(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】関節状態を定量化するための医療映像分析方法、医療映像分析装置、および医療映像分析システム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/00 20240101AFI20240417BHJP
G06T 7/00 20170101ALI20240417BHJP
【FI】
A61B6/00 550D
G06T7/00 612
(21)【出願番号】P 2022508473
(86)(22)【出願日】2021-12-03
(86)【国際出願番号】 KR2021018218
(87)【国際公開番号】W WO2023017919
(87)【国際公開日】2023-02-16
【審査請求日】2022-02-14
(31)【優先権主張番号】10-2021-0105754
(32)【優先日】2021-08-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】522052510
【氏名又は名称】クレスコム カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100149870
【氏名又は名称】芦北 智晴
(74)【代理人】
【識別番号】100207022
【氏名又は名称】小島 弘之
(72)【発明者】
【氏名】リ ジェジュン
【審査官】佐々木 創太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-057804(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2018-0092797(KR,A)
【文献】特開2021-023548(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 - 6/58
A61B 5/055
A61B 8/00 - 8/15
G06T 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療映像を獲得し、医療映像に基づいて関節の形態学的分析を遂行する装置が医療映像を分析する方法において、前記方法は、
対象医療映像を獲得する段階;
前記対象医療映像から対象関節間隔領域を検出する段階;
前記対象医療映像から関節部位の幅
の値である第1値を獲得する段階;
前記対象関節間隔領域から関節間隔に関連した第2値を獲得する段階;および
前記第1値および前記第2値に基づいて、
前記第1値に対する前記第2値の比率で定義される関節の状態を示す対象関節状態指標を算出する段階;を含む、医療映像分析方法。
【請求項2】
前記対象関節間隔領域を検出する段階は、
前記対象医療映像から関心領域を検出する段階;および
前記関心領域に対するセグメンテーションを遂行して前記関心領域に含まれた前記対象関節間隔領域を獲得する段階;を含む、請求項1に記載の医療映像分析方法。
【請求項3】
前記関心領域は、医療映像を受信して関節部位を含んだ領域を出力するように学習された第1ニューラルネットワークモデルを利用して獲得される、請求項2に記載の医療映像分析方法。
【請求項4】
前記セグメンテーションは、関心領域を含む医療映像を受信して関節間隔領域を出力するように学習された第2ニューラルネットワークモデルを利用して遂行される、請求項3に記載の医療映像分析方法。
【請求項5】
前記第1値を獲得する段階は、
前記対象医療映像から骨領域と骨の外側領域との間の境界に隣接した第1地点および第2地点を検出する段階;
前記第1地点の第1座標情報および前記第2地点の第2座標情報を獲得する段階;および
前記第1座標情報および前記第2座標情報に基づいて前記第1値を計算する段階;を含む、請求項1に記載の医療映像分析方法。
【請求項6】
前記第1地点および前記第2地点は、
前記対象医療映像に含まれた前記骨領域の明るさと前記骨の外側領域の明るさの差に基づいて獲得される、請求項5に記載の医療映像分析方法。
【請求項7】
前記第1地点および前記第2地点は、
前記骨領域および前記骨の外側領域を含む医療映像を受信して前記第1地点に対応する第1領域および前記第2地点に対応する第2領域を出力するように学習されたニューラルネットワークモデルを通じて獲得される、請求項5に記載の医療映像分析方法。
【請求項8】
前記第2値を獲得する段階は、
前記
対象関節間隔領域の中で関心区間を獲得する段階;
前記関心区間内での複数の関節間隔値を獲得する段階;および
前記複数の関節間隔値に基づいて前記第2値を獲得する段階;を含む、請求項1に記載の医療映像分析方法。
【請求項9】
前記第2値は、
前記複数の関節間隔値のうち最小値であるか前記複数の関節間隔値の平均値である、請求項8に記載の医療映像分析方法。
【請求項10】
コンピュータに請求項1~請求項
9のいずれか一項に記載された方法を実行させるためのプログラムを記録した、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【請求項11】
医療映像を分析して関節の状態に関連した情報を演算する医療映像分析装置において、前記医療映像分析装置は、
対象医療映像を獲得する映像獲得部;および
前記対象医療映像に基づいて関節状態情報を提供するコントローラ;を含むものの、
前記コントローラは、
対象医療映像を獲得し、前記対象医療映像から対象関節間隔領域を検出し、前記対象医療映像から関節部位の幅
の値である第1値を獲得し、前記対象関節間隔領域から関節間隔に関連した第2値を獲得し、前記第1値および前記第2値に基づいて、
前記第1値に対する前記第2値の比率で定義される関節の状態を示す対象関節状態指標を算出するように構成された、医療映像分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は医療映像分析方法、医療映像分析装置、および医療映像分析システムに関する。具体的には、本出願は関節状態を定量化した関節状態情報を演算する医療映像分析方法、医療映像分析装置、および医療映像分析システムに関する。
【背景技術】
【0002】
イメージセグメンテーション技術の向上によって医療映像をセグメンテーションして各種疾患に関連した診断補助指標などを算出することが可能となったことにより、最近医療映像分析分野が注目を浴びている。特に、関節状態情報を提供するために医療映像分析技術が多方面で研究されている。
【0003】
関節状態を分析するにあたって、最も重要な要素の一つは関節間隔であり、関節間隔の減少はリウマチ関節炎、退行性関節炎、軟骨の摩耗状態、身体の多様な部位の関節状態などと重要な連関関係があるものと知られている。特に、多くの研究で関節間隔の数値は関節の痛みとも非常に連関性があることが証明されている。
【0004】
しかし、従来は関節間隔の絶対的な数値に基づいて関節の状態を推定した。ただし、関節間隔の絶対的な数値は性別、人種、体形などの外部要因によって有意義に変わり得る。また、関節間隔の絶対的数値は映像を撮影する撮影機器システムとプログラムによって誤差が発生する可能性がある。この場合、ミリメートルスケールの誤差が発生しても数値の変化が大きいため、正常対比関節間隔の減少率を把握して他の患者との比較や予後を追跡観察するにおいて不正確な結果を招き得る。換言すると、関節間隔の絶対的な数値に基づいて関節状態を把握するのには限界が存在するのが実情である。したがって、外部要因の影響を最小化し、かつ客観的な関節状態情報を獲得できる医療映像分析方法、装置およびシステムの開発が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする一課題は、関節状態情報を演算する医療映像分析方法、医療映像分析装置、および医療映像分析システムを提供することである。
