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特許7473971入出場管理システムおよび入出場管理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】入出場管理システムおよび入出場管理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240417BHJP
   G06Q 20/00 20120101ALI20240417BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q20/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021077703
(22)【出願日】2021-04-30
(65)【公開番号】P2022171197
(43)【公開日】2022-11-11
【審査請求日】2023-04-28
(73)【特許権者】
【識別番号】518210823
【氏名又は名称】ETCマネジメントサービス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】中田 智浩
【審査官】田川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-242555(JP,A)
【文献】特開2014-215786(JP,A)
【文献】特開2002-216185(JP,A)
【文献】特表2011-514567(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の管理区域の出入口において、車両に設置された車載器の固有情報、前記車載器に挿入されたETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つを取得する取得部と、
前記管理区域内の駐車エリアへの前記車両の入場および前記駐車エリアからの前記車両の出場を規制可能な車両規制部と、
前記車両が前記駐車エリアに入場または前記車両が前記駐車エリアから出場したことを検知する検知部と、
前記取得部によって取得された前記車載器の固有情報、前記ETCカードの固有情報、および前記車両番号の少なくとも一つと、前記車両または前記車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録可能な請求処理部と、
前記取得部によって前記車載器の固有情報、前記ETCカードの固有情報、および前記車両番号の少なくとも一つが取得された場合に、前記車両に対し前記管理区域内において前記車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示する駐車エリア提示部と、
を有する入出場管理システム。
【請求項2】
前記車両規制部は、前記駐車エリアに駐車する車両がない場合には前記駐車エリアへの車両の進入を規制し、前記駐車エリア提示部が車両に対し特定の駐車エリアを提示した場合には、前記特定の駐車エリアへの車両の進入ができるように規制を解除する請求項1に記載の入出場管理システム。
【請求項3】
前記車両規制部は、前記検知部が前記特定の駐車エリアへの前記車両の入場を検知した場合において、前記車両の前記特定の駐車エリアからの出場を規制する請求項1または2に記載の入出場管理システム。
【請求項4】
前記車両規制部は、前記検知部が前記特定の駐車エリアへの前記車両の入場を検知した場合において、前記取得部によって取得された前記車載器の固有情報、前記ETCカードの固有情報、および前記車両番号の少なくとも一つが前記請求処理部において登録されており、支払手段に関する情報として前記車両または前記車両のユーザーに課される代金を出場時に自動的に支払うことが登録されているときは、前記車両の前記特定の駐車エリアからの出場を規制しない請求項1~3のいずれかに記載の入出場管理システム。
【請求項5】
前記請求処理部は、前記車両規制部が前記駐車エリアに入場した前記車両に対して出場を規制しない場合において、前記検知部により前記車両が前記特定の駐車エリアから出場したことが検知されたときは、登録された前記支払手段により前記代金を自動的に請求する請求項1~4のいずれかに記載の入出場管理システム。
【請求項6】
前記車両規制部は、前記検知部が前記特定の駐車エリアへの前記車両の入場を検知した場合において、前記取得部によって取得された前記車載器の固有情報、前記ETCカードの固有情報、および前記車両番号の少なくとも一つが前記請求処理部において登録されており、支払手段に関する情報として前記車両または前記車両のユーザーに課される代金を自動的に支払うことが登録されていないときは、前記車両の前記特定の駐車エリアからの出場を規制する請求項1~5のいずれかに記載の入出場管理システム。
【請求項7】
所定の管理区域の出入口において、車両に設置された車載器の固有情報、前記車載器に挿入されたETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つを取得する取得ステップと、
前記管理区域内の駐車エリアへの前記車両の入場および前記駐車エリアからの前記車両の出場を規制する車両規制ステップと、
前記車両が前記駐車エリアに入場または前記車両が前記駐車エリアから出場したことを検知する検知ステップと、
前記取得ステップにおいて取得された前記車載器の固有情報、前記ETCカードの固有情報、および前記車両番号の少なくとも一つと、前記車両または前記車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録する請求処理ステップと、
前記取得ステップにおいて前記車載器の固有情報、前記ETCカードの固有情報、および前記車両番号の少なくとも一つが取得された場合に、前記車両に対し前記管理区域内において前記車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示する駐車エリア提示ステップと、
