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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 11/00 20060101AFI20240417BHJP
   B41J 2/01 20060101ALI20240417BHJP
   B65H 5/36 20060101ALI20240417BHJP
   B41J 13/10 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
B65H11/00 K
B41J2/01 305
B65H5/36
B41J13/10
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020038125
(22)【出願日】2020-03-05
(65)【公開番号】P2021138502
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉山 敏郎
(72)【発明者】
【氏名】須藤 拓也
(72)【発明者】
【氏名】村田 遼介
(72)【発明者】
【氏名】黒沼 大悟
(72)【発明者】
【氏名】島村 健史
(72)【発明者】
【氏名】張替 亮
(72)【発明者】
【氏名】山口 敏明
(72)【発明者】
【氏名】徳田 康平
【審査官】大谷 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-182716(JP,A)
【文献】特開平09-226979(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 11/00
B41J 2/01
B65H 5/36
B41J 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を中心にロールシートを回転可能に支持する支持手段と、
前記支持手段に支持された前記ロールシートから引き出されたシートを導入するための導入口が上面に形成された筐体と、
前記導入口から導入された前記シートまたはカットシートを記録手段へ向けて搬送する搬送ローラと、
前記支持手段に支持された前記ロールシートを覆う第1カバーと、
前記第1カバーに設けられ、前記導入口から前記搬送ローラ前記カットシートをガイドするガイド位置と、前記シートの搬送経路から退避する退避位置とに変位可能なガイド部材と、を備え、
前記支持手段は、前記回転軸が前記上面よりも上方に位置するように前記ロールシートを支持し、
前記導入口は、前記第1カバーが閉じた状態で前記カットシートを導入可能な導入領域を含み、
前記導入領域を覆う第2カバーをさらに備えることを特徴とする記録装置
【請求項2】
記ガイド部は、閉じた状態の前記第2カバーが開くのに連動して前記退避位置から前記ガイド位置に変位することを特徴とする請求項1に記載の記録装置
【請求項3】
記第2カバーは、前記第1カバーに設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置
【請求項4】
記筐体は、前記ロールシートの搬送方向の下流側に排出口をさらに備え、
前記支持手段は前記搬送方向において前記排出口が設けられる側と反対側に設けられ、
前記支持手段により支持された前記ロールシートよりも前記搬送方向の下流側から前記搬送ローラへ前記カットシートがガイドされることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ロール紙に代表される長尺状の記録媒体を搬送し、記録を行う記録装置が知られている。特許文献1には、ロール紙のセット時の操作性を考慮して、ロール紙の給紙部が装置本体の上側に設けられた印刷装置が開示されている。また、特許文献2には、ロール紙に加えてカット紙も給紙可能な印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6394870号公報
【文献】特開2018-114648号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ロール紙とカット紙の両方を給紙可能な装置において、ロール紙の給紙部をセット時の操作性を考慮して装置本体の上側に設けた場合、ロール紙の搬送経路との兼ね合いでカット紙をガイドする部材の配置が制限される場合がある。したがって、特に搬送方向に短いカット紙をセットする場合の操作性には改善の余地がある。
【0005】
