(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】立て看板用スロープおよび立て看板
(51)【国際特許分類】
G09F 7/18 20060101AFI20240417BHJP
【FI】
G09F7/18 S
(21)【出願番号】P 2024018207
(22)【出願日】2024-02-08
【審査請求日】2024-02-08
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】511173169
【氏名又は名称】株式会社トップ
(74)【代理人】
【識別番号】100113804
【氏名又は名称】岩田 敏
(72)【発明者】
【氏名】河江 宏幸
【審査官】金田 理香
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-255763(JP,A)
【文献】中国実用新案第214987924(CN,U)
【文献】特開2008-149064(JP,A)
【文献】特開2007-086705(JP,A)
【文献】実開平07-036185(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 7/00 - 7/22
E01C 9/08
B65G 69/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部分を有する看板本体と、看板本体の背後にあって、看板本体を支えて自立させる支持体と、を備えた立て看板において、
看板本体と支持体との間に架設する架設部に重量物を載置するため、架設部から反看板本体側へ延びるスロープ部を形成
し、架設部とスロープ部とが一体型であることを特徴とした立て看板用スロープ。
【請求項2】
架設部とスロープ部とが折曲自在であることを特徴とした請求項
1記載の立て看板用スロープ。
【請求項3】
重量物がロードコーンであることを特徴とした請求項1
又は2記載の立て看板用スロープ。
【請求項4】
表示部分を有する看板本体と、看板本体の背後にあって、看板本体を支えて自立させる支持体と、を備えた立て看板であって、
看板本体と支持体との間に架設して重量物を載置するための架設部と、
架設部から反看板本体側へ延びるスロープ部と、
を備えることを特徴とした立て看板。
【請求項5】
架設部とスロープ部とを折曲自在な一体型で構成し、折曲状態で看板本体の裏面に収納することを特徴とした請求項
4記載の立て看板。
【請求項6】
重量物がロードコーンであることを特徴とした請求項
4又は
5記載の立て看板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、自立した看板である立て看板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
工事現場や路面店或いはイベント会場などでは、通行人や参加者の注意を惹くために、立て看板を用いることが多い。
しかし、風の強い日などは、立て看板が風に煽られて横転したり、設置場所から大きく移動したりして、非常に危険である(安全性に問題がある)。
そのため、立て看板に錘(ウエイト)を付けて安全性を図るようにしている(特許文献1~3など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2001-059209号公報
【文献】特開2012-093566号公報
【文献】実用新案登録第3202717号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
確かに、立て看板に錘(ウエイト)を付けることで、立て看板の安全性は確実に向上することになる。
しかし、立て看板を設置する現場に、立て看板とは別に錘(ウエイト)を用意しなければならず煩雑である。また、錘(ウエイト)は重量があるので、その搬入や設置には労力がかかる。
【0005】
一方、立て看板を設置する現場(特に工事現場)には、必ずと言っていいほど保安器具であるロードコーン(いわゆるカラーコーン:登録商標)が用意されている。近年では、このロードコーンに重量コーンと言われる高比重のロードコーンが広く普及している。
そこで、本願発明者は、このロードコーン(重量コーン)を立て看板に利用できないかと考えた末に、本願発明に想到した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願発明の第1の発明は、表示部分を有する看板本体と、看板本体の背後にあって、看板本体を支えて自立させる支持体と、を備えた立て看板において、看板本体と支持体との間に架設する架設部に重量物を載置するため、架設部から反看板本体側へ延びるスロープ部を形成することを特徴とした立て看板用スロープである。
第2の発明は、架設部とスロープ部とが一体型であることを特徴とした上記第1の発明に係る立て看板用スロープである。
