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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】足場台装置
(51)【国際特許分類】
   E04G 1/34 20060101AFI20240417BHJP
   E04G 5/14 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
E04G1/34 A
E04G5/14 301G
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020145842
(22)【出願日】2020-08-31
(65)【公開番号】P2022040907
(43)【公開日】2022-03-11
【審査請求日】2023-04-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000136170
【氏名又は名称】株式会社ピカコーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】110003041
【氏名又は名称】安田岡本弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】橋詰 徹
【審査官】菅原 奈津子
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-102461(JP,A)
【文献】特開2001-081959(JP,A)
【文献】実開平03-115753(JP,U)
【文献】特開2018-003470(JP,A)
【文献】実開昭50-066424(JP,U)
【文献】英国特許出願公開第02437735(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04G 1/28- 1/34
E04G 5/14
E06C 1/00- 9/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
両端縁(3a)と両側縁(3b)とを有する矩形状の足場板(3)と、この足場板(3)の各側縁(3b)に沿って配置された側枠(4)とを備えており、前記側枠(4)は一対の支柱(5)と、この支柱(5)の上端に連結される側桟部材(6)とを有し、前記各支柱(5)の下部は各側縁(3b)の両端部に固定の支持具(7)に装着されている足場台装置であって、
前記支持具(7)は支柱(5)を昇降可能でかつ倒れを防止した状態で嵌合する嵌合部(7a)と、この嵌合部(7a)に嵌合した支柱(5)下部を固定する固定手段(8)とを有しており、
前記支柱(5)は、上下方向に長い支柱本体(5A)の上部に、上端に側桟部材(6)と連結しかつ支柱本体(5A)の上方に伸張された伸張姿勢(E)と、支柱本体(5A)を屈曲して略水平方向姿勢にする屈曲姿勢(K)とに姿勢変更可能な屈伸連結体(9)を設けていることを特徴する足場台装置。
【請求項2】
前記屈伸連結体(9)は、上端が側桟部材(6)に連結された鉛直部材(27)と、下部が支柱本体(5A)の上部に固定された屈曲部材(28)とを有し、鉛直部材(27)と屈曲部材(28)とは、屈曲部材(28)の上部に鉛直部材(27)の下部を係合して伸張姿勢(E)となりかつ屈曲部材(28)の上部を鉛直部材(27)の下部から離脱しかつ回動して屈曲姿勢(K)となるべく連結されていることを特徴する請求項1に記載の足場台装置。
【請求項3】
足場板(3)の端縁(3a)を作業者に知覚させる感知バー(10)が一方の側桟部材(6)から他方の側桟部材(6)まで掛け渡されていることを特徴する請求項1又は2に記載の足場台装置。
【請求項4】
前記感知バー(10)は、一端に一方の側桟部材(6)に枢支された枢軸部(10a)を有し、他端に前記一方の側桟部材(6)に沿った位置で係合する係合部(10b)を有し、他方の側桟部材(6)に前記係合部(10b)が掛け渡しのために係合する被係合部(h1)が形成されていることを特徴する請求項3に記載の足場台装置。
【請求項5】
前記支柱本体(5A)は、支持具(7)から立設された姿勢で前記固定手段(8)が係止される2つの係止部(m1、m2)を有し、前記屈伸連結体(9)に対して支柱本体(5A)を屈曲したときに、2つの係止部(m1、m2)の一方と係止した前記固定手段(8)を係止する補助係止部(m3)を側桟部材(6)に形成していることを特徴する請求項1~4のいずれか1項に記載の足場台装置。