【0006】
本発明が解決しようとする課題は前述した課題に制限されるものではなく、言及されていない課題は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本出願の一実施例に係る医療映像分析方法は、対象医療映像を獲得する段階;前記対象医療映像から対象関節間隔領域を検出する段階;前記対象医療映像から関節部位の幅に関連した第1値を獲得する段階;前記対象関節間隔領域から関節間隔に関連した第2値を獲得する段階;および前記第1値および前記第2値に基づいて、関節の状態を示す対象関節状態指標を算出する段階;を含むことができる。
【0008】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置は、対象医療映像を獲得する映像獲得部;および前記対象医療映像に基づいて関節状態情報を提供するコントローラ;を含むものの、前記コントローラは、対象医療映像を獲得し、前記対象医療映像から対象関節間隔領域を検出し、前記対象医療映像から関節部位の幅に関連した第1値を獲得し、前記対象関節間隔領域から関節間隔に関連した第2値を獲得し、前記第1値および前記第2値に基づいて、関節の状態を示す対象関節状態指標を算出するように構成され得る。
【0009】
本発明の課題の解決手段は前述した解決手段に制限されるものではなく、言及されていない解決手段は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【発明の効果】
【0010】
本出願の実施例に係る医療映像分析方法、装置およびシステムによると、体形、人種、性別などの外部要因の影響を最小化するため客観的な関節状態情報が獲得され得る。
【0011】
本発明の効果は前述した効果に制限されるものではなく、言及されていない効果は本明細書および添付された図面から本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明確に理解され得るであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本出願の一実施例に係る医療映像分析システムの概略図である。
【
図2】本出願の一実施例に係る医療映像分析装置の動作を示した図面である。
【
図3】本出願の一実施例に係る医療映像を分析する方法を示したフローチャートである。
【
図4】本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を検出する段階を具体化したフローチャートである。
【
図5】本出願の一実施例に係る関心領域と対象関節間隔領域を検出する一様相を図示した図面である。
【
図6】本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる方法を図示したフローチャートである。
【
図7】本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる一様相を図示した図面である。
【
図8】本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を検出する段階を具体化したフローチャートである。
【
図9】本出願の一実施例に係る学習されたニューラルネットワークモデルを利用して対象関節間隔領域を獲得する一様相を図示した概略図である。
【
図10】本出願の一実施例に係る関節部位の幅に関連した第1値を獲得する段階を具体化したフローチャートである。
【
図11】本出願の一実施例に係る第1値を獲得する一様相を図示した図面である。
【
図12】本出願の一実施例に係る関節間隔に関連した第2値を獲得する段階を具体化したフローチャートである。
【
図13】本出願の一実施例に係る第2値を獲得する一様相を図示した図面である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本出願の一実施例に係る医療映像分析方法は、対象医療映像を獲得する段階;前記対象医療映像から対象関節間隔領域を検出する段階;前記対象医療映像から関節部位の幅に関連した第1値を獲得する段階;前記対象関節間隔領域から関節間隔に関連した第2値を獲得する段階;および前記第1値および前記第2値に基づいて、関節の状態を示す対象関節状態指標を算出する段階;を含むことができる。
【0014】
本出願の一実施例によると、前記対象関節間隔領域を検出する段階は、前記対象医療映像から関心領域を検出する段階;および前記関心領域に対するセグメンテーションを遂行して前記関心領域に含まれた前記対象関節間隔領域を獲得する段階;を含むことができる。
【0015】
本出願の一実施例によると、前記関心領域は、医療映像を受信して関節部位を含んだ領域を出力するように学習された第1ニューラルネットワークモデルを利用して獲得され得る。
【0016】
本出願の一実施例によると、前記セグメンテーションは、関心領域を含む医療映像を受信して関節間隔領域を出力するように学習された第2ニューラルネットワークモデルを利用して遂行され得る。
【0017】
本出願の一実施例によると、前記第1値を獲得する段階は、前記対象医療映像から骨領域と骨の外側領域との間の境界に隣接した第1地点および第2地点を検出する段階;前記第1地点の第1座標情報および前記第2地点の第2座標情報を獲得する段階;および前記第1座標情報および前記第2座標情報に基づいて前記第1値を計算する段階;を含むことができる。
【0018】
本出願の一実施例によると、前記第1地点および前記第2地点は、前記対象医療映像に含まれた前記骨領域の明るさと前記骨の外側領域の明るさの差に基づいて獲得され得る。
【0019】
本出願の一実施例によると、前記第1地点および前記第2地点は、前記骨領域および前記骨の外側領域を含む医療映像を受信して前記第1地点に対応する第1領域および前記第2地点に対応する第2領域を出力するように学習されたニューラルネットワークモデルを通じて獲得され得る。
【0020】
本出願の一実施例によると、前記第2値を獲得する段階は、前記関節間隔領域の中で関心区間を獲得する段階;前記関心区間内での複数の関節間隔値を獲得する段階;および前記複数の関節間隔値に基づいて前記第2値を獲得する段階;を含むことができる。
【0021】
本出願の一実施例によると、前記第2値は、前記複数の関節間隔値のうち最小値であるか前記複数の関節間隔値の平均値であり得る。
【0022】
本出願の一実施例によると、前記対象関節状態指標は、前記第1値に対する前記第2値の比率と定義され得る。
【0023】
本出願の一実施例によると、前記医療映像分析方法を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供され得る。
【0024】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置は、対象医療映像を獲得する映像獲得部;および前記対象医療映像に基づいて関節状態情報を提供するコントローラ;を含むものの、前記コントローラは、対象医療映像を獲得し、前記対象医療映像から対象関節間隔領域を検出し、前記対象医療映像から関節部位の幅に関連した第1値を獲得し、前記対象関節間隔領域から関節間隔に関連した第2値を獲得し、前記第1値および前記第2値に基づいて、関節の状態を示す対象関節状態指標を算出するように構成され得る。
【0025】