を含む処理をコンピューターに実行させるための入出場管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、入出場管理システムおよび入出場管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、駐車場の利用料金をキャッシュレスで精算するための様々な方法が提案されている。たとえば特許文献1には、車両の入庫時刻データと出庫時刻データに基づいて駐車料金を算出してWebサイトサーバーに送信し、Webサイトにおいて駐車料金の精算を受け付ける技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2003-256995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載の技術では、駐車料金を精算する際に、ユーザーが使用した駐車ブースを確認してWebサイトに入力し、決済処理を実行するものである。これでは、駐車料金を精算する度にブース番号を確認してWebサイトに入力する手間がかかり、ユーザーにとって不便である。また、夜間や悪天候等によってユーザーがブース番号を確認できない場合には、車両を適切に出庫させることができずに問題となる。さらに、ユーザーがブース番号の確認や入力を誤ってしまった場合には、車両を出庫させることができないうえに、誤請求等といったさらなる問題も生じてしまう。
【0005】
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものである。したがって、本発明の目的は、駐車場における駐車料金のキャッシュレス精算を簡易かつ確実に実行するための入出場管理システムおよび入出場管理プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
入出場管理システムは、取得部、車両規制部、検知部、請求処理部、および駐車エリア提示部を有する。取得部は、所定の管理区域の出入口において、車両に設置された車載器の固有情報、車載器に挿入されたETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つを取得する。車両規制部は、管理区域内の駐車エリアへの車両の入場および駐車エリアからの車両の出場を規制可能に構成される。検知部は、車両が駐車エリアに入場または車両が駐車エリアから出場したことを検知する。請求処理部は、取得部によって取得された車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つと、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録可能に構成される。駐車エリア提示部は、取得部によって車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つが取得された場合に、車両に対し管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示する。
【0008】
入出場管理プログラムは、取得ステップ、車両規制ステップ、検知ステップ、請求処理ステップ、および駐車エリア提示ステップを含む処理をコンピューターに実行させるように構成される。取得ステップは、所定の管理区域の出入口において、車両に設置された車載器の固有情報、車載器に挿入されたETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つを取得する。車両規制ステップは、管理区域内の駐車エリアへの車両の入場および駐車エリアからの車両の出場を規制する。検知ステップは、車両が駐車エリアに入場または車両が駐車エリアから出場したことを検知する。請求処理ステップは、取得ステップにおいて取得された車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つと、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録する。駐車エリア提示ステップは、取得ステップにおいて車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つが取得された場合に、車両に対し管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示する。
【発明の効果】
【0009】
本発明の入出場管理システムによれば、所定の管理区域の出入口において、車両に設置された車載器の固有情報、車載器に挿入されたETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つを取得する取得部と、管理区域内の駐車エリアへの車両の入場および駐車エリアからの車両の出場を規制可能な車両規制部と、車両が駐車エリアに入場または車両が駐車エリアから出場したことを検知する検知部と、取得部によって取得された車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つと、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録可能な請求処理部と、取得部によって車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つが取得された場合に、車両に対し管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示する駐車エリア提示部とを有する。これにより、車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号のうちの少なくとも一つの情報が取得され、取得される情報に支払手段に関する情報を関連付けて登録しておくことができるとともに、車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示することができる。したがって、駐車場における入出場管理と駐車料金のキャッシュレス精算を簡易かつ確実に実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
図2A】取得装置の概略構成を示すブロック図である。
図2B】検知装置の概略構成を示すブロック図である。
図2C】車両規制装置の概略構成を示すブロック図である。
図2D】提示装置の概略構成を示すブロック図である。
図3】情報端末の概略構成を示すブロック図である。
図4】サーバーの概略構成を示すブロック図である。
図5】サーバーの制御部の機能構成を示すブロック図である。
図6】サーバーにおいて記憶される情報の一例を示す図である。
図7】ETC車載器の概略構成を示すブロック図である。
図8】決済システムの概略構成を示すブロック図である。
図9】サーバーによって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
図10】サーバーによって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張され、実際の比率とは異なる場合がある。
【0012】
(システムの全体構成)
図1は、本発明の一実施形態に係るシステムの概略構成を示す図である。
【0013】
