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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/22 20060101AFI20240417BHJP
   F16H 25/20 20060101ALI20240417BHJP
   F16H 25/24 20060101ALI20240417BHJP
   H02K 7/102 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
F16H25/22 K
F16H25/20 F
F16H25/24 H
H02K7/102
【請求項の数】 19
(21)【出願番号】P 2020150629
(22)【出願日】2020-09-08
(65)【公開番号】P2022045118
(43)【公開日】2022-03-18
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠記
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-247961(JP,A)
【文献】特開2005-249120(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/22
F16H 25/20
F16H 25/24
H02K 7/102
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転軸の回転運動とともに回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部とともに直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する中間サポート部材と、
前記中間サポート部材と前記スライド部とを連結する第1連結部材と、
を備え
前記第1連結部材の一端は、前記スライド部に固定され、
前記中間サポート部材は、前記スライド部と前記第1連結部材の他端との間で移動可能に設けられている、アクチュエータ。
【請求項2】
前記スライド部は、前記第1連結部材を固定するための固定部材を有し、
前記第1連結部材は、前記固定部材を介して、前記スライド部に固定されつつ連結されている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記第1連結部材の他端には、前記中間サポート部材が、前記スライド部から前記ボールねじ軸の先端方向に移動することを阻止する第1ストッパが設置されている、請求項又はに記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、
前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材を備える、請求項からのいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記振れ止め部材には、前記第1連結部材の他端が通過可能な第1連結部材通過部が形成されている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記中間サポート部材と前記振れ止め部材とを連結する第2連結部材を備え、
前記第2連結部材の一端は、前記中間サポート部材に固定されている、請求項又はに記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第2連結部材の他端には、前記中間サポート部材が、前記振れ止め部材から前記ボールねじ軸の基端方向に移動することを阻止する第2ストッパが設置されている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、
前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材と、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記中間サポート部材よりも前記先端部寄りに配置され、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する第2の中間サポート部材と、
を備える、請求項からのいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記中間サポート部材と前記第2の中間サポート部材とを連結する第2連結部材と、
前記第2の中間サポート部材と前記振れ止め部材とを連結する第3連結部材と、
を備え、
前記第2連結部材の一端は、前記中間サポート部材に固定され、
前記第3連結部材の一端は、前記第2の中間サポート部材に固定されている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記第2連結部材の他端には、前記第2の中間サポート部材が、前記中間サポート部材から前記ボールねじ軸の先端方向に移動することを阻止する第2ストッパが設置されている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記第3連結部材の他端には、前記第2の中間サポート部材が、前記振れ止め部材から前記ボールねじ軸の基端方向に移動することを阻止する第3ストッパが設置されている、請求項又は10に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記振れ止め部材には、
前記第1連結部材の他端が通過可能な第1連結部材通過部と、
前記第2連結部材の他端が通過可能な第2連結部材通過部と、
が形成されている、請求項から11のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記第2の中間サポート部材には、前記第1連結部材の他端が通過可能な連結部材通過部が形成されている、請求項から12のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
モータの回転軸の回転運動とともに回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部とともに直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する中間サポート部材と、
前記スライド部と前記中間サポート部材の間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第1弾性部材と、
を備え
前記第1弾性部材は、前記スライド部が直線運動する際に弾性変形することにより、前記第1弾性部材の弾性力に基づいて規定される位置に、前記中間サポート部材を移動させるように設けられている、アクチュエータ。
【請求項15】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、
前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材を備える、請求項14に記載のアクチュエータ。
【請求項16】
前記中間サポート部材と前記振れ止め部材の間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第2弾性部材を備える、請求項15に記載のアクチュエータ。
【請求項17】
前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材は、前記スライド部が直線運動する際に弾性変形することにより、前記スライド部が前記ボールねじ軸を支持する第1支持位置と、前記振れ止め部材が前記ボールねじ軸を支持する第2支持位置との間の中間位置に、前記中間サポート部材を移動させるように設けられている、請求項16に記載のアクチュエータ。
【請求項18】
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記中間サポート部材よりも前記先端部寄りに配置され、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する第2の中間サポート部材を備える、請求項15に記載のアクチュエータ。
