(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】管理プログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0631 20230101AFI20240417BHJP
【FI】
G06Q10/0631
(21)【出願番号】P 2023117077
(22)【出願日】2023-07-18
【審査請求日】2023-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523272199
【氏名又は名称】株式会社Cartridge Japan
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】田中 資浩
【審査官】原 忠
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-118648(JP,A)
【文献】特開2005-227821(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのプログラムであって、
前記プログラムは、プロセッサによって実行され、
前記プログラムは、
スタッフ基礎情報(前記スタッフ基礎情報は氏名、入社日、退社日、労働条件、及び基本属性のうちいずれか1以上を含む)を受信または記憶するステップ(10)と、
稼働可能基礎時間のデータを受信または記憶するステップ(20)であって、前記稼働可能基礎時間のデータは、前記受信または記憶したスタッフ基礎情報に含まれる入社日、退社日、及び労働条件のうち1つ以上から、対象スタッフが稼働できる日別、週別、月別、期別、及び年別のうち1つ以上の稼働可能基礎時間を計算することによって生成されたデータである、当該ステップ(20)と、
前記計算された稼働可能基礎時間から、アサイン予定時間を減算し、アサイン予定登録可能時間を計算し記憶するステップ(30)と、
稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を、プロジェクト別、スタッフ別、日別、週別、月別、期別、及び年別のうち1つ以上の形式で集計し、当該集計結果を、スタッフ基礎情報及び/又はプロジェクト情報と併せて表示するためのインターフェース(インターフェースAという)を提供するステップ(40)と、
前記プロジェクト情報(ここで、前記プロジェクト情報は、プロジェクト内容、社内外区分、受注金額、プロジェクト予算、プロジェクト期間、必要な人員の体制(職階、人数のうちいずれか1以上を含む)、必要な人員のスキル、必要な人員の工数のうちいずれか1以上を含む)を受信または記憶するステップ(50)と、
アサインリクエスト情報を入力可能なユーザからの当該アサインリクエスト情報(ここで、前記アサインリクエスト情報は、前記プロジェクト情報、希望スタッフの職階、希望スタッフ、期間、必要工数のうちいずれか1以上を含む、但し、希望スタッフは未指定でもよい)を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を計算し記憶するステップ(60)と、
前記アサインリクエスト情報のうち希望スタッフが未指定の場合、又は、希望スタッフの変更を行う場合は新たな指定スタッフの情報を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を再計算し記憶するステップ(70)と、
前記アサインリクエスト情報を入力可能なユーザとは異なる承認ユーザからの、アサインリクエストの承認または否認情報を受信または記憶し、承認の場合、前記アサインリクエスト情報を対象スタッフのアサイン予定情報として記憶し、アサインリクエスト時間をアサイン予定時間として再計算するステップ(80)と、
を少なくとも実行するように構成され、ただし、上記のステップは、任意の順序で行ってもよい、プログラム。
【請求項2】
請求項1のプログラムであって、前記インターフェースAにて、前記プログラムは、アサイン予定プロジェクト登録時のアサイン予定情報と、アサインリクエストが承認されアサイン予定が確定した時のアサイン予定情報それぞれを、比較可能な形で表示するように構成される、プログラム。
【請求項3】
請求項1のプログラムであって、前記インターフェースAにて、前記プログラムは、あらかじめ決めた範囲の工数を上回る、又は、下回る場合には、当該範囲内の工数の表現形式とは異なった表現形式にて、工数を表示するように構成される、及び/又は、決めた範囲の工数を上回る、又は、下回る旨の警告を表示するように構成される、プログラム。
【請求項4】
請求項1のプログラムであって、再計算するステップ(80)において、否認の場合、アサインリクエスト情報に否認フラグ及び/又は差戻フラグを設定することを含む、プログラム。
【請求項5】
請求項1のプログラムであって、前記スタッフ基礎情報は、スキル、及び、経験のうちいずれか1以上を更に含む、プログラム。
【請求項6】
請求項1のプログラムであって、受信したプロジェクト情報から、プロジェクト選定情報(ここで、プロジェクト選定情報は、収益性、及びリスクのうちいずれか1以上を含む)を計算するステップ(90)を更に実行するように構成される、プログラム。
【請求項7】
請求項1のプログラムであって、プロジェクト情報を受信又は記憶するステップ(50)において、対象プロジェクトがキャンセルとなった場合、当該プロジェクト情報に紐づくアサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を再計算することを含む、プログラム。
【請求項8】
組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのシステムであって、前記システムは、
請求項1に記載のプログラムを備える第1サーバと、
請求項1に記載のプログラムを備える第2サーバとを備え
、
・前記第1
サーバは、第1ユーザからの操作に応答して、対外向けアサイン可能スタッフリストデータを作成するように構成され、
・前記第2
サーバは、第2ユーザからの操作に応答して、前記対外向けアサイン可能スタッフリストデータを受信して、当該データに含まれるスタッフのうち少なくとも1人を、希望スタッフとして、前記アサインリクエスト情報に追加するように構成され、
・前記第2
サーバは、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフアサインリクエストを、前記第1
サーバに送付するように構成され、
・前記第1
サーバは、前記対外向けスタッフアサインリクエストを受信し、承認または否認情報を、前記第2
サーバに送付するように構成される、
システム。
【請求項9】
組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのシステムであって、前記システムは、
請求項1に記載のプログラムを備える第1サーバと、
請求項1に記載のプログラムを備える第2サーバとを備え
、
・前記第2
サーバは、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフ募集リストデータを作成するように構成され、
・前記第1
サーバは、第1ユーザからの操作に応答して、前記対外向けスタッフ募集リストデータを受信して、第1ユーザに属するスタッフのうち少なくとも1人を、希望スタッフとして含む、対外向けスタッフオファーデータを作成するように構成され、
・前記第1
サーバは、第1ユーザからの操作に応答して、前記対外向けスタッフオファーデータを、前記第2
サーバに送信するように構成され、
・前記第2
サーバは、前記対外向けスタッフオファーデータを受信し、承認または否認情報を、前記第1
サーバに送付するように構成される、
システム。
【請求項10】
請求項8又は9のシステムであって、前記システムは、第3サーバを備え、
前記第3サーバは、第3プログラムを備え、
前記第3プログラムは、第3ユーザによって使用され、
前記第3プログラムは、請求書データを作成するように構成され、
前記請求書データは、前記第3ユーザを債権者とする、並びに、前記第1ユーザ及び第2ユーザのうち少なくとも1以上を債務者とする請求書データであり、
前記請求書データは、
(あ)第1ユーザ及び/又は第2ユーザのシステム利用に対する課金に関するデータ、
(い)第1ユーザ及び/又は第2ユーザ間での人材割り当て成約に対する課金に関するデータ
のうちいずれか1以上を含む、
システム。
【請求項11】
請求項8のシステムであって、前記対外向けアサイン可能スタッフリストデータは、スタッフの紹介動画データを含む、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、管理プログラムに関する。具体的には、組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
多くの産業分野において、プロジェクト管理は重要な管理項目の1つである。プロジェクト管理の一例として、適切な業務に適切な人材を割り当てること、及び、進捗を管理することなどが挙げられる。
【0003】
