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特許7474101ペイメントカード発行方法、ペイメントカード発行装置、及びペイメントカード発行プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】ペイメントカード発行方法、ペイメントカード発行装置、及びペイメントカード発行プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 40/02 20230101AFI20240417BHJP
【FI】
G06Q40/02
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020066970
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2021163383
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-02-16
(73)【特許権者】
【識別番号】519457306
【氏名又は名称】株式会社ULTRA
(74)【代理人】
【識別番号】100119758
【弁理士】
【氏名又は名称】菊地 保宏
(72)【発明者】
【氏名】竹谷 直彦
(72)【発明者】
【氏名】青柳 暢
【審査官】大野 朋也
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-152040(JP,A)
【文献】特開2003-196573(JP,A)
【文献】特開2004-062772(JP,A)
【文献】特開2017-174421(JP,A)
【文献】特開2019-053495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
利用者が携行する利用者端末を介してペイメントカードを発行するペイメントカード発行装置によるペイメントカード発行方法であって、
利用者端末を介して入力された利用者情報に基づいて、利用者IDを生成する利用者ID生成ステップと、
利用者端末を介して入力された選択情報に基づいて、リアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードの所有有無を確認するリアルカード確認ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していないと判定した場合、前記利用者IDに対応付けられたバーチャルカード番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第1の発行ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していると判定した場合、前記利用者IDと利用者端末を介して入力されたリアルカードのユニーク番号を対応付けた後、前記リアルカード番号と同じ番号となるバーチャル番号を付したバーチャルカードを発行し、発行した旨を利用者端末に出力する第2の発行ステップと、
前記第1の発行ステップにおいて、バーチャルカードを発行した場合、利用者端末を介して入力されたリアルカード発行要求の有無を確認するリアルカード付与要求確認ステップと、
前記リアルカード付与要求確認ステップにおいて、リアルカード発行要求を受け付けた場合には、前記利用者IDと対応付けたリアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードを発行し、発行したリアルカードを配送する旨を利用者端末に出力するリアルカード発行ステップと、
を備え、
前記リアルカード発行ステップは、
利用者の本人確認情報を必要とするリアルカード(以下、第2のリアルカードという)を発行する場合には、前記本人確認情報を受け付けることに基づいて、該第2のリアルカードを有効化するために必要な利用開始番号を送付する旨を利用者端末に出力し、
利用者の本人確認情報を必要としないリアルカード(以下、第1のリアルカードという)を発行する場合には、配布先情報を受け付けることに基づいて、該第1のリアルカードを配送する旨を利用者端末に出力する、
ことを特徴とする、
ペイメントカード発行方法。
【請求項2】
利用者端末を介して入力された第1のリアルカードのユニーク番号に基づいて利用者認証に成功した場合、発行した第1のリアルカードを有効化し、
利用者端末を介して入力された第2のリアルカードのユニーク番号及び利用開始番号に基づいて利用者認証に成功した場合、発行した第2のリアルカードを有効化する、
リアルカード有効化ステップと、
を備えることを特徴とする、請求項1記載のペイメントカード発行方法。
【請求項3】
前記リアルカード有効化ステップにおいてリアルカードを有効化した後、前記第1の発行ステップで発行したバーチャルカードのバーチャルカード番号を、有効化したリアルカードのリアルカード番号に更新するカード番号更新ステップをさらに備える、請求項2記載のペイメントカード発行方法。
【請求項4】
前記利用者情報は、電話番号、メールアドレス、またはSNSアカウントの少なくとも一つである、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のペイメントカード発行方法。
【請求項5】
利用者が携行する利用者端末を介してペイメントカードを発行するペイメントカード発行装置であって、
利用者端末を介して入力された利用者情報に基づいて、利用者IDを生成する利用者ID生成部と、
利用者端末を介して入力された選択情報に基づいて、リアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードの所有有無を確認するリアルカード確認部と、
