(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-16
(45)【発行日】2024-04-24
(54)【発明の名称】冷却庫の除霜制御装置
(51)【国際特許分類】
F25D 21/08 20060101AFI20240417BHJP
F25D 21/06 20060101ALI20240417BHJP
【FI】
F25D21/08 A
F25D21/06 J
F25D21/06 K
(21)【出願番号】P 2020092360
(22)【出願日】2020-05-27
【審査請求日】2022-12-23
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和2年2月4日~令和2年5月27日に福井県福井市等において販売
(73)【特許権者】
【識別番号】000239585
【氏名又は名称】フクシマガリレイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148138
【氏名又は名称】森本 聡
(72)【発明者】
【氏名】河戸 哲郎
(72)【発明者】
【氏名】高橋 昇悟
(72)【発明者】
【氏名】井上 光
【審査官】笹木 俊男
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-227377(JP,A)
【文献】特開2013-167383(JP,A)
【文献】特開2006-329551(JP,A)
【文献】特開2006-250495(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25D 1/00 ~ 31/00
F25B 47/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開口を有する断熱性の箱体(1)と、当該開口を開閉する断熱性の扉(2)とで囲まれる庫内(3)の空気を冷却するための冷凍サイクルと、
冷凍サイクルを構成する蒸発器(4)の除霜用の除霜ヒータ(5)と、
庫内(3)の温度を検出する庫内温度センサ(16)と、
蒸発器(4)の温度を検出する蒸発器温度センサ(17)と、
外気の温度を検出する外気温度センサ(18)と、
を備える冷却庫に設けられる除霜制御装置であって、
蒸発器(4)に対する着霜量を推定する着霜推定部(25)と、着霜推定部(25)で推定された着霜量に応じた除霜運転を実行する除霜実行部(27)とを備えており、
着霜推定部(25)は、
庫内温度センサ(16)で検出される庫内温度(DR)に基づく第1評価点と、
蒸発器温度センサ(17)で検出される蒸発器温度(DE)に基づく第2評価点と、
前回の除霜ヒータ(5)の通電時間(TH)に基づく第3評価点と、
外気温度センサ(18)で検出される外気温度(DA)に基づく第4評価点と、
を算出し、各評価点の総和に基づいて着霜量を推定
しており、
着霜推定部(25)は、庫内(3)の設定温度(D0)よりも高い開放検知温度(D1)を設定し、冷却運転中に庫内温度(DR)が開放検知温度(D1)を上回る時間の長さから扉(2)の総開放検知時間(T)を算出し、当該総開放検知時間(T)に基づいて第1評価点を算出し、
着霜推定部(25)は、冷凍サイクルを構成する圧縮機(11)の駆動中に蒸発器温度センサ(17)で検出された蒸発器温度(DE)を取得し、同温度(DE)を庫内(3)の設定温度(D0)と比較し、両温度(DE・D0)の差に基づいて第2評価点を算出し、
除霜実行部(27)は、除霜ヒータ(5)に通電して蒸発器(4)を加熱するヒータデフロストを実行する場合に、除霜ヒータ(5)の連続通電時間の上限値となる所定の上限時間を保持しており、着霜推定部(25)は、前回のヒータデフロストにおける除霜ヒータ(5)の通電時間(TH)を上限時間から引いた通電残時間に基づいて、第3評価点を算出し、
着霜推定部(25)は、外気温度(DA)が所定の通常温度帯の範囲内にあれば第4評価点を相対的に低く算出し、外気温度(DA)が通常温度帯を上回るまたは下回る場合は第4評価点を相対的に高く算出し、
第1~第3評価点の各評価点の配点は等しく設定されており、かつこれら第1~第3評価点の配点が、第4評価点の配点よりも高く設定されていることを特徴とする冷却庫の除霜制御装置。
【請求項2】
開放検知温度(D1)は、庫内(3)の設定温度(D0)に所定の温度帯別固定値を加えた温度であり、
温度帯別固定値は、設定温度(D0)が冷蔵温度のときは相対的に高く、設定温度(D0)が冷凍温度のときは相対的に低く設定される請求項1に記載の冷却庫の除霜制御装置。
【請求項3】
冷却庫の庫外の機械室(10)に、冷凍サイクルを構成する圧縮機(11)および凝縮器(12)と、両機器(11・12)の空冷用の冷却ファン(13)とが設置されており、