【請求項19】
前記中間サポート部材と前記第2の中間サポート部材との間に設置されていると共に、
弾性の素材からなる第2弾性部材と、
前記第2の中間サポート部材と前記振れ止め部材との間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第3弾性部材と、
を備える、請求項18に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータの回転軸の回転に伴ってボールねじ軸が回転し、そのボールねじ軸の回転に伴って、ボールねじ軸に螺合されたボールねじナットが、ロッド(作業軸)と共に進退移動するロッドタイプのアクチュエータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-36606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のアクチュエータにおいては、その使用方法や設置場所によって、作業軸の進退移動可能な範囲であるストロークを長くすることがユーザから望まれる。しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、ボールねじ軸の長さを伸ばすことで、作業軸の長ストローク化を実現できるが、この場合、ボールねじ軸が撓む現象、いわゆる「縄跳び現象」を起こすおそれがある。そうすると、ボールねじ軸を破損させるような危険な状態になる回転速度であるアクチュエータの「危険速度」が低下してしまい、アクチュエータを高速駆動させることが困難となるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、作業軸の移動可能なストロークを長くした場合においても、作業軸を高速移動させることが可能なアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るアクチュエータは、
モータの回転軸の回転運動とともに回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部とともに直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する中間サポート部材と、
前記中間サポート部材と前記スライド部とを連結する第1連結部材と、
を備え
前記第1連結部材の一端は、前記スライド部に固定され、
前記中間サポート部材は、前記スライド部と前記第1連結部材の他端との間で移動可能に設けられている
【0008】
前記スライド部は、前記第1連結部材を固定するための固定部材を有し、
前記第1連結部材は、前記固定部材を介して、前記スライド部に固定されつつ連結されていてもよい。
【0009】
前記第1連結部材の他端には、前記中間サポート部材が、前記スライド部から前記ボールねじ軸の先端方向に移動することを阻止する第1ストッパが設置されていてもよい。
【0010】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材を備えていてもよい。
【0011】
前記振れ止め部材には、前記第1連結部材の他端が通過可能な第1連結部材通過部が形成されていてもよい。
【0012】
前記中間サポート部材と前記振れ止め部材とを連結する第2連結部材を備え、
前記第2連結部材の一端は、前記中間サポート部材に固定されていてもよい。
【0013】
前記第2連結部材の他端には、前記中間サポート部材が、前記振れ止め部材から前記ボールねじ軸の基端方向に移動することを阻止する第2ストッパが設置されていてもよい。
【0014】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材と、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記中間サポート部材よりも前記先端部寄りに配置され、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する第2の中間サポート部材と、
を備えていてもよい。
【0015】
前記中間サポート部材と前記第2の中間サポート部材とを連結する第2連結部材と、
前記第2の中間サポート部材と前記振れ止め部材とを連結する第3連結部材と、
を備え、
前記第2連結部材の一端は、前記中間サポート部材に固定され、
前記第3連結部材の一端は、前記第2の中間サポート部材に固定されていてもよい。
【0016】
前記第2連結部材の他端には、前記第2の中間サポート部材が、前記中間サポート部材から前記ボールねじ軸の先端方向に移動することを阻止する第2ストッパが設置されていてもよい。
【0017】
前記第3連結部材の他端には、前記第2の中間サポート部材が、前記振れ止め部材から前記ボールねじ軸の基端方向に移動することを阻止する第3ストッパが設置されていてもよい。
【0018】
前記振れ止め部材には、
前記第1連結部材の他端が通過可能な第1連結部材通過部と、
前記第2連結部材の他端が通過可能な第2連結部材通過部と、
が形成されていてもよい。
【0019】
前記第2の中間サポート部材には、前記第1連結部材の他端が通過可能な連結部材通過部が形成されていてもよい。
【0020】
上述の目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るアクチュエータは、
モータの回転軸の回転運動とともに回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部とともに直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する中間サポート部材と、
前記スライド部と前記中間サポート部材の間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第1弾性部材と、
を備え、
前記第1弾性部材は、前記スライド部が直線運動する際に弾性変形することにより、前記第1弾性部材の弾性力に基づいて規定される位置に、前記中間サポート部材を移動させるように設けられている
【0021】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材を備えていてもよい。
【0022】
前記中間サポート部材と前記振れ止め部材の間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第2弾性部材を備えていてもよい。
【0023】
前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材は、前記スライド部が直線運動する際に弾性変形することにより、前記スライド部が前記ボールねじ軸を支持する第1支持位置と、前記振れ止め部材が前記ボールねじ軸を支持する第2支持位置との間の中間位置に、前記中間サポート部材を移動させるように設けられていてもよい。
【0024】
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間に配置されるとともに、前記中間サポート部材よりも前記先端部寄りに配置され、前記作業軸の前記孔の内周面及び前記ボールねじ軸に摺動可能に配置され、前記ボールねじ軸を支持する第2の中間サポート部材を備えていてもよい。
【0025】
前記中間サポート部材と前記第2の中間サポート部材との間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第2弾性部材と、
前記第2の中間サポート部材と前記振れ止め部材との間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第3弾性部材と、
を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0026】
本発明に係るアクチュエータは、ボールねじ軸の先端部とスライド部との間に、作業軸の孔の内周面及びボールねじ軸に摺動可能に配置される中間サポート部材を備える。中間サポート部材は、ボールねじ軸を支持する。このため、ボールねじ軸が撓むことを抑制する。これにより、本発明においては、アクチュエータの作業軸の移動可能なストロークを長くした場合においても、作業軸を高速移動させることが可能なアクチュエータを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施の形態1に係るアクチュエータの斜視図である。