特許文献1では、特定の人に作業負荷が集中することのない作業スケジュールを作成することができる装置、プログラム等を開示している。例えば、特許文献1では、作業スケジュール作成部15を開示しており、そして、特許文献1は、当該スケジュール作成部15が、作成した作業スケジュールにおいて、作業日数が最も多い要員と最も少ない要員との作業日数の差が所定値以内(例えば、1日以内)であるか否かを判別する旨を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通常、1社内の業務においては、複数のプロジェクトが並行して行われる。各プロジェクトのリーダは、社内の優秀な人材を、プロジェクトメンバーに加えようとする。したがって、優秀な人材の奪い合いがしばしばおこり、社内の人材のリソースが有効に活用されない。そこで、本開示は、プロジェクト管理における人材の割り当てを管理する新たなプログラム、及び、その応用を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、一側面において、本開示は以下の発明を包含する。
(発明1)
組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのプログラムであって、
前記プログラムは、
スタッフ基礎情報(前記スタッフ基礎情報は氏名、入社日、退社日、労働条件、及び基本属性のうちいずれか1以上を含む)を受信または記憶するステップ(10)と、
稼働可能基礎時間のデータを受信または記憶するステップ(20)であって、前記稼働可能基礎時間のデータは、前記受信または記憶したスタッフ基礎情報に含まれる入社日、退社日、及び労働条件のうち1つ以上から、対象スタッフが稼働できる日別、週別、月別、期別、及び年別のうち1つ以上の稼働可能基礎時間を計算することによって生成されたデータである、当該ステップ(20)と、
前記計算された稼働可能基礎時間から、アサイン予定時間を減算し、アサイン予定登録可能時間を計算し記憶するステップ(30)と、
稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を、プロジェクト別、スタッフ別、日別、週別、月別、期別、及び年別のうち1つ以上の形式で集計し、当該集計結果を、スタッフ基礎情報及び/又はプロジェクト情報と併せて表示するためのインターフェース(インターフェースAという)を提供するステップ(40)と、
前記プロジェクト情報(ここで、前記プロジェクト情報は、プロジェクト内容、社内外区分、受注金額、プロジェクト予算、プロジェクト期間、必要な人員の体制(職階、人数のうちいずれか1以上を含む)、必要な人員のスキル、必要な人員の工数のうちいずれか1以上を含む)を受信または記憶するステップ(50)と、
アサインリクエスト情報(ここで、前記アサインリクエスト情報は、前記プロジェクト情報、希望スタッフの職階、希望スタッフ、期間、必要工数のうちいずれか1以上を含む、但し、希望スタッフは未指定でもよい)を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を計算し記憶するステップ(60)と、
前記アサインリクエスト情報のうち希望スタッフが未指定の場合、又は、希望スタッフの変更を行う場合は新たな指定スタッフの情報を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を再計算し記憶するステップ(70)と、
アサインリクエストの承認または否認情報を受信または記憶し、承認の場合、前記アサインリクエスト情報を対象スタッフのアサイン予定情報として記憶し、アサインリクエスト時間をアサイン予定時間として再計算するステップ(80)と、
を少なくとも実行するように構成され、ただし、上記のステップは、任意の順序で行ってもよい、プログラム。
(発明2)
発明1のプログラムであって、前記インターフェースAにて、前記プログラムは、アサイン予定プロジェクト登録時のアサイン予定情報と、アサインリクエストが承認されアサイン予定が確定した時のアサイン予定情報それぞれを、比較可能な形で表示するように構成される、プログラム。
(発明3)
発明1のプログラムであって、前記インターフェースAにて、前記プログラムは、あらかじめ決めた範囲の工数を上回る、又は、下回る場合には、当該範囲内の工数の表現形式とは異なった表現形式にて、工数を表示するように構成される、及び/又は、決めた範囲の工数を上回る、又は、下回る旨の警告を表示するように構成される、プログラム。
(発明4)
発明1のプログラムであって、再計算するステップ(80)において、否認の場合、アサインリクエスト情報に否認フラグ及び/又は差戻フラグを設定することを含む、プログラム。
(発明5)
発明1のプログラムであって、前記スタッフ基礎情報は、スキル、及び、経験のうちいずれか1以上を更に含む、プログラム。
(発明6)
発明1のプログラムであって、受信したプロジェクト情報から、プロジェクト選定情報(ここで、プロジェクト選定情報は、収益性、及びリスクのうちいずれか1以上を含む)を計算するステップ(90)を更に実行するように構成される、プログラム。
(発明7)
発明1のプログラムであって、プロジェクト情報を受信又は記憶するステップ(50)において、対象プロジェクトがキャンセルとなった場合、当該プロジェクト情報に紐づくアサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を再計算することを含む、プログラム。
(発明8)
組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのシステムであって、前記システムは、第1サーバと、第2サーバとを備え、
前記第1サーバは、発明1に記載のプログラム(以下第1プログラム)を備え、
前記第2サーバは、発明1に記載のプログラム(以下第2プログラム)を備え、
・前記第1プログラムは、第1ユーザからの操作に応答して、対外向けアサイン可能スタッフリストデータを作成するように構成され、
・前記第2プログラムは、第2ユーザからの操作に応答して、前記対外向けアサイン可能スタッフリストデータを受信して、当該データに含まれるスタッフのうち少なくとも1人を、希望スタッフとして、前記アサインリクエスト情報に追加するように構成され、
・前記第2プログラムは、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフアサインリクエストを、前記第1プログラムに送付するように構成され、
・前記第1プログラムは、前記対外向けスタッフアサインリクエストを受信し、承認または否認情報を、前記第2プログラムに送付するように構成される、
システム。
(発明9)
組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのシステムであって、前記システムは、第1サーバと、第2サーバとを備え、
前記第1サーバは、発明1に記載のプログラム(以下第1プログラム)を備え、
前記第2サーバは、発明1に記載のプログラム(以下第2プログラム)を備え、
・前記第2プログラムは、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフ募集リストデータを作成するように構成され、
・前記第1プログラムは、第1ユーザからの操作に応答して、前記対外向けスタッフ募集リストデータを受信して、第1ユーザに属するスタッフのうち少なくとも1人を、希望スタッフとして含む、対外向けスタッフオファーデータを作成するように構成され、
・前記第1プログラムは、第1ユーザからの操作に応答して、前記対外向けスタッフオファーデータを、前記第2プログラムに送信するように構成され、
・前記第2プログラムは、前記対外向けスタッフオファーデータを受信し、承認または否認情報を、前記第1プログラムに送付するように構成される、
システム。
(発明10)
発明8又は9のシステムであって、前記システムは、第3サーバを備え、
前記第3サーバは、第3プログラムを備え、
前記第3プログラムは、第3ユーザによって使用され、
前記第3プログラムは、請求書データを作成するように構成され、
前記請求書データは、前記第3ユーザを債権者とする、並びに、前記第1ユーザ及び第2ユーザのうち少なくとも1以上を債務者とする請求書データであり、
前記請求書データは、
(あ)第1ユーザ及び/又は第2ユーザのシステム利用に対する課金に関するデータ、
(い)第1ユーザ及び/又は第2ユーザ間での人材割り当て成約に対する課金に関するデータ
のうちいずれか1以上を含む、
システム。
(発明11)
発明8のシステムであって、前記対外向けアサイン可能スタッフリストデータは、スタッフの紹介動画データを含む、システム。
【発明の効果】
【0007】
一側面において、上記発明は、アサインリクエストの承認または否認情報を受信又は記憶するための機能を有する。これにより、人材の奪い合いが起こらないよう、承認者が調整役、監視役を果たすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図3】一実施形態における稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、アサインリクエスト時間の関係を示す。
【
図4】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図5】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図6】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図7】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図8】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図10】一実施形態におけるシステムの構成を示す。