外気温度センサ(18)が、凝縮器(12)を通過する熱交換風の下流側に配置されて、凝縮器(12)の異常高温を検知するための警報センサを兼ねており、
着霜推定部(25)は、圧縮機(11)の停止中に外気温度センサ(18)で検出された外気温度(DA)に基づいて第4評価点を算出する請求項
1に記載の冷却庫の除霜制御装置
。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍庫や冷蔵庫などの冷却庫において、蒸発器の除霜制御を担う除霜制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
冷却庫の庫内を冷却する蒸発器には、庫内空気に含まれる水分が冷却されて凝固し、霜として付着することがある。この着霜を融かして除去する除霜方式としては、蒸発器への冷媒の供給を停止するオフサイクルデフロスト方式や、冷媒の供給停止に加えて蒸発器をヒータで加熱するヒータデフロスト方式などが知られている。後者方式は、前者方式に比べて除霜能力が高い反面、庫内温度の上昇を招きやすく消費電力が大きくなるという不利がある。従って、着霜量が比較的少ない場合はオフサイクルデフロストを実行し、この方式では除霜しきれないほど着霜量が多い場合に限り、ヒータデフロストを実行することが好ましいと言える。
【0003】
着霜量に応じて除霜方式を使い分ける試みは従来から種々行われており、例えば特許文献1では、蒸発器の一部に除霜負荷検出手段を配置し、同手段で検出される負荷すなわち着霜量が少ない場合にはオフサイクルデフロストを実行し、逆に着霜量が多い場合にはヒータデフロストを実行している。また特許文献2では、庫内温度センサで検出される庫内温度に着目し、庫内温度が高い場合にはオフサイクルデフロストを実行し、逆に庫内温度が低い場合にはヒータデフロストまたはホットガスデフロストを実行している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開平8-285440号公報
【文献】実開昭51-81455号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献2の除霜制御のように、冷却庫が通常備える庫内温度センサの検出値に基づいて、複数の除霜方式を使い分けるようにすると、特許文献1のように専用の検出手段で着霜量を検出する場合に比べて、その制御の導入に係るコストを抑えることができる。しかし、特許文献2の除霜制御は、庫内温度のみを入力としている点で改善の余地がある。一般に冷却庫は、庫内温度センサの他にも複数の温度センサを備えており、これらセンサの検出値にも、蒸発器が着霜しやすい環境に置かれていることや、着霜それ自体の兆候が表れる。本発明者は、これらのセンサも活用すれば、より高い精度で着霜量を推定し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明は、蒸発器に対する着霜量を高い精度で推定可能でしかも低コストで導入し得る冷却庫の除霜制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、開口を有する断熱性の箱体1と、当該開口を開閉する断熱性の扉2とで囲まれる庫内3の空気を冷却するための冷凍サイクルと、冷凍サイクルを構成する蒸発器4の除霜用の除霜ヒータ5と、庫内3の温度を検出する庫内温度センサ16と、蒸発器4の温度を検出する蒸発器温度センサ17と、外気の温度を検出する外気温度センサ18とを備える冷却庫に設けられる除霜制御装置を対象とする。除霜制御装置は、蒸発器4に対する着霜量を推定する着霜推定部25と、着霜推定部25で推定された着霜量に応じた除霜運転を実行する除霜実行部27とを備える。着霜推定部25は、庫内温度センサ16で検出される庫内温度DRに基づく第1評価点と、蒸発器温度センサ17で検出される蒸発器温度DEに基づく第2評価点と、前回の除霜ヒータ5の通電時間THに基づく第3評価点と、外気温度センサ18で検出される外気温度DAに基づく第4評価点とを算出し、各評価点の総和に基づいて着霜量を推定する。着霜推定部25は、庫内3の設定温度D0よりも高い開放検知温度D1を設定し、冷却運転中に庫内温度DRが開放検知温度D1を上回る時間の長さから扉2の総開放検知時間Tを算出し、当該総開放検知時間Tに基づいて第1評価点を算出する。着霜推定部25は、冷凍サイクルを構成する圧縮機11の駆動中に蒸発器温度センサ17で検出された蒸発器温度DEを取得し、同温度DEを庫内3の設定温度D0と比較し、両温度DE・D0の差に基づいて第2評価点を算出する。除霜実行部27は、除霜ヒータ5に通電して蒸発器4を加熱するヒータデフロストを実行する場合に、除霜ヒータ5の連続通電時間の上限値となる所定の上限時間を保持しており、着霜推定部25は、前回のヒータデフロストにおける除霜ヒータ5の通電時間THを上限時間から引いた通電残時間に基づいて、第3評価点を算出する。着霜推定部25は、外気温度DAが所定の通常温度帯の範囲内にあれば第4評価点を相対的に低く算出し、外気温度DAが通常温度帯を上回るまたは下回る場合は第4評価点を相対的に高く算出する。第1~第3評価点の各評価点の配点は等しく設定されており、かつこれら第1~第3評価点の配点が、第4評価点の配点よりも高く設定されている。