図1に示すように、システム1は、場内システム10、情報端末20、サーバー30、ETC車載器40、および決済システム50から構成される。場内システム10、情報端末20、サーバー30、および決済システム50はネットワークを介して接続され、各構成は有線または無線の各種通信方式によって通信可能である。ETC車載器40は、DSRC(Dedicated Short Range Communication)等の所定の通信規格によって場内システム10の取得装置110と無線通信可能である。
【0014】
場内システム10は、たとえば有料の駐車場等の管理区域に設けられる。場内システム10には、取得装置110、検知装置120、車両規制装置130、および提示装置150が含まれる。取得装置110および提示装置150は、たとえば、駐車場の出入口付近に設けられる。
【0015】
検知装置120および車両規制装置130は、たとえば、駐車場内において複数の車両を駐車するために設けられる複数の駐車エリアそれぞれに設けられる。
【0016】
取得装置110は、ETCアンテナを備え、管理区域に入出場する車両に搭載されたETC車載器40と、DSRC等の通信規格によって無線通信を行う。また、取得装置110は、カメラを備え、管理区域に入出場に入場する車両の画像を撮影する。
【0017】
検知装置120は、各種のセンサーを備え、車両が各駐車エリアに入場したこと、または車両が各駐車エリアから出場したことを検知する。
【0018】
車両規制装置130は、車両の移動を規制する規制部を備え、各駐車エリアへの車両の入場が検知された場合に、当該駐車エリアからの車両の出場を規制する。
【0019】
提示装置150は、管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示するための構成であり、たとえば、ディスプレイやスピーカー等のユーザーインターフェース装置を出力部として用いて構成される。
【0020】
情報端末20は、ユーザーが支払情報等の登録を行うための端末である。情報端末20は、たとえば、車両の運転者が使用するスマートフォン等の端末である。情報端末20は、ネットワークを介してサーバー30等と通信を行う。
【0021】
サーバー30は、場内システム10の各構成、情報端末20、決済システム50等との間で各種情報を送受信する。
【0022】
ETC車載器40は、車両に取り付けられ、所定の距離に近接した取得装置110との間で無線通信を行う。ETC車載器40は、挿入されたETCカードから各種情報を取得して取得装置110に送信する。
【0023】
決済システム50は、銀行やクレジットカード会社等の決済機関(金融機関)または、それらの決済機関において決済を行うための各種業務を代行する決済代行業者に設置されるシステムである。
【0024】
本実施形態では、サーバー30が入出場管理システムを構成する例について説明する。なお、サーバー30によって実行される処理は、取得装置110や検知装置120等の他の構成によって実行されてもよい。この場合、当該構成が入出場管理システムを構成する。また、サーバー30と他の構成が協働して動作し、サーバー30および当該他の構成が入出場管理システムを構成してもよい。
以下、各構成について詳細に説明する。
【0025】
(取得装置110)
図2Aは、取得装置の概略構成を示すブロック図である。
【0026】
図2Aに示すように、取得装置110は、制御部111、記憶部112、通信部113、ETCアンテナ114、およびカメラ115を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、各構成要素は、バスを介さずに直接ネットワークを介してサーバー30と接続されてもよい。
【0027】
制御部111は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに従い、上述した各構成要素の制御のほか、場内システム10の各構成要素の制御や各種の演算処理を実行する。
【0028】
記憶部112は、予め各種プログラムや各種データを記憶するROM(Read Only Memory)、作業領域として一時的にプログラムやデータを記憶するRAM(Random Access Memory)、各種プログラムや各種データを記憶するハードディスク等を備える。
【0029】
通信部113は、ネットワークを介して、他の端末や装置と通信するためのインターフェースを備える。通信部113は、たとえば、サーバー30と各種データ等の送受信を行う。
【0030】
ETCアンテナ114は、所定の通信規格によってETC車載器40との間で無線通信を行うための構成である。取得装置110は、ETCアンテナ114を介して、ETC車載器40から、ETC車載器40を識別するための固有情報であるWCN(Wireless Call Number)に代表される車載器IDを取得する。また、取得装置110は、ETCアンテナ114を介して、ETC車載器40から、ETC車載器40に挿入されたETCカードを識別するための固有情報であるETCカード番号を取得する。ETCカード番号は暗号化された状態で取得され、たとえば上位のサーバー30に送信される前に復号化されうる。
【0031】
カメラ115は、管理区域に入出場する車両を撮影する。カメラ115によって撮影された画像を解析することによって、車両の車両番号(車両のナンバー)を示す情報が取得される。
【0032】
(検知装置120)
図2Bは、検知装置の概略構成を示すブロック図である。
【0033】
図2Bに示すように、検知装置120は、制御部121、記憶部122、通信部123、および検知部124を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、検知装置120が制御部121や記憶部122等を備えていない装置である場合には、検知部124は取得装置110の制御部111に接続する構成をとってもよい。
【0034】
検知装置120の制御部121、記憶部122、通信部123は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0035】
検知部124は、車両が駐車エリアに入場したこと、または車両が駐車エリアから出場したことを検知するための構成であり、たとえば、ループコイル、レーザーライダー(LiDAR:Light Detection and Ranging)、カメラ等の各種センサーによって構成され得る。上記のような各種センサーは、それぞれ単体で使用されてもよく、あるいは複数のセンサーが組み合わせられて使用されてもよい。
【0036】