【
図11】一実施形態におけるシステムの構成を示す。
【
図12】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図13】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図14】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図15】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図16】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図17】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【
図18】一実施形態におけるインターフェースを示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明を実施するための具体的な実施形態について説明する。以下の説明は、発明の理解を促進するためのものである。即ち、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0010】
1.実行環境・用語など
一実施形態において、本開示の発明は、組織が人材リソースの労働時間を割当管理するための方法、プログラム、プログラムを記憶した記憶媒体(例えば、コンピュータ可読非一時的記憶媒体)、装置(例えば、情報処理装置)、及び、システムに関する。
【0011】
上述した発明を実施するため実行環境は、特に限定されない。一実施形態における本開示の発明を実施するため実行環境を
図1に示す。サーバ1010と複数台の端末がネットワークを通して接続される。
図1においては、サーバ1010は一台のハードウェアとして表現されているが、複数台の物理的なハードウェアに分散されてもよい。サーバ1010はクラウドサーバであってもよく、或いは、オンプレミスのサーバであってもよい。エッジ端末1020については、複数台の端末として表現されているが、理論上は一台の端末であってもよい。ただし、サーバ1010を利用する場合は、複数のユーザが共同利用するケースが多いため、典型的には、システムは、複数のエッジ端末1020を有する。ネットワークは、有線であってもよく、無線であってもよく、或いは、両者の組み合わせであってもよい。
【0012】
上述したサーバ1010及びエッジ端末1020は、典型的には情報処理装置である。
【0013】
情報処理装置は、典型的には、
図2に示すように、プロセッサ1040、メモリ1050、記憶媒体1060、及び、通信モジュール1070を備えることができる。
【0014】
情報処理装置は、例えば、以下が含まれるがこれらに限定されない:サーバ、パーソナルコンピュータ、シングルボードコンピュータ(例えば、ラズベリーパイ等)、タブレット端末、スマートフォン、スマートウォッチ、スマートグラス等。
【0015】
プログラムは、記憶媒体1060(例えば、HDD、SSD等)に記憶され、適宜、メモリ1050(例えば、RAM等)にロードされ、プロセッサ1040(例えば、CPU等の電子的プロセッサ)によって実行される。必要に応じて、プログラムは、通信モジュール1070を通してネットワークに接続して、情報の送信及び受信を行うことができる。
【0016】
一実施形態において、プログラムは、アプリケーションソフトとして、1台の情報処理装置にインストールされてもよく、そして、当該情報処理装置によって実行されてもよい。
【0017】
別の実施形態において、情報処理装置の数は1台に限定されず、必要に応じて複数台の情報処理装置を利用してもよい。その際には、プログラムの機能を複数台の情報処理装置に分散させてもよい。したがって、本明細書における用語「プログラム」は、1台の情報処理装置にインストールされる1まとまりのプログラムを包含するだけでなく、複数台の情報処理装置に分散されてインストールされた複数のプログラムの組み合わせも包含する。
【0018】
2.概要
一実施形態において、本開示は、組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのプログラム及び当該プログラムの使用方法に関する。プログラムは、少なくとも以下のステップ(10)~ステップ(90)を少なくとも実行するように構成される。
【0019】
スタッフ基礎情報(前記スタッフ基礎情報は氏名、入社日、退社日、労働条件、及び基本属性のうちいずれか1以上を含む)を受信または記憶するステップ(10)
【0020】
稼働可能基礎時間のデータを受信または記憶するステップ(20)であって、前記稼働可能基礎時間のデータは、前記受信または記憶したスタッフ基礎情報に含まれる入社日、退社日、及び労働条件のうち1つ以上から、対象スタッフが稼働できる日別、週別、月別、期別、及び年別のうち1つ以上の稼働可能基礎時間を計算することによって生成されたデータである、当該ステップ(20)
【0021】
前記計算された稼働可能基礎時間から、アサイン予定時間を少なくとも減算し、アサイン予定登録可能時間を計算し記憶するステップ(30)
【0022】
稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を、プロジェクト別、スタッフ別、日別、週別、月別、期別、及び年別のうち1つ以上の形式で集計し、当該集計結果を、スタッフ基礎情報及び/又はプロジェクト情報と併せて表示するためのインターフェース(インターフェースAという)を提供するステップ(40)
【0023】
前記プロジェクト情報(ここで、前記プロジェクト情報は、プロジェクト内容、社内外区分、受注金額、プロジェクト予算、プロジェクト期間、必要な人員の体制(職階、人数のうちいずれか1以上を含む)、必要な人員のスキル、必要な人員の工数のうちいずれか1以上を含む)を受信または記憶するステップ(50)
【0024】
アサインリクエスト情報(ここで、前記アサインリクエスト情報は、前記プロジェクト情報、希望スタッフの職階、希望スタッフ、期間、必要工数のうちいずれか1以上を含む、但し、希望スタッフは未指定でもよい)を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を計算し記憶するステップ(60)
【0025】
前記アサインリクエスト情報のうち希望スタッフが未指定の場合、又は、希望スタッフの変更を行う場合は新たな指定スタッフの情報を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を再計算し記憶するステップ(70)
【0026】
アサインリクエストの承認または否認情報を受信または記憶し、承認の場合、前記アサインリクエスト情報を対象スタッフのアサイン予定情報として記憶し、アサインリクエスト時間をアサイン予定時間として再計算するステップ(80)
【0027】
なお、上記のステップは、任意の順序で行ってもよい。以降では、各ステップについて詳述する。
【0028】
3.スタッフ基礎情報、ステップ(10)
上述したように、一実施形態において、本開示の発明は、組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのプログラムである。したがって、割当対象であるスタッフ基礎情報をあらかじめ管理しておく必要がある。
【0029】
スタッフ基礎情報の具体的な内容は特に限定されないが、少なくとも、スタッフの氏名、入社日、退社日、労働条件、及び、基本属性のうち少なくともいずれか1以上を含む。また、限定されるものではないが、基本属性は、以下のうちいずれか1以上を含んでもよい:組織内での役職、所属部署等。また、上記以外にスタッフ基礎情報は、以下のうちいずれか1以上を含んでもよい:価格(例えば単価)、スキル、経験等。
【0030】
スタッフの基礎情報は、上述したプログラムがインストールされている情報処理装置と同じ装置内(例えば、記憶媒体)に記憶されてもよく、或いは、異なる情報処理装置内に記憶されてもよい。また、異なる情報処理装置内に記憶される場合、プログラムは、当該異なる情報処理装置と通信して、スタッフ基礎情報を受信するように構成されてもよい。あるいは、同じ情報処理装置内に記憶される場合、プログラムは、当該情報処理装置内の記憶媒体にアクセスしてスタッフの基礎情報を受信するように構成されてもよい。
【0031】
上述したプログラムは、人事給与機能などを包含したプログラム(例えば、ERPパッケージ)の一部として組み込まれてもよい。この場合、スタッフが入社したときにすぐに人事データベースに反映されるため、上述したプログラムは、少ないタイムラグで、入社したスタッフの基礎情報にアクセスすることができる。
【0032】
別の例では、上述したプログラムは、人事給与機能などを包含したプログラムに組み込まれず、外部のプログラムとして存在してもよい。この場合には、人事給与機能などを包含したプログラムが提供するAPI等を利用して、スタッフの基礎情報を取得してもよい。
【0033】
4.稼働可能基礎時間のデータ、ステップ(20)
次に、スタッフの稼働可能基礎時間のデータを受信又は記憶するステップを実行する。稼働可能基礎時間のデータは、対象のスタッフが稼働できる時間を集計したデータである。データは、日別、週別、月別、期別(例えば、上半期/下半期という単位、或いは、第1四半期/第2四半期/第3四半期/第4四半期という単位)、及び年別のうちいずれか1つ以上の単位で集計してもよい。