【0009】
開放検知温度D1は、庫内3の設定温度D0に所定の温度帯別固定値を加えた温度であり、温度帯別固定値は、設定温度D0が冷蔵温度のときは相対的に高く、設定温度D0が冷凍温度のときは相対的に低く設定される。
【0013】
冷却庫の庫外の機械室10に、冷凍サイクルを構成する圧縮機11および凝縮器12と、両機器11・12の空冷用の冷却ファン13とが設置されている。外気温度センサ18が、凝縮器12を通過する熱交換風の下流側に配置されて、凝縮器12の異常高温を検知するための警報センサを兼ねている。着霜推定部25は、圧縮機11の停止中に外気温度センサ18で検出された外気温度DAに基づいて第4評価点を算出する。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る冷却庫の除霜制御装置は、庫内温度センサ16で検出される庫内温度DRに基づく第1評価点と、蒸発器温度センサ17で検出される蒸発器温度DEに基づく第2評価点と、前回の除霜ヒータ5の通電時間THに基づく第3評価点と、外気温度センサ18で検出される外気温度DAに基づく第4評価点とを算出し、各評価点の総和に基づいて着霜量を推定する。つまり、庫内温度DRと蒸発器温度DEと通電時間THと外気温度DAの4つの入力値に基づいて、蒸発器4に対する着霜量を推定するようにした。これによれば、庫内温度のみを入力値とする従来の制御方法に比べて、着霜量を高い精度で推定することができる。また、本発明で利用する庫内温度センサ16、蒸発器温度センサ17および外気温度センサ18と、除霜ヒータ5の通電時間THを計測する手段は、通常の冷却庫に備わっているものであるから、本発明の導入にあたって専用のセンサなどを追加する必要はない。つまり、本発明に係る除霜制御装置は、低コストで導入し得るという利点も兼ね備えるものである。
【0016】
ここで、各評価点の意義について説明する。まず、着霜が増える要因の1つは、扉2の開放による庫内3への外気の侵入であり、第1評価点を決める庫内温度DRによれば、扉2の開放を検知することができる。扉2が開放されると、庫内空気よりも高温の外気が庫内3に侵入し、庫内温度DRが庫内3の設定温度D0を大きく上回るから、それに基づいて扉2の開放状況(開放の時間や回数)を判断することができる。庫内温度DRに基づいて扉2の開放を検知すると、専用のドアスイッチを不要としてコストを削減できる。
【0017】
次に、第2評価点を決める蒸発器温度DEによれば、その時点での実際の着霜量を推定することができる。着霜量が増えると蒸発器温度DEは低下する傾向があるから、蒸発器温度DEは実際の着霜量を推定するうえで有用である。蒸発器温度DEに基づいて着霜量を推定すると、着霜を物理的に検知する専用のセンサを不要としてコストを削減できる。また、第3評価点を決める前回の除霜ヒータ5の通電時間THによれば、前回のヒータデフロストの際の着霜量を推定することができ、この推定した着霜量に基づいて、冷却庫が置かれている環境(着霜のしやすさ)を判断することができる。同様に、第4評価点を決める外気温度DAによっても、冷却庫の設置環境を判断することができる。
【0018】
蒸発器4の着霜量は、扉2の開放による庫内3への外気の侵入量との関係性が強く、外気の侵入量は、扉2の開放回数よりも開放時間との関係性が強い。本発明では、庫内3の設定温度D0よりも高い開放検知温度D1を設定し、冷却運転中に庫内温度DRが開放検知温度D1を上回る時間の長さを測るようにしており、この時間は実際の扉2の開放時間に近い長さとなる。従って、庫内温度DRが開放検知温度D1を上回る時間の長さに基づいて第1評価点を算出すると、第1評価点に対して扉2の開放時間すなわち外気の侵入量を正確に反映させることができ、結果として蒸発器4の着霜量を正確に推定することができる。
【0019】