【請求項6】
両端縁(3a)と両側縁(3b)とを有する矩形状の足場板(3)の両側縁(3b)の端部にブラケット(12)が固定され、このブラケット(12)に立地姿勢(R)と足場板(3)の下面に略沿う折り畳み姿勢(T)とに姿勢変更可能な脚体(13)が連結されていることを特徴する請求項1~5のいずれか1項に記載の足場台装置。
【請求項7】
前記足場板(3)は長方形単板(3A)を2枚並列され、2枚の単板(3A)を挟んで一対の支持具(7)が配置され、2枚の単板と一対の支持具(7)とを同時に締結手段(14)で挟持固定していることを特徴する請求項1~6のいずれか1項に記載の足場台装置。
【請求項8】
前記足場板(3)と一対の支持具(7)とを同時に締結手段(14)で挟持固定しており、
前記締結手段(14)は、足場板(3)の端縁(3a)近傍の上面に宛がわれる締結棒(21)と、支持具(7)と足場板(3)の側縁(3b)とに押し当てられて締結棒(21)とともに足場板(3)と支持具(7)とを挟持する裏当て材(22)とを有していることを特徴する請求項1~7のいずれか1項に記載の足場台装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、囲い枠を有していて折り畳み可能な足場台装置に関する。
【背景技術】
【0002】
建築工事現場等で使用される足場台装置は、足場板の側部に側枠を立設したもの、さらに足場板の端部に立地のための脚体を設けたものがあり、運搬容易にするために側枠は折り畳み可能になっている。
特許文献1に開示された従来技術は、一対の梯子状の主脚間に天板を架け渡し、前記天板の4隅に主脚に沿って折り畳み可能に取り付けた棒状の手掛かり部材を立設可能とした可搬式作業台において、天板の長さ方向では、立設状態の前記手掛かり部材同士に長手方向用手摺桟を掛け渡し、天板の幅方向では、長手方向用手摺桟に収納可能で、かつ、一端を長手方向用手摺桟に軸着した短手方向用手摺桟を対向する長手方向用手摺桟に掛け渡している(請求項1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2007-321350号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、短手方向の手摺桟によって、天板の昇降口の位置を作業者に知らせることはできるが、天板の4隅の手掛かり部材は主脚と天板とに対して回動自在に連結されており、手掛かり部材間の長手方向の手摺桟は分割体となっているので、手掛かり部材を主脚に沿って折り畳み可能とするために、長手方向側の側枠として立設したときの剛性を維持することが難い構造になっている。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点を解決できるようにした足場台装置を提供することを目的とする。
本発明は、側枠の支柱を足場板に対して昇降可能にしかつ屈曲可能にして、側枠を足場板に立設状態から折り畳み、側枠の剛性を維持したまま折り畳めるようにした足場台装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明における課題解決のための具体的手段は、両端縁3aと両側縁3bとを有する矩形状の足場板3と、この足場板3の各側縁3bに沿って配置された側枠4とを備えており、前記側枠4は一対の支柱5と、この支柱5の上端に連結される側桟部材6とを有し、前記各支柱5の下部は各側縁3bの両端部に固定の支持具7に装着されている足場台装置であって、
前記支持具7は支柱5を昇降可能でかつ倒れを防止した状態で嵌合する嵌合部7aと、この嵌合部7aに嵌合した支柱5下部を固定する固定手段8とを有しており、
前記支柱5は、上下方向に長い支柱本体5Aの上部に、上端に側桟部材6と連結しかつ支柱本体5Aの上方に伸張された伸張姿勢Eと、支柱本体5Aを屈曲して略水平方向姿勢にする屈曲姿勢Kとに姿勢変更可能な屈伸連結体9を設けていることを特徴する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、側枠の剛性を維持したまま足場板に側枠を折り畳むことができる。