【0034】
どの単位で集計するかは、プロジェクトの性質に応じて決定してもよい。例えば、1~2週間で完結するような極端に期間の短いプロジェクトの場合には、日別で集計してもよい。別の例では、5年単位の長期間のプロジェクトの場合には、期別、又は、年別で集計してもよい。
【0035】
稼働可能基礎時間の集計は、上述したプログラムにて、スタッフ基礎情報に基づいて集計してもよい。あるいは、外部のプログラムにてあらかじめ集計済みのデータが存在する場合には、当該データを受信してもよい。
【0036】
稼働可能基礎時間の集計を行う場合、スタッフ基礎情報を利用してもよい。例えば、入社日、退社日、及び労働条件のうち1以上を取得することにより、稼働可能基礎時間の集計を行うことができる。例えば、あるスタッフAが、週3日(月水金、9時~15時(1時間休憩)まで)という労働条件であれば、週ごとの稼働可能時間は、15時間となる。そして、日毎の稼働時間は、5時間、0時間、5時間、0時間、5時間となる。
【0037】
5.アサイン予定登録可能時間、ステップ(30)
稼働可能基礎時間のデータを取得した後は、アサイン予定登録可能時間を計算する。アサイン予定登録可能時間は、スタッフがあとどれくらいタスクを割り当てられるかに関する残り時間を示す。したがって、稼働可能基礎時間から、アサイン予定登録可能時間を計算する際には、既に割り当てられた、又は、割り当てる予定となっているタスクに対応する時間(アサイン予定時間という)を差し引く必要がある。アサイン予定時間の集計については後述する。また、稼働可能基礎時間から差し引く項目は、アサイン予定時間以外に存在してもよい。例えば、有給取得見込を含めた時間を更に差し引いてもよい。あるいは、プロジェクトに余裕を持たせるため、予備時間又はバッファ時間を更に差し引いてもよい。
【0038】
アサイン予定時間は、上述した稼働可能基礎時間のデータと同様に、日別、週別、月別、期別(例えば、上半期/下半期という単位、或いは、第1四半期/第2四半期/第3四半期/第4四半期という単位)、及び年別のうちいずれか1つ以上の単位で集計してもよい。
【0039】
好ましい実施形態において、稼働可能基礎時間の集計単位と、アサイン予定時間の集計単位は同一であることが好ましい。また、集計単位が異なる場合には、集計単位が大きい方に合わせて再集計してもよい。例えば、稼働可能基礎時間の集計単位が日別であり、アサイン予定時間の集計単位が週別である場合には、稼働可能基礎時間を週別に再集計してもよい。そして、再集計後に、アサイン予定時間を差し引いてもよい。
【0040】
6.インターフェースの提供、ステップ(40)
一実施形態において、本開示のプログラムは、集計結果を表示するためのインターフェースを提供するステップを実行するように構成される。また、当該インターフェースでは、集計結果のほかに、スタッフ基礎情報及び/又はプロジェクト情報を併せて表示する。また、集計結果は、稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を含む。当該集計結果は、様々な単位で集計することができる。集計単位の一例として、以下のうちいずれか1以上を含む:プロジェクト別、スタッフ別、日別、週別、月別、期別、及び年別。
【0041】
6-1.集計結果
集計対象となる情報は、以下のうちいずれか1以上である:稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間。稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、及び、アサイン予定登録可能時間の意味については、上述の通りである。アサインリクエスト時間は、インターフェースを通して入力しようとしている特定のプロジェクトに関連して、これから、特定の人材に割り当てようとしている時間を指す。これら4つの時間の関係を整理すると、
図3に示す通りとなる。
【0042】
集計する際には、プロジェクト別で集計して、全体の工数を集計してもよい。あるいは、日別、週別、月別、期別、及び年別で集計して、特定の時期に負荷がかかっていないかどうかを検討してもよい。あるいは、プロジェクト&スタッフ別に集計して、特定のプロジェクトにおいて、特定のスタッフに負荷がかかっていないかどうかを検討してもよい。
【0043】
6-2.スタッフ基礎情報
また、上記の集計結果とともに、いくつかの更なる情報を表示してもよい。例えば、更なる表示対象の情報として、スタッフ基礎情報が挙げられる(スタッフ基礎情報が含む情報は、上述の通りである)。例えば、上記集計結果を参照して、特定のスタッフに負荷が多い場合、及び/又は、特定のスタッフへの割り当てが少ない場合に、これらのスタッフの情報を更に参照して、割り当てを見直したい時がある。こうしたときに、スタッフ基礎情報を更に参照できるように、インターフェースは構成される。
【0044】
6-3.プロジェクト情報
別の例では、更なる表示対象の情報として、プロジェクト情報が挙げられる。例えば、上記集計結果を参照して、特定のスタッフに負荷が多い場合、及び/又は、特定のスタッフへの割り当てが少ない場合に、これらのスタッフが関与しているプロジェクト情報を参照したい場合がある。そして、プロジェクトの内容に応じて、スタッフの割り当てを見直したい時がある。こうしたときに、プロジェクト情報を更に参照できるように、インターフェースは構成される。
【0045】
6-4.インターフェースの構成
上述した情報を表示するためのインターフェースの構成は特に限定されない。例えば、提供されるインターフェースは、1つの画面であってもよいし、複数の画面の組み合わせであってもよい。例えば、上述した集計結果、スタッフ基礎情報、及び、プロジェクト情報を1つの画面にて表示してもよい。あるいは、上述した集計結果、スタッフ基礎情報、及び、プロジェクト情報を別々の画面にて表示してもよい。別々の画面を参照する場合には、各々画面にて、他の情報を表示した画面へと切り替えるためのアイテム(ボタン、リンク、プルダウン等)を設けてもよい。
【0046】
7.プロジェクト情報の受信又は記憶、ステップ(50)
上述したように、一実施形態において、本開示のプログラムは、プロジェクト情報を、集計結果と併せて表示するためのインターフェースを提供するステップを実行するように構成されてもよい。これに関連して、一実施形態において、本開示のプログラムは、プロジェクト情報を、受信又は記憶するステップを実行するように構成される。プロジェクト情報は、以下のうちいずれか1以上を含む:プロジェクト内容(例えば、発注者情報、プロジェクトの目的等)、社内外区分(例えば、社内プロジェクト、及び、社外プロジェクトを区別するためのフラグ等)、受注金額、プロジェクト予算、プロジェクト期間、必要な人員の体制(例えば、職階、及び、人数のうちいずれか1以上を含む)、必要な人員のスキル、必要な人員の工数。
【0047】
好ましい実施形態において、プログラムは、プロジェクト情報を入力するためのインターフェースを提供するように構成されてもよい。別の実施形態において、プログラムは、別のプログラム、又は、外部のデータベース等から、プロジェクト情報を受信してもよい。
【0048】
好ましい実施形態において、プロジェクト情報は、更に、プロジェクト選定情報を含んでもよい。プロジェクト選定情報は、収益性、及びリスクのうちいずれか1以上を含む。当該プロジェクト選定情報は、スタッフを割り当てる際に重要な情報となる。例えば、収益性が高いプロジェクトであれば、他のプロジェクトよりも優先度があがり、これに伴い、より優秀なスタッフを割り当てる旨の判断を行うことができる。同様に、リスクが高いプロジェクトであれば、これに伴い、特定のスタッフを割り当てるのを避ける旨の判断を行うことができる。
【0049】
8.アサインリクエスト情報の受信又は記憶等、ステップ(60)
プロジェクト情報が登録された後、プログラムは、当該プロジェクトに関連して、アサインリクエスト情報を更に受信又は記憶するように構成される。アサインリクエスト情報は、以下のうちいずれか1以上を含む:プロジェクト情報、希望スタッフの職階、希望スタッフ、期間、必要工数。例えば、プロジェクト情報が登録された後、プログラムは、アサインリクエスト情報を入力するためのインターフェースを提供することができる。そして、ユーザは、当該インターフェースを通して、プロジェクトにどのスタッフを割り当てるか指定するため、希望スタッフ(例えば、スタッフを識別する情報等)を入力することができる。また、プロジェクト情報で入力するときの職階と、アサインリクエスト情報を入力するときの職階は必ずしも一致しない場合がある。例えば、プロジェクト受注時には、プログラマーが要求されているポストを入力した後、実際に人員をアサインする際には、該当するプログラマーが確保できず、やむえず、システムエンジニアをそのポストに割り当てるケースなどが挙げられる。
【0050】
また、アサインリクエスト情報を受信又は記憶する段階では、希望スタッフは必須でなくてもよい。すなわち、ポストを空けたままにしておいてもよい。
【0051】
アサインリクエスト情報を受信又は記憶した後は、必要工数を集計して、アサインリクエスト時間を計算し、記憶する。例えば、アサインリクエスト時間は、アサインリクエスト情報に含める形で記憶してもよい。
【0052】
9.スタッフ変更等、ステップ(70)