前記リアルカード確認部においてリアルカードを所有していないと判定した場合、前記利用者IDに対応付けられたバーチャルカード番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第1の発行部と、
前記リアルカード確認部においてリアルカードを所有していると判定した場合、前記利用者IDと利用者端末を介して入力されたリアルカードのユニーク番号を対応付けた後、前記リアルカード番号と同じ番号となるバーチャル番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第2の発行部と、
前記第1の発行部において、バーチャルカードを発行した場合、利用者端末を介して入力されたリアルカード発行要求の有無を確認するリアルカード付与要求確認部と、
前記リアルカード付与要求確認部において、リアルカード発行要求を受け付けた場合には、前記利用者IDと対応付けたリアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードを発行し、発行したリアルカードを配送する旨を利用者端末に出力するリアルカード発行部と、
を備え、
前記リアルカード発行部は、
利用者の本人確認情報を必要とするリアルカード(以下、第2のリアルカードという)を発行する場合には、前記本人確認情報を受け付けることに基づいて、該第2のリアルカードを有効化するために必要な利用開始番号を送付する旨を利用者端末に出力し、
利用者の本人確認情報を必要としないリアルカード(以下、第1のリアルカードという)を発行する場合には、配布先情報を受け付けることに基づいて、該第1のリアルカードを配送する旨を利用者端末に出力する、
ことを特徴とする、ペイメントカード発行装置。
【請求項6】
利用者が携行する利用者端末を介してペイメントカードを発行するコンピュータのためのペイメントカード発行プログラムであって、
利用者端末を介して入力された利用者情報に基づいて、利用者IDを生成する利用者ID生成ステップと、
利用者端末を介して入力された選択情報に基づいて、リアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードの所有有無を確認するリアルカード確認ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していないと判定した場合、前記利用者IDに対応付けられたバーチャルカード番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第1の発行ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していると判定した場合、前記利用者IDと利用者端末を介して入力されたリアルカードのユニーク番号を対応付けた後、前記リアルカード番号と同じ番号となるバーチャル番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第2の発行ステップと、
前記第1の発行ステップにおいて、バーチャルカードを発行した場合、利用者端末を介して入力されたリアルカード発行要求の有無を確認するリアルカード付与要求確認ステップと、
前記リアルカード付与要求確認ステップにおいて、リアルカード発行要求を受け付けた場合には、前記利用者IDと対応付けたリアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードを発行し、発行したリアルカードを配送する旨を利用者端末に出力するリアルカード発行ステップと、
を前記コンピュータに実行させ、
前記リアルカード発行ステップは、
利用者の本人確認情報を必要とするリアルカード(以下、第2のリアルカードという)を発行する場合には、前記本人確認情報を受け付けることに基づいて、該第2のリアルカードを有効化するために必要な利用開始番号を送付する旨を利用者端末に出力し、
利用者の本人確認情報を必要としないリアルカード(以下、第1のリアルカードという)を発行する場合には、配布先情報を受け付けることに基づいて、該第1のリアルカードを配送する旨を利用者端末に出力する、
ことを特徴とする、ペイメントカード提供プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペイメントカードを発行する技術に関し、特にバーチャルカードを発行する情報処理システムに好適に適用できる。
【背景技術】
【0002】
現在、社会には多様なペイメントカードが流通している。ここで、ペイメントカードとは、現金以外で決済を行えるカードの総称であり、例えば、クレジットカード、デビッドカード、プリメイドカードなどが含まれる。昨今では、プラスチックカードなどの物理的なカードにカード情報が埋め込まれた、所謂リアルカードのほか、携帯情報処理端末のアプリケーション上でカード情報が管理される、所謂バーチャルカードの発行も行われている。
【0003】
例えば、特許文献1には、バーチャルカード及びリアルカードの双方を発行するペイメントカードの提供方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-152040号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1で開示されているペイメントカードの提供方法は、バーチャルカードの発行を前提としており、バーチャルカードの発行の後にリアルカードを発行するという手順を辿る。しかしながら、現実には、利用者が既にリアルカードを所有している、又は利用者がリアルカードを必要としていないなど利用者それぞれに事情が存在する。このため、利用者の状況に即した多様なペイメントカードの発行方法が望まれていた。
【0006】