本発明は、カットシートをセットする際の操作性を向上することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面によれば、回転軸を中心にロールシートを回転可能に支持する支持手段と、前記支持手段に支持された前記ロールシートから引き出されたシートを導入するための導入口が上面に形成された筐体と、前記導入口から導入された前記シートまたはカットシートを記録手段へ向けて搬送する搬送ローラと、前記支持手段に支持された前記ロールシートを覆う第1カバーと、前記第1カバーに設けられ、前記導入口から前記搬送ローラ前記カットシートをガイドするガイド位置と、前記シートの搬送経路から退避する退避位置とに変位可能なガイド部材と、を備え、前記支持手段は、前記回転軸が前記上面よりも上方に位置するように前記ロールシートを支持し、前記導入口は、前記第1カバーが閉じた状態で前記カットシートを導入可能な導入領域を含み、前記導入領域を覆う第2カバーをさらに備えることを特徴とする記録装置が提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、カットシートをセットする際の操作性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】一実施形態に係る記録装置を模式的に示す斜視図である。
図2図1の記録装置の内部構造を模式的に示す斜視図である。
図3】カバー部及び可変ガイド部材の構成例を示す断面図である。
図4】カバー部及び可変ガイド部材の構成例を示す断面図である。
図5】カバー部及び可変ガイド部材の構成例を示す断面図である。
図6】カバー部及び可変ガイド部材の構成例を示す断面図である。
図7】可変ガイド部を図6の矢印A1方向からみた図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。実施形態には複数の特徴が記載されているが、これらの複数の特徴の全てが発明に必須のものとは限らず、また、複数の特徴は任意に組み合わせられてもよい。さらに、添付図面においては、同一若しくは同様の構成に同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
なお、「記録」には、文字、図形等有意の情報を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、広く記録媒体上に画像、模様、パターン等を形成する、又は媒体の加工を行う場合も含まれ、人間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否かを問わない。また、本実施形態では「記録媒体」としてシート状の紙を想定するが、布、プラスチック・フィルム等であってもよい。
【0011】
<第1実施形態>
<記録装置の概要>
図1は、一実施形態に係る記録装置1を模式的に示す斜視図である。また、図2は、図1の記録装置1の内部構造を模式的に示す図である。なお、図1及び図2は、一部の構成の図示を省略している。また、各図において、X方向、Y方向及びZ方向はそれぞれ、奥行き方向(前後方向)、幅方向及び上下方向を示す。
【0012】
記録装置1は、長尺の記録媒体としてのシートがロール状に巻かれたロールシートRから先端部分を引き出し、引き出した領域に画像を記録する。また、本実施形態では、記録装置1は、ロールシートRだけでなく、カットシートCに対しても画像を記録することができる。以下、ロールシートR及びカットシートCを区別しない場合はこれらを総称してシートSという場合がある。本実施形態では、記録装置1は、筐体2と、支持部3と、搬送ユニット4と、可変ガイド部材5と、カバー部6と、記録ユニット7と、カッターユニット8と、を含む。
【0013】
筐体2は、記録装置1の外形の少なくとも一部を形成し、搬送ユニット4等の記録装置1の構成部品を内部に収容する。筐体2の上面21には、ロールシートRを筐体2の内部に導入するための導入口210が形成されている。また、筐体2の前面22には、導入口210から導入されたロールシートRが排出される排出口220が設けられている。
【0014】
支持部3は、ロールシートRを回転可能に支持する。より具体的には、支持部3は、ロールシートRの回転軸R1が筐体2の上面21よりも上方に位置するように、ロールシートRを回転可能に支持する。また、本実施形態では、支持部3は、筐体2の排出口220が設けられる前側(+X側)と反対側の後側(ーX側)に設けられる。
【0015】
支持部3は、円筒状のロールシートRの中空の部分に挿入されてロールシートRを支持するスプール31と、スプール31を回転可能に保持する保持部32と、スプール31を回転駆動するロール駆動モータ(不図示)と、を含む。例えば、スプール31は、その一方の端部にスプールギヤ(不図示)を有しており、ロール駆動モータ(不図示)の駆動力が駆動ギヤ(不図示)を介してスプールギヤに伝達することでスプール31が回転する。このスプール31の回転によりスプール31に支持されるロールシートRが筐体2の内部へと給送される。
