IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社アイエイアイの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】アクチュエータ
(51)【国際特許分類】
   F16H 25/20 20060101AFI20240417BHJP
   F16H 25/22 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
F16H25/20 F
F16H25/20 E
F16H25/22 Z
F16H25/20 B
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020157184
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050968
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2023-06-05
(73)【特許権者】
【識別番号】391008515
【氏名又は名称】株式会社アイエイアイ
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【弁理士】
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【弁理士】
【氏名又は名称】美恵 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100165489
【弁理士】
【氏名又は名称】榊原 靖
(72)【発明者】
【氏名】加藤 悠記
【審査官】木原 裕二
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-247961(JP,A)
【文献】特開2005-249120(JP,A)
【文献】特許第5503014(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 25/20
F16H 25/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部と共に直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の一方の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記ボールねじ軸を支持する第1中間サポートユニットと、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間において、前記作業軸の外周に設けられる第2中間サポートユニットと、
前記第1中間サポートユニットと前記第2中間サポートユニットとを連結する連結部材と、
を備え
前記第1中間サポートユニットは、前記スライド部の直線運動に伴って、前記スライド部が前記第1中間サポートユニット及び前記第2中間サポートユニットのいずれかに当接することにより、前記スライド部と共に直線運動可能に設けられている、アクチュエータ。
【請求項2】
前記連結部材は、前記スライド部の外部において、前記第1中間サポートユニットと前記第2中間サポートユニットとを連結する、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項3】
前記スライド部には、前記ボールねじ軸の軸方向に貫通する連結部材用孔が形成され、
前記連結部材は、前記連結部材用孔に挿通されている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項4】
前記第2中間サポートユニットは、前記作業軸の外周面を摺動する摺動部を有する、請求項からのいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項5】
前記摺動部は、潤滑性を有する素材からなるとともに、前記作業軸が挿通される貫通孔を有する円筒形状部分を有する、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項6】
前記第2中間サポートユニットは、前記連結部材の延びた先端に設けられ、前記スライド部の前記先端部側の面に当接する当接部を有する、請求項からのいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項7】
前記第2中間サポートユニットの前記当接部には、前記連結部材の先端から、その延びる方向に直交する方向に張り出され、前記スライド部の前記先端部側の面に当接するフランジ状部分が形成されている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項8】
前記連結部材の先端には、ねじが形成され、
前記当接部は、前記ねじに捻じ込まれている留め具の一部によって形成されている、請求項又はに記載のアクチュエータ。
【請求項9】
前記第1中間サポートユニットと前記第2中間サポートユニットとを連結するとともに、前記連結部材の延びる方向に平行に延びる第2の連結部材を備え、
前記第2中間サポートユニットの前記当接部は、前記連結部材の延びた先端と、前記第2の連結部材の延びた先端とを連結して設けられている、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項10】
前記第2中間サポートユニットは、前記当接部と前記作業軸の外周との間に配置され、前記作業軸の外周面を摺動する摺動部を有する、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項11】
前記第2中間サポートユニットは、前記当接部と前記作業軸の外周との間に配置され、前記当接部と前記作業軸の外周との間で転動する第1転動部を有する、請求項に記載のアクチュエータ。
【請求項12】
前記作業軸を覆うカバーを備え、
前記第2中間サポートユニットは、前記当接部と前記カバーとの間に配置され、前記当接部と前記カバーとの間で転動する第2転動部を有する、請求項10又は11に記載のアクチュエータ。
【請求項13】
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記第1中間サポートユニットよりも前記基端部寄りに設けられ、前記ボールねじ軸を支持する第3中間サポートユニットを備える、請求項1から12のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項14】
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記第1中間サポートユニットよりも前記基端部寄りに設けられ、前記ボールねじ軸を支持する第3中間サポートユニットと、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間において、前記作業軸の外周に設けられると共に、前記第2中間サポートユニットよりも前記先端部寄りに設けられている第4中間サポートユニットと、
前記第3中間サポートユニットと前記第4中間サポートユニットとを連結する第3の連結部材と、
を備える、請求項から12のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【請求項15】
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部と共に直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の一方の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記ボールねじ軸を支持する第1中間サポートユニットと、
前記ボールねじ軸の前記基端部を支持する基端部支持部と、
前記第1中間サポートユニットと前記基端部支持部との間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第1弾性部材と、
前記スライド部と前記第1中間サポートユニットとの間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第2弾性部材と、
を備え
前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材は、前記スライド部が直線運動する際に弾性変形することにより、前記基端部支持部が前記第1弾性部材に接続されている第1位置と、前記スライド部が前記第2弾性部材に接続されている第2位置との間の中間位置に、前記第1中間サポートユニットを移動させるように設けられている、アクチュエータ。
【請求項16】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、