図2】実施の形態1に係るアクチュエータの分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係るアクチュエータの分解断面図である。
図4】実施の形態1に係るアクチュエータの一部を簡略化して示した断面図である。
図5】実施の形態1に係るアクチュエータの一部を簡略化して示した分解断面図である。
図6】(A)は、固定部材、第1連結部材、中間サポート部材、第2連結部材、及び振れ止め部材を組み付けた状態の斜視図である。(B)は、固定部材、第1連結部材、中間サポート部材、第2連結部材、及び振れ止め部材の分解斜視図である。
図7】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための断面図(その1)である。
図8】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための断面図(その2)である。
図9】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための斜視図(その1)である。
図10】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための固定部材、第1連結部材、中間サポート部材、第2連結部材、及び振れ止め部材の斜視図(その1)である。
図11】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための断面図(その3)である。
図12】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための斜視図(その2)である。
図13】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための固定部材、第1連結部材、中間サポート部材、第2連結部材、及び振れ止め部材の斜視図(その2)である。
図14】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための断面図(その4)である。
図15】(A)は、実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための固定部材、第1連結部材、中間サポート部材、第2連結部材、及び振れ止め部材の斜視図(その3)である。(B)は、実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための固定部材、第1連結部材、中間サポート部材、第2連結部材、及び振れ止め部材の斜視図(その4)である。
図16】比較例に係るアクチュエータの断面図である。
図17】実施の形態2に係るアクチュエータの分解側面図である。
図18】変形例1に係るアクチュエータの一部を簡略化して示した断面図である。
図19】変形例1に係る固定部材、第1連結部材、中間サポート部材、第2連結部材、及び振れ止め部材を組み付けた状態の斜視図である。
図20】変形例2に係るアクチュエータの分解側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るアクチュエータ10について説明する。なお、図中のY軸方向は、図1に示すように、ロッド11が進退する移動方向D1に平行な方向であり、X軸方向及びZ軸方向は、移動方向D1に直交する方向である。また、図中のXY平面は、アクチュエータ10が設置される面に平行な水平面である。
【0029】
アクチュエータ10は、図1に示すように、Y軸方向に往復運動するロッド11(作業軸)を有するロッドタイプのリニアアクチュエータである。アクチュエータ10は、ロッド11の移動距離であるストローク(Y軸方向の長さ)が比較的長いアクチュエータである。このアクチュエータ10は、ロッド11(作業軸)と、モータユニット20と、フロントブラケット90と、リアブラケット100と、カバー18とを備える。
【0030】
カバー18は、図2及び図3に示すように、例えば、アルミニウムを押出成形することによって形成されるフレームカバーである。ただし、カバー18の素材や形成方法は、これに限られない。カバー18は、アルミニウムを押出成形することによって形成される成形品以外のものであってもよい。カバー18には、ネジ、ボルトなどの留め具19によって、+Z側からフロントブラケット90及びリアブラケット100に取り付けられて固定されている。
【0031】
アクチュエータ10は、図4及び図5に示すように、上述のロッド11等に加えて、ロッド11をY軸方向に案内するガイド装置30と、ボールねじ40と、中間サポート部材50と、振れ止め部材60と、第1連結部材70と、第2連結部材80とを備える。
【0032】
ロッド11(作業軸)は、内部に孔11aが形成された円筒形状の部材である。ロッド11は、例えば、ステンレス鋼からなる。ただし、ロッド11の素材は、これに限られない。ロッド11の素材は、ステンレス鋼以外のものであってもよい。ロッド11の孔11aは、XZ断面が概ね真円の円孔となるように形成されている。ロッド11は、その-Y側の先端部にねじ込まれて固定されている先端金具12を有する。ロッド11の先端金具12は、例えば、外周にねじ面が形成されている。この先端金具12には、アクチュエータ10の用途に応じて、様々な工具が螺合されて取り付けられる。また、ロッド11の+Y側の基端部の外周には、雄ねじ部11bが形成されている。なお、図4及び図5は簡略化された図であり、当該図においては、アクチュエータ10は、その部材の一部が割愛されたり、簡略化されたりして示されている。
【0033】
モータユニット20は、図3に示すように、モータ21と、モータハウジング22と、アクチュエータケーブルとを有する。
【0034】
モータ21は、例えば、出力軸23(回転軸)、ロータ、ステータ、エンコーダ等を有している。このモータ21には、アクチュエータケーブルを介して電源からの電力が供給される。モータ21に電力が供給されることによって、モータ21のロータが回転する。ロータの回転運動は、出力軸23に出力される。この出力軸23には、カップリング23aが取り付けられている(図4参照)。
【0035】
モータハウジング22は、略直方体のケースである。モータハウジング22には、出力軸23の先端が突出した状態で、モータ21が収容されている。
【0036】
ガイド装置30は、図4及び図5に示すように、ロッド11がスライド部31に固定されることにより、ロッド11を+Y方向及び-Y方向の双方向に案内する。このガイド装置30は、スライド部31と、レール部32と、球形状に形成されている転動体とを有する。転動体は、剛性の素材からなり、具体的には、鋼材からなる。転動体は、スライド部31とレール部32との間に複数配置され、レール部32に対して、スライド部31を円滑に移動させるために用いられる。
【0037】
スライド部31は、転動体を介して、レール部32にY軸方向に移動可能に支持されている。スライド部31は、金属からなる本体部と、この本体部の-Y側の前端面に留め具等で固定された前側のリターン部材と、本体部の+Y側の後端面に留め具等で固定された後ろ側のリターン部材とを有する。一対のリターン部材には、その内部に、転動体を通過させる転動体循環路が形成されている。
【0038】
スライド部31の本体部は、Y方向に貫通する貫通孔31aが形成された略直方体の部材である。スライド部31の本体部は、例えば、鉄等の金属からなる。貫通孔31aの内周面の少なくとも一部には、雌ねじ面31bが形成されている。この雌ねじ面31bには、ロッド11の雄ねじ部11bが螺合されて固定される。また、スライド部31の本体部の+X側の側面及び-X側の側面には、転動体が転動するための溝部が形成されている。溝部の内面は、略湾曲面として構成されている。
【0039】