本出願の前述した目的、特徴および長所は添付された図面と関連した下記の詳細な説明を通じてより明らかになるであろう。ただし、本出願は多様な変更を加えることができ、多様な実施例を有することができるところ、以下では特定の実施例を図面に例示してこれを詳細に説明しようとする。
【0026】
明細書全体に亘って同一の参照番号は原則として同一の構成要素を表す。また、各実施例の図面に示される同一思想の範囲内の機能が同一の構成要素は同一の参照符号を使って説明し、これに対する重複する説明は省略することにする。
【0027】
本出願に関連した公知の機能あるいは構成に対する具体的な説明が本出願の要旨を不要に曖昧にさせ得る恐れがあると判断される場合、その詳細な説明を省略する。また、本明細書の説明過程で利用される数字(例えば、第1、第2等)は一つの構成要素を他の構成要素と区分するための識別記号に過ぎない。
【0028】
また、以下の実施例で使われる構成要素に対する接尾辞「モジュール」および「部」は、明細書作成の容易さのみが考慮されて付与されたり混用されたりするものであり、それ自体で互いに区別される意味または役割を有するものではない。
【0029】
以下の実施例において、単数の表現は文脈上明白に異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。
【0030】
以下の実施例において、「含む」または「有する」などの用語は明細書上に記載された特徴、または構成要素が存在することを意味するものであり、一つ以上の他の特徴または構成要素が付加される可能性を予め排除するものではない。
【0031】
図面では、説明の便宜上、構成要素がその大きさが誇張または縮小され得る。例えば、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したものであり、本発明は必ずしも図示されたところに限定されない。
【0032】
ある実施例が異なって具現可能な場合、特定のプロセスの順序は説明される順序と異なって遂行されてもよい。例えば、連続して説明される二つのプロセスが実質的に同時に遂行されてもよく、説明される順序と反対の順序で進行されてもよい。
【0033】
以下の実施例において、構成要素などが連結されたとする時、構成要素が直接的に連結された場合だけでなく構成要素の中間に構成要素が介在されて間接的に連結された場合も含む。
【0034】
例えば、本明細書で構成要素などが電気的に連結されたとする時、構成要素などが直接電気的に連結された場合だけでなく、その中間に構成要素などが介在されて間接的に電気的連結された場合も含む。
【0035】
以下では、
図1~
図13を参照して本出願の医療映像分析方法、医療映像分析装置および医療映像分析システムに関して説明する。
【0036】
図1は、本出願の一実施例に係る医療映像分析システム10の概略図である。
【0037】
本出願の一実施例に係る医療映像分析システム10は医療映像獲得装置100および医療映像分析装置1000を含むことができる。
【0038】
医療映像獲得装置100は医療映像を撮影することができる。例えば、医療映像獲得装置100は、磁気共鳴映像装置(magnetic resonance imaging)、コンピュータ断層撮影装置(computerized tomography equipment)、X線装置(X-ray equipment)等を含んで任意の形態の医療映像を獲得する装置を包括する意味であり得る。医療映像獲得装置100により獲得された医療映像は2次元形態の映像であり得る。この時、医療映像はピクセルの座標、色相、強度等に関連したピクセル情報を含むことができる。医療映像獲得装置100により獲得された医療映像は3次元形態の映像であり得る。この時、医療映像はボクセルの座標、色相、強度に関連したピクセル情報を含むことができる。
【0039】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は医療映像を分析して関節状態情報を獲得することができる。より具体的には、医療映像分析装置1000は医療映像から関節領域を検出し、関節領域に基づいて関節状態に関連した情報を定量化することができる。ここで、関節領域とは、関節間領域(あるいは関節間隔領域)、関節間領域に隣接した骨領域などを含む意味であり得る。
【0040】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は、送受信部1100、メモリ1200およびコントローラ1300を含むことができる。
【0041】
医療映像分析装置1000の送受信部1100は医療映像獲得装置100を含んだ任意の外部機器と通信を遂行できる。例えば、医療映像分析装置1000は、送受信部1100を通じて、医療映像獲得装置100が撮影した医療映像を受信することができる。また、医療映像分析装置1000は、送受信部1100を通じて、獲得した関節状態情報を医療映像獲得装置100を含んだ任意の外部機器に送信することができる。
【0042】
医療映像分析装置1000は、送受信部を通じてネットワークに接続して各種データを送受信することができる。送受信部は大きく有線タイプと無線タイプを含むことができる。有線タイプと無線タイプはそれぞれ長所と短所を有するので、場合により医療映像分析装置1000には有線タイプと無線タイプが同時に設けられてもよい。ここで、無線タイプの場合には主にワイファイ(Wi-Fi)のようなWLAN(Wireless Local Area Network)系列の通信方式を利用することができる。または無線タイプの場合にはセルラー通信、例えば、LTE、5G系列の通信方式を利用することができる。ただし、無線通信プロトコルは前述した例示に制限されるものではなく、任意の適切な無線タイプの通信方式を利用することも可能である。有線タイプの場合にはLAN(Local Area Network)やUSB(Universal Serial Bus)通信が代表的な例であり、その他の方式も可能である。
【0043】
医療映像分析装置1000のメモリ1200は各種情報を保存することができる。メモリ1200には各種データが一時的にまたは半永久的に保存され得る。メモリ1200の例としては、ハードディスク(HDD:Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ(flash memory)、ロム(ROM:Read-Only Memory)、ラム(RAM:Random Access Memory)等があり得る。メモリ1200は医療映像分析装置1000に内蔵される形態や着脱可能な形態で提供され得る。メモリ1200には医療映像分析装置1000を駆動するための運用プログラム(OS:Operating System)や医療映像分析装置1000の各構成を動作させるためのプログラムをはじめとして、医療映像分析装置1000の動作に必要な各種データが保存され得る。
【0044】
コントローラ1300は医療映像分析装置1000の全般的な動作を制御することができる。例えば、コントローラ1300は対象医療映像から関心領域や対象関節間隔領域を検出する動作、関節部位の幅を定量化する動作、関節間隔を定量化する動作および関節状態情報を算出する動作などの医療映像分析装置1000の全般的な動作を制御することができる。具体的には、コントローラ1300はメモリ1200から医療映像分析装置1000の全般的な動作のためのプログラムをローディングして実行することができる。プロセッサはハードウェアやソフトウェアまたはこれらの組み合わせによりAP(Application Processor)、CPU(Central Processing Unit)、MCU(Microcontroller Unit)やこれに類似する装置で具現され得る。この時、ハードウェア的には電気的信号を処理して制御機能を遂行する電子回路の形態で提供され得、ソフトウェア的にはハードウェア的回路を駆動させるプログラムやコードの形態で提供され得る。