前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材を備える、請求項1から15のいずれか一項に記載のアクチュエータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アクチュエータに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、モータの回転軸の回転に伴ってボールねじ軸が回転し、そのボールねじ軸の回転に伴って、ボールねじ軸に螺合されたボールねじナットが、ロッド(作業軸)と共に進退移動するロッドタイプのアクチュエータが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-36606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のアクチュエータにおいては、その使用方法や設置場所によって、作業軸の進退移動可能な範囲であるストロークを長くすることがユーザから望まれる。しかしながら、特許文献1に記載のものにおいては、ボールねじ軸の長さを伸ばすことで、作業軸の長ストローク化を実現できるが、この場合、ボールねじ軸が撓む現象、いわゆる「縄跳び現象」を起こすおそれがある。そうすると、ボールねじ軸を破損させるような危険な状態になる回転速度であるアクチュエータの「危険速度」が低下してしまい、アクチュエータを高速駆動させることが困難となるおそれがある。
【0005】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、作業軸の移動可能なストロークを長くした場合においても、作業軸を高速移動させることが可能なアクチュエータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るアクチュエータは、
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部と共に直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の一方の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記ボールねじ軸を支持する第1中間サポートユニットと、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間において、前記作業軸の外周に設けられる第2中間サポートユニットと、
前記第1中間サポートユニットと前記第2中間サポートユニットとを連結する連結部材と、
を備え
前記第1中間サポートユニットは、前記スライド部の直線運動に伴って、前記スライド部が前記第1中間サポートユニット及び前記第2中間サポートユニットのいずれかに当接することにより、前記スライド部と共に直線運動可能に設けられている
【0008】
前記連結部材は、前記スライド部の外部において、前記第1中間サポートユニットと前記第2中間サポートユニットとを連結していてもよい。
【0009】
前記スライド部には、前記ボールねじ軸の軸方向に貫通する連結部材用孔が形成され、
前記連結部材は、前記連結部材用孔に挿通されていてもよい。
【0010】
前記第2中間サポートユニットは、前記作業軸の外周面を摺動する摺動部を有していてもよい。
【0011】
前記摺動部は、潤滑性を有する素材からなるとともに、前記作業軸が挿通される貫通孔を有する円筒形状部分を有していてもよい。
【0012】
前記第2中間サポートユニットは、前記連結部材の延びた先端に設けられ、前記スライド部の前記先端部側の面に当接する当接部を有していてもよい。
【0013】
前記第2中間サポートユニットの前記当接部には、前記連結部材の先端から、その延びる方向に直交する方向に張り出され、前記スライド部の前記先端部側の面に当接するフランジ状部分が形成されていてもよい。
【0014】
前記連結部材の先端には、ねじが形成され、
前記当接部は、前記ねじに捻じ込まれている留め具の一部によって形成されていてもよい。
【0015】
前記第1中間サポートユニットと前記第2中間サポートユニットとを連結するとともに、前記連結部材の延びる方向に平行に延びる第2の連結部材を備え、
前記第2中間サポートユニットの前記当接部は、前記連結部材の延びた先端と、前記第2の連結部材の延びた先端とを連結して設けられていてもよい。
【0016】
前記第2中間サポートユニットは、前記当接部と前記作業軸の外周との間に配置され、前記作業軸の外周面を摺動する摺動部を有していてもよい。
【0017】
前記第2中間サポートユニットは、前記当接部と前記作業軸の外周との間に配置され、前記当接部と前記作業軸の外周との間で転動する第1転動部を有していてもよい。
【0018】
前記作業軸を覆うカバーを備え、
前記第2中間サポートユニットは、前記当接部と前記カバーとの間に配置され、前記当接部と前記カバーとの間で転動する第2転動部を有していてもよい。
【0020】
上述の目的を達成するために、本発明の第2の観点に係るアクチュエータは、
モータの回転軸の回転運動と共に回転運動するボールねじ軸を有するボールねじと、
前記ボールねじ軸の回転運動に伴って直線運動するスライド部と、
前記スライド部と共に直線運動するように前記スライド部に接続され、前記ボールねじ軸の一方の先端部が挿入されるための孔が形成された作業軸と、
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記ボールねじ軸を支持する第1中間サポートユニットと、
前記ボールねじ軸の前記基端部を支持する基端部支持部と、
前記第1中間サポートユニットと前記基端部支持部との間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第1弾性部材と、
前記スライド部と前記第1中間サポートユニットとの間に設置されていると共に、弾性の素材からなる第2弾性部材と、
を備え、
前記第1弾性部材及び前記第2弾性部材は、前記スライド部が直線運動する際に弾性変形することにより、前記基端部支持部が前記第1弾性部材に接続されている第1位置と、前記スライド部が前記第2弾性部材に接続されている第2位置との間の中間位置に、前記第1中間サポートユニットを移動させるように設けられてい
【0021】
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記第1中間サポートユニットよりも前記基端部寄りに設けられ、前記ボールねじ軸を支持する第3中間サポートユニットを備えていてもよい。
【0022】
前記ボールねじ軸の他方の基端部と前記スライド部との間で、前記ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、前記第1中間サポートユニットよりも前記基端部寄りに設けられ、前記ボールねじ軸を支持する第3中間サポートユニットと、
前記ボールねじ軸の前記先端部と前記スライド部との間において、前記作業軸の外周に設けられると共に、前記第2中間サポートユニットよりも前記先端部寄りに設けられている第4中間サポートユニットと、
前記第3中間サポートユニットと前記第4中間サポートユニットとを連結する第3の連結部材と、
を備えていてもよい。
【0023】
前記ボールねじ軸の前記先端部に設置され、前記作業軸の前記孔の内周面に接触して、前記ボールねじ軸の前記先端部を支持する振れ止め部材を備えていてもよい。
【発明の効果】
【0024】
本発明に係るアクチュエータは、ボールねじ軸の他方の基端部とスライド部との間で、ボールねじ軸に摺動可能に設けられる第1中間サポートユニットを備える。第1中間サポートユニットは、ボールねじ軸を支持する。このため、ボールねじ軸が撓むことを抑制する。これにより、本発明においては、アクチュエータの作業軸の移動可能なストロークを長くした場合においても、作業軸を高速移動させることが可能なアクチュエータを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の実施の形態1に係るアクチュエータの斜視図である。
図2】実施の形態1に係るアクチュエータの分解斜視図である。
図3】実施の形態1に係るアクチュエータの分解断面図である。
図4】実施の形態1に係るアクチュエータの要部を拡大して示した斜視図である。
図5】実施の形態1に係るアクチュエータの一部を簡略化して示した分解断面図である。
図6】第1中間サポートユニット及び第2中間サポートユニットの斜視図(その1)である。
図7】第1中間サポートユニットの正面図である。
図8】第1中間サポートユニット及び第2中間サポートユニットの斜視図(その2)である。
図9】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための断面図(その1)である。
図10】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための断面図(その2)である。
図11】実施の形態1に係るアクチュエータの動作を説明するための断面図(その3)である。
図12】実施の形態1に係るアクチュエータのメンテナンス作業を説明するための斜視図(その1)である。
図13】実施の形態1に係るアクチュエータのメンテナンス作業を説明するための斜視図(その2)である。
図14】比較例に係るアクチュエータの断面図である。
図15】実施の形態2に係るアクチュエータの斜視図である。
図16】実施の形態3に係るアクチュエータの斜視図である。
図17】実施の形態4に係るアクチュエータの斜視図である。
図18】実施の形態4に係るアクチュエータのスライド部及び当接部の正面図である。
図19】実施の形態5に係るアクチュエータのスライド部及び当接部の正面図である。
図20】実施の形態6に係るアクチュエータのスライド部及び当接部の正面図である。
図21】実施の形態7に係るアクチュエータの断面図である。
図22】変形例1に係るアクチュエータの断面図である。
図23】変形例2に係る第1~第4中間サポートユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
実施の形態1.
