(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240417BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023560070
(86)(22)【出願日】2023-06-23
(86)【国際出願番号】 JP2023023408
【審査請求日】2023-09-28
(31)【優先権主張番号】P 2022106210
(32)【優先日】2022-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521402985
【氏名又は名称】株式会社Sustech
(74)【代理人】
【識別番号】100126000
【氏名又は名称】岩池 満
(74)【代理人】
【識別番号】100154748
【氏名又は名称】菅沼 和弘
(72)【発明者】
【氏名】丹野 裕介
(72)【発明者】
【氏名】大橋 昭文
【審査官】関 博文
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-149500(JP,A)
【文献】特開2012-226588(JP,A)
【文献】特開2007-041705(JP,A)
【文献】特開2004-046505(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0137574(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00ー99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの温室効果ガス排出量の算出
であって、活動量と原単位の乗算を当該温室効果ガス排出量とする算出式を用いる算出に用いられる
複数の項目毎に、
当該活動量
及び当該原単位を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けて登録する登録手段と、
前記ユーザにより設定された所定期限までの温室効果ガス排出量
の削減目標量
を取得し、前記登録手段により登録された内容に基づいて、
前記ユーザの前記温室効果ガス排出量の現状到達量及び前記所定期限における予測量を前記複数の項目毎に算出し、前記ユーザの前記温室効果ガス排出量についての前記削減目標量並びに前記複数の項目毎の前記現状到達量及び前記予測量に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量の度合
を要削減努力量度合として算出する必要削減量算出手段と、
前記必要削減量算出手段
により算出された前記ユーザの前記温室効果ガス排出量の前記現状到達量及び前記予測量並びに前記要削減努力量度合に基づいて、前記予測量を所定量以上削減させることが可能な要素を、削減をするためにインパクトがあると見込まれるインパクト要素として特定し、当該
インパクト要素について前記活動量と前記原単位のうち少なくとも一方を変化させることを示すソリューションを生成するソリューション生成手段と、
特定された前記
インパクト要素及
び生成された前記ソリューションを含むレコメンド情報を前記ユーザに提示するソリューション提示手段と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記登録手段により登録された前記内容を可視化して前記ユーザに提示する登録内容提示手段、
をさらに備える請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記登録手段により
前記複数の項目毎に登録され
た前記原単位を、他ユーザに開示する開示手段、
をさらに備える請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記開示手段は、所定の第三者機関により正当性が検証されて保証対象となった前記原単位を開示する、
請求項
3に記載の情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置が実行する情報処理方法において、
ユーザの温室効果ガス排出量の算出
であって、活動量と原単位の乗算を当該温室効果ガス排出量とする算出式を用いる算出に用いられる
複数の項目毎に、
当該活動量
及び当該原単位を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けて登録する登録ステップと、
前記ユーザにより設定された所定期限までの温室効果ガス排出量
の削減目標量
を取得し、前記登録ステップにおいて登録された内容に基づいて、
前記ユーザの前記温室効果ガス排出量の現状到達量及び前記所定期限における予測量を前記複数の項目毎に算出し、前記ユーザの前記温室効果ガス排出量についての前記削減目標量並びに前記複数の項目毎の前記現状到達量及び前記予測量に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量の度合
を要削減努力量度合として算出する必要削減量算出ステップと、
前記必要削減量算出ステップにお
いて算出された前記ユーザの前記温室効果ガス排出量の前記現状到達量及び前記予測量並びに前記要削減努力量度合に基づいて、前記予測量を所定量以上削減させることが可能な要素を、削減をするためにインパクトがあると見込まれるインパクト要素として特定し、当該
インパクト要素について前記活動量と前記原単位のうち少なくとも一方を変化させることを示すソリューションを生成するソリューション生成ステップと、
特定された前記
インパクト要素及
び生成された前記ソリューションを含むレコメンド情報を前記ユーザに提示するソリューション提示ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項9】
コンピュータに、
ユーザの温室効果ガス排出量の算出
であって、活動量と原単位の乗算を当該温室効果ガス排出量とする算出式を用いる算出に用いられる
複数の項目毎に、
当該活動量