【0045】
一方、
図1に図示してはいないが、医療映像分析装置1000は任意の適切な入力部および/または出力部を含むことができる。具体的には、医療映像分析装置1000は入力部を通じて、医療映像の分析に必要な使用者の入力を受信することができる。例えば、医療映像分析装置1000は入力部を通じて、医療映像に含まれた複数の領域それぞれにラベル情報を割り当てる使用者の入力を獲得することができる。他の例として、医療映像分析装置1000は入力部を通じて、関節間隔値を獲得するための関節間隔領域の関心区間を設定する使用者の入力を獲得することができる。
【0046】
また、医療映像分析装置1000は出力部を通じて、後述する対象関節状態指標および/または対象関節状態指標と基準関節状態指標を比較した結果を出力することができる。
【0047】
以下では、
図2~
図13を参照して本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000の動作を具体的に叙述する。
【0048】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は医療映像から関節間隔領域を検出することができる。また、医療映像分析装置1000は関節間隔領域に基づいて関節状態情報を算出することができる。
【0049】
図2は、本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000の動作を示した図面である。
【0050】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は映像獲得部を含むことができる。具体的には、医療映像分析装置1000の映像獲得部は医療映像獲得装置100から獲得された対象医療映像を獲得することができる。例えば、映像獲得部は送受信部1100を通じて、医療映像獲得装置100を含んだ任意の外部装置から対象医療映像を獲得することができる。
【0051】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は関心領域検出部を含むことができる。
【0052】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000の関心領域検出部は対象医療映像に含まれた関心領域を検出することができる。例えば、関心領域検出部は対象医療映像から関節領域を含む関心領域を検出することができる。ここで、関節領域は前述した通り、関節間隔領域および/または関節間隔領域に隣接した骨領域を含むことができる。
【0053】
具体的には、関心領域検出部は人工知能技法を活用して関心領域を検出することができる。関心領域を検出する動作については
図4および
図5に関連して具体的に叙述する。ただし、対象医療映像から関心領域を検出する動作は省略され得る。例えば、対象医療映像から後述する関節間隔領域をすぐに検出可能な場合、関心領域検出部の関心領域を検出する動作は省略され得る。
【0054】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は関節間隔領域検出部を含むことができる。本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000の関節間隔領域検出部は対象医療映像から対象関節間隔領域を検出することができる。一例として、関節間隔領域検出部は対象医療映像に含まれた関節領域を含む関心領域から対象関節間隔領域を検出することができる。ここで、対象関節間隔領域とは、対象医療映像に含まれた任意の関節間の間領域を意味し得る。一実施例によると、関節間隔領域検出部は人工知能技法を活用して対象関節間隔領域を獲得することができる。例えば、関節間隔領域検出部は医療映像に関節間領域(あるいは関節間隔領域)を割り当てた(あるいはラベリングした)学習セットに基づいて学習されたニューラルネットワークモデルを利用して、対象関節間隔領域を獲得することができる。対象関節間隔領域を獲得する内容については
図4~
図9に関連して具体的に叙述する。
【0055】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は関節状態定量化分析部を含むことができる。この時、関節状態定量化分析部は関節幅分析部と関節間隔分析部を含むことができる。本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000の関節状態定量化分析部は関節領域および/または対象関節間隔領域に基づいて関節状態情報を演算することができる。
【0056】
医療映像分析装置1000の関節幅分析部は、対象医療映像に含まれた関節領域に基づいて関節部位の幅を定量化する動作を遂行できる。例えば、医療映像分析装置1000の関節幅分析部は、任意のイメージ処理技法あるいは人工知能技法を活用して関節部位の外側地点を検出し、外側地点の座標情報に基づいて関節部位の幅に関連した定量情報を算出することができる。関節部位の幅を定量化する内容については
図10および
図11で具体的に叙述する。
【0057】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000の関節間隔分析部は、対象関節間隔領域に基づいて関節間隔を定量化する動作を遂行できる。例えば、医療映像分析装置1000の関節間隔分析部は対象関節間隔領域に関連した関心区間を獲得し、関心区間内での少なくとも一つの関節間隔値を獲得することができる。また、医療映像分析装置1000の関節間隔分析部は、少なくとも一つの関節間隔値に基づいて関節間隔に関連した定量情報を演算することができる。関節間隔を定量化する内容については
図12および
図13で具体的に叙述する。
【0058】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は、関節部位の幅に関連した定量情報および関節間隔に関連した定量情報に基づいて関節状態情報を算出することができる。例えば、医療映像分析装置1000の関節状態定量化分析部は、関節部位の幅に関連した定量情報および関節間隔に関連した定量情報に基づいて関節状態を示す関節状態指標を算出することができる。
【0059】
図3を参照する。
図3は、本出願の一実施例に係る医療映像を分析する方法を示したフローチャートである。
【0060】
本出願の一実施例に係る医療映像分析方法は対象医療映像を獲得する段階(S1100)、対象関節間隔領域を検出する段階(S1200)、関節部位の幅に関連した第1値を獲得する段階(S1300)、関節間隔に関連した第2値を獲得する段階(S1400)、および関節の状態を示す対象関節状態指標を算出する段階(S1500)を含むことができる。
【0061】
対象医療映像を獲得する段階(S1100)では、医療映像分析装置1000は分析対象である対象医療映像を獲得することができる。例えば、医療映像分析装置1000は、送受信部1100を通じて、医療映像獲得装置100あるいはデータベースを含んだ任意の外部装置から対象医療映像を獲得することができる。
【0062】
対象関節間隔領域を検出する段階(S1200)では、医療映像分析装置1000は対象医療映像から対象関節間隔領域を検出することができる。一例として、医療映像分析装置1000は対象医療映像から、対象医療映像に含まれた関節部位を含む領域を関心領域として獲得し、関心領域を精密に分析して対象関節間隔領域を獲得するように具現され得る。他の例として、医療映像分析装置1000は、対象医療映像から、対象医療映像に含まれた対象関節間隔領域を獲得するように具現され得る。