以下、本発明の実施の形態1に係るアクチュエータ10について説明する。なお、図中のY軸方向は、図1に示すように、ロッド11が進退する移動方向D1に平行な方向であり、X軸方向及びZ軸方向は、移動方向D1に直交する方向である。また、図中のXY平面は、アクチュエータ10が設置される面に平行な水平面である。
【0027】
アクチュエータ10は、図1に示すように、Y軸方向に往復運動するロッド11(作業軸)を有するロッドタイプのリニアアクチュエータである。アクチュエータ10は、ロッド11の移動距離であるストローク(Y軸方向の長さ)が比較的長いアクチュエータである。このアクチュエータ10は、ロッド11(作業軸)と、モータユニット20と、フロントブラケット90と、リアブラケット100(基端部支持部)と、カバー18とを備える。
【0028】
カバー18は、図2及び図3に示すように、例えば、アルミニウムを押出成形することによって形成されるフレームカバーである。ただし、カバー18の素材や形成方法は、これに限られない。カバー18は、アルミニウムを押出成形することによって形成されるもの以外のものであってもよい。カバー18には、ネジ、ボルトなどの留め具19によって、+Z側からフロントブラケット90及びリアブラケット100に取り付けられて固定されている。
【0029】
アクチュエータ10は、図4及び図5に示すように、上述のロッド11等に加えて、ロッド11をY軸方向に案内するガイド装置30と、ボールねじ40と、振れ止め部材50と、第1中間サポートユニット60と、第2中間サポートユニット70と、連結部材81と、連結部材82(第2の連結部材)とを備える。
【0030】
ロッド11(作業軸)は、図5に示すように、内部に孔11aが形成された円筒形状の部材である。ロッド11は、例えば、ステンレス鋼からなる。ただし、ロッド11の素材は、これに限られない。ロッド11の素材は、ステンレス鋼以外のものであってもよい。ロッド11の孔11aは、XZ断面が概ね真円の円孔となるように形成されている。ロッド11は、その-Y側の先端部にねじ込まれて固定されている先端金具12を有する。ロッド11の先端金具12は、例えば、外周にねじ面が形成されている。この先端金具12には、アクチュエータ10の用途に応じて、様々な工具が螺合されて取り付けられる。また、ロッド11の+Y側の基端部の外周には、雄ねじ部11bが形成されている。なお、図5は簡略化された図であり、当該図においては、アクチュエータ10は、例えば、連結部材81、82など、部材の一部が割愛されたり、簡略化されたりして示されている。
【0031】
モータユニット20は、図3に示すように、モータ21と、モータハウジング22と、アクチュエータケーブルとを有する。
【0032】
モータ21は、例えば、出力軸23(回転軸)、ロータ、ステータ、エンコーダ、等を有している。このモータ21には、アクチュエータケーブルを介して電源からの電力が供給される。モータ21に電力が供給されることによって、モータ21のロータが回転する。ロータの回転運動は、出力軸23に出力される。この出力軸23には、カップリング23aが取り付けられている(図5参照)。
【0033】
モータハウジング22は、略直方体のケースである。モータハウジング22には、出力軸23の先端が突出した状態で、モータ21が収容されている。
【0034】
ガイド装置30は、図4及び図5に示すように、ロッド11がスライド部31に固定されることにより、ロッド11を+Y方向及び-Y方向の双方向に案内する。このガイド装置30は、スライド部31と、レール部32と、球形状に形成されている転動体とを有する。転動体は、剛性の素材からなり、具体的には、鋼材からなる。転動体は、スライド部31とレール部32との間に複数配置され、レール部32に対して、スライド部31を円滑に移動させるために用いられる。
【0035】
スライド部31は、転動体を介して、レール部32にY軸方向に移動可能に支持されている。スライド部31は、金属からなる本体部と、この本体部の-Y側の前端面に留め具等で固定された前側のリターン部材と、本体部の+Y側の後端面に留め具等で固定された後ろ側のリターン部材とを有する。一対のリターン部材には、その内部に、転動体を通過させる転動体循環路が形成されている。
【0036】
スライド部31の本体部は、Y方向に貫通する貫通孔31aが形成された略直方体の部材である。スライド部31の本体部は、例えば、鉄等の金属からなる。貫通孔31aの内周面の少なくとも一部には、雌ねじ面31bが形成されている。この雌ねじ面31bには、ロッド11の雄ねじ部11bが螺合されて固定される。また、スライド部31の本体部の+X側の側面及び-X側の側面には、転動体が転動するための溝部が形成されている。溝部の内面は、略湾曲面として構成されている。
【0037】
レール部32は、Y軸方向を長手方向とする板状の底板部と、一対の側壁部とを有する。レール部32は、例えば、アルミニウムを押出成形することによって形成される。側壁部の互いに対応する対向面には、転動体が転動するための溝部がそれぞれ形成されている。溝部の内面は、略湾曲面として構成されている。このレール部32には、複数の転動体を介して、スライド部31が取り付けられる。レール部32にスライド部31が取り付けられると、レール部32の側壁の溝部と、スライド部31の側面の溝部とに転動体が挟まれる。これにより、スライド部31は、転動体の転動に基づいて、レール部32に対して、Y軸方向に円滑に移動可能になる。
【0038】
ボールねじ40は、図3及び図5に示すように、モータユニット20の出力軸23の回転運動を直線運動に変換することで、スライド部31を直線運動させるために用いられる。ボールねじ40は、ボールねじ軸41と、ボールねじナット42とを有する。
【0039】
ボールねじ軸41は、外周面が螺旋状のボールねじ面として構成されているボールねじ軸本体と、ボールねじ軸本体よりも小径に形成されているボールねじ軸41の-Y側の先端部41a及び+Y側の基端部41bとを有する。
【0040】
先端部41aには、振れ止め部材50が嵌め込まれている。この振れ止め部材50は、抜け止め部材43によって、先端部41aから抜け止めされている。先端部41aは、ロッド11の孔11aに+Y側から挿入される。これにより、先端部41aは、振れ止め部材50とともに、ロッド11の孔11a内に配置される。
【0041】
基端部41bには、カップリング44が取り付けられている。基端部41bは、モータユニット20の出力軸23に取り付けられているカップリング23aに、出力軸23とともに回転するように接続される。これにより、出力軸23の回転運動がボールねじ軸41に伝達される。
【0042】
ボールねじナット42は、ボールねじ軸41の外周面に螺合されて配置されている。ボールねじナット42は、ボールねじ軸41に剛性の球体を介して嵌め込まれる。ボールねじナット42は、ボールねじ軸41の回転運動に基づいて、直線運動に変換される。
【0043】
振れ止め部材50は、図5に示すように、ボールねじ軸41の先端部41aに設置されている。振れ止め部材50は、ボールねじ軸41の先端部41aの振れ回りを抑制するための部材である。振れ止め部材50は、樹脂からなる略円筒形状の振れ止め部材本体と、振れ止め部材本体の外周に嵌め込まれた弾性部材51とを有する。
【0044】
弾性部材51は、本実施の形態1では、Oリングである。弾性部材51の素材は、例えば、フッ素ゴムである。弾性部材51は、その外径が、ロッド11の孔11aの内径よりもやや大きいものが用いられている。これにより、ボールねじ軸41の先端部41aを、ロッド11の孔11aに挿入した場合に、弾性部材51が、孔11aの内周面に摺動可能に接触する。弾性部材51が、孔11aの内周面に摺動可能に接触することにより、振れ止め部材50は、モータ21の出力軸23の回転に起因して生じるボールねじ軸41の先端部41aの振れ回りを抑制する。
【0045】
なお、本実施の形態1では、振れ止め部材50は、樹脂からなる振れ止め部材本体と、Oリングである弾性部材51とからなるものが用いられている。しかしながら、これに限られない。ボールねじ軸41の先端部41aの振れ回りを抑制可能なものであれば、振れ止め部材50は、これらの構成以外のものであってもよい。例えば、振れ止め部材50は、樹脂のみからなる単一の素材からなるものであってもよいし、さらには別の構造を有するものであってもよい。
【0046】