プログラムは、上記アサインリクエスト情報に対する承認を行うためのユーザインターフェースを提供することができる。このアサインリクエスト情報に対する承認については後述する。承認者は、上述したアサインリクエスト情報を参照する際に、スタッフの指定又は変更を行うことができる。したがって、プログラムは、承認者が指定した新たな指定スタッフの情報を受信または記憶するように構成されてもよい。
例えば、アサインリクエスト情報が承認者のもとへ回ってきたときに、希望スタッフが未指定の場合、承認者は、新たなスタッフを指定することができる。あるいは、アサインリクエスト情報が承認者のもとへ回ってきたときに、承認者の判断で、別のスタッフを割り当てるべきと判断した場合に、承認者は、新たなスタッフを指定することができる。無論、承認者がアサインリクエスト情報を参照した結果、スタッフを変更する必要が無いと判断する場合もある。その場合には、当該ステップは実施されなくてもよい。
【0053】
10.承認・再計算、ステップ(80)
承認者は、アサインリクエスト情報に対して、承認、又は、否認(例えば、否決、又は差戻)などの操作を行う。これに対応して、プログラムは、アサインリクエストの承認または否認情報を受信または記憶することができる。例えば、承認、否認などに対応するフラグを、アサインリクエスト情報に設定することができる。また、承認である場合には、アサインリクエスト情報を、対象スタッフのアサイン予定情報として記憶する。この際に、プログラムは、アサインリクエスト時間を、アサイン予定時間として反映させ、再計算を行う。再計算の対象は、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間等である。上述したように、これらの時間は、プロジェクト別、スタッフ別、日別、週別、月別、期別、及び年別のうち1つ以上の形式で集計してもよい。
【0054】
11.追加のステップ、機能等
以下では、上述したプログラムが有する更なる機能、及び、更に実行するステップ等について述べる。
【0055】
11-1.登録時と承認時の比較
一実施形態において、プログラムは、同じプロジェクトにおける、異なるタイミングでのアサイン予定情報について比較することが可能である。異なるタイミングとは、例えば、アサイン予定プロジェクト登録時のアサイン予定情報と、承認するとき又はされた後のアサイン予定情報とを含んでもよい。
【0056】
一実施形態において、プログラムは、承認を行うユーザと、プロジェクト情報登録を行うユーザとによって少なくとも利用される。承認を行うユーザが、まったく、アサインリクエスト情報に関する修正を行わない場合には、アサイン予定プロジェクト登録時のアサイン予定情報と、承認するとき又はされた後のアサイン予定情報とで違いが生じる可能性がある。しかし、承認を行うユーザが修正を行った場合(例えば、スタッフの変更を行った場合)、両方のアサイン予定情報に違いが生じる可能性がある。したがって、承認を行うユーザにとっても、プロジェクト情報登録を行うユーザにとっても、違いを確認できることは有用である。
【0057】
11-2.工数の表現
一実施形態において、プログラムは、あらかじめ決めた範囲の工数を上回る、又は、下回る場合には、ユーザにわかりやすい形で表現するように構成される。表現方法としては、例えば、当該範囲内の工数の表現形式とは異なった表現形式にて、工数を表示してもよく、及び/又は、決めた範囲の工数を上回る、又は、下回る旨の警告を表示するようにしてもよい。
【0058】
前者の例としては、既定範囲内の工数の場合には、例えば、工数の数字を黒で表現し、範囲外の工数の場合には、黒以外の色(例えば、赤)で表現してもよい。これ以外の方法としては、バックグランドの色を変更、文字サイズの変更、警告を示すアイコンの付加などが挙げられる。
【0059】
後者の例としては、表形式の工数の欄外などに、「スタッフAさんの工数がオーバーしています」などのテキスト文を表示することが挙げられる。
【0060】
11-3.プロジェクトキャンセルの処理
また、上記の過程で、アサインリクエスト情報に対する承認が行われる前、又は、その後で、プロジェクト自体がキャンセルになることもある。一実施形態において、プログラムは、プロジェクト情報を受信又は記憶するステップ(50)において、対象プロジェクトがキャンセルとなった場合、当該プロジェクト情報に紐づくアサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を再計算することができる。
【0061】
12.操作の流れ
上記では、プログラムのステップ、及び、機能の観点から、一実施形態における本開示の発明を説明してきた。以下では、ユーザの画面の操作の観点から、どのようにプログラムが利用されるかについて説明する。
【0062】
12-1.プロジェクトの登録
アサインリクエスト情報を登録するユーザ(或いはそれ以外のユーザであってもよい)は、スタッフを割り当てる前に、まず、プロジェクト情報の登録を行う。プロジェクト情報が含む内容は、上述の通りである。例えば、プログラムは、プロジェクト情報の登録を行うため、
図4に示すインターフェースを提供することができる。
【0063】
図4では、受注プロジェクトのコード、プロジェクト名、社内外区分、受注金額、プロジェクト予算、プロジェクト期間、必要な人員の体制、必要な人員のスキル、必要な人員の工数、当該工数に係る金額(例えば、スキルに応じた単価×工数により算出)、発注元情報、プロジェクトの目的、収益性、及びリスク等を表示している。このうち、以下の項目はユーザが設定可能になっている:社内外区分、受注金額、プロジェクト予算、プロジェクト期間、必要な人員の体制、必要な人員のスキル、必要な人員の工数、発注元情報、プロジェクトの目的、収益性、及びリスク。
【0064】
図4に示すインターフェースを通してユーザが入力することに応答して、プログラムは、プロジェクト情報を記憶又は受信する(例えば、ステップ(50)について上述したように)。
【0065】
12-2.アサインリクエスト情報の登録
次に、アサインリクエスト情報を登録するユーザ(或いはそれ以外のユーザであってもよい)は、プロジェクト情報に沿って、スタッフの割り当て作業を行う。例えば、プログラムは、プロジェクト情報の登録を行うため、
図5に示すインターフェースを提供することができる。
【0066】
図5では、アサインリクエスト情報に係る情報を表示することができる。例えば、
図5では、プロジェクト情報、希望スタッフの職階、希望スタッフ、期間、必要工数を表示しており、これらの項目が入力可能な状態となっている。なお、必要工数については、初期設定で、プロジェクト情報の工数を割り当ててもよい。そして、初期設定で割り当てられた工数は、当該インターフェースにて修正が可能である。
【0067】
また、アサインリクエストを行って、承認者の承認を得る目的で、画面右上に「承認フロー」のボタンを設けてもよい。当該ボタンをクリックすることで、アサインリクエスト情報については、承認リクエストフラグが設定されてもよい。そして、承認リクエストフラグが設定されたアサインリクエスト情報については、承認者が閲覧可能なように設定されてもよい。
【0068】
アサインリクエストの情報の登録のインターフェースの主な機能は、スタッフの割り当てである。そのため、プロジェクト情報の登録で設定した人員枠のところに、具体的にスタッフを割り当てるための機能を、インターフェースは備えてもよい。例えば、
図5の画面では、スタッフの氏名の右横に、スタッフを選択するための相手が設けられており(▼マークの部分)、当該部分をクリックすると、上述したインターフェースAに該当する画面が表示される。そして、上述したインターフェースAにて特定のスタッフを指定すると、
図5のインターフェースに反映されるようにしてもよい。
【0069】
図6にインターフェースAの例を示す。画面上部では、スタッフの名前や職階を条件に検索できるように、検索条件入力用のアイテムが設けられている。また、集計単位を切り替えできるように、年別~週別の表示を選択するためのアイテムが設けられている。更には、表示する時間の種類を切り替えられるように、稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれかを選択するアイテムが設けられている。
【0070】
図6のインターフェースの画面下部では、スタッフの一覧がリスト形式で表示されている。各スタッフについての職階、スタッフ氏名、工数などの情報が表示されている。また、例えば、アサイン予定時間を表示している場合に、極端に工数が多くなっている月がある場合、或いは、極端に工数が少ない月がある場合には、ユーザにわかるように表現方法を変更することができる。
図6の例では、極端に工数が多いスタッフの月の工数については、背景をグレー表示している。一方で、極端に工数が少ないスタッフの工数については、数値を太字又はイタリック体にして表示している。工数の多い及び少ないの判断となる基準値は特に限定されないが、
図6では、120~180を規定範囲としており、当該範囲を外れた場合に、異なる形で表現するように構成される。
【0071】
アサインリクエスト情報を登録するユーザは、
図6の画面を参照しながら、プロジェクトに割り当てるスタッフを選択することができる。スタッフの選択方法は特に限定されず、例えば、スタッフの氏名の箇所、又は、これに対応する行を選択する操作を行うことで、
図5に示す画面のスタッフの一覧に反映させることができる。
【0072】
また、ユーザは、
図6の画面を参照しながら、忙しい時期・忙しいスタッフ、余力のあるスタッフなどの判別を行うことができ、これを参考にしながら、人員の割り当てを行うことができる。これにより、人員の奪い合いによる弊害を低減することができる。