【0063】
以下では、対象医療映像から関心領域を獲得し、関心領域を精密に分析して対象関節間隔領域を獲得する実施例を中心に叙述するが、これは例示に過ぎないため、これに制限的に解釈されない。
【0064】
図4および
図5を参照する。
図4は、本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を検出する段階を具体化したフローチャートである。
図5は、本出願の一実施例に係る関心領域と対象関節間隔領域を検出する一様相を図示した図面である。
【0065】
対象関節間隔領域を獲得する段階(S1200)は、対象医療映像から関心領域を検出する段階(S1210)および関心領域に含まれた対象関節間隔領域を獲得する段階(S1220)を含むことができる。
【0066】
対象医療映像から関心領域を検出する段階(S1210)では、医療映像分析装置1000は対象医療映像から関節部位を含んだ領域を関心領域で検出するように具現され得る。一例として、医療映像分析装置1000は任意の適切な人工知能技法を活用して関節部位を含んだ領域を関心領域として獲得することができる。具体的には、医療映像分析装置1000は、対象医療映像を受信して関節部位を含んだ領域を関心領域として出力するように学習された第1ニューラルネットワークモデルを利用して関心領域ROIを検出するように具現され得る。
【0067】
ここで、第1ニューラルネットワークモデルは、医療映像と、医療映像に関節部位領域であることを割り当てたラベル情報とに基づいて学習され得る。この時、ラベル情報は任意のソフトウェアを利用して自動で医療映像に割り当てられ得るか、任意の施術者によって手動的に医療映像に割り当てられ得る。より具体的には、第1ニューラルネットワークモデルは医療映像を受信し、出力値と関節部位領域に関連したラベル情報との間の差が最小化されるように学習され得る。一方、第1ニューラルネットワークモデルはディープラーニング系列の人工ニューラルネットワークモデルであり得る。人工ニューラルネットワークの細部的な例示としては、畳み込み人工ニューラルネットワーク(Convolution Neural Network)、循環ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)、深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network)、敵対的生成ニューラルネットワーク(Generative Adversarial Network)等があり得る。ただし、これは例示に過ぎず、前述した人工ニューラルネットワーク、その他の多様な形態の人工ニューラルネットワークおよびこれらが組み合わせられた形態の人工ニューラルネットワークをすべて含む包括的な意味で解釈されるべきであり、必ずしもディープラーニング系列でなければならないものではない。
【0068】
関心領域に含まれた対象関節間隔領域を獲得する段階(S1220)では、医療映像分析装置1000は対象医療映像から対象関節間隔領域を検出することができる。具体的には、医療映像分析装置1000は対象医療映像の関心領域に対してセグメンテーションを遂行して、関節間領域を含む対象関節間隔領域を獲得することができる。一例として、関心領域に対するセグメンテーションは任意の適切な人工知能技法を活用して遂行され得る。
【0069】
再び
図5を参照すると、医療映像分析装置1000は、関心領域を含む対象医療映像を受信し関節間領域を出力するように学習された第2ニューラルネットワークモデルを活用して対象関節間隔領域を検出するように具現され得る。
【0070】
一例によると、対象関節間隔領域を獲得するためのモデルとしてニューラルネットワークモデルを利用することができる。ニューラルネットワークモデルは機械学習モデルとして提供され得る。機械学習モデルの代表的な例としては、人工ニューラルネットワーク(Artificial Neural Network)があり得る。具体的には、人工ニューラルネットワークの代表的な例としてはデータの入力を受ける入力レイヤ、結果を出力する出力レイヤ、および入力レイヤと出力レイヤとの間でデータを処理する隠れレイヤ(hidden layer)を含むディープラーニング系列の人工ニューラルネットワークがある。人工ニューラルネットワークの細部的な例示としては、畳み込み人工ニューラルネットワーク(Convolution Neural Network)、循環ニューラルネットワーク(Recurrent Neural Network)、深層ニューラルネットワーク(Deep Neural Network)、敵対的生成ニューラルネットワーク(Generative Adversarial Network)等があり、本明細書で人工ニューラルネットワークは、前述された人工ニューラルネットワーク、その他の多様な形態の人工ニューラルネットワークおよびこれらが組み合わせられた形態の人工ニューラルネットワークをすべて含む包括的な意味で解釈されるべきであり、必ずしもディープラーニング系列でなければならないものではない。
【0071】
それだけでなく、機械学習モデルも必ずしも人工ニューラルネットワークモデル形態でなければならないものではなく、その他にも最近傍アルゴリズム(KNN)、ランダムフォレスト(RandomForest)、サポートベクターマシン(SVM)、主成分分析法(PCA)等が含まれ得る。あるいは以上で言及された技法がアンサンブルされた形態やその他に多様な方式で組み合わせられた形態までもすべて含むことができる。一方、人工ニューラルネットワークを中心に言及される実施例で特別な言及がない限り、人工ニューラルネットワークは他の機械学習モデルで代替され得ることを予め明らかにする。
【0072】
ひいては、本明細書で対象関節間隔領域を獲得するアルゴリズムも必ずしも機械学習モデルに限定されるものではない。すなわち、対象関節間隔領域を獲得するアルゴリズムは機械学習モデルではない多様な判断/決定アルゴリズムが含まれてもよい。したがって、本明細書で対象関節間隔領域を獲得するアルゴリズムは、医療映像に基づいて関節間隔領域を演算するすべての形態のアルゴリズムをすべて含む包括的な意味で理解されるべきであることを明らかにしておく。ただし、以下では説明の便宜のために人工ニューラルネットワークモデルを中心に説明することにする。
【0073】
以下では、
図6~
図9を参照して本出願の一実施例に係るニューラルネットワークモデルを利用して対象関節間隔領域を獲得する内容について説明する。具体的には、
図6~
図7を参照して本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる内容を説明する。また、
図8~
図9を参照して、学習されたニューラルネットワークモデルを利用して対象関節間隔領域を獲得する内容を説明する。
【0074】
図6を参照する。
図6は、本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる方法を図示したフローチャートである。対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる方法は、医療映像分析装置1000で遂行され得る。ただし、対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる方法は、医療映像分析装置1000とは別途の外部装置で遂行されてもよい。以下では、医療映像分析装置1000で対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルの学習が遂行されるものとして叙述する。ただし、これは例示に過ぎず、これに制限的に解釈されない。