【0016】
例えば、ユーザがロールシートRを支持部3にセットする場合には、ユーザはスプール31の両端を保持部32の支持面321に沿って奥側(-X方向)に移動させることによりロールシートRを所定の位置にセットする。本実施形態では、ロールシートRの回転軸R1が上面21よりも上方に位置するようにロールシートRが支持されることにより、記録装置1の前側から操作するユーザの手が保持部32に届きやすくなり、ロールシートRのセット時の操作性が向上する。なお、本実施形態では、ロールシートRの全体が上面21よりも上方に位置するようにロールシートRが支持部3に支持されているが、ロールシートRはその回転軸R1よりも下側の一部が上面21よりも下方に位置するように支持部3に支持されてもよい。
【0017】
搬送ユニット4は、筐体内に配置され、ロールシートRを搬送する。本実施形態では、搬送ユニット4は、ロールシートRの搬送方向に離間した複数のローラ対41~44を含む。複数の搬送ローラ対41~44はそれぞれ、搬送モータ(不図示)によって駆動する駆動ローラと、この駆動ローラに従動する従動ローラとを含む。なお、各駆動ローラは1つの搬送モータによって駆動してもよいし、各駆動ローラのそれぞれに対応する複数の搬送モータによって別々に駆動してもよい。また、搬送ユニット4が備える搬送ローラ対の数も限定されない。
【0018】
また、筐体2内には、シートSの搬経路を形成するガイド部材9が配置されている。ガイド部材9により形成される搬送路Pは、ロールシートR及びカットシートCの共通の搬送路である。ロールシートRの巻き解かれた部分は、搬送路PRを通って搬送路Pへ進入する。一方、カットシートCは、ユーザ等により筐体2内に供給される際に搬送路PCを通って搬送路Pへ進入する。
【0019】
可変ガイド部材5は、導入口210から搬送ユニット4へのカットシートCの供給を案内する。詳細については<可変ガイド部材の構成例>で説明する。
【0020】
カバー部6は、筐体2の上面の一部を覆う。カバー部6は、カバー61とカバー62とを含み、これらで筐体2の導入口210を覆うように設けられる。カバー61は、支持部3に支持されたロールシートRを開閉可能に覆う。また、カバー62は、カバー61が閉じられた状態でカットシートCを筐体2の内部に導入可能なカットシート導入領域である領域211を覆う。本実施形態では、領域211は、導入口210の手前側(+X側)の領域である。
【0021】
本実施形態では、カバー61は支持部3に回動可能に設けられ、カバー62はカバー61に回動可能に設けられる。しかしながら、カバー61又はカバー62が筐体2に対して回動可能ないしは変位可能に設けられる構成も採用可能である。また、カバー62が支持部3に対して回動可能に設けられてもよい。また、カバー部6の形状は例示であって他の構成も採用可能である。例えば、カバー部6が弧状の断面を有する形状であってもよい。
【0022】
記録ユニット7は、シートSに画像を記録可能である。記録ユニット7は、シートSに対してインクを吐出する記録ヘッド71を含む。本実施形態では記録ヘッド71は、インクを吐出する吐出口がシートSの幅に相当する領域に設けられたライン方式の記録ヘッドである。しかしながら、記録ユニット7は、シリアル方式の記録ヘッド及びこれを移動させるキャリッジを有してもよいし、インクジェット方式以外の方式で記録媒体に画像を記録してもよい。また、記録ユニット7はプラテン72を含み、記録ヘッド71及びプラテン72によりシートSの搬送路Pを挟むようにこれらが配置されている。一実施形態において、プラテン72はシートSを吸着保持する吸引プラテンであり得る。
【0023】
カッターユニット8は、記録ユニット7よりも搬送方向の下流側に設けられ、ロールシートRから引き出され、記録が完了したシートSを切断する。
【0024】
本実施形態では、記録装置1は、ある側面から見れば、ロールシートRを搬送するシート搬送装置を備えている。また、本実施形態では、記録装置1は、ロールシートRとカットシートCを共通の搬送ユニット4により搬送する。このため、搬送ユニット4の搬送方向上流側の搬送ローラ対41は、導入口210の下方、かつ導入口210の領域211よりも排出口220側(搬送方向の下流側)に設けられている。さらに言えば、シートSが記録ヘッド71の下側を通過する必要があるため、搬送ユニット4の各ローラ対が記録ヘッド71の下側に設けられている。
【0025】
そのため、導入口210の領域211と、搬送ユニット4の搬送方向上流側の搬送ローラ対41との距離がカットシートCの長さに対して大きくなってしまい、カットシートCがセットしにくい場合がある。例えば、カットシートCの搬送方向の長さが導入口210から搬送ローラ対41までの距離よりも短い場合に、カットシートCの先端が搬送ローラ対41に到達しない状態でユーザがカットシートCから手を離してシートをセットする必要がある。そのため、カットシートCが幅方向にずれてしまったり、搬送方向に対して斜めにセットされてしまったりする場合がある。