たとえば、検知部124として車両の近接を電磁的に検知するループコイルが使用される場合、ループコイルは、たとえば車両が駐車エリアに入場する際、または車両が駐車エリアから出場する際に通行する車路の下部等に配置される。たとえば複数のループコイルを上記の車路に沿って配置して、それぞれのループコイルが車両の通過を検知したタイミングや順番を確認することによって、車両が駐車エリアに入場したか車両が駐車エリアから出場したかが判断される。たとえば駐車エリアに近い第1の位置と、第1の位置より駐車エリアから遠い第2の位置に1つずつループコイルを配置する場合、2つのループコイルが車両の通過を検知したタイミングに基づいて、第2の位置のループコイルが先に検知していれば車両が入場したと判断でき、第1の位置のループコイルが先に検知していれば車両が出場したと判断できる。
【0037】
また、検知部124としてレーザーライダーが使用される場合、レーザーライダーは駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両を検知範囲に含む位置に設けられる。レーザーライダーによって取得された画像情報を解析することによって、車両が駐車エリアに入場したこと、または車両が駐車エリアから出場したことが検知される。
【0038】
また、検知部124としてカメラが使用される場合、カメラは駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両を撮影範囲に含む位置に設けられる。カメラによって連続的に撮影された画像(映像)を解析することによって、車両が駐車エリアに入場したこと、または車両が駐車エリアから出場したことが検知される。画像(映像)の認識は、たとえば背景差分法や、機械学習を用いる方法等の公知の技術を用いて実施され得る。
【0039】
なお、検知部124として使用され得るセンサーは、上記の例に限定されず、たとえば駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両に接触して車両の通過および通過方向を検知する接触式センサーや、通過する車両の重量によって車両の通過および通過方向を検知する重量センサー等が使用されてもよい。あるいは、駐車エリアに入場または駐車エリアから出場する車両を検出可能な位置に設けられた赤外線センサーや音波センサー、地磁気センサー等が使用されてもよい。
【0040】
(車両規制装置130)
図2Cは、車両規制装置の概略構成を示すブロック図である。
【0041】
図2Cに示すように、車両規制装置130は、制御部131、通信部132、および規制部133を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、車両規制装置130が制御部131や通信部132を備えていない場合には、規制部133は取得装置110の制御装置と接続される構成をとってもよい。
【0042】
車両規制装置130の制御部131、通信部132は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0043】
規制部133は、車両の移動を規制するための構成である。規制部133は、たとえば駐車エリアの地面(床面)に配置され、駐車される車両の底部に向けて突出して車両の移動を規制するロック板によって構成される。規制部133は、たとえば駐車エリアへの車両の入場が検知された場合に、駐車エリアからの車両の出場を規制する。なお、規制部133の実現方法は上記の例に限定されず、車両の移動を規制可能な構成であれば、いかなる構成によって実現されてもよい。
【0044】
(提示装置150)
図2Dは、提示装置の概略構成を示すブロック図である。
【0045】
図2Dに示すように、提示装置150は、制御部151、記憶部152、通信部153、および出力部154を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。また、提示装置150は、制御部151、記憶部152、通信部153を備えずに、出力部154だけを備え、サーバー30または取得装置110等の他の構成によって制御されてもよい。
【0046】
提示装置150の制御部151、記憶部152、通信部153は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0047】
出力部154は、管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを示す情報を、車両内のユーザーに対して提示するため構成であり、たとえば、ディスプレイ、スピーカー、ランプ、標識等のユーザーインターフェース装置によって構成される。
【0048】
(情報端末20)
図3は、情報端末の概略構成を示すブロック図である。
【0049】
図3に示すように、情報端末20は、制御部21、記憶部22、通信部23、表示部24および操作受付部25を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。情報端末20の制御部21、記憶部22および通信部23は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0050】
表示部24は、LCD(液晶ディスプレイ)や有機ELディスプレイ等を備え、各種情報を表示する。操作受付部25は、タッチセンサーや、マウス等のポインティングデバイス、キーボード等を備え、ユーザーの各種操作を受け付ける。表示部24および操作受付部25は、表示部24としての表示面に、操作受付部25としてのタッチセンサーを重畳することによって、タッチパネルを構成してもよい。
【0051】
(サーバー30)
図4は、サーバーの概略構成を示すブロック図である。図5は、サーバーの制御部の機能構成を示すブロック図である。図6は、サーバーにおいて記憶される情報の一例を示す図である。
【0052】
図4に示すように、サーバー30は、制御部31、記憶部32および通信部33を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。サーバー30の制御部31、記憶部32および通信部33は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0053】
図5に示すように、サーバー30の制御部31は、プログラムを読み込んで処理を実行することによって、取得部311、車両規制部312、検知部313、請求処理部314、および駐車エリア提示部315として機能する。また、制御部31は、場内システム10の各構成要素にある制御部に機能の一部を分散する構成としてもよい。
【0054】
取得部311は、所定の範囲に位置する車両に設置されたETC車載器40の固有情報(車載器ID)、当該ETC車載器40に挿入されたETCカードの固有情報(ETCカード番号)、および当該車両の車両番号のうちの少なくとも一つを取得装置110から取得する。
【0055】