第1中間サポートユニット60は、図3に示すように、ボールねじ軸41の基端部41bとスライド部31との間に設けられている。また、第1中間サポートユニット60は、ボールねじ軸41に摺動可能に設けられていることで、移動方向D1に沿って、+Y方向及び-Y方向の双方向に移動可能に設けられている。第1中間サポートユニット60は、ボールねじ軸41の基端部41bとスライド部31との間において、ボールねじ軸41を支持することにより、ボールねじ軸41が撓むことを抑制する。第1中間サポートユニット60は、図5及び図6に示すように、本体部61と、ブッシュ62(摺動部)と、ローラ63a~63cと、アジャストプレート64と、ストッパ65、66と、パイプクランプ部67R、67Lとを有する。
【0047】
本体部61は、例えば、金属より形成されている。本体部61は、図5及び図7に示すように、Y軸方向に貫通すると共に、ボールねじ軸41及びブッシュ62が挿通される貫通孔61aが形成されている。貫通孔61aは、円孔ではなく、本体部61の外部に一部が切り欠かれて形成されている。この切り欠かれている部分に、ボールねじ軸41に嵌め込まれているブッシュ62を通過させることにより、本体部61は、ボールねじ軸41の外周に嵌め込まれたままのブッシュ62から脱着可能に形成される。
【0048】
ブッシュ62は、図5図6及び図8に示すように、本体部61の貫通孔61aの孔内に嵌め込まれて配置されている。ブッシュ62は、ねじ、ボルトなどの留め具62aによって、本体部61に固定されている。このブッシュ62は、円筒形状に形成されている円筒形状部分と、円筒形状部分の+Y側の端部に形成されているフランジ部分とから構成されている。ブッシュ62は、潤滑性のある素材より形成され、ボールねじ軸41の外周上を摺動するすべり軸受として機能する摺動部である。なお、本実施の形態1では、ブッシュ62は、本体部61の貫通孔61aの孔内に直接嵌め込まれて配置されている。しかしながら、これに限られない。ブッシュ62は、金属より形成されているブッシュホルダを介して、貫通孔61aの孔内に嵌め込まれて配置されていてもよい。すなわち、本体部61の貫通孔61aの孔内には、円筒形状のブッシュホルダが嵌め込まれて、このブッシュホルダに形成されている貫通孔に、ブッシュ62が、嵌め込まれて配置されていてもよい。
【0049】
ローラ63aは、図7に示すように、アジャストプレート64を介して、Z軸を中心軸として回転方向R1回りに回転可能に本体部61に取り付けられている。ローラ63b及びローラ63cは、図6及び図7に示すように、Z軸を中心軸として回転可能に本体部61に直接取り付けられている。ローラ63a~63cは、レール部32の一対の側壁部の溝部を転動する。これにより、第1中間サポートユニット60は、スライド部31と同様に、移動方向D1に沿って移動可能にレール部32に支持される。
【0050】
アジャストプレート64は、ローラ63aを、レール部32の一対の側壁部の溝部に嵌る第1位置と、当該溝部から外れる第2位置とに変更するための部材である。アジャストプレート64は、直方形の板形状に形成されている。アジャストプレート64は、ボルトなどの2本の留め具64aによって、本体部61に固定されている。アジャストプレート64において、ローラ63aを第1位置から第2位置に変更する場合には、ユーザは、2本の留め具64aのうち、一方の留め具64aを緩めてから、他方の留め具64aを回転軸として、Z軸を中心軸として回転方向R1回りに回動させる。これにより、図7の矢印X1に示すように、ローラ63aをレール部32の溝部から外れる第2位置に移動させる。
【0051】
ストッパ65は、図4に示すように、本体部61の-Y側の側面に設けられている。ストッパ65は、弾性の素材、例えば、ニトリルゴムからなる。しかしながら、これに限られず、ストッパ65は、ニトリルゴム以外の素材からなっていてもよい。ストッパ65は、第1中間サポートユニット60がスライド部31に当接した時の衝撃を吸収するために設けられている。ストッパ65は、ねじ、ボルトなどの留め具によって本体部61に固定されている。
【0052】
ストッパ66は、本体部61の+Y側の側面に設けられている。ストッパ66は、弾性の素材、例えば、ニトリルゴムからなる。しかしながら、これに限られず、ストッパ66は、ニトリルゴム以外の素材からなっていてもよい。ストッパ66は、第1中間サポートユニット60がリアブラケット100に当接した時の衝撃を吸収するために設けられている。ストッパ66は、ねじ、ボルトなどの留め具によって本体部61に固定されている。
【0053】
パイプクランプ部67Rは、本体部61の+X側の側部に形成されている。パイプクランプ部67Rには、連結部材81の+Y側の端部が、例えば、ねじやボルト等の留め具の締結によって固定されている。
【0054】
パイプクランプ部67Lは、本体部61の-X側の側部に形成されている。パイプクランプ部67Lには、連結部材82の+Y側の端部が、例えば、ねじやボルト等の留め具の締結によって固定されている。
【0055】
第2中間サポートユニット70は、図3に示すように、ボールねじ軸41の先端部41aとスライド部31との間において、ロッド11の外周に設けられている。また、第2中間サポートユニット70は、ロッド11の外周を摺動可能に設けられていることで、移動方向D1に沿って、+Y方向及び-Y方向の双方向に移動可能に設けられている。第2中間サポートユニット70は、図5及び図6に示すように、本体部71と、ブッシュ72(摺動部)と、ストッパ73、74と、パイプクランプ部75R、75Lとを有する。
【0056】
本体部71は、例えば、金属より形成されている。本体部71は、図5に示すように、Y軸方向に貫通すると共に、YZ断面が半円状の半円溝71aが形成されている。
【0057】
ブッシュ72は、図5図6、及び図8に示すように、ロッド11の外周を摺動可能に設けられている。ブッシュ72は、本体部71の半円溝71aに配置されている。ブッシュ72は、貫通孔を有すると共に円筒形状に形成されている円筒形状部分と、円筒形状部分の+Y側の端部に形成されているフランジ部分72aとから構成されている。ブッシュ72は、その円筒部分の外径が、本体部71の半円溝71aの内径と概ね同じに形成されている。ブッシュ72は、潤滑性のある素材より形成され、円筒形状部分の貫通孔にロッド11が挿通されることにより、ロッド11の外周面を摺動するすべり軸受として機能する摺動部である。
【0058】
ストッパ73は、図4に示すように、本体部71の+Y側の側面に設けられている。ストッパ73は、弾性の素材、例えば、ニトリルゴムからなる。しかしながら、これに限られず、ストッパ73は、ニトリルゴム以外の素材からなっていてもよい。ストッパ73は、第2中間サポートユニット70がスライド部31に当接した時の衝撃を吸収するために設けられている。ストッパ73は、ねじ、ボルトなどの留め具によって本体部71に固定されている。
【0059】
ストッパ74は、本体部71の-Y側の側面に設けられている。ストッパ74は、弾性の素材、例えば、ニトリルゴムからなる。しかしながら、これに限られず、ストッパ74は、ニトリルゴム以外の素材からなっていてもよい。ストッパ74は、第2中間サポートユニット70がフロントブラケット90(図3参照)に当接した時の衝撃を吸収するために設けられている。ストッパ74は、ねじ、ボルトなどの留め具74aによって、ブッシュ72のフランジ部分72aの一部を挟みつつ、本体部71に固定されている。
【0060】
パイプクランプ部75Rは、本体部71の+X側の側部に形成されている。パイプクランプ部75Rには、連結部材81の-Y側の端部が、例えば、ねじやボルト等の留め具の締結によって固定されている。
【0061】
パイプクランプ部75Lは、本体部71の-X側の側部に形成されている。パイプクランプ部67Lには、連結部材82の+Y側の端部が、例えば、ねじやボルト等の留め具の締結によって固定されている。
【0062】
連結部材81は、スライド部31を貫通したりせずに、スライド部31の外部において、第1中間サポートユニット60と第2中間サポートユニット70とを連結する。
【0063】
連結部材82(第2の連結部材)は、連結部材81と同様に、スライド部31を貫通したりせずに、スライド部31の外部において、第1中間サポートユニット60と第2中間サポートユニット70とを連結する。
【0064】
