(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】植物材料の含水抽出の強化用の方法及び装置
(51)【国際特許分類】
H05B 6/64 20060101AFI20240417BHJP
A23L 19/00 20160101ALI20240417BHJP
A23F 3/16 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
H05B6/64 Z
A23L19/00 A
A23F3/16
(21)【出願番号】P 2020547443
(86)(22)【出願日】2018-12-03
(86)【国際出願番号】 GB2018053493
(87)【国際公開番号】W WO2019106392
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2021-11-29
(32)【優先日】2017-12-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】520479021
【氏名又は名称】セントアンドルーズ ファーマシューティカル テクノロジー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000626
【氏名又は名称】弁理士法人英知国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘンリー、ウィリアム ジョン
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-033995(JP,A)
【文献】特開2002-104982(JP,A)
【文献】特開2009-087928(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 6/64
A23L 19/00
A23F 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物材料に添加された液体による前記植物材料からの少なくとも1種の成分の抽出の向上を可能にするための装置であって、2.4GHzの無線周波数の複数の電磁信号を、前記植物材料からの前記少なくとも1種の成分の前記抽出を強化するように前記植物材料及び前記液体に放出するための手段を含み、前記装置は、前記植物材料及び前記液体への一連のパルスとしての前記電磁信号の前記放出を制御する制御手段を含み、電磁信号が放出されない残りの周期
を含み、前記
残りの周期の長さは前記
一連のパルスの中のパルスの長さより長い、装置。
【請求項2】
前記植物材料は茶である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記液体の浸出液、又は、前記茶植物材料と前記液体の混合物は、前記茶植物材料からの成分の抽出が強化された茶を作成する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記電磁信号の前記放出は、前記植物材料と前記液体とが入れられた器の壁を通して印加されるようなものである、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記放出手段は、スマートフォン、タブレットデバイス、若しくは他のユーザ制御データ処理及び信号放出デバイスのうちのいずれか又は任意の組み合わせであり、それにより、前記装置を家庭環境で使用することが可能になる、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記デバイスは、該デバイス上にダウンロードされたアプリケーションソフトウェア(アプリ)を介して前記電磁信号を放出するように制御される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
植物材料から少なくとも1種の成分の抽出を実施する方法であって、前記植物材料に液体を添加する工程と、前記液体の前記添加中又は後に、前記抽出を強化するために、前記液体と植物材料との混合物を、2.4GHzの周波数で放出される電磁信号に曝す工程と、一連のパル
スとして放出される電磁信号を制御する工程と、電磁信号が放出されない間の残りの周期を提供する工程とを含み、前記残りの周期の長さは前記一連
のパルスの中のパルスの長さよりも長い、方法。
【請求項8】
前記
一連のパルスは、所定の時間にわたって
発生される、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記液体は水であり、飲料を作成するために前記植物材料に添加される、請求項7又は8に記載の方法。
【請求項10】