【0073】
図6に示す内容を出力する際には、プログラムは、様々な情報を取得する処理を行うことができる。例えば、プログラムは、スタッフの基礎情報を取得することができる(例えば、ステップ(10)について上述したように)。特に、プログラムが、ERPパッケージなどに組み込まれて、人事情報をすぐに取得できる構成だと、新入社員の情報なども
図6に示す画面にて表示することができる。したがって、アサインリクエスト情報を登録するユーザは、人事情報システムとプロジェクト管理システムとのタイムラグの影響を大きく受けることなく、時間に余裕のある新入社員などにも割り当てを行うことが可能となる。
【0074】
また、スタッフ基礎情報以外にも、プログラムは、稼働可能基礎時間のデータを取得することができ、集計することができる。例えば、
図6にて、表示切替で「月別」「稼働可能基礎時間」が選択されている場合(なおかつ、1日8時間&月20日勤務の場合)、画面には、各月160時間が表示される(例えば、ステップ(20)について上述したように)。
【0075】
プログラムは、更には、アサイン予定時間を取得することもできる。アサイン予定時間は、
図5のインターフェースなどで、割り当てられた工数を記録した時間に対応している。そして、プログラムは、稼働可能基礎時間から、アサイン予定時間を減算し、アサイン予定登録可能時間を計算することができる(例えば、ステップ(30)について上述したように)。
【0076】
上述した情報を取得し、計算した後は、
図6に示す形のインターフェースを表示させることができる(例えば、ステップ(40)について上述したように)。
【0077】
図5で入力が完了した後は、承認フローのボタンをクリックして、或いは、
図5に示さないが、保存(入力途中の内容を保存する機能)ボタンをクリックしてもよい。これに応答して、プログラムは、アサインリクエスト情報を受信又は記憶する。また、プログラムは、アサインリクエスト時間を計算して記憶する(例えば、ステップ(60)について上述したように)。
【0078】
12-3.承認手続き
プログラムは、
図7に示すようなインターフェースを提供するように構成される。具体的には、複数のアサインリクエスト情報のリストを表示するインターフェースを提供するように構成される。当該インターフェースでは、アサインリクエスト情報を特定するコード情報(例えば、受注コード、プロジェクトコードなど)、プロジェクト名、ステータス等を表示してもよい。ステータスは、未承認、承認済、否認、差戻など、複数の状態区分で表現されてもよい。
【0079】
承認を行うユーザは、
図7に示すようなインターフェースを開くことができる。そして、リストの中から、対象となるプロジェクトを選択することができる。
【0080】
承認を行うユーザによる操作(すなわちプロジェクトを選択する操作)に応答して、プログラムは、更に、
図8に示すインターフェースを提供するように構成される。当該インターフェースは、
図5に示すインターフェースと類似している。異なる点は、決裁用のアイテムが設けられている点である。例えば、
図8に示すインターフェースの右上には、決裁用の選択肢として、承認、否認、差戻が選択可能となっており、これらのうちいずれかを選択して、確定ボタンをクリックすることで、承認を行うユーザによる決裁が可能となる。
【0081】
図5に示すインターフェースと同様、人員の一覧の箇所を操作することにより、プログラムは、
図6に示すインターフェースを提供することができる。したがって承認を行うユーザは、決裁対象のプロジェクトにおいて、特定のスタッフに負荷がかかっていたり、特定のスタッフが暇になっていないかを確認しながら、当該プロジェクトを承認するかどうかの判断を行うことができる。
【0082】
また、
図5に示すインターフェースにて、特定のアサイン枠が空席のままで、決裁に回ってきた場合(例えば、
図5に示す例では、6番目のアソシエイトの枠が空欄のままである)、承認を行うユーザは、
図6のインターフェースを通して、空席の枠に特定のスタッフを当てはめることが可能である。
【0083】
或いは、割当済みのスタッフについても、承認を行うユーザが、該当のスタッフの工数が多くて負荷がかかっていると判断した場合、或いは、スキル等の点から不適切と判断した場合、或いは、その他の場合において、別のスタッフに変更することができる。
【0084】
こうした操作に応答して、プログラムは、新たな指定スタッフの情報を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を再計算し記憶することができる(例えば、ステップ(70)について上述したように)。
【0085】
アサインリクエストの内容を確認した後は、承認を行うユーザは、上述した決裁用の選択肢を設定したうえで、確定処理を行うことができる。これに応答して、プログラムは、アサインリクエストの承認または否認情報を受信または記憶し、承認の場合、アサインリクエスト情報を対象スタッフのアサイン予定情報として記憶し、アサインリクエスト時間をアサイン予定時間として再計算する(例えば、ステップ(80)について上述したように)。
【0086】
以上の手続きを経て、プロジェクトにおける割り当てを行うことができる。上記のプログラムによる仕組みでは、承認者による承認操作を可能にすることで、各プロジェクトリーダーが、各々勝手に人材を取り合うことが起こったとしても、承認の段階で調整することが可能になる。更には、承認を行うユーザは、スタッフの工数などを参照することができ、当該参照は、適切な判断を補助する。また、受注管理と、スタッフの割り当てとを連携させることで、プロジェクトリーダーにとっては、操作面での負担が少なくなる。
【0087】
13.人材の相互提供システム(その1)
上記の実施形態は、特定の1つの組織内でのプロジェクトにおける割り当てについて説明していた。しかし、別の一実施形態において、本開示は、人材の相互提供システムに関するものであり、具体的には、異なる組織間でのスタッフの相互提供を可能にするシステムに関する。
【0088】
例えば、特定のプロジェクトで人員が必要になったA社が、自社内でのスタッフでは到底賄いきれない場合がある。こうしたときに、一時的に余剰スタッフを抱えているB社から、適切なスタッフを、A社へ提供できれば、人材のリソースの有効活用となる。また、ピラミッド構造による弊害(1次請け、2次請け、3次請け)を回避して、平坦化することができ、中間マージンを抑えることができる。
【0089】
別の一実施形態のおける本開示のシステムは、第1サーバと、第2サーバとを備えることができる。両サーバは、上述したプログラムをそれぞれ備えることができる(それぞれ第1プログラム、第2プログラム)。
図9にその一例を示す。各々のサーバは、各組織に対応する端末に接続されている。そして、各組織内で、上述したプログラムを活用することができ、これにより、プロジェクトごとにスタッフの割り当てを行うことができる。ここで、第1サーバと、第2サーバは、ネットワーク(典型的にはインターネット)を通して、相互に接続されてもよい。また、第1サーバ及び第1プログラムのユーザは、スタッフ供給元の組織に対応してもよい。第2サーバ及び第2プログラムのユーザは、スタッフ供給先の組織に対応してもよい。
【0090】
各プログラムは、少なくとも以下のステップを実行するように構成されてもよい。
・第1プログラムが、第1ユーザからの操作に応答して、対外向けアサイン可能スタッフリストデータを作成する、
・第2プログラムは、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けアサイン可能スタッフリストデータを受信して、当該データに含まれるスタッフのうち少なくとも1人を、希望スタッフとして、アサインリクエスト情報に追加する、
・第2プログラムは、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフアサインリクエストを、第1プログラムに送付するように構成され、
・第1プログラムは、対外向けスタッフアサインリクエストを受信し、承認または否認情報を、第2プログラムに送付する。
【0091】
以下では、処理及び画面の操作の具体例を示す。
【0092】
13-1.対外向けアサイン可能スタッフリストデータの作成
第1プログラムは、第1ユーザからの操作に応答して、自組織内で割り当て可能なユーザを登録することができる。
図12に、第1プログラムが提供するインターフェースの例を示す。第1プログラムは、例えば、当該インターフェースを通して、対外向けアサイン可能スタッフリストデータを作成することができる。対外向けアサイン可能スタッフリストデータは、上述したスタッフ基礎情報、稼働可能基礎時間、アサイン予定時間、アサイン予定登録可能時間、及び、アサインリクエスト時間のうちいずれか1以上を含むことができる。さらに、対外向けアサイン可能スタッフリストデータは、CV(curriculum vitae)情報を含んでもよい。CV情報は、例えば、以下のうちいずれか1以上を含んでもよい:職務経験、業績、受賞歴、獲得した奨学金、助成金、修得したカリキュラム、研究プロジェクト、出版物、紹介動画(PR動画を含む)等。
【0093】
更に、対外向けアサイン可能スタッフリストデータは、対外向けアサイン許可フラグを含むことができる。対外向けアサイン許可フラグは、例えば、
図12に示すように、システムインターフェースにおいては、「社外割当」という項目で表現されてもよく、その設定方法は、特に限定されないが、プルダウン、ラジオボタン、チェックボックス等のアイテムで設定してもよい。