連結部材81、82が、第1中間サポートユニット60と第2中間サポートユニット70との双方のユニットを連結することにより、第1中間サポートユニット60は、第2中間サポートユニット70と共に、移動方向D1に沿って移動する。また、連結部材81、82が、第1中間サポートユニット60と第2中間サポートユニット70との双方のユニットを連結することにより、第1中間サポートユニット60は、スライド部31の直線運動に伴って、スライド部31が第1、第2中間サポートユニット60、70のいずれかに当接することにより、スライド部31と共に直線運動可能に設けられる。
【0065】
フロントブラケット90は、図3に示すように、ガイド装置30の-Y側に、例えば、ボルト等の留め具によって固定されている。フロントブラケット90は、ブラケット本体91と、ブラケット本体91を覆うフロントカバー92とを有する。ブラケット本体91は、例えば、ダイカストにより形成されている。また、ブラケット本体91には、ロッド11を通すための貫通孔91aが形成されており、この貫通孔91aの内周面には、オイルレスベアリングが配置されている。オイルレスベアリングは、ロッド11をY軸方向に移動可能に支持する。また、フロントカバー92は、例えば、樹脂成形により形成されている。なお、ブラケット本体91及びフロントカバー92は、上記以外の素材や成型方法から形成されていてもよい。
【0066】
リアブラケット100(基端部支持部)は、ガイド装置30の+Y側に、例えば、ボルト等の留め具によって固定されている。リアブラケット100は、ブラケット本体101と、ブラケット本体101を覆うリアカバー102とを有する。ブラケット本体101は、例えば、ダイカストにより形成されている。また、ブラケット本体101には、ボールねじ軸41を挿入するための貫通孔が形成されており、この貫通孔の内周面には、ベアリング103が配置されている。このベアリング103によって、ボールねじ軸41は回転可能に支持される。また、リアカバー102は、例えば、樹脂成形により形成されている。なお、ブラケット本体101及びリアカバー102は、上記以外の素材や成型方法から形成されていてもよい。
【0067】
上述のように構成されたアクチュエータ10の動作について、図を参照しつつ説明する。
【0068】
先ず、モータユニット20のモータ21に電源が供給されることによって、図9に示すように、モータ21の出力軸23が所定の方向に回転する。出力軸23が回転(正転)すると、カップリング23a、44が互いに接続されているため、出力軸23に接続されているボールねじ軸41が、図9の矢印A1に示すように、出力軸23と共に回転する。
【0069】
ボールねじ軸41が回転(正転)すると、ボールねじナット42が、図9の矢印A2に示すように、-Y方向に直線運動をする。この結果、スライド部31及びロッド11が、例えば、-Y方向に直線運動をする。このとき、スライド部31は、レール部32に転動体を介して支持されているため、転動体の転動によって円滑に移動する。
【0070】
スライド部31が、-Y方向に直線運動をしていくと、図10に示すように、やがて、スライド部31は、第2中間サポートユニット70に当接する。このとき、第2中間サポートユニット70のストッパ73が、第2中間サポートユニット70とスライド部31との当接によって生じる衝撃を吸収する。
【0071】
さらに、スライド部31が、-Y方向に直線運動をしていくと、第2中間サポートユニット70は、スライド部31と共に、矢印A3に示すように、-Y方向に直線運動をする。また、第1中間サポートユニット60は連結部材81、82によって第2中間サポートユニット70に連結されているため、第2中間サポートユニット70に引っ張られて、第1中間サポートユニット60も、第2中間サポートユニット70及びスライド部31と共に、-Y方向に直線運動をする。このとき、第1中間サポートユニット60は、ブッシュ62が、ボールねじ軸41の外周上を摺動することで、ボールねじ軸41に対して円滑に移動する。第2中間サポートユニット70が、-Y方向に直線運動をしていくと、やがて、スライド部31は、フロントブラケット90に最も接近した位置(ロッド終端位置)に移動し、フロントブラケット90に当接する。このとき、第2中間サポートユニット70のストッパ74が、第2中間サポートユニット70とフロントブラケット90との当接によって生じる衝撃を吸収する。
【0072】
以上により、ロッド11の-Y方向への移動が完了する。
【0073】
次に、図11の矢印A4に示すように、モータユニット20の出力軸23が所定の方向とは逆方向に回転(逆転)すると、出力軸23に接続されているボールねじ軸41は、出力軸23とともに逆転する。
【0074】
ボールねじ軸41が回転(逆転)すると、ボールねじナット42が、+Y方向に直線運動をする。この結果、スライド部31及びロッド11が、矢印A5に示すように、例えば、+Y方向に直線運動をする。このとき、スライド部31は、レール部32に転動体を介して支持されているため、転動体の転動によって円滑に移動する。
【0075】
スライド部31が、+Y方向に直線運動をしていくと、やがて、スライド部31は、第1中間サポートユニット60に当接する。このとき、第1中間サポートユニット60のストッパ65が、第1中間サポートユニット60とスライド部31との当接によって生じる衝撃を吸収する。
【0076】
さらに、スライド部31が、+Y方向に直線運動をしていくと、第1中間サポートユニット60は、スライド部31と共に、矢印A6に示すように、+Y方向に直線運動をする。第2中間サポートユニット70は連結部材81、82によって第1中間サポートユニット60に連結されているため、第1中間サポートユニット60に引っ張られて、第2中間サポートユニット70も、第1中間サポートユニット60及びスライド部31と共に、+Y方向に直線運動をする。このとき、第1中間サポートユニット60は、ブッシュ62が、ボールねじ軸41の外周上を摺動することで、ボールねじ軸41に対して円滑に移動する。第1中間サポートユニット60が、+Y方向に直線運動をしていくと、やがて、スライド部31は、リアブラケット100に最も接近した位置(ロッド原点位置)に移動し、リアブラケット100に当接する。このとき、第1中間サポートユニット60のストッパ66が、第1中間サポートユニット60とリアブラケット100との当接によって生じる衝撃を吸収する。
【0077】
以上により、ロッド11の+Y方向への移動が完了する。
【0078】
次に、アクチュエータ10における第1中間サポートユニット60近傍のメンテナンスの作業方法について図7及び図12を用いて説明する。メンテナンスを行う作業者は、図7を参照するとわかるように、アジャストプレート64を本体部61に固定している2本の留め具64aのうち、一方の留め具64aを取り外す。続いて、作業者は、他方の留め具64aを中心軸として回転方向R1回りに、アジャストプレート64を回動させる。これにより、作業者は、ローラ63aを、レール部32の溝部から外れる第2位置に移動させる。続いて、作業者は、図12に示すように、本体部61とブッシュ62とを固定する留め具62aを外す。そして、作業者は、ボールねじ軸41の外周に嵌め込まれたままのブッシュ62から、本体部61等を取り外す。この後、必要に応じて、アクチュエータ10の部品の取り換えを行ったり、清掃を行ったりする。
【0079】
続いて、第2中間サポートユニット70近傍のメンテナンスの作業方法について説明する。作業者は、図13に示すように、本体部71に対して、ブッシュ72及びストッパ74を固定する留め具74aを外す。そして、作業者は、ロッド11の外周に嵌め込まれたままのブッシュ72から、本体部71等を取り外す。この後、必要に応じて、アクチュエータ10の部品の取り換えを行ったり、清掃を行ったりする。
【0080】
以上、説明したように、本実施の形態1に係るアクチュエータ10は、図3に示すように、ボールねじ軸41の基端部41bとスライド部31との間で、ボールねじ軸41に摺動可能に設けられる第1中間サポートユニット60を備える。第1中間サポートユニット60は、ボールねじ軸41を支持するため、ボールねじ軸41が撓むことを抑制する。これにより、本実施の形態1においては、アクチュエータ10のロッド11の移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッド11を高速移動させることができる。