【0026】
このような場合に、カットシートCの搬送路PCに沿ったガイドが設けられていれば、ユーザはそのガイドに沿ってカットシートCをセットしやすくなる。しかしながら、領域211と搬送ローラ対との間にカットシートCを案内するガイド部材を設けることは、ロールシートRの搬送路PRとの関係で制限される場合がある。例えば、搬送経路PRと干渉する位置には、カットシートC用の固定のガイド部材等を設けることができない。本実施形態では、カットシートCのセット位置よりも奥側にロールシートRが配置されるため、カットシートC用のガイドを導入口210の付近まで延長するとロールシートRの搬送路PRに干渉してしまう。そこで、本実施形態では、可変ガイド部材5を採用している。以下、その構成例について説明する。
【0027】
<カバー及び可変ガイド部材の構成例>
図3は、カバー部6及び可変ガイド部材5の構成例を示す断面図であって、カバー61及びカバー62が閉じられた状態を模式的に示している。本実施形態では、カバー61は、その回動軸部材611が支持部3に支持されることで、支持部3に対して回動可能に設けられる。また、カバー62は、その回動軸部材621がカバー61に支持されることで、カバー61に対して回動可能に設けられる。ユーザは、カバー61を開けることにより、ロールシートRを支持部3にセットしたり、ジャム処理等を行ったりすることができる。また、ユーザは、カバー62を開けることにより、カットシートCを筐体2内の搬送ユニット4に供給することができる。また、本実施形態では、カバー62の開動作に連動して変位する可変ガイド部材5が設けられている。
【0028】
可変ガイド部材5は、カットシートCをガイドするガイド部51と、ガイド部51をガイド位置と退避位置との間で変位させる変位部52とを含む。
【0029】
ガイド部51は、ガイド位置においてカットシートCを搬送ローラ対41へガイドする。ガイド部51は、カットシートC搬送方向と交差する幅方向に延びるガイド面511を有し、ガイド面511によりカットシートCをガイドする。ガイド面511は、カバー62と同程度の幅を有していてもよいし、A3及びA4等の所定のサイズのカットシートCをガイド可能な幅を有していてもよい。
【0030】
変位部52は、ガイド部51をガイド位置と退避位置との間で変位させる。本実施形態では、ガイド位置はガイド部51がカットシートCをガイド可能な位置(図4)であり、退避位置はガイド部51がロールシートRの搬送路PRから退避する位置(図3)である。
【0031】
本実施形態では、変位部52は、ラックピニオン機構によりカバー62の回動を直線運動に変換してガイド部51を変位させる。変位部52は、2つのギヤ521及び522と、ラック523とを含む。ギヤ521は、カバー62の回動軸部材621に設けられたギヤ(不図示)及びギヤ522と噛み合うように構成され、これによりカバー62の回転力をギヤ522に伝達する。ギヤ522は、ギヤ521から伝達された回転力をラック523に伝達する。ラック523は、ギヤ522から伝達された回転力を直線運動に変換してガイド部51を変位させる。なお、変位部52の構成は例示であって、ガイド部51を変位させることのできる構成を適宜採用可能である。
【0032】
<可変ガイド部材の動作>
図3及び図4を用いて可変ガイド部材5の動作について説明する。図4は、カバー部6及び可変ガイド部材5の構成例を示す断面図であって、カバー61が閉じられ、カバー62が開かれた状態を模式的に示している。
【0033】
図3の状態、すなわちカバー62が閉じられた状態では、ガイド部51が退避位置に位置している。本実施形態では、退避位置は、導入口210よりも上方の位置である。しかしながら、退避位置は、ガイド部51がロールシートRの搬送路PRに干渉しない範囲でガイド部51が筐体2の内部に入り込んだ位置(導入口210よりも下方の位置)であってもよい。
【0034】
カバー62が開く場合、カバー62は、図3及び図4の方向で見て回動軸部材621を中心に時計回りに回動する。これに伴い、ギヤ521は反時計回りに回転し、ギヤ522は時計回りに回転し、ラック523は下側に移動する。すなわち、本実施形態では、2つのギヤ521及び522を介してカバー62の回動をラック523に伝達することにより、カバー62の回転力がガイド部51の下方向への移動に変換される。カバー62が閉じる場合は、開く場合と逆に、カバー62が図3及び図4の方向で見て反時計回りに回動することでガイド部51が上方向へ移動する。
【0035】