本発明は上記の事情を鑑みてなされたものであり、その課題の一例としては、利用者の状況に即した多様な発行方法を可能とし、利用者の利便性を向上させることができるペイメントカード発行方法、ペイメントカード発行装置、及びペイメントカード発行プログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を達成するため、本発明に係るペイメントカード発行方法は、その一態様として、
利用者が携行する利用者端末を介したペイメントカード発行方法であって、
利用者端末を介して入力された利用者情報に基づいて、利用者IDを生成する利用者ID生成ステップと、
利用者端末を介して入力された選択情報に基づいて、リアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードの所有有無を確認するリアルカード確認ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していないと判定した場合、前記利用者IDに対応付けられたバーチャルカード番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第1の発行ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していると判定した場合、前記利用者IDと利用者端末を介して入力されたリアルカードのユニーク番号を対応付けた後、前記リアルカード番号と同じ番号となるバーチャル番号を付したバーチャルカードを発行し、発行した旨を利用者端末に出力する第2の発行ステップと、
を備える。
【0008】
また、上記の課題を達成するため、本発明に係るペイメントカード提供装置は、その一態様として、
利用者が携行する利用者端末を介してペイメントカードを発行するペイメントカード発行装置であって、
利用者端末を介して入力された利用者情報に基づいて、利用者IDを生成する利用者ID生成部と、
利用者端末を介して入力された選択情報に基づいて、リアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードの所有有無を確認するリアルカード確認部と、
前記リアルカード確認部においてリアルカードを所有していないと判定した場合、前記利用者IDに対応付けられたバーチャルカード番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第1の発行部と、
前記リアルカード確認部においてリアルカードを所有していると判定した場合、前記利用者IDと利用者端末を介して入力されたリアルカードのユニーク番号を対応付けた後、前記リアルカード番号と同じ番号となるバーチャル番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第2の発行部と、
を備える。
【0009】
また、本発明に係るペイメントカード提供プログラムは、その一態様として、
利用者が携行する利用者端末を介してペイメントカードを発行するコンピュータのためのペイメントカード発行プログラムであって、
利用者端末を介して入力された利用者情報に基づいて、利用者IDを生成する利用者ID生成ステップと、
利用者端末を介して入力された選択情報に基づいて、リアルカード番号とユニーク番号とを付したリアルカードの所有有無を確認するリアルカード確認ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していないと判定した場合、前記利用者IDに対応付けられたバーチャルカード番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第1の発行ステップと、
前記リアルカード確認ステップにおいてリアルカードを所有していると判定した場合、前記利用者IDと利用者端末を介して入力されたリアルカードのユニーク番号を対応付けた後、前記リアルカード番号と同じ番号となるバーチャル番号を付したバーチャルカードを発行し、バーチャルカードを発行した旨を利用者端末に出力する第2の発行ステップと、
を前記コンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、利用者の状況に即した多様な発行方法を可能とし、利用者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態にペイメントカード発行システムの概略構成図である。
図2】本発明の実施の形態に係るペイメントカード発行システムで管理される利用者情報の内容を模式的に示す図である。
図3】本発明の実施の形態に係るペイメントカード発行システムで発行されるリアルカードの一例を示す外観図である。
図4】本発明の実施の形態に係るペイメントカード発行システムで発行されるバーチャルカードの一例を示す外観図である。
図5】本発明の実施の形態に係るペイメントカード発行システムのペイメントカード発行処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0013】
<ペイメントカード発行システムの構成>
図1は、本発明の実施の形態に係るペイメントカード発行システム10の概略構成図である。ペイメントカード発行システム10は、利用者からのカード発行要求に対してペイメントカードを発行する情報処理システムであり、リアルカード及びバーチャルカードの双方を発行可能なペイメントカード発行サービスを提供する情報インフラである。
【0014】
なお、ペイメントカード発行システム10は、発行したペイメントカードの利用に関するペイメントカード利用サービスを提供する情報処理システムでもあるが、ペイメントカード利用サービスに関する機能については、本明細書では説明を割愛する。以下では、ペイメントカードの発行から利用までの総合的なサービスをペイメントカード発行・利用サービスと総称する。
【0015】