庫内3の設定温度D0に所定の温度帯別固定値を加えて開放検知温度D1とすることができる。温度帯別固定値は、設定温度D0が冷蔵温度のときは相対的に高く、設定温度D0が冷凍温度のときは相対的に低く設定される値である。冷蔵庫においては、冷却運転中の冷凍サイクル(圧縮機11)のオフ時間の割合が、冷凍庫に比べて大きくなる傾向があり、このオフ時間に蒸発器4の着霜の一部が融けると考えられる。従って、設定温度D0が冷蔵温度のときは、温度帯別固定値を高く設定して開放検知温度D1を上昇させ、庫内温度DRが開放検知温度D1を上回る時間が短くなるように、すなわち第1評価点が低くなるようにすることが望ましい。一方、冷凍庫においては、冷却運転中に冷凍サイクルが常時駆動することも多く、冷却運転中の着霜の融解はあまり期待できない。従って、設定温度D0が冷凍温度のときは、温度帯別固定値を低く設定して開放検知温度D1を下降させ、庫内温度DRが開放検知温度D1を上回る時間が長くなるように、すなわち第1評価点が高くなるようにすることが望ましい。以上のように設定される温度帯別固定値および開放検知温度D1によれば、冷蔵庫と冷凍庫のそれぞれにおいて、第1評価点の価値をより高めることができる。
【0020】
蒸発器4の着霜量が増えるほど、蒸発器温度DEは低下して設定温度D0との温度差が大きくなるから、この温度差に基づいて第2評価点を算出すると、第2評価点に対して蒸発器4の着霜量を正確に反映させて、着霜推定部25の推定結果の正確性を高めることができる。また、圧縮機11の駆動中と停止中とでは、検出される蒸発器温度DEに大きな差が生じるから、圧縮機11の駆動中の蒸発器温度DEのみを第2評価点の算出に用いることにより、第2評価点の信頼性を高めることができる。加えて、基本的に固定値である設定温度D0を比較対象に設定すると、蒸発器温度DEに対応する温度差の値が一意に定まるから、当該温度差の信頼性ひいては第2評価点の信頼性がさらに向上する。なお、設定温度D0に代えて庫内温度DRを比較対象にした場合は、扉2の開放などにより庫内温度DRが急上昇し、蒸発器温度DEとの温度差が大きくなり過ぎて、結果として第2評価点が不適切な値になるという不都合が生じるおそれがある。庫内温度センサ16に断線等の故障が生じた場合に第2評価点が算出不能になるという不利もある。
【0021】
前回のヒータデフロストにおける除霜ヒータ5の通電時間THを上限時間から引いた通電残時間に基づいて、第3評価点を算出することができる。この通電残時間は、前回のヒータデフロストが時間的に余裕を持って終了したか否かを示すものであり、以前の蒸発器4の着霜量を適切に表す指標であるから、これに基づいて第3評価点を算出することにより、冷却庫が置かれている環境(着霜のしやすさ)を第3評価点に反映させて、第3評価点の価値を高めることができる。
【0022】
外気温度DAが通常温度帯(例えば20~35℃)の範囲内にあれば第4評価点を相対的に低く算出し、外気温度DAが通常温度帯を上回るまたは下回る場合は第4評価点を相対的に高く算出することができる。外気温度DAが通常温度帯を上回る高温環境で第4評価点を高く算出するのは、高温の外気は絶対湿度も高いことが多く、このような外気が庫内3に侵入すると蒸発器4の着霜が進行しやすいからである。また、外気温度DAが通常温度帯を下回る低温環境で第4評価点を高く設定するのは、低温環境では先述の第1評価点が過少に算出されることがあり、その不足分を第4評価点で補うためである。詳しく説明すると、扉2が開放されて庫内3に外気が侵入しても、当該外気が低温であれば、庫内温度DRが開放検知温度D1まで上昇するのに時間がかかる。その結果、総開放検知時間T(庫内温度DRが開放検知温度D1を上回る時間の合計)が実際の扉2の開放時間から大きくかけ離れて短くなり、総開放検知時間Tに基づく第1評価点が過少に算出されてしまい、各評価点の総和に基づく着霜量の推定結果も実際の着霜量より少なくなってしまう。そこで本発明では、外気の低温時に第4評価点を高く設定することにより、第1評価点が低くなった分を補って、着霜量の推定結果を実際の着霜量に近付けるようにしている。
【0023】
外気温度センサ18が凝縮器12の異常高温を検知するための警報センサを兼ねるようにすると、2つのセンサを個別に設ける場合に比べて、冷却庫の製造コストを削減することができる。また、圧縮機11の停止中に外気温度センサ18で検出された外気温度DAに基づいて第4評価点を算出するから、圧縮機11の駆動中は避けられない凝縮器12からの放熱の影響を排除することができる。
【0024】
第1評価点、第2評価点および第3評価点の配点を、第4評価点の配点よりも高く設定する重み付けを行うことができる。これは、本発明者の知見として、第1評価点から第3評価点を決める庫内温度DR、蒸発器温度DEおよび除霜ヒータ5の通電時間THが、第4評価点を決める外気温度DAに比べて、着霜量の推定において重要視すべきだからである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本発明の実施例に係る除霜制御装置を備える冷却庫の制御系のブロック図である。