及び当該原単位を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けて登録する登録ステップと、
前記ユーザにより設定された所定期限までの温室効果ガス排出量
の削減目標量
を取得し、前記登録ステップにおいて登録された内容に基づいて、
前記ユーザの前記温室効果ガス排出量の現状到達量及び前記所定期限における予測量を前記複数の項目毎に算出し、前記ユーザの前記温室効果ガス排出量についての前記削減目標量並びに前記複数の項目毎の前記現状到達量及び前記予測量に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量の度合
を要削減努力量度合として算出する必要削減量算出ステップと、
前記必要削減量算出ステップにお
いて算出された前記ユーザの前記温室効果ガス排出量の前記現状到達量及び前記予測量並びに前記要削減努力量度合に基づいて、前記予測量を所定量以上削減させることが可能な要素を、削減をするためにインパクトがあると見込まれるインパクト要素として特定し、当該
インパクト要素について前記活動量と前記原単位のうち少なくとも一方を変化させることを示すソリューションを生成するソリューション生成ステップと、
特定された前記
インパクト要素及
び生成された前記ソリューションを含むレコメンド情報を前記ユーザに提示するソリューション提示ステップと、
を含む制御処理を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、上場企業を中心に気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)というグローバルな動きがあり、そのTCFDに対応するためには、各会社の拠点毎の二酸化炭素の排出量を可視化した上で報告することが義務化されつつある。
従来、二酸化炭素排出量・削減量の計測、二酸化炭素削減量の可視化およびコスト面からのインセンティブ付与を実現することができるCO2排出量削減技術はある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、計算した二酸化炭素の削減量に対して、各会社の拠点毎に目標を設定した上で、具体的にどのように削減してゆくかを考慮するまでには至っていないのが現状である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、企業やその拠点が抱える温室効果ガス排出量の削減目標達成のための支援を行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理装置は、
ユーザの温室効果ガス排出量の算出に用いられる項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けて登録する登録手段と、
前記ユーザにより設定された所定期限までの温室効果ガス排出量削減目標量、及び、前記登録手段により登録された内容に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量の度合を算出する必要削減量算出手段と、
前記必要削減量算出手段の算出結果に基づいて、削減をするためにインパクトがあると見込まれる前記要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成するソリューション生成手段と、
特定された前記要素及び生成された前記ソリューションを含むレコメンド情報を前記ユーザに提示するソリューション提示手段と、
を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、企業やその拠点が抱える温室効果ガスの排出量の削減目標達成のための支援を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の情報処理システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示す情報処理システムのうちサービス提供者サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】
図2のサービス提供者サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図4】
図2、
図3のサービス提供者サーバの動作を示すフローチャートである。
【
図5A】
図2、
図3のサービス提供者サーバにより開示されるウェブサイトのユーザのマイページに表示されるダッシュボード画面(年度別)を示す図である。
【
図5B】
図2、
図3のサービス提供者サーバにより開示されるウェブサイトのユーザのマイページに表示されるダッシュボード画面(年度別)を示す図である。
【
図6】
図2、
図3のサービス提供者サーバにより開示されるウェブサイトのユーザのマイページに表示されるダッシュボード画面を示す図である。
【
図7】
図2、
図3のサービス提供者サーバにより開示されるウェブサイトのユーザのマイページに表示されるダッシュボード画面を示す図である。
【
図8】
図2、
図3のサービス提供者サーバにより開示されるウェブサイトのユーザのマイページのデータベース管理画面を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、実施形態の情報処理装置について、図面を用いて説明する。
図1は、本発明の情報処理システムの一実施形態の構成例を示すブロック図である。
【0010】
本サービスは、ユーザの例えばCO2等の温室効果ガス(以下、「GHG」と呼ぶ)排出量の算出に用いられる項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素(例えば、年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリ)と対応付けて実績として登録し、ユーザにより設定された所定期限までのGHG排出量削減目標量、及び、登録された実績に基づいて、所定期限までに削減努力が必要なユーザのGHG排出量の度合を算出する。