車両規制部312は、管理区域内の駐車エリアへの車両の入場および駐車エリアからの車両の出場を規制するように車両規制装置130を制御する。
【0056】
検知部313は、検知装置120の検知結果に基づいて、車両が駐車エリアに入場または車両が駐車エリアから出場したことを検知する。
【0057】
請求処理部314は、取得部311によって取得された車載器ID、ETCカード番号、および車両番号のうちの少なくとも一つと、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録する。
【0058】
駐車エリア提示部315は、取得部311によって車載器ID、ETCカード番号、および車両番号のうちの少なくとも一つが取得された場合に、提示装置150を制御して、管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを車両に対して提示する。
【0059】
サーバー30は、請求処理部314として、ユーザーからの指示に基づいて上記の各情報を関連付けて登録するために、ユーザーが情報端末20を用いてアクセス可能な専用のウェブページを提供する。専用のウェブページは、たとえば駐車場ごとに異なるURLを用いて提供される。たとえば駐車場に設けられた無線LANネットワークにユーザーの情報端末20が接続すると、当該URLのウェブページが情報端末20に表示されるように設定される。これにより、駐車場を使用するユーザーは、容易にウェブページにアクセスして必要な情報を登録することができる。
【0060】
次に、サーバー30の記憶部32に記憶される情報について説明する。
【0061】
図6に示すように、サーバー30の記憶部32には、固有情報、支払情報、およびユーザー情報が関連付けられて記憶される。固有情報には、車載器ID、ETCカード番号、および車両番号が含まれる。支払情報には、クレジットカード情報、銀行口座情報、およびその他の決済スキームを利用するための各種情報が含まれる。支払情報は、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報として使用される。なお、支払情報には、車両が出場する際に、上記の代金を所定の方法で自動的に支払うことを許可することを示す情報も含まれる。ユーザー情報には、ユーザーを識別するための識別情報、連絡先情報、および認証情報等が含まれる。識別情報には、たとえば、氏名、住所、生年月日、性別、ニックネーム、免許証番号等が含まれる。連絡先情報には、たとえば、電話番号、メールアドレス、SNSや各種メッセージサービスのID等が含まれる。認証情報には、会員専用のウェブサイト等にアクセスするためのID、パスワード等が記憶される。
【0062】
また、サーバー30の記憶部32には、各駐車場の各駐車エリアを識別するための駐車エリア番号(駐車区画番号)等の情報と、各駐車エリアに設けられている検知装置120を識別するための識別情報が関連付けられて記憶される。本実施形態において、1つの管理区域に対して、取得装置110および提示装置150が1つずつ設けられる例について説明したが、これに限定されない。たとえば、車両の出入口が複数あるような管理区域においては、取得装置110および提示装置150はそれぞれ複数設けられてもよい。
【0063】
なお、記憶部32に記憶されるものとして説明した上記の情報は、サーバー30からネットワークを介して接続可能な外部ストレージに記憶され、必要に応じてサーバー30からアクセスして取得するように構成されてもよい。
【0064】
(ETC車載器40)
図7は、ETC車載器の概略構成を示すブロック図である。
【0065】
図7に示すように、ETC車載器40は、制御部41、記憶部42、通信部43、カード受付部44および出力部45を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。ETC車載器40の制御部41、記憶部42および通信部43は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0066】
カード受付部44は、ETCカードの挿入を受け付ける。カード受付部44は、挿入されたETCカードから、ETCカード番号を含む各種情報を取得する。制御部41は、カード受付部44において取得された情報を、通信部43を介して取得装置110に送信する。
【0067】
出力部45は、光や音声を出力する構成であり、たとえばETCカードの読み取り状態を表すインジケーターランプや音声案内を出力するスピーカー等によって構成される。
【0068】
記憶部42には、無線の基地局としてETC車載器40を識別するための固有情報であるWCN(Wireless Call Number)に代表される車載器IDが記憶されている。したがって、取得装置110は、ETCアンテナ114を介してETC車載器40と無線通信を行う際に、ETC車載器40の車載器IDを取得することができる。
【0069】
(決済システム50)
図8は、決済システムの概略構成を示すブロック図である。図9は、決済システムにおいて記憶されるETCカード番号に関連する情報の一例を示す図である。
【0070】
図8に示すように、決済システム50は、制御部51、記憶部52および通信部53を備える。各構成要素は、バスを介して相互に通信可能に接続されている。決済システム50の制御部51、記憶部52および通信部53は、取得装置110の対応する構成と同様であるため、重複する説明を省略する。
【0071】
決済システム50は、たとえば、銀行やクレジットカード会社等の決済機関(金融機関)、各種コード決済サービスを提供する決済機関、あるいは、それらの決済機関において決済を行うための各種業務を代行する決済代行業者に設置されるシステムである。サーバー30は、決済システム50との間で情報を送受信することによって、クレジットカード決済や銀行口座振込等によって駐車場の利用料の決済を実行することができる。
【0072】
また、決済システム50は、ユーザーのETCカードに対応付けられたクレジットカードに関する情報と、ユーザーのETCカードが、ETCカードの発行者によって拒絶(無効設定)されているか否かを示す情報とを保有していてもよい。上記の情報は、決済システム50の記憶部52に記憶される。なお、決済システム50は、ETCカード番号に対応付けて拒絶情報を保有しなくてもよい。この場合、たとえばETCカード番号をクレジットカード情報に変換して、当該クレジットカードが拒絶されているか否かをクレジットカード会社に都度確認してもよい。
【0073】
なお、システム1は、上記の構成以外の構成を含んでもよい。また、上記の各構成は、上述した構成要素以外の構成要素を含んでもよく、上述した構成要素のうちの一部を含まなくてもよい。また、上記の各構成は、複数の装置によって構成されてもよく、一体的に構成されてもよい。また、ある構成が実施するものとして説明した機能を、他の構成が代わりに実施するようにしてもよい。