【
図2】同冷却庫の要部の概略構成を示す縦断面図である。
【
図3】各機器の駆動状態と庫内温度との関係を示すタイミングチャートである。
【
図4】扉の総開放検知時間の算出方法を説明するための庫内温度のグラフである。
【
図5】本発明の変形例を示す
図3に相当するタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(実施例) 本発明に係る冷却庫の除霜制御装置の実施例を
図1ないし
図4に示す。
図2において冷却庫は、正面に開口を有する直方体状に形成された断熱性の箱体1と、その開口を開閉する断熱性の扉2とを備えており、箱体1と扉2で囲まれる庫内3の上部には、庫内3の空気を冷却する蒸発器4と、蒸発器4の除霜用の除霜ヒータ5と、庫内3の空気を循環させる庫内ファン6とが設けられている。
【0027】
蒸発器4は、庫外の機械室10に設置された圧縮機11および凝縮器12とともに冷凍サイクルを構成する。圧縮機11が駆動することにより、凝縮器12と不図示の膨張弁を経て冷却された低温低圧の冷媒液が蒸発器4に供給される。また庫内ファン6が駆動することにより、蒸発器4で熱交換(冷却)された空気が庫内3を循環し、庫内3の全体が冷却される。符号13は、圧縮機11と凝縮器12の空冷用の冷却ファンである。
【0028】
冷却庫は複数の温度センサを備えており、庫内ファン6と蒸発器4の間には、庫内3の温度(蒸発器4を通過して冷却される前の空気の温度)を検出する庫内温度センサ16が配置されている。また蒸発器4には、その表面の温度を検出する蒸発器温度センサ17が設けられている。さらに機械室10には、外気の温度を検出する外気温度センサ18が設けられている。なお、本実施例に係る外気温度センサ18は、凝縮器フィルタの目詰まり等による凝縮器12の異常高温を検知するための警報センサを兼ねており、凝縮器12の後方すなわち凝縮器12を通過する熱交換風の下流側に配置されている。圧縮機11の駆動中は凝縮器12からの放熱の影響を受けるため、外気温度DAの計測は圧縮機11の停止中に行われる。
【0029】
図1に示すように冷却庫の制御系は、庫内3の冷却運転を制御する冷却制御部21と、蒸発器4の除霜運転を制御する除霜制御部(除霜制御装置)22とを含み、両制御部21・22により冷却運転と除霜運転が交互に実行される。
図3のタイミングチャートに示すように、冷却制御部21による冷却運転中は、圧縮機11と庫内ファン6がオンオフ制御されて、庫内温度DRが設定温度D0を中心とする(D0±α)℃の設定温度帯の範囲内に維持される。具体的には、庫内温度DRが設定温度帯の下閾値すなわち(D0-α)℃まで低下すると、冷却制御部21は圧縮機11と庫内ファン6を停止させて庫内3の冷却を中止し、その後、庫内温度DRが設定温度帯の上閾値すなわち(D0+α)℃まで上昇すると、冷却制御部21は圧縮機11および庫内ファン6を起動させて庫内3の冷却を再開する。なお冷却ファン13は、圧縮機11に連動してオンオフ制御される。次に説明する除霜運転中も同様である。
【0030】
予め設定された除霜開始時刻になると、冷却制御部21は冷却運転を終了し、代わって除霜制御部22が除霜運転を開始する。除霜制御部22は、蒸発器4の着霜量を推定する着霜推定部25と、その推定に必要な各種の運転データを記憶する記憶部26と、推定結果に応じてオフサイクルデフロストまたはヒータデフロストを実行する除霜実行部27とを備える。除霜実行部27は、着霜推定部25で推定された着霜量が比較的少ない場合は、庫内温度DRの上昇を抑制可能なオフサイクルデフロストを行い、着霜量が比較的多い場合は、除霜能力が高いヒータデフロストを行う。なお以下では、オフサイクルデフロストとヒータデフロストについて先に説明し、次いで着霜推定部25が着霜量を推定する手法について説明する。
【0031】
オフサイクルデフロストは、圧縮機11の停止中に庫内ファン6を駆動させて、蒸発器4の着霜を徐々に融解させる除霜方式である。除霜ヒータ5には通電しないことから、
図3のタイミングチャートに示すように、庫内温度DRは比較的緩やかに上昇する。オフサイクルデフロストの開始からの経過時間が所定時間に達すると、除霜実行部27はこれを終了し、代わって冷却制御部21が冷却運転を再開する。オフサイクルデフロストは、着霜の完全な除去ではなく、その減容が主な目的となる。なお、オフサイクルデフロストで庫内ファン6を駆動させることは必須ではないが、除霜の促進の観点からは庫内ファン6を駆動させることが望ましい。
【0032】