そして、その算出結果に基づいて、削減をするためにインパクトがある(一定値以上の排出量削減効果がある)と見込まれる要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成し、特定された要素及び生成されたソリューションを含むレコメンド情報をユーザに提示する。
【0011】
本サービスに適用する情報処理システムは、例えば、
図1に示すように、サービス提供者サーバ1と、ユーザ端末2-1乃至2-n(nは任意の整数値)と、検証サーバ3とが、インターネット等のネットワークNに夫々接続されることで構成される。
【0012】
サービス提供者サーバ1は、本サービスのサービス提供者により管理される情報処理装置であり、会員登録したユーザに対してウェブサイトを開示する。サービス提供者サーバ1は、ユーザが設定したGHG排出量削減目標に対して、実績(現状での達成度合い、及び現行の対前年削減水準で予測した場合の将来における達成見込み等)から、追加で削減努力が必要な規模(インパクトがある要素排出量削減度合等)を試算する。その試算結果に基づき、削減をするためにインパクトがあると見込まれる、法人や拠点、あるいは商品群、Scopeやカテゴリを特定し、削減のための具体的なソリューションと併せてAIでレコメンドする。
【0013】
ユーザ端末2は、自社やその拠点等のGHG排出量を把握したいユーザ(企業)や、GHG排出量削減目標の達成を望むユーザ(企業)の担当者の操作を受け付ける、例えばパーソナルコンピュータやタブレット、スマートフォン等の情報処理装置である。
ユーザは、ユーザ端末2から、会員登録したものに開示される本サービスのウェブサイトにアクセスし、所定期限までのGHG排出量削減目標量、及び、実績等を登録する。そして、追加で削減努力が必要な規模についてのレコメンドを依頼することで、GHG排出量削減のための具体的なソリューションのレコメンドを得ることができる。
【0014】
なお、以下、n人のユーザの夫々を個々に区別する必要がない場合、ユーザ端末2-1乃至2-nをまとめて「ユーザ端末2」と呼ぶ。
【0015】
つまり、ユーザ端末2は、サービス提供者サーバ1と協働しながら、GHG排出量削減のためのレコメンドを得る処理として、例えば次のような一連の処理を実行することができる。
ここで、「協働」の手法は、特に限定されない。例えばユーザ端末2はサービス提供者サーバ1と適宜通信をしながら主要な処理をサービス提供者サーバ1に実行してもらう第1手法を、「協働」の手法として採用することができる。また例えば、ユーザ端末2は、サービス提供者サーバ1又はその管理下の図示せぬ装置から専用のアプリケーションプログラム(以下、単に「アプリ」と呼ぶ)を予めダウンロード及びインストールして、アプリで実行する第2手法を、「協働」の手法として採用することができる。或いはまた第1手法と第2手法とを適宜組み合わせた手法を、「協働」の手法として採用することもできる。
但し、以下の例では、説明の便宜上、第1手法が「協働」の手法として採用されているものとして説明する。即ち、以下の例で、処理の動作主体が「サービス提供者サーバ1」となっている個所は例示に過ぎず、実装時には適宜「ユーザ端末2」としてよいことは言うまでもない。
【0016】
即ち、本例では、サービス提供者サーバ1は、ユーザからのGHG排出量削減目標達成のためのレコメンドの依頼に対してレコメンド情報を提示する一連の処理を、ユーザ端末2及び検証サーバ3と適宜通信を行いながら実行する。
【0017】
この他、サービス提供者サーバ1にネットワークNを介して接続される検証サーバ3も情報処理システムに含まれる。検証サーバ3は、第三者の検証機関、例えば標準化機関等により管理される情報処理装置であり、サービス提供者サーバ1と通信することで、サービス提供者サーバ1からの入力値の検証要求に応じて入力値の検証処理(正当性のチェック)を実行し、入力値が正当か否かの検証結果を返信する。
【0018】
以上まとめると、サービス提供者サーバ1は、ユーザにより登録された情報に基づいて、例えば年末まで等の所定期限までに削減努力が必要なユーザ(企業等)のGHG排出量の度合を算出し、その算出結果に基づいて、GHG排出量を削減するためにインパクトがあると見込まれる要素を特定し、当該要素に関するソリューションを含むレコメンド情報をユーザに提示することにより、企業やその拠点が抱えるGHG排出量の削減といった比較的定量化し難い課題に対して、目標達成のための支援を行うことができる。
【0019】
このように、本例ではサービス提供者サーバ1が主要な処理を実行する(上述の第1手法に従った処理を実行する)ため、
図1の情報処理システムのうちサービス提供者サーバ1に着目して、以下の説明を行う。
【0020】
図2は、
図1に示す情報処理システムのうちサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0021】
サービス提供者サーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、出力部16と、入力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20とを備えている。
【0022】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
【0023】
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。入出力インターフェース15には、出力部16、入力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
【0024】
出力部16は、液晶等のディスプレイやスピーカ等により構成され、各種情報を画像や音声として出力する。
入力部17は、例えばキーボード等により構成され、各種情報を出力する。
記憶部18は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図1のユーザ端末2や検証サーバ3等)との間で通信を行う。
【0025】