即ち、側桟部材6と連結される支柱5を支持具7の嵌合部7aに昇降可能でかつ倒れを防止した状態で嵌合するので、側枠4は剛性が低下されることがなく、固定手段8を解除して屈伸連結体9を嵌合部7a内に配置して、屈伸連結体9を屈曲することにより、支柱本体5Aを足場板3に沿うように折り畳むことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態を示す側枠使用時の斜視図である。
図2】脚体を有する実施形態を示す正面図である。
図3】側枠使用時の部分拡大斜視図である。
図4】側枠使用時の側面図である。
図5】屈伸連結体の断面図である。
図6】側枠使用時の平面図である。
図7】側枠折り畳み時の斜視図図である。
図8】側枠折り畳み時の部分拡大斜視図である。
図9】側枠折り畳み時の平面図である。
図10】側枠折り畳み時の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、足場台装置1は、両端縁3aと両側縁3bとを有する矩形状の足場板3と、この足場板3の各側縁3bに沿って立設配置された側枠4とを備え、さらに一対の側枠4には、一方から他方まで掛け渡されて足場板3の端縁3aを作業者に知覚させる感知バー10を設けている。この足場台装置1は仮設足場上に載置し、複数台を直線配置することができる。
【0010】
また、足場台装置1は、図2に示すように、側枠4に加えて、矩形状の足場板3の両側縁3bの端部にブラケット12を固定し、このブラケット12に立地姿勢Rと足場板3の下面に略沿う折り畳み姿勢Tとに姿勢変更可能な脚体13を連結している。この足場台装置1は可搬式となり、作業現場にて独立して配置することができる。
図1~10において、前記足場板3は、長方形の上板の下面に複数本のリブを一体に有する長方形単板3Aを形成し、この長方形単板3Aを2枚並列しており、足場板3の両側縁3bの両端部に支持具7を配置し、対の支持具7が2組で2枚の単板3Aを挟むようにして締結手段14で挟持固定している。
【0011】
締結手段14は2本の締結棒21と一対の裏当て材22とを有する。締結棒21は単板3A上面に宛がわれ、両端のL字状に屈曲された締結部21aが支持具7と裏当て材22とに貫通され、ナット23が螺合される。
ナット23の螺合により、裏当て材22は支持具7の下面と足場板3の側縁3bに押し当てられ、2枚の単板3A、一対の支持具7及び裏当て材22を挟持固定する。
【0012】
締結手段14は足場板3に一対の支持具7及び裏当て材22を締結固定した状態で、締結棒21は足場板3の端縁3a付近の上面に位置することになり、その存在が足場板3上で作業をする作業者に足下での足場板3の端縁3aを知覚することを可能にする。なお、締結棒21は1本でもよい。
前記支持具7は上下に貫通した角筒形状の嵌合部7aが形成され、この嵌合部7aの足場板3と面する面と反対側の外面に2条のリブ兼案内をする凸条部7bが形成され、支持具7同士が対向する側の壁にはガイド溝7cが形成されている。
【0013】
前記嵌合部7aは支柱5を昇降可能でかつ倒れを防止した状態で嵌合する。前記2条の凸条部7b間には嵌合部7aに嵌合した支柱5の下部を固定する固定手段8が配置される。前記ガイド溝7cは後述する屈伸連結体9の屈曲部材28が挿入される。
足場板3の各側縁3bに沿って配置される側枠4は、足場板3上で作業する作業員に側縁3bの存在を知らしめ、また手摺りとなるものであり、一対の支柱5と、この支柱5の上端に連結される側桟部材6とを有し、各支柱5の下部が支持具7の嵌合部7aに嵌合装着される。
【0014】
前記支柱5は、上下方向に長い断面角形状の支柱本体5Aと、この支柱本体5Aの上部に伸張姿勢Eと屈曲姿勢Kとに姿勢変更可能に連結されかつ側桟部材6と連結された屈伸連結体9とを有している。
前記支柱本体5Aは、支持具7から立設された姿勢で前記固定手段8の固定棒25が係止される2つの係止部m1、m2を有し、上端にはスリット状の係合凹部5aが形成されている。
【0015】
固定手段8の固定棒25は略L字形状であって、この固定棒25は中間の直線部25aの一端から屈曲した長尺足25bを有し、この長尺足25bが支柱本体5Aの下係止部m2に挿入されかつスプリング26によって挿入方向に付勢されている。また、直線部25aの他端から屈曲した短尺足25cを有し、支柱本体5Aの上係止部m1に係脱自在に係合される。
【0016】
前記固定手段8は固定棒25の直線部25aを支持具7の2条の凸条部7b間に入るように嵌合部7aに宛がうことにより、支柱本体5Aを嵌合部7aに対して上下位置を規制した状態で固定する。