【0074】
システムにおける処理の概要を説明する。
(処理概要)
図9および図10は、サーバーによって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図9および図10のフローチャートに示される処理は、サーバー30の記憶部32にプログラムとして記憶されており、制御部31が各部を制御することにより実行される。
【0075】
図9および図10に示すように、サーバー30は、管理区域に車両が入場しようとしているか否かを判断する(ステップS101)。たとえば、サーバー30は、図示しない検知装置や取得装置110のカメラ115から送信される情報等に基づいて、車両が管理区域に入場しようとしていることを判断する。
【0076】
車両が入場しようとしていない場合(ステップS101:NO)、サーバー30は、ステップS101の処理を繰り返す。
【0077】
車両が入場しようとしている場合(ステップS101:YES)、サーバー30は、当該車両について、取得装置110から所定の情報を取得したか否かを判断する(ステップS102)。具体的には、サーバー30は、車両のETC車載器40から取得した車載器IDおよびETCカード番号、および車両の車両番号のうちの少なくとも一つを取得したか否かを判断する。
【0078】
所定の情報が取得されてない場合(ステップS102:NO)、サーバー30は、ステップS102の処理を繰り返す。
【0079】
所定の情報が取得されている場合(ステップS102:YES)、サーバー30は、取得した情報を記憶部32に記憶するとともに、管理区域内において当該車両を駐車させるための特定の駐車エリアを決定し、提示装置150を介して、決定した特定の駐車エリアを提示する(ステップS103)。また、サーバー30は、決定した特定の駐車エリアの車両規制装置130に制御信号を送信して、当該特定の駐車エリアへの車両の入場を規制しないように制御して、当該特定の駐車エリアへの車両の入場を許可する。なお、サーバー30は、車両が管理区域に入場しようとしていない状態でも、次に車両が入場した場合に車両を駐車させる特定の駐車エリアを予め決定して提示しておき、当該特定の駐車エリアへの車両の入場を規制しないように制御しておいてもよい。これにより、たとえば、次にETC車載器40を搭載していない車両が管理区域に入場するような場合でも、スムーズに車両を駐車させることができる。
【0080】
サーバー30は、ステップS103の処理において提示された特定の駐車エリアに車両が入場したか否かを判断する(ステップS104)。具体的には、サーバー30は、当該特定の駐車エリアの検知装置120から送信される検知結果に関する情報に基づいて、車両が入場したか否かを判断する。
【0081】
当該駐車エリアに車両が入場していない場合(ステップS104:NO)、サーバー30は、ステップS104の処理を繰り返す。
【0082】
当該駐車エリアに車両が入場した場合(ステップS104:YES)、サーバー30は、ステップS102の処理において取得された情報に、駐車料金の支払いに使用する支払手段に関する支払情報が関連付けられて登録されているか否かを判断する(ステップS105)。具体的には、サーバー30は、記憶部32のデータベースを参照し、ステップS102の処理において取得された車載器ID、ETCカード番号、車両番号のいずれかに、クレジットカード情報、銀行口座情報等の支払情報が関連付けられて記憶されているか否かを判断する。
【0083】
支払情報が関連付けられて登録されている場合(ステップS105:YES)、サーバー30は、支払情報を用いた自動支払いに関する情報(自動支払いを許可することを示す情報)がユーザーによって記憶部32に登録されているか否かをさらに判断する(ステップS106)。
【0084】
自動支払いに関する情報が登録されている場合(ステップS106:YES)、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制しないように制御する(ステップS107)。なお、本実施形態では、ステップS103の処理において予め車両規制装置130が車両の出場を規制しない状態となっているため、サーバー30は、車両規制装置130に制御指示を送信しなくてもよい。これにより、車両が駐車エリアに駐車されているが、車両の駐車エリアからの出場が規制されていない状態となる。本実施形態では、ユーザーによって支払情報および自動支払いに関する情報が登録されており、任意のタイミングでユーザーに駐車料金を請求できる状態を構築できているため、駐車料金が支払われないこと等を懸念して車両の出場を規制する必要がない。このとき、サーバー30は、たとえばユーザーの情報端末20に対して、出場時に自動支払いが行われるため支払処理を実行する必要はない旨や、自動支払いに使用される支払手段に関する情報を通知してもよい。また、当該通知により、出場時に登録された支払手段により自動支払いを行うかどうかを確認してもよい。
【0085】
サーバー30は、検知装置120から送信される検知結果に関する情報に基づいて、駐車エリアからの車両の出場が検知されたか否かを判断する(ステップS108)。
【0086】
車両の出場が検知されない場合(ステップS108:NO)、サーバー30は、車両の出場が検知されるまで待機する。
【0087】
車両の出場が検知された場合(ステップS108:YES)、サーバー30は、記憶部32に記憶されている支払情報や、計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金の支払処理を実行する(ステップS109)。このとき、サーバー30は、たとえばユーザーの情報端末20に対して、駐車場名、駐車エリア、入庫日時、出庫日時、駐車料金、使用した支払手段等を示す情報を、利用証明情報として通知してもよい。
【0088】
一方、ステップS105の処理において、支払情報が関連付けられて登録されていないと判断された場合(ステップS105:NO)、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制するように制御する(ステップS110)。これにより、車両が駐車エリアに駐車され、車両の駐車エリアからの出場が規制されている状態となる。その後、ユーザーが駐車を終えて、車両を駐車エリアから出場させる際には、サーバー30は、以下のステップS111~S115の処理を実行する。
【0089】
サーバー30は、ユーザーから専用のウェブページへのアクセスがあったか否かを判断する(ステップS111)。
【0090】