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア30が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア30から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア30は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0026】
なお、図示はしないが、
図1のユーザ端末2や検証サーバ3も、
図2に示すハードウェア構成と基本的に同様の構成を有することができる。従って、ユーザ端末2と検証サーバ3のハードウェア構成の説明については省略する。
【0027】
このような
図2のサービス提供者サーバ1の各種ハードウェアと各種ソフトウェアとの協働により、ユーザからのGHG排出量削減目標達成のためのレコメンドの依頼に応じてレコメンドを提示する一連の処理の実行が可能になる。
以下、このような処理を実行するためのサービス提供者サーバ1の機能的構成の一例について説明する。
【0028】
図3は、
図2のサービス提供者サーバの機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図3に示すように、サービス提供者サーバ1の記憶部18には、データベース121(以下「DB121」と呼ぶ)が記憶されている。
【0029】
DB121には、ユーザのGHG排出量の算出に用いられる項目毎に、活動量と、当該活動量が変化する1以上の要素(例えば、年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリ等)とが対応付けられて登録されている。
また、DB121には、会員登録されているユーザの情報(企業名、拠点名、担当者、ログインID及びパスワード等のログイン情報、連絡先等)が記憶されている。
さらに、DB121には、1以上の会員ユーザ(企業)が夫々有する独自原単位DBをカスタマイズDBとして登録可能であり、カスタマイズDBの内容は、夫々の会員ユーザ(企業)の要望に応じて他者に開示される。
なお、夫々の会員ユーザ(企業)が登録した情報及びカスタマイズDBに登録される独自原単位DBについては、正当性を担保するために、夫々の会員ユーザ(企業)の要望に応じて第三者の検証機関(例えば標準化組織等)により検証を受けることができる。またカスタマイズDBに登録される独自原単位DBをユーザの権限レベルに応じて開示してもよい。
【0030】
図3に示すように、サービス提供者サーバ1のCPU11においては、ウェブサイトが公開される際に、サイト管理部50が機能する。
サイト管理部50は、登録部61、必要削減量算出部62、ソリューション生成部63、ソリューション提示部64、登録内容提示部65、及び原単位開示部66等を備える。
【0031】
登録部61は、ユーザのGHG排出量の算出に用いられる項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素(例えば、年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリ)と対応付けて登録する。
具体的には、登録部61は、ユーザ端末2から送信されてきたGHG排出量の算出に用いられる項目毎の活動量を受信し、当該活動量が変化する1以上の要素(例えば、年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリ)と対応付けてDB121に活動量を項目毎に登録する。
また、登録部61は、初期登録として、複数の項目、及び複数の項目の夫々で利用する原単位を登録する。
【0032】
必要削減量算出部62は、ユーザにより設定された所定期限(例えば今年の年末等)までのGHG排出量削減目標量、及び、登録部61により登録された内容に基づいて、所定期限(例えば今年の年末等)までに削減努力が必要なユーザのGHG排出量の度合(割合又はパーセント)を算出する。
具体的には、必要削減量算出部62は、ユーザによりDB121に設定された所定期限(例えば今年の年末等)までのGHG排出量削減目標量、及び、登録部61によりDB121に登録された要素の内容(例えば、年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリにおける活動量等)に基づいて、今年の年末までに削減努力が必要なユーザのGHG排出量の度合を算出する。
ここで、必要削減量算出部62は、登録部61によりDB121に登録された、所定項目についての活動量に対して、登録部61によりDB121に登録された、所定項目についての原単位を乗算して、所定項目のGHG排出量を算出する。
即ち、所定項目のGHG排出量は、登録部61により登録された、所定項目についての活動量に対して、登録部61により登録された、所定項目についての原単位が乗算されて算出される。
【0033】
ソリューション生成部63は、必要削減量算出部62の算出結果に基づいて、削減をするためにインパクトがある(予め設定された閾値以上の排出量削減効果がある)と見込まれる要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成する。
具体的には、ソリューション生成部63は、AIを有しており、必要削減量算出部62の算出結果として得られた、全体の削減量に対してさらに追加で削減する度合(あとXXトンまたはXXパーセント削減)に基づいて、予め設定された閾値以上の排出量削減効果があると見込まれる要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成する。
ユーザが例えば電力会社から電力を調達して、それを活用してものを製造する会社であれば、GHG排出量削減に寄与するインパクトがある度合の要素は「電力」であり、「火力発電の電力プランを再エネ電力プランへ切り替える」等のソリューションを生成する。
【0034】
ソリューション提示部64は、特定された要素及び生成されたソリューションを含むレコメンド情報をユーザに提示する。