固定手段8の固定棒25はスプリング26に抗して移動することにより、短尺足25cを上係止部m1から離脱可能であり、これを離脱することにより、支柱本体5Aは嵌合部7aに対して下方へ摺動可能になる。また、短尺足25cが係合可能な補助係止部m3は側桟部材6に形成されている。
【0017】
図3~5において、屈伸連結体9は、直径方向に貫通する上下スリット27a,27bを形成した筒形状の鉛直部材27と、この鉛直部材27の下部と支柱本体5Aの上部とに渡って挿入された楔形状の屈曲部材28とを有している。
鉛直部材27の上スリット27aには側桟部材6が嵌入され、ピン29で直交状態に連結固定されている。鉛直部材27の下スリット27bには屈曲部材28の上部が挿入され回動ピン30で連結されている。
【0018】
屈曲部材28は下部がL字状に屈曲され、支柱本体5Aの上部に入って係合凹部5aに係合されて回り止めされ、ピン31によって連結固定されている。
屈曲部材28の上部は山形状(楔形状)になっており、その中央に前記回動ピン30が挿通される上下方向に長い長孔33が形成され、山形状の裾の部分には、鉛直部材27の内側に楔状に入って係合する回動規制部34と、下スリット27bに嵌入する位置規制部35と、この位置規制部35より下側で支柱本体5Aの係合凹部5aに係合する固定片部36とが形成されている。
【0019】
なお、位置規制部35の幅は鉛直部材27の直径に略等しく、固定片部36の幅は支柱本体5Aの一辺幅に略等しく形成されているが、位置規制部35の幅を固定片部36の幅と同一にしてもよい。
前記屈曲部材28は回動規制部34が鉛直部材27の内面に当接し、位置規制部35が下スリット27bに嵌入すると、回動ピン30周りの相対回動は規制され、支柱本体5Aから直上方向に延びる伸張姿勢E(図1~5に示す。)となる。
【0020】
前記屈伸連結体9は、固定手段8を解除して嵌合部7a内で支柱5を下降し、屈伸連結体9を嵌合部7a内に配置したときに、支柱本体5Aとの連結部を嵌合部7aの下方に、側桟部材6との連結部を嵌合部7aの上方にそれぞれ配置する上下寸法Lを有する。即ち、鉛直部材27は上下スリット27a,27b間の寸法Laが嵌合部7aの上面からガイド溝7cの上端までの寸法Lbと略等しくなっている。
【0021】
前記屈曲部材28は長孔33の範囲内で鉛直部材27から引き離す方向に移動し、回動規制部34を鉛直部材27の内面から離脱させ、位置規制部35を下スリット27bから離脱させると、回動ピン30周りの相対回動は許容され、屈伸連結体9は中途部で屈曲することができる。即ち、鉛直部材27に対して屈曲部材28及び支柱本体5Aを回動ピン30周りに回動して屈曲姿勢K(図7、8、10に示す)にすることができる。
【0022】
前記支柱5は屈曲部材28及び支柱本体5Aと鉛直部材27とをL字状に屈曲して折り畳み可能な構成であり、鉛直部材27を嵌合部7a内まで下降したとき、側桟部材6は嵌合部7aの上面に当接し、屈曲部材28は長孔33の分だけ鉛直部材27に対して下降する。
この状態で屈曲部材28及び支柱本体5Aは回動ピン30を中心に回動が可能になり、略90度回動すると、屈曲部材28は位置規制部35が下スリット27bに嵌入するとともに嵌合部7aのガイド溝7cにも嵌入し、略水平方向姿勢で振れ止めがなされた状態で支柱本体5Aは屈曲姿勢Kになる。
【0023】
図1~10において、前記各側枠4は足場板3の各端縁3aの上方に配置する感知バー10を1本ずつ有している。前記感知バー10は、一端に一方の側桟部材6に枢支された枢軸部10aを有し、他端に前記一方の側桟部材6に沿った位置で係合する係合部10bを有し、他方の側桟部材6に前記係合部10bが掛け渡しのために係合する被係合部h1が形成されている。
【0024】
前記枢軸部10aは側桟部材6に挿入されていて、スプリング41によって添接するように付勢されており、スプリング41に抗して引き上げることにより係合部10bを被係合部h1から離脱することができる。
感知バー10は、係合部10bを被係合部h1に係合することにより、一方の側桟部材6から他方の側桟部材6まで掛け渡されて足場板3の端縁3aを作業者に知覚させる作用状態になるが、収納するときは、枢軸部10aが枢支されている側の側桟部材6の中途部に形成した収納被係合部h2に係合部10bを係合して、側桟部材6の上面に沿わせるようにする。
【0025】