ここで、「ペイメントカード」とは、現金以外で決済を行えるカードの総称を意味し、例えば、後払決済により商品又はサービスを購入するクレジットカード、商品又はサービスの購入時に即時決済されるデビッドカード、前払決済により商品又はサービスを購入するプリメイドカードなどが含まれる。また、「リアルカード」とは、プラスチックカードなど物体として存在する現実のペイメントカードである所謂リアルペイメントカードを意味し、「バーチャルカード」とは、物体としては存在しないがアプリケーション上など電子的なインターフェースとして存在する仮想のペイメントカードである所謂バーチャルペイメントカードを意味する。図3に本実施の形態のリアルカードの一例、図4に本実施の形態の利用者端末2に表示されるバーチャルカードの一例を示す。
【0016】
本実施の形態の「バーチャルカード及びリアルカード」には、例えば、本人確認を必要としない入金(チャージ)型のプリペイドカードで構成された「第1のバーチャルカード及び第1のリアルカード」と、公的書類などで確認を行い本人の給与や報酬など個人信用情報と紐づく形での入金(チャージ)も可能なプリペイドカードで構成された「第2のバーチャルカード及び第2のリアルカード」と、が存在する。すなわち、第1のバーチャルカード及び第1のリアルカードは、審査が不要なカードであり、第2のバーチャルカード及び第2のリアルカードは、審査が必要なカードである。本実施の形態では、第1のリアルカードと第1のバーチャルカードとが対となり、第2のリアルカードと第2のバーチャルカードとが対となる。また、第1のリアルカードには、利用者の意思にもとづいてペイメントカード発行システム10上で発行されるリアルカードのほか、広告宣伝的な販促物として特定又は不特定の利用者に対して配布されるリアルカードも存在する。本実施の形態では、前者の第1のリアルカードを「利用者の意思に基づく第1のリアルカード」、後者の第1のリアルカードを「配布された第1のリアルカード」と称する場合がある。
【0017】
ペイメントカード発行システム10は、図1に示すように、ペイメントカード発行装置1と、利用者端末2と、ペイメントカード発行装置1と利用者端末2を相互に通信可能とする、例えば、インターネット網、公衆網などからなる通信ネットワーク3と、を備えている。なお、ここでいう利用者端末2とは、利用者が利用可能とする端末であり、利用者ID(下記参照)を用いて利用者の本人認証(ユーザ認証)を行えるアプリケーションプログラムを搭載可能な端末であれば、端末の数は単数でも複数でもどちらでもよい。
【0018】
(ペイメントカード発行装置)
ペイメントカード発行装置1は、ペイメントカード発行サービスを提供する事業者が管理するコンピュータであり、図1に示すように、記憶部11と、制御部12と、通信部13と、を具備する。ペイメントカード発行装置1は、少なくとも演算機能及び制御機能を備えた中央演算装置(CPU)、プログラムやデータを格納する機能を有するRAM等からなる主記憶装置(メモリ)を有する電子的な装置から構成されている。また、ペイメントカード発行装置1は、主記憶装置の他、ハードディスクなどの補助記憶装置を具備していてもよい。記憶部11は、上記主記憶装置及び補助記憶装置の機能を備えたものであり、制御部12及び通信部13は、上記CPUによる演算制御機能を具体的に示したものに他ならない。
【0019】
記憶部11は、ペイメントカードを発行する利用者に関する情報(以下、利用者情報という)101を記憶する。図2に利用者情報101のデータ内容を模式的に示す。利用者情報101は、ペイメントカード発行サービスにおいて利用者を一意に識別可能な利用者IDと、利用者に関する属性情報(以下、利用者属性情報という)と、を備えた情報である。利用者属性情報は、例えば、電話番号、メールアドレス、SNSアカウント、パスワード、性別、生年月日などで構成される。
【0020】
ペイメントカード発行サービスにおいてリアルカードを発行する場合には、利用者情報101には、ペイメントカード発行サービスにおいてリアルカードを一意に識別可能なリアルカード番号と、本ペイメントカード利用サービスのためのユニーク番号と、リアルカードに関連する情報(以下、リアルカード関連情報)と、が追加登録される。リアルカード番号は、図2に示すように、利用者IDと対応付けられて管理される。また、本実施の形態では、リアルカード番号は、外部の決済機関を利用するための外部ユニーク番号であり、リアルカード番号は、ユニーク番号とは異なる番号である。また、ユニーク番号は、本ペイメントカードの入出金に利用してもよい。
【0021】
リアルカード関連情報は、例えば、セキュリティコード、リアルカードの有効期限、などのリアルカードに関わる識別情報のほか、第2のリアルカードを発行する場合に必要な名前などの本人確認情報などが含まれる。また、リアルカードの利用に際しては、利用明細、チャージや残額に関する利用履歴情報がリアルカード関連情報として蓄積されていく。
【0022】
また、ペイメントカード発行サービスにおいてバーチャルカードを発行する場合には、利用者情報101には、ペイメントカード発行サービスにおいてバーチャルカードを一意に識別可能なバーチャルカード番号と、本ペイメントカード利用サービスのためのユニーク番号と、バーチャルカードに関連する情報(以下、バーチャルカード関連情報)と、が追加登録される。バーチャルカード番号は、図2に示すように、利用者IDと対応付けられて管理される。また、本実施の形態では、バーチャルカード番号は、外部の決済機関を利用するための外部ユニーク番号であり、バーチャルカード番号は、ユニーク番号とは異なる番号である。また、ユニーク番号は、本ペイメントカードの入出金に利用してもよい。
【0023】