第3の発明は、架設部とスロープ部とが折曲自在であることを特徴とした上記第2の発明に係る立て看板用スロープである。
第4の発明は、架設部を取り付ける支持体の取付部に取り付けることを特徴とした上記第1の発明に係る立て看板用スロープである。
第5の発明は、重量物がロードコーンであることを特徴とした上記第1の発明から第4の発明のいずれかに係る看板用スロープである。
第6の発明は、表示部分を有する看板本体と、看板本体の背後にあって、看板本体を支えて自立させる支持体と、を備えた立て看板であって、看板本体と支持体との間に架設して重量物を載置するための架設部と、架設部から反看板本体側へ延びるスロープ部と、を備えることを特徴とした立て看板である。
第7の発明は、架設部とスロープ部とを折曲自在な一体型で構成し、折曲状態で看板本体の裏面に収納することを特徴とした上記第6の発明に係る立て看板である。
第8の発明は、重量物がロードコーンであることを特徴とした上記第6又は第7の発明に係る立て看板である。
【発明の効果】
【0007】
本願発明によれば、以下のような効果を有する。
(1)立て看板用スロープが、看板本体と支持体との間に架設する架設部から反看板本体側へ延びるスロープ部を形成することで、このスロープ部を利用して架設部上に重量物を載置することができる。
(2)立て看板用スロープが、架設部とスロープ部とを一体型にしたものであることで、架設部とスロープ部を別々に用意する必要がなくなる。
(3)立て看板用スロープが、一体型の架設部とスロープ部とを折曲自在にしたことで、折り畳むことによりコンパクトに収納できる。詳しくは、架設部とスロープ部を折り畳んだ立て看板用スロープを看板本体の裏面に収納することも可能になる。
(4)立て看板用スロープが、架設部を取り付ける支持体の取付部に取り付ける単体型であることで、既存の架設部を利用してスロープ部を形成できる。
(5)架設部に載置する重量物にロードコーンを用いることで、立て看板を設置する現場(例えば、工事現場)にあるロードコーンを有効活用できる。また、ロードコーンを持ち上げることなく、ロードコーンを傾けてスロープ部上を転がしながら移動できるので、ロードコーンの載置作業を極めて安全且つ容易に行える。特に、スロープ部と接するロードコーンの台座部が水平方向円形であれば、スロープ部上をスムーズに転がすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(1)。
【
図2】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(2)。
【
図3】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(3)。
【
図4】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(4)。
【
図5】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(5)。
【
図6】本願発明の第1実施形態を説明する説明図(6)。
【
図7】本願発明の第2実施形態を説明する説明図(1)。
【
図8】本願発明の第2実施形態を説明する説明図(2)。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願発明に係る立て看板用スロープの実施形態を、図面に基いて説明する。
なお、以下に説明する実施形態は本願発明の一例であり、これに限定されるものではない。
【0010】
図1~
図6は、本願発明に係る立て看板用スロープの第1実施形態を説明する説明図である。
まず、
図1は立て看板用スロープ10の全体図を図示したものである。
立て看板用スロープ10は、看板本体と支持体との間に架設される架設部20とスロープ部30とを折曲自在に接続した一体型となっている。
【0011】
図1(a)は、架設部20とスロープ部30とを折り畳んだ状態を、図示している。
図1(b)は、架設部20からスロープ部30を開いた状態を図示している。
架設部20とスロープ部30とは、蝶番40にて接続されて回動自在になっている。
架設部20には、架設部20を看板本体に取り付けるための取付片21,21と、架設部20を支持体に取り付けるための係止部23,23と、を有している。なお、取付片21,21は、折曲可能になっている。また、架設部20には、長手方向に伸縮自在な掛止部25を有している。
【0012】
次に、
図2~
図5は、立て看板用スロープ10を立て看板70に装着する状態を図示している。
立て看板70は、表示部分81を有する看板本体80と、看板本体80の背後にあって、看板本体80を支えて自立させる支持体90と、を備える。
看板本体80は、板状の表示部分81と枠体(フレーム)とで構成されている。枠体は、左右の縦長の縦枠82,82と、左右の縦枠82,82をつなぐ横枠(上段横枠83,中段横枠84,下段横枠85)からなる。