【0081】
例えば、図14に示す比較例に係るアクチュエータ1000は、ボールねじ軸41の基端部41bとスライド部31との間で、ボールねじ軸41に摺動可能に設けられる第1中間サポートユニット60を備えない。このため、アクチュエータ1000では、ボールねじ軸41が撓みやすい。特に、ボールねじ軸41の長さを伸ばすことで、作業軸の長ストローク化を実現した場合、ボールねじ軸41の撓みが大きくなり、いわゆる「縄跳び現象」が生じやすくなる。そうすると、ボールねじ軸を破損させるような危険な状態になる回転速度であるアクチュエータ1000の「危険速度」が低下してしまい、アクチュエータ1000を高速駆動させることが困難となるおそれがある。
【0082】
これに対して、本実施の形態1に係るアクチュエータ10は、図3に示すように、ボールねじ軸41を支持する第1中間サポートユニット60を備えるため、ボールねじ軸41が撓むことを抑制する。これにより、本実施の形態1においては、アクチュエータ10のロッド11の移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッド11を高速移動させることができる。
【0083】
また、アクチュエータ10は、図3及び図4に示すように、第1中間サポートユニット60に加えて、第2中間サポートユニット70と、連結部材81、82とをさらに備える。そして、第1中間サポートユニット60は、スライド部31の直線運動に伴って、スライド部31が第1、第2中間サポートユニット60、70のいずれかに当接することにより、スライド部31と共に直線運動可能に設けられている。このため、第1中間サポートユニット60は、スライド部31との間の距離が所定の距離以下となる位置に配置される。これにより、アクチュエータ10は、ボールねじ軸41の撓みを抑制する効果をさらに向上させることができる。ひいては、本実施の形態1においては、アクチュエータ10のロッド11の移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッド11を高速移動させることができる。
【0084】
(実施の形態1の変形例)
なお、本実施の形態1において、第1、第2中間サポートユニット60、70は、2本の連結部材81、82によって連結されている。しかしながら、これに限られない。第1、第2中間サポートユニット60、70は、1本の連結部材81によって連結されていてもよいし、3本以上の連結部材によって連結されていてもよい。
【0085】
実施の形態2.
上記実施の形態1に係るアクチュエータ10の第2中間サポートユニット70は、ロッド11の外周面を摺動するブッシュ72を有する。しかしながら、第2中間サポートユニット70は、この構造のものに限られない。以下、第2中間サポートユニット70が異なる構造を有する実施の形態2に係るアクチュエータ10Aについて図15を用いて説明する。なお、アクチュエータ10Aにおいて、アクチュエータ10と同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。なお、アクチュエータ10Aは、第2中間サポートユニット70がロッド11の外周に設けられている点では、実施の形態1に係るアクチュエータ10と同じである。しかしながら、アクチュエータ10Aは、第2中間サポートユニット70がロッド11の外周面に密着せずに離間しており、ロッド11の外周面を摺動する摺動部を有さない点で、実施の形態1に係るアクチュエータ10と相違する。
【0086】
第2中間サポートユニット70は、図15に示すように、連結部材81、82の-Y方向に延びた先端に設けられている。この第2中間サポートユニット70は、連結部材81の-Y側の先端に設けられた当接部76Rと、連結部材82の-Y側の先端に設けられた当接部76Lとを有する。
【0087】
当接部76Rは、スライド部31の-Y方向への移動に伴って、スライド部31の-Y側(ボールねじ軸の先端部側)の面に当接するように形成されている。具体的には、当接部76Rには、連結部材81の先端から、その延びる方向(Y軸方向)に直交する方向に張り出され、スライド部31の-Y側の面に当接するフランジ状部分が形成されている。このフランジ状部分には、スライド部31の-Y側の面に平行な面は形成され、これにより、当接部76Rは、スライド部31の-Y側の面に当接し易くなるように設けられている。本実施の形態2においては、当接部76Rは、連結部材81の先端に形成されている雄ねじ(ねじ)に捻じ込まれているナット等の留め具の頭部である。この頭部が、スライド部31の-Y側の面に当接するフランジ状部分として形成されている。なお、当接部76Rは、この構造に限られない。当接部76Rは、連結部材81の先端に形成されているねじ穴(ねじ)に捻じ込まれているボルト(留め具)の頭部であってもよい。
【0088】
当接部76Lは、スライド部31の-Y方向への移動に伴って、スライド部31の-Y側(ボールねじ軸の先端部側)の面に当接するように形成されている。具体的には、当接部76Lには、連結部材82の先端から、その延びる方向(Y軸方向)に直交する方向に張り出され、スライド部31の-Y側の面に当接するフランジ状部分が形成されている。このフランジ状部分には、スライド部31の-Y側の面に平行な面は形成され、これにより、当接部76Lは、スライド部31の-Y側の面に当接し易くなるように設けられている。本実施の形態2においては、当接部76Lは、当接部76Rと同様に、連結部材82の先端に形成されている雄ねじに捻じ込まれているナット等の留め具の頭部である。この頭部が、スライド部31の-Y側の面に当接するフランジ状部分として形成されている。なお、当接部76Lは、この構造に限られない。当接部76Lは、連結部材82の先端に形成されているねじ穴(ねじ)に捻じ込まれているボルト(留め具)の頭部であってもよい。
【0089】
スライド部31には、ボールねじ軸41の軸方向(Y軸方向)に貫通する孔31c(連結部材用孔)が形成されている。実施の形態2において、スライド部31は、孔31cが形成されている点のみで、実施の形態1のものと相違する。
【0090】
連結部材81、82は、このスライド部31の孔31cに挿通されて、第1中間サポートユニット60と第2中間サポートユニット70とを連結する。連結部材81、82は、スライド部31の孔31cの内面にすべり軸受けなどを配置し、スライド部31の孔31cの内面に対して摺動可能に挿通されていてもよいし、スライド部31の孔31cの内面から隙間が設けられている状態で挿通されていてもよい。
【0091】
以上、説明したように、本実施の形態2に係るアクチュエータ10Aにおいては、第2中間サポートユニット70を簡素な構造にしつつ、実施の形態1に係るアクチュエータ10と同等の効果を奏することができる。
【0092】
また、実施の形態2においては、連結部材81、82は、スライド部31の孔31cに挿通されている。このため、連結部材81、82が、スライド部31の外部において、第1、第2中間サポートユニット60、70を連結する実施の形態1に比べて、アクチュエータ10Aの内部に連結部材81、82を配置する空間を余分に設ける必要がない。結果として、アクチュエータ10Aの小型化を図ることができる。
【0093】
また、実施の形態2においては、連結部材81、82は、スライド部31の孔31cに挿通されている。このため、アクチュエータ10Aにおいては、第2中間サポートユニット70がロッド11の外周面を摺動する摺動部を有さなくとも、連結部材81、82自身の撓みを抑制することができる。
【0094】
(実施の形態2の変形例)
なお、本実施の形態2において、第2中間サポートユニット70は、2つの当接部76R、76Lを有している。しかしながら、これに限られない。第2中間サポートユニット70は、1つの当接部76Rを有していてもよいし、3つ以上の当接部を有していてもよい。
【0095】
また、実施の形態2においては、連結部材81、82は、スライド部31の孔31cに挿通されているが、これに限られない。当接部76R、76Lが、スライド部31の-Y方向への移動に伴って、スライド部31の-Y側の面に当接するように形成されていれば、連結部材81、82は、スライド部31の外部において、第1、第2中間サポートユニット60、70を連結していてもよい。
【0096】
実施の形態3.