前記電磁信号を放出する手段は、前記電磁信号の前記放出を制御するためのアプリを備えるスマートフォン、タブレット、又は類似のデバイスのいずれかである、請求項7~9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記電磁信号放出手段及び前記液体と植物材料との混合物が入れられる器はそれぞれ、放出された前記電磁信号が前記器の壁を通り、前記混合物へと通過することを可能にするように配置される、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記電磁信号を放出する手段は、ハウジングと、前記電磁信号が器の壁を通り、前記混合物へと通過することを可能にするように、前記植物材料と液体との混合物が提供される前記器が位置付けられることを可能にするための位置付け部と、を備える、請求項7~10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記飲料は茶又は浸出液である、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記電磁信号に曝された前記茶又は浸出液は、前記電磁信号に曝されていない同じ植物材料及び液体で形成された茶又は浸出液と比較して旨味が増加する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記植物材料は、チャノキ植物、ミント植物、カモミール植物、セントジョンズワート植物、フェンネル植物、エキナセア植物、及び/若しくはブラックカラント植物のいずれか又は任意の組み合わせに由来する材料であるか又は該材料を含む、請求項7~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この出願に関する本発明は、装置からの一連のデジタル無線信号を使用して、植物材料の含水抽出を強化することである。
【背景技術】
【0002】
茶を淹れるための、チャノキ(Camelia Senensis)という植物の葉などの植物材料の高温又は低温のいずれかにおける含水抽出は一般的であり、世界中で頻繁に行われている。チャノキ(Camelia Senensis)の葉は、いくつかの手法、主として乾燥及び又はモルティング(malting)により調製される。これにより、非常に広範な乾燥緑茶、紅茶、及び白茶等が提供される。これらは、長期間にわたって乾燥状態で維持することができ、茶は、その後、温水又は冷水のいずれかでの含水抽出によって飲み物にされる。このプロセスは、温度及び浸出時間などの多くの変動要素を有する。しかしながら、全ての場合において、目的は、乾燥植物材料に含有される様々な植物化合物を抽出して、ユーザの要求に応じた水ベース飲料を淹れることである。チャノキ属(Camelia)ベースの茶の場合、ユーザは、茶の広い選択肢を有し、異なる浸出可能液種類に関しては、作成される最終飲み物の種類及び品質における更なるオプションを有し得る。
【0003】
茶ベースの飲み物は、潤いを与える必要があるという単純なものからムード及びエネルギー状態を変えるという複雑なものにまで及ぶ多くの理由から淹れられ、摂取される。この範囲には、他の様々なニーズ及び恩恵が含まれる。例えば、クマリンなどの緑茶成分は食欲を穏やかにする又は抑制するために使用することができ、この理由から、多くのダイエット法には緑茶が含まれる。同様に、茶は、多くの様々な化合物を提供することができ、これらは人の健康の助けになるという理由から摂取される。カテキン類の化合物などの抗酸化物質は、人の健康が、飲用目的での水による植物材料の抽出からいかにして恩恵を得ることができるかの良い例である。
【0004】
上記の例では、植物材料は主に植物の葉であるが、同様の理由から、根、茎、及び葉柄などの植物の他の部分もまた、含水抽出のために調製される。植物の種類も多岐にわたり、楽しみ、ムードの高揚、又は一般的な人の健康の恩恵という同様の理由から、抽出され、飲まれている。
【0005】
工業環境では、浸出液は、例えば圧力の使用により強化され得る。特定の化合物を濃縮する目的で抽出が実施される場合、これは、高温抽出中に圧力を印加し、温度、故に、この化合物を抽出及び溶解する水の性能を上昇させることにより増加され得る。しかしながら、これは家庭環境では現実的ではなく、実際、有効温度の増加が不要な性質を与える可能性がある。この種の飲み物の認められた恩恵にもかかわらず、家庭で実施される含水抽出の制約は知られており、抽出が行われるプロセスは千年の間あまり変化していない。乾燥させた又は新鮮な植物材料が温水又は冷水と混ぜ合わされ、ユーザの特定のニーズに応じた時間にわたり浸出される。不要な性質としては飲み物の苦味を挙げることができる。日本緑茶の場合、浸出温度は、70度のセ氏温度で味わうのに最適化されているが、この温度では、ダイエットの目的での例えばクマリンの抽出が、100度のセ氏温度で抽出された場合のものに対して減少する。
【0006】
同様に、フラボノイドなどの人の健康にとって重要な他の化合物は、味の点で好適な温度である70度のセ氏温度を上回って上昇した温度でより効率的に抽出することができる。したがって、このことは、茶を飲む消費者が耐えなければならない制約である。
【0007】
更に、例えば緑茶の100度のセ氏温度での含水抽出(浸出)であっても、この温度では適応できる水の量になお制約がある。これは、低下した溶解能を有する水の無秩序構造の結果である。上記制約を解決する本発明の説明を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、植物材料から1種以上の成分を抽出する能力を強化する装置及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の第1の態様では、植物材料に添加された液体による植物材料からの少なくとも1種の成分の抽出の向上を可能にするための装置であって、所定の周波数範囲内の1つ又は様々な無線周波数の電磁信号を放出するための手段を含み、電磁信号が植物材料及び液体へと通過し、前記植物材料からの前記1種以上の成分の前記抽出を強化するように、前記植物材料及び液体を放出手段から距離を開けて位置付ける、装置が提供される。