側桟部材6の中途部の側面には、折り畳み用補助係止部m3が形成されている。この補助係止部m3には固定手段8の固定棒25の短尺足25cが係合する。支柱本体5Aを折り畳んだときに、固定棒25を支柱本体5Aから側桟部材6に渡って架設することにより、支柱本体5Aの折り畳み姿勢を維持できるようにしている。この場合、折り畳まれた側桟部材6が足場板3から浮き上がるのも防止できる。
【0026】
図1に示す使用状態の足場台装置1は、単板3Aを2枚並列し、この2枚の単板3Aを挟んで両端部側にそれぞれ一対の支持具7を配置し、2枚の単板と各対の支持具7とを同時に締結手段14で挟持固定して足場板3を構成し、足場板3の各側縁3bに配置された支持具7に側枠4を立設している。
側枠4の支柱5は、支柱本体5Aの下部が嵌合部7aに嵌入され、2つの係止部m1、m2に固定手段8の固定棒25の両端が係止され、固定棒25は嵌合部7aに跨がるように固定されて、支柱本体5Aを支持具7に立設姿勢に固定する。
【0027】
支柱本体5Aの上端には、屈伸連結体9の屈曲部材28の下部が固定されており、この屈曲部材28に鉛直部材27の下スリット27bが嵌合して、支柱本体5Aの上端に屈伸連結体9が伸張姿勢Eで保持される。
鉛直部材27の上スリット27aには側桟部材6が嵌入され、屈伸連結体9と側桟部材6とはピン29が貫通されてT字状に結合されており、側枠4の支柱5と側桟部材6とは側面視門形の強固な手摺り構造体となる。
【0028】
一対の側枠4は、一対の側桟部材6の互いに反対側の端部近傍に感知バー10の一端の枢軸部10aを枢支している。この枢軸部10aを引き抜くように感知バー10を上方移動すると、感知バー10は枢軸部10aを中心に回動でき、感知バー10の他端の係合部10bを他方の側桟部材6に形成した被係合部h1に係合することにより、感知バー10は2本の側桟部材6に掛け渡される。
【0029】
感知バー10は足場板3の各端縁3aの位置を作業者に知覚させ、足場板3上からの不本意な逸脱を防止することができる。
足場台装置1を前記使用状態から折り畳み状態にするときは、まず、感知バー10を引き上げてそれを枢支している側桟部材6に沿う状態まで回動し、係合部10bを収納被係合部h2に係合して、側桟部材6に添接する状態に収納する。
【0030】
次に、固定手段8の固定を解除して、支柱本体5Aを嵌合部7a内で摺動下降させ、屈伸連結体9を嵌合部7a内に挿入させ、側桟部材6を足場板3の側縁3bに略沿う位置まで下降させる。
下降した側桟部材6は嵌合部7aの上端に当接し、鉛直部材27は嵌合部7a内に収まり、屈曲部材28は鉛直部材27に対して長孔33の範囲内でさらに下降し、回動規制部34及び位置規制部35が鉛直部材27の下スリット27bから下降し、伸張姿勢Eが解消されて回動ピン30周りの相対回動が可能な状態になる。
【0031】
屈曲部材28の上端は略山形形状であるので、回動ピン30周りに回動すると、屈曲部材28の位置規制部35は嵌合部7aのガイド溝7cに挿入され(下スリット27bにも挿入されている。)、支柱本体5Aは屈曲姿勢Kとなって下降した側桟部材6に略沿うようになる。
前記解除した固定手段8の固定棒25は、長尺足25bが支柱本体5Aの下係止部m2に挿入されたままであるが、短尺足25cが支柱本体5Aの上係止部m1から離脱しており、この短尺足25cを側桟部材6の補助係止部m3に係合することにより、支柱本体5Aは側桟部材6側に折り畳まれて屈曲姿勢Kが保持される。
【0032】
前述した実施形態の足場台装置1においては、両端縁3aと両側縁3bとを有する矩形状の足場板3と、この足場板3の各側縁3bに沿って配置された側枠4とを備えており、前記側枠4は一対の支柱5と、この支柱5の上端に連結される側桟部材6とを有し、前記各支柱5の下部は各側縁3bの両端部に固定の支持具7に装着されている足場台装置であって、前記支持具7は支柱5を昇降可能でかつ倒れを防止した状態で嵌合する嵌合部7aと、この嵌合部7aに嵌合した支柱5下部を固定する固定手段8とを有しており、前記支柱5は、上下方向に長い支柱本体5Aの上部に、上端に側桟部材6と連結しかつ支柱本体5Aの上方に伸張された伸張姿勢Eと、支柱本体5Aを屈曲して略水平方向姿勢にする屈曲姿勢Kとに姿勢変更可能な屈伸連結体9を設けているので、固定手段8を解除して、側桟部材6と共に一対の支柱5を降下させて、屈伸連結体9を嵌合部7a内に配置すると、支柱本体5Aを屈曲して足場板3の各側縁3bに沿わせることができ、足場板3に対して側枠4を折り畳むことができ、側枠4は足場板3から立設された使用姿勢の時、屈伸連結体9は支柱本体5Aの上部に伸張姿勢Eになるので、枠としての剛性を強固に維持できる。