上記実施の形態2に係る第2中間サポートユニット70において、当接部76Rは、当接部76Lに対して離れて配置されている。しかしながら、これに限られない。以下、当接部77の形状が異なる実施の形態3に係るアクチュエータ10Bについて図16を用いて説明する。なお、アクチュエータ10Bにおいて、アクチュエータ10、10Aと同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0097】
第2中間サポートユニット70は、図16に示すように、連結部材81の延びた-Y側の先端と、連結部材82の延びた-Y側の先端とを連結して設けられている当接部77を有する。
【0098】
当接部77は、X軸方向を長手方向とする直方体板状に形成されている。なお、当接部77の形状は、これに限られず、直方体板状以外のものであってもよい。当接部77は、ナット等の留め具77aによって、連結部材81、82の先端に固定されている。
【0099】
以上、説明したように、本実施の形態3に係るアクチュエータ10Aにおいても、第2中間サポートユニット70を簡素な構造にしつつ、実施の形態1、2に係るアクチュエータ10、10Aと同等の効果を奏することができる。
【0100】
(実施の形態3の変形例)
なお、実施の形態3においては、連結部材81、82は、スライド部31の外部において、第1、第2中間サポートユニット60、70を連結していている。しかしながら、これに限られない。スライド部31に、Y軸方向に貫通する孔が形成され、連結部材81、82は、スライド部31の孔に挿通されていてもよい。
【0101】
実施の形態4.
上記実施の形態3に係る第2中間サポートユニット70において、当接部77とロッド11との間には部材は配置されておらず、第2中間サポートユニット70は、ロッド11から離間している。しかしながら、これに限られない。図17及び図18に示す実施の形態4に係るアクチュエータ10Cのように、第2中間サポートユニット70は、当接部77とロッド11の外周との間に配置され、ロッド11の外周面を摺動する摺動部78を有していてもよい。摺動部78は、例えば、XZ断面が半円状のすべり軸受けから構成されている。なお、アクチュエータ10Cにおいて、アクチュエータ10、10A、10Bと同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0102】
本実施の形態4に係るアクチュエータ10Cにおいても、上記各実施の形態に係るアクチュエータ10、10A、10Bと同等の効果を奏することができる。
【0103】
実施の形態5.
上記実施の形態4に係る第2中間サポートユニット70においては、当接部77とロッド11との間には、すべり軸受けから構成されている摺動部78が配置されている。しかしながら、これに限られない。図19に示す実施の形態5に係るアクチュエータ10Dのように、第2中間サポートユニット70は、当接部77とロッド11の外周との間に配置され、当接部77とロッド11の外周との間で転動する転動体79-1(第1転動部)を有していてもよい。転動体79-1は、例えば、回転軸A7を中心軸として、回転方向R2回りに転動可能に設けられている円板状のコロである。なお、アクチュエータ10Dにおいて、アクチュエータ10、10A~10Cと同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0104】
本実施の形態5に係るアクチュエータ10Dにおいても、上記各実施の形態に係るアクチュエータ10、10A~10Cと同等の効果を奏することができる。
【0105】
なお、実施の形態5においては、転動体79-1は、回転軸A7を中心軸として、回転方向R2回りに転動可能に設けられている円板状のコロである。しかしながら、これに限られない。転動体79-1は、球体であってもよい。
【0106】
実施の形態6.
上記実施の形態4、5に係る第2中間サポートユニット70においては、当接部77とカバーとの間には部材は配置されていない。しかしながら、これに限られない。図20に示す実施の形態6に係るアクチュエータ10Eのように、第2中間サポートユニット70は、当接部77とカバー18との間に配置され、当接部77とカバー18との間で転動する転動体79-2(第2転動部)を有していてもよい。転動体79-2は、例えば、回転軸A8を中心軸として、回転方向R3回りに転動可能に設けられている円板状のコロである。なお、アクチュエータ10Eにおいて、アクチュエータ10、10A~10Dと同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。
【0107】
本実施の形態6に係るアクチュエータ10Eにおいても、上記各実施の形態に係るアクチュエータ10、10A~10Dと同等の効果を奏することができる。また、アクチュエータ10Eは、転動体79-2を有しているため、第2中間サポートユニット70がロッド11から浮き上がり離間することを抑制することができる。
【0108】
なお、実施の形態6においては、転動体79-2は、回転軸A8を中心軸として、回転方向R3回りに転動可能に設けられている円板状のコロである。しかしながら、これに限られない。転動体79-2は、球体であってもよい。
【0109】
実施の形態7.