【0075】
本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる方法は、医療映像データベースを獲得する段階(S2100)、学習セットを準備する段階(S2200)、ニューラルネットワークを学習させる段階(S2300)および学習されたニューラルネットワークモデルを獲得する段階(S2400)を含むことができる。
【0076】
医療映像データベースを獲得する段階(S2100)では、医療映像分析装置1000は医療映像獲得装置100または任意のデータベースを含む外部装置から複数の医療映像を含む医療映像データベースを獲得することができる。
【0077】
学習セットを準備する段階(S2200)では、医療映像分析装置1000は医療映像に含まれた関節間領域にラベル情報を割り当てて準備された学習セットを獲得することができる。関節間領域にラベル情報を割り当てる動作は、前述と類似するように、任意の適切なソフトウェアを利用して遂行されるか、任意の施術者によって手動で遂行され得る。
【0078】
ニューラルネットワークを学習する段階(S2300)では、医療映像分析装置1000は医療映像および学習セットに基づいてニューラルネットワークモデルを学習させることができる。
【0079】
図7を参照する。
図7は、本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる一様相を図示した図面である。
【0080】
ニューラルネットワークモデルは入力レイヤ、出力レイヤおよび隠れレイヤを含むことができる。入力レイヤは医療映像を受信でき、出力レイヤは関節間領域に関連した出力値を出力することができる。隠れレイヤは入力レイヤと出力レイヤを連結する複数のノードを有することができる。
【0081】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は、医療映像に基づいて関節間領域を表す関節間隔領域情報を出力するようにニューラルネットワークを学習させることができる。具体的には、医療映像分析装置1000は入力レイヤに医療映像を入力し、出力レイヤを通じて関節間領域に関連した出力値を獲得することができる。また、医療映像分析装置1000は学習セットに含まれた関節間隔領域に関連したラベル情報と出力値の差に基づいて隠れレイヤに含まれたノードの加重値(あるいはパラメータ)を調節することができる。例えば、医療映像分析装置1000は医療映像データベースから獲得した第1医療映像を入力レイヤに入力し、出力レイヤを通じて出力される出力値と第1医療映像の関節間隔領域に割り当てられた第1ラベル情報の差に基づいて隠れレイヤに含まれたノードの加重値(あるいはパラメータ)を更新することができる。また、医療映像分析装置1000は医療映像データベースから獲得した第N医療映像を入力レイヤに入力し、出力レイヤを通じて出力される出力値と第N医療映像の関節間隔領域に割り当てられた第Nラベル情報の差に基づいて隠れレイヤに含まれたノードの加重値(あるいはパラメータ)を繰り返し更新することができる。
【0082】
具体的には、医療映像分析装置1000は関節間隔領域に関連したラベル情報と出力値の差が最小化されるように、隠れレイヤに含まれたノードの加重値(あるいはパラメータ)を繰り返し調節することによってニューラルネットワークモデルを学習させることができる。
【0083】
再び
図6を参照すると、本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルを学習させる方法は、学習された第2ニューラルネットワークモデルを獲得する段階(S2400)を含むことができる。学習された第2ニューラルネットワークモデルを獲得する段階(S2400)では、医療映像分析装置1000は出力レイヤを通じて出力される出力値とラベル情報が最小化されるように学習された隠れレイヤに含まれたノードの加重値あるいはパラメータを獲得することができる。あるいは学習された第2ニューラルネットワークモデルを獲得する段階(S1400)では、医療映像分析装置1000は前述した加重値あるいはパラメータを有するノードを含む隠れレイヤを含む第2ニューラルネットワークモデルを獲得することができる。
【0084】
一方、
図6に図示してはいないが、本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を獲得するためのニューラルネットワークモデルはニューラルネットワークを検証する段階をさらに含むことができる。例えば、医療映像分析装置1000は学習セットの少なくとも一部に基づいてニューラルネットワークモデルを検証することができる。具体的には、医療映像分析装置1000は学習セットに含まれた医療映像のうち少なくとも一部をニューラルネットワークモデルの入力レイヤに入力し、出力レイヤを通じて出力される出力値を獲得することができる。また、医療映像分析装置1000は出力値と学習セットに含まれた医療映像に関連したラベル情報との類似度を比較することによって、ニューラルネットワークモデルの隠れレイヤに含まれたノードの加重値(あるいはパラメータ)が適切であるかどうかを検証することができる。
【0085】
一方、対象医療映像は複数個の関節領域を含むことができる。例えば、手骨映像は複数個の関節領域を含んでいてもよい。この時、本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は関節領域別にニューラルネットワークモデルを学習させ、関節領域別に学習された少なくとも一つのニューラルネットワークモデルを利用して関節間隔領域を検出するように具現され得る。例えば、第1関節領域に対しては学習された第1関節検出ニューラルネットワークモデルを利用して第1関節領域に含まれた関節間隔領域を検出し、第2関節領域に対しては学習された第2関節検出ニューラルネットワークモデルを利用して第2関節領域に含まれた関節間隔領域を検出するように医療映像分析装置1000が構成され得る。ただし、これは例示に過ぎず、関節間領域の形態が類似する場合には単一ニューラルネットワークモデルを利用してもよいであろう。
【0086】
図8を参照する。
図8は、本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を検出する段階を具体化したフローチャートである。
【0087】
本出願の一実施例に係る対象関節間隔領域を検出する段階(S1200)は、学習された第2ニューラルネットワークモデルを獲得する段階(S3100)および学習された第2ニューラルネットワークモデルを利用して対象関節間隔領域を獲得する段階(S3200)を含むことができる。
【0088】
学習された第2ニューラルネットワークモデルを獲得する段階(S3100)では、医療映像分析装置1000は学習された第2ニューラルネットワークモデルを獲得することができる。例えば、第2ニューラルネットワークモデルのノードの加重値あるいはパラメータを獲得することができる。他の例として、医療映像分析装置1000は学習を通じて獲得した加重値あるいはパラメータを有するノードを含む隠れレイヤを含むニューラルネットワークを獲得することができる。
【0089】
学習された第2ニューラルネットワークモデルを利用して対象関節間隔領域を獲得する段階(S3200)では、本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は学習された第2ニューラルネットワークモデルおよび対象医療映像に基づいて対象関節間隔領域を獲得することができる。