レール部32は、Y軸方向を長手方向とする板状の底板部と、一対の側壁部とを有する。レール部32は、例えば、アルミニウムを押出成形することによって形成される。側壁部の互いに対応する対向面には、転動体が転動するための溝部がそれぞれ形成されている。溝部の内面は、略湾曲面として構成されている。このレール部32には、複数の転動体を介して、スライド部31が取り付けられる。レール部32にスライド部31が取り付けられると、レール部32の側壁の溝部と、スライド部31の側面の溝部とに転動体が挟まれる。これにより、スライド部31は、転動体の転動に基づいて、レール部32に対して、Y軸方向に円滑に移動可能になる。
【0040】
また、スライド部31は、貫通孔31aに嵌め込まれている円環形状の固定部材33を有する。
【0041】
固定部材33は、図4図5、及び図6(A)、(B)に示すように、貫通孔31aに嵌め込まれて、第1連結部材70をスライド部31に固定するために用いられる。具体的には、固定部材33は、スライド部31とロッド11との間で挟み込まれることで、貫通孔31a内で、Y軸回りに非回転状態に固定される。この固定部材33は、Y軸方向に貫通する貫通孔33aを中央に有する円環形状に形成されている。固定部材33は、金属又は樹脂からなる。固定部材33には、第1連結部材挿入用孔33b、33cが二つ形成されている。第1連結部材挿入用孔33b、33cの内面には、雌ねじ面が形成されている。
【0042】
ボールねじ40は、図4及び図5に示すように、モータユニット20の出力軸23の回転運動を直線運動に変換することで、スライド部31を直線運動させるために用いられる。ボールねじ40は、ボールねじ軸41と、ボールねじナット42とを有する。
【0043】
ボールねじ軸41は、外周面が螺旋状のボールねじ面として構成されているボールねじ軸本体と、ボールねじ軸本体よりも小径に形成されているボールねじ軸41の-Y側の先端部41a及び+Y側の基端部41bとを有する。
【0044】
先端部41aには、振れ止め部材60が嵌め込まれている。この振れ止め部材60は、抜け止め部材43によって、先端部41aから抜け止めされている。先端部41aは、ロッド11の孔11aに+Y側から挿入される。これにより、先端部41aは、振れ止め部材60とともに、ロッド11の孔11a内に配置される。
【0045】
基端部41bには、カップリング44が取り付けられている。基端部41bは、モータユニット20の出力軸23に取り付けられているカップリング23aに、出力軸23とともに回転するように接続される。これにより、出力軸23の回転運動がボールねじ軸41に伝達される。
【0046】
ボールねじナット42は、ボールねじ軸41の外周面に螺合されて配置されている。ボールねじナット42は、ボールねじ軸41に剛性の球体を介して嵌め込まれる。ボールねじナット42は、ボールねじ軸41の回転運動に基づいて、直線運動に変換される。
【0047】
中間サポート部材50は、図5及び図6(A)、(B)に示すように、Y軸方向(ボールねじ軸41の軸方向)において、ボールねじ軸41の先端部41aとスライド部31(詳しくは、固定部材33)との間に配置されている。また、中間サポート部材50は、Y軸方向に直交する方向において、ロッド11の孔11aの内周面と、ボールねじ軸41の外周面との間に配置されている。そして、中間サポート部材50は、ロッド11の孔11aの内周面及びボールねじ軸41に摺動可能に配置されている。この中間サポート部材50は、例えば、潤滑性のよい素材であるPOM(ポリオキシメチレン;polyoxymethylene)からなる。しかしながら、これに限られない。中間サポート部材50は、潤滑性のよい素材であれば、POM以外の素材からなっていてもよい。
【0048】
中間サポート部材50は、Y軸方向に貫通する貫通孔51を中央に有する円環形状に形成されている。貫通孔51は、その内面がボールねじ軸41の外周面に接触するように形成されている。この貫通孔51には、ボールねじ軸41が挿入される。また、中間サポート部材50は、その外径が、ロッド11の孔11aの内径と同等に形成されている。具体的には、ボールねじ軸41を、ロッド11の孔11aに挿入した場合に、中間サポート部材50の外周が、孔11aの内周面に接触するように形成されている。これにより、中間サポート部材50の外周が、孔11aの内周面に接触して、中間サポート部材50が、ボールねじ軸41を支持する。この結果、中間サポート部材50は、ボールねじ軸41が撓むことを抑制する。
【0049】
また、中間サポート部材50には、貫通孔51の周囲に、Y軸方向に貫通しない第2連結部材挿入用孔52a、52bと、Y軸方向に貫通する貫通孔53a、53bと、が形成されている。第2連結部材挿入用孔52a、貫通孔53a、第2連結部材挿入用孔52b、及び、貫通孔53bは、Y軸方向を中心とする円周に沿って、その順に等間隔に設けられている。
【0050】
第2連結部材挿入用孔52a、52bには、第2連結部材80の+Y側の一端が挿入されて固定されている。第2連結部材挿入用孔52aと第2連結部材挿入用孔52bとは、貫通孔51に対して左右対称に設けられている。
【0051】
貫通孔53a、53bには、第1連結部材70の-Y側の他端が通過可能に配置されている。貫通孔53aと貫通孔53bとは、貫通孔51に対して上下対称に設けられている。
【0052】
振れ止め部材60は、ボールねじ軸41の先端部41aに設置されている。振れ止め部材60は、例えば、樹脂やゴムからなる。具体的には、振れ止め部材60は、例えば、潤滑性のよい素材であるPOMからなる。しかしながら、これに限られない。振れ止め部材60は、POM以外の素材からなっていてもよい。
【0053】
振れ止め部材60は、Y軸方向に貫通する貫通孔61を中央に有する円環形状に形成されている。貫通孔61には、ボールねじ軸41の先端部41aが嵌め込まれる。振れ止め部材60は、その外径が、ロッド11の孔11aの内径とほぼ同等に形成されている。具体的には、ボールねじ軸41を、ロッド11の孔11aに挿入した場合に、振れ止め部材60の外周が、孔11aの内周面に接触するように形成されている。振れ止め部材60の外周が、孔11aの内周面に接触することにより、振れ止め部材60は、モータ21の出力軸23の回転に起因して生じるボールねじ軸41の先端部41aの振れ回りを抑制する。振れ止め部材60には、Y軸方向に貫通する一対の貫通孔62a、62bと、一対の切欠き63a、63b(第1連結部材通過部)と、が形成されている。貫通孔62a、切欠き63a、貫通孔62b、及び、切欠き63bは、Y軸方向を中心とする円周に沿って、その順に、概ね等間隔に形成されている。
【0054】
貫通孔62a、62bには、第2連結部材80の-Y側の他端が通過可能に配置される。貫通孔62aと貫通孔62bとは、貫通孔61に対して左右対称に設けられている。
【0055】
切欠き63a、63b(第1連結部材通過部)は、固定部材33が振れ止め部材60に近づいてきた場合に、第1連結部材70の-Y側の他端が通過可能に形成されている。切欠き63aと、切欠き63bとは、貫通孔61に対して上下対称に設けられている。
【0056】
第1連結部材70は、固定部材33と中間サポート部材50とを連結するために用いられる。第1連結部材70は、本実施の形態1においては、2本の連結部材70-1、70-2から構成されている。しかしながら、これに限られない。第1連結部材70は、1本の連結部材のみから構成されていてもよいし、3本以上の連結部材から構成されていてもよい。第1連結部材70は、例えば、金属、樹脂などからなる。
【0057】
第1連結部材70(連結部材70-1、70-2)の+Y側の一端には、雄ねじ部がそれぞれ形成されている。第1連結部材70の一端の雄ねじ部を、内面が雌ねじ面として構成されている固定部材33の第1連結部材挿入用孔33b、33cに捻じ込むことにより、第1連結部材70は、固定部材33に固定されている。この捻じ込み固定によって、第1連結部材70は、固定部材33を介して、スライド部31に固定される。そして、第1連結部材70は、スライド部31と共に移動する。
【0058】