以下、本発明の実施の形態7に係るアクチュエータ10Fについて説明する。なお、アクチュエータ10Fにおいて、アクチュエータ10、10A~10Eと同一又は同等の構成については、同一の符号を用いて、その説明を省略する。また、アクチュエータ10Fは、第2中間サポートユニット70及び連結部材81、82に代えて、コイルスプリングから構成される第1弾性部材110及び第2弾性部材120を備える点以外は、アクチュエータ10と同等の構造を備える。
【0110】
第1弾性部材110は、弾性の素材からなり、具体的には、コイルスプリングから構成される。第1弾性部材110は、第1中間サポートユニット60とリアブラケット100との間に設置されている。なお、本実施の形態7では、第1弾性部材110は、ボールねじ軸41を包囲するコイルスプリングから構成される。しかしながら、これに限られない。第1弾性部材110は、弾性の素材からなるものであれば、コイルスプリング以外のものから構成されていてもよい。また、コイルスプリングから構成される第1弾性部材110は、ボールねじ軸41を包囲しないように、第1中間サポートユニット60とリアブラケット100との間に設置されていてもよい。ただし、アクチュエータ10Fの小型化を図る観点から、第1弾性部材110は、ボールねじ軸41を包囲するように配置されている方が好ましい。
【0111】
第2弾性部材120は、弾性の素材からなり、具体的には、第1弾性部材110と同様に、コイルスプリングから構成される。第2弾性部材120は、スライド部31と前記第1中間サポートユニット60との間に設置されている。本実施の形態7においては、第2弾性部材120は、そのY軸方向の長さが、第1弾性部材110のY軸方向の長さとは等しくなるように形成されている。なお、本実施の形態7では、第2弾性部材120は、ボールねじ軸41を包囲するコイルスプリングから構成される。しかしながら、これに限られない。第2弾性部材120は、弾性の素材からなるものであれば、コイルスプリング以外のものから構成されていてもよい。また、コイルスプリングから構成される第2弾性部材120は、ボールねじ軸41を包囲しないように、スライド部31と前記第1中間サポートユニット60との間に設置されていてもよい。ただし、アクチュエータ10Fの小型化を図る観点から、第2弾性部材120は、ボールねじ軸41を包囲するように配置されている方が好ましい。
【0112】
第1弾性部材110及び第2弾性部材120は、スライド部31がY軸方向に直線運動して弾性変形することにより、リアブラケット100が第1弾性部材110に接続されている第1位置P1と、スライド部31が第2弾性部材120に接続されている第2位置P2との間の中間位置P3に、第1中間サポートユニット60を移動させるように設けられている。したがって、スライド部31が+Y方向に移動しても-Y方向に移動しても、第1中間サポートユニット60は、第1位置P1と第2位置P2とのY軸方向における中間位置P3に配置される。
【0113】
本実施の形態7に係るアクチュエータ10Fにおいては、第1弾性部材110及び第2弾性部材120が、第1位置P1と第2位置P2との間の中間位置P3に、第1中間サポートユニット60を移動させる。このため、ボールねじ軸41の撓みを抑制する効果を高めることができる。これにより、アクチュエータ10Fのロッド11の移動可能なストロークを長くした場合においても、ロッド11を高速移動させることができる。
【0114】
本実施の形態7に係るアクチュエータ10Fにおいては、第2中間サポートユニット70及び連結部材81、82を割愛することができる。しかしながら、これに限られない。アクチュエータ10Fは、第2中間サポートユニット70及び連結部材81、82をさらに備えていてもよい。
【0115】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。
【0116】
変形例1.
例えば、上記の実施の形態1に係るアクチュエータ10は、第1中間サポートユニット60を一つ備える。しかしながら、これに限られない。図22に示す変形例1のように、アクチュエータ10Gは、第1中間サポートユニット60に加えて、第1中間サポートユニット60と同等の構造を有する第3中間サポートユニット130をさらに備えていてもよい。
【0117】
第3中間サポートユニット130は、ボールねじ軸41の他方の基端部41bとスライド部31との間で、ボールねじ軸41に摺動可能に設けられると共に、第1中間サポートユニット60よりも基端部41b寄りに設けられ、ボールねじ軸41を支持する。
【0118】
変形例1においても、上記各実施の形態に係るものと同等の効果を奏することができる。
【0119】
アクチュエータ10Gは、第1中間サポートユニット60と、第1中間サポートユニット60と同等の構造を有する第3中間サポートユニット130との2つのユニットを備える。しかしながら、これに限られない。アクチュエータ10Gは、第1中間サポートユニット60と同等の構造を有するユニットを3つ以上備えていてもよい。
【0120】
また、アクチュエータ10Gにおいて、第1中間サポートユニット60と第3中間サポートユニット130との間に、コイルスプリングから構成される弾性部材を設置するようにしてもよい。
【0121】
変形例2.
また、上記の実施の形態1に係るアクチュエータ10は、図4及び図6に示すように、第1中間サポートユニット60及び第2中間サポートユニット70をそれぞれ一つ備える。しかしながら、これに限られない。図23に示す変形例2のように、アクチュエータ10Hは、第1、第2中間サポートユニット60、70に加えて、第1中間サポートユニット60と同等の構造を有する第3中間サポートユニット130と、第2中間サポートユニット70と同等の構造を有する第4中間サポートユニット140とをさらに備えていてもよい。この場合、アクチュエータ10Hは、第3中間サポートユニット130と第4中間サポートユニット140とを連結する第3の連結部材83及び第4の連結部材84を備える。
【0122】
第3中間サポートユニット130は、ボールねじ軸の他方の基端部とスライド部との間で、ボールねじ軸に摺動可能に設けられると共に、第1中間サポートユニット60よりも基端部寄り(+Y側寄り)に設けられ、ボールねじ軸を支持する。
【0123】
第4中間サポートユニット140は、ボールねじ軸の先端部とスライド部との間において、ロッド11の外周に設けられると共に、第2中間サポートユニット70よりも先端部寄り(-Y側寄り)に設けられている。
【0124】
第3の連結部材83及び第4の連結部材84は、第3中間サポートユニット130と第4中間サポートユニット140とを連結する。
【0125】
変形例2においても、上記各実施の形態に係るものと同等の効果を奏することができる。
【0126】
本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【符号の説明】
【0127】
10,10A,10B,10C,10D,10E,10F,10G,10H,1000:アクチュエータ
11:ロッド(作業軸)
11a:孔
11b:雄ねじ部
12:先端金具
18:カバー
19:留め具
20:モータユニット
21:モータ
22:モータハウジング
23:出力軸(回転軸)
23a:カップリング
30:ガイド装置
31:スライド部
31a:貫通孔
31b:雌ねじ面
31c:孔(連結部材用孔)
32:レール部
40:ボールねじ
41:ボールねじ軸
41a:先端部
41b:基端部
42:ボールねじナット
43:抜け止め部材
44:カップリング
50:振れ止め部材
51:弾性部材
60:第1中間サポートユニット
61:本体部
61a:貫通孔
62:ブッシュ(摺動部)
62a:留め具
63a,63b,63c:ローラ
64:アジャストプレート
64a:留め具
65,66:ストッパ
67R,67L:パイプクランプ部
70:第2中間サポートユニット
71:本体部
71a:半円溝
72:ブッシュ(摺動部)
72a:フランジ部分
73,74:ストッパ
74a:留め具
75R,75L:パイプクランプ部
76R,76L,77:当接部
77a:留め具
78:摺動部
79-1:転動体(第1転動体)
79-2:転動体(第2転動体)
81:連結部材
82:連結部材(第2の連結部材)
83:第3の連結部材
84:第4の連結部材
90:フロントブラケット
91:ブラケット本体
91a:貫通孔
92:フロントカバー
100:リアブラケット(基端部支持部)
101:ブラケット本体
102:リアカバー
103:ベアリング
110:第1弾性部材
120:第2弾性部材
130:第3中間サポートユニット
140:第4中間サポートユニット
D1:移動方向
A1,A2,A3,A4,A5,A6,X1:矢印
A7,A8:回転軸
P1:第1位置
P2:第2位置
P3:中間位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23