【0010】
一実施形態では、前記手段は、植物材料の含水抽出プロセスを増強するための様々な無線周波数を放出することができる1つ以上のスマートフォン又は類似のデバイスである。
【0011】
一実施形態では、特に、実質的に2.4GHzの、及び典型的には、電磁スペクトルの産業科学医療用バンド(ISM)内の電磁信号を生成するように設計されたパーソナルエリアネットワークシステムの無線周波数を活用できることが見出された。
【0012】
一実施形態では、電磁信号は、必要とされる電磁信号の1msのバースト又はパルスを生成するように制御され、このバーストが残りの周期、例えば60msにより分離されることを確実とすることにより、このことが、水の構造、故に、チャノキ(Camelia Senensis)の茶葉などの植物材料から植物化合物を抽出するその能力に劇的な影響を及ぼすことが見出された。
【0013】
一実施形態では、デバイスは、アプリを使用することなどにより、約15~200パルス/秒で1msのパルスを生成するようにプログラムすることができる。デバイスは、一実施形態では、茶を淹れるための工程のプロセスにおいて、植物材料の温水又は冷水ベースの浸出液の真下などに隣接して置かれる。一実施形態では、装置がスマートフォンである場合、これは浸出液が調製されるカップ又はティーポットなどの器に立てかけてもよい。
【0014】
一実施形態では、浸出液器は、セラミック又はガラスなどの非金属材料で作られており、浸出プロセス中、放出されたパルス電磁信号を浸出液に浸透させる。
【0015】
一実施形態では、電磁信号の印加は、植物材料からの所望の化合物の抽出を強化する。一実施形態では、飲み物が茶葉への水の添加により作成される場合、旨味が向上し、最終茶の知覚される苦味の減少がある。
【0016】
一実施形態では、緑茶は、苦い味の減少及び茶の旨味又は構造的品質の強化に加え、抗酸化色素及びクマリンが強化され、クマリンは、試験では、従来の浸出方法と比較して70%増加したことが分かった。
【0017】
結果として得られる、本発明に従いこのようにして処理された茶は、大幅に向上した味及びテクスチャーを有し、旨味の著しい増加を伴うことが見出された。
【0018】
植物材料から少なくとも1種の成分の抽出を実施する方法であって、植物材料に液体を添加する工程と、液体の前記添加中又は後に、抽出強化を生じさせるために、液体と植物材料との混合物を、1つ又は様々な周波数で放出される電磁信号に曝す工程と、を含む、方法。
【0019】
一実施形態では、前記電磁信号は、電磁信号が生成される期間と電磁信号が生成されない期間のシーケンスが存在するように、パルス状で提供される。一実施形態では、シーケンスは、所定の時間にわたって繰り返される。
【0020】
一実施形態では、液体は水であり、飲料を作成するために植物材料に添加される。一実施形態では、電磁信号を放出するための手段は、電磁信号の放出を制御するためのアプリを備えるスマートフォン、タブレット、又は類似のデバイスのいずれかである。
【0021】
一実施形態では、前記電磁信号放出手段並びに前記液体と植物材料との混合物が位置付けられる器はそれぞれ、放出された電磁信号が器の壁を通り、前記混合物へと通過することを可能にするように配置される。
【0022】
一実施形態では、電磁信号を放出するための手段は、ハウジングと、前記電磁信号が器の壁を通り、前記混合物へと通過することを可能にするように、植物材料混合物が提供される器が位置付けられることを可能にするための、ハウジング上の位置付け部と、を備える。
【0023】
一実施形態では、飲料は茶又は浸出液であり、典型的には、電磁信号に曝された茶又は浸出液は、前記電磁信号に曝されていない同じ植物材料及び液体で形成された茶又は浸出液と比較して旨味が増加する。
【0024】
一実施形態では、植物材料は、チャノキ(camelia senensis)植物、ミント植物、カモミール植物、セントジョンズワート植物、フェンネル植物、エキナセア植物、及び/若しくはブラックカラント植物のいずれか又は任意の組み合わせに由来する材料であるか又はこうした材料を含む。
【0025】
一実施形態では、液体は、液体が沸点になるか又は沸点に近くなるまで加熱されると植物材料に添加することができ、冷たい水道水の温度であってもよいか又は中温であってもよい。
【0026】
茶を淹れる経験では、植物材料の抽出が長くなるほど、高温になるほど、及び/又は強力になるほど飲む楽しみの低下につながることが予想されるため、上記観察結果は、並外れたものであり且つ驚くべきものである。
【0027】
ここで、添付の図面を参照しながら本発明の特定の例を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1a-1b】本発明による1つの形態における電磁信号放出手段の使用を示す。
【
図2】本発明の第2の実施形態による電磁信号放出手段の使用を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
ここで
図1a及び
図1bを参照すると、両図面に、植物材料と水の混合物6が入れられた空洞4を有するカップの形態の器2が示される。
図1aでは、カップは、台所の調理台などの支持面8上に置かれており、
図1bでは、カップ2は、テーブルコンピューティングデバイス10上に置かれており、テーブルコンピューティングデバイス10は、更には、支持面8上に位置付けられている。