【0090】
図9を参照する。
図9は、本出願の一実施例に係る学習されたニューラルネットワークモデルを利用して対象関節間隔領域を獲得する一様相を図示した概略図である。
【0091】
医療映像分析装置1000は学習された第2ニューラルネットワークモデルの入力レイヤに対象医療映像(あるいは関心領域が含まれた対象医療映像)を入力し、出力レイヤを通じて対象関節間隔領域に関連した情報を獲得することができる。学習された第2ニューラルネットワークモデルは医療映像に基づいて関節間隔領域情報を出力するように学習されたので、医療映像分析装置1000は学習された第2ニューラルネットワークモデルおよび対象医療映像に基づいて、対象医療映像(あるいは関心領域が含まれた医療映像)に含まれた対象関節間隔領域を獲得することができる。
【0092】
再び
図3を参照すると、本出願の一実施例に係る医療映像分析方法は関節部位の幅に関連した第1値を獲得する段階(S1300)を含むことができる。
【0093】
図10および
図11を参照する。
図10は、本出願の一実施例に係る関節部位の幅に関連した第1値を獲得する段階(S1300)を具体化したフローチャートである。
図11は、本出願の一実施例に係る第1値を獲得する一様相を図示した図面である。
【0094】
本出願の一実施例に係る関節部位の幅に関連した第1値を獲得する段階(S1300)は、対象医療映像から骨領域と骨の外側領域との間の境界に隣接した第1地点および第2地点を検出する段階(S1310)、第1地点の第1座標情報および第2地点の第2座標情報を獲得する段階(S1320)および第1座標情報および第2座標情報に基づいて第1値を計算する段階(S1330)を含むことができる。
【0095】
対象関節間隔領域から骨領域と骨の外側領域との間の境界に隣接した第1地点および第2地点を検出する段階(S1310)では、医療映像分析装置1000は対象医療映像に含まれた関節間領域と隣接した骨領域と骨の外側領域を検出することができる。具体的には、医療映像分析装置1000は対象医療映像(あるいは関心領域を含む医療映像)から関節に隣接した骨領域R1と骨の外側領域R2との間の境界に隣接した第1地点P1および第2地点P2を検出することができる。
【0096】
一例として、医療映像分析装置1000は任意のイメージ処理技法を利用して第1地点P1および第2地点P2を検出することができる。例えば、医療映像分析装置1000は対象医療映像を任意のイメージ処理技法を利用してプロセッシングし、プロセッシングされた対象医療映像の明るさに基づいて第1地点P1および第2地点P2を検出することができる。具体的には、医療映像分析装置1000は骨領域R1の第1明るさと骨の外側領域R2の第2明るさの差に基づいて、骨領域R1と骨の外側領域R2との間の境界を獲得することができ、境界に隣接した第1地点P1および第2地点P2を獲得することができる。
【0097】
他の例として、医療映像分析装置1000は任意の人工知能技法を活用して第1地点P1および第2地点P2を検出することができる。例えば、医療映像分析装置1000は、医療映像と、関節間領域に隣接した骨の両端地点に対するラベル情報とに基づいて、骨の両端地点を獲得するニューラルネットワークモデルを学習させることができる。この時、医療映像分析装置1000は学習されたニューラルネットワークモデルを利用して骨の両端地点、例えば、第1地点P1および第2地点P2を検出することができる。
【0098】
第1地点の第1座標情報および第2地点の第2座標情報を獲得する段階(S1320)では、医療映像分析装置1000は検出された第1地点P1および第2地点P2の座標情報を獲得することができる。具体的には、対象医療映像は複数のセル(例、ピクセルあるいはボクセル)で構成され得、対象医療映像はセルの座標情報を含むことができる。この時、医療映像分析装置1000は第1地点P1に対応するセルの座標に基づいて第1座標情報を獲得することができ、第2地点P2に対応するセルの座標に基づいて第2座標情報を獲得することができる。
【0099】
第1座標情報および第2座標情報に基づいて第1値を計算する段階(S1330)では、医療映像分析装置1000は第1座標情報および第2座標情報に基づいて関節部位の幅に関連した第1値を獲得することができる。例えば、
図11のように、二つの骨が上下に位置した対象医療映像で骨の両端地点である第1地点P1の第1座標情報(例、e1(x,y))と第2地点P2の第2座標情報(例、e2(x,y))を獲得したのであれば、医療映像分析装置1000はユークリッド距離を演算する方法を利用して関節部位の幅に関連した第1値を|e1(x,y)-e2(x,y)|で演算するように具現され得る。ただし、これは説明の例示に過ぎず、医療映像分析装置1000は対象医療映像の整列方向を考慮して関節部位の幅に関連した第1値を演算するように具現され得るであろう。
【0100】
再び
図3を参照すると、本出願の一実施例に係る医療映像分析方法は関節間隔に関連した第2値を獲得する段階(S1400)を含むことができる。
【0101】
図12および
図13を参照する。
図12は、本出願の一実施例に係る関節間隔に関連した第2値を獲得する段階(S1400)を具体化したフローチャートである。
図13は、本出願の一実施例に係る第2値を獲得する一様相を図示した図面である。
【0102】
本出願の一実施例に係る関節間隔に関連した第2値を獲得する段階(S1400)は、関心区間を獲得する段階(S1410)、関心区間内での複数の関節間隔値を獲得する段階(S1420)、および複数の関節間隔値に基づいて第2値を獲得する段階(S1430)を含むことができる。
【0103】
関節間隔領域の中で関心区間を獲得する段階(S1410)では、医療映像分析装置1000は関心区間を獲得することができる。一例として、医療映像分析装置1000は関節の状態を把握するのに臨床的重要度が高いものと知られている関節間領域を関心区間として獲得することができる。例えば、膝関節の場合には、軟骨が存在し関節炎による深刻な痛みに関連した領域として知られている区間を関心区間として獲得することができる。
【0104】
一例として、関心区間は前述した骨の両端地点(例、第1地点P1、第2地点P2)、骨の両端地点間の幅(例、第1値)あるいは前述した臨床的に重要な区間の統計的な比率などを活用して自動で獲得され得る。他の例として、任意の入力部を通じて使用者は関心区間を入力することができ、医療映像分析装置1000は使用者の入力に基づいて関心区間を獲得することができる。
【0105】
一方、関心区間は複数個の下位区間に区分され得、連続的または不連続的であり得る。
【0106】
関心区間内での複数の関節間隔値を獲得する段階(S1420)では、医療映像分析装置1000は関心区間内で少なくとも一つの関節間隔値を獲得することができる。例えば、医療映像分析装置1000は第1関心区間内での関節間領域の少なくとも一つの関節間隔値を獲得することができる。また、医療映像分析装置1000は第2関心区間内での関節間隔領域の少なくとも一つの関節間隔値を獲得することができる。
【0107】
医療映像分析装置1000が関節間隔値を獲得するのには関節間隔領域の座標情報が利用され得る。例えば、医療映像分析装置1000は、関心区間(例、第1関心区間あるいは第2関心区間)内の関節間隔領域を定義するバウンダリーの座標情報に基づいて関節間隔値を獲得するように具現され得る。ただし、これは例示に過ぎず、医療映像分析装置1000は任意の適切な方法を利用して関心区間内での関節間隔値を獲得することができる。
【0108】