バーチャルカード関連情報は、例えば、セキュリティコード、バーチャルカードの有効期限などのバーチャルカードに関わる識別情報が含まれ、さらに、名前などの本人確認情報が含まれてもよい。また、バーチャルカードの利用に際しては、利用明細、チャージや残額に関する利用履歴情報がバーチャルカード関連情報として蓄積されていく。
【0024】
なお、図1には図示しないが、記憶部11には、ペイメントカード発行装置1がペイメントカード発行サービスを実行するためのプログラム(以下、ペイメントカード発行プログラムという)が記憶されている。このペイメントカード発行プログラムを実行することにより、後述する制御部12の機能が実現している。
【0025】
制御部12は、機能的には、利用者登録部102と、カード所有状況確認部103と、バーチャルカード発行部104と、リアルカード発行部105と、カード番号更新部106と、に細分化される。
【0026】
利用者登録部102は、利用者を新規登録するための機能である。本実施の形態では、利用者端末2に表示された新規会員登録画面(図示せず)を介して入力された電話番号又はメールアドレスに基づいてユーザ認証を行っており、ユーザ認証に成功した場合、ユーザIDが発行される。すなわち、利用者登録部102は、利用者ID生成部ともいえる。
【0027】
具体的には、利用者登録部102は、入力された電話番号又はメールアドレスに基づいてSMS(short message service)を実行し、利用者端末2に認証番号を送信する。次いで、利用者登録部102は、新規会員登録画面を介して入力された認証番号を確認することにより、ユーザ認証を行う。本実施の形態では、新規会員登録画面において入力された電話番号又はメールアドレス、及びパスワードが、以後、ログインする際のログインID、及びパスワードとなる。
【0028】
なお、新規会員登録画面(図示せず)に生年月日、性別の欄を設け、未成年の場合には、保護者の同意を得ているか否かのチェックボックスを設けるようにしてもよい。利用者が未成年の場合には、保護者の同意があることを条件に新規登録を可能とする趣旨である。また、電話番号又はメールアドレスのほか、SNS(Social Networking Service)のアカウントをログインIDとしてもよい。
【0029】
また、利用者登録部102は、ユーザ認証が成功した場合、利用者ID及び利用者属性情報から構成される利用者情報101を記憶部11に登録する機能を有する。利用者属性情報は、利用者が入力した電話番号、メールアドレス、パスワード、性別、生年月日などである。
【0030】
カード所有状況確認部103は、利用者がリアルカードを所有しているか否かを確認する機能である。本実施の形態では、利用者がリアルカードを所有しているか否かに基づいて、以後のペイメントカード発行処理の流れが異なるので、利用者がリアルカードを所有しているか否かを利用者に確認するようにしている。すなわち、カード所有状況確認部103は、リアルカード確認部ともいえる。
【0031】
バーチャルカード発行部104は、バーチャルカードを発行する機能である。バーチャルカードを発行する場合には、発番したバーチャルカード番号、ユニーク番号及びバーチャルカード関連情報を利用者情報101として記憶部11に登録する。なお、発行されたバーチャルカードのバーチャルカード番号は、利用者IDと紐づいて登録される(発行されたバーチャルカードのユニーク番号も利用者IDと紐づいて登録される)。本実施の形態では、バーチャルカードは発行とともに有効化され、バーチャルカードの利用が可能となる。
【0032】
リアルカード発行部105は、リアルカードを発行する機能である。リアルカードを発行する場合には、発番したリアルカード番号、ユニーク番号及びリアルカード関連情報を利用者情報101として記憶部11に登録する。なお、発行されたリアルカードのリアルカード番号は利用者IDと紐づいて登録される(発行されたリアルカードのユニーク番号も利用者IDと紐づいて登録される)。
【0033】
カード番号更新部106は、利用者がリアルカード及びバーチャルカードの双方を所有している場合、カード番号の統一を図る機能である。本実施の形態では、リアルカード及びバーチャルカードの双方を所有している場合、リアルカード番号に統一するようにしているので、バーチャルカード番号をリアルカード番号に更新する。
【0034】
通信部13は、通信ネットワーク3を介して利用者端末とデータの送受信を行うようになっている。
【0035】
(利用者端末)
利用者端末2は、利用者が管理する端末となるコンピュータであり、本実施の形態では、スマートフォンやタブレット装置など利用者が携行する装置が想定される。利用者端末2は、少なくとも演算機能及び制御機能を備えた中央演算装置(CPU)、プログラムやデータを格納する機能を有するRAM等からなる主記憶装置(メモリ)を有する電子的な装置から構成されている。また、利用者端末2は、ハードウェア構成として、タッチパネルなどの入力装置や、液晶ディスプレイなどの表示画面を備えている。
【0036】
利用者端末2は、詳しくは、図1に示すように、記憶部21と、UI(User Interface)部22と、制御部23と、通信部24と、を具備する。
【0037】
記憶部21は、例えば、フラッシュメモリ等から構成され、制御部23が制御に用いるデータやプログラムなどを記憶するようになっている。本実施の形態の記憶部21には、利用者がペイメントカード発行サービスを利用するためのアプリケーションプログラム(以下、単にアプリと略記する)201がインストールされている。ここでいうアプリは、利用者がペイメントカード発行サービスを利用するためのアプリとしてのウェブブラウザを用いて利用するウェブアプリ等であっても、このウェブアプリと、端末へインストールして利用するネイティブアプリとを融合したハイブリッドアプリであってもよい。なお、本実施形態では、ハイブリッドアプリを用いている。
【0038】