図1aでは、カップ2に立てかけられたスマートフォンデバイス12が示される。図
1a及び図
1bの両方では、スマートフォン及びタブレットデバイスは、典型的には所定の範囲内の電磁信号を放出する能力を有する。本発明によれば、電磁信号を1つ又はいくつかの所定の周波数で、及び一実施形態ではパルス状で放出するようにデバイスの動作を制御するために、デバイス制御アプリがデバイス上にダウンロードされている。
【0030】
カップ2とデバイス12又は10との相対位置は、植物材料から液体への1つ又は複数の成分の抽出を強化するために、信号が、植物材料と液体との混合物に対して必要な効果を及ぼすように、カップと、カップ内の植物材料と液体との混合物10とが、デバイス10、12から放出される電磁信号の範囲14内に配置されるようなものである。一実施形態では、植物材料は、ばらの葉として提供される、又は空洞4内の液体6中に位置付けられるティーバッグなどのバッグ内に提供されてもよい。
【0031】
図2は、代替的実施形態を示し、この場合、電磁信号を放出するための装置16は、液体と植物材料との混合物28をその中に含む器(典型的には、ティーポット20又はより大きな器などのより大きな器)をその中に受け入れるための位置付け部18を有するハウジング(断面で示す)として提供される。この場合、ハウジングは3つの電磁信号放出源22、24、26を含み、これらのそれぞれは、併用されると、器内の植物材料と液体との混合物が所望の期間にわたって電磁信号に曝されることを確実にできるようなある範囲にわたる信号を放出する。
【0032】
ここで、使用した本発明の実施例について記載する。
【実施例】
【0033】
実施例1(日本煎茶、緑茶の高温浸出液)83
日本緑茶の機微における特定技能を有する世界的に有名な茶の大家に、煎茶茶の高温浸出液に対する、スマートフォンからのパルス無線信号の効果を検討するように依頼した。大家には、本発明に従う制御アプリが搭載されたスマートフォンの形態の装置、特に、Samsung Galaxy S4(登録商標)を提供した。一実施形態では、アプリは、Google(登録商標)play storeから得られるapZapとして知られるものであった。
【0034】
茶の大家は、浸出液用の2つの陶器ティーポットを2.5グラムの煎茶茶を投入することにより用意し、葉の上に70度のセ氏温度の水を160ml注いだ。1つのティーポットは別の部屋に置き、もう一方のティーポットは2.4GHz/秒の1msのパルス無線信号に15回供した。これらパルスは、apZapを起動し、スマートフォンをティーポットに直接隣接して位置付けることにより発生させた。
【0035】
apZapの実行中、電話機は、2.4GHzの1msパルス信号を隔離するためにフライトモードにされた。4分後、アプリを停止し、同一の陶器ティーマグカップに漉して入れる通常の手順によって2つのポットから茶をサンプルとして抜き取った。
【0036】
茶の大家は、アプリapZapを実行しているスマートフォンによって強化された浸出液は、対照(apZapなし)サンプルと比較して、「明確に異なる」、「より滑らかで、よりミネラルの特徴を備える。苦味はかなり少なく、青臭い特徴は少ない。」と報告した。
【0037】
実施例2、高温浸出した日本煎茶、緑茶102
日本緑茶の2つのサンプルを実施例1と同一の方法によって生成した。再度、1つを、アプリapZapを使用してSamsung Galaxy S4からのパルスEM信号に供した。もう一方の浸出は、スマートフォンの信号のあらゆる影響から離れた別部屋で実施した。浸出4分後、各茶は順に葉から2つのサンプル瓶へと分離され、ラベルされた。
【0038】
2つのサンプルの目視評価で、色強度の明白な差を同定した。2.4GHzのパルスの存在下で調製されたサンプル1を対照サンプル2と比較すると、黄色及び緑色が数階調深かった。サンプル1は、対照のサンプル2と比較すると、「より濃い」茶であるように思われた。
【0039】
その後、食品及び飲料分析を専門とする分析実験室及び認定実験室にサンプルを送り、クロマトグラフィ検証手順を実施し、クマリン含有量を評価した。結果は以下の通りであった。
【0040】
サンプル1 2.4GHzのパルスの存在下で浸出させた緑茶、
クマリン濃度=0.029mg/kg
サンプル2 緑茶、標準的な浸出液、対照。
クマリン濃度=0.017mg/kg
【0041】
実施例3。エキナセア及びラズベリー果実茶の高温浸出液
Twinings(登録商標)エキナセア及びラズベリー果実の2つのサンプルを高温浸出液用に調製した。果実茶のバッグを別々の耐熱ガラスマグカップ内に置いた。マグカップのそれぞれに、予め沸騰させておいたやかんから250mlの熱湯を添加した。1つのマグカップを別の部屋に置き、もう一方を、apZapアプリを用いて、Samsung Galaxy S4からの2.4GHzのパルスに供した。浸出は5分間継続し、その時間の後、アプリを停止し、2つのサンプルを色味と質感について比較した。
【0042】
実施例による実験的証拠の概要
茶を淹れるプロセス(浸出プロセス)において、植物材料の含水抽出中にパルスデジタル信号を有するスマートフォンを使用すると、抽出を強化し、最終茶中の主要化合物のより高い濃度を提供する(着色の増加及びより高いクマリン含有量の化学分析から明らかなように)。デジタル信号の使用はまた、苦味を最小限にし、旨味及び風味の経験を強化する(世界的に有名な茶の大家の報告から明らかなように)。