カバー62が開かれると、図4で示すようにガイド部51がガイド位置に変位する。本実施形態では、ガイド部51は、ガイド位置において、導入口210の領域211と搬送ローラ対41との間に位置する。より具体的には、ガイド部51は、ガイド位置において、領域211と、ガイド部材9が形成する搬送路Pとの間においてカットシートCの搬送をガイドする。また、ガイド部51がガイド位置に位置することで、カットシートCの搬送路PCを形成する。
【0036】
以上説明したように、本実施形態では、可変ガイド部材5は、導入口210と搬送ローラ対41との間でカットシートCをガイドする。これにより、カットシートCをセットする際の操作性を向上することができる。また、可変ガイド部材5が退避位置とガイド位置との間を変位可能に構成されることにより、ロールシートRの使用時にはロールシートRの搬送路を確保しつつ、カットシートCの使用時にはシートのセットの操作性を向上することができる。一方で、ロールシートRの使用時にはガイド部51が退避位置に退避することで、ロールシートRとガイド部51との干渉を回避することができる。
【0037】
また、本実施形態では、カバー62を開くことでカットシートCをセットすることができるので、カットシートCの使用時に比較的大きなカバー61を開く必要が無く、ユーザの操作負担を低減することができる。また、カバー62が開くのに連動してガイド部51が退避位置からガイド位置に変位するので、ユーザの操作の手間が低減される。よって、カットシートCのセット時の操作性をより向上することができる。また、ユーザがカットシートCの使用を終了し、カバー62を閉じた場合にはそれに連動してガイド部51が退避位置に退避する。よって、その後にロールシートRを使用する際にガイド部51を片付ける等の操作を行う必要が無く、ユーザの操作の手間を低減することができる。
【0038】
また、ある側面から見れば、図4の状態では、カバー部6、すなわちカバー61及びカバー62が筐体2の上方においてカットシートのガイドとして機能している。そして、ガイド部51は、ガイドとして機能するカバー部6の側からガイド部材9の側へと延伸するように変位しているといえる。さらに言えば、本実施形態の記録装置1は、搬送経路PRと干渉する位置にカットシートC用の固定のガイド部材等を設けることができないため、ガイドとして機能するカバー部6と、ガイド部材9との間に隙間が空いてしまう。しかしながら、本実施形態では、カバー62が開くことでガイド部51がこの隙間を埋めるように延伸するので、全体として隙間の少ないガイドが形成される。これにより、ユーザがカットシートCをセットする際の操作性が向上する。
【0039】
<第2実施形態>
以下、第2実施形態に係る記録装置について説明する。なお、第1実施形態と重複する説明は省略する。第1実施形態では、カバー62及び可変ガイド部材5がカバー61の側に設けられていた。第2実施形態では、カバー562及び可変ガイド部材505が筐体2の側に設けられている。
【0040】
図5は、一実施形態に係るカバー506及び可変ガイド部材505の構成例を示す断面図であって、カバー561及びカバー562が閉じられた状態を模式的に示している。また、図6は、一実施形態に係るカバー506及び可変ガイド部材505の構成例を示す断面図であって、カバー561及びカバー562が開かれた状態を模式的に示している。
【0041】
本実施形態では、カバー562は、図5で示す閉位置と、図6で示す開位置との間で筐体2に対して回動可能に設けられている。また、可変ガイド部材505は、カバー562が開位置にある場合に、カバー562から下方に延伸可能に設けられている。図7は、可変ガイド部材505を図6の矢印A1方向からみた図である。可変ガイド部材505は、カバー562が形成する面の方向にスライド可能に設けられている。本実施形態では、可変ガイド部材505は幅方向の両端部に凸部5051を備え、カバー562に設けられた摺動溝(不図示)に沿って凸部5051が移動することで可変ガイド部材505がスライドする。
【0042】
本実施形態によれば、より簡易な構成で可変ガイド部材505を設けることができる。また、カットシートCが搬送方向に十分長い場合には可変ガイド部材505を操作することなくカットシートCを行うことができるので、ユーザの手間を低減することができる。
【0043】
発明は上記実施形態に制限されるものではなく、発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、発明の範囲を公にするために請求項を添付する。
【符号の説明】
【0044】
1 記録装置、4 搬送ユニット、5 可変ガイド部材、6 カバー部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7