。
【0032】
更に、前記外側生地2の上端部には、塑性変形能を持つ帯状のノーズフィッター6が装備されていて、このノーズフィッター6を鼻筋の隆起形状に合わせて形作ることで外側生地2の上端部をしっかりと鼻筋に掛けられるようにしてある。
【0033】
尚、このようにして構成されたマスク1の横方向の両端には、主として外側生地2の横方向両端部を内側に折り返して縫い付けることにより筒部7が作られており、この筒部7に通されて耳掛け紐8が装備されるようになっていて、その結び位置しだいで長さ調節ができるようになっているが、この耳掛け紐8を伸縮自在なゴム紐で構成するようにしても良い。
【0034】
而して、このように構成されたマスク1を使用するにあたっては、図4に示す如く、フィルタ5を抜き出しておいて、図5に示す如く、ポケット4の開口を拡げるように外側生地2から内側生地3を引き離した状態として外側生地2の方だけ水に濡らし、然る後、図6に示す如く、外側生地2の方だけ手で握り込むようにして軽く絞り、ポケット4にフィルタ5を戻してから、図7に示す如く、マスク1を顔に装着すると、外側生地2に含ませた水が蒸発することで気化熱が奪われて生地温度が下がり、これにより暑い季節でも冷感が得られて快適にマスク1を着用することが可能となる。
【0035】
この際、フィルタ5の通気防水機能により内側生地3が濡れないように保持され且つ該内側生地3の吸放湿性により不快な蒸れ感やベタつき感が軽減されるので、さらっと爽やかな着け心地(内側生地3がメッシュ生地として構成されている場合には通気性や肌触りが更に向上されて着け心地がより一層良いものとなる)が得られることになり、しかも、ナノファイバーによる圧倒的に細かな網目構造により高い飛沫防止性能が維持される上、細菌やウイルスの通過も効果的に阻むことが可能となる。
【0036】
また、ナノファイバーの繊維直径がナノレベルまで細くなっていると、細かい網目構造でありながらも空気の流れが妨げられず、良好な通気性が実現されて呼吸が楽に行えることになり、呼気がマスク1周囲から漏れ出なくなることでメガネなどの曇りが回避されることにもなる。
【0037】
即ち、ナノファイバーの繊維直径が空気分子の平均自由行程(常温・常圧で65nm)と同程度となると、繊維表面で空気流れに滑り(スリップフロー)が生じ、これにより繊維表面での空気抵抗が小さくなる結果、ナノファイバーにより網目構造を細かくしても高い通気性が保たれることになる。
【0038】
また、本形態例にあっては、外側生地2及び内側生地3が夫々の中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に縫製されているので、マスク1の中央部を膨らませて立体的な形状で顔に装着することが可能となり、鼻及び口とマスク1との間に隙間が確保されて呼吸し易くなると共に、特に女性の場合は口紅などの化粧移りが防止される。
【0039】
この際、フィルタ5も中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に成形しておけば、外側生地2及び内側生地3の立体的な形状に合わせてフィルタ5を支障なくポケット4内に収容させることが可能となり、該ポケット4内でフィルタ5が縒れて嵩張るような事態が未然に回避される。
【0040】
尚、外側生地2の上端部には、塑性変形能を持つ帯状のノーズフィッター6が装備されているので、該ノーズフィッター6を鼻筋の隆起形状に合わせて形作ることで外側生地2の上端部をしっかりと鼻筋に掛けられるようにすれば、外側生地2が水を含んで重くなってもずり下がりが防止され、該外側生地2の上端部の隙間から呼気が漏れ出ることによるメガネの曇りも更に確実に防止されることになる。
【0041】
従って、上記形態例によれば、外側生地2に含ませた水を蒸発させることで気化熱を奪って生地温度を下げることができ、暑い季節でも冷感を得ることができて快適にマスク1を着用することができるので、通常のマスク1を我慢して着用し続ける場合よりもストレスの大幅な軽減を図ることができ且つ熱中症になり難くすることもできる。
【0042】
更に、フィルタ5の通気防水機能により内側生地3を濡れないように保持し且つ該内側生地3の吸放湿性により不快な蒸れ感やベタつき感を軽減することができるので、さらっと爽やかな着け心地を実現することができ、特に内側生地3が多数の孔3aを開口したメッシュ生地として構成されている場合には、内側生地3の通気性や肌触りを更に向上することができ、これにより着け心地を一層快適なものとすることができる。
【0043】
しかも、ナノファイバーによる圧倒的に細かな網目構造により高い飛沫防止性能を維持して細菌やウイルスの通過も効果的に阻むことができる一方、良好な通気性を同時に実現することができて呼吸を楽に行うことができ、呼気がマスク1周囲から漏れ出ないようにしてメガネなどの曇りを回避することもできる。
【0044】
また、外側生地2及び内側生地3が夫々の中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に縫製しているので、マスク1の中央部を膨らませて立体的な形状で顔に装着することができ、鼻及び口とマスク1との間に隙間を確保して呼吸し易くすることができ、特に女性の場合は口紅などの化粧移りを防止することもできる。
【0045】
この際、フィルタ5も中央部を前方へ膨出せしめるよう立体的に成形しておけば、外側生地2及び内側生地3の立体的な形状に合わせてフィルタ5を支障なくポケット4内に収容させることができ、該ポケット4内でフィルタ5が縒れて嵩張るような事態を未然に回避することができる。
【0046】
また、外側生地2の上端部に塑性変形能を持つ帯状のノーズフィッター6を装備しているので、このノーズフィッター6を鼻筋の隆起形状に合わせて形作ることで外側生地2の上端部をしっかりと鼻筋に掛けることができ、外側生地2が水を含んで重くなってもずり下がりを防止することができる上、該外側生地2の上端部の隙間から呼気が漏れ出ることによるメガネの曇りも更に確実に防止することができる。
【0047】
尚、本発明のマスクは、上述の形態例にのみ限定されるものではなく、外側生地に水を含ませなくても着け心地の良いマスクとして使用できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【符号の説明】
【0048】
1 マスク
2 外側生地
3 内側生地
3a 孔
4 ポケット
5 フィルタ
6 ノーズフィッター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7