UI部22は、利用者端末2の入力部及び出力部を兼ねるものであり、利用者からの入力操作を受け付けるとともに、入力操作に応じて制御部23にて処理された結果を出力するようになっている。例えば、表示画面を兼ねたタッチパネル、マイク、スピーカなどで構成されている。
【0039】
制御部23は、例えば、CPU及びメモリ等から構成され、記憶部21の制御や、各種データの転送、種々の演算、データの一時的な格納等を行うことにより、ペイメントカード発行機能24を実現させる。ペイメントカード発行機能24は、ペイメントカード発行システム10における利用者端末2側の機能であり、CPUがアプリ201をメモリに読み出して実行することにより実現される。
【0040】
通信部24は、通信ネットワーク3を介してペイメントカード発行装置1とデータの送受信を行うようになっている。
【0041】
<ペイメントカード発行システムの動作>
次に、図5を用いて、本実施の形態に係るペイメントカード発行システム10の動作について説明する。図5は、ペイメントカード発行システム10におけるペイメントカード発行処理の流れを示すフローチャートである。なお、利用者端末2にはアプリ201がインストールされており、アプリ201が起動していることを前提として説明する。
【0042】
まず、利用者は、利用者端末2を介してペイメントカード発行サービスにおける利用者登録を行う(ステップS10)。具体的には、利用者は、利用者端末2に表示された新規会員登録画面(図示せず)においてログインIDを設定して、送信ボタンを押下する。設定するログインIDは、電話番号又はメールアドレス、及びパスワードである。これにより、設定されたログインIDに関する情報がペイメントカード発行装置1に送信される。ペイメントカード発行装置1は、ログインIDに関する情報を受信すると、設定された電話番号又はメールアドレスにSMSを用いて認証番号を送信する。利用者は、利用者端末2が受信した認証番号を新規会員登録画面において入力して認証ボタンを押下する。これにより、入力された認証番号がペイメントカード発行装置1に送信されるので、ペイメントカード発行装置1は、送信した認証番号と受信した認証番号の一致に基づいて、ユーザ認証を行う。ユーザ認証に成功した場合は、以下の処理を行う。
【0043】
ペイメントカード発行装置1は、ステップS10においてユーザ認証に成功したので、新規に利用者IDを発行し、利用者から入力された情報に基づいて利用者情報101を記憶部11に登録する(ステップS20)。
【0044】
次に、ペイメントカード発行装置1は、リアルカードを所有しているか否かのリアルカード確認画面(図示せず)を利用者端末2に表示させるので、利用者は自分のリアルカードの所有状況に応じて、リアルカード確認画面においてリアルカードを「持っている」又は「持っていない」のいずれかの選択を行う(ステップS30)。これにより、リアルカードを「持っている」又は「持っていない」の選択情報がペイメントカード発行装置1に送信される
【0045】
利用者がリアルカードを所有していない場合(ステップS30:NO)、つまり、ペイメントカード発行装置1が「持っていない」旨の選択情報を受信した場合には、ペイメントカード発行装置1は、バーチャルカードを発行する(ステップS40)。具体的には、ペイメントカード発行装置1は、新規発行するバーチャルカードのバーチャルカード番号、ユニーク番号を利用者IDと対応付けて利用者情報101に登録し、バーチャルカードが発行された旨のメッセージを表示したバーチャルカード発行完了画面(図示せず)を利用者端末2に送信する。これにより、利用者は、利用者端末2に表示されたバーチャルカード発行完了画面のメッセージからバーチャルカードが発行されたことを把握することができる。なお、バーチャルカード発行完了画面において、利用者が発行されたバーチャルカードを利用するためのボタンを押下した場合には、利用者端末2には、図4に示したバーチャルカード画面が表示され、即時バーチャルカードの利用が可能となる。
【0046】
次に、ペイメントカード発行装置1は、リアルカードを新規発行するか否かのリアルカード発行確認画面(図示せず)を利用者端末2に送信する(ステップS50)。利用者は、利用者端末2に表示されたリアルカード確認画面においてリアルカードの新規発行を望む場合には(ステップS50:YES)、さらに第1のリアルカード又は第2のリアルカードのいずれの新規発行を行うかを選択し(ステップS60)、リアルカード付与要求をペイメントカード発行装置1に指示するとともに、利用者端末2に表示されたリアルカード確認画面においてリアルカードの新規発行を望まない場合には(ステップS50:NO)、ペイメントカード発行処理を終了する。
【0047】
ステップS60において、第2のリアルカード、つまり本人確認が必要なリアルカードの新規発行を望む場合には(ステップS60:第2)、ペイメントカード発行装置1は、本人確認情報を登録する本人確認情報登録画面(図示せず)を利用者端末2に送信するので、利用者は、本人確認情報登録画面において本人確認情報をアップロードする(ステップS70)。ここで、本人確認情報とは、例えば、運転免許証、住民基本台帳カード、パスポート、マイナンバーカード、住民票などの本人を確認できる情報をいい、本人確認情報のアップロードとは、これら書類又はカードの電子データ(画像データ)をペイメントカード発行装置1に送信することをいう。
【0048】
ペイメントカード発行装置1は、本人確認情報を受信すると、第2のリアルカードを有効化するために必要な利用開始番号を後日送付する旨のメッセージが表示された利用開始番号入力画面(図示せず)を利用者端末2に送信する。ここで、利用開始番号の送付とは、例えば、利用開始番号が記された用紙を住所宛てに第2のリアルカードとともに郵送することをいい、メールアドレスを連絡先としている場合には、利用開始番号が記されたメールをメールアドレス宛に送信することをいう。なお、事業者が利用開始番号を送付するのは、本人確認情報に基づく審査の結果、第2のリアルカードの発行を認める場合である。第2のリアルカードの発行を認めない場合には、その旨のメッセージが記された用紙又はメールが送付される。