ヒータデフロストは、除霜ヒータ5に通電して蒸発器4を加熱することにより、蒸発器4の着霜を確りと融解させる除霜方式である。ヒータデフロストを行うことにより、殆どの場合、蒸発器4の全ての着霜を融かして除去することができる。蒸発器温度センサ17で検出される蒸発器温度DEが、霜の融点よりも高い所定の除霜終了温度(例えば10℃)に達すると、除霜実行部27は蒸発器4の着霜が全て融解したとみなして、除霜ヒータ5への通電を終了する。ただし、除霜ヒータ5の連続通電時間には、安全面への配慮などから所定の上限時間(例えば30分)が設定されており、通電を始めてからの経過時間が上限時間に達した場合は、蒸発器温度DEが除霜終了温度まで上昇していなくても、その時点で除霜ヒータ5への通電を終了する。除霜ヒータ5への通電が終了し、さらに数分間の水切り時間が経過すると、ヒータデフロストは終了となり、その直後に冷却運転が再開される。なお本実施例では、水切り時間もヒータデフロストの一部と規定する。
【0033】
次に、着霜推定部25による着霜量の推定について説明する。着霜推定部25に参照される記憶部26には、庫内温度センサ16で検出された庫内温度DRを記憶する庫内温度記憶領域31と、蒸発器温度センサ17で検出された蒸発器温度DEを記憶する蒸発器温度記憶領域32と、除霜ヒータ5の通電時間THを記憶する通電時間記憶領域33と、外気温度センサ18で検出された外気温度DAを記憶する外気温度記憶領域34とが設けられている。着霜推定部25は、除霜開始時刻になると、庫内温度記憶領域31に記憶された庫内温度DRに基づく第1評価点と、蒸発器温度記憶領域32に記憶された蒸発器温度DEに基づく第2評価点と、通電時間記憶領域33に記憶された通電時間THに基づく第3評価点と、外気温度記憶領域34に記憶された外気温度DAに基づく第4評価点とを算出し、各評価点の総和が大きいほど着霜量が多いと推定する。本実施例では、各評価点の総和に応じて着霜量を「少」「並」「多」の3段階で評価するようにした。
【0034】
(評価項目1:庫内温度)
図4に例示するように庫内温度記憶領域31には、前回の除霜運転が終了して冷却運転が再開された時点t1から、除霜開始時刻になり冷却運転が終了した時点t2までの庫内温度DRの履歴が記憶されている。着霜推定部25は、扉2が開放されたことを示す指標となる開放検知温度D1(開放検知温度D1>設定温度D0)を保持しており、庫内温度DRが開放検知温度D1を超えたとき、その原因は扉2が開放されて相対的に高温の外気が庫内3に侵入したことであると判断する。
【0035】
着霜推定部25は、庫内温度DRが開放検知温度D1を上回る時間の合計を、扉2が開放中とみなされる時間の合計すなわち総開放検知時間Tとして算出する。ただし、除霜運転が終了した時点t1の直後は、庫内温度DRが開放検知温度D1を超えていても、これは除霜運転の影響によるものであるから除外され、庫内温度DRが開放検知温度D1まで低下した時点t3が、庫内温度DRと開放検知温度D1の比較(扉2の開放の検知)の開始時点となる。
図4の例では、時点t3以降で最初に開放検知温度D1を超えている第1の開放検知時間T1と、その次に開放検知温度D1を超えている第2の開放検知時間T2の和が、総開放検知時間Tとなる(T=T1+T2)。
【0036】
総開放検知時間Tを算出した着霜推定部25は、同時間Tに基づいて第1評価点を算出する。総開放検知時間Tが長いほど、外気の侵入量が多く蒸発器4への着霜が増えやすくなるため、第1評価点は高く算出される。本実施例では第1評価点を「0」~「2」の間とし、総開放検知時間Tが60秒未満のときの第1評価点を「0」、60秒以上120秒未満のときの第1評価点を「1」、120秒以上のときの第1評価点を「2」と算出するようにした。
【0037】
開放検知温度D1は、設定温度D0に所定の温度帯別固定値を加えた温度である。温度帯別固定値は設定温度D0に応じて設定される値であり、同温度D0が冷蔵温度のときは相対的に高く、同温度D0が冷凍温度のときは相対的に低く設定される。温度帯別固定値を高く設定すると、開放検知温度D1が上昇して総開放検知時間Tが短くなることから、第1評価点は低く算出されて、着霜量の推定結果が「少」に近付くことになる。逆に、温度帯別固定値を低く設定すると、開放検知温度D1が下降して総開放検知時間Tが長くなることから、第1評価点は高く算出されて、着霜量の推定結果が「多」に近付くことになる。
【0038】
冷蔵庫においては、冷却運転中における圧縮機11のオフ時間の割合が、冷凍庫に比べて大きくなる傾向があり、このオフ時間に蒸発器4の着霜の一部が融けると考えられる。従って、設定温度D0が冷蔵温度のときは、温度帯別固定値を高く設定して(例えば4℃)、第1評価点が低くなるようにすることが望ましい。一方、冷凍庫においては、冷却運転中に圧縮機11が常時駆動することも多く、冷却運転中の着霜の融解はあまり期待できない。従って、設定温度D0が冷凍温度のときは、温度帯別固定値を低く設定して(例えば1℃)、第1評価点が高くなるようにすることが望ましい。