第1連結部材70(連結部材70-1、70-2)の-Y側の他端には、第1ストッパ71がそれぞれ設置されている。第1ストッパ71は、Y軸方向に直交する方向に突出して形成されている。第1ストッパ71は、中間サポート部材50が、スライド部31が有する固定部材33から-Y方向(ボールねじ軸41の先端方向)に移動することを阻止する。これにより、第1ストッパ71は、中間サポート部材50と固定部材33とが所定の距離以上に離れることを規制する。また、第1ストッパ71は、中間サポート部材50が第1連結部材70から外れることを阻止する。本実施の形態1においては、第1ストッパ71は、第1連結部材70のそれぞれの他端に径方向に孔を形成し、その孔に割ピンを嵌め込むことで形成されている。しかしながら、これに限られない。第1ストッパ71は、中間サポート部材50の-Y方向への移動を阻止するものであれば、これ以外の構造のものであってもよい。例えば、第1ストッパ71は、第1連結部材70のそれぞれの他端に、径方向からCリング、Eリング(E型止め輪)を取り付けることで構成されていてもよい。また、第1ストッパ71は、第1連結部材70のそれぞれの他端に、-Y方向からナットを捻じ込むことで構成されていてもよい。
【0059】
第2連結部材80は、中間サポート部材50と振れ止め部材60とを連結するために用いられる。第2連結部材80は、本実施の形態1においては、2本の連結部材80-1、80-2から構成されている。しかしながら、これに限られない。第2連結部材80は、1本の連結部材のみから構成されていてもよいし、3本以上の連結部材から構成されていてもよい。第2連結部材80は、例えば、金属、樹脂などからなる。
【0060】
第2連結部材80(連結部材80-1、80-2)の+Y側の一端には、雄ねじ部がそれぞれ形成されている。第2連結部材80の一端の雄ねじ部を、内面が雌ねじ面として構成されている中間サポート部材50の第2連結部材挿入用孔52a、52bに捻じ込むことにより、第2連結部材80は、中間サポート部材50に固定されている。この捻じ込み固定によって、第2連結部材80は、中間サポート部材50に固定されて、中間サポート部材50と共に移動する。また、中間サポート部材50は、第2連結部材80の-Y側の他端までの範囲内で移動可能に設けられる。
【0061】
第2連結部材80(連結部材80-1、80-2)の-Y側の他端には、第2ストッパ81がそれぞれ設置されている。第2ストッパ81は、Y軸方向に直交する方向に突出して形成されている。第2ストッパ81は、中間サポート部材50が、振れ止め部材60から+Y方向(ボールねじ軸41の基端方向)に移動することを阻止する。これにより、第2ストッパ81は、振れ止め部材60と中間サポート部材50とが所定の距離以上に離れることを規制する。また、第2ストッパ81は、振れ止め部材60が第2連結部材80から外れることを阻止する。本実施の形態1においては、第2ストッパ81は、第1ストッパ71と同様に、第2連結部材80のそれぞれの他端に径方向に孔を形成し、その孔に割ピンを嵌め込むことで形成されている。しかしながら、これに限られない。第2ストッパ81は、振れ止め部材60の-Y方向への移動を阻止するものであれば、これ以外の構造のものであってもよい。例えば、第2ストッパ81は、第2連結部材80のそれぞれの他端に、径方向からCリング、Eリング(E型止め輪)を取り付けることで構成されていてもよい。また、第2ストッパ81は、第2連結部材80のそれぞれの他端に、-Y方向からナットを捻じ込むことで構成されていてもよい。
【0062】
フロントブラケット90は、図3に示すように、ガイド装置30の-Y側に、例えば、ボルト等の留め具によって固定されている。フロントブラケット90は、ブラケット本体91と、ブラケット本体91を覆うフロントカバー92とを有する。ブラケット本体91は、例えば、ダイカストにより形成されている。また、ブラケット本体91には、ロッド11を通すための貫通孔91aが形成されており、この貫通孔91aの内周面には、オイルレスベアリングが配置されている。オイルレスベアリングは、ロッド11をY軸方向に移動可能に支持する。また、フロントカバー92は、例えば、樹脂成形により形成されている。なお、ブラケット本体91及びフロントカバー92は、上記以外の素材や成型方法から形成されていてもよい。
【0063】
リアブラケット100は、ガイド装置30の+Y側に、例えば、ボルト等の留め具によって固定されている。リアブラケット100は、ブラケット本体101と、ブラケット本体101を覆うリアカバー102とを有する。ブラケット本体101は、例えば、ダイカストにより形成されている。また、ブラケット本体101には、ボールねじ軸41を挿入するための貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面には、ベアリング103が配置されている(図4参照)。このベアリング103によって、ボールねじ軸41は回転可能に支持される。また、リアカバー102は、例えば、樹脂成形により形成されている。なお、ブラケット本体101及びリアカバー102は、上記以外の素材や成型方法から形成されていてもよい。
【0064】
上述のように構成されたアクチュエータ10の動作について、図2図7図15を用いて説明する。アクチュエータ10の動作の開始前において、スライド部31は、図2に示すように、例えば、リアブラケット100に最も接近した第1位置(ロッド11原点位置)に配置されている。このとき、中間サポート部材50は、図7に示すように、固定部材33と振れ止め部材60との間において、概ね中間の位置に配置されている。具体的には、固定部材33は、第1支持位置P1において、ボールねじ軸41を支持している。振れ止め部材60は、第2支持位置P2において、ボールねじ軸41の先端部41aを支持している。中間サポート部材50は、第3支持位置P3において、ボールねじ軸41を支持している。そして、第1支持位置P1から第3支持位置P3までの距離L2は、第1支持位置P1から第2支持位置P2までの距離L1の概ね1/2である(L1≒1/2×L2)。
【0065】
先ず、図8に示すように、モータユニット20のモータ21に電源が供給されることによって、モータ21の出力軸23が所定の方向に回転する。出力軸23が所定の方向に回転すると、出力軸23に接続されているボールねじ軸41が、出力軸23とともに正転する。
【0066】
ボールねじ軸41が回転(正転)すると、ボールねじナット42が、-Y方向に直線運動をする。この結果、図9に示すように、スライド部31及びロッド11が、例えば、-Y方向に直線運動をする。
【0067】
このとき、図8及び図10に示すように、スライド部31の貫通孔31aに嵌め込まれている固定部材33は、第1連結部材70とともに、-Y方向に移動をする。この際、第1連結部材70は、中間サポート部材50の貫通孔53a、53bを通過しつつ、-Y方向に移動をする。やがて、固定部材33は、中間サポート部材50に当接する位置まで移動する。
【0068】
さらに、ボールねじ軸41が回転すると、図11及び図12に示すように、ボールねじ軸41の回転運動に伴って、ボールねじナット42、スライド部31、及びロッド11が、-Y方向に直線運動をしていく。やがて、スライド部31は、フロントブラケット90に最も接近した第2位置(ロッド11終端位置)に移動する。
【0069】
このとき、図11及び図13に示すように、固定部材33は、中間サポート部材50を押すことにより、中間サポート部材50及び第1、第2連結部材70、80とともに、-Y方向に移動をする。この際、第2連結部材80は、振れ止め部材60の貫通孔62a、62bを通過しつつ、-Y方向に移動をする。また、第1連結部材70は、振れ止め部材60の切欠き63a、63bを通過しつつ、-Y方向に移動をする。やがて、中間サポート部材50は、固定部材33に押されて、振れ止め部材60に接近する位置まで移動する。なお、本実施の形態1においては、中間サポート部材50は、振れ止め部材60に接近する位置まで移動するが、これに限られない。中間サポート部材50は、振れ止め部材60に当接する位置まで移動してもよい。
【0070】
以上により、ロッド11の-Y方向への移動が完了する。
【0071】
次に、モータユニット20の出力軸23が所定の方向とは逆方向に回転(逆転)すると、図14に示すように、出力軸23に接続されているボールねじ軸41は、出力軸23とともに逆転する。
【0072】
ボールねじ軸41が回転すると、ボールねじナット42が、+Y方向に直線運動をする。この結果、スライド部31及びロッド11が、+Y方向に直線運動をする。
【0073】