【0033】
また、足場台装置1においては、屈伸連結体9は、上端が側桟部材6に連結された鉛直部材27と、下部が支柱本体5Aの上部に固定された屈曲部材28とを有し、鉛直部材27と屈曲部材28とは、屈曲部材28の上部に鉛直部材27の下部を係合して伸張姿勢Eとなりかつ屈曲部材28の上部を鉛直部材27の下部から離脱しかつ回動して屈曲姿勢Kとなるべく連結されているので、屈伸連結体9だけで支柱5の立設と折り畳みとができる。
【0034】
さらに、足場台装置1においては、足場板3の端縁3aを作業者に知覚させる感知バー10が一方の側桟部材6から他方の側桟部材6まで掛け渡されているので、感知バー10を他方の側桟部材6に掛け渡すことにより、足場板3上で作業をする作業者に足場板3の端縁3aを知覚させることができる。
さらにまた、足場台装置1においては、感知バー10は、一端に一方の側桟部材6に枢支された枢軸部10aを有し、他端に前記一方の側桟部材6に沿った位置で係合する係合部10bを有し、他方の側桟部材6に前記係合部10bが掛け渡しのために係合する被係合部h1が形成されているので、側桟部材6を折り畳むときは感知バー10を側桟部材6に沿わせることができる。
【0035】
そして、足場台装置1においては、支柱本体5Aは、支持具7から立設された姿勢で前記固定手段8が係止される2つの係止部m1、m2を有し、前記屈伸連結体9に対して支柱本体5Aを屈曲したときに、2つの係止部m1、m2の一方と係止した前記固定手段8を係止する補助係止部m3を側桟部材6に形成しているので、支柱本体5Aを支持具7から立設した姿勢で固定する固定手段8を用いて、屈伸連結体9から屈曲した支柱本体5Aを側桟部材6に係止することができる。
【0036】
そしてまた、足場台装置1においては、両端縁3aと両側縁3bとを有する矩形状の足場板3の両側縁3bの端部にブラケット12が固定され、このブラケット12に立地姿勢Rと足場板3の下面に略沿う折り畳み姿勢Tとに姿勢変更可能な脚体13が連結されているので、独立設置可能な装置として構成でき、かつ足場板3に沿うように、一対の側枠4も脚体13も折り畳むことができる。
【0037】
また、足場台装置1においては、足場板3は長方形単板3Aを2枚並列され、2枚の単板3Aを挟んで一対の支持具7が配置され、2枚の単板と一対の支持具7とを同時に締結手段14で挟持固定しているので、2枚の単板3A及び一対の支持具7を締結手段14で挟持固定して、足場板3を簡単かつ強固に組み立て構成することができる。
さらに、足場台装置1においては、前記足場板3と一対の支持具7とを同時に締結手段14で挟持固定しており、前記締結手段14は、足場板3の端縁3a近傍の上面に宛がわれる締結棒21と、支持具7と足場板3の側縁3bとに押し当てられて締結棒21とともに足場板3と支持具7とを挟持する裏当て材22とを有しているので、足場板3上で作業をする作業者に足下での足場板3の端縁3aの知覚を可能にする。
【0038】
なお、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、部材の形状、構成及び組み合わせ等を変更したりすることもできる。
例えば、感知バー10は側桟部材6間に掛け渡された位置から側桟部材6に沿う位置まで移動可能に設けられているが、一対の側桟部材6に連結固定してもよい。
また、支柱5を支持する支持具7は2枚の単板3Aを併設する締結手段14を兼ねているが、締結手段14とは別個に形成して足場板3の各側縁3bに固定してもよい。
【符号の説明】
【0039】
1 足場台装置
3 足場板
3A 単板
3a 端縁
3b 側縁
4 側枠
5 支柱
5A 支柱本体
5a 係合凹部
6 側桟部材
7 支持具
7a 嵌合部
7b 凸条部
7c ガイド溝
8 固定手段
9 屈伸連結体
10 感知バー
10a 枢軸部
10b 係合部
12 ブラケット
13 脚体
14 締結手段
27 鉛直部材
28 屈曲部材
30 回動ピン
34 回動規制部
35 位置規制部
36 固定片部
E 伸張姿勢
K 屈曲姿勢
L 上下寸法
La、Lb 寸法
R 立地姿勢
T 折り畳み姿勢
h1 被係合部
h2 収納被係合部
m1 上係止部
m2 係止部
m3 補助係止部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10