具体的には、ソリューション提示部64は、ソリューション生成部63により特定された要素及び生成されたソリューションを含むレコメンド情報を、依頼元のユーザのユーザ端末2の画面に提示する。
【0035】
ここで、具体的なレコメンド情報の提示例を、以下に示す。
例1)『再エネ電力プランへの切り替えにより、Scope2排出量を実質0とすることで、全体のGHG排出量を15%削減することが可能です。』、『○○電力会社が提供している再エネ電力プランならば、総合単価18.0円/kWhの価格で導入が可能です』→『相談する』ボタンを押下する。等とユーザ端末2の画面に提示する。
例2)『○○工場において仕入れている原材料(例:小麦粉)を、海外製から、国内製に切り替えることで、Scope3 カテゴリ4の調達物流におけるGHG排出量の大幅削減が期待できます。』→『国内原材料メーカーに相談する』ボタンを押下する。等とユーザ端末2の画面に提示する。
【0036】
登録内容提示部65は、登録部61により登録された内容(要素毎(項目毎)の原単位、活動量等)を可視化(グラフ化等)してユーザに提示する。
具体的には、登録内容提示部65は、登録部61によりDB121に登録された内容(会社全体やその拠点毎のGHG排出量に対する項目毎の分布等)を例えば円グラフや表等の形態で可視化してユーザのユーザ端末2に提示する。
これにより、企業やその拠点が抱える温室効果ガス(GHG)の排出量削減といった比較的定量化し難い課題に対して、企業に適した形で見える化してどの要素が大きな割合を占めているか等が一目でわかるようになるので、目標達成のための支援を行うことができる。
【0037】
原単位開示部66は、登録部61により登録された、ユーザのGHG排出量の算出に用いられる原単位を、他ユーザ(一般)に開示する。
具体的には、原単位開示部66は、ウェブサイトにアクセスした他ユーザから要素が指定されると、当該要素に対応する原単位を、他ユーザ(一般)に開示する。
原単位開示部66は、例えば標準化組織等の所定の第三者機関の検証サーバ3により正当性が検証されて保証対象となった各ユーザの独自DB(の項目毎の原単位)を開示することで、信頼性のある原単位を開示することができる。
【0038】
続いて、
図4のフローチャートを参照して実施形態のサービス提供者サーバの動作を説明する。
図4は、
図2、
図3のサービス提供者サーバの動作を示すフローチャートである。
【0039】
ウェブサイトのユーザのマイページ、又はユーザ端末2のアプリにおいて、ユーザにより独自DBの登録操作が行われると、サービス提供者サーバ1は、ユーザの独自DBをDB121に登録する処理を実行する。
具体的には、
図4のステップS101において、サービス提供者サーバ1の登録部61は、ユーザのGHG排出量の算出に用いられる項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けてDB121に登録する。
【0040】
次に、ユーザによるユーザ端末2の操作により、ユーザから所定期限までにGHG排出量削減目標を達成するためのソリューションの提示要求があると、必要削減量算出部62は、ステップS102において、ユーザにより設定された所定期限までのGHG排出量削減目標量、及び、登録部61によりDB121に登録された内容に基づいて、所定期限までに削減努力が必要なユーザのGHG排出量の度合を算出する。
【0041】
度合を算出した後、ステップS103において、ソリューション生成部63は、ステップS102の必要削減量算出ステップにおける算出結果に基づいて、削減をするためにインパクトがあると見込まれる要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成する。
【0042】
ソリューションを生成した後、ステップS104において、ソリューション提示部64は、特定された要素及び生成されたソリューションを含むレコメンド情報をユーザに提示する。
【0043】
このように、項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けて登録し、その登録内容と予めユーザに設定された所定期限までのGHG排出量削減目標量に基づいて、所定期限までに削減努力が必要なユーザのGHG排出量の度合を算出し、削減をするためにインパクトがあると見込まれる要素を特定し、当該要素とそのソリューションを含むレコメンド情報をユーザに提示することで、企業やその拠点が抱える温室効果ガス排出量の削減目標達成のための支援を行うことができる。
【0044】
ここで、実施形態のサービス提供者サーバ1が備える、
[1]温室効果ガス排出量削減ソリューションのレコメンド機能、
[2]マスタDBの構築及び品質担保、一般公開、汎用化するDB開示機能、
について説明する。
まず、[1]GHG排出量削減ソリューションのレコメンド機能について説明する。
このレコメンド機能では、ユーザから依頼があると、ユーザが登録したGHG排出量のデータを基に、ダッシュボードで要素(年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリ)別での排出量が可視化される。
レコメンド機能は、ユーザが設定したGHG排出量削減目標に対して、現状での達成度合い、及び現行の対前年削減水準で予測した場合の将来における達成見込みから、追加で削減努力が必要な規模(現行のGHG排出量削減量からさらにXXトンまたはXX%削減等)をAIが試算(算出)する。
そして、レコメンド機能は、その試算結果(算出)に基づき、GHG排出量を削減するためにインパクトがある(所定値以上の削減効果がある)と見込まれる要素(法人や拠点、あるいは商品群、Scopeやカテゴリ等)を特定し、当該要素とGHG排出量の削減のための具体的なソリューションとを含むレコメンド情報をAIが生成して依頼元のユーザへ提示する。
【0045】
ここで、レコメンドの例を説明する。
『再エネ電力プランへの切り替えにより、Scope2排出量を実質0とすることで、全体のGHG排出量を15%削減することが可能です。』、『○○電力会社が提供している再エネ電力プランならば、総合単価18.0円/kWhの価格で導入が可能です』→『相談する』ボタンを押下する。