アクセスがない場合(ステップS111:NO)、サーバー30は、ユーザーからのアクセスがあるまで待機する。
【0091】
アクセスがあった場合(ステップS111:YES)、サーバー30は、ユーザーが各種情報を入力および登録するための画面を表示する(ステップS112)。
【0092】
具体的には、サーバー30は、ユーザーが車両を駐車した駐車エリアを識別するための駐車エリア番号(駐車区画番号)の入力を受け付けるための画面を表示して、ユーザーからの入力を受け付ける。また、サーバー30は、駐車料金の支払いに使用する支払手段に関する支払情報の入力を受け付けるための画面を表示して、ユーザーからの入力を受け付ける。サーバー30は、ユーザーから入力を受け付けた駐車エリア番号(駐車区画番号)から、車両が駐車されている駐車エリアを特定する。サーバー30は、特定された取得装置110において取得されている車載器ID、ETCカード番号、車両番号を特定し、特定された情報と、ユーザーによって入力された支払情報とを関連付けて記憶部32のデータベースに登録する。これにより、サーバー30は、図6に示されるようなデータベースを記憶部32に構築することができる。さらに、サーバー30は、登録された支払情報を用いて駐車料金を支払うための指示(支払指示)を、ウェブページに表示される支払ボタンの押下等によって、ユーザーから受け付ける。
【0093】
サーバー30は、ユーザーによって記憶部32に支払情報の登録および支払指示の受け付けが完了しているか否かを判断する(ステップS113)。
【0094】
完了していない場合(ステップS113:NO)、サーバー30は、完了するまで待機する。
【0095】
完了している場合(ステップS113:YES)、サーバー30は、記憶部32に記憶されている支払情報と、所定の料金テーブル等に基づいて計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金の支払処理を実行する(ステップS114)。支払処理が完了後、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制しないように制御する(ステップS115)。これにより、車両の駐車エリアからの出場が規制されていない状態となり、ユーザーは車両を駐車エリアから出場させることができる。
【0096】
また、ステップS106の処理において、自動支払いに関する情報が登録されていないと判断された場合(ステップS106:NO)、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制する制御する(ステップS116)。
【0097】
サーバー30は、ユーザーから専用のウェブページへのアクセスがあったか否かを判断する(ステップS117)。
【0098】
アクセスがない場合(ステップS117:NO)、サーバー30は、ユーザーからのアクセスがあるまで待機する。
【0099】
アクセスがあった場合(ステップS117:YES)、サーバー30は、ユーザーから支払手段の選択および支払指示を受け付けるための画面を表示する(ステップS118)。
【0100】
具体的には、サーバー30は、ユーザーが車両を駐車した駐車エリアを識別するための駐車エリア番号(駐車区画番号)の入力を受け付けるための画面を表示して、ユーザーからの入力を受け付ける。また、サーバー30は、ユーザーが使用する支払手段の選択を受け付けるための画面を表示して、ユーザーからの選択を受け付ける。支払手段の選択は、ユーザーが予め支払情報を登録している支払手段の中から受け付けてもよく、新たな支払手段としてユーザーから支払情報の入力を受け付けてもよい。新たな支払手段の支払情報が入力された場合は、サーバー30は、図9のステップS102の処理において取得されている車載器ID、ETCカード番号、車両番号等の情報と、ユーザーによって入力された支払情報とを関連付けて記憶部32のデータベースに登録する。さらに、サーバー30は、選択された支払情報を用いて駐車料金を支払うための指示(支払指示)を、ウェブページに表示される支払ボタンの押下等によって、ユーザーから受け付ける。
【0101】
サーバー30は、ユーザーによる支払手段の選択および支払指示の受け付けが完了しているか否かを判断する(ステップS119)。
【0102】
完了していない場合(ステップS119:NO)、サーバー30は、完了するまで待機する。
【0103】
完了している場合(ステップS119:YES)、サーバー30は、記憶部32に記憶されている支払情報と、所定の料金テーブル等に基づいて計算された駐車料金の金額情報等を用いて、駐車料金の支払処理を実行する(ステップS120)。支払処理が完了後、サーバー30は、車両規制装置130に制御信号を送信して、駐車エリアからの車両の出場を規制しないように制御する(ステップS121)。これにより、車両の駐車エリアからの出場が規制されていない状態となり、ユーザーは車両を駐車エリアから出場させることができる。
【0104】
上記の実施形態によれば、以下のような効果が奏される。
サーバー30は、所定の管理区域の出入口において、車両に設置された車載器の固有情報、車載器に挿入されたETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つを取得する取得部と、管理区域内の駐車エリアへの車両の入場および駐車エリアからの車両の出場を規制可能な車両規制部と、車両が駐車エリアに入場または車両が駐車エリアから出場したことを検知する検知部と、取得部によって取得された車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つと、車両または車両のユーザーに課される代金の負担者によって選択された支払手段に関する情報とを相互に関連付けて登録可能な請求処理部と、取得部によって車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つが取得された場合に、車両に対し管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示する駐車エリア提示部とを有する。
【0105】
従来の技術は、駐車料金を精算する際に、ユーザーが使用した駐車ブースを確認してシステムに入力し、決済処理を実行するものであるが、これでは、駐車料金を精算する度にブース番号を確認してシステムに入力する手間がかかり、ユーザーにとって不便である。また、夜間や悪天候等によってユーザーがブース番号を確認できない場合には、車両を容易に出庫させることができずに問題となる。さらに、ユーザーがブース番号の確認や入力を誤ってしまった場合には、車両を出庫させることができないうえに、誤請求等といったさらなる問題も生じてしまう。本実施形態によれば、車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号のうちの少なくとも一つの情報が取得され、取得される情報に支払手段に関する情報を関連付けて登録しておくことができる。したがって、車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号のうちの少なくとも一つに、支払手段に関する情報を一度関連付けて登録さえしておけば、ユーザーはキャッシュレス決済を行う都度ブース番号を入力する必要がなくなり、駐車料金のキャッシュレス精算を簡易かつ確実に実行することができる。