【0039】
(評価項目2:蒸発器温度)
蒸発器温度記憶領域32には、蒸発器4への冷媒液の供給中すなわち圧縮機11の駆動中における蒸発器温度DEが記憶されている。先述の庫内温度記憶領域31には庫内温度DRの履歴が記憶されるのに対し、蒸発器温度記憶領域32には最新の蒸発器温度DEのみが上書き記憶される。着霜推定部25は、除霜開始時刻になると、その時点で蒸発器温度記憶領域32に記憶されている蒸発器温度DEを読み出し、庫内3の設定温度D0と比較する。そして、設定温度D0と蒸発器温度DEの温度差が大きいほど、着霜の影響で蒸発器温度DEが低い、すなわち蒸発器4の着霜量が多いとみなして、第2評価点を高く算出する。本実施例では第2評価点を「0」~「2」の間とし、当該温度差が5℃未満のときの第2評価点を「0」、5℃以上8℃未満のときの第2評価点を「1」、8℃以上のときの第2評価点を「2」と算出するようにした。
【0040】
上述のように、蒸発器温度記憶領域32には圧縮機11の駆動中の蒸発器温度DEのみが記憶され、圧縮機11の停止中の蒸発器温度DEは記憶されない。従って、除霜開始時刻の時点で圧縮機11が駆動中であった場合は、その時点の蒸発器温度DEが第2評価点の算出に用いられるが、逆に圧縮機11が停止中であった場合は、除霜開始時刻の時点の蒸発器温度DEではなく、圧縮機11が停止する直前に検出された蒸発器温度DEが第2評価点の算出に用いられることになる。このような手法を採るのは、圧縮機11の駆動中と停止中とでは、検出される蒸発器温度DEに大きな差が生じるからである。すなわち、圧縮機11の停止中は蒸発器4へ低温の冷媒液が供給されないことから、圧縮機11の駆動中に比べて蒸発器温度DEが高くなりやすい。圧縮機11の駆動中の蒸発器温度DEのみを第2評価点の算出に用いることにより、第2評価点の信頼性を高めることができる。
【0041】
(評価項目3:ヒータ通電時間)
通電時間記憶領域33には、前回のヒータデフロストの際の除霜ヒータ5の通電時間THが記憶されている。着霜推定部25は、除霜開始時刻になると、通電時間記憶領域33に記憶されている通電時間THを読み出し、この通電時間THを上限時間(30分)から引いた通電残時間を算出する。この通電残時間が短いほど、前回のヒータデフロストの際の着霜量が多かった、つまり、蒸発器4が着霜しやすい環境にあるとみなして、第3評価点を高く算出する。本実施例では第3評価点を「0」~「2」の間とし、通電残時間が14分を超えるときの第3評価点を「0」、10分以上14分以下のときの第3評価点を「1」、10分未満のときの第3評価点を「2」と算出するようにした。
【0042】
なお、通電時間記憶領域33に記憶される除霜ヒータ5の通電時間THは、除霜運転としてヒータデフロストが行われた場合に限り更新される。オフサイクルデフロストが行われた場合には通電時間THは更新されず、通電時間記憶領域33に記憶されている値がそのまま保持される。
【0043】
(評価項目4:外気温度)
外気温度記憶領域34には、圧縮機11の停止中における外気温度DAが記憶されている。先述の蒸発器温度記憶領域32に記憶される蒸発器温度DEと同様に、外気温度記憶領域34にも最新の外気温度DAのみが上書き記憶される。着霜推定部25は、除霜開始時刻になると、その時点で外気温度記憶領域34に記憶されている外気温度DAを読み出し、同温度DAが通常温度帯(本実施例では20~35℃)の範囲内にあれば、蒸発器4が着霜し難い環境にあるとみなして、第4評価点を低く算出する。本実施例では第4評価点を「0」または「1」とし、外気温度DAが通常温度帯の範囲内のときの第4評価点を「0」、同範囲外のときの第4評価点を「1」と算出するようにした。
【0044】
外気温度DAが通常温度帯の上閾値(35℃)を上回る高温環境で第4評価点を高く設定するのは、高温の外気は絶対湿度も高いことが多く、このような外気が庫内3に侵入すると蒸発器4の着霜が進行しやすいからである。また、外気温度DAが通常温度帯の下閾値(20℃)を下回る低温環境で第4評価点を高く設定するのは、低温環境では先述の第1評価点が過少に算出されることがあり、その不足分を第4評価点で補うためである。詳しく説明すると、扉2が開放されて庫内3に外気が侵入しても、当該外気が低温であれば、庫内温度DRが開放検知温度D1まで上昇するのに時間がかかる。その結果、総開放検知時間Tが実際の扉2の開放時間から大きくかけ離れて短くなり、総開放検知時間Tに基づく第1評価点が過少に算出されてしまい、各評価点の総和に基づく着霜量の推定結果も実際の着霜量より少なくなってしまう。そこで本実施例では、外気の低温時に第4評価点を高く設定することにより、第1評価点が低くなった分を補って、着霜量の推定結果を実際の着霜量に近付けるようにしている。