『○○工場において仕入れている原材料(例:小麦粉)を、海外製から、国内製に切り替えることで、Scope3 カテゴリ4の調達物流におけるGHG排出量の大幅削減が期待できます。』→『国内原材料メーカーに相談する』ボタンを押下する。
【0046】
次に、[2]マスタDBの構築及び品質担保、一般公開、汎用化するDB開示機能について説明する。
この場合、GHG排出量の算定は、「活動量」×「原単位」で計算する。
「活動量」が下がらないとすると、GHG排出量を削減するには、「原単位」を下げるしかない。
「原単位」は、環境省等の公的機関が毎年更新して公開している「サプライチェーンを通じた組織の温室効果ガス排出等の算定のための排出原単位データベース」や、一般財団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)が公開している「LCIデータベースIDEA」等の標準DBの数値を使っていると、自助努力及びサプライヤの削減努力が反映されず、Scope3は実質下げられないことになる。
【0047】
そこで、サプライヤ単位での独自「原単位」の開示が求められており、複数企業が自社製品の「原単位」の開示に向け準備を進めている。
サービス提供者サーバ1では、こういったユーザ各社の独自原単位DBを「カスタマイズDB」としてシステム(サービス提供者サーバ1のDB121)に登録できるインターフェース(
図16のカスタマイズDB管理画面310等)を備えており、「カスタマイズDB」に登録した登録内容(原単位の数値や単位等)は、データ登録時に自由に参照できるようになっている。
今後、ユーザ各社がサプライヤ毎の独自原単位DBを参照していくうえで、この独自原単位DBを統合管理し、企業や業界を跨いで参照できるようにする仕組みが必要である。
一方で、ユーザ各社が独自に作成した独自原単位DBの品質が悪ければ、その独自原単位DBを参照することで多くの会社がその品質の影響を受けてしまう。
【0048】
そこで、本ウェブサイトでは、各社の独自原単位DBを一般に開示するにあたって、第三者の標準化機関等の検証サーバ3と連携し、独自原単位DBの正当性を検証したうえで、独自原単位DBの内容を保証した上で開示することができる。
保証されたユーザ各社の独自原単位DBは、サービス提供者サーバ1のDB121(マスタDB)に統合管理され、広く利用することができるようになり、GHG排出量の見える化に関する業務効率が大幅に向上、一層国内外での可視化が進み、GHG排出量削減への弾みとなる。
また、各社の独自原単位DBがマスタDBに登録されることによって、[1]におけるソリューションのレコメンドに活用することができる。(例:『A社のX製品よりも、同等の機能や価格で類似のB社製Y製品の方が、GHG排出量が大きく下げられます』等が言えるようになる。)
【0049】
以下、
図5乃至
図8の画面を例示して、サービス提供者サーバの機能を説明する。
まず、ダッシュボード画面について説明する。
図5乃至
図8は、
図2、
図3のサービス提供者サーバにより開示されるウェブサイトのユーザのマイページに表示されるダッシュボード画面の一例を示す図である。
【0050】
図5A及び
図5Bに示すダッシュボード画面は、
図2、
図3のサービス提供者サーバにより開示されるウェブサイトのユーザのマイページに表示されるダッシュボード画面200(年度別)を示している。
ダッシュボード画面200には、期間別の可視化エリア及びカテゴリ別の可視化エリアとが設けられている。
期間別の可視化エリアには、組織区分、法人名、事業名、Location等のプルダウンメニューが配置されており、ユーザ(企業の担当者)が夫々のプルダウンメニューを選択操作することで、GHG排出量が、期間別に、Scope毎(カテゴリ別)に色分けされて、棒グラフと、円グラフと、数値と、がユーザ端末2に提示される。
カテゴリ別の可視化エリアには、年度別や、月別で期間を指定するためのプルダウンメニューと、指定された期間におけるScope毎のGHG排出量が棒グラフと数値で表示される。
【0051】
Scope1は、事業者自らによりGHGガスの直接排出を示している。Scope2は、他社から供給されるエネルギー使用による間接排出を示している。Scope3は、近年新たに追加されたものであり、サプライヤ側でどの程度GHGガスを排出しているかを示す概念であり、15の項目に区分されており、夫々の項目毎にGHG排出量を開示されることが増加している。
【0052】
具体的な15の項目は、「購入した製品・サービス」、「資本財」、「燃料・エネルギー関連活動」、「自社への輸送・配送」、「事業から出る廃棄物」、「出張」、「雇用者の通勤」、「賃借リース資産」、「他社への輸送・配送」、「販売した製品の加工」、「販売した製品の使用」、「販売した製品の廃棄」、「賃貸リース資産」、「フランチャイズ」、「投資」等である。
【0053】
ダッシュボード画面200では、カテゴリ別の可視化エリアのScope3の項目の中から、例えば「購入した製品・サービス」等の項目がユーザにより選択操作されると、ダッシュボード画面200の右エリアに、カテゴリ、総排出量、前年度比、全拠点比、排出量の多い項目が、数値と割合(%)とで表示される。
この例では、総排出量として4,234t-CO2、前年比として12%、全拠点比として28%、排出量の多い項目として、上位5つの要素、例えば鉄3,524t-CO2、40%、マグネシウム2,202t-CO2、25%、特殊鋼1,586t-CO2、18%、ポリエチレン810t-CO2、10%、エポキシ樹脂57t-CO2、7%等が提示される。
【0054】
ここで、例えばユーザがマウス操作によりカーソルを上位5つの要素の欄に移動させると、要素の欄に対応する位置に、レコメンド情報を含む吹き出し201がポップアップ表示される。
【0055】
このダッシュボード画面200をユーザ(企業の担当者)が閲覧することで、GHG排出量の多い項目がどの要素であるか、全体に占める割合はどの程度か等を一目で理解することができる。