【0106】
また、本実施形態によれば、サーバー30は、車両に対し管理区域内において車両を駐車させるための特定の駐車エリアを提示することができる。これにより、個々の駐車エリアごとに取得装置110を用意しなくても、たとえば管理区域の出入口に取得装置110を配置して、取得した情報に応じて車両に対して特定の駐車エリアを提示することによって、複数の駐車エリアを有する駐車場の入出場管理およびキャッシュレス精算を簡易かつ確実に実行することができる。
【0107】
また、サーバー30は、駐車エリアに駐車する車両がない場合には駐車エリアへの車両の進入を規制し、車両に対し特定の駐車エリアを提示した場合には、特定の駐車エリアへの車両の進入ができるように規制を解除する。これにより、車両に対して特定の駐車エリアが提示された場合に、当該特定の駐車エリアへの車両の進入が許可されるため、駐車エリアへの車両の入場を適切に管理することができる。
【0108】
また、サーバー30は、特定の駐車エリアへの車両の入場が検知された場合、車両の特定の駐車エリアからの出場を規制する。これにより、車両が特定の駐車エリアに入場した場合に、当該特定の駐車エリアからの車両の出場が規制されるため、駐車エリアからの車両の出場を適切に管理することができる。
【0109】
また、サーバー30は、特定の駐車エリアへの車両の入場が検知された場合、取得された車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つが請求処理部において登録されており、支払手段に関する情報として車両または車両のユーザーに課される代金を出場時に自動的に支払うことが登録されているときは、車両の特定の駐車エリアからの出場を規制しない。これにより、ユーザーは、支払処理を意識的に実行することなく、駐車エリアおよび管理区域から即座に車両を出場させることができる。したがって、急いでいるユーザーを待たせたり、ユーザーに煩雑な操作を実行させたりすることをなくすことができ、駐車場のユーザー利便性を飛躍的に向上させることができる。
【0110】
また、サーバー30は、駐車エリアに入場した車両に対して出場を規制しない場合において、車両が特定の駐車エリアから出場したことが検知されたときは、登録された支払手段により代金を自動的に請求する。これにより、登録された支払手段によって代金が自動的に請求されるため、ユーザーにとっても手間がなく便利であり、駐車場の提供者にとっても請求漏れや誤請求をなくし、適切なユーザーに対して正しく自動的に請求することができるため、安心かつ便利である。
【0111】
また、サーバー30は、定の駐車エリアへの車両の入場が検知された場合において、取得された車載器の固有情報、ETCカードの固有情報、および車両番号の少なくとも一つが請求処理部において登録されており、支払手段に関する情報として車両または車両のユーザーに課される代金を出場時に自動的に支払うことが登録されていないときは、車両の特定の駐車エリアからの出場を規制する。これにより、代金を自動的に支払うことが登録されていない場合は、車両の駐車エリアからの出場を規制することができるため、より適切に駐車場の入出場管理を実行することができる。
【0112】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲内において、種々の変更や改良等が可能である。
【0113】
たとえば、上記の実施形態においては、情報端末20は、ユーザーが所持する端末であるものとして説明した。しかしながら、情報端末20は、駐車場等に設置された共用の端末であってもよい。この場合、ユーザーが情報端末を所持していなくても、必要な情報の登録等の操作を実行することができる。
【0114】
また、上述した実施形態に係るシステムの処理は、上述したフローチャートのステップ以外のステップを含んでもよく、あるいは、上述したステップのうちの一部を含まなくてもよい。また、ステップの順序は、上述した実施形態に限定されない。さらに、各ステップは、他のステップと組み合わされて一つのステップとして実行されてもよく、他のステップに含まれて実行されてもよく、複数のステップに分割されて実行されてもよい。たとえば、図9のフローチャートでは、ステップS101の検知処理が行われてからステップS102の取得処理が行われる例について説明したが、これに限定されず、ステップS102の取得処理が先に行われるようにしてもよい。
【0115】
また、上述した実施形態に係るシステムの各装置における各種処理を行う手段および方法は、専用のハードウエア回路、またはプログラムされたコンピューターのいずれによっても実現することが可能である。上記のプログラムは、たとえば、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、ハードディスク等の記憶部に転送され記憶される。また、上記のプログラムは、単独のアプリケーションソフトとして提供されてもよいし、システムの各装置の一機能としてその装置のソフトウエアに組み込まれてもよい。
【符号の説明】
【0116】
1 システム、
10 場内システム、
110 取得装置、
111 制御部、
112 記憶部、
113 通信部、
114 ETCアンテナ、
115 カメラ、
120 検知装置、
121 制御部、
122 記憶部、
123 通信部、
124 検知部、
130 車両規制装置、
131 制御部、
132 通信部、
133 規制部、
150 提示装置、
151 制御部、
152 記憶部、
153 通信部、
154 出力部、
20 情報端末、
21 制御部、
22 記憶部、
23 通信部、
24 表示部、
25 操作受付部、
30 サーバー、
31 制御部、
311 取得部、
312 検知部、
313 車両規制部、
314 請求処理部、
32 記憶部、
33 通信部、
40 ETC車載器、
41 制御部、
42 記憶部、
43 通信部、
44 カード受付部、
45 出力部、
50 決済システム、
51 制御部、
52 記憶部、
53 通信部。
図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10