複数の関節間隔値に基づいて第2値を獲得する段階(S1430)では、医療映像分析装置1000は関心区間内での対象関節間隔領域から獲得した少なくとも一つの関節間隔値に基づいて関節間隔に関連した第2値を獲得することができる。例えば、医療映像分析装置1000は複数の関節間隔値のうち最小値を関節間隔に関連した第2値として獲得することができる。他の例として、医療映像分析装置1000は複数の関節間隔値の平均値を関節間隔に関連した第2値として獲得することができる。さらに他の例として、医療映像分析装置1000は複数の関節間隔値のうち最小値と複数の関節間隔値の平均値に任意の適切な加重値を付与して第2値を獲得することができる。
【0109】
再び
図3を参照すると、本出願の一実施例に係る関節の状態を示す対象関節状態指標を算出する段階(S1500)を含むことができる。
【0110】
関節の状態を示す対象関節状態指標を算出する段階(S1500)では、医療映像分析装置1000は関節部位の幅に関連した第1値および関節間隔に関連した第2値に基づいて対象関節状態指標を算出することができる。一例として、医療映像分析装置1000は第1値に対する第2値の比率で定義される対象関節状態指標を演算することができる。具体的には、第2値が最小関節間隔値である場合、医療映像分析装置1000は第1値(関節部位の幅値)対比最小関節間隔値を対象関節状態指標として演算することができる。または第2値が平均関節間隔値である場合、医療映像分析装置1000は第1値(関節部位の幅値)対比平均関節間隔値を対象関節状態指標として演算することができる。
【0111】
本出願の一実施例により獲得された対象関節状態指標は、人種、性別、年齢などの多様な外部因子によって影響を受ける関節間隔値を、関節部位の幅と連係させて定量化され得る。これに伴い、本出願の一実施例により獲得された対象関節状態指標は人種、性別、年齢などの多様な外部因子に対する影響が最小化され得、客観的な関節状態情報を提供することができる。
【0112】
一方、本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は、対象関節状態指標を正常関節群の基準関節状態指標と比較分析する動作を遂行できる。具体的には、医療映像分析装置1000は任意のデータベースから関節状態データセットを獲得することができる。この時、関節状態データセットは正常関節を示す基準医療映像、基準医療映像から算出された関節部位の幅値、基準医療映像から算出された関節間隔値などを含むことができる。
【0113】
医療映像分析装置1000は、関節状態データセットから正常群の基準関節状態指標を算出することができる。例えば、医療映像分析装置1000は正常関節に関連した第1基準医療映像から第1関節状態指標(例、関節部位の幅値対比最小関節間隔値)を算出し、正常関節に関連した第2基準医療映像から第2関節状態指標(例、関節部位の幅値対比最小関節間隔値)を算出することができる。また、医療映像分析装置1000は第1関節状態指標および第2関節状態指標に基づいて基準関節状態指標を算出することができる。例えば、基準関節状態指標は第1関節状態指標と第2関節状態指標を含む正常群の複数の関節状態指標の平均値で計算され得る。
【0114】
本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は対象関節状態指標を基準関節状態指標と比較して定量化することができる。一例として、医療映像分析装置1000は基準関節状態指標対比対象関節状態指標の減少率を演算することができる。一例として、減少率は((基準関節状態指標-対象関節状態指標)/基準関節状態指標)*100で定義され得る。例えば、正常群の関節状態指標の平均値である基準関節状態指標(例えば、関節部位の幅値対比最小関節間隔値)が0.22であり、対象関節状態指標(例えば、関節幅部位の値対比最小関節間隔値)が0.055であれば、減少率は約75%と演算され得る。換言すると、医療映像分析装置1000は分析対象者の関節状態が正常関節対比減少率が75%であり、正常関節対比関節間隔が狭くなった状態であることを表す減少率を定量化することができる。
【0115】
他の例として、正常群の膝の関節状態指標の平均値である基準関節状態指標(例えば、関節部位の幅値対比最小関節間隔値)が0.06であり、対象関節状態指標(例えば、関節幅部位の値対比最小関節間隔値)が0.015であれば、減少率は約75%と演算され得る。換言すると、医療映像分析装置1000は分析対象者の膝の関節状態が正常膝関節対比減少率が75%であり、正常膝関節対比分析対象者の膝関節間隔が狭くなった状態であることを表す減少率を定量化することができる。ただし、前述した数値は説明の便宜のための例示に過ぎず、これに制限解釈されない。
【0116】
このような比較分析を通じて、本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は同じ人の関節間の状態を比較したり、時間による関節状態の変化を分析したりすることができる。また、本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は他人間の関節状態を定量化して分析対象者の関節状態に対する情報を提供することができる。
【0117】
一方、図示してはいないが、本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は任意の出力部を通じて関節状態情報または正常群との比較分析結果を出力することができる。あるいは本出願の一実施例に係る医療映像分析装置1000は、獲得した対象関節状態指標または正常群との比較分析結果を医療映像獲得装置100を含んだ任意の外部装置に送信することができる。対象関節状態指標または正常群との比較分析結果を受信した任意の外部装置は、任意の出力部を通じて関節状態情報または正常群との比較分析結果を出力することができる。
【0118】
本出願の実施例に係る医療映像分析方法、装置およびシステムによると、体形、人種、性別などの外部要因の影響を最小化した客観的な関節状態情報を提供することができる。また、本出願の実施例に係る医療映像分析方法、装置およびシステムによると、客観的な関節状態情報に基づいて関節状態をより正確に推定することができる。
【0119】
前述した医療映像分析装置1000の多様な動作は医療映像分析装置1000のメモリ1200に保存され得、医療映像分析装置1000のコントローラ1300はメモリ1200に保存された動作を遂行するように提供され得る。
【0120】
以上で説明された実施形態の特徴、構造、効果などは本発明の少なくとも一つの実施形態に含まれ、必ずしも一つの実施形態にのみ限定されるものではない。ひいては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者によって他の実施形態に対しても組み合わせまたは変形されて実施可能である。したがって、このような組み合わせと変形に関係した内容は本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【0121】
また、以上で実施形態を中心に説明したがこれは単に例示に過ぎず、本発明を限定するものではなく、本発明が属する分野の通常の知識を有する者であれば本実施形態の本質的な特性を逸脱しない範囲で、以上に例示されていない多様な変形と応用が可能であることが分かるであろう。すなわち、実施形態に具体的に示された各構成要素は変形して実施できるものである。そして、このような変形と応用に関係した差異点は添付された特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。