図12に示すインターフェースにおいて、社外割り当て以外の部分の操作及び表現方法については、
図6に示すインターフェースと同様であってもよい。上記のインターフェースを通して、社外割り当て可能となったスタッフについては、他社が、社外人材割り当て可能リストを参照した際に表示されるようにしてもよい。上記のインターフェースにて、対外向けアサイン許可フラグを設定したら、「確定」ボタンをクリックすることでデータの更新を行うことができ、これにより、対外向けアサイン可能スタッフリストデータが作成される。
【0094】
また、
図12に示すインターフェースでは示していないものの、公開非公開フラグを設定するように第1プログラムは構成されてもよい。例えば、スタッフ基礎情報に含まれる氏名などの個人情報等は、社外から参照される場合に公開されるのを防止するため、公開非公開フラグを設定してもよい。そして、設定された場合には、匿名、イニシャルなどの表現に変更するように第1プログラムが構成されてもよい。また、氏名以外にも、任意の項目を非公開にするかを設定するように第1プログラムが構成されてもよい。
【0095】
更には、公開する対象を設定するように、第1プログラムが構成されてもよい。
この場合には、公開対象のリストデータを、第1プログラムが参照するように構成されてもよい。公開対象のリストデータは、例えば、
図11に示すように仲介サーバを、システムにおいて設けて、当該仲介サーバにて公開対象のリストを保存するように、システム構成されてもよい。そして、第1サーバ(及び第1プログラム)は、当該公開対象のリストデータにアクセスして、自社内の各スタッフについて、どの企業に公開してよいかを設定してもよい。
【0096】
13-2.対外向けアサイン可能スタッフの割り当て
第2サーバ及び第2プログラムは、上述した対外向けアサイン可能スタッフリストデータを受信するように構成される。アサイン可能スタッフリストデータは、例えば、第2プログラムが、第1サーバにネットワークを通してアクセスすることによって受信されてもよい。あるいは、アサイン可能スタッフリストデータは、例えば、第2プログラムが、仲介サーバにネットワークを通してアクセスすることによって受信されてもよい。この場合には、あらかじめ第1サーバから仲介サーバに、アサイン可能スタッフリストデータが提供される。
【0097】
図13は、第2プログラムが提供するインターフェースの一例を示す。当該インターフェースでは、アサイン可能スタッフリストのデータが表示される。
図13に示すインターフェースは、
図6に示すインターフェースと同様の機能を有する。しかし、
図6に示すインターフェースの機能に加えて、組織内のスタッフ一覧と、組織外のスタッフの一覧を、切り替えて表示する機能を有する(
図13に示す「内外区分」)。
図13では、「社外」が選択され、これに対応して、
図12に示すインターフェースで設定した、公開可能なスタッフの一覧が表示される。
【0098】
また、組織外のスタッフを表示しているので、
図6に示すインターフェースとは異なり、
図13に示すインターフェースでは、所属会社の情報を表示するように構成されてもよい。また、
図13に示すインターフェースでは、各スタッフの基礎情報を表示することができる。例えば、スタッフの氏名又はイニシャル欄にリンクが埋め込まれており、当該リンクをクリックすることによって別画面にて表示することができる。したがって、プロジェクトのリーダは、社外のスタッフを選定する際に、面談などの手間を省き、スタッフ基礎情報、CV情報等(例えば紹介動画等)を参照して、どのスタッフをアサインするかを決定することができる。そして、
図13及び
図5に示すアサインリクエストのインターフェースなどを通して、組織外のスタッフを設定することができる。これに応答して、第2プログラムは、設定された組織外のスタッフを、希望スタッフとして、アサインリクエスト情報に追加することができる。また、第2プログラムは、設定された組織外のスタッフを、希望スタッフとして含む、対外向けスタッフアサインリクエストを作成することができる。
【0099】
13-3.対外向けスタッフアサインリクエスト
上述したように、対外向けスタッフアサインリクエストを作成した後は、第2プログラムは、対外向けスタッフアサインリクエストを、第1プログラムに送付することができる。第1プログラムは、例えば、任意のインターフェースを通して、第1ユーザに、自組織内のスタッフが、社外のプロジェクトにアサインする旨のリクエストが来た旨を、通知することができる。通知方法は特に限定されず、例えば、
図12に示すインターフェースにて、特定のスタッフについて、組織外からアサインリクエストがあった旨のメッセージを表示してもよい。その際には、アサインするプロジェクトの情報を参照できるように第1プログラムは構成されてもよい。例えば、第2プログラムは、対外向けスタッフアサインリクエストを、第1プログラムに送信する際に、併せて、上述したアサインリクエスト情報の少なくとも一部を送信してもよい。アサインリクエスト情報には、プロジェクトの内容が含まれているため、第1プログラムは、第1ユーザ向けに、プロジェクトの内容を表示することができる。これにより、第1ユーザは、自組織内のスタッフを、自組織外のプロジェクトにアサインすることを許可してもよいかどうかを判断することができる。
【0100】
好ましい実施形態において、第2プログラムは、アサインリクエスト情報を、第1プログラムに送付する際に、公開する項目に制限を設定するように構成されてもよい。例えば、プロジェクト情報のうち、受注金額、プロジェクト予算などに関する情報は、第1プログラムに送信する際に公開しないように設定してもよい。
【0101】
13-4.アサインの承認作業
第1ユーザは、上述した対外向けスタッフアサインリクエストの通知を認識した後、自組織内のスタッフを、自組織外のプロジェクトにアサインすることを許可する場合には、任意のインターフェースにて、承認のボタンを操作してもよい。逆に、自組織外のプロジェクトにアサインすることを拒否する場合には、任意のインターフェースにて、否認のボタンを操作してもよい。これらの操作に応答して、第1プログラムは、承認または否認情報を、第2プログラムに送付するように構成される。
【0102】
第2ユーザは、第1ユーザの承諾が得られた後で、上述した承認手続き(例えば、
図7に示すインターフェースにて)を行うことができる。
【0103】
13-5.その他
上述した実施形態では、第1サーバ、第1プログラム、第1ユーザが、スタッフ提供側であり、第2サーバ、第2プログラム、第2ユーザが、スタッフ受け入れ側である。しかし、スタッフの提供及び受け入れの方向は一方通行ではなく、双方向であってもよい。したがって、上述したプログラムは、スタッフ提供側の機能と、スタッフ受け入れ側の機能とを両方とも備えてもよい。
【0104】
また、第1サーバと、第2サーバは、物理的なサーバに限定されず、仮想的なサーバであってもよい。例えば、
図11及び
図9では、2台のサーバが表示されており、物理的に別の装置として存在するように示されている。しかし、別の実施形態では、例えば、
図10に示すように、1つのクラウドサーバ内で、組織Aが使用するリソースに対応するサーバと、組織Bが使用するリソースに対応するサーバとに、仮想的に分離させてもよい。したがって、第1サーバ及び第2サーバという表現の場合、物理的に別々のサーバだけでなく、仮想的に別々のサーバの場合も包含する点に留意されたい。
【0105】
また、上記の方法は、1対1での人材のやり取りに限定されず、1対N(1つの第1ユーザと複数の第2ユーザ)、N対1(複数の第1ユーザと1つの第2ユーザ)、N対N(複数の第1ユーザと複数の第2ユーザ)でのパターンを包含する点留意されたい。
【0106】
また、上述した第1プログラム及び第2プログラムについても、同様で、物理的に別の装置にインストールされたプログラムに限定されず、同一のハードウェア内にインストールされてもよい。
【0107】
14.人材の相互提供システム(その2)
上記の仕組み(「人材の相互提供システム(その1)」)では、第2ユーザ(スタッフ受け入れ側)が、第1ユーザ(スタッフ提供側)に承認等を得る仕組みとなっていた。
【0108】
別の実施形態においては、別の方法で承認を行うことも可能である。当該実施形態において、プログラムは、少なくとも以下のステップを実行するように構成されてもよい。
・第2プログラムが、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフ募集リストデータを作成する、
・第1プログラムが、第1ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフ募集リストデータを受信して、第1ユーザに属するスタッフのうち少なくとも1人を、希望スタッフとして含む、対外向けスタッフオファーデータを作成する、
・第1プログラムが、第1ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフオファーデータを、第2プログラムに送信する、
・第2プログラムが、対外向けスタッフオファーデータを受信し、承認または否認情報を、第1プログラムに送付する。
【0109】
14-1.対外向けアサイン可能スタッフリストデータの作成
必須ではないものの、上述した「13-1.対外向けアサイン可能スタッフリストデータの作成」と同様の方法、および、仕組みにて、対外向けアサイン可能スタッフリストデータを作成してもよい。
【0110】