【0049】
このように、リアルカード付与要求は、具体的には、リアルカード付与要求を示す情報、第1のリアルカード又は第2のリアルカードのいずれのリアルカードの発行であるかを示すフラグ情報、住所、メールアドレスなどの連絡情報などで構成される。ペイメントカード発行装置1は、リアルカード付与要求を受信すると、事業者は、リアルカード番号が付された、利用者所望のリアルカードを発行し、発行したリアルカードを、利用開始番号とともに、連絡情報に基づいて利用者のもとに配送する。なお、利用開始番号の送付について、メールアドレスなどの別の手段であってもよい。
【0050】
一方、ステップS60において、第1のリアルカード、つまり本人確認が不要なリアルカードの新規発行を望む場合には(ステップS60:第1)、利用者は、リアルカードの配送先情報を入力する(ステップS80)。本実施の形態では、ペイメントカード発行装置1は、リアルカードの配送先情報を登録する配送先情報登録画面(図示せず)を利用者端末2に送信するので、利用者は、配送先情報登録画面において配送先情報をアップロードする。ここで、配送先情報のアップロードとは、利用者が配送先情報のテキストデータや音声データ等を入力したり、配送先情報が示された書類又はカードの電子データ(画像データ)をペイメントカード発行装置1に送信することをいう。
【0051】
後日、利用者が配送された第1のリアルカードを受け取った場合には、利用者端末2のユニーク番号入力画面(図示せず)において配送されたリアルカードのユニーク番号及びセキュリティコードを入力する(ステップS90)。また、後日、利用者が配送された第2のリアルカードを受け取った場合には、上記ユニーク番号及びセキュリティコードに加えて、利用開始番号入力画面(図示せず)において利用開始番号を入力する(ステップS90)。これにより、第1のリアルカードの場合には、ユニーク番号及びセキュリティコードを含む各種情報、第2のリアルカードの場合には、ユニーク番号、セキュリティコード、及び利用開始番号を含む各種情報がペイメントカード発行装置1に送信される。
【0052】
リアルカードの各種情報がペイメントカード発行装置1に送信されると、ペイメントカード発行装置1は、発送した情報と、送信されたリアルカードの各種情報に基づく情報の一致により、第1のリアルカード又は第2のリアルカードを有効化する(ステップS100)。
【0053】
ここで、ステップS100の第1のリアルカード又は第2のリアルカードの有効化とは、リアルカードを用いてペイメントカード発行システム10が提供するペイメントカード発行・利用サービスを利用できることを意味する。
【0054】
具体的には、ペイメントカード発行装置1は、有効化したリアルカードのリアルカード番号及びユニーク番号を利用者IDと対応付けて利用者情報101に登録し、有効化したリアルカードが利用できる旨のメッセージが表示されたリアルカード有効化完了画面(図示せず)を利用者端末に送信する。これにより、利用者は、有効化完了画面のメッセージから第1のリアルカード又は第2のリアルカードが有効化されたことを把握することができる。
【0055】
次に、ペイメントカード発行装置1は、ステップS40において発行されたバーチャルカードのバーチャルカード番号(外部ユニーク番号)を、有効化されたリアルカードのリアルカード番号(外部ユニーク番号)に更新する(ステップS110)。これは、本実施の形態のペイメントカード発行システムにおいて利用者がリアルカードとバーチャルカードの双方を所有する場合、カード番号は統一される趣旨による。ステップS110の工程が終了すると、ペイメントカード発行処理は終了する。
【0056】
これに対して、利用者がリアルカードを所有している場合(ステップS30:YES)、つまり、ペイメントカード発行装置1が「持っている」旨の選択情報を受信した場合には、ペイメントカード発行装置1は、利用者端末2にユニーク番号入力画面を送信するので、利用者は、利用者端末2に表示されたユニーク番号入力画面において所有しているリアルカードのユニーク番号及びセキュリティコードを入力する(ステップS120)。これにより、リアルカードのユニーク番号及びセキュリティコードを含むリアルカードの各種情報がペイメントカード発行装置1に送信されるので、ペイメントカード発行装置1は、リアルカードの各種情報に基づいて、現在所有しているリアルカードが第1のリアルカードであるか第2のリアルカードであるかを判断する(ステップS130)。
【0057】
利用者が所有しているリアルカードが第2のリアルカード、つまり本人確認が必要なリアルカードの場合には(ステップS130:第2)、ペイメントカード発行装置1は、本人確認情報を登録する本人確認情報登録画面(図示せず)を利用者端末2に送信するので、利用者は、本人確認情報登録画面において本人確認情報をアップロードする(ステップS140)。
【0058】
ペイメントカード発行装置1は、本人確認情報を受信すると、第2のリアルカードを有効化するために必要な利用開始番号を後日送付する旨のメッセージが表示された利用開始番号入力画面(図示せず)を利用者端末2に送信する。
【0059】
後日、利用者は送付された利用開始番号を受け取ると、利用者端末2の利用開始番号入力画面において発送された利用開始番号を入力する(ステップS150)。これにより、利用開始番号を含む各種情報がペイメントカード発行装置1に送信されるので、ペイメントカード発行装置1は、送付した情報と、送信されたリアルカードの各種情報に基づく情報の一致により、入力されたユニーク番号の第2のリアルカードを有効化する(ステップS160)。