このとき、図14及び図15(A)に示すように、固定部材33は、中間サポート部材50から離間して、第1連結部材70とともに、+Y方向に移動をする。なお、中間サポート部材50は、振れ止め部材60から離間せずに、非移動状態にある。この際、第1連結部材70は、中間サポート部材50の貫通孔53a、53bを通過しつつ、+Y方向に移動をする。やがて、第1連結部材70の第1ストッパ71が、中間サポート部材50の-Y側の面に当接する。この当接により、固定部材33は、中間サポート部材50とともに、+Y方向に移動可能になる。
【0074】
さらに、ボールねじ軸41が回転し、ボールねじナット42、スライド部31、及びロッド11が、+Y方向に直線運動をしていくと、図15(B)に示すように、固定部材33は、中間サポート部材50及び第1、第2連結部材70、80とともに、+Y方向に移動をする。この際、第2連結部材80は、振れ止め部材60の貫通孔62a、62bを通過しつつ、+Y方向に移動をする。やがて、第2連結部材80の第2ストッパ81が、振れ止め部材60の-Y側の面に当接する。これにより、固定部材33及び中間サポート部材50は、振れ止め部材60から離間する方向である+Y方向に移動不可能になる。
【0075】
このとき、スライド部31は、図2に示すように、リアブラケット100に最も接近した第1位置(ロッド11原点位置)まで戻る。以上により、ロッド11の+Y方向への移動が完了する。
【0076】
以上、説明したように、本実施の形態1に係るアクチュエータ10は、図4~6に示すように、ボールねじ軸41の先端部41aとスライド部31との間に、ロッド11の孔11aの内周面及びボールねじ軸41に摺動可能に配置される中間サポート部材50を備える。中間サポート部材50は、ボールねじ軸41を支持するため、ボールねじ軸41が撓むことを抑制する。これにより、本実施の形態1においては、アクチュエータ10のロッド11の移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッド11を高速移動させることができる。
【0077】
例えば、図16に示す比較例に係るアクチュエータ1000は、ボールねじ軸41の先端部41aとスライド部31との間に、ロッド11の孔11aの内周面及びボールねじ軸41に摺動可能に配置される中間サポート部材50を備えない。このため、アクチュエータ1000では、ボールねじ軸41が撓みやすい。特に、ボールねじ軸41の長さを伸ばすことで、作業軸の長ストローク化を実現した場合、ボールねじ軸41の撓みが大きくなり、いわゆる「縄跳び現象」が生じやすくなる。そうすると、ボールねじ軸を破損させるような危険な状態になる回転速度であるアクチュエータ1000の「危険速度」が低下してしまい、アクチュエータ1000を高速駆動させることが困難となるおそれがある。
【0078】
これに対して、本実施の形態1に係るアクチュエータ10は、図4~6に示すように、ボールねじ軸41を支持する中間サポート部材50を備えるため、ボールねじ軸41が撓むことを抑制する。これにより、本実施の形態1においては、アクチュエータ10のロッド11の移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッド11を高速移動させることができる。
【0079】
また、本実施の形態1においては、振れ止め部材60は、図4~6に示すように、中間サポート部材50に第2連結部材80によって連結されていることにより、中間サポート部材50に対してY軸回りに非回転状態に配置されている。また、中間サポート部材50は、スライド部31の固定部材33に第1連結部材70によって連結されていることにより、固定部材33に対してY軸回りに非回転状態に配置されている。このため、振れ止め部材60を、固定部材33及び中間サポート部材50に対してY軸回りに非回転状態に配置することが可能になる。この結果、本実施の形態1に係るアクチュエータ10は、スライド部31の移動に伴って、振れ止め部材60の切欠き63a、63bに、第1連結部材70の-Y側の他端を確実に通過させることができる。
【0080】
実施の形態2.
上記実施の形態1に係るアクチュエータ10は、図6に示すように、第1連結部材70及び第2連結部材80を備える。しかしながら、これに限られない。図17に示す実施の形態2のように、アクチュエータ10Aは、第1連結部材70及び第2連結部材80に代えて、第1弾性部材110及び第2弾性部材120を備えていてもよい。以下、実施の形態2に係るアクチュエータ10Aについて図17を用いて説明する。なお、アクチュエータ10Aにおいて、アクチュエータ10と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。また、アクチュエータ10Aは、第1連結部材70及び第2連結部材80に代えて、第1弾性部材110及び第2弾性部材120を備える点以外は、アクチュエータ10と同等の構造を備える。
【0081】
第1弾性部材110は、弾性の素材からなり、具体的には、コイルスプリングから構成される。第1弾性部材110は、固定部材33と中間サポート部材50の間に設置されている。なお、本実施の形態2では、第1弾性部材110は、コイルスプリングから構成される。しかしながら、これに限られない。第1弾性部材110は、弾性の素材からなるものであれば、コイルスプリング以外のものから構成されていてもよい。
【0082】
第2弾性部材120は、弾性の素材からなり、具体的には、第1弾性部材110と同様に、コイルスプリングから構成される。第2弾性部材120は、中間サポート部材50と振れ止め部材60の間に設置されている。本実施の形態2においては、第2弾性部材120は、そのY軸方向の長さが、第1弾性部材110のY軸方向の長さとは等しくなるように形成されている。なお、本実施の形態2では、第2弾性部材120は、コイルスプリングから構成される。しかしながら、これに限られない。第2弾性部材120は、弾性の素材からなるものであれば、コイルスプリング以外のものから構成されていてもよい。
【0083】
なお、実施の形態2においては、固定部材33には、第1連結部材挿入用孔33b、33cが形成されている必要はなく、第1連結部材挿入用孔33b、33cを割愛できる。また、中間サポート部材50には、第2連結部材挿入用孔52a、52bと、第1連結部材70が通過する貫通孔53a、53bと、が形成されている必要はなく、第2連結部材挿入用孔52a、52b及び貫通孔53a、53bを割愛できる。また、振れ止め部材60には、第2連結部材80が通過する貫通孔62a、62bと、第1連結部材70が通過する切欠き63a、63bと、が形成されている必要はなく、貫通孔62a、62b及び切欠き63a、63bを割愛できる。
【0084】
第1弾性部材110及び第2弾性部材120は、スライド部31がY軸方向に直線運動して弾性変形することにより、スライド部31(詳しくは、スライド部31の固定部材33)がボールねじ軸41を支持する第1支持位置P1と、振れ止め部材60がボールねじ軸41を支持する第2支持位置P2との間の中間位置に、中間サポート部材50を移動させるように設けられている。したがって、スライド部31が+Y方向に移動しても-Y方向に移動しても、中間サポート部材50がボールねじ軸41の中間部分を支持する第3支持位置P3は、第1支持位置P1と第2支持位置P2とのY軸方向における中間位置にある。
【0085】
本実施の形態2に係るアクチュエータ10Aにおいては、第1弾性部材110及び第2弾性部材120が、第1支持位置P1と第2支持位置P2との間の中間位置に、中間サポート部材50を移動させる。このため、ボールねじ軸41の撓みを抑制する効果を高めることができる。これにより、アクチュエータ10Aのロッドの移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッドを高速移動させることができる。
【0086】
なお、アクチュエータ10Aは、第1連結部材70及び第2連結部材80に代えて、第1弾性部材110及び第2弾性部材120を備える。しかしながら、これに限られない。アクチュエータ10Aは、第1弾性部材110及び第2弾性部材120に加えて、さらに、第1連結部材70及び第2連結部材80を備えることで、連結部材と弾性部材との双方を備えるものであってもよい。
【0087】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態1、2によって限定されるものではない。
【0088】
変形例1.