14-2.対外向けスタッフ募集リストデータの作成
上記「13.人材の相互提供システム(その1)」との違いとして、第2ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフ募集リストデータを作成することができる。これにより、スタッフを提供することが可能な外部組織が、提供先を選択することが可能になる。具体的な手順は特に限定されないが、例えば、
図14に示すインターフェースを提供するように第2プログラムは構成されてもよい。
図14に示すインターフェースは、
図4に示すインターフェースと類似しているが、以下の点で両者は異なる:(1)外部人員募集を許可するか否かに関する設定を行うためのアイテムを備えていること、(2)各人員について、外部組織の人員の割り当てを許可するか否かの設定を行うためのアイテムを備えていること。
【0111】
例えば、
図14に示す例では、このプロジェクトにおいて、外部人員を募集することを許可する設定が行われている。また、各人員については、アソシエイト2名について、外部から人員を割り当ててもよい設定が行われている。
【0112】
図14のインターフェースを第2ユーザが操作することに応答して、第2プログラムは、対外向けスタッフ募集リストデータを作成することができる。対外向けスタッフ募集リストデータは、例えば、以下のうちいずれか1以上を含むことができる:受注プロジェクトのコード、プロジェクト名、社内外区分、受注金額、プロジェクト予算、プロジェクト期間、必要な人員の体制、必要な人員のスキル、必要な人員の工数、当該工数に係る金額(例えば、スキルに応じた単価×工数により算出)、発注元情報、プロジェクトの目的、収益性、及びリスク等。さらには、対外向けスタッフ募集リストデータは、プロジェクトにおける外部人員募集を許可するか否かのフラグ情報、及び、必要な人員のスキルのうち、外部人員として割当を許可するか否かのフラグ情報を含むことができる。
【0113】
また、好ましい実施形態においては、上述した対外向けスタッフ募集リストデータのうち、どの項目を公開し、どの項目を非公開にするかに関するフラグ情報を設定することによって、一部の項目を対外向けスタッフ募集リストデータに含めないようにしてもよく、或いは、含めてもよいが閲覧制限をかけてもよい。第2プログラムは、作成した対外向けスタッフ募集リストデータを、ネットワークを通じて、第1プログラムに送信することができる。あるいは、仲介サーバ等を設けて、第2プログラムは、当該サーバにアップロードしてもよい。
【0114】
14-3.対外向けスタッフオファーデータの作成
その後、第1プログラムは、第1ユーザからの操作に応答して、対外向けスタッフ募集リストデータを受信することができる。例えば、第1プログラムは、
図15に示すインターフェースを提供することができる。第1プログラムは、対外向けスタッフ募集リストデータを、例えば、仲介サーバなどにアクセスすることにより得ることができ、
図15に示すインターフェースに対外向けスタッフ募集リストデータの内容を表示することができる。
【0115】
図15に示すインターフェースでは、第1ユーザが選択可能なプロジェクトの一覧が表示されており、そして、当該インターフェースは、適宜検索などにより絞り込みが可能なように構成される。
【0116】
図15に示すインターフェースにて、募集要項(又は各プロジェクト)を選択すると、その詳細情報を表示するように第1プログラムは構成されてもよい。詳細情報の構成は、特に限定されないが、例えば、
図16に示すインターフェースを提供するように、第1プログラムは構成されてもよい。
図16に示すインターフェースは、第1ユーザに属する(又は、対外向けアサイン可能スタッフリストデータに含まれる)スタッフのうち少なくとも1人を、希望スタッフとして割り当てるための機能を有する。
図16に示す例では、募集人員が2名であるところ、第1ユーザが属する組織内で、対外向けアサイン可能スタッフとして指定された人員(
図13参照)を、割り当てることができる。割り当てが完了した後、第1ユーザが、例えば、「オファー実行」ボタンをクリックするなどの操作により、第1プログラムは、対外向けスタッフオファーデータを作成する。
【0117】
対外向けスタッフオファーデータは、上述した対外向けスタッフ募集リストデータのうち少なくとも一部を含んでもよい。これに加えて、更に、対外向けスタッフオファーデータは、
図16に示すインターフェースにて指定されたスタッフのスタッフ基礎情報、CV情報等(例えば紹介動画等)を含んでもよい。
【0118】
14-4.対外向けスタッフオファーデータの送信
第1プログラムは、対外向けスタッフオファーデータを、第2プログラムに送信することができる。なお本明細書においては、特記しない限り、送信とは、直接的な送信だけでなく、間接的な送信も含む。間接的な送信の例としては、例えば、第1プログラムは、仲介サーバにいったん対外向けスタッフオファーデータをアップロードしてもよく、そして、第2プログラムは、仲介サーバにアクセスして対外向けスタッフオファーデータをダウンロードしてもよい。
【0119】
14-5.オファーの承認作業
第2プログラムは、対外向けスタッフオファーデータを受信することができる。例えば、第2プログラムは、
図17に示すインターフェースを提供することができる。
図17に示すインターフェースは、
図14に示すインターフェースと類似している。例えば、
図14に示すインターフェースで作成されたプロジェクト情報を、再度呼び出す際に、
図17に示すインターフェースを提供することができる。そして、
図17に示すインターフェースでは、プロジェクト情報の最新版を表示するように構成されてもよい。
【0120】
そして、組織外から、対外向けスタッフオファーデータを受信したことを知らせる通知を表示してもよい。そして、任意の手段により、
図18に示すインターフェースを更に表示するように構成されてもよい。
【0121】
図18に示すインターフェースでは、第1ユーザからの対外向けスタッフオファーデータを表示するように構成される。また、第1ユーザに対応する申込元の情報のほか、当該申込(オファー)に対して、承認又は否認を行うためのアイテムを設けてもよい。そして、第2ユーザは、第1ユーザからの申し込みに対して、承認及び否認いずれかを選択して、確定させる操作を行うことができる。当該操作に応答して、第2プログラムは、上述したアサインリクエスト情報等に、反映させることができる。
【0122】
また、第2プログラムは、第1ユーザからの申し込みに対する承認及び否認のいずれかの情報を、第1プログラムに送信することができる。
【0123】
14-6.その他
上記以降の流れは、上述した「12.操作の流れ」に示す通りであってもよい。
【0124】
15.人材の相互提供システム(その3)
【0125】
また、
図10に示す、二つのクラウドサーバを包含する包括的なサーバは、仲介サーバとしての機能を有してもよい。
【0126】
仲介サーバは、第3サーバとして、システムに組み込まれてもよく、そして、第3サーバは、第3プログラムを備えてもよい。第3プログラムは、第1ユーザと第2ユーザとの間で、スタッフのアサインの契約が成立した場合には、これに応答して、請求書データを作成してもよい。
【0127】
請求書データは、スタッフのアサインの契約が成立したことによる仲介手数料としてのデータである。したがって、仲介業者に対応する第3ユーザが債権者であってもよい。また、当該第3ユーザは、上述した第3サーバに対応するユーザであってもよい。また、仲介手数料の債務は、上述した第1ユーザに発生してもよいし、上述した第2ユーザに発生してもよいし、或いは、両者に発生してもよい。
【0128】
また、第3プログラムは、第1ユーザと第2ユーザとのシステム利用料に対応する請求書データを作成してもよい。
【0129】
上述したシステムは、各組織が双方向にスタッフのやり取りを行うことが可能となり、従来のようなシステム会社が行う階層的な業務委託による人材提供のシステムとは、異なるビジネスモデルを提供することができる。
【0130】
以上、発明の具体的な実施形態について説明してきた。上記実施形態は、具体例に過ぎず、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、上述の実施形態の1つに開示された技術的特徴は、他の実施形態に適用することができる。また、特記しない限り、特定の方法については、一部の工程を他の工程の順序と入れ替えることも可能であり、特定の2つの工程の間に更なる工程を追加してもよい。本発明の範囲は、特許請求の範囲によって規定される。
【要約】 (修正有)
【課題】プロジェクト管理に関する新たなプログラム及びシステムを提供する。
【解決手段】組織が人材リソースの労働時間を割当管理するためのプログラムであって、プログラムは、少なくとも、スタッフ基礎情報を受信又は記憶するステップと、稼働可能基礎時間のデータを受信又は記憶するステップと、アサイン予定登録可能時間を計算し記憶するステップと、稼働可能基礎時間等の集計結果を表示するためのインターフェースを提供するステップと、プロジェクト情報を受信又は記憶するステップと、アサインリクエスト情報を受信または記憶し、アサインリクエスト時間を計算し記憶するステップと、アサインリクエストの承認又は否認情報を受信又は記憶するステップと、を情報処理装置に実行させる。情報処理装置の数は1台に限定されず、必要に応じて複数台の情報処理装置を利用してもよく、その際には、プログラムの機能を複数台の情報処理装置に分散させてもよい。
【選択図】なし