【0060】
一方、利用者が所有しているリアルカードが第1のリアルカード、つまり本人確認が不要なリアルカードの場合には(ステップS130:第1)、ペイメントカード発行装置1は、入力されたユニーク番号の第1のリアルカードを有効化する(ステップS160)。
【0061】
ここで、ステップS160のリアルカードの有効化とは、リアルカードを用いて、ペイメントカード発行システム10が提供するペイメントカード発行・利用サービスを利用できることを意味する。つまり、利用者が所有しているリアルカードは、チャージされている場合、加盟店において既に商品又はサービスの購入に使用することはできるが、このリアルカードの有効化の工程を経ることによって、ペイメントカード発行システム10に認識され、オンラインにおいても決済が可能となる。
【0062】
具体的には、ペイメントカード発行装置1は、有効化したリアルカードのリアルカード番号及びユニーク番号を利用者IDと対応付けて利用者情報101に登録し、有効化したリアルカードが利用できる旨のメッセージが表示されたリアルカード有効化完了画面を利用者端末に送信する。これにより、利用者は、有効化完了画面のメッセージから所有しているリアルカードが有効化されたことを把握することができる。
【0063】
次に、ペイメントカード発行装置1は、バーチャルカードを発行する(ステップS170)。このように本実施の形態では、利用者がリアルカードを所有しており、所有しているリアルカードを有効化した場合には、同時にバーチャルカードも発行する。
【0064】
具体的には、ペイメントカード発行装置1は、新規発行するバーチャルカードのバーチャルカード番号及びユニーク番号を利用者IDと対応付けて利用者情報101に登録し、バーチャルカードが発行された旨のメッセージが表示されたバーチャルカード発行完了画面を利用者端末に送信する。これにより、利用者は、バーチャルカード発行完了画面のメッセージからバーチャルカードが発行されたことを把握することができる。
【0065】
なお、ステップS170において発行されるバーチャルカードのバーチャルカード番号(外部ユニーク番号)には、利用者が所有しているリアルカードのリアルカード番号(外部ユニーク番号)が設定される。本実施の形態のペイメントカード発行システムにおいて利用者がリアルカードとバーチャルカードの双方を所有する場合、カード番号は統一される趣旨による。ステップS170の工程が終了すると、ペイメントカード発行処理は終了する。
【0066】
以上のように、本実施の形態に係るペイメントカード発行システム10によれば、利用者がリアルカードを所有しているか否かの所有状況に応じて、ペイメントカード発行処理の流れが異なるように構成されている。詳しくは、(1)利用者が第1のリアルカードを所有している場合には、リアルカードのユニーク番号の入力だけで第1のリアルカードを有効化できるとともにバーチャルカードを新規に発行することができる。また、利用者が第2のリアルカードを所有している場合には、本人確認情報の審査の結果、発番される利用開始番号の入力があって第2のリアルカードを有効化できるとともにバーチャルカードを新規に発行することができる。また、(2-1)利用者がリアルカードを所有していない場合には、バーチャルカードを新規に発行するともにリアルカードが必要であるか否かを利用者に確認する。(2-2)リアルカードが必要でない場合には、バーチャルカードの発行だけで処理は終了する。(2-3)一方、リアルカードも必要である場合には、リアルカードを新規に発行する。
【0067】
ここで、(2-3-1)利用者の意思に基づく第1のリアルカードを新規発行する場合には、配送されたリアルカードのユニーク番号の入力だけでリアルカードを有効化できるのに対して、(2-3-2)第2のリアルカードを新規発行する場合には、本人確認情報の審査の結果、発番される利用開始番号の入力があってリアルカードを有効化することができる。
【0068】
このように本実施の形態に係るペイメントカード発行システム10は、利用者のリアルカードの所有状況に即した多様なペイメントカードの発行方法が可能なので、ペイメントカードの発行に際して利用者の利便性を向上させることができる。
【0069】
例えば、配布された第1のリアルカード及び利用者の意思に基づく第1のリアルカードに対しては、リアルカードのユニーク番号の入力だけでリアルカードが有効化されるので、簡単にペイメントカード発行・利用サービスの利益を享受することができる。また、第2のリアルカードに対しては、審査も加味して慎重に第2のリアルカードを発行するので、ペイメントカード発行・利用サービスの安全性を担保しつつペイメントカード発行・利用サービスの利益を享受することができる。
【0070】
また、実施の形態に係るペイメントカード発行システム10は、利用者がリアルカードとバーチャルカードの双方を所有する場合には、カード番号が統一されるので、利用者のペイメントカードの管理が煩雑になることを防止することができる。
【0071】
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、本発明の実施の形態に対して種々の変形や変更を施すことができ、そのような変形や変更を伴うものもまた、本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0072】
1 ペイメントカード発行装置
2 利用者端末
3 通信ネットワーク
10 ペイメントカード発行システム
11,21 記憶部
12,23 制御部
13,24 通信部
22 UI部
101 利用者情報
102 利用者登録部(利用者ID発行部)
103 カード所有状況判定部
104 バーチャルカード発行部
105 リアルカード発行部
106 カード番号更新部
図1
図2
図3
図4
図5