例えば、上記の実施の形態1に係るアクチュエータ10は、中間サポート部材50を一つ備える。しかしながら、これに限られない。図18及び図19に示す変形例1のように、アクチュエータ10Bは、中間サポート部材50とは別の第2の中間サポート部材50-2をさらに備えていてもよい。この場合、アクチュエータ10Bは、第3連結部材130も備える。なお、アクチュエータ10Bにおいて、アクチュエータ10と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0089】
第2の中間サポート部材50-2は、Y軸方向(ボールねじ軸41の軸方向)において、振れ止め部材60と中間サポート部材50との間に配置されている。また、第2の中間サポート部材50-2は、Y軸方向に直交する方向において、ロッド11の孔11aの内周面と、ボールねじ軸41の外周面との間に配置されている。そして、第2の中間サポート部材50-2は、ロッド11の孔11aの内周面及びボールねじ軸41に摺動可能に配置されている。この第2の中間サポート部材50-2は、中間サポート部材50と同様に、例えば、潤滑性のよい素材であるPOM(ポリオキシメチレン;polyoxymethylene)からなる。しかしながら、これに限られない。第2の中間サポート部材50-2は、潤滑性のよい素材であれば、POM以外の素材からなっていてもよい。
【0090】
第2の中間サポート部材50-2は、Y軸方向に貫通する貫通孔51を中央に有する円環形状に形成されている。貫通孔51は、その内面がボールねじ軸41の外周面に接触するように形成されている。この貫通孔51には、ボールねじ軸41が挿入される。また、第2の中間サポート部材50-2は、その外径が、ロッド11の孔11aの内径と同等に形成されている。具体的には、ボールねじ軸41を、ロッド11の孔11aに挿入した場合に、第2の中間サポート部材50-2の外周が、孔11aの内周面に接触するように形成されている。これにより、第2の中間サポート部材50-2の外周が、孔11aの内周面に接触して、第2の中間サポート部材50-2は、中間サポート部材50とともに、ボールねじ軸41を支持する。この結果、第2の中間サポート部材50-2は、中間サポート部材50とともに、ボールねじ軸41が撓むことを抑制する。
【0091】
また、第2の中間サポート部材50-2には、貫通孔51の周囲に、Y軸方向に貫通しない第3連結部材挿入用孔54a、54bと、Y軸方向に貫通する貫通孔55a、55bと、一対の切欠き56a、56b(連結部材通過部)と、が形成されている。切欠き56a、第3連結部材挿入用孔54a、貫通孔55a、切欠き56b、第3連結部材挿入用孔54b、及び、貫通孔55bは、Y軸方向を中心とする円周に沿って、その順に、概ね等間隔に設けられている。
【0092】
切欠き56a、56b(連結部材通過部)は、固定部材33が第2の中間サポート部材50-2に近づいてきた場合に、第1連結部材70の-Y側の他端が通過可能に形成されている。
【0093】
第3連結部材挿入用孔54a、54bには、第3連結部材130の+Y側の一端が挿入されて固定されている。この第3連結部材挿入用孔54a、54bは、内面が雌ねじ面として構成されている。
【0094】
振れ止め部材60には、本変形例1においては、Y軸方向に貫通する一対の貫通孔62a、62bと、一対の切欠き63a、63b(第1連結部材通過部)と、一対の切欠き64a、64b(第2連結部材通過部)とが形成されている。
【0095】
貫通孔62a、62bには、第3連結部材130の-Y側の他端が通過可能に配置される。
【0096】
切欠き63a、63b(第1連結部材通過部)は、固定部材33が振れ止め部材60に近づいてきた場合に、第1連結部材70の-Y側の他端が通過可能に形成されている。
【0097】
切欠き64a、64b(第2連結部材通過部)は、中間サポート部材50が振れ止め部材60に近づいてきた場合に、第2連結部材80の-Y側の他端が通過可能に形成されている。
【0098】
第2連結部材80は、変形例1においては、中間サポート部材50と第2の中間サポート部材50-2とを連結するために用いられる。第2連結部材80の第2ストッパ81は、第2の中間サポート部材50-2が、中間サポート部材(50)から-Y方向(ボールねじ軸41の先端方向)に移動することを阻止する。これにより、第2ストッパ81は、第2の中間サポート部材50-2と中間サポート部材50とが所定の距離以上に離れることを規制する。また、第2ストッパ81は、第2の中間サポート部材50-2が第2連結部材80から外れることを阻止する。
【0099】
第3連結部材130は、第2の中間サポート部材50-2と振れ止め部材60とを連結するために用いられる。第3連結部材130は、変形例1においては、2本の連結部材130-1、130-2から構成されている。しかしながら、これに限られない。第3連結部材130は、1本の連結部材のみから構成されていてもよいし、3本以上の連結部材から構成されていてもよい。第3連結部材130は、例えば、金属、樹脂などからなる。
【0100】
第3連結部材130(連結部材130-1、130-2)の+Y側の一端には、雄ねじ部がそれぞれ形成されている。第3連結部材130の一端の雄ねじ部を、内面が雌ねじ面として構成されている第2の中間サポート部材50-2の第3連結部材挿入用孔54a、54bに捻じ込むことにより、第3連結部材130は、第2の中間サポート部材50-2に固定されている。この捻じ込み固定によって、第3連結部材130は、第2の中間サポート部材50-2に固定されて、第2の中間サポート部材50-2と共に移動する。
【0101】
第3連結部材130(連結部材130-1、130-2)の-Y側の他端には、第3ストッパ131がそれぞれ設置されている。第3ストッパ131は、Y軸方向に直交する方向に突出して形成されている。第3ストッパ131は、第2の中間サポート部材50-2が、振れ止め部材60から+Y方向(ボールねじ軸41の基端方向)に移動することを阻止する。これにより、第3ストッパ131は、振れ止め部材60と第2の中間サポート部材50-2とが所定の距離以上に離れることを規制する。また、第3ストッパ131は、振れ止め部材60が第3連結部材130から外れることを阻止する。変形例1においては、第3ストッパ131は、第1、第2ストッパ71、81と同様に、第3連結部材130のそれぞれの他端に径方向に孔を形成し、その孔に割ピンを嵌め込むことで形成されている。しかしながら、これに限られない。第3ストッパ131は、振れ止め部材60の-Y方向への移動を阻止するものであれば、これ以外の構造のものであってもよい。例えば、第3ストッパ131は、第3連結部材130のそれぞれの他端に、径方向からCリング、Eリング(E型止め輪)を取り付けることで構成されていてもよい。また、第3ストッパ131は、第3連結部材130のそれぞれの他端に、-Y方向からナットを捻じ込むことで構成されていてもよい。
【0102】
変形例1に係るアクチュエータ10Bにおいては、中間サポート部材50に加えて、第2の中間サポート部材50-2をさらに備える。第2の中間サポート部材50-2は、中間サポート部材50とともに、ボールねじ軸41を支持する。このため、ボールねじ軸41の撓みを抑制する効果を高めることができる。これにより、アクチュエータ10Bのロッド11の移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッド11を高速移動させることができる。
【0103】
変形例2.