支持体90は、一対の支持脚91,91を備え、その先端が看板本体80の縦枠82,82と回動自在に接続されている。また、支持脚91,91をつなぐように看板本体80の下段横枠85に相当する位置に取付部93を備える。
【0013】
図2に図示するように、立て看板用スロープ10は、看板本体80の裏面に折り畳まれた状態で収納される。この時、立て看板用スロープ10の架設部20の取付片21,21が看板本体80の下段横枠85と表示部分81との間に差し込まれ、架設部20の略L字形の掛止部25を看板本体80の中段横枠84に掛け止めている。これにより、立て看板用スロープ10が看板本体80の裏面へ確実に収納されることになる。
【0014】
そして、掛止部25を伸ばして中段横枠84との掛け止め状態を解消し(
図2(1))、掛止部25を元に戻しながら(
図3(2))、取付片21,21の折曲可能部分を支点に立て看板用スロープ10を取付部93方向へ横に倒していく(
図3(3))。横に倒れた立て看板用スロープ10は、架設部20の略コ字形の係止部23,23を支持体90の取付部93に係止させて、架設部20を立て看板70に取り付ける(
図4(4))。そして、スロープ部30を蝶番40,40を軸に回動させて設置面に当接することで、立て看板70にスロープを設けることができる(
図5)。なお、立て看板用スロープ10を看板本体80に収納する場合は、これとは逆の手順を踏むことになる。
【0015】
更に、
図6は、立て看板用スロープ10を利用して重量物を架設部20に載置する様子を図示している。
ここで、重量物として高比重のロードコーンである重量コーン100を使用する。重量コーン100は、立て看板70を必要とする現場には必ずと言っていいほど用意されている安全用品(保安用品)であり、これを立て看板70の錘(ウエイト)として利用できれば、安全用品(保安用品)の有効利用となる。
また、重量コーン100が台座部101を水平方向円形とするものであれば、重量コーン100を傾けることで水平方向円形の台座部101が設置面に当接し(
図6(a))、重量コーン100を転がしながらスロープ部30をスムーズに上り、重量コーン100を架設部20に載置できる(図(b))。なお、転がす重量コーン100は1個に限らず、複数個重ねたものをそのままの状態で転がしてもよい。但し、この場合、一番下に位置する重量コーン100が台座部101を水平方向円形とすればよい(設置面と当接する重量コーン100は、一番下に位置するものだからである
)。
【0016】
図7~
図8は、本願発明に係る立て看板用スロープの第2実施形態を説明する説明図である。
まず、
図7は立て看板用スロープ50の全体図を図示したものである。
立て看板用スロープ50は、看板本体と支持体との間に架設される架設部とは別に単独でスロープ部51を構成する単体型となっている。また、スロープ部51の長手方向一端には、支持体90の取付部93に係止するための略コ字形の係止部53,53を備える。
【0017】
次に、
図8は立て看板用スロープ50を立て看板70に装着する状態を図示している。
図8(a)に図示するように、既存の架設部60を立て看板70に取り付ける。
図8(b)に図示するように、架設部60を取り付けた支持体90の取付部93に立て看板用スロープ50の係止部53,53を係止する。
図8(c)に図示するように、取付部93に係止部53,53を係止した立て看板用スロープ50は、架設部60に続くスロープ部51を形成できる。
こうして形成されたスロープ部51に対して、重量物である重量コーンを架設部20に載置する様子は
図6に図示したものと同じになる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本願発明に係る「立て看板用スロープ」は、自立型の立て看板に幅広く利用できるものであるが、A型バリケードのようなバリケード類にも利用できるものである。
【符号の説明】
【0019】
(第1実施形態)
10 立て看板用スロープ
20 架設部
21 取付片
23 係止部
25 掛止部
30 スロープ部
40 蝶番
【0020】
(第2実施形態)
50 立て看板用スロープ
51 スロープ部
53 係止部
60 架設部
【0021】
(共通)
70 立て看板
80 看板本体
81 表示部分
82 縦枠
83 上段横枠
84 中段横枠
85 下段横枠
90 支持体
91 支持脚
93 取付部
100 ロードコーン(重量コーン)
101 台座部
【要約】
【課題】 ロードコーン(特に重量コーン)を立て看板の錘(ウエイト)として利用することにある。
【解決手段】 まず、立て看板用スロープ10の架設部20を立て看板70に取り付ける。次に、スロープ部30を蝶番40,40を軸に回動させて設置面に当接することで、立て看板70にスロープを設けることができる。そして、立て看板70を必要とする現場には必ずと言っていいほど用意されている重量コーン100を転がしながらスロープ部30をスムーズに上り、重量コーン100を架設部20に載置できる。
【選択図】
図6