また、ポップアップ表示される吹き出し201のレコメンド情報をユーザ(企業の担当者)が閲覧することで、企業として、目標達成のために努力する方向性やそのヒントを得ることができる。
【0056】
図6に示すダッシュボード画面210は、拠点別の排出量をユーザに提示する画面であり、スコープ(Scope1、2、3のいずれかを選択)、表示(月別、年度別のいずれかを選択)、期間(例えば年度、年月を選択)のプルダウンメニューと、ユーザ(企業)の拠点一覧が表示されている。
拠点一覧には、組織区分、法人名、事業名、排出量、全拠点比等の項目で企業単体と子会社に分けた情報が表示されるので、ユーザの企業内でのGHG排出量を拠点別に把握することができる。
【0057】
このダッシュボード画面210の例では、プルダウンメニューにて、スコープ(Scope1)、表示(月別)、期間(例えば2021年3月等)が指定されたことで、単体と子会社の夫々のGHG排出量と全拠点比(%)がユーザ端末2に表示されるので、ユーザの担当者は、自社における各拠点のGHG排出量の割合(どの拠点が多く、どの拠点が少ない等)を一目で理解することができる。
【0058】
図7に示すダッシュボード画面220は、拠点別の排出量の詳細内容を示す画面であり、例えば「Scope3」の「1.購入した製品・サービス」、「鉄(高合金鋼除く)」という要素について、表示と期間のプルダウンメニューで選択した表示期間(月別、2021年3月)の拠点別の内容(GHG排出量と全拠点比)が表示されるので、ユーザの担当者は、自社における鉄(高合金鋼除く)という要素について、各拠点のGHG排出量の割合(どの拠点が多く、どの拠点が少ない等)を一目で理解することができる。
【0059】
次に、
図8を参照してカスタマイズDB画面について説明する。
図8に示すカスタマイズDB管理画面310では、独自で使用している原単位やIDEA、CFPDB等の原単位をまとめたDBを作成することができる。
管理内容としては、項目名、活動量(単位)、原単位(数値)、原単位(単位)、出典等である。
【0060】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0061】
上述した実施形態では、温室効果ガス(GHG)の一例として、二酸化炭素(CO2)を例示したが、これ以外のものであってもよく、温室効果ガスであれば足りる。
【0062】
上述した実施形態では、例えば、年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリ等の項目を要素の例として説明したが、これ以外であってもよく、活動量が変化する1以上の要素であれば足りる。
また、上述した実施形態では、削減ソリューションレコメンドと、原単位DB認証及び開示の双方について説明したが、これらは、いずれか一方を実施すれば足りる。
【0063】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図3の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理装置に備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロック及びデータベースを用いるのかは特に
図3の例に限定されない。また、機能ブロック及びデータベースの存在場所も、
図3に特に限定されず、任意でよい。例えば、各種処理の実行に必要となる機能ブロック及びデータベースの少なくとも一部を、ユーザ端末2や検証サーバ3等に移譲させてもよい。逆にユーザ端末2や検証サーバ3の機能ブロック及びデータベースをサービス提供者サーバ1等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロック及びデータベースは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0064】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータであってもよい。
【0065】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザ等にプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザ等に提供される記録媒体等で構成される。
【0066】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0067】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理装置は、次のような構成を有していれば足り、各種各様な実施の形態を取ることができる。
即ち、本発明が適用される情報処理装置(例えば
図3のサービス提供者サーバ1等)は、
ユーザの温室効果ガス排出量(GHG排出量)の算出に用いられる項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素(例えば、年別/月別、法人別、拠点別、Scopeやカテゴリ)と対応付けて登録する登録手段(例えば
図3の登録部61等)と、
前記ユーザにより設定された所定期限までの温室効果ガス排出量(GHG排出量)削減目標量、及び、前記登録手段により登録された内容に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量(GHG排出量)の度合を算出する必要削減量算出手段(例えば
図3の必要削減量算出部62等)と、
前記必要削減量算出手段(例えば
図3の必要削減量算出部62等)の算出結果に基づいて、削減をするためにインパクトがある(一定値以上の排出量削減効果がある)と見込まれる前記要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成するソリューション生成手段(例えば
図3のソリューション生成部63等)と、
特定された前記要素及び生成された前記ソリューションを含むレコメンド情報を前記ユーザに提示するソリューション提示手段(例えば
図3のソリューション提示部64等)と、
を備える。
このように、要素及び生成されたソリューションを含むレコメンド情報をユーザに提示することで、企業やその拠点が抱える温室効果ガス(GHG)の排出量削減といった比較的定量化し難い課題に対して、目標達成のための支援を行うことができる。
【0068】
上記情報処理装置(例えば
図3のサービス提供者サーバ1等)において、
前記登録手段(例えば
図3の登録部61等)により登録された前記内容を可視化して前記ユーザに提示する登録内容提示手段(例えば
図3の登録内容提示部65等)、
をさらに備える。
これにより、企業やその拠点が抱える温室効果ガス(GHG)の排出量削減といった比較的定量化し難い課題に対して、企業に適した形で見える化して、目標達成のための支援を行うことができる。
【0069】
前記必要削減量算出手段(例えば
図3の必要削減量算出部62等)は、前記登録手段により登録された前記内容に基づいて、現状での前記ユーザの前記温室効果ガス排出量(GHG排出量)の排出量の達成度合、及び現行の対前年削減水準で予測した場合の将来における前記ユーザの前記温室効果ガス排出量(GHG排出量)削減目標の達成見込みをさらに演算し、
それらの演算結果及び前記温室効果ガス排出量(GHG排出量)削減目標に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量の度合を算出することができる。
【0070】
前記登録手段(例えば
図3の登録部61等)は、初期登録として、前記複数の項目、及び前記複数の項目の夫々で利用する原単位をさらに登録することができる。
【0071】
所定項目の温室効果ガス排出量(GHG排出量)は、前記登録手段(例えば
図3の登録部61等)により登録された、前記所定項目についての前記活動量に対して、前記登録手段(例えば
図3の登録部61等)により登録された、前記所定項目についての前記原単位が乗算されて算出される。
【0072】
前記登録手段(例えば
図3の登録部61等)により登録された、前記ユーザの温室効果ガス排出量(GHG排出量)の算出に用いられる前記原単位を、他ユーザに開示する開示手段(例えば
図3の原単位開示部66等)、
をさらに備えることができる。
【0073】
前記開示手段(例えば
図3の原単位開示部66等)は、所定の第三者機関(
図3の標準化組織等の検証サーバ3)により正当性が検証されて保証対象となった前記原単位を開示する。
これにより、信頼性のある原単位を開示することができる。
なお、上記例は、原単位毎に保証したが、複数の原単位が登録されたユーザ毎の独自DBの単位に保証してもよい。
【0074】
情報処理装置(
図3のサービス提供者サーバ1)が実行する情報処理方法において、
ユーザの温室効果ガス排出量(GHG排出量)の算出に用いられる項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けて登録する登録ステップ(
図4のステップS101等)と、
前記ユーザにより設定された所定期限までの温室効果ガス排出量(GHG排出量)削減目標量、及び、前記登録ステップにおいて登録された内容に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量の度合を算出する必要削減量算出ステップ(
図4のステップS102等)と、
前記必要削減量算出ステップにおける算出結果に基づいて、削減をするためにインパクトがあると見込まれる前記要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成するソリューション生成ステップ(
図4のステップS103等)と、
特定された前記要素及び生成された前記ソリューションを含むレコメンド情報を前記ユーザに提示するソリューション提示ステップ(
図4のステップS104等)と、
を含むことができる。
【0075】
プログラムは、
コンピュータに、
ユーザの温室効果ガス排出量(GHG排出量)の算出に用いられる項目毎に、活動量を、当該活動量が変化する1以上の要素と対応付けて登録する登録ステップ(
図4のステップS101等)と、
前記ユーザにより設定された所定期限までの温室効果ガス排出量(GHG排出量)削減目標量、及び、前記登録ステップにおいて登録された内容に基づいて、前記所定期限までに削減努力が必要な前記ユーザの温室効果ガス排出量(GHG排出量)の度合を算出する必要削減量算出ステップ(
図4のステップS102等)と、
前記必要削減量算出ステップにおける算出結果に基づいて、削減をするためにインパクトがあると見込まれる前記要素を特定し、当該要素に関するソリューションを生成するソリューション生成ステップ(
図4のステップS103等)と、
特定された前記要素及び生成された前記ソリューションを含むレコメンド情報を前記ユーザに提示するソリューション提示ステップ(
図4のステップS103等)と、
を含む制御処理を実行させることができる。
【符号の説明】
【0076】
1・・・サービス提供者サーバ、2、2-a乃至2-n・・・ユーザ端末、3・・・検証サーバ、11・・・CPU、12・・・ROM、18・・・記憶部、19・・・通信部、50・・・サイト管理部、61・・・登録部、62・・・必要削減量算出部、63・・・ソリューション生成部、64・・・ソリューション提示部、65・・・登録内容提示部、66・・・原単位開示部、121・・・DB
【要約】
企業やその拠点が抱える温室効果ガスの排出量削減といった比較的定量化し難い課題に対して、目標達成のための支援を行うこと。サービス提供者サーバ1は、ユーザが設定したGHG排出量削減目標に対して、現状での達成度合い、及び現行の対前年削減水準で予測した場合の将来における達成見込みから、追加で削減努力が必要な規模(インパクトがある要素のGHG排出量削減度合等)を試算する。その試算結果に基づき、削減をするためにインパクトがあると見込まれる、法人や拠点、及び商品群やScope等の要素を特定し、当該要素と、GHG排出量削減のための具体的なソリューションを含むレコメンド情報をユーザに提供する。