例えば、上記の実施の形態2に係るアクチュエータ10Aは、第1弾性部材110及び第2弾性部材120に挟まれた中間サポート部材50を1つ備える。しかしながら、これに限られない。図20に示す変形例2のように、アクチュエータ10Cは、中間サポート部材50とは別の第2の中間サポート部材50-2をさらに備えていてもよい。この場合、アクチュエータ10Cは、第3弾性部材140も備える。なお、アクチュエータ10Cにおいて、アクチュエータ10Aと同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0104】
第2の中間サポート部材50-2は、変形例1のものと同等のものである。ただし、第3連結部材挿入用孔54a、54b、Y軸方向に貫通する貫通孔55a、55b、一対の切欠き56a、56b(連結部材通過部)が形成されている必要がないため、変形例2に係る第2の中間サポート部材50-2は、これらを割愛したものである。
【0105】
第3弾性部材140は、弾性の素材からなり、具体的には、第1、第2弾性部材110、120と同様に、コイルスプリングから構成される。第3弾性部材140は、中間サポート部材50と振れ止め部材60の間に設置されている。変形例2においては、第3弾性部材140は、そのY軸方向の長さが、第1、第2弾性部材110、120のY軸方向の長さとは等しくなるように形成されている。なお、変形例2では、第3弾性部材140は、コイルスプリングから構成される。しかしながら、これに限られない。第3弾性部材140は、弾性の素材からなるものであれば、コイルスプリング以外のものから構成されていてもよい。
【0106】
変形例2において、第1~第3弾性部材110、120、140は、スライド部31がY軸方向に直線運動して弾性変形することにより、中間サポート部材50を、第1支持位置P1から-Y方向に1/3×L1の距離の位置に移動させるように設けられている。また、第1~第3弾性部材110、120、140は、スライド部31がY軸方向に直線運動して弾性変形することにより、第2の中間サポート部材50-2を、第1支持位置P1から-Y方向に2/3×L1の距離の位置に移動させるように設けられている。具体的には、固定部材33は、第1支持位置P1において、ボールねじ軸41を支持している。振れ止め部材60は、第2支持位置P2において、ボールねじ軸41の先端部41aを支持している。中間サポート部材50は、第3支持位置P3において、ボールねじ軸41を支持している。第2の中間サポート部材50-2は、第4支持位置P4において、ボールねじ軸41を支持している。そして、第1支持位置P1から第3支持位置P3までの距離L2と、第3支持位置P3から第4支持位置P4までの距離L3と、第4支持位置P4から第2支持位置P2までの距離L4とは等しい。
【0107】
変形例2に係るアクチュエータ10Cにおいては、スライド部31が+Y方向に移動しても-Y方向に移動しても、第1~第3弾性部材110、120、140が、距離L1~L3が等しくなるように、中間サポート部材50及び第2の中間サポート部材50-2を移動させる。このため、ボールねじ軸41の撓みを抑制する効果を高めることができる。これにより、アクチュエータ10Cのロッドの移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッドを高速移動させることができる。
【0108】
その他の変形例
また、図18及び図19に示すように、変形例1に係るアクチュエータ10Bは、2つの中間サポート部材50、50-2を備える。しかしながら、これに限られない。アクチュエータ10Bは、3つ以上の中間サポート部材50、50-2を備えていてもよい。この場合、アクチュエータ10Bは、3つの連結部材70、80、130に加えて、さらに第4の連結部材等を備えた方がよい。
【0109】
また、図20に示すように、変形例2に係るアクチュエータ10Cは、3つの弾性部材110、120、140を備える。しかしながら、これに限られない。アクチュエータ10Cは、4つ以上の弾性部材110、120、140を備えていてもよい。この場合、アクチュエータ10Cは、3つの中間サポート部材50、50-2に加えて、さらに第3の中間サポート部材等を備えた方がよい。
【0110】
また、上記の各実施の形態においては、スライド部31とボールねじナット42とは別体に形成されている。しかしながら、これに限られない。スライド部31の貫通孔31aの内面に、ボールねじ軸41の外周面と螺合する面が形成されることで、スライド部31とボールねじナット42とは一体的に形成されていてもよい。
【0111】
また、上記の実施の形態1においては、図4及び図5に示すように、スライド部31は、固定部材33を有する。そして、第1連結部材70は、固定部材33を介して、スライド部31の本体部に固定されつつ連結されている。しかしながら、これに限られない。スライド部31は、固定部材33を有さずに、第1連結部材70は、スライド部31の本体部に直接固定されつつ連結されていてもよい。実施の形態2及び変形例1、2においても、同様に、スライド部31は、固定部材33を有さなくてもよい。
【0112】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0113】
10,10A,10B,10C,1000:アクチュエータ
11:ロッド(作業軸)
11a:孔
11b:雄ねじ部
12:先端金具
18:カバー
19:留め具
20:モータユニット
21:モータ
22:モータハウジング
23:出力軸(回転軸)
23a:カップリング
30:ガイド装置
31:スライド部
31a:貫通孔
31b:雌ねじ面
32:レール部
33:固定部材
33a:貫通孔
33b,33c:第1連結部材挿入用孔
40:ボールねじ
41:ボールねじ軸
41a:先端部
41b:基端部
42:ボールねじナット
43:抜け止め部材
44:カップリング
50:中間サポート部材
50-2:第2の中間サポート部材
51:貫通孔
52a,52b:第2連結部材挿入用孔
53a,53b:貫通孔
54a,54b:第3連結部材挿入用孔
55a,55b:貫通孔
56a,56b:切欠き(連結部材通過部)
60:振れ止め部材
61,62a,62b:貫通孔
63a,63b:切欠き(第1連結部材通過部)
64a,64b:切欠き(第2連結部材通過部)
70:第1連結部材
70-1,70-2:連結部材
71:第1ストッパ
80:第2連結部材
80-1,80-2:連結部材
81:第2ストッパ
90:フロントブラケット
91:ブラケット本体
91a:貫通孔
92:フロントカバー
100:リアブラケット
101:ブラケット本体
102:リアカバー
103:ベアリング
110:第1弾性部材
120:第2弾性部材
130:第3連結部材
130-1,130-2:連結部材
131:第3ストッパ
140:第3弾性部材
D1:移動方向
L1,L2,L3,L4:距離
P1:第1支持位置(固定部材33がボールねじ軸41を支持する位置)
P2:第2支持位置(振れ止め部材60がボールねじ軸41を支持する位置)
P3:第3支持位置(中間サポート部材50がボールねじ軸41を支持する位置)
P4:第4支持位置(第2の中間サポート部材50-2がボールねじ軸41を支持する位置)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
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図18
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図20