【0045】
また本実施例では、先述の第1評価点から第3評価点を「0」~「2」に設定したのに対し、第4評価点を「0」または「1」に設定した。つまり、第1評価点から第3評価点の配点を、第4評価点の配点の2倍とする重み付けを行った。これは、本発明者の知見として、第1評価点から第3評価点を決める庫内温度DR、蒸発器温度DEおよび除霜ヒータ5の通電時間THが、第4評価点を決める外気温度DAに比べて、着霜量の推定において重要視すべきだからである。
【0046】
第1評価点から第4評価点までの算出が完了すると、着霜推定部25は各評価点の総和に基づいて、記憶部26に記憶されている対応テーブル36を参照して、蒸発器4の着霜量を推定する。対応テーブル36は、各評価点の総和と着霜量との対応関係を予め定義したものであり、詳しくは、各評価点の総和がとり得る最小値と最大値の間に1個または複数個の境界値を設定し、該総和がとり得る値を該境界値で複数の領域に分割し、領域毎の着霜量を定義したものである。本実施例では、最小値すなわち「0」と最大値すなわち「7」の間に、境界値として「2」と「5」の2個を設定し、各評価点の総和が第1の領域(0以上2未満)に属するときの着霜量を「少」、該総和が第2の領域(2以上5未満)に属するときの着霜量を「並」、該総和が第3の領域(5以上7以下)に属するときの着霜量を「多」と定義した。着霜推定部25による着霜量の推定結果は除霜実行部27へ出力され、それを受け取った除霜実行部27は、着霜量が「少」であればオフサイクルデフロストを行い、着霜量が「並」または「多」であればヒータデフロストを行う。オフサイクルデフロストとヒータデフロストの具体的な動作は先に説明したとおりである。なお、着霜量が「並」のときと「多」のときのヒータデフロストの内容は全く同一であってもよいが、「多」のときの方が除霜能力が高くなるように差をつけることもできる。具体的には、着霜量が「多」のときは「並」のときに比べて除霜ヒータ5の出力を高くする方法や、除霜終了温度を高く設定する方法などを挙げることができる。
【0047】
以上のように、本実施例に係る冷却庫の除霜制御部22は、庫内温度センサ16で検出される庫内温度DRに基づく第1評価点と、蒸発器温度センサ17で検出される蒸発器温度DEに基づく第2評価点と、前回の除霜ヒータ5の通電時間THに基づく第3評価点と、外気温度センサ18で検出される外気温度DAに基づく第4評価点とを算出し、各評価点の総和に基づいて着霜量を推定する。つまり、庫内温度DRと蒸発器温度DEと通電時間THと外気温度DAの4つの入力値に基づいて、蒸発器4に対する着霜量を推定するようにした。これによれば、庫内温度のみを入力値とする従来の制御方法に比べて、着霜量を高い精度で推定することができる。また、本実施例の除霜制御部22が利用する庫内温度センサ16、蒸発器温度センサ17および外気温度センサ18と、除霜ヒータ5の通電時間THを計測する手段は、通常の冷却庫に備わっているものであるから、除霜制御部22の導入にあたって専用のセンサなどを追加する必要はない。つまり、本実施例の除霜制御部22は、低コストで導入し得るという利点も兼ね備えるものである。
【0048】
(変形例) 本発明に係る冷却庫の除霜制御装置の実施例2を
図5のタイミングチャートに示す。本実施例は、庫内温度DRが設定温度帯の下閾値すなわち(D0-α)℃まで低下すると、冷却運転から除霜運転に移行する点が、先の実施例と異なる。加えて、除霜運転としてオフサイクルデフロストが行われる場合に、庫内温度DRが設定温度帯の上閾値すなわち(D0+α)℃まで上昇した時点で、オフサイクルデフロストが終了となり冷却運転が再開される点が、先の実施例と異なる。他は先の実施例と同じであるので、その説明を省略する。
【0049】
上記の実施例では、推定される着霜量が比較的少ないときにオフサイクルデフロストを行い、着霜量が比較的多いときにヒータデフロストを行うようにしたが、本発明はこれに限られない。例えば、オフサイクルデフロストでは霜が融け難い冷凍庫においては、着霜量にかかわらず常にヒータデフロストを行うことができる。この場合は、着霜量に応じて除霜ヒータ5の出力や除霜終了温度などを変化させて、除霜能力に差をつけることが望ましい。また、着霜量の推定結果は「少」「並」「多」の3段階である必要はなく、2段階あるいは4段階以上であってもよい。
【符号の説明】
【0050】
3 庫内
4 蒸発器
5 除霜ヒータ
10 機械室
11 圧縮機
12 凝縮器
13 冷却ファン
16 庫内温度センサ
17 蒸発器温度センサ
18 外気温度センサ
22 除霜制御装置(除霜制御部)
25 着霜推